説明

複数の競争対象によるレースを実行するゲーム装置、及び、そのゲーム制御方法

【課題】プレーヤを飽きさせることなく、活気を高めることができるように配慮されたゲーム装置を提供すること。
【解決手段】画像の表示が可能な画像表示装置と、複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースゲームに出場する競争対象に対するベットを入力することが可能なベット入力装置と、下記の処理を実行するようにプログラムされたコントローラとを備えることを特徴とするゲーム装置。(E)受け付けたベットと、決定された前記競争対象の順位とに基づいて通常配当を付与する処理、(F)前記通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定する処理、及び、(G)前記処理(F)により前記特別配当を付与すると決定された場合に、前記演出画像の少なくとも一部を前記画像表示装置に拡大して表示する処理。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の競争対象によるレースを実行する、ゲーム装置、及び、そのゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、競馬ゲーム装置のように、複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースゲームを進行するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1〜16参照)。このようなゲーム装置で遊技を行うプレーヤは、ゲーム装置から提供される情報や勘に基づいて、レースゲームにおいて、どの競争対象が勝利するかを予想し、その競争対象に対してメダル等の遊技媒体をベットする。そして、予想が的中した場合には、ベットした遊技媒体に応じた配当を受けることができる。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6210275号明細書
【特許文献2】米国特許第6358150号明細書
【特許文献3】米国特許第6450887号明細書
【特許文献4】米国特許第6634944号明細書
【特許文献5】特開2001−87461号公報
【特許文献6】米国特許第6848991号明細書
【特許文献7】特許第3291287号明細書
【特許文献8】米国特許第6905410号明細書
【特許文献9】特許第3366308号明細書
【特許文献10】米国特許第6921331号明細書
【特許文献11】米国特許第6929550号明細書
【特許文献12】特開2002−85852号公報
【特許文献13】米国特許第6962529号明細書
【特許文献14】特開2002−035429号公報
【特許文献15】米国特許第7025353号明細書
【特許文献16】米国特許第7172508号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の競馬ゲーム装置では、プレーヤは、どの競争対象が勝利するかを予想し、その予想に基づいてベットを行い、レースゲームを観戦し、予想が的中したか否かを認識する、という一連の動作を単調に繰り返すこととなり、短時間でゲームに飽きてしまうという問題があった。
さらに、このような競馬ゲーム装置において、レースゲームを観戦しても、実物の競走馬が目の前でレースを繰り広げる実際の競馬に比べると、活気に欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレーヤを飽きさせることなく、活気を高めることができるように配慮されたゲーム装置、及び、そのゲーム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 画像の表示が可能な画像表示装置と、
複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースゲームに出場する競争対象に対するベットを入力することが可能なベット入力装置と、
下記(A)〜(G)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと
を備えることを特徴とするゲーム装置。
(A)上記ベット入力装置からのベットを受け付ける処理、
(B)上記レースゲームを進行する処理、
(C)上記レースゲームの進行に応じた演出画像を表示する処理、
(D)上記レースゲームに出場する上記競争対象の順位を決定する処理、
(E)上記処理(A)により受け付けたベットと、上記処理(D)により決定された上記競争対象の順位とに基づいて通常配当を付与する処理、
(F)上記処理(E)により付与される上記通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定する処理、及び、
(G)上記処理(F)により上記特別配当を付与すると決定された場合に、上記演出画像の少なくとも一部を上記画像表示装置に拡大して表示する処理。
【0007】
(1)の発明によれば、ベット入力装置から受け付けたベットと、競争対象の順位とに基づいて、通常配当を付与する。さらに、この通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定し、特別配当を付与すると決定した場合、演出画像の少なくとも一部を拡大した画像を画像表示装置に表示する。
従って、(1)の発明によれば、単調にゲームが進行されるのではなく、拡大画像を表示するという特別な演出により、変化に富んだゲームが進行されるため、プレーヤが飽きてしまうことを防止するとともに、活気を高めることが可能となる。
【0008】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)のゲーム装置であって、
上記処理(G)は、
(G−1)上記処理(C)により、少なくとも一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像を上記画像表示装置に表示した後に、該ゴール画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した写真判定画像を上記画像表示装置に表示する処理を含むことを特徴とする。
【0009】
(2)の発明によれば、特別配当を付与すると決定された場合、少なくとも一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像を画像表示装置に表示した後に、該ゴール画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した写真判定画像を画像表示装置に表示するため、どの競争対象が一着であるかと、写真判定画像にプレーヤを注目させることが可能となる。
【0010】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(2)のゲーム装置であって、
上記処理(G)は、
上記処理(F)により上記特別配当を付与すると決定された場合、
(G−2)上記処理(C)により上記ゴール画像を上記画像表示装置に表示した後に、上記写真判定画像を上記画像表示装置に表示する処理、及び、
(G−3)上記写真判定画像を上記画像表示装置に表示した後に、上記処理(D)により決定された上記競争対象の順位を示す画像を上記画像表示装置に表示する処理
を実行する一方、
上記処理(F)により上記特別配当を付与すると決定されなかった場合、
