複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムおよび方法ならびに関連する製品
本発明は、複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムと方法ならびに関連する製品に関し、前述のリストの複数の項目からなる少なくとも2つのサブリストを反復的かつ同時に提供してスクリーン上に表示する手段と、それぞれのサブリストに関して同時的かつ異なるスクロール領域における、スクリーン上に相互に並んでいる複数の項目の順序通りの表示を制御する手段と、最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなるリストからの複数の新たな項目を挿入することにより、サブリストの複数の項目を反復的に変更してスクリーン上の複数の項目からなるリストを種々のスクロール領域において少なくとも部分的にスクロールさせる手段と、所定の選択領域内に表示されている複数のサブリストのうちの少なくとも1つのサブリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目のユーザによる選択を可能にする手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムおよび方法に関する。また殊に本発明はインタラクティブなEPGアセンブリおよび関連する放送受信機および殊に音楽ファイルに関するファイル検索アセンブリに関する。また本発明はそのような選択システムに非常に適している遠隔制御装置に関する。
【0002】
近頃では非常に多くのテレビ番組を受信することができるが、このことは所望の番組を迅速かつ快適に発見することを困難にしている。多くのユーザはそのユーザのテレビ受像機の番組番号を放送局に関連させて記憶に止めておくことができない。またはそれをしようとは思っていない。したがって、一般的に0から9の番号を有する数字キーを利用できるにもかかわらず、所望の放送局に速く切り換えることは不可能である。
【0003】
さらには、使用される原理に依存して、2桁またはそれ以上の桁の番組番号を入力するためには数字列を所定の時間内に入力する必要があるか、入力されるべき桁数を番組番号の入力の前に選択する必要がある。前者の場合にはユーザが所望の番組番号を十分な速さで入力しなければ、番組番号を入力している間に不所望な放送局に切り換えられる可能性があり、他方後者の場合には付加的なキーの操作が必要となる。ユーザが実際のプログラム番号に関して思い違いをしていた場合には、入力を完全に実施しなければならないか、ユーザは再度桁位置の番号を選択して、公知のようなやり方で新たに処理を行わねばならない。
【0004】
最近のテレビ受像機においては、頻繁に局名のリストが指示されており、この指示によりユーザはカーソルキーを用いて所望の局を選択することができる。これらの局名を例えばビデオテキスト情報から自動的に生成することができるか、手動で入力することができる。しかしながら画面サイズと解像度に依存して、全ての局名を同時に表示することはできない。また時には、切り換えが達成されるまで目下の番組をさらに視聴できるようにするために、画面全体をリストで完全に覆うことは好ましくない。そのような場合には別の局名を表示するために、リストの可視の内容を反復的に変更する必要がある。この場合ユーザに必要とされる関連するインタラクションは実質的に制御の快適性を制限する可能性がある。
【0005】
いかなる場合においても1つ次の番組番号を選択するか、1つ前の番組番号を選択する選択キーを用いて番組を連続的に切り換えることは、番組全体にわたる高速な切り換えに適している。しかしながら、番組の順序はテレビ受信器における局のプログラミングによって固定されている。したがって、この順序で番組を選択することは不可避である。すなわちこの番組をスキップすることは不可能である。
【0006】
刊行物EP-A2-1124372には、テレビの視聴者に提供される種々のテレビ番組に関する番組情報を介して、スクロールに使用されるスクロール率を動的に調節することができる装置が開示されている。1つの実施形態においては、電子番組のリスト化は非インタラクティブであり、また番組情報がテレビのスクリーンを横切るようにスクロールされる。別の実施形態においては、リスト化はインタラクティブであり、またユーザは目下強調表示されている番組を選択することができる。この場合スクロール操作は実質的にユーザによって制御される。
【0007】
これらの技術は所望の番組の選択に関してユーザフレンドリな改善をもたらす。しかしながら前者の実施形態においては、所望の情報を見逃さないようにユーザは番組データのスクロールを注意深く追わねばならず、またこの場合ユーザは対応する番号を入力しなければならない。他方では、後者の実施形態においては、ユーザは比較的長い期間を有する可能性のある処理全体の間中継続的に注意を払うことにより所望のプログラムの発見に能動的に関与しなければならない。
【0008】
本発明は多数のTV局または放送局の中から1つのTV局または放送局を快適に選択するシステムに関し、このシステムによりキーの操作の最小限の手間で比較的短時間で所望の局にチューニングすることができる。
【0009】
より一般的には、本発明は複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムに関し、このシステムはユーザによる僅かな操作を介して、ユーザフレンドリな選択も選択すべき所望の項目への高速なアクセスも提供する。
【0010】
本発明はまた複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択する方法およびこの方法を実施するコンピュータプログラムに関する。
【0011】
さらに本発明は、選択システムを包含するか、本発明による選択方法を実施する、インタラクティブな電子番組ガイド(EPG)アセンブリ、放送受信機、音楽ファイル検索アセンブリに関する。また本発明は、本発明の選択システムを遠隔制御する手段を包含する遠隔制御装置に関する。
【0012】
本発明はテレビかラジオのEPGの分野および音楽ファイルの選択に適用されるが、殊にコンピュータ支援による書込みにも適用される。本明細書において項目という術語はディスプレイ上に表示することができるあらゆる種類のデータを含む。
【0013】
最後に本発明は、複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムに関する。このシステムは、
−複数の項目からなるリストの中から配列された項目を包含しているサブリストの動的な表示を反復的に提供し、スクリーンまたはディスプレイ上に表示する提供手段を有し、
−サブリストに包含されている項目のスクリーンまたはディスプレイ上における順序通りの表示を制御する表示制御手段を有し、ここで項目はスクリーンまたはディスプレイ上のスクロール領域において相互に隣接して整列されており、
−最初にサブリストに挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなるリストから複数の新たな項目を反復的にサブリストに挿入してサブリストの項目を動的に反復的に変更することにより、複数の項目からなるリストをスクリーンまたはディスプレイ上において少なくとも部分的にスクロールさせるスクロール手段を有し、
−スクリーンの所定の選択領域内に表示されているサブリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目をユーザが選択できるようにする選択手段を有する。
【0014】
本発明によれば、
−サブリストの動的な表示を提供する提供手段は、複数の項目からなるサブリストの少なくとも1つの付加的な動的な表示を同時に提供し、
−表示制御手段は、それぞれ異なるスクロール領域における全てのサブリストに関して整列されている複数の項目の内の少なくとも幾つかの項目をスクリーン上に同時に表示し、
−スクロール手段は、種々のスクロール領域におけるリストを少なくとも部分的にリストをスクロールさせ、
−選択手段は、サブリストの内の少なくとも1つのサブリストに関して選択領域内に表示されている項目をユーザが選択できるようにする。
【0015】
殊に本発明は通常の使用の代わりに、複数の項目からなる考慮されるリストに関する2つまたはそれ以上のスクロール領域の予想外の使用に関する。このことは殊に、たとえ2つまたはそれ以上の行が上下に重なって表示されていたとしても、人間の目はスクリーン上でスクロールするテキストを認識することができるという事実を基礎とすることができる。殊に、このことはそれぞれが異なる速度でスクロールする2つのテキストに適用することができる。
【0016】
さらには、もしくは代替的に本発明を、種々のスクロール領域においてスクリーン上に表示されている補足的な情報を基礎として使用することができ、したがってデータをより高速により快適に検索することができる。それどころかユーザはこの場合、ユーザの予測に関して、リストの表示されている関連する内容に依存して、一方のサブリストまたは他方のサブリストに注意を払うことができる。
【0017】
したがって本発明の選択システムはリスト内の項目の選択に関して潜在的に非常に効率的なツールを提供し、動的なサブリストの組み合わされた発見に基づいて操作回数を低減することができる。
【0018】
選択領域は1つのサブリストまたは複数の各サブリストにおける1つまたは複数の項目をカバーすることができる。この選択領域は、種々の断片的な部分から構成することができ、かつ全体的または部分的にユーザに認識させることができる「仮想」領域と見なすことができる。選択領域において複数の項目が一緒に選択されるべき場合には、別の選択メカニズムを要求することができる。
【0019】
有利には、
−選択システムはまた、複数のサブリストの内の少なくとも1つのサブリストをアクティブにし、その他のサブリストをデアクティブにするアクティブ化手段を有し、この際アクティブなサブリストのみを表示されている複数の項目の内の1つの項目の選択に使用することができ、
−選択手段はアクティブなサブリストに関する選択領域内に表示されている項目を選択する。サブリストはこのコンテクストにおいてスクロール領域と表すこともできる。
【0020】
このようにして、ユーザは関連するサブリストまたはスクロール領域も、その中における所望の項目も選択することができる。実際には、選択領域は全てのサブリストまたはスクロール領域をカバーすることができるが、アクティブなサブリストまたはサブリストに対応する部分のみが関連する1つまたは複数の項目の選択に使用される。有利な実施形態においては、アクティブ化手段は複数のサブリストまたはスクロール領域の内の1つのサブリストまたはスクロール領域のみをアクティブにし、選択手段はアクティブなサブリストまたはスクロール領域に対応する選択領域の部分に現れる複数の項目のうちの1つの項目のみを選択する。
【0021】
また有利にはスクロール手段が、1つまたは複数のアクティブなサブリストに対して少なくとも1つの比較的遅い速度を使用し、また1つまたは複数のデアクティブなサブリストに対して少なくとも1つの比較的速い速度を使用する。この場合ユーザは、リスト全体を高速に検索するための比較的速い速度と、リストの1つまたは複数の所望の項目を正確に選択するための比較的遅い速度を同時に使用できるという利点を得ることができる。
【0022】
別の実施形態においては選択手段により、ユーザがただ1度操作するだけで選択領域内に同時に現れる種々の項目が選択される。この場合ユーザは選択された全ての項目を利用することができる、もしくは補足的な選択メカニズムが使用される。
【0023】
補足的な選択メカニズムの第1の実施形態においては、スクロール手段が選択された複数の項目をスクリーン上でスクロールさせ、また選択手段によりユーザは比較的小さい補助的な選択領域において事前に選択された複数の項目の内の1つの項目を選択することができる。補足的な選択メカニズムの第2の実施形態においては、選択手段が、所望の項目を識別するためにユーザによってなされた特別な指示に依存して、例えば選択領域内の所定の位置に対応する、遠隔制御装置上の番号を備えたキーを押すことによって、1つの項目を明示的に選択する。補足的な選択メカニズムの第3の実施形態においては、選択手段が所望の項目をキーの起動時間に応じて選択する。例えば、ユーザは最初にリスト内の複数の項目からなるグループを選択し、これらの項目が遠隔制御装置における選択キーをアクティブにすることによって選択領域内に表示される。選択されたグループは異なるサブリスト内の複数の項目を包含する。続いて、選択キーがアクティブである限り、連続的に種々の項目に下線が引かれるか、それらの項目が強調される。所望の項目に下線が引かれるか、所望の項目が強調されると、ユーザは選択キーのアクティブ化を停止し、下線が引かれた項目または強調された項目がその時点において選択される。
【0024】
補足的な選択メカニズムのいずれの実施形態もアクティブ化手段を有する上述の実施形態と組み合わせることができる。すなわち、アクティブ化手段は選択手段と共に先ず事前選択ステップを実施し、このステップに続いて補足的な選択ステップを実施する。
【0025】
有利にはスクロール手段が動的なサブリストに依存して、異なる速度でリストを自動的にスクロールする。さらには、リスト内の異なる種類のデータに異なる重みを付けを行うことができ、最も関連のあるデータには最も遅い速度が対応付けられる。有利には、ユーザは選択のためにどのサブリストがアクティブにされるか、したがって遅い速度が割り当てられるかを選択することができ、その結果ユーザは所望の項目をより速くより確実に発見および選択することができる。別の実施形態においては、サブリストの複数の項目が方向感覚を得るために第1のスクロール領域において比較的速い速度でスクロールされ、同一のリストの項目は選択領域における後続の選択のために第2のスクロール領域において比較的遅い速度でスクロールされる。
【0026】
上述の実施形態のあらゆる組み合わせが可能である。例えば、第1のスクロール領域においては主題的な順序で表されている1つのリストまたはサブリストの項目が比較的速い速度でスクロールし、他方第2のスクロール領域においては英数字的な順序で表されている同一のリストまたはサブリストの項目が比較的遅い速度でスクロールする。ユーザはスクリーン上の2つの領域に表示されている目下のデータに依存して、第1のスクロール領域または第2のスクロール領域をアクティブにすることができる。ユーザは、英数字的な順序で複数の項目を比較的遅い速度で示している第2のスクロール領域の選択領域において単一の項目を選択することができるか、主題的な順序で複数の項目を比較的速い速度で示している第1のスクロール領域の選択領域において複数の項目からなるグループを選択することができる。後者の場合には、別の選択ステップによりユーザは所望の項目を指定することができる。
【0027】
別の実施形態においては、選択システムが1つまたは複数のスクロール領域における複数の項目のスクロール方向を反転する手段を有する。所望の項目を見逃した場合にも、依然としてその項目を迅速に検索することができる。これにより次回の通過において項目がスクロール領域に再び現れることを待機する必要はない。また所望の項目が現在のスクロール方向とは逆のスクロール方向においては、現在のスクロール方向よりも近くにある場合には時間を節約することができる。
【0028】
有利には、表示制御手段は隣接する平行なスクロールバーをスクロール領域として使用する。この実施形態は高速な読み出しに関して簡潔かつ効率的なものである。しかしながら他の表示形態、例えばスクリーン上に大量のデータを同時に表示するためにスパイラルチェーンを使用することができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、提供手段が全ての動的なサブリストに関してリストの同一の項目を使用する。この場合には殊に、動的なサブリストは同一の複数の項目を使用するだけでなく、同一のスクロール順序で使用される。いずれにせよ、上述したように異なるスクロール速度を用いることにより、またはスクリーン上においてリストの異なる位置を同時に使用できるようにすることにより、またはこれら2つの可能性を用いることにより選択を行うことができる。後者の場合、有利には提供手段が種々のサブリストを提供し、これらのサブリストでは複数の項目がリストにおいて相互に可能な限り距離を置いて、異なるスクロール領域においてスクリーン上に同時に現れる。例えば、全てのサブリストに対して同一のスクロール速度を用いることにより、サブリストの数によって分割されたリストの項目の総数によってサブリスト内に包含されている複数の項目が相互に分離される。別の実施例においては、サブリストが英数的な順序の項目を包含し、ここで第1のスクロール領域内に表される第1のサブリストはA〜Kの文字で始まる項目を包含し、第2のスクロール領域内に表される第2のサブリストはL〜Zの文字で始まる項目を包含する。分散は項目の総数、また開始文字を考慮したその分散に依存して変化させることができる。
【0030】
それ以外には、それぞれのスクロール領域内に表される動的なサブリストは同一の項目ではあるが、順序は異なり、またはスクロール方向は反対である。
【0031】
本発明の実施形態によれば、提供手段が動的なそれぞれのサブリストに関するリストの補足的な複数の項目を使用する。術語「補足的」はここでは複数のリストの内の少なくとも1つのリストに存在するが、他のリストには存在しない少なくとも1つの項目の存在を表す。この実施形態の特別な形態においては、複数のサブリストの内の1つのサブリストが他のサブリストから抽出された項目を受け取る。種々のサブリストの内容は、他のサブリストの内容に関して入れ子にされたサブリストでもよい。これにより全体のリストの中において選択された幾つかの項目により大きい重みを付けすることができる。別の実施形態においては、項目が各サブリストにおいて完全に異なる。すなわち、これらのサブリストは共通の項目を有していない。しかしながら有利には提供手段により、サブリストの内のいずれか2つのサブリストがリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目を共有する。
【0032】
有利には、提供手段は複数のサブリストの内の少なくとも1つのサブブリストにおける項目を種々の発生頻度で提供することができる。これにより、他の項目に関して幾つかの項目を優先付けることができるが、所定のサブリスト内では種々のサブリストを使用する代わりに、上述したように異なる項目に異なる重みを付けることができる。
【0033】
