説明

複数対の埋込みサーボバーストを使用したディスク駆動装置

【課題】アクチュエータアーム上の変換ヘッドのトラックへの位置決め精度を向上させるとともにトラックシークタイムを短縮する。
【解決手段】データトラック内の少なくとも1つの事前記録されたサーボセクタ20は、4つの時間的に互い違いとされたサーボバースト50を含む。サーボバーストの第1対および第2対は一般にバースト幅だけ互いに半径方向に偏倚され、これによりそのバースト対の各々の縁は実質的に同一線上にあってトラック空白を形成している。第1対はバースト幅の2分の1の幅だけ第2対から半径方向に偏倚している。第1対は第1相対振幅を決定するために読出され、第2対は第2相対振幅を決定するために読出される。事前記録されたサーボバースト50は、幅および数を変化され、それが位置されるデータトラック18に複数のトラック空白を形成するようになされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気ディスク駆動装置におけるヘッド位置制御装置に関する。さらに詳しくは、本発明はトラックセクターに備えたグレイコードおよびサーボバーストを使用するディスク駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムや同様システムはしばしばコンピュータプログラムやデータなどの情報を保存するために磁気ディスク駆動装置を使用している。磁気ディスク駆動装置は、剛性の回転する磁気ディスク面上を「浮動」するスライダに取付けられたデータ変換ヘッドを典型的に含んで成る。このデータ変換ヘッドはアクチュエータを作動させる駆動制御装置によってディスクの選定された部分の上方に位置決めされる。データヘッドは、情報の書込み時にはディスク面に作用する磁場を発生させるのに使用され、情報の読出し時にはディスク面の磁場を検出するのに使用される。
【0003】
情報は磁気ディスク面の同心トラックに典型的に保存されるが、これはデータヘッドに書込み信号を与え、磁気ディスクの表面に保存すべきデータを表す磁化反転(flux reversals)をコード化(encode)して行われる。ディスクからのデータ読出しにおいては、データヘッドが磁気ディスク上を浮動してその磁気ディスクの磁化反転を検出し、その磁化反転に基づく読出し信号を発生するように、駆動制御装置がアクチュエータを制御する。その後、読出し信号は磁気ディスクに保存されている磁化反転で表されるデータ、したがってデータヘッドにより与えられた読出し信号で表されるデータを復元するために、駆動制御装置によって復号化(decode)される。
【0004】
ディスクのトラックにおけるデータヘッドの正確な位置決めは、ディスクに対するデータの書込み、およびディスクからのデータの読出しにおいて非常に重要である。トラックにおけるデータヘッドの位置決めには、典型的に2つの段階がある。第1の段階はコアース位置決めすなわち粗い位置決めと称され、第2の段階は微細な位置決めと称される。粗い位置決めにおいては、ディスク駆動装置を制御する駆動制御装置またはアクセスするデータを指示するホスト装置から受取ったトラックのアドレス位置に基づいて、サーボ装置がディスクトラック上にヘッドを位置決めする。データヘッドはディスクのトラック間距離よりも典型的に小さい。それ故に粗い位置決めによってデータヘッドが位置決めされたトラック内でデータヘッドを適正に位置決めするために、微細な位置決めが用いられる。
【0005】
データヘッドが所望のトラック内に適正に位置決めされないと、「オフトラック」(トラックからの逸脱)と呼ばれる。書込みまたは読出し時にデータヘッドがオフトラックすればするほど、作動におけるS/N比(信号対雑音比)が大きくなる。S/N比が大きいと、ディスクからのデータの読出しにおける誤り率は非常に大きくなる。したがって、ディスク駆動装置はデータを適正に書込みおよび読出すことができなくなる。
【0006】
書込みおよび読出しが一つの変換器によって行われる薄膜ヘッドでは、ヘッドの微細な位置決めは、情報がディスクから読出されるときにそのディスクから受取った信号を使用することで行うことができる。この信号は、変換器がトラックすなわち「トラックの理想中心」に対する好ましい位置に位置決めされたときにそのことを示す。この好ましい位置は読出しおよび書込みに関して同じである。
【0007】
磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)は一般に複ヘッド(dual element head)と称される。磁気抵抗ヘッドは、データをディスクに書込むのに使用される1つの変換器およびディスクからデータを読出すのに使用される別の変換器、すなわち書込み用変換器および読出し用変換器を有している。磁気抵抗ヘッドは書込み用変換器および読出し用変換器の間に空間的な隔たりを有する。さらに、単一磁気抵抗ヘッドにおける読出し用変換器および書込み用変換器は、所望の隔離以外に製造誤差に基づいて多少ながら互いに空間的に隔てられる。したがって、磁気抵抗ヘッドが書込み作動時にトラック上で最終的に位置決めされたとき、その同じ位置が必然的に読出し作動時の磁気抵抗ヘッドに関する理想的なトラック中心になることはない。換言すれば、読出し用変換器の作動に関する理想的な中心位置は、書込み用変換器の作動に関する理想的な中心位置と必然的に同じではない。
【0008】
