説明

複数の離散型伸長要素を備える有色ウェブ材料

複数の離散型伸長要素を備える有色ウェブ材料。有色ウェブ材料は、材料それ自体に組み込まれた着色剤、又は、ウェブ材料の少なくとも1つの表面上に配置された着色剤を含む。離散型伸長要素は、離散型伸長要素の、遠位端に、及び/又は、側壁に沿って、薄化部分を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有する。一実施形態では、有色ウェブ材料は、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の伸長要素を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の離散型伸長要素を備える有色ウェブに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性フィルムなどのウェブ材料は、吸収性物品(トップシート及びバックシートなど)、包装(かぶせ形式上包み、収縮包装及びポリバッグなど)、ゴミ袋、食品包装、デンタルフロス、拭き取り用品、電子部品及びこれらに類するものといった様々な用途を有する。ウェブ材料のこれらの用途の多くにとって、ウェブ材料が、望ましい感触、視覚的印象及び/又は聴覚的印象などの審美的に好ましい特徴を有することは有益であり得る。
【0003】
ウェブ材料は、ウェブ材料の中に直接組み込むか又はウェブ材料の表面上に印刷するかのいずれかで着色剤を添加し、審美的に好ましい図形を作製して、ウェブ材料の外観を改善することによって、より審美的に好ましいものになってきている。しかしながら、この手法は典型的には、ウェブ材料の感触又は音響特性を改善しない。
【0004】
他のウェブ材料は、マイクロテクスチャをウェブ材料に加えるために加工されてきており、これはウェブ材料の感触を改善することができ、並びに/又は、ウェブ材料の光沢を低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当該技術分野において既知ではあるものの、望ましい感触、視覚的印象及び/又は聴覚的印象を有するより審美的に好ましいウェブ材料、特に、ウェブの望ましい領域内に薄化を呈する複数の離散型伸長要素を備えるウェブ材料、を開発する欲求が存在したままである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、感触、視覚的印象及び/又は聴覚的印象などの望ましい審美性を提供するために、複数の離散型伸長要素を備える有色ウェブ材料に関する。
【0007】
一実施形態では、本発明は、有色ウェブ材料の少なくとも1つの表面上に位置する着色剤を含む有色ウェブ材料を包含し、有色ウェブ材料は複数の離散型伸長要素を備える。離散型伸長要素は、開口近位端と、開口又は閉口遠位端と、側壁と、を備える。有色ウェブ材料の離散型伸長要素は、離散型伸長要素の遠位端に、及び/又は、離散型伸長要素の側壁に沿って、薄化部分を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有する。一実施形態では、有色ウェブ材料は、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の伸長要素を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有する。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、第一ウェブ材料と第二ウェブ材料とを備える多層有色ウェブ材料を包含し、ウェブ材料のうちの少なくとも1つはその中に組み込まれた着色剤を含み、多層ウェブは複数の離散型伸長要素を備える。多層有色ウェブ材料の離散型伸長要素は、開口近位端と、開口又は閉口遠位端と、側壁と、を備える。離散型伸長要素は、離散型伸長要素の遠位端に、及び/又は、離散型伸長要素の側壁に沿って、薄化部分を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有する。一実施形態では、多層ウェブは、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の伸長要素を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、第一ウェブ材料と第二ウェブ材料とを備える多層有色ウェブ材料を包含し、第一ウェブ材料は着色剤を含まず、第二ウェブ材料は不透明であり、多層ウェブは複数の離散型伸長要素を備える。多層有色ウェブ材料の離散型伸長要素は、開口近位端と、開口又は閉口遠位端と、側壁と、を備える。離散型伸長要素は、離散型伸長要素の遠位端に、及び/又は、離散型伸長要素の側壁に沿って、薄化部分を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有する。一実施形態では、多層ウェブは、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の伸長要素を備える。一実施形態では、離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本特許又は出願書類は、少なくとも1つのカラー印刷された図面又は写真を含有する。カラー図面又はカラー写真を備える、本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されるであろう。
【図1】本発明の有色ウェブ材料の一部の斜視図。
【図2】本発明の有色ウェブ材料の一部の断面図。
【図3】本発明の有色ウェブ材料の一部の斜視図。
【図4】本発明の有色ウェブ材料の上面を示す顕微鏡写真。
【図5】本発明の有色ウェブ材料の一部の断面図を示す顕微鏡写真。
【図6】本発明の有色ウェブ材料の一部の斜視図。
【図7A】本発明の未伸張状態の真珠光沢フィルム前駆体ウェブの上面図。
【図7B】本発明の伸張状態の真珠光沢フィルム前駆体ウェブの上面図。
【図8A】図7Aの未伸張状態の真珠光沢フィルム前駆体ウェブの一部の断面を示す顕微鏡写真。
【図8B】図7Bの伸張状態の真珠光沢フィルム前駆体ウェブの一部の断面を示す顕微鏡写真。
【図9】本発明の有色ウェブを作製するための連続プロセスの略図。
【図10】本発明の有色ウェブを製造するのに好適な成形構造体の一部の写真。
【図11】本発明の有色ウェブを製造するのに好適な成形構造体の隆起要素の側面を示す顕微鏡写真。
【図12】本発明の有色ウェブの一部の写真。
【図13】閉口遠位端を有する伸長要素を示す本発明の有色ウェブの一部の顕微鏡写真。
【図14】開口遠位端を有する伸長要素を示す本発明の有色ウェブの一部の顕微鏡写真。
【図15】本発明の有色ウェブを製造するのに好適な成形構造体の隆起要素の側面を示す顕微鏡写真。
【図16】婦人衛生パッド用外側包装材料として使用される本発明の有色ウェブの写真。
【図17】婦人衛生パッド用外側包装材料として使用される本発明の有色ウェブの写真。
【図18】本発明の有色ウェブの一部の上面を示す顕微鏡写真。
【図19】図18の有色ウェブの一部の断面を示す顕微鏡写真。
【図20】本発明の有色ウェブの一部の写真。
【図21】図20の有色ウェブの一部の更なる拡大写真。
【図22】図20の有色ウェブの一部の上面の顕微鏡写真。
【図23】図22の有色ウェブの一部の側面の顕微鏡写真。
【図24】本発明の有色ウェブの写真。
【図25】本発明の有色ウェブを製造するのに好適な成形構造体の一部の写真。
【図26】本発明の有色ウェブの写真。
【図27】図26の有色ウェブの更なる拡大写真。
【図28】図27の有色ウェブの更なる拡大写真。
【図29】本発明の有色ウェブの写真。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、複数の離散型伸長要素と、ウェブ材料の1つ以上の層に組み込まれた着色剤、又は、ウェブ材料の表面上に配置された着色剤を備え、有色ウェブを包含する。本発明は、複数の離散型伸長要素を備える多層ウェブ材料を更に包含し、ウェブ材料の層は、異なる屈折特性を有するポリマーから作製される。本発明は、構造色を呈すると共に、複数の離散型伸長要素を備えるウェブ材料を更に包含し、ウェブ材料はその中に組み込まれた干渉顔料を含む。
【0012】
複数の離散型伸長要素を備える有色ウェブ
本発明の有色ウェブ材料は前駆体ウェブ材料から作製され、前駆体ウェブ材料は下記のプロセスに従って処理されて、本発明の有色ウェブ材料を形成する。
【0013】
本発明の有色ウェブ材料は、単層ウェブ材料又は多層ウェブ材料を含むことができる。
【0014】
一実施形態では、本発明のウェブは、ウェブの片面又は両面の上に配置された着色剤を有する単層熱可塑性フィルムなどの単層ウェブを含む。着色剤は、インクジェット印刷、フレキソ印刷、輪転グラビア、石板印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、パッド印刷及びこれらに類するものなどの当該技術分野において既知の多数のプロセスを介してウェブの表面上に配置することができる。
【0015】
一実施形態では、本発明のウェブは多層ウェブを含み、多層ウェブの少なくとも1つの層は着色剤を含む。ウェブが熱可塑性フィルムである場合には、着色剤は、熱可塑性フィルムを作製するために使用されるポリマー樹脂と共に共押出することができる。
【0016】
一実施形態では、本発明のウェブは多層ウェブを含み、第一層は、第一屈折特性を有するポリマーを含み、第二層は、第二屈折特性を有するポリマーを含み、第一及び第二屈折特性は異なる。このような多層ウェブ材料は、数百層を含むことができる。
【0017】
前駆体ウェブは、様々な所望の構造的特徴及び特性(所望の柔らかい手触り及び審美的に好ましい視覚的外観など)を有することができる三次元有色ウェブを形成するために、加工される。下記のように、本発明の有色ウェブを形成するために、多様なプロセスを利用することができる。
【0018】
一実施形態では、本明細書に記載のプロセスから得られるウェブは、米国特許第7,402,723号及び同第7,521,588号に詳細に記載されているものと同様の伸長要素を備えることができる。
【0019】
本発明の有色ウェブ材料は、典型的には、開口近位端と開口又は閉口遠位端とを備える離散型伸長要素を備える。離散型伸長要素は、離散型伸長要素の遠位端に、及び/又は、離散型伸長要素の側壁に沿って、薄化を呈することができる。多層前駆体ウェブについては、離散型伸長要素の遠位端における及び/又は側壁に沿った有色ウェブ材料の薄化により、薄化しているウェブの領域において、ウェブの底層の色は最上層を通してより視認可能になり、最上層の色は底層を通してより視認可能になる。前駆体ウェブの少なくとも1つの表面上に位置する着色剤を含む単層前駆体ウェブについては、離散型伸長要素の遠位端における及び/又は側壁に沿った有色ウェブ材料の薄化により、前駆体ウェブの表面上に配置された着色剤も薄くなるか又は断裂することが可能になり、その結果、前駆体ウェブの単層の色は、着色剤が薄くなっている又は断裂しているウェブの領域において、より視認可能になる。このことにより、離散型伸長要素により有色ウェブに形成された特定のパターンを強調する有色ウェブの視覚的審美性における対照を提供することができ、審美的に好ましいウェブ材料を作り出すことができる。
