説明

複数構成の積層可能な装置モジュール

【課題】同一の計測モジュールをスタンドアロン構成とシャーシ搭載構成の両方について複数の構成で使用するための装置モジュールハウジングを提供する。
【解決手段】装置モジュールハウジングシステムは、計測ボードを収容する保護装置モジュールケーシングを含む装置モジュール103と、装置モジュールを収容するメインストレージコンパートメントを具備するハウジング1200と、追加ハウジング1200内に収容された追加装置モジュール105とを有する。ハウジング1200は、垂直積層構成を実現するために、その上部及び底部に、固定手段としての空洞1217または脚部1303を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子試験装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
Steger他に付与された米国特許第6,823,283号は、計測装置について記述している。計測装置は、キャリアユニット内に挿入された1つまたは複数の計測モジュールまたはカードから構成されている。キャリアユニットは、NATIONAL INSTRUMENTS(「NI」)社のPXI−1031 PXI Chasisなどの「シャーシ」または「カードキャリア」である。計測モジュールは、しばしば、NI社のPXI−4220モジュールなどのデータ取得(「DAQ」)モジュール、あるいは、デジタイザ、デジタルマルチメータ、スコープ、または任意波形生成器などのその他のモジュールである。
【0003】
また、シャーシは、計測モジュールを制御するべく、NI社のPXI−8184 Celeron−Based Embedded Controllerをも包含可能である。あるいは、その代わりに、外部パーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)を使用してモジュールを制御することも可能である。
【0004】
シャーシには、計測モジュールとの電気的な通信を提供するバックプレーンが含まれている。シャーシは、PXI規格のシャーシであってよく、バックプレーンは、PXI規格のトリガバスであってよい。
【0005】
問題は、このシステムのコストが、計測モジュールを除外したとしても、既に約3,000米ドルであり(価格は、すべて2006年のドルを基準としている)、計測モジュールを追加すると、5,000米ドルを十分に上回るという点にある。
【0006】
安価なスタンドアロン型の計測装置も一般に入手可能である。例えば、Glasgowに所在するEasySync Ltd.社とNATIONAL INSTRUMENTS社は、いずれも、約200米ドルまたはこれ以下で、オシロスコープやDAQなどのUSB計測装置を提供している。これらの計測装置は、直接、PCにプラグ接続され、USB規格を使用して制御されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
限られた予算しか有していない者は、多くの場合に、まず、安価なスタンドアロン型の計測装置を購入することになる。しかしながら、更に複雑なDAC、計測、または制御アプリケーションの実行が後から必要になった場合には、スタンドアロン型の計測装置の購入は無駄となり、彼らは、新しい高価なシャーシと、シャーシに基づいたいくつかの新しい高価な計測装置を購入することにより、最初からやり直さなければならない。
【0008】
同一の計測モジュールをスタンドアロン構成とシャーシ搭載構成の両方について複数の構成で使用することができれば有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、計測モジュールを「デュアルプレー(DualPlay)」動作によって作動させるためのハウジングシステムを提供しており、これは、計測モジュールをスタンドアロン構成とシャーシ搭載構成の両方で使用可能であることを意味している。このハウジングシステムによれば、スタンドアロン構成で、複数の計測モジュールを積み重ねることができる。
【0010】
更に詳しくは、装置モジュールハウジングシステムは、第1保護装置モジュールケーシング内に収容された計測ボードから構築された第1装置モジュールを含んでいる。第1装置モジュールは、ハウジングのメインストレージコンパートメント内に更に収容されている。追加装置モジュールが追加ハウジング内に収容されている。ハウジングの上部及び底部の固定セクションが、これらのハウジングを垂直積層構成により固定している。
【0011】
すなわち、本発明は、計測ボードと、計測ボードを収容する第1保護装置モジュールケーシングとを有する第1装置モジュールと、第1装置モジュールを収容するメインストレージコンパートメントを具備する第1ハウジングと、追加ハウジング内に収容された追加装置モジュールと、ハウジングを垂直積層構成により固定するための第1ハウジング及び追加ハウジングの上部及び底部に位置する固定セクションとを有することを特徴とする装置モジュールハウジングシステムを提供する。
【0012】
好ましくは、固定セクションは、第1ハウジング及び追加ハウジングを垂直積層構成にして保持するよう互いに嵌め合わせられる脚部と空洞を有する。
【0013】
好ましくは、装置モジュールは、DAQ、スコープ、関数生成器、ソース、及びコントローラから構成される組から選択された機能を実行するPCBを有する。
【0014】
好ましくは、保護装置モジュールケーシングは、側面に沿って換気孔を含んでおり、ハウジングは、装置モジュールケーシングの内部と外部の間における空気の流れを可能にするよう、保護装置モジュールケーシングの換気孔とアライメントされた換気開口部を含む。
【0015】
好ましくは、保護装置モジュールケーシングは、シャーシの溝及びレールと整合していると共に、シャーシのスロット内への挿入及びこれからの取り外しの際に装置モジュールが実質的に溝及びレールの方向に沿ってスライドすることを抑制している溝及びレールを含む。
【0016】
好ましくは、第1保護装置モジュールケーシングは、シャーシのバックプレーンを通じて、第1装置モジュール、追加装置モジュール、及びプロセッサの間で通信するよう、その上部に取り付けられた第1コネクタと、第1コネクタがバックプレーンにプラグ接続されていない場合に、第1装置モジュールとPCの間で通信するよう、その上部に取り付けられた第2コネクタとを含む。
【0017】
好ましくは、第1ハウジングは、第2コネクタをアクセス可能な状態に放置したまま、第1コネクタを覆うようにされる。
【0018】
好ましくは、追加装置モジュールは、追加の第1及び第2コネクタを含んでおり、垂直積層構成にある際に、第2コネクタは、バックプレーンを通じてではなく、ケーブルを介してPCに接続される。
【0019】
好ましくは、第2コネクタは、USB通信プロトコルを使用しており、第1コネクタは、トリガ供給のための追加ピンと共にUSB通信プロトコルを使用している。
【0020】