ヘッド位置情報を与える1つの方法は、トラック内に配置(interleave)されたかなりの数のセクターにサーボ情報を埋込み、それらのサーボ情報を周期的にサンプリングおよび保持(sample and hold)して、それらのサンプルからヘッド位置を導き出せるようにすることである。有効とするには、埋込まれたサーボパターンがトラックをその隣り合うトラックから唯一のものとして識別する情報を含まねばならず、さらにまたこのパターンは基準中心線を与えなければならない。トラックシーク作動時にディスク面に対するデータヘッド変換器の半径方向位置を示すためにトラックの識別番号は有効であり、またトラック追跡作動時に理想的なトラック中心線上にデータヘッド変換器を心出しするには基準中心線が有用である。従来技術においては、このようなサーボ情報は、シーク時にトラックに対する変換器の移動方向を示すのに使用できる空間的な直交関係(quadrature relationship)を含むものであった。
【0009】
データヘッド変換器は、そのヘッド変換器をパス(通過)する記録パターンに対する高精度な半径方向の位置測定装置として機能することが知られている。ヘッドが予め記録されているバーストパターンを読出すなら、復元信号の振幅はヘッド変換器とバーストパターンとの半径方向に関する位置の一致性(一致の度合い)に比例する。ヘッドがバーストと整合したならば、最大振幅が復元される。バーストの一部分にヘッドが正対するだけならば、復元信号の振幅は全振幅に対する部分振幅となり、その大きさはヘッドの半径方向に関する変位量に比例する。ヘッドがバーストから外れてしまうと、バースト振幅は全く復元されない。
【0010】
最新のサーボ書込み技術によれば、埋込まれるセクタのサーボパターンは、典型的にはデータヘッド変換器の多重位相可干渉パス(multiple phase coherent passes)によってサーボデータフィールドと心出し用バーストパターンとを記録するように書込まれており、バーストパターンはデータヘッド変換器の電気的な幅すなわちヘッド空隙よりも幅が広い。しかしながら、ヘッドがサーボバーストと完全に整列されることはできても、バーストの半径方向の幅がヘッド幅を超える寸法においては、相対位置を確定することは不可能である。この寸法は実際にサーボ不作動域(servo dead zone)となる。この不作動域をヘッドが移動するときには、バーストから復元される信号振幅は実質的に一定に保たれる。したがって、サーボループはこの領域で不感帯を経験することになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術は、時間的に互い違いとなる状態で半径方向に偏倚された2つまたは4つの隣接したバーストを備え、対を成すバーストにおけるバースト縁が各々のサーボセクタのトラック中心線と整合されて、この不感帯に適応できるようにすることが試みられてきた。追跡されるトラックの中心線に対して逆側の縁を整合された2つの選定されたバーストの相対振幅が比較されて、中心線からの偏倚誤差信号が発生される。しかしながらこの従来法は、ヘッドが時間的に互い違いのバーストの半径方向に整合された2つの縁の間に正確に整合されていない場合には、正確な位置情報を与えない。この状態は、トラックシーク作動時に、また特にトラック設定として知られた段階であるトラックシークモードとトラック追跡モードとの間の遷移作動段階時に重要となる。
【0012】
さらに、磁気抵抗ヘッドはいずれかの与えられたトラック内の2つの位置での作動を典型的に必要とする。それなりに、理想的な磁気抵抗ヘッドの位置は典型的にバースト縁と正確な整合位置とならない。この結果、磁気抵抗ヘッドは典型的には正確な整合情報を持たずに作動するのであり、このことはオフトラックエラーをもたらす。したがって、磁気抵抗ヘッドに正確な整合情報を与えることが実質的に必要となる。
【0013】
磁気抵抗ヘッドおよび薄膜ヘッドの両方における従来技術の他の欠点は、典型的には偏倚や他の不規則性に起因する各々のバーストの振幅変化が位置信号に誤差および非線形性を生じることである。例えば、位置信号が単調性(monotonicity)を示さなくなるという理由で、誤差や非線形性はバースト間を移動するときのヘッドの位置が駆動装置で解明される可能性を阻害し、また位置信号に約15%の誤差を含めることになる。これらの誤差および非線形性は、トラック密度が増大し続けることで悪化するのであり、このようなトラック密度の増大は変換器の一層精度の高い正確な位置決めを必要とする。したがって、トラック密度の増大を容易化するためにデータヘッドの位置決めにおける誤差および非線形性を解消することが実質的に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、磁気ディスク駆動装置内で多数の同心トラックのうちの選定した1つのトラックに対するデータ変換ヘッドのヘッド位置を決定する方法および装置であって、各々のバーストの振幅変化に起因した不規則性および偏倚による影響を減少し、トラックを横断してデータヘッドが移動するときの位置信号の単調性を改善するヘッド位置の決定方法および装置に関する。データトラックにおける少なくとも1つの事前記録されたサーボセクタおいて、このサーボセクタは4つの時間的に互い違いとなるように配置されたサーボバーストを含んでいる。第1および第2サーボバーストは一般にバースト幅で互いに半径方向に偏倚され、第1および第2サーボバーストの各々の縁が実質的に同一線上に位置し、第1トラック空白(ヌル)を形成するようになされている。第3および第4サーボバーストは少なくともバースト幅で互いに半径方向に偏倚され、第3および第4サーボバーストの各々の縁が実質的に同一線上に位置し、第2トラック空白(ヌル)を形成するようになされている。第3および第4サーボバーストはバースト幅の半分の長さだけ第1および第2サーボバーストから半径方向に偏倚されている。その後、ディスク駆動装置はセクタの存在を検出する。第1および第2バーストはそれらの間の第1相対振幅を決定するために読出され、第3および第4バーストはそれらの間の第2相対振幅を決定するために読出される。この結果、第1相対振幅および第2相対振幅を含む単一作動がデータ変換ヘッドの位置を決定するのに使用される。
