解像度変換装置および解像度変換方法
【課題】画素補間による解像度変換において、エッジ角度の誤検出を減らし、補間時の画像の劣化を少なくするための技術を提供する。
【解決手段】補間注目座標の近傍の補間周辺画素を抽出し、含まれるエッジの角度および信頼度を検出する角度検出部と、補間注目周辺角度および補間注目周辺信頼度を検出し、補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する多様度検出部と、補間注目周辺角度のうち、最も個数の多いものである最頻角を検出する最頻角検出部と、多様度と最頻角を用いてエッジの角度を修正し修正角度を求める角度修正部と、第1の補間関数と第2の補間関数を信頼度に基づいて重みづけを行い、補間画素の画素値を算出する演算部とを備える解像度変換装置を用いる。
【解決手段】補間注目座標の近傍の補間周辺画素を抽出し、含まれるエッジの角度および信頼度を検出する角度検出部と、補間注目周辺角度および補間注目周辺信頼度を検出し、補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する多様度検出部と、補間注目周辺角度のうち、最も個数の多いものである最頻角を検出する最頻角検出部と、多様度と最頻角を用いてエッジの角度を修正し修正角度を求める角度修正部と、第1の補間関数と第2の補間関数を信頼度に基づいて重みづけを行い、補間画素の画素値を算出する演算部とを備える解像度変換装置を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の解像度を変換する装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の解像度を変換する際には、補間画素周辺の画像を解析してエッジ方向を検出し、その検出結果に応じて補間方法を選択する手法が知られている(特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266918号公報
【特許文献2】特開2003−052023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述した従来の技術では、補間しようとする画像内容によってはエッジ方向を誤判別して間違った方向に基づく補間方法にて画像処理を行い、結果として出力される画像が劣化する場合があった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画素補間による解像度変換において、エッジ角度の誤検出を減らし、補間時の画像の劣化を少なくするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換装置であって、入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する角度検出部と、前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する多様度検出部と、前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する最頻角検出部と、前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める角度修正部と、前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する演算部とを備える解像度変換装置を採用する。
【0007】
本発明は、また、入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換方法であって、入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する工程と、前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域
に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する工程と、前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する工程と、前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める工程と、前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する工程とを備える解像度変換方法を採用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画素補間による解像度変換において、エッジ角度の誤検出を減らし、補間時の画像の劣化を少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の解像度変換装置のブロック図。
【図2】補間周辺画素R1、角度検出周辺画素R21の概念図。
【図3】補間注目周辺角度R46の概念図。
【図4】補間注目周辺角度R46の例。
【図5】実施例1の処理全体のフローチャート。
【図6】補間注目座標R3の概念図。
【図7】角度検出処理のフローチャート。
【図8】角度検出用テンプレートの概念図。
【図9】角度検出周辺画素R21の例。
【図10】角度情報のコード割り当てを示す表。
【図11】角度修正処理のフローチャート。
【図12】最頻角信頼度算出処理のフローチャート。
【図13】信頼度修正処理のフローチャート。
【図14】角度検証処理のフローチャート。
【図15】角度検証処理に用いる一致マップの概念図。
【図16】角度検証処理での一致マップの計算例。
【図17】角度検証処理での検証パターン選択の概念図。
【図18】内挿演算処理のフローチャート。
【図19】補間関数の概念図。
【図20】補間関数F0の補間係数を示す概念図。
【図21】補間関数の補間係数選択の概念図。
【図22】画像に細い線画が含まれていたときの角度検出の例。
【図23】ランダムな模様に近い複雑な画像での角度検出の例。
【図24】周期的な線画の中での角度検出の例。
【図25】実施例2の解像度変換装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。以下の解像度変換装置は、入力画像の画素値に基づいて補間画素を生成し、画素数の異なる出力画像を得るものであり、入力画像と表示画面の解像度(画素数)が異なるときに使用される。解像度変換装置を単独の装置とすることもできるし、テレビジョン、STB(Set Top Box)等の放送受信装置、コンピュータに接続するディスプレイ装置など、動画像ある
