説明

視聴防止装置及び視聴防止システム

【課題】未視聴番組に関する情報を事前に知ることにより、興味を失うことを防止する視聴防止装置及び視聴防止システムを提供する。
【解決手段】視聴防止装置は、録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、前記番組情報管理部からの情報にもとづき選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画もしくは視聴予約を行った番組に関し、当該番組に関連する情報を事前に視聴することを防止する視聴防止装置及び視聴防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、放送番組を録画する録画装置が広く用いられており、中には前記放送番組を長時間録画することができる大容量の録画装置も普及している。一方、こういった大容量を備えた録画装置は、放送番組を長時間録画することができるため、録画済み番組の視聴に要する時間も長時間化する。そのため、一部の録画済み番組については、しばらくの間視聴しないということが起こり得る。
【0003】
また、指定した放送番組の日時になると、自動的にその番組のチャンネルに切換える視聴予約という機能を有した映像機器についても広く普及している。前記視聴予約は数日後に放送予定の番組についても行うことができるため利便性が高いが、言い換えると前記放送予定の番組については数日間視聴しないということでもある。
【0004】
ところで、ユーザにとって放送番組の中でも特にスポーツ番組を視聴する関心事項の1つに、勝敗、スコア等の試合結果がある。例えば、前記スポーツ番組を録画しておき、後日視聴しようと考えているような場合、当該録画番組の視聴以前に、ニュース番組等で試合結果について報じられることがあり、ユーザとしては録画番組に対する興味が半減してしまう。同様に、放送予定のスポーツ番組について、視聴予約を行っていた場合にも、ニュース番組等で事前に報じられる可能性がある。
【0005】
特許文献1には、テレビジョン受像機が受信したコンテンツデータに、録画未視聴番組に関する情報が含まれているテロップを表示する際には、前記テロップの内容を異なる内容に置換する技術について開示されている。より具体的には、図17に示すように、表示しようとしているコンテンツデータに図17(A)に示すように、試合結果が示されている場合には、図17(B)に示すように、試合の勝敗が分からないように、テロップの内容を置換することで、後で録画番組を視聴するときの興味を半減させないための技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−311589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、例えば試合の中継映像のように、テロップを含まない態様で試合結果を報じるときには、ユーザは事前に試合結果を知ることになる。また、仮に映像中にテロップが含まれていたとしても、前記試合結果を音声によって知り得る可能性もあり不都合を生ずる。
【0008】
そこで、本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、録画もしくは視聴予約を行った番組に関連する情報を事前に知ることにより、興味を失うことを防止する視聴防止装置及び視聴防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る視聴防止装置は、録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、前記番組情報管理部からの情報にもとづき選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備えることを特徴とする。
【0010】
前記視聴の防止は、所定画像を表示することにより行なわれることを特徴とする。
【0011】
前記所定画像は、チャンネル切換えを促す情報を含むことを特徴とする。
【0012】
前記視聴の防止は、電子番組表を表示することにより行なわれることを特徴とする。
【0013】
前記視聴の防止は、チャンネルを切換えることにより行なわれることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る視聴防止装置は、録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、前記番組及び選局中の番組の番組情報にもとづき解析の要否を判定する解析要否判定部と、前記解析要否判定部の判定結果に応じて選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る視聴防止システムは、録画装置と映像表示装置から構成される視聴防止システムであって、録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部を備える録画装置と、前記番組情報管理部からの情報にもとづき、選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、
