複数の化学物質メッキシステム
本発明の実施形態は、一般に、電気化学的メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、メインフレーム処理プラットホームに連通して位置された基板ロードステーションと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板メッキセルと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板ベベル洗浄セルと、メインフレーム及びロードステーションの少なくとも一方に連通して位置されたスタック型基板アニールステーションとを備え、このスタック型基板アニールステーション内の各チャンバーは、加熱プレートと、冷却プレートと、基板移送ロボットとを有している。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、電気化学的メッキシステムに係る。
【0002】
関連技術の説明
[0002]サブクォータミクロンサイズの特徴部を金属化することは、集積回路製造プロセスの現在及び将来の世代に対する基本的な技術である。より詳細には、超大規模集積型デバイスのようなデバイス、即ち100万個を越えるロジックゲートを伴う集積回路を有するデバイスでは、これらデバイスの中心に存在する多レベル相互接続部が、一般に、高アスペクト比、即ち約4:1より大きなアスペクト比の相互接続特徴部に、銅のような導電性材料を充填することにより形成される。従来、化学気相堆積(CVD)及び物理気相堆積(PVD)のような堆積技術を使用して、これらの相互接続特徴部を充填している。しかしながら、相互接続部のサイズが減少し、且つアスペクト比が増加するにつれて、従来の金属化技術によるボイドなし相互接続特徴部の充填が益々困難になってきた。それ故、集積回路製造プロセスにおいてサブクォータミクロンサイズの高アスペクト比の相互接続特徴部をボイドなし充填するための有望なプロセスとして、メッキ技術、即ち電気化学的メッキ(ECP)及び無電気メッキが出現した。
【0003】
[0003]例えば、ECPプロセスにおいて、基板(又はそこに堆積される層)の表面へと形成されるサブクォータミクロンサイズの高アスペクト比の特徴部に、導電性材料を効率的に充填することができる。ECPメッキプロセスは、一般に、2段階プロセスであり、先ず初めに、基板の表面特徴部上にシード層が形成され(一般的に個別のツールにおけるPVD、CVD、又は他の堆積プロセスにより)、次いで、基板の表面特徴部が電解溶液に露出され(ECPツールにおいて)、その間に、電解溶液中に位置する銅のアノードとシード層との間に電気的バイアスが印加される。電解溶液は、一般に、基板の表面にメッキされるべきイオンを含み、それ故、電気的バイアスを印加すると、これらのイオンが、バイアスされたシード層にメッキされ、従って、基板の表面にイオンの層が堆積して特徴部を充填することができる。
【0004】
[0004]メッキプロセスが完了すると、基板は、一般に、基板すすぎセル又はベベル洗浄セルの少なくとも1つへ移送される。ベベル縁洗浄セルは、一般に、基板の周囲又はベベルにエッチング剤をディスペンスして、そこにメッキされた望ましからぬ金属を除去するように構成される。スピンすすぎ乾燥セルともしばしば称される基板すすぎセルは、一般に、基板の面(前面及び背面の両方)をすすぎ溶液ですすいで、そこから汚染物を除去するように動作する。更に、これらすすぎセルは、基板を高い速度でスピンさせて、基板面に付着する残留流体小滴をスピン除去させるようにしばしば構成される。残留流体小滴がスピン除去されると、基板は、一般に、綺麗で且つ乾燥状態となり、それ故、ECPツールから移送する準備ができる。ベベル洗浄セルは、一般に、基板が流体ディスペンスノズルの下で回転されている間にエッチング剤溶液をベベルにディスペンスすることにより基板のベベルを洗浄するように動作する。エッチング剤溶液は、メッキプロセス中に発生した望ましからぬ材料をベベルから洗浄するように働く。
【0005】
[0005]その後、洗浄/すすぎされた基板は、多くの場合、アニールチャンバーへ移送され、そこで、基板は堆積した膜をアニールするに充分な温度に加熱される。しかしながら、メッキ後の半導体基板に対するアニールプロセスが数分を要することがあるので、従来のメッキシステムのスループットは、アニールチャンバーの利用性により限定され得る。更に、アニールプロセスが完了すると、アニールされた基板は、一般に、その基板を別の処理チャンバー又は装置へ移送するのを許容する温度まで冷却するのに数分を要する。
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、一般に、複数の化学物質を使用できる複数のメッキセル、基板すすぎセル、基板洗浄セル、及び二位置のアニールチャンバーを有し、それらの全てに連通している電気化学的メッキシステムを提供する。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明の実施形態は、一般に、電気化学的メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、メインフレーム処理プラットホームに連通して位置された基板ロードステーションと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板メッキセルと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板ベベル洗浄セルと、メインフレーム及びロードステーションの少なくとも一方に連通して位置されたスタック型基板アニールステーションとを備え、このスタック型基板アニールステーション内の各チャンバーには、加熱プレートと、冷却プレートと、基板移送ロボットとが位置されている。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、一般に、メインフレーム処理プラットホームに連通して位置された基板ロードステーションと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板メッキセルと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板ベベル洗浄セルと、メインフレーム及びロードステーションの少なくとも一方に連通して位置されたスタック型基板アニールステーションとを備え、このスタック型基板アニールステーション内の各チャンバーに、加熱プレート及び冷却プレートが位置されているような電気化学的メッキシステムを提供する。
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、更に、複数の化学物質メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、共通のプラットホームに位置された複数のメッキセルと、プラットホームに位置された洗浄セルと、プラットホームに連通して位置されたアニールチャンバーと、プラットホームに連通すると共に複数のメッキセルに流体連通して位置された複数の化学流体配送システムとを備え、この流体配送システムは、複数の流体溶液を混合して複数のメッキセルの各々へ分配するように構成される。
【0010】
[0010]本発明の実施形態は、更に、基板移送ロボットが位置された中央メインフレームを有する電気化学的メッキシステムを提供する。メインフレームは、そのメインフレームに連通して複数のメッキ化学物質を混合する手段と、そのメインフレームに位置された複数の電気化学的メッキセルと、その複数の電気化学的メッキセルの各々に複数の化学溶液を配送する手段であって、前記混合手段と流体連通するような配送手段と、基板のベベルから望ましからぬ堆積物を除去する手段と、基板をすすぎ及び乾燥する手段と、基板をアニールする手段と、を備えている。
【0011】
[0011]本発明の実施形態は、更に、複数の化学物質の電気化学的メッキシステムを提供する。このシステムは、処理プラットホームに位置された電気化学的メッキセルを備えている。この電気化学的メッキセルは、メッキ溶液を収容するように構成されてオーバーフロー堰が位置されているセル本体と、このセル本体に位置されたアノードと、このアノードより上で且つオーバーフロー堰より下の位置にセル本体にわたって位置されたイオンメンブレーンであって、該メンブレーンの下のアノード液区画を該メンブレーンの上のカソード液区画から分離するようなイオンメンブレーンと、該メンブレーンの上で且つオーバーフロー堰の下でセル本体に位置された多孔性拡散部材とを備えている。このシステムは、更に、処理プラットホーム上に位置された基板洗浄セルと、処理プラットホームに連通して位置されたスタック型基板アニールステーションも備えている。
【0012】
[0012]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0013】
[0045]本発明の実施形態は、一般に、半導体基板上に導電性材料をメッキするように構成された複数の化学物質の電気化学的メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、一般に、基板処理プラットホームと連通する基板ロードエリアを備えている。このロードエリアは、一般に、基板収容カセットを受け取り、カセットから受け取られる基板を処理のために処理プラットホームへ移送する。このロードエリアは、一般に、基板をカセットへ及びカセットから、並びに処理プラットホームへ、或いはロードエリア、処理プラットホームに連通するように位置された基板アニールチャンバーへ、又はロードステーションと処理プラットホームとの間に位置されたリンクトンネルへ移送するように構成されたロボットを備えている。処理プラットホームは、一般に、少なくとも1つの基板移送ロボットと、複数の基板処理セル、即ち、ECPセル、ベベル洗浄セル、スピンすすぎ乾燥セル、基板洗浄セル、及び/又は無電気メッキセルとを備えている。本発明のシステムは、湿式処理プラットホームへ乾燥基板を導入するのを許容するもので、メッキ、洗浄(表面及びベベル)、乾燥及びアニールプロセスを一体的なシステムプラットホーム上で行うことができる。メッキプロセスは、多数のメッキ化学物質を利用することができ、システムの出力は、乾燥した、綺麗な(表面及びベベルの両方)且つアニールされた基板である。
【0014】
[0046]図1は、本発明のECPシステム100の上面図である。このECPシステム100は、一般に基板ロードステーションとも称されるファクトリーインターフェイス(FI)130を備えている。ファクトリーインターフェイス130は、基板収容カセット134とインターフェイスするよう構成された複数の基板ロードステーションを備えている。ロボット132がファクトリーインターフェイス130に位置され、カセット134に収容された基板にアクセスするように構成される。更に、ロボット132は、ファクトリーインターフェイス130を処理メインフレーム即ちプラットホーム113に接続するリンクトンネル115へも延びる。ロボット132の位置は、ロボットが基板カセット134にアクセスして、そこから基板を取り出し、次いで、それら基板を、メインフレーム113に位置された処理セル114、116の1つ、或いはアニールステーション135へ配送できるようにする。同様に、ロボット132は、基板処理シーケンスが完了した後に処理セル114、116又はアニールチャンバー135から基板を回収するのにも使用できる。この状態において、ロボット132は、基板をカセット134の1つへ戻し、システム100から取り去ることができるようにする。
【0015】
[0047]以下に詳細に説明するアニールステーション135は、一般に、二位置アニールチャンバーを備え、冷却プレート/位置136及び加熱プレート/位置137が隣接した位置にあって、その付近、例えば、2つのステーション間に基板移送ロボット140が位置されている。このロボット140は、一般に、各加熱プレート137と冷却プレート136との間で基板を移動するように構成される。更に、アニールチャンバー135は、リンクトンネル115からアクセスされるよう位置されて示されているが、本発明の実施形態は、特定の構成又は配置に限定されない。従って、アニールステーション135は、メインフレーム113に直接連通して位置されて、即ちメインフレームロボット120によりアクセスされてもよいし、或いはまた、アニールステーション135は、メインフレーム113に連通した位置にあり、即ちアニールステーションは、メインフレーム113と同じシステムに位置されるが、メインフレーム113に直接接触されず、即ちメインフレームロボット120からアクセスされなくてもよい。例えば、図1に示すように、アニールステーション135は、リンクトンネル115に直接連通して位置されてもよく、これは、メインフレーム113へのアクセスを許し、従って、アニールチャンバー135は、メインフレーム113と連通するものとして示されている。
【0016】
[0048]上述したように、ECPシステム100は、基板移送ロボット120が中央に位置された処理メインフレーム113も備えている。ロボット120は、一般に、基板を支持して移送するように構成された1つ以上のアーム/ブレード122、124を備えている。更に、ロボット120及びそれに付随するブレード122、124は、一般に、延長、回転、及び垂直方向に移動して、ロボット120が、メインフレーム113上に位置された複数の処理場所102、104、106、108、110、112、114、116へ基板を挿入したりそこから基板を取り出したりすることができるように構成される。また、同様に、ファクトリーインターフェイスロボット132は、その基板支持ブレードを回転、延長、及び垂直方向に移動しながら、ファクトリーインターフェイス130からメインフレーム113へと延びるロボットトラックに沿って直線的移動も許容する能力を備えている。一般に、処理場所102、104、106、108、110、112、114、116は、電気化学的メッキプラットホームに使用されるいかなる数の処理セルでもよい。より詳細には、これら処理場所は、電気化学的メッキセル、すすぎセル、ベベル洗浄セル、スピンすすぎ乾燥セル、基板面洗浄セル(これは、集合的に、洗浄、すすぎ及びエッチングセルを含む)、無電気メッキセル、計測検査ステーション、及び/又はメッキプラットホームに関連して有利に使用できる他の処理セルとして構成されてもよい。各処理セル及びロボットの各々は、一般に、プロセスコントローラ111と通信するが、これは、ユーザ、及び/又はシステム100に位置する種々のセンサの両方から入力を受け取って、それら入力に基づいてシステム100の動作を適宜制御するように構成されたマイクロプロセッサベースの制御システムでよい。
【0017】
[0049]図1に示す例示的メッキシステムでは、処理場所を次のように構成することができる。処理場所114及び116は、メインフレーム113の湿式処理ステーションと、リンクトンネル115、アニールチャンバー135及びファクトリーインターフェイス130の乾燥処理領域との間のインターフェイスとして構成することができる。これらインターフェイス場所に置かれた処理セルは、スピンすすぎ乾燥セル及び/又は基板洗浄セルでよい。より詳細には、各々の場所114及び116は、スピンすすぎ乾燥セル及び基板洗浄セルをスタック構成で含んでもよい。場所102、104、110及び112は、例えば、電気化学的メッキセル又は無電気メッキセルのいずれかのメッキセルとして構成されてもよい。場所106、108は、基板ベベル洗浄セルとして構成されてもよい。電気化学的処理システムの付加的な構成及び実施は、参考としてここにその全体を援用する、2002年12月19日に出願された「Multi-Chemistry Electrochemical Processing System」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/435,121号に示されている。
【0018】
[0050]図2は、処理場所102、104、110及び112において実施することのできる例示的メッキセル200の部分斜視図兼断面図である。この電気化学的メッキセル200は、一般に、外側深皿201と、この外側深皿201内に位置された内側深皿202とを備えている。内側深皿202は、一般に、電気化学的メッキプロセス中に基板に例えば銅のような金属をメッキするのに使用されるメッキ溶液を収容するように構成される。メッキプロセス中に、メッキ溶液は、一般に、内側深皿202へ供給され(例えば、10リッターのメッキセルの場合に約1ガロン/分で)、それ故、メッキ溶液は、内側深皿202の最上点(一般的に「堰」と称する)を常時オーバーフローして、外側深皿201によって収集され、そこから化学的管理及び再循環のために排出される。メッキセル200は、一般に、ある傾斜角度で位置され、即ちメッキセル200のフレーム部分203は、一般に、片側が持ち上げられていて、メッキセル200のコンポーネントが約3°乃至約30°で傾斜され、或いは一般に、最適な結果のためには約4°乃至約10°で傾斜される。メッキセル200のフレーム部材203は、その上部に環状ベース部材を支持する。フレーム部材203は片側が持ち上げられているので、ベース部材204の上面は、一般に、水平位置に対するフレーム部材203の角度に対応する角度で、水平から傾斜されている。ベース部材204は、その中央部に環状又は円板状のくぼみが形成され、この環状のくぼみは、円板状のアノード部材205を受け入れるように構成される。ベース部材204は、更に、その下面から延びる複数の流体入口/排出口209を備えている。これら流体入口/排出口209の各々は、一般に、メッキセル200のアノード区画又はカソード区画へ流体を個々に供給し又はそこから流体を排出するように構成される。アノード部材205は、一般に、複数のスロット207がこれを貫通して形成され、これらスロット207は、一般に、アノード205の表面にわたって互いに平行な向きに位置される。この平行な向きでは、アノード面に発生した濃密な流体がアノード面を横切ってスロット207の1つへと下方に流れるのを許容する。メッキセル200は、更に、メンブレーン支持アッセンブリ206を備えている。このメンブレーン支持アッセンブリ206は、一般に、その外周がベース部材204に固定され、また、流体の貫通を許容するように構成された内部領域を備えている。メンブレーン208がその支持体206にわたって張られ、メッキセルのカソード液チャンバー及びアノード液チャンバー部分を流体分離するように働く。メンブレーン支持アッセンブリは、メンブレーンの周囲付近に位置されたO‐リング型のシールを含んでもよく、このシールは、メンブレーン支持体206に固定されたメンブレーンの片側からメンブレーンの他側へ流体が移動するのを防止するように構成される。一般に多孔性セラミック円板部材である拡散プレート210は、流体の実質的な層流又は均一な流れを、メッキされている基板の方向に発生するように構成され、セルにおいて、メンブレーン208と、メッキされている基板との間に位置される。ここに例示するメッキセルは、更に、2002年10月9日に「Electrochemical Processing Cell」という名称で出願された共通に譲渡された米国特許出願第10/268,284号に示されており、これは、更に、2002年7月24日に出願された米国プロビジョナル特許出願第60/398,345号の優先権を請求するものであり、これらは両方とも参考としてその全体をここに援用する。
【0019】
[0051]図3は、本発明のスタックアニールシステム300を例示する斜視図である。このスタックアニールシステム300は、図1に示すアニールステーション135に位置されてもよいし、或いは必要に応じて、処理プラットホームの別の場所に位置されてもよい。アニールシステム300は、一般に、このアニールシステム300の種々のコンポーネントを支持するように構成されたフレーム301を備えている。このフレーム部材301には、処理システムのロボット、即ちメインフレームロボット120又はファクトリーインターフェイスロボット132がそこにアクセスするのを容易にする高さに、少なくとも1つのアニールチャンバー302が位置されている。ここに示す実施形態では、アニールシステム300は、垂直方向に上下にスタックされた3個のアニールチャンバー302を備えている。しかしながら、本発明の実施形態は、特定の個数のアニールチャンバー、或いは互いに対するチャンバーの特定の間隔又は向きに限定されない。というのは、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の間隔、個数及び向きを実施できるからである。アニールシステム300は、フレーム部材301の上部に位置された電気的システムコントローラ306を備えている。この電気的システムコントローラ306は、一般に、アニールシステム300の各コンポーネントに供給される電力を制御するように動作し、より詳細には、電気的システムコントローラ306は、アニールチャンバー302の加熱素子に配送される電力を制御して、アニールチャンバーの温度を制御できるように動作する。アニールシステムは、更に、一般にアニールチャンバー302の下でフレーム部材301に位置された流体及びガス供給アッセンブリ304を備えている。この流体及びガス供給アッセンブリ304は、一般に、アニール処理ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、又は半導体処理アニールに適した他の不活性ガスを各アニールチャンバー302へ供給するように構成される。また、流体及びガス供給アッセンブリ304は、アニールチャンバー302へ配送される流体、例えば、アニールプロセスの加熱部分が完了した後にチャンバー本体302及び/又はアニールされた基板を冷却するのに使用される冷却流体を供給し且つ調整するようにも構成される。例えば、冷却流体は、冷やされた又は冷たい供給水でよい。供給アッセンブリ304は、更に、各アニールチャンバー302と個々に連通する真空システム(図示せず)を含んでもよい。この真空システムは、アニールプロセスを開始する前にアニールチャンバー302から周囲ガスを除去するように動作してもよく、又、減圧アニールプロセスをサポートするように使用されてもよい。それ故、真空システムは、各アニールチャンバー302において減圧アニールプロセスを実行するのを許し、更に、スタックの隣接チャンバー302を妨げることなく、各アニールチャンバー302に異なる減圧を同時に使用できるようにする。
【0020】
[0052]図4は、内部コンポーネントが見えるようにチャンバーのカバー即ち蓋部分を除去した状態で本発明のアニールチャンバー302を例示する上方斜視図である。アニールチャンバー302は、一般に、包囲された処理容積部400を画成するチャンバー本体401を備えている。この包囲された処理容積部400は、互いに接近して位置された加熱プレート402及び冷却プレート404を備えている。これらの加熱及び冷却プレートに隣接して基板移送メカニズム406が位置され、これは、処理容積部400の外部から基板を受け取り、その基板を、アニールプロセス中に各加熱プレートと冷却プレートとの間で移送するように構成される。この基板移送メカニズム406は、一般に、基板支持部材/ブレード408がロボットのピボットアームの遠方端に位置された枢着ロボットアッセンブリを備えている。ブレード408は、複数の基板支持タブ410を備え、これらのタブは、ブレード408から離間されていて、基板を協働支持するように構成される。各支持タブ410は、一般に、ブレードの主本体部分408から垂直方向に(一般的に下方に)離間され、ブレード408とタブ410との間に垂直スペースが発生する。このスペースは、基板ロードプロセス中に基板をタブ410に位置させるのを許容するが、これは更に詳細に述べる。更に、加熱及び冷却プレート402、404の各々は、対応する数のノッチ416がその外周に形成され、これらノッチ416は、ブレード部材408が各加熱及び冷却プレート402、404に向かって下降されたときに、タブ410を協働して受け入れる間隔及び構成にされる。
【0021】
[0053]本発明の別の実施形態において、移送メカニズム406は、図5に示すように、強化ブレード部材500を備えている。このブレード部材500は、その構造上の形状を維持するように構成された一体的フレーム部材501を備え、即ちこの一体的なブレード部材501は、構造体自体の動き(揺れ、曲げ、かがめ等)が最小となる形状及び設計にされる)。この一体的フレーム部材501は、該フレーム部材501の下部に基板支持リング即ち部材502が取り付けられている。この基板支持部材502は、フレーム部材501に対して半径方向内方に位置された基板支持タブ503(図4に示すタブ410と同様の)を備えている。これらタブは、タブ410と同様に、基板を支持すると共に、各加熱及び冷却プレートのノッチ416に受け入れられるように離間され、構成される。
【0022】
[0054]例えば、アルミニウムで製造できるアニールチャンバーの本体401は、一般に、内部処理容積部400を画成する。外部本体401は、一般に、これを貫通して複数の流体コンジット(図示せず)が形成され、これら流体コンジットは、冷却流体を循環して外部本体401の温度を下げるように構成される。冷却流体は、外部本体401に形成された流体コンジットに供給されて、冷却流体接続部420により外部本体401を経て循環される。
【0023】
[0055]冷却プレート404は、一般に、基板を支持するように構成された実質的に平らな上面を備えている。この上面は、真空源(図示せず)と選択的に流体連通される複数の真空アパーチャー422を備えている。これらの真空アパーチャー422は、一般に、冷却プレート404の上面に減圧を生じさせて、基板を上面に固定即ち真空チャックさせるのに使用できる。冷却プレートの内部には、複数の流体コンジットが形成されてもよく、これら流体コンジットは、チャンバー本体401を冷却するのに使用される冷却流体源と流体連通される。流体コンジットが冷却プレートに実施されるときには、冷却プレートは、そこに位置された基板を迅速に冷却するように使用できる。或いはまた、冷却プレートは、冷却流路を形成せずに製造されてもよく、この実施形態では、冷却プレートは、冷却プレートがそこに形成された冷却コンジットにより本質的に冷やされる実施形態よりもゆっくりとした速度で冷却するように使用できる。更に、上述したように、冷却プレート404は、このプレート404の周囲に形成された複数のノッチ416を含み、これらノッチ416は、基板支持ブレード408が処理位置へと下げられたときにこのブレードのタブ410を受け入れるように離間される。
【0024】
[0056]加熱プレート402も、冷却プレート404と同様に、実質的に平らな基板支持上面を備えている。この基板支持面には、複数の真空アパーチャー422が形成され、これら真空アパーチャー422の各々は、真空源(図示せず)に選択的に流体連通される。従って、真空アパーチャー422は、基板を処理のために加熱プレート402に真空チャック即ち固定するように使用できる。加熱プレート402の内部は、加熱素子(図示せず)を含み、この加熱素子は、加熱プレート402の面を約100℃乃至約500℃の温度に加熱するように構成される。加熱素子は、例えば、電気的に駆動される抵抗性素子、又は加熱プレート402に形成される高温流体コンジットを含んでもよく、この高温流体も、加熱プレート402の面を加熱するように構成される。或いはまた、本発明のアニールチャンバーは、加熱プレート402の上または下に位置されたランプ、誘導性ヒータ、又は抵抗性素子のような外部加熱装置を使用してもよい。更に、上述したように、加熱プレート402は、このプレート402の周囲に複数のノッチ416が形成されており、これらノッチ416は、基板支持ブレード408が処理位置へ下げられたときにそのブレードのタブ410を受け入れるように離間される。
【0025】
[0057]図6は、加熱プレート402の斜視図兼部分断面図である。プレート402の断面図は、抵抗加熱素子600が位置された加熱プレートベース部材608を示している。抵抗加熱素子は、図7に示すように、加熱プレート402の内部610に包囲される。より詳細には、この内部610にはチャンネルが形成され、このチャンネルは、加熱素子600を受け入れるサイズ及び間隔にされる。この内部610の上にはトッププレート612が位置される。最上部、内部及びベース部材608は、一般に、希望の熱導電率特性を有する金属、例えば、アルミニウムで製造される。更に、プレート402の3つの区分は、一体的な熱伝達プレート402を形成するように一緒にろう付けできる。プレート402の下部、即ちベース部材608の底面は、プレート402を支持するステム606を含む。このステムは、一般に、プレート部材402より実質的に直径が小さく、チャンバーのベース又は壁への熱伝達を最小にする。より詳細には、ステム部材は、一般に、その直径が加熱プレート402の直径の約20%未満である。更に、ステム606の下部は、加熱プレート402の温度を測定するためのサーモカップル604と、加熱素子600へ電力を導通するための電力接続部602とを備えている。
【0026】
[0058]アニールチャンバーは、処理容積部400と流体連通するように位置されたポンプダウンアパーチャー424を含むことができる。このポンプダウンアパーチャー424は、真空源(図示せず)に選択的に流体連通されて、処理容積部400からガスを排気するように一般的に構成される。更に、アニールチャンバーは、一般に、加熱プレート402の付近に位置された少なくとも1つのガスディスペンスポート426即ちガスディスペンスシャワーヘッドを備えている。このガスディスペンスポートは、処理ガス源即ち供給源304に選択的に流体連通され、それ故、処理容積部400へ処理ガスをディスペンスするように構成される。また、ガスディスペンスポート426は、例えば、アニールチャンバーの内部に位置されたガスシャワーヘッドアッセンブリでもよい。アニールチャンバー内の周囲ガス含有量を最小にするために、真空ポンプダウンアパーチャー424及びガスディスペンスノズルを協働して又は選択的に利用してもよく、即ち両方のコンポーネント、或いは一方または他方のコンポーネントを使用してもよい。
【0027】
[0059]アニールチャンバー302は、ロボット406と連通する基板移送メカニズムアクチュエータアッセンブリ418を備えている。このアクチュエータ418は、一般に、ブレード408の枢着移動と、加熱又は冷却部材に対するブレードの高さ即ちZ位置との両方を制御するように構成される。例えば、スリットバルブ型ドアでよいアクセスドア414は、一般に、本体部分401の外壁に位置される。このアクセスドア414は、一般に、これが開いて、アニールチャンバー302の処理容積400へのアクセスを許容するように構成される。従って、アクセスドア412が開き、ロボット412(例えば、例示的FIからのロボット132でもよいし、又は図1に示す例示的メインフレーム基板移送ロボット120でもよい)が処理容積部400に入って、アニールチャンバー302の1つに基板を落とし又はそこから基板を回収することができる。
【0028】
[0060]より詳細には、基板をアニールチャンバーへ挿入するプロセスは、例えば、ロード位置、即ち冷却プレート404の上面より上の場所にタブ410が垂直に位置されるところの位置で、ブレード408を冷却プレート404上に位置させることを含む。上記で簡単に述べたように、ブレード408及びタブ410は、タブ410の上面とブレード408の下面との間に垂直スペースが生じるように互いに位置される。この垂直スペースは、基板を支持したロボットブレード412をこの垂直スペースへ挿入し、次いで、これを下げて、基板をブレード412から基板支持タブ410へ移行するのを許容するように構成される。基板がタブ410により支持されると、外部ロボットブレード412を処理容積部400から引っ込め、アクセスドア414を閉じて、処理容積部400を周囲の大気中から分離することができる。この実施形態では、ドア414が閉じると、ポンプダウンアパーチャー424と連通している真空源を作動させ、ガスの一部分を処理容積部400からポンピングすることができる。このポンピングプロセス中に、又はその短時間後に、プロセスガスノズル426(1つ又は複数)を開いて、プロセスガスが処理容積部400に押し寄せるのを許容することができる。プロセスガスは、一般に、アニール処理条件のもとでは反応しないと分かっている不活性ガスである。この構成、即ちポンプダウン及び不活性ガス押し寄せプロセスは、一般に、アニールチャンバー/処理容積部からできるだけ多くの酸素を除去するように構成される。というのは、酸素は、アニールプロセス中に基板表面を酸化させることが分かっているからである。チャンバーが所定の圧力及びガス濃度に達したときに、真空源を終了してガス流を停止させてもよいし、或いは又、アニールプロセス中に真空源を作動状態に保持し且つガス配送ノズルが処理ガスを処理容積部に流し込み続けるようにしてもよい。
【0029】
[0061]本発明の別の実施形態では、望ましからぬガス、即ち酸素含有ガスを処理容積部からパージするように真空源が使用されない。むしろ、正の処理ガス圧力を使用して、処理容積部400における酸素含有量を最小にする。より詳細には、ドア414を開いたときに、処理容積部400へのガス供給源426を作動して、処理容積部に正の圧力を確立することができる。この正の圧力は、ドア414を開いたときにアニールチャンバーから外方へのガス流を生じさせ、これは、処理容積部400に入る酸素の量を最小にする。このプロセスを真空ポンプダウンプロセスと組み合わせて、処理容積部から酸素を除去する見込みを高めるようにしてもよい。
【0030】
[0062]基板がブレード部材408に位置されると、基板を冷却プレート404又は加熱プレート402へ下げることができる。基板を加熱プレート402又は冷却プレート404へ下げるプロセスは、一般に、ブレード部材408を各プレートの上に位置させて、プレートの周囲に形成されたノッチ416の上に基板支持タブ410を位置させることを含む。次いで、ブレード部材408を下げて、タブ410がノッチ416に受け入れられるようにする。基板支持タブ410がノッチ416に受け入れられると、タブ410に支持された基板を各加熱又は冷却プレートの上面へ移送する。この移送プロセスは、一般に、プレート上面に形成された真空アパーチャー422を作動させて、基板をその上面に載せたときに移動しないように基板をそこに固定することを含む。加熱プレートは、一般に、基板をそこに位置する前に、約150℃乃至約400℃の所定のアニール温度に加熱される。加熱プレートの別の温度範囲は、例えば、約150℃乃至約250℃、約150℃乃至約325℃、及び約200℃乃至約350℃を含む。基板は、加熱プレート402上に所定の時間周期中位置され、例えば、基板に堆積される層に希望の構造を形成するのに必要な希望のアニール温度及び時間に基づいて、約15秒乃至約120秒間アニールされる。
【0031】
[0063]アニールプロセスの加熱部分が完了すると、基板を冷却プレート404へ移送する。この移送プロセスは、真空チャック動作を終了させ、次いで、タブ部材410が基板に係合して支持するまで、即ちタブ410が基板を加熱プレート面から持ち上げるまで、ブレード部材408を上方に持ち上げることを含む。次いで、ブレード部材408を加熱プレート402から冷却プレート404へ枢着回転することができる。冷却プレート404の上に来たときに、ブレード408を下降して、基板を冷却プレート404上に位置させることができる。以下に述べる下降プロセスと同様に、基板を冷却プレートへ下降するのと同時に、真空アパーチャー422を動作して、冷却プレート404の上面に基板を固定させることができる。
【0032】
[0064]冷却プレートは、一般に、約15℃乃至約40℃の低い温度に維持され、それ故、冷却プレートは、該プレート又はその付近に位置された基板からの熱を受け入れ又は減衰させるように動作する。このプロセスは、アニール温度から、約70℃未満まで、又はより詳細には、約50℃乃至約100℃まで、1分未満で、又はより詳細には、約15秒未満で、冷却するのに使用できる。より詳細には、冷却プレートは、基板を約12秒未満で約50℃乃至70℃に迅速に冷却するように使用できる。基板が希望温度まで冷却されると、ブレード408を使用して、基板を冷却プレート404から上昇させることができる。基板を上昇した状態で、ドア414を開くと共に、外部のロボットブレード412を処理容積部へ入れて、ブレード部材408から基板を取り出すように使用できる。基板を取り出すと、別の基板をアニールチャンバーに位置させて、上述したアニールプロセスを繰り返すことができる。
【0033】
[0065]本発明の別の実施形態では、基板温度が徐々にアニール温度に上昇され、又は冷却基板温度に下降されてもよい。より詳細には、ロボットアーム406は、加熱プレート402のすぐ上の位置、即ちプレート402からエアギャップ又はスペースだけ離間された位置まで下降することができる。基板と加熱プレート402との間のエアギャップは、基板の温度上昇を低速化するための熱的緩衝部として機能する。例えば、加熱プレート402を約210℃に加熱し、次いで、基板を加熱プレート402から約1mm乃至約5mm離れたところに位置してもよい。プレート402からの熱は、基板と加熱プレート402との間のエアギャップ又はスペースを横切って基板へゆっくり伝達される(基板が加熱プレート402上に直接位置された場合の熱伝達率に対してゆっくり)。アニール温度への上昇時間は、基板の間隔を調整することで更に調整でき、即ち迅速な上昇時間を希望する場合には、基板を加熱プレートのより近くに位置することができる。同様に、基板を加熱プレートから更に離れて位置し、即ちエアギャップを増加することを利用して、上昇時間を延長してもよい。上昇時間は、例えば、約10秒乃至約45秒でよい。基板の温度がアニール温度まで上昇すると、次いで、基板は、アニールプロセスの残り部分に対して、加熱プレート402上に下降されてもよい。同様に、ロボットを冷却プレートから離間して位置させて、必要に応じて冷却温度を下げることもできる。
【0034】