【0015】
さらに、或る1つの実施例において、半径方向に偏倚され且つまた時間的に互い違いとされてサーボセクタに事前記録されたバーストは、ヘッドが位置決めされるデータトラック内に複数のトラック空白を形成するために幅および個数を変化させることができる。サーボバーストは角度を有して隣接する複数の対を成すバーストとして配置され、各バースト対における各々のバーストは他のバーストから通常はバースト幅にほぼ等しい距離だけ半径方向に偏倚される。各々のバースト対は他のバースト対から、バースト幅をバースト対の数で割った距離にほぼ等しい距離だけ半径方向に偏倚される。
【実施例1】
【0016】
図1を参照すれば、本発明の教示を組入れるのに好適な回転磁気ディスク駆動装置が概略図として示され、全体的に符号10を付されている。複数の磁気情報保存ディスク12がハウジング16内のスピンドルモーター組立体14のまわりに軸支されている。各々の磁気ディスク12は情報を記録するために概略的に符号18で示されている複数の同心円状の記録トラックを有する。各々のトラック18は複数のセクタに分割されており、これらは概略的に符号20で示されている。データは、特定のトラック18およびセクタ20を参照することで、磁気ディスク12に保存し、また磁気ディスク12から読出すことができる。アクチュエータアーム組立体22はハウジング16の一方の片隅に回転可能に取付けられるのが好ましい。アクチュエータアーム組立体22は複数のヘッドジンバル組立体24を担持しており、ヘッドジンバル組立体24はそれぞれがスライダ25を担持し、スライダ25は磁気ディスク12から情報を読出し、また磁気ディスク12に情報を書込むための読出し/書込みヘッドすなわち変換器26を有している。変換器26は薄膜ヘッドまたは磁気抵抗ヘッドを含むことができる。ボイスコイルモーター28は、アクチュエータアーム組立体22を正確に前後に回転させて変換器26が円弧30に沿って磁気ディスク12を横断移動するようにさせるために適用されている。ディスク駆動装置10はまた、磁気ディスク12に対して書込まれる、または読出される情報を処理するために制御回路32を含んでいる。
【0017】
図2は、全体を符号35で示され、本発明の教示を組入れるのに好適な負帰還式の変換器位置決め装置のブロック線図であり、この変換器位置決め装置35は一般に制御回路32に含まれる(図1に示されている)。アクチュエータアーム組立体22は、変換器26を所望されるトラック18の上方に位置決めして、読出しおよび書込み作動が実行されている間に変換器26をその位置に保持するために使用される。変換器26はまた磁気ディスク12から位置情報をサンプリングする。変換器26は前置増幅器38などに位置信号を与え、その位置信号は前置増幅器38で増幅されてサーボ位置復調装置40へ与えられ、サーボ位置復調装置40はその位置情報を復号化(decode)して、好ましくはデジタル形式でその情報をサーボ制御処理装置42へ与える。サーボ制御処理装置42は復調装置から受取った復号化された位置信号を所望される位置の基準信号と比較して、変換器の位置誤差、すなわちXpeを決定する。変換器の位置誤差は、復号化された位置信号で示される変換器26の実際の位置と、基準位置信号で示される周知位置との差を表す。その後、サーボ制御処理装置42は位置修正信号を発生し、この信号はデジタル−アナログ変換器(D/A)44によってアナログ信号に変換されて増幅器45へ与えられ、さらにアクチュエータアーム組立体22に与えられて、変換器を所望位置に位置決めしてその位置誤差を最小限に抑えるために変換器26を円弧30に沿って移動させる。
【0018】
図3は磁気ディスク12の部分的な概略図を示している。各々のトラック18−1〜18+3は分割されてセクタ20を形成されている。或る1つの好ましい実施例において、セクタ20はデータ間隔46と、サーボ情報を有するサーボ間隔48とを含む。サーボ制御処理装置42に対して位置情報などを与えるために、各々のトラック18においてサーボ情報を有するサーボ間隔48が周期的にデータ間隔46を中断させている。磁気ディスク12が回転されるとき(矢印49で示されるように)、セクタ20は変換器26をパスし、これによってサーボ情報がサンプリングされて保持され、変換器位置決め装置35で処理される。サーボ情報を有するサーボ間隔48は、トラックシーク作動時すなわち変換器26が1つのトラック位置から他のトラック位置へ移動するときに読出される。トラック設定作動時すなわち行先トラックの中心線に変換器26が接近するときにも、サーボ情報を有するサーボ間隔48は読出される。また、トラック追跡作動時すなわち変換器26がトラックの中心線を追跡して、その追跡しているトラックのデータ間隔46に対してユーザーデータを読出しまたは書込むための所定位置にあるときに、サーボ情報を有するサーボ間隔48は読出される。図3はまたサーボ情報を有するサーボ間隔48の一部として以下に詳細に説明するバースト直交パターン50を示している。
【0019】
図3は各々の18およびセクタ20を円周に沿った状態で示すが、図4Aおよび図4Bは当業者に理解されるように隣接する同心トラックにおける複数のセクタを線形状態で示している。トラック18−1は図3に示されたトラックのうちで磁気ディスク12の半径方向の最外領域に位置しており、トラック18+3は図3に示されたトラックのうちで磁気ディスク12の半径方向の最内位置に位置しており、トラック18−0〜トラック18+2はそれらのトラックの間に位置している。トラックの中心線は符号52a〜52eでそれぞれ示されている。
【0020】