これら全ての実施形態をどのようなやり方でも組み合わせることができ、またユーザの選択可能な異なるオプションに応じて、選択システムをこれらの種々の実施形態に適用することができる。
【0034】
有利には、選択システムは選択領域に目下表示されている少なくとも1つの項目の内容に対応する別の表示をユーザに与えるための表示手段を有する。この表示手段により選択システムをよりユーザフレンドリにすることができ、また利用を容易にすることができる。
【0035】
有利な実施形態によれば、複数の項目からなるリストは第1のレベルの項目の第1のレベルのリストであり、選択システムは前述の第1のリストにおけるそれらの第1のレベルの複数の項目の内の1つの項目を最初に選択し、続いて同様に、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のレベルのリストにおける少なくとも1つの第2のレベルの項目を選択する。第1のレベルの項目を少なくとも1つの第2のレベルの項目にリンクさせることができる。またこれとは逆のリンクも可能である。さらに選択システムは、選択された第1のレベルの項目に依存して第2のレベルのリストを指定するための手段を有する。この実施形態により所望の情報への「ズームイン」がなされる。データが種々の複雑なパラメータ、例えば作曲者、インタープリタ、スタイルなどに関連する音楽ピース、または監督、役者、公開日などに関連またはリンクする映画をデータベースにおいて有する場合には殊に有用である。
【0036】
また本発明はインタラクティブな電子番組ガイドアセンブリ、またはEPGアセンブリに適用され、本発明のいずれかの実施形態による選択システムを有することを特徴とする。この選択システムは有利には局名リストおよび/または番組タイトルリストのそれぞれのリストにおいて少なくとも1つの局名および/または番組タイトルを選択することができる。
【0037】
さらに本発明は放送受信機に関し、本発明によるインタラクティブなEPGアセンブリを有することを特徴とする。この放送受信機はインタラクティブなセットトップボックスおよびインタラクティブなテレビ受像機を包含するが、本発明はこれに制限されるものではない。殊にEPGアセンブリを衛星受信機として実施することができる。
【0038】
また本発明は音楽ファイル検索アセンブリに関し、本発明のいずれかの実施形態による選択システムを有することを特徴とする。有利には、この選択システムは、インタープリタ、アルバムおよびタイトルのそれぞれのリストにおいてインタープリタ名、アルバム名およびタイトル名の内の少なくとも1つを選択するために設けられている。音楽ファイル検索アセンブリを殊にMP3プレイヤとして実施することができる。
【0039】
さらに本発明は遠隔制御装置に関し、本発明のいずれかの実施形態による選択システムを遠隔制御する遠隔制御手段を有することを特徴とする。これらの遠隔制御手段は選択キーを有し、この選択キーによりユーザは提供手段、表示制御手段および選択システムのスクロール手段を一緒にトリガすることができ、また選択システムの選択手段をトリガすることによりスクリーンの選択領域内に表示された1つまたは複数の項目を選択することができる。したがって、遠隔制御装置におけるキーの数が非常に制限されていても、選択システムの制御にとっては十分である。
【0040】
1つの有利な実施形態においては、ユーザが選択領域において事前に選択された複数の動的なサブリストおよび項目からなる少なくとも1つのエンティティをさらに選択するよう選択キーは設計されている。したがって要求されるキーの数はさらに低減され、またそれどころか理論的にはただ1つのキーに限定することも可能である。
【0041】
本発明は以下のステップ、すなわち、
−複数の項目からなるリストの中から整列された項目からなる第1の動的なサブリストを反復的に提供し、スクリーン上に表示するステップと、
−スクロール領域において相互に隣接する、第1のサブリストの複数の項目のスクリーン上での順序通りの表示を制御するステップと、
−第1のサブリストに最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなるリストからの新たな項目を第1のサブリストに挿入することにより、第1の動的なサブリストの複数の項目を反復的に変更することにより、複数の項目からなるリストを少なくとも部分的にスクリーン上においてスクロールさせるステップとを有する、
複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択する方法に関し、この方法によりユーザはスクリーンの選択領域内に表示されているサブリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目を選択することができる。
【0042】
本発明によれば、
−提供ステップは、サブリストの第1の動的な表示と同時に行われる、複数の項目からなるサブリストの少なくとも1つの第2の動的な表示の提供を含み、
−表示制御ステップは、第1のスクロール領域および第2のスクロール領域それぞれにおいて第1のサブリストおよび第2のサブリストの少なくとも幾つかの整列された複数の項目のスクリーン上への同時の表示を含み、
−スクロールステップは、種々のスクロール領域における少なくとも部分的なリストのスクロールを含み、
この方法により、ユーザは第1のサブリストおよび第2のサブリストの内の少なくとも1つのサブリストと関連する選択領域に表示されている1つまたは複数の項目を選択することができる。
【0043】
選択方法は有利には、本発明のいずれかの実施形態による選択システムによって実施される。
【0044】
本発明の付加的な態様はコンピュータプログラム製品であり、このコンピュータプログラム製品はプログラムがコンピュータにおいて実行される場合には、本発明の選択方法のステップを実行するプログラムコードを包含する。「コンピュータプログラム製品」とは、例えばプログラムを包含する記憶領域、例えばディスケットまたはカセットのようなものだけではなく、例えば電気信号または光信号のような信号からなるものでもよいコンピュータプログラム支持体を意図している。
【0045】
選択システムの幾つかの特別な実施形態を以下では詳細に説明する。1つの実施形態においては、TV局名が画像を介してスクロールテキストとしてスクロールし、この際スクロールテキストの文字の色は残りの画像内容とは異なる。各スクロールテキストは背景としてカラーバーを有することもできる。有利には、局名の長さが例えば頭文字または省略形を使用することにより制限されている。しかしながらこのことは本方法を実施するにあたり必ずしも必要なことではない。
【0046】
アクティブなスクロールテキストの局名がスクリーン上の所定の位置を通過すると、局名を強調することができる。アクティブなスクロールテキストは選択を実施することができるスクロールテキストである。例えば背景の色を変更するか、テキストの色、テキストの大きさ、テキストのフォントなどを変更することにより強調を行うことができる。上述の変更を、例えば明滅により断続的に実施することができる。順序的に次の局名が所定の位置を通過するとこの次の局名が強調され、以前に強調されていた局名は再び通常通り表示される。有利な実施形態においては、局名を有するスクロールテキストの新たな流れは、先行する流れが完了した後に開始される。番組を選択するために、所望の局の名称が強調されたときに、ユーザはアクティブなスクロールテキストに適用される選択命令を発するだけでよい。このことを例えば「OK」キーで実施できる。殊に、ユーザが依然としてプログラムを決定しない場合、これはユーザがより長く視聴しようとして、その番組番号を覚えるということなので、局の快適な変更を実現することができる。
【0047】
本発明の有利な実施形態においては、局名を有する2つのスクロールテキストバーが異なる速度でスクリーンを流れ、また上下に重なってスクリーンに表示される。また2つのスクロールテキストは可読性および弁別性を改善するために異なる背景色を有することもできる。有利には選択領域内の強調は1つのスクロールテキストにおいてのみアクティブであり、また有利には、強調されるスクロールテキストは比較的遅い速度を有するスクロールテキストである。ここでユーザが、比較的速い速度でスクロールしているスクロールテキストにおいてこのユーザが関心を持つ番組を提供する局名を識別した場合には、ユーザはこのスクロールテキストに強調を切り換える。この切り換えを2つのキーを用いて簡潔なやり方で実施することができる。スクロールテキストを上下に重ねて配置することによって、切換を例えば「上」および「下」の記号を示す2つのキーを用いて実施することができる。2つのスクロールテキストのみが表示される場合には、これら2つのスクロールテキスト間の強調の切換をただ1つのキーを用いて作用させることができる。この前後に行き来する切換は「トグル」と称される。選択領域において目下強調されているスクロールテキストは比較的遅い速度で移動され、別のスクロールテキストは比較的速い速度で移動される。有利な実施形態においては、スクロールテキストの2つの行が互い違いに、または異なる速度で同一の局名を示し、これによりいずれかの局名へ平均アクセス時間が低減される。
【0048】
選択プロシージャ全体を単一のキーを使用することにより達成することができる。単一のキーを最初に押したときにスクロールテキストが表示される。単一のキーのさらに短い操作によりスクロールテキスト行間での強調の切り換えが行われる。単一のキーの長い操作により目下際立たされているまたは強調されている局が選択される。新たな局の選択後にスクロールテキストを溶暗することができる。もしくは所定の時間にわたってキー動作が何も行われない場合には溶暗が行われる。有利には後者の場合、1つのスクロールテキスト行または全てのスクロールテキスト行において局名が完全に流れた場合にのみ溶暗が行われる。
【0049】
別の有利な実施形態においては、局名が強調されているスクリーン上のポイント、すなわち選択領域を別のキーを用いることによりスクロールテキストの動く方向またはそれとは反対の方向に移動させることができる。このことを殊に所望の局を選択するまでの時間を短縮または延長するために使用することができる。例えば適切な記号「左」および「右」を備えた別のキーを設けることができる。択一的には、キーを用いることにより、目下緩慢に通過しているスクロールテキストを切り換えることができるか、1つまたは複数のプログラム名に関して拡張させることができる。
【0050】
有利には、1つまたは全てのスクロールテキストの速度を一時的に減速または加速することができるか、1つまたは全てのスクロールテキストを休止させるキーを設けることができる。
【0051】
別の実施形態においては、スクロールテキストの速度をユーザによって調節することができる。さらには、スクロールテキストならびに背景の色、また必要であれば強調の色もユーザによって調節することができる。さらにはテキストのフォントおよび強調方法をユーザが選択することができる。
【0052】
さらに別の実施形態においては、強調されている比較的大きい長さのテキストフィールドにとって十分である持続時間に対応する単一の強調期間を選択することができる。このようにして、全てのフィールドが等しい期間強調される。
【0053】
所定の用途、例えば局セレクタへの使用においては、目下選択されている番組をリストから除外することができるので、その局の名称は表示されない。
【0054】
異なる文化での選択システムの使用を考慮して、1つまたは複数のスクロールテキストが表示されるスクリーン上の場所を有利には選択することができる。したがって例えば、有利には上から下に向かって読まれる文化においてはスクロールテキストを側方の端に表示することができる。右から左に読む文化に関しては、スクロールテキストを左側から右側に移動させることが適切であり、他方左から右に読む文化に関してはスクロールテキストが右側から左側に移動するように表示される。一般的に、ユーザはスクロールテキストが上側の端に表示されるか下側の端に表示されるか、もしくは右側の端に表示されるか左側の端に表示されるかをそれぞれ選択することができる。
【0055】
別の実施形態においては、局名をスクロールテキストにおいて分類された順序、例えばアルファベット順に表示することができる。また例えばあらゆる局に関して統計的により短いアクセス時間を達成するために、異なるスクロールテキストにおいて局名の種々の分類順序を選択することができる。
【0056】
別の有利な実施形態においては、局から目下送信されている番組のタイトルが局名の代わりに表示される。タイトルを適切な短い形態、例えば一般的に使用されている頭文字または省略形によって表すことも有用である。そのような表示は、必要な情報は既にディジタル衛星受信技術において提供されているので、例えばEPGを使用する場合に容易に実現することができる。
【0057】
別の実施形態においては、目下強調されている局の番組が小さいスクリーンウィンドウに表示される。その配置はピクチャ・イン・ピクチャ、略してPIPとしてもたらされるか、2つの実質的に等しい大きさのウィンドウが並んで表示されるピクチャ・アンド・ピクチャまたはPAPとしてもたらされる。
【0058】
名称が目下強調されている局の画像をスクリーン上にフル画像フレームとして表すこともできる。この場合には、全ての利用可能な番組が連続的かつ反復的にユーザに簡単に表示され、この表示はユーザがプログラムを選択するか、プログラム選択モードを中断するまで継続される。
【0059】
指示される局名は利用可能な全ての局名のサブグループを表すこともでき、例えば「好みの」局として指定された局のみを表すことができる。「好みの」局として指定されている局がそのようなものとして指定されていない局よりも頻繁にスクロールテキストに現れるように、全体の局名における「好み」の局の発生頻度を操作することもできる。「好み」を自動でも手動でも識別することができる。
【0060】
別の用途において本発明の選択システムは、階層的にサブディレクトリに配列されているファイルまたはデータにアクセスするために使用される。したがって、最初に同一のレベルにあるディレクトリまたはデータのみがスクロールテキストに表示される。ディレクトリまたはデータ項目が選択されると、次に低いレベルにあるファイルまたはデータがスクロールテキストに表示され、以下同様の事が行われる。データを、選択方法に適している異なる階層レベルに配列されている他のデータと関連付けるまたはリンクさせることができる。本発明の選択システムおよび選択方法の発展形態においては、2行以上のテキストを上下に重ねてスクリーン上に表示できる場合には、それぞれの場合において選択されたディレクトリまたはデータの名称を、選択の前または選択に基づいて付加されたそれぞれの一番上の行に表示することができる。例えば多数のMP3音楽ファイルがデータ媒体に記憶されている場合には、選択のためにアーティスト名を最初に表示することができ、続いてアルバム名を表示し、その後にのみアルバムの個々のトラック名が表示される。いずれの場合においても選択されたデータ項目を関連するフィールドにおいてスクロールテキストの上に表示することができる。操作を容易にするために、タイトルレベルのスクロールテキストは第1のエントリとして「全てのタイトルの再生」および第2のエントリとして「ランダム再生」を表示することができる。しかしながら、これらの操作を他の場所における基本的な調節として行うこともできる。
【0061】
ファイルまたはデータアクセスに関する別の実施形態においては、種々の選択パラメータに関連するスクロールテキストが同時にスクリーン上に表示される。続いて、所定のパラメータに関してユーザによりなされた第1の選択に依存して、他のパラメータに関するスクロールテキストが調節される。次のパラメータの選択に関して操作を繰り返すことができる。例えば、ファイルアクセスが映画について指示されており、表示されたスクロールテキストが役者名、監督名および映画のスタイル(ウェスタン、ミュージカル、アクション、恋愛など)にそれぞれ関連付けられる。例えばある監督に関する第1の選択に依存して、他のスクロールテキストの内容が次の選択に適合される。また、データ項目に関するスクロールテキスト、例えば既に選択された映画を適切であれば何度も使用することができる。これは、例えば映画が選択可能な種々の役者とリンクされている場合である。十分な情報、例えば監督の名前および役者の内の一人の名前の両方の名前が一度与えられると、適合する映画のリストをスクリーン上の自動的なスクロールを介して選択を行うために表示することができる。
【0062】
別の用途においては、本発明の選択システムは英数字データを入力するために使用される。したがってスクロールテキストにはアルファベットの文字ならびに数字および記号が表示され、上述のやり方の内の1つのやり方で選択される。文字の発生頻度の重み付けを、入力プロシージャを短縮するために、選択された言語に依存して行うことができる。
【0063】
有利な実施形態においては、一度選択が行われると、選択された言語の単語構成規則に従い後に続くことができない文字をそれぞれのスクロールテキストから除外することができる。データ項目のこのような除外は、いかなる場合においても直前になされた選択に依存する動的なものである。このようにして完全なテキストを僅かなキー、それどころかただ1つのキーを使用して入力することができる。単語構成規則に従わない頭文字または省略形の入力を可能にするために、この機能をユーザによって少なくとも一時的に使用禁止にすることができる。
【0064】
少ない数のキーしか使用されないということは有利には機器のコストを低減し、またシステム全体の信頼度を向上させる。
【0065】
有利には選択システムおよび選択方法を、2行の英数字ディスプレイしか有さない装置と共に使用することができる。したがっていずれにせよ必要とされるディスプレイを多数の事例においてより効率的かつ快適に使用することができる、もしくは比較的大きいディスプレイを比較的小さく廉価なディスプレイに置換することができる。
【0066】
以下では本発明を図面に示した非制限的な実施形態および実施例を参照しながら説明し、これにより本発明はさらに理解される。ここで、図面において
図1は、ユーザインタフェースおよび表示スクリーンを備えた本発明による選択システムのブロック図であり、
図2は図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを含むTV受像機を示し、
図3はスクロールしている2つの選択テキストのために使用される図2のTV受像機におけるスクリーンの一部を示し、
図4は選択領域においてアクティブなスクロールテキストの局名に対応する別の画像が表示されている、図3に部分的に示されたスクリーンの全体を示し、
