説明

親水性の積荷(cargo)をカプセル化するための架橋された親水性中空スフェアの合成および使用

架橋された親水性ナノカプセルおよび各種組成物、ならびにそれらを調製および使用するための方法を提供する。本発明のナノカプセルは、親水性ポリマーを含み、架橋された殻領域および親水性のコア領域を有する。ナノカプセルを構成する殻の多孔度は、例えば、架橋される殻領域の比率を変えることによって、水溶性レポーター系を保持し、かつ同時に標的分析物の通過を可能にするように最適化され得る。また、この親水性ナノカプセルは、有機溶媒の連続相、水、および複数の両親媒性ポリマーを含む逆エマルジョン系を使用して形成される逆ミセルから製造される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1.背景
カプセル化されたレポーター系を使用するアッセイ法は、生物学的および産業的処理において分析物を研究および検出するための重要な道具である。レポーター系をカプセル化するために、架橋されたナノカプセルの使用を含む多くの方法が開発されてきた。典型的には、これらの方法は、有機相を水相と乳化して水中油型エマルジョンを産生することを含み、該エマルジョンは、複数の両親媒性ポリマー、および非水性疎水相に溶解できるレポーター系を含む。架橋形成剤の添加は、レポーター系をカプセル化する架橋されたナノカプセルの形成をもたらす。これらの方法は、水不溶性レポーター系をカプセル化するのに適しているが、やはり、水溶性レポーター系をカプセル化するのに適した方法を見出す必要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
2.要旨
本明細書では、水溶性レポーター系を含む架橋された親水性ナノカプセルを提供する。該ナノカプセルは、親水性ポリマーを含み、架橋された殻領域および親水性のコア領域を有する。ナノカプセルを構成する殻の多孔度は、例えば、架橋される殻領域の比率を変えることによって、水溶性レポーター系を保持し、かつ同時に標的分析物の通過を可能にするように最適化され得る。
【0003】
一般に、レポーター系をカプセル化するのに使用される方法は、親水性の殻を維持するために、レポーター系が有機層に可溶であることを要求する。例えば、米国特許第6393500号には、医薬として活性のある薬剤を、水中油型エマルジョンを使用してカプセル化して、透過性のある架橋されたポリ(アクリル酸)殻およびポリ(カプロラクトン)コアを有するミセルを形成する方法が記載されている。この方法は、水溶性レポーター系がミセル形成に使用される水性連続相中に残ったままなので、水溶性レポーター系の使用を除外している。
【0004】
対照的に、本明細書に記載の架橋された親水性ナノカプセルは、有機溶媒の連続相、水、および複数の両親媒性ポリマーを含む逆エマルジョン系を使用して形成される逆ミセル(reverse micelle)から製造される。水溶性レポーター系のカプセル化を容易にするため、レポーター系は、水性緩衝液中に溶解され、有機溶媒の連続相中に小滴として懸濁される。
【0005】
一部の実施形態において、逆ミセルを形成するのに使用されるポリマー性両親媒性化合物は、開裂可能なリンカー部分を介して連結された2種のポリマーブロック、すなわち、親水性ポリマーブロックおよび疎水性ポリマーブロックを含む。親水性ポリマーブロックは、4つまたはそれ以上の親水性モノマー単位を含み、該親水性モノマー単位は、両親媒性化合物に親水性を付与する置換基で場合によっては置換されていてもよい。疎水性ポリマーブロックは、4つまたはそれ以上の疎水性モノマー単位、および架橋形成剤の存在下で隣接したポリマーを互いに架橋し得る官能基を含む2つまたはそれ以上のモノマー単位を含む。疎水性モノマー単位は、存在すると両親媒性化合物に疎水性を付与する1つ以上の官能基を含む。
【0006】
一部の実施形態において、水溶性レポーター系を含む架橋された親水性ナノカプセルは、水相を有機相と乳化して油中水型エマルジョンを生じさせることによって形成され、該エマルジョンは、複数の両親媒性ポリマーおよび1種または複数の水溶性レポーター系を含む。両親媒性化合物は、水性小滴を取り囲んで凝集し、疎水性の殻、および水溶性レポーター系を収めた親水性のコアを含むポリマー性ミセルを生成する。疎水性の殻を架橋し、そして疎水性要素を開裂および/または改変して、親水性の殻を生じさせる。一部の実施形態では、親水性の殻から親水性ポリマーブロックを開裂させて、中空のコアを生成することができる。
【0007】
一部の実施形態において、本明細書に記載の水溶性レポーター系は、標識されたタンパク質および標識された代用(surrogate)分析物を含む。標識されたタンパク質は、標識された代用分析物と接触して、代用分析物−標識されたタンパク質の複合体を形成することができる。一部の実施形態において、タンパク質は、代用分析物を標的分析物で置換することによって、蛍光部分の蛍光の増加を検出できるような蛍光部分を含む。
【0008】
一部の実施形態において、標識されたタンパク質の蛍光は、代用分析物が該タンパク質に捕捉された場合に、消光される。この消光は、種々の異なる機構で完遂され得る。一部の実施形態において、タンパク質および代用分析物は、互いに密な近接状態の場合に自己消光し得る蛍光部分を含む。一実施形態において、消光は、消光部分の助けで達成できる。
【0009】
一実施形態において、架橋された親水性ナノカプセルは、治療用薬剤および診断用薬剤を含むその他の水溶性材料をカプセル化するのに使用できる。
【0010】
他の実施形態において、カプセル化されたレポーター系は、注目する分析物の存在または不在を検知するのに使用できる。分析物のレポーター系は、標識されたタンパク質および標識された代用分析物を含む。標識されたタンパク質を標識された代用分析物と接触させて、代用分析物−標識されたタンパク質の複合体を形成できる。一部の実施形態において、タンパク質は、代用分析物を標的分析物で置換することによって、蛍光部分の蛍光の増加を検出できるような蛍光部分を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
4.詳細な説明
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、両方とも、単に例示および説明のためであり、本明細書に記載の組成物および方法を限定するものではないことを理解されたい。この出願中で、単数形の使用は、特記しない限り、複数を含む。また、「または」の使用は、特記しない限り「および/または」を意味する。同様に、「含む(単数)」、「含む(複数)」、「含んでいる」、「含む(単数)」、「含む(複数)」および「含んでいる」は、限定するものと解釈されない。
【0012】
4.2 4.1定義
本明細書中で使用する場合、以下の用語および表現は、以下の意味を有することを意図する。
【0013】
「両親媒性ポリマー」は、その標準的な意味を有し、少なくとも1つの親水性領域および少なくとも1つの疎水性領域を有するポリマーまたはコポリマーを指すことを意図する。
【0014】
「抗体」は、その標準的な意味を有し、Fab、Fab、一本鎖抗体(例えば、Fv)、モノクロナール抗体、ポリクロナール抗体、キメラ抗体などを含み、全抗体の改変によって作られる、あるいは組換えDNA技術を使用して新たに合成される、当技術分野で知られているような完全な長さの抗体および抗体フラグメントを指すことを意図する。
【0015】
「検出する」および「検出」は、それらの標準的な意味を有し、検出、測定、および分析物の特徴づけを包含することを意図する。
【0016】
「逆ミセル」は、その標準的な意味を有し、それらの非極性末端または部分が有機相と接触し、かつそれらの極性末端または部分が凝集体の内部に存在するように、有機連続相中で両親媒性分子によって形成される凝集体を指すことを意図する。逆ミセルは、限定はされないが、球、円筒、円盤、針、円錐、小胞、小球、棒、長円を含む任意の形状または形態、および逆ミセルが本明細書に記載の条件下で取り得る任意の他の形状、または両親媒性ポリマーの凝集を通して採用され得る任意の他の形状を取り得る。
【0017】
「タンパク質」は、その標準的な意味を有し、タンパク質、オリゴペプチドおよびペプチド、天然に存在しないアミノ酸およびアミノ酸類似体を含むタンパク質を始めとする誘導体および類似体、ならびにペプチド模擬構造体を指すことを意図し、組換え技術の使用、すなわち組換え核酸の発現を介して形成されるタンパク質を含む。
【0018】
「消光」は、その標準的な意味を有し、その蛍光強度の低下を達成する機構とは無関係に、特定の波長で測定した場合の、蛍光性のある基または部分の蛍光強度の低下を指すことを意図する。具体例として、消光は、分子衝突、FRETのようなエネルギー移転、PETのような光誘導電子移動、蛍光性のある基または部分の蛍光スペクトル(色)の変化、あるいは任意の他の機構(または機構の組合せ)のためであり得る。低下量は、決定的に重要ではなく、広範囲にわたって変化することができる。唯一の要件は、その低下が、使用されている検出システムによって検出可能なことである。したがって、蛍光シグナルは、特定波長でのその強度が、任意の測定可能な量だけ低下するなら、「消光」されている。蛍光シグナルは、特定波長でのその強度が、少なくとも50%まで、例えば、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはさらに100%低下するなら、「実質上」消光されている。
【0019】
4.3 架橋された親水性ナノカプセル
本開示は、広範な種類の水溶性レポーター系および薬剤(例えば、治療用薬剤、診断用薬剤など)をカプセル化できる架橋された親水性ナノカプセルを提供する。一部の実施形態では、本明細書に記載のナノカプセルを使用して、カプセル化されたレポーター系および薬剤を細胞に送達できる。架橋された親水性ナノカプセルは、両親媒性ポリマーを水性小滴中に溶解された水溶性レポーター系または薬剤を含む有機溶媒に添加する逆乳化条件下で形成される。両親媒性ポリマーは、水性小滴を取り囲んで会合し、疎水性の殻、および水溶性レポーター系(群)を含む親水性のコアを含むポリマー性逆ミセルを生成する。架橋形成剤を添加すると、架橋された疎水性の殻が形成される。両親媒性化合物に水不溶性を付与している官能基を除去または改変すると、親水性のコアを取り囲む架橋された親水性殻が創り出される。
【0020】
4.4 ポリマー性両親媒性化合物
本明細書に記載の組成物および方法で有用な両親媒性ポリマーは、種々の官能基を備えたモノマーからなるポリマーブロックから合成され得る。本明細書中で使用する場合、「ポリマーブロック」または「ブロック」は、類似の親水性、疎水性、または他の化学的性質(例えば、共重合を促進する、または架橋形成剤と共有結合を形成し得る官能基および/または置換基など)で特徴付けられる、ポリマー骨格に沿った領域またはセグメントを指す。ポリマーブロックの正確な数および/または組成は、選択的に変えることができる。例えば、一部の実施形態において、両親媒性ポリマーは、2つのブロック、1つの親水性および1つの疎水性ブロックを含む。他の実施形態において、両親媒性ポリマーは、3つ、4つまたはそれ以上のブロックを含む。3つまたはそれ以上のブロックを採用している実施形態において、親水性および疎水性ブロックの組合せは、生じる両親媒性ポリマーが逆ミセルを形成するのに十分な疎水性および親水性を有するとの条件で、変えることができる。
【0021】
両親媒性ポリマーを構成する種々のブロックは、直接的に、またはリンカー部分を介して間接的に連結され得る。一部の実施形態において、リンカー部分は、複数のブロックを互いに結合するのに使用される。リンカー部分を選択して、応用分野に応じて永続的な連結または一時的な連結を形成できる。例えば、中空のコアを含むナノカプセルが所望されるなら、開裂可能なリンカー部分を使用して、複数のブロックを互いに結合できる。
【0022】
典型的には、各ブロックは、直接的に、またはリンカー部分を介して間接的に連結され得る1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のモノマーを含む。モノマーの正確な数および組成は、選択的に変えることができる。2つまたはそれ以上のモノマーを採用する実施形態において、各モノマーは、同一でもよいし、あるいはモノマーのいくつかまたはすべてが異なっていてもよい。
【0023】
一部の実施形態において、ポリマー性両親媒性化合物は、親水性ブロックおよび疎水性ブロックから合成される。図1に、本明細書に記載のように使用できる両親媒性ポリマーの典型的な実施形態を示す。図1に示すように、両親媒性ポリマーは、一般に、親水性ブロック((A−B)で表される)、疎水性ブロック((E−F)−(G−H)oで表される)およびリンカー部分((C−D)で表される)を含む。親水性ブロックおよびリンカー部分は、付加的特性を付与できる1つ以上の置換基(R、R、RおよびRで表される)で場合によっては置換されていてもよい。例えば、親水性ブロック((A−B))は、親水性ブロック((A−B))に水溶性を付与し得る置換基を含むRおよび/またはRで置換されていてもよい。
【0024】