いは静止画像を表示する機器に組み込んで用いることもできる。以下に記述する各ブロックは専用の回路を用いて構成しても良く、CPU上で動作するプログラムとして構成して
も良い。また、以下の解像度変換装置が行う各処理をコンピュータ用のプログラム等に実行させることにより、本発明を解像度変換方法として実現することができる。
【0011】
<実施例1>
以下、実施例1で用いられるデータの構造および各ブロックの機能について図面を参照しつつ説明する。本実施例の解像度変換装置の構成を図1のブロック図に示す。
【0012】
入力画像信号R100は、縦横の画素数(解像度)が(itx×ity)個で構成される入力画像を表す信号である。各画素の位置は左上を(0,0)、右上を(itx-1,0)、左下を(0,ity-1)
、右下を(itx-1,ity-1)とする入力座標系で表現できる。以下、入力座標系における座標(x,y)に存在する画素の画素値を、ipix(x,y)と表記する。
解像度変換後の出力画像は、縦横の画素数が(otx×oty)個で構成される。各画素の位置は左上を(0,0)、右上を(otx-1,0)、左下を(0,oty-1)、右下を(otx-1,oty-1)とする出力座標系で表現できる。出力画像に含まれる1つの画素である補間画素R13に注目し、画素値を決定しようとするとき、出力座標系における補間画素R13の座標を出力座標R33と呼ぶ。
【0013】
補間画素R13の画素値を求めて補間画素を生成するために、入力画像の中に、補間注目座標R3と補間周辺画素R1を想定する。補間注目座標R3とは、図6に示すように、補間画素の座標である出力座標R33を入力座標系に逆写像した座標を指す。右側の出力座標系で出力座標R33が(ox,oy)であるとき、左側の入力座標系への逆写像である補間
注目座標R3(ix,iy)との関係は以下の式で求められる。なお、ix,iyは実数である。
ix = ox × itx / otx
iy = oy × ity / oty
補間周辺画素R1は、入力画像中の複数の画素であり、補間注目座標R3に基づいて、その近傍から抽出される。補間周辺画素R1の構造を図2(a)に示す。(ix,iy)は補間注目座標R3である。ix,iyの整数部をそれぞれixi,iyiとおき、小数部をそれぞれixs, iysとおく。補間周辺画素R1は、入力座標系で(ixi-1,iyi-1)と(ixi+2,iyi+2)を対角とする、4×4=16画素で構成される。すなわち、補間注目座標を中心とする領域に存在する複数の画素である。補間周辺画素R1の各画素の画素値に基づいて、補間画素R13の画素値が求められる。
【0014】
画像メモリ1は不図示の画像入力手段より入力された入力画像信号R100を蓄える。また、画像メモリ1は、座標演算部3から補間注目座標R3を受け取り、それに基づいて補間周辺画素R1を抽出して出力する。また、画像メモリ1は、角度検出部2から角度検出注目座標R20(kx,ky)を受け取り、それに基づいて角度検出周辺画素R21を選択し
て出力する。角度検出周辺画素R21は、図2(b)に示すように、入力座標系において、角度検出注目座標の近傍に存在する、(kx-1,ky-1)と(kx+2,ky+2)を対角とする4×4=16個の画素で構成される。補間周辺画素R1と角度検出周辺画素R21は、4×4の選択された画素である点において同じである。角度検出注目座標R20とは、入力画像に含まれる画素であって、これから角度を検出しようとしているものの座標を指す。
【0015】
角度検出部2は、入力画像の画素ごとに角度検出注目座標R20を順に選択して画像メモリ1に出力し、画像メモリ1から角度検出周辺画素R21を受け取る。角度検出部2は、受け取った角度検出周辺画素R21を解析して検出角度R22と検出信頼度R23を検出し、検出角度メモリ4に出力する。ここで言う「角度」とは、角度検出周辺画素R21が含むエッジの角度のことである。また「信頼度」とは、角度検出周辺画素R21が検出エッジの角度を含むことの確からしさを表す値である。角度検出部2の動作の詳細は後述する。
【0016】
座標演算部3は出力座標R33を順に選択し、それに基づく補間注目座標R3を演算する。出力座標R33は、出力画像R13の左上から順に選択される。検出角度メモリ4は角度検出部2によって検出された検出角度R22とその検出信頼度R23を蓄える。また、検出角度メモリ4は、補間注目座標R3に基づいて、補間注目角度R48、補間注目周辺角度R46、補間注目信頼度R40、および補間注目周辺信頼度R49をそれぞれ抽出して出力する。補間注目角度R48および補間注目周辺角度R46の構造を図3に示す。補間注目座標R3(ix,iy)が含まれる、(ixi,iyi)と(ixi+1,iyi+1)を対角とする、網線で
示した1×1のエリアの検出角度R22が補間注目角度R48である。またその周辺の、(ixi-2,iyi-2)と(ixi+3,iyi+3)を対角とする、斜線で示した5×5のエリアの25個の検出角度R22が補間注目周辺角度R46である。同様に、(ixi,iyi)と(ixi+1,iyi+1)を対角とする、1×1のエリアの検出信頼度R23が補間注目信頼度R40である。その周辺の、(ixi-2,iyi-2)と(ixi+3,iyi+3)を対角とする5×5のエリアの25個の検出信頼度R23が補間注目周辺信頼度R49である。
【0017】
最頻角検出部6は、補間注目周辺角度R46に含まれる25個の角度のうち、最も多く出現した角度を選択し、最頻角R6として出力する。例えば補間注目周辺角度R46が図4に示した状態であれば、(右上−左下)の角度が6個、(上−下)が3個、(左−右)が2個、(左上−右下)が3個であるので、最頻角R6は(右上−左下)となる。
多様度検出部7は、補間注目周角度R46に含まれる25個の角度の中に出現した角度の種類の個数を求めて、その種類数を、多様度R7として出力する。例えば補間注目周辺角度R46が図4に示した状態であった場合、(上−下)、(左−右)、(右上−左下)、(左上−右下)の4種類の角度が含まれているので多様度R7は4となる。この多様度は、値が大きい場合、5×5エリアの画像の特性を一様に決定するのが困難であると言えるので、エッジ強調効果などが相対的に小さい補間を行うように(等方的な補間係数を重視するように)後の工程で作用する。一方、多様度が小さいということは、エリアの特性がある程度明確ということなので、補間の方針が立てやすく、信頼度を高めて補間の効果を大きくする方向に(エッジ強調効果のある補間係数を重視する方向に)後の工程で作用する。
【0018】
角度修正部8は最頻角R6と多様度R7に基づいて補間注目角度R48を修正し、修正角度R8を出力する。修正の基本方針は、多様度が小さく、かつ補間注目角度R48と最頻角R6が異なる場合は、角度を誤検出した可能性が高いので最頻角R6で置き換えることにある。角度修正方法の詳細は後述する。