【0020】
異なる屈折率を有するポリマーから作製される層を含む多層ウェブ材料の離散型伸長要素を薄化することにより、薄化領域において各層の屈折特性を変えることができ、これはウェブの視覚的印象を変え、離散型伸長要素により作り出されるパターンを強調するのに役立つことができる。更に、三次元トポグラフィーは、このような多層ウェブ材料の角度依存性に起因して、伸長要素の見かけの色を異なるものにする。それゆえに、伸長要素の遠位端における及び/又は側壁に沿った薄化がない場合でも、伸長要素から生じる三次元トポグラフィーは、見かけの色変化の視覚的効果を生じることができる。
【0021】
多層ウェブの特定の実施形態では、下位層(例えば、底層)は、上位層(例えば、最上層)を通過して伸長しない。この態様では、特に、離散型伸長要素の遠位端が閉口である実施形態では、上位/最上層は、分断又は破壊されず、連続性を維持する。
【0022】
図1は、三次元有色ウェブ18の一実施形態の部分図である。三次元有色ウェブ18は前駆体ウェブから製造され、これは、下記のような、単層のウェブ材料、又は多層の共押出伸長若しくは積層ウェブ材料であることができる。図1に示すように、前駆体ウェブは、第一層20と第二層22を含む二層積層フィルムである。多層ウェブ材料の一方又は両方の層は、着色剤を含むことができる。多層フィルム材料は、表面薄層を含むフィルムを包含する積層フィルムを作製するために当該技術分野において既知のように共押出成形されてもよい。
【0023】
図1は、有色ウェブ18が複数の離散型伸長要素24を備えることを更に示す。離散型伸長要素24は、通常はウェブの第一表面上に、ウェブの隆起した伸長部として形成される。有色ウェブを形成するために使用される成形構造体に依存して、離散型伸長要素は、ウェブの両面から伸長してもよい。有色ウェブ18上の離散型伸長要素24の数、寸法及び分布は、所望される柔らかい感触、音響効果及び視覚的効果に基づいて、予め定めることができる。使い捨て吸収性物品におけるトップシート、バックシート若しくは剥離紙包装材料又は包装などの用途については、離散型伸長要素24は有色ウェブ18の一方の表面からのみ隆起することが所望され得る。それゆえに、有色ウェブ18が使い捨て吸収性物品においてトップシートとして使用される場合、有色ウェブ18は、離散型伸長要素24が非常に柔らかい印象で皮膚に接触するように配置することができる。更に、閉口遠位端26を有する離散型伸長要素24により、再湿潤は減少する、すなわち、トップシートの開口から下部の吸収層に最初に通過した後にトップシートの表面に再導入される流体の量は減少することができる(マクロ開口などの開口が本明細書の図に示されていないことに留意されたい)。
【0024】
図2は、本発明の有色ウェブ18の一実施形態の一部の断面図である。図2に示すように、離散型伸長要素24は、有色ウェブ18の第一表面28から隆起しているものとして述べることができる。このように、離散型伸長要素24は、前駆体ウェブ30と一体であり、前駆体ウェブ30の恒久的局所塑性変形により形成されるものとして述べることができる。離散型伸長要素24は、開口近位部34及び閉口又は開口遠位端26を画定する側壁32を有するものして述べることができる。離散型伸長要素24は各々、隣接する伸長要素間の最小振幅Aminから閉口又は開口遠位端26における最大振幅Amaxまでで測定される高さhを有する。離散型伸長要素は直径dを有し、これは、ほぼ円筒形の構造について、横方向断面での外径である。「横方向」は、第一表面28の平面にほぼ平行であることを意味する。不均一な横方向断面を有するほぼ円柱状の離散型伸長要素、及び/又は、離散型伸長要素の非円筒形構造について、直径dは、図2に示すように、離散型伸長要素の高さhの1/2における平均横方向断面寸法として測定される。したがって、離散型伸長要素24について、h/dとして定義されるアスペクト比を決定することができる。離散型伸長要素24は、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、少なくとも約0.75、少なくとも約1、少なくとも約1.5又は少なくとも約2のアスペクト比h/dを有することができる。離散型伸長要素24は、典型的には、少なくとも約30マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約65マイクロメートル、少なくとも約80マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約120マイクロメートル、少なくとも約150マイクロメートル又は少なくとも約200マイクロメートルの高さhを有する。離散型伸長要素24は、典型的には、約50マイクロメートル〜約5,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約3,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約65マイクロメートル〜約300マイクロメートル又は約75マイクロメートル〜約200マイクロメートルの直径dを有する。一実施形態では、成形構造体10の離散型隆起要素15は、約500マイクロメートル未満の直径を有する。
【0025】
ほぼ非円柱状又は不規則性形状を有する離散型伸長要素について、離散型伸長要素の直径は、高さの1/2で離散型伸長要素の旋回半径の2倍として定義することができる。
【0026】
ウェブ材料全体にわたって縦方向に伸長し、その結果、伸長要素が、開口である伸長要素の側壁の一部を有する、凸部などの形状を有する離散型伸長要素について、離散型伸長要素の直径は、高さの1/2での伸長要素の2つの対向する側壁の間の平均最小幅として定義することができる。図3は、凸形状である離散型伸長要素を備える有色ウェブを示し、離散型伸長要素は、高さhの1/2で測定された直径dを有する。
【0027】
一般に、任意の個別の離散型伸長要素24の実際の高さhは決定することが困難であるため、並びに、実際の高さは変動し得るため、複数の離散型伸長要素の平均高さhavgが、有色ウェブ18の所定の領域にわたって平均最小振幅Amin及び平均最大振幅Amaxを決定することにより、決定することができる。このような平均高さhpavgは、典型的には、上記の高さの範囲内に収まる。同様に、様々な断面寸法に関し、平均直径davgを複数の離散型伸長要素24について決定することができる。このような平均直径davgは、上記の直径の範囲内に収まる。このような振幅及び他の寸法測定値は、コンピューターを使用した走査顕微鏡及びデータ処理によるといった当該技術分野において既知の任意の方法で割り出すことができる。それゆえに、有色ウェブ18の所定の部分についての離散型伸長要素24の平均アスペクト比ARavgは、havg/davgとして表すことができる。
【0028】
特定の実施形態では、離散型伸長要素の高さは、下記のように異なる色又は色相を作り出すために、変動させることができる。例えば、離散型伸長要素は、隣接する伸長要素と比較したときに、段階的に増加又は減少する高さを有することができ、これにより、滑らかな色勾配を作り出すことができる。あるいは、隣接する伸長要素又は伸長要素の隣接区域は、高さをより急激に変えることができ、これにより色外観に急激な違いを作り出すことができる。
【0029】
一実施形態では、離散型伸長要素24の直径は一定であるか、又は、振幅の増加と共に減少する(振幅は増加して閉口又は開口遠位端26にて最大になる)。図2に示すように、例えば、離散型伸長要素24の直径又は平均横方向断面寸法は、近位部34にて最大であることができ、横方向断面寸法は遠位端26に向かって一定減少する。
【0030】
一実施形態では、離散型伸長要素は、米国特許第4,846,821号に記載のものなどの離散型のキノコ状表面段差であることができる。
【0031】
図2に示すように、前駆体ウェブ30の薄化は、高いアスペクト比の離散型伸長要素24を形成するために必要とされる比較的深い絞りに起因して、生じる。例えば、薄化は、閉口又は開口遠位端26にて、及び/又は、側壁32に沿って、観察することができる。「観察される」とは、拡大断面図で見た場合に、薄化が明瞭であることを意味する。
【0032】
このような薄化は、接触されたときに薄化部分が圧縮又は剪断にほとんど抵抗を示さないことから、柔軟性の観点からは有益であり得る。例えば、人が有色ウェブ18の離散型伸長要素24を呈している側に触れた場合に、その人の指先はまず、離散型伸長要素24の閉口又は開口遠位端26に接触する。離散型伸長要素24の高いアスペクト比、並びに、遠位端26にて又はその近くで前駆体ウェブ30の壁が薄化することに起因して、離散型伸長要素24は、人の指により有色ウェブ上に付与される圧縮又は剪断にほとんど抵抗を示さない。この抵抗の欠失は、ベロア布地の感触に酷似した柔軟な感触に関係する。
【0033】
このような薄化はまた、薄化領域が薄化していない領域とは異なる視覚的印象を提供できるので、視覚的印象の見地からも有益であることができる。例えば、本発明の前駆体ウェブが二層ウェブであり、最上層と底層が各々異なる着色剤を含み、それゆえに異なる色を呈する場合には、薄化により、有色ウェブの最上面を見た際に底層の色が、より視認可能になる。例えば、これにより、底層が白色又は黒色である場合に、それぞれ、離散型伸長要素を明るく又は暗くすることができる。あるいは、これは、異なる区域における薄化の程度に依存して、新たな異なる色又は色の組み合わせの伸長要素を作り出すことができ、例えば、青い最上層と黄色の底層を含む二層前駆体フィルムは、緑の伸長要素を作り出すことができる。色変化は、薄化領域における伸長要素の外側及び内側の両方において影響を受ける。前駆体ウェブが交互の層で異なる屈折率を有する多層ウェブである場合(例えば、真珠光沢フィルム)、薄化は、青方偏移を生じることができ、あるいは、おそらくは有色前駆体ウェブを無色の伸長要素を有するウェブに転移させることさえできる。これは、有色ウェブの離散型伸長要素により作り出されるパターンを強調できる独特の視覚効果を提供する点で重要であり得る。
【0034】