図1に図示するように、疎水性ブロック(E−F)−(G−H)は、1つ以上の官能基を含むことができ、R−R−Rは第1官能基を表し、R−R−R10は第2官能基を表し、R11−R12は第3官能基を表し、R13−R14は第4官能基を表す。官能基は、重合を促進すること、架橋形成剤と反応できる反応基を提供すること、または該ポリマーに水溶性もしくは水不溶性を付与することなどの所望の特性を付与する。
【0025】
本明細書に記載の組成物および方法で使用するのに適切な親水性および疎水性ブロックを以下で説明する。
【0026】
4.4.1 親水性ブロック
図1に図示するように、親水性ブロックは、該ポリマーブロックに水溶性を付与する(A−B)で表されるモノマー単位を含む。親水性ブロックを構成するモノマー単位の数(lで表される)は、生じるブロックが、生じる両親媒性ポリマーを逆ミセルに統合するのに十分な親水性を有するとの条件下で選択できる。一部の実施形態において、親水性ブロックは、4〜8個のモノマー、4〜12個のモノマー、4〜16個のモノマー、4〜20個のモノマー、6〜10個のモノマー、6〜14個のモノマー、6〜18個のモノマー、または6〜20個のモノマーを含む。典型的な親水性ブロックは、4、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のモノマーを含む。
【0027】
親水性ブロックを構成するモノマーは、直接的に、または結合部分を介して間接的に結合され得る。一部の実施形態において、モノマーは、親水性ブロックを構成する各モノマーの末端付近に存在する原子および結合を介して直接的に結合される。例えば、各モノマーの末端は、互いに共有結合を形成し得る相補性反応基を含むことができる。共有結合を形成し得る相補性基の対は周知である。一部の実施形態において、一方の末端は求核基を含み、かつ他方の末端は求電子基を含む。生物学的およびその他のアッセイ条件に対して安定な結合をもたらすのに有用な「相補性」求核および求電子基(または適切に活性化し得るその前駆体)は、周知である。適切な相補性求核および求電子基、ならびにそれらから形成されて生じる結合の例を表1に示す。
【0028】
【表1−1】

【0029】
【表1−2】

【0030】
【表1−3】

【0031】
【表1−4】

*活性化エステルは、当技術分野で理解されているように、一般には、式中のZが妥当な脱離基(例えば、オキシスクシンイミジル、オキシスルホスクシンイミジル、1−オキシベンゾトリアゾリルなど)である式−C(O)Zを有する。
**アシルアジドは、イソシアナートに替えることができる。
【0032】
一部の実施形態において、AおよびBは、全体として、親水性ブロックの水溶性または親水性に寄与する原子群を表す。典型的な(A−B)モノマーは、−O−CH−CH−、−NH−CH−CH−および/または−S(O)−CH−CH−を含む。
【0033】
一部の実施形態において、AおよびBはともに、親水性ブロックの水溶性に寄与しない原子群を表す。これらの実施形態において、Aおよび/またはBは、図1中のRおよびRで表される、親水性ブロックに水溶性を付与する少なくとも1つの置換基で置換される。典型的な実施形態において、AおよびBはともに、−CH−CH−であり、かつRおよび/またはRは、−C(O)NH、−C(O)OH、−C(O)O、SO、またはこれらの組合せでよい。
【0034】
4.4.2 疎水性ブロック
図1に図示したように、疎水性ブロックは、典型的には、2種の異なるモノマー(E−F)および(G−H)を含む。(E−F)で表されるモノマーは、単独で、またはR−R−RおよびR−R−R10で表される官能基の一方または両方の存在下で該疎水性ブロックに水不溶性を付与する。(G−H)oで表されるモノマーは、単独で、またはR11−R12およびR13−R14で表される官能基の一方または両方の存在下で、架橋形成剤の存在下で該疎水性ブロックに物理的または化学的な架橋形成能を付与する反応基を提供する。
【0035】
一部の実施形態において、EおよびFはともに、親水性である原子群を含む。これらの実施形態において、EおよびFは、R−R−Rおよび/またはR−R−R10で表される、該疎水性ブロックに水不溶性を付与する少なくとも1つの官能基を含む。水不溶性は、官能基の1つのメンバー(単一の「R」置換基で表される)、2つのメンバー(2つの「R」置換基で表される)、またはすべてのメンバー(官能基を含むすべての「R」置換基で表される)によって寄与されることができる。例えば、一部の実施形態において、官能基のすべてのメンバーは、該疎水性ブロックの水不溶性に寄与する「R」置換基を含む。これらの実施形態では、官能基を除去して水溶性ブロック(E−F)−(G−H)を生じさせることができる。化学的または物理的方法を使用して水不溶性を付与する官能基を除去し、(E−F)−(G−H)を含む水溶性ブロックを生じさせることができる。官能基を除去するのに適した薬剤には、限定はされないが、水酸化物、酸、フッ化物およびアミンなどの化学的開裂剤(cleavage agent)、エステラーゼなどの酵素開裂剤、および光などの物理的手段(physical agent)が含まれる。
【0036】
一部の実施形態において、EおよびFはともに、水に溶けない原子群を含む。これらの実施形態において、R−R−Rおよび/またはR−R−R10で表される官能基の少なくとも1つ以上は、存在するなら(E−F)−(G−H)を含む疎水性ブロックに水不溶性を付与する1つ以上のR置換基を含む。これらのR置換基を除去して水溶性の要素を生じさせることができる。例えば、R−R−Rで表される官能基が存在し、かつRが水不溶性基を含むなら、Rを除去すると、(E−F)−(G−H)を含むブロックに水溶性を付与し得る、R−Rで表される水溶性官能基が生じる。別の例で、R−R−R10で表される官能基が存在し、かつR10が水不溶性基を含むなら、R10を除去すると、(E−F)−(G−H)を含むブロックに水溶性を付与し得る、R−Rで表される水溶性官能基が生じる。別の例で、両方の官能基R−R−RおよびR−R−R10が存在するなら、Rおよび/またはR10は、水不溶性基を含むことができ、その水不溶性基を除去すると、(E−F)−(G−H)を含むブロックに水溶性を付与し得る、R−RおよびR−Rで表される水溶性官能基が生じる。
【0037】
および/またはR10によって付与される疎水性に加えて、R、R、RおよびRによって別の官能性を提供できる。例えば、一部の実施形態において、Rおよび/またはRは、1つ以上の(F−F)モノマーの重合を可能にする置換基を含むことができる。別の例で、Rおよび/またはRは、RとRおよびRとR10を連結する結合部分を構成することができる。
【0038】
一部の実施形態において、官能基R、R、およびRならびにR、R、およびR10を含む「R」置換基の少なくとも1つは水素でない。
【0039】
一部の実施形態において、(E−F)はともに、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)であり、Rおよび/またはRはカルボニルであり、Rおよび/またはRは酸素および窒素から選択され、かつRおよび/またはR10は、4〜20個の炭素原子を含むアルキル、フェニル、ベンジルまたはトリアルキルシリルから選択される。
【0040】
一部の実施形態において、(E−F)はともに、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)であり、Rおよび/またはRは酸素であり、Rおよび/またはRはカルボニルを含み、かつRおよび/またはR10は、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される。
【0041】
一部の実施形態において、(E−F)はともに、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)であり、Rおよび/またはRは窒素またはアミンから選択され、Rおよび/またはRはカルボニルであり、かつRおよび/またはR10は、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される。
【0042】
一部の実施形態において、(E−F)はともに、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)であり、Rおよび/またはRはサルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつRおよび/またはR10は、4〜20個の炭素原子を含むアルキル、フェニル、ベンジルまたはトリアルキルシリルから選択される。
【0043】
一部の実施形態において、(E−F)はともに、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)であり、Rおよび/またはRはカルボニルであり、Rは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される。
【0044】
一部の実施形態において、(E−F)はともに、−CH−CH−N(R−R)であり、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される。
【0045】
他の実施形態において、(E−F)はともに、−CH−CH−N(R−R)であり、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される。
【0046】
他の実施形態において、(E−F)はともに、−CH−CH−O(R−R)であり、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される。
【0047】
モノマー(E−F)を含むモノマー単位の数(nで表される)は、生じるブロックが、生じる両親媒性ポリマーを逆ミセルに統合するのに十分な疎水性を有するとの条件下で選択できる。一部の実施形態において、疎水性ブロックは、4〜8個の(E−F)モノマー、4〜12個の(E−F)モノマー、4〜16個の(E−F)モノマー、4〜20個の(E−F)モノマー、6〜10個の(E−F)モノマー、6〜14個の(E−F)モノマー、または6〜18個の(E−F)モノマー、または6〜20個の(E−F)モノマーを含む。典型的な疎水性ブロックは、4、5、6、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の(E−F)モノマーを含む。
【0048】
(E−F)モノマーは、(A−B)モノマーについて上で説明したように、直接的に、または連結部分を介して間接的に結合され得る。
【0049】
一部の実施形態において、(G−H)モノマーは、架橋形成剤の存在下で疎水性ブロックに物理的または化学的架橋形成能を付与する反応基を提供する、R11−R12および/またはR13−R14で表される少なくとも1つの官能基を含む。(G−H)は、原子のいずれも架橋形成能を含まない複数の原子単位、または1つ以上の原子が架橋形成能を含む複数の原子単位を含むことができる。
【0050】
架橋形成剤の反応性、特異性、および溶解性は、当技術分野で周知である。適切な架橋形成剤を選択するための指針は、MattsonらのMol Biol Rep.Apr;17巻3号、167〜83頁(1993年)、およびDouble−Agents(商標)Cross−linking Reagents, Selection Guide, Pierce Biotechnology Inc.,(2003年)中に見出すことができる。また、Wong、1993年、Chemistry of Protein Conjugation and Cross−linking、CRC Press、Boca Ratonを参照されたい。
【0051】
官能基R11−R12およびR13−R14は、架橋形成剤と反応性のある1つ以上の置換基を含むことができる。例えば、一部の実施形態において、R11−R12およびR13−R14は、求核性薬剤を使用して架橋され得る求電子性反応基を含むことができる。他の実施形態において、R11−R12およびR13−R14は、求電子性薬剤を使用して架橋され得る求核性反応基を含むことができる。適切な相補性のある求核および求電子基、ならびにそれらから形成されて生じる連結の例を上の表1に示す。
【0052】
一部の実施形態において、R11−R12および/またはR13−R14は、求電子性部分を含む。これらの実施形態において、適切な架橋形成剤には、限定はされないが、ポリアミン(例えば、エチレンジアミン)、ポリヒドロキソール(例えば、エチレングリコール)、およびポリスルフィド(例えばエチレンジスルフィド)などの少なくとも2つの求核性官能基をもつ求核性薬剤が含まれる。
【0053】
一部の実施形態において、R11−R12および/またはR13−R14は、求核性部分を含む。これらの実施形態において、適切な架橋形成剤には、限定はされないが、ポリ酸塩化物(例えば、アジポイルクロリド)などの少なくとも2つの求電子性官能基をもつ求電子性薬剤、複数のマイケル(Michael)受容体(例えば1,2−ビスマレイミドエタン)、ポリヒドロカーボン(例えば二臭化エチレン)、ポリイソシアナート(例えば、トルエンジイソシアナート)、およびポリエステル(例えば、ビス−N−ヒドロキシスクシンイミジルアジペート)をもつ部分を含む求電子性薬剤が含まれる。