最頻角信頼度算出部9は最頻角R6、補間注目周辺角度R46、補間注目周辺信頼度R49に基づいて最頻角信頼度R9を算出する。最頻角信頼度とは、補間注目周辺信頼度の和を、最頻角と補間注目周辺角度の一致数で除算した値である。従って、一致数が多いほど、最頻角信頼度は小さくなる。最頻角信頼度R9の算出方法の詳細は後述する。
信頼度修正部10は、修正角度R8、最頻角R6、多様度R7、最頻角信頼度R9に基づいて補間注目信頼度R40を修正し、修正信頼度R10を出力する。修正の基本方針は、多様度が小さく、かつ修正角度R8と最頻角R6が異なる場合は、修正信頼度R10として最頻角信頼度を用いる点にある。一方、多様度が大きい場合、多様度修正係数を用いて修正信頼度を求めるが、標準的な処理では信頼度を下げるような方向になる。信頼度修正の方法の詳細は後述する。
【0019】
角度検証部11は補間注目周辺角度R46を参照して修正角度R8の検証を行い、検証一致係数R11を出力する。検証一致係数とは、要するに、修正角度R8を延長した方向における補間注目周辺角度が、当該修正角度R8と一致している度合いを表す値である。角度検証方法の詳細は後述する。
信頼度再修正部12は検証一致係数R11に基づいて修正信頼度R10を再修正し、再修正信頼度R12を出力する。検証一致係数が大きいほど、信頼性を高める方向に作用す
る。再修正方法の詳細は後述する。
内挿演算部13は、補間周辺画素R1、補間注目座標R3、出力座標R33、修正角度R8、再修正信頼度R12に基づいて内挿演算を行い、補間画素R13を生成、出力する。内挿演算方法の詳細については後述する。
また、不図示の制御部が装置全体の動作の制御を行う。
【0020】
実施例1における解像度変換処理の全体的なフローチャートを図5に示す。
ステップS1では、不図示の制御部が、不図示の画像入力手段から入力された画像信号を画像メモリ1に格納する。
ステップS2では、角度検出部2が、画像メモリ1に蓄積された画像の入力画素を順に選択して、検出角度R22とその信頼度である検出信頼度R23を画素ごとに算出し、検出角度メモリ4に格納する。角度検出の動作の詳細は後述する。
ステップS3では、座標演算部3が、出力座標R33を左上から順に選択する。
ステップS4では、座標演算部3が、図6に示すように、出力座標R33に対する補間注目座標R3の算出を行う。
ステップS5では、検出角度メモリ4が、算出された補間注目座標R3に基づいて補間注目角度R48および補間注目周辺角度R46を抽出する。ここで、検出角度は入力画素ごとに求められているので(ステップS2)、補間注目座標と入力画素の関連付けをする必要がある。本フローでは、図3に示すように、補間注目座標R3(ix,iy)には入力座標
系で(ixi,iyi)の位置にある入力画素が対応するものとし、その入力画素について求めた
検出角度を補間注目角度R48とする。同様に、入力座標系で(ixi-2,iyi-2)〜(ixi+2,iyi+2)の位置にある25個の入力画素について求めた検出角度を、補間注目周辺角度R46とする。
【0021】
ステップS6では、最頻角検出部6が、補間注目周辺角度R46に含まれる25の角度のうち、最も多く出現した角度を選択し、最頻角R6として出力する。
ステップS7では、多様度検出部7が、補間注目周角度R46に含まれる25の角度の中に出現した角度の種類を数えて、多様度R7として出力する。
ステップS8では、角度修正部8が、最頻角R6と多様度R7に基づいて補間注目角度R48を修正し、修正角度R8を出力する。角度修正方法の詳細は後述する。
ステップS9では、検出角度メモリ4が、補間注目座標R3に基づいて補間注目信頼度R40および補間注目周辺信頼度R49を抽出する。補間注目信頼度とは、補間注目角度R48とセットになる信頼度であり、図3で言えば入力座標(ixi,iyi)について求めた検
出信頼度に相当する。同様に補間注目周辺信頼度とは、補間注目周辺角度R46のそれぞれとセットになる信頼度である。
ステップS10では、最頻角信頼度算出部9が、最頻角R6、補間注目周辺角度R46、補間注目周辺信頼度R49に基づいて最頻角信頼度R9を算出する。最頻角信頼度R9の算出方法の詳細は後述する。
ステップS11では、信頼度修正部10が、修正角度R8、最頻角R6、多様度R7、最頻角信頼度R9に基づいて補間注目信頼度R40を修正し、修正信頼度R10を出力する。信頼度修正の方法の詳細は後述する。
【0022】
ステップS12では、角度検証部11が、補間注目周辺角度R46を参照して修正角度R8の検証を行い、検証一致係数R11を出力する。角度検証方法の詳細は後述する。
ステップS13では、信頼度再修正部12が、検証一致係数R11に基づいて修正信頼度R10を再修正し、再修正信頼度R12を出力する。再修正方法の詳細は後述する。
ステップS14では、画像メモリ1が、補間注目座標R3に基づいて補間周辺画素R1を抽出する。
ステップS15では、内挿演算部13が、補間周辺画素R1、補間注目座標R3、出力座標R33、修正角度R8、再修正信頼度R12に基づいて内挿演算を行い、補間画素R
13を出力する。内挿演算方法の詳細については後述する。
ステップS16では、不図示の制御部が、全ての出力画素を選択し終えたか否かを判定する。未処理の出力画素があればステップS3に戻って次の出力画素についての処理を行う。全ての出力画素について処理が完了していれば、解像度変換処理を終了する。
【0023】
次に、各部の詳細な動作を説明する。
【0024】
角度検出部2における角度検出処理の動作のフローチャートを図7に示す。
ステップS21では、角度検出部が、角度を検出するための部分画像を抽出する。画素数が(itx×ity)個の入力画像において、まず角度検出注目座標R20(kx,ky)を左上から
順に選択し、図2(b)に示すように4×4の角度検出周辺画素R21を抽出する。
ステップS22では、角度検出部が、テンプレートマッチング処理を行う。用いるテンプレートの構造を図8に示す。図8(a)は垂直テンプレートであり、丸数字の中に書かれた「−1」または「+1」が、座標(x,y)での係数TV(x,y)である。図8(b)は水平テンプレートであり、座標(x,y)での係数TH(x,y)が書かれている。ここで、垂直適合度mvと水平適合度mhをそれぞれ式(1)および式(2)により算出する。
【数1】
例えば、角度検出周辺画素R21が図9に示すような45度のエッジの部分画像であった場合、mv=4, mh=-4となる。
【0025】
ステップS23では、角度検出部が、得られた垂直適合度mvと水平適合度mhから部分画像のエッジ方向を算出する。角度検出注目座標R20におけるエッジ角度(θ)は以下の式にて求められる。