(G−4)上記処理(C)により上記ゴール画像を上記画像表示装置に表示した後に、上記処理(D)により決定された上記競争対象の順位を示す画像を上記画像表示装置に表示する処理
を実行することを特徴とする。
【0011】
(3)の発明によれば、特別配当を付与すると決定されなかった場合、ゴール画像を画像表示装置に表示した後に、競争対象の順位を示す画像を画像表示装置に表示する。一方、特別配当を付与すると決定された場合、ゴール画像を画像表示装置に表示した後に、写真判定画像を画像表示装置に表示し、その後、競争対象の順位を示す画像を画像表示装置に表示する。従って、特別配当を付与すると決定された場合には、ゴール画像を表示した直後に、競争対象の順位を示す画像を表示するのではなく、ゴール画像を表示した後に、まず、写真判定画像を表示し、その後、競争対象の順位を示す画像を表示するため、どの競争対象が一着であるのかと、プレーヤに期待感を抱かせることが可能となる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1のゲーム装置であって、
上記処理(G)は、
(G−5)上記特別配当が付与されることを示す画像を上記画像表示装置に表示する処理を含むことを特徴とする。
【0013】
(4)の発明によれば、特別配当を付与すると決定した場合、特別配当が付与されることを示す画像を画像表示装置に表示するため、特別配当が付与されることを明示することが可能となる。そのため、特別配当を付与することをプレーヤに容易に認識させることが可能となる。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) (A)複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースゲームに出場する競争対象に対するベットを入力することが可能なベット入力装置からのベットを受け付ける段階、
(B)上記レースゲームを進行する段階、
(C)上記レースゲームの進行に応じた演出画像を表示する段階、
(D)上記レースゲームに出場する上記競争対象の順位を決定する段階、
(E)上記段階(A)により受け付けたベットと、上記段階(D)により決定された上記競争対象の順位とに基づいて通常配当を付与する段階、
(F)上記段階(E)により付与される上記通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定する段階、及び、
(G)上記段階(F)により上記特別配当を付与すると決定された場合に、上記演出画像の少なくとも一部を画像の表示が可能な画像表示装置に拡大して表示する段階
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【0015】
(5)の発明によれば、ベット入力装置から受け付けたベットと、競争対象の順位とに基づいて、通常配当を付与する。さらに、この通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定し、特別配当を付与すると決定した場合、演出画像の少なくとも一部を拡大した画像を画像表示装置に表示する。
従って、(5)の発明によれば、単調にゲームが進行されるのではなく、拡大画像を表示するという特別な演出により、変化に富んだゲームが進行されるため、プレーヤが飽きてしまうことを防止するとともに、活気を高めることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6) 上記(5)のゲーム制御方法であって、
上記段階(G)は、
(G−1)上記段階(C)により、少なくとも一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像を上記画像表示装置に表示した後に、該ゴール画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した写真判定画像を上記画像表示装置に表示する段階を含むことを特徴とする。
【0017】
(6)の発明によれば、特別配当を付与すると決定された場合、少なくとも一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像を画像表示装置に表示した後に、該ゴール画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した写真判定画像を画像表示装置に表示するため、どの競争対象が一着であるかと、写真判定画像にプレーヤを注目させることが可能となる。
【0018】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(7) 上記(6)のゲーム制御方法であって、
上記段階(G)は、
上記段階(F)により上記特別配当を付与すると決定された場合、
(G−2)上記段階(C)により上記ゴール画像を上記画像表示装置に表示した後に、上記写真判定画像を上記画像表示装置に表示する段階、及び、
(G−3)上記写真判定画像を上記画像表示装置に表示した後に、上記段階(D)により決定された上記競争対象の順位を示す画像を上記画像表示装置に表示する段階
を実行する一方、
上記段階(F)により上記特別配当を付与すると決定されなかった場合、
(G−4)上記段階(C)により上記ゴール画像を上記画像表示装置に表示した後に、上記段階(D)により決定された上記競争対象の順位を示す画像を上記画像表示装置に表示する段階
を実行することを特徴とする。
【0019】
(7)の発明によれば、特別配当を付与すると決定されなかった場合、ゴール画像を画像表示装置に表示した後に、競争対象の順位を示す画像を画像表示装置に表示する。一方、特別配当を付与すると決定された場合、ゴール画像を画像表示装置に表示した後に、写真判定画像を画像表示装置に表示し、その後、競争対象の順位を示す画像を画像表示装置に表示する。従って、特別配当を付与すると決定された場合には、ゴール画像を表示した直後に、競争対象の順位を示す画像を表示するのではなく、ゴール画像を表示した後に、まず、写真判定画像を表示し、その後、競争対象の順位を示す画像を表示するため、どの競争対象が一着であるのかと、プレーヤに期待感を抱かせることが可能となる。
【0020】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(8) 上記(5)〜(7)のいずれか1のゲーム制御方法であって、
上記段階(G)は、
(G−5)上記特別配当が付与されることを示す画像を上記画像表示装置に表示する段階を含むことを特徴とする。
【0021】
(8)の発明によれば、特別配当を付与すると決定した場合、特別配当が付与されることを示す画像を画像表示装置に表示するため、特別配当が付与されることを明示することが可能となる。そのため、特別配当を付与することをプレーヤに容易に認識させることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プレーヤを飽きさせることなく、活気を高めることができるように配慮されたゲーム装置及びゲーム制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下においては、本発明の好適な実施形態として、本発明を競馬ゲーム装置に適用した場合について説明することとする。
なお、本発明におけるゲームとは、プレーヤによる入力以外の全てをCPUによって処理されるゲームをいう。
【0024】
