説明

角膜の機能特性を明らかにするための非侵襲センサ、該センサを備える装置、および該装置の使用

本発明は、とくには種々の周波数におけるインピーダンスと、内皮および上皮の透水性ならびに実質層の水和レベルとの間の相間を明らかにするために、非侵襲な方法で角膜の機能特性を明らかにするために有用なデータを取得するためのセンサ、および該センサを取り入れてなる装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、非侵襲な方法で角膜の状態を診断するために有用なデータを取得するためのセンサ、および該センサを取り入れてなる装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明の対象は、内皮および上皮のインピーダンスおよび透水性と実質層の水和レベルとの間の相間を明らかにすることによって、角膜の機能特性を明らかにするために、種々の周波数において角膜のインピーダンスを測定できるようにする装置である。
【背景技術】
【0003】
角膜は、眼の前部に位置する透明な半球形の構造であり、光の通過を許し、虹彩および水晶体を保護する。角膜は、人間においては11.5mmの平均径を有する凹状の円板の形状を有し、大きな屈折の光学特性を有し、眼の焦点合わせの全能力の約70%をもたらしている。
【0004】
角膜は、3つの層で構成されており、最も外側の層が、かなりの再生能力を有する非角化重層上皮で構成された角膜上皮(corneal epithelium)であり、真ん中の層が、角膜実質層(stroma)であって、3つのうちで最も厚い層であり、単層内皮(mono-stratified endothelium)が、1層だけの細胞で構成された最も内側の層である。角膜実質層を角膜の他の2つの層から隔てる膜を、識別することができる。デスメ膜が、角膜実質層を内皮から隔てており、ボーマン膜が、角膜実質層を上皮から隔てている。
【0005】
上皮が、角膜全体の厚さの10%(人間の場合には約550ミクロン)に相当し、外部の物質に対する保護バリアとして機能する複数層の細胞によって形成されている。上皮層の細胞を通過するイオンの移動が、角膜の機能の調節の一翼を担っている。
【0006】
角膜実質層は、人間の場合には、コラーゲン繊維からなる200〜250枚のシートを角膜の表面に平行に配置して形成されている。角膜実質層は、角膜の生体力学特性ならびに曲率および透明度に最終的に貢献している。透明度を維持するために、角膜に栄養分をもたらすための毛管を有しておらず、したがって栄養素は上皮および内皮を通って供給される。他方で、角膜実質層の水和の程度が、角膜の透明度に直接関係し、一定の水和の状態に保たれる。
【0007】
内皮が、六角形のモザイクを形成する単層の立方細胞で構成され、角膜実質層の水和を制御することによって組織の透明度を維持する。一方で、内皮細胞の間の継ぎ目(密着結合)によって制御される内皮細胞間の拡散による流れが存在する。他方で、内皮細胞は、角膜実質層から房水への水の送出に特化されており、この流体ポンプを通過する積極的な流れを生じさせ、角膜の恒常性を保証する。角膜内皮の特徴は、上皮と異なり、細胞の再生の能力を持たない点にある。このため、加齢につれて細胞の数が減り、それらの細胞で角膜の後部表面の全体を覆わなければならないため、細胞の厚さも減少し、結果として角膜実質層の水和のレベルを制御する能力が失われる。この加齢は、栄養障害において顕著に生じる可能性があり、疾病、眼の手術、または点眼薬の使用の結果として顕著に生じる可能性がある。
【0008】
図1が、角膜を構成する種々の層、ならびに角膜実質層の水和レベルを制御するための主たる機構、すなわち上皮を通じての拡散、ならびに内皮を通じての拡散および送出を示している。これらの層の透水性の研究が臨床においてきわめて注目されるが、これまでのところ、通常は組織を取り除いて特有のセンサ装置に配置することによる体外での測定にもとづく研究が行なわれているにすぎない。生体において測定を行なう研究も動物において行なわれているが、きわめて侵襲的な方法が使用されており、したがって通常はさらなる研究を進めるためには組織の損傷が避けられず、病院において患者について行なうことは不可能である。臨床診療においては、角膜の厚さの測定(パキメトリー)が角膜の機能障害を診断するための間接的測定法として使用されることが多い。
【0009】
角膜の種々の層の受動的な電気特性の研究が、それらの透水性を評価するために、体外での研究において一般的に使用されている。しかしながら、これらの研究において使用される方法は、生体における測定には適用することができない。細胞および非細胞の媒体は、電流に対する挙動が異なる。一般に、組織は、細胞外の媒体に埋め込まれた細胞で構成される。低い周波数(<1kHz)においては、電流が細胞外の媒体(基本的に、抵抗の挙動を有するイオン溶液)に分配される一方で、より高い周波数(>100kHz)においては、電流が細胞壁および細胞内の媒体を通過することができる(膜の挙動は容量性であり、細胞内の媒体は抵抗性である)。図2は、周波数の関数としての挙動におけるこの相違を図式的に示している。生体組織のこの挙動にもとづき、角膜の種々の層の状態を、インピーダンス測定の場合など、受動的な電気特性にもとづく測定を使用して分析することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、角膜の機能特性を判断するために有用なインピーダンスを測定するためのセンサ、ならびに該センサを備える装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明の第1の態様は、基板上に配置されたn個の微小電極を備えており、nは4〜30の間であり、前記微小電極のサイズおよび配置が、該微小電極が同時に角膜に接触するために適したサイズおよび配置であり、前記微小電極が、外側の2つの微小電極および内側の2つの微小電極による4個の微小電極のグループにて測定を行なうように選択されるインピーダンス測定用センサに関する。
