説明

角度多重ホログラム記録角度特定方法

【課題】設定角度順に配された各ホログラム記録に対する最適な設定角度(角度スケジュール)を効率的かつ効果的に決定し、さらに角度多重されたホログラム記録に対してフラットなビット誤り率特性を得る。
【解決手段】角度多重によりホログラム記録される多重総数をNとするとともに、3≦m<Nなる条件を満たすm個のホログラム記録を代表として特定し(S1)、m個のホログラム記録(P〜P)について、隣接するホログラム記録同士の角度間隔を各々規定する(S2)。次に、設定角度順に配されたホログラム記録の配列番号nをX軸上に、隣接するホログラム記録同士の角度間隔ΔθをY軸上にとった二次元座標系上に、点P〜Pをプロットし、点P〜Pを通る近似関数曲線を規定する(S3)。この後、近似関数曲線を利用して、所望するホログラム記録における、隣接ホログラムとの角度間隔Δθを求める(S4)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角度多重ホログラム記録角度特定方法に関し、特に、離散的なデジタルデータ(例えば大容量の保存用アーカイブデータ)のホログラフィックメモリへの角度多重記録を行う際における、角度多重の設定角度(角度スケジュール)を決定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量かつ高速な記録システムとしてホログラフィックメモリが注目されている。ホログラフィックメモリは、同一光源から発せられた参照光および信号光と称される2つのコヒーレント光を干渉させ、生じた干渉縞を記録媒体に屈折率変化として記録、保持する。通常、信号光はページデータと称される2次元データ画像により空間的に変調されたものである。参照光の条件(例えば記録媒体への入射角度、波長、または波面等)を変化させながら、記録媒体の同一領域に複数のページデータを多重して記録することができるため大容量化が可能である。
【0003】
このうち、入射角度を変えながら多重記録するものは角度多重方式と称されている。
角度多重方式においては、参照光をガルバノミラーによって角度変更したり、参照光と信号光により形成される平面内で記録媒体を回転させたりして、参照光の媒体への入射角度を少しずつ変えながら複数のページデータをホログラムの形態で多重記録する。
【0004】
ところで、隣接するホログラム同士の間隔を狭くすると多くのページデータを記録することができる一方、隣接ホログラムとの間でクロストークが生じ易くなるため、最適な角度間隔を特定してホログラムを多重記録することが必要となる。
【0005】
このため、上記最適な角度間隔を決定するための従来技術においては、例えば下記特許文献1に記載されているように、最適な角度間隔Δθをあらかじめ配列の情報として記憶しておき、この配列の情報に基づいて角度多重記録を行なうようにしている。この手法により、参照光の入射角度における限られた角度範囲、あるいは記録媒体回転における限られた角度範囲において、多くのページデータを記録することが可能となる。下記特許文献1ではスネルの法則とブラッグの角度選択特性に基き、理論的に角度間隔が導かれている。その結果として、下記特許文献1における式(5)あるいは図4に示されているように、角度間隔Δθはホログラム配列番号nに対して単調減少または単調増加の関係に設定すればよいとされている。
【特許文献1】特開2006−154163号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載のものにおいては、必ずしもホログラム配列番号に対する最適な設定角度(角度スケジュール)を効率的かつ効果的に決定することができなかった。
【0007】
さらには、理論どおりに導かれた角度間隔によっては、必ずしも全てのホログラム記録に対してフラットなビット誤り率特性が得られないことを本発明者は実験的に見出しており、この点における改善が求められる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、設定角度順に配された各ホログラム記録に対する最適な設定角度(角度スケジュール)を効率的かつ効果的に決定する、角度多重ホログラム記録角度特定方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
さらに、角度多重された全てのホログラム記録に対してフラットなビット誤り率特性を得ることのできる角度多重ホログラム記録角度特定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明では次の方法により、最適な角度スケジュールを決定する。