好ましくは、第1ハウジングは、開放及び閉鎖位置間における第1及び第2セクションの相互回転を許容するヒンジメカニズムによって回転可能に接続された第1及び第2セクションと、ハウジングのヒンジ端部の反対側に位置するハウジングの開放端部と、該開放端部上をスライドし、第1及び第2セクションを閉鎖位置で固定する摺動固定緩衝セクションと、を更に有し、閉鎖位置にある際に、第1及び第2セクションにより、装置モジュールを保持するためのメインストレージコンパートメントが形成される。
【0021】
好ましくは、ハウジングの両端部に設けられるゴムバンパは、収容されている第1装置モジュールを保護するよう構成される。
【0022】
さらに、本発明は、装置モジュールハウジングシステムを使用する方法であって、第1ハウジングのメインストレージコンパートメント内に第1装置モジュールを配置するステップであって、第1装置モジュールは、計測ボードと、第1保護装置モジュールとを有するようにしたステップと、追加ハウジングのメインストレージコンパートメント内に追加装置モジュールを配置するステップであって、追加装置モジュールのそれぞれは、計測ボードと、第1保護装置モジュールとを有するようにしたステップと、第1ハウジング及び追加ハウジングを垂直積層構成により固定するよう、第1ハウジング及び追加ハウジングの上部及び底部に位置するセクションを固定するステップとを有する。
【0023】
好ましくは、DAQ、スコープ、関数生成器、ソース、及びコントローラから構成された組から選択された前記計測ボードによって機能を実行するステップを更に有する。
【0024】
好ましくは、第1装置モジュール及び追加装置モジュールの第2コネクタとPCとの間にケーブルをプラグ接続するステップを更に有する。
【0025】
好ましくは、第1装置モジュール及び追加装置モジュールの電源コネクタに電源ケーブルをプラグ接続するステップを更に有する。
【0026】
好ましくは、第1ハウジングのメインストレージコンパートメント内に第1装置モジュールを配置するステップは、第1ハウジングのヒンジ端部におけるヒンジメカニズムを中心として第1ハウジングの第1及び第2セクションを相互回転させることにより、第1ハウジングを開放位置に移動させるステップと、第1装置モジュールを第1ハウジングのメインストレージコンパートメント内に配置するステップと、第1ハウジングのヒンジ端部におけるヒンジメカニズムを中心として第1ハウジングの第1及び第2セクションを相互回転させることにより、第1ハウジングを閉鎖位置に移動させるステップと、第1ハウジングの開放端部上で摺動固定緩衝セクションをスライドさせることにより、セクションを閉鎖位置に固定するステップと、上記の各ステップを追加ハウジング及び追加装置モジュールについて反復するステップと、をさらに有する。
【0027】
セクションを固定するステップは、第1ハウジング及び追加ハウジングを固定するよう、第1ハウジング及び追加ハウジングの脚部と空洞を互いに嵌め合わせるステップを更に有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明の最良の実施形態について説明する。図2は、本発明の第1動作モード201の各ステップを示すフローチャートである。図1は、第1動作モード201用に構成された電子装置システム101を示している。第1動作モード201では、装置モジュール103及び追加装置モジュール105は、カードケージまたはシャーシ107内にプラグ接続されている。装置モジュール103及び追加装置モジュール105は、図2中のステップ203でシャーシ107内にプラグ接続される。装置モジュール103及び追加装置モジュール105を互いに、並びに、例えば、PC111などの1つまたは複数のプロセッサにリンクするべく、第1通信チャネル109が提供されている。電子装置システム101は、第1モードで動作する際には、第1通信チャネル109を通じて通信する。第3通信チャネル113が、装置モジュール103(または、追加装置モジュール105の中のいずれか)を、電子装置システム101による試験または計測を受けている外部被検装置(Device−Under−Test:DUT)115とリンクしている。第3通信チャネルは、バスと、例えば、USB、Ethernet(登録商標)、LAN、RS232、IEEE1394、GPIB、HPIB、VXI、PCI Express、PCI、PXI、LXI、PCMCIA、及びその他のタイプのコネクタから構成された組から選択された適切な対応するコネクタと、を有することができる。
【0029】
図3は、プラグ接続された装置モジュール103及び追加装置モジュール105を有するシャーシ107の上右側からの斜視図を示している。
【0030】
産業用のシャーシ及びカードケージは、電子コンポーネント及び電源を支持及び格納する金属フレームである。これらは、通常、拡張モジュール、電源、冷却ファン、及びコネクタを設置するためのスロットを有するバックプレーンを含んでいる。更なるスロットのために拡張シャーシを使用可能である。
【0031】
図4(a)及び図4(b)は、図2のステップ203が実行されて装置モジュール103及び追加装置モジュール105がプラグ接続される前のステップのシャーシ107の正面図及び背面図を示している。従って、図には、装置モジュール103、105が示されてはいない。第1スロット403及び追加スロット450は、それぞれ、装置モジュール103及び追加装置モジュール105を収容するべく配設されている。6つのスロットは、4U(約178ミリメートル)の高さと、ラックの半分のサイズの幅と、を具備可能である。スロットの後部に、シャーシ107のバックプレーン407を観察可能である。バックプレーン407に装着され、第1スロット403及び追加スロット405とアライメントされているのは、第1バックプレーンコネクタ409及び追加バックプレーンコネクタ411である。第1バックプレーンコネクタ409及び追加バックプレーンコネクタ411は、55−Pin ERmet Male−Type Cコネクタであってよい。装置モジュール103、105がスロット403、405内に(並びに、これらから外部に)スライドできるように、スロットの上部及び底部には、装置モジュール103、105の側部に沿ってガイド手段が含まれている。ガイド手段は、スロットの上部及び底部にトラック425、427を含んでいる。
【0032】
シャーシ107の一部として電源装置413も示されている。オン/オフボタン416がシャーシ107の前面に位置しており、これを使用して電子装置システム101をターンオン/オフする。
【0033】
図4(b)を参照すれば、装置モジュールがバックプレーン407内にプラグ接続され、且つ、オン/オフボタン416がターン「オン」された際に、電源コネクタ415は、図1の電源装置413及び装置モジュール103、105に電力を供給するべく、電源(例えば、壁面コンセント)から電力の供給を受ける。シャーシ107の背面には、USBコネクタ417、Trigger−Outコネクタ419、External Trigger Inコネクタ421、及びReference Clockコネクタ423も位置しており、これらについては後程詳述する。