1つの実施例において、各々のセクタのサーボ情報を有するサーボ間隔48は自動利得制御回路(AGC)フィールド60、サーボ同期フィールド62、サーボアドレスマークフィールド64、インデックスビットフィールド66、グレイコード化したトラック番号フィールド68、「A」バーストとラベル付けされた第1サーボバーストフィールド70、「B」バーストとラベル付けされた第2サーボバーストフィールド72、「C」バーストとラベル付けされた第3サーボバーストフィールド74、および「D」バーストとラベル付けされた第4サーボバーストフィールド76を事前記録されて含むのが好ましい。グレイコード化したトラック番号フィールド68および第1サーボバーストフィールド70〜第4サーボバーストフィールド76は、変換器位置決め装置35に対して絶対的な変換器位置決め情報を与えるのに使用される。グレイコード化したトラック番号フィールド68はまたトラックが「奇数」番号のトラックか「偶数」番号のトラックかを示すのに使用される。図3Bの実施例では、トラック18−1,トラック18+1およびトラック18+3は奇数番号のトラックであるのに対し、トラック18−0およびトラック18+2は偶数番号のトラックである。
【0021】
Aバースト〜Dバーストは、時間的にDバーストがCバーストに追従し、CバーストがBバーストに追従し、BバーストがAバーストに追従するように、円周方向に偏倚され、すなわち時間的に互い違いとされている。図示実施例では、Aバースト70およびBバースト72はトラック境界線を跨いでおり、また1つのトラック幅だけ互いに半径方向に偏倚している。Aバースト70およびBバースト72はバースト対を構成する。Cバースト74およびDバースト76はトラックの中心線を跨いでおり、1つのトラックによって互いに半径方向に偏倚され、またトラックの半幅だけAバースト70およびBバースト72から半径方向に偏倚されている。各々のCバースト74は偶数トラックを跨ぎ、また各々のDバースト76は奇数バーストを跨いでいる。Cバースト74およびDバースト76は互いにバースト対を構成する。当業者は、他の形状が可能で予測できることを実現できよう。
【0022】
図5Aは図4Bの第1サーボバーストフィールド70〜第4サーボバーストフィールド76の概略図であり、図5Bは変換器の半径方向の位置の関数としての、また図示するように図5Aに対応したバーストの相対振幅のグラフである。線100は、下記のQに従って半径方向の位置の関数としてAバーストおよびBバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。
(A−B)/(A+B) Q:
【0023】
線102は、下記のRに従って半径方向の位置の関数としてCバーストおよびDバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。
(C−D)/(C+D) R:
QおよびRの分母はバースト振幅のあらゆる変化を考慮に入れるための重み係数(weighting factor)である。
【0024】
変換器26の半径方向の幅はトラックの各々の基準幅よりも狭いことが明白となろう。この構造は伝統的に各々のトラック間にマージンすなわち保護帯域を与えて、トラック間でのクロストーク(混信)したがってデータ誤りを最小限に抑える。これは各々のバースト対に対してそれぞれD−ZA-B ,D−ZC-D で示される不感域も形成することになり、その場所ではヘッドはそれらのバースト対だけに基づく位置解明が不可能になる。バースト対における両バーストから読出された信号100または102の差がゼロとなるAB,BA,CDおよびDCとラベル付けした各々のバースト対の縁部の位置は、「トラック空白」として参照される。トラック空白に近い領域におけるバースト対から読出された信号の電気的な振幅波形は直線形となり、ヘッド位置を決定するのに最も適したものとなる。
【0025】
変換器26がトラックに対して半径方向に移動すると、すなわち位置26aおよび26bにおいて、QおよびRの振幅値は線100および102のように得られる。線100および102は、Q=0およびR=0の近くの位置でかなり線形な斜めの波形を形成する。しかしながら実際には、不感域の近くの位置は偏倚や他の不規則性に起因して直線形ではない。実際には線100および102の最も直線的な領域は振幅ゼロに近い領域、すなわちトラック空白に近い領域である。一般に斜めの部分は、振幅が半径方向の変位量に比例するヘッドの半径方向の位置を表す。したがって、線100,102の一方のトラック番号および振幅が与えられると、トラック位置誤差(Xpe)が決定できる。例えば、ヘッドすなわち変換器26がトラック18−0の中心線である半径方向ヘッド位置111から離れてトラック18+1へ向かって移動すると、AバーストとBバーストとの対が位置111に対するXpeを演算するのに使用できる。ヘッドが位置111からトラック幅の4分の1の位置である半径方向のヘッド位置112を超えて移動した後は、CバーストとDバーストとの対によってXpeを演算することができ、AバーストとBバーストとの対は非線形な不感域に接近する。位置111からトラック幅の4分の3の位置である半径方向のヘッド位置113を超えた後は、半径方向のヘッド位置114までAバーストとBバーストとの対によってXpeを演算することができ、CバーストとDバーストとの対は不感域の近くまたは不感域内にある。ヘッドすなわち変換器26が円弧30に沿って移動される間、この手順が継続して繰り返される。
【0026】