【0012】
本発明の第2の態様は、上述のとおりのセンサと、該センサへと配線によって物理的に接続され、あるいはテレメトリによって接続された多周波インピーダンス測定設備とを備えるインピーダンス測定装置に関する。
【0013】
本発明の第3の態様は、インピーダンスを測定して角膜の機能特性を明らかにするために、上述のとおりのセンサまたは該センサを備える装置を使用することに関する。
【0014】
「微小電極」という用語は、インピーダンスを測定するために角膜の表面に接触させるだけでよい微小電極を指す。他方で、「同時に角膜に接触するために適したサイズおよび構成」という表現は、インピーダンスを成功裏に測定するために、使用されるすべての微小電極が角膜に電気的に接触しなければならず、そのために微小電極のサイズおよび相対配置が制約されることを意味する。
【0015】
測定を行なうために、本発明のセンサは、インピーダンス測定設備に接続される。これらの装置は、インピーダンスを測定すべき媒体へと微小電極を通じて電流を注入すると同時に、生じる電位を他の微小電極を通じて得ることによって動作する。このデータから、組織のインピーダンスが計算される。
【0016】
細胞によって形成される内皮層および上皮層の透水性の増大が、通常はインピーダンスの低下を引き起こす細胞間のすき間の増加または細胞の数の減少に起因することが、明らかになっている。次いで、この内皮層および上皮層の透水性の増大が実質層の水和の増大を引き起こし、結果としてイオン濃度の増大に起因してインピーダンスがやはり低下する。
【0017】
インピーダンス測定設備は、可変の周波数の電流を角膜に注入するための手段と、生じる電位を同時に読み取るための手段とを備えることで、10Hz〜1MHzの範囲にある複数の周波数の測定について組織のインピーダンスのデータを取得する。
【0018】
種々の周波数範囲において適切な微小電極によって行なわれる測定が、角膜の種々の層の機能状態についての結論を得ることができるようにするインピーダンス値をもたらす。
【0019】
1kHz未満の周波数の場合、測定される導電性が、主として上皮層の導電性に依存することが観察されている。低い周波数における低い導電性ゆえに、上皮層を通過することができる電流の量が実質的にゼロであり、したがって記録される電圧降下が角膜上皮の導電性に依存する。
【0020】
1kHz超〜100kHz未満の周波数の範囲においては、いくつかの因子を含むがゆえにインピーダンスの測定値の分析がより複雑である。細胞層(上皮および内皮)の導電性は、残りの層の導電性よりも2桁も大きく、かなりの量の電流が非細胞層(実質層および房水)へと通過することができる。他方で、房水の導電性は実質層の導電性よりも高く、結果として電流はこの層を通って移動する傾向にある。内皮を横切って房水を循環できる電流の量は、内皮の導電性ならびに透水性に直接関係する。したがって、房水を循環する電流が増える場合、記録されるインピーダンスは低下するが、これは内皮の透水性の増大を知らせている。
【0021】
100kHz超の周波数においては、電流が細胞を通過でき、したがってインピーダンスの測定値は、実質層および房水がより大きな層であるため、実質層および房水の導電性に依存する。房水の導電性は一定であると考えることができるため、測定されるインピーダンスの変化は、実質層の導電性の変化に関係しており、すなわち実質層の水和の程度に関係している。
【0022】
本発明の特定の実施形態においては、微小電極が、基板上に平面的に配置される。
【0023】
本発明の別の特定の実施形態においては、センサが、10個の微小電極を備える。
【0024】
導電性の微小電極を、金属または非金属材料で製作することができ、好ましくは生体適合性の材料で製作することができる。
【0025】
本発明の特定の実施形態においては、微小電極が、金、白金、ニッケル、アルミニウム、チタニウム、窒化チタン、クロム、および、これらの金属から生成可能な合金から選択される金属材料で作られる。
【0026】
本発明の別の特定の実施形態においては、微小電極が、カーボンナノチューブ、グラフェン、および導電性ポリマーから選択される非金属材料で作られる。
【0027】
これらの微小電極を、それらの性能を改善するプロセスによって改変することができる。したがって、例えば、組織との接触を改善するために、カーボンナノチューブを付着させたり、白金黒または金を電着させたりしてもよく、あるいは、上述のプロセスを安定させるためにポリヒドロキシメチルメタクリレート(pHEMA)などのヒドロゲルを付着させてもよい。
【0028】
本発明の別の特定の実施形態においては、前記微小電極が細長い形状を有し、最長の辺が平行になるように配置されており、電流の注入または電位の測定のいずれかを行なうように構成される。
【0029】