閉口又は開口遠位端26における及び/又は側壁32に沿った前駆体ウェブの薄化は、前駆体ウェブの厚さに関して、又は、着色ウェブの離散型伸長要素を完全に包囲する土台部分領域の厚さに関して、測定することができる。前駆体ウェブは、典型的には、前駆体ウェブの厚さに関して、少なくとも約25%、少なくとも約50%又は少なくとも約75%の薄化を呈する。前駆体ウェブは、典型的には、有色ウェブの離散型伸長要素を包囲する土台部分領域の厚さに関して、少なくとも約25%、少なくとも約50%又は少なくとも約75%の薄化を呈する。
【0035】
本明細書に開示されているような離散型伸長要素のみを有し、巨視的開口又は開口遠位端を有する離散型伸長要素を有さない流体不浸透性ウェブは、流体浸透性が必要とされない任意の用途に柔軟性を提供することができることに留意すべきである。開口遠位端はまた、例えば、通気包装用途などの通気又は空気若しくは液体の通路を必要とする用途に望ましいものであり得る。したがって、本発明の一実施形態では、本発明は、その少なくとも1つの表面上に柔らかく絹のような触感を呈する有色ウェブとして述べることができ、有色ウェブの絹のような感触の表面は離散型伸長要素のパターンを呈し、離散型伸長要素の各々は、ウェブ表面の隆起伸長であり、開口近位部と閉口又は開口遠位端とを画定する側壁を有し、離散型伸長要素は、開口近位部にて又はその近くで最大横方向断面寸法を有する。
【0036】
本発明の有色ウェブはまた、改善された音響効果を呈することができる。例えば、制御又は手動操作される場合、有色ウェブは、前駆体ウェブと比較して、小さな音を作り出す。
【0037】
離散型伸長要素の「領域密度」は、第一表面の単位面積当たりの離散型伸長要素の数であり、最適化することができ、有色ウェブは、典型的には、1平方センチメートル当たり約4〜約10,000個、約95〜約10,000個、約240〜約10,000個、約350〜約10,000個、約500〜約5,000個又は約700〜約3,000個の離散型伸長要素を備える。所定の領域における離散型伸長要素の数を決定することに関し、サンプル領域が特定の離散型伸長要素の一部のみを備える場合には、その特定の離散型伸長要素は、所定の領域内の離散型伸長要素の計数に含まれる。
【0038】
一般に、中心間離間距離は、(所望であれば)流体の保持を最小化するために、又は、(所望であれば)物質を捕捉するために、適切な触感について最適化することができる。隣接する離散型伸長要素同士の中心間離間距離は、約100マイクロメートル〜約5,000マイクロメートル、約100マイクロメートル〜約1,020マイクロメートル、約100マイクロメートル〜約640マイクロメートル、約150マイクロメートル〜約500マイクロメートル又は約180マイクロメートル〜約430マイクロメートルであることができる。
【0039】
図4は、土台部分領域36により完全に包囲された複数の離散型伸長要素24を備える本発明の有色ウェブ18の一実施形態の上面の顕微鏡写真である。
【0040】
図5は、有色ウェブの離散型伸長要素の断面を含む本発明の有色ウェブの一実施形態の断面の顕微鏡写真である。
【0041】
図6は、複数の離散型伸長要素24を備える本発明の有色ウェブ18の一実施形態を示し、離散型伸長要素24は、開口遠位端26と開口近位部34とを有する。
【0042】
有色又は半透明ウェブは、例えば、流体が有色又は半透明ウェブを貫流できるようにする大きな開口を更に備えることができる。このような大きな開口の寸法は、約0.5平方mm〜約5平方mmの範囲であることができる。好適なマクロ開口の例は、米国特許出願公開第2008/0138574(A1)号、並びに、米国特許第7,521,588号第7段11〜47行及び図6に記載されている。
【0043】
前駆体ウェブ
本発明の離散型伸長要素を複数備える有色ウェブは、様々な前駆体ウェブ材料から製造することができる。前駆体ウェブは、好ましくは下記のプロセスを利用して、複数の伸長要素を備える有色ウェブに変換される。好適な前駆体ウェブは、前駆体ウェブに対して印加される圧力及び成形構造体により変形することができる材料を含み、その結果、前駆体ウェブは、破裂有り又は無しで、本発明の有色ウェブを製造するための成形構造体のトポグラフィーに適合することができる。
【0044】
本発明の前駆体ウェブは、典型的には、合成材料、金属材料、生物学的材料(特に、動物由来材料)又はこれらの組み合わせを含む。前駆体ウェブは、所望により、セルロース系材料を含むことができる。一実施形態では、前駆体ウェブは、セルロース系材料を含まない。好適な前駆体ウェブの非限定例としては、高分子フィルム、金属箔(例えば、アルミニウム、真鍮、銅及びこれらに類するもの)、持続性ポリマーを含むウェブ、発泡体、合成繊維を含む繊維状不織布ウェブ(例えば、TYVEK(登録商標))、コラーゲンフィルム、キトサンフィルム、レーヨン、セロファン及びこれらに類するものが挙げられる。好適な前駆体ウェブとしては更に、これらの材料の積層体又はブレンドが挙げられる。
【0045】
前駆体が繊維ウェブである場合、繊維ウェブは典型的には高密度を有し、その結果、フィルム材と同様に機能する。このような高密度繊維ウェブの一例は、TYVEK(登録商標)である。
【0046】
一実施形態では、前駆体ウェブは高分子フィルムである。好適な高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、TEFLON)又はこれらの組み合わせなどの熱可塑性フィルムが挙げられる。好適な高分子フィルムは、ポリマーのブレンド又は混合物を含むことができる。
【0047】
特定の実施形態では、前駆体ウェブは、ポリラクチド、ポリグリコシド、ポリヒドロキシアルカノエート、多糖、ポリカプロラクトン及びこれらに類するもの及びこれらの混合物などの持続性ポリマーを含むウェブであることができる。
【0048】
本発明の有色ウェブ材料に加工される前、前駆体ウェブの厚さは、典型的には、約5マイクロメートル〜約150マイクロメートル、約8マイクロメートル〜約100マイクロメートル、又は約10マイクロメートル〜約80マイクロメートルの範囲である。
【0049】
所望により、前駆体ウェブは、本発明の有色ウェブに加工する前に、弾性率を低下させるために、及び/又は、脆くないようにするために、可塑化してもよい。
【0050】
一実施形態では、前駆体ウェブは、ひずみ硬化する。前駆体ウェブのひずみ硬化特性は、本発明のプロセスにおいて前駆体ウェブが成形構造体の離散型隆起要素に適合するのを促進するために望ましいものであり得る。これは、有色ウェブを製造するために好ましいものであることができ、有色ウェブの伸長要素の閉口遠位端が所望される。
【0051】
前駆体ウェブは、本発明のエンボス加工プロセスにより本明細書に記載の有色ウェブに形成するのに十分な材料特性を有する高分子フィルムなどの任意の材料であることができる。前駆体ウェブは典型的には降伏点を有し、前駆体ウェブは、好ましくは、有色ウェブを形成するために、本発明のプロセスによりその降伏点を超えて伸張される。すなわち、前駆体ウェブは、所望の閉口遠位端を有する離散型伸長要素を製造するために、ある範囲まで破裂なしに前駆体ウェブがひずむことができるように、又は、開口遠位端を備える離散型伸長要素を備える有色ウェブの場合には、開口遠位端を形成するために破裂するように、十分な降伏特性を有すべきである。下記のように、温度及びひずみ速度などのプロセス条件は、所望の離散型伸長要素を備える本発明の有色ウェブを形成するために破裂有り又は無しで伸張させるべく、所定のポリマーによって変えることができる。それゆえに、いくつかの実施形態では、本発明のウェブを製造するための前駆体ウェブとして使用するのに好ましい出発物質は、低い降伏特性と高い伸長特性を呈することが判明している。更に、先に述べたように、前駆体ウェブは、好ましくは、ひずみ硬化する。本発明のプロセスで前駆体ウェブとしての使用に好適なフィルムの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、及び、線状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド(LLDPE/LDPE)を含むフィルムが挙げられる。
【0052】
前駆体ウェブはまた、本発明の前駆体ウェブとして使用するために、十分に変形可能でなければならず、十分な延性を有するべきである。本明細書で使用するとき、用語「変形可能」は、その弾性限度を超えて伸張されると、その新しく形成された適合を実質的に維持し、並びに、得られた有色ウェブの離散型伸長要素の遠位端にて又はその近くにて薄化を実質的に呈する材料を示す。
【0053】
本発明の前駆体ウェブとしての使用に好適であることが判明している1つの材料は、The Dow Chemical Company(Midland,MI,USA)から入手可能なDOWLEX 2045Aポリエチレン樹脂である。20マイクロメートルの厚さを有するこの材料のフィルムは、少なくとも12MPaの引張降伏、少なくとも53MPaの極限引張、少なくとも635%の極限伸長及び少なくとも210MPaの引張係数(2%セカント)を有することができる(上記の各測定値は、ASTM D 882に従って決定される)。他の好適な前駆体ウェブとしては、RKW USから入手可能な約25マイクロメートル(1.0mil)の厚さであり、約24グラム毎平方メートル(「gsm」)の坪量を有するポリエチレンフィルム、及び、RKW USから入手可能な約14gsmの坪量及び約15マイクロメートルの厚さを有するポリエチレン/ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
【0054】
前駆体ウェブは、2つ以上のウェブの積層体であることができ、並びに、共押出積層体であることができる。例えば、前駆体ウェブは二層を含むことができ、並びに、前駆体ウェブは三層を含むことができ、最も内側の層はコア層と呼ばれ、2つの最も外側の層は表面薄層と呼ばれる。一実施形態では、前駆体ウェブは、全体の厚さが約25マイクロメートル(0.001インチ)である三層共押出積層体を含み、コア層の厚さは約18マイクロメートル(0.0007インチ)であり、各表面薄層の厚さは約3.5マイクロメートル(0.00015インチ)である。前駆体ウェブの厚さは、約15マイクロメートル、20マイクロメートル、25マイクロメートル、30マイクロメートル、35マイクロメートル、40マイクロメートル、45マイクロメートル又は60マイクロメートルであることができる。一実施形態では、層は、異なる応力ひずみ特性及び/又は弾性特性を有するポリマーを含むことができる。
【0055】