【0054】
一部の実施形態において、R11−R12および/またはR13−R14は、多価金属カチオンで架橋され得る潜在的アニオン種を含むことができる。
【0055】
限定はされないが、光、pH、熱によって、または電気化学的に活性化され得る分子を含む適切に活性化できる反応部分のさらなる例が、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる「The Use of Antibody−Surrogate Antigen Systems for Detection of Analytes」と題する2006年3月15日出願の米国特許出願第11/375825号に記載されている。
【0056】
架橋形成能を含む反応基に加え、R11、R12、R13およびR14によって別の官能性を提供できる。例えば、一部の実施形態において、R11および/またはR13は、2つまたはそれ以上の(G−H)モノマーの4つまたはそれ以上の(E−F)モノマーとの共重合を可能にする置換基を含むことができ、R12および/またはR14は、架橋形成剤と共有結合を形成する、または隣接する両親媒性化合物上の反応性のあるR12および/またはR14基に対して物理的架橋性結合(例えば、イオン結合)を形成する、反応性のある官能性置換基または基を含むことができる。別の例で、R11および/またはR13は、共重合を可能にする置換基、および架橋形成剤に反応性を付与する置換基を含むことができる。
【0057】
一部の実施形態において、「R」置換基の少なくとも1つは、官能基R、RおよびRを含み、かつR、RおよびR10は水素でない。
【0058】
一部の実施形態において、(G−H)はともに、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−であり、ここで、R11および/またはR13はカルボニル、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつR12および/またはR14は、アルコキシ、フェノキシ、置換フェノキシ、ハロゲン、N−ヒドロキシスクシンイミジル、ならびにアセテートおよびホスフェートなどの有機および無機の混成無水物から選択される求電子性置換基である。
【0059】
一部の実施形態において、(G−H)はともに、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−であり、ここで、R11および/またはR13はカルボニル、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつR12および/またはR14は、ビニルなどのMichael acceptorを含む求電子性置換基である。
【0060】
一部の実施形態において、(G−H)はともに、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−であり、ここで、R11および/またはR13は酸素またはアミンから選択され、かつR12および/またはR14は、アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニルおよびハロカルボニルから選択される求電子性置換基である。
【0061】
一部の実施形態において、(G−H)はともに、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−であり、ここで、R11および/またはR13は酸素またはアミンから選択され、かつR12および/またはR14は、マレイミド、ビニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ビニルスルホンおよびアルキニルスルホンから選択されるMichael acceptorを含む求電子性置換基である。
【0062】
一部の実施形態において、(G−H)はともに、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−であり、ここで、R11および/またはR13はカルボニルであり、かつR12および/またはR14は、アルコール、ポリオール、アミン、ポリアミン、スルフィドまたはポリスルフィドから選択される求核性置換基である。
【0063】
モノマー(G−H)を含むモノマー単位の数(oで表される)は、生じるブロックが、所望の多孔度をもつ架橋された親水性ナノカプセルを形成するのに十分な架橋形成能を有するとの条件下で選択できる。一部の実施形態において、疎水性ブロックは、2〜6個の(G−H)モノマー、または3〜6個の(G−H)モノマー、または4〜6個の(G−H)モノマーを含む。典型的な疎水性ブロックは、2、3、4、5、または6個の(G−H)モノマーを含む。
【0064】
(G−H)モノマーは、(A−B)モノマーについて前に説明したように、直接的に、または連結部分を介して間接的に結合され得る。
【0065】
4.4.3 リンカー部分
図1で図示したように、(C−D)は、親水性ブロック(A−B)を疎水性ブロック(E−F)−(G−H)に結合するためのリンカー部分を含む。典型的には、(C−D)は、親水性ブロック末端の少なくとも1つの原子と共有結合を形成できる少なくとも1つの原子、および疎水性ブロック末端の少なくとも1つの原子と共有結合を形成できる少なくとも1つの原子を含む。部分の数(oで表される)は、0または1でよい。
【0066】
リンカー部分は、特定の特性を有するように選択できる。例えば、リンカー部分は、個々の応用分野に応じて、ふさわしい疎水性の、ふさわしい親水性の、長いまたは短い、剛性の、半剛性または柔軟な、永続的または不安定なものでよい。リンカー部分は、1つ以上の置換基、例えば、同一または異なってよく、それによって(C−D)の連結化学作用を高めるRおよび/またはRで場合によっては置換されていてもよい。一部の実施形態において、(C−D)と組み合わせた任意選択の置換基は、さらなる分子または物質を両親媒性化合物に複合または連結し得る「多価」の連結部分を形成できる。しかし、ある実施形態において、リンカー部分は、このようなさらなる置換基または連結基を含まない。
【0067】
安定な結合からなる広範な種類のリンカー部分が、当技術分野で周知であり、非限定的な例を挙げれば、アルキルジイル、置換アルキルジイル、アルキレノ(例えば、アルカノ)、置換アルキレノ、ヘテロアルキルジイル、置換ヘテロアルキルジイル、ヘテロアルキレノ、置換ヘテロアルキレノ、アクリルヘテロ原子橋、アリールジイル、置換アリールジイル、アリールアリールジイル、置換アリールアリールジイル、アリールアルキルジイル、置換アリールアルキルジイル、ヘテロアリールジイル、置換ヘテロアリールジイル、ヘテロアリール−ヘテロアリールジイル、置換ヘテロアリール−ヘテロアリールジイル、ヘテロアリールアルキルジイル、置換ヘテロアリールアルキルジイル、ヘテロアリール−ヘテロアルキルジイル、置換ヘテロアリール−ヘテロアルキルジイルなどが含まれる。したがって、リンカー部分は、単結合、二重結合、三重結合、芳香族性炭素−炭素結合、窒素−窒素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、ケイ素−酸素結合、ケイ素−炭素結合、およびこのような結合の組合せを含むことができ、それゆえ、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素、ウレタン、ヒドラジンなどの官能基を含むことができる。一部の実施形態において、リンカー部分は、C、N、O、PおよびSからなる群より選択される1〜20個の非水素原子を有し、エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルボキサミド、スルホンアミド、ヒドラジド、芳香族およびヘテロ芳香族基の任意の組合せから構成される。
【0068】
個々の応用分野に適した特性を有するリンカーを選択することは、当業者の能力の範囲に包含される。例えば、剛性のあるリンカー部分が所望されるなら、リンカー部分は、ポリプロリンなどの剛性ポリペプチド、剛性があり多不飽和のアルキルジイルまたはアリールジイル、ビアリールジイル、アリールアリールジイル、アリールアルキルジイル、ヘテロアリールジイル、ビヘテロアリールジイル、ヘテロアリールアルキルジイル、ヘテロアリール−ヘテロアリールジイルなどを含むことができる。柔軟性のあるリンカー部分が所望されるなら、リンカー部分は、ポリグリシンなどの柔軟性のあるポリペプチド、あるいは柔軟性のある飽和アルカニルジイルまたはヘテロアルカニルジイルを含むことができる。親水性のリンカー部分は、例えば、ポリアルコール、ポリアルキレングリコールなどのポリエーテル、またはポリ第4級アミンなどの高分子電解質を含むことができる。疎水性リンカー部分は、例えば、アルキルジイルまたはアリールジイルを含むことができる。
【0069】
一部の実施形態において、リンカー部分は、ペプチド結合を含む。
【0070】
一部の実施形態において、(C−D)によって形成されるリンカー部分は、不安定なリンカーである。例えば、一部の実施形態において、CおよびDはともに、シリルエーテルである。この実施形態では、フッ化物または酸を添加して、CとDとの間で形成された結合を開裂することができる。
【0071】
一部の実施形態において、CおよびDはともに、エステルである。この実施形態では、酸または塩基を添加して、CとDとの間で形成された結合を開裂することができる。
【0072】
一部の実施形態において、CおよびDはともに、イミンである。この実施形態では、酸または塩基を添加して、CとDとの間で形成された結合を開裂することができる。
【0073】
一部の実施形態において、CおよびDはともに、オレフィンである。この実施形態では、過マンガン酸塩、クロム酸塩またはオゾンを添加して、CとDとの間で形成された結合を開裂することができる。
【0074】
一部の実施形態において、CおよびDはともに、無水物である。この実施形態では、酸または塩基を添加して、CとDとの間で形成された結合を開裂することができる。
【0075】
一部の実施形態において、CおよびDはともに、アセタールである。この実施形態では、酸を添加して、CとDとの間で形成された結合を開裂することができる。
【0076】
4.4.4 架橋された親水性ナノカプセルを製造する方法
両親媒性ポリマーの合成方法は当技術分野で周知である。本明細書に記載の方法および組成物で使用するための両親媒性ポリマーの典型的な合成方法を、実施例1で説明する。
【0077】
1種または複数の水溶性レポーター系または薬剤をカプセル化する架橋された親水性ナノカプセルは、水溶性レポーター系を含む水性小滴の有機性懸濁液中に両親媒性ポリマーを懸濁させることによって形成できる。架橋された親水性ナノカプセルを形成するための典型的な方法を図2〜5に図示する。図2は、疎水性殻および親水性コアを含む逆ミセルを生成するための、水性小滴を取り囲む両親媒性ポリマーの集合を例示する。架橋形成剤の不在下で、(A−B))−(C−D)−(E−F)−(G−H))を含むポリマー性両親媒性化合物は、後記のような有機溶媒に可溶である。
【0078】
図3に例示するように、架橋形成剤を添加すると、架橋された疎水性殻が形成される。架橋形成剤の存在下で、(A−B))−(C−D)−(E−F)−(G−H))を含むポリマー性両親媒性化合物は、R11−R12および/またはR13−R14を介して(A−B))−(C−D)−(E−F)−(G−H))を含む隣接したポリマー性両親媒性化合物に不溶性結合を形成する。
【0079】
図4に図示するように、疎水性ブロックに疎水性を付与している官能基を除去または改変すると、架橋された親水性殻が創り出される。
【0080】
図5に図示するように、一部の実施形態において、コアの親水性ブロックを開裂させて、水溶性レポーター系または薬剤を含む中空スフェアを残すことができる。
【0081】
逆エマルジョン、例えば、油中水型エマルジョンの作製方法は、当技術分野で周知である。油中水型エマルジョンを使用して逆ミセルを形成するのに適した条件を選択するための指針は、BartonおよびCapek、1994年、「Radical Polymerization in Disperse Systems」、186〜210頁、Ellis Horwood中に見出され得る。
【0082】
一部の実施形態において、水性溶液の有機性懸濁液の存在下で、両親媒性ポリマーは、それらのポリマーを適切な濃度で、両親媒性ポリマーを逆ミセルに配向させるのに有効な有機水性溶媒系中に添加することによって自己集合できる。両親媒性ポリマーおよび水相の適切な濃度は、経験的に決めることができる。別法として、加熱、超音波処理、剪断を介してエネルギーを印加するような積極的処理を使用して、両親媒性ポリマーを逆ミセルに配向させるのを助けることができる。
【0083】
本明細書に記載の方法で使用するのに適した有機溶媒には、限定はされないが、オイル(例えば、パラフィンオイル)、塩素化炭化水素(例えば、四塩化炭素、クロロトルエン、ジクロロベンゼン)および芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフランおよびキシレン)が含まれる。