該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備える映像表示装置から構成されることを特徴とする。
【0016】
前記映像表示装置は、3Dメガネ制御部を備えており、3Dメガネに対して所定の指示を与えることにより、視聴を防止するように制御を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る視聴防止装置は、録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を格納する番組情報格納部と、前記番組情報管理部からの情報にもとづき、インターネットを介して受信したコンテンツデータに関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、前記コンテンツについて、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る視聴防止システムは、録画装置と情報表示装置から構成される視聴防止システムであって、録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、前記情報を情報表示装置へ送信する送信部とを備える録画装置と、前記送信部より送信される情報を受信する受信部と、受信した前記番組に関連する情報を格納する番組情報格納部と、前記番組情報格納部からの情報にもとづき、インターネットを介して受信したコンテンツデータに関し、映像データ、音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、前記映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、前記コンテンツデータのうち少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備える情報表示装置とから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る視聴防止装置及び視聴防止システムによれば、録画もしくは視聴予約を行った番組に関連する情報を事前に知ることにより、興味を失うことを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例に関するブロック構成図。
【図2】本発明の第1の実施例に関するデータテーブル。
【図3】本発明の第1の実施例に関するデータテーブル。
【図4】本発明の第1の実施例に関する映像音声解析部の詳細を示すブロック構成図。
【図5】本発明の第1の実施例に関する特定の競技を示す画像であると判断したときの様子を示す説明図。
【図6】本発明の第1の実施例に関する電子番組表を示す説明図。
【図7】本発明の第1の実施例に関するテロップを検出したときの説明図。
【図8】本発明の第1の実施例に関する視聴防止判定部における動作についての説明図。
【図9】本発明の第2の実施例に関するブロック構成図。
【図10】本発明の第2の実施例に関する予約番組情報管理部の詳細を示すブロック構成図。
【図11】本発明の第2の実施例に関するユーザへの注意文を表示する様子を示す説明図。
【図12】本発明の第3の実施例に関するブロック構成図。
【図13】本発明の第4の実施例に関するブロック構成図。
【図14】本発明の第4の実施例に関するユーザへの注意文を表示する様子を示す説明図。
【図15】本発明の第4の実施例の視聴防止判定部の詳細を示すブロック構成図。
【図16】本発明の第5の実施例に関するブロック構成図。
【図17】本発明の従来技術に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1について、図1〜8を用いて説明する。図1は、本発明の視聴防止装置に係るブロック構成図であり、アンテナ1、映像音声処理部2、録画部3、視聴予約部4、番組情報管理部5、映像音声解析部6、視聴防止判定部7、映像重畳部8、映像音声出力部9から構成されている。
【0022】
次に、本実施例の動作について説明する。アンテナ1では、放送波を受信して周波数変換を行い、映像音声処理部2に出力する。尚、放送波の受信に関して、アンテナを用いた構成でなく有線放送であってもよい。
【0023】
映像音声処理部2は、入力された放送波から、復調する放送信号の選局を行い、入力された放送信号の映像音声部分、番組情報等を含むデータ部分とを分離し、圧縮符号化された映像データや音声データを表示データや発生音データにデコードする。録画部3からの録画指示に応じて映像音声データ等を出力し、録画番組の再生時にも所定の処理を行なう。また、視聴予約部に番組情報を出力する。
【0024】
録画部3は、録画指示に従って、前記映像音声処理部2で、信号分離、デコード等の所定の映像音声処理がなされた映像音声データ等に係る放送番組の録画及び当該放送番組に係る番組情報についての記録を行なう。ユーザより所定の再生指示があったときには、映像音声処理部2に録画番組データを出力し、録画番組の再生を行なう。また、放送番組の録画が完了したときには、該番組の番組情報を番組情報管理部5に出力する。また、ユーザが未視聴録画番組の再生指示を行なったときには、番組情報管理部5にその旨を通知し、当該番組についての後述する未視聴番組テーブルを削除する。ここで、本明細書において、番組情報とは、例えば、番組名、チャンネル、番組概要、放送日、放送開始時刻、ジャンルなどを含む情報である。