[0066]図8は、本発明の基板スピンすすぎ乾燥セル800を例示する部分斜視図兼断面図である。このスピンすすぎ乾燥セル800(SRD)は、メッキシステムに取り付けることのできるフレーム、例えば、図1に示すメインフレーム113に支持される流体ボウル/本体801を備えている。SRD800は、更に、流体ボウル801の中心に位置された回転可能なハブ802を備えている。このハブ802は、一般的に平らな上面を備え、この上面には、複数の背面流体ディスペンスノズル808が形成されると共に、少なくとも1つのガスディスペンスノズル810も形成される(図5にノズル503としても示されている)。複数の直立した基板支持フィンガー803が、ハブ802の周囲に半径方向に位置されている。本発明のここに示す実施形態では、4つのフィンガー803が示されている(図12を参照)が、本発明は、特定の数のフィンガーに限定されない。これらフィンガー803は、基板804を、SRD800で処理するために、そのベベル縁において回転可能に支持するように構成される。SRD800の上部は、一般的にドーム形状の蓋部材805を備え、これは、ドーム805の下で且つハブ802の上の処理スペースを包囲するように動作する。更に、このドーム部材805は、その中に位置されて処理スペースへ処理ガスをディスペンスするように構成された少なくとも1つのガスノズル807と、フィンガー803に固定された基板804へ処理流体をディスペンスするように構成された流体マニホールド806とを備えている。SRD800の少なくとも一方の側は、SRD800の処理エリアへのアクセスを与えるために選択的に開閉することのできるドア又は開口(図示せず)を備えている。SRD800の下方部分は、深皿の周囲に位置された環状シールド部材812を備えている。このシールド812は、基板支持部材802の下で且つ半径方向外方に位置され、それ故、深皿の周囲へと外方に流体をこぼすように構成される。更に、シールド812は、以下に詳細に述べるように、垂直方向に操作可能に構成される。
【0035】
[0067]本発明の別の実施形態では、処理スペースは、その上部が蓋又は上部部材により限定される。この実施形態では、処理セル800は、下部排出深皿及び直立した側壁を含むが、処理スペースの上部は、一般的に開いている。更に、この実施形態では、流体ディスペンスノズル又はマニホールドが、一般に、セルの直立した側壁部分に位置され又はマウントされる。例えば、流体ディスペンスアームを側壁に枢着し、流体ディスペンスノズルが配置されたそのアームの遠方端を、セル内で処理されている基板上の位置へ枢着回転できるようにしてもよい。アームの枢着移動は、一般に、処理されている基板上で且つそれと平行な平面内で行われ、それ故、アームの枢着移動は、アームの端に位置されたノズルを、基板の特定の半径方向位置の上、即ち、例えば、基板の中心上、又は基板の中心から特定の半径にあるポイント上に位置させるのを許容する。流体ディスペンスノズルのこの再位置付けはさておき、本発明のこの実施形態は、上述の実施形態と構造上同様であり、且つ同様に機能する。例えば、図9は、本発明の別の基板スピンすすぎ乾燥セルを例示する部分斜視図兼断面図である。本発明の実施形態では、SRDセルは、図8に示すセルと実質的に同様であるが、図9に示すSRDセルは、蓋805を備えていない。従って、図9に示すSRDセルは、すすぎプロセス中に包囲されない。図8に示すSRDセルと、図9に示す実施形態との間の別の相違は、図9に示すSRDが、蓋805に形成された流体ディスペンスマニホールド806に置き換わるように働く枢着型流体ディスペンスノズル850を備えていることである。このノズル850は、基板面にわたり外方に枢着移動して、処理流体、一般に脱イオン水を、基板の中心付近で基板面にディスペンスするように構成される。更に、セル壁809を、取り付けられたシールド814及びカーブした面816と共に上下させて、基板のロード及びアンロード操作を容易に行うことができる。例えば、基板をロードするときには、壁809を下げて、基板支持フィンガー803へのアクセスを許容することができる。処理が始まると、壁809を上げて、キャッチカップ814及びカーブした壁816を基板の隣に位置させ、以下に詳細に述べるように、基板からスピン除去される流体を捕獲すると共に、基板の周囲の空気流を制御することができる。
【0036】
[0068]図10A−図10Dは、例示的SRD800のフィンガー部材803を詳細に示す図である。より詳細には、図10Aは、基板係合フィンガー803を閉位置で例示する上方斜視図である。基板係合フィンガーアッセンブリは、一般に、ベース1007を備え、ここから、直立した枢着型エアホイル/クランプ部材1000が延びている。フィンガーアッセンブリは、更に、下方アクチュエータ部分1008(図10Cに示す)を備え、これは、直立したエアホイル部分1000の内方に位置され、且つピボット点1002に枢着される。エアホイル1000は、一般に、上から見ると、翼の形状をした部材で、空気流の乱れ量を最小にしながら処理空間内を回転するように構成される。エアホイル1000の先縁、即ちフィンガー803が回転されるときに空気が最初に接触するエアホイルの側は、フィンガー803に接触する空気が、処理スペース内に擾乱又は望ましからぬ空気流を発生することなく、フィンガー803を通過するための最小抗力及び擾乱の流路を与えるように丸み付けされる。エアホイル1000の後縁、即ち丸み付けされた先縁とは反対のエアホイルの縁は、図10Aに示すように、丸み付けされた縁より断面が一般的に小さい。先縁及び後縁は、一般的に滑らかで且つ時には弧状の即ちカーブした面1005により接続される。従って、エアホイル800が回転されるときにその上の空気流は、滑らかであり、処理スペースに最小擾乱空気作用を生じさせる。滑らかな面1005は、水平に向けられたノッチ即ちチャンネル1006を備え、このノッチは、処理中に基板804のベベル縁を受け入れてそれに係合するサイズ及び構成とされる。このチャンネル1006は、一般に、表面1005を横切って水平に延び、即ちエアホイル1000の垂直軸に一般に直交する方向に延びる。
【0037】
[0069]フィンガー803は、更に、ベース部材1007にしっかり取り付けられる内部固定ポスト1001を備えている。このポスト1001は、枢着型エアホイル部材1000の内面1005に形成された露出したチャンネルを経て上方に延びる。従って、図10Cに示すように、エアホイル1000がピボット部材1002を経て枢着回転される間に、ポスト1001は固定のままである。更に、ポスト100の上部終端には、基板支持面1004が形成されている。この支持面1004は、基板を支持するように構成された一般的に水平の部分と、この水平部分の半径方向外方に位置された垂直又はアングル部分であって、ポスト1001の半径方向内方の位置に基板を維持すると共に、支持面1004へ基板をガイドするための部分と、ポスト1001及びエアホイル1000により支持された基板804のベベルに係合する水平ノッチ又はスロット1006とを備えている。
【0038】
[0070]図10Bは、フィンガー803を開位置即ちロード位置で示す上方斜視図である。より詳細には、フィンガー部材が開位置にあるときに、エアホイルを外方に枢着回転し、固定ポスト1001の上面を露出させる。エアホイル1000は、アクチュエータ部分1008の上方移動によりこの位置へ枢着回転されてもよい。この移動は、ピボット点1002の配置の結果として、エアホイル1000の上部終端を外方に枢着回転させる。エアホイル1000の枢着移動の結果、ポスト部材1001の上部基板支持面は、これに基板を位置できるように位置される。
【0039】
[0071]図10Dは、フィンガーアッセンブリを開位置において側部から見た図で、ポスト1001の上面1004がエアホイル1000からどのように延びていて、この基板支持面1004が基板の縁を支持すべく位置されるかを示している。図10Dは、側部斜視図であり、また、図10Aは、フィンガーアッセンブリを閉位置即ち処理位置で示す平面図である。閉位置は、一般に、基板804が処理のためにハブ802に固定される(フィンガー803を経て)ところのエアホイル1000に対するポスト1001の位置に対応する。同様に、開位置は、一般に、ポスト1001の基板支持上部1004が基板を受け入れるように位置されるところのエアホイル1000に対するポスト1001の位置に対応する。従って、開位置は、本質的に、基板ロード位置であり、閉位置は、本質的に、基板処理位置である。閉位置(図10A及び10C)において、基板は、処理のために基板に係合するようにピボット点1002の周りを内方に枢着回転されたエアホイル1000の水平スロット1006により、そのベベル縁が支持される。
【0040】
[0072]フィンガー部材を操作するプロセスは、一般に、下方アクチュエータ部分1008に機械的に係合して垂直方向に移動させることを含む。例えば、下方アクチュエータ部分1008を垂直又は上方に移動すると、エアホイル部材803が外方に枢着回転されて、基板支持ポスト1001を露出させる。下方アクチュエータ部分は、この下方アクチュエータ部分に機械的に係合するよう位置されたシールド部材812の垂直操作を経て垂直に操作される。従って、基板がフィンガーにロードされるときには、シールド812が上昇されて、基板受け入れ/ロード位置へとフィンガーを開く。基板がロードされると、シールド812を下げて、すすぎプロセスのために基板をスロット1006に係合させることができる。アンロードプロセスも、実質的に同様に行うことができる。
【0041】
[0073]図11は、図2に示すハブ802の部分断面図である。このハブ802は、一般に、その下面に位置された中央支持部材を経て回転可能にマウントされる。この中央支持部材の内部は、流体ディスペンスマニホールド1102を経て、ハブ802の上面1104に形成された複数の流体ディスペンスアパーチャー1103へすすぎ流体を連通するように構成されたコンジット1101を備えている。更に、中央支持部材には、一般に、複数のガスディスペンスパージポート1104へ乾燥ガスを連通するように構成された第2のコンジット(図示せず)も形成される。更に、本発明の実施形態は、流体及びガスコンジットを単一のコンジットへと結合して、バルブアッセンブリを使用して、その単一コンジットへ供給される流体とガスの間を切り換えてもよい。
【0042】
[0074]図12は、ハブアッセンブリ802の下部を示す上方斜視図である。より詳細には、ハブアッセンブリ802は、一体素子でよいが、本発明の実施形態は、ハブアッセンブリ802が、独立して回転する個別素子を含んでもよいことも意図する。例えば、図12は、ハブアッセンブリ802の下部を例示している。この例示された下部は、一般に、中央アパーチャー1200が形成された円板状部材である。この下部円板状部材の外側部分は、平らな上面1201と、その周囲に半径方向に位置された複数の基板係合フィンガー803とを備えている。この構成では、図11に示すように表面1104へと形成されたガス及び流体配送アパーチャーが、図12に示す円板状部材とは個別の素子に形成された中央アパーチャー1200に位置されてもよい。この構成では、ハブ802の中央部分(アパーチャー1200に位置されてもよい表面1104で表わされた部分)を固定する一方、ハブ802の外側部分(図12に示す円板状部材で表わされた部分)が、その固定の内側部分に対して回転してもよい。これは、各部材が互いに相対的に回転するときに、流体及びガスディスペンスノズルがそれらの各流体を基板の全エリアにディスペンスするのを許容する。
【0043】
[0075]動作中に、スピンすすぎ乾燥セル800は、一般に、基板を受け取り、基板をすすぎ流体ですすぎ、次いで、基板をスピンさせて遠心力で基板面から流体を追放することで基板を乾燥しつつ、乾燥プロセスを更に促進するために基板収容セルに乾燥ガスをディスペンスするように動作する。基板は、セル800の片側に位置できるドアを経てセル800に位置されてもよいし、或いはセル800が、例えば、セルの両側に位置された2つ以上のドアを備えていて、基板を片側でセル800へ運び込むと共に、他側でセル800から取り出すようにしてもよい。基板は、基板を下側から一般に支持する基板移送ロボットによりセル800に一般的に位置され、それ故、基板がセル800に移送されるときには、それが、一般に、表面を上に向けた構成でフィンガー803の上に位置される。フィンガー803は、開位置、即ち固定ポスト1001の上面1004が露出される位置へと作動される。上面1004が露出されると、ロボットは、基板を複数のフィンガー803へと下げ、各フィンガー803の上面1004で基板を支持することができる。固定ポストの上部は、内方に傾斜した面1010を含んでもよく、これは、基板を内方にガイドするか又は基板を各ポスト1001に対してセンタリングするように構成される。基板が水平面1004に位置されると、ロボットブレードをセル800から引っ込めると共に、ドアを閉じて、セル800の内部処理容積部を周囲の大気から分離することができる。
【0044】
[0076]基板が基板支持フィンガー803の上面1004に位置されると、基板支持フィンガー803を操作して、基板のベベル縁に係合することができる。より詳細には、フィンガー803の下部1008を下方に操作して、上部終端を、面1004に支持された基板に向けて内方に枢着回転させることができる。エアホイル1000の上部終端が内方に枢着回転すると、水平ノッチ即ちグルーブ1006(図10C及び10Dに示す)が基板のベベル縁に係合して、基板を各フィンガー803間に固定する。基板のベベル縁がエアホイルのグルーブ1006に係合すると、固定ポスト部材1001の上面1004による支持から基板を除去すると共に、基板面に最小限接触するだけであるよう構成された水平ノッチ即ちスロット1006によるベベル縁の係合を経て基板を排他的に処理するように支持する。
【0045】
[0077]基板が基板支持フィンガー803に固定されると、処理を開始することができる。一般に、セル800における処理は、そこに位置された基板をすすいで、乾燥することを含む。このすすぎ及び乾燥プロセスは、一般に、基板を回転することを含み、それ故、フィンガー803は、一般に、図8に示すように、回転可能な形式のハブ802に固定される。基板が回転すると、流体ディスペンスノズルが、その回転する基板の前面、背面又はその両面にすすぎ流体をディスペンすることができる。基板の前面にディスペンスされる流体は、蓋部材805に位置されたマニホールド806によりディスペンスすることができ、一方、基板の背面にディスペンスされる流体は、ハブ802に形成された流体アパーチャー1103によりディスペンスすることができる。半導体処理に適した種々のすすぎ溶液が本発明の範囲内で意図されるが、基板にディスペンスしてその表面をすすぐことのできるすすぎ溶液の一例は、DIである。更に、基板は、そこにすすぎ流体をディスペンスするプロセス中回転しているので、流体は、一般に、基板の周囲に向かって半径方向外方に押しやられる。このようにして、流体は、基板のベベル縁から離れるように流れ、セル800の底部に収集される。ハブ802の回転速度が高いと、流体が外方に流れてほぼ水平に基板面から離れるようにされ、一方、低い回転速度を使用すると、すすぎ流体が基板面を横切って外方に移動して基板のベベルの周りを若干包んだ後に遠心力によりスピン除去されるのを許容する。
【0046】
[0078]基板が所定の時間中すすぎされると、すすぎプロセスを中断してもよい。これは、一般に、基板へのすすぎ流体の流れを中断することに対応するが、一般に、基板の回転は、すすぎ流体ディスペンスプロセスが終了した後も維持される。この連続的な回転は、基板面に付着又はくっつくことのあるすすぎ流体の残留小滴を半径方向外方に押しやって基板面から離れさせるように働く。更に、乾燥ガスを処理エリアへディスペンスして基板面に向け、基板面からの残留流体の除去を更に促進することができる。例えば、基板がスピン乾燥されている間に、上部パージノズル807及び下部パージアパーチャー1104を経て処理容積部へ窒素をディスペンスすることができる。
【0047】
[0079]乾燥プロセスが完了すると、基板をセル800から取り出すことができる。このプロセスは、一般に、基板導入プロセスを逆に行うことを含み、より詳細には、一般に、ドアの1つを開いて、ロボットが基板にアクセスするのを許容することを含む。ドアが開くと、ロボットブレードを基板の下の処理容積部に入れて、基板に近い位置へもっていくことができる。次いで、基板支持フィンガー803を開位置へ操作し、即ちアクチュエータ1008を上方に押しやり、エアホイル1000の上部終端を外方に枢着回転して、基板を水平グルーブ即ちスロット1006から解離することができる。次いで、基板を内部固定ポスト1001の上面1004に位置することができる。次いで、ロボットブレードを上方に操作して、基板を表面1004から離すように持ち上げ、処理容積部からドアを経て基板を取り出すことができる。
【0048】
[0080]ここに例示するスピンすすぎ乾燥プロセスは、一般に、多ステッププロセスを含むことができる。このプロセスの第1ステップ(前すすぎ頂面)は、基板を約900rpm乃至約1700rpm、一般的に、約1300rpmで、約2秒乃至約6秒間、回転しながら、約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を基板の製造面即ち頂面にディスペンスすることを含む。第2ステップ(前すすぎ頂面及び背面)は、基板を約100rpm乃至約140rpmで回転しながら、約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を基板の製造面に、且つ約600ml乃至約1000mlのすすぎ溶液を基板の背面に、約6秒でディスペンスすることを含む。第3ステップ(背面洗浄)は、約40rpm乃至約90rpmで回転すると共に、約200ml乃至約500mlの化学物質、一般に、H2O2及びH2SO4を基板の背面にディスペンスしながら、基板の背面を洗浄するように一般的に働く約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を製造面に約10秒間ディスペンスすることを含む。第4ステップ(後すすぎ)は、約40rpm乃至約90rpmで約10秒乃至約16秒間回転しながら、約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を基板の製造面にディスペンスする一方、約600ml乃至約1000mlのすすぎ溶液を基板の背面にディスペンスすることを含む。第5ステップ(体積流体スピン除去)は、両面への流体の流れを終了させ、次いで、背面パージガス(窒素)が約2乃至約4cfmの流量で流れるようにして基板を約400rpm乃至約600rpmで約3秒乃至約6秒間回転することを含む。第6ステップ(体積流量スピン除去)は、基板を約600rpm乃至約900rpmで回転しながら、基板の背面を約2乃至約4cfmの流量で約4秒間ガス(窒素)パージすることを含む。第7ステップ(乾燥)は、ガスの流れも流体の流れもない状態で、基板を約2000rpm乃至約3000rpmで約10秒乃至約20秒間回転することを含む。
【0049】
[0081]更に、本発明のSRDセルは、基板へのすすぎ流体の逆流又は後方跳ね返しは基板の効率的な乾燥を妨げることが知られているので、これを防止する空気流パターンを発生するように構成される。SRDセルは、空気の逆流、即ち基板の中心に向かう空気の流れを、図8に示すように、セルのキャッチカップシールド814及び輪郭付けされた外面816により最小にするように構成される。特に、キャッチカップシールドは、セル壁809から半径方向内方に延び、且つこのシールド814の遠方終端環状部が、基板の半径方向外方のポイントにおいて基板の下面のすぐ下で終わるように位置される。壁816の輪郭付けされた部分は、その輪郭の上部が基板より上で終わり、且つその輪郭の下方終端部が、基板の下面より下で、一般に、キャッチカップ814の環状端に対向する逆側即ち端に向かって終わるような形状にされる。この構成は、基板からスピン除去された流体がキャッチカップ814により受け取られ、キャッチアップ814に形成された穴によりこのキャッチアップ814を通して下方に流れるのを許容する。更に、基板の回転により発生される半径方向外方に飛び出す(螺旋状)空気流も、キャッチアップの上をチャンネル搬送され、輪郭付けされた面816により下方に向けられる。この空気流は、穴を経て進み、減圧領域818を経てチャンバーの下から排気することができる。それ故、本発明のSRDセルの構成は、基板の中心に向かって方向を逆転しない半径方向外方の空気流を発生し、これは、流体の霧が基板面に戻って乾燥プロセスを長引かせるのを防止する。
【0050】
[0082]図13は、本発明のベベル洗浄セル即ちチャンバー1300を例示する上方斜視図である。上述したように、ベベル洗浄セル1300は、システム100に示された処理場所102、104、106、108、110、112、114、及び116のいずれに位置されてもよい。しかしながら、本発明のここに示す実施形態では、ベベル洗浄セル1300は、一般に、処理場所106及び108に位置される。図13は、ベベル洗浄セル1300を例示する上方斜視図であり、また、図13は、一般に、このベベル洗浄セル1300の上部コンポーネントを示している。これらのコンポーネントは、一般に、直立した壁部分1301と、この壁1301の下部に連通する排出深皿1302とを有する中央ボウル即ちチャンバーを備えている。この中央ボウルは、一般に、プラスチック材料、ナイロン系材料、又は金属材料に非金属をコーティングしたもので製造される。この材料は、一般に、半導体処理のエッチング剤溶液と反応しないように選択される。排出深皿1302は、一般に、処理流体を受け取り、その処理流体を流体排出部(図示せず)へチャンネル搬送するように構成される。深皿1302の中央部分は、基板チャック1303を備えている。この基板チャック1303は、一般に、半導体処理に使用されるいかなる形式の基板チャックでもよいが、回転可能であり及び/又は垂直に操作可能であるように構成される。より詳細には、基板チャック1303は、少なくとも1つの真空アパーチャーがその上面へと形成された真空チャックでよく、この場合、真空アパーチャーは、真空源と選択的に流体連通されて、真空源及び真空アパーチャーが協働して、基板チャック1303との間の容積部に負の圧力を印加することで基板を基板チャック1303に固定する。基板チャック1303は、一般に、排出深皿1302の下に位置された機械的メカニズムにより支持され、この機械的メカニズムは、チャック1303に回転移動を与えると共に、チャック1303に任意の垂直移動も与えるように構成され、即ちこの機械的メカニズムは、以下で詳細に述べるように、基板センタリングピン1304に位置された基板に係合したり解離したりするようにチャック1303を任意に上昇及び下降するよう構成される。更に、排出深皿は、この深皿の表面上に位置されたシールド又はカバーを含んでもよく、このシールド又はカバーには、これを貫通して上方に延びるコンポーネントのためのアパーチャーが形成されている。
【0051】
[0083]壁1301の上部は、一般に、カーブした部材(図8に例示するSRDに示されたカーブした部分809と同様)を備えている。このカーブした部材は、基板が回転されるときに基板の周囲に外方及び下方の空気流を発生するように働き、これは、一般的に酸性でメッキ層に欠陥を生じると分かっている処理流体が基板面に後方跳ね返り又は霧を生じるのを防止するように働く。より詳細には、回転時に、基板は、本質的に、壁の方向に基板面を横切って外方に空気を押し出すポンプのように働く。従来のセルでは、高圧力の領域がセルの周囲付近に発生し、これは、空気流を逆転させて、基板面にわたり上方及び後方に流れるようにさせる。カーブした壁は、空気流を、例えば、真空ポンプで発生された低圧力の領域へチャンネル搬送し、従って、高圧力領域及びそれに関連した後方跳ね返しを排除する。この壁の下方にカーブした面がないと、外方への空気流は、それが壁に当たったときに上方に進み、基板の中心に向かって方向を逆転することが許容される。この逆流は、空気流に浮遊された流体を基板面にわたって戻す。従って、カーブした壁は、外方に移動する空気流を、基板面にわたり方向を逆転し又は逆に進ませることなく、捕獲のための減圧領域へチャンネル搬送するように構成される。
【0052】
[0084]排出深皿1302は、そこから上方に延びる複数の基板センタリングピン1304も備えている。このセンタリングピン1304は、一般に、排出深皿/シールド1302の周囲に、例えば、等間隔配列で、半径方向に位置される。しかしながら、ピン1304は、いかなる希望の間隔配列で位置されてもよい。例えば、図13に示す実施形態では、3つの基板センタリングピン1304が、120°の増分で、排出深皿1302の周囲に位置されているが、ピン1304は、例えば、20°、180°及び340°で位置されてもよい。基板センタリングピン1304は、一般に、深皿1302の下に位置された後述の基板センタリングメカニズムによって支持され、このメカニズムは、ピン1304を垂直に操作すると共に、ピン1304を、ピン1304の回転中心に一般に対応するピン1304の長手軸の周りで回転操作するようにも構成される。ベベル洗浄セル1300は、更に、少なくとも1つのすすぎ溶液ディスペンスアーム1305を、少なくとも1つのエッチング剤溶液ディスペンスアーム1306と共に備えている。一般に、両アーム1305及び1306は、ベベル洗浄セル1300の周囲部分に枢着され、その長手方向に延びるアームの遠方終端には少なくとも1つの流体ディスペンスノズルが位置されている。このノズルは、支持部材1303に位置された基板の第1面即ち上面に各処理流体をディスペンスするように位置されている。より詳細には、処理セル1300が、表面を上にした処理セルとして構成されるとき、即ち基板が、その製造面を深皿1302から離れた方を向くようにしてセルに位置されるときには、流体ディスペンスノズルは、それらの各流体を基板の製造面にディスペンスするように構成される。アーム1305及び1306の動作は、一般に、システムコントローラによって制御され、このコントローラは、各アームの遠方端を、処理されている基板の指定の半径方向位置上に正確に位置させるように構成され(各アームの枢着操作及び/又は垂直操作を経て)、これは、アームの各端に位置されたノズルから、ベベル洗浄セル1300で処理されている基板の正確な半径方向の場所へ流体をディスペンスするのを許容する。更に、ここに例示する実施形態では、脱イオン水でよいすすぎ溶液と、酸性のものでよいエッチング剤溶液とを別々にディスペンスするために2つのアームが示されているが、本発明の実施形態は、特定の数の流体ディスペンスアームに限定されるものではない。より詳細には、本発明の他の実施形態は、すすぎ溶液ディスペンスノズル及びエッチング剤溶液ディスペンスノズルの両方が位置された単一の枢着型アームを具現化してもよい。しかしながら、この構成では、すすぎ溶液ノズル及びエッチング剤溶液ノズル各々の配置がより重要となる。というのは、ベベル洗浄プロセスは、一般に、処理されている基板の除外ゾーン、即ち基板の外側2−5mmの周囲にエッチング剤溶液を正確にディスペンスすることが要求されるからである。更に、アーム1305及び1306の各々は、ノズルが基板にタッチすることから作動されないときに流体がノズルから滴下するのを防止するように構成されたメカニズムを含んでもよい。例えば、ノズルは、オフ時間中に望ましからぬ流体小滴を受け取るように構成された真空ポート又は吸い上げバルブ(図示せず)を含んでもよい。或いはまた、ノズルは、望ましからぬ流体小滴を基板面から吹き飛ばすように構成されたガスアパーチャーを含んでもよい。
【0053】
[0085]図14は、本発明の背面流体ディスペンスマニホールド1400を例示する上方斜視図である。この背面流体ディスペンスマニホールド1400は、一般に、基板センタリングピン1304間で流体排出深皿1302に位置される。マニホールド1400は、一般に、2つの遠方終端を有するV字型構造を含む。各端には、流体ディスペンスノズル1401が位置されている。マニホールド1400は、セル1300で処理されている基板に対して各流体ディスペンスノズル1401を特に位置させるように垂直操作及び枢着操作を行うことができる。この構成は、枢着された流体ディスペンスアーム1305及び1306が基板の製造面即ち前面に処理流体をディスペンスする間に、マニホールド1400が基板の非製造面即ち背面に処理流体を同時にディスペンスするのを許容する。
【0054】
[0086]図15は、本発明の基板センタリングメカニズム1500を例示する斜視図である。このセンタリングメカニズム1500は、一般に、深皿1302の下に位置され、そのフレーム部材1505は、基板センタリングピン1304を受け入れて固定するように構成された複数のリセプタクル1506を有している。フレーム1505は、このフレーム部材1505及びそれに関連したコンポーネントを移動し、即ちフレーム部材1505を上昇及び下降するように構成された操作メカニズムと連通してもよい。ここに示す実施形態では、フレーム1505は、基板センタリングピン1304を受け入れるように構成された3つのリセプタクル1506を備えている。各リセプタクル1506の下部は、図15に示すように、フレーム部材1505を通してその反対側へ延び出ている。更に、各リセプタクル1506は、フレーム1505内に回転可能にマウントされて、リセプタクル1506を、リセプタクルの上の矢印「A」で指示された方向に回転することができ、従って、リセプタクルに固定された基板センタリングピン1304も回転させることができる。フレーム1505の下に延びる各リセプタクル1506の下部には、一般に、操作アーム即ち偏心カム部材1503、1504が取り付けられている。これら操作アーム1503、1504の各々は、固体リンケージ、ベルト、液圧部材等でよい接続部材即ちリンケージ1502を経て別の操作アーム1503にも接続される。更に、選択的に作動される操作装置1501が、一次アーム部材1504に機械的に連通され、それに枢着移動を選択的に与えるように構成される。
【0055】
[0087]リセプタクル1506の各々は、フレーム部材1505の各部分内に回転可能にマウントされると共に、リセプタクル1506の下方延長部分の各々は、アクチュエータ1503及びそれに取り付けられたリンケージ1502を含むので、アクチュエータ1501により一次アーム部材1504を操作すると、アクチュエータアーム1504への枢着移動が生じ、他のアーム1503及びそれに対応するリセプタクル1506を一次アーム1504と共に直接的対応的に枢着回転させる。より詳細には、各リセプタクル1506は、基板センタリングパン1304を受け入れ、アクチュエータ1501が一次アーム1504を経て枢着回転すると、アーム1504の上の対応リセプタクル1506も枢着回転される。更に、リンケージ1502は、一次ピボットアーム1504に対して二次ピボットアーム1503を求めることができるので、一次ピボットアーム1504の枢着移動は、二次ピボットアーム1503への対応枢着移動に変換され、これは、二次アーム1503の上に位置されたリセプタクル1506の枢着移動又は回転移動を直接生じさせる。この構成は、基板センタリングピンの各々が同時に回転可能に操作されるのを許容し、且つ操作/回転が3つの基板センタリングピン間で同一であるのを許容する。更に、リセプタクル1506の各々は、例えば、全センタリングメカニズム1500の垂直移動により、或いはフレーム1505内のリセプタクル1506の垂直スライド移動により、垂直に操作されてもよい。
【0056】
[0088]アクチュエータ1501は、一般に、基板センタリングポスト1304を回転させ、基板に過剰な圧力を作用させずに基板に係合して基板を各ポスト間でセンタリングするように構成されたアクチュエータである。例えば、ポスト1304の各々は、以下で詳細に述べるように、基板に係合して基板を中心位置へスライドさせるように働くセンタリングピンを含む。基板が中心位置にスライド式に位置されると、センタリングピンは、基板に機械的に係合し続けて、基板を中心位置に維持する。しかしながら、従来のセンタリングメカニズムでは、アクチュエータの強度及び構成は、基板がセンタリングされると、センタリングポストにより基板の周囲に力が加えられる結果として基板を屈曲させるものであった。更に、基板が屈曲すると、アクチュエータが解除されても、アクチュエータによる基板に対するバイアス力の不足で、基板が中心からシフトされる。それ故、この問題に対処するために、本発明者は、従来のアクチュエータ1501を、摩擦のないアクチュエータに置き換えた。摩擦なしのアクチュエータ1501は、センタリングプロセス中には従来のアクチュエータと同様に働くが、基板がセンタリングされると、摩擦なしのアクチュエータは、従来のアクチュエータに関連した屈曲及び中心ずれの問題を克服する。例えば、基板がセンタリングされると、摩擦なしのアクチュエータは、アクチュエータの移動即ち駆動圧力の実質的な変化を伴わずに、解除することができる。更に、摩擦なしのアクチュエータは、基板を屈曲点へ圧迫することなく基板をセンタリングすることができる。例えば、エアポート・コーポレーション・オブ・ノルウオーク、CT製造者計器品質の空気式アクチュエータ、及びエアペル・アンチ−スチクション・エア・シリンダーを、アクチュエータ1501として効果的に使用することができる。これらの装置は、一般に、グラファイトピストン及びホウ珪酸ガラスシリンダーの組合せを使用して製造され、この場合、各ピストンは、非常に厳密な公差でシリンダーに適合するように選択的にマッチングされる。この構成は、シリンダーとピストンとの間に低い摩擦を与え、それ故、アクチュエータは、数グラム程度のみの力と、0.2psi未満の操作圧力とに応答する。更に、スタート時及び動作中の摩擦がほぼ等しく、これは、非均一又は非制御のスタートを防止すると共に、装置の全ストロークにわたり均一な平滑さを与える。従って、摩擦なし形式のアクチュエータを使用すると、基板がセンタリングされたときに、基板の逆移動又はスリップに遭遇することなく、摩擦なしのアクチュエータを解除することができる。摩擦なしのアクチュエータとは別に、モーター、ボイスコイル、電気セラミック、等も含まれる。
【0057】
[0089]図16は、本発明の基板センタリング部材即ちポスト1304を例示する断面図である。このセンタリングポスト1304は、一般に、細長く、即ち円筒形状のもので、基板センタリングメカニズム1500のリセプタクル1506に受け入れられる構成にされる。ポスト1304は、一般に、コア1604を備え、このコア1604は、その上部をカバーするキャップ部材1601を有している。コア1604は、一般に、例えば、セラミックのような堅牢な材料で製造される。キャップ部材1601は、ピーク即ち中心点で終わる持ち上がった中央部分1602を含む。中央部分1602のピーク即ち先端は、ポスト1304の長手軸に一致するように位置され、従って、ポスト1304が回転されたときに、中央部分1602の先端即ちピークは、1つの場所に留まる。キャップ部材1601は、一般に、電気化学的メッキ溶液に対して良好な露出特性を有する堅牢な材料から製造される。キャップ部材1601を製造できる1つの材料は、例えば、PEEKである。また、キャップ部材1601は、キャップ1604の上面から上方に延びる基板センタリングポスト1603も含む。この基板センタリングポスト1603は、中央部分1602又はキャップ1601のピークから半径方向外方に位置される。このようにして、基板センタリング部材1304が回転されると、基板センタリングポスト1603がコア1604の長手軸の周りで枢着移動即ち回転し、従って、ポスト1603は、中央部分1602の周りで回転即ち枢着移動する。また、基板センタリング部材1304は、コア1604の半径方向外方に位置されたスリーブ部材1605も含む。このスリーブ1605は、キャップ1604及びコア1604に協働係合して流体シールを形成し、これは、処理流体が、コア部材1604を含むボアを通して進行して、その下に位置された基板センタリングメカニズム1500にダメージを及ぼすのを防止する。
【0058】
[0090]図17は、本発明の基板センタリング部材1304を例示する上面図であり、より詳細には、図17は、図16に示されたキャップ部材1601の上面図である。図17は、中央部分1602又は中央部分1602のピークと基板センタリングピン1603との間の位置的関係を示す。更に、センタリング部材1394が、センタリングメカニズム1500により、その中心軸の周りで回転され、即ち点1602を経て延びる軸の周りで回転されるときには、基板センタリングピン1603が、矢印Aで示された方向に移動させられる。この移動は、以下に詳細に述べるが、これを使用して、部材1304に位置された基板を中央即ち中心位置に押しやることができる。
【0059】
[0091]動作中に、本発明のベベル洗浄セルを使用して、基板をすすぎ及び洗浄することができる。この洗浄動作は、基板の製造面及び非製造面の両方で行われてもよいし、或いは各面で個々に行われてもよい。また、本発明の洗浄セルは、基板のベベル部分から過剰な材料を洗浄し、即ち基板の製造面の周囲付近、ベベル及び背面にも一部堆積されたシード層の部分を洗浄するのにも使用できる。このプロセスは、半導体技術では、ベベル洗浄又は縁ビード除去ともしばしば称される。
【0060】
[0092]上述したように、一般に、基板処理システム100は、場所102、104、110及び112に位置されたメッキセルと、場所114及び116にスタックされたスピンすすぎ乾燥及び洗浄セルと、場所106及び108に位置されたベベル洗浄セルとを備えている。ロボットが各処理セル間で基板を移送するように動作する。一般に、ベベル洗浄セルの場所106及び108へ移送される基板は、メッキセルの場所102、104、110及び112の1つからそこに移送される。というのは、ベベル洗浄セルは、一般に、基板がシステム100から移送されて出される前に、基板の二重部分及び基板の背面に堆積された材料を除去するように構成されるからである。
【0061】
[0093]本発明のベベル洗浄セル1300へ基板を位置するプロセスは、一般に、挿入、センタリング及びチャックを含む。挿入プロセスは、基板移送ロボットにより行われ、基板をベベル洗浄セル1300へ運び込んで、基板をセンタリングピン1304へ下降することを含む。基板がセンタリングピン1304へ下降されると、基板は、各センタリングピン1304の中央ピーク即ち最上部1602により支持される。基板が各センタリングピン1304に位置されると、ロボットがベベル洗浄セル1300から引っ込められる。
【0062】
[0094]基板がベベル洗浄セル1300へ挿入されると、センタリングプロセスが行われる。基板から縁ビード材料を除去するための公差が一般的に約1mm未満であるので、ベベル洗浄セル1300における基板のセンタリングは、ベベル洗浄プロセスにとって重要である。例えば、半導体基板に銅が電気化学的に堆積されるときには、一般に、基板の外周3−5mmは、製造面の部分であるとみなされず、即ち除外ゾーンと一般に称されるこの外周即ち帯にはデバイスが一般に形成されない。この除外ゾーンは、メッキプロセス中に電気接点が一般に位置されるシード層の露出部分を含む。除外ゾーンに堆積されるシード層は、一般に、基板のベベルまで延び、時には、基板の背面、即ち製造面でないところまで延びる。その後の半導体処理ステップは、一般に、基板の二重部分又は基板の背面のいずれかとの接触を含むので、基板の二重部分及び背面を除去するか又は洗浄して、これらエリアとのその後の接触で汚染粒子を生じるおそれを少なくすることが望まれる。基板の除外ゾーン、ベベル及び背面からの材料の除去は、一般に、ベベル洗浄プロセスと称され、これは、基板の製造面と除外ゾーンとの間の界面にエッチング剤溶液をディスペンスしながら、基板の背面にも洗浄溶液をディスペンスすることを含む。それ故、基板の前面にディスペンスされるエッチング溶液は、製造面と除外ゾーンとの間の界面にディスペンスされるので、エッチング剤が製造面にディスペンスされてデバイスにダメージを及ぼすことのないように基板を適切にセンタリングするのが重要である。