【0084】
適切な水性溶媒には、限定はされないが、水が含まれる。
【0085】
本明細書に記載のナノカプセルおよび逆ミセルは、球、円筒、円盤、針、円錐、小胞、小滴、棒、楕円を含む各種の形状、および両親媒性ポリマーの凝集を介して採用できる任意の他の形状をとることができる。
【0086】
ナノカプセルの大きさは、ミクロンを超えても、またはミクロンに満たなくてもよい。例えば、球状またはほとんど球状のナノカプセルを含む実施形態において、該ナノカプセルは、約2nm〜約1000nm、約5nm〜約200nm、約10nm〜約100nmの平均直径を有することができる。
【0087】
ナノカプセルの架橋された殻の厚さは、約0.5nm〜約50nm、約1nm〜約25nm、および約3nm〜約10nmの範囲でよい。
【0088】
一部の実施形態において、架橋された殻は、中性のまたは帯電した基を含むことができる。例えば、実施例1に記載のように、疎水性ポリマーブロック骨格中のかなりの割合が、重合可能なモノマーであるメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)のトリメチルシリル(TMS)エーテルを含む場合、中性の殻が形成される。別の例で、トリメチルシリルの代わりにメタクリル酸のTMSエステルを使用すると、アニオン性の殻を形成できる。
【0089】
ナノカプセルの多孔度は、いくつかの手段、例えば、疎水性ブロックを構成する(G−H)モノマーの数を変えることによって、本明細書に記載の組成物および方法で利用される架橋を形成する置換基の構造を変えることによって、疎水性ブロックを構成するモノマーの化学組成を変えることによって、逆ミセルの形成中に架橋を形成する置換基を欠く少量の両親媒性化合物を添加することによって、およびこれらの組合せで制御できる。したがって、応用分野に応じて、レポーター複合体をカプセル化するのに使用されるナノカプセルは、透過性、半透過性または不浸透性でよい。
【0090】
一部の実施形態において、レポーター系をカプセル化するのに使用されるナノカプセルを構成する殻の多孔度は、レポーター系を保持し、かつ同時に標的分析物の通過を可能にするように選択される。粒子の膜の多孔度は、直径が0.5nm以下から5.0nmまでである要素の通過を可能にするようなものである。一部の実施形態において、粒子の細孔直径は、5.0nm以下である。一部の実施形態において、粒子の細孔直径は、2.0nm以下である。一部の実施形態において、粒子の細孔直径は、1.5nm以下である。一部の実施形態において、粒子の細孔直径は、1.0nm以下である。一部の実施形態において、粒子の細孔直径は、0.5nm以下である。
【0091】
一部の実施形態において、ある標的部分を、ナノカプセルに結合し、例えば、ナノカプセルを特定の細胞または細胞集団に向けるのに使用できる。本明細書中で使用する場合、「標的部分」には、細胞、組織または器官中の特定タイプの膜および/または細胞小器官に結合する、あるいはそれらを通して輸送できる能力のある任意の化学作用部分が含まれる。組成物を特定の細胞に向ける種々の薬剤が、当技術分野で周知である(例えば、Cottenら、Methods Enzym、217巻、618頁、1993年)、および米国特許第6692911号および6835393号を参照されたい)。標的部分の適切な非制限的例には、タンパク質(インスリン、EGFまたはトランスフェリンなど)、レクチン、抗体およびフラグメント、炭水化物、脂質、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、または小型の分子および薬剤が含まれる。有用な標的部分のさらなる例には、いかなる意味でも限定はされないが、Pro−Ject(Pierce Biotechnology)などのトランスフェクション剤、トランスポータン(transportan)などのウイルス性ペプチドフラグメント、ストレプトリシン−Oなどの細孔形成毒素、疎水性エステル、ポリリシンなどのポリカチオン、アシア糖タンパク質、およびジフテリア毒素が含まれる。
【0092】
4.5 カプセル化されたレポーター系の使用方法
本明細書では、試料中の標的分析物の存在または不在を検知するためのアッセイ法も提供される。試験予定の試料は、使用者によって選択される任意の適切な試料でよい。試料は、天然に存在するまたは人工のものでよい。例えば、試料は、血液試料、組織試料、細胞試料、口内試料、皮膚試料、尿試料、水試料、または土壌試料でよい。試料は、真核生物、原核生物、哺乳動物、ヒト、酵母、または細菌などの生存組織に由来することができる。試料は、細胞、組織または器官でよい。試料は、代用分析物−タンパク質複合体または本教示の標識されたタンパク質との接触に先立って、当技術分野で周知の任意の方法によって処理できる。例えば、試料を、溶解の工程、沈殿の工程、カラムクロマトグラフィーの工程、加熱の工程などにかけることができる。
【0093】
アッセイ法は、その開示が参照によりその全体で本明細書に組み込まれる2005年3月15日出願の「The Use of Antibody−Surrogate Antigen Systems for Detection of Analytes」と題する米国特許出願第60/622412号および2006年3月15日出願の米国実用新案出願第11/375825号に記載されているように、試料を代用分析物−タンパク質複合体または標識されたタンパク質を含む「レポーター系」と接触させることを含む。
【0094】
図6は、1種または複数の代用分析物−タンパク質複合体を含む典型的なレポーター系を例示し、各複合体は、標識されたタンパク質(「レポーターで標識された抗体」)および代用分析物(「消光剤で標識された抗原」)を含み、結合された標的部分でよい非浸透性の架橋された親水性ナノカプセル中にカプセル化されている。レポーター系を含むナノカプセルを注目の細胞中に導入するのに役立つ適切な標的部分は、前に説明している。図6に例示するように、代用分析物の標識された抗体への結合は、「レポーター」からのシグナルを消光する。図6で図示した「レポーター」は、本明細書に記載の任意の標識部分を含むことができる。1つ以上の標的分析物のカプセル中への移動は、1つ以上の代用分析物を置換することができ、蛍光の測定可能な増加を生み出し、標的分析物の存在を示す。
【0095】
一部の実施形態において、標識部分は、蛍光部分を含む。蛍光部分は、本明細書に記載の方法および原理により使用され得る、蛍光シグナルを提供するなんらかの実体を含むことができる。典型的には、標識化分子の蛍光部分は、第1波長で光を吸収しかつ第2波長で吸収事象に応答して蛍光を放射する共鳴非局在系または芳香環系を含む蛍光染料を含む。広範な種類のこのような蛍光染料分子は、当技術分野で周知である。例えば、蛍光染料は、キサンテン類、ローダミン類、フルオレセイン類、シアニン類、フタロシアニン類、スクアライン(squaraine)類、ボディピイ(bodipy)染料、クマリン類、オキサジン類、およびカルボピロニン類など、任意の各種部類の蛍光性化合物から選択できる。
【0096】
一部の実施形態において、蛍光部分は、キサンテン染料を含む。一般に、キサンテン染料は、3つの主な特色、すなわち、(1)キサンテン母環、(2)環外ヒドロキシルまたはアミン置換基、および(3)環外オキソまたはイミニウム置換基によって特徴付けられる。環外置換基は、典型的には、キサンテン母環のC3およびC6炭素に配置されるが、キサンテン母環が、C5/C6およびC3/C4炭素のどちらかまたは両方に縮合したベンゾ基を含む「拡張型」キサンテンも周知である。これらの拡張型キサンテンにおいて、特徴的な環外置換基は、拡張型キサンテン環の対応する位置に配置される。したがって、本明細書中で使用する場合、「キサンテン染料」は、一般に、次の親環の1つを含む。
【0097】
【化4】

上に図示した親環において、AはOHまたはNHであり、AはOまたはNHである。AがOHであり、かつAがOであるなら、親環は、フルオレセイン型キサンテン環である。AがNHであり、かつAがNHであるなら、親環は、ローダミン型キサンテン環である。AがNHであり、かつAがOであるなら、親環は、ロードル(rhodol)型キサンテン環である。
【0098】
およびAの窒素の一方または両方(存在するなら)、ならびに/あるいはC1、C2、C2”、C4、C4”、C5、C5”、C7”、C7およびC8位の炭素原子の1つ以上は、広範な種類の同一または異なる置換基で独立に置換されていてもよい。一実施形態において、典型的な置換基は、限定はされないが、−X、−R、−OR、−SR、−NR、ペルハロ(C〜C)アルキル、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NCO、−NCS、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)、−C(O)R、−C(O)X、−C(S)R、−C(S)X、−C(O)OR、−C(O)O、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NR、−C(S)NRおよび−C(NR)NRを含み、ここで、各Xは、独立にハロゲン(好ましくは−Fまたは−Cl)であり、各Rは、独立に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカニル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C20)アリール、(C〜C26)アリールアルキル、(C〜C20)アリールアリール、5〜20員のヘテロアリール、6〜26員のヘテロアリールアルキル、5〜20員のヘテロアリール−ヘテロアリール、カルボキシル、アセチル、スルホニル、スルフィニル、スルホン、ホスフェート、またはホスホナートである。一般に、親環の蛍光を完全に消光する傾向のない置換基が好ましいが、一部の実施形態において、消光性置換基が望ましい可能性がある。キサンテン親環の蛍光を消光する傾向のある置換基は、−NO、−Brおよび−Iなどの重い原子、ならびに/あるいはNOなどの別の官能部分を含む。
【0099】
C1およびC2の置換基ならびに/あるいはC7およびC8の置換基は、一緒になって、置換または非置換のブタ[1,3]ジエノまたは(C〜C20)アリーレノ橋を形成できる。例示の目的で、C1/C2およびC7/C8炭素に縮合した非置換ベンゾ橋を含む典型的なキサンテン親環を以下に示す。
【0100】
【化5】

ベンゾまたはアリーレノ橋は、1つ以上の位置で、前記構造(Ia)〜(Ic)の炭素C1〜C8について前記した置換基などの種々の異なる置換基で置換されていてもよい。複数の置換基を含む実施形態において、該置換基は、すべて同一でもよいし、あるいは該置換基のいくつかまたはすべてが互いに異なっていてもよい。
【0101】
がNHであり、かつ/またはAがNHであるなら、その窒素原子は、隣接炭素原子(群)を含む1つまたは2つの橋中に含まれていてもよい。橋を形成する基は、同一または異なってよく、(C〜C12)アルキルジイル、(C〜C12)アルキレノ、2〜12員のヘテロアルキルジイルおよび/または2〜12員のヘテロアルキレノ橋から典型的には選択される。環外窒素を含む橋を含む非制限的で典型的な親環を以下に例示する。
【0102】
【化6】

親環は、C9位に置換基を含むこともできる。一部の実施形態において、C9位の置換基は、アセチレン、低級(例えば、1〜6個の炭素原子)アルカニル、低級アルケニル、シアノ、アリール、フェニル、ヘテロアリール、および前記基のいずれかの置換された形態から選択される。親環が、例えば、前に例示した環(Id)、(Ie)および(If)のように、C1/C2およびC7/C8位に縮合したベンゾまたはアリーレノ橋を含む実施形態において、C9炭素は、好ましくは非置換である。
【0103】
一部の実施形態において、C9置換基は、置換または非置換のフェニル環であり、キサンテン染料は以下の構造の1つを含む。
【0104】
【化7】

3,4、5、6および7位の炭素は、炭素C1〜C8について前に説明した置換基群のような種々の異なる置換基群で置換されていてもよい。一部の実施形態において、C3位の炭素は、カルボキシル(−COOH)または硫酸(−SOH)基、またはこれらのアニオンで置換される。式中のAがOHでありかつAがOである式(IIa)、(IIb)および(IIc)の染料は、本明細書中でフルオレセイン染料と呼ばれ;式中のAがNHでありかつAがNHである式(IIa)、(IIb)および(IIc)の染料は、本明細書中でローダミン染料と呼ばれ;式中のAがOHでありかつAがNHである(または式中のAがNHでありかつAがOHである)式(IIa)、(IIb)および(IIc)の染料は、本明細書中でロードル染料と呼ばれる。
【0105】