前駆体ウェブは、従来の共押出フィルム作製装置で多層フィルムを製造するための従来手順を用いて作製することができる。ブレンドを含む層が必要とされる場合には、上記構成成分のペレットは、まず乾燥ブレンドさせ、次にその層を供給する押出成形機で溶融混合することができる。あるいは、不十分な混合が押出成形機で生じる場合には、ペレットは、まず乾燥ブレンドさせ、次に予備化合押出成形機で溶融混合し、続いて、再ペレット化し、その後、フィルム押出成形することができる。前駆体ウェブを作製するのに好適な方法は、米国特許第5,520,875号及び同第6,228,462号に開示されている。
【0056】
一般に、有色ウェブ上の離散型伸長要素の高い領域密度(又は低い平均中心間離間距離又は低い平均端部間離間距離)を形成する能力は、前駆体ウェブの厚さにより制限することができる。例えば、一実施形態では、成形構造体の2つの隣接する離散型隆起要素の端部間離間距離は、成形構造体の隣接する離散型隆起要素間の適切かつ完全な三次元有色ウェブ形成を可能にするために、前駆体ウェブの厚さの約2倍を超えるべきである。更に、一実施形態では、成形構造体の複数の離散型隆起要素の平均高さと前駆体ウェブの厚さの比は、典型的には少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、少なくとも約4:1又は少なくとも約5:1である。同様に、凹部又は開口を有する成形構造体が本発明の有色ウェブを作製するために使用される場合、開口直径は、三次元有色ウェブを形成するために凹部又は開口に適合させるべく、前駆体ウェブの厚さの2倍を超えなければならない。
【0057】
特定の実施形態では、前駆体ウェブは、所望により、界面活性剤を更に含むことができる。利用される場合には、好ましい界面活性剤は、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、カルボン酸エステル、グリセロールエステル、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル、アビエチン酸に関連する脂肪族カルボン酸のポリオキシエチレンエステル、無水ソルビトールエステル、エトキシ化(etyhoxylated)無水ソルビトールエステル、エトキシ化天然脂肪、油及びワックス、脂肪酸のグリコールエステル、カルボン酸アミド、ジエタノールアミン縮合体及びポリアルキレンオキシドブロックコポリマーなどの非イオンファミリーからのものが挙げられる。本発明のために選択される界面活性剤の分子量は、約200グラム毎モル〜約10,000グラム毎モルの範囲であり得る。好ましい界面活性剤は、約300〜約1,000グラム毎モルの分子量を有する。
【0058】
利用される場合には、前駆体ウェブ中に最初にブレンドされる界面活性剤濃度は、前駆体ウェブ全体の最大10重量パーセントであることができる。好ましい分子量範囲(300〜1,000グラム/モル)の界面活性剤を低濃度で、通常は前駆体ウェブ全体の約5重量パーセント以下で、添加することができる。
【0059】
粒子状皮膚処理剤若しくは保護剤、又は、例えば、ゼオライトといった匂い吸収活性物質などの他の添加剤は、所望により、前駆体ウェブの1つ以上の層に添加することができる。いくつかの実施形態では、粒子状物質を含む有色ウェブは、皮膚接触用途に使用される場合には、活性物質を非常に直接的及び効率的な方法で皮膚に接触させることができる。特に、いくつかの実施形態では、離散型伸長要素の形成は、粒子状物質をその遠位端で又はその近くで曝露することができる。それゆえに、皮膚ケア剤などの活性物質は、有色ウェブが皮膚接触用途で使用された場合にこのような皮膚ケア剤との直接皮膚接触を可能にするために、離散型伸長要素の遠位端にて又はその近くにて局所化することができる。
【0060】
真珠光沢フィルムもまた、本発明の有色ウェブ材料に好適な前駆体ウェブであることができる。真珠光沢フィルムは、典型的には、第一屈折率を有する第一ポリマーを含む第一層と、第二屈折率を有する第二ポリマーを含む第二層と、を含む多層フィルムである。各層の異なるポリマーの異なる屈折率は、真珠光沢効果を生じる。いくつかの真珠光沢フィルムは、百を超える層を含み、各層は厚さがわずか数ナノメートルである。このような真珠光沢フィルムは、米国特許第3,711,176号及び同第5,451,449号に詳細が記載されている。好適な市販の真珠光沢フィルムは、BASFから商品名AURORA(登録商標)Special Effect Filmsで市販されている。
【0061】
本発明の有色ウェブを製造するために前駆体ウェブとして利用される真珠光沢フィルムは、特に興味を引く視覚効果を提供することができる独特の特性を有する。各層における各ポリマーの屈折特性及び真珠光沢フィルムの各層の厚さは、真珠光沢フィルムにより反射される光の波長を決定し、それゆえにフィルムは様々な色を呈する。本発明の有色ウェブを形成するために真珠光沢フィルムを加工すると、有色ウェブの伸長要素は、三次元トポグラフィー並びに/又は本発明の有色ウェブの伸長要素の遠位端における及び/若しくは側壁に沿ったフィルムの薄化に起因して、異なる色及び/又は視覚効果を呈する傾向を有する。
【0062】
一実施形態では、真珠光沢フィルムは、空気の層を含むことができる(例えば、前駆体ウェブ材料内の空隙)。このようなウェブ材料は、蝶の翅に自然に見られる構造を模倣することができ、翅構造内の空気の層は、ウェブ材料に真珠光沢外観を付与するのに十分な屈折特性の違いを提供する。
【0063】
真珠光沢フィルムの色は角度依存性であるので、伸長要素の三次元トポグラフィーは、フィルム層の薄化がほとんどない場合(例えば、約25%未満)でさえ、前駆体ウェブ及び離散型伸長要素の周りの土台部分領域と異なる視認可能な色を帯びる。
【0064】
既述のように、真珠光沢前駆体ウェブの外観は、本発明の有色ウェブの伸長要素を形成するときなど、ウェブに付与する薄化の程度により操作することができる。真珠光沢フィルムが反射光の光路長が約370nm〜約770nmの範囲(すなわち、可視光範囲)内に収まるような、厚さ及び屈折特性を有するとき、フィルムは知覚色を呈する。強化される反射色は、層厚さの波長の最大で約2倍の波長を有する。光がウェブを通して取る光路長は、視角依存性である。直接上から(すなわち、90度)見ると、光路長は最短となり、層の厚さの約2倍である。90度未満の角度から見ると、光路長はより長くなる。それゆえに、ウェブの所定の領域の厚さを変えることによりウェブの所定の領域内の知覚色を操作することが可能である。本発明の有色ウェブの薄化伸長要素を形成することは、伸長要素の領域に知覚色の変化を付与する。変化の程度は、ウェブの薄化の程度に依存し得る。
【0065】
図7A及び7Bは、特定の真珠光沢フィルムウェブであるAurora Special Effect Film IF 4781 Red Green 56における薄化の効果を示す。未伸張状態の真珠光沢フィルムは、暗色の背景の前であると緑色を呈し、明色の背景の前であると赤色を呈する。図7Aの真珠光沢フィルムウェブは、暗色の背景に対する未伸張状態で示されている。図7Aのフィルムウェブは、次に、幅25.4mm、長さ25.4mmのサンプルを2mm/秒の引張試験機で引張ることにより、伸張される。図7Bに示すように、伸張した真珠光沢フィルムウェブは、薄化していない第一領域と、いくらか薄化した第二領域と、更に薄化した第三領域と、を呈する。第一領域は、図7Aの未伸張状態のフィルムと同一の色を有する。第二領域は、未伸張状態のフィルムに対して視認可能な反射光の青方偏移を生じさせるのに十分に薄化している。第三領域は、十分に伸張した領域において無色であるような程度で薄化している。これは、反射光が可視領域外となるように真珠光沢フィルムウェブが薄化している結果である。すなわち、層の厚さは、最短の可視光波長の半分未満である。
【0066】
厚さの違いは、図8A(緑色を呈する未伸張状態の領域)及び8B(無色外観を呈する伸張状態の領域)に示される断面顕微鏡写真画像により更に例示される。図8Aは、図7Aに示されたフィルムの未伸張状態の有色領域の断面顕微鏡写真画像であり、約150ナノメートルの厚さである各層を有する。図8Bは、図7Bを参照しての、伸張状態の無色第三領域の断面顕微鏡写真画像であり、約80ナノメートルの厚さである各層を有する。
【0067】
別の実施形態では、真珠光沢前駆体ウェブは、最長の可視光波長の2倍を超える未伸張状態の層の厚さを有することができる。この場合、フィルムウェブは、最初は無色である。このようなフィルムウェブは、本発明の有色ウェブの伸長要素を形成するときのように、可視光波長に対して真珠光沢を有するような厚さに層を薄化するように、伸張させることができる。このとき、フィルムウェブは、薄化領域においてのみ有色になる。
【0068】
真珠光沢前駆体ウェブの一実施形態では、前駆体ウェブは、ポリエチレン製の外側層を含む。これは、ポリエチレン外側層を有さない真珠光沢前駆体ウェブと比較して、より柔らかな手触りを呈し、より静かである傾向を有し得る本発明の有色ウェブを提供する。
【0069】
前駆体ウェブはまた、所望により、充填剤、可塑剤及びこれらに類するものを含むことができる。
【0070】
着色剤
本明細書で使用するとき、用語「着色剤」は、一般に、顔料、レーキ、トーナー、染料、又は、材料に色を付与するために使用される他の作用剤を指す。
【0071】
本発明の有色ウェブ材料は、ウェブ材料それ自体の中に組み込まれる(例えば、共押出)か又はウェブ材料の少なくとも1つの表面上にコーティングされる着色剤を含む。
【0072】
本明細書で好適な顔料としては、無機顔料、パールエッセンス顔料、干渉顔料及びこれらに類するものが挙げられる。好適な顔料の非限定例としては、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、カーボンブラック、ウルトラマリン、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、シルクパウダー、結晶質セルロース、デンプン、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、オキシ塩化ビスマス及びこれらに類するものが挙げられる。
【0073】
干渉顔料は、典型的には、異なる屈折率を有する制御された厚さの2つ以上の層を含む粒子である。干渉顔料は、薄く及び板状であってよい粒子の異なる層からの、典型的には2つの、しかし場合によっては更に多くの光の反射の干渉により、特徴的な反射色を生ずることができる。本発明のために好適な干渉顔料の非限定例は、TiO、シリカ、酸化スズ、酸化鉄、及びこれらの混合物のフィルムで層状化された、天然又は合成の雲母、ボロシリケートガラス、シリカ、及びこれらの混合物からなるベース基材粒子を含み、それらの層の厚さは約50nm〜約300nmである。一実施形態では、干渉顔料は、粉末形態において巨視的に見たときに実質的に無色であり、フィルム層はTiOである。
【0074】