【0034】
図6は、シャーシ107のバックプレーン407の更に詳細な図を示している。この構成は、やはり、図2のステップ203が実行されて装置モジュール103及び追加装置モジュール105がスロット403、405のバックプレーンコネクタ409、411内にプラグ接続される前のステップの図4(a)に示されているものに類似している。
【0035】
バックプレーン407は、当技術分野で既知のその他のバックプレーンと同様に、システム内のプリント回路基板をプラグ接続する物理的な領域であると一般に表現することができる。これは、プリント回路またはワイヤラップの形態のシステムバスを含んでいる。図6のバックプレーン407は、電気的な接続を提供するべくその上部にエッチングされたトレース601を有するプリント回路基板として示されている。
【0036】
好適な実施例では、装置モジュール及びバックプレーンは、USB通信プロトコルを使用している。バスは、USB通信、トリガ、及びクロック信号用のラインを含んでいる。また、バスは、電力を装置モジュール103、105に供給するためのラインも含んでいる。これらのラインは、トレース601によって実装可能である。
【0037】
USBハブ603は、スロットの中のいずれかの内部に取り付けることが可能であり、装置モジュール103、105の中のいずれかの内部に包含することも可能であり、あるいは、バックプレーン407に内蔵することも可能である。USBハブ603は、装置モジュール103、105のそれぞれと図1を参照して説明したプロセッサの間の通信を提供するべく使用される第1通信チャネル109の一部であってよい。USB信号605は、プロセッサとUSBハブ603の間の通信を表している。USB信号605は、図4(b)に示されているように、シャーシ107の背面のUSBコネクタ417を通じてUSBハブ603に結合されている。USBバスは、モジュール103、105の間、並びに、モジュールとプロセッサの間でUSBプロトコルデータを伝送するべく、図6のバックプレーン通信ライン607によって表されている4本のライン(この中の1つは接地されている)を使用している。
【0038】
その他の実施例では、バスは、USBバスを使用する代わりに、例えば、SCSI、IDE、PCI、PXI、LXI、ISA、または将来のインターフェイス規格を使用可能である。
【0039】
外部トリガバス609は、バックプレーントリガライン611を使用することにより、装置モジュール103と、追加装置モジュール105の中の1つまたは複数のものの動作を同期化している。外部トリガバス609は、例えば、標準的な「スタートリガバス(star trigger bus)」であってよい。外部トリガバス609は、図4(b)に示されているように、シャーシ107の背面のExt Trig Inコネクタ421を通じて外部トリガ源から同期またはトリガ信号613を受信している。外部トリガバス609は、外部トリガ入力コネクタ421とスロット403、405の間に専用のトリガラインを実装している。ライン長等化技法を使用してトリガ信号613をルーティングすることにより、ユーザーは、装置モジュール103、105のそれぞれの間における非常に正確なトリガ関係を得ることができる。
【0040】
外部源からトリガ信号613を受信するのではなく、シャーシ107及びバックプレーン407に挿入された装置モジュールの1つまたは複数のものがトリガライン611に対して直接的にトリガ信号613を供給することも可能である。また、バックプレーン407に内蔵されている供給源からトリガ信号613を生成することも可能である。
【0041】
トリガバス615を使用することにより、装置モジュール103、105の中のいくつかのものの間で動作を同期化する。あるいは、その代わりに、1つの装置モジュールを使用し、トリガバス615により、その他の装置モジュールによって実行される慎重にタイミング設定された動作シーケンスを制御することも可能である。また、装置モジュールがトリガバスを通じてトリガを互いに伝達し合うことにより、本システムが監視または制御している非同期の外部イベントに対する正確にタイミング設定された応答を実現することも可能である。
【0042】
Trig Out信号617は、トリガバス615から、マルチプレクサ619を通過し、Trig Outコネクタ419を通じて伝播する(図4(b)を参照されたい)。Trig Out信号617を使用してトリガ信号をDUT115に供給し、これにより、DUTを装置モジュール103、105と同期化可能である。
【0043】
システム基準クロック信号621がバックプレーン407のバックプレーンクロックライン623に供給される。システム基準クロック信号621は、外部源から外部クロックコネクタ423を通じて供給可能である(「10MHz REF IN」というラベルが付与されている図4(b)を参照されたい)。あるいは、この代わりに、シャーシ107及びバックプレーン407に挿入されている装置モジュールの1つまたは複数のものから、システム基準クロック信号621をトリガライン623に対して直接供給することも可能である。バックプレーン407に内蔵されている供給源から、システム基準クロック信号621をトリガライン623に直接供給することも可能である。クロック信号621は、10MHzの周波数またはその他の周波数を具備可能である。バックプレーン407は、クロック信号621をバックプレーンコネクタ409、411に対して独立的に供給している。バッファ回路625から構成された独立したバッファ(これは、バックプレーンに対して整合したソースインピーダンスと、スロット間における1ns未満のスキューと、を提供している)が、クロック信号621をスロット403、405内のコネクタ409、411のそれぞれに対して駆動している。共通クロック信号621を使用することにより、計測または制御システム内の複数のモジュールを同期化可能である。
【0044】
第1モード201で、装置モジュール103及び追加装置モジュール105がバックプレーン407に電気的に接続されると、これらのモジュールは、バックプレーン407のバックプレーンコネクタ409、411を通じて電力の供給を受ける。この電力は、バックプレーン407上にトレーシングされているパワーバス627に沿って、電源装置413からバックプレーンコネクタ409、411に伝達されている。パワーバス627は、電流の操作性を改善するべく、8つの別個の+12Vトレース601を包含可能である。
【0045】
図1、図4(a)、及び図6には、電源装置413が示されている。この電源装置413は、バックプレーン407に装着されたシャーシ107の一部であってよく、あるいは、例えば、装置モジュール103、105のいずれかの一部であってもよい。図1及び図4(a)では、電源装置413は、シャーシ107の一部として示されている。図6では、電源装置413は、バックプレーン407の一部として示されている。電源装置413は、図4(b)に示されている電源コネクタ415を通じて電力の供給を受けている。電源コネクタ415に供給されるAC電力は、例えば、壁面コンセントに接続された電力線から供給されるものであってよい。