【0063】
[0095]センタリングプロセスは、リセプタクル1506の各々を穏やかに回転する摩擦なしアクチュエータ1501を作動することで始まる。リセプタクル1506に受け入れられる基板センタリングポスト1304が協働回転され、それ故、キャップ部材1601に位置された基板センタリングピン1603が内方に回転されて、基板の縁に協働係合する。ピン1603の協働回転移動で基板が各ポスト1304間にセンタリングされる。基板が各ポスト1304間にセンタリングされると、摩擦なしアクチュエータ1501に圧力をかける操作が連続して適用されることでポスト1304により基板に穏やかな張力を維持することができる。しかしながら、この張力は、基板面に屈曲又は撓みを生じるには不充分な力でありながら、基板を中心位置に維持するに充分な力であるとして計算される。
【0064】
[0096]基板は、これがセンタリングされると、次いで、基板支持部材1303にチャックすることができる。このチャックプロセスは、一般に、チャック1303を上昇させてセンタリングポスト1304に固定された基板の下面に係合させるか、又はセンタリングポスト1304を降下させてチャック1303に基板を位置させるか、或いはチャック1303の上昇とポスト1304の下降を組み合わせることを含む。チャック1303は、真空型チャックでよく、それ故、基板とチャック1303が互いに物理的接触状態にされると、チャック1303の面に減圧を発生して基板をそこに固定することができる。基板がチャック1303に固定されると、ピン1304を降下するか、又はチャック1303を上昇させて、基板をチャック1303のみで支持することができる。
【0065】
[0097]基板がチャックされて固定された状態で、流体処理を開始することができる。流体処理は、一般に、すすぎ溶液アーム1305を、基板の中心のほぼ上の位置へ枢着回転することを含む。次いで、基板をチャック1303上で回転しながら、すすぎ溶液をそこからディスペンスすることができる。この回転により、例えば、DI水でよいすすぎ溶液を、基板の周囲へ向けて半径方向外方に押しやる。すすぎ溶液は、基板のベベル縁を経て流れ、排出深皿1302へ落下し、排出部(図示せず)により収集することができる。また、化学的ディスペンスアーム1306を基板の上に位置させることができ、より詳細には、化学的ディスペンスアーム1306は、エッチング剤溶液をそこから基板の製造面と除外ゾーンとの間の界面にディスペンスできるように、特に位置させることができる。この界面にエッチング剤溶液をディスペンスするプロセスは、一般に、アーム1305からのすすぎ溶液のディスペンスを終了し、次いで、アーム1306からのエッチング剤溶液のディスペンスを開始することを含む。この方法は、製造面に以前にディスペンスされたすすぎ溶液が、製造面へ跳ね返って戻ることのあるエッチング剤を希釈するように働き得るバリア又はシールド層を製造面に維持するのを許容する。更に、エッチング剤をディスペンスする前にすすぎ溶液ディスペンスプロセスを終了させることは、エッチング剤溶液の望ましからぬ希釈を防止するようにも働く。
【0066】
[0098]同様に、背面流体ディスペンスノズル1400を使用して、すすぎ溶液及びエッチング剤溶液を基板の背面にもディスペンスすることができる。背面流体ディスペンスノズル即ちマニホールド1400は、一般に、複数のノズルを備えていて、この背面流体ディスペンスノズル1400がすすぎ溶液及びエッチング溶液の両方をディスペンスするのを許容する。従って、洗浄及びすすぎプロセスが基板の前面で行われている間に、背面ノズル1400を同時に使用して基板の背面をすすぎ及び洗浄することができる。
【0067】
[0099]ここに例示するベベル洗浄プロセスは、基板の前面及び背面の両方を最初に前すすぎすることを含んでもよい。前すすぎプロセスは、基板の前面にDIを約1L/分乃至約2L/分の流量でディスペンスすると共に、基板の背面にDIを約50cc/分乃至100cc/分の流量でディスペンスすることを含んでもよい。このプロセス中に、基板を約150rpm乃至約250rpmで回転してもよく、また、流体ディスペンスプロセスの時間巾は、約8秒乃至約20秒でよい。一般に、前すすぎプロセスは、以前の電気化学的メッキプロセスの結果として基板面に付着することのある残留電解液をすすぎ落とすように構成される。基板が前すすぎされると、回転速度を約2000rpm乃至約3500rpmに約5秒間上げて、基板の縁付近に溜まったDIを除去することができる。その後、基板が依然約2000rpm乃至約3500rpmで回転している間に、例えば、アーム1306により製造面と除外ゾーンとの間の界面にエッチング剤溶液を塗布してもよい。エッチング剤溶液は、例えば、約20cc/分乃至約40cc/分の流量で界面に配送されてもよく、その時間巾は、約10秒乃至約25秒でよい。エッチング剤溶液の流れは、一般に、内径が例えば0.25乃至0.5インチのアパーチャーを有する比較的細いノズルを通る。エッチング剤溶液が製造面へと内方に跳ね返ることによる製造面のしみを最小にするために、回転速度が高い速度に維持される。一般に、エッチング剤溶液を基板にディスペンスするノズルは、界面へのエッチング剤溶液の正確なディスペンスを許容するために基板面から約1mm乃至約3mmのところに位置される。更に、ノズルは、一般に、製造面へ戻る跳ね返しを最小にするために、約30°乃至約50°の角度にされ、即ち基板の周囲に向かう角度にされる。
【0068】
[00100]エッチング剤溶液の化学的構成は、一般に、H2SO4をベースとするもので、それ故、H2SO4の濃度が充分であるときには、固定のH2O2濃度においてエッチングレートは変化しない。同様に、H2SO4濃度が不充分であるときには、エッチングは、H2SO4と共に非直線的に上昇する。更に、H2SO4濃度が充分であるときには、エッチングは、H2O2濃度と共に直線的に変化し、また、H2SO4濃度が不充分であるときには、エッチングレートは、拡散限定酸化のために平坦になる。それ故、エッチング溶液の成分の比は、例えば、約15乃至25部のH2SO4と、約350乃至450部のH2O2と、1400部を越えるH2Oであるか、或いは約20部のH2SO4と、400部のH2O2と、1580部のH2Oとである。これらの濃度は、酸の濃度を上げると、エッチングレートが高くなるが、過酸化物の濃度は、これを高くしたときにエッチングレートに最小限の作用しか及ぼさないことを示している。更に、H2O2濃度が6%未満であるときには、銅の酸化がゆっくりであることが示され、それ故、これらの濃度では、エッチングレートが、一般に、H2SO4濃度によって影響されない。しかしながら、H2O2濃度が6%を越えると、銅の酸化が高まり、それ故、高濃度H2SO4のエッチングレートは、H2O2濃度と共に上昇する。
【0069】
[00101]エッチング剤溶液ディスペンスプロセスの時間が完了すると、すすぎ溶液を、もう一度、製造面に、約1L/分乃至約2.5L/分の流量で、約3秒乃至約10秒間、ディスペンスしてもよいが、回転速度は、約100rpm乃至約300rpmに下げてもよい。基板の製造面にすすぎ溶液をディスペンスするステップは、2つの目的を果たすことができる。第1に、エッチング剤溶液の後にディスペンスされるすすぎ溶液は、跳ね返したエッチング剤溶液を希釈してそれを製造面からすすぎ落とすように働く。第2に、すすぎ溶液は、その後の背面化学ディスペンスステップから跳ね返ることのあるエッチング溶液から保護するための二次保護層も形成する。前面すすぎ溶液に対するディスペンスプロセスが完了すると、背面化学ノズルを作動して、基板の背面にエッチング剤溶液を、約30cc/分乃至約70cc/分の流量で、約4秒乃至約10秒間、ディスペンスしてもよいが、基板の回転速度は、約150rpm乃至約250rpmに維持する。より詳細には、エッチング剤の流量は、約35cc/分乃至45cc/分でよい。高い流量は、改善された縁プロフィール及びベベル洗浄を生じさせることが示されているが、これらの効果は、縁のしみが増加することで抑制される。背面化学ディスペンスステップが完了すると、別の前面すすぎステップを行って、跳ね返したエッチング剤を前面からすすぎ落としてもよい。前面すすぎプロセスは、この場合も、約2秒乃至約6秒の時間中、以前の流量及び回転速度でDIをディスペンスすることを含んでもよい。最終的なすすぎプロセスが完了すると、全ての流体ディスペンスノズルをオフにすると共に、基板の回転速度を、約400rpm乃至約4000rpmに、一般的には、約2000rpm乃至3000rpmに高めて、基板を部分的に又は完全に乾燥させることができる。
【0070】
[00102]図18は、メッキ溶液配送システム1811の一実施形態を示す概略図である。メッキ溶液配送システム1811は、一般に、メッキ溶液を必要とするシステム100上の各処理場所にメッキ溶液を供給するように構成される。より詳細には、メッキ溶液配送システムは、更に、各処理場所に異なるメッキ溶液又は化学物質を供給するように構成される。例えば、配送システムは、第1のメッキ溶液又は化学物質を処理場所110、112へ供給する一方、異なるメッキ溶液又は化学物質を処理場所102、104へ供給してもよい。一般に、個々のメッキ溶液が単一のメッキセルに使用するように分離され、それ故、異なる化学物質との交配汚染の問題は生じない。しかしながら、本発明の実施形態は、2つ以上のセルが、システム上の別のメッキセルへ供給される別の化学物質とは異なる共通の化学物質を共有してもよいことを意図している。これらの特徴は、単一の処理プラットホームへ複数の化学物質を供給する能力が、単一プラットホーム上で複数の化学物質メッキプロセスを許容するので、効果的である。
【0071】
[00103]本発明の別の実施形態では、第1のメッキ溶液と、それとは個別の異なる第2のメッキ溶液を、単一のメッキセルに順次に供給することができる。通常、2つの個別の化学物質を単一のメッキセルに供給するには、各々の化学物質間でメッキセルを排出し及び/又はパージする必要があるが、第1メッキ溶液と第2メッキ溶液との混合比が約10%未満であれば、膜の特性に有害ではない。
【0072】
[00104]メッキ溶液配送システム1811は、通常、複数の添加剤源1802と、少なくとも1つの電解液源1804とを備え、これらは、マニホールド1832を経てシステム100の各処理セルに流体結合される。通常、添加剤源1802は、加速剤源1806と、ならし剤源1808と、抑制剤源1810とを含む。加速剤源1806は、通常基板面に吸着して、その吸着した場所で所与の電圧において電流を局部的に加速する加速剤物質を供給するように適応される。加速剤は、例えば、硫化物系の分子を含む。ならし剤源1808は、平らなメッキを促進するように働くならし剤物質を供給するように適応される。ならし剤は、例えば、窒素含有の長連鎖ポリマーである。抑制剤源1810は、それが吸着する場所(通常、高アスペクト比の特徴部の上縁/角)で電流を減少する傾向のある抑制剤物質を供給するように適応される。それ故、抑制剤は、これらの場所におけるメッキプロセスを低速化し、これにより、特徴部が完全に充填される前に特徴部が早期に閉じるのを低減すると共に、有害なボイドの形成を最小限にする。抑制剤は、例えば、ポリエチレングリコールのポリマー、酸化エチレン及び酸化プロピレンの混合物、或いは酸化エチレン及び酸化プロピレンのコポリマーを含む。
【0073】
[00105]添加物源が尽きる状態を防止すると共に、大量容器の交換中に添加物の浪費を最小にするために、添加剤源1802の各々は、一般に、小さな緩衝容器1816に結合された大量即ち大型の蓄積容器を備えている。緩衝容器1816は、一般に、大量蓄積容器1814から充填され、それ故、大量容器は、流体配送システムの動作に影響を及ぼさずに交換のために取り外すことができる。というのは、それに関連した緩衝容器が、大量容器の交換中にシステムへ特定の添加物を供給できるからである。緩衝容器1816の容積は、通常、大量容器1814の容積より著しく小さい。これは、中断せずに10乃至12時間動作するに充分な添加物を含むサイズとされる。これは、大量容器が空になったときにオペレータが大量容器を交換するに充分な時間を与える。緩衝容器が存在しないが、非中断動作が希望される場合には、大量容器が空になる前に交換しなければならず、従って、添加物の著しい浪費を招くことになる。
【0074】
[00106]図18に示す実施形態では、複数の添加物ソース1802と複数の処理セルとの間にドーズポンプ1812が結合される。このドーズポンプ1812は、一般に、少なくとも第1乃至第4の入口ポート1822、1824、1826、1828を備えている。例えば、第2の入口ポート1822は、一般に、加速剤源1806に結合され、第2の入口ポート1824は、一般に、ならし剤源1808に結合され、第3の入口ポート1826は、一般に、抑制剤源1810に結合され、第4の入口ポート1828は、一般に、電解液源1804に結合される。ドーズポンプ1812の出力1830は、一般に、出力ライン1840によりマニホールド1832を経て処理セルに結合され、順次に供給される添加物(即ち、少なくとも1つ以上の加速剤、ならし剤及び/又は抑制剤)の混合物を、電解液源1804から第1供給ライン1850を経てマニホールド1832に供給される電解液と結合して、必要に応じて第1又は第2のメッキ溶液を形成することができる。ドーズポンプ1812は、測定された量の選択的添加物を処理セル102、104へ供給するように適応される計量装置(1つ又は複数)でよい。ドーズポンプ1812は、ロータリー計量バルブ、ソレノイド計量ポンプ、ダイアフラムポンプ、注射器、蠕動ポンプ、或いは単独で使用されるか又は流量センサに結合される他の正変位ポンプでよい。更に、添加物は、加圧されて流量センサに結合されてもよいし、液体質量流量コントローラに結合されてもよいし、或いは電気化学メッキ溶液をメッキセルに流すことが受け容れられる加圧ディスペンス容器又は他の流体計量装置の重量利用ロードセル測定により計量されてもよい。一実施形態では、ドーズポンプは、所定の添加物をサイクル当り0.32ml推進する回転及び往復セラミックピストンを含む。
【0075】
[00107]本発明の別の実施形態では、流体配送システムは、第2の全く異なるメッキ溶液及びそれに関連した添加物を供給するように構成できる。例えば、この実施形態では、例えば、2つの個別の製造者からのメッキ溶液を使用する能力を処理システム100に与えるために、異なる基礎電解溶液(容器1804に収容された溶液と同様の)を実施することができる。更に、第2の基礎メッキ溶液に対応するように、付加的な1組の添加物容器も実施できる。それ故、本発明のこの実施形態は、第1の化学物質(第1の製造者により供給される化学物質)をシステム100の1つ以上のメッキセルに供給する一方、第2の化学物質(第2の製造者により供給される化学物質)をシステム100の1つ以上のメッキセルに供給することを許容する。各々の化学物質は、一般に、それら自身の関連添加物を有するが、1つ又は複数の添加物源からの化学物質の交配ドーズも、本発明の範囲を越えるものではない。
【0076】
[00108]個別の基礎電解液から2つの個別の化学物質を供給できる流体配送システムを実施するために、図18に示す流体配送システムの複製が処理システムに接続される。より詳細には、図18に示す流体配送システムは、一般に、第2組の添加物容器1802と、第2のポンプアッセンブリ1830と、第2のマニホールド1832(共有マニホールドも考えられる)とを含むように変更される。更に、バージン調合溶液/基礎電解液のための個別の供給源1804も設けられる。付加的なハードウェアは、図18に示すハードウェアと同じ構成で設定されるが、第2の流体配送システムは、一般に、図示された即ち第1の流体配送システムと並列である。従って、ここに実施される構成では、使用可能な添加物の組み合せを伴う各基礎化学物質をシステム100の1つ以上の処理セルに供給することができる。
【0077】
[00109]マニホールド1832は、通常、バルブ列1834とインターフェイスするように構成される。バルブ列1834の各バルブは、マニホールド1832からメッキシステム100の処理セルの1つへ流体を向けるように選択的に開閉することができる。マニホールド1832及びバルブ列1834は、付加的な数の処理セルへの選択的な流体配送をサポートするように任意に構成されてもよい。図18に示す実施形態では、マニホールド1832及びバルブ列1834は、処理を中断せずに、システム100に使用される化学物質又はその成分を異なる組合せでサンプリングするのを許容するサンプルポート1836を備えている。
【0078】
[00110]ある実施形態では、ドーズポンプ1812、出力ライン1840及び/又はマニホールド1832のパージを望むことがある。このようなパージを容易にするために、メッキ溶液配送システム1811は、洗浄及び/又はパージ流体の少なくとも1つを供給するように構成される。図18に示す実施形態では、メッキ溶液配送システム1811は、第1の配送ライン1850に結合された脱イオン水源1842及び非反応ガス源1844を備えている。非反応ガス源1844は、不活性ガス、空気又は窒素のような非反応ガスを、第1の配送ライン1850を経て供給して、マニホールド1832をフラッシュすることができる。非反応ガスに加えて又はそれに代わって、脱イオン水を脱イオン水源1842から供給してマニホールド1832をフラッシュすることができる。また、電解液源1804からの電解液をパージ媒体として使用してもよい。
【0079】
[00111]第1のガス配送ライン1850とドーズポンプ1812との間に第2の配送ライン1852が設けられる。各供給源1804、1842、1844からの電解液、脱イオン水、又は非反応ガスの少なくとも1つを含むパージ流体は、第1の配送ライン1850から第2のガス配送ライン1852を経てドーズポンプ1812へ転流することができる。このパージ流体は、ドーズポンプ1812を経て推進され、出力ライン1840からマニホールド1832へ送出される。バルブ列1834は、通常、パージ流体を排出ポート1838から再生利用システム1832へ向ける。種々の他のバルブ、レギュレータ、及び他の流量制御装置は、明瞭化のために説明及び/又は図示されていない。
【0080】
[00112]本発明の一実施形態では、第1の化学物質をマニホールド1832へ供給することができ、これは、半導体基板上の銅の特徴部充填を促進する。第1の化学物質は、約180乃至約65g/lの銅、約55乃至約85ppmの塩素、約20乃至約40g/lの酸、約4乃至約7.5ml/Lの加速剤、約1乃至5ml/Lの抑制剤を含むが、ならし剤は含まないものでよい。この第1の化学物質は、基板上に配置された特徴部に金属を実質的に充填できるように、マニホールド1832から第1のメッキセル102へ配送される。第1の化学物質は一般に特徴部を完全に充填せず且つ堆積速度が本来低速であるので、第1の化学物質は、堆積層のギャップ充填性能及び欠陥比を向上させるのに最適なものとすることができる。第1の化学物質とは異なる化学物質を伴う第2の化学物質調合物を、マニホールド1832を経てシステム100の別のメッキセルへ供給することができ、ここで、第2の化学物質は、基板上における銅の平坦なバルク堆積を促進するように構成される。第2の化学物質は、例えば、約185乃至約60g/lの銅、約60乃至約80ppmの塩素、約20乃至約40g/lの酸、約4乃至約7.5ml/Lの加速剤、約1乃至約4ml/Lの抑制剤、及び約6乃至約10ml/Lのならし剤を含むものでよい。第2の化学物質は、特徴部充填及び平坦化堆積ステップ中に堆積された金属の上で効率的なバルク金属堆積プロセスを実行して特徴部の残りの部分を充填できるように、マニホールド1832から第2の処理セルへ配送される。第2の化学物質は、一般に、特徴部の上部を充填するので、第2の化学物質は、基板のスループットに実質的な影響を及ぼさずに、堆積された材料の平坦化を向上させるのに最適なものとすることができる。従って、2ステップの、異なる化学物質の堆積プロセスは、堆積される膜の迅速な堆積及び良好な平坦化の両方の実現を許容する。
【0081】
[00113]メッキ溶液配送システム1811は、この流体配送システム1811を、ボードメッキシステム100に位置された流体蓄積タンクに接続する複数の流体コンジットと連通する。より詳細には、流体ディスペンスマニホールド1832は、一般に、図19に示すように、複数のコンジット1901、1902、1903と連通する。これらコンジット1901、1902、1903の各々は、以下に詳細に述べる特定の流体蓄積タンク1904−1911に接続される。従って、流体配送システム1811は、特定のカソード液又はアノード液の溶液を混合してタンク1904−1911の1つへ供給するように制御できる。特定のアノード液/カソード液の溶液がマニホールド1832へ供給され、このマニホールドは、操作可能なバルブを選択的に開いて、特定の溶液をコンジット1901、1902、1903の1つへ流し込めるようにする。例えば、コンジット1901が、プラットホーム100上の特定のメッキセルに特定のカソード液を供給するように構成されていると仮定すれば、コンジット1901に供給されるカソード液は、そのコンジットにより、その特定のメッキセルにカソード液を供給するように構成されたタンク1904のような特定のメッキセル保持タンクへ運ばれる。カソード溶液はタンク1904へ配送され、次いで、コンジット1901に位置されたバルブが閉じて、タンク1904への溶液の流れを終了させる。次いで、タンク1904を使用して、カソード液を、電気化学的メッキプロセスのためのプラットホーム100上の特定メッキセルに供給することができる。コンジット1901に残留する溶液は、特定コンジットを経て1つ以上のセルへ別の溶液を供給する前に、コンジットからパージ又は排出して、交配汚染の問題を最小限にすることができる。
【0082】
[00114]図19に示すタンク、即ちタンク1904−1911の各々は、一般に、対に配列される。より詳細には、タンク1904及び1905は、対として動作し、一方、タンク1906及び1907、タンク1908及び1909、タンク1910及び1911も、同様に、タンク対として動作する。タンク対は、一般に、第1溶液を含むように構成された第1タンクと、第1溶液とは異なる第2溶液を含むように構成された第2タンクとを含む。図1に例示されたメッキシステムでは、メッキ場所112に、図2に示すメッキセル200のようなメッキセルを設けることができ、それ故、第1タンク1900は、カソード溶液をセル200へ供給するように構成できる一方、第2タンク1905は、アノード溶液をメッキセル200に与えるように構成できる。上述したように、カソード溶液は、流体配送システム1811により準備されて、コンジット1901を経てタンク1904へ配送することができる。同様に、アノード溶液は、流体配送システム1811により準備されて、コンジット1903を経てタンク1905へ配送することができる。
【0083】
[00115]タンク1904及び1905の構成と同様に、タンク1906及び1907は、プラットホーム100上の処理場所110に位置されたメッキセルへメッキ溶液を供給するように構成できる。更に、タンク1910及び1911と、タンク1908及び1909は、各々、処理場所104及び102に位置されたメッキセルへメッキ溶液を供給するように使用できる。タンク対1906−1911の各々は、それらの各メッキセルへカソード溶液及びアノード溶液の両方を供給するように構成できる。或いはまた、これらタンクは、それらに関連したメッキセルにカソード溶液のみを供給するように構成されてもよく、即ちこれらタンクは、処理プラットホーム100上の1つ以上のセルへ単一のメッキ溶液を供給するように構成された単一のタンクへと結合されてもよい。
【0084】
[00116]図20は、タンク2000の内部コンポーネントが見えるようにするためにタンクの2つの壁を除去したタンク2000を例示する斜視図である。タンク2000は、一般に、流体溶液を収容するように構成された内部容積部を画成する直立した側壁2001を有する包囲されたスペースを含む。流体返送アッセンブリ2002がタンクへと下方に延びており、タンク2000の下部付近で終わる。また、タンク2000の内部容積部は、タンク2000の内部容積部に流体の流れをバッフルするように構成された複数の交差壁2008も備えている。タンク2000の下部は、タンク2000内に収容された処理流体に温度制御を与えるように一般に動作する熱交換器2006を備えている。ポンプヘッドアッセンブリ2004がタンク2000の内部容積部へ延びて、タンク2000の底部付近で終わり、一般的に、処理ステップで使用するためにタンク2000の内部容積部から流体を引き出すように構成される。
【0085】
[00117]図21は、本発明の流体タンクを例示する平面図である。図20に示すように、流体タンク2000は、その内部容積部に位置された複数の直立した流体転流壁2008を備えている。これら転流壁2008の位置は、一般に、複数の流体区画2101、2102、2103、2104及び2108を形成するように働く。これら流体区画の各々は、図22に示すように、流体パススルー2113を経て隣接流体区画と連通する。更に、内壁2008に加えて、選択された区画には、図21に示すように、角度付けされた流体転流壁2105、2106及び2107を位置することができる。より詳細には、流体タンクは、傾斜した即ち角度付けされた流体受け入れ壁2300を含むことができる。この角度付けされた即ち傾斜した壁2300は、外壁でも内壁でもよい。とにかく、この傾斜した壁は、液体溶液をタンクに垂直に注ぎ込むことにより発生される気泡を最小にすることにより、タンクに収容された溶液における気泡の形成を最小限にするよう構成される。この実施形態では、タンクに配送された流体は、流体返送ライン2002により、角度付けされた壁2300へとディスペンスされ、流体は、場所2301において壁2300へ流れ、次いで、壁2300の表面に沿って、矢印「A」で示す方向に、タンクに収容された溶液へと下方に流れ込むようにされる。勾配の付いた即ち傾斜した壁を溶液へと下る溶液の流れは、タンク内の溶液と、タンクへ返送される溶液との間の界面に形成される気泡を最小にする。
【0086】
[00118]それ故、動作中に、流体は、一般に、第1の流体区画2101で終わる流体供給ライン2110を経てタンク2000へ返送される(任意であるが、流体供給ラインは、上述したように、角度付けされた壁で終わってもよい)。区画2101へ供給される流体は、第1の流体パススルー2111を経て第2の流体区画2102へ進む。流体が第2流体区画2102へ入ると、流体は、角度付けされた流体転流壁2105へ向けられる。流体は、角度付けされた流体転流壁2105の周りを進み、次いで、第2の流体パススルー2112を経て第2の流体区画2108へと進む。第1の流体区画と同様に、流体は、角度付けされた壁で閉ざされ、別の流体パススルーを経て第3の流体区画2103へ進み、そこで、同じプロセスが繰り返され、やがて、流体は、最終的な流体パススルー2114を経て最終的な流体区画2104へ通される。角度付けされた個々の壁の各々は、以下で更に述べるが、タンク内の気泡を最小にするように流体の流れと相互作用するよう構成される。更に、パススルー2111−2114の位置も、タンク内の気泡を最小にするように働く。というのは、気泡の浮力は、一般に、気泡が、各壁の下部に位置されたパススルーを経て進むのを妨げるからである。ポンプヘッド2000は、一般に、最終的流体区画2104で終わり、それ故、流体は、最終的区画2104からポンプヘッド2004を経て、タンク2000からポンプ送りされる。
【0087】
[00119]上述したように、複数の直立壁2008及び角度付けされた流体転流壁2105、2106、2107の位置は、タンク2000からポンプ送りされる流体溶液中の気泡を最小にするように働く。より詳細には、タンク2000の構成は、タンク2000に配送される流体が、多数の壁にぶつかり、多数の壁の周りをめぐり、更に、多数の流体パススルーを通して流れた後に、タンク2000からポンプヘッド2004を経てポンプ送りされるのを必要とするように設計される。動作中に、流体が固定面にぶつかるように流されると、溶液中の気泡が固定面に付着する傾向があり、従って、流動する液体から気泡が除去される。同様に、複数の流体フィードスルー2101を流体が通過すると、流体溶液に浮遊した気泡がそこから除去されることが示されている。従って、本発明のタンク構成は、タンク2000からポンプ送りされる流体溶液中の気泡を最小にするように構成される。これは、メッキセルに供給される流体溶液即ち電解液中の気泡が、メッキされた基板に実質的な欠陥を生じさせることが示されているので、電気化学的メッキシステムにとって特に重要である。
【0088】
[00120]本発明の別の実施形態では、タンク2000は、タンク2000に配送される流体から生じる気泡形成を更に最小にするように変更される。より詳細には、電気化学的メッキシステムのための従来の流体蓄積タンクは、一般に、タンクの上部に位置されたアパーチャーを経て蓄積タンクへ流体を配送する。従って、タンクに配送された流体は、重力で落下し、本質的に、タンク内の溶液へ注がれる。この注ぎ動作がメッキ溶液に気泡を発生することが示されている。それ故、本発明の実施形態は、最小の気泡形成で電気化学的メッキシステムの蓄積タンクへ流体を配送するための改良された方法を提供する。この方法は、一般に上述され且つ図23に示されたように、タンク2000の第1区画2101内に角度付けされた壁を位置させることを一般的に含む。角度付けされた壁は、容器2101を取り巻く直立壁の1つに取り付けることができ、タンク2000に配送された流体は、角度付けされた壁に直接ディスペンスされる。流体は、角度付けされた壁上を、タンクの底部の流体へと下方に流れる。この構成では、流体は、タンクへ落下したり、注がれたり、跳ね返したりせず、むしろ、流体は、角度付けされた壁へディスペンスされ、大量溶液中の気泡形成を最小としながら、シート状作用で大量溶液中へ均一に流れ込むようにされる。
【0089】
[00121]また、本発明の各タンクは、アスペクト比、即ちタンクの高さとタンクの辺又は断面積との比を大きくするように構成される。従って、タンクは、一般に、小さな断面積、即ち長さ及び巾を有すると共に、大きな高さ寸法を有する。これは、少ない量の溶液が使用されるときでも最適なポンプヘッド深さを与える。例えば、本発明の実施形態は、巾が約9インチで、長さが約7.75インチで、高さが約19インチで、内容積が約17リッターのタンクを使用する。従って、アスペクト比は、1:1より大きくなる(19:(9+7.75))。ポンプヘッド深さを最大にする本発明の別の特徴は、タンクの下部における熱交換器の位置である。これは、タンクの下部内の実質的な容積を押しのけ、それ故、ポンプヘッド深さを増加させる。
【0090】
[00122]動作において、本発明の実施形態は、一般に、メッキシステム用の配管システムであって、一体的な電気化学的メッキプラットホームに位置された複数のメッキセルへ複数の化学物質を供給するように構成された配管システムを提供する。より詳細には、本発明の配管システムは、例えば、電気化学的メッキプラットホーム上の第1メッキセルへ第1メッキ溶液を供給する一方、その第1化学物質とは異なる第2化学物質を、電気化学的メッキプラットホーム上の第2メッキセルへ供給するように構成される。本発明の配管システムは、例えば、一体的なシステムプラットホーム上に位置された4つの異なるメッキセルに4つの異なるメッキ化学物質を供給するように拡張できる。更に、図2に示すメッキセル200のように、アノード液及びカソード液の両方を使用するように構成されたメッキセルを使用するメッキシステムでは、本発明の配管システムは、一般に、処理プラットホーム上に位置された各メッキセルへ個別のカソード溶液を供給する一方、処理プラットホーム上に位置された各メッキセルへアノード溶液を供給するように構成される。以前の実施形態と同様に、カソード溶液は、全て、異なるものでよく、更に、アノード溶液も、互いに異なるものでよい。
【0091】
[00123]図1に示すプラットホーム100のような電気化学的メッキプラットホームを動作するときには、配送システム1811は、処理場所112及び110に位置されたメッキセルに対するカソード溶液を形成するように作動できる。カソード溶液は、適当な量の酸、ハロゲン化物、持続電解液、添加物、及び/又は電気化学的メッキ溶液に一般に使用される他の成分を含んでもよい。この溶液は、流体配送システム1811において混合され、マニホールド1832を経てポンプ送りされ、更に、コンジット1901へ供給されて、タンク1904及び1906に配送することができる。この構成において、タンク1904及び1906は、処理場所110及び112に位置されたメッキセル200のカソード液チャンバーと流体連通される。メッキセル200は、カソード液及びアノード液の両方を必要とする形式のメッキセルであるので、流体配送システム1811は、セルに使用するためのアノード液を形成するようにも作動できる。アノード液は、流体配送システム1811において形成され、マニホールド1832へ送られ、更に、流体コンジット1903を経てタンク1905及び1907へ配送することができる。これらタンク1905及び1907は、一般に、処理場所110及び112に位置されたメッキセル200のアノード又はアノード液区画と流体連通される。
【0092】
[00124]タンク1904−1907へ供給されるアノード液及びカソード液の特定の組み合せは、半導体基板に対するボトムアップ充填特性を最適なものとするように構成できる。より詳細には、例えば、タンク1904及び1906に供給されるカソード溶液中のならし剤、抑制剤及び加速剤のような添加物の濃度は、半導体基板の高アスペクト比の特徴部にほぼメッキ材料がないような初期のメッキ段階を容易にするように構成できる。半導体基板における特徴部充填を開始するプロセスは、全メッキプロセスにとって重要である。というのは、特徴部の閉鎖を得たりメッキ材料にボイドを発生したりせずに、ボトムアップにより高アスペクト比の特徴部を充填することが一般に困難だからである。それ故、本発明の配管システムは、ボトムアップ充填を容易にするように設計された特定の化学物質で特定の処理場所において特徴部充填プロセスを実行するのを許容する。
【0093】
[00125]同様に、ボトムアップ即ち特徴部充填プロセスが完了されると、基板は、一般に、特徴部をバルク充填又はオーバー充填する二次メッキプロセスに通される。バルク充填プロセスは、一般に、特徴部充填プロセスより高いメッキ率で行われ、それ故、一般に、高い電流密度を使用する。従って、特徴部充填を促進するのに使用される化学物質は、バルク充填プロセスを促進するものとして最適でないことがある。それ故、本発明の配管システムは、各プロセスを最適なものにするために異なる化学物質が必要とされても、特徴部充填プロセス及びバルク充填プロセスの両方を同じプラットホーム上で実行できるように、付加的な化学物質の能力を与える。より詳細には、処理場所102及び104には、パルプ充填メッキプロセスを促進するように構成されたメッキセル200を位置することができる。特徴部充填に使用されるメッキセルは、バルク充填に使用されるメッキセルと本質的に同一でよいが、各セルに供給される化学物質は一般に異なる。従って、本発明の配管システムは、タンク1918−1911へ個別のカソード液及び/又はアノード液を供給するように構成でき、これらタンクは、一般に、これらの各溶液を処理場所102、104へ供給するように構成される。特に、流体配送システム1811は、パルプ充填メッキプロセスを促進するように構成されたカソード溶液を形成するよう作動され、また、そのようにさせることができる。カソード溶液は、マニホールド1832へ配送され、このマニホールドは、カソード溶液を流体コンジット1902へ供給することができる。流体コンジット1902は、バルク充填カソード溶液をタンク1909及び1911へ配送することができる。同様に、流体配送システム1811は、バルク充填プロセスのためのアノード溶液を形成するように使用することもでき、このアノード溶液は、コンジット1903を経てタンク1908及び1910に配送できる。
【0094】
[00126]メッキ溶液が各タンクに配送されると、基板を処理プラットホーム100に導入して、処理場所110又は112の1つに位置することができる。基板に形成された特徴部は、処理場所110又は112で行われる特徴部充填メッキプロセスで充填することができる。その後、基板を、バルク充填プロセスのために処理場所102又は104に移送することができる。処理場所110、112で行われるプロセスは、セル場所102、104で行われるプロセスとは個別の又は異なる化学物質を使用してもよい。更に、いずれか一方の処理場所、即ち処理場所112で使用される化学溶液は、他の処理場所、即ち処理場所110とは異なるものでよい。というのは、本発明の流体配送システム1811及び配管システムは、処理プラットホーム100上の各個々のメッキセルに別々の化学物質を供給するのを許容するからである。
【0095】
[00127]本発明の別の実施形態では、本発明の流体コンジットの1つに脱ガス装置を位置させて、コンジットに流れる流体から気泡を除去することができる。この脱ガス装置は、例えば、タンクをメッキセルに接続するコンジットの1つに位置されて、メッキセルへ供給される流体(メッキ溶液)から気泡を除去するように動作できる。更に、本発明のメッキシステムでは流体の流れを発生するために複数のポンプが必要とされるので、1つ以上の流体コンジットにフィルタを位置することができる。これらフィルタは、流体がメッキセルに到着する前に、ポンプの機械的部品により発生された粒子を流体の流れから除去するように構成できる。
【0096】