図1は、本実施形態の競馬ゲーム装置の特徴を示した図であって、本実施形態に係る競馬ゲーム装置のメインモニタに表示される画像の一例を示す図である。
図2は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置の一例を模式的に示す斜視図である。
図3は、図2に示したステーションの一例を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係る競馬ゲーム装置1は、メインモニタ21と、メインモニタ21と向かい合うように設置された複数のステーション101とを備えている。
ステーション101は、椅子112と向かい合うようにキャビネット111に設置されたサブモニタ113を備えており、サブモニタ113の前面には、タッチパネル114が設けられている。
【0025】
各ステーション101に着座したプレーヤは、レースゲーム(以下、レースともいう)の結果を予想し、各ステーション101が備えるタッチパネル114を使用してベット入力を行うことにより、競馬ゲームに参加する。ベット入力の受付期間が終了した後、メインモニタ21には、複数の競走馬がレースを行う画像が表示される。そして、プレーヤの予想が的中した場合には、ベット数とオッズとに基づいた枚数の遊技媒体(以下、通常配当ともいう)が払い出される。
さらに、競馬ゲーム装置1では、通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定し、特別配当を付与すると決定した場合、一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像の一着及び二着の競走馬の鼻先を含む部分を拡大した写真判定画像5をメインモニタ21に表示する。
メインモニタ21は、本発明における画像表示装置に相当するものである。
【0026】
図1(a)は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置のメインモニタに表示される画像の一例を示す図である。
図1(a)に示すように、メインモニタ21には、複数の競走馬がメインモニタ21の右側から左側に向かって走っている様子を示す競走馬画像2が表示されている。
また、競走馬画像2の周囲には、各競争馬の番号(以下、馬番号又は馬番ともいう)を示す馬番画像3(馬番画像3a、3b、3c)が表示されている。馬番画像3aは、馬番号1を示し、馬番画像3bは、馬番号2を示し、馬番画像3cは、馬番号3を示している。
さらに、競走馬画像2の背後には、ゴール地点を示すゴール板画像4が表示されている。
ゴール板画像4の中心から右側に向かって、一定間隔おきに、平行に、6個の直線画像7(ゴール板画像4の中心から順に、直線画像7a、7b、7c、7d、7e、7f)が設けられている。この直線画像7は、どの競争対象が一着であったかをプレーヤが視認しやすいように設けられている画像である。
また、メインモニタ21の略中心部には、競走馬画像2のうち、一着及び二着の競走馬の鼻先を含む部分を拡大した写真判定画像5が表示されている。
さらに、写真判定画像5の前面には、競争対象の順位を示す順位画像8(順位画像8a、順位画像8b)が表示されている。順位画像8aは、一着であることを示し、順位画像8bは、二着であることを示している。すなわち、図1(a)に示す画像では、馬番号1の競走馬が一着であり、馬番号3の競走馬が二着であることを示している。順位画像8は、本発明における競争対象の順位を示す画像に相当するものである。
また、写真判定画像5の左側には、現在表示している画像がリプレイ画像であることを示すリプレイ表示画像6が表示されている。
【0027】
図1(b)は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置のメインモニタに表示される画像の一例を示す図である。図1(b)は、図1(a)の画像がメインモニタ21に表示された後に表示される画像である。
図1(b)の中央部左側には、オッズが2倍になることをプレーヤに示すオッズ倍額画像9が表示されている。オッズ倍額画像9は、本発明における特別配当が付与されることを示す画像に相当するものである。
また、競走馬は、本発明における競争対象に相当するものである。
【0028】
図2は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置の一例を模式的に示す斜視図である。
競馬ゲーム装置1は、メインモニタ21と、メインモニタ21の左右両側に設置されたスピーカ22と、メインモニタ21の上側に設置された表示器23と、メインモニタ21と向かい合うように設置された複数のステーション101とを備えている。
メインモニタ21には、レースの進行状況を示す画像等が表示される。スピーカ22からは、レースの進行状況に応じた音が出力される。表示器23には、ゲーム全般に関する情報等が表示される。
なお、ステーション101は、本発明におけるベット入力装置に相当するものである。
【0029】
図3は、図2に示したステーションの一例を模式的に示す斜視図である。
ステーション101は、キャビネット111と、キャビネット111内に設置された椅子112と、椅子112と向かい合うようにキャビネット111に設置されたサブモニタ113と、サブモニタ113の画面上に設けられたタッチパネル114と、椅子112の右側のキャビネット111上に設置された紙幣識別器115と、紙幣識別器115の下側に設置されたチケットプリンタ116とを備えている。
サブモニタ113には、後述するベット画像、レースゲームの進行に応じた演出画像等が表示される。タッチパネル114は、ベット画像を利用したベット操作等プレーヤによる入力の際に使用される。
【0030】
紙幣識別器115は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット111内に受け入れるものである。そして、キャビネット111内に受け入れられた紙幣は、所定のレートでコイン枚数に換算され、該コイン枚数に相当するクレジット数がプレーヤの所有クレジット数として加算される。なお、紙幣識別器115は、後述するバーコード付チケット39を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0031】
チケットプリンタ116は、クレジット数や日時やステーション101の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。プレーヤは、バーコード付チケット39を他のステーションに読み取らせて該ステーション101で遊技を行ったり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0032】
図4は、図2に示した競馬ゲーム装置が備えるメインゲーム部の内部構成を示すブロック図である。
メインゲーム部11は、本実施形態における競馬ゲーム装置1の中枢部である。メインゲーム部11は、主制御部12と、メインモニタ21と、スピーカ22と、表示器23と、スイッチ24と、外部記憶装置25とを備えている。
【0033】
主制御部12は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ45を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ45は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41と、RAM42と、ROM43とを備えている。