【0046】
図7は、第1バックプレーンコネクタ409及び追加バックプレーンコネクタ411用の模範的なピンの割り当てを示している。この例では、装置モジュールの間、並びに、モジュールとプロセッサの間でUSBプロトコルデータを伝送するべく使用されている4本のバックプレーン通信ライン607に電気的に接続された4つのUSBピン接続が存在している(この中の1つは接地されている)。
【0047】
トリガ信号を供給するためのトリガピンの割り当て(図には、TRIG0〜TRIG7として表示されている)及び追加「スタートリガ」ライン(STAR_TRIGというラベルが付与されている)も含まれている。
【0048】
電力をパワーバス627を通じて装置モジュールに供給するための8つの別個の+12Vピン接続が存在している。
【0049】
図5(a)は、装置モジュール103の背面501の図を示している。追加装置モジュール105も、装置モジュール103と同一の背面構成及びピンの割り当てを具備可能である。装置モジュールの背面501は、バックプレーン407のバックプレーンコネクタ409、411のいずれかに接続する第1コネクタ503を含んでいる。第1コネクタ503は、55−hole ERmet Female−Type Cコネクタであってよい。第1コネクタ503用のピン割り当ては、図7に示されているバックプレーンコネクタ409用のものの鏡像になっている。
【0050】
図5(b)は、装置モジュール103の前面501の一実施例を示している。追加装置モジュール105も、これと同一の前面構成を具備可能である。装置モジュール103、105の前面は、装置モジュール103、105がシャーシ107に挿入されている図3でも観察可能である。第3コネクタ507が装置モジュール103の前面501に装着されている。第3コネクタ507は、DUT115(図1)に接続するための第3通信チャネル113で使用するのに適切な任意のタイプのコネクタであってよい。適切なコネクタの例は、USB、LAN、RS232、GPIB、HPIB、LXIなどであってよい。RFトラシーバも、第3コネクタ507として機能可能である。装置モジュール103は、前面501に装着された複数のコネクタを具備可能であると共に、DUT115に接続するための複数の通信チャネルを具備することも可能である。また、装置モジュール103、105のそれぞれが、DUTに接続するべく前面501に装着された異なるタイプのコネクタを具備することも可能である。装置モジュールの中には、DUTとまったく通信する必要のないタイプのものも存在しており、このような場合には、その特定の装置モジュールには、第3コネクタ507または第3通信チャネル113が存在しなくてもよいであろう。
【0051】
USBケーブル及び電源ケーブルは、図2中のステップ205で、図4(b)のUSBコネクタ417及び電源コネクタ415にそれぞれプラグ接続されている。
【0052】
図1を参照して前述したように、電子装置システム101が第1モード201で動作している際には、装置モジュール103、追加装置モジュール105、及び1つまたは複数のプロセッサ間における通信は、第1USB通信チャネルを通じて実行される。以下、第1モード201における動作で、一実施例では通信チャネル109を形成している接続の各部分について更に詳細に説明することとする。第1コネクタ503(図5(a))が、バックプレーン407のバックプレーンコネクタ409、411のいずれかに接続されている(図4(a)及び図6)。バックプレーンコネクタ409、411は、4つのバックプレーン通信ライン607に電気的に接続されている。USBハブ603(これは、この代わりに、USB以外のプロトコル用の通信ハブであってもよい)は、バックプレーン通信ライン607を通じてバックプレーンコネクタ409、411のすべてに対して電気的に接続されている。USBハブ603は、USBコネクタ417(図4(b))及びUSBケーブル(図示されていない)を通じて、例えば、PC111(図1)などのプロセッサに電気的に接続されている。この結果、信号605(図6)は、モジュール103、105のいずれかの間(モジュール間通信)と、モジュールの中のいずれかとPC111の間で伝播可能である。
【0053】
USBプロトコルを使用するのではなく、無線USB、LAN、Ethernet(登録商標)、RS232、IEEE1394、GPIB、HPIB、PCMCIA、LXIなどのその他のバス及び接続を含むその他のプロトコルを通信に使用することも可能である。
【0054】
PC111内に1つまたは複数のプロセッサを実装する代わりに、1つまたは複数のプロセッサをバックプレーン407内に配置することも可能であり、あるいは、装置モジュール103、105の中の1つまたは複数のものの内部に包含することも可能である。これらの代替実施例では、第1通信チャネル109は、USBコネクタ417(図4(b))及びUSBケーブルを通じてではなく、バックプレーンを通じてプロセッサと直接通信することになる。
【0055】
図8は、本発明の第2動作モード801の各ステップを示すフローチャートである。
【0056】
図9(a)及び図9(b)は、第2動作モード801用に構成された電子装置システム101を示している。装置モジュール103、105は、第2動作モード801で動作する際には、シャーシ107内に挿入されることなしに、「スタンドアロン」状態で、DUT115とやり取り可能である。
【0057】
第2通信チャネル901が、装置モジュール103を、例えば、PC111などの1つまたは複数のプロセッサにリンクしている。電子装置システム101が第2動作モード801で動作する際には、装置モジュール103は、第2通信チャネル901を通じて通信する。装置モジュール103が、スロット403、405のいずれにも挿入されておらず、この結果、第1コネクタ503が、バックプレーンコネクタ409、411のいずれにも接続されていない場合には、この第2モード801を使用可能であり、装置モジュール103は、第2通信チャネル901を通じて通信可能である。第2動作モード801で動作する際には、電子装置システム101は、第1通信チャネル109を通じて通信しない。
【0058】
第2通信チャネル901は、装置モジュール103、105を前述のプロセッサにリンクする通信チャネル109の通信リンクに関連して説明した技術の中のいずれかを使用して、形成可能である。例えば、このリンクは、USB、無線USB、LAN、Ethernet(登録商標)、RS232、IEEE1394、GPIB、HPIB、PCMCIAなどによって実装可能である。
【0059】