図5は図2のTV受像機における局名を有するスクロールテキストのための別の表示配置構成を示し、
図6は選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第1の実施形態を示し、
図7は選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第2の実施形態を示し、
図8は選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第3の実施形態を示し、
図9は図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを包含している携帯音楽機器を示し、
図10は音楽ピースの発見における第1のステップ、アーティストの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示し、
図11は音楽ピースの発見における第2のステップ、アルバムの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示し、
図12は音楽ピースの発見における第3のステップ、トラックの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示し、
図13は図10から12に示されているステップにおいて選択された音楽ピースに対応する付加的な情報が表示されている図9のスクリーンを示す。
【0067】
図1,2および7において示されているユニットは単なる機能エンティティであり、これらは物理的に別個のエンティティに対応している必要はない。つまり、これらのエンティティはソフトウェアの形態で開発することができるか、1つまたは複数の集積回路として実現することができる。
【0068】
さらに総称的な記号はインデクスによって補完されるものであり、例えば「SZ」は所定のモデル対象、例えばスクリーン上のスクロール領域を表す「スクロール領域」を表し、特定の項目を表すことができ、例えばスクロール領域SZ1はサブリストSL1に対応し、さらにスクロール領域SZ1Aは考察する実施形態Aに対応する。
【0069】
図1に示されているように、複数の項目からなるリストL1から1つの項目を選択するシステム1は表示を行うスクリーン2およびユーザインタフェース3と協働して使用されるので、ユーザは選択を制御することができる。
【0070】
選択システム1は、
−それぞれSL1およびSL2と示されている、リストL1のサブリストの第1の動的な表示および第2の動的な表示を反復的に提供し、スクリーン2上に表示する提供ユニット11を有し、
−スクリーン2上の2つのスクロール領域SZ1およびSZ2において同時に行われる、サブリストSL1およびSL2の複数の項目の相互に並んだ順序通りの表示を制御する表示制御ユニット12を有し、
−最初にサブリストに挿入された項目をキャンセルして、リストL1からの新たな項目を挿入することにより、サブリストSL1およびSL2の項目を反復的に変更することによって、リストL1をスクリーン2上で2つのスクロール領域SZ1およびSZ2においてスクロールさせるスクロールユニット13を有し、ここで、スクロールユニット13は、動作時に速度データベース22における速度値を発見して、それぞれのスクロール領域SZ1およびSZ2において異なる速度でリストL1をスクロールさせ、
−スクロール領域SZ1およびSZ2と交差するスクリーン2の選択領域20内に表示されるサブリストSL1およびSL2の内の少なくとも1つのサブリストにおける複数の項目の内の少なくとも1つの項目をユーザが選択できるようにする選択ユニット14を有し、ここで、ユーザによる項目の選択はスクリーン2上の表示の停止をトリガでき、また停止が表示制御ユニット12によって行われ、
−サブリストSL1およびSL2の表示に付加的に、選択領域20において目下表示されている1つまたは複数の項目の内容に対応する、スクリーン2上の表示領域25および/または音楽再生部において、ユーザにピクチャ、例えば静止画像またはビデオシーケンスを提供する表示ユニット18を有し、
−1つまたは両方のサブリストに関してリストL1のスクロール方向を反転させることができる反転ユニット17を有し、ここでそれぞれ同じ速度を反対の方向に適用し、また、
−項目データベース21内の選択された1つまたは複数の項目を検索する検索ユニット15を有する。
【0071】
選択システム1はまたサブリストSL1またはSL2の内の一方をアクティブにし、他方をデアクティブにするアクティブ化ユニット16も有し、アクティブなサブリストのみを選択領域20内に表示されている項目の内の1つの項目を選択するために使用することができる。すなわち、選択領域20とスクロール領域SZ1またはスクロール領域SZ2との交差部のみが選択に関して考慮される。したがってさらには、スクロールユニット13は比較的遅い速度をアクティブなサブリストに適用し、比較的速い速度をその他のサブリストに適用する。
【0072】
ユーザはユーザインタフェース3を介して、速度を加速または減速させるためのスクロールユニット13、ならびに選択ユニット14、アクティブ化ユニット16および反転ユニット17を制御することができる。
【0073】
選択システム1により種々のステップでの選択プロセスが実現され、このステップには複数のリストLi、本明細書においてはL1,L2およびL3における連続的な選択を含む。有利には、この選択システム1は指定ユニット19も有し、この指定ユニット19は先行するステップにおいて選択された項目に依存して第1の選択ステップが終了した後に、所定の選択ステップにおいて使用されるべきリストを指定する。したがって、第1のレベルL1においてある項目が選択された後には、この選択された項目に基づき考えられる種々の第2のレベルのリストにおいてリストL2が求められる。同様にリストL3が、第2のステップにおいてリストL2から選択された項目に基づき考えられる種々の第3のレベルリストにおいて求められる。最終的に、所望の項目が最終的なレベル、この実施例においては第3のレベルリストL3から抽出される。
【0074】
選択システム1の種々の用途をここで詳細に説明する。図2に示されている第1の実施形態においては、選択システム1がTV受像機6として実施されており、このTV受像機6はスクリーン2およびユーザインタフェース3も包含する。放送プログラムPGを受信するための設けられているTV受像機は、遠隔制御装置を用いてユーザがユーザインタフェース3に作用を及ぼすための遠隔通信部5も包含する。
【0075】
所望の局を視聴または記録するために操作が行われると、図3に示されているように、選択システム1はスクリーン2の下部2Aにおいて上部スクロール領域SZ1Aおよび下部スクロール領域SZ2Aを規定する2つの平行に隣接するスクロールバーを表示する。各スクロール領域SZ1AおよびSZ2Aにおいては、局名がスクリーン2Aの右側の端から左側の端へとスクロールする。さらには、ここでは下部スクロール領域SZ1Aが選択のためのアクティブ領域として選択されており、上部スクロール領域SZ2Aはアクティブ領域ではない。したがって、選択領域20は下部スクロール領域SZ1Aに限定された縮小された選択領域20Aとしてユーザに表される。しかしながら完全な選択領域20は両方のスクロール領域SZ1AおよびSZ2Aをカバーする。またこの場合、上部スクロール領域SZ1Aにおける局名のスクロールは下部スクロール領域SZ2Aよりも速く、このことは下部のスクロールバーに対しては括弧が1つのみ示されているのに対し、上部のスクロールバーに対しては括弧が2つ示されていることにより示唆されている。さらには、2つのスクロールバーに関して背景色は同一ではなく、このことは下部スクロール領域SZ2Aのより明るい色により示唆されている。
【0076】
ユーザが下部スクロール領域SZ2Aに代わって上部スクロール領域SZ1Aをアクティブにする場合には、見かけ上縮小されている選択領域20が上方にスクロール領域SZ1Aへと移動され、また速度も逆になる。すなわち、スクロール領域SZ1Aに関する速度が速くなる。これらの2つのバーに関する背景の色も付加的に反転させることができる。
【0077】
図4に示されているように、スクリーン2Aをより広範に考察すると、画像がスクリーン2Aの右上隅の再生領域25に挿入されていることが見て取れる。この再生領域25には、選択領域20Aにおける局名と関連するチャネルにおいて目下放送されている番組を表す静止画像またはビデオシーケンスが表示されている。
【0078】
図5に示されているような別の表示モードにおいては、それぞれSZ1BおよびSZ2Bとして表されているスクロール領域SZ1およびSZ2が垂直バーとして、2Bで表されているスクリーン2の右側に表示されている。この場合局名のスクロールは垂直方向に作用する。ここでは左側のスクロール領域SZ1Bがアクティブかつ低速度であり、このことは背景に関するより明るい色および単一の括弧によって示唆されている。左側のスクロールバーは選択領域20Bを備えている。
【0079】
種々の遠隔制御モデルをTV受像機6に使用することができる。図6に示されているように、第1の実施形態においては遠隔制御装置31が、
−赤外線放射部40と、
−アクティブなスクロール領域SZ1またはSZ2を選択するための上ボタン41および下ボタン42と、
−それぞれのスクロール方向に依存して、例えばボタンを短時間押すことによってスクロール方向を変更するため、または例えばボタンを長時間押すことによってスクロール速度を減速/加速させるための左ボタン43および右ボタン44と、
−アクティブなスクロール領域に関連する選択領域20内の項目を選択するための中央選択キー45とを有する。
【0080】
本発明の有利な実施形態においては、通常の操作モードの間に、上ボタン41および下ボタン42が音量制御のために使用され、また左ボタン43および右ボタン44が局のザッピングのために使用される。もしくは上ボタン41および下ボタン42が音量制御のために使用され、左ボタン43および右ボタン44が局のザッピングのために使用される。この場合、選択キー45を最初に押したときに通常モードから上述したような選択モードに切り替わる。選択後には遠隔制御装置31は自動的に通常モードに戻る。
別の実施形態においては、図7に示されている遠隔制御装置32が、
−赤外線放射部40と、
−それぞれのスクロール方向に依存して、例えばボタンを短時間押すことによってスクロール方向を変更するため、または例えばボタンを長時間押すことによってスクロール速度を減速/加速させるための、左右の押圧面を有する上部右側ボタン46と、
−アクティブなスクロール領域SZ1またはSZ2を選択するための、上下の押圧面を有する中央ボタン47と、
−アクティブなスクロール領域に関連する選択領域20内の項目を選択するための下部選択キー48とを有する。
【0081】
ここでもまた有利な実施形態においては、遠隔制御装置32を遠隔制御装置31に関したやり方と同じようにして通常モードにも使用することができる。
【0082】
図7の遠隔制御装置は異なる様式で使用することもできる:上部右側ボタン46および中央ボタン47は単一の接点ボタンである。それぞれのスクロール方向またはそれぞれのアクティブなスクロール領域に依存して、ボタンを短時間押すことによりそれぞれアクティブスクロール領域が切り換わるか、スクロール方向が逆転する。上部右側ボタンを長時間押すことによりアクティブスクロール領域のスクロール速度が減速する。
【0083】
第3の実施形態において、図8に示されている遠隔制御装置33は「ワンボタン」式の設計に関する。赤外線放射部40の他に、遠隔制御装置33はまさに1つのキー49しか有していない。この場合遠隔制御装置33は以下のように使用される:
−1回目の押圧:スクロールが開始される、
−短時間の2回目の押圧:アクティブスクロール領域が変更される、
−長時間の2回目の押圧:(選択領域およびアクティブなスクロール領域内の)目下の項目が選択される、
−短時間の3回目の押圧:アクティブスクロール領域が再び変更される、
−長時間の3回目の押圧:(選択領域およびアクティブなスクロール領域内の)目下の項目が選択される。
【0084】
選択が終了すると、スクロールが自動的に停止される。選択が行われない場合には、所定の時間の経過後に選択モードまたはスクロールを終了することができるか、複数のスクロール領域の内の少なくとも1つのスクロール領域においてリストの全ての項目が完全に流れると、選択モードまたはスクロールを終了することができる。
【0085】
選択システム1の第2の実施形態においては、選択システム1が図9に示されているように音楽装置7として実施されており、この音楽装置7にはスクリーン2およびユーザインタフェース3が統合されている。音楽装置7には項目データベース21すなわち音楽コンテンツ、および音楽コンテンツにおけるデータ23を記録するための記憶領域8が設けられている。
【0086】
所定の音楽ピースを発見するための操作が行われると、選択システム1は図10にその一部が示されておりかつ2Cと表されているスクリーン2上に、下部スクロール領域SZ1Cおよび上部スクロール領域SZ2Cをそれぞれ規定する2つの平行に隣接するバーを表示する。各スクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにおいては、アーティスト名がスクリーン2Cの右側の端から左側の端へとスクロールする。アーティスト名は全体として項目の第1のリストL1Cを形成し、この第1のリストL1Cからサブリストがスクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにそれぞれ表示される。さらにここでは下部スクロール領域SZ1Cが選択に関するアクティブ領域として選択されており、上部スクロール領域SZ2Cはアクティブ領域ではない。選択領域20は下部スクロール領域SZ1Cに限定されている縮小された選択領域20Cとしてユーザに表されているが、完全な選択領域20は実際には両方のスクロール領域SZ1CおよびSZ2Cをカバーすることができる。またこの場合上部スクロール領域SZ1Aにおける局名のスクロールは下部スクロール領域SZ2Aよりも速く、このことは下部のスクロール領域に対しては括弧が1つのみ示されているのに対し、上部のスクロール領域に対しては括弧が2つ示されていることにより示唆されている。
【0087】
本発明の1つの実施形態においては、第1のリストL1Cの項目に関してITとして示されており、縮小された領域20C内に表されているアーティスト名が左上の領域A1に通知される。ユーザがアーティスト名の選択の妥当性を確認すると、このアーティスト名が図11に示されているようにさらに左上の領域A2に移動され、そこに固定される。スクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにおけるアーティスト名は、そのアーティスト名が領域A2に移動されているこの選択されたアーティストに関するアルバム名に置換される。これらのアルバム名は全体として項目の第2のリストL2Cを形成し、この第2のリストはアーティストの識別、すなわち項目IT1に依存するものである。したがって第2のリストL2Cは第1のリストL1C内での選択に基づき動的に求められる。第2のリストL2Cの項目に関してIT2として示されており、縮小された領域20Cに目下のところ表されているアルバム名が左上の領域A1に通知される。ユーザがアルバム名の選択の妥当性を確認すると、このアルバム名は領域A1に固定される。スクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにおけるアルバム名は、図12に示されているように、選択されたアルバムにおいて発見できるトラックに関連する音楽ピース名に置換される。これらの音楽ピース名は全体として項目の第3のリストL3Cを形成し、この第3のリストはアルバムの識別、すなわち項目IT2に依存するものである。したがって第3のリストL3Cは第2のリストL2C内での選択に基づき動的に求められる。第3のリストL3Cは2つの特別な項目:選択されたアルバム、すなわちIT2の全てのトラックを順番通りに再生するためのITAおよびそれらのトラックをランダムに再生するためのITRも包含する。
【0088】
第3のリストL3Cの項目が選択されると、図13に示されているように、音楽ピース名もしくは特別な項目ITAまたはITRのうちのいずれかである項目IT3が、上部スクロール領域SZ2Cのレベルに位置する左の領域A3に表示される。さらには、選択された音楽ピース、アルバムおよび/またはアーティストについての付加的な情報INFOが下部スクロール領域SZ1Cにおいてスクロールされる。
【0089】
別の実施形態においては領域A1,A2がスクロール領域の内の1つの選択領域内に目下存在する項目を示さない。その代わりに、領域A1,A2は選択が完了するまで表示されない。選択領域A1が既にスクリーンに表示されている場合、この領域A1はさらなる選択が完了するまで領域A2に関する場所をクリアするために上方にはシフトされない。
【0090】
付加的な領域A1,A2を省略することもできる。この場合スクリーン上の情報内容は低減されるけれども、表示を比較的小さく行うことができる。この場合には2行の表示が効率的となる。
【0091】
改善形態においては、種々のリスト項目をアルバム、例えば作曲者、ミュージシャン、現在の歌手、オリジナルの歌手などを求めるために連続的に選択することができる。この場合より多くのリストが第1のステップにおいて使用され、例えば選択されたアーティスト名がスクロール領域SZ1CおよびSZ2Cに平行なバーに並んで表示される。またデータ範囲のリストを検索されるレコードの周期を特定するために使用することができる。したがってアルバム名のリストが、選択された種々のアーティストに同時に対応付けるために、判定基準のセットに依存して求められる。有利には、ユーザがさらなるデータの選択を中止するため、また先行して選択された項目からアルバムの適切なリストを検索するために特別なエントリが設けられている。ユーザに所定のデータを有するアルバムは存在しないことを通知するため、またユーザに課される制約の数を低減するために幾つかの特別な手段を設けることができる。
【0092】
本明細書において術語スクリーンは本発明に適したあらゆる種類のディスプレイと同義のものとして使用されており、これらのディスプレイにはブラウン管、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードからなるディスプレイおよびプラズマパネルが含まれるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】ユーザインタフェースおよび表示スクリーンを備えた本発明による選択システムのブロック図を示す。