RAM42は、CPU41で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。ROM43には、競馬ゲーム装置1の制御上必要な処理を行うための各種プログラム等が記憶されている。さらに、ROM43には、競走馬IDに対応付けて複数の競走馬に関する情報、各競走馬の勝率データ等が記憶されている。
【0034】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、画像処理回路31が接続されている。画像処理回路31は、メインモニタ21に接続され、メインモニタ21の駆動を制御する。
【0035】
画像処理回路31は、プログラムROM311と、画像ROM312と、画像制御CPU313と、ワークRAM314と、画像データプロセッサ315(以下、VDP315ともいう)と、ビデオRAM316とを備えている。
プログラムROM311には、メインモニタ21での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。
また、画像ROM312には、例えば、メインモニタ21で画像を形成するためのドットデータや背景画像データ、競走馬の画像データ、オッズ倍額画像データ、順位画像データ等の各種画像データが格納されている。
また、画像制御CPU313は、マイクロコンピュータ45で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータ及び画像データの中からメインモニタ21に表示する画像の決定を行うものである。
また、ワークRAM314は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU313で実行するときの一時記憶手段として構成される。
また、VDP315は、画像制御CPU313で決定された表示内容に応じた画像データを生成し、メインモニタ21に出力するものである。
また、ビデオRAM316は、VDP315で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0036】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、音声回路32が接続されている。音声回路32には、スピーカ22が接続されている。スピーカ22は、メインモニタ21の左右に設けられており、CPU41からの駆動信号に基づき音声回路32により出力制御されることによって、音を出力する。
【0037】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、表示器駆動回路33が接続されている。表示器駆動回路33には、表示器23が接続されている。表示器23は、メインモニタ21の上部に設けられており、CPU41からの駆動信号に基づき表示器駆動回路33により表示制御されることによって、ゲーム全般に関する情報等を表示するものである。
【0038】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、スイッチ回路34が接続されている。スイッチ回路34には、スイッチ24が接続されている。スイッチ24は、メインモニタ21の下側に設けられており、オペレータの設定操作による指示をスイッチ回路34からのスイッチ信号に基づきCPU41に入力するものである。
【0039】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、乱数発生器35が接続されている。乱数発生器35は、CPU41によりサンプリングされる乱数を発生する。
【0040】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、タイマ37が接続されている。タイマ37は、レースゲームを開始する際等の計時に用いるものである。
【0041】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、外部記憶装置25が接続されている。外部記憶装置25は、メインモニタ21の周辺に設けられている。外部記憶装置25には、例えば、画像を形成するためのドットデータ等を外部記憶装置25に格納することにより、外部記憶装置25は、画像処理回路31内の画像ROM312と同様な機能を有する。従って、画像処理回路31内の画像制御CPU313は、メインモニタ21に表示する画像の決定を行う際には、外部記憶装置25内に予め記憶されたドットデータ等もその決定の対象とする。
【0042】
マイクロコンピュータ45には、I/Oインターフェイス46を介して、通信インターフェイス36が接続されている。通信インターフェイス36には、各ステーション101の副制御部102が接続されている。従って、CPU41は、通信インターフェイス36を介して、命令の送受信、要求の送受信、データの送受信等を各ステーション101との間で行う。
【0043】
図5は、図2に示した競馬ゲーム装置が備えるステーションの内部構成を示すブロック図である。
ステーション101は、副制御部102と、サブモニタ113と、タッチパネル114と、紙幣識別器115と、チケットプリンタ116とを備えている。
【0044】
副制御部102は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ135を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ135は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU131と、RAM132と、ROM133とを備えている。
RAM132は、CPU131で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。ROM133は、競馬ゲーム装置1の制御上必要な処理を行うための各種プログラム、データテーブル等が格納されている。
【0045】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、サブモニタ駆動回路121が接続されている。サブモニタ駆動回路121には、サブモニタ113が接続されている。サブモニタ駆動回路121は、上記メインゲーム部11からの駆動信号に基づきサブモニタ113の駆動を制御する。サブモニタ駆動回路121は、上記画像処理回路31と同様の構成及び機能を有し、例えば、後述するベット画像が表示されるように、サブモニタ113の駆動を制御する。
【0046】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、タッチパネル駆動回路122が接続されている。タッチパネル駆動回路122には、タッチパネル114が接続されている。タッチパネル114は、サブモニタ113の画面上に設けられており、プレーヤの接触操作による指示をタッチパネル駆動回路122からの座標信号としてCPU131に入力するものである。
【0047】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、紙幣識別器駆動回路123が接続されている。紙幣識別器駆動回路123には、紙幣識別器115が接続されている。紙幣識別器115は、紙幣やバーコード付チケット39の適否を識別する。紙幣識別器115は、正規の紙幣を受け入れたとき、受け付けた紙幣の額を紙幣識別器駆動回路123からの識別信号に基づきCPU131に入力するものである。また、紙幣識別器115は、正規のバーコード付チケット39を受け入れたとき、そのバーコード付チケット39に記録されているクレジット数などを紙幣識別器駆動回路123からの識別信号に基づきCPU131に入力するものである。