一実施例では、装置モジュール103は、第2コネクタ903を含んでおり、これは、例えば、標準的なUSBタイプのコネクタであってよい(図5(a)を参照されたい)。その他の実施例では、このコネクタは、無線、LAN、Ethernet(登録商標)、RS232、IEEE1394、GPIB、HPIB、PCMCIA、LXIなどであってよい。コネクタ903は、PC111などの1つまたは複数のプロセッサに装着された類似の1つまたは複数のコネクタに接続するケーブルに装着される。従って、第2通信チャネル901は、第2コネクタ903、ケーブル、及びプロセッサに装着されているコネクタを包含可能である。USBコネクタの場合には、第2通信チャネル901は、1つまたは複数のプロセッサとの通信のためにUSBプロトコルを使用可能であろう。
【0060】
図9(b)には、装置モジュール103(または、追加装置モジュール105の中のいずれか)の第3コネクタ507から、電子装置システム101による試験または計測を受けている外部被検装置(DUT)15に対して信号を出力する第3通信チャネル113も示されている。
【0061】
別の実施例では、装置モジュール103は、無線トランシーバを含んでおり、この無線トランシーバは、第2通信チャネルを形成していると共に、1つまたは複数のプロセッサに電気的に接続された第2無線トランシーバを使用して装置モジュールと1つまたは複数のプロセッサの中のいずれかの間の通信を提供している。
【0062】
AC/DCコンバータ907をプラグ接続可能なモジュール電源コネクタ905(図5(a)及び図9(a)を参照)を通じて、電力を装置モジュール103に対して供給可能である。また、AC/DCコンバータを使用することにより、電力を図4(b)のシャーシ107に供給することも可能である。
【0063】
図10は、装置モジュール103(または、追加装置モジュール105)の全体的な概略図を更に詳細に示している。この全体的なブロックダイアグラムは、装置モジュール103、または追加装置モジュール105の中のいずれかのものを表現することができる。装置モジュール103のコンポーネントは、プリント回路基板(Print Circuit Board:PCB)上に取り付け可能である。装置モジュール103の具体的な機能は、計測ボードセクション1001によって左右される。例えば、計測ボードセクション1001は、例えば、DAQ、スコープ、関数生成器、ソース、またはコントローラの機能を装置モジュール103に提供可能である。第1動作モード201及び第2動作モード801のいずれでも、計測ボード1001を有する装置モジュール103は、図5(b)及び図9(b)と関連して前述したように、DUT115との間で信号を送受信可能である。従って、装置モジュール103(または、追加装置モジュール105の中のいずれかのもの)は、装置モジュール103(または、追加装置モジュール105の中のいずれかのもの)を電子装置システム101による試験または計測を受けている外部DUT115とリンクする第3通信チャネル113を有することができる。この第3通信チャネルは、USB、Ethernet(登録商標)、LAN、RS232、IEEE1394、GPIB、HPIB、VXI、PCI Express、PCI、PXI、LXI、PCMCIA、またはその他のバス規格などの規格を使用するバスを有することができる。
【0064】
それぞれの計測ボード1001は、特定のアプリケーション用に設計可能であり、装置モジュール103及び追加装置モジュール105も、第1及び第2動作モードで動作できるように、その他の電気的ブロックを互いに共通的に具備することになろう。例えば、様々な機能の計測ボード1001は、FPGA(Field Programmable Gate Array)1003、CPLD(Complex Programming Logic Device)1005、USBコントローラ1007、及び外部RAM1009というブロックを利用することにより、例えば、PC111などのプロセッサに対してデータを供給し、且つ、これから命令を受信可能である。
【0065】
図10は、装置モジュール103を第1動作モード201及び第2動作モード801の両方で使用できるようにする接続の詳細を更に示している。
【0066】
第1動作モード201では、装置モジュール103の第1コネクタ503は、バックプレーン407のバックプレーンコネクタ409、411の1つに接続されている。プロセッサ(具体的には、PC111)からのUSB信号605は、USBケーブル1019、USBコネクタ417、USBバス603、4本のバックプレーン通信ライン607、バックプレーンコネクタ409、411、第1コネクタ503、及び装置モジュール通信ライン1011を通じて、USBコントローラ1007にリンクされている。装置モジュール通信ライン1011は、通常、USBプロトコル通信用に4本の別個のラインを含んでいる。
【0067】
第2動作モード801では、装置モジュール103は、シャーシ107にプラグ接続されていない。プロセッサ(具体的には、PC111)からのUSB信号605は、USBケーブル1017、第2コネクタ903(これは、標準的なUSBタイプのコネクタであってよい)、及び装置モジュール通信ライン1011を通じて、USBコントローラ1007にリンクされている。この場合にも、第2コネクタ903は、Ethernet(登録商標)、LAN、RS232、IEEE1394、GPIB、HPIB、VXI、PCI Express、PCI、PXI、LXI、PCMCIA、またはその他のタイプのコネクタであってよい。
【0068】
一実施例では、4本の装置モジュール通信ライン1011のすべてが、常に第1コネクタ503及びUSBコネクタ903の両方に接続されている。電子装置システム101は、相互に排他的な第1及び第2動作モードを具備しているため、装置モジュール103は、所与の時点で、USBコネクタ903または第1コネクタ503のいずれかのみを通じてUSB信号605を受信することになる。
【0069】
第1動作モード201では、装置モジュール103は、AC/DCコンバータ907、電源ケーブル1015、電源コネクタ415、電源装置413、パワーバス627、バックプレーンコネクタ409または411、第1コネクタ503のピンを通じ、装置モジュールパワーライン1013を通じて、装置モジュール103の個々のブロック1001、1003、1005、1007、1009に供給するための装置モジュールトレース627’により電力の供給を受ける。装置モジュールパワーライン1013及び装置モジュールトレース627’は、電流の操作性を改善するべく、8つの別個の+12Vラインを包含可能である。
【0070】
第2動作モード801では、装置モジュール103は、この場合にも、AC/DCコンバータ907を通じて電力の供給を受けるが、第1動作モード201におけるように電源ケーブル1015及びシャーシ107を通じてではなく、第2モードでは、装置モジュール103は、装置モジュール103の個々のブロック1001、1003、1005、1007、1009に対して供給するための装置モジュールトレース627’に接続されたモジュール電源コネクタ905及び装置モジュール電源ライン103に直接接続されている電源ケーブル1021を通じて、電力の供給を受けることになる。
【0071】