[00128]メッキされた膜における欠陥を最小にするために、メッキセルに収容されたメッキ溶液に基板を浸漬するプロセス中に基板面に付着する気泡を最小限としなければならない。それ故、本発明の実施形態は、処理流体に基板を浸漬する方法であって、最小限の気泡しか発生しない方法を提供する。本発明の浸漬方法は、基板を支持し且つ基板に電気的に接触するように構成されたヘッドアッセンブリに基板をロードするプロセスで開始される。このヘッドアッセンブリは、一般に、ロードスペースにより分離されたコンタクトリング及びスラストプレートアッセンブリを備えている。コンタクトリング及びスラストプレートアッセンブリの詳細な説明は、参考として全体をここに援用する「Plating Uniformity Control By Contact Ring Shaping」という名称で2002年10月22日に出願された共通に譲渡された米国特許出願第10/278,527号に見ることができる。ロボットを使用して、アクセススペースを経てコンタクトリングに基板を位置させる。より詳細には、ロボットは、減圧係合装置で基板の背面に係合するように構成された真空型ロボットでよい。次いで、基板は、表面を下にした(製造面を下に向けた)向きで支持され、真空係合装置を基板の背面即ち非製造面に取り付けることができる。次いで、ロボットを、アクセススペースを経てコンタクトリングまで延ばし、コンタクトリングのコンタクトピン/基板支持面に基板を位置させるように降下し、真空係合装置を解離し、引っ込め高さまで上昇し、次いで、コンタクトリングから引っ込めることができる。
【0097】
[00129]基板がコンタクトリング2402に位置されると、スラストプレートアッセンブリ2404を処理位置へ降下することができる。より詳細には、図24は、スラストプレート2404を基板ロード位置で示しており、即ちスラストプレート2404は、アクセススペース2406を最大にするように、垂直方向でコンタクトリング2402の下面より上に位置される。この位置では、ロボット120は、基板をコンタクトリング2402にロードするのに使用できるスペースの量が最大である。しかしながら、基板がロードされると、スラストプレート2404を垂直方向、即ち図24に矢印2410で指示された方向に作動して、コンタクトリング2402に位置された基板の背面に係合させることができる。コンタクトリング2402に位置された基板の背面にスラストプレート2404を係合させると、基板をコンタクトリング2402に処理のために固定しながら、コンタクトリング2402に位置された電気接点ピンに対して基板を機械的にバイアスさせることになる。
【0098】
[00130]基板がスラストプレート2404によりコンタクトリング2402に固定されると、ヘッドアッセンブリ2400の下部、即ちコンタクトリング2402とスラストプレート2404との結合体が、ある傾斜角へ枢着回転される。ヘッドアッセンブリの下部は、ピボット点2408の周りでのヘッドアッセンブリの枢着操作によりその傾斜角まで枢着回転される。ヘッドアッセンブリ2400の下部は、ピボット点2408の周りで操作され、これは、ヘッドアッセンブリ2400の下部を、図24に矢印2409で示された枢着移動させる。ヘッドアッセンブリ2400の下部と、コンタクトリング2402に位置された基板のメッキ面は、ヘッドアッセンブリ2400の移動により傾斜角まで傾斜され、ここで、傾斜角は、コンタクトリング2402に固定された基板のメッキ面/製造面と水平との間の角度として定義される。この傾斜角は、一般に、約3°乃至約30°であり、特に、約3°乃至約10°である。
【0099】
[00131]ヘッドアッセンブリ2400が傾斜されると、これをZ方向に操作して浸漬プロセスを開始することができる。より詳細には、ヘッドアッセンブリ2400を、図25に示すように、矢印2501で指示された方向に操作して、コンタクトリング2402に位置された基板を、ヘッドアッセンブリ2400の下に位置されたメッキセル2504内に収容されたメッキ溶液に向けて運ぶことができる。図2に示すメッキセル200と一般的に同様のメッキセル2504は、メッキ溶液を収容するように構成される。メッキ容積は、一般に、メッキセル2504の内部堰内に収容されて、この内部堰の最上点2502をオーバーフローする。それ故、ヘッドアッセンブリ2400がメッキセル2504に向けて移動されると、コンタクトリング2402の下面、即ち傾斜角の結果としてメッキセル2504の最も近くに位置されたコンタクトリング2402の面は、ヘッドアッセンブリ2400がセル2502に向けて操作されたときにメッキ溶液に接触する。セル2502に向かってヘッドアッセンブリ2400を操作するプロセスは、更に、コンタクトリング2402に回転移動を与えることを含んでもよい。従って、浸漬プロセスの初期段階中に、コンタクトリング2402は、垂直即ちZ方向に操作されながら、ヘッドアッセンブリ2400を経て上方に延びる垂直軸の周りで回転もされる。一般に、コンタクトリング2402が回転される垂直軸は、基板面に一般に直交する。基板にバイアスを印加しながらメッキ溶液に基板を浸漬するプロセスは、2001年1月18日に「Reverse Voltage Bias for Use in Electro-Chemical Plating System」という名称で出願された共通に譲渡された米国特許出願第09/766,060号に説明されており、これは、1999年4月8日に出願された米国特許第6,258,220号の利益を請求するもので、これらは両方とも参考としてその全体をここに援用する。
【0100】
[00132]メッキセル2504内に収容されたメッキ溶液に基板が浸漬された状態になったときに、ヘッドアッセンブリ2400のZ移動が終了となり、コンタクトリング2402の傾斜位置が、図26に示すように、水平に戻される。垂直即ちZ方向移動の終了は、傾斜角が除去されたときにセル2504に収容されたメッキ溶液に基板を維持するように計算される。更に、本発明の実施形態は、傾斜角の除去、即ちコンタクトリング2402の水平位置への復帰を、コンタクトリング2402のメッキ溶液への垂直移動と同時に実行できることも意図している。従って、本発明の実施形態は、基板が傾斜角に位置された状態で基板を最初にメッキ溶液に接触させ、次いで、基板をメッキ溶液に浸漬し続けながら傾斜角を水平に復帰できることも意図している。このプロセスは、垂直操作及び傾斜角操作の両方を含む独特の移動を発生し、これは、浸漬プロセス中の気泡の発生及び基板面への付着を低減することが示されている。更に、浸漬プロセス中の基板の垂直及び枢着操作は、コンタクトリング2402の回転移動を含んでもよく、これは、浸漬プロセス中の気泡の発生及び基板面への付着を更に最小にすることが示されている。
【0101】
[00133]基板が、セル2504内に収容されたメッキ溶液に完全に浸漬されると、ヘッドアッセンブリ2400を垂直方向(下方)に更に操作して、基板をメッキ溶液へ更に浸漬させ、即ち図27に示すように、基板をメッキ溶液に更に即ちより深くに位置させることができる。また、このプロセスは、基板の回転を含んでもよく、これは、浸漬プロセス中に形成された気泡を基板面から追放するように働く。基板がメッキ溶液内の深部に位置されると、ヘッドアッセンブリ2400を、再び、ピボット点2408に周りで枢着回転し、従って、基板面を、図8に示すように、傾斜角に位置させることができる。更に、ヘッドアッセンブリ2400は、以前のステップにおいて基板を下方にメッキ溶液へと操作しただけであるから、図8に示す傾斜移動は、一般に、傾斜したコンタクトリングの高い側でメッキ溶液から基板面を持ち上げるものではない。より詳細には、ピボット点2408は、ヘッドアッセンブリ2400の中央に位置されているので、ヘッドアッセンブリがピボット点2408の周りでコンタクトリング2402を枢着回転すると、コンタクトリング2402の片側がメッキ溶液中へと更に浸漬される一方、コンタクトリング2402の反対側は枢着運動の結果としてメッキ溶液の表面に向かって上方に持ち上げられる。従って、基板は、浸漬されると、メッキ溶液内に維持されることが意図されるので、ヘッドアッセンブリ2400は、基板の少なくとも一部分をメッキ溶液から持ち上げることなく、コンタクトリング2402を図27に示す水平位置から、図28に示す傾斜位置へ移動するために、メッキ溶液中へと更に操作されねばならない。ヘッドアッセンブリ2400の最終的傾斜運動は、一般に、処理位置、即ちコンタクトリング2402により支持された基板が、メッキセル2502の下部に位置されたアノードに一般的に平行となる位置に、コンタクトリング2402を位置させることに対応する。更に、処理位置にコンタクトリング2402を位置させることは、メッキセルの下部に位置されたアノードに向けてヘッドアッセンブリ2400を更に操作して、基板のメッキ面をメッキ処理のためにアノードから特定の距離に位置できるようにすることを含んでもよい。
【0102】
[00134]更に、本発明の浸漬プロセスは、気泡除去プロセスを更に向上させるように構成された振動運動を含んでもよい。より詳細には、ヘッドアッセンブリ2400は、第1の傾斜角と第2の傾斜角との間で振動式に前後に傾斜され、即ち基板がメッキ溶液に浸漬されたときに基板が第1角度と第2角度との間で数回傾斜されるようにすることができる。この傾斜運動は、素早く、即ち1秒当たり約2回の傾斜から1秒あたり約20回の傾斜まで行うことができる。この傾斜運動は、回転を付随してもよく、これは、基板面に付着する気泡の追放を更に容易にする。
【0103】
[00135]また、本発明の浸漬プロセスは、メッキ溶液内での基板の垂直振動を含んでもよい。より詳細には、基板がメッキ溶液に浸漬されると、基板を上下に操作することができる。基板がメッキ溶液内で上方に持ち上げられると、基板の下の溶液の量が増加し、それ故、基板の下のエリアへの溶液の迅速な流れが形成される。同様に、基板が下げられると、その量が減少し、外側への溶液の流れが発生される。従って、垂直方向の基板の操作、即ち上下の繰り返し運動は、逆転即ち振動する流体の流れを基板面に生じさせる。この振動に回転を追加すると、基板面にわたる振動流体の流れが更に増加する。これらの振動する流体の流れは、気泡の除去を改善し、それ故、欠陥を減少することが示されている。
【0104】
[00136]本発明の浸漬プロセスは、基板がメッキ溶液に浸漬されたときに基板の回転振動を更に含んでもよい。より詳細には、基板は、一般に、浸漬及びメッキの両プロセス中に回転される。この回転は、一般に、基板面に発生される欠乏メッキ溶液の循環により基板面における流体の流れを増加させる。また、この回転及び流体流れ特性は、浸漬プロセス中に、気泡除去を容易にするように使用することもできる。より詳細には、本発明の実施形態は、基板の浸漬中及び/又はその後に、基板を変化する回転速度及び変化する方向に回転できることも意図している。例えば、基板が溶液に浸漬されると、基板を先ず時計方向に所定時間中回転した後に、回転方向を反時計方向に所定の時間中切り換えることができる。回転方向は、用途に応じて、数回切り換えてもよいし、又は一回だけでもよい。
【0105】
[00137]更に、本発明の実施形態は、上述した振動方法を組み合せて実施してもよい。例えば、本発明の浸漬プロセスは、傾斜操作、回転操作、及び垂直操作、又はその任意の組み合せを含んでもよい。
【0106】
[00138]図29は、基板面が回転されずに電解溶液中に浸漬され且つ基板が水平から傾斜角に傾斜されるときの基板面を示す図である。この実施形態では、基板2907は、基板の縁が、基板2907の第1の縁2908において電解溶液に最初に接触するときに浸漬を開始する。基板支持部材又はヘッドアッセンブリの垂直運動が続くと、陰影付けされたエリア2909で示されたように、電解溶液に浸漬される基板の面積が比例的に増加する。しかしながら、陰影付けされたエリア2909は、全浸漬面積を表わしていないことに注意されたい。むしろ、エリア2909は、一般に、最も最近に浸漬される面積を表わし、それ故、基板の縁から、j+1と示された線までのエリアが、時間J+1における基板の全浸漬面積を表わす。それ故、電源が浸漬プロセス中に基板面にわたって一定の電流密度を与えるために、浸漬されている基板の経時変化面積を計算するか、さもなければ、推定又は決定し、これを使用して、電解溶液に浸漬された基板のエリアにわたり一定の電流密度を与えるのに必要な経時変化電流を決定することができる。従って、本発明の実施形態は、基板の浸漬速度の関数として基板へ電流を供給する。というのは、基板の浸漬速度、即ち基板がメッキ溶液へ浸漬される垂直方向速度が、浸漬プロセス中の基板の浸漬面積の変化に直接対応するからである。更に、基板は、一般に、浸漬プロセス中に回転されるが、面積の計算は、非回転実施形態でも不変である。というのは、基板の回転は、単位時間当たりにメッキ溶液に浸漬される基板の面積を増加も減少もしないからである。
【0107】
[00139]電解溶液中に浸漬される基板の経時変化面積の計算は、一般に、基板の浸漬部分の分区分の面積を増分的に計算し、次いで、それら区分を一緒に加算して、特定の時間中に浸漬される全面積を得ることを含む。この計算及び浸漬プロセス中の基板への電流の印加は、参考としてここに全体を援用する2002年4月29日に出願された「Apparatus and Method for Regulating the Electrical Power Applied to a Substrate During Immersion」と題する出願中の共通に譲渡された米国特許出願第10/135,546号に示されている。更に、この参照する特許出願は、一般に、浸漬バイアスを制御することに向けられるが、本出願人は、以下に更に述べるように、この方法を使用して除去バイアスを制御できることも意図している。
【0108】
[00140]本発明の一実施形態では、基板に供給される電流は、浸漬表面積が時間の計算に基づいて増加するにつれて増加される。例えば、浸漬プロセスの全時間は、実験により決定することができる。その後、浸漬プロセスにおける経過時間と浸漬した表面積との間の相関を計算により決定することができる。従って、経過時間と浸漬面積との間の相関が決定されると、浸漬時間の増加に基づいて基板への電流及び供給を決定することができる。というのは、この時間は、浸漬面積に比例するからである。それ故、浸漬時間と浸漬表面積との間の相関が分かると、浸漬プロセス中に基板に供給される電流の比例的変化を含ませるように処理レシピを変更して、浸漬表面積にわたり均一な電流密度を、浸漬プロセス全体にわたって維持できるようにすることができる。
【0109】
[00141]本発明の別の実施形態では、センサを使用して、浸漬プロセス中の基板の正確な半径方向位置即ち傾斜位置を決定することができる。したがって、この位置がコントローラへ送信され、コントローラは、次いで、浸漬面積をリアルタイムで計算することができる。次いで、この計算された浸漬面積を使用して、基板の浸漬面積にわたり均一な電流密度を維持するために基板に供給されるべき電流を決定することができる。測定プロセスの粒状性/増分区分サンプリングは、単位時間当たりにより多くの測定を行うだけで、ひいては、浸漬面積へ供給される電流を単位時間当たりにより大きく調整するだけで、増加することができる。ここに示す実施形態の最終結果は、基板の浸漬表面積にわたって均一な電流密度を与えることであるが、ここに示す実施形態は、非均一な浸漬プロセス中にも基板の浸漬面積にわたって均一な電流密度を与える。例えば、基板の浸漬速度が一定でないか、又は各浸漬プロセスの間にその反復性がない場合には、本発明を使用して、浸漬速度に関わらず基板の浸漬面積にわたり均一な電流密度を維持することができる。というのは、電流の計算が浸漬経過時間とは独立しているからである。それ故、ここに示す実施形態のフィードバックループ型システムは、浸漬プロセスの経過時間が多数の基板浸漬にわたって一定ではない特定構成の本発明の他の実施形態に勝る効果を発揮することができる。
【0110】
[00142]本発明の別の実施形態では、基板面にわたり均一な電流密度を維持するための方法が、メッキセルから基板を除去するプロセス中に使用される。例えば、基板のメッキプロセスが完了すると、浸漬プロセスのステップを逆にするように基板がメッキチャンバーから除去される。この逆の浸漬プロセスでは、浸漬プロセス中に維持される一定電流密度と同様に、均一性の変動を回避するために、基板の浸漬面にわたって一定の電流密度を維持することが望まれる。それ故、この逆の浸漬プロセスでは、基板へ供給される電流を、基板の浸漬面積が減少するにつれて減少させて、基板の浸漬面積にわたり均一な電流密度を維持できるようにする。この逆の浸漬プロセス中に基板への電流を制御するプロセスは、例えば、以前の実施形態で説明したように、フィードバックループ型システム又は経時変化電流制御型システムに対して実行される。実施される電流制御システムの形式に関わらず、この逆の浸漬プロセス中に基板へ供給される電流は、一般に、メッキ溶液中に浸漬されたままである基板の表面積に比例する。
【0111】
[00143]メッキプロセスは、コンタクトリング2402を経て基板に電気的バイアスを印加することを含む。メッキバイアスは、順方向バイアスであり、即ちメッキバイアスは、基板がメッキセルにおいてアノード205よりも負に荷電されるように構成され、従って、メッキ溶液中の正に荷電された金属イオンが、負に荷電された基板をメッキすることになる。従来のメッキシステムでは、メッキプロセスが完了すると、電気的バイアスが終了となり、基板がメッキセルから除去される。しかしながら、上述したように、従来のメッキシステム及び方法は、一般に、メッキバイアスの終了とメッキ溶液からの基板の除去との間に少なくとも僅かな時間遅延を含む。この時間遅延の間に、基板がメッキ溶液に接触し、メッキ溶液はしばしばその性質が酸性であるから、メッキ溶液がこの時間遅延中にメッキ層の表面をエッチングすることになる。このエッチングは、メッキ層の滑らかな表面を粗面化させ、これは、CMPプロセスのようなその後の処理ステップにとって有益でない。
【0112】
[00144]それ故、本発明の方法及び装置は、この遅延時間中に基板に順方向の基板除去バイアス(基板はアノードに対して負である)を印加するように構成される。この除去バイアスは、メッキ層の表面のエッチングを防止するように構成され、それ故、除去バイアスは、メッキ層の滑らかな表面を保存するように構成される。除去バイアスは、一般に、メッキバイアスが終了された直後に基板に印加され、即ちメッキバイアスから除去バイアスへの移行をシームレスとすることができ、順方向バイアスを印加せずに基板がメッキ溶液に露出されることがないようにする。除去バイアスは、メッキ層のエッチングを防止又は阻止するに充分であるように計算されるが、除去バイアスは、また、メッキ層の表面における堆積を最小にするようにも構成される。従って、除去バイアスは、システムのメッキ電位のすぐ上となるように構成できると共に、除去バイアスの駆動電流は、これを最小にし、即ちエッチングを防止するに足るだけの電流にする一方、メッキ層の滑らかな上面に著しい堆積を生じさせないものとすることができる。
【0113】
[00145]上述した本発明の浸漬バイアス制御特徴と同様に、本発明の実施形態は、除去即ち回収バイアス中に印加される電流を制御するようにも構成される。例えば、コントローラ111を使用して、回収プロセス中に基板に印加される電流及び/又は電圧を制御することができる。回収中に基板に供給される電流又は電圧は、電気化学的メッキプロセスにおける堆積厚みが一般にメッキ溶液への露出時間の関数であるから、基板の他のエリアより長くメッキ溶液中に浸漬されたままとなる基板のエリアにおける付加的な堆積を防止するように制御できる。更に、電圧又は電流は、基板回収プロセス中に、基板の浸漬部分における電流密度が増加して、メッキ溶液中に浸漬されたままとなる基板の部分におけるメッキレートを一般に増加させることを防止するようにも制御できる。
【0114】
[00146]本発明の実施形態は、電圧制御システム(電圧を監視して調整し、印加電流又は電力を制御する制御システム)、又は電流制御システム(電流自体を監視して制御する制御システム)のいずれかを使用して、除去バイアスを制御することを意図している。電流制御システムは、全基板除去プロセス中に基板面にわたって一定の電流密度を維持することにより除去バイアスを制御するように使用できる。より詳細には、浸漬プロセス中に基板面にわたって一定の電流密度を維持することに関して上述したように、基板をメッキ溶液から除去するにつれて、除去バイアスを供給する電気回路の抵抗が変化する。この抵抗変化は、基板の浸漬された導電性表面積が減少する結果であり、これにより、回路の抵抗が増加する。それ故、回路の抵抗が増加し、浸漬表面積が減少するにつれて、本発明の電流制御システムは、これらの変化に反応して、基板へ供給される電流を減少し、基板の表面積にわたる電流密度が回収プロセスを通して一定のままであるようにする。制御システムは、閉ループ的に電流を制御することができ、即ち電流制御システムは、除去バイアス回路の抵抗又は他の電気的パラメータを測定し、それに応じて、そこに供給される電流を制御するように構成できる。或いはまた、電流制御システムは、基板の位置のような機械的条件又は別の測定可能な機械的パラメータに応答して除去バイアスを制御するように構成されてもよい。例えば、基板の位置、即ち回収プロセス中のメッキ溶液に対する基板の垂直位置を基板の浸漬表面積と相関させることができ、それ故、基板の位置を使用して、基板に印加される電気的除去バイアスを制御することもできる。更に、電気的バイアスを時間従属的に制御することもでき、即ち電気的除去バイアスを、除去プロセスを通して基板が継続する単位時間ごとに調整し、従って、基板の浸漬表面積を伴う除去プロセスの時間又は期間を本質的に同等とすることもできる。
【0115】
[00147]基板除去プロセス中に、基板を回転し、傾斜し、枢着回転し、垂直に操作し、水平に操作し、及び/又は音波又は超音波エネルギーで振動することができる。例えば、本発明の除去プロセス中に、除去バイアスが開始される間に基板をメッキ溶液中で回転することができる。次いで、基板を溶液から垂直方向に持ち上げて、溶液から基板を除去することができる。この持ち上げプロセス中に、基板の表面域がメッキ溶液から増分的に除去され、そこに供給される電気的バイアスは、上述したように、溶液から除去される(又は溶液中に留まる)表面積の割合に基づいて制御される。基板は、水平位置、即ち基板面が堰型メッキ装置に収容されたメッキ溶液の上面に一般に平行となる位置に保持することができる。或いはまた、基板面を水平から傾斜してもよく、即ち基板面と堰型メッキプレート内のメッキ溶液の上面との間に傾斜角が形成されるように基板面を位置してもよい。この構成では、基板を溶液から垂直に移動又は持ち上げるときに、基板面とメッキ溶液の上面との間の傾斜角が一定のままとされる。しかしながら、本発明の実施形態は、除去プロセス中に傾斜角を変化できることも意図している。例えば、溶液からの基板の垂直移動で傾斜角が一定のままとならず、むしろ、基板が除去されるにつれて傾斜角が増加又は減少するように、傾斜角を基板除去プロセス中に増加又は減少してもよい。
【0116】
[00148]除去プロセス中に、例えば、基板を約5rpm乃至約100rpm、より詳細には、約20rpm乃至約60rpmで回転してもよい。基板の傾斜角は、約3°乃至約30°、より詳細には、約5°ないし約20°でよい。また、傾斜角は、除去プロセス中に、増加又は減少されてもよいし、枢着回転又は振動されてもよい。除去プロセス中に基板に印加される電気的バイアスは、約0.5mA/cm3乃至約5mA/cm3、より詳細には、約0.5mA/cm3乃至約1mA/cm3、又は更に詳細には、約1.0mA/cm3乃至約3mA/cm3の電流密度を基板面にわたって発生するように構成できる。除去中に基板に印加される電圧は、例えば、約0.3ボルトないし約10ボルトでよく、より詳細には、約0.8ボルトないし約5ボルトでよい。
【0117】
[00149]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、他の及び更に別の実施形態を案出することもでき、従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の電気化学的メッキシステムの一実施形態を示す上面図である。
【図2】本発明の電気化学的メッキセルに使用されるメッキセルの実施形態を例示する図である。
【図3】本発明のアニールシステムを例示する斜視図である。
【図4】本発明のアニールチャンバーを例示する上方斜視図である。
【図5】本発明のロボットブレードを例示する下方斜視図である。
【図6】アニールチャンバーの加熱プレートの斜視図兼部分断面図である。
【図7】加熱プレートの下部の斜視図である。
【図8】本発明の基板スピンすすぎ乾燥セルを例示する部分斜視図兼断面図である。
【図9】本発明の別の基板スピンすすぎ乾燥セルを例示する部分斜視図兼断面図である。
【図10A】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する上方斜視図で、フィンガーが閉位置にあるところを示した図である。
【図10B】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する上方斜視図で、フィンガーが開位置にあるところを示した図である。
【図10C】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する側面斜視図で、フィンガーが閉位置にあるところを示した図である。
【図10D】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する側面斜視図で、フィンガーが開位置にあるところを示した図である。
【図11】本発明のハブアッセンブリを例示する断面図である。
【図12】ハブアッセンブリの下部を示す上方斜視図である。
【図13】本発明のベベル洗浄セルを例示する上方斜視図である。
【図14】本発明のベベル洗浄セルに対する背面流体ディスペンスマニホールドを例示する上方斜視図である。
【図15】本発明の基板センタリングメカニズムを例示する斜視図である。
【図16】本発明の基板センタリング部材を例示する断面図である。
【図17】本発明の基板センタリング部材を例示する上面図である。
【図18】本発明の流体配送システムを例示する図である。
【図19】本発明のタンク及びコンジット構成を例示する図である。
【図20】本発明の流体タンクの内部コンポーネントを示す斜視図である。
【図21】本発明の流体タンクを例示する平面図である。
【図22】本発明の流体タンクの内壁コンポーネントを例示する斜視図である。
【図23】本発明のタンクを例示する部分斜視図兼断面図である。
【図24】傾斜プロセス中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図である。
【図25】浸漬プロセス中、即ち垂直動作中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図である。
【図26】浸漬後の傾斜プロセス中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図である。
【図27】浸漬プロセス中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図で、ヘッドアッセンブリが基板をメッキ溶液中の深部に位置させるところを示す図である。
【図28】処理位置に位置されたメッキセル及びヘッドアッセンブリの断面図である。
【図29】浸漬中の基板エリアを示す図である。
【符号の説明】
【0119】
100…ECPシステム、102、104、106、108、110、112、114、116…処理場所、111…プロセスコントローラ、113…プラットホーム(メインフレーム)、114、116…処理セル、115…リンクトンネル、120…メインフレームロボット、130…ファクトリーインターフェイス、132…ロボット、134…基板収容カセット、135…アニールステーション、136…冷却プレート、137…加熱プレート、140…ロボット、200…メッキセル、201…外側深皿、202…内側深皿、203…フレーム部分、204…ベース部材、205…アノード部材、206…メンブレーン支持アッセンブリ、207…スロット、208…メンブレーン、209…流体入口/排出口、210…拡散プレート、300…スタック型アニールシステム、301…フレーム、302…アニールチャンバー、304…流体及びガス供給アッセンブリ、306…電気的システムコントローラ、400…処理容積部、401…チャンバー本体、402…加熱プレート、404…冷却プレート、406…基板搬送メカニズム、408…基板支持部材/ブレード、410…基板支持タブ、412…ロボット、414…アクセスドア、416…ノッチ、418…基板移送メカニズムアクチュエータアッセンブリ、420…冷却流体接続部、422…真空アパーチャー、424…ポンプダウンアパーチャー、426…ガスディスペンスポート、500…強化ブレード部材、501…一体的フレーム部材、502…基板支持リング又は部材、503…基板支持タブ、600…加熱素子、604…サーモカップル、606…ステム、608…ベース部材、800…基板スピンすすぎ乾燥セル、801…流体ボウル/本体、802…回転可能なハブ、803…基板支持フィンガー、804…基板、805…ドーム部材、806…流体マニホールド、807…ガスノズル、808…流体ディスペンスノズル、810…ガスディスペンスノズル、812…環状シールド部材、814…キャッチカップ、816…カーブした面、818…減圧領域、1000…直立した枢着型エアホイル/クランプ部材、1001…内部固定ポスト、1002…ピボット点、1004…上面、1005…滑らかな面、1006…チャンネル、1007…ベース、1008…下部アクチュエータ部分、1010…傾斜面、1101…コンジット、1104…ガスディスペンスパージポート、1300…ベベル洗浄セル又はチャンバー、1301…直立した壁部分、1302…排出深皿、1303…基板チャック、1304…基板センタリングピン、1305…すすぎ溶液ディスペンスアーム、1306…エッチング溶液ディスペンスアーム、1400…マニホールド、1500…基板センタリングメカニズム、1502…リンケージ、1503、1504…操作アーム、1505…フレーム部材、1506…リセプタクル、1601…キャップ部材、1602…中央部分、1603…基板センタリングポスト、1604…コア、1605…スリーブ部材、1811…メッキ溶液配送システム、1802…添加物源、1804…電解液源、1806…加速剤源、1808…ならし剤源、1810…抑制剤源、1811…メッキ溶液配送システム、1812…ドーズポンプ、1814…大量蓄積容器、1816…緩衝容器、1830…第2ポンプアッセンブリ、1832…第2マニホールド、1834…バルブ列、1836…サンプルポート、1842…脱イオン水源、1844…非反応性ガス源、1850…第1のガス供給ライン、1852…第2の配送ライン、2400…ヘッドアッセンブリ、2402…コンタクトリング、2404…スラストプレート、2406…アクセススペース、2504…メッキセル
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、電気化学的メッキシステムに係る。
【0002】
関連技術の説明
[0002]サブクォータミクロンサイズの特徴部を金属化することは、集積回路製造プロセスの現在及び将来の世代に対する基本的な技術である。より詳細には、超大規模集積型デバイスのようなデバイス、即ち100万個を越えるロジックゲートを伴う集積回路を有するデバイスでは、これらデバイスの中心に存在する多レベル相互接続部が、一般に、高アスペクト比、即ち約4:1より大きなアスペクト比の相互接続特徴部に、銅のような導電性材料を充填することにより形成される。従来、化学気相堆積(CVD)及び物理気相堆積(PVD)のような堆積技術を使用して、これらの相互接続特徴部を充填している。しかしながら、相互接続部のサイズが減少し、且つアスペクト比が増加するにつれて、従来の金属化技術によるボイドなし相互接続特徴部の充填が益々困難になってきた。それ故、集積回路製造プロセスにおいてサブクォータミクロンサイズの高アスペクト比の相互接続特徴部をボイドなし充填するための有望なプロセスとして、メッキ技術、即ち電気化学的メッキ(ECP)及び無電気メッキが出現した。
【0003】
[0003]例えば、ECPプロセスにおいて、基板(又はそこに堆積される層)の表面へと形成されるサブクォータミクロンサイズの高アスペクト比の特徴部に、導電性材料を効率的に充填することができる。ECPメッキプロセスは、一般に、2段階プロセスであり、先ず初めに、基板の表面特徴部上にシード層が形成され(一般的に個別のツールにおけるPVD、CVD、又は他の堆積プロセスにより)、次いで、基板の表面特徴部が電解溶液に露出され(ECPツールにおいて)、その間に、電解溶液中に位置する銅のアノードとシード層との間に電気的バイアスが印加される。電解溶液は、一般に、基板の表面にメッキされるべきイオンを含み、それ故、電気的バイアスを印加すると、これらのイオンが、バイアスされたシード層にメッキされ、従って、基板の表面にイオンの層が堆積して特徴部を充填することができる。
【0004】
[0004]メッキプロセスが完了すると、基板は、一般に、基板すすぎセル又はベベル洗浄セルの少なくとも1つへ移送される。ベベル縁洗浄セルは、一般に、基板の周囲又はベベルにエッチング剤をディスペンスして、そこにメッキされた望ましからぬ金属を除去するように構成される。スピンすすぎ乾燥セルともしばしば称される基板すすぎセルは、一般に、基板の面(前面及び背面の両方)をすすぎ溶液ですすいで、そこから汚染物を除去するように動作する。更に、これらすすぎセルは、基板を高い速度でスピンさせて、基板面に付着する残留流体小滴をスピン除去させるようにしばしば構成される。残留流体小滴がスピン除去されると、基板は、一般に、綺麗で且つ乾燥状態となり、それ故、ECPツールから移送する準備ができる。ベベル洗浄セルは、一般に、基板が流体ディスペンスノズルの下で回転されている間にエッチング剤溶液をベベルにディスペンスすることにより基板のベベルを洗浄するように動作する。エッチング剤溶液は、メッキプロセス中に発生した望ましからぬ材料をベベルから洗浄するように働く。
【0005】
[0005]その後、洗浄/すすぎされた基板は、多くの場合、アニールチャンバーへ移送され、そこで、基板は堆積した膜をアニールするに充分な温度に加熱される。しかしながら、メッキ後の半導体基板に対するアニールプロセスが数分を要することがあるので、従来のメッキシステムのスループットは、アニールチャンバーの利用性により限定され得る。更に、アニールプロセスが完了すると、アニールされた基板は、一般に、その基板を別の処理チャンバー又は装置へ移送するのを許容する温度まで冷却するのに数分を要する。
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、一般に、複数の化学物質を使用できる複数のメッキセル、基板すすぎセル、基板洗浄セル、及び二位置のアニールチャンバーを有し、それらの全てに連通している電気化学的メッキシステムを提供する。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明の実施形態は、一般に、電気化学的メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、メインフレーム処理プラットホームに連通して位置された基板ロードステーションと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板メッキセルと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板ベベル洗浄セルと、メインフレーム及びロードステーションの少なくとも一方に連通して位置されたスタック型基板アニールステーションとを備え、このスタック型基板アニールステーション内の各チャンバーには、加熱プレートと、冷却プレートと、基板移送ロボットとが位置されている。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、一般に、メインフレーム処理プラットホームに連通して位置された基板ロードステーションと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板メッキセルと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板ベベル洗浄セルと、メインフレーム及びロードステーションの少なくとも一方に連通して位置されたスタック型基板アニールステーションとを備え、このスタック型基板アニールステーション内の各チャンバーに、加熱プレート及び冷却プレートが位置されているような電気化学的メッキシステムを提供する。
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、更に、複数の化学物質メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、共通のプラットホームに位置された複数のメッキセルと、プラットホームに位置された洗浄セルと、プラットホームに連通して位置されたアニールチャンバーと、プラットホームに連通すると共に複数のメッキセルに流体連通して位置された複数の化学流体配送システムとを備え、この流体配送システムは、複数の流体溶液を混合して複数のメッキセルの各々へ分配するように構成される。
【0010】
[0010]本発明の実施形態は、更に、基板移送ロボットが位置された中央メインフレームを有する電気化学的メッキシステムを提供する。メインフレームは、そのメインフレームに連通して複数のメッキ化学物質を混合する手段と、そのメインフレームに位置された複数の電気化学的メッキセルと、その複数の電気化学的メッキセルの各々に複数の化学溶液を配送する手段であって、前記混合手段と流体連通するような配送手段と、基板のベベルから望ましからぬ堆積物を除去する手段と、基板をすすぎ及び乾燥する手段と、基板をアニールする手段と、を備えている。
【0011】
[0011]本発明の実施形態は、更に、複数の化学物質の電気化学的メッキシステムを提供する。このシステムは、処理プラットホームに位置された電気化学的メッキセルを備えている。この電気化学的メッキセルは、メッキ溶液を収容するように構成されてオーバーフロー堰が位置されているセル本体と、このセル本体に位置されたアノードと、このアノードより上で且つオーバーフロー堰より下の位置にセル本体にわたって位置されたイオンメンブレーンであって、該メンブレーンの下のアノード液区画を該メンブレーンの上のカソード液区画から分離するようなイオンメンブレーンと、該メンブレーンの上で且つオーバーフロー堰の下でセル本体に位置された多孔性拡散部材とを備えている。このシステムは、更に、処理プラットホーム上に位置された基板洗浄セルと、処理プラットホームに連通して位置されたスタック型基板アニールステーションも備えている。
【0012】
[0012]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0013】