他方で、微小電極が配置される基板は、生体適合性の材料で作られ、剛体または可撓であってよく、好ましくは、微小電極が角膜の表面に触れているかどうかを測定者が観察できるように透明である。同様に、剛体である基板は、基本的に平坦であってもよいし、角膜の表面への適合を可能にする湾曲の角度を有してもよい。剛体基板の場合には、材料が、ケイ素、炭化ケイ素、ガラス、およびPCB(プリント基板、RF4)から選択される。可撓基板の場合には、材料が、SU8、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー(COP)、およびポリカーボネートなどのポリマーから選択される。
【0030】
本発明の特定の実施形態においては、基板が剛体であり、微小電極の長さが2mmであり、幅が0.3mmである。
【0031】
本発明の別の特定の実施形態においては、基板が可撓であり、微小電極の長さが1mmであり、幅が0.3mmである。
【0032】
図3Aは、センサ、基板、および微小電極を定める種々の層の図である。
【0033】
センサを、インピーダンスの測定の実施に合わせた種々の方法で構成することができる。摘出された角膜を収容することができるキャリアまたは容器に合わせて、レンズ状のセンサを製造することができると考えられる。
【0034】
測定されるインピーダンスの値が、使用される微小電極の形状に依存することも明らかになっている。同様に、角膜の各層の電気特性が測定される総インピーダンスに及ぼす影響も異なっている。微小電極に近い層ほど、より高い感度を有しており、そのような層の電気特性の変化が、総インピーダンスにより大きな変化を生じさせると言える。したがって、行なわれる測定の深さは、微小電極の間の相対距離に依存する。
【0035】
本発明のセンサは、インピーダンスと内皮および上皮の透水性ならびに実質層の水和レベルとの間の相間を明らかにするための種々の周波数における角膜のインピーダンス測定を、上述の同じセンサを使用し、センサに存在するいくつかの微小電極のうちの4つの微小電極を好都合に組み合わせることによって行なうことができるという利点を有する。なぜならば、センサに存在するいくつかの微小電極のうちの4つを組み合わせることで、微小電極間の相対距離の大きさを変えることができるからである。したがって、図3Bは、異なる微小電極を使用することによって、どのようにして角膜の種々の層の透水性を明らかにできるのかを示している。微小電極の設計および使用が特定のパラメータを満たしている。
【0036】
微小電極の形状を定めるパラメータの最大値および最小値が下記に示され、センサによって角膜の3つの主要な層の変化を検出するための最適値が提示されている。図4は、10個の微小電極によって形成されるセンサのこれらのパラメータを概説している。この場合、微小電極は同じ長さおよび幅であり、外側の2つの微小電極(I+、I−)および内側の2つの微小電極(V+、V−)にて平行に配置されているが、外側の微小電極(V+、V−)および内側の2つの微小電極(I+、I−)としての配置も可能である。図5を参照されたい。
【0037】
パラメータは、
Weが各々電極の幅であって、0.03〜1mmの間であり、好ましくは0.3mmであり、
Leが電極の長さであって、0.03〜11mmの間であり、好ましくは1mmまたは2mmである。
【0038】
Wsが、測定を行なうように選択された電極群の幅、すなわち外側の微小電極の中心線の間の距離であり、0.2〜11mmの間である。このパラメータの好ましい値は、どの層の情報を得ようとするのかに応じて決まるが、好ましくは、内皮層の場合には5mmであり、上皮層の場合には1mmであり、実質層の場合には1.8mmである。
【0039】
Nreは、微小電極のすき間の比であり、内側の微小電極の中心線間の距離をSeiとし、内側の電極および最も近い外側の電極の中心線の間の距離をSeとしたとき、Nre=Sei/Seであり、Nreは0.1〜20の間であって、好ましくは3である。
【0040】
他方で、センサの幅Wsを変えることによって、個々の層についてのセンサの感度が変化することが明らかになっている、なぜならば、このパラメータが測定の深さを決定するからである。センサの幅を変化させることによって、上述の周波数範囲もわずかに変化し、センサの幅を小さくするとより高い周波数へと移動する。
【0041】
幅Ws>3mmのセンサにおいて、角膜の3つの層の変化を検出することができる。
【0042】
幅Wsが1.5mm<Ws<3mmのセンサにおいて、実質層および上皮の変化を検出することができ、実質層の導電性の変化を検出するための最適な範囲である。
【0043】
幅Ws<1.5mmのセンサにおいては、上皮層の変化のみを検出することができる。
【0044】
上述のように、角膜の各層の機能状態は、選択される電極群の幅(Ws)および測定が行なわれる周波数に依存する角膜のインピーダンス測定値に相関する。したがって、角膜の各層の場合について、これら2つのパラメータの値が以下の表にまとめられる。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】角膜を形成する種々の層(涙、細胞上皮、非細胞の実質層、細胞内皮、および房水)、および、実質層の水和レベルを制御するための主たる機構を概略的に示す図である。実線が内皮を通過する実質層への房水の拡散による流れを示しており、破線が内皮を通る実質層から房水への送出による流れを示しており、一点鎖線が、上皮を通過する涙の実質層への拡散による流れを示している。