【0048】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、チケットプリンタ駆動回路124が接続されている。チケットプリンタ駆動回路124には、チケットプリンタ116が接続されている。チケットプリンタ116は、CPU131から出力される駆動信号に基づきチケットプリンタ駆動回路124により出力制御されることにより、RAM132に記憶された所有クレジット数等のデータをコード化したバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。
【0049】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、通信インターフェイス125が接続されている。通信インターフェイス125には、メインゲーム部11の主制御部12が接続されている。従って、CPU131は、通信インターフェイス125を介して、命令の送受信、要求の送受信、データの送受信等をメインゲーム部11との間で行う。
【0050】
マイクロコンピュータ135には、I/Oインターフェイス136を介して、タイマ126が接続されている。タイマ126は、ベット操作の受付を終了する際等の計時に用いるものである。
【0051】
図6は、本実施形態における競馬ゲーム装置でのゲーム動作の一例を示すフローチャートである。
なお、図6では、煩雑を避けるため、一つのステーション101における処理のみを図示している。
【0052】
メインゲーム部11では、ステップS100〜S109の各動作を行う。
まず、ステップS100において、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、ROM43に記憶されている複数の競走馬に関する情報のうちの所定数(例えば、6)の競走馬に関する情報を選択し、今回のレースに出走する競走馬とする。この際、出走する競走馬に「1」〜「6」の出走番号を付与する。
【0053】
次に、ステップS101において、CPU41は、馬券方式ごとにオッズを決定する処理を実行する。この際、CPU41は、ROM43に記憶されている各競走馬の勝率データに基づいて、オッズを設定する。従って、勝率の高い競走馬を含む着順予想のオッズは低い倍率に設定され、勝率の低い競走馬を含む着順予想のオッズは高い倍率に設定される。
【0054】
ステップS102において、CPU41は、ステップS100及びステップS101の処理により決定された、出走する競走馬及びオッズをレース情報として、各ステーション101に送信する。
【0055】
次に、ステップS103において、CPU41は、タイマ37により経過時間tの計時を開始する。
【0056】
次に、ステップS104において、CPU41は、タイマ37により計時されている経過時間tが、予め設定した規定時間T(例えば、60秒)に達したか否かを判断する。達していないと判断した場合、処理をステップS104に戻す。一方、達したと判断した場合、処理をステップS105に移す。
【0057】
ステップS105において、CPU41は、レースゲーム実行処理を実行する。
このレースゲーム実行処理では、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、レースゲームにおける各競走馬の着順を決定する。さらに、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、特別配当を付与するか否かを決定する。そして、特別配当を付与すると決定した場合、CPU41は、特別配当フラグをセットする。そして、CPU41は、VDP315を制御することにより、決定した各競走馬の着順に基づいて、メインモニタ21にレース経過を示す画像を出力する。
このレースゲーム実行処理については、後で図面を用いて詳述することにする。
【0058】
ステップS106において、CPU41は、ステップS105のレースゲーム実行処理により決定された各競走馬の着順と、後述するステップS15の処理により各ステーション101が送信したベット情報信号とに基づいて、各ステーション101の通常配当額を算出する。
【0059】
次に、ステップS107において、CPU41は、特別配当フラグがセットされているか否かを判断する。特別配当フラグがセットされていないと判断した場合、処理をステップS109に移す。一方、特別配当フラグがセットされていると判断した場合、処理をステップS108に移す。
【0060】
ステップS108において、CPU41は、ステップS106において算出された通常配当額と同額の配当額を特別配当額とする。すなわち、通常配当額と同額の特別配当が付与されるため、オッズが2倍になったこととなる。
【0061】
次に、ステップS109において、CPU41は、ステップS106及びステップS108の処理により算出した各配当額をそれぞれ該当するステーション101に払出情報として送信する。
以後、次回のレースにおいても、同様の処理が繰り返される。
【0062】
一方、各ステーション101では、ステップS10〜S16の各動作を行う。
まず、ステップS10において、CPU131は、メインゲーム部11からレース情報を受信したか否かを判断する。受信していないと判断した場合、処理をステップS10に戻す。一方、受信したと判断した場合、処理をステップS11に移す。
【0063】
ステップS11において、CPU131は、タイマ126により経過時間ttの計時を開始する。
【0064】
ステップS12において、CPU131は、CPU41により送信されたレース情報に基づいて、ベット画像をサブモニタ113に表示する。サブモニタ113に表示されるベット画像の一例を図7に示す。
【0065】
図7は、サブモニタに表示されるベット画像の一例を模式的に示す図である。タッチパネル114に覆われたサブモニタ113の画面に表示されるベット画像には、馬番表示域201、馬名表示域202、スピード・スタミナを棒グラフにより表示する基本能力表示域203、前5走での着順を表示する成績表示域204、現在の調子を矢印により表示する調子表示域205、及び一着・二着になる馬番の組合せを順不同で当てる馬番号二連勝複式(以下、馬連ともいう)の馬券購入ボタンをオッズやベット数とともに表示する馬券購入ボタン表示域206が設けられている。
【0066】
また、ベット画像は、ヘルプボタン211、1ベットボタン213、5ベットボタン214、10ベットボタン215、50ベットボタン216、キャンセルボタン217、キャッシュアウトボタン218、及び馬券方式切替ボタン222を示す画像を含む。
さらに、ベット画像には、時間表示域212、ベット数表示域219、配当額表示域220、及びクレジット数表示域221が設けられている。
【0067】
ヘルプボタン211は、ベット等の操作方法をサブモニタ113に表示させるためにプレーヤが触れるボタンである。時間表示域212には、ベット入力が可能な残り時間が表示される。1ベットボタン213は、現在のベット数に「1」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。5ベットボタン214は、現在のベット数に「5」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。10ベットボタン215は、現在のベット数に「10」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。50ベットボタン216は、現在のベット数に「50」を加算させるためにプレーヤが触れるボタンである。