[0045]本発明の実施形態は、一般に、半導体基板上に導電性材料をメッキするように構成された複数の化学物質の電気化学的メッキシステムを提供する。このメッキシステムは、一般に、基板処理プラットホームと連通する基板ロードエリアを備えている。このロードエリアは、一般に、基板収容カセットを受け取り、カセットから受け取られる基板を処理のために処理プラットホームへ移送する。このロードエリアは、一般に、基板をカセットへ及びカセットから、並びに処理プラットホームへ、或いはロードエリア、処理プラットホームに連通するように位置された基板アニールチャンバーへ、又はロードステーションと処理プラットホームとの間に位置されたリンクトンネルへ移送するように構成されたロボットを備えている。処理プラットホームは、一般に、少なくとも1つの基板移送ロボットと、複数の基板処理セル、即ち、ECPセル、ベベル洗浄セル、スピンすすぎ乾燥セル、基板洗浄セル、及び/又は無電気メッキセルとを備えている。本発明のシステムは、湿式処理プラットホームへ乾燥基板を導入するのを許容するもので、メッキ、洗浄(表面及びベベル)、乾燥及びアニールプロセスを一体的なシステムプラットホーム上で行うことができる。メッキプロセスは、多数のメッキ化学物質を利用することができ、システムの出力は、乾燥した、綺麗な(表面及びベベルの両方)且つアニールされた基板である。
【0014】
[0046]図1は、本発明のECPシステム100の上面図である。このECPシステム100は、一般に基板ロードステーションとも称されるファクトリーインターフェイス(FI)130を備えている。ファクトリーインターフェイス130は、基板収容カセット134とインターフェイスするよう構成された複数の基板ロードステーションを備えている。ロボット132がファクトリーインターフェイス130に位置され、カセット134に収容された基板にアクセスするように構成される。更に、ロボット132は、ファクトリーインターフェイス130を処理メインフレーム即ちプラットホーム113に接続するリンクトンネル115へも延びる。ロボット132の位置は、ロボットが基板カセット134にアクセスして、そこから基板を取り出し、次いで、それら基板を、メインフレーム113に位置された処理セル114、116の1つ、或いはアニールステーション135へ配送できるようにする。同様に、ロボット132は、基板処理シーケンスが完了した後に処理セル114、116又はアニールチャンバー135から基板を回収するのにも使用できる。この状態において、ロボット132は、基板をカセット134の1つへ戻し、システム100から取り去ることができるようにする。
【0015】
[0047]以下に詳細に説明するアニールステーション135は、一般に、二位置アニールチャンバーを備え、冷却プレート/位置136及び加熱プレート/位置137が隣接した位置にあって、その付近、例えば、2つのステーション間に基板移送ロボット140が位置されている。このロボット140は、一般に、各加熱プレート137と冷却プレート136との間で基板を移動するように構成される。更に、アニールチャンバー135は、リンクトンネル115からアクセスされるよう位置されて示されているが、本発明の実施形態は、特定の構成又は配置に限定されない。従って、アニールステーション135は、メインフレーム113に直接連通して位置されて、即ちメインフレームロボット120によりアクセスされてもよいし、或いはまた、アニールステーション135は、メインフレーム113に連通した位置にあり、即ちアニールステーションは、メインフレーム113と同じシステムに位置されるが、メインフレーム113に直接接触されず、即ちメインフレームロボット120からアクセスされなくてもよい。例えば、図1に示すように、アニールステーション135は、リンクトンネル115に直接連通して位置されてもよく、これは、メインフレーム113へのアクセスを許し、従って、アニールチャンバー135は、メインフレーム113と連通するものとして示されている。
【0016】
[0048]上述したように、ECPシステム100は、基板移送ロボット120が中央に位置された処理メインフレーム113も備えている。ロボット120は、一般に、基板を支持して移送するように構成された1つ以上のアーム/ブレード122、124を備えている。更に、ロボット120及びそれに付随するブレード122、124は、一般に、延長、回転、及び垂直方向に移動して、ロボット120が、メインフレーム113上に位置された複数の処理場所102、104、106、108、110、112、114、116へ基板を挿入したりそこから基板を取り出したりすることができるように構成される。また、同様に、ファクトリーインターフェイスロボット132は、その基板支持ブレードを回転、延長、及び垂直方向に移動しながら、ファクトリーインターフェイス130からメインフレーム113へと延びるロボットトラックに沿って直線的移動も許容する能力を備えている。一般に、処理場所102、104、106、108、110、112、114、116は、電気化学的メッキプラットホームに使用されるいかなる数の処理セルでもよい。より詳細には、これら処理場所は、電気化学的メッキセル、すすぎセル、ベベル洗浄セル、スピンすすぎ乾燥セル、基板面洗浄セル(これは、集合的に、洗浄、すすぎ及びエッチングセルを含む)、無電気メッキセル、計測検査ステーション、及び/又はメッキプラットホームに関連して有利に使用できる他の処理セルとして構成されてもよい。各処理セル及びロボットの各々は、一般に、プロセスコントローラ111と通信するが、これは、ユーザ、及び/又はシステム100に位置する種々のセンサの両方から入力を受け取って、それら入力に基づいてシステム100の動作を適宜制御するように構成されたマイクロプロセッサベースの制御システムでよい。
【0017】
[0049]図1に示す例示的メッキシステムでは、処理場所を次のように構成することができる。処理場所114及び116は、メインフレーム113の湿式処理ステーションと、リンクトンネル115、アニールチャンバー135及びファクトリーインターフェイス130の乾燥処理領域との間のインターフェイスとして構成することができる。これらインターフェイス場所に置かれた処理セルは、スピンすすぎ乾燥セル及び/又は基板洗浄セルでよい。より詳細には、各々の場所114及び116は、スピンすすぎ乾燥セル及び基板洗浄セルをスタック構成で含んでもよい。場所102、104、110及び112は、例えば、電気化学的メッキセル又は無電気メッキセルのいずれかのメッキセルとして構成されてもよい。場所106、108は、基板ベベル洗浄セルとして構成されてもよい。電気化学的処理システムの付加的な構成及び実施は、参考としてここにその全体を援用する、2002年12月19日に出願された「Multi-Chemistry Electrochemical Processing System」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/435,121号に示されている。
【0018】
[0050]図2は、処理場所102、104、110及び112において実施することのできる例示的メッキセル200の部分斜視図兼断面図である。この電気化学的メッキセル200は、一般に、外側深皿201と、この外側深皿201内に位置された内側深皿202とを備えている。内側深皿202は、一般に、電気化学的メッキプロセス中に基板に例えば銅のような金属をメッキするのに使用されるメッキ溶液を収容するように構成される。メッキプロセス中に、メッキ溶液は、一般に、内側深皿202へ供給され(例えば、10リッターのメッキセルの場合に約1ガロン/分で)、それ故、メッキ溶液は、内側深皿202の最上点(一般的に「堰」と称する)を常時オーバーフローして、外側深皿201によって収集され、そこから化学的管理及び再循環のために排出される。メッキセル200は、一般に、ある傾斜角度で位置され、即ちメッキセル200のフレーム部分203は、一般に、片側が持ち上げられていて、メッキセル200のコンポーネントが約3°乃至約30°で傾斜され、或いは一般に、最適な結果のためには約4°乃至約10°で傾斜される。メッキセル200のフレーム部材203は、その上部に環状ベース部材を支持する。フレーム部材203は片側が持ち上げられているので、ベース部材204の上面は、一般に、水平位置に対するフレーム部材203の角度に対応する角度で、水平から傾斜されている。ベース部材204は、その中央部に環状又は円板状のくぼみが形成され、この環状のくぼみは、円板状のアノード部材205を受け入れるように構成される。ベース部材204は、更に、その下面から延びる複数の流体入口/排出口209を備えている。これら流体入口/排出口209の各々は、一般に、メッキセル200のアノード区画又はカソード区画へ流体を個々に供給し又はそこから流体を排出するように構成される。アノード部材205は、一般に、複数のスロット207がこれを貫通して形成され、これらスロット207は、一般に、アノード205の表面にわたって互いに平行な向きに位置される。この平行な向きでは、アノード面に発生した濃密な流体がアノード面を横切ってスロット207の1つへと下方に流れるのを許容する。メッキセル200は、更に、メンブレーン支持アッセンブリ206を備えている。このメンブレーン支持アッセンブリ206は、一般に、その外周がベース部材204に固定され、また、流体の貫通を許容するように構成された内部領域を備えている。メンブレーン208がその支持体206にわたって張られ、メッキセルのカソード液チャンバー及びアノード液チャンバー部分を流体分離するように働く。メンブレーン支持アッセンブリは、メンブレーンの周囲付近に位置されたO‐リング型のシールを含んでもよく、このシールは、メンブレーン支持体206に固定されたメンブレーンの片側からメンブレーンの他側へ流体が移動するのを防止するように構成される。一般に多孔性セラミック円板部材である拡散プレート210は、流体の実質的な層流又は均一な流れを、メッキされている基板の方向に発生するように構成され、セルにおいて、メンブレーン208と、メッキされている基板との間に位置される。ここに例示するメッキセルは、更に、2002年10月9日に「Electrochemical Processing Cell」という名称で出願された共通に譲渡された米国特許出願第10/268,284号に示されており、これは、更に、2002年7月24日に出願された米国プロビジョナル特許出願第60/398,345号の優先権を請求するものであり、これらは両方とも参考としてその全体をここに援用する。
【0019】
[0051]図3は、本発明のスタックアニールシステム300を例示する斜視図である。このスタックアニールシステム300は、図1に示すアニールステーション135に位置されてもよいし、或いは必要に応じて、処理プラットホームの別の場所に位置されてもよい。アニールシステム300は、一般に、このアニールシステム300の種々のコンポーネントを支持するように構成されたフレーム301を備えている。このフレーム部材301には、処理システムのロボット、即ちメインフレームロボット120又はファクトリーインターフェイスロボット132がそこにアクセスするのを容易にする高さに、少なくとも1つのアニールチャンバー302が位置されている。ここに示す実施形態では、アニールシステム300は、垂直方向に上下にスタックされた3個のアニールチャンバー302を備えている。しかしながら、本発明の実施形態は、特定の個数のアニールチャンバー、或いは互いに対するチャンバーの特定の間隔又は向きに限定されない。というのは、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の間隔、個数及び向きを実施できるからである。アニールシステム300は、フレーム部材301の上部に位置された電気的システムコントローラ306を備えている。この電気的システムコントローラ306は、一般に、アニールシステム300の各コンポーネントに供給される電力を制御するように動作し、より詳細には、電気的システムコントローラ306は、アニールチャンバー302の加熱素子に配送される電力を制御して、アニールチャンバーの温度を制御できるように動作する。アニールシステムは、更に、一般にアニールチャンバー302の下でフレーム部材301に位置された流体及びガス供給アッセンブリ304を備えている。この流体及びガス供給アッセンブリ304は、一般に、アニール処理ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、又は半導体処理アニールに適した他の不活性ガスを各アニールチャンバー302へ供給するように構成される。また、流体及びガス供給アッセンブリ304は、アニールチャンバー302へ配送される流体、例えば、アニールプロセスの加熱部分が完了した後にチャンバー本体302及び/又はアニールされた基板を冷却するのに使用される冷却流体を供給し且つ調整するようにも構成される。例えば、冷却流体は、冷やされた又は冷たい供給水でよい。供給アッセンブリ304は、更に、各アニールチャンバー302と個々に連通する真空システム(図示せず)を含んでもよい。この真空システムは、アニールプロセスを開始する前にアニールチャンバー302から周囲ガスを除去するように動作してもよく、又、減圧アニールプロセスをサポートするように使用されてもよい。それ故、真空システムは、各アニールチャンバー302において減圧アニールプロセスを実行するのを許し、更に、スタックの隣接チャンバー302を妨げることなく、各アニールチャンバー302に異なる減圧を同時に使用できるようにする。
【0020】
[0052]図4は、内部コンポーネントが見えるようにチャンバーのカバー即ち蓋部分を除去した状態で本発明のアニールチャンバー302を例示する上方斜視図である。アニールチャンバー302は、一般に、包囲された処理容積部400を画成するチャンバー本体401を備えている。この包囲された処理容積部400は、互いに接近して位置された加熱プレート402及び冷却プレート404を備えている。これらの加熱及び冷却プレートに隣接して基板移送メカニズム406が位置され、これは、処理容積部400の外部から基板を受け取り、その基板を、アニールプロセス中に各加熱プレートと冷却プレートとの間で移送するように構成される。この基板移送メカニズム406は、一般に、基板支持部材/ブレード408がロボットのピボットアームの遠方端に位置された枢着ロボットアッセンブリを備えている。ブレード408は、複数の基板支持タブ410を備え、これらのタブは、ブレード408から離間されていて、基板を協働支持するように構成される。各支持タブ410は、一般に、ブレードの主本体部分408から垂直方向に(一般的に下方に)離間され、ブレード408とタブ410との間に垂直スペースが発生する。このスペースは、基板ロードプロセス中に基板をタブ410に位置させるのを許容するが、これは更に詳細に述べる。更に、加熱及び冷却プレート402、404の各々は、対応する数のノッチ416がその外周に形成され、これらノッチ416は、ブレード部材408が各加熱及び冷却プレート402、404に向かって下降されたときに、タブ410を協働して受け入れる間隔及び構成にされる。
【0021】
[0053]本発明の別の実施形態において、移送メカニズム406は、図5に示すように、強化ブレード部材500を備えている。このブレード部材500は、その構造上の形状を維持するように構成された一体的フレーム部材501を備え、即ちこの一体的なブレード部材501は、構造体自体の動き(揺れ、曲げ、かがめ等)が最小となる形状及び設計にされる)。この一体的フレーム部材501は、該フレーム部材501の下部に基板支持リング即ち部材502が取り付けられている。この基板支持部材502は、フレーム部材501に対して半径方向内方に位置された基板支持タブ503(図4に示すタブ410と同様の)を備えている。これらタブは、タブ410と同様に、基板を支持すると共に、各加熱及び冷却プレートのノッチ416に受け入れられるように離間され、構成される。
【0022】
[0054]例えば、アルミニウムで製造できるアニールチャンバーの本体401は、一般に、内部処理容積部400を画成する。外部本体401は、一般に、これを貫通して複数の流体コンジット(図示せず)が形成され、これら流体コンジットは、冷却流体を循環して外部本体401の温度を下げるように構成される。冷却流体は、外部本体401に形成された流体コンジットに供給されて、冷却流体接続部420により外部本体401を経て循環される。
【0023】
[0055]冷却プレート404は、一般に、基板を支持するように構成された実質的に平らな上面を備えている。この上面は、真空源(図示せず)と選択的に流体連通される複数の真空アパーチャー422を備えている。これらの真空アパーチャー422は、一般に、冷却プレート404の上面に減圧を生じさせて、基板を上面に固定即ち真空チャックさせるのに使用できる。冷却プレートの内部には、複数の流体コンジットが形成されてもよく、これら流体コンジットは、チャンバー本体401を冷却するのに使用される冷却流体源と流体連通される。流体コンジットが冷却プレートに実施されるときには、冷却プレートは、そこに位置された基板を迅速に冷却するように使用できる。或いはまた、冷却プレートは、冷却流路を形成せずに製造されてもよく、この実施形態では、冷却プレートは、冷却プレートがそこに形成された冷却コンジットにより本質的に冷やされる実施形態よりもゆっくりとした速度で冷却するように使用できる。更に、上述したように、冷却プレート404は、このプレート404の周囲に形成された複数のノッチ416を含み、これらノッチ416は、基板支持ブレード408が処理位置へと下げられたときにこのブレードのタブ410を受け入れるように離間される。
【0024】
[0056]加熱プレート402も、冷却プレート404と同様に、実質的に平らな基板支持上面を備えている。この基板支持面には、複数の真空アパーチャー422が形成され、これら真空アパーチャー422の各々は、真空源(図示せず)に選択的に流体連通される。従って、真空アパーチャー422は、基板を処理のために加熱プレート402に真空チャック即ち固定するように使用できる。加熱プレート402の内部は、加熱素子(図示せず)を含み、この加熱素子は、加熱プレート402の面を約100℃乃至約500℃の温度に加熱するように構成される。加熱素子は、例えば、電気的に駆動される抵抗性素子、又は加熱プレート402に形成される高温流体コンジットを含んでもよく、この高温流体も、加熱プレート402の面を加熱するように構成される。或いはまた、本発明のアニールチャンバーは、加熱プレート402の上または下に位置されたランプ、誘導性ヒータ、又は抵抗性素子のような外部加熱装置を使用してもよい。更に、上述したように、加熱プレート402は、このプレート402の周囲に複数のノッチ416が形成されており、これらノッチ416は、基板支持ブレード408が処理位置へ下げられたときにそのブレードのタブ410を受け入れるように離間される。
【0025】
[0057]図6は、加熱プレート402の斜視図兼部分断面図である。プレート402の断面図は、抵抗加熱素子600が位置された加熱プレートベース部材608を示している。抵抗加熱素子は、図7に示すように、加熱プレート402の内部610に包囲される。より詳細には、この内部610にはチャンネルが形成され、このチャンネルは、加熱素子600を受け入れるサイズ及び間隔にされる。この内部610の上にはトッププレート612が位置される。最上部、内部及びベース部材608は、一般に、希望の熱導電率特性を有する金属、例えば、アルミニウムで製造される。更に、プレート402の3つの区分は、一体的な熱伝達プレート402を形成するように一緒にろう付けできる。プレート402の下部、即ちベース部材608の底面は、プレート402を支持するステム606を含む。このステムは、一般に、プレート部材402より実質的に直径が小さく、チャンバーのベース又は壁への熱伝達を最小にする。より詳細には、ステム部材は、一般に、その直径が加熱プレート402の直径の約20%未満である。更に、ステム606の下部は、加熱プレート402の温度を測定するためのサーモカップル604と、加熱素子600へ電力を導通するための電力接続部602とを備えている。
【0026】
[0058]アニールチャンバーは、処理容積部400と流体連通するように位置されたポンプダウンアパーチャー424を含むことができる。このポンプダウンアパーチャー424は、真空源(図示せず)に選択的に流体連通されて、処理容積部400からガスを排気するように一般的に構成される。更に、アニールチャンバーは、一般に、加熱プレート402の付近に位置された少なくとも1つのガスディスペンスポート426即ちガスディスペンスシャワーヘッドを備えている。このガスディスペンスポートは、処理ガス源即ち供給源304に選択的に流体連通され、それ故、処理容積部400へ処理ガスをディスペンスするように構成される。また、ガスディスペンスポート426は、例えば、アニールチャンバーの内部に位置されたガスシャワーヘッドアッセンブリでもよい。アニールチャンバー内の周囲ガス含有量を最小にするために、真空ポンプダウンアパーチャー424及びガスディスペンスノズルを協働して又は選択的に利用してもよく、即ち両方のコンポーネント、或いは一方または他方のコンポーネントを使用してもよい。
【0027】
[0059]アニールチャンバー302は、ロボット406と連通する基板移送メカニズムアクチュエータアッセンブリ418を備えている。このアクチュエータ418は、一般に、ブレード408の枢着移動と、加熱又は冷却部材に対するブレードの高さ即ちZ位置との両方を制御するように構成される。例えば、スリットバルブ型ドアでよいアクセスドア414は、一般に、本体部分401の外壁に位置される。このアクセスドア414は、一般に、これが開いて、アニールチャンバー302の処理容積400へのアクセスを許容するように構成される。従って、アクセスドア412が開き、ロボット412(例えば、例示的FIからのロボット132でもよいし、又は図1に示す例示的メインフレーム基板移送ロボット120でもよい)が処理容積部400に入って、アニールチャンバー302の1つに基板を落とし又はそこから基板を回収することができる。
【0028】
[0060]より詳細には、基板をアニールチャンバーへ挿入するプロセスは、例えば、ロード位置、即ち冷却プレート404の上面より上の場所にタブ410が垂直に位置されるところの位置で、ブレード408を冷却プレート404上に位置させることを含む。上記で簡単に述べたように、ブレード408及びタブ410は、タブ410の上面とブレード408の下面との間に垂直スペースが生じるように互いに位置される。この垂直スペースは、基板を支持したロボットブレード412をこの垂直スペースへ挿入し、次いで、これを下げて、基板をブレード412から基板支持タブ410へ移行するのを許容するように構成される。基板がタブ410により支持されると、外部ロボットブレード412を処理容積部400から引っ込め、アクセスドア414を閉じて、処理容積部400を周囲の大気中から分離することができる。この実施形態では、ドア414が閉じると、ポンプダウンアパーチャー424と連通している真空源を作動させ、ガスの一部分を処理容積部400からポンピングすることができる。このポンピングプロセス中に、又はその短時間後に、プロセスガスノズル426(1つ又は複数)を開いて、プロセスガスが処理容積部400に押し寄せるのを許容することができる。プロセスガスは、一般に、アニール処理条件のもとでは反応しないと分かっている不活性ガスである。この構成、即ちポンプダウン及び不活性ガス押し寄せプロセスは、一般に、アニールチャンバー/処理容積部からできるだけ多くの酸素を除去するように構成される。というのは、酸素は、アニールプロセス中に基板表面を酸化させることが分かっているからである。チャンバーが所定の圧力及びガス濃度に達したときに、真空源を終了してガス流を停止させてもよいし、或いは又、アニールプロセス中に真空源を作動状態に保持し且つガス配送ノズルが処理ガスを処理容積部に流し込み続けるようにしてもよい。
【0029】
[0061]本発明の別の実施形態では、望ましからぬガス、即ち酸素含有ガスを処理容積部からパージするように真空源が使用されない。むしろ、正の処理ガス圧力を使用して、処理容積部400における酸素含有量を最小にする。より詳細には、ドア414を開いたときに、処理容積部400へのガス供給源426を作動して、処理容積部に正の圧力を確立することができる。この正の圧力は、ドア414を開いたときにアニールチャンバーから外方へのガス流を生じさせ、これは、処理容積部400に入る酸素の量を最小にする。このプロセスを真空ポンプダウンプロセスと組み合わせて、処理容積部から酸素を除去する見込みを高めるようにしてもよい。
【0030】
[0062]基板がブレード部材408に位置されると、基板を冷却プレート404又は加熱プレート402へ下げることができる。基板を加熱プレート402又は冷却プレート404へ下げるプロセスは、一般に、ブレード部材408を各プレートの上に位置させて、プレートの周囲に形成されたノッチ416の上に基板支持タブ410を位置させることを含む。次いで、ブレード部材408を下げて、タブ410がノッチ416に受け入れられるようにする。基板支持タブ410がノッチ416に受け入れられると、タブ410に支持された基板を各加熱又は冷却プレートの上面へ移送する。この移送プロセスは、一般に、プレート上面に形成された真空アパーチャー422を作動させて、基板をその上面に載せたときに移動しないように基板をそこに固定することを含む。加熱プレートは、一般に、基板をそこに位置する前に、約150℃乃至約400℃の所定のアニール温度に加熱される。加熱プレートの別の温度範囲は、例えば、約150℃乃至約250℃、約150℃乃至約325℃、及び約200℃乃至約350℃を含む。基板は、加熱プレート402上に所定の時間周期中位置され、例えば、基板に堆積される層に希望の構造を形成するのに必要な希望のアニール温度及び時間に基づいて、約15秒乃至約120秒間アニールされる。
【0031】
[0063]アニールプロセスの加熱部分が完了すると、基板を冷却プレート404へ移送する。この移送プロセスは、真空チャック動作を終了させ、次いで、タブ部材410が基板に係合して支持するまで、即ちタブ410が基板を加熱プレート面から持ち上げるまで、ブレード部材408を上方に持ち上げることを含む。次いで、ブレード部材408を加熱プレート402から冷却プレート404へ枢着回転することができる。冷却プレート404の上に来たときに、ブレード408を下降して、基板を冷却プレート404上に位置させることができる。以下に述べる下降プロセスと同様に、基板を冷却プレートへ下降するのと同時に、真空アパーチャー422を動作して、冷却プレート404の上面に基板を固定させることができる。
【0032】
[0064]冷却プレートは、一般に、約15℃乃至約40℃の低い温度に維持され、それ故、冷却プレートは、該プレート又はその付近に位置された基板からの熱を受け入れ又は減衰させるように動作する。このプロセスは、アニール温度から、約70℃未満まで、又はより詳細には、約50℃乃至約100℃まで、1分未満で、又はより詳細には、約15秒未満で、冷却するのに使用できる。より詳細には、冷却プレートは、基板を約12秒未満で約50℃乃至70℃に迅速に冷却するように使用できる。基板が希望温度まで冷却されると、ブレード408を使用して、基板を冷却プレート404から上昇させることができる。基板を上昇した状態で、ドア414を開くと共に、外部のロボットブレード412を処理容積部へ入れて、ブレード部材408から基板を取り出すように使用できる。基板を取り出すと、別の基板をアニールチャンバーに位置させて、上述したアニールプロセスを繰り返すことができる。
【0033】
[0065]本発明の別の実施形態では、基板温度が徐々にアニール温度に上昇され、又は冷却基板温度に下降されてもよい。より詳細には、ロボットアーム406は、加熱プレート402のすぐ上の位置、即ちプレート402からエアギャップ又はスペースだけ離間された位置まで下降することができる。基板と加熱プレート402との間のエアギャップは、基板の温度上昇を低速化するための熱的緩衝部として機能する。例えば、加熱プレート402を約210℃に加熱し、次いで、基板を加熱プレート402から約1mm乃至約5mm離れたところに位置してもよい。プレート402からの熱は、基板と加熱プレート402との間のエアギャップ又はスペースを横切って基板へゆっくり伝達される(基板が加熱プレート402上に直接位置された場合の熱伝達率に対してゆっくり)。アニール温度への上昇時間は、基板の間隔を調整することで更に調整でき、即ち迅速な上昇時間を希望する場合には、基板を加熱プレートのより近くに位置することができる。同様に、基板を加熱プレートから更に離れて位置し、即ちエアギャップを増加することを利用して、上昇時間を延長してもよい。上昇時間は、例えば、約10秒乃至約45秒でよい。基板の温度がアニール温度まで上昇すると、次いで、基板は、アニールプロセスの残り部分に対して、加熱プレート402上に下降されてもよい。同様に、ロボットを冷却プレートから離間して位置させて、必要に応じて冷却温度を下げることもできる。
【0034】
[0066]図8は、本発明の基板スピンすすぎ乾燥セル800を例示する部分斜視図兼断面図である。このスピンすすぎ乾燥セル800(SRD)は、メッキシステムに取り付けることのできるフレーム、例えば、図1に示すメインフレーム113に支持される流体ボウル/本体801を備えている。SRD800は、更に、流体ボウル801の中心に位置された回転可能なハブ802を備えている。このハブ802は、一般的に平らな上面を備え、この上面には、複数の背面流体ディスペンスノズル808が形成されると共に、少なくとも1つのガスディスペンスノズル810も形成される(図5にノズル503としても示されている)。複数の直立した基板支持フィンガー803が、ハブ802の周囲に半径方向に位置されている。本発明のここに示す実施形態では、4つのフィンガー803が示されている(図12を参照)が、本発明は、特定の数のフィンガーに限定されない。これらフィンガー803は、基板804を、SRD800で処理するために、そのベベル縁において回転可能に支持するように構成される。SRD800の上部は、一般的にドーム形状の蓋部材805を備え、これは、ドーム805の下で且つハブ802の上の処理スペースを包囲するように動作する。更に、このドーム部材805は、その中に位置されて処理スペースへ処理ガスをディスペンスするように構成された少なくとも1つのガスノズル807と、フィンガー803に固定された基板804へ処理流体をディスペンスするように構成された流体マニホールド806とを備えている。SRD800の少なくとも一方の側は、SRD800の処理エリアへのアクセスを与えるために選択的に開閉することのできるドア又は開口(図示せず)を備えている。SRD800の下方部分は、深皿の周囲に位置された環状シールド部材812を備えている。このシールド812は、基板支持部材802の下で且つ半径方向外方に位置され、それ故、深皿の周囲へと外方に流体をこぼすように構成される。更に、シールド812は、以下に詳細に述べるように、垂直方向に操作可能に構成される。
【0035】
[0067]本発明の別の実施形態では、処理スペースは、その上部が蓋又は上部部材により限定される。この実施形態では、処理セル800は、下部排出深皿及び直立した側壁を含むが、処理スペースの上部は、一般的に開いている。更に、この実施形態では、流体ディスペンスノズル又はマニホールドが、一般に、セルの直立した側壁部分に位置され又はマウントされる。例えば、流体ディスペンスアームを側壁に枢着し、流体ディスペンスノズルが配置されたそのアームの遠方端を、セル内で処理されている基板上の位置へ枢着回転できるようにしてもよい。アームの枢着移動は、一般に、処理されている基板上で且つそれと平行な平面内で行われ、それ故、アームの枢着移動は、アームの端に位置されたノズルを、基板の特定の半径方向位置の上、即ち、例えば、基板の中心上、又は基板の中心から特定の半径にあるポイント上に位置させるのを許容する。流体ディスペンスノズルのこの再位置付けはさておき、本発明のこの実施形態は、上述の実施形態と構造上同様であり、且つ同様に機能する。例えば、図9は、本発明の別の基板スピンすすぎ乾燥セルを例示する部分斜視図兼断面図である。本発明の実施形態では、SRDセルは、図8に示すセルと実質的に同様であるが、図9に示すSRDセルは、蓋805を備えていない。従って、図9に示すSRDセルは、すすぎプロセス中に包囲されない。図8に示すSRDセルと、図9に示す実施形態との間の別の相違は、図9に示すSRDが、蓋805に形成された流体ディスペンスマニホールド806に置き換わるように働く枢着型流体ディスペンスノズル850を備えていることである。このノズル850は、基板面にわたり外方に枢着移動して、処理流体、一般に脱イオン水を、基板の中心付近で基板面にディスペンスするように構成される。更に、セル壁809を、取り付けられたシールド814及びカーブした面816と共に上下させて、基板のロード及びアンロード操作を容易に行うことができる。例えば、基板をロードするときには、壁809を下げて、基板支持フィンガー803へのアクセスを許容することができる。処理が始まると、壁809を上げて、キャッチカップ814及びカーブした壁816を基板の隣に位置させ、以下に詳細に述べるように、基板からスピン除去される流体を捕獲すると共に、基板の周囲の空気流を制御することができる。
【0036】
[0068]図10A−図10Dは、例示的SRD800のフィンガー部材803を詳細に示す図である。より詳細には、図10Aは、基板係合フィンガー803を閉位置で例示する上方斜視図である。基板係合フィンガーアッセンブリは、一般に、ベース1007を備え、ここから、直立した枢着型エアホイル/クランプ部材1000が延びている。フィンガーアッセンブリは、更に、下方アクチュエータ部分1008(図10Cに示す)を備え、これは、直立したエアホイル部分1000の内方に位置され、且つピボット点1002に枢着される。エアホイル1000は、一般に、上から見ると、翼の形状をした部材で、空気流の乱れ量を最小にしながら処理空間内を回転するように構成される。エアホイル1000の先縁、即ちフィンガー803が回転されるときに空気が最初に接触するエアホイルの側は、フィンガー803に接触する空気が、処理スペース内に擾乱又は望ましからぬ空気流を発生することなく、フィンガー803を通過するための最小抗力及び擾乱の流路を与えるように丸み付けされる。エアホイル1000の後縁、即ち丸み付けされた先縁とは反対のエアホイルの縁は、図10Aに示すように、丸み付けされた縁より断面が一般的に小さい。先縁及び後縁は、一般的に滑らかで且つ時には弧状の即ちカーブした面1005により接続される。従って、エアホイル800が回転されるときにその上の空気流は、滑らかであり、処理スペースに最小擾乱空気作用を生じさせる。滑らかな面1005は、水平に向けられたノッチ即ちチャンネル1006を備え、このノッチは、処理中に基板804のベベル縁を受け入れてそれに係合するサイズ及び構成とされる。このチャンネル1006は、一般に、表面1005を横切って水平に延び、即ちエアホイル1000の垂直軸に一般に直交する方向に延びる。
【0037】
[0069]フィンガー803は、更に、ベース部材1007にしっかり取り付けられる内部固定ポスト1001を備えている。このポスト1001は、枢着型エアホイル部材1000の内面1005に形成された露出したチャンネルを経て上方に延びる。従って、図10Cに示すように、エアホイル1000がピボット部材1002を経て枢着回転される間に、ポスト1001は固定のままである。更に、ポスト100の上部終端には、基板支持面1004が形成されている。この支持面1004は、基板を支持するように構成された一般的に水平の部分と、この水平部分の半径方向外方に位置された垂直又はアングル部分であって、ポスト1001の半径方向内方の位置に基板を維持すると共に、支持面1004へ基板をガイドするための部分と、ポスト1001及びエアホイル1000により支持された基板804のベベルに係合する水平ノッチ又はスロット1006とを備えている。
【0038】
[0070]図10Bは、フィンガー803を開位置即ちロード位置で示す上方斜視図である。より詳細には、フィンガー部材が開位置にあるときに、エアホイルを外方に枢着回転し、固定ポスト1001の上面を露出させる。エアホイル1000は、アクチュエータ部分1008の上方移動によりこの位置へ枢着回転されてもよい。この移動は、ピボット点1002の配置の結果として、エアホイル1000の上部終端を外方に枢着回転させる。エアホイル1000の枢着移動の結果、ポスト部材1001の上部基板支持面は、これに基板を位置できるように位置される。
【0039】
[0071]図10Dは、フィンガーアッセンブリを開位置において側部から見た図で、ポスト1001の上面1004がエアホイル1000からどのように延びていて、この基板支持面1004が基板の縁を支持すべく位置されるかを示している。図10Dは、側部斜視図であり、また、図10Aは、フィンガーアッセンブリを閉位置即ち処理位置で示す平面図である。閉位置は、一般に、基板804が処理のためにハブ802に固定される(フィンガー803を経て)ところのエアホイル1000に対するポスト1001の位置に対応する。同様に、開位置は、一般に、ポスト1001の基板支持上部1004が基板を受け入れるように位置されるところのエアホイル1000に対するポスト1001の位置に対応する。従って、開位置は、本質的に、基板ロード位置であり、閉位置は、本質的に、基板処理位置である。閉位置(図10A及び10C)において、基板は、処理のために基板に係合するようにピボット点1002の周りを内方に枢着回転されたエアホイル1000の水平スロット1006により、そのベベル縁が支持される。
【0040】
[0072]フィンガー部材を操作するプロセスは、一般に、下方アクチュエータ部分1008に機械的に係合して垂直方向に移動させることを含む。例えば、下方アクチュエータ部分1008を垂直又は上方に移動すると、エアホイル部材803が外方に枢着回転されて、基板支持ポスト1001を露出させる。下方アクチュエータ部分は、この下方アクチュエータ部分に機械的に係合するよう位置されたシールド部材812の垂直操作を経て垂直に操作される。従って、基板がフィンガーにロードされるときには、シールド812が上昇されて、基板受け入れ/ロード位置へとフィンガーを開く。基板がロードされると、シールド812を下げて、すすぎプロセスのために基板をスロット1006に係合させることができる。アンロードプロセスも、実質的に同様に行うことができる。
【0041】
[0073]図11は、図2に示すハブ802の部分断面図である。このハブ802は、一般に、その下面に位置された中央支持部材を経て回転可能にマウントされる。この中央支持部材の内部は、流体ディスペンスマニホールド1102を経て、ハブ802の上面1104に形成された複数の流体ディスペンスアパーチャー1103へすすぎ流体を連通するように構成されたコンジット1101を備えている。更に、中央支持部材には、一般に、複数のガスディスペンスパージポート1104へ乾燥ガスを連通するように構成された第2のコンジット(図示せず)も形成される。更に、本発明の実施形態は、流体及びガスコンジットを単一のコンジットへと結合して、バルブアッセンブリを使用して、その単一コンジットへ供給される流体とガスの間を切り換えてもよい。