θ = tan-1(mv/mh)
このとき、得られた角度の信頼度(lv)を次の式(3)により求めて、検出信頼度R23とする。
【数2】
ここで、得られたエッジ角度を以下の条件で符号化して検出角度R22(agl)を決定す
る。
0 ≦ θ < π/8 … agl = 1
π/8 ≦ θ < 3π/8 … agl = 2
3π/8 ≦ θ < 5π/8 … agl = 3
5π/8 ≦ θ < 7π/8 … agl = 4
7π/8 ≦ θ < 9π/8 … agl = 1
9π/8 ≦ θ < 11π/8 … agl = 2
11π/8 ≦ θ < 13π/8 … agl = 3
13π/8 ≦ θ < 15π/8 … agl = 4
15π/8 ≦ θ < 2π … agl = 1
ただし、以下の条件が成立する場合はこちらが優先される。
lv < mth … agl = 0
mthは角度の検出感度として用いられる所定の値である。値を小さくすると感度が良くな
り、ぼやけたエッジでも角度を検出できるようになる。値を大きくすると感度が悪くなり、誤判定を軽減することができるようになる。これにより、検出角度R22として図10で示したようにコード化された角度情報が得られる。
【0026】
ステップS24では、角度検出部が、得られた検出角度R22と検出信頼度R23を検出角度メモリ4に蓄積する。
ステップS25では、角度検出部が、全ての入力画素について角度が検出されたか否かを判定する。未処理の画素が残っていればステップS21に戻って次の画素の処理を行う。全ての画素について処理が完了していれば、角度検出処理を終了する。
【0027】
角度修正部8における角度修正処理のフローチャートを図11に示す。
ステップS81では、角度修正部が、多様度R7(dvr)と、予め定められた多様度境界
値(不図示)(dvr_th)との比較を行う。ここで、dvr > dvr_th であればステップS84
へ進む。そうでなければステップS82へ進む。
ステップS82では、角度修正部が、補間注目角度R48(iagl)と最頻角R6(mjr)と
の比較を行う。ここで、iagl≠mjrであればステップS83へ進む。そうでなければステ
ップS84へ進む。
ステップS83では、角度修正部が、修正角度R8(oagl)として最頻角R6(mjr)を選
択する。
ステップS84では、角度修正部が、修正角度R8(oagl)として補間注目角度R48(iagl)を選択する。
【0028】
最頻角信頼度算出部9における最頻角信頼度算出処理のフローチャートを図12に示す。制御変数(x,y)は補間注目周辺角度R46の25個のエリアのうち1つを特定するため
に用いられ、(0,0)〜(4,4)の範囲で変動する。
ステップS91では、最頻角信頼度検出部が、信頼度和(S)、一致数(C)、制御変数yを
初期化する。
ステップS92では、最頻角信頼度検出部が、制御変数xを初期化する。
ステップS93では、最頻角信頼度検出部が、最頻角R6(mjr)と制御変数x,yが示す補間注目周辺角度R46(iagl_a(x,y))を比較する。一致すればステップS94へ進む。一
致しなければステップS95へ進む。
ステップS94では、最頻角信頼度検出部が、一致数(C)を1増やす。また信頼度和(S)に制御変数x,yが示す補間注目周辺信頼度R49(ilv_a(x,y))を加える。
ステップS95では、最頻角信頼度検出部が、制御変数xに1を加える。
ステップS96では、最頻角信頼度検出部が、制御変数xの値を判断する。制御変数xが4以下であればステップS93に戻り、1つ右の補間注目周辺角度について検討する。そうでなければステップS97へ進む。
ステップS97では、最頻角信頼度検出部が、制御変数yに1を加える。
ステップS98では、最頻角信頼度検出部が、制御変数yの値を判断する。制御変数yが4以下であればステップS92に戻り、1行下の補間注目周辺角度について検討する。そうでなければステップS99へ進む。
ステップS99では、信頼度和(S)を一致数(C)で割って最頻角信頼度R9(mjlv)とする。
【0029】
信頼度修正部10における信頼度修正処理のフローチャートを図13に示す。
ステップS101では、信頼度修正部が、多様度R7(dvr)と、予め定められた多様度
境界値(不図示)(dvr_th)との比較を行う。ここで、dvr > dvr_th であればステップS
105へ進む。そうでなければステップS102へ進む。
ステップS102では、信頼度修正部が、修正角度R8(oagl)と最頻角R6(mjr)との
比較を行う。ここで、oagl≠mjrであればステップS103へ進む。そうでなければステ
ップS104へ進む。
ステップS103では、信頼度修正部が、修正信頼度R10(mdlv)として最頻角信頼度R9(mjlv)を選択する。
ステップS104では、信頼度修正部が、修正信頼度R10(mdlv)として補間注目信頼度R40(ilv)を選択する。
ステップS105では、信頼度修正部が、修正信頼度R10(mdlv)として、補間注目信頼度R40(ilv) ×多様度修正係数(dvr_lv)を選択する。多様度修正係数(dvr_lv)の標準的な所定の値は1/2である。この値を小さくすると角度誤検出を多様度によって排除する
度合いが高くなる。大きくするとその逆である。
【0030】
以上説明したように、画像の複雑度が増すと多様度R7の値が大きくなり、多様度境界値(dvr_th)を超えると補間注目信頼度R40(ilv)を下げるように制御を行う。多様度境
界値(dvr_th)は、大きくすると複雑な画像で角度の検出感度が上がる。また小さくすると、誤検出を軽減することができる。
【0031】
角度検証部11における、角度検証処理のフローチャートを図14に示す。
ステップS111では、角度検証部が、一致マップを作成する。一致マップの概念図を図15に示す。補間注目周辺角度R46に含まれる各周辺角度iagl_a(x,y)と修正角度R
8(oagl)を比較して一致するか否かの一致フラグをマップ化する。一致フラグjdg(x,y)の算出方法は以下の式のとおりである。
jdg(x,y) = 0 : iagl_a(x,y) ≠ oagl(ixi,iyi)
jdg(x,y) = 1 : iagl_a(x,y) = oagl(ixi,iyi)
【0032】
一致マップの計算例を図16に示す。図16(a)は補間注目周辺角度R46の模式図で中央の網部は修正角度R8である。図16(b)は一致マップの算出結果である。例えば、iagl_a(ixi-2,iyi-2)の角度とoagl(ixi,iyi)の角度は異なるのでjgd(ixi-2,iyi-2)は0となる。また、iagl_a(ixi-1,iyi-1)の角度とoagl(ixi,iyi)の角度は同じなのでjgd(ixi-2,iyi-2)は1となる。