理想的には、各々のバーストの相対振幅は同じである。しかしながら実際には、偏倚や他の不規則性に起因して各々のバーストの振幅が変化するので、1つのバースト対を使用しての上述したXpeの演算方法に多少の難点が生じる。このような不規則性や偏倚の結果はXpeの演算が或るバースト対の使用から他のバースト対の使用に切り替わる場所、例えば位置112,113,114で具現化されるのであり、これらの位置は「切り替え位置」と称される。特に重要なのは位置112および位置114、すなわち理想的にはQ,Rの振幅が好ましくはゼロとなる中心線52b,52cからトラック幅の4分の1の位置である。しかしながら実際には、それらの位置での振幅はしばしば15%程度の違いがある。したがって、切り替え位置の直前にてXpeを演算するのに1つのバースト対を使用し、また切り替え点の直後にて別のバースト対を使用して、位置誤差のそのような変化が実際にないときにXpeの不安定(erratic )な誤差を示す信号をサーボ制御処理装置42に与えることができる。換言すれば、Xpeの演算において1つのバースト対を1度だけ使用することは、切り替え点において、特に理想的な中心線(トラック中心線52a〜52eとして示される)からトラック幅の4分の1だけ前後した位置において、単調性を示さない。
【0027】
以下に記載する本発明の方法は、Xpeを決定する精度を高め、Xpe信号を一層単調な様子となす。簡単に言えば、本発明は毎回のXpeの演算に各々のサーボバースト対を使用する。したがって、既に1つのバースト対を使用しているXpeの演算においては、他のバースト対がバーストの異なる振幅を補償するために備えられ、これはXpeの演算の全体精度を、特に切り換え点付近の領域における精度を高める。
【0028】
図6を参照すれば、本発明の特徴を具現化する方法を示すフローチャートが与えられている。Xpeの演算が望まれる各々の位置において、Aバースト〜Dバーストの振幅と、対応するトラックサーボ間隔48のトラック番号とが読出される(200)。QおよびRの比、およびそれぞれの絶対値|Q|および|R|が演算される(202)。Xpeの演算は基本的にはヘッドがそれぞれのトラック空白に近いことを示す|Q|および|R|の小さい値の方を使用する。これに対して|Q|および|R|の大きい値の方はヘッドがそれぞれの不感域に近く、有用な結果を与えることが少ないことを示している。さらに、所望トラックのトラック番号フィールド68を得て、そのトラックが奇数か偶数かを表すようにする(204)。いずれにしてもQ,|Q|,R,|R|およびトラック番号に基づいて、Xpeが演算される。
【0029】
トラック番号が偶数であれば、次の段階は|Q|が|R|より小さいか大きいかを決定することである(206)。|Q|が|R|より小さいならば、次の段階はQが0より大きいか小さいかを決定することである(208)。Qが0より小さければ、Xpe=−1/2+(1/2)*(R)/(S)を演算する(210)。ここでS=|Q|+|R|である。Qが0より大きければ、Xpe=1/2+(1/2)*(R)/(S)を演算する(212)。
【0030】
段階206で|R|が|Q|より小さければ、次の段階はRが0より小さいか大きいかを決定することである(214)。Rが0より大きいならば、Xpe=(1/2)*(Q)/(S)を演算する(216)。
【0031】
Rが0より小さいならば、次の段階はQが0より小さいか大きいかを決定することである(218)。Qが0より小さいならば、Xpe=1−(1/2)*(Q)/(S)を演算する(220)。Qが0より大きいならば、Xpe=−1−(1/2)*(Q)/(S)を演算する(220)。段階218でQが0より大きければ、Xpe=1−(1/2)*(Q)/(S)を演算する(222)。
【0032】
段階204でトラック番号が奇数であるならば、次の段階は|Q|が|R|より小さいかどうかを決定することである(224)。|Q|が|R|より大きいならば、次の段階はQが0より小さいか大きいかを決定することである(226)。Qが0より小さければ、Xpe=1/2+(1/2)*(R)/(S)を演算する(228)。Qが0より大きければ、Xpe=−1/2−(1/2)*(R)/(S)を演算する(230)。
【0033】
段階224で|Q|が|R|より小さければ、次の段階はRが0より小さいか大きいかを決定することである(232)。Rが0より大きいならば、Xpe=(1/2)*(Q)/(S)を演算する(234)。段階232でRが0より大きいならば、次の段階はQが0より大きいか小さいかを決定することである(236)。Qが0より大きいならば、Xpe=−1+(1/2)*(Q)/(S)を演算する(238)。Qが0より小さいならば、Xpe=1+(1/2)*(Q)/(S)を演算する(240)。
【0034】
当業者は、Xpeの決定が図5の諸段階で示すシーケンスで必然的に生じることは必要でなく、好ましいXpeは以下に説明する式1〜10で演算されることを認識することができる。
【0035】
式1
|(A−B)/(A+B)|<|(C−D)/(C+D)|であり、また(C−D)/(C+D)<0で、(A−B)/(A+B)>0であるならば、Xpe=1.0−(1/2)*((A−B)/(A+B))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式2
|(A−B)/(A+B)|<|(C−D)/(C+D)|であり、また(C−D)/(C+D)<0で、(A−B)/(A+B)<0であるならば、Xpe=1.0−(1/2)*((A−B)/(A+B))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式3
|(A−B)/(A+B)|<|(C−D)/(C+D)|であり、また(C−D)/(C+D)>0であるならば、Xpe=(1/2)((A−B)/(A+B))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式4