【0011】
すなわち、本発明の角度多重ホログラム記録角度特定方法は、
データ情報を担持した信号光と、参照光とを干渉させてホログラム記録媒体の同一領域に、角度多重により、該干渉光による干渉縞を多重記録するホログラム記録方法において、
角度多重によりホログラム記録される多重総数をNとするとともに、3≦m<Nなる条件を満たすm個のホログラム記録P〜Pを代表として選択し、
それらm個のホログラム記録P〜Pの各々ついて、前記N個のホログラム記録を設定角度の順に配列したときにおける当該ホログラム記録と、これに隣接するホログラム記録との角度間隔Δθを規定し、
その後、設定角度順に付されたホログラム記録の配列番号n(nはN以下の連続する自然数)と、当該ホログラム記録の隣接するホログラム記録との間の角度間隔Δθと、の対応関係を表す所定の座標系上に、前記m個のホログラム記録P〜Pを点としてプロットし、これらプロットされた各点を通る近似関数曲線を特定し、
該近似関数曲線に基き、前記N個のホログラム記録のうちの所望するホログラム記録における、隣接ホログラムとの角度間隔Δθを求めることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、前記所定の座標系が2次元直交座標系であり、
一方の軸が、設定角度順に付された前記ホログラム記録の配列番号nを表し、他方の軸が、当該ホログラム記録の隣接するホログラム記録との間の角度間隔Δθを表す座標系であることが好ましい。
【0013】
また、この場合において、前記近似関数曲線を2次以上の高次多項式曲線とすることが好ましい。
【0014】
さらに、前記mの値は、3以上、かつ10以下の整数とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の角度多重ホログラム記録角度特定方法においては、ホログラム記録の代表点を3点以上選択し、その各代表点における、隣接ホログラムとの角度間隔を所定の座標系上にプロットし、このプロットされた各代表点を通る近似関数曲線を求め、この後、この近似関数曲線に基いて、所望のホログラム記録における、隣接ホログラムとの角度間隔を求めるようにしており、これに基づき、各ホログラム記録に対する最適な設定角度を効率的かつ効果的に決定することが可能となる。
【0016】
また、理論的導出に基づく手法だけでは、必ずしも誤り率特性が十分でない場合においても、3個以上の代表点における角度間隔を調整し、近似関数曲線に基いて、隣接ホログラムとの角度間隔を効率的に決定でき、フラットな誤り率特性を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る角度多重ホログラム記録角度特定方法を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
まず、図1を用いて本発明の実施形態に係る角度多重ホログラム記録角度特定方法の概略を説明する。
【0019】
すなわち、この方法は、まず、角度多重によりホログラム記録される多重総数をNとするとともに、3≦m<Nなる条件を満たすm個のホログラム記録を代表として特定し(図1、S1)、そのm個のホログラム記録(P〜P)について、設定角度の順に配列したときに、隣接するホログラム記録同士の角度間隔を各々特定する(代表点の特定)(図1、S2)。
【0020】
次に、設定角度順に配されたホログラム記録の配列番号をX軸上に、当該ホログラ記録と、隣接するホログラム記録との角度間隔をY軸上に、各々規定したX−Y座標系上に、前記各点P〜Pをプロットし、これら各点P〜Pを通る近似関数曲線を規定する(近似関数曲線の規定)(図1、S3)。
【0021】
この後、規定された上記近似関数曲線を利用して、上記N個のホログラム記録のうちの所望するホログラム記録における、隣接ホログラムとの角度間隔を求めることができる(角度間隔の特定)(図1、S4)。これにより、所望するホログラム記録における、最適な設定角度(角度スケジュール)を効率的かつ効果的に決定することができる。
【0022】
また、上記近似関数曲線はホログラム配列番号を変数nとする関数で表されるものであって、2次以上の高次多項式で表されることが好ましく、また、必ずしも単調減少曲線あるいは単調増加曲線に限定されるものではない。
【0023】
また、上記mの値は、3以上10以下の整数であることが好ましい。