ステップS112では、角度検証部が、検証パターンの選択を行う。検証パターン選択の概念図を図17に示す。修正角度R8(oagl)に応じて一致マップから4点の一致フラグを選択する。ここでは、修正角度R8が(右上−左下)の方向であることから、図17(d)に黒マスで示した4点が選択される。
ステップS113では、角度検証部が、選択した検証パターンに従って検証一致度R11(oagl_lv)を算出する。検証一致度R11(oagl_lv)は検証パターンに含まれる一致フラグの値の平均値とする。例えば図16の場合だと、以下の式のように求められる。
oagl_lv = { jdg(ixi-2,iyi+2) + jdg(ixi-1,iyi+1) + jdg(ixi+1,iyi-1) + jdg(ixi+2,iyi-2) } /4 = 0.5
【0033】
信頼度再修正部12は、再修正信頼度R12(olv)を、修正信頼度R10(mdlv)、検証
一致係数R11(oagl_lv)に基づいて以下の式にて算出する。
olv = mdlv × oagl_lv
【0034】
以上説明したように、修正角度R8の示す角度と補間注目周辺角度R46の示す周辺の検出角度との相関を検証し、相関が低ければエッジ角度の信頼度を下げるように制御を行う。
【0035】
内挿演算部13における内挿演算処理のフローチャートを図18に示す。
ステップS131では、内挿演算部が、補間に用いる補間関数の選択を行う。図19(a)〜(e)に補間関数の例を示す。図19(a)は方向性を持たない補間関数である。図19(b)〜(e)は、修正角度R8(oagl)に応じて選択される補間関数である。例えば修正角度R8(oagl)の値が2(左上−右下)であれば、補間関数として図19(c)のF2(h,v)が選択される。
補間関数に用いる2次元関数の概念図を図20に示す。補間関数F0の軸断面は図に示したようになっており、関数全体が円錐状の形となっている。同様に、F1〜F4の補間関数は対応するエッジ方向に扁平な楕円錐型の関数である。ここでは適用される補間係数は0〜1の範囲となる。
ステップS132では、内挿演算部が、補間注目座標R3に基づいて、選択した補間関数Fn(h,v)から補間係数を選択する。これが、本発明の第1の補間係数に該当する。補間
係数選択の概念図を図21に示す。まず、補間注目座標R3の座標(ix,iy)に選択した補
間関数Fn(h,v)の原点を重ね合わせる。また選択する補間係数f(x,y)を以下のように定め
る。
f(x,y) = Fn(ix-x,iy-y)
ここで、f(x,y)を補間周辺画素R1に対応する座標(ixi-1,iyi-1)〜(ixi+2,iyi+2)について選択する。例えば、oagl=3, ix=3.8, iy=1.7であれば以下の式のようになる。
f(ixi,iyi) = F3(ix-ixi,iy-iyi)
= F3(-0.8,-0.7)
f(ixi+2,iyi-1) = F3(ix-(ixi+2),iy-(iyi-1))
= F3(1.2,-2.7)
【0036】
さらに、ステップS131で選択した補間関数に対応する補間係数fn(x,y)の他、角度
なしに対応する補間関数F0(h,v)から選択した補間係数f0(x,y)も同様にして選択する。これが、本発明の第2の補間係数に該当する。
ステップS133では、内挿演算部が、補間周辺画素R1(ipix(x,y))と補間係数fn(x,y)から畳み込み演算を行って角度性補間画素値(opix_a)を得る。演算は以下の式(4)による。
【数3】
また以下の式(5)の演算により、非角度性補間画素値(opix_0)を得る。
【数4】
ステップS134では、内挿演算部が、角度性補間画素値(opix_a)、非角度性補間画素値(opix_0)、再修正信頼度R12(olv)に基づいて補間画素R13(opix)を算出する。演
算は以下の式による。
opix = opix_a × olv + opix_0 × ( 1 - olv )
【0037】
以上説明した構成および方法にて解像度変換処理を実施することにより、角度検出部が検出したエッジ角度を多様度と最頻角に基づいて修正して誤検出を減らすことができる。これにより適切な補間係数を適用して補間が行われるので画像の劣化を少なくすることが可能になる。
【0038】
本実施例の装置によって角度を検出、修正および検証する例を示す。
【0039】
図22(a)〜(c)は画像に細い線画が含まれていたときの例である。角度検出部2による初期検出状態である図22(a)では、細線の一部で検出漏れが発生している。しかし、角度修正部によって図22(b)のように最頻角(右上−左下)に置き換えられる(多様度は境界値以下とする)。角度検証によっても支持されて最終的に(c)の出力を得
て細線のエッジ検出精度が向上する
【0040】
図23(a)〜(c)はランダムな模様に近い複雑な画像での例である。角度検出部2による初期検出状態である図23(a)では、各画素でばらばらの検出結果が得られている。しかし、図23(b)に示されるように、図13のステップS101〜ステップS105のフローに従い、多様度の検出によって注目点の信頼度が低く修正される。また周囲の信頼度も同様に修正されて最終的に図23(c)の出力を得て複雑画像における誤検出が低減される。
【0041】
図24(a)〜(c)は周期的な線画の中で発生する例である。角度検出部2による初期検出状態である図24(a)では、ところどころで誤検出が発生している。中央のエリアの角度は、まず図11のフローに従って 図24(b)のように修正される(多様度は
境界値以下とする)。しかし、角度検証部11の角度検証処理において同じ角度方向に角度の検出がないので支持されず、信頼度再修正部12によって信頼度が低く修正される。最終的には図24(c)の出力を得て孤立した誤判定の除去性能が向上する。
【0042】
本実施例において、補間関数F0〜F4は直線補間に基づく補間関数を例示したが、バイキュービック法などの高次関数を用いて画質を改善することも可能である。
【0043】
本実施例において、画像のエッジ角度を検出する方法としてテンプレートマッチングフィルタによる方法を例示したが、例示したテンプレートと異なるテンプレートを用いて角度を検出することも可能である。あるいは全く別の手段によって角度を検出する構成であっても本発明を実施することが可能である。
また、検出する角度の種類を増やして例えば8方向の角度を検出するシステムであっても本質的に同様の手順にて本発明を実施することが可能である。また、補間周辺画素や角度検出周辺画素の数を4×4=16個より多くして、角度検出や画素値算出の精度を向上させることができる。
【0044】
<実施例2>