|(A−B)/(A+B)|>|(C−D)/(C+D)|であり、また(A−B)/(A+B)<0であるならば、Xpe=−1/2+(1/2)*((C−D)/(C+D))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式5
|(A−B)/(A+B)|>|(C−D)/(C+D)|であり、また(A−B)/(A+B)>0であるならば、Xpe=1/2−(1/2)*((C−D)/(C+D))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式6
|(A−B)/(A+B)|<|(C−D)/(C+D)|であり、また
(C−D)/(C+D)>0で、(A−B)/(A+B)>0であるならば、Xpe=1.0+(1/2)*((A−B)/(A+B))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式7
|(A−B)/(A+B)|<|(C−D)/(C+D)|であり、また(C−D)/(C+D)>0で、(A−B)/(A+B)<0であるならば、Xpe=1.0+(1/2)*((A−B)/(A+B))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式8
|(A−B)/(A+B)|<|(C−D)/(C+D)|であり、また
(C−D)/(C+D)<0であるならば、Xpe=(−1/2)*((A−B)/(A+B))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式9
|(A−B)/(A+B)|>|(C−D)/(C+D)|であり、また(A−B)/(A+B)<0であるならば、Xpe=1/2+(1/2)*((C−D)/(C+D))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
式10
|(A−B)/(A+B)|>|(C−D)/(C+D)|であり、また(A−B)/(A+B)>0であるならば、Xpe=−1/2−(1/2)*((C−D)/(C+D))/(|(A−B)/(A+B)|+|(C−D)/(C+D)|)
【0036】
上述の式で示されるように、本発明の方法はQ/2SまたはR/2Sのいずれかに+1または−1を掛け、定数を加算する演算を使用する。与えられた状況に関する適当な演算は、トラック形式(すなわち奇数か偶数か)およびバーストに対する位置に依存する。
【0037】
唯一のバースト対を使用することを基本とした従来技術の位置誤差の演算方法とともに本発明の方法を試験するために、ヘッドがトラック上に位置されたならばアクチュエータを消勢するようにコードが書込まれ、これによりディスク駆動装置のフレックス回路はアクチュエータアーム組立体をトラック中心線から静かに離すように押すことができる。いずれの方法でもバースト値は変換器でサンプリングされ、Xpeが演算される。図7は、サーボ間隔が150ミリ秒毎にサンプリングされる状態における、時間の関数とされたトラック位置(fraction of a track)に関するXpeのグラフである。上述したように、アクチュエータはサンプリング時はゆっくりと移動する。線300は1回の作動毎に1対のバーストを使用して演算した場合のXpeを示す。従来技術は2対のバーストのうちの1対のバーストに基づいてXpeを演算している。切り替え位置を過ぎた後は、従来技術では他のバースト対に基づいてXpeを演算する。領域302は切り替え位置を示しており、またこの領域における単調でない様子は、Xpeの演算に影響を及ぼすようなバースト信号に生じた偏倚および不規則性に起因する。線310は同じ距離にわたって本発明の方法で演算したXpeを示す。符号302,304,306のような切り替え位置においては、線310はグラフ300よりも一層十分に単調な様子を示しており、これは1回の作動で全バースト信号を使用する結果である。
【0038】
上述で開示した実施例では、トラック空白AB,BA,CD,DCは各々のトラックの中心と境界線とに与えられている。勿論、トラック空白はトラックの内側のいずれの位置にも配置できる。トラックの中心は薄膜ヘッドでのトラック空白の配置を好ましく示している。さらに、「理想的」なトラックの中心が物理的なトラックの中心(トラック空白の位置)にない場合は、サーボ制御処理装置は対応するXpeを決定し、そのXpeにヘッドを保持することで、トラック空間から偏倚した位置にヘッドを調整するのに使用できる。
【実施例2】
【0039】
磁気抵抗ヘッドでは、読出し用トラックに関するヘッドの理想的なトラック中心は書込み用トラックの作動時としばしば異なる。上述したように、Xpeの決定がその演算の線形領域、すなわちトラック空白に近い領域内で行われるときに最も正確となることから、ヘッドはトラック空白に接近して配置されるのが好ましい。本発明は以下に説明するように、トラック毎に複数のトラック空白を備え、その付近に読出し用ヘッドおよび書込み用ヘッドが位置できるようにする。トラックが2以上のトラック空白を含むならば、トラック内のXpe演算における付加的な線形領域が備えられる。したがって、一方のトラック空間が読出し作業に理想的な中心の近くとされるならば、他方のトラック空白は書込み作業に理想的な中心の近くとされ、各々の理想中心はそれぞれの作動に対して適当なXpeを見出すことで演算することができる。Xpeの精度は付加的なトラック空白によって向上される。さらに、上述したように、Xpeの演算に2対以上のバーストを使用することで、演算の単調性は向上され、一層高い精度のXpeの決定を可能にする。特にトラック空白が理想中心にないときに高い精度のXpeの決定を可能にする。
【0040】