好適な干渉顔料は、例えば、Rona(Timiron(商標))、Sensient(Covapearl(商標))、Englehard(Flamenco(商標))、Kobo(KTZ Interval(商標)及びInterfine(商標))及びEckart(Prestige(商標))といった種々多様な供給元から市販されている。一実施形態では、干渉顔料は、個々の粒子の最も長い方向における平均直径が約5マイクロメートル〜約150マイクロメートル、あるいは約5マイクロメートル〜約25マイクロメートル、あるいは約10〜約20マイクロメートルである。
【0075】
本明細書で使用することができる一部の着色剤としては、D&C Yellow No.7、D&C Red No.36、FD&C Red No.3、FD&C Red No.4、D&C Orange No.4、D&C Red No.6、D&C Red No.34、FD&C Yellow No.6、D&C Red No.33、FD&C Yellow No.5、D&C Brown No.l、D&C Red No.17、FD&C Green No.3、D&C Blue No.4、D&C Yellow No.8、D&C Orange No.5、D&C Red No.22、D&C Red No.21、D&C Red No.28、D&C Orange No.11、D&C Yellow No.10、D&C Violet No.2、Ext.D&C Violet No.2、D&C Green No.6、D&C Green No.5、D&C Red No.30、D&C Green No.8、D&C Red No.7、FD&C Blue No.l、D&C Yellow No.7、D&C Red No.27、D&C Orange No.10、D&C Red No.31、FD&C Red No.40、D&C Yellow No.11、Aimatto抽出物、piカロチン、グアニン、カーマイン、アルミニウム粉末、ウルトラマリン、オキシ塩化ビスマス(例えば、BASFから商品名Mearlite(商標)で市販)、酸化クロム緑、水酸化クロム緑、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄、マンガンバイオレット、二酸化チタン、酸化亜鉛、カラメル着色料、雲母、フェロシアン化第二アンモニウム、ジヒドロキシアセトン、グアイアズレン、葉蝋石、青銅粉末、銅粉末、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ラクトファビン(lactofavin)、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、カプサンシン/カプソルビン、ベントナイト,硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、有色シリカ、茶色染料、Russet染料、Sienna染料及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な着色剤としては、リーフィング金属フレークインク及び非リーフィング金属フレークインクと呼ばれるものなどの金属インクが挙げられる。
【0076】
レーキは、固形希釈剤で伸ばされる若しくは薄められる顔料、又は、通常はアルミニウム水和物である吸着性表面上に水溶性染料を沈着させることによって調製される有機顔料のいずれかである。場合によっては、可溶性染料がアルミニウム水和物の表面上に沈殿して、無機顔料の着色を生じるかどうか、又は、基材の存在下で端に沈殿するだけであるかどうかに関して、不確実性が存在する。酸性染料又は塩基性染料からの不溶性の塩を沈着させてもレーキが形成される。本明細書ではカルシウムレーキ及びバリウムレーキも用いられる。
【0077】
所望の視覚効果に依存して、本発明の表面へ適用するための着色剤を選択する際に、可撓性インク又は不可撓性インクを利用することができる。非可撓性インクは、本発明の有色ウェブの形成時に伸長要素の領域において破砕する傾向を有する。これは、適用された着色剤の下にあるウェブの色が伸長要素の領域において強調される結果を生じる傾向を有する。一部の態様では、この効果は、望ましいものであり得る。後述の実施例7は、この効果を例示する。
【0078】
この効果が望ましくない他の態様では、本発明の有色ウェブの形成の際に伸長要素の領域で薄くなり得るが破砕し得ない可撓性インクを利用することができる。可撓性インクとしては、Sun Chemical(5020 Spring Grove Avenue,Cincinnati,Ohio 45232)から市販されているものが挙げられる。
【0079】
一実施形態では、本発明の多層ウェブの層のうちの1つは、黒色を有する。黒色層は、典型的には、異なる色を有する別の層と組み合わされる。黒色層は、本発明に従って前駆体ウェブに付与された三次元パターンを強調するための背景として、特に、伸長要素の遠位端にて又はその近くにて壁の薄化を呈する本発明のウェブ材料の伸長要素として、働くことができる(伸長要素の遠位端は、閉口であってもよく、又は開口であってもよい)。黒色層を提供するために、層は、典型的には、酸化鉄、カーボンブラック及びこれらに類するもの及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料を含む。一実施形態では、多層ウェブの層は、カーボンブラックを含む。黒色層の顔料濃度は、黒色層の約0.5重量%〜約50重量%、約1重量%〜約30重量%又は約2重量%〜約20重量%であり得る。下記の実施例1及び2は、このタイプの多層ウェブを示す。
【0080】
一実施形態では、本発明の多層ウェブの層のうちの1つは、白色を有する。白色層は、典型的には、異なる色を有する別の層と組み合わされる。白色層は、本発明に従って前駆体ウェブに付与された三次元パターンを強調するための背景として、特に、伸長要素の遠位端にて又はその近くにて壁の薄化を呈する本発明のウェブ材料の伸長要素として、働くことができる(伸長要素の遠位端は、閉口であってもよく、又は開口であってもよい)。白色層を提供するために、層は、典型的には、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク及びこれらに類するものからなる群から選択される顔料を含む。一実施形態では、多層ウェブの層は、二酸化チタンを含む。白色層の顔料濃度は、白色層の約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約10重量%又は約2重量%〜約6重量%であり得る。下記の実施例3は、このタイプの多層ウェブを示す。(ポリエチレンポリマーフィルム中の)ポリ乳酸などの、フィルムのポリマーに不混和性である他の材料はまた、不透明なものを作り出すのに使用することができる。
【0081】
一実施形態では、本発明の多層ウェブの層のうちの1つは、黒でも白でもない色を有する。このような有色層は、典型的には、黒又は白色である背景層と組み合わされる。一実施形態では、このような有色層は干渉顔料を含み、干渉顔料は、巨視的に三次元パターンを有する本発明のウェブ材料に組み込まれると、審美的に好ましい視覚効果を提供することができる。一実施形態では、干渉顔料は雲母であり、様々な色及び粒径で市販されている。有色ウェブ材料の層中の干渉顔料の濃度は、有色ウェブ材料の約1重量%〜約50重量%、約2重量%〜約25重量%又は約4重量%〜約15重量%であり得る。干渉顔料の粒径の範囲は、約5マイクロメートル〜約120マイクロメートル、約5マイクロメートル〜約60マイクロメートル又は約5マイクロメートル〜約25マイクロメートルであり得る。
【0082】
一実施形態では、着色剤は、凸版印刷、石版印刷、フレキソ印刷、グラビア、シルクスクリーン又はこれらに類するものなどのプロセスを介して前駆体ウェブの表面に適用される。典型的には、着色剤は、約1〜約20マイクロメートルの厚さまで表面に適用される。着色剤コーティングの厚さは、本発明の有色ウェブの伸長要素を形成することにより提供される視覚的印象に加えて、様々な視覚的印象を提供するために変えることができる。
【0083】
有色ウェブ材料を製造するためのプロセス
複数の離散型伸長要素を備える本発明のウェブ材料を製造するために、様々なプロセスを利用することができる。一般に、本発明のウェブ材料は、前駆体ウェブ及び成形構造体を提供すること、成形構造体上に前駆体ウェブを配置すること、前駆体ウェブと成形構造体に対して圧力を印加して、少なくとも部分的に前駆体ウェブを成形構造体のトポグラフィーに適合させて、本発明の有色ウェブ材料を形成することにより、製造される。前駆体ウェブに対して印加される圧力は、機械的エンボス加工、真空成形及び油圧成形などの当該技術分野において既知の様々なプロセスにより生じさせることができる。
【0084】
本発明のプロセスで有用な成形構造体は、複数の離散型隆起要素と、離散型隆起要素を完全に包囲する土台部分と、を備える。本発明の成形構造体の離散型隆起要素は、エンボス加工プロセスにおけるダイで使用される典型的なパターンに比較して、規模が小さい。成形構造体の離散型隆起要素はまた、比較的高いアスペクト比を有する。特性のこの組み合わせにより、本発明のプロセスは、前駆体ウェブを加熱することなく、また、高速においても、薄化遠位端を有する比較的高いアスペクト比の伸長要素を備える有色ウェブを製造することができる。
【0085】
成形構造体の離散型隆起要素は、ほぼ円柱状、又は、円形、楕円形、正方形、三角形、六角形、台形、凸部、ピラミッド、砂時計形及びこれらに類するもの及びこれらの組み合わせといった非円柱状などの様々な異なる形状からなることができる。離散型隆起要素は、様々な薄化の程度を有することができ、ある湾曲率を有することができる。隆起要素は、尖った点、丸まった点、平坦な点又はこれらの組み合わせを有することができる。様々な隆起要素、高さ、形状及び/又はパターンの組み合わせを有する成形構造体は、特に望ましい外観を有する本発明のウェブを製造することができる。
【0086】
成形構造体は、本発明の有色ウェブを作製するために必要な寸法を有する隆起要素を持たせるために成形できる任意の材料から作製することができ、成形構造体にかかる加工温度及び圧力範囲に対して寸法安定性である。破断しないように十分なひずみを破断点にて有する(すなわち、過度に脆くない)限り、比較的上背のある高いアスペクト比の隆起要素は、成形構造体の材料の弾性率が高いほど、良好な有色ウェブを形成することが判明している。
【0087】