上記構造により強調されるように、キサンテン環(または拡張型キサンテン環)が、フルオレセイン、ローダミンおよびロードル染料中に含まれると、それらの炭素原子には、異なる番号が付けられる。具体的には、それらの炭素原子の番号付けには、ダッシュ記号が含まれる。フルオレセイン、ローダミンおよびロードル染料に関する上記の番号付けは、便宜のために提供されるが、その他の番号付けシステムを採用することもでき、かつそれらのシステムに限定されることを意図しないことを理解されたい。また、染料の1つの異性形態を例示するが、それらの染料は他の異性形態、非制限的な例を挙げれば、他の互変異性形態または幾何異性形態で存在できることを理解されたい。具体例として、カルボキシローダミンおよびフルオレセイン染料は、ラクトンの形態で存在できる。
【0106】
一部の実施形態において、蛍光部分は、ローダミン染料を含む。適切な典型的ローダミン染料には、限定はされないが、ローダミンB、5−カルボキシローダミン、ローダミンX(ROX)、4,7−ジクロロローダミンX(dROX)、ローダミン6G(R6G)、4,7−ジクロロローダミン6G、ローダミン110(R110)、4,7−ジクロロローダミン110(dR110)、テトラメチルローダミン(TAMRA)および4,7−ジクロロ−テトラメチルローダミン(dTAMRA)が含まれる。適切なさらなるローダミン染料には、例えば、米国特許第6248884号、6111116号、6080852号、6051719号、6025505号、6017712号、5936087号、5847162号、5840999号、5750409号、5366860号、5231191号および5227487号;国際公開第97/36960号および99/27020号;Leeら、Nucl.Acids Res.、20巻、2471〜2483頁(1992年)、Arden−Jacob、「Neue Lanwellige Xanthen−Farbstoffe Fur Fluoreszenzsonden und Farbstoff Laser」、Verlag Shaker、Germany(1993年);Sauerら、J.Fluorescence、5巻、247〜261頁(1995年);Leeら、Nucl.Acids Res.、25巻、2816〜2822頁(1997年)およびRosenblumら、Nucl.Acids Res.、25巻、4500〜4504頁(1997年)中に記載のローダミン染料が含まれる。ローダミン染料の特に好ましいサブセットは4,7−ジクロロローダミン類である。一実施形態において、蛍光部分は、4,7−ジクロロ−オルトカルボキシローダミン染料を含む。
【0107】
一部の実施形態において、蛍光部分は、フルオレセイン染料を含む。適切な典型的フルオレセインには、限定はされないが、米国特許第6008379号、5840999号、5750409号、5654442号、5188934号、5066580号、4933471号、4481136号および4439356号;国際公開99/16832号;および欧州特許出願公開第050684号に記載のフルオレセイン染料が含まれる。フルオレセイン染料の好ましいサブセットは4,7−ジクロロフルオレセイン類である。他の好ましいフルオレセイン染料には、限定はされないが、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)および6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)が含まれる。一実施形態において、フルオレセイン部分は、4,7−ジクロロ−オルトカルボキシフルオレセイン染料を含む。
【0108】
一部の実施形態において、蛍光部分は、以下の参考文献、すなわち、米国特許第6080868号、6005113号、5945526号、5863753号、5863727号、5800996号および5436134号;および国際公開第96/04405号、ならびにそれらの中で引用されている参考文献中に記載されているような、シアニン、フタロシアニン、スクアライン(squaraine)、またはボディピイ(bidipy)染料を含むことができる。
【0109】
一部の実施形態において、蛍光部分は、例えば、FRETまたは別の機構などによって互いに協力的に機能して大きなストークスシフトを提供する、染料のネットワークを含むことができる。このような染料ネットワークは、典型的には、蛍光供与体部分および蛍光受容体部分を含み、蛍光の受容体および供与体の両方として作用するさらなる部分を含むことができる。蛍光の供与体および受容体部分は、染料が互いに協力的に作用できるように選択されるとの条件下で、前記染料のいずれかを含むことができる。具体的な実施形態において、蛍光部分は、フルオレセイン染料を含む蛍光供与体部分、およびフルオレセインまたはローダミン染料を含む蛍光受容体部分を含む。適切な染料対またはネットワークの非制限的例が、米国特許第6399392号、6232075号、5863727号および5800996号中に記載されている。
【0110】
一部の実施形態において、標識部分は、消光部分を含む。消光部分は、例えば、軌道の重なり(基底状態暗複合体の形成)、衝突消光、FRET、または別の機構もしくは機構の組合せなどによって、密に近接した状態の場合に、蛍光部分の蛍光を消光し得る任意の部分でよい。消光部分は、それ自体蛍光性でも、あるいは非蛍光性でもよい。一部の実施形態において、消光部分は、それに密に近接した状態の場合に蛍光部分の蛍光を消光するように、蛍光部分の発光スペクトルに十分重なりあう吸収スペクトルを有する蛍光染料を含む。
【0111】
アッセイ法は、典型的には、レポーター系を、注目の1種または複数の標的分析物を含む試料と接触させることを含む。2種またはそれ以上の標的分析物を採用する実施形態では、レポーター系を含む各標識されたタンパク質は、同一でもよいし、あるいは標識されたタンパク質のいくつかまたはすべてが異なってもよい。
【0112】
本明細書中で教示されるアッセイ法は、2003年Sigma−Aldrich社カタログの「Biological Buffers」の部に記載されているような緩衝液の使用を含む。典型的な緩衝液には、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、PBS、MES、MOPS、HEPES、Tris(Trizma)、ビシン、TAPS、CAPSなどが含まれる。緩衝液は、所望のpHおよび/またはイオン強度を発生または維持するのに十分な量で存在する。結合緩衝液のpHは、結合活性のpH依存性により選択できる。例えば、pHは、2〜12、4〜11、または6〜10でよい。緩衝液は、また、結合に要求される任意の必要な補助因子または薬剤を含むことができる。このような補助因子および/または薬剤の正体および濃度は、個々のアッセイ系により決まり、当業者にとって明らかである。レポーター系中に存在する標識されたタンパク質の濃度は、実質的に異なることができる。例えば、アッセイ緩衝液は、約10−10〜10−3の標識されたタンパク質を含むことができる。一部の実施形態において、アッセイ緩衝液は約1pM〜1μMの標識されたタンパク質を含む。複数の異なるタイプの標識されたタンパク質を使用する場合、それぞれが、アッセイ緩衝液中に上記の濃度範囲で含まれ得る。
【0113】
アッセイは、典型的には、界面活性剤またはその他の成分の存在を必要としない。一般に、反応生成物の蛍光特性に悪影響を与える可能性のある、または標的分析物の検出を妨害する可能性のある、反応混合物中での成分の高濃度を回避することが望ましい。
【0114】
蛍光シグナルは、通常の方法および装置を使用して観測できる。例えば、本教示の代用分析物−タンパク質複合体を連続観測状態、リアルタイムで使用して、ある分析物が試料中に存在するかどうかを、そして場合によっては該分析物の量または活性を使用者が迅速に判定することを可能にする。一部の実施形態において、蛍光シグナルは、少なくとも2つの異なる時点から測定できる。一部の実施形態において、シグナルは、連続的にまたはいくつかの選択された時点で観察できる。別法として、蛍光シグナルは、シグナルをある一定量の時間後に測定する終点実施形態で測定することができ、該シグナルを対照シグナル(分析物を含まない)、閾値シグナル、または標準曲線と対比する。
【0115】
発生した蛍光シグナルの量は、決定的に重要ではなく、広い範囲にわたって変わることができる。唯一の要件は、使用している検出システムによって蛍光を測定できることである。一部の実施形態では、代用分析物−タンパク質複合体の解離により、バックグラウンドシグナルに比べて少なくとも2倍大きい蛍光シグナルを発生させることができる。一部の実施形態では、代用分析物−タンパク質複合体の解離により、バックグラウンドシグナルに比べて少なくとも3倍大きい蛍光シグナルを発生させることができる。一部の実施形態では、代用分析物−タンパク質複合体の解離により、バックグラウンドシグナルに比べて少なくとも4倍大きい蛍光シグナルを発生させることができる。一部の実施形態では、代用分析物−タンパク質複合体の解離により、バックグラウンドシグナルに比べて少なくとも5倍大きい蛍光シグナルを発生させることができる。一部の実施形態では、代用分析物−タンパク質複合体の解離により、バックグラウンドシグナルに比べて2倍〜10倍大きい蛍光シグナルを発生させることができる。
【0116】
一部の実施形態では、架橋された親水性ナノカプセルを使用して水溶性薬剤をカプセル化することができる。本明細書に記載のナノカプセル中にカプセル化できる薬剤の例には、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0159738号に記載の治療用薬剤および診断用薬剤が含まれる。
【実施例】
【0117】
本教示の態様は、以下の実施例に照らしてさらに理解されるであろうが、該実施例は、本教示の範囲を限定するものとはいかなる意味でも解釈すべきでない。
【0118】
5.1 典型的な架橋された親水性ナノカプセルの調製
図7Aを参照し、本明細書に記載の方法および組成物で有用なポリマー性両親媒性化合物は、開裂可能なリンカー部分を介して互いに連結され得る親水性および疎水性ポリマーブロックから合成できる。図7Aに例示する典型的な実施形態において、疎水性および親水性セグメントのそれぞれの末端は、ジイソプロピルジクロロシランなどのジアルキルシリル基と連結され、続いて、例えばフッ化物イオンを使用して開裂され得るヒドロキシル官能基を含む。
【0119】
図7Aに示すように、疎水性ポリマーブロック骨格のかなりの割合が、TMS−HEMAポリマーに疎水性を付与する重合性モノマー、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)のトリメチルシリル(TMS)エーテルを含むことができる。
【0120】
疎水性ポリマーブロック中には、ポリマーを互いに架橋するのに使用できる官能基を含む2つまたはそれ以上のモノマーが含まれる。重合中に、架橋形成剤としてメタクリル酸フェニルを添加することができる。添加されるメタクリル酸フェニルの量は、疎水性ブロック当たり少なくとも2つのメタクリル酸フェニル部分を生じるように調節される。生じるフェニルエステルは、ジアミン、トリアミンなどのアミンと反応性があり、アミンは、添加されると、架橋形成性官能基を含むモノマーを互いに架橋して逆ミセルの殻を形成する。
【0121】
疎水性ブロックに疎水性を付与している官能基を、化学的または物理的変換法を使用して、除去または改変し、疎水性ブロックに親水性または水溶性を付与することができる。例えば、図7Aに図示した疎水性ブロックをフッ化物イオンで処理してTMS保護基を除去し、図7Bに図示したような架橋された親水性殻を含むナノカプセルを生じさせることができる。
【0122】
図7Cに図示したように、水溶性レポーター系を含む水性小滴の有機性懸濁液中に両親媒性ポリマーを懸濁させることによって、1種または複数の水溶性レポーター系または薬剤をカプセル化している架橋された親水性ナノカプセルを形成することができる。両親媒性ポリマーは、水性小滴を取り囲んで会合し、疎水性殻および水溶性レポーター系(群)を含む親水性コアを含むポリマー性逆ミセルを生成する。架橋形成剤を添加すると、架橋された疎水性殻が形成される。疎水性ブロックに疎水性を付与している官能基を除去または改変すると、架橋された親水性殻が創り出される。
【0123】
一部の実施形態では、コアの親水性ブロックを開裂させて、水溶性レポーター系または薬剤を含む中空スフェアを残すことができる。
【0124】
本出願中で引用されるすべての刊行物、特許、特許出願およびその他の文献は、あたかも、それぞれ個々の刊行物、特許、特許出願またはその他の文献が、個別的にすべての目的のために参照により組み込まれていることが示されると同様の程度まで、すべての目的のためにそれらの全体で参照により本明細書に組み込まれる。
【0125】
種々の具体的な実施形態を例示および説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更をなし得ることを認識されたい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1は、疎水性置換基の親水性置換基への変換、または親水性置換基の疎水性置換基への変換を可能にする官能基を含むポリマー性両親媒性化合物を図示する。