Nをバースト対の数に等しい数値として各々のサーボバーストがN/(N+1)のトラック幅とされ、したがってデータトラック毎にN+1のトラック空白を与えることのできるサーボバーストフィールドも備えられる。バースト対における両バーストはN(N+1)トラック幅、すなわちバースト幅だけ偏倚される。付加的なトラック空白はXpe演算において付加的な線形領域を形成し、したがって精度を向上させる。
【0041】
図8AはそれぞれAバースト70〜Dバースト76を有するバーストフィールドを示しており、上述した実施例と同様にA−BおよびC−Dが2つのバースト対を示している。しかしながらこれらのバーストは、図4Bおよび図5Aではバーストが1つのトラック幅であるのに対して、トラック幅の3分の2の幅である。バースト対におけるバーストは他のバーストからトラック幅の3分の2の幅だけ偏倚されており、またバースト対は互いにトラック幅の3分の1の幅だけ偏倚されている。図8Aに示す実施例では、トラック空白はトラック境界線と一致しており、各々のトラックは互いの間に2つのトラック空白を含んでいる。変換器の位置誤差Xpeは上述した式と同様にして演算される。換言すれば、Xpeはトラック形式およびトラック内の空白に依存する。
【0042】
対応するバースト対に基づくトラック空白の位置は、サーボ間隔に事前記録されて、または実行ソフトウエアの一部としてサーボ制御処理装置に与えられる。図8Aに示した実施例では、トラックは2つの空白を含み、それらの空白はトラック間に配置され、4つの可能なバーストの組合わせ、すなわちトラックKにおけるC−DおよびA−B、トラックK+1におけるB−AおよびC−D、トラックK+2におけるD−CおよびB−A、およびトラックK+3におけるA−BおよびD−Cにいずれか1つの組合わせとすることができる。符号104aで示されるトラック境界線はトラック空白と一致され、トラック中心線105aはこの実施例ではトラック空白の間に位置される。図示実施例ではバーストの組合わせパターンは4つのトラック毎に繰り返される。トラック番号および対応するトラック空白はグレイコード化したトラック番号フィールド68にて事前に決定されている。トラック番号が得られると、4つのトラック空白の組合わせのいずれが備えられたのかを決定でき、またXpeに基づいて変換器の位置決めが決定できる。
【0043】
図8Bは半径方向の位置の関数としての、また図8Aに対応したバーストの相対振幅のグラフである。線100aはQに従って半径方向の位置の関数としてAバーストおよびBバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。線102aはRに従って半径方向の位置の関数としてCバーストおよびDバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。不感域D−ZA-B およびD−ZC-D が示されている。
【0044】
図8Cは他の実施例であり、これにおいて各々のサーボバーストは、Nをバースト対の数に等しい数値として、トラック幅のN/(N+1)倍の幅とされ、したがってデータトラック毎にN+1のトラック空白を有している。この実施例では、サーボバーストはトラック幅の3分の2であり、2つのサーボバースト対、すなわちA−BおよびC−Dがあり、また1つのデータトラック毎に3つのトラック空白がある。この実施例では、トラック境界線104bはトラック空白の間にあり、トラック中心線105bはトラック空白と一致している。図示実施例では、トラックは4つの可能なバーストの組合わせ、すなわちトラックJにおけるCD,AB,DC、トラックJ+1におけるBA,CD,AB、トラックJ+2におけるDC,BA,CD、およびトラックJ+3におけるAB,DC,BAを含むことができる。このバーストの組合わせパターンは4つのトラック毎に繰り返される、すなわちトラックJはトラックJ+4と同じトラック空白の組合わせを含む。再び述べるが、トラック番号および対応するトラック空白はグレイコード化したトラック番号フィールド68に事前記録される。トラック番号が与えられると、4つのトラック空白の組合わせのいずれが備えられたのかを決定でき、またXpeに基づいて変換器の位置決めが決定できる。
【0045】
図8Dは半径方向の位置の関数としての、また図8Cに対応したバーストの相対振幅のグラフである。線100bはQに従って半径方向の位置の関数としてAバーストおよびBバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。線102bはRに従って半径方向の位置の関数としてCバーストおよびDバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。不感域D−Za-b およびD−Zc-d が示されている。
【実施例3】
【0046】
同様に、各々のバーストがトラック幅の4分の3の幅であるときに3つのバースト対が4つのトラック空白を形成するサーボパターンが図9Aに示されている。バースト対はA−B,C−D,E−Fでそれぞれ表されている。1対のバーストにおける両バーストはトラック幅の4分の3(N/N+1)の幅だけ互いに偏倚されている。バースト対はトラック幅の4分の1(1/N+1)の幅だけ互いに偏倚されている。トラック空白は各々のバースト対における共通線上の縁に位置される。トラック空白はAB,BA,CD,DC,EF,FEで示されている。この実施例では、各々のトラックは境界線の間に3または4のトラック空白を含むことができる。上述した実施例の場合と同様に、トラック空白の6つの可能とされる組合わせが並んで形成され、3つのトラック毎に繰り返される。したがって、トラック番号が与えられるならば、6つの空白配列のうちのいずれが備えられたのか決定することができ、またXpeに基づいて変換器の位置決めが決定できる。