一実施例では、装置モジュール電源ライン1013は、モジュール電源コネクタ905と第1コネクタ503のピンの両方に常に接続されている。電子装置システム101は、相互に排他的な第1及び第2動作モードを具備しているため、装置モジュール103は、所与の時点で、モジュール電源コネクタ905または第1コネクタ503のピンからのみ電力の供給を受けることになる。
【0072】
図10は、装置モジュールトリガライン611’及び装置モジュールクロックライン623’も示している。装置モジュールトリガライン611’は、第1コネクタ503を通じて直接的にバックプレーントリガライン611から信号を受信する。装置モジュールクロックライン623’は、第1コネクタ503を通じてバックプレーンクロックライン623から信号を直接的に受信する。
【0073】
従って、図10の実施例では、本システムが第1モード201で動作している際には、各モジュールは、611’及び623’内にトリガ/クロック信号を受信することになり、第2モード801では、これを受信しない。第2モードで、装置モジュール103、105の中のいずれかのものが一緒に使用されている際には、それらの装置モジュール間には、通常、同期は存在しないことになる。標準的なUSBフレームワークは、試験、計測、制御、及び自動化を含むアプリケーションで同期したリアルタイムの制御またはデータ取得を提供する能力を有していない。但し、IEEE1588プロトコルなどのシステムを使用するか、あるいは、オーストラリアのAdelaideに所在するFiberbyte社の「USB−inSyc」を使用してオンボードクロックを装置モジュール103、105に付加することにより、これらの間の同期化を実現することができる。
【0074】
図11(a)は、第1装置モジュール103及び追加装置モジュール105を収容している保護装置モジュールケーシング1100の上右側からの斜視図を示している。図11(b)は、装置モジュールケーシング1100の右側面図を示している。
【0075】
保護装置モジュールケーシング1100は、約174.34mmの長さ、105.00mmの幅、及び22.00mmの高さを具備可能である。その他の実施例として、高さは、20.00mmまたは30.00mmの寸法を具備可能である。
【0076】
保護装置モジュールケーシング1100は、実質的に同一の側面1107、1109を具備している。保護ケーシング内に装置モジュール103、105を収容することにより、装置モジュールをシャーシ107に挿入またはこれから取り出す(あるいは、第1及び第2動作モード間で装置モジュールを移動させる)際に発生し得る損傷から図10に示されているPCB及びブロックを保護することが重要である。前述のように、図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、装置モジュールケーシング1100の背面図及び正面図を示している。
【0077】
保護装置モジュールケーシング1100及びシャーシは、装置モジュール103、105がスロット403、405内に(並びに、これから外部に)スライドできるように、スロット403、405の上部及び底部に、装置モジュール103、105の側面1107、1109に沿って、ガイド手段を含んでいる。図4(a)、図11(a)、及び図11(b)に示されているように、このガイド手段は、保護ケーシング1100の側部1107、1109上のトラック1101と噛み合うように、スロットの上部及び底部にトラック425、427を含んでいる。トラック425、427は、2つのレール429の間に溝428を含んでいる。トラック1101は、レール1103を含んでおり、レール1103は、シャーシのスロットに挿入またはこれから取り出される際に、実質的に溝及びレールの方向に沿って装置モジュールがスライドする動きを抑制するべく溝428内に嵌め合わされている。
【0078】
図11(a)に示されているように、保護装置モジュールケーシング1100は、その側面に沿って換気孔1105をも含んでいる。図4(a)のシャーシ107は、換気孔1105を通じて、面1107、1109のそれぞれを通過して空気を流通させるべく、スロットの上または下のいずれかに冷却ファンを包含することができる。また、シャーシ107は、シャーシの外部の周辺空気が冷却ファンによってシャーシ内に流入し、換気孔1105を介して装置モジュール103を通じ、装置モジュール103内の熱をシャーシ107の外部に排出できるように、上部及び底部に孔を包含することも可能である。
【0079】
図12は、装置モジュール103用のクラムシェルハウジング1200を示している。図13(a)は、内部に収容されたモジュール103を有するハウジング1200の上右側からの斜視図である。図13(b)は、内部に収容されたモジュール103を有するハウジング1200の左側面図である。図13(c)は、内部に収容されたモジュール103を有するハウジング1200の平面図である。図14(a)は、内部に収容されたモジュール103を有するハウジング1200の底面図である。図14(b)は、内部に収容されたモジュール103を有するハウジング1200の背面図である。
【0080】
クラムシェルハウジング1200は、第2動作モード801で使用される際に、装置モジュール103を保護する。第1シェルセクション1201及び第2シェルセクション1203は、開放及び閉鎖位置間における第1及び第2セクション1201、1203の相互回転を許容するハウジング1200のヒンジ端部1207におけるヒンジメカニズム1205により、回転可能に接続されている。ハウジング1200のヒンジ端部1207の反対側には、開放端部1209が位置している。摺動固定緩衝セクション1211が、開放端部1209上をスライドし、ハウジング1200を閉鎖位置に固定する。閉鎖位置にある際には、第1及び第2シェルセクション1201、1203により、装置モジュール103を保持するためのメインストレージコンパートメント1213が形成される。ハウジング1200のヒンジ端部1207には、ヒンジ緩衝セクション1215が位置している。ハウジング1200の上部及び底部には、いずれも、複数の装置モジュールクラムシェルハウジングを垂直積層構成により固定するための固定セクションが位置している。
【0081】
摺動固定緩衝セクション1211及びヒンジ緩衝セクション1215は、ゴムであってよく、第2動作モード801で動作している際の振動及び落下に対する装置モジュール103の更なる保護を提供可能である。
【0082】
図15は、例えば、装置モジュール103と、追加装置モジュール105の中の1つという2つのモジュールを示しており、このそれぞれは、ハウジング1200内に収容されており、垂直積層構成で積み重ねられている。2つを上回る数のモジュールを積み重ねることも可能である。試験ベンチは、多くの場合に、小さく、且つ、装置によって散らかっている。多くの場合に、利用可能な作業空間が非常に限られている。装置モジュール103及び追加装置モジュール105を垂直に積層可能にすることにより、試験ベンチの表面上における単一のクラムシェルハウジング1200の専有面積のみを占有した状態で、多くの装置モジュールを利用することが可能になる。