【図2】図2は、逆エマルジョン条件でのポリマー性両親媒性化合物の会合を図示する。
【図3】図3は、逆エマルジョン条件を利用するポリマー性両親媒性化合物の架橋形成を図示する。
【図4】図4は、架橋された逆ミセルの親水性ナノカプセルへの変換を図示する。
【図5】図5は、2種の第2ポリマーブロック部分(A−B)および[(E−F)−(G−H)]を含む架橋された親水性ナノカプセルの、1つのポリマーブロック部分[(E−F)]−(G−H)]を含む架橋された親水性ナノカプセルヘの変換を図示する。
【図6】図6は、典型的なレポーター系を図示する。
【図7A】図7Aは、架橋された親水性ナノカプセルの典型的な合成方法を図示する。
【図7B】図7Bは、架橋された親水性ナノカプセルの典型的な合成方法を図示する。
【図7C】図7Cは、架橋された親水性ナノカプセルの典型的な合成方法を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の両親媒性ポリマーを含む逆ミセルであって、各ポリマーが、他から独立して、構造
【化1】

[式中、
(A−B)は、第1ポリマーブロック部分を構成するモノマー単位を表し、
[−(E−F)−(G−H)−]は、それぞれ他から独立して、第2ポリマーブロック部分を構成するモノマー単位を表し、
(C−D)は、リンカー部分を表し、
、R、R、Rは、任意選択の置換基を表し、
−R−Rは第1官能基を表し、R−R−R10は第2官能基を表し、R11−R12は第3官能基を表し、R13−R14は第4官能基を表し、
lおよびnは4〜20の整数を表し、mは0〜1の整数を表し、oは2〜6の整数を表す]を含む、逆ミセル。
【請求項2】
(A−B)が、前記第1ブロックに水溶性を付与し得る水溶性モノマー単位を含む、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項3】
(A−B)が、−O−CH−CH、−NH−CH−CHおよび−S(O)−CHCHからなる群より選択されるモノマー単位を含む、請求項2に記載の逆ミセル。
【請求項4】
(A−B)が、1つ以上の任意選択の置換基Rおよび/またはRを含むモノマー単位を含み、(A−B)が、水不溶性モノマー単位を含み、かつRおよび/またはRが、前記第1ブロックに水溶性を付与し得る置換基を含む、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項5】
(A−B)が、モノマー単位−CH−CH−を含み、かつRおよび/またはRが、−C(O)NH、−C(O)OH、−C(O)Oおよび−SOからなる群より選択される、請求項4に記載の逆ミセル。
【請求項6】
(E−F)が、R−R−Rを含む第1官能基および/またはR−R−R10を含む第2官能基を少なくとも含む水溶性モノマー単位を含み、少なくとも該第1官能基および/または該第2官能基が、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る1つ以上の置換基を含む、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項7】
少なくとも前記第1官能基または前記第2官能基が、(E−F)および該第1官能基または該第2官能基のいずれかを含む水溶性モノマー単位を生じるように開裂される、請求項6に記載の逆ミセル。
【請求項8】
前記第1官能基および第2官能基の両方が、(E−F)を含む水溶性モノマー単位を生じるように開裂される、請求項6に記載の逆ミセル。
【請求項9】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、水酸化物、酸、フッ化物およびアミンからなる群より選択される開裂剤を使用して開裂される、請求項7または8に記載の逆ミセル。
【請求項10】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、酵素開裂剤を使用して開裂される、請求項7または8に記載の逆ミセル。
【請求項11】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、光を使用して開裂される、請求項7または8に記載の逆ミセル。
【請求項12】
(E−F)が、R−R−Rを含む第1官能基および/またはR−R−R10を含む第2官能基を少なくとも含む水不溶性モノマー単位を含み、ここで、該第1官能基および/または該第2官能基の少なくとも1つが、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る1つ以上の置換基を含む、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項13】
および/またはR10が、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る置換基を含む、請求項12に記載の逆ミセル。
【請求項14】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、R−Rおよび/またはR−Rを含む少なくとも1つの水溶性官能基を含む水不溶性モノマー単位(E−F)を生じるように開裂される、請求項14に記載の逆ミセル。
【請求項15】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、水酸化物、酸、フッ化物およびアミンからなる群より選択される開裂剤を使用して開裂される、請求項13または14に記載の逆ミセル。
【請求項16】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、酵素開裂剤を使用して開裂される、請求項13または14に記載の逆ミセル。
【請求項17】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、光を使用して開裂される、請求項13または14に記載の逆ミセル。
【請求項18】
前記R置換基および/または前記R置換基が、前記(E−F)モノマー単位の重合を促進し得る、請求項1から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項19】
前記R置換基が、R−R−Rを含む前記第1官能基を形成するために、前記R置換基を前記R置換基に連結し得る連結部分である、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項20】
前記R置換基が、R−R−R10を含む前記第2官能基を形成するために、前記R置換基を前記R10置換基に連結し得る連結部分である、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項21】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項22】
、R、R、R、Rおよび/またはR10の少なくとも1つが水素ではない、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項23】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRはカルボニルであり、Rおよび/またはRは酸素および窒素から選択され、かつRおよび/またはR10は、4〜20個の炭素原子を含むアルキル、フェニル、ベンジルまたはトリアルキルシリルから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項24】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは酸素であり、Rおよび/またはRはカルボニルを含み、かつRおよび/またはR10は、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項25】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは窒素またはアミンから選択され、Rおよび/またはRはカルボニルであり、かつRおよび/またはR10は、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項26】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R)−CH(R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつRおよび/またはR10は、4〜20個の炭素原子を含むアルキル、フェニル、ベンジルまたはトリアルキルシリルから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項27】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH−CH−N(R−R)−を含み、ここで、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項28】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH−CH−N(R−R)−を含み、ここで、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項29】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH−CH−O(R−R)−を含み、ここで、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項6から17のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項30】
(G−H)が、R11−R12を含む第3官能基および/またはR13−R14を含む第2官能基を少なくとも含むモノマー単位を含み、ここで、前記第1官能基および/または該第2官能基の少なくとも1つが、架橋形成剤と反応し得る1つ以上の置換基を含む、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項31】
前記置換基の1つ以上が、求核性架橋形成剤と反応し得る求電子基を含む、請求項30に記載の逆ミセル。
【請求項32】
前記置換基の1つ以上が、求電子性架橋形成剤と反応し得る求核基を含む、請求項30に記載の逆ミセル。
【請求項33】
前記置換基の1つ以上が、多価金属カチオンと反応し得る潜在的アニオン基を含む、請求項30に記載の逆ミセル。
【請求項34】
前記R11置換基および/または前記R13置換基が、前記(G−H)モノマー単位の(E−F)モノマー単位との共重合を促進し得る、請求項30に記載の逆ミセル。
【請求項35】
前記R11置換基および/または前記R13置換基が、前記(G−H)モノマー単位の前記(E−F)モノマー単位との共重合を促進し、かつ架橋形成剤と反応し得る、請求項34に記載の逆ミセル。
【請求項36】
前記R12置換基および/または前記R14置換基が、架橋形成剤と反応し得る、請求項30に記載の逆ミセル。
【請求項37】
11、R12、R13および/またはR14の少なくとも1つが水素ではない、請求項30から36のいずれか一項に記載の逆ミセル。
【請求項38】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は、カルボニル、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつR12および/またはR14は、アルコキシ、フェノキシ、置換フェノキシ、ハロゲン、およびN−ヒドロキシスクシンイミジル、ならびにアセテートまたはホスフェートなどの有機または無機の混成無水物から選択される求電子性置換基である、請求項31に記載の逆ミセル。
【請求項39】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は、カルボニル、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつR12および/またはR14は、ビニルなどのMichael acceptorを含む求電子性置換基である、請求項31に記載の逆ミセル。
【請求項40】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は、酸素またはアミンから選択され、かつR12および/またはR14は、アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニルおよびハロカルボニルから選択される求電子性置換基である、請求項31に記載の逆ミセル。
【請求項41】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は、酸素またはアミンから選択され、かつR12および/またはR14は、マレイミド、ビニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ビニルスルホンおよびアルキニルスルホンから選択されるMichael acceptorを含む求電子性置換基である、請求項31に記載の逆ミセル。