一実施形態では、隆起要素は、成形構造体と一体化して作製される。すなわち、成形構造体は、材料を除去することによるか又は材料を構築することによるかのいずれかで、一体型構造として作製される。例えば、必要とされる比較的小さな規模の隆起要素を有する成形構造体は、化学エッチング、機械的エッチングによる、又は、放電加工機(EDM)若しくはレーザーなどの高エネルギー源を使用しての切除による、又は、電子ビーム(e−ビーム)による、又は、電解加工(ECM)による、といった材料の局所的選択性除去により作製することができる。一実施形態では、成形構造体は、米国特許第4,342,314号に記載のように、フォトエッチング積層プロセスにより、構築することができる。
【0088】
本発明の有色ウェブ材料を作製するために使用される成形構造体は、平板、ロール、ベルト、スリーブ又はこれらに類するものの形状であることができる。一実施形態では、成形構造は、ロールの形状である。
【0089】
好適な成形構造体の非限定例としては、米国特許仮出願第61/159,906号(2009年3月13日出願)、米国特許第7,521,588号及び第4,609,518号に記載のものが挙げられる。
【0090】
本発明の有色ウェブ材料を作製するために使用される成形構造体は、凹部又は開口を備えることができる。成形構造体が凹部又は開口を備える場合、前駆体ウェブは、成形構造体の凹部又は開口に投入することができ、その結果、離散型伸長要素は前駆体ウェブ内に形成することができる。
【0091】
本発明の有色ウェブ材料を作製するために使用される成形構造体は、離散型隆起要素を備えることができ、所望により凹部又は開口を更に備える。成形構造体が凹部又は開口を更に備える場合、前駆体ウェブは、成形構造体の凹部又は開口に投入することができ、その結果、離散型伸長要素は、成形構造の隆起要素により離散型隆起要素が形成される表面の反対側の前駆体ウェブの表面から伸長して、前駆体ウェブ内に形成することができる。結果として、二面有色ウェブを作り出すことができ、これは有色ウェブの各面上に異なるパターン又は寸法の伸長要素を有する。成形構造体及び前駆体ウェブに対して生じた圧力、並びに、成形構造体の隆起要素及び所望による凹部又は開口の幾何学的形状に依存して、有色ウェブの離散型伸長要素は、閉口又は開口遠位端を有することができる。
【0092】
本発明のウェブを作製するために使用される成形構造体は、米国特許第5,158,819号に記載のもののような、デザイン又はパターンを作製するための所定の配列で、離散型隆起要素及び/又は凹部若しくは開口を備えることができる。特定の領域は、離散型隆起要素及び/又は凹部若しくは開口を有さなくてもよい。離散型隆起要素及び/又は凹部若しくは開口は、所望により、伸長要素が様々な度合いの薄化を有するように、デザイン及び色勾配の両方を作り出すことができる様々な高さであることができる。
【0093】
凸部又は溝の形状の離散型隆起要素は、米国特許第5,567,376号に記載のもののような様々な位置で配列することができる。
【0094】
一実施形態では、隆起要素は、高さなどの様々な幾何形状を有することができ、これは、有色ウェブ材料の伸長要素の特定の色に影響を与えることができる。例えば、伸長要素は、数十又は数百の隣接する隆起要素の範囲で高さを段階的に上げることができ、その結果、有色材料は、このような隆起要素に対応する領域において色勾配を呈することができる。
【0095】
一実施形態では、本発明の有色ウェブを作製するために好適なプロセスは、本明細書に記載のように成形構造体を提供すること、適合基材を提供すること、並びに、成形構造体と適合基材との間に圧力を生じさせることを伴う。好適な適合基材は、米国特許仮出願第61/159,906号(2009年3月13日出願)に詳細に記載されている。プロセスは、成形構造体と適合基材との間に本明細書に記載されているような前駆体ウェブを提供すること更に伴う。成形構造体と適合基材との間の圧力は、有色ウェブを製造するために、前駆体ウェブを成形構造体に適合させるのに十分である。前駆体ウェブの成形構造体への適合は、生じる圧力及び成形構造体のトポグラフィーによって、部分的適合、実質的適合又は完全適合であることができる。理論に束縛されるものではないが、開口遠位端は、前駆体ウェブを成形構造体の隆起要素に適合させながら前駆体ウェブを局所的に破裂させることによって、本発明のプロセスにより形成することができると考えられる。このようなプロセスは、米国特許仮出願第61/159,906号(2009年3月13日出願)に詳細に記載されている。
【0096】
本発明の有色ウェブ材料を製造するための他の好適なプロセスとしては、油圧成形プロセスとして典型的に説明されるプロセスが挙げられる。油圧成形プロセスの非限定例は、米国特許第4,609,518号及び同第4,846,821号に詳細に記載されている。本明細書に記載されているような成形構造体及び前駆体ウェブは、本発明の有色ウェブ材料を製造するためのこのような油圧成形プロセスにおいて利用することができる。
【0097】
本発明の有色ウェブ材料を製造するための他の好適なプロセスとしては、真空成形プロセスとして典型的に説明されるプロセスが更に挙げられる。真空成形プロセスの非限定例は、米国特許第4,456,570号及び同第4,151,240号、並びに、米国特許出願公開第2004/0119207(A1)号に詳細に記載されている。本明細書に記載されているような成形構造体及び前駆体ウェブは、本発明の有色ウェブ材料を製造するためのこのような真空成形プロセスにおいて利用することができる。
【0098】
本発明の有色ウェブを形成するために前駆体ウェブの恒久的変形を得るには、前駆体ウェブは、典型的には、前駆体ウェブの降伏点を超えて所定のプロセスにより伸張される。
【0099】
本発明のプロセスは、バッチプロセス又は連続プロセスであることができる。
【0100】
連続プロセスは、巻き出され、成形構造体と適合基材との間に供給される前駆体ウェブのロールを提供することを伴うことができ、成形構造体及び適合基材の各々はロールの形状であることができる。図9は、本発明の連続プロセスの一実施形態を示し、前駆体ウェブ30は、成形構造体ロール8及び適合基材ロール38との間に供給される。適合基材ロール38は、スチールロールなどの剛性ロール40を備え、これは適合材料42で被覆されている。適合材料42は、約3mmの厚さTを有する。前駆体ウェブが成形構造体ロール8と適合基材ロール38との間を通過すると、有色ウェブ18が形成される。このようなプロセスは、米国特許仮出願第61/159,906号(2009年3月13日出願)に詳細に記載されている。
【0101】
本発明の有色ウェブを作製するためのプロセスは、典型的には、比較的短い滞留時間を伴う。本明細書で使用するとき、用語「滞留時間」は、圧力が前駆体ウェブの所定の部分に印加される時間量を指し、通常、前駆体ウェブの所定の部分が成形構造体の上に位置したまま過ごす時間量を指す。本発明の有色ウェブを作製するプロセスに関しては、圧力は、典型的には、約5秒未満、約1秒未満、約0.01秒未満、約0.005秒未満又は約0.002秒未満の滞留時間にわたって前駆体ウェブに印加される。例えば、滞留時間は、約0.5ミリ秒〜約50ミリ秒であることができる。このような比較的短い滞留時間であっても、有色ウェブは、本明細書に記載の望ましい構造特徴を有した状態で製造することができる。結果として、本発明のプロセスは、有色ウェブの高速製造を可能とする。
【0102】
本発明の有色ウェブの作製のためのプロセスに関し、特に連続プロセスについては、前駆体ウェブは、成形構造体に対して少なくとも約0.01メートル毎秒、少なくとも約1メートル毎秒、少なくとも約5メートル毎秒、少なくとも約7メートル毎秒又は少なくとも約10メートル毎秒の速度で形成することができる。他の好適な速度としては、例えば、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10メートル毎秒が挙げられる。
【0103】
成形構造体の隆起部の形状及び印加される圧力などの要因に依存して、本発明のプロセスにより製造される有色ウェブの伸長要素の遠位端は、閉口又は開口のいずれかであることができる。
【0104】
米国特許出願公開第2008/0224351(A1)号に記載のものなどの低ひずみ速度プロセスもまた、本発明の有色ウェブを製造するために使用することができ、駆動ベルトは固体又は適合基材である。
【0105】
本発明のプロセスは、所望により、有色ウェブを更に操作するために、他のプロセスと組み合わせることができる。一実施形態では、このような追加のプロセスは、例えば、吸収性物品を製造するための同一のプロセス製品製造ラインで本発明のプロセスと組み合わせることができる。一実施形態では、本発明のプロセスは、米国特許出願公開第2006/0087053(A1)号又は同第2005/0064136(A1)号に記載のプロセスのように、有色ウェブにマクロ開口を付与できるプロセスと組み合わされる。このようなプロセスの組み合わせは、吸収性物品におけるトップシートとしての使用に好適であり得るマクロ開口有色ウェブを製造することができる。このようなマクロ開口有色ウェブは、続いて、好ましくは同一のプロセス製品製造ラインで、吸収性コア、バックシート及びこれらに類するものなどの他の吸収性物品構成要素と組み合わせることにより、吸収性物品に変換することができる。
【0106】
代替的実施形態では、適合基材は、気圧又は水圧などの流体圧力で置き換えることができる。空気又は水などの流体により前駆体ウェブ上に行使される圧力は、典型的には、上記適合基材により前駆体ウェブに行使される圧力と同様である。
【0107】
前駆体ウェブを本発明の成形構造体に適合させるための気圧を提供するのに好適な装置の一例は、高圧エアナイフである。高圧エアナイフは、例えば、Canadian Air Systemsから市販されている。前駆体ウェブを成形構造体に適合させるために空気を利用する好適な装置及びプロセスの別の例は、米国特許第5,972,280号に詳細に記載されている。
【0108】
前駆体ウェブを本発明の成形構造体に適合させるための水圧を提供するのに好適な装置の一例は、米国特許第7,364,687号に記載のもののような、水プレナムである。
【0109】
他の好適なプロセスは、同時係属中の米国特許仮出願第__/__,__(2010年3月11日出願、標題「PROCESS FOR MAKING AN EMBOSSED WEB」(P&Gケース11636))、同第__/__,__(2010年3月11日出願、標題「PROCESS FOR MAKING AN EMBOSSED WEB」(P&Gケース11637))及び同第__/__,__(2010年3月11日出願、標題「PROCESS FOR MAKING AN EMBOSSED WEB」(P&Gケース11638))に記載されている。
【0110】
他の好適なプロセスは、米国特許第4,846,821号及び米国特許出願公開第2004/0119207(A1)号に記載されている。
【0111】
複数の伸長要素を備える有色又は半透明ウェブの使用