【0025】
視聴予約部4は、ユーザより所定の放送番組について視聴予約を行う旨の指示があったときには、前記番組について視聴予約を行い、番組情報を番組情報管理部5に出力する。前記視聴予約とは、指定した放送番組の日時になると、自動的にその番組のチャンネルに切換える機能をいい、例えば図6を用いて後述するような電子番組表から特定の放送番組を選択することで行う。また、前記視聴予約を行った番組の放送終了時に、番組情報管理部5にその旨を通知し、当該番組についての後述する未視聴番組テーブルを削除する。
【0026】
番組情報管理部5は、前記録画部3あるいは前記視聴予約部4より入力される、番組情報について、予め格納している情報と関連付けて、未視聴の録画番組あるいは視聴予約を行った番組(以下、未視聴番組と称呼する)に関するデータテーブル(以下、未視聴番組テーブルと称呼する)として管理を行なう。
【0027】
前記予め格納している情報とは、例えば、スポーツの試合に関連する情報として、各競技の映像に応じて、特に映像中で用いられる色についての情報(以下、競技色と称呼する)やスポーツの試合結果を音声情報として報じるときに用いられる単語を格納する。
【0028】
前記競技色としては、例えばサッカーの試合では、芝生の上で競技を行なうため、映像としては緑色の多い映像となることが予想される。また、水泳では、水色の多い映像となることが予想される。そのため、図2(A)に示すようなRGB値の競技色データテーブルとして、予め格納する。図2(A)は、サッカー、水泳、スキーの各競技に関する特徴的な色情報として、芝生の色、プールの中の水の色、ゲレンデの雪の色を想定して、1フレーム画像のRGB値のデータテーブルとして格納している。
【0029】
また、図2(B)は、3つのスポーツチームのユニフォームの色(以下、チーム色と称呼する)を格納している。
【0030】
また、音声情報としては、例えばニュース番組のアナウンサーが、各競技の試合結果を報じるときに、音声として発すると考えられる単語について格納する。前記単語としては、例えば「サッカー」、「野球」などの特定の競技を示すものや「試合結果」、「続いてスポーツコーナーです」等の一般的に、試合結果を報じることを連想させるキーフレーズに関しても、「スポーツコーナー」という単語として、テキストデータとして格納する。
【0031】
図3は、上述した未視聴番組テーブルであり、該テーブルは5項目から成り、各項目は、未視聴番組に係る競技の種類として「サッカー」、競技色として「緑」、チーム色として「赤」、特定の競技を示す単語として「サッカー」「フリーキック」、試合結果を報じる一般的な単語として「スポーツコーナー」である。番組情報管理部5は、未視聴番組テーブルを有している旨を映像音声解析部6に通知し、前記未視聴番組テーブルを視聴防止判定部7に出力する。
【0032】
映像音声解析部6は、前記番組情報管理部5からの通知に応じてユーザが視聴中の現在放送されている放送番組について、映像音声解析を行なう。図4には、前記映像音声解析部6の詳細を示していて、映像解析部6a、テロップ検出部6b、音声認識部6cから構成される。
【0033】
映像解析については、1フレーム画像が画素単位で有している画像データを用いる。該画像データとは、例えば色情報である。前記競技色については、該色情報を1フレームにおいて画素単位で足し合わせを行い、足し合わせ結果の平均値を算出し、該平均値からRGB値を求める。前記チーム色については、ヒストグラム検出の一種である勾配方向ヒストグラムを用いて、人物の検出を行ない、該検出した人物について、画素単位で色情報を足し合わせた結果から、平均値を算出し、RGB値を求める。尚、勾配方向ヒストグラムとは、例えば、対象となる物体の輪郭を用いて人体や車両等の物体を検出するための技術であり、画像内の複数領域における輝度の勾配強度及び勾配方向を算出し、これらに基づいて作成される。前記競技色及びチーム色について求めたRGB値を映像解析結果として、視聴防止判定部7に出力する。
【0034】
また、映像中のテロップについて検出してもよく、周知技術として例えば特開2006−331057号公報に開示されている技術を採用することができる。
【0035】
音声解析については、例えば特開2003−280683号公報において示されるように、予め単語の波形データを記憶しておき、入力される音声信号と波形データとのパターンマッチングを行い、音声信号をテキストデータ化し、音声認識結果を視聴防止判定部7に出力する。
【0036】
視聴防止判定部7は、前記映像音声解析部6から入力される映像解析、音声認識、テロップ検出のそれぞれの結果及び番組情報管理部5から入力される未視聴番組テーブルにもとづいて、現在視聴中の放送番組の映像における、未視聴番組の内容に関連する情報(以下、未視聴番組関連情報と称呼する)を視聴させないように制御を行う。
【0037】