【請求項42】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13はカルボニルであり、かつR12および/またはR14は、アルコール、ポリオール、アミン、ポリアミン、スルフィドまたはポリスルフィドから選択される求核性置換基である、請求項32に記載の逆ミセル。
【請求項43】
前記リンカー部分(C−D)が、任意選択の置換基Rおよび/またはRをさらに含む、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項44】
(C−D)が、化学薬剤によって開裂され得るリンカー部分を表し、ここで、該開裂が前記第1ポリマーブロック部分の除去をもたらす、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項45】
(C−D)が、物理的手段によって開裂され得るリンカー部分を表し、該開裂が前記第1ポリマーブロック部分の除去をもたらす、請求項1に記載の逆ミセル。
【請求項46】
水溶性レポーター系および複数の親水性ポリマーを含む架橋された親水性ナノカプセルであって、該ナノカプセルが、該レポーター系の該ナノカプセルからの拡散に対して不浸透性であるナノカプセル。
【請求項47】
各ポリマーが、他から独立して、構造
【化2】

[式中、
−(E−F)−(G−H)−は、それぞれ他から独立して、ポリマーブロック部分を構成するモノマー単位を表し、
−Rは第1水溶性官能基を表し、R−Rは第2水溶性官能基を表し、R11−R12は第3官能基を表し、R13−R14は第4官能基を表し、かつ
nは、4〜20の整数を表し、oは2〜6の整数を表す]
を含む、請求項46に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項48】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R)−CH(R−R)−を含み、ここで、Rおよび/またはRはカルボニルであり、かつRおよび/またはRは酸素および窒素から選択される、請求項47に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項49】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R)−CH(R−R)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは酸素であり、かつRおよび/またはRはカルボニルを含む、請求項47に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項50】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R)−CH(R−R)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは窒素またはアミンから選択され、かつRおよび/またはRはカルボニルである、請求項47に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項51】
前記親水性ポリマーの1つ以上が、R11−R12を含む官能基および/またはR13−R14を含む官能基を介して互いに架橋され、ここで、該官能基は、隣接した親水性ポリマー上に配置されている、請求項47に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項52】
各ポリマーが、他から独立して、構造
−(E−F)−(G−H)
[式中、−(E−F)−(G−H)−は、それぞれ他から独立して、親水性ポリマーブロック部分を構成するモノマー単位を表し、nは4〜20の整数を表し、oは2〜6の整数を表す]を含む、請求項46に記載の架橋されたナノカプセル。
【請求項53】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−(CH−CH)−を含む、請求項52に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項54】
前記親水性ポリマーの1つ以上が、隣接した親水性ポリマー上に配置された(G−H)モノマー単位を介して互いに架橋される、請求項52に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項55】
前記レポーター系が、代用分析物−タンパク質複合体を含み、該複合体が、該複合体の分解時にバックグラウンドシグナルと比べて少なくとも3倍大きい検出可能な蛍光シグナルを発生させ得るレポーター系を含み、ここで、該検出可能な蛍光シグナルの存在が、試料中に標的分析物が存在することを示す、請求項46から54のいずれか一項に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項56】
前記代用分析物−タンパク質複合体が、代用抗原および抗体を含む代用抗原−抗体複合体である、請求項55に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項57】
前記代用抗原が消光部分を含み、かつ前記抗体が蛍光部分を含む、請求項55に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項58】
前記代用抗原が蛍光部分を含み、かつ前記抗体が消光部分を含む、請求項55に記載の架橋された親水性ナノカプセル。
【請求項59】
構造
【化3】

[式中、
(A−B)は、第1ポリマーブロック部分を構成するモノマー単位を表し、
[−(E−F)−(G−H)−]は、それぞれ他から独立して、第2ポリマーブロック部分を構成するモノマー単位を表し、
(C−D)は、リンカー部分を表し、
、R、R、Rは、任意選択の置換基を表し、
−R−Rは第1官能基を表し、R−R−R10は第2官能基を表し、R11−R12は第3官能基を表し、R13−R14は第4官能基を表し、
lおよびnは、4〜20の整数を表し、mは0〜1の整数を表し、oは2〜6の整数を表す]
を含む両親媒性ポリマー。
【請求項60】
(A−B)が、前記第1ブロックに水溶性を付与し得る水溶性モノマー単位を含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項61】
(A−B)が、−O−CH−CH、−NH−CH−CH、および−S(O)−CHCHからなる群より選択されるモノマー単位を含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項62】
(A−B)が、1つ以上の任意選択の前記置換基Rおよび/またはRを含むモノマー単位を含み、ここで、(A−B)は、水不溶性モノマー単位を含み、かつRおよび/またはRは、前記第1ブロックに水溶性を付与し得る置換基を含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項63】
(A−B)が、モノマー単位−CH−CH−を含み、かつRおよび/またはRが、−C(O)NH、−C(O)OH、−C(O)Oおよび−SOからなる群より選択される、請求項62に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項64】
(E−F)が、R−R−Rを含む第1官能基および/またはR−R−R10を含む第2官能基を少なくとも含む水溶性モノマー単位を含み、ここで、少なくとも該第1官能基および/または該第2官能基が、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る1つ以上の置換基を含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項65】
少なくとも前記第1官能基または前記第2官能基が、(E−F)および該第1官能基または該第2官能基のどちらかを含む水溶性モノマー単位を生じるように開裂される、請求項64に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項66】
前記第1官能基および前記第2官能基の両方が、(E−F)を含む水溶性モノマー単位を生じるように開裂される、請求項64に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項67】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、水酸化物、酸、フッ化物およびアミンからなる群より選択される開裂剤を使用して開裂される、請求項65または66に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項68】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、酵素開裂剤を使用して開裂される、請求項65または66に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項69】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、光を使用して開裂される、請求項65または64に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項70】
(E−F)が、R−R−Rを含む第1官能基および/またはR−R−R10を含む第2官能基を少なくとも含む水不溶性モノマー単位を含み、ここで、該第1官能基および/または該第2官能基の少なくとも1つが、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る1つ以上の置換基を含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項71】
および/またはR10が、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る置換基を含む、請求項70に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項72】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、R−Rおよび/またはR−Rを含む少なくとも1つの水溶性官能基を含む水不溶性モノマー単位(E−F)を生じるように開裂される、請求項71に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項73】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、水酸化物、酸、フッ化物およびアミンからなる群より選択される開裂剤を使用して開裂される、請求項71または72に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項74】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、酵素開裂剤を使用して開裂される、請求項71または72に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項75】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、光を使用して開裂される、請求項71または72に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項76】
前記R置換基および/または前記R置換基が、前記(E−F)モノマー単位の重合を促進し得る、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項77】
前記R置換基が、前記R置換基を前記R置換基に連結してR−R−Rを含む前記第1官能基を形成し得る連結部分である、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項78】
前記R置換基が、前記R置換基を前記R10置換基に連結してR−R−R10を含む前記第2官能基を形成し得る連結部分である、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項79】
前記R置換基および/または前記R10置換基が、前記第2ブロックに水不溶性を付与し得る、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項80】