【0024】
また、角度多重方式により、記録媒体の同一領域上にホログラムを多重記録する際には、記録媒体が、信号光と参照光を含む平面内で回転するように操作される。
【0025】
また、上記記録媒体としては、例えば、厚さ1mm程度のフォトポリマを用いる。また、角度多重記録は、参照光の記録媒体への入射角を少しずつ変えながら行なうようにするが、このとき、記録媒体の同一領域に対する角度多重記録数Nは、例えば300とする。
【0026】
以下、図2を用いてホログラム記録再生操作の一般的な流れについて説明する。
図2は、本実施形態方法を実施するためのホログラム記録再生装置における光学系配置を示すものである。
【0027】
まず、DPSS(Diode Pumping Solid State:ダイオード励起固体)レーザ光源1から出射された波長532nmのレーザビームは、シャッタ2を開くことでミラーM1を介して光学系に導かれ、スペイシャルフィルタ3にて空間的なノイズが除去されるとともにビーム径が拡大される。
【0028】
信号記録時において、スペイシャルフィルタ3からのビームは半波長板HWP1により所望の偏光比に調整され、この後、偏光ビームスプリッタPBS1により分離された偏光のうち、縦偏光成分は参照光として、横偏光成分は信号光として各々利用される。
【0029】
信号光は、レンズL1とレンズL2によりページデータの大きさ程度までビーム径が拡大された後、偏光ビームスプリッタPBS2を透過して空間光変調器SLMに照射される。このとき、空間光変調器SLMにはページデータが表示されており、これによりビームが空間的に変調される。そして、縦偏光成分のみが偏光ビームスプリッタPBS2によってフーリエ変換レンズFTL1方向へ反射される。FTL1を通過後、光学的フーリエ変換面には開口マスク7が配置されており、0次の回折光のみが開口を通過してホログラム記録媒体8(以下、単に記録媒体8とも称する)上に照射される。
【0030】
一方、参照光は、縦偏光状態のまま半波長板HWP2を通過し、偏光ビームスプリッタPBS3において直角に反射され、ミラーM2、ミラーM3を介して記録媒体8上に照射される。
【0031】
参照光と信号光が交差した部分で光の干渉縞、すなわち光の明暗が生じ、この位置に記録媒体8が配されているので、該記録媒体8の記録面において、光の強い場所は重合反応が進み、その一方、弱い場所は重合反応があまり進まず、結果として記録媒体8の記録面に屈折率分布が形成され、一つのホログラムの記録操作が完了する。
【0032】
また、信号再生時においては、スペイシャルフィルタ3からのビームが半波長板HWP1により完全に縦偏光とされ、偏光ビームスプリッタPBS1により直角に反射される。この後、半波長板HWP2により完全に横偏光にされることで、偏光ビームスプリッタPBS3を透過し、ミラーM4、ミラーM5を介して記録媒体8へ照射される。これは、位相共役再生と称される周知の再生手法であり、この場合には再生光は記録媒体8からフーリエ変換レンズFTL1側へ出射され、フーリエ変換レンズFLT1を通過する。再生光は横偏光であるから、この後偏光ビームスプリッタPBS2を透過して撮像素子(CCD)10上に結像される。
【0033】
この撮像素子(CCD)10で得られた再生ページデータ像に対して、所定の信号処理を施すことで元データを復元することができる。
【0034】
また、記録媒体8は、図示されない回転ステージ上に取り付けられ、図2中のθ方向へ所定の角度だけ回転させることができる。本実施形態では角度θの可動範囲は−3.5度〜+27.5度とされており、角度θを−3.5度付近から少しずつ増加させる毎に、記録媒体8の同一領域にホログラムを記録するようにして角度多重記録を行なうように操作される。また、記録したときと同じ設定角度を再現して参照光を照射すると、記録された一つのホログラムだけを分離して再生することが可能である。
【0035】
以下、2つの実施例を用いて、本発明方法をより具体的に説明する。
【0036】
<実施例1>
代表点としてn=1(P1)、N/2(P2)、N(P3)の3点を選び(m=3)、この3点の角度間隔を規定する(本実施例ではN=300とされているので、代表点はn=1、150、300である)。
【0037】
これら3点の角度間隔の規定には、前述した特許文献1に記載の理論的導出に基づくもの、あるいは3点近傍における角度選択曲線の実測値に基づくもの、等を用いることができるが、本実施例では後者に基づいて規定される。
【0038】