本実施例では、角度検証部11の入力を、検出角度R22に基づく補間注目周辺角度R46ではなく、修正角度R8に基づいた周辺角度によって検証する構成について説明する。
【0045】
実施例2における装置の構成を図25のブロック図に示す。実施例1との相違点は周辺修正角度抽出部14を備えることにある。
周辺修正角度抽出部14は、修正角度R8を蓄積して修正角度R8周囲25点の修正角度を抽出する。抽出した周辺修正角度R14の構造は図3に示した補間注目周辺角度R46と同じである。
角度検証部11は修正角度R8と周辺修正角度R14に基づいて検証一致度R11を算出する。算出の方法は実施例1と同様である。
【0046】
実施例2では、修正された角度に基づいて検証を行うため、再修正信頼度R12の精度が向上する。
【符号の説明】
【0047】
2 角度検出部
3 座標演算部
6 最頻角検出部
7 多様度検出部
8 角度修正部
13 内挿演算部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の解像度を変換する装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の解像度を変換する際には、補間画素周辺の画像を解析してエッジ方向を検出し、その検出結果に応じて補間方法を選択する手法が知られている(特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−266918号公報
【特許文献2】特開2003−052023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述した従来の技術では、補間しようとする画像内容によってはエッジ方向を誤判別して間違った方向に基づく補間方法にて画像処理を行い、結果として出力される画像が劣化する場合があった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画素補間による解像度変換において、エッジ角度の誤検出を減らし、補間時の画像の劣化を少なくするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明は、入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換装置であって、入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する角度検出部と、前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する多様度検出部と、前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する最頻角検出部と、前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める角度修正部と、前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する演算部とを備える解像度変換装置を採用する。
【0007】
本発明は、また、入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換方法であって、入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する工程と、前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域
に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する工程と、前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する工程と、前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める工程と、前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する工程とを備える解像度変換方法を採用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画素補間による解像度変換において、エッジ角度の誤検出を減らし、補間時の画像の劣化を少なくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の解像度変換装置のブロック図。
【図2】補間周辺画素R1、角度検出周辺画素R21の概念図。
【図3】補間注目周辺角度R46の概念図。
【図4】補間注目周辺角度R46の例。
【図5】実施例1の処理全体のフローチャート。
【図6】補間注目座標R3の概念図。
【図7】角度検出処理のフローチャート。
【図8】角度検出用テンプレートの概念図。
【図9】角度検出周辺画素R21の例。
【図10】角度情報のコード割り当てを示す表。
【図11】角度修正処理のフローチャート。
【図12】最頻角信頼度算出処理のフローチャート。
【図13】信頼度修正処理のフローチャート。
【図14】角度検証処理のフローチャート。
【図15】角度検証処理に用いる一致マップの概念図。
【図16】角度検証処理での一致マップの計算例。
【図17】角度検証処理での検証パターン選択の概念図。
【図18】内挿演算処理のフローチャート。
【図19】補間関数の概念図。
【図20】補間関数F0の補間係数を示す概念図。
【図21】補間関数の補間係数選択の概念図。
【図22】画像に細い線画が含まれていたときの角度検出の例。
【図23】ランダムな模様に近い複雑な画像での角度検出の例。
【図24】周期的な線画の中での角度検出の例。
【図25】実施例2の解像度変換装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。以下の解像度変換装置は、入力画像の画素値に基づいて補間画素を生成し、画素数の異なる出力画像を得るものであり、入力画像と表示画面の解像度(画素数)が異なるときに使用される。解像度変換装置を単独の装置とすることもできるし、テレビジョン、STB(Set Top Box)等の放送受信装置、コンピュータに接続するディスプレイ装置など、動画像ある
いは静止画像を表示する機器に組み込んで用いることもできる。以下に記述する各ブロックは専用の回路を用いて構成しても良く、CPU上で動作するプログラムとして構成して
も良い。また、以下の解像度変換装置が行う各処理をコンピュータ用のプログラム等に実行させることにより、本発明を解像度変換方法として実現することができる。
【0011】
<実施例1>
以下、実施例1で用いられるデータの構造および各ブロックの機能について図面を参照しつつ説明する。本実施例の解像度変換装置の構成を図1のブロック図に示す。