前記映像解析結果については、前記未視聴番組テーブルに格納されている競技色のRGB値に対して所定の範囲内で近似していれば当該フレーム画像は特定の競技を示す画像であると判断し、下記図5で示すような画面を表示するように、映像音声出力部9に指示を与える。図5は、前記特定の競技を示す画像であると判断したときの様子を示していて、図5(A)は、検出画像であり、実際には表示画面には表示されない。図5(B)は表示画面の一例であり、図示するように、ユーザは試合結果を示す可能性のある画像を視聴するか、あるいは視聴せずに他チャンネルへ切換えるという選択を行なうことができる表示画像であり、前記切換えをユーザに促す注意文が含まれている。尚、前記表示画像はこれに限らず、カラーバーなどのテストパターンを示す画像が一定時間表示されるような構成であってもよい。図5(B)に係る画像が表示画面に表示されているときには、音声についてはミュートする。これにより、前記表示画面の表示中に音声によって試合結果が報じられることを防ぐことができる。
【0038】
また、前記チーム色についても、図2(B)で示したRGB値と比較判定し、所定の範囲内であれば、チーム色であると判断し、同様に、図5(B)で示した表示画面を表示するような動作を行なう。
【0039】
上記のような構成とすることで、例えばサッカーのゴールシーンのように、試合結果に関連する映像の視聴を防止することができる。加えて、他チャンネルへの切換えをユーザに促すことで、試合結果を報じていない放送番組を即座に視聴することができる。
【0040】
尚、上記構成に限定されるものではなく、図5(B)に係る画面を表示させるか代わりに、図6に示すような電子番組表を表示させても良い。図6において、10の斜線部は、ユーザが現在選局しているチャンネルの放送番組を示している。11は、未視聴番組関連情報を報じる可能性のある放送番組に関して注意文を表示している。このように、電子番組表を表示することで、試合結果を報じていない他チャンネルの放送番組をユーザに自由に選択させることができる。
【0041】
また、上述したように、特定の競技を示す画像であると判断したときに、図5(B)を用いて所定画像を表示することなく、視聴中の放送番組を他チャンネルの放送番組に切換える動作を行なってもよい。
【0042】
また、前記表示画面については本明細書においては敢えて図示していないが、液晶表示装置等の所定の表示装置に表示される画面である。
【0043】
前記テロップ検出については、図7に示すように、該テロップ部分をマスク処理するように、映像重畳部7に指示を与える。図7(A)はサッカーの試合結果を示すテロップが表示されている表示画面で、図7(B)は、テロップをマスク処理してユーザに観察させないようにした表示画面の様子を示している。
【0044】
前記音声認識結果については、前記番組情報管理部5に格納されている、テキストデータと突き合わせて、単語が一致した場合には、音声信号をミュートするように、映像音声出力部9に指示を与える。
【0045】
映像重畳部8は、前記テロップ部分のマスク指示にもとづいて、所定のマスク処理を行い、結果を映像音声出力部9に出力する。
【0046】
ここで、図8に示す動作フローチャートを用いて、上述した視聴防止判定部7における動作について、説明する。
【0047】
ステップS1において、現在視聴中の放送番組について、未視聴番組関連情報があると判断した場合には、ステップS2に移行する。ステップS2では、視聴中の映像が競技色を示す映像であれば、ステップS3に移行し、図5(B)を用いて上述したような所定の画像を表示し、音声についてはミュートする。前記競技色を示す映像ではないならば、ステップS4に移行する。チーム色を示す映像であれば、同様に所定の画像を表示し、音声についてはミュートする。チーム色を示す映像でないならば、ステップS6に移行し、音声認識結果から、未視聴番組関連情報に係る音声信号があるか否かを判断し、あると判断したならばステップS7においてミュートし、更にステップS8において、未視聴番組関連情報を表示するテロップの有無を判断し、あると判断したならばステップS9においてマスク処理を行う。ステップS6において、未視聴番組関連情報に係る音声信号がないと判断したならば、ステップS10においてテロップの有無について判断し、あると判断したならばステップS11でマスク処理を行ない、ないと判断したならばステップS1に戻る。
【実施例2】
【0048】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1と同様の動作を行う構成については、同一の符号を付して説明を省略する。以下、本実施例について、図9〜11を用いて説明する。図9は、本発明の視聴防止装置に係るブロック構成図であり、アンテナ1、映像音声処理部12、録画部3、視聴予約部4、番組情報管理部13、解析要否判定部14、映像音声解析部6、視聴防止判定部15、映像重畳部8、映像音声出力部9から構成されている。次に、動作について、実施例1と異なる部分について特に説明する。
【0049】
映像音声処理部12は、放送信号のデコード及び録画番組の再生処理に加えて、ユーザが選局を行なっているチャンネルに係る放送番組の番組情報を解析要否判定部14に出力する。