本発明の有色又は半透明ウェブは、例えば、吸収性物品の構成要素材料(トップシート、バックシート又は剥離紙包装材料など)、包装(かぶせ形式上包み、収縮包装及びポリバッグなど)、ゴミ袋、食品包装、デンタルフロス、拭き取り用品、電子部品、壁紙、衣類、エプロン、窓カバー、プレースマット、書籍カバー及びこれらに類するものとして、様々な用途に利用することができる。
【実施例】
【0112】
以下の非限定例は、本発明の様々な有色材料を示す。
【0113】
(実施例1)
三層フィルム前駆体フィルムを調製する。最上層は、雲母系干渉顔料の形態の青着色剤粒子を含む。中間層は、酸化鉄の形態の黒着色剤を含む。底層は、着色剤を有さない透明層である。
【0114】
着色剤:
Sensipearl #58241青雲母系干渉顔料(粒径範囲:10〜60マイクロメートル)
Sensient #58040黒酸化鉄(粒径範囲:0.09〜0.11マイクロメートル)
Sensient Colors Inc.(2515 N.Jefferson Ave,St Louis,MO,63106−1903)が両方の着色剤を供給している。
【0115】
二軸押出機を用いて、固体を各々別個のマスターバッチの中にブレンドして、ペレットを製造する。これらのペレットは、80%のLLDPEと20%のLDPEとのポリエチレンブレンド中に25重量%の固形分を含有する。同じLLDPE/LDPEの80/20ブレンドを用い、以下の表に従う適切なマスターバッチを加えて、三層フィルムを共押出する。
【表1】

【0116】
押し出された前駆体フィルムの全体の厚さは、約23マイクロメートル(0.9mil)である。
【0117】
前駆体フィルムは、成形構造体と、ゴム状物質の厚さ6.4mm(0.25”)のシート(ジュロ硬度40)を用いて、周囲温度にてエンボス加工する。ゴム状物質のシートを成形構造体に対してプレスし、それらの間の前駆体フィルムは、11.4MPa(1650psi)の見かけの圧力の下に置かれ、最上層雲母含有層はゴムシートに面する。
【0118】
図10は、実施例1の有色ウェブ材料を作製するために使用できる、複数の隆起要素を含む領域(すなわち、図10におけるより明るい領域)と、隆起要素を全く有さない領域(すなわち、図10におけるより暗い領域)と、を含む成形構造体が利用されることを示す。隆起要素は、隆起要素を有さない領域に花のデザインを作り上げるように並べられている。
【0119】
図11は、図10に示されている成形構造体の比較的鋭い隆起要素の高倍率側面図を提供し、隆起要素は、中心間で約205マイクロメートルで離間しており、高さ約215マイクロメートルである。
【0120】
図12は、実施例1の有色ウェブの顕微鏡写真である。有色フィルム材料の離散型伸長要素は、黒中間層が有色フィルムの伸長要素の薄化開口及び閉口遠位端を通して部分的に視認可能となることに起因して、伸長要素を有さない領域よりも暗い青を有する。
【0121】
図13は、実施例1の有色フィルム材料の一部の顕微鏡写真上面図であり、離散型伸長要素の大半は閉口遠位端を有する。
【0122】
図14は、実施例1の有色フィルム材料の一部の顕微鏡写真上面図であり、離散型伸長要素の大半は開口遠位端を有する。
【0123】
(実施例2)
二層フィルム前駆体ウェブ材料を調製する。最上層は雲母系干渉顔料の形態の紫着色剤粒子を含み、底層はカーボンブラックの形態の黒着色剤を含む。
【0124】
着色剤:
Clariant # PE02709843紫雲母系干渉顔料(5〜25マイクロメートル雲母粒径範囲)
Clariant # PL94620002カーボンブラック(2〜10マイクロメートル粒径範囲)
Clariant Corporation(10999 Reed Hartman Hwy,Ste 201,Cincinnati,OH,45242)が、マスターバッチの形態で両方の着色剤を供給する。支持材料樹脂は、20メルトフローインデックスのLLDPEである。雲母マスターバッチは、約40重量%の雲母を含有する。
【0125】
LDPE/LLDPE樹脂を用い、以下の表に従う適切なマスターバッチを加えて、二層フィルムを共押出する。
【表2】

【0126】
押し出された前駆体フィルムの全体の厚さは、約25マイクロメートル(1mil)である。
【0127】
前駆体フィルムは、複数の隆起要素を備える成形構造体と、独立気泡フォームゴムの厚さ6.4mm(0.25”)のシート(Netherland Rubber Co.(2931 Exon Ave.,Cincinnati,OH,45241)から部品番号SNC−1、ネオプレン/EPDM系ポリマー、Durometer(Shore 00)30〜45で入手可能)である適合材料と、を用いて、周囲温度にてエンボス加工する。成形構造体の隆起要素を約22.1MPa(3,200psi)の見かけの圧力の下で黒底層に押し込む。
【0128】
図15は、実施例2の有色フィルム材料を作製するために使用される成形構造体の比較的丸い先端の隆起要素の高倍率側面図であり、中心間は約254マイクロメートルで離間し、高さは約192マイクロメートルである。成形構造体の隆起要素は、隆起要素を有さない領域に花のデザインを作り上げるように並べられている。
【0129】
図16は実施例2の有色フィルムの写真であり、有色フィルムは、婦人衛生パッド用外側包装材料として使用される。離散型伸長要素は、黒層が有色フィルムの伸長要素の薄化遠位端を通して部分的に視認可能となることに起因して、離散型伸長要素を全く有さない領域よりも暗い紫色を有する。
【0130】
(実施例3)
二層フィルム前駆体フィルムを調製する。最上層は雲母系干渉顔料の形態の青着色剤粒子を含み、底層は二酸化チタンの形態の白着色剤を含む。
【0131】
着色剤:
Clariant # PE52709905青雲母系干渉顔料(5〜25マイクロメートル雲母粒径範囲)
Ampacet 110573−B二酸化チタンマスターバッチ(67重量%のTiO
Clariant Corporation(10999 Reed Hartman Hwy,Ste 201,Cincinnati,OH,45242)が、マスターバッチの形態で雲母系干渉顔料を供給する。支持材料樹脂は、20メルトフローインデックスのLLDPEである。雲母系マスターバッチは、約40重量%の雲母系干渉顔料及び約15重量%の青顔料を含有する。
【0132】
Ampacet Corporation(3701 North Fruitridge Avenue,Terre Haute,Indiana 47804)は、白二酸化チタンマスターバッチを供給する。
【0133】
LDPE/LLDPE樹脂を用い、以下の表に従う適切な着色剤混合物を加えて、二層前駆体フィルム材料を共押出する。
【表3】

【0134】
押し出された前駆体フィルムの全体の厚さは、約18マイクロメートル(0.7mil)である。
【0135】
押し出された前駆体フィルムを実施例2と同一条件下でエンボス加工する。
【0136】
図17は実施例3の有色フィルムの写真であり、有色フィルムは、婦人衛生パッド用外側包装材料として使用される。離散型伸長要素は、白層が有色フィルムの離散型伸長要素の薄化遠位端を通して部分的に視認可能となることに起因して、離散型伸長要素を全く有さない領域よりも明るい青色を有する。
【0137】
(実施例4)
本発明の有色フィルムを作製するために、真珠光沢フィルムであるAurora Special Effect Film、Aurora Film IF4781 Red Green 56(BASF Corporation(100 Campus Drive,Florham Park,NJ,07932)から入手)を前駆体ウェブとして使用する。厚さは約16マイクロメートルである。
【0138】
前駆体フィルムは、約24.3MPa(3530psi)の見かけの圧力の下で、複数の隆起要素を備える成形構造体と、ゴム状物質の厚さ6.4mm(0.25”)のシート(ジュロ硬度40)である適合材料と、を用いて、周囲温度にてエンボス加工する。成形構造体の隆起要素は、高さが約250マイクロメートルであり、直径が約105マイクロメートルであり、中心間が約6.86mm(270mil)で離間している六角形配列に配置される。
【0139】
図18は、実施例4の有色フィルムの一部の上面の顕微鏡写真である。
【0140】
図19は、図18の有色フィルムの一部の側面の顕微鏡写真であり、離散型伸長要素の断面図は、離散型伸長要素を包囲する土台部分領域(厚さ約15.5マイクロメートル)と比較しての、伸長要素の遠位端(厚さ約5.3マイクロメートル)における及び伸長要素の側壁(厚さ約7.3マイクロメートル)に沿った薄化を示す。
【0141】
(実施例5)
2つの前駆体フィルムを共押出する。真珠光沢フィルムであるAurora Special Effect Film Fluoridescent(商標)Groovey Green FG 8601 RG−56(Engelhard Corporation (101 South Wood Avenue,Iselin,NJ,08830)から入手)を前駆体フィルムのうちの1つとして使用する。
【0142】
Sensipearl #58201緑雲母系干渉顔料(10〜60マイクロメートルの粒径範囲)をSensipearl #58241青雲母系干渉顔料の代わりに用いることを除いて、実施例1に記載の前駆体フィルムと同様に、もう一方の前駆体フィルムを調製する。
【0143】
本発明の有色フィルムを作製するために、実施例2に記載のものと同一の成形構造体を用い、周囲温度にて、前駆体フィルムを共押出する。前駆体フィルムを雲母含有フィルムの上に真珠光沢フィルムと共に並べ、カーボンブラック側を上向きにし、緑側を下向きにし、真珠光沢フィルムから離す。成形構造体の隆起要素を下方の雲母含有フィルムの緑側の中に押し込み、15.2MPa(2200psi)の見かけの圧力の下で、ゴム状物質(ジュロ硬度40)の厚さ6.4mm(0.25”)のシートである適合材料でエンボス加工する。
【0144】
図20は、実施例5の有色フィルムの真珠光沢フィルム側の写真である。図21は、図20に示した有色フィルムの拡大写真であり、伸長要素を有さない領域(例えば、より暗い領域)と、伸長要素を有する領域(例えば、より明るい領域)と、を示す。
【0145】
図22は、実施例5の有色フィルムの一部の顕微鏡写真上面図である。
【0146】
図23は、実施例5の有色フィルムの一部の顕微鏡写真側面図である。この側面図は、雲母含有フィルムの上の真珠光沢フィルムを示し、伸長要素が入れ子になっている。
【0147】
(実施例6)
実施例6で利用される前駆体フィルムは、個別のALWAYS(登録商標)婦人衛生パッドの外側包装材料である。前駆体フィルムは、押出成形中に含まれる二酸化チタンから生じる色である白である。前駆体フィルムは、製品外側包装材料の図形を作り出すために青−緑インクが一方の側に適用される。