【図2】図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを含むTV受像機を示す。
【図3】スクロールしている2つの選択テキストのために使用される図2のTV受像機におけるスクリーンの一部を示す。
【図4】選択領域においてアクティブなスクロールテキストの局名に対応する別の画像が表示されている、図3に部分的に示されたスクリーンの全体を示す。
【図5】図2のTV受像機における局名を有するスクロールテキストのための別の表示配置構成を示す。
【図6】選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第1の実施形態を示す。
【図7】選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第2の実施形態を示す。
【図8】選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第3の実施形態を示す。
【図9】図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを包含している携帯音楽機器を示す。
【図10】音楽ピースの発見における第1のステップ、アーティストの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示す。
【図11】音楽ピースの発見における第2のステップ、アルバムの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示す。
【図12】音楽ピースの発見における第3のステップ、トラックの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示す。
【図13】図10から12に示されているステップにおいて選択された音楽ピースに対応する付加的な情報が表示されている図9のスクリーンを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムおよび方法に関する。また殊に本発明はインタラクティブなEPGアセンブリおよび関連する放送受信機および殊に音楽ファイルに関するファイル検索アセンブリに関する。また本発明はそのような選択システムに非常に適している遠隔制御装置に関する。
【0002】
近頃では非常に多くのテレビ番組を受信することができるが、このことは所望の番組を迅速かつ快適に発見することを困難にしている。多くのユーザはそのユーザのテレビ受像機の番組番号を放送局に関連させて記憶に止めておくことができない。またはそれをしようとは思っていない。したがって、一般的に0から9の番号を有する数字キーを利用できるにもかかわらず、所望の放送局に速く切り換えることは不可能である。
【0003】
さらには、使用される原理に依存して、2桁またはそれ以上の桁の番組番号を入力するためには数字列を所定の時間内に入力する必要があるか、入力されるべき桁数を番組番号の入力の前に選択する必要がある。前者の場合にはユーザが所望の番組番号を十分な速さで入力しなければ、番組番号を入力している間に不所望な放送局に切り換えられる可能性があり、他方後者の場合には付加的なキーの操作が必要となる。ユーザが実際のプログラム番号に関して思い違いをしていた場合には、入力を完全に実施しなければならないか、ユーザは再度桁位置の番号を選択して、公知のようなやり方で新たに処理を行わねばならない。
【0004】
最近のテレビ受像機においては、頻繁に局名のリストが指示されており、この指示によりユーザはカーソルキーを用いて所望の局を選択することができる。これらの局名を例えばビデオテキスト情報から自動的に生成することができるか、手動で入力することができる。しかしながら画面サイズと解像度に依存して、全ての局名を同時に表示することはできない。また時には、切り換えが達成されるまで目下の番組をさらに視聴できるようにするために、画面全体をリストで完全に覆うことは好ましくない。そのような場合には別の局名を表示するために、リストの可視の内容を反復的に変更する必要がある。この場合ユーザに必要とされる関連するインタラクションは実質的に制御の快適性を制限する可能性がある。
【0005】
いかなる場合においても1つ次の番組番号を選択するか、1つ前の番組番号を選択する選択キーを用いて番組を連続的に切り換えることは、番組全体にわたる高速な切り換えに適している。しかしながら、番組の順序はテレビ受信器における局のプログラミングによって固定されている。したがって、この順序で番組を選択することは不可避である。すなわちこの番組をスキップすることは不可能である。
【0006】
刊行物EP-A2-1124372には、テレビの視聴者に提供される種々のテレビ番組に関する番組情報を介して、スクロールに使用されるスクロール率を動的に調節することができる装置が開示されている。1つの実施形態においては、電子番組のリスト化は非インタラクティブであり、また番組情報がテレビのスクリーンを横切るようにスクロールされる。別の実施形態においては、リスト化はインタラクティブであり、またユーザは目下強調表示されている番組を選択することができる。この場合スクロール操作は実質的にユーザによって制御される。
【0007】
これらの技術は所望の番組の選択に関してユーザフレンドリな改善をもたらす。しかしながら前者の実施形態においては、所望の情報を見逃さないようにユーザは番組データのスクロールを注意深く追わねばならず、またこの場合ユーザは対応する番号を入力しなければならない。他方では、後者の実施形態においては、ユーザは比較的長い期間を有する可能性のある処理全体の間中継続的に注意を払うことにより所望のプログラムの発見に能動的に関与しなければならない。
【0008】
本発明は多数のTV局または放送局の中から1つのTV局または放送局を快適に選択するシステムに関し、このシステムによりキーの操作の最小限の手間で比較的短時間で所望の局にチューニングすることができる。
【0009】
より一般的には、本発明は複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムに関し、このシステムはユーザによる僅かな操作を介して、ユーザフレンドリな選択も選択すべき所望の項目への高速なアクセスも提供する。
【0010】
本発明はまた複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択する方法およびこの方法を実施するコンピュータプログラムに関する。
【0011】
さらに本発明は、選択システムを包含するか、本発明による選択方法を実施する、インタラクティブな電子番組ガイド(EPG)アセンブリ、放送受信機、音楽ファイル検索アセンブリに関する。また本発明は、本発明の選択システムを遠隔制御する手段を包含する遠隔制御装置に関する。
【0012】
本発明はテレビかラジオのEPGの分野および音楽ファイルの選択に適用されるが、殊にコンピュータ支援による書込みにも適用される。本明細書において項目という術語はディスプレイ上に表示することができるあらゆる種類のデータを含む。
【0013】
最後に本発明は、複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択するシステムに関する。このシステムは、
−複数の項目からなるリストの中から配列された項目を包含しているサブリストの動的な表示を反復的に提供し、スクリーンまたはディスプレイ上に表示する提供手段を有し、
−サブリストに包含されている項目のスクリーンまたはディスプレイ上における順序通りの表示を制御する表示制御手段を有し、ここで項目はスクリーンまたはディスプレイ上のスクロール領域において相互に隣接して整列されており、
−最初にサブリストに挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなるリストから複数の新たな項目を反復的にサブリストに挿入してサブリストの項目を動的に反復的に変更することにより、複数の項目からなるリストをスクリーンまたはディスプレイ上において少なくとも部分的にスクロールさせるスクロール手段を有し、
−スクリーンの所定の選択領域内に表示されているサブリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目をユーザが選択できるようにする選択手段を有する。
【0014】
本発明によれば、
−サブリストの動的な表示を提供する提供手段は、複数の項目からなるサブリストの少なくとも1つの付加的な動的な表示を同時に提供し、
−表示制御手段は、それぞれ異なるスクロール領域における全てのサブリストに関して整列されている複数の項目の内の少なくとも幾つかの項目をスクリーン上に同時に表示し、
−スクロール手段は、種々のスクロール領域におけるリストを少なくとも部分的にリストをスクロールさせ、
−選択手段は、サブリストの内の少なくとも1つのサブリストに関して選択領域内に表示されている項目をユーザが選択できるようにする。
【0015】
殊に本発明は通常の使用の代わりに、複数の項目からなる考慮されるリストに関する2つまたはそれ以上のスクロール領域の予想外の使用に関する。このことは殊に、たとえ2つまたはそれ以上の行が上下に重なって表示されていたとしても、人間の目はスクリーン上でスクロールするテキストを認識することができるという事実を基礎とすることができる。殊に、このことはそれぞれが異なる速度でスクロールする2つのテキストに適用することができる。
【0016】
さらには、もしくは代替的に本発明を、種々のスクロール領域においてスクリーン上に表示されている補足的な情報を基礎として使用することができ、したがってデータをより高速により快適に検索することができる。それどころかユーザはこの場合、ユーザの予測に関して、リストの表示されている関連する内容に依存して、一方のサブリストまたは他方のサブリストに注意を払うことができる。
【0017】
したがって本発明の選択システムはリスト内の項目の選択に関して潜在的に非常に効率的なツールを提供し、動的なサブリストの組み合わされた発見に基づいて操作回数を低減することができる。
【0018】
選択領域は1つのサブリストまたは複数の各サブリストにおける1つまたは複数の項目をカバーすることができる。この選択領域は、種々の断片的な部分から構成することができ、かつ全体的または部分的にユーザに認識させることができる「仮想」領域と見なすことができる。選択領域において複数の項目が一緒に選択されるべき場合には、別の選択メカニズムを要求することができる。
【0019】
有利には、
−選択システムはまた、複数のサブリストの内の少なくとも1つのサブリストをアクティブにし、その他のサブリストをデアクティブにするアクティブ化手段を有し、この際アクティブなサブリストのみを表示されている複数の項目の内の1つの項目の選択に使用することができ、
−選択手段はアクティブなサブリストに関する選択領域内に表示されている項目を選択する。サブリストはこのコンテクストにおいてスクロール領域と表すこともできる。
【0020】
このようにして、ユーザは関連するサブリストまたはスクロール領域も、その中における所望の項目も選択することができる。実際には、選択領域は全てのサブリストまたはスクロール領域をカバーすることができるが、アクティブなサブリストまたはサブリストに対応する部分のみが関連する1つまたは複数の項目の選択に使用される。有利な実施形態においては、アクティブ化手段は複数のサブリストまたはスクロール領域の内の1つのサブリストまたはスクロール領域のみをアクティブにし、選択手段はアクティブなサブリストまたはスクロール領域に対応する選択領域の部分に現れる複数の項目のうちの1つの項目のみを選択する。
【0021】
また有利にはスクロール手段が、1つまたは複数のアクティブなサブリストに対して少なくとも1つの比較的遅い速度を使用し、また1つまたは複数のデアクティブなサブリストに対して少なくとも1つの比較的速い速度を使用する。この場合ユーザは、リスト全体を高速に検索するための比較的速い速度と、リストの1つまたは複数の所望の項目を正確に選択するための比較的遅い速度を同時に使用できるという利点を得ることができる。
【0022】
別の実施形態においては選択手段により、ユーザがただ1度操作するだけで選択領域内に同時に現れる種々の項目が選択される。この場合ユーザは選択された全ての項目を利用することができる、もしくは補足的な選択メカニズムが使用される。
【0023】
補足的な選択メカニズムの第1の実施形態においては、スクロール手段が選択された複数の項目をスクリーン上でスクロールさせ、また選択手段によりユーザは比較的小さい補助的な選択領域において事前に選択された複数の項目の内の1つの項目を選択することができる。補足的な選択メカニズムの第2の実施形態においては、選択手段が、所望の項目を識別するためにユーザによってなされた特別な指示に依存して、例えば選択領域内の所定の位置に対応する、遠隔制御装置上の番号を備えたキーを押すことによって、1つの項目を明示的に選択する。補足的な選択メカニズムの第3の実施形態においては、選択手段が所望の項目をキーの起動時間に応じて選択する。例えば、ユーザは最初にリスト内の複数の項目からなるグループを選択し、これらの項目が遠隔制御装置における選択キーをアクティブにすることによって選択領域内に表示される。選択されたグループは異なるサブリスト内の複数の項目を包含する。続いて、選択キーがアクティブである限り、連続的に種々の項目に下線が引かれるか、それらの項目が強調される。所望の項目に下線が引かれるか、所望の項目が強調されると、ユーザは選択キーのアクティブ化を停止し、下線が引かれた項目または強調された項目がその時点において選択される。
【0024】
補足的な選択メカニズムのいずれの実施形態もアクティブ化手段を有する上述の実施形態と組み合わせることができる。すなわち、アクティブ化手段は選択手段と共に先ず事前選択ステップを実施し、このステップに続いて補足的な選択ステップを実施する。
【0025】
有利にはスクロール手段が動的なサブリストに依存して、異なる速度でリストを自動的にスクロールする。さらには、リスト内の異なる種類のデータに異なる重みを付けを行うことができ、最も関連のあるデータには最も遅い速度が対応付けられる。有利には、ユーザは選択のためにどのサブリストがアクティブにされるか、したがって遅い速度が割り当てられるかを選択することができ、その結果ユーザは所望の項目をより速くより確実に発見および選択することができる。別の実施形態においては、サブリストの複数の項目が方向感覚を得るために第1のスクロール領域において比較的速い速度でスクロールされ、同一のリストの項目は選択領域における後続の選択のために第2のスクロール領域において比較的遅い速度でスクロールされる。
【0026】
上述の実施形態のあらゆる組み合わせが可能である。例えば、第1のスクロール領域においては主題的な順序で表されている1つのリストまたはサブリストの項目が比較的速い速度でスクロールし、他方第2のスクロール領域においては英数字的な順序で表されている同一のリストまたはサブリストの項目が比較的遅い速度でスクロールする。ユーザはスクリーン上の2つの領域に表示されている目下のデータに依存して、第1のスクロール領域または第2のスクロール領域をアクティブにすることができる。ユーザは、英数字的な順序で複数の項目を比較的遅い速度で示している第2のスクロール領域の選択領域において単一の項目を選択することができるか、主題的な順序で複数の項目を比較的速い速度で示している第1のスクロール領域の選択領域において複数の項目からなるグループを選択することができる。後者の場合には、別の選択ステップによりユーザは所望の項目を指定することができる。
【0027】
別の実施形態においては、選択システムが1つまたは複数のスクロール領域における複数の項目のスクロール方向を反転する手段を有する。所望の項目を見逃した場合にも、依然としてその項目を迅速に検索することができる。これにより次回の通過において項目がスクロール領域に再び現れることを待機する必要はない。また所望の項目が現在のスクロール方向とは逆のスクロール方向においては、現在のスクロール方向よりも近くにある場合には時間を節約することができる。
【0028】
有利には、表示制御手段は隣接する平行なスクロールバーをスクロール領域として使用する。この実施形態は高速な読み出しに関して簡潔かつ効率的なものである。しかしながら他の表示形態、例えばスクリーン上に大量のデータを同時に表示するためにスパイラルチェーンを使用することができる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、提供手段が全ての動的なサブリストに関してリストの同一の項目を使用する。この場合には殊に、動的なサブリストは同一の複数の項目を使用するだけでなく、同一のスクロール順序で使用される。いずれにせよ、上述したように異なるスクロール速度を用いることにより、またはスクリーン上においてリストの異なる位置を同時に使用できるようにすることにより、またはこれら2つの可能性を用いることにより選択を行うことができる。後者の場合、有利には提供手段が種々のサブリストを提供し、これらのサブリストでは複数の項目がリストにおいて相互に可能な限り距離を置いて、異なるスクロール領域においてスクリーン上に同時に現れる。例えば、全てのサブリストに対して同一のスクロール速度を用いることにより、サブリストの数によって分割されたリストの項目の総数によってサブリスト内に包含されている複数の項目が相互に分離される。別の実施例においては、サブリストが英数的な順序の項目を包含し、ここで第1のスクロール領域内に表される第1のサブリストはA〜Kの文字で始まる項目を包含し、第2のスクロール領域内に表される第2のサブリストはL〜Zの文字で始まる項目を包含する。分散は項目の総数、また開始文字を考慮したその分散に依存して変化させることができる。
【0030】
それ以外には、それぞれのスクロール領域内に表される動的なサブリストは同一の項目ではあるが、順序は異なり、またはスクロール方向は反対である。
【0031】
本発明の実施形態によれば、提供手段が動的なそれぞれのサブリストに関するリストの補足的な複数の項目を使用する。術語「補足的」はここでは複数のリストの内の少なくとも1つのリストに存在するが、他のリストには存在しない少なくとも1つの項目の存在を表す。この実施形態の特別な形態においては、複数のサブリストの内の1つのサブリストが他のサブリストから抽出された項目を受け取る。種々のサブリストの内容は、他のサブリストの内容に関して入れ子にされたサブリストでもよい。これにより全体のリストの中において選択された幾つかの項目により大きい重みを付けすることができる。別の実施形態においては、項目が各サブリストにおいて完全に異なる。すなわち、これらのサブリストは共通の項目を有していない。しかしながら有利には提供手段により、サブリストの内のいずれか2つのサブリストがリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目を共有する。