【0012】
入力画像信号R100は、縦横の画素数(解像度)が(itx×ity)個で構成される入力画像を表す信号である。各画素の位置は左上を(0,0)、右上を(itx-1,0)、左下を(0,ity-1)
、右下を(itx-1,ity-1)とする入力座標系で表現できる。以下、入力座標系における座標(x,y)に存在する画素の画素値を、ipix(x,y)と表記する。
解像度変換後の出力画像は、縦横の画素数が(otx×oty)個で構成される。各画素の位置は左上を(0,0)、右上を(otx-1,0)、左下を(0,oty-1)、右下を(otx-1,oty-1)とする出力座標系で表現できる。出力画像に含まれる1つの画素である補間画素R13に注目し、画素値を決定しようとするとき、出力座標系における補間画素R13の座標を出力座標R33と呼ぶ。
【0013】
補間画素R13の画素値を求めて補間画素を生成するために、入力画像の中に、補間注目座標R3と補間周辺画素R1を想定する。補間注目座標R3とは、図6に示すように、補間画素の座標である出力座標R33を入力座標系に逆写像した座標を指す。右側の出力座標系で出力座標R33が(ox,oy)であるとき、左側の入力座標系への逆写像である補間
注目座標R3(ix,iy)との関係は以下の式で求められる。なお、ix,iyは実数である。
ix = ox × itx / otx
iy = oy × ity / oty
補間周辺画素R1は、入力画像中の複数の画素であり、補間注目座標R3に基づいて、その近傍から抽出される。補間周辺画素R1の構造を図2(a)に示す。(ix,iy)は補間注目座標R3である。ix,iyの整数部をそれぞれixi,iyiとおき、小数部をそれぞれixs, iysとおく。補間周辺画素R1は、入力座標系で(ixi-1,iyi-1)と(ixi+2,iyi+2)を対角とする、4×4=16画素で構成される。すなわち、補間注目座標を中心とする領域に存在する複数の画素である。補間周辺画素R1の各画素の画素値に基づいて、補間画素R13の画素値が求められる。
【0014】
画像メモリ1は不図示の画像入力手段より入力された入力画像信号R100を蓄える。また、画像メモリ1は、座標演算部3から補間注目座標R3を受け取り、それに基づいて補間周辺画素R1を抽出して出力する。また、画像メモリ1は、角度検出部2から角度検出注目座標R20(kx,ky)を受け取り、それに基づいて角度検出周辺画素R21を選択し
て出力する。角度検出周辺画素R21は、図2(b)に示すように、入力座標系において、角度検出注目座標の近傍に存在する、(kx-1,ky-1)と(kx+2,ky+2)を対角とする4×4=16個の画素で構成される。補間周辺画素R1と角度検出周辺画素R21は、4×4の選択された画素である点において同じである。角度検出注目座標R20とは、入力画像に含まれる画素であって、これから角度を検出しようとしているものの座標を指す。
【0015】
角度検出部2は、入力画像の画素ごとに角度検出注目座標R20を順に選択して画像メモリ1に出力し、画像メモリ1から角度検出周辺画素R21を受け取る。角度検出部2は、受け取った角度検出周辺画素R21を解析して検出角度R22と検出信頼度R23を検出し、検出角度メモリ4に出力する。ここで言う「角度」とは、角度検出周辺画素R21が含むエッジの角度のことである。また「信頼度」とは、角度検出周辺画素R21が検出エッジの角度を含むことの確からしさを表す値である。角度検出部2の動作の詳細は後述する。
【0016】
座標演算部3は出力座標R33を順に選択し、それに基づく補間注目座標R3を演算する。出力座標R33は、出力画像R13の左上から順に選択される。検出角度メモリ4は角度検出部2によって検出された検出角度R22とその検出信頼度R23を蓄える。また、検出角度メモリ4は、補間注目座標R3に基づいて、補間注目角度R48、補間注目周辺角度R46、補間注目信頼度R40、および補間注目周辺信頼度R49をそれぞれ抽出して出力する。補間注目角度R48および補間注目周辺角度R46の構造を図3に示す。補間注目座標R3(ix,iy)が含まれる、(ixi,iyi)と(ixi+1,iyi+1)を対角とする、網線で
示した1×1のエリアの検出角度R22が補間注目角度R48である。またその周辺の、(ixi-2,iyi-2)と(ixi+3,iyi+3)を対角とする、斜線で示した5×5のエリアの25個の検出角度R22が補間注目周辺角度R46である。同様に、(ixi,iyi)と(ixi+1,iyi+1)を対角とする、1×1のエリアの検出信頼度R23が補間注目信頼度R40である。その周辺の、(ixi-2,iyi-2)と(ixi+3,iyi+3)を対角とする5×5のエリアの25個の検出信頼度R23が補間注目周辺信頼度R49である。
【0017】
最頻角検出部6は、補間注目周辺角度R46に含まれる25個の角度のうち、最も多く出現した角度を選択し、最頻角R6として出力する。例えば補間注目周辺角度R46が図4に示した状態であれば、(右上−左下)の角度が6個、(上−下)が3個、(左−右)が2個、(左上−右下)が3個であるので、最頻角R6は(右上−左下)となる。
多様度検出部7は、補間注目周角度R46に含まれる25個の角度の中に出現した角度の種類の個数を求めて、その種類数を、多様度R7として出力する。例えば補間注目周辺角度R46が図4に示した状態であった場合、(上−下)、(左−右)、(右上−左下)、(左上−右下)の4種類の角度が含まれているので多様度R7は4となる。この多様度は、値が大きい場合、5×5エリアの画像の特性を一様に決定するのが困難であると言えるので、エッジ強調効果などが相対的に小さい補間を行うように(等方的な補間係数を重視するように)後の工程で作用する。一方、多様度が小さいということは、エリアの特性がある程度明確ということなので、補間の方針が立てやすく、信頼度を高めて補間の効果を大きくする方向に(エッジ強調効果のある補間係数を重視する方向に)後の工程で作用する。
【0018】
角度修正部8は最頻角R6と多様度R7に基づいて補間注目角度R48を修正し、修正角度R8を出力する。修正の基本方針は、多様度が小さく、かつ補間注目角度R48と最頻角R6が異なる場合は、角度を誤検出した可能性が高いので最頻角R6で置き換えることにある。角度修正方法の詳細は後述する。
最頻角信頼度算出部9は最頻角R6、補間注目周辺角度R46、補間注目周辺信頼度R49に基づいて最頻角信頼度R9を算出する。最頻角信頼度とは、補間注目周辺信頼度の和を、最頻角と補間注目周辺角度の一致数で除算した値である。従って、一致数が多いほど、最頻角信頼度は小さくなる。最頻角信頼度R9の算出方法の詳細は後述する。