【0068】
キャンセルボタン217は、加算されたベット数を取り消させるためにプレーヤが触れるボタンである。キャッシュアウトボタン218は、プレーヤの所有クレジット数に応じた枚数のコインをバーコード付チケット39により払い出させるためにプレーヤが触れるボタンである。ベット数表示域219には、今回のレースに対してプレーヤが設定しているベット数の総数が表示される。配当額表示域220には、今回のレースの配当額が表示される。クレジット数表示域221には、プレーヤの所有クレジット数が表示される。
【0069】
図7に示すベット画像は、馬連式のベット画像であるが、プレーヤが馬券方式切替ボタン222に触れるごとに、単勝(単)、複勝(複)、馬番号二連勝単式(馬単)、馬番号三連勝単式(3連単)、枠番号二連勝複式(枠連)、馬番号三連勝複式(3連複)、拡大馬番号二連勝複式(ワイド)等のベット画像に切り替わる。
【0070】
遊技者は、1ベットボタン213、5ベットボタン214、10ベットボタン215、50ベットボタン216のいずれかに触れた後に、馬券購入ボタン表示域206内のいずれかの馬券購入ボタンに触れれば、ベットを行うことができる。例えば、10ベットボタン215に触れた後に、馬券購入ボタン表示域206内の「1−2」の馬券購入ボタンに触れると、「1−2」に対して、現在のベット数に「10」を加算させることができる。ここで、「1−2」とは、1番と2番の馬が順不同で一着と二着になることを予想する組合せを意味する。なお、各馬番の組合せに対する現在のベット数は、各組合せに対応する馬券購入ボタンの横に表示される。
【0071】
図6に戻り、ステップS13において、CPU131は、プレーヤにより行われたベット操作の内容を、タッチパネル駆動回路122からの座標信号に基づいて特定し、RAM132に記憶する。また、ベット操作の内容は、CPU131がサブモニタ113のベット画像上の表示に反映させる。
【0072】
ステップS14において、CPU131は、タイマ126により計時されている経過時間ttが、予め設定した規定時間TT(例えば、60秒)に達したか否かを判断する。規定時間TTに達していないと判断した場合、処理をステップS13に戻す。一方、規定時間TTに達したと判断した場合、処理をステップS15に移す。
【0073】
ステップS15において、CPU131は、ベット操作の内容を示すベット情報を通信インターフェイス125を介して主制御部12にベット情報信号として送信する。なお、ベット情報信号には、少なくともベットされた競走馬IDと、ベットされた遊技媒体数と、馬券の種類に関する情報と、ステーション101の識別番号とが含まれる。
【0074】
ステップS16において、CPU131は、メインゲーム部11が送信した払出情報に基づいて、RAM132に記憶されているプレーヤの所有クレジット数を更新するとともに、サブモニタ113のベット画像上の配当額表示域220やクレジット数表示域221における表示を更新する。
【0075】
図8は、メインゲーム部において行われるレースゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、レースゲームにおける各競走馬の着順を決定する。
【0076】
次に、ステップS201において、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、特別配当を付与するか否かを決定する。
【0077】
次に、ステップS202において、CPU41は、特別配当を付与すると決定されたか否かを判断し、特別配当を付与すると決定された場合には、処理をステップS203に移す。
【0078】
ステップS203において、CPU41は、ステップS200の処理において決定された各競走馬の着順に基づいて、特別配当用の通常演出パターンを設定する。この特別配当用の通常演出パターンは、複数の競走馬がほぼ同時にゴールするように設定される。ここで、ほぼ同時とは、例えば、ハナ差、アタマ差、クビ差、1/2馬身差等を意味する。VDP315は、CPU41の制御の下で、画像ROM312に記憶されている背景画像データ、競走馬の画像データ等に基づいて、スタートからゴールまでの各競走馬の演出画像(レース経過を示す画像)を作製する。さらに、VDP315は、CPU41の制御の下で、画像ROM312に記憶されている背景画像データ、競走馬の画像データ等に基づいて、ゴール直前(例えば、ゴールまで残り50mの地点)からゴールまでの各競走馬の演出画像であるゴール演出画像を作製する。
【0079】
次に、ステップS204において、VDP315は、CPU41の制御の下で、ステップS203において作製された演出画像のうち、一着の競走馬がゴールする様子を示すゴール画像の一着の競走馬を含む部分を拡大した画像である写真判定画像5を作製する。そして、CPU41は、特別配当フラグをセットする(ステップS205)。
【0080】
一方、ステップS202において、特別配当を付与しないと決定された場合には、CPU41は、ステップS200の処理において決定された各競走馬の着順に基づいて、通常演出パターンを設定する(ステップS206)。VDP315は、CPU41の制御の下で、画像ROM312に記憶されている背景画像データ、競走馬の画像データ等に基づいて、スタートからゴールまでの各競走馬の演出画像を作製する。
【0081】
次に、ステップS207において、CPU41は、VDP315を制御することにより、ステップS203又はステップS206の処理において作製された演出画像をメインモニタ21に表示する。
【0082】
次に、ステップS208において、CPU41は、レースゲームに出走するすべての競走馬がゴールに達したか否かを判断し、すべての競走馬がゴールに達していない場合には、処理をステップS207に移す。一方、すべての競走馬がゴールに達した場合には、処理をステップS209に移す。
【0083】
ステップS209において、CPU41は、特別配当フラグがセットされているか否かを判断する。特別配当フラグがセットされていると判断した場合、処理をステップS210に移す。
【0084】
ステップS210において、CPU41は、VDP315を制御することにより、ステップS203の処理において作製されたゴール演出画像をメインモニタ21に表示する。
【0085】
ステップS211において、CPU41は、VDP315を制御することにより、ステップS204の処理において作製された写真判定画像5をメインモニタ21に表示する。
【0086】
次に、ステップS212において、CPU41は、画像ROM312に記憶されている順位画像データを読み出し、VDP315を制御することにより、順位画像8をメインモニタ21に表示する。
【0087】
次に、ステップS213において、CPU41は、画像ROM312に記憶されているオッズ倍額画像データを読み出し、VDP315を制御することにより、オッズ倍額画像9をメインモニタ21に表示する。
【0088】
一方、特別配当フラグがセットされていないと判断した場合、CPU41は、画像ROM312に記憶されている順位画像データを読み出し、VDP315を制御することにより、順位画像8をメインモニタ21に表示する(ステップS214)。