【0032】
有利には、提供手段は複数のサブリストの内の少なくとも1つのサブブリストにおける項目を種々の発生頻度で提供することができる。これにより、他の項目に関して幾つかの項目を優先付けることができるが、所定のサブリスト内では種々のサブリストを使用する代わりに、上述したように異なる項目に異なる重みを付けることができる。
【0033】
これら全ての実施形態をどのようなやり方でも組み合わせることができ、またユーザの選択可能な異なるオプションに応じて、選択システムをこれらの種々の実施形態に適用することができる。
【0034】
有利には、選択システムは選択領域に目下表示されている少なくとも1つの項目の内容に対応する別の表示をユーザに与えるための表示手段を有する。この表示手段により選択システムをよりユーザフレンドリにすることができ、また利用を容易にすることができる。
【0035】
有利な実施形態によれば、複数の項目からなるリストは第1のレベルの項目の第1のレベルのリストであり、選択システムは前述の第1のリストにおけるそれらの第1のレベルの複数の項目の内の1つの項目を最初に選択し、続いて同様に、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のレベルのリストにおける少なくとも1つの第2のレベルの項目を選択する。第1のレベルの項目を少なくとも1つの第2のレベルの項目にリンクさせることができる。またこれとは逆のリンクも可能である。さらに選択システムは、選択された第1のレベルの項目に依存して第2のレベルのリストを指定するための手段を有する。この実施形態により所望の情報への「ズームイン」がなされる。データが種々の複雑なパラメータ、例えば作曲者、インタープリタ、スタイルなどに関連する音楽ピース、または監督、役者、公開日などに関連またはリンクする映画をデータベースにおいて有する場合には殊に有用である。
【0036】
また本発明はインタラクティブな電子番組ガイドアセンブリ、またはEPGアセンブリに適用され、本発明のいずれかの実施形態による選択システムを有することを特徴とする。この選択システムは有利には局名リストおよび/または番組タイトルリストのそれぞれのリストにおいて少なくとも1つの局名および/または番組タイトルを選択することができる。
【0037】
さらに本発明は放送受信機に関し、本発明によるインタラクティブなEPGアセンブリを有することを特徴とする。この放送受信機はインタラクティブなセットトップボックスおよびインタラクティブなテレビ受像機を包含するが、本発明はこれに制限されるものではない。殊にEPGアセンブリを衛星受信機として実施することができる。
【0038】
また本発明は音楽ファイル検索アセンブリに関し、本発明のいずれかの実施形態による選択システムを有することを特徴とする。有利には、この選択システムは、インタープリタ、アルバムおよびタイトルのそれぞれのリストにおいてインタープリタ名、アルバム名およびタイトル名の内の少なくとも1つを選択するために設けられている。音楽ファイル検索アセンブリを殊にMP3プレイヤとして実施することができる。
【0039】
さらに本発明は遠隔制御装置に関し、本発明のいずれかの実施形態による選択システムを遠隔制御する遠隔制御手段を有することを特徴とする。これらの遠隔制御手段は選択キーを有し、この選択キーによりユーザは提供手段、表示制御手段および選択システムのスクロール手段を一緒にトリガすることができ、また選択システムの選択手段をトリガすることによりスクリーンの選択領域内に表示された1つまたは複数の項目を選択することができる。したがって、遠隔制御装置におけるキーの数が非常に制限されていても、選択システムの制御にとっては十分である。
【0040】
1つの有利な実施形態においては、ユーザが選択領域において事前に選択された複数の動的なサブリストおよび項目からなる少なくとも1つのエンティティをさらに選択するよう選択キーは設計されている。したがって要求されるキーの数はさらに低減され、またそれどころか理論的にはただ1つのキーに限定することも可能である。
【0041】
本発明は以下のステップ、すなわち、
−複数の項目からなるリストの中から整列された項目からなる第1の動的なサブリストを反復的に提供し、スクリーン上に表示するステップと、
−スクロール領域において相互に隣接する、第1のサブリストの複数の項目のスクリーン上での順序通りの表示を制御するステップと、
−第1のサブリストに最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなるリストからの新たな項目を第1のサブリストに挿入することにより、第1の動的なサブリストの複数の項目を反復的に変更することにより、複数の項目からなるリストを少なくとも部分的にスクリーン上においてスクロールさせるステップとを有する、
複数の項目からなるリストの中から1つの項目を選択する方法に関し、この方法によりユーザはスクリーンの選択領域内に表示されているサブリストの複数の項目の内の少なくとも1つの項目を選択することができる。
【0042】
本発明によれば、
−提供ステップは、サブリストの第1の動的な表示と同時に行われる、複数の項目からなるサブリストの少なくとも1つの第2の動的な表示の提供を含み、
−表示制御ステップは、第1のスクロール領域および第2のスクロール領域それぞれにおいて第1のサブリストおよび第2のサブリストの少なくとも幾つかの整列された複数の項目のスクリーン上への同時の表示を含み、
−スクロールステップは、種々のスクロール領域における少なくとも部分的なリストのスクロールを含み、
この方法により、ユーザは第1のサブリストおよび第2のサブリストの内の少なくとも1つのサブリストと関連する選択領域に表示されている1つまたは複数の項目を選択することができる。
【0043】
選択方法は有利には、本発明のいずれかの実施形態による選択システムによって実施される。
【0044】
本発明の付加的な態様はコンピュータプログラム製品であり、このコンピュータプログラム製品はプログラムがコンピュータにおいて実行される場合には、本発明の選択方法のステップを実行するプログラムコードを包含する。「コンピュータプログラム製品」とは、例えばプログラムを包含する記憶領域、例えばディスケットまたはカセットのようなものだけではなく、例えば電気信号または光信号のような信号からなるものでもよいコンピュータプログラム支持体を意図している。
【0045】
選択システムの幾つかの特別な実施形態を以下では詳細に説明する。1つの実施形態においては、TV局名が画像を介してスクロールテキストとしてスクロールし、この際スクロールテキストの文字の色は残りの画像内容とは異なる。各スクロールテキストは背景としてカラーバーを有することもできる。有利には、局名の長さが例えば頭文字または省略形を使用することにより制限されている。しかしながらこのことは本方法を実施するにあたり必ずしも必要なことではない。
【0046】
アクティブなスクロールテキストの局名がスクリーン上の所定の位置を通過すると、局名を強調することができる。アクティブなスクロールテキストは選択を実施することができるスクロールテキストである。例えば背景の色を変更するか、テキストの色、テキストの大きさ、テキストのフォントなどを変更することにより強調を行うことができる。上述の変更を、例えば明滅により断続的に実施することができる。順序的に次の局名が所定の位置を通過するとこの次の局名が強調され、以前に強調されていた局名は再び通常通り表示される。有利な実施形態においては、局名を有するスクロールテキストの新たな流れは、先行する流れが完了した後に開始される。番組を選択するために、所望の局の名称が強調されたときに、ユーザはアクティブなスクロールテキストに適用される選択命令を発するだけでよい。このことを例えば「OK」キーで実施できる。殊に、ユーザが依然としてプログラムを決定しない場合、これはユーザがより長く視聴しようとして、その番組番号を覚えるということなので、局の快適な変更を実現することができる。
【0047】
本発明の有利な実施形態においては、局名を有する2つのスクロールテキストバーが異なる速度でスクリーンを流れ、また上下に重なってスクリーンに表示される。また2つのスクロールテキストは可読性および弁別性を改善するために異なる背景色を有することもできる。有利には選択領域内の強調は1つのスクロールテキストにおいてのみアクティブであり、また有利には、強調されるスクロールテキストは比較的遅い速度を有するスクロールテキストである。ここでユーザが、比較的速い速度でスクロールしているスクロールテキストにおいてこのユーザが関心を持つ番組を提供する局名を識別した場合には、ユーザはこのスクロールテキストに強調を切り換える。この切り換えを2つのキーを用いて簡潔なやり方で実施することができる。スクロールテキストを上下に重ねて配置することによって、切換を例えば「上」および「下」の記号を示す2つのキーを用いて実施することができる。2つのスクロールテキストのみが表示される場合には、これら2つのスクロールテキスト間の強調の切換をただ1つのキーを用いて作用させることができる。この前後に行き来する切換は「トグル」と称される。選択領域において目下強調されているスクロールテキストは比較的遅い速度で移動され、別のスクロールテキストは比較的速い速度で移動される。有利な実施形態においては、スクロールテキストの2つの行が互い違いに、または異なる速度で同一の局名を示し、これによりいずれかの局名へ平均アクセス時間が低減される。
【0048】
選択プロシージャ全体を単一のキーを使用することにより達成することができる。単一のキーを最初に押したときにスクロールテキストが表示される。単一のキーのさらに短い操作によりスクロールテキスト行間での強調の切り換えが行われる。単一のキーの長い操作により目下際立たされているまたは強調されている局が選択される。新たな局の選択後にスクロールテキストを溶暗することができる。もしくは所定の時間にわたってキー動作が何も行われない場合には溶暗が行われる。有利には後者の場合、1つのスクロールテキスト行または全てのスクロールテキスト行において局名が完全に流れた場合にのみ溶暗が行われる。
【0049】
別の有利な実施形態においては、局名が強調されているスクリーン上のポイント、すなわち選択領域を別のキーを用いることによりスクロールテキストの動く方向またはそれとは反対の方向に移動させることができる。このことを殊に所望の局を選択するまでの時間を短縮または延長するために使用することができる。例えば適切な記号「左」および「右」を備えた別のキーを設けることができる。択一的には、キーを用いることにより、目下緩慢に通過しているスクロールテキストを切り換えることができるか、1つまたは複数のプログラム名に関して拡張させることができる。
【0050】
有利には、1つまたは全てのスクロールテキストの速度を一時的に減速または加速することができるか、1つまたは全てのスクロールテキストを休止させるキーを設けることができる。
【0051】
別の実施形態においては、スクロールテキストの速度をユーザによって調節することができる。さらには、スクロールテキストならびに背景の色、また必要であれば強調の色もユーザによって調節することができる。さらにはテキストのフォントおよび強調方法をユーザが選択することができる。
【0052】
さらに別の実施形態においては、強調されている比較的大きい長さのテキストフィールドにとって十分である持続時間に対応する単一の強調期間を選択することができる。このようにして、全てのフィールドが等しい期間強調される。
【0053】
所定の用途、例えば局セレクタへの使用においては、目下選択されている番組をリストから除外することができるので、その局の名称は表示されない。
【0054】
異なる文化での選択システムの使用を考慮して、1つまたは複数のスクロールテキストが表示されるスクリーン上の場所を有利には選択することができる。したがって例えば、有利には上から下に向かって読まれる文化においてはスクロールテキストを側方の端に表示することができる。右から左に読む文化に関しては、スクロールテキストを左側から右側に移動させることが適切であり、他方左から右に読む文化に関してはスクロールテキストが右側から左側に移動するように表示される。一般的に、ユーザはスクロールテキストが上側の端に表示されるか下側の端に表示されるか、もしくは右側の端に表示されるか左側の端に表示されるかをそれぞれ選択することができる。
【0055】
別の実施形態においては、局名をスクロールテキストにおいて分類された順序、例えばアルファベット順に表示することができる。また例えばあらゆる局に関して統計的により短いアクセス時間を達成するために、異なるスクロールテキストにおいて局名の種々の分類順序を選択することができる。
【0056】
別の有利な実施形態においては、局から目下送信されている番組のタイトルが局名の代わりに表示される。タイトルを適切な短い形態、例えば一般的に使用されている頭文字または省略形によって表すことも有用である。そのような表示は、必要な情報は既にディジタル衛星受信技術において提供されているので、例えばEPGを使用する場合に容易に実現することができる。
【0057】
別の実施形態においては、目下強調されている局の番組が小さいスクリーンウィンドウに表示される。その配置はピクチャ・イン・ピクチャ、略してPIPとしてもたらされるか、2つの実質的に等しい大きさのウィンドウが並んで表示されるピクチャ・アンド・ピクチャまたはPAPとしてもたらされる。
【0058】
名称が目下強調されている局の画像をスクリーン上にフル画像フレームとして表すこともできる。この場合には、全ての利用可能な番組が連続的かつ反復的にユーザに簡単に表示され、この表示はユーザがプログラムを選択するか、プログラム選択モードを中断するまで継続される。
【0059】
指示される局名は利用可能な全ての局名のサブグループを表すこともでき、例えば「好みの」局として指定された局のみを表すことができる。「好みの」局として指定されている局がそのようなものとして指定されていない局よりも頻繁にスクロールテキストに現れるように、全体の局名における「好み」の局の発生頻度を操作することもできる。「好み」を自動でも手動でも識別することができる。
【0060】
別の用途において本発明の選択システムは、階層的にサブディレクトリに配列されているファイルまたはデータにアクセスするために使用される。したがって、最初に同一のレベルにあるディレクトリまたはデータのみがスクロールテキストに表示される。ディレクトリまたはデータ項目が選択されると、次に低いレベルにあるファイルまたはデータがスクロールテキストに表示され、以下同様の事が行われる。データを、選択方法に適している異なる階層レベルに配列されている他のデータと関連付けるまたはリンクさせることができる。本発明の選択システムおよび選択方法の発展形態においては、2行以上のテキストを上下に重ねてスクリーン上に表示できる場合には、それぞれの場合において選択されたディレクトリまたはデータの名称を、選択の前または選択に基づいて付加されたそれぞれの一番上の行に表示することができる。例えば多数のMP3音楽ファイルがデータ媒体に記憶されている場合には、選択のためにアーティスト名を最初に表示することができ、続いてアルバム名を表示し、その後にのみアルバムの個々のトラック名が表示される。いずれの場合においても選択されたデータ項目を関連するフィールドにおいてスクロールテキストの上に表示することができる。操作を容易にするために、タイトルレベルのスクロールテキストは第1のエントリとして「全てのタイトルの再生」および第2のエントリとして「ランダム再生」を表示することができる。しかしながら、これらの操作を他の場所における基本的な調節として行うこともできる。
【0061】
ファイルまたはデータアクセスに関する別の実施形態においては、種々の選択パラメータに関連するスクロールテキストが同時にスクリーン上に表示される。続いて、所定のパラメータに関してユーザによりなされた第1の選択に依存して、他のパラメータに関するスクロールテキストが調節される。次のパラメータの選択に関して操作を繰り返すことができる。例えば、ファイルアクセスが映画について指示されており、表示されたスクロールテキストが役者名、監督名および映画のスタイル(ウェスタン、ミュージカル、アクション、恋愛など)にそれぞれ関連付けられる。例えばある監督に関する第1の選択に依存して、他のスクロールテキストの内容が次の選択に適合される。また、データ項目に関するスクロールテキスト、例えば既に選択された映画を適切であれば何度も使用することができる。これは、例えば映画が選択可能な種々の役者とリンクされている場合である。十分な情報、例えば監督の名前および役者の内の一人の名前の両方の名前が一度与えられると、適合する映画のリストをスクリーン上の自動的なスクロールを介して選択を行うために表示することができる。
【0062】
別の用途においては、本発明の選択システムは英数字データを入力するために使用される。したがってスクロールテキストにはアルファベットの文字ならびに数字および記号が表示され、上述のやり方の内の1つのやり方で選択される。文字の発生頻度の重み付けを、入力プロシージャを短縮するために、選択された言語に依存して行うことができる。
【0063】
有利な実施形態においては、一度選択が行われると、選択された言語の単語構成規則に従い後に続くことができない文字をそれぞれのスクロールテキストから除外することができる。データ項目のこのような除外は、いかなる場合においても直前になされた選択に依存する動的なものである。このようにして完全なテキストを僅かなキー、それどころかただ1つのキーを使用して入力することができる。単語構成規則に従わない頭文字または省略形の入力を可能にするために、この機能をユーザによって少なくとも一時的に使用禁止にすることができる。
【0064】
少ない数のキーしか使用されないということは有利には機器のコストを低減し、またシステム全体の信頼度を向上させる。
【0065】
有利には選択システムおよび選択方法を、2行の英数字ディスプレイしか有さない装置と共に使用することができる。したがっていずれにせよ必要とされるディスプレイを多数の事例においてより効率的かつ快適に使用することができる、もしくは比較的大きいディスプレイを比較的小さく廉価なディスプレイに置換することができる。