【0083】
固定セクションは、ヒンジ緩衝セクション1215及び摺動固定緩衝セクション1211の底部に突出または脚部1303(図14(a)参照)と、ヒンジ緩衝セクション1215及び摺動固定緩衝セクション1211の上部に凹部または空洞1217を有することができる。それぞれがハウジング1200内に収容されると共に積み重ねられている複数の装置モジュール103の脚部1303のそれぞれを空洞1217の1つの内部に嵌め合わせることにより、別の装置モジュールの上に積み重ねられた装置モジュール103が垂直の積層状態から滑り落ちることを防止する。脚部1303をゴムで製造することにより、テーブル上に配置されたり、あるいは、その他のクラムシェルハウジング1200上に積み重ねられた際に、装置モジュールに対して安定性を提供可能である。
【0084】
図12及び図13(a)に示されているように、摺動固定緩衝セクション1211の前面は、保持された装置モジュール103の第3コネクタ507に対してアクセスできるように、その内部に形成された開口部1219を具備している。
【0085】
図14(b)に示されているように、ハウジング1200のヒンジ端部1207には、ヒンジ緩衝セクション1215のハウジング背面1305が位置している。ハウジングの背面1305は、装置モジュールの背面501上の第2コネクタ903及びモジュール電源コネクタ905にアクセスできるように、その内部に形成されたヒンジバンパ開口部1307を具備している。ハウジングの背面1305は、保持されている装置モジュールの第1コネクタ503をカバーしている。第1コネクタ503をカバーすることにより、このコネクタは、第2動作モード801で動作している際の不慮の衝撃から保護されている。また、第1コネクタ503をカバーすることにより、ユーザーが、第2動作モード801における動作を意図している際に、誤ってケーブルを第1コネクタ503にプラグ接続してしまうことを防止している。第1コネクタ503は、第1動作モード201でのみ使用するものである。この結果、同時に2つの異なるコネクタの組から図10のライン1011、1013に通信信号または電力が進入する事態が防止されている。
【0086】
図12及び図13(b)に示されているように、ハウジング1200の第1及び第2セクション1201、1203内には、ハウジング側部の換気開口部1221が形成されている。換気開口部1221は、保護装置モジュールケーシング1100の換気孔1105とアライメントされており、周辺空気と装置モジュール103の内部の間の空気の流れを実現している。冷却ファンをハウジング1200の外部に配置し、換気開口部1221及び換気孔1105を通じて空気を強制流通させることも可能である。
【0087】
装置モジュール及び追加装置モジュールをセットアップして第2動作モードで作動させる際には、図8に示されている以下のステップを実行可能である。
【0088】
ステップ803で、クラムシェルハウジング1200を開く。
【0089】
ステップ805で、装置モジュール103をクラムシェルハウジング1200内に配置する。
【0090】
ステップ807で、クラムシェルハウジング1200を閉じる。
【0091】
ステップ809で、摺動固定緩衝セクション1211をクラムシェルハウジング1200上に固定する。
【0092】
ステップ811で、USBケーブル1017を装置モジュール103の第2コネクタ903にプラグ接続し、電源ケーブル1201をモジュール電源コネクタ905にプラグ接続する。
【0093】
クラムシェルハウジング1200が、組み立てて装置モジュール103を収容するためにネジやネジ回しを必要としていないことは重要である。
【0094】
以上の説明は、その特定の模範的な実施例を参照して本発明について説明したものである。従って、本明細書及び添付の図面は、制限することを意図するものではなく、あくまでも例示を意図するものであり、当業者によって種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1動作モード用に構成された電子装置システムの概略図である。
【図2】本発明の電子装置システムの第1動作モードの各ステップを示すフローチャートである。
【図3】プラグ接続された装置モジュールを有するシャーシの上右側からの斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれプラグ接続された装置モジュールを有していないシャーシの正面図及び背面図を示している。
【図5】(a)及び(b)は、それぞれ装置モジュールの背面図及び正面図である。
【図6】シャーシのバックプレーンアーキテクチャを示している。
【図7】バックプレーンコネクタ用の模範的なピンの割り当てを示している。
【図8】本発明の電子装置システムの第2動作モードの各ステップを示すフローチャートである。
【図9】(a)及び(b)は、第2動作モード用に構成された電子装置システムについての相違する構成の実施例を示している。
【図10】装置モジュールの電子ブロックダイアグラムを示している。
【図11】(a)は、装置モジュールを収容する保護装置モジュールケーシングの上右側からの斜視図であり、(b)は、同装置モジュールケーシングの右側面図である。
【図12】装置モジュールを保持するクラムシェルハウジングを示している。
【図13】(a)は、内部に収容された装置モジュールを有するハウジングの上右側からの斜視図であり、(b)は、内部に収容された装置モジュールを有するハウジングの左側面図であり、(c)は、内部に収容された装置モジュールを有するハウジングの平面図である。
【図14】(a)は、内部に収容された装置モジュールを有するハウジングの底面図であり、(b)は、内部に収容された装置モジュールを有するハウジングの背面図である。
【図15】それぞれがハウジング内に収容され、垂直積層構成により積み重ねられた2つの装置モジュールを示している。
【符号の説明】
【0096】
103 装置モジュール
105 追加装置モジュール
1200 クラムシェルハウジング
1213 メインストレージコンパートメント
1217 空洞(固定セクション)
1303 脚部(固定セクション)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測ボードと、前記計測ボードを収容する第1保護装置モジュールケーシングとを有する第1装置モジュールと、
前記第1装置モジュールを収容するメインストレージコンパートメントを具備する第1ハウジングと、
追加ハウジング内に収容された追加装置モジュールと、
前記ハウジングを垂直積層構成により固定するための前記第1ハウジング及び追加ハウジングの上部及び底部に位置する固定セクションとを有することを特徴とする装置モジュールハウジングシステム。
【請求項2】
前記固定セクションは、前記第1ハウジング及び追加ハウジングを前記垂直積層構成にして保持するよう互いに嵌め合わせられる脚部と空洞を有することを特徴とする、請求項1記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項3】