【0042】
[0074]図12は、ハブアッセンブリ802の下部を示す上方斜視図である。より詳細には、ハブアッセンブリ802は、一体素子でよいが、本発明の実施形態は、ハブアッセンブリ802が、独立して回転する個別素子を含んでもよいことも意図する。例えば、図12は、ハブアッセンブリ802の下部を例示している。この例示された下部は、一般に、中央アパーチャー1200が形成された円板状部材である。この下部円板状部材の外側部分は、平らな上面1201と、その周囲に半径方向に位置された複数の基板係合フィンガー803とを備えている。この構成では、図11に示すように表面1104へと形成されたガス及び流体配送アパーチャーが、図12に示す円板状部材とは個別の素子に形成された中央アパーチャー1200に位置されてもよい。この構成では、ハブ802の中央部分(アパーチャー1200に位置されてもよい表面1104で表わされた部分)を固定する一方、ハブ802の外側部分(図12に示す円板状部材で表わされた部分)が、その固定の内側部分に対して回転してもよい。これは、各部材が互いに相対的に回転するときに、流体及びガスディスペンスノズルがそれらの各流体を基板の全エリアにディスペンスするのを許容する。
【0043】
[0075]動作中に、スピンすすぎ乾燥セル800は、一般に、基板を受け取り、基板をすすぎ流体ですすぎ、次いで、基板をスピンさせて遠心力で基板面から流体を追放することで基板を乾燥しつつ、乾燥プロセスを更に促進するために基板収容セルに乾燥ガスをディスペンスするように動作する。基板は、セル800の片側に位置できるドアを経てセル800に位置されてもよいし、或いはセル800が、例えば、セルの両側に位置された2つ以上のドアを備えていて、基板を片側でセル800へ運び込むと共に、他側でセル800から取り出すようにしてもよい。基板は、基板を下側から一般に支持する基板移送ロボットによりセル800に一般的に位置され、それ故、基板がセル800に移送されるときには、それが、一般に、表面を上に向けた構成でフィンガー803の上に位置される。フィンガー803は、開位置、即ち固定ポスト1001の上面1004が露出される位置へと作動される。上面1004が露出されると、ロボットは、基板を複数のフィンガー803へと下げ、各フィンガー803の上面1004で基板を支持することができる。固定ポストの上部は、内方に傾斜した面1010を含んでもよく、これは、基板を内方にガイドするか又は基板を各ポスト1001に対してセンタリングするように構成される。基板が水平面1004に位置されると、ロボットブレードをセル800から引っ込めると共に、ドアを閉じて、セル800の内部処理容積部を周囲の大気から分離することができる。
【0044】
[0076]基板が基板支持フィンガー803の上面1004に位置されると、基板支持フィンガー803を操作して、基板のベベル縁に係合することができる。より詳細には、フィンガー803の下部1008を下方に操作して、上部終端を、面1004に支持された基板に向けて内方に枢着回転させることができる。エアホイル1000の上部終端が内方に枢着回転すると、水平ノッチ即ちグルーブ1006(図10C及び10Dに示す)が基板のベベル縁に係合して、基板を各フィンガー803間に固定する。基板のベベル縁がエアホイルのグルーブ1006に係合すると、固定ポスト部材1001の上面1004による支持から基板を除去すると共に、基板面に最小限接触するだけであるよう構成された水平ノッチ即ちスロット1006によるベベル縁の係合を経て基板を排他的に処理するように支持する。
【0045】
[0077]基板が基板支持フィンガー803に固定されると、処理を開始することができる。一般に、セル800における処理は、そこに位置された基板をすすいで、乾燥することを含む。このすすぎ及び乾燥プロセスは、一般に、基板を回転することを含み、それ故、フィンガー803は、一般に、図8に示すように、回転可能な形式のハブ802に固定される。基板が回転すると、流体ディスペンスノズルが、その回転する基板の前面、背面又はその両面にすすぎ流体をディスペンすることができる。基板の前面にディスペンスされる流体は、蓋部材805に位置されたマニホールド806によりディスペンスすることができ、一方、基板の背面にディスペンスされる流体は、ハブ802に形成された流体アパーチャー1103によりディスペンスすることができる。半導体処理に適した種々のすすぎ溶液が本発明の範囲内で意図されるが、基板にディスペンスしてその表面をすすぐことのできるすすぎ溶液の一例は、DIである。更に、基板は、そこにすすぎ流体をディスペンスするプロセス中回転しているので、流体は、一般に、基板の周囲に向かって半径方向外方に押しやられる。このようにして、流体は、基板のベベル縁から離れるように流れ、セル800の底部に収集される。ハブ802の回転速度が高いと、流体が外方に流れてほぼ水平に基板面から離れるようにされ、一方、低い回転速度を使用すると、すすぎ流体が基板面を横切って外方に移動して基板のベベルの周りを若干包んだ後に遠心力によりスピン除去されるのを許容する。
【0046】
[0078]基板が所定の時間中すすぎされると、すすぎプロセスを中断してもよい。これは、一般に、基板へのすすぎ流体の流れを中断することに対応するが、一般に、基板の回転は、すすぎ流体ディスペンスプロセスが終了した後も維持される。この連続的な回転は、基板面に付着又はくっつくことのあるすすぎ流体の残留小滴を半径方向外方に押しやって基板面から離れさせるように働く。更に、乾燥ガスを処理エリアへディスペンスして基板面に向け、基板面からの残留流体の除去を更に促進することができる。例えば、基板がスピン乾燥されている間に、上部パージノズル807及び下部パージアパーチャー1104を経て処理容積部へ窒素をディスペンスすることができる。
【0047】
[0079]乾燥プロセスが完了すると、基板をセル800から取り出すことができる。このプロセスは、一般に、基板導入プロセスを逆に行うことを含み、より詳細には、一般に、ドアの1つを開いて、ロボットが基板にアクセスするのを許容することを含む。ドアが開くと、ロボットブレードを基板の下の処理容積部に入れて、基板に近い位置へもっていくことができる。次いで、基板支持フィンガー803を開位置へ操作し、即ちアクチュエータ1008を上方に押しやり、エアホイル1000の上部終端を外方に枢着回転して、基板を水平グルーブ即ちスロット1006から解離することができる。次いで、基板を内部固定ポスト1001の上面1004に位置することができる。次いで、ロボットブレードを上方に操作して、基板を表面1004から離すように持ち上げ、処理容積部からドアを経て基板を取り出すことができる。
【0048】
[0080]ここに例示するスピンすすぎ乾燥プロセスは、一般に、多ステッププロセスを含むことができる。このプロセスの第1ステップ(前すすぎ頂面)は、基板を約900rpm乃至約1700rpm、一般的に、約1300rpmで、約2秒乃至約6秒間、回転しながら、約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を基板の製造面即ち頂面にディスペンスすることを含む。第2ステップ(前すすぎ頂面及び背面)は、基板を約100rpm乃至約140rpmで回転しながら、約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を基板の製造面に、且つ約600ml乃至約1000mlのすすぎ溶液を基板の背面に、約6秒でディスペンスすることを含む。第3ステップ(背面洗浄)は、約40rpm乃至約90rpmで回転すると共に、約200ml乃至約500mlの化学物質、一般に、H2O2及びH2SO4を基板の背面にディスペンスしながら、基板の背面を洗浄するように一般的に働く約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を製造面に約10秒間ディスペンスすることを含む。第4ステップ(後すすぎ)は、約40rpm乃至約90rpmで約10秒乃至約16秒間回転しながら、約1000ml乃至約1500mlのすすぎ溶液を基板の製造面にディスペンスする一方、約600ml乃至約1000mlのすすぎ溶液を基板の背面にディスペンスすることを含む。第5ステップ(体積流体スピン除去)は、両面への流体の流れを終了させ、次いで、背面パージガス(窒素)が約2乃至約4cfmの流量で流れるようにして基板を約400rpm乃至約600rpmで約3秒乃至約6秒間回転することを含む。第6ステップ(体積流量スピン除去)は、基板を約600rpm乃至約900rpmで回転しながら、基板の背面を約2乃至約4cfmの流量で約4秒間ガス(窒素)パージすることを含む。第7ステップ(乾燥)は、ガスの流れも流体の流れもない状態で、基板を約2000rpm乃至約3000rpmで約10秒乃至約20秒間回転することを含む。
【0049】
[0081]更に、本発明のSRDセルは、基板へのすすぎ流体の逆流又は後方跳ね返しは基板の効率的な乾燥を妨げることが知られているので、これを防止する空気流パターンを発生するように構成される。SRDセルは、空気の逆流、即ち基板の中心に向かう空気の流れを、図8に示すように、セルのキャッチカップシールド814及び輪郭付けされた外面816により最小にするように構成される。特に、キャッチカップシールドは、セル壁809から半径方向内方に延び、且つこのシールド814の遠方終端環状部が、基板の半径方向外方のポイントにおいて基板の下面のすぐ下で終わるように位置される。壁816の輪郭付けされた部分は、その輪郭の上部が基板より上で終わり、且つその輪郭の下方終端部が、基板の下面より下で、一般に、キャッチカップ814の環状端に対向する逆側即ち端に向かって終わるような形状にされる。この構成は、基板からスピン除去された流体がキャッチカップ814により受け取られ、キャッチアップ814に形成された穴によりこのキャッチアップ814を通して下方に流れるのを許容する。更に、基板の回転により発生される半径方向外方に飛び出す(螺旋状)空気流も、キャッチアップの上をチャンネル搬送され、輪郭付けされた面816により下方に向けられる。この空気流は、穴を経て進み、減圧領域818を経てチャンバーの下から排気することができる。それ故、本発明のSRDセルの構成は、基板の中心に向かって方向を逆転しない半径方向外方の空気流を発生し、これは、流体の霧が基板面に戻って乾燥プロセスを長引かせるのを防止する。
【0050】
[0082]図13は、本発明のベベル洗浄セル即ちチャンバー1300を例示する上方斜視図である。上述したように、ベベル洗浄セル1300は、システム100に示された処理場所102、104、106、108、110、112、114、及び116のいずれに位置されてもよい。しかしながら、本発明のここに示す実施形態では、ベベル洗浄セル1300は、一般に、処理場所106及び108に位置される。図13は、ベベル洗浄セル1300を例示する上方斜視図であり、また、図13は、一般に、このベベル洗浄セル1300の上部コンポーネントを示している。これらのコンポーネントは、一般に、直立した壁部分1301と、この壁1301の下部に連通する排出深皿1302とを有する中央ボウル即ちチャンバーを備えている。この中央ボウルは、一般に、プラスチック材料、ナイロン系材料、又は金属材料に非金属をコーティングしたもので製造される。この材料は、一般に、半導体処理のエッチング剤溶液と反応しないように選択される。排出深皿1302は、一般に、処理流体を受け取り、その処理流体を流体排出部(図示せず)へチャンネル搬送するように構成される。深皿1302の中央部分は、基板チャック1303を備えている。この基板チャック1303は、一般に、半導体処理に使用されるいかなる形式の基板チャックでもよいが、回転可能であり及び/又は垂直に操作可能であるように構成される。より詳細には、基板チャック1303は、少なくとも1つの真空アパーチャーがその上面へと形成された真空チャックでよく、この場合、真空アパーチャーは、真空源と選択的に流体連通されて、真空源及び真空アパーチャーが協働して、基板チャック1303との間の容積部に負の圧力を印加することで基板を基板チャック1303に固定する。基板チャック1303は、一般に、排出深皿1302の下に位置された機械的メカニズムにより支持され、この機械的メカニズムは、チャック1303に回転移動を与えると共に、チャック1303に任意の垂直移動も与えるように構成され、即ちこの機械的メカニズムは、以下で詳細に述べるように、基板センタリングピン1304に位置された基板に係合したり解離したりするようにチャック1303を任意に上昇及び下降するよう構成される。更に、排出深皿は、この深皿の表面上に位置されたシールド又はカバーを含んでもよく、このシールド又はカバーには、これを貫通して上方に延びるコンポーネントのためのアパーチャーが形成されている。
【0051】
[0083]壁1301の上部は、一般に、カーブした部材(図8に例示するSRDに示されたカーブした部分809と同様)を備えている。このカーブした部材は、基板が回転されるときに基板の周囲に外方及び下方の空気流を発生するように働き、これは、一般的に酸性でメッキ層に欠陥を生じると分かっている処理流体が基板面に後方跳ね返り又は霧を生じるのを防止するように働く。より詳細には、回転時に、基板は、本質的に、壁の方向に基板面を横切って外方に空気を押し出すポンプのように働く。従来のセルでは、高圧力の領域がセルの周囲付近に発生し、これは、空気流を逆転させて、基板面にわたり上方及び後方に流れるようにさせる。カーブした壁は、空気流を、例えば、真空ポンプで発生された低圧力の領域へチャンネル搬送し、従って、高圧力領域及びそれに関連した後方跳ね返しを排除する。この壁の下方にカーブした面がないと、外方への空気流は、それが壁に当たったときに上方に進み、基板の中心に向かって方向を逆転することが許容される。この逆流は、空気流に浮遊された流体を基板面にわたって戻す。従って、カーブした壁は、外方に移動する空気流を、基板面にわたり方向を逆転し又は逆に進ませることなく、捕獲のための減圧領域へチャンネル搬送するように構成される。
【0052】
[0084]排出深皿1302は、そこから上方に延びる複数の基板センタリングピン1304も備えている。このセンタリングピン1304は、一般に、排出深皿/シールド1302の周囲に、例えば、等間隔配列で、半径方向に位置される。しかしながら、ピン1304は、いかなる希望の間隔配列で位置されてもよい。例えば、図13に示す実施形態では、3つの基板センタリングピン1304が、120°の増分で、排出深皿1302の周囲に位置されているが、ピン1304は、例えば、20°、180°及び340°で位置されてもよい。基板センタリングピン1304は、一般に、深皿1302の下に位置された後述の基板センタリングメカニズムによって支持され、このメカニズムは、ピン1304を垂直に操作すると共に、ピン1304を、ピン1304の回転中心に一般に対応するピン1304の長手軸の周りで回転操作するようにも構成される。ベベル洗浄セル1300は、更に、少なくとも1つのすすぎ溶液ディスペンスアーム1305を、少なくとも1つのエッチング剤溶液ディスペンスアーム1306と共に備えている。一般に、両アーム1305及び1306は、ベベル洗浄セル1300の周囲部分に枢着され、その長手方向に延びるアームの遠方終端には少なくとも1つの流体ディスペンスノズルが位置されている。このノズルは、支持部材1303に位置された基板の第1面即ち上面に各処理流体をディスペンスするように位置されている。より詳細には、処理セル1300が、表面を上にした処理セルとして構成されるとき、即ち基板が、その製造面を深皿1302から離れた方を向くようにしてセルに位置されるときには、流体ディスペンスノズルは、それらの各流体を基板の製造面にディスペンスするように構成される。アーム1305及び1306の動作は、一般に、システムコントローラによって制御され、このコントローラは、各アームの遠方端を、処理されている基板の指定の半径方向位置上に正確に位置させるように構成され(各アームの枢着操作及び/又は垂直操作を経て)、これは、アームの各端に位置されたノズルから、ベベル洗浄セル1300で処理されている基板の正確な半径方向の場所へ流体をディスペンスするのを許容する。更に、ここに例示する実施形態では、脱イオン水でよいすすぎ溶液と、酸性のものでよいエッチング剤溶液とを別々にディスペンスするために2つのアームが示されているが、本発明の実施形態は、特定の数の流体ディスペンスアームに限定されるものではない。より詳細には、本発明の他の実施形態は、すすぎ溶液ディスペンスノズル及びエッチング剤溶液ディスペンスノズルの両方が位置された単一の枢着型アームを具現化してもよい。しかしながら、この構成では、すすぎ溶液ノズル及びエッチング剤溶液ノズル各々の配置がより重要となる。というのは、ベベル洗浄プロセスは、一般に、処理されている基板の除外ゾーン、即ち基板の外側2−5mmの周囲にエッチング剤溶液を正確にディスペンスすることが要求されるからである。更に、アーム1305及び1306の各々は、ノズルが基板にタッチすることから作動されないときに流体がノズルから滴下するのを防止するように構成されたメカニズムを含んでもよい。例えば、ノズルは、オフ時間中に望ましからぬ流体小滴を受け取るように構成された真空ポート又は吸い上げバルブ(図示せず)を含んでもよい。或いはまた、ノズルは、望ましからぬ流体小滴を基板面から吹き飛ばすように構成されたガスアパーチャーを含んでもよい。
【0053】
[0085]図14は、本発明の背面流体ディスペンスマニホールド1400を例示する上方斜視図である。この背面流体ディスペンスマニホールド1400は、一般に、基板センタリングピン1304間で流体排出深皿1302に位置される。マニホールド1400は、一般に、2つの遠方終端を有するV字型構造を含む。各端には、流体ディスペンスノズル1401が位置されている。マニホールド1400は、セル1300で処理されている基板に対して各流体ディスペンスノズル1401を特に位置させるように垂直操作及び枢着操作を行うことができる。この構成は、枢着された流体ディスペンスアーム1305及び1306が基板の製造面即ち前面に処理流体をディスペンスする間に、マニホールド1400が基板の非製造面即ち背面に処理流体を同時にディスペンスするのを許容する。
【0054】
[0086]図15は、本発明の基板センタリングメカニズム1500を例示する斜視図である。このセンタリングメカニズム1500は、一般に、深皿1302の下に位置され、そのフレーム部材1505は、基板センタリングピン1304を受け入れて固定するように構成された複数のリセプタクル1506を有している。フレーム1505は、このフレーム部材1505及びそれに関連したコンポーネントを移動し、即ちフレーム部材1505を上昇及び下降するように構成された操作メカニズムと連通してもよい。ここに示す実施形態では、フレーム1505は、基板センタリングピン1304を受け入れるように構成された3つのリセプタクル1506を備えている。各リセプタクル1506の下部は、図15に示すように、フレーム部材1505を通してその反対側へ延び出ている。更に、各リセプタクル1506は、フレーム1505内に回転可能にマウントされて、リセプタクル1506を、リセプタクルの上の矢印「A」で指示された方向に回転することができ、従って、リセプタクルに固定された基板センタリングピン1304も回転させることができる。フレーム1505の下に延びる各リセプタクル1506の下部には、一般に、操作アーム即ち偏心カム部材1503、1504が取り付けられている。これら操作アーム1503、1504の各々は、固体リンケージ、ベルト、液圧部材等でよい接続部材即ちリンケージ1502を経て別の操作アーム1503にも接続される。更に、選択的に作動される操作装置1501が、一次アーム部材1504に機械的に連通され、それに枢着移動を選択的に与えるように構成される。
【0055】
[0087]リセプタクル1506の各々は、フレーム部材1505の各部分内に回転可能にマウントされると共に、リセプタクル1506の下方延長部分の各々は、アクチュエータ1503及びそれに取り付けられたリンケージ1502を含むので、アクチュエータ1501により一次アーム部材1504を操作すると、アクチュエータアーム1504への枢着移動が生じ、他のアーム1503及びそれに対応するリセプタクル1506を一次アーム1504と共に直接的対応的に枢着回転させる。より詳細には、各リセプタクル1506は、基板センタリングパン1304を受け入れ、アクチュエータ1501が一次アーム1504を経て枢着回転すると、アーム1504の上の対応リセプタクル1506も枢着回転される。更に、リンケージ1502は、一次ピボットアーム1504に対して二次ピボットアーム1503を求めることができるので、一次ピボットアーム1504の枢着移動は、二次ピボットアーム1503への対応枢着移動に変換され、これは、二次アーム1503の上に位置されたリセプタクル1506の枢着移動又は回転移動を直接生じさせる。この構成は、基板センタリングピンの各々が同時に回転可能に操作されるのを許容し、且つ操作/回転が3つの基板センタリングピン間で同一であるのを許容する。更に、リセプタクル1506の各々は、例えば、全センタリングメカニズム1500の垂直移動により、或いはフレーム1505内のリセプタクル1506の垂直スライド移動により、垂直に操作されてもよい。
【0056】
[0088]アクチュエータ1501は、一般に、基板センタリングポスト1304を回転させ、基板に過剰な圧力を作用させずに基板に係合して基板を各ポスト間でセンタリングするように構成されたアクチュエータである。例えば、ポスト1304の各々は、以下で詳細に述べるように、基板に係合して基板を中心位置へスライドさせるように働くセンタリングピンを含む。基板が中心位置にスライド式に位置されると、センタリングピンは、基板に機械的に係合し続けて、基板を中心位置に維持する。しかしながら、従来のセンタリングメカニズムでは、アクチュエータの強度及び構成は、基板がセンタリングされると、センタリングポストにより基板の周囲に力が加えられる結果として基板を屈曲させるものであった。更に、基板が屈曲すると、アクチュエータが解除されても、アクチュエータによる基板に対するバイアス力の不足で、基板が中心からシフトされる。それ故、この問題に対処するために、本発明者は、従来のアクチュエータ1501を、摩擦のないアクチュエータに置き換えた。摩擦なしのアクチュエータ1501は、センタリングプロセス中には従来のアクチュエータと同様に働くが、基板がセンタリングされると、摩擦なしのアクチュエータは、従来のアクチュエータに関連した屈曲及び中心ずれの問題を克服する。例えば、基板がセンタリングされると、摩擦なしのアクチュエータは、アクチュエータの移動即ち駆動圧力の実質的な変化を伴わずに、解除することができる。更に、摩擦なしのアクチュエータは、基板を屈曲点へ圧迫することなく基板をセンタリングすることができる。例えば、エアポート・コーポレーション・オブ・ノルウオーク、CT製造者計器品質の空気式アクチュエータ、及びエアペル・アンチ−スチクション・エア・シリンダーを、アクチュエータ1501として効果的に使用することができる。これらの装置は、一般に、グラファイトピストン及びホウ珪酸ガラスシリンダーの組合せを使用して製造され、この場合、各ピストンは、非常に厳密な公差でシリンダーに適合するように選択的にマッチングされる。この構成は、シリンダーとピストンとの間に低い摩擦を与え、それ故、アクチュエータは、数グラム程度のみの力と、0.2psi未満の操作圧力とに応答する。更に、スタート時及び動作中の摩擦がほぼ等しく、これは、非均一又は非制御のスタートを防止すると共に、装置の全ストロークにわたり均一な平滑さを与える。従って、摩擦なし形式のアクチュエータを使用すると、基板がセンタリングされたときに、基板の逆移動又はスリップに遭遇することなく、摩擦なしのアクチュエータを解除することができる。摩擦なしのアクチュエータとは別に、モーター、ボイスコイル、電気セラミック、等も含まれる。
【0057】
[0089]図16は、本発明の基板センタリング部材即ちポスト1304を例示する断面図である。このセンタリングポスト1304は、一般に、細長く、即ち円筒形状のもので、基板センタリングメカニズム1500のリセプタクル1506に受け入れられる構成にされる。ポスト1304は、一般に、コア1604を備え、このコア1604は、その上部をカバーするキャップ部材1601を有している。コア1604は、一般に、例えば、セラミックのような堅牢な材料で製造される。キャップ部材1601は、ピーク即ち中心点で終わる持ち上がった中央部分1602を含む。中央部分1602のピーク即ち先端は、ポスト1304の長手軸に一致するように位置され、従って、ポスト1304が回転されたときに、中央部分1602の先端即ちピークは、1つの場所に留まる。キャップ部材1601は、一般に、電気化学的メッキ溶液に対して良好な露出特性を有する堅牢な材料から製造される。キャップ部材1601を製造できる1つの材料は、例えば、PEEKである。また、キャップ部材1601は、キャップ1604の上面から上方に延びる基板センタリングポスト1603も含む。この基板センタリングポスト1603は、中央部分1602又はキャップ1601のピークから半径方向外方に位置される。このようにして、基板センタリング部材1304が回転されると、基板センタリングポスト1603がコア1604の長手軸の周りで枢着移動即ち回転し、従って、ポスト1603は、中央部分1602の周りで回転即ち枢着移動する。また、基板センタリング部材1304は、コア1604の半径方向外方に位置されたスリーブ部材1605も含む。このスリーブ1605は、キャップ1604及びコア1604に協働係合して流体シールを形成し、これは、処理流体が、コア部材1604を含むボアを通して進行して、その下に位置された基板センタリングメカニズム1500にダメージを及ぼすのを防止する。
【0058】
[0090]図17は、本発明の基板センタリング部材1304を例示する上面図であり、より詳細には、図17は、図16に示されたキャップ部材1601の上面図である。図17は、中央部分1602又は中央部分1602のピークと基板センタリングピン1603との間の位置的関係を示す。更に、センタリング部材1394が、センタリングメカニズム1500により、その中心軸の周りで回転され、即ち点1602を経て延びる軸の周りで回転されるときには、基板センタリングピン1603が、矢印Aで示された方向に移動させられる。この移動は、以下に詳細に述べるが、これを使用して、部材1304に位置された基板を中央即ち中心位置に押しやることができる。
【0059】
[0091]動作中に、本発明のベベル洗浄セルを使用して、基板をすすぎ及び洗浄することができる。この洗浄動作は、基板の製造面及び非製造面の両方で行われてもよいし、或いは各面で個々に行われてもよい。また、本発明の洗浄セルは、基板のベベル部分から過剰な材料を洗浄し、即ち基板の製造面の周囲付近、ベベル及び背面にも一部堆積されたシード層の部分を洗浄するのにも使用できる。このプロセスは、半導体技術では、ベベル洗浄又は縁ビード除去ともしばしば称される。
【0060】
[0092]上述したように、一般に、基板処理システム100は、場所102、104、110及び112に位置されたメッキセルと、場所114及び116にスタックされたスピンすすぎ乾燥及び洗浄セルと、場所106及び108に位置されたベベル洗浄セルとを備えている。ロボットが各処理セル間で基板を移送するように動作する。一般に、ベベル洗浄セルの場所106及び108へ移送される基板は、メッキセルの場所102、104、110及び112の1つからそこに移送される。というのは、ベベル洗浄セルは、一般に、基板がシステム100から移送されて出される前に、基板の二重部分及び基板の背面に堆積された材料を除去するように構成されるからである。
【0061】
[0093]本発明のベベル洗浄セル1300へ基板を位置するプロセスは、一般に、挿入、センタリング及びチャックを含む。挿入プロセスは、基板移送ロボットにより行われ、基板をベベル洗浄セル1300へ運び込んで、基板をセンタリングピン1304へ下降することを含む。基板がセンタリングピン1304へ下降されると、基板は、各センタリングピン1304の中央ピーク即ち最上部1602により支持される。基板が各センタリングピン1304に位置されると、ロボットがベベル洗浄セル1300から引っ込められる。
【0062】
[0094]基板がベベル洗浄セル1300へ挿入されると、センタリングプロセスが行われる。基板から縁ビード材料を除去するための公差が一般的に約1mm未満であるので、ベベル洗浄セル1300における基板のセンタリングは、ベベル洗浄プロセスにとって重要である。例えば、半導体基板に銅が電気化学的に堆積されるときには、一般に、基板の外周3−5mmは、製造面の部分であるとみなされず、即ち除外ゾーンと一般に称されるこの外周即ち帯にはデバイスが一般に形成されない。この除外ゾーンは、メッキプロセス中に電気接点が一般に位置されるシード層の露出部分を含む。除外ゾーンに堆積されるシード層は、一般に、基板のベベルまで延び、時には、基板の背面、即ち製造面でないところまで延びる。その後の半導体処理ステップは、一般に、基板の二重部分又は基板の背面のいずれかとの接触を含むので、基板の二重部分及び背面を除去するか又は洗浄して、これらエリアとのその後の接触で汚染粒子を生じるおそれを少なくすることが望まれる。基板の除外ゾーン、ベベル及び背面からの材料の除去は、一般に、ベベル洗浄プロセスと称され、これは、基板の製造面と除外ゾーンとの間の界面にエッチング剤溶液をディスペンスしながら、基板の背面にも洗浄溶液をディスペンスすることを含む。それ故、基板の前面にディスペンスされるエッチング溶液は、製造面と除外ゾーンとの間の界面にディスペンスされるので、エッチング剤が製造面にディスペンスされてデバイスにダメージを及ぼすことのないように基板を適切にセンタリングするのが重要である。
【0063】
[0095]センタリングプロセスは、リセプタクル1506の各々を穏やかに回転する摩擦なしアクチュエータ1501を作動することで始まる。リセプタクル1506に受け入れられる基板センタリングポスト1304が協働回転され、それ故、キャップ部材1601に位置された基板センタリングピン1603が内方に回転されて、基板の縁に協働係合する。ピン1603の協働回転移動で基板が各ポスト1304間にセンタリングされる。基板が各ポスト1304間にセンタリングされると、摩擦なしアクチュエータ1501に圧力をかける操作が連続して適用されることでポスト1304により基板に穏やかな張力を維持することができる。しかしながら、この張力は、基板面に屈曲又は撓みを生じるには不充分な力でありながら、基板を中心位置に維持するに充分な力であるとして計算される。
【0064】
[0096]基板は、これがセンタリングされると、次いで、基板支持部材1303にチャックすることができる。このチャックプロセスは、一般に、チャック1303を上昇させてセンタリングポスト1304に固定された基板の下面に係合させるか、又はセンタリングポスト1304を降下させてチャック1303に基板を位置させるか、或いはチャック1303の上昇とポスト1304の下降を組み合わせることを含む。チャック1303は、真空型チャックでよく、それ故、基板とチャック1303が互いに物理的接触状態にされると、チャック1303の面に減圧を発生して基板をそこに固定することができる。基板がチャック1303に固定されると、ピン1304を降下するか、又はチャック1303を上昇させて、基板をチャック1303のみで支持することができる。
【0065】
[0097]基板がチャックされて固定された状態で、流体処理を開始することができる。流体処理は、一般に、すすぎ溶液アーム1305を、基板の中心のほぼ上の位置へ枢着回転することを含む。次いで、基板をチャック1303上で回転しながら、すすぎ溶液をそこからディスペンスすることができる。この回転により、例えば、DI水でよいすすぎ溶液を、基板の周囲へ向けて半径方向外方に押しやる。すすぎ溶液は、基板のベベル縁を経て流れ、排出深皿1302へ落下し、排出部(図示せず)により収集することができる。また、化学的ディスペンスアーム1306を基板の上に位置させることができ、より詳細には、化学的ディスペンスアーム1306は、エッチング剤溶液をそこから基板の製造面と除外ゾーンとの間の界面にディスペンスできるように、特に位置させることができる。この界面にエッチング剤溶液をディスペンスするプロセスは、一般に、アーム1305からのすすぎ溶液のディスペンスを終了し、次いで、アーム1306からのエッチング剤溶液のディスペンスを開始することを含む。この方法は、製造面に以前にディスペンスされたすすぎ溶液が、製造面へ跳ね返って戻ることのあるエッチング剤を希釈するように働き得るバリア又はシールド層を製造面に維持するのを許容する。更に、エッチング剤をディスペンスする前にすすぎ溶液ディスペンスプロセスを終了させることは、エッチング剤溶液の望ましからぬ希釈を防止するようにも働く。
【0066】
[0098]同様に、背面流体ディスペンスノズル1400を使用して、すすぎ溶液及びエッチング剤溶液を基板の背面にもディスペンスすることができる。背面流体ディスペンスノズル即ちマニホールド1400は、一般に、複数のノズルを備えていて、この背面流体ディスペンスノズル1400がすすぎ溶液及びエッチング溶液の両方をディスペンスするのを許容する。従って、洗浄及びすすぎプロセスが基板の前面で行われている間に、背面ノズル1400を同時に使用して基板の背面をすすぎ及び洗浄することができる。
【0067】
[0099]ここに例示するベベル洗浄プロセスは、基板の前面及び背面の両方を最初に前すすぎすることを含んでもよい。前すすぎプロセスは、基板の前面にDIを約1L/分乃至約2L/分の流量でディスペンスすると共に、基板の背面にDIを約50cc/分乃至100cc/分の流量でディスペンスすることを含んでもよい。このプロセス中に、基板を約150rpm乃至約250rpmで回転してもよく、また、流体ディスペンスプロセスの時間巾は、約8秒乃至約20秒でよい。一般に、前すすぎプロセスは、以前の電気化学的メッキプロセスの結果として基板面に付着することのある残留電解液をすすぎ落とすように構成される。基板が前すすぎされると、回転速度を約2000rpm乃至約3500rpmに約5秒間上げて、基板の縁付近に溜まったDIを除去することができる。その後、基板が依然約2000rpm乃至約3500rpmで回転している間に、例えば、アーム1306により製造面と除外ゾーンとの間の界面にエッチング剤溶液を塗布してもよい。エッチング剤溶液は、例えば、約20cc/分乃至約40cc/分の流量で界面に配送されてもよく、その時間巾は、約10秒乃至約25秒でよい。エッチング剤溶液の流れは、一般に、内径が例えば0.25乃至0.5インチのアパーチャーを有する比較的細いノズルを通る。エッチング剤溶液が製造面へと内方に跳ね返ることによる製造面のしみを最小にするために、回転速度が高い速度に維持される。一般に、エッチング剤溶液を基板にディスペンスするノズルは、界面へのエッチング剤溶液の正確なディスペンスを許容するために基板面から約1mm乃至約3mmのところに位置される。更に、ノズルは、一般に、製造面へ戻る跳ね返しを最小にするために、約30°乃至約50°の角度にされ、即ち基板の周囲に向かう角度にされる。
【0068】
[00100]エッチング剤溶液の化学的構成は、一般に、H2SO4をベースとするもので、それ故、H2SO4の濃度が充分であるときには、固定のH2O2濃度においてエッチングレートは変化しない。同様に、H2SO4濃度が不充分であるときには、エッチングは、H2SO4と共に非直線的に上昇する。更に、H2SO4濃度が充分であるときには、エッチングは、H2O2濃度と共に直線的に変化し、また、H2SO4濃度が不充分であるときには、エッチングレートは、拡散限定酸化のために平坦になる。それ故、エッチング溶液の成分の比は、例えば、約15乃至25部のH2SO4と、約350乃至450部のH2O2と、1400部を越えるH2Oであるか、或いは約20部のH2SO4と、400部のH2O2と、1580部のH2Oとである。これらの濃度は、酸の濃度を上げると、エッチングレートが高くなるが、過酸化物の濃度は、これを高くしたときにエッチングレートに最小限の作用しか及ぼさないことを示している。更に、H2O2濃度が6%未満であるときには、銅の酸化がゆっくりであることが示され、それ故、これらの濃度では、エッチングレートが、一般に、H2SO4濃度によって影響されない。しかしながら、H2O2濃度が6%を越えると、銅の酸化が高まり、それ故、高濃度H2SO4のエッチングレートは、H2O2濃度と共に上昇する。
【0069】
[00101]エッチング剤溶液ディスペンスプロセスの時間が完了すると、すすぎ溶液を、もう一度、製造面に、約1L/分乃至約2.5L/分の流量で、約3秒乃至約10秒間、ディスペンスしてもよいが、回転速度は、約100rpm乃至約300rpmに下げてもよい。基板の製造面にすすぎ溶液をディスペンスするステップは、2つの目的を果たすことができる。第1に、エッチング剤溶液の後にディスペンスされるすすぎ溶液は、跳ね返したエッチング剤溶液を希釈してそれを製造面からすすぎ落とすように働く。第2に、すすぎ溶液は、その後の背面化学ディスペンスステップから跳ね返ることのあるエッチング溶液から保護するための二次保護層も形成する。前面すすぎ溶液に対するディスペンスプロセスが完了すると、背面化学ノズルを作動して、基板の背面にエッチング剤溶液を、約30cc/分乃至約70cc/分の流量で、約4秒乃至約10秒間、ディスペンスしてもよいが、基板の回転速度は、約150rpm乃至約250rpmに維持する。より詳細には、エッチング剤の流量は、約35cc/分乃至45cc/分でよい。高い流量は、改善された縁プロフィール及びベベル洗浄を生じさせることが示されているが、これらの効果は、縁のしみが増加することで抑制される。背面化学ディスペンスステップが完了すると、別の前面すすぎステップを行って、跳ね返したエッチング剤を前面からすすぎ落としてもよい。前面すすぎプロセスは、この場合も、約2秒乃至約6秒の時間中、以前の流量及び回転速度でDIをディスペンスすることを含んでもよい。最終的なすすぎプロセスが完了すると、全ての流体ディスペンスノズルをオフにすると共に、基板の回転速度を、約400rpm乃至約4000rpmに、一般的には、約2000rpm乃至3000rpmに高めて、基板を部分的に又は完全に乾燥させることができる。
【0070】