【0066】
以下では本発明を図面に示した非制限的な実施形態および実施例を参照しながら説明し、これにより本発明はさらに理解される。ここで、図面において
図1は、ユーザインタフェースおよび表示スクリーンを備えた本発明による選択システムのブロック図であり、
図2は図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを含むTV受像機を示し、
図3はスクロールしている2つの選択テキストのために使用される図2のTV受像機におけるスクリーンの一部を示し、
図4は選択領域においてアクティブなスクロールテキストの局名に対応する別の画像が表示されている、図3に部分的に示されたスクリーンの全体を示し、
図5は図2のTV受像機における局名を有するスクロールテキストのための別の表示配置構成を示し、
図6は選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第1の実施形態を示し、
図7は選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第2の実施形態を示し、
図8は選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第3の実施形態を示し、
図9は図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを包含している携帯音楽機器を示し、
図10は音楽ピースの発見における第1のステップ、アーティストの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示し、
図11は音楽ピースの発見における第2のステップ、アルバムの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示し、
図12は音楽ピースの発見における第3のステップ、トラックの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示し、
図13は図10から12に示されているステップにおいて選択された音楽ピースに対応する付加的な情報が表示されている図9のスクリーンを示す。
【0067】
図1,2および7において示されているユニットは単なる機能エンティティであり、これらは物理的に別個のエンティティに対応している必要はない。つまり、これらのエンティティはソフトウェアの形態で開発することができるか、1つまたは複数の集積回路として実現することができる。
【0068】
さらに総称的な記号はインデクスによって補完されるものであり、例えば「SZ」は所定のモデル対象、例えばスクリーン上のスクロール領域を表す「スクロール領域」を表し、特定の項目を表すことができ、例えばスクロール領域SZ1はサブリストSL1に対応し、さらにスクロール領域SZ1Aは考察する実施形態Aに対応する。
【0069】
図1に示されているように、複数の項目からなるリストL1から1つの項目を選択するシステム1は表示を行うスクリーン2およびユーザインタフェース3と協働して使用されるので、ユーザは選択を制御することができる。
【0070】
選択システム1は、
−それぞれSL1およびSL2と示されている、リストL1のサブリストの第1の動的な表示および第2の動的な表示を反復的に提供し、スクリーン2上に表示する提供ユニット11を有し、
−スクリーン2上の2つのスクロール領域SZ1およびSZ2において同時に行われる、サブリストSL1およびSL2の複数の項目の相互に並んだ順序通りの表示を制御する表示制御ユニット12を有し、
−最初にサブリストに挿入された項目をキャンセルして、リストL1からの新たな項目を挿入することにより、サブリストSL1およびSL2の項目を反復的に変更することによって、リストL1をスクリーン2上で2つのスクロール領域SZ1およびSZ2においてスクロールさせるスクロールユニット13を有し、ここで、スクロールユニット13は、動作時に速度データベース22における速度値を発見して、それぞれのスクロール領域SZ1およびSZ2において異なる速度でリストL1をスクロールさせ、
−スクロール領域SZ1およびSZ2と交差するスクリーン2の選択領域20内に表示されるサブリストSL1およびSL2の内の少なくとも1つのサブリストにおける複数の項目の内の少なくとも1つの項目をユーザが選択できるようにする選択ユニット14を有し、ここで、ユーザによる項目の選択はスクリーン2上の表示の停止をトリガでき、また停止が表示制御ユニット12によって行われ、
−サブリストSL1およびSL2の表示に付加的に、選択領域20において目下表示されている1つまたは複数の項目の内容に対応する、スクリーン2上の表示領域25および/または音楽再生部において、ユーザにピクチャ、例えば静止画像またはビデオシーケンスを提供する表示ユニット18を有し、
−1つまたは両方のサブリストに関してリストL1のスクロール方向を反転させることができる反転ユニット17を有し、ここでそれぞれ同じ速度を反対の方向に適用し、また、
−項目データベース21内の選択された1つまたは複数の項目を検索する検索ユニット15を有する。
【0071】
選択システム1はまたサブリストSL1またはSL2の内の一方をアクティブにし、他方をデアクティブにするアクティブ化ユニット16も有し、アクティブなサブリストのみを選択領域20内に表示されている項目の内の1つの項目を選択するために使用することができる。すなわち、選択領域20とスクロール領域SZ1またはスクロール領域SZ2との交差部のみが選択に関して考慮される。したがってさらには、スクロールユニット13は比較的遅い速度をアクティブなサブリストに適用し、比較的速い速度をその他のサブリストに適用する。
【0072】
ユーザはユーザインタフェース3を介して、速度を加速または減速させるためのスクロールユニット13、ならびに選択ユニット14、アクティブ化ユニット16および反転ユニット17を制御することができる。
【0073】
選択システム1により種々のステップでの選択プロセスが実現され、このステップには複数のリストLi、本明細書においてはL1,L2およびL3における連続的な選択を含む。有利には、この選択システム1は指定ユニット19も有し、この指定ユニット19は先行するステップにおいて選択された項目に依存して第1の選択ステップが終了した後に、所定の選択ステップにおいて使用されるべきリストを指定する。したがって、第1のレベルL1においてある項目が選択された後には、この選択された項目に基づき考えられる種々の第2のレベルのリストにおいてリストL2が求められる。同様にリストL3が、第2のステップにおいてリストL2から選択された項目に基づき考えられる種々の第3のレベルリストにおいて求められる。最終的に、所望の項目が最終的なレベル、この実施例においては第3のレベルリストL3から抽出される。
【0074】
選択システム1の種々の用途をここで詳細に説明する。図2に示されている第1の実施形態においては、選択システム1がTV受像機6として実施されており、このTV受像機6はスクリーン2およびユーザインタフェース3も包含する。放送プログラムPGを受信するための設けられているTV受像機は、遠隔制御装置を用いてユーザがユーザインタフェース3に作用を及ぼすための遠隔通信部5も包含する。
【0075】
所望の局を視聴または記録するために操作が行われると、図3に示されているように、選択システム1はスクリーン2の下部2Aにおいて上部スクロール領域SZ1Aおよび下部スクロール領域SZ2Aを規定する2つの平行に隣接するスクロールバーを表示する。各スクロール領域SZ1AおよびSZ2Aにおいては、局名がスクリーン2Aの右側の端から左側の端へとスクロールする。さらには、ここでは下部スクロール領域SZ1Aが選択のためのアクティブ領域として選択されており、上部スクロール領域SZ2Aはアクティブ領域ではない。したがって、選択領域20は下部スクロール領域SZ1Aに限定された縮小された選択領域20Aとしてユーザに表される。しかしながら完全な選択領域20は両方のスクロール領域SZ1AおよびSZ2Aをカバーする。またこの場合、上部スクロール領域SZ1Aにおける局名のスクロールは下部スクロール領域SZ2Aよりも速く、このことは下部のスクロールバーに対しては括弧が1つのみ示されているのに対し、上部のスクロールバーに対しては括弧が2つ示されていることにより示唆されている。さらには、2つのスクロールバーに関して背景色は同一ではなく、このことは下部スクロール領域SZ2Aのより明るい色により示唆されている。
【0076】
ユーザが下部スクロール領域SZ2Aに代わって上部スクロール領域SZ1Aをアクティブにする場合には、見かけ上縮小されている選択領域20が上方にスクロール領域SZ1Aへと移動され、また速度も逆になる。すなわち、スクロール領域SZ1Aに関する速度が速くなる。これらの2つのバーに関する背景の色も付加的に反転させることができる。
【0077】
図4に示されているように、スクリーン2Aをより広範に考察すると、画像がスクリーン2Aの右上隅の再生領域25に挿入されていることが見て取れる。この再生領域25には、選択領域20Aにおける局名と関連するチャネルにおいて目下放送されている番組を表す静止画像またはビデオシーケンスが表示されている。
【0078】
図5に示されているような別の表示モードにおいては、それぞれSZ1BおよびSZ2Bとして表されているスクロール領域SZ1およびSZ2が垂直バーとして、2Bで表されているスクリーン2の右側に表示されている。この場合局名のスクロールは垂直方向に作用する。ここでは左側のスクロール領域SZ1Bがアクティブかつ低速度であり、このことは背景に関するより明るい色および単一の括弧によって示唆されている。左側のスクロールバーは選択領域20Bを備えている。
【0079】
種々の遠隔制御モデルをTV受像機6に使用することができる。図6に示されているように、第1の実施形態においては遠隔制御装置31が、
−赤外線放射部40と、
−アクティブなスクロール領域SZ1またはSZ2を選択するための上ボタン41および下ボタン42と、
−それぞれのスクロール方向に依存して、例えばボタンを短時間押すことによってスクロール方向を変更するため、または例えばボタンを長時間押すことによってスクロール速度を減速/加速させるための左ボタン43および右ボタン44と、
−アクティブなスクロール領域に関連する選択領域20内の項目を選択するための中央選択キー45とを有する。
【0080】
本発明の有利な実施形態においては、通常の操作モードの間に、上ボタン41および下ボタン42が音量制御のために使用され、また左ボタン43および右ボタン44が局のザッピングのために使用される。もしくは上ボタン41および下ボタン42が音量制御のために使用され、左ボタン43および右ボタン44が局のザッピングのために使用される。この場合、選択キー45を最初に押したときに通常モードから上述したような選択モードに切り替わる。選択後には遠隔制御装置31は自動的に通常モードに戻る。
別の実施形態においては、図7に示されている遠隔制御装置32が、
−赤外線放射部40と、
−それぞれのスクロール方向に依存して、例えばボタンを短時間押すことによってスクロール方向を変更するため、または例えばボタンを長時間押すことによってスクロール速度を減速/加速させるための、左右の押圧面を有する上部右側ボタン46と、
−アクティブなスクロール領域SZ1またはSZ2を選択するための、上下の押圧面を有する中央ボタン47と、
−アクティブなスクロール領域に関連する選択領域20内の項目を選択するための下部選択キー48とを有する。
【0081】
ここでもまた有利な実施形態においては、遠隔制御装置32を遠隔制御装置31に関したやり方と同じようにして通常モードにも使用することができる。
【0082】
図7の遠隔制御装置は異なる様式で使用することもできる:上部右側ボタン46および中央ボタン47は単一の接点ボタンである。それぞれのスクロール方向またはそれぞれのアクティブなスクロール領域に依存して、ボタンを短時間押すことによりそれぞれアクティブスクロール領域が切り換わるか、スクロール方向が逆転する。上部右側ボタンを長時間押すことによりアクティブスクロール領域のスクロール速度が減速する。
【0083】
第3の実施形態において、図8に示されている遠隔制御装置33は「ワンボタン」式の設計に関する。赤外線放射部40の他に、遠隔制御装置33はまさに1つのキー49しか有していない。この場合遠隔制御装置33は以下のように使用される:
−1回目の押圧:スクロールが開始される、
−短時間の2回目の押圧:アクティブスクロール領域が変更される、
−長時間の2回目の押圧:(選択領域およびアクティブなスクロール領域内の)目下の項目が選択される、
−短時間の3回目の押圧:アクティブスクロール領域が再び変更される、
−長時間の3回目の押圧:(選択領域およびアクティブなスクロール領域内の)目下の項目が選択される。
【0084】
選択が終了すると、スクロールが自動的に停止される。選択が行われない場合には、所定の時間の経過後に選択モードまたはスクロールを終了することができるか、複数のスクロール領域の内の少なくとも1つのスクロール領域においてリストの全ての項目が完全に流れると、選択モードまたはスクロールを終了することができる。
【0085】
選択システム1の第2の実施形態においては、選択システム1が図9に示されているように音楽装置7として実施されており、この音楽装置7にはスクリーン2およびユーザインタフェース3が統合されている。音楽装置7には項目データベース21すなわち音楽コンテンツ、および音楽コンテンツにおけるデータ23を記録するための記憶領域8が設けられている。
【0086】
所定の音楽ピースを発見するための操作が行われると、選択システム1は図10にその一部が示されておりかつ2Cと表されているスクリーン2上に、下部スクロール領域SZ1Cおよび上部スクロール領域SZ2Cをそれぞれ規定する2つの平行に隣接するバーを表示する。各スクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにおいては、アーティスト名がスクリーン2Cの右側の端から左側の端へとスクロールする。アーティスト名は全体として項目の第1のリストL1Cを形成し、この第1のリストL1Cからサブリストがスクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにそれぞれ表示される。さらにここでは下部スクロール領域SZ1Cが選択に関するアクティブ領域として選択されており、上部スクロール領域SZ2Cはアクティブ領域ではない。選択領域20は下部スクロール領域SZ1Cに限定されている縮小された選択領域20Cとしてユーザに表されているが、完全な選択領域20は実際には両方のスクロール領域SZ1CおよびSZ2Cをカバーすることができる。またこの場合上部スクロール領域SZ1Aにおける局名のスクロールは下部スクロール領域SZ2Aよりも速く、このことは下部のスクロール領域に対しては括弧が1つのみ示されているのに対し、上部のスクロール領域に対しては括弧が2つ示されていることにより示唆されている。
【0087】
本発明の1つの実施形態においては、第1のリストL1Cの項目に関してITとして示されており、縮小された領域20C内に表されているアーティスト名が左上の領域A1に通知される。ユーザがアーティスト名の選択の妥当性を確認すると、このアーティスト名が図11に示されているようにさらに左上の領域A2に移動され、そこに固定される。スクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにおけるアーティスト名は、そのアーティスト名が領域A2に移動されているこの選択されたアーティストに関するアルバム名に置換される。これらのアルバム名は全体として項目の第2のリストL2Cを形成し、この第2のリストはアーティストの識別、すなわち項目IT1に依存するものである。したがって第2のリストL2Cは第1のリストL1C内での選択に基づき動的に求められる。第2のリストL2Cの項目に関してIT2として示されており、縮小された領域20Cに目下のところ表されているアルバム名が左上の領域A1に通知される。ユーザがアルバム名の選択の妥当性を確認すると、このアルバム名は領域A1に固定される。スクロール領域SZ1CおよびSZ2Cにおけるアルバム名は、図12に示されているように、選択されたアルバムにおいて発見できるトラックに関連する音楽ピース名に置換される。これらの音楽ピース名は全体として項目の第3のリストL3Cを形成し、この第3のリストはアルバムの識別、すなわち項目IT2に依存するものである。したがって第3のリストL3Cは第2のリストL2C内での選択に基づき動的に求められる。第3のリストL3Cは2つの特別な項目:選択されたアルバム、すなわちIT2の全てのトラックを順番通りに再生するためのITAおよびそれらのトラックをランダムに再生するためのITRも包含する。
【0088】
第3のリストL3Cの項目が選択されると、図13に示されているように、音楽ピース名もしくは特別な項目ITAまたはITRのうちのいずれかである項目IT3が、上部スクロール領域SZ2Cのレベルに位置する左の領域A3に表示される。さらには、選択された音楽ピース、アルバムおよび/またはアーティストについての付加的な情報INFOが下部スクロール領域SZ1Cにおいてスクロールされる。
【0089】
別の実施形態においては領域A1,A2がスクロール領域の内の1つの選択領域内に目下存在する項目を示さない。その代わりに、領域A1,A2は選択が完了するまで表示されない。選択領域A1が既にスクリーンに表示されている場合、この領域A1はさらなる選択が完了するまで領域A2に関する場所をクリアするために上方にはシフトされない。
【0090】
付加的な領域A1,A2を省略することもできる。この場合スクリーン上の情報内容は低減されるけれども、表示を比較的小さく行うことができる。この場合には2行の表示が効率的となる。
【0091】
改善形態においては、種々のリスト項目をアルバム、例えば作曲者、ミュージシャン、現在の歌手、オリジナルの歌手などを求めるために連続的に選択することができる。この場合より多くのリストが第1のステップにおいて使用され、例えば選択されたアーティスト名がスクロール領域SZ1CおよびSZ2Cに平行なバーに並んで表示される。またデータ範囲のリストを検索されるレコードの周期を特定するために使用することができる。したがってアルバム名のリストが、選択された種々のアーティストに同時に対応付けるために、判定基準のセットに依存して求められる。有利には、ユーザがさらなるデータの選択を中止するため、また先行して選択された項目からアルバムの適切なリストを検索するために特別なエントリが設けられている。ユーザに所定のデータを有するアルバムは存在しないことを通知するため、またユーザに課される制約の数を低減するために幾つかの特別な手段を設けることができる。