まず、代表点(P1〜P3)の3点近傍の角度選択曲線(1に規格化)を実測した。角度θとしては−3.2度、+12度、+27度近傍に相当する。実測結果を図3に示す。角度選択曲線の半値全幅はそれぞれ0.126度、0.090度、0.065度であった。この結果から、設定角度θに応じて角度間隔Δθを調整する必要があることが明らかである。
【0039】
この実測値に基づき、実施例1では代表点であるn=1(P1)、N/2(P2)、N(P3)の3点での角度間隔をそれぞれ0.136度、0.1度、0.075度に規定した。
【0040】
次に、上記代表点(P1〜P3)を通る曲線(近時間数曲線)を規定し、全てのホログラム配列番号(N個)に対する角度間隔Δθを、近似関数曲線を用いて求める。本実施例では、近似関数曲線として二次関数曲線を用いることとし、所定のホログラム配列番号nでの角度間隔Δθ(n)は、次式(1)で与えるようにした。
【0041】
【数1】

【0042】
である。また、設定角度の大きさθsumは次式(4)で与えられる。
【0043】
【数2】

【0044】
上式(1)に基づき、ホログラム配列番号nに対する角度間隔Δθ(n)を描いた角度スケジュールを図4に示す。図4に示すように、この曲線は、単調減少曲線であることが明らかである。また、ホログラム配列番号nにおける設定角度θ(角度間隔Δθの積算値)を図5に示す。
【0045】
ここで、設定角度θの回転可能範囲が−3.5〜+27.5度とされているので、θsumが合計31度を越えないことに注意を要する。
【0046】
また、図4により示された角度間隔スケジュールに従ってホログラムを記録したものに対し、再生して得られたビット誤り率(bER)特性を図6に示す。図6から明らかなように、特にホログラム配列番号nが101〜200の範囲では、低い誤り率とすることができた。
【0047】
<実施例2>
上述の実施例1では、ホログラム配列番号101〜200の範囲で低い誤り率が得られたものの、初期範囲でのホログラム配列番号(n=1〜100)と後期範囲でのホログラム配列番号(n=201〜300)においては、誤り率が必ずしも良好になっているとはいえない。これらの範囲で誤り率が向上していないことの要因はクロストークである。したがって、角度選択特性に基づく代表点の決定だけでは必ずしも十分とはいえない。勿論、前述した特許文献1記載の理論式に基づく手法においては不十分とされるものである。
【0048】
そこで、実施例2では、クロストークの大きいホログラム配列番号nにおいて角度間隔Δθを広げ、逆に誤り率の良好なホログラム配列番号nにおいて角度間隔Δθを狭くすることにより、ホログラム記録の多重数を減少させることなく、良好な誤り率特性を得るようにしている。なお、mの値は実施例1と同様に3である。
【0049】
まず、代表点n=1(P1)、N/2(P2)、N(P3)の3点での角度間隔をそれぞれ0.148度、0.092度、0.096度に規定し、P1、P3を実施例1よりも広く、P2を実施例1よりも狭くした。
【0050】
この後、全てのホログラム配列番号(N個)に対する角度間隔Δθを、近似関数曲線を用いて求める。これは実施例1と同様に二次関数曲線を用いることとした。上式(1)に基づき、ホログラム配列番号nに対する角度間隔Δθ(n)を描いた角度スケジュールを図7に示す。図7に示すように、この曲線は、単調減少曲線あるいは単調増加曲線とはなっていない。また、ホログラム配列番号nにおける設定角度θ(角度間隔Δθの積算値)を図8に示す。
【0051】
また、図7により示された角度間隔スケジュールに従ってホログラムを記録したものに対し、再生して得られたビット誤り率(bER)特性を図9に示す。図9から明らかなように、実施例1に比べて、特に、初期範囲(n=1〜100)と後期範囲(n=201〜300)のホログラム配列番号nにおいて誤り率(bER)が改善されていることがわかる。
【0052】
以上に説明したように本発明の実施形態方法によれば、最適な角度スケジュールを効率的かつ効果的に決定することができる。角度選択特性半値幅の実測値に基づく手法、あるいは理論的導出に基づく手法だけでは、必ずしも誤り率特性が十分でない場合においても、m個の代表点における角度間隔を調整し、得られた近似関数曲線に基づいて角度スケジュールを効率的に決定でき、フラットな誤り率特性を得ることができる。
【0053】