【図2】細胞層を通過するときの種々の周波数における電流の挙動を概略的に示す図である。破線が低い周波数(<1kHz)を示しており、電流が細胞外の媒体へと分配されることを見て取ることができる。実線が高い周波数(>100kHz)を示しており、電流が細胞壁および細胞内の媒体を通って流れることを見て取ることができる。
【図3A】センサ、基板、および微小電極を定める種々の層を示す図である。
【図3B】センサに存在するいくつかの微小電極のうちの微小電極を好都合に組み合わせることによって、どのようにして同じセンサを使用して角膜の別々の層へと電流を進入させることができるのかを示す図である。
【図4】10個の微小電極を有するセンサの例を示す図であり、センサの形状の種々のパラメータが示されている。Weが微小電極の幅であり、Leが微小電極の長さであり、Wsが測定を行なうために選択された微小電極群の幅であり、Seが内側の微小電極および最も近い外側の微小電極の中心線の間の距離であり、Seiが内側の微小電極の中心線の間の距離である。
【図5】基板上に配置された4つの微小電極によって形成されたセンサの例を示す図であり、4点インピーダンス測定のための2つの外側微小電極(I+、I−)および2つの内側微小電極(V+、V−)を詳しく示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の装置の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して以下に説明する。
【0047】
この例では、金で作られた10個の微小電極をガラス基板に付着させて有しているセンサが使用されている。これらが、電路が角膜に電気的に接触することがないように、SiO−Si(300nm+700nm)の絶縁層によって覆われている。微小電極および絶縁層の形状は、マイクロテクノロジの方法において標準的なフォトリソグラフィ法によって作られている。
【0048】
角膜のインピーダンスの測定値と角膜の種々の層の機能性との間の相間を、ウサギにおける実験によって検証した。そこで、0.05体積%まで希釈した塩化ベンザルコニウム(BAC)を投与することによって、角膜に機能的な変化を生じさせた。この化合物は、細胞間の接合部を乱すことによって、角膜の層の透水性を増大させる。
【0049】
上皮層の変化を検出するために、Wsが1mmであり、Nreが3である微小電極の構成を選択した。インピーダンス設備により、外側の微小電極の間に100Hzで10μAの電流を注入し、内側の微小電極における電圧降下を記録し、角膜のインピーダンス測定を得た。100Hzにおいて得られた測定結果は、健康な角膜の場合には10kΩ±2kΩであり、上皮層を変化させた角膜の場合には4kΩ±1kΩであった。内皮層の変化を検出するために、Wsが5mmであり、Nreが3である微小電極の構成を選択して同じ方法を繰り返し、10kHzにおいて、健康な角膜では2kΩ±0.5kΩの測定結果を得、内皮層を変化させた角膜では200Ω±100Ωの測定結果を得た。同じ実験方法に従い、角膜内皮の透水性の増大に起因する角膜実質層の水和の増大を測定した。この目的のため、Wsが1.8mmであり、Nreが3である微小電極の構成を選択し、1MHzにおいて、健康な角膜では250Ω±20Ωの測定結果を得、実質層を変化させた角膜では80Ω±20Ωの測定結果を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置されたn個の微小電極を備えており、nは4〜30の間であり、
前記微小電極のサイズおよび配置が、該微小電極が同時に角膜に接触するために適したサイズおよび配置であり、
外側の2つの微小電極および内側の2つの微小電極による4個の微小電極のグループにて測定を行なうように前記微小電極が選択される
インピーダンス測定用センサ。
【請求項2】
前記微小電極が前記基板上に平面的に配置されている請求項1に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項3】
10個の微小電極を備えている請求項1または2に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項4】
前記微小電極が、金、白金、ニッケル、アルミニウム、チタニウム、窒化チタン、クロム、および、これらの合金から選択される金属材料で作られている請求項1から3のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項5】
前記微小電極が、カーボンナノチューブ、グラフェン、および導電性ポリマーから選択される非金属材料で作られている請求項1から3のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項6】
前記微小電極が、細長い形状を有しており、最長の辺が平行になるように配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項7】
各々の電極の幅Weが、0.03〜1mmの間である請求項1から6のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項8】
各々の電極の幅Weが、0.3mmである請求項7に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項9】
電極の長さLeが、0.03〜11mmの間である請求項1から8のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項10】