【0050】
番組情報管理部13は、格納している番組情報を解析要否判定部14に出力する。また、番組情報管理部13は、図10に示すように、嗜好情報蓄積部13aを備えている。嗜好情報とは、ユーザの放送番組についての視聴履歴にもとづいて定まるもので、敢えて図示はしないが、例えば番組名に特定の競技を示す単語が含まれる放送番組を録画した回数に対して、所定の基準回数を設けて、該基準回数を超えて録画された放送番組に関しては、強く関心を持っているものと判定するというような方法で定める。番組録画時にユーザが自分で該番組が重要であることを記録しても良い。尚、上述した嗜好情報は放送番組を録画した回数としたが、当然これに限られるものではなく、視聴予約を行った回数でも良い。
【0051】
嗜好情報蓄積部13aは、上述したような方法でユーザの録画番組に対する関心度を嗜好情報として格納する。
【0052】
解析要否判定部14は、映像音声処理部12及び番組情報管理部13より入力される番組情報との突き合わせを行い、一致した場合には、図11に示すようなOSDメッセージによる注意文を映像重畳部を介して報知する。前記突き合わせは、例えば、番組情報のうち、映像音声処理部12から入力される放送番組に関連する内容を含む情報の中に、番組情報管理部13から入力される番組名に含まれる所定の単語が一致するか否かを比較判定することによって行なう。これにより、ユーザが視聴中の放送番組には、未視聴番組関連情報が含まれている可能性があることを事前に通知させることができる。加えて、図11に示すような注意文とすることで、未視聴番組関連情報が含まれていない他チャンネルへの選局を促すことができる。尚、前記注意文はユーザへの注意喚起を正確に行なうため、一定時間表示されるように制御してもよい。また、前記報知は、OSDメッセージに限らず、音声によるメッセージであってもよい。
【0053】
また、前記映像音声処理部12及び番組情報管理部13より入力される番組情報が一致した場合には、その旨を映像音声解析部6に通知し、映像音声解析を開始するように指示を行なう。このような構成として、未視聴番組関連情報が含まれている可能性のある放送番組に対してのみ映像音声解析を行なうため、不要な解析動作を抑止することができる。
【0054】
視聴防止判定部15は、入力される嗜好情報を映像解析結果に対して用いる点を除けば、基本的には実施例1で上述した動作説明と変わらないため、異なる点について特に述べる。
【0055】
映像解析結果については、上述したように、未視聴番組テーブルに格納されている競技色及びチーム色のRGB値の範囲内であれば当該フレーム画像は試合結果を示す画像であると判断するが、これに関し、前記嗜好情報を用いて、未視聴番組テーブルに格納されている番組に対する関心度が高い場合には、前記RGB値の範囲を広げるように設定する。これにより、ユーザの関心度の高い未視聴番組がある場合に、より確実に未視聴番組関連情報の視聴を防止することができる。
【実施例3】
【0056】
次に、本発明の実施例3について、図12を用いて説明する。図12は、本発明の視聴防止システムに係るブロック構成図を示していて、映像表示装置16は、アンテナ1、映像音声処理部2、映像音声解析部6、視聴防止判定部7、映像重畳部8、映像音声出力部9から構成されている。また、外部機器として、図12の破線部で囲んだ録画装置を映像表示装置16に接続する構成としている。尚、当該録画装置は、便宜的に本発明に関連する構成として番組情報管理部、録画部及び視聴予約部のみを備えた構成としているが、これに限るものではなく、他の構成を備えた録画装置であってもよい。また、本実施例においては録画装置が視聴予約部を有する構成としているが、これに限らず、映像表示装置が有していてもよい。破線部で囲まれた録画装置は、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)端子などの外部接続端子を介して、HDMIケーブルにより、映像表示装置と接続される。このように、映像表示装置に外部機器として録画装置を接続したシステム構成であっても、未視聴番組関連情報の視聴を防止することができる。動作については既に述べた通りであるので省略する。
【実施例4】
【0057】
次に、本発明の実施例4について、図13を用いて説明する。上述した実施例と同様の動作を行う構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図13は、本発明の視聴防止システムに係るブロック構成図を示していて、映像表示装置17は、アンテナ1、映像音声処理部2、映像音声解析部6、3Dメガネ要否判定部18、映像重畳部8、視聴防止判定部19、映像音声出力部9、3Dメガネ20から構成されている。また、図13の破線部で囲んだ録画装置を映像表示装置17に接続する構成としている。尚、録画装置が視聴予約部を有する構成としているが映像表示装置が視聴予約部を有する構成であってもよい。また、3Dメガネ20は、交互に送出される左眼用画像と右眼用画像に対し、左眼用及び右眼用それぞれ独立に組み込まれているシャッターにより、左目あるいは右目に対して交互に光を透過させることで立体視を行なうためのメガネであり、図示しないが赤外線発光部19dから送出される赤外線を受光する赤外線受光部を備えている。