、R、R、R、Rおよび/またはR10の少なくとも1つが、水素ではない、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項81】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRはカルボニルであり、Rおよび/またはRは酸素および窒素から選択され、かつRおよび/またはR10は、4〜20個の炭素原子を含むアルキル、フェニル、ベンジルまたはトリアルキルシリルから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項82】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは酸素であり、Rおよび/またはRはカルボニルであり、かつRおよび/またはR10は、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項83】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R−R)−CH(R−R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは窒素またはアミンから選択され、Rおよび/またはRはカルボニルであり、かつRおよび/またはR10は、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項84】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R−R)−CH(R−R10)−を含み、ここで、Rおよび/またはRは、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつRおよび/またはR10は、4〜20個の炭素原子を含むアルキル、フェニル、ベンジルまたはトリアルキルシリルから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項85】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH−CH−N(R−R)−を含み、ここで、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項86】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH−CH−N(R−R)−を含み、ここで、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項87】
前記(E−F)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH−CH−O(R−R)−を含み、ここで、Rはカルボニルであり、かつRは、3〜10個の炭素原子を含むアルコキシ、フェノキシ、ベンゾキシおよびトリアルキルシロキシから選択される、請求項59から75のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項88】
(G−H)が、R11−R12を含む第3官能基および/またはR13−R14を含む第2官能基を少なくとも含むモノマー単位を含み、ここで、前記第1官能基および/または該第2官能基の少なくとも1つが、架橋形成剤と反応し得る1つ以上の置換基を含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項89】
前記置換基の1つ以上が、求核性架橋形成剤と反応し得る求電子基を含む、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項90】
前記置換基の1つ以上が、求電子性架橋形成剤と反応し得る求核基を含む、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項91】
前記置換基の1つ以上が、多価金属カチオンと反応し得る潜在的アニオン基を含む、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項92】
前記R11置換基および/または前記R13置換基が、前記(G−H)モノマー単位の前記(E−F)モノマー単位との共重合を促進し得る、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項93】
前記R11置換基および/または前記R13置換基が、前記(G−H)モノマー単位の前記(E−F)モノマー単位との共重合を促進し、かつ架橋形成剤と反応し得る、請求項92に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項94】
前記R12置換基および/または前記R14置換基が、架橋形成剤と反応し得る、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項95】
11、R12、R13および/またはR14の少なくとも1つが、水素ではない、請求項88から94のいずれか一項に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項96】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は、カルボニル、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつR12および/またはR14は、アルコキシ、フェノキシ、置換フェノキシ、ハロゲン、およびN−ヒドロキシスクシンイミジル、ならびにアセテートまたはホスフェートなどの有機および無機の混成無水物から選択される求電子性置換基である、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項97】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は、カルボニル、サルフェート、ホスフェートまたはボラートから選択され、かつR12および/またはR14は、ビニルなどのMichael acceptorを含む求電子性置換基である、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項98】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は酸素またはアミンから選択され、かつR12および/またはR14は、アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニルおよびハロカルボニルから選択される求電子性置換基である、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項99】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13は酸素またはアミンから選択され、かつR12および/またはR14は、マレイミド、ビニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ビニルスルホンおよびアルキニルスルホンから選択されるMichael acceptorを含む求電子性置換基である、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項100】
前記(G−H)モノマー単位の少なくとも1つが、−CH(R11−R12)−CH(R13−R14)−を含み、ここで、R11および/またはR13はカルボニルであり、かつR12および/またはR14は、アルコール、ポリオール、アミン、ポリアミン、スルフィドまたはポリスルフィドから選択される求核性置換基である、請求項88に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項101】
前記リンカー部分(C−D)が、任意選択の置換基Rおよび/またはRをさらに含む、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項102】
(C−D)が、化学薬剤によって開裂され得るリンカー部分を表し、ここで、該開裂が前記第1ポリマーブロック部分の除去をもたらす、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項103】
(C−D)が、物理的手段によって開裂され得るリンカー部分を表し、該開裂が前記第1ポリマーブロック部分の除去をもたらす、請求項59に記載の両親媒性ポリマー。
【請求項104】
逆ミセルを製造する方法であって、該方法は
油中水型エマルジョンを生じさせるために水相を有機相と乳化する工程を包含し、
該エマルジョンが、請求項59から103のいずれか一項に記載の複数の両親媒性ポリマーを含む、方法。
【請求項105】
前記油中水型エマルジョンが、1種または複数の水溶性レポーター系をさらに含む、請求項104に記載の逆ミセルを製造する方法。
【請求項106】
2つまたはそれ以上の(G−H)部分を介して前記両親媒性ポリマーを互いに架橋し得る薬剤を添加する工程をさらに包含し、ここで、該(G−H)部分が、隣接した両親媒性ポリマー上に配置されており、該架橋形成工程が、架橋された逆ミセルを生成する、請求項105に記載の逆ミセルを製造する方法。
【請求項107】
11およびR12を含む官能基および/またはR13およびR14を含む官能基を介してより多くの前記両親媒性ポリマーを互いに架橋を形成し得る薬剤を添加する工程をさらに包含し、ここで、該架橋形成工程が架橋された逆ミセルを生成する、請求項105に記載の逆ミセルを製造する方法。
【請求項108】
前記レポーター系が、代用分析物−タンパク質複合体を含み、該複合体が、該複合体の分解時にバックグラウンドシグナルと比べて少なくとも3倍大きい検出可能な蛍光シグナルを発生させ得るレポーター系を含み、ここで、該検出可能な蛍光シグナルの存在が、標的分析物が試料中に存在することを示す、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記代用分析物−タンパク質複合体が、代用抗原および抗体を含む代用抗原−抗体複合体である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記代用抗原が消光部分を含み、かつ前記抗体が蛍光部分を含む、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
前記代用抗原が蛍光部分を含み、かつ前記抗体が消光部分を含む、請求項108に記載の方法。
【請求項112】
架橋された親水性ナノカプセルを製造する方法であって、
油中水型エマルジョンを生じさせるために水相を有機相と乳化する工程であって、該エマルジョンは、請求項59から103のいずれか一項に記載の複数の両親媒性ポリマー、および1種または複数の水溶性レポーター系を含む、工程と、
2つまたはそれ以上の(G−H)部分ならびに/あるいは隣接した両親媒性ポリマー上に配置されたR11−R12および/またはR13−R14を含む官能基を介して該両親媒性ポリマーを互いに架橋させ得る薬剤を添加する工程であって、該架橋形成工程は、該水溶性レポーター系の該ナノカプセルからの拡散に対して不浸透性である架橋されたナノカプセルを生成する、工程と、
水不溶性構成成分を除去する薬剤を添加することによってすべての該水不溶性構成成分を水溶性構成成分に変換する工程と
を包含する、方法。
【請求項113】
前記リンカー部分(C−D)を開裂し得る薬剤を添加して、それによって前記(A−B)部分を放出させる工程をさらに包含する、請求項112に記載の架橋された親水性ナノカプセルを製造する方法。
【請求項114】
前記レポーター系が、代用分析物−タンパク質複合体を含み、該複合体が、該複合体の分解時に、バックグラウンドシグナルと比べて少なくとも3倍大きい検出可能な蛍光シグナルを発生させ得るレポーター系を含み、ここで、該検出可能な蛍光シグナルの存在が、標的分析物が試料中に存在することを示す、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記代用分析物−タンパク質複合体が、代用抗原および抗体を含む代用抗原−抗体複合体である、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記代用抗原が消光部分を含み、かつ前記抗体が蛍光部分を含む、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
前記代用抗原が蛍光部分を含み、かつ前記抗体が消光部分を含む、請求項114に記載の方法。
【請求項118】
試料中の標的/分析物分子の存在または不在を検知する方法であって、該試料を、請求項112または113に記載のカプセル化された水レポーター系を含む1つ以上の架橋された親水性ナノカプセルと接触させる工程を包含し、ここで、該系が、標的分析物分子の該系への結合時に、バックグラウンドシグナルに比べて少なくとも3倍大きい検出可能な蛍光シグナルを発生させ得る、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2009−522091(P2009−522091A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548874(P2008−548874)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/062754
【国際公開番号】WO2007/102929
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】