ステップS213又はステップS214の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0089】
以上、本実施形態に係る競馬ゲーム装置1及びゲーム制御方法によれば、ベット入力装置から受け付けたベットと、競走馬の順位とに基づいて、通常配当を付与する。さらに、この通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定する。特別配当を付与すると決定されなかった場合、一着の競走馬がゴールする様子を示すゴール画像を画像表示装置に表示した後に、競走馬の順位を示す画像を画像表示装置に表示する。一方、特別配当を付与すると決定された場合、ゴール画像を画像表示装置に表示した後に、ゴール画像の少なくとも一着の競走馬を含む部分を拡大した画像である写真判定画像を画像表示装置に表示し、その後、競走馬の順位を示す画像を画像表示装置に表示する。
【0090】
従って、本実施形態に係る競馬ゲーム装置1によれば、単調にゲームが進行されるのではなく、写真判定画像を表示するという特別な演出により、変化に富んだゲームが進行されるため、プレーヤが飽きてしまうことを防止するとともに、活気を高めることが可能となる。さらに、特別配当を付与すると決定された場合には、ゴール画像を表示した直後に、競走馬の順位を示す画像を表示するのではなく、ゴール画像を表示した後に、まず、写真判定画像を表示し、その後、競走馬の順位を示す画像を表示するため、どの競走馬が一着であるのかと、プレーヤに期待感を抱かせることが可能となる。
【0091】
本実施形態では、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、出走する競走馬を決定する場合について説明したが、本発明においては、競走馬を順番に出走させることとしてもよい。例えば、競走馬IDの順番にレースゲームに出走することとしてもよい。また、競走馬を所定数(例えば、6)ごとのグループに分け、グループ順にグループ単位で出走することとしてもよい。
【0092】
本実施形態では、スタートからゴールまでの各競走馬の演出画像(レース経過を示す画像)と、ゴール演出画像と、写真判定画像5と、順位画像8と、オッズ倍額画像9とをメインモニタ21に表示する場合について説明したが、本発明においては、演出画像と、演出画像の少なくとも一部を拡大した画像とをサブモニタに表示することとしてもよい。
【0093】
本実施形態では、ROM43に一つのレースコースが記憶されている場合について説明したが、本発明においては、複数のレースコースがROMに記憶されていてもよい。例えば、ダートコース、芝コース、右回り、左回り、競争距離等の異なるレースコースがROMに記憶されている。
具体的には、CPU41は、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、ROM43に記憶されている複数のレースコースから一つのレースコースを選択し、選択したレースコースを今回のレースコースとする。さらに、CPU41は、選択したレースコースをステップS100及びステップS101の処理により決定された、出走する競走馬及びオッズと共に、レース情報として、各ステーション101に送信する。
【0094】
本実施形態では、乱数発生器35により発生する乱数に基づいて、特別配当を付与するか否かを決定する場合について説明したが、本発明においては、所定の条件が満たされた場合に、特別配当を付与することとしてもよい。所定の条件とは、例えば、競馬ゲーム装置1において、ベットされた遊技媒体の累計枚数が予め設定した所定数を超えたことであってもよく、今回のレースゲームにおいてベットされた遊技媒体の総数が所定数を超えたことであってもよく、前回のレースゲームにおいて所定数以上の遊技媒体の払出があったことであってもよく、所定の時刻となったことであってもよい。
【0095】
本実施形態では、ステップS106において算出された通常配当額と同額の配当額を特別配当とする場合について説明したが、本発明においては、予め設定された枚数(例えば、1000枚)の遊技媒体を特別配当としてもよい。すなわち、このような構成にすることにより、ベットしていた遊技媒体数に係わらず、予め設定された枚数の遊技媒体を特別配当として付与することとなる。従って、このような構成とした場合、多量の遊技媒体をベットしているプレーヤに特別配当を付与する場合の遊技店側の損失を低減させることが可能となるとともに、少量の遊技媒体しかベットしていないプレーヤに特別配当を付与する場合には、該プレーヤに満足感を抱かせることが可能となる。
【0096】
本実施形態では、一の写真判定画像5をメインモニタ21に表示する場合について説明したが、本発明においては、複数の演出画像の少なくとも一部を拡大した複数の画像を所定の時間間隔ごとに画像表示装置に表示することとしてもよい。
具体的には、VDP315は、CPU41の制御の下で、ステップS203において作製された演出画像のうち、一着の競走馬がゴールする前後の複数の画像の一着の競走馬を含む部分を拡大した複数の写真判定画像5を作製する。そして、CPU41は、VDP315を制御することにより、作製された複数の写真判定画像5を所定の時間間隔ごとにメインモニタ21に表示する。
このような構成にすることにより、一着の競争対象がゴールする前後の画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した複数の画像を所定の時間間隔ごとに画像表示装置に表示することにより、ゴールシーンをコマ送りにより表示することができ、プレーヤの視線を釘付けにすることが可能となり、ゲームにのめり込ませることが可能となる。
【0097】
本実施形態では、メインモニタ21に表示する画像の一部として写真判定画像5を表示する場合について説明したが、本発明においては、演出画像の少なくとも一部を拡大した画像を画像表示装置全体に表示することとしてもよい。さらに、上述したように、ゴールシーンをコマ送りで表示する構成とした場合には、画像表示装置には、実際の競走馬よりも大きく表示された競走馬がゴールする様子がコマ送りで表示されることとなり、実際の競馬を観戦するよりも、プレーヤを興奮させることが可能となる。
【0098】
本実施形態では、本発明を競馬ゲーム装置1に適用した場合について説明したが、本発明においては、競輪ゲーム装置、競艇ゲーム装置、ドッグレースゲーム装置、カーレースゲーム装置、オートレースゲーム装置等に適用することとしてもよい。このような構成にした場合には、それぞれ、自転車、モーターボート、犬、車、オートバイが本発明における競争対象に相当するものとなる。
【0099】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】(a)は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置のメインモニタに表示される画像の一例を示す図である。(b)は、本実施形態に係る競馬ゲーム装置のメインモニタに表示される画像の一例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る競馬ゲーム装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2に示したステーションの一例を模式的に示す斜視図である。