電極の長さLeが、1mmまたは2mmである請求項9に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項11】
測定を行なうように選択された電極群の幅、すなわち前記外側の微小電極の中心線間の距離Wsが、0.2〜11mmの間である請求項1から10のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項12】
測定を行なうように選択された電極群の幅、すなわち前記外側の微小電極の中心線間の距離Wsが、上皮の場合に1mmであり、角膜実質層の場合に1.8mmであり、内皮層の場合に5mmである請求項11に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項13】
内側の微小電極の中心線間の距離をSeiとし、内側の電極および最も近い外側の電極の中心線間の距離をSeとしたとき、微小電極のすき間の比Nre=Sei/Seが、0.1〜20の間である請求項1から12のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項14】
前記微小電極のすき間の比Nreが3である請求項13に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項15】
前記微小電極が配置される基板が、ケイ素、炭化ケイ素、ガラス、およびPCB(プリント基板、RF4)から選択される剛体材料で作られている請求項1から14のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項16】
前記微小電極の長さが2mmであり、幅が0.3mmである請求項15に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項17】
前記微小電極が配置される基板が、SU8、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー(COP)、およびポリカーボネートから選択される可撓な材料で作られている請求項1から14のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項18】
前記微小電極の長さが1mmであり、幅が0.3mmである請求項17に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項19】
前記基板が透明である請求項15から18のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項20】
支持体に合わせられ、あるいは摘出された角膜を収容することができる容器に合わせられたレンズの形状にて作られている請求項1から19のいずれか一項に記載のインピーダンス測定用センサ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載のセンサと、多周波インピーダンス測定設備とを備えるインピーダンス測定装置。
【請求項22】
前記センサおよび多周波インピーダンス測定設備が、配線によって接続される請求項21に記載のインピーダンス測定装置。
【請求項23】
前記センサおよび多周波インピーダンス測定設備が、テレメトリによって接続される請求項21に記載のインピーダンス測定装置。
【請求項24】
インピーダンスを測定して角膜の機能特性を明らかにするための請求項1から20のいずれか一項に記載のセンサ、または該センサを備える請求項21から23のいずれか一項に記載の装置の使用。
【請求項25】
選択される電極群の幅Wsを1.5mm未満とし、測定を行なう周波数を1kHz未満として、上皮の機能特性を明らかにするための請求項24に記載のセンサの使用。
【請求項26】
選択される電極群の幅Wsを3mm超とし、測定を行なう周波数を1〜100kHzの間として、内皮の機能特性を明らかにするための請求項24に記載のセンサの使用。
【請求項27】
選択される電極群の幅Wsを1.5〜3mmの間とし、測定を行なう周波数を100kHz超として、実質層の機能特性を明らかにするための請求項24に記載のセンサの使用。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2013−521034(P2013−521034A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555452(P2012−555452)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/ES2011/070131
【国際公開番号】WO2011/107645
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(593005895)コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス (67)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS
【出願人】(510264545)ウニヴェルシダッド デ ヴァリャドリード (3)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSIDAD DE VALLADOLID
【住所又は居所原語表記】Plaza de Santa Cruz,8,47002 Valladolid,SPAIN
【Fターム(参考)】