【0092】
本明細書において術語スクリーンは本発明に適したあらゆる種類のディスプレイと同義のものとして使用されており、これらのディスプレイにはブラウン管、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードからなるディスプレイおよびプラズマパネルが含まれるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】ユーザインタフェースおよび表示スクリーンを備えた本発明による選択システムのブロック図を示す。
【図2】図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを含むTV受像機を示す。
【図3】スクロールしている2つの選択テキストのために使用される図2のTV受像機におけるスクリーンの一部を示す。
【図4】選択領域においてアクティブなスクロールテキストの局名に対応する別の画像が表示されている、図3に部分的に示されたスクリーンの全体を示す。
【図5】図2のTV受像機における局名を有するスクロールテキストのための別の表示配置構成を示す。
【図6】選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第1の実施形態を示す。
【図7】選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第2の実施形態を示す。
【図8】選択システムを備えた図2のTV受像機に適合されている遠隔制御装置の第3の実施形態を示す。
【図9】図1の選択システム、ユーザインタフェースおよびスクリーンを包含している携帯音楽機器を示す。
【図10】音楽ピースの発見における第1のステップ、アーティストの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示す。
【図11】音楽ピースの発見における第2のステップ、アルバムの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示す。
【図12】音楽ピースの発見における第3のステップ、トラックの選択に関して2つのスクロールテキストが表示されている図9のスクリーンを示す。
【図13】図10から12に示されているステップにおいて選択された音楽ピースに対応する付加的な情報が表示されている図9のスクリーンを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目からなるリスト(L1,L2,L3)の中から1つの項目を選択するシステム(1)であって、
−複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)の複数の項目からなる第1のサブリスト(SL1)の表示を反復的に提供してスクリーン(2)上に表示させる提供手段(11)と、
−前記スクリーン(2)上の第1のスクロール領域(SZ1)において相互に隣接している前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の前記スクリーン(2)上における順序通りの表示を制御する表示制御手段(12)と、
−前記第1のサブリスト(SL1)に最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)からの複数の新たな項目を前記第1のサブリスト(SL1)に挿入することにより、前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目を反復的に変更して前記スクリーン(2)上の複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)を少なくとも部分的にスクロールさせるスクロール手段(13)と、
−前記スクリーン(2)上の選択領域(20)内に表示されている、前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目のユーザによる選択を可能にする選択手段(14)とを有する選択システム(1)において、
−前記第1のサブリスト(SL1)を提供する前記提供手段(11)は、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のサブリスト(SL2)を同時に提供し、
−前記表示制御手段(12)は、第1のスクロール領域(SZ1)および第2のスクロール領域(SZ2)のそれぞれのスクロール領域における全ての第1のサブリスト(SL1)および第2のサブリスト(SL2)の複数の項目の内の少なくとも幾つかの項目を前記スクリーン(2)上に同時に表示し、
−前記スクロール手段(13)は、前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)における前記リスト(L1,L2,L3)を少なくとも部分的にスクロールさせ、
−前記選択手段(14)は前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)の内の少なくとも1つのスクロール領域の前記選択領域(20)内に表示されている1つの項目のユーザによる選択を可能にすることを特徴とする、選択システム。
【請求項2】
選択されたスクロール領域として少なくとも1つのスクロール領域(SZ1,SZ2)を決定する決定手段(16)をさらに有し、前記選択されたスクロール領域内でのみ前記表示されている項目の内の1つを選択可能であり、前記選択手段(14)は前記選択されたスクロール領域の前記選択領域(20)内に表示されている前記項目を選択する、請求項1記載の選択システム(1)。
【請求項3】
前記スクロール手段(13)は、前記選択されたスクロール領域に対して少なくとも1つの比較的遅い速度を使用し、選択されていないスクロール領域に対しては少なくとも1つの比較的速い速度を使用する、請求項2記載の選択システム(1)。
【請求項4】
前記スクロール手段(13)は、前記サブリスト(SL1,SL2)に依存して前記リスト(L1,L2,L3)の複数の項目を異なる速度で同時に自動的にスクロールさせる、請求項1から3までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項5】
前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)のスクロール方向を反転させる手段(17)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項6】
前記表示制御手段(12)は、前記スクロール領域(SZ1,SZ2)として隣接する平行なスクロールバーを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項7】
前記提供手段(11)は、全てのサブリスト(SL1,SL2)に対して前記リスト(L1,L2,L3)の同一の複数の項目を使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項8】
前記提供手段(11)は、それぞれのサブリスト(SL1,SL2)に対して前記リスト(L1,L2,L3)の補足的な複数の項目を使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項9】
前記提供手段(11)は、前記サブリスト(SL1,SL2)の内の少なくとも1つのサブリストの1つまたは複数の項目を種々の発生頻度で提供する、請求項1から8までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項10】
前記選択領域(20)内に表示されている少なくとも1つの項目の内容に対応する別の表示をユーザに提供する表示手段(18)を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の選択システム。
【請求項11】
複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)は複数の第1のレベルの項目からなる第1のレベルリスト(L1)であり、前記選択システム(1)は前記第1のレベルのリスト(L1)における複数の前記第1のレベルの項目の内の1つの項目を最初に選択し、続いて、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のレベルのリスト(L2)における少なくとも1つの第2のレベルの項目を同様に選択し、前記選択システムは選択された前記第1のレベルの項目に依存して前記第2のレベルのリスト(L2)を指定する手段をさらに有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項12】
インタラクティブな電子番組ガイドアセンブリにおいて、
請求項1から11までのいずれか1項記載の選択システム(1)を有し、該選択システム(1)は有利には、局名のリストおよび/または番組タイトルのリストのそれぞれのリストにおける少なくとも1つの局名および/または番組タイトルを選択することを特徴とする、インタラクティブな電子番組ガイドアセンブリ。
【請求項13】
インタラクティブなセットトップボックスおよびインタラクティブなテレビ受像機の内の1つを有する放送受信機(6)において、
請求項12によるインタラクティブな電子番組ガイドアセンブリを有することを特徴とする、放送受信機。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1項記載の選択システム(1)を有する、ファイル検索アセンブリ(7)。
【請求項15】
ファイルは音楽ファイルであり、該音楽ファイルはインタープリタ、アルバムおよびタイトルのそれぞれのリストにおけるインタープリタ名、アルバム名およびタイトル名からなる少なくとも1つのリストを包含する関連情報項目を有する、請求項14記載のファイル検索アセンブリ。
【請求項16】
遠隔制御装置(31,32,33)において、
請求項1から11までのいずれか1項記載の選択システム(1)を遠隔制御する遠隔制御手段(41〜49)を有し、該遠隔制御手段(41〜49)は単一の選択キー(45,48,49)を有し、該選択キー(45,48,49)を用いることにより、ユーザによる提供手段(11)、表示制御手段(12)およびスクロール手段(13)の一緒のトリガ、選択手段(14)のトリガによるスクリーン(2)上の選択領域(20)内に表示されている少なくとも1つの項目の選択が可能となることを特徴とする遠隔制御装置(31,32,33)。
【請求項17】
前記選択キー(49)は、選択されたスクロール領域のユーザによる決定を可能とするよう設計されている、請求項15記載の遠隔制御装置(33)。
【請求項18】
複数の項目からなるリスト(L1,L2,L3)の中から1つの項目を選択する方法であって、
−複数の項目からなる第1のリスト(L1)の中から複数の項目からなる第1のサブリスト(SL1)を提供してスクリーン(2)上に表示するステップと、
−前記スクリーン(2)上の第1のスクロール領域(SZ1)において相互に隣接している前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の順序通りの表示を制御するステップと、
−前記第1のサブリスト(SL1)に最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)からの複数の新たな項目を前記第1のサブリスト(SL1)に挿入することにより、前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目を反復的に変更して前記スクリーン(2)上の複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)を少なくとも部分的にスクロールさせるステップと、
−前記スクロール領域(SZ1)内に選択領域(20)を表すステップと、
−前記選択領域(20)内に表示されている前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目を選択するための選択命令としてユーザ入力を受け取るステップとを有する選択方法において、
−前記第1のサブリスト(SL1)と同時に、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のサブリスト(SL2)を提供するステップと、
−第1のスクロール領域(SZ1)および第2のスクロール領域(SZ2)のそれぞれのスクロール領域における第1のサブリスト(SL1)および少なくとも1つの第2のサブリスト(SL2)に関して配列された複数の項目を前記スクリーン(2)上に同時に表示するステップと、
−種々の前記スクロール領域(SZ1,SZ2)における前記第1のリスト(L1)を少なくとも部分的にスクロールさせるステップと、
−前記選択領域(20)内に表示されている前記第2のサブリスト(SL2)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目を選択するための選択命令としてユーザ入力を受け取るステップとを有することを特徴とする、選択方法。
【請求項19】
前記表示ステップは、前景および背景に関するそれぞれ異なるコントラストの色での各スクロール領域の表示を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記第1のスクロール領域(SZ1)または前記第2のスクロール領域(SZ2)から選択されたスクロール領域を決定するためのユーザ入力を受け取るステップを有し、請求項18による前記選択命令は前記選択されたスクロール領域に関するもののみ受けとられる、請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
前記選択領域を決定するための前記ユーザ入力および前記選択命令は同一であり、前記ユーザ入力の期間をアクティブなサブリストを求めることと項目を選択することとを区別するために使用する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記選択領域(20)内の項目を強調するステップをさらに有する、請求項18から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)における複数の項目を第1のスクロール速度および第2のスクロール速度で表示する、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記選択されたスクロール領域は選択されていないスクロール領域よりも遅い速度でスクロールされる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
1つまたは複数の前記スクロール領域(SZ1,SZ2)のスクロール方向および/またはスクロール速度をそれぞれユーザ入力に基づき反転させるおよび/または変更する、請求項18から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記第1のサブリストおよび/または前記第2のサブリストにおける複数の項目の順序を先行するユーザの選択に依存して適合させる、請求項18から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記第1のサブリスト(SL1)および/または前記第2のサブリスト(SL2)の複数の項目を、それぞれのサブリストの全ての項目が一度完全に流れるまでの間にそれぞれのスクロール領域(SZ1,SZ2)において何度も再生する、請求項18から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記第1のサブリスト(SL1)または前記第2のサブリスト(SL2)における同一の項目の発生頻度は先行するユーザの選択に依存する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
先行するユーザの選択に依存して、前記第1のサブリスト(SL1)および/または前記第2のサブリスト(SL2)に表示されている第1のリスト(L1)の複数の項目の中から少なくとも幾つかの項目を消去するか、第2のリスト(L2,L3)の項目によって置換する、請求項18から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記第2のサブリスト(SL2)の複数の項目は前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目からなるサブセットである、請求項18から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
複数の項目からなる前記サブセットを先行するユーザの選択に依存して決定する、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記サブセットを決定するために、ユーザによる先行する個々の項目の選択の頻度および/または時間を監視する、請求項30または31記載の方法。
【請求項33】
前記サブセットを決定するために、監視期間の持続時間は事前に決定されるかユーザにより選択可能であり、前記監視期間は浮動の監視ウィンドウを形成するために回帰的に、所定の時点に、またはユーザインタラクションに依存して開始する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記選択領域(20)における項目および/または選択された項目、または関連するいずれかの項目の内容を前記スクリーン(2)上の付加的な領域(A1,A2,25)において再生する、請求項18から33までのいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記選択領域(20)をユーザ入力に基づきスクロール方向に移動させる、またはスクロール方向とは逆方向に移動させる、請求項18から34までのいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目を複数の項目からなる第2のリスト(L2,L3)における少なくとも1つの項目とリンクさせ、複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)の項目においてリンクされる項目の選択により、複数の項目からなる前記第2のリスト(L2,L3)のリンクされている1つまたは全ての項目を前記第1のスクロール領域(SZ1)または前記第2のスクロール領域(SZ2)に表示する、請求項18から35までのいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