【0058】
次に本実施例の動作について説明する。3Dメガネ要否判定部18は、映像音声処理部2及び番組情報管理部5より入力される番組情報との突き合わせを行い、一致した場合には、図14に示すようなOSDメッセージによる注意文を映像重畳部を介して報知する。当該メッセージとしては、「サッカー日本対韓国」という番組名についての未視聴番組関連情報が報じられる可能性があるので、3Dメガネを装着して下さいという内容である。このような注意文を表示することで、視聴中のユーザが複数いる場合であっても、該当する番組名の未視聴番組関連情報を知りたくないユーザに対して3Dメガネを装着するように通知することができる。
【0059】
視聴防止判定部19では、前記映像音声解析部6から入力される映像解析、音声認識、テロップ検出のそれぞれの結果及び番組情報管理部5から入力される未視聴番組テーブルにもとづいて、未視聴番組関連情報を視聴させないように制御を行う。図15は、当該視聴防止判定部19の詳細を示すブロック構成図であって、判定部19a、メガネ制御部19b、字幕発生部19c、赤外線発光部19dから構成されている。
【0060】
判定部19aが、映像解析及びテロップ検出結果にもとづいて、未視聴番組関連情報が視聴中の放送番組に含まれていると判断した場合、該判断結果をメガネ制御部19bに通知する。
【0061】
メガネ制御部19bは、前記通知に応じて、3Dメガネ20の左眼用及び右眼用液晶シャッターのいずれも閉じる指示を赤外線発光部19dを介して、3Dメガネ19の赤外線受光部(図示せず)に対して指示を与える。このように、3Dメガネの左眼用及び右眼用液晶シャッターのいずれも閉じるような構成とすることで、未視聴番組関連情報が表示されているときには、前記情報を観察させないようにすることができる。
【0062】
また、音声認識結果について、判定部19aが未視聴番組関連情報が視聴中の放送番組に含まれていると判断した場合には、音声信号をミュートするとともに、メガネ制御部19bに、前記判断結果を通知し、3Dメガネ20の左眼用及び右眼用シャッターを閉じるように制御を行う。
【0063】
また、字幕発生部19cには、例えば特開平5−176232号公報に開示されているように、発話者の音声を字幕として表示するように指示し、映像重畳部8を介して字幕表示を行なう。これにより、3Dメガネ装着者に対しては音声信号を認識させないようにすることができる。あるいは、3Dメガネ装着者に対して、ヘッドホン(図示せず)を装着させ、前記ヘッドホンへの音声信号をミュートするというような構成であってもよい。
【0064】
以上のような構成とすることで、視聴中のユーザが複数いる場合であっても、該当する番組名の未視聴番組関連情報を知りたくないユーザに対してのみ前記情報を通知させないようにすることができる。
【実施例5】
【0065】
次に、本発明の実施例5について、図16を用いて説明する。実施例1と同様の動作を行う構成については、同一の符号を付して説明を省略する。図16は、本発明の視聴防止システムに係るブロック構成であり、情報表示装置21は、ネットワーク通信部23、受信部25、番組情報格納部26、映像音声解析部27、視聴防止判定部7、映像重畳部8、映像音声出力部9から構成される。21は、持ち運び可能な情報表示装置である。サーバ22は、インターネット等を介して、コンテンツデータの配信を行なう。該コンテンツデータとは、例えば、ウェブサイト、ウェブページを構成するデータあるいは動画コンテンツの再生のためのデータである。また、破線部は録画部3、視聴予約部4、番組情報管理部5、送信部24を備える録画装置である。尚、当該録画装置は、便宜的に本発明に関連する構成のみを示しているが、これに限るものではなく、他の構成を備えた録画装置であってもよい。
【0066】
次に本実施例の動作について説明する。サーバ22は、情報表示装置21からの所定の操作要求により、インターネット等のネットワーク通信部23を通じて、ユーザが所望するコンテンツデータの配信を行なう。
【0067】
送信部24は、番組情報管理部5に格納されている、未視聴番組テーブルを無線通信等により、受信部25を介して、番組情報格納部26に送信する。
【0068】
番組情報格納部26は、前記送信部24より受信する未視聴番組テーブルを格納する。これにより、情報表示装置を携帯して持ち運ぶようなときであっても、未視聴番組についての情報を格納しておくことができるため、未視聴番組関連情報の視聴を防止することができる。
【0069】
映像音声解析部27は、受信する動画コンテンツに対して、他実施例で述べたような映像解析及び音声認識を行なう。また、前記ウェブページ内のテキストデータの検出を行ない、上述したテロップを検出する手法に従って、視聴防止判定部においてマスク処理する。以下の構成の動作については既に述べたので説明は省略する。以上、上述したような構成とすることで、情報表示装置を携帯して持ち運ぶようなときでも、未視聴番組関連情報の視聴を防止することができる。
【0070】