[00102]図18は、メッキ溶液配送システム1811の一実施形態を示す概略図である。メッキ溶液配送システム1811は、一般に、メッキ溶液を必要とするシステム100上の各処理場所にメッキ溶液を供給するように構成される。より詳細には、メッキ溶液配送システムは、更に、各処理場所に異なるメッキ溶液又は化学物質を供給するように構成される。例えば、配送システムは、第1のメッキ溶液又は化学物質を処理場所110、112へ供給する一方、異なるメッキ溶液又は化学物質を処理場所102、104へ供給してもよい。一般に、個々のメッキ溶液が単一のメッキセルに使用するように分離され、それ故、異なる化学物質との交配汚染の問題は生じない。しかしながら、本発明の実施形態は、2つ以上のセルが、システム上の別のメッキセルへ供給される別の化学物質とは異なる共通の化学物質を共有してもよいことを意図している。これらの特徴は、単一の処理プラットホームへ複数の化学物質を供給する能力が、単一プラットホーム上で複数の化学物質メッキプロセスを許容するので、効果的である。
【0071】
[00103]本発明の別の実施形態では、第1のメッキ溶液と、それとは個別の異なる第2のメッキ溶液を、単一のメッキセルに順次に供給することができる。通常、2つの個別の化学物質を単一のメッキセルに供給するには、各々の化学物質間でメッキセルを排出し及び/又はパージする必要があるが、第1メッキ溶液と第2メッキ溶液との混合比が約10%未満であれば、膜の特性に有害ではない。
【0072】
[00104]メッキ溶液配送システム1811は、通常、複数の添加剤源1802と、少なくとも1つの電解液源1804とを備え、これらは、マニホールド1832を経てシステム100の各処理セルに流体結合される。通常、添加剤源1802は、加速剤源1806と、ならし剤源1808と、抑制剤源1810とを含む。加速剤源1806は、通常基板面に吸着して、その吸着した場所で所与の電圧において電流を局部的に加速する加速剤物質を供給するように適応される。加速剤は、例えば、硫化物系の分子を含む。ならし剤源1808は、平らなメッキを促進するように働くならし剤物質を供給するように適応される。ならし剤は、例えば、窒素含有の長連鎖ポリマーである。抑制剤源1810は、それが吸着する場所(通常、高アスペクト比の特徴部の上縁/角)で電流を減少する傾向のある抑制剤物質を供給するように適応される。それ故、抑制剤は、これらの場所におけるメッキプロセスを低速化し、これにより、特徴部が完全に充填される前に特徴部が早期に閉じるのを低減すると共に、有害なボイドの形成を最小限にする。抑制剤は、例えば、ポリエチレングリコールのポリマー、酸化エチレン及び酸化プロピレンの混合物、或いは酸化エチレン及び酸化プロピレンのコポリマーを含む。
【0073】
[00105]添加物源が尽きる状態を防止すると共に、大量容器の交換中に添加物の浪費を最小にするために、添加剤源1802の各々は、一般に、小さな緩衝容器1816に結合された大量即ち大型の蓄積容器を備えている。緩衝容器1816は、一般に、大量蓄積容器1814から充填され、それ故、大量容器は、流体配送システムの動作に影響を及ぼさずに交換のために取り外すことができる。というのは、それに関連した緩衝容器が、大量容器の交換中にシステムへ特定の添加物を供給できるからである。緩衝容器1816の容積は、通常、大量容器1814の容積より著しく小さい。これは、中断せずに10乃至12時間動作するに充分な添加物を含むサイズとされる。これは、大量容器が空になったときにオペレータが大量容器を交換するに充分な時間を与える。緩衝容器が存在しないが、非中断動作が希望される場合には、大量容器が空になる前に交換しなければならず、従って、添加物の著しい浪費を招くことになる。
【0074】
[00106]図18に示す実施形態では、複数の添加物ソース1802と複数の処理セルとの間にドーズポンプ1812が結合される。このドーズポンプ1812は、一般に、少なくとも第1乃至第4の入口ポート1822、1824、1826、1828を備えている。例えば、第2の入口ポート1822は、一般に、加速剤源1806に結合され、第2の入口ポート1824は、一般に、ならし剤源1808に結合され、第3の入口ポート1826は、一般に、抑制剤源1810に結合され、第4の入口ポート1828は、一般に、電解液源1804に結合される。ドーズポンプ1812の出力1830は、一般に、出力ライン1840によりマニホールド1832を経て処理セルに結合され、順次に供給される添加物(即ち、少なくとも1つ以上の加速剤、ならし剤及び/又は抑制剤)の混合物を、電解液源1804から第1供給ライン1850を経てマニホールド1832に供給される電解液と結合して、必要に応じて第1又は第2のメッキ溶液を形成することができる。ドーズポンプ1812は、測定された量の選択的添加物を処理セル102、104へ供給するように適応される計量装置(1つ又は複数)でよい。ドーズポンプ1812は、ロータリー計量バルブ、ソレノイド計量ポンプ、ダイアフラムポンプ、注射器、蠕動ポンプ、或いは単独で使用されるか又は流量センサに結合される他の正変位ポンプでよい。更に、添加物は、加圧されて流量センサに結合されてもよいし、液体質量流量コントローラに結合されてもよいし、或いは電気化学メッキ溶液をメッキセルに流すことが受け容れられる加圧ディスペンス容器又は他の流体計量装置の重量利用ロードセル測定により計量されてもよい。一実施形態では、ドーズポンプは、所定の添加物をサイクル当り0.32ml推進する回転及び往復セラミックピストンを含む。
【0075】
[00107]本発明の別の実施形態では、流体配送システムは、第2の全く異なるメッキ溶液及びそれに関連した添加物を供給するように構成できる。例えば、この実施形態では、例えば、2つの個別の製造者からのメッキ溶液を使用する能力を処理システム100に与えるために、異なる基礎電解溶液(容器1804に収容された溶液と同様の)を実施することができる。更に、第2の基礎メッキ溶液に対応するように、付加的な1組の添加物容器も実施できる。それ故、本発明のこの実施形態は、第1の化学物質(第1の製造者により供給される化学物質)をシステム100の1つ以上のメッキセルに供給する一方、第2の化学物質(第2の製造者により供給される化学物質)をシステム100の1つ以上のメッキセルに供給することを許容する。各々の化学物質は、一般に、それら自身の関連添加物を有するが、1つ又は複数の添加物源からの化学物質の交配ドーズも、本発明の範囲を越えるものではない。
【0076】
[00108]個別の基礎電解液から2つの個別の化学物質を供給できる流体配送システムを実施するために、図18に示す流体配送システムの複製が処理システムに接続される。より詳細には、図18に示す流体配送システムは、一般に、第2組の添加物容器1802と、第2のポンプアッセンブリ1830と、第2のマニホールド1832(共有マニホールドも考えられる)とを含むように変更される。更に、バージン調合溶液/基礎電解液のための個別の供給源1804も設けられる。付加的なハードウェアは、図18に示すハードウェアと同じ構成で設定されるが、第2の流体配送システムは、一般に、図示された即ち第1の流体配送システムと並列である。従って、ここに実施される構成では、使用可能な添加物の組み合せを伴う各基礎化学物質をシステム100の1つ以上の処理セルに供給することができる。
【0077】
[00109]マニホールド1832は、通常、バルブ列1834とインターフェイスするように構成される。バルブ列1834の各バルブは、マニホールド1832からメッキシステム100の処理セルの1つへ流体を向けるように選択的に開閉することができる。マニホールド1832及びバルブ列1834は、付加的な数の処理セルへの選択的な流体配送をサポートするように任意に構成されてもよい。図18に示す実施形態では、マニホールド1832及びバルブ列1834は、処理を中断せずに、システム100に使用される化学物質又はその成分を異なる組合せでサンプリングするのを許容するサンプルポート1836を備えている。
【0078】
[00110]ある実施形態では、ドーズポンプ1812、出力ライン1840及び/又はマニホールド1832のパージを望むことがある。このようなパージを容易にするために、メッキ溶液配送システム1811は、洗浄及び/又はパージ流体の少なくとも1つを供給するように構成される。図18に示す実施形態では、メッキ溶液配送システム1811は、第1の配送ライン1850に結合された脱イオン水源1842及び非反応ガス源1844を備えている。非反応ガス源1844は、不活性ガス、空気又は窒素のような非反応ガスを、第1の配送ライン1850を経て供給して、マニホールド1832をフラッシュすることができる。非反応ガスに加えて又はそれに代わって、脱イオン水を脱イオン水源1842から供給してマニホールド1832をフラッシュすることができる。また、電解液源1804からの電解液をパージ媒体として使用してもよい。
【0079】
[00111]第1のガス配送ライン1850とドーズポンプ1812との間に第2の配送ライン1852が設けられる。各供給源1804、1842、1844からの電解液、脱イオン水、又は非反応ガスの少なくとも1つを含むパージ流体は、第1の配送ライン1850から第2のガス配送ライン1852を経てドーズポンプ1812へ転流することができる。このパージ流体は、ドーズポンプ1812を経て推進され、出力ライン1840からマニホールド1832へ送出される。バルブ列1834は、通常、パージ流体を排出ポート1838から再生利用システム1832へ向ける。種々の他のバルブ、レギュレータ、及び他の流量制御装置は、明瞭化のために説明及び/又は図示されていない。
【0080】
[00112]本発明の一実施形態では、第1の化学物質をマニホールド1832へ供給することができ、これは、半導体基板上の銅の特徴部充填を促進する。第1の化学物質は、約180乃至約65g/lの銅、約55乃至約85ppmの塩素、約20乃至約40g/lの酸、約4乃至約7.5ml/Lの加速剤、約1乃至5ml/Lの抑制剤を含むが、ならし剤は含まないものでよい。この第1の化学物質は、基板上に配置された特徴部に金属を実質的に充填できるように、マニホールド1832から第1のメッキセル102へ配送される。第1の化学物質は一般に特徴部を完全に充填せず且つ堆積速度が本来低速であるので、第1の化学物質は、堆積層のギャップ充填性能及び欠陥比を向上させるのに最適なものとすることができる。第1の化学物質とは異なる化学物質を伴う第2の化学物質調合物を、マニホールド1832を経てシステム100の別のメッキセルへ供給することができ、ここで、第2の化学物質は、基板上における銅の平坦なバルク堆積を促進するように構成される。第2の化学物質は、例えば、約185乃至約60g/lの銅、約60乃至約80ppmの塩素、約20乃至約40g/lの酸、約4乃至約7.5ml/Lの加速剤、約1乃至約4ml/Lの抑制剤、及び約6乃至約10ml/Lのならし剤を含むものでよい。第2の化学物質は、特徴部充填及び平坦化堆積ステップ中に堆積された金属の上で効率的なバルク金属堆積プロセスを実行して特徴部の残りの部分を充填できるように、マニホールド1832から第2の処理セルへ配送される。第2の化学物質は、一般に、特徴部の上部を充填するので、第2の化学物質は、基板のスループットに実質的な影響を及ぼさずに、堆積された材料の平坦化を向上させるのに最適なものとすることができる。従って、2ステップの、異なる化学物質の堆積プロセスは、堆積される膜の迅速な堆積及び良好な平坦化の両方の実現を許容する。
【0081】
[00113]メッキ溶液配送システム1811は、この流体配送システム1811を、ボードメッキシステム100に位置された流体蓄積タンクに接続する複数の流体コンジットと連通する。より詳細には、流体ディスペンスマニホールド1832は、一般に、図19に示すように、複数のコンジット1901、1902、1903と連通する。これらコンジット1901、1902、1903の各々は、以下に詳細に述べる特定の流体蓄積タンク1904−1911に接続される。従って、流体配送システム1811は、特定のカソード液又はアノード液の溶液を混合してタンク1904−1911の1つへ供給するように制御できる。特定のアノード液/カソード液の溶液がマニホールド1832へ供給され、このマニホールドは、操作可能なバルブを選択的に開いて、特定の溶液をコンジット1901、1902、1903の1つへ流し込めるようにする。例えば、コンジット1901が、プラットホーム100上の特定のメッキセルに特定のカソード液を供給するように構成されていると仮定すれば、コンジット1901に供給されるカソード液は、そのコンジットにより、その特定のメッキセルにカソード液を供給するように構成されたタンク1904のような特定のメッキセル保持タンクへ運ばれる。カソード溶液はタンク1904へ配送され、次いで、コンジット1901に位置されたバルブが閉じて、タンク1904への溶液の流れを終了させる。次いで、タンク1904を使用して、カソード液を、電気化学的メッキプロセスのためのプラットホーム100上の特定メッキセルに供給することができる。コンジット1901に残留する溶液は、特定コンジットを経て1つ以上のセルへ別の溶液を供給する前に、コンジットからパージ又は排出して、交配汚染の問題を最小限にすることができる。
【0082】
[00114]図19に示すタンク、即ちタンク1904−1911の各々は、一般に、対に配列される。より詳細には、タンク1904及び1905は、対として動作し、一方、タンク1906及び1907、タンク1908及び1909、タンク1910及び1911も、同様に、タンク対として動作する。タンク対は、一般に、第1溶液を含むように構成された第1タンクと、第1溶液とは異なる第2溶液を含むように構成された第2タンクとを含む。図1に例示されたメッキシステムでは、メッキ場所112に、図2に示すメッキセル200のようなメッキセルを設けることができ、それ故、第1タンク1900は、カソード溶液をセル200へ供給するように構成できる一方、第2タンク1905は、アノード溶液をメッキセル200に与えるように構成できる。上述したように、カソード溶液は、流体配送システム1811により準備されて、コンジット1901を経てタンク1904へ配送することができる。同様に、アノード溶液は、流体配送システム1811により準備されて、コンジット1903を経てタンク1905へ配送することができる。
【0083】
[00115]タンク1904及び1905の構成と同様に、タンク1906及び1907は、プラットホーム100上の処理場所110に位置されたメッキセルへメッキ溶液を供給するように構成できる。更に、タンク1910及び1911と、タンク1908及び1909は、各々、処理場所104及び102に位置されたメッキセルへメッキ溶液を供給するように使用できる。タンク対1906−1911の各々は、それらの各メッキセルへカソード溶液及びアノード溶液の両方を供給するように構成できる。或いはまた、これらタンクは、それらに関連したメッキセルにカソード溶液のみを供給するように構成されてもよく、即ちこれらタンクは、処理プラットホーム100上の1つ以上のセルへ単一のメッキ溶液を供給するように構成された単一のタンクへと結合されてもよい。
【0084】
[00116]図20は、タンク2000の内部コンポーネントが見えるようにするためにタンクの2つの壁を除去したタンク2000を例示する斜視図である。タンク2000は、一般に、流体溶液を収容するように構成された内部容積部を画成する直立した側壁2001を有する包囲されたスペースを含む。流体返送アッセンブリ2002がタンクへと下方に延びており、タンク2000の下部付近で終わる。また、タンク2000の内部容積部は、タンク2000の内部容積部に流体の流れをバッフルするように構成された複数の交差壁2008も備えている。タンク2000の下部は、タンク2000内に収容された処理流体に温度制御を与えるように一般に動作する熱交換器2006を備えている。ポンプヘッドアッセンブリ2004がタンク2000の内部容積部へ延びて、タンク2000の底部付近で終わり、一般的に、処理ステップで使用するためにタンク2000の内部容積部から流体を引き出すように構成される。
【0085】
[00117]図21は、本発明の流体タンクを例示する平面図である。図20に示すように、流体タンク2000は、その内部容積部に位置された複数の直立した流体転流壁2008を備えている。これら転流壁2008の位置は、一般に、複数の流体区画2101、2102、2103、2104及び2108を形成するように働く。これら流体区画の各々は、図22に示すように、流体パススルー2113を経て隣接流体区画と連通する。更に、内壁2008に加えて、選択された区画には、図21に示すように、角度付けされた流体転流壁2105、2106及び2107を位置することができる。より詳細には、流体タンクは、傾斜した即ち角度付けされた流体受け入れ壁2300を含むことができる。この角度付けされた即ち傾斜した壁2300は、外壁でも内壁でもよい。とにかく、この傾斜した壁は、液体溶液をタンクに垂直に注ぎ込むことにより発生される気泡を最小にすることにより、タンクに収容された溶液における気泡の形成を最小限にするよう構成される。この実施形態では、タンクに配送された流体は、流体返送ライン2002により、角度付けされた壁2300へとディスペンスされ、流体は、場所2301において壁2300へ流れ、次いで、壁2300の表面に沿って、矢印「A」で示す方向に、タンクに収容された溶液へと下方に流れ込むようにされる。勾配の付いた即ち傾斜した壁を溶液へと下る溶液の流れは、タンク内の溶液と、タンクへ返送される溶液との間の界面に形成される気泡を最小にする。
【0086】
[00118]それ故、動作中に、流体は、一般に、第1の流体区画2101で終わる流体供給ライン2110を経てタンク2000へ返送される(任意であるが、流体供給ラインは、上述したように、角度付けされた壁で終わってもよい)。区画2101へ供給される流体は、第1の流体パススルー2111を経て第2の流体区画2102へ進む。流体が第2流体区画2102へ入ると、流体は、角度付けされた流体転流壁2105へ向けられる。流体は、角度付けされた流体転流壁2105の周りを進み、次いで、第2の流体パススルー2112を経て第2の流体区画2108へと進む。第1の流体区画と同様に、流体は、角度付けされた壁で閉ざされ、別の流体パススルーを経て第3の流体区画2103へ進み、そこで、同じプロセスが繰り返され、やがて、流体は、最終的な流体パススルー2114を経て最終的な流体区画2104へ通される。角度付けされた個々の壁の各々は、以下で更に述べるが、タンク内の気泡を最小にするように流体の流れと相互作用するよう構成される。更に、パススルー2111−2114の位置も、タンク内の気泡を最小にするように働く。というのは、気泡の浮力は、一般に、気泡が、各壁の下部に位置されたパススルーを経て進むのを妨げるからである。ポンプヘッド2000は、一般に、最終的流体区画2104で終わり、それ故、流体は、最終的区画2104からポンプヘッド2004を経て、タンク2000からポンプ送りされる。
【0087】
[00119]上述したように、複数の直立壁2008及び角度付けされた流体転流壁2105、2106、2107の位置は、タンク2000からポンプ送りされる流体溶液中の気泡を最小にするように働く。より詳細には、タンク2000の構成は、タンク2000に配送される流体が、多数の壁にぶつかり、多数の壁の周りをめぐり、更に、多数の流体パススルーを通して流れた後に、タンク2000からポンプヘッド2004を経てポンプ送りされるのを必要とするように設計される。動作中に、流体が固定面にぶつかるように流されると、溶液中の気泡が固定面に付着する傾向があり、従って、流動する液体から気泡が除去される。同様に、複数の流体フィードスルー2101を流体が通過すると、流体溶液に浮遊した気泡がそこから除去されることが示されている。従って、本発明のタンク構成は、タンク2000からポンプ送りされる流体溶液中の気泡を最小にするように構成される。これは、メッキセルに供給される流体溶液即ち電解液中の気泡が、メッキされた基板に実質的な欠陥を生じさせることが示されているので、電気化学的メッキシステムにとって特に重要である。
【0088】
[00120]本発明の別の実施形態では、タンク2000は、タンク2000に配送される流体から生じる気泡形成を更に最小にするように変更される。より詳細には、電気化学的メッキシステムのための従来の流体蓄積タンクは、一般に、タンクの上部に位置されたアパーチャーを経て蓄積タンクへ流体を配送する。従って、タンクに配送された流体は、重力で落下し、本質的に、タンク内の溶液へ注がれる。この注ぎ動作がメッキ溶液に気泡を発生することが示されている。それ故、本発明の実施形態は、最小の気泡形成で電気化学的メッキシステムの蓄積タンクへ流体を配送するための改良された方法を提供する。この方法は、一般に上述され且つ図23に示されたように、タンク2000の第1区画2101内に角度付けされた壁を位置させることを一般的に含む。角度付けされた壁は、容器2101を取り巻く直立壁の1つに取り付けることができ、タンク2000に配送された流体は、角度付けされた壁に直接ディスペンスされる。流体は、角度付けされた壁上を、タンクの底部の流体へと下方に流れる。この構成では、流体は、タンクへ落下したり、注がれたり、跳ね返したりせず、むしろ、流体は、角度付けされた壁へディスペンスされ、大量溶液中の気泡形成を最小としながら、シート状作用で大量溶液中へ均一に流れ込むようにされる。
【0089】
[00121]また、本発明の各タンクは、アスペクト比、即ちタンクの高さとタンクの辺又は断面積との比を大きくするように構成される。従って、タンクは、一般に、小さな断面積、即ち長さ及び巾を有すると共に、大きな高さ寸法を有する。これは、少ない量の溶液が使用されるときでも最適なポンプヘッド深さを与える。例えば、本発明の実施形態は、巾が約9インチで、長さが約7.75インチで、高さが約19インチで、内容積が約17リッターのタンクを使用する。従って、アスペクト比は、1:1より大きくなる(19:(9+7.75))。ポンプヘッド深さを最大にする本発明の別の特徴は、タンクの下部における熱交換器の位置である。これは、タンクの下部内の実質的な容積を押しのけ、それ故、ポンプヘッド深さを増加させる。
【0090】
[00122]動作において、本発明の実施形態は、一般に、メッキシステム用の配管システムであって、一体的な電気化学的メッキプラットホームに位置された複数のメッキセルへ複数の化学物質を供給するように構成された配管システムを提供する。より詳細には、本発明の配管システムは、例えば、電気化学的メッキプラットホーム上の第1メッキセルへ第1メッキ溶液を供給する一方、その第1化学物質とは異なる第2化学物質を、電気化学的メッキプラットホーム上の第2メッキセルへ供給するように構成される。本発明の配管システムは、例えば、一体的なシステムプラットホーム上に位置された4つの異なるメッキセルに4つの異なるメッキ化学物質を供給するように拡張できる。更に、図2に示すメッキセル200のように、アノード液及びカソード液の両方を使用するように構成されたメッキセルを使用するメッキシステムでは、本発明の配管システムは、一般に、処理プラットホーム上に位置された各メッキセルへ個別のカソード溶液を供給する一方、処理プラットホーム上に位置された各メッキセルへアノード溶液を供給するように構成される。以前の実施形態と同様に、カソード溶液は、全て、異なるものでよく、更に、アノード溶液も、互いに異なるものでよい。
【0091】
[00123]図1に示すプラットホーム100のような電気化学的メッキプラットホームを動作するときには、配送システム1811は、処理場所112及び110に位置されたメッキセルに対するカソード溶液を形成するように作動できる。カソード溶液は、適当な量の酸、ハロゲン化物、持続電解液、添加物、及び/又は電気化学的メッキ溶液に一般に使用される他の成分を含んでもよい。この溶液は、流体配送システム1811において混合され、マニホールド1832を経てポンプ送りされ、更に、コンジット1901へ供給されて、タンク1904及び1906に配送することができる。この構成において、タンク1904及び1906は、処理場所110及び112に位置されたメッキセル200のカソード液チャンバーと流体連通される。メッキセル200は、カソード液及びアノード液の両方を必要とする形式のメッキセルであるので、流体配送システム1811は、セルに使用するためのアノード液を形成するようにも作動できる。アノード液は、流体配送システム1811において形成され、マニホールド1832へ送られ、更に、流体コンジット1903を経てタンク1905及び1907へ配送することができる。これらタンク1905及び1907は、一般に、処理場所110及び112に位置されたメッキセル200のアノード又はアノード液区画と流体連通される。
【0092】
[00124]タンク1904−1907へ供給されるアノード液及びカソード液の特定の組み合せは、半導体基板に対するボトムアップ充填特性を最適なものとするように構成できる。より詳細には、例えば、タンク1904及び1906に供給されるカソード溶液中のならし剤、抑制剤及び加速剤のような添加物の濃度は、半導体基板の高アスペクト比の特徴部にほぼメッキ材料がないような初期のメッキ段階を容易にするように構成できる。半導体基板における特徴部充填を開始するプロセスは、全メッキプロセスにとって重要である。というのは、特徴部の閉鎖を得たりメッキ材料にボイドを発生したりせずに、ボトムアップにより高アスペクト比の特徴部を充填することが一般に困難だからである。それ故、本発明の配管システムは、ボトムアップ充填を容易にするように設計された特定の化学物質で特定の処理場所において特徴部充填プロセスを実行するのを許容する。
【0093】
[00125]同様に、ボトムアップ即ち特徴部充填プロセスが完了されると、基板は、一般に、特徴部をバルク充填又はオーバー充填する二次メッキプロセスに通される。バルク充填プロセスは、一般に、特徴部充填プロセスより高いメッキ率で行われ、それ故、一般に、高い電流密度を使用する。従って、特徴部充填を促進するのに使用される化学物質は、バルク充填プロセスを促進するものとして最適でないことがある。それ故、本発明の配管システムは、各プロセスを最適なものにするために異なる化学物質が必要とされても、特徴部充填プロセス及びバルク充填プロセスの両方を同じプラットホーム上で実行できるように、付加的な化学物質の能力を与える。より詳細には、処理場所102及び104には、パルプ充填メッキプロセスを促進するように構成されたメッキセル200を位置することができる。特徴部充填に使用されるメッキセルは、バルク充填に使用されるメッキセルと本質的に同一でよいが、各セルに供給される化学物質は一般に異なる。従って、本発明の配管システムは、タンク1918−1911へ個別のカソード液及び/又はアノード液を供給するように構成でき、これらタンクは、一般に、これらの各溶液を処理場所102、104へ供給するように構成される。特に、流体配送システム1811は、パルプ充填メッキプロセスを促進するように構成されたカソード溶液を形成するよう作動され、また、そのようにさせることができる。カソード溶液は、マニホールド1832へ配送され、このマニホールドは、カソード溶液を流体コンジット1902へ供給することができる。流体コンジット1902は、バルク充填カソード溶液をタンク1909及び1911へ配送することができる。同様に、流体配送システム1811は、バルク充填プロセスのためのアノード溶液を形成するように使用することもでき、このアノード溶液は、コンジット1903を経てタンク1908及び1910に配送できる。
【0094】
[00126]メッキ溶液が各タンクに配送されると、基板を処理プラットホーム100に導入して、処理場所110又は112の1つに位置することができる。基板に形成された特徴部は、処理場所110又は112で行われる特徴部充填メッキプロセスで充填することができる。その後、基板を、バルク充填プロセスのために処理場所102又は104に移送することができる。処理場所110、112で行われるプロセスは、セル場所102、104で行われるプロセスとは個別の又は異なる化学物質を使用してもよい。更に、いずれか一方の処理場所、即ち処理場所112で使用される化学溶液は、他の処理場所、即ち処理場所110とは異なるものでよい。というのは、本発明の流体配送システム1811及び配管システムは、処理プラットホーム100上の各個々のメッキセルに別々の化学物質を供給するのを許容するからである。
【0095】
[00127]本発明の別の実施形態では、本発明の流体コンジットの1つに脱ガス装置を位置させて、コンジットに流れる流体から気泡を除去することができる。この脱ガス装置は、例えば、タンクをメッキセルに接続するコンジットの1つに位置されて、メッキセルへ供給される流体(メッキ溶液)から気泡を除去するように動作できる。更に、本発明のメッキシステムでは流体の流れを発生するために複数のポンプが必要とされるので、1つ以上の流体コンジットにフィルタを位置することができる。これらフィルタは、流体がメッキセルに到着する前に、ポンプの機械的部品により発生された粒子を流体の流れから除去するように構成できる。
【0096】
[00128]メッキされた膜における欠陥を最小にするために、メッキセルに収容されたメッキ溶液に基板を浸漬するプロセス中に基板面に付着する気泡を最小限としなければならない。それ故、本発明の実施形態は、処理流体に基板を浸漬する方法であって、最小限の気泡しか発生しない方法を提供する。本発明の浸漬方法は、基板を支持し且つ基板に電気的に接触するように構成されたヘッドアッセンブリに基板をロードするプロセスで開始される。このヘッドアッセンブリは、一般に、ロードスペースにより分離されたコンタクトリング及びスラストプレートアッセンブリを備えている。コンタクトリング及びスラストプレートアッセンブリの詳細な説明は、参考として全体をここに援用する「Plating Uniformity Control By Contact Ring Shaping」という名称で2002年10月22日に出願された共通に譲渡された米国特許出願第10/278,527号に見ることができる。ロボットを使用して、アクセススペースを経てコンタクトリングに基板を位置させる。より詳細には、ロボットは、減圧係合装置で基板の背面に係合するように構成された真空型ロボットでよい。次いで、基板は、表面を下にした(製造面を下に向けた)向きで支持され、真空係合装置を基板の背面即ち非製造面に取り付けることができる。次いで、ロボットを、アクセススペースを経てコンタクトリングまで延ばし、コンタクトリングのコンタクトピン/基板支持面に基板を位置させるように降下し、真空係合装置を解離し、引っ込め高さまで上昇し、次いで、コンタクトリングから引っ込めることができる。
【0097】
[00129]基板がコンタクトリング2402に位置されると、スラストプレートアッセンブリ2404を処理位置へ降下することができる。より詳細には、図24は、スラストプレート2404を基板ロード位置で示しており、即ちスラストプレート2404は、アクセススペース2406を最大にするように、垂直方向でコンタクトリング2402の下面より上に位置される。この位置では、ロボット120は、基板をコンタクトリング2402にロードするのに使用できるスペースの量が最大である。しかしながら、基板がロードされると、スラストプレート2404を垂直方向、即ち図24に矢印2410で指示された方向に作動して、コンタクトリング2402に位置された基板の背面に係合させることができる。コンタクトリング2402に位置された基板の背面にスラストプレート2404を係合させると、基板をコンタクトリング2402に処理のために固定しながら、コンタクトリング2402に位置された電気接点ピンに対して基板を機械的にバイアスさせることになる。
【0098】
[00130]基板がスラストプレート2404によりコンタクトリング2402に固定されると、ヘッドアッセンブリ2400の下部、即ちコンタクトリング2402とスラストプレート2404との結合体が、ある傾斜角へ枢着回転される。ヘッドアッセンブリの下部は、ピボット点2408の周りでのヘッドアッセンブリの枢着操作によりその傾斜角まで枢着回転される。ヘッドアッセンブリ2400の下部は、ピボット点2408の周りで操作され、これは、ヘッドアッセンブリ2400の下部を、図24に矢印2409で示された枢着移動させる。ヘッドアッセンブリ2400の下部と、コンタクトリング2402に位置された基板のメッキ面は、ヘッドアッセンブリ2400の移動により傾斜角まで傾斜され、ここで、傾斜角は、コンタクトリング2402に固定された基板のメッキ面/製造面と水平との間の角度として定義される。この傾斜角は、一般に、約3°乃至約30°であり、特に、約3°乃至約10°である。
【0099】
[00131]ヘッドアッセンブリ2400が傾斜されると、これをZ方向に操作して浸漬プロセスを開始することができる。より詳細には、ヘッドアッセンブリ2400を、図25に示すように、矢印2501で指示された方向に操作して、コンタクトリング2402に位置された基板を、ヘッドアッセンブリ2400の下に位置されたメッキセル2504内に収容されたメッキ溶液に向けて運ぶことができる。図2に示すメッキセル200と一般的に同様のメッキセル2504は、メッキ溶液を収容するように構成される。メッキ容積は、一般に、メッキセル2504の内部堰内に収容されて、この内部堰の最上点2502をオーバーフローする。それ故、ヘッドアッセンブリ2400がメッキセル2504に向けて移動されると、コンタクトリング2402の下面、即ち傾斜角の結果としてメッキセル2504の最も近くに位置されたコンタクトリング2402の面は、ヘッドアッセンブリ2400がセル2502に向けて操作されたときにメッキ溶液に接触する。セル2502に向かってヘッドアッセンブリ2400を操作するプロセスは、更に、コンタクトリング2402に回転移動を与えることを含んでもよい。従って、浸漬プロセスの初期段階中に、コンタクトリング2402は、垂直即ちZ方向に操作されながら、ヘッドアッセンブリ2400を経て上方に延びる垂直軸の周りで回転もされる。一般に、コンタクトリング2402が回転される垂直軸は、基板面に一般に直交する。基板にバイアスを印加しながらメッキ溶液に基板を浸漬するプロセスは、2001年1月18日に「Reverse Voltage Bias for Use in Electro-Chemical Plating System」という名称で出願された共通に譲渡された米国特許出願第09/766,060号に説明されており、これは、1999年4月8日に出願された米国特許第6,258,220号の利益を請求するもので、これらは両方とも参考としてその全体をここに援用する。
【0100】
[00132]メッキセル2504内に収容されたメッキ溶液に基板が浸漬された状態になったときに、ヘッドアッセンブリ2400のZ移動が終了となり、コンタクトリング2402の傾斜位置が、図26に示すように、水平に戻される。垂直即ちZ方向移動の終了は、傾斜角が除去されたときにセル2504に収容されたメッキ溶液に基板を維持するように計算される。更に、本発明の実施形態は、傾斜角の除去、即ちコンタクトリング2402の水平位置への復帰を、コンタクトリング2402のメッキ溶液への垂直移動と同時に実行できることも意図している。従って、本発明の実施形態は、基板が傾斜角に位置された状態で基板を最初にメッキ溶液に接触させ、次いで、基板をメッキ溶液に浸漬し続けながら傾斜角を水平に復帰できることも意図している。このプロセスは、垂直操作及び傾斜角操作の両方を含む独特の移動を発生し、これは、浸漬プロセス中の気泡の発生及び基板面への付着を低減することが示されている。更に、浸漬プロセス中の基板の垂直及び枢着操作は、コンタクトリング2402の回転移動を含んでもよく、これは、浸漬プロセス中の気泡の発生及び基板面への付着を更に最小にすることが示されている。
【0101】
[00133]基板が、セル2504内に収容されたメッキ溶液に完全に浸漬されると、ヘッドアッセンブリ2400を垂直方向(下方)に更に操作して、基板をメッキ溶液へ更に浸漬させ、即ち図27に示すように、基板をメッキ溶液に更に即ちより深くに位置させることができる。また、このプロセスは、基板の回転を含んでもよく、これは、浸漬プロセス中に形成された気泡を基板面から追放するように働く。基板がメッキ溶液内の深部に位置されると、ヘッドアッセンブリ2400を、再び、ピボット点2408に周りで枢着回転し、従って、基板面を、図8に示すように、傾斜角に位置させることができる。更に、ヘッドアッセンブリ2400は、以前のステップにおいて基板を下方にメッキ溶液へと操作しただけであるから、図8に示す傾斜移動は、一般に、傾斜したコンタクトリングの高い側でメッキ溶液から基板面を持ち上げるものではない。より詳細には、ピボット点2408は、ヘッドアッセンブリ2400の中央に位置されているので、ヘッドアッセンブリがピボット点2408の周りでコンタクトリング2402を枢着回転すると、コンタクトリング2402の片側がメッキ溶液中へと更に浸漬される一方、コンタクトリング2402の反対側は枢着運動の結果としてメッキ溶液の表面に向かって上方に持ち上げられる。従って、基板は、浸漬されると、メッキ溶液内に維持されることが意図されるので、ヘッドアッセンブリ2400は、基板の少なくとも一部分をメッキ溶液から持ち上げることなく、コンタクトリング2402を図27に示す水平位置から、図28に示す傾斜位置へ移動するために、メッキ溶液中へと更に操作されねばならない。ヘッドアッセンブリ2400の最終的傾斜運動は、一般に、処理位置、即ちコンタクトリング2402により支持された基板が、メッキセル2502の下部に位置されたアノードに一般的に平行となる位置に、コンタクトリング2402を位置させることに対応する。更に、処理位置にコンタクトリング2402を位置させることは、メッキセルの下部に位置されたアノードに向けてヘッドアッセンブリ2400を更に操作して、基板のメッキ面をメッキ処理のためにアノードから特定の距離に位置できるようにすることを含んでもよい。
【0102】
[00134]更に、本発明の浸漬プロセスは、気泡除去プロセスを更に向上させるように構成された振動運動を含んでもよい。より詳細には、ヘッドアッセンブリ2400は、第1の傾斜角と第2の傾斜角との間で振動式に前後に傾斜され、即ち基板がメッキ溶液に浸漬されたときに基板が第1角度と第2角度との間で数回傾斜されるようにすることができる。この傾斜運動は、素早く、即ち1秒当たり約2回の傾斜から1秒あたり約20回の傾斜まで行うことができる。この傾斜運動は、回転を付随してもよく、これは、基板面に付着する気泡の追放を更に容易にする。
【0103】
[00135]また、本発明の浸漬プロセスは、メッキ溶液内での基板の垂直振動を含んでもよい。より詳細には、基板がメッキ溶液に浸漬されると、基板を上下に操作することができる。基板がメッキ溶液内で上方に持ち上げられると、基板の下の溶液の量が増加し、それ故、基板の下のエリアへの溶液の迅速な流れが形成される。同様に、基板が下げられると、その量が減少し、外側への溶液の流れが発生される。従って、垂直方向の基板の操作、即ち上下の繰り返し運動は、逆転即ち振動する流体の流れを基板面に生じさせる。この振動に回転を追加すると、基板面にわたる振動流体の流れが更に増加する。これらの振動する流体の流れは、気泡の除去を改善し、それ故、欠陥を減少することが示されている。