【0148】
前駆体フィルムは、約22.8MPa(3300psi)の見かけの圧力の下で、複数の隆起要素を備える成形構造体と、ゴム状物質の厚さ6.4mm(0.25”)のシート(ジュロ硬度40)である適合材料を用いて、周囲温度にてエンボス加工する。隆起要素は高さが約270マイクロメートルであり、中心間が約250マイクロメートル(約10mil)で離間している六角形の配列である。
【0149】
図24は、実施例6のエンボス加工済み有色フィルムの写真である。離散型伸長要素は、高さが約140マイクロメートルであり、白層が有色フィルムの伸長要素の薄化遠位端を通して部分的に視認可能となることに起因して、土台部分領域よりも明るい青色を有する。
【0150】
(実施例7)
実施例7で利用される前駆体フィルムは、個別のALWAYS(登録商標)婦人衛生パッドの外側包装材料である。前駆体フィルムは、押出成形中に含まれる二酸化チタンから生じる色である白である。前駆体フィルムは、製品外側包装材料の図形を作り出すために青−緑インクが一方の側に適用される。
【0151】
前駆体フィルムは、実施例6と同様にエンボス加工されるが、成形構造体上に図25に示すような隆起要素を備える。
【0152】
図25は、実施例7の本発明の有色フィルムを作製するために使用される複数の隆起要素を備える成形構造体の写真である。より明るい領域は、中心間が約205マイクロメートル離間し、高さが約215マイクロメートルである隆起要素を有する。より暗い領域は、隆起要素を有さない。
【0153】
図26は、実施例7のエンボス加工済み有色フィルムの写真である。離散型伸長要素は、白層が伸長要素の薄化遠位端を通して部分的に視認可能となることに起因して、包囲する土台部分領域よりも明るい色を有する。図27及び28は、図7のエンボス加工済み有色フィルムの更なる拡大写真であり、有色フィルムの離散型伸長要素を示す。
【0154】
(実施例8)
実施例8で利用される前駆体フィルムは、東欧からの個別のALWAYS(登録商標)Ultra−Thin Long婦人衛生パッド(2006)の外側包装材料である。前駆体フィルムは、押出成形中に含まれる二酸化チタンから生じる色である白である。前駆体フィルムは、製品外側包装材料の図形を作り出すためにピンクのインクが一方の側に適用される。
【0155】
米国特許第7,521,588号の油圧成形プロセスの記載に従い、前駆体フィルムを、実施例2で用いた成形構造体と同様の、複数の隆起要素を備える成形構造体上に油圧成形する。成形構造体は、レーザー彫刻された直径約0.55mmの孔を有し、正方形に離間しており、6.4mm離れている。水温は約82℃(180°F)であり、水マニホルド圧力は約3.8MPa(550psi)であり、ライン速度は約46m/分(150fpm)である。
【0156】
図29は、実施例8の油圧成形済み有色フィルムの写真であり、有色フィルムが複数の離散型伸長要素を備えることを示す。
【0157】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0158】
技術的特性が一実施形態に関して本明細書で開示されている場合、特に指示がない限り、この特性は、他の実施形態又は請求項に開示されている任意の他の特性と組み合わせることができる。
【0159】
明示的に除外されるか、あるいは限定されない限り、本願に引用するすべての文書は、相互参照する、又は関連するいかなる特許又は特許出願をも含めて、参照によってそれらのすべての内容が本願に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが、本願にて開示若しくは特許請求される発明に対する先行技術であること、又は、それが単独で、あるいは任意の他の参照文献との組み合わせで、そのようないかなる発明をも教示、暗示、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語の意味又は定義が、参照によって組み込まれる文書における同じ用語の意味又は定義と対立する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0160】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色ウェブ材料であって、複数の離散型伸長要素と、前記有色ウェブ材料の少なくとも1つの表面上に位置する着色剤と、を備え、
前記離散型伸長要素は、開口近位端と、開口又は閉口遠位端と、側壁と、を備え、
前記離散型伸長要素は、前記離散型伸長要素の前記遠位端に、及び/又は、前記離散型伸長要素の前記側壁に沿って、薄化部分を備え、
(a)前記離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有し、
(b)前記離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有し、及び/又は、
(c)前記有色ウェブ材料は、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の離散型伸長要素を備える、有色ウェブ材料。
【請求項2】
前記離散型伸長要素の前記薄化部分が、前記有色ウェブ材料の色の視覚的に識別可能な分断を生じさせるのに十分な薄化を呈する、請求項1に記載の有色ウェブ材料。
【請求項3】
前記有色ウェブ材料が、熱可塑性フィルムを含む前駆体ウェブから構成される、請求項1又は2に記載の有色ウェブ材料。
【請求項4】
前記離散型伸長要素の前記薄化部分が、前記離散型伸長要素の前記遠位端にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有色ウェブ材料。
【請求項5】
前記離散型伸長要素の前記薄化部分が、前記離散型伸長要素の前記側壁に沿っている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有色ウェブ材料。
【請求項6】
前記離散型伸長要素が、約500マイクロメートル未満、好ましくは約300マイクロメートル未満の直径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有色ウェブ材料。
【請求項7】
前記離散型伸長要素が、少なくとも約0.2、好ましくは少なくとも約0.5のアスペクト比を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有色ウェブ材料。
【請求項8】
前記有色ウェブ材料が、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の離散型伸長要素、好ましくは1平方センチメートル当たり少なくとも約500個の離散型伸長要素を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有色ウェブ材料。
【請求項9】
第一ウェブ材料と第二ウェブ材料とを含む多層有色ウェブ材料であって、
前記ウェブ材料のうちの少なくとも1つは、その中に組み込まれた着色剤を含み、
前記多層有色ウェブ材料は、開口近位端と、開口又は閉口遠位端と、側壁と、を含む複数の離散型伸長要素を備え、
前記離散型伸長要素は、前記離散型伸長要素の前記遠位端に、及び/又は、前記離散型伸長要素の前記側壁に沿って、薄化部分を備え、
(a)前記離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有し、
(b)前記離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有し、及び/又は、
(c)前記多層有色ウェブ材料は、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の離散型伸長要素を備える、多層有色ウェブ材料。
【請求項10】
第一ウェブ材料と第二ウェブ材料とを含む多層有色ウェブ材料であって、
前記第一ウェブ材料は着色剤を含まず、前記第二ウェブ材料は不透明であり、
前記多層有色ウェブ材料は、開口近位端と、開口又は閉口遠位端と、側壁と、を含む複数の離散型伸長要素を備え、
前記離散型伸長要素は、前記離散型伸長要素の前記遠位端に、及び/又は、前記離散型伸長要素の前記側壁に沿って、薄化部分を備え、
(a)前記離散型伸長要素は、約500マイクロメートル未満の直径を有し、
(b)前記離散型伸長要素は、少なくとも約0.2のアスペクト比を有し、及び/又は、
(c)前記多層有色ウェブ材料は、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の離散型伸長要素を備える、多層有色ウェブ材料。
【請求項11】
前記離散型伸長要素の前記薄化部分が、前記有色ウェブ材料の色の視覚的に識別可能な分断を生じさせるのに十分な薄化を呈する、請求項9又は10に記載の多層有色ウェブ材料。
【請求項12】
前記多層有色ウェブ材料が、熱可塑性フィルムを含む多層前駆体ウェブから構成される、請求項9〜11のいずれか一項に記載の多層有色ウェブ材料。
【請求項13】
前記離散型伸長要素の前記薄化部分が、前記離散型伸長要素の前記遠位端にある、請求項9〜12のいずれか一項に記載の多層有色ウェブ材料。
【請求項14】
前記離散型伸長要素の前記薄化部分が、前記離散型伸長要素の側壁に沿っている、請求項9〜13のいずれか一項に記載の多層有色ウェブ材料。
【請求項15】
前記離散型伸長要素が、約500マイクロメートル未満、好ましくは約300マイクロメートル未満の直径を有する、請求項9〜14のいずれか一項に記載の多層有色ウェブ材料。
【請求項16】
前記離散型伸長要素が、少なくとも約0.2、好ましくは約0.5のアスペクト比を有する、請求項9〜15のいずれか一項に記載の多層有色ウェブ材料。
【請求項17】
前記有色ウェブ材料が、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の離散型伸長要素、好ましくは1平方センチメートル当たり少なくとも約500個の離散型伸長要素を備える、請求項9〜16のいずれか一項に記載の多層有色ウェブ材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2012−519608(P2012−519608A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553174(P2011−553174)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/027078
【国際公開番号】WO2010/105122
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】