【図4】図2に示した競馬ゲーム装置が備えるメインゲーム部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】図2に示した競馬ゲーム装置が備えるステーションの内部構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態における競馬ゲーム装置でのゲーム動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】サブモニタに表示されるベット画像の一例を模式的に示す図である。
【図8】メインゲーム部において行われるレースゲーム実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1 競馬ゲーム装置
2 競走馬画像
3(3a、3b、3c) 馬番画像
4 ゴール板画像
7(7a、7b、7c、7d、7e、7f) 直線画像
5 写真判定画像
8(8a、8b) 順位画像
6 リプレイ表示画像
9 オッズ倍額画像
11 メインゲーム部
12 主制御部
21 メインモニタ
25 外部記憶装置
31 画像処理回路
35 乱数発生器
36 通信インターフェイス
37 タイマ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
45 マイクロコンピュータ
101 ステーション
102 副制御部
113 サブモニタ
114 タッチパネル
121 サブモニタ駆動回路
122 タッチパネル駆動回路
125 通信インターフェイス
126 タイマ
131 CPU
132 RAM
133 ROM
135 マイクロコンピュータ
311 プログラムROM
312 画像ROM
313 画像制御CPU
315 画像データプロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の表示が可能な画像表示装置と、
複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースゲームに出場する競争対象に対するベットを入力することが可能なベット入力装置と、
下記(A)〜(G)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラと
を備えることを特徴とするゲーム装置。
(A)前記ベット入力装置からのベットを受け付ける処理、
(B)前記レースゲームを進行する処理、
(C)前記レースゲームの進行に応じた演出画像を表示する処理、
(D)前記レースゲームに出場する前記競争対象の順位を決定する処理、
(E)前記処理(A)により受け付けたベットと、前記処理(D)により決定された前記競争対象の順位とに基づいて通常配当を付与する処理、
(F)前記処理(E)により付与される前記通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定する処理、及び、
(G)前記処理(F)により前記特別配当を付与すると決定された場合に、前記演出画像の少なくとも一部を前記画像表示装置に拡大して表示する処理。
【請求項2】
前記処理(G)は、
(G−1)前記処理(C)により、少なくとも一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像を前記画像表示装置に表示した後に、該ゴール画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した写真判定画像を前記画像表示装置に表示する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記処理(G)は、
前記処理(F)により前記特別配当を付与すると決定された場合、
(G−2)前記処理(C)により前記ゴール画像を前記画像表示装置に表示した後に、前記写真判定画像を前記画像表示装置に表示する処理、及び、
(G−3)前記写真判定画像を前記画像表示装置に表示した後に、前記処理(D)により決定された前記競争対象の順位を示す画像を前記画像表示装置に表示する処理
を実行する一方、
前記処理(F)により前記特別配当を付与すると決定されなかった場合、
(G−4)前記処理(C)により前記ゴール画像を前記画像表示装置に表示した後に、前記処理(D)により決定された前記競争対象の順位を示す画像を前記画像表示装置に表示する処理
を実行することを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記処理(G)は、
(G−5)前記特別配当が付与されることを示す画像を前記画像表示装置に表示する処理を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
(A)複数の競争対象が互いに順位を競い合うレースゲームに出場する競争対象に対するベットを入力することが可能なベット入力装置からのベットを受け付ける段階、
(B)前記レースゲームを進行する段階、
(C)前記レースゲームの進行に応じた演出画像を表示する段階、
(D)前記レースゲームに出場する前記競争対象の順位を決定する段階、
(E)前記段階(A)により受け付けたベットと、前記段階(D)により決定された前記競争対象の順位とに基づいて通常配当を付与する段階、
(F)前記段階(E)により付与される前記通常配当とは異なる特別配当を付与するか否かを決定する段階、及び、
(G)前記段階(F)により前記特別配当を付与すると決定された場合に、前記演出画像の少なくとも一部を画像の表示が可能な画像表示装置に拡大して表示する段階
を含むことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項6】
前記段階(G)は、
(G−1)前記段階(C)により、少なくとも一着の競争対象がゴールする様子を示すゴール画像を前記画像表示装置に表示した後に、該ゴール画像の少なくとも一着の競争対象を含む部分を拡大した写真判定画像を前記画像表示装置に表示する段階を含むことを特徴とする請求項5に記載のゲーム制御方法。
【請求項7】
前記段階(G)は、
前記段階(F)により前記特別配当を付与すると決定された場合、
(G−2)前記段階(C)により前記ゴール画像を前記画像表示装置に表示した後に、前記写真判定画像を前記画像表示装置に表示する段階、及び、
(G−3)前記写真判定画像を前記画像表示装置に表示した後に、前記段階(D)により決定された前記競争対象の順位を示す画像を前記画像表示装置に表示する段階
を実行する一方、
前記段階(F)により前記特別配当を付与すると決定されなかった場合、
(G−4)前記段階(C)により前記ゴール画像を前記画像表示装置に表示した後に、前記段階(D)により決定された前記競争対象の順位を示す画像を前記画像表示装置に表示する段階
を実行することを特徴とする請求項6に記載のゲーム制御方法。
【請求項8】
前記段階(G)は、
(G−5)前記特別配当が付与されることを示す画像を前記画像表示装置に表示する段階を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1に記載のゲーム制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−45352(P2009−45352A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216231(P2007−216231)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】