【0047】
図9Bは半径方向の位置の関数としての、また図9Aに対応したバーストの相対振幅のグラフである。線100bはQに従って半径方向の位置の関数としてAバーストおよびBバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。線102bはRに従って半径方向の位置の関数としてCバーストおよびDバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。線103bは、下記のTに従って半径方向の位置の関数としてEバーストおよびFバーストから読出された信号の電気的振幅波形を示している。
(E−F)/(E+F) T:
【0048】
本発明は好ましい実施例を参照して説明したが、当業者には発明の精神および範囲から逸脱せずに形態および細部において変更することのできることは認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】上部ケーシングが取外され、また本発明の特徴を具現したディスク駆動装置の頂面図。
【図2】図1のディスク駆動装置の一部分のブロック線図。
【図3】本発明の特徴を具現する複数のトラックセクタを表示する部分的な概略図。
【図4】Aは、図3のトラックセクタを表示する線形(rectilinear)図。Bは、図4Aのトラックおよびトラックセクタを表示する一層詳細な線形図。
【図5】Aは、図4Bのサーボバーストの概略図。Bは、Aのサーボバーストの、Aに対応した相対振幅のグラフ。
【図6】本発明の原理によるトラック位置誤差を決定する方法のフローチャート。
【図7】トラック位置の演算誤差における従来法の結果と本発明の結果とを示す図1のアクチュエータによる時間の関数としての測定位置誤差のグラフ。
【図8A−8B】Aは、本発明の他の実施例におけるサーボバーストの概略図。Bは、Aのサーボバーストの相対振幅のグラフ。
【図8C−8D】Cは、本発明の他の実施例におけるサーボバーストの概略図。Dは、Cのサーボバーストの相対振幅のグラフ。
【図9】Aは、本発明の他の実施例におけるサーボバーストの概略図。Bは、Aのサーボバーストの相対振幅のグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変換器ヘッドを有するアクチュエータアームと、
磁性表面上に複数の同心データトラックを有する磁気ディスクと、
各トラックが少なくとも一つのサーボセクタを有し、前記サーボセクタは、各々時間的に互い違いとなるように配置され、かつバースト幅を有する複数対のサーボバーストを有し、各対のサーボバーストは、トラック方向に隣接しており、かつ磁気ディスクの半径方向に前記バースト幅だけ偏倚され、これにより前記トラック方向に隣接する各対のサーボバーストの縁が同一直線状に位置してトラック空白を形成し、前記サーボバーストの各対同士は、前記磁気ディスクの半径方向に前記バースト幅の半分の距離で偏倚されている、
磁気ディスク上で情報を処理するべく、前記アクチュエータアームの変換ヘッドに動作系合する制御回路と、
を有する磁気ディスクと駆動装置において、
前記サーボバーストは、各トラックの一幅内に二つ以上のトラック空白を形成すべく配置されていることを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載された磁気ディスク駆動装置であって、各々のデータトラックがバースト対の数に1を加えた数値に等しい数のトラック空白を含む磁気ディスク駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載された磁気ディスク駆動装置であって、サーボバーストの数が4であり、サーボバースト対の数は2であり、1つのバースト対は一般にトラック幅の3分の1の幅に等しい距離だけ他のバースト対から半径方向に偏倚されている磁気ディスク駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載された磁気ディスク駆動装置であって、バーストの数が6であり、バースト対の数が3であり、各々のバースト対は一般に1つのトラック幅の4分の1の幅に等しい距離だけ他の2つのバースト対から半径方向に偏倚されている磁気ディスク駆動装置。
【請求項5】
請求項1に記載された磁気ディスク駆動装置であって、トラック空白がトラック境界線と一致されている磁気ディスク駆動装置。
【請求項6】
請求項1に記載された磁気ディスク駆動装置であって、トラック境界線がトラック空白間に位置される磁気ディスク駆動装置。
【請求項7】
請求項1に記載された磁気ディスク駆動装置であって、制御回路がトラック空白を基準にして変換ヘッドを制御する磁気ディスク駆動装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A−8B】
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【図8C−8D】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−262691(P2008−262691A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153226(P2008−153226)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【分割の表示】特願平9−527775の分割
【原出願日】平成9年1月28日(1997.1.28)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】