【0104】
[00136]本発明の浸漬プロセスは、基板がメッキ溶液に浸漬されたときに基板の回転振動を更に含んでもよい。より詳細には、基板は、一般に、浸漬及びメッキの両プロセス中に回転される。この回転は、一般に、基板面に発生される欠乏メッキ溶液の循環により基板面における流体の流れを増加させる。また、この回転及び流体流れ特性は、浸漬プロセス中に、気泡除去を容易にするように使用することもできる。より詳細には、本発明の実施形態は、基板の浸漬中及び/又はその後に、基板を変化する回転速度及び変化する方向に回転できることも意図している。例えば、基板が溶液に浸漬されると、基板を先ず時計方向に所定時間中回転した後に、回転方向を反時計方向に所定の時間中切り換えることができる。回転方向は、用途に応じて、数回切り換えてもよいし、又は一回だけでもよい。
【0105】
[00137]更に、本発明の実施形態は、上述した振動方法を組み合せて実施してもよい。例えば、本発明の浸漬プロセスは、傾斜操作、回転操作、及び垂直操作、又はその任意の組み合せを含んでもよい。
【0106】
[00138]図29は、基板面が回転されずに電解溶液中に浸漬され且つ基板が水平から傾斜角に傾斜されるときの基板面を示す図である。この実施形態では、基板2907は、基板の縁が、基板2907の第1の縁2908において電解溶液に最初に接触するときに浸漬を開始する。基板支持部材又はヘッドアッセンブリの垂直運動が続くと、陰影付けされたエリア2909で示されたように、電解溶液に浸漬される基板の面積が比例的に増加する。しかしながら、陰影付けされたエリア2909は、全浸漬面積を表わしていないことに注意されたい。むしろ、エリア2909は、一般に、最も最近に浸漬される面積を表わし、それ故、基板の縁から、j+1と示された線までのエリアが、時間J+1における基板の全浸漬面積を表わす。それ故、電源が浸漬プロセス中に基板面にわたって一定の電流密度を与えるために、浸漬されている基板の経時変化面積を計算するか、さもなければ、推定又は決定し、これを使用して、電解溶液に浸漬された基板のエリアにわたり一定の電流密度を与えるのに必要な経時変化電流を決定することができる。従って、本発明の実施形態は、基板の浸漬速度の関数として基板へ電流を供給する。というのは、基板の浸漬速度、即ち基板がメッキ溶液へ浸漬される垂直方向速度が、浸漬プロセス中の基板の浸漬面積の変化に直接対応するからである。更に、基板は、一般に、浸漬プロセス中に回転されるが、面積の計算は、非回転実施形態でも不変である。というのは、基板の回転は、単位時間当たりにメッキ溶液に浸漬される基板の面積を増加も減少もしないからである。
【0107】
[00139]電解溶液中に浸漬される基板の経時変化面積の計算は、一般に、基板の浸漬部分の分区分の面積を増分的に計算し、次いで、それら区分を一緒に加算して、特定の時間中に浸漬される全面積を得ることを含む。この計算及び浸漬プロセス中の基板への電流の印加は、参考としてここに全体を援用する2002年4月29日に出願された「Apparatus and Method for Regulating the Electrical Power Applied to a Substrate During Immersion」と題する出願中の共通に譲渡された米国特許出願第10/135,546号に示されている。更に、この参照する特許出願は、一般に、浸漬バイアスを制御することに向けられるが、本出願人は、以下に更に述べるように、この方法を使用して除去バイアスを制御できることも意図している。
【0108】
[00140]本発明の一実施形態では、基板に供給される電流は、浸漬表面積が時間の計算に基づいて増加するにつれて増加される。例えば、浸漬プロセスの全時間は、実験により決定することができる。その後、浸漬プロセスにおける経過時間と浸漬した表面積との間の相関を計算により決定することができる。従って、経過時間と浸漬面積との間の相関が決定されると、浸漬時間の増加に基づいて基板への電流及び供給を決定することができる。というのは、この時間は、浸漬面積に比例するからである。それ故、浸漬時間と浸漬表面積との間の相関が分かると、浸漬プロセス中に基板に供給される電流の比例的変化を含ませるように処理レシピを変更して、浸漬表面積にわたり均一な電流密度を、浸漬プロセス全体にわたって維持できるようにすることができる。
【0109】
[00141]本発明の別の実施形態では、センサを使用して、浸漬プロセス中の基板の正確な半径方向位置即ち傾斜位置を決定することができる。したがって、この位置がコントローラへ送信され、コントローラは、次いで、浸漬面積をリアルタイムで計算することができる。次いで、この計算された浸漬面積を使用して、基板の浸漬面積にわたり均一な電流密度を維持するために基板に供給されるべき電流を決定することができる。測定プロセスの粒状性/増分区分サンプリングは、単位時間当たりにより多くの測定を行うだけで、ひいては、浸漬面積へ供給される電流を単位時間当たりにより大きく調整するだけで、増加することができる。ここに示す実施形態の最終結果は、基板の浸漬表面積にわたって均一な電流密度を与えることであるが、ここに示す実施形態は、非均一な浸漬プロセス中にも基板の浸漬面積にわたって均一な電流密度を与える。例えば、基板の浸漬速度が一定でないか、又は各浸漬プロセスの間にその反復性がない場合には、本発明を使用して、浸漬速度に関わらず基板の浸漬面積にわたり均一な電流密度を維持することができる。というのは、電流の計算が浸漬経過時間とは独立しているからである。それ故、ここに示す実施形態のフィードバックループ型システムは、浸漬プロセスの経過時間が多数の基板浸漬にわたって一定ではない特定構成の本発明の他の実施形態に勝る効果を発揮することができる。
【0110】
[00142]本発明の別の実施形態では、基板面にわたり均一な電流密度を維持するための方法が、メッキセルから基板を除去するプロセス中に使用される。例えば、基板のメッキプロセスが完了すると、浸漬プロセスのステップを逆にするように基板がメッキチャンバーから除去される。この逆の浸漬プロセスでは、浸漬プロセス中に維持される一定電流密度と同様に、均一性の変動を回避するために、基板の浸漬面にわたって一定の電流密度を維持することが望まれる。それ故、この逆の浸漬プロセスでは、基板へ供給される電流を、基板の浸漬面積が減少するにつれて減少させて、基板の浸漬面積にわたり均一な電流密度を維持できるようにする。この逆の浸漬プロセス中に基板への電流を制御するプロセスは、例えば、以前の実施形態で説明したように、フィードバックループ型システム又は経時変化電流制御型システムに対して実行される。実施される電流制御システムの形式に関わらず、この逆の浸漬プロセス中に基板へ供給される電流は、一般に、メッキ溶液中に浸漬されたままである基板の表面積に比例する。
【0111】
[00143]メッキプロセスは、コンタクトリング2402を経て基板に電気的バイアスを印加することを含む。メッキバイアスは、順方向バイアスであり、即ちメッキバイアスは、基板がメッキセルにおいてアノード205よりも負に荷電されるように構成され、従って、メッキ溶液中の正に荷電された金属イオンが、負に荷電された基板をメッキすることになる。従来のメッキシステムでは、メッキプロセスが完了すると、電気的バイアスが終了となり、基板がメッキセルから除去される。しかしながら、上述したように、従来のメッキシステム及び方法は、一般に、メッキバイアスの終了とメッキ溶液からの基板の除去との間に少なくとも僅かな時間遅延を含む。この時間遅延の間に、基板がメッキ溶液に接触し、メッキ溶液はしばしばその性質が酸性であるから、メッキ溶液がこの時間遅延中にメッキ層の表面をエッチングすることになる。このエッチングは、メッキ層の滑らかな表面を粗面化させ、これは、CMPプロセスのようなその後の処理ステップにとって有益でない。
【0112】
[00144]それ故、本発明の方法及び装置は、この遅延時間中に基板に順方向の基板除去バイアス(基板はアノードに対して負である)を印加するように構成される。この除去バイアスは、メッキ層の表面のエッチングを防止するように構成され、それ故、除去バイアスは、メッキ層の滑らかな表面を保存するように構成される。除去バイアスは、一般に、メッキバイアスが終了された直後に基板に印加され、即ちメッキバイアスから除去バイアスへの移行をシームレスとすることができ、順方向バイアスを印加せずに基板がメッキ溶液に露出されることがないようにする。除去バイアスは、メッキ層のエッチングを防止又は阻止するに充分であるように計算されるが、除去バイアスは、また、メッキ層の表面における堆積を最小にするようにも構成される。従って、除去バイアスは、システムのメッキ電位のすぐ上となるように構成できると共に、除去バイアスの駆動電流は、これを最小にし、即ちエッチングを防止するに足るだけの電流にする一方、メッキ層の滑らかな上面に著しい堆積を生じさせないものとすることができる。
【0113】
[00145]上述した本発明の浸漬バイアス制御特徴と同様に、本発明の実施形態は、除去即ち回収バイアス中に印加される電流を制御するようにも構成される。例えば、コントローラ111を使用して、回収プロセス中に基板に印加される電流及び/又は電圧を制御することができる。回収中に基板に供給される電流又は電圧は、電気化学的メッキプロセスにおける堆積厚みが一般にメッキ溶液への露出時間の関数であるから、基板の他のエリアより長くメッキ溶液中に浸漬されたままとなる基板のエリアにおける付加的な堆積を防止するように制御できる。更に、電圧又は電流は、基板回収プロセス中に、基板の浸漬部分における電流密度が増加して、メッキ溶液中に浸漬されたままとなる基板の部分におけるメッキレートを一般に増加させることを防止するようにも制御できる。
【0114】
[00146]本発明の実施形態は、電圧制御システム(電圧を監視して調整し、印加電流又は電力を制御する制御システム)、又は電流制御システム(電流自体を監視して制御する制御システム)のいずれかを使用して、除去バイアスを制御することを意図している。電流制御システムは、全基板除去プロセス中に基板面にわたって一定の電流密度を維持することにより除去バイアスを制御するように使用できる。より詳細には、浸漬プロセス中に基板面にわたって一定の電流密度を維持することに関して上述したように、基板をメッキ溶液から除去するにつれて、除去バイアスを供給する電気回路の抵抗が変化する。この抵抗変化は、基板の浸漬された導電性表面積が減少する結果であり、これにより、回路の抵抗が増加する。それ故、回路の抵抗が増加し、浸漬表面積が減少するにつれて、本発明の電流制御システムは、これらの変化に反応して、基板へ供給される電流を減少し、基板の表面積にわたる電流密度が回収プロセスを通して一定のままであるようにする。制御システムは、閉ループ的に電流を制御することができ、即ち電流制御システムは、除去バイアス回路の抵抗又は他の電気的パラメータを測定し、それに応じて、そこに供給される電流を制御するように構成できる。或いはまた、電流制御システムは、基板の位置のような機械的条件又は別の測定可能な機械的パラメータに応答して除去バイアスを制御するように構成されてもよい。例えば、基板の位置、即ち回収プロセス中のメッキ溶液に対する基板の垂直位置を基板の浸漬表面積と相関させることができ、それ故、基板の位置を使用して、基板に印加される電気的除去バイアスを制御することもできる。更に、電気的バイアスを時間従属的に制御することもでき、即ち電気的除去バイアスを、除去プロセスを通して基板が継続する単位時間ごとに調整し、従って、基板の浸漬表面積を伴う除去プロセスの時間又は期間を本質的に同等とすることもできる。
【0115】
[00147]基板除去プロセス中に、基板を回転し、傾斜し、枢着回転し、垂直に操作し、水平に操作し、及び/又は音波又は超音波エネルギーで振動することができる。例えば、本発明の除去プロセス中に、除去バイアスが開始される間に基板をメッキ溶液中で回転することができる。次いで、基板を溶液から垂直方向に持ち上げて、溶液から基板を除去することができる。この持ち上げプロセス中に、基板の表面域がメッキ溶液から増分的に除去され、そこに供給される電気的バイアスは、上述したように、溶液から除去される(又は溶液中に留まる)表面積の割合に基づいて制御される。基板は、水平位置、即ち基板面が堰型メッキ装置に収容されたメッキ溶液の上面に一般に平行となる位置に保持することができる。或いはまた、基板面を水平から傾斜してもよく、即ち基板面と堰型メッキプレート内のメッキ溶液の上面との間に傾斜角が形成されるように基板面を位置してもよい。この構成では、基板を溶液から垂直に移動又は持ち上げるときに、基板面とメッキ溶液の上面との間の傾斜角が一定のままとされる。しかしながら、本発明の実施形態は、除去プロセス中に傾斜角を変化できることも意図している。例えば、溶液からの基板の垂直移動で傾斜角が一定のままとならず、むしろ、基板が除去されるにつれて傾斜角が増加又は減少するように、傾斜角を基板除去プロセス中に増加又は減少してもよい。
【0116】
[00148]除去プロセス中に、例えば、基板を約5rpm乃至約100rpm、より詳細には、約20rpm乃至約60rpmで回転してもよい。基板の傾斜角は、約3°乃至約30°、より詳細には、約5°ないし約20°でよい。また、傾斜角は、除去プロセス中に、増加又は減少されてもよいし、枢着回転又は振動されてもよい。除去プロセス中に基板に印加される電気的バイアスは、約0.5mA/cm3乃至約5mA/cm3、より詳細には、約0.5mA/cm3乃至約1mA/cm3、又は更に詳細には、約1.0mA/cm3乃至約3mA/cm3の電流密度を基板面にわたって発生するように構成できる。除去中に基板に印加される電圧は、例えば、約0.3ボルトないし約10ボルトでよく、より詳細には、約0.8ボルトないし約5ボルトでよい。
【0117】
[00149]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、他の及び更に別の実施形態を案出することもでき、従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の電気化学的メッキシステムの一実施形態を示す上面図である。
【図2】本発明の電気化学的メッキセルに使用されるメッキセルの実施形態を例示する図である。
【図3】本発明のアニールシステムを例示する斜視図である。
【図4】本発明のアニールチャンバーを例示する上方斜視図である。
【図5】本発明のロボットブレードを例示する下方斜視図である。
【図6】アニールチャンバーの加熱プレートの斜視図兼部分断面図である。
【図7】加熱プレートの下部の斜視図である。
【図8】本発明の基板スピンすすぎ乾燥セルを例示する部分斜視図兼断面図である。
【図9】本発明の別の基板スピンすすぎ乾燥セルを例示する部分斜視図兼断面図である。
【図10A】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する上方斜視図で、フィンガーが閉位置にあるところを示した図である。
【図10B】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する上方斜視図で、フィンガーが開位置にあるところを示した図である。
【図10C】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する側面斜視図で、フィンガーが閉位置にあるところを示した図である。
【図10D】本発明のスピンすすぎ乾燥セルに対する基板係合フィンガーを例示する側面斜視図で、フィンガーが開位置にあるところを示した図である。
【図11】本発明のハブアッセンブリを例示する断面図である。
【図12】ハブアッセンブリの下部を示す上方斜視図である。
【図13】本発明のベベル洗浄セルを例示する上方斜視図である。
【図14】本発明のベベル洗浄セルに対する背面流体ディスペンスマニホールドを例示する上方斜視図である。
【図15】本発明の基板センタリングメカニズムを例示する斜視図である。
【図16】本発明の基板センタリング部材を例示する断面図である。
【図17】本発明の基板センタリング部材を例示する上面図である。
【図18】本発明の流体配送システムを例示する図である。
【図19】本発明のタンク及びコンジット構成を例示する図である。
【図20】本発明の流体タンクの内部コンポーネントを示す斜視図である。
【図21】本発明の流体タンクを例示する平面図である。
【図22】本発明の流体タンクの内壁コンポーネントを例示する斜視図である。
【図23】本発明のタンクを例示する部分斜視図兼断面図である。
【図24】傾斜プロセス中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図である。
【図25】浸漬プロセス中、即ち垂直動作中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図である。
【図26】浸漬後の傾斜プロセス中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図である。
【図27】浸漬プロセス中のメッキセル及びヘッドアッセンブリを示す断面図で、ヘッドアッセンブリが基板をメッキ溶液中の深部に位置させるところを示す図である。
【図28】処理位置に位置されたメッキセル及びヘッドアッセンブリの断面図である。
【図29】浸漬中の基板エリアを示す図である。
【符号の説明】
【0119】
100…ECPシステム、102、104、106、108、110、112、114、116…処理場所、111…プロセスコントローラ、113…プラットホーム(メインフレーム)、114、116…処理セル、115…リンクトンネル、120…メインフレームロボット、130…ファクトリーインターフェイス、132…ロボット、134…基板収容カセット、135…アニールステーション、136…冷却プレート、137…加熱プレート、140…ロボット、200…メッキセル、201…外側深皿、202…内側深皿、203…フレーム部分、204…ベース部材、205…アノード部材、206…メンブレーン支持アッセンブリ、207…スロット、208…メンブレーン、209…流体入口/排出口、210…拡散プレート、300…スタック型アニールシステム、301…フレーム、302…アニールチャンバー、304…流体及びガス供給アッセンブリ、306…電気的システムコントローラ、400…処理容積部、401…チャンバー本体、402…加熱プレート、404…冷却プレート、406…基板搬送メカニズム、408…基板支持部材/ブレード、410…基板支持タブ、412…ロボット、414…アクセスドア、416…ノッチ、418…基板移送メカニズムアクチュエータアッセンブリ、420…冷却流体接続部、422…真空アパーチャー、424…ポンプダウンアパーチャー、426…ガスディスペンスポート、500…強化ブレード部材、501…一体的フレーム部材、502…基板支持リング又は部材、503…基板支持タブ、600…加熱素子、604…サーモカップル、606…ステム、608…ベース部材、800…基板スピンすすぎ乾燥セル、801…流体ボウル/本体、802…回転可能なハブ、803…基板支持フィンガー、804…基板、805…ドーム部材、806…流体マニホールド、807…ガスノズル、808…流体ディスペンスノズル、810…ガスディスペンスノズル、812…環状シールド部材、814…キャッチカップ、816…カーブした面、818…減圧領域、1000…直立した枢着型エアホイル/クランプ部材、1001…内部固定ポスト、1002…ピボット点、1004…上面、1005…滑らかな面、1006…チャンネル、1007…ベース、1008…下部アクチュエータ部分、1010…傾斜面、1101…コンジット、1104…ガスディスペンスパージポート、1300…ベベル洗浄セル又はチャンバー、1301…直立した壁部分、1302…排出深皿、1303…基板チャック、1304…基板センタリングピン、1305…すすぎ溶液ディスペンスアーム、1306…エッチング溶液ディスペンスアーム、1400…マニホールド、1500…基板センタリングメカニズム、1502…リンケージ、1503、1504…操作アーム、1505…フレーム部材、1506…リセプタクル、1601…キャップ部材、1602…中央部分、1603…基板センタリングポスト、1604…コア、1605…スリーブ部材、1811…メッキ溶液配送システム、1802…添加物源、1804…電解液源、1806…加速剤源、1808…ならし剤源、1810…抑制剤源、1811…メッキ溶液配送システム、1812…ドーズポンプ、1814…大量蓄積容器、1816…緩衝容器、1830…第2ポンプアッセンブリ、1832…第2マニホールド、1834…バルブ列、1836…サンプルポート、1842…脱イオン水源、1844…非反応性ガス源、1850…第1のガス供給ライン、1852…第2の配送ライン、2400…ヘッドアッセンブリ、2402…コンタクトリング、2404…スラストプレート、2406…アクセススペース、2504…メッキセル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインフレームに位置された基板メッキセルであって、分離されたカソード液及びアノード液容積部を含んでいる基板メッキセルと、
上記メインフレームに位置された基板ベベル洗浄セルと、
上記メインフレームに位置された基板スピンすすぎ乾燥セルと、
上記メインフレームと連通するように位置されたスタック型基板アニールステーションであって、その各チャンバーに、基板加熱プレート及び基板冷却プレートが隣接して位置されているようなスタック型基板アニールステーションと、
上記各々のセルと上記アニールステーションとの間で基板を移送するように構成された少なくとも1つの基板移送ロボットと、
を備えた電気化学的メッキシステム。
【請求項2】
上記少なくとも1つのスピンすすぎ乾燥セルは、
直立した円筒壁を有するセルボウルと、
上記直立した円筒壁の頂部に位置された環状で且つ内方にカーブした減圧面と、
上記直立した円筒壁の上部から半径方向内方に延びる流体受け入れシールドと、
上記セルボウルの中央に位置された回転可能な基板支持部材と、
上記支持部材に位置された基板の上面へすすぎ溶液をディスペンスするように構成された流体ディスペンスノズルと、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記少なくとも1つのメッキセルは、
オーバーフロー堰を有するメッキセルボウルと、
上記セルボウルに位置されたアノードと、
上記アノードと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置されたイオンメンブレーンと、
上記メンブレーンと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置された拡散部材と、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
上記拡散部材は、流体浸透性で多孔性のセラミック部材を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
上記メンブレーンはカチオンメンブレーンを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
上記メッキセルは、
上記メンブレーンと上記オーバーフロー堰との間の上記カソード液容積部へカソード溶液をディスペンスするように位置されたカソード液流体入口と、
上記メンブレーンの下の上記セルボウルの容積部へアノード溶液をディスペンスするように位置されたアノード液流体入口と、
を備えた、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
上記スタック型基板アニールステーションは、上記加熱プレート及び上記冷却プレートに隣接して位置された基板移送ロボットであって、上記加熱プレートと上記冷却プレートとの間で基板を移送するように構成された基板移送ロボットを備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
上記基板ベベル洗浄セルは、
基板センタリングアッセンブリと、
回転可能な基板支持部材と、
上記ベベル洗浄セル内で処理されている基板の除外ゾーンへエッチング剤溶液をディスペンスするように位置された流体ディスペンスノズルと、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
上記基板センタリングアッセンブリは、協働して回転し得る複数の基板支持センタリングピンを備え、該基板支持センタリングピンの各々は、該センタリングピンの垂直軸上に位置された持ち上がった基板支持部分と、偏心して位置された基板センタリングポストとを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
上記個々のメッキセルの各々へ少なくとも2つの異なるメッキ化学物質を供給するように構成された流体配送システムを備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
共通プラットホームに位置された複数の電気化学的メッキセルと、
上記プラットホームに位置された洗浄セルと、
上記プラットホームと連通するように位置されたアニールチャンバーと、
上記プラットホームと連通すると共に、上記複数のメッキセルと流体連通するように位置された複数の化学物質の流体配送システムであって、複数の流体溶液を混合して上記複数のメッキセルの各々へ分配するように構成された流体配送システムと、
を備えた複数の化学物質メッキシステム。
【請求項12】
上記電気化学的メッキセルは、
セルボウルの頂部に位置されたオーバーフロー堰と、
上記セルボウルに位置されたアノードと、
上記アノードと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置されたイオンメンブレーンと、
上記メンブレーンと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置された拡散部材と、
を備えた、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項13】
上記イオンメンブレーンは、更に、上記メッキセルを、上記メンブレーンの下のアノード液区画と、上記メンブレーンの上のカソード液区画とに分離するように構成されたカチオンメンブレーンを備えた、請求項12に記載のメッキシステム。
【請求項14】
上記複数の化学物質の流体配送システムは、上記カソード液区画にカソード液メッキ溶液を、且つ上記アノード液区画にアノード液の溶液を供給するように構成される、請求項13に記載のメッキシステム。
【請求項15】
上記洗浄セルは基板スピンすすぎ乾燥セルを含む、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項16】
上記洗浄セルは基板ベベル洗浄セルを含む、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項17】
上記ベベル洗浄セルは、
回転可能な真空チャックと、
上記真空チャックの半径方向外方に位置された複数の基板センタリグポストと、
上記真空チャックに位置された基板のベベルにエッチング剤溶液をディスペンスするように位置された可動の流体ディスペンスノズルと、
を備えた、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項18】
上記複数の基板センタリングポストは、上記センタリングポストの長手軸に位置された持ち上がった基板支持部分と、偏心して位置されたセンタリングポストとを備えた、請求項17に記載のメッキシステム。
【請求項19】
上記アニールチャンバーは、スタック型アニールシステムを構成し、該スタックの各アニールチャンバーは、加熱プレートと、冷却プレートと、ガス分配ノズルとを含む、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項20】
処理プラットホームに位置された電気化学的メッキセルであって、
メッキ溶液を収容するように構成され、且つオーバーフロー堰が位置されているセル本体、
上記セル本体に位置されたアノード、
上記アノードの上で且つ上記オーバーフロー堰の下の位置において上記セル本体にわたり位置されたイオンメンブレーンであって、該メンブレーンの下のアノード液区画を該メンブレーンの上のカソード液区画から分離するようなイオンメンブレーン、及び
上記カソード液区画において上記セル本体にわたって位置された多孔性拡散部材、
を含むものである電気化学的メッキセルと、
上記処理プラットホームに位置された基板洗浄セルと、
前記処理プラットホームと連通するように位置されたスタック型基板アニールステーションと、
を備えた電気化学的メッキシステム。
【請求項21】
上記基板洗浄セルは、基板スピンすすぎ乾燥セル及び基板ベベル洗浄セルの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のメッキシステム。
【請求項22】
上記スタック型基板アニールステーションは、複数のスタック型アニールチャンバーを備え、該スタック型アニールチャンバーの各々は、
上記チャンバーに位置された加熱プレートと、
上記チャンバーに位置された冷却プレートと、
上記加熱プレートと冷却プレートとの間で基板を移送するように位置された基板移送ロボットと、
上記チャンバーの内部と流体連通するガスディスペンスノズルと、
を備えた、請求項20に記載のメッキシステム。
【請求項1】
メインフレームに位置された基板メッキセルであって、分離されたカソード液及びアノード液容積部を含んでいる基板メッキセルと、
上記メインフレームに位置された基板ベベル洗浄セルと、
上記メインフレームに位置された基板スピンすすぎ乾燥セルと、
上記メインフレームと連通するように位置されたスタック型基板アニールステーションであって、その各チャンバーに、基板加熱プレート及び基板冷却プレートが隣接して位置されているようなスタック型基板アニールステーションと、
上記各々のセルと上記アニールステーションとの間で基板を移送するように構成された少なくとも1つの基板移送ロボットと、
を備えた電気化学的メッキシステム。
【請求項2】
上記少なくとも1つのスピンすすぎ乾燥セルは、
直立した円筒壁を有するセルボウルと、
上記直立した円筒壁の頂部に位置された環状で且つ内方にカーブした減圧面と、
上記直立した円筒壁の上部から半径方向内方に延びる流体受け入れシールドと、
上記セルボウルの中央に位置された回転可能な基板支持部材と、
上記支持部材に位置された基板の上面へすすぎ溶液をディスペンスするように構成された流体ディスペンスノズルと、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記少なくとも1つのメッキセルは、
オーバーフロー堰を有するメッキセルボウルと、
上記セルボウルに位置されたアノードと、
上記アノードと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置されたイオンメンブレーンと、
上記メンブレーンと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置された拡散部材と、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
上記拡散部材は、流体浸透性で多孔性のセラミック部材を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
上記メンブレーンはカチオンメンブレーンを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
上記メッキセルは、
上記メンブレーンと上記オーバーフロー堰との間の上記カソード液容積部へカソード溶液をディスペンスするように位置されたカソード液流体入口と、
上記メンブレーンの下の上記セルボウルの容積部へアノード溶液をディスペンスするように位置されたアノード液流体入口と、
を備えた、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
上記スタック型基板アニールステーションは、上記加熱プレート及び上記冷却プレートに隣接して位置された基板移送ロボットであって、上記加熱プレートと上記冷却プレートとの間で基板を移送するように構成された基板移送ロボットを備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
上記基板ベベル洗浄セルは、
基板センタリングアッセンブリと、
回転可能な基板支持部材と、
上記ベベル洗浄セル内で処理されている基板の除外ゾーンへエッチング剤溶液をディスペンスするように位置された流体ディスペンスノズルと、
を備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
上記基板センタリングアッセンブリは、協働して回転し得る複数の基板支持センタリングピンを備え、該基板支持センタリングピンの各々は、該センタリングピンの垂直軸上に位置された持ち上がった基板支持部分と、偏心して位置された基板センタリングポストとを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
上記個々のメッキセルの各々へ少なくとも2つの異なるメッキ化学物質を供給するように構成された流体配送システムを備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
共通プラットホームに位置された複数の電気化学的メッキセルと、
上記プラットホームに位置された洗浄セルと、
上記プラットホームと連通するように位置されたアニールチャンバーと、
上記プラットホームと連通すると共に、上記複数のメッキセルと流体連通するように位置された複数の化学物質の流体配送システムであって、複数の流体溶液を混合して上記複数のメッキセルの各々へ分配するように構成された流体配送システムと、
を備えた複数の化学物質メッキシステム。
【請求項12】
上記電気化学的メッキセルは、
セルボウルの頂部に位置されたオーバーフロー堰と、
上記セルボウルに位置されたアノードと、
上記アノードと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置されたイオンメンブレーンと、
上記メンブレーンと上記オーバーフロー堰との間で上記セルボウルにわたって位置された拡散部材と、
を備えた、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項13】
上記イオンメンブレーンは、更に、上記メッキセルを、上記メンブレーンの下のアノード液区画と、上記メンブレーンの上のカソード液区画とに分離するように構成されたカチオンメンブレーンを備えた、請求項12に記載のメッキシステム。
【請求項14】
上記複数の化学物質の流体配送システムは、上記カソード液区画にカソード液メッキ溶液を、且つ上記アノード液区画にアノード液の溶液を供給するように構成される、請求項13に記載のメッキシステム。
【請求項15】
上記洗浄セルは基板スピンすすぎ乾燥セルを含む、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項16】
上記洗浄セルは基板ベベル洗浄セルを含む、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項17】
上記ベベル洗浄セルは、
回転可能な真空チャックと、
上記真空チャックの半径方向外方に位置された複数の基板センタリグポストと、
上記真空チャックに位置された基板のベベルにエッチング剤溶液をディスペンスするように位置された可動の流体ディスペンスノズルと、
を備えた、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項18】
上記複数の基板センタリングポストは、上記センタリングポストの長手軸に位置された持ち上がった基板支持部分と、偏心して位置されたセンタリングポストとを備えた、請求項17に記載のメッキシステム。
【請求項19】
上記アニールチャンバーは、スタック型アニールシステムを構成し、該スタックの各アニールチャンバーは、加熱プレートと、冷却プレートと、ガス分配ノズルとを含む、請求項11に記載のメッキシステム。
【請求項20】
処理プラットホームに位置された電気化学的メッキセルであって、
メッキ溶液を収容するように構成され、且つオーバーフロー堰が位置されているセル本体、
上記セル本体に位置されたアノード、
上記アノードの上で且つ上記オーバーフロー堰の下の位置において上記セル本体にわたり位置されたイオンメンブレーンであって、該メンブレーンの下のアノード液区画を該メンブレーンの上のカソード液区画から分離するようなイオンメンブレーン、及び
上記カソード液区画において上記セル本体にわたって位置された多孔性拡散部材、
を含むものである電気化学的メッキセルと、
上記処理プラットホームに位置された基板洗浄セルと、
前記処理プラットホームと連通するように位置されたスタック型基板アニールステーションと、
を備えた電気化学的メッキシステム。
【請求項21】
上記基板洗浄セルは、基板スピンすすぎ乾燥セル及び基板ベベル洗浄セルの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のメッキシステム。
【請求項22】
上記スタック型基板アニールステーションは、複数のスタック型アニールチャンバーを備え、該スタック型アニールチャンバーの各々は、
上記チャンバーに位置された加熱プレートと、
上記チャンバーに位置された冷却プレートと、
上記加熱プレートと冷却プレートとの間で基板を移送するように位置された基板移送ロボットと、
上記チャンバーの内部と流体連通するガスディスペンスノズルと、
を備えた、請求項20に記載のメッキシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2007−525591(P2007−525591A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513120(P2006−513120)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/012012
【国際公開番号】WO2004/094702
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/012012
【国際公開番号】WO2004/094702
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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