尚、本実施例における情報表示装置は、ワンセグ放送を受信可能な携帯電話端末、電子書籍端末等であっても良いものとする。
【符号の説明】
【0071】
1 アンテナ
2、12 映像音声処理部
3 録画部
5、13 番組情報管理部
6、26 映像音声解析部
7、15 視聴防止判定部
8 映像重畳部
9 映像音声出力部
14 解析要否判定部
16、17 映像表示装置
18 3Dメガネ要否判定部
21 情報表示装置
22 サーバ
23 ネットワーク通信部
24 送信部
25 受信部
26 番組情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、
前記番組情報管理部からの情報にもとづき選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、
該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備えることを特徴とする視聴防止装置。
【請求項2】
前記視聴の防止は、所定画像を表示することにより行なわれることを特徴とする請求項1記載の視聴防止装置。
【請求項3】
前記所定画像は、チャンネル切換えを促す情報を含むことを特徴とする請求項2記載の視聴防止装置。
【請求項4】
前記視聴の防止は、電子番組表を表示することにより行なわれることを特徴とする請求項1記載の視聴防止装置。
【請求項5】
前記視聴の防止は、チャンネルを切換えることにより行なわれることを特徴とする請求項1記載の視聴防止装置。
【請求項6】
録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、
前記番組及び選局中の番組の番組情報にもとづき解析の要否を判定する解析要否判定部と、
前記解析要否判定部の判定結果に応じて選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、
該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備えることを特徴とする視聴防止装置。
【請求項7】
録画装置と映像表示装置から構成される視聴防止システムであって、
録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部を備える録画装置と、
前記番組情報管理部からの情報にもとづき、選局中の番組に関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、
該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、選局中の番組について、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備える映像表示装置から構成されることを特徴とする視聴防止システム。
【請求項8】
前記映像表示装置は、3Dメガネ制御部を備えており、3Dメガネに対して所定の指示を与えることにより、視聴を防止するように制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の視聴防止システム。
【請求項9】
録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を格納する番組情報格納部と、
前記番組情報格納部からの情報にもとづき、インターネットを介して受信したコンテンツデータに関し、映像データもしくは音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、
該映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、前記コンテンツについて、少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備えることを特徴とする視聴防止装置。
【請求項10】
録画装置と情報表示装置から構成される視聴防止システムであって、
録画あるいは視聴予約を行った番組に関連する情報を管理する番組情報管理部と、
前記情報を情報表示装置へ送信する送信部とを備える録画装置と、
前記送信部より送信される情報を受信する受信部と、
受信した前記番組に関連する情報を格納する番組情報格納部と、
前記番組情報格納部からの情報にもとづき、インターネットを介して受信したコンテンツデータに関し、映像データ、音声データのうち少なくともいずれか一方を解析する映像音声解析部と、
前記映像音声解析部が行なった解析結果と前記番組に関連する情報にもとづいて、前記コンテンツデータのうち少なくとも一部の視聴を防止する制御を行う視聴防止判定部とを備える情報表示装置とから構成されることを特徴とする視聴防止システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−65920(P2013−65920A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201780(P2011−201780)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】