複数の項目からなる前記第1のリストの中から1つの項目を前記選択領域(20)において選択した後に、前記第1のスクロール領域(SZ1)および/または前記第2のスクロール領域(SZ2)は、複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)において先行して選択された項目とリンクされている、複数の項目からなる前記第2のリストの項目のみを表示する、請求項36記載の方法。
【請求項38】
プログラムがコンピュータにおいて実行される場合に、請求項18から37までのいずれか1項記載の方法のステップを実行するプログラムコード命令を包含することを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【請求項1】
複数の項目からなるリスト(L1,L2,L3)の中から1つの項目を選択するシステム(1)であって、
−複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)の複数の項目からなる第1のサブリスト(SL1)の表示を反復的に提供してスクリーン(2)上に表示させる提供手段(11)と、
−前記スクリーン(2)上の第1のスクロール領域(SZ1)において相互に隣接している前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の前記スクリーン(2)上における順序通りの表示を制御する表示制御手段(12)と、
−前記第1のサブリスト(SL1)に最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)からの複数の新たな項目を前記第1のサブリスト(SL1)に挿入することにより、前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目を反復的に変更して前記スクリーン(2)上の複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)を少なくとも部分的にスクロールさせるスクロール手段(13)と、
−前記スクリーン(2)上の選択領域(20)内に表示されている、前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目のユーザによる選択を可能にする選択手段(14)とを有する選択システム(1)において、
−前記第1のサブリスト(SL1)を提供する前記提供手段(11)は、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のサブリスト(SL2)を同時に提供し、
−前記表示制御手段(12)は、第1のスクロール領域(SZ1)および第2のスクロール領域(SZ2)のそれぞれのスクロール領域における全ての第1のサブリスト(SL1)および第2のサブリスト(SL2)の複数の項目の内の少なくとも幾つかの項目を前記スクリーン(2)上に同時に表示し、
−前記スクロール手段(13)は、前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)における前記リスト(L1,L2,L3)を少なくとも部分的にスクロールさせ、
−前記選択手段(14)は前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)の内の少なくとも1つのスクロール領域の前記選択領域(20)内に表示されている1つの項目のユーザによる選択を可能にすることを特徴とする、選択システム。
【請求項2】
選択されたスクロール領域として少なくとも1つのスクロール領域(SZ1,SZ2)を決定する決定手段(16)をさらに有し、前記選択されたスクロール領域内でのみ前記表示されている項目の内の1つを選択可能であり、前記選択手段(14)は前記選択されたスクロール領域の前記選択領域(20)内に表示されている前記項目を選択する、請求項1記載の選択システム(1)。
【請求項3】
前記スクロール手段(13)は、前記選択されたスクロール領域に対して少なくとも1つの比較的遅い速度を使用し、選択されていないスクロール領域に対しては少なくとも1つの比較的速い速度を使用する、請求項2記載の選択システム(1)。
【請求項4】
前記スクロール手段(13)は、前記サブリスト(SL1,SL2)に依存して前記リスト(L1,L2,L3)の複数の項目を異なる速度で同時に自動的にスクロールさせる、請求項1から3までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項5】
前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)のスクロール方向を反転させる手段(17)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項6】
前記表示制御手段(12)は、前記スクロール領域(SZ1,SZ2)として隣接する平行なスクロールバーを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項7】
前記提供手段(11)は、全てのサブリスト(SL1,SL2)に対して前記リスト(L1,L2,L3)の同一の複数の項目を使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項8】
前記提供手段(11)は、それぞれのサブリスト(SL1,SL2)に対して前記リスト(L1,L2,L3)の補足的な複数の項目を使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項9】
前記提供手段(11)は、前記サブリスト(SL1,SL2)の内の少なくとも1つのサブリストの1つまたは複数の項目を種々の発生頻度で提供する、請求項1から8までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項10】
前記選択領域(20)内に表示されている少なくとも1つの項目の内容に対応する別の表示をユーザに提供する表示手段(18)を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の選択システム。
【請求項11】
複数の項目からなる前記リスト(L1,L2,L3)は複数の第1のレベルの項目からなる第1のレベルリスト(L1)であり、前記選択システム(1)は前記第1のレベルのリスト(L1)における複数の前記第1のレベルの項目の内の1つの項目を最初に選択し、続いて、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のレベルのリスト(L2)における少なくとも1つの第2のレベルの項目を同様に選択し、前記選択システムは選択された前記第1のレベルの項目に依存して前記第2のレベルのリスト(L2)を指定する手段をさらに有する、請求項1から10までのいずれか1項記載の選択システム(1)。
【請求項12】
インタラクティブな電子番組ガイドアセンブリにおいて、
請求項1から11までのいずれか1項記載の選択システム(1)を有し、該選択システム(1)は有利には、局名のリストおよび/または番組タイトルのリストのそれぞれのリストにおける少なくとも1つの局名および/または番組タイトルを選択することを特徴とする、インタラクティブな電子番組ガイドアセンブリ。
【請求項13】
インタラクティブなセットトップボックスおよびインタラクティブなテレビ受像機の内の1つを有する放送受信機(6)において、
請求項12によるインタラクティブな電子番組ガイドアセンブリを有することを特徴とする、放送受信機。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1項記載の選択システム(1)を有する、ファイル検索アセンブリ(7)。
【請求項15】
ファイルは音楽ファイルであり、該音楽ファイルはインタープリタ、アルバムおよびタイトルのそれぞれのリストにおけるインタープリタ名、アルバム名およびタイトル名からなる少なくとも1つのリストを包含する関連情報項目を有する、請求項14記載のファイル検索アセンブリ。
【請求項16】
遠隔制御装置(31,32,33)において、
請求項1から11までのいずれか1項記載の選択システム(1)を遠隔制御する遠隔制御手段(41〜49)を有し、該遠隔制御手段(41〜49)は単一の選択キー(45,48,49)を有し、該選択キー(45,48,49)を用いることにより、ユーザによる提供手段(11)、表示制御手段(12)およびスクロール手段(13)の一緒のトリガ、選択手段(14)のトリガによるスクリーン(2)上の選択領域(20)内に表示されている少なくとも1つの項目の選択が可能となることを特徴とする遠隔制御装置(31,32,33)。
【請求項17】
前記選択キー(49)は、選択されたスクロール領域のユーザによる決定を可能とするよう設計されている、請求項15記載の遠隔制御装置(33)。
【請求項18】
複数の項目からなるリスト(L1,L2,L3)の中から1つの項目を選択する方法であって、
−複数の項目からなる第1のリスト(L1)の中から複数の項目からなる第1のサブリスト(SL1)を提供してスクリーン(2)上に表示するステップと、
−前記スクリーン(2)上の第1のスクロール領域(SZ1)において相互に隣接している前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の順序通りの表示を制御するステップと、
−前記第1のサブリスト(SL1)に最初に挿入された項目をキャンセルし、複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)からの複数の新たな項目を前記第1のサブリスト(SL1)に挿入することにより、前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目を反復的に変更して前記スクリーン(2)上の複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)を少なくとも部分的にスクロールさせるステップと、
−前記スクロール領域(SZ1)内に選択領域(20)を表すステップと、
−前記選択領域(20)内に表示されている前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目を選択するための選択命令としてユーザ入力を受け取るステップとを有する選択方法において、
−前記第1のサブリスト(SL1)と同時に、複数の項目からなる少なくとも1つの第2のサブリスト(SL2)を提供するステップと、
−第1のスクロール領域(SZ1)および第2のスクロール領域(SZ2)のそれぞれのスクロール領域における第1のサブリスト(SL1)および少なくとも1つの第2のサブリスト(SL2)に関して配列された複数の項目を前記スクリーン(2)上に同時に表示するステップと、
−種々の前記スクロール領域(SZ1,SZ2)における前記第1のリスト(L1)を少なくとも部分的にスクロールさせるステップと、
−前記選択領域(20)内に表示されている前記第2のサブリスト(SL2)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目を選択するための選択命令としてユーザ入力を受け取るステップとを有することを特徴とする、選択方法。
【請求項19】
前記表示ステップは、前景および背景に関するそれぞれ異なるコントラストの色での各スクロール領域の表示を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記第1のスクロール領域(SZ1)または前記第2のスクロール領域(SZ2)から選択されたスクロール領域を決定するためのユーザ入力を受け取るステップを有し、請求項18による前記選択命令は前記選択されたスクロール領域に関するもののみ受けとられる、請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
前記選択領域を決定するための前記ユーザ入力および前記選択命令は同一であり、前記ユーザ入力の期間をアクティブなサブリストを求めることと項目を選択することとを区別するために使用する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記選択領域(20)内の項目を強調するステップをさらに有する、請求項18から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記第1のスクロール領域(SZ1)および前記第2のスクロール領域(SZ2)における複数の項目を第1のスクロール速度および第2のスクロール速度で表示する、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記選択されたスクロール領域は選択されていないスクロール領域よりも遅い速度でスクロールされる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
1つまたは複数の前記スクロール領域(SZ1,SZ2)のスクロール方向および/またはスクロール速度をそれぞれユーザ入力に基づき反転させるおよび/または変更する、請求項18から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記第1のサブリストおよび/または前記第2のサブリストにおける複数の項目の順序を先行するユーザの選択に依存して適合させる、請求項18から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記第1のサブリスト(SL1)および/または前記第2のサブリスト(SL2)の複数の項目を、それぞれのサブリストの全ての項目が一度完全に流れるまでの間にそれぞれのスクロール領域(SZ1,SZ2)において何度も再生する、請求項18から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記第1のサブリスト(SL1)または前記第2のサブリスト(SL2)における同一の項目の発生頻度は先行するユーザの選択に依存する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
先行するユーザの選択に依存して、前記第1のサブリスト(SL1)および/または前記第2のサブリスト(SL2)に表示されている第1のリスト(L1)の複数の項目の中から少なくとも幾つかの項目を消去するか、第2のリスト(L2,L3)の項目によって置換する、請求項18から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記第2のサブリスト(SL2)の複数の項目は前記第1のサブリスト(SL1)の複数の項目からなるサブセットである、請求項18から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
複数の項目からなる前記サブセットを先行するユーザの選択に依存して決定する、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記サブセットを決定するために、ユーザによる先行する個々の項目の選択の頻度および/または時間を監視する、請求項30または31記載の方法。
【請求項33】
前記サブセットを決定するために、監視期間の持続時間は事前に決定されるかユーザにより選択可能であり、前記監視期間は浮動の監視ウィンドウを形成するために回帰的に、所定の時点に、またはユーザインタラクションに依存して開始する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記選択領域(20)における項目および/または選択された項目、または関連するいずれかの項目の内容を前記スクリーン(2)上の付加的な領域(A1,A2,25)において再生する、請求項18から33までのいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記選択領域(20)をユーザ入力に基づきスクロール方向に移動させる、またはスクロール方向とは逆方向に移動させる、請求項18から34までのいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)の複数の項目の内の少なくとも1つの項目を複数の項目からなる第2のリスト(L2,L3)における少なくとも1つの項目とリンクさせ、複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)の項目においてリンクされる項目の選択により、複数の項目からなる前記第2のリスト(L2,L3)のリンクされている1つまたは全ての項目を前記第1のスクロール領域(SZ1)または前記第2のスクロール領域(SZ2)に表示する、請求項18から35までのいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
複数の項目からなる前記第1のリストの中から1つの項目を前記選択領域(20)において選択した後に、前記第1のスクロール領域(SZ1)および/または前記第2のスクロール領域(SZ2)は、複数の項目からなる前記第1のリスト(L1)において先行して選択された項目とリンクされている、複数の項目からなる前記第2のリストの項目のみを表示する、請求項36記載の方法。
【請求項38】
プログラムがコンピュータにおいて実行される場合に、請求項18から37までのいずれか1項記載の方法のステップを実行するプログラムコード命令を包含することを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−519999(P2007−519999A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548171(P2006−548171)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014762
【国際公開番号】WO2005/069609
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014762
【国際公開番号】WO2005/069609
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
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