なお、本実施例ではm=3の場合について説明したが、3≦m<Nを満たすいずれかの値を採用することが可能であり、良好に角度スケジュールを決定できる。ただし、mを大きくするほど、より詳細に角度スケジュールを調整することができるものの、mが大きくなるに従い近似関数曲線の導出が複雑になる一方、必ずしも大きな効果が得られるとは限らないため、望ましいmの範囲は、前述したように3≦m≦10程度である。
【0054】
また、上記実施形態においては、近似関数曲線を求める座標系として2次元直交座標系を用いているが、座標系としてはこれに限られるものではなく、極座標系等の他の座標系を用いることも可能である。
【0055】
また、上記実施形態においては、近時関数曲線として二次関数曲線を用いているが、その他に高次多項式や指数関数なども用いることができる。また、本実施例で用いたレーザ光波長、記録媒体厚さ、角度範囲は一例を示すものであり、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係る角度多重ホログラム記録角度特定方法の概略を示すフローチャート
【図2】本発明の実施形態方法を実施するためのホログラム記録再生装置の主要光学系を示す光学配置概略図
【図3】実施例1において選択した各角度におけるホログラムの角度選択曲線の半値全幅を示すグラフ
【図4】実施例1におけるホログラム配列番号と角度間隔との関係から得られた角度間隔スケジュールを示すグラフ
【図5】実施例1におけるホログラム配列番号に対する角度スケジュールを示すグラフ
【図6】実施例1において、図4の角度間隔スケジュールを用いて得られたビット誤り率を示すグラフ
【図7】実施例2におけるホログラム配列番号と角度間隔との関係から得られた角度間隔スケジュールを示すグラフ
【図8】実施例2におけるホログラム配列番号に対する角度スケジュールを示すグラフ
【図9】実施例2において、図7の角度間隔スケジュールを用いて得られたビット誤り率を示すグラフ
【符号の説明】
【0057】
SLM 空間光変調器
FTL1 フーリエ変換レンズ
PBS1,PBS2,PBS3 偏光ビームスプリッタ
HWP1,HWP2 半波長板
M1,M2,M3,M4,M5 ミラー
L1,L2 レンズ
1 レーザ光源
2 シャッタ
3 スペイシャルフィルタ
7 開口マスク
8 ホログラム記録媒体
10 撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ情報を担持した信号光と、参照光とを干渉させてホログラム記録媒体の同一領域に、角度多重により、該干渉光による干渉縞を多重記録するホログラム記録方法において、
角度多重によりホログラム記録される多重総数をNとするとともに、3≦m<Nなる条件を満たすm個のホログラム記録P〜Pを代表として選択し、
それらm個のホログラム記録P〜Pの各々ついて、前記N個のホログラム記録を設定角度の順に配列したときにおける当該ホログラム記録と、これに隣接するホログラム記録との角度間隔Δθを規定し、
その後、設定角度順に付されたホログラム記録の配列番号n(nはN以下の連続する自然数)と、当該ホログラム記録の隣接するホログラム記録との間の角度間隔Δθと、の対応関係を表す所定の座標系上に、前記m個のホログラム記録P〜Pを点としてプロットし、これらプロットされた各点を通る近似関数曲線を特定し、
該近似関数曲線に基き、前記N個のホログラム記録のうちの所望するホログラム記録における、隣接ホログラムとの角度間隔Δθを求めることを特徴とする角度多重ホログラム記録角度特定方法。
【請求項2】
前記所定の座標系が2次元直交座標系であり、
一方の軸が、設定角度順に付された前記ホログラム記録の配列番号nを表し、他方の軸が、当該ホログラム記録の隣接するホログラム記録との間の角度間隔Δθを表す座標系であることを特徴とする請求項1記載の角度多重ホログラム記録角度特定方法。
【請求項3】
前記近似関数曲線が2次以上の高次多項式で表されることを特徴とする請求項2記載の角度多重ホログラム記録角度特定方法。
【請求項4】
前記mの値が、3以上、かつ10以下の整数であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の角度多重ホログラム記録角度特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−265534(P2009−265534A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117872(P2008−117872)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】