前記装置モジュールは、DAQ、スコープ、関数生成器、ソース、及びコントローラから構成される組から選択された機能を実行するPCBを有することを特徴とする、請求項2記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項4】
前記保護装置モジュールケーシングは、側面に沿って換気孔を含んでおり、前記ハウジングは、前記装置モジュールケーシングの内部と外部の間における空気の流れを可能にするよう、前記保護装置モジュールケーシングの前記換気孔とアライメントされた換気開口部を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項5】
前記保護装置モジュールケーシングは、シャーシの溝及びレールと整合していると共に、前記シャーシのスロット内への挿入及びこれからの取り外しの際に前記装置モジュールが実質的に前記溝及びレールの方向に沿ってスライドすることを抑制している溝及びレールを含むことを特徴とする、請求項1記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項6】
前記第1保護装置モジュールケーシングは、
シャーシのバックプレーンを通じて、前記第1装置モジュール、前記追加装置モジュール、及びプロセッサの間で通信するよう、その上部に取り付けられた第1コネクタと、
該第1コネクタが前記バックプレーンにプラグ接続されていない場合に、前記第1装置モジュールとPCの間で通信するよう、その上部に取り付けられた第2コネクタとを含むことを特徴とする、請求項1記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項7】
前記第1ハウジングは、前記第2コネクタをアクセス可能な状態に放置したまま、前記第1コネクタを覆うようにしたことを特徴とする、請求項6記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項8】
前記追加装置モジュールは、追加の第1及び第2コネクタを含んでおり、前記垂直積層構成にある際に、前記第2コネクタは、前記バックプレーンを通じてではなく、ケーブルを介して前記PCに接続されることを特徴とする、請求項7記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項9】
前記第2コネクタは、USB通信プロトコルを使用しており、前記第1コネクタは、トリガ供給のための追加ピンと共にUSB通信プロトコルを使用していることを特徴とする、請求項6記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項10】
前記第1ハウジングは、
開放及び閉鎖位置間における第1及び第2セクションの相互回転を許容するヒンジメカニズムによって回転可能に接続された前記第1及び第2セクションと、
前記ハウジングのヒンジ端部の反対側に位置する前記ハウジングの開放端部と、
該開放端部上をスライドし、前記第1及び第2セクションを前記閉鎖位置で固定する摺動固定緩衝セクションと、を更に有し、
前記閉鎖位置にある際に、前記第1及び第2セクションにより、前記装置モジュールを保持するための前記メインストレージコンパートメントが形成されることを特徴とする、請求項1記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項11】
前記ハウジングの両端部に設けられるゴムバンパは、前記収容されている第1装置モジュールを保護していることを特徴とする、請求項1記載の装置モジュールハウジングシステム。
【請求項12】
装置モジュールハウジングシステムを使用する方法であって、
第1ハウジングのメインストレージコンパートメント内に第1装置モジュールを配置するステップであって、前記第1装置モジュールは、計測ボードと、第1保護装置モジュールとを有するようにしたステップと、
追加ハウジングのメインストレージコンパートメント内に追加装置モジュールを配置するステップであって、前記追加装置モジュールのそれぞれは、計測ボードと、第1保護装置モジュールとを有するようにしたステップと、
前記第1ハウジング及び追加ハウジングを垂直積層構成により固定するよう、前記第1ハウジング及び追加ハウジングの上部及び底部に位置するセクションを固定するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項13】
DAQ、スコープ、関数生成器、ソース、及びコントローラから構成された組から選択された前記計測ボードによって機能を実行するステップを更に有することを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1装置モジュール及び追加装置モジュールの第2コネクタとPCとの間にケーブルをプラグ接続するステップを更に有することを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記第1装置モジュール及び追加装置モジュールの電源コネクタに電源ケーブルをプラグ接続するステップを更に有することを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記第1ハウジングの前記メインストレージコンパートメント内に前記第1装置モジュールを配置するステップは、
前記第1ハウジングのヒンジ端部におけるヒンジメカニズムを中心として前記第1ハウジングの第1及び第2セクションを相互回転させることにより、前記第1ハウジングを開放位置に移動させるステップと、
前記第1装置モジュールを前記第1ハウジングの前記メインストレージコンパートメント内に配置するステップと、
前記第1ハウジングの前記ヒンジ端部における前記ヒンジメカニズムを中心として前記第1ハウジングの前記第1及び第2セクションを相互回転させることにより、前記第1ハウジングを閉鎖位置に移動させるステップと、
前記第1ハウジングの開放端部上で摺動固定緩衝セクションをスライドさせることにより、前記セクションを前記閉鎖位置に固定するステップと、
上記の各ステップを前記追加ハウジング及び追加装置モジュールについて反復するステップと、
をさらに有することを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項17】
前記セクションを固定する前記ステップは、前記第1ハウジング及び追加ハウジングを固定するべく、前記第1ハウジング及び追加ハウジングの脚部と空洞を互いに嵌め合わせるステップを更に有することを特徴とする、請求項12記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−248468(P2007−248468A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66483(P2007−66483)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】