信頼度修正部10は、修正角度R8、最頻角R6、多様度R7、最頻角信頼度R9に基づいて補間注目信頼度R40を修正し、修正信頼度R10を出力する。修正の基本方針は、多様度が小さく、かつ修正角度R8と最頻角R6が異なる場合は、修正信頼度R10として最頻角信頼度を用いる点にある。一方、多様度が大きい場合、多様度修正係数を用いて修正信頼度を求めるが、標準的な処理では信頼度を下げるような方向になる。信頼度修正の方法の詳細は後述する。
【0019】
角度検証部11は補間注目周辺角度R46を参照して修正角度R8の検証を行い、検証一致係数R11を出力する。検証一致係数とは、要するに、修正角度R8を延長した方向における補間注目周辺角度が、当該修正角度R8と一致している度合いを表す値である。角度検証方法の詳細は後述する。
信頼度再修正部12は検証一致係数R11に基づいて修正信頼度R10を再修正し、再修正信頼度R12を出力する。検証一致係数が大きいほど、信頼性を高める方向に作用す
る。再修正方法の詳細は後述する。
内挿演算部13は、補間周辺画素R1、補間注目座標R3、出力座標R33、修正角度R8、再修正信頼度R12に基づいて内挿演算を行い、補間画素R13を生成、出力する。内挿演算方法の詳細については後述する。
また、不図示の制御部が装置全体の動作の制御を行う。
【0020】
実施例1における解像度変換処理の全体的なフローチャートを図5に示す。
ステップS1では、不図示の制御部が、不図示の画像入力手段から入力された画像信号を画像メモリ1に格納する。
ステップS2では、角度検出部2が、画像メモリ1に蓄積された画像の入力画素を順に選択して、検出角度R22とその信頼度である検出信頼度R23を画素ごとに算出し、検出角度メモリ4に格納する。角度検出の動作の詳細は後述する。
ステップS3では、座標演算部3が、出力座標R33を左上から順に選択する。
ステップS4では、座標演算部3が、図6に示すように、出力座標R33に対する補間注目座標R3の算出を行う。
ステップS5では、検出角度メモリ4が、算出された補間注目座標R3に基づいて補間注目角度R48および補間注目周辺角度R46を抽出する。ここで、検出角度は入力画素ごとに求められているので(ステップS2)、補間注目座標と入力画素の関連付けをする必要がある。本フローでは、図3に示すように、補間注目座標R3(ix,iy)には入力座標
系で(ixi,iyi)の位置にある入力画素が対応するものとし、その入力画素について求めた
検出角度を補間注目角度R48とする。同様に、入力座標系で(ixi-2,iyi-2)〜(ixi+2,iyi+2)の位置にある25個の入力画素について求めた検出角度を、補間注目周辺角度R46とする。
【0021】
ステップS6では、最頻角検出部6が、補間注目周辺角度R46に含まれる25の角度のうち、最も多く出現した角度を選択し、最頻角R6として出力する。
ステップS7では、多様度検出部7が、補間注目周角度R46に含まれる25の角度の中に出現した角度の種類を数えて、多様度R7として出力する。
ステップS8では、角度修正部8が、最頻角R6と多様度R7に基づいて補間注目角度R48を修正し、修正角度R8を出力する。角度修正方法の詳細は後述する。
ステップS9では、検出角度メモリ4が、補間注目座標R3に基づいて補間注目信頼度R40および補間注目周辺信頼度R49を抽出する。補間注目信頼度とは、補間注目角度R48とセットになる信頼度であり、図3で言えば入力座標(ixi,iyi)について求めた検
出信頼度に相当する。同様に補間注目周辺信頼度とは、補間注目周辺角度R46のそれぞれとセットになる信頼度である。
ステップS10では、最頻角信頼度算出部9が、最頻角R6、補間注目周辺角度R46、補間注目周辺信頼度R49に基づいて最頻角信頼度R9を算出する。最頻角信頼度R9の算出方法の詳細は後述する。
ステップS11では、信頼度修正部10が、修正角度R8、最頻角R6、多様度R7、最頻角信頼度R9に基づいて補間注目信頼度R40を修正し、修正信頼度R10を出力する。信頼度修正の方法の詳細は後述する。
【0022】
ステップS12では、角度検証部11が、補間注目周辺角度R46を参照して修正角度R8の検証を行い、検証一致係数R11を出力する。角度検証方法の詳細は後述する。
ステップS13では、信頼度再修正部12が、検証一致係数R11に基づいて修正信頼度R10を再修正し、再修正信頼度R12を出力する。再修正方法の詳細は後述する。
ステップS14では、画像メモリ1が、補間注目座標R3に基づいて補間周辺画素R1を抽出する。
ステップS15では、内挿演算部13が、補間周辺画素R1、補間注目座標R3、出力座標R33、修正角度R8、再修正信頼度R12に基づいて内挿演算を行い、補間画素R
13を出力する。内挿演算方法の詳細については後述する。
ステップS16では、不図示の制御部が、全ての出力画素を選択し終えたか否かを判定する。未処理の出力画素があればステップS3に戻って次の出力画素についての処理を行う。全ての出力画素について処理が完了していれば、解像度変換処理を終了する。
【0023】
次に、各部の詳細な動作を説明する。
【0024】
角度検出部2における角度検出処理の動作のフローチャートを図7に示す。
ステップS21では、角度検出部が、角度を検出するための部分画像を抽出する。画素数が(itx×ity)個の入力画像において、まず角度検出注目座標R20(kx,ky)を左上から
順に選択し、図2(b)に示すように4×4の角度検出周辺画素R21を抽出する。
ステップS22では、角度検出部が、テンプレートマッチング処理を行う。用いるテンプレートの構造を図8に示す。図8(a)は垂直テンプレートであり、丸数字の中に書かれた「−1」または「+1」が、座標(x,y)での係数TV(x,y)である。図8(b)は水平テンプレートであり、座標(x,y)での係数TH(x,y)が書かれている。ここで、垂直適合度mvと水平適合度mhをそれぞれ式(1)および式(2)により算出する。
【数1】
例えば、角度検出周辺画素R21が図9に示すような45度のエッジの部分画像であった場合、mv=4, mh=-4となる。
【0025】
ステップS23では、角度検出部が、得られた垂直適合度mvと水平適合度mhから部分画像のエッジ方向を算出する。角度検出注目座標R20におけるエッジ角度(θ)は以下の式にて求められる。
θ = tan-1(mv/mh)
このとき、得られた角度の信頼度(lv)を次の式(3)により求めて、検出信頼度R23とする。
【数2】
ここで、得られたエッジ角度を以下の条件で符号化して検出角度R22(agl)を決定す
る。
0 ≦ θ < π/8 … agl = 1
π/8 ≦ θ < 3π/8 … agl = 2
3π/8 ≦ θ < 5π/8 … agl = 3
5π/8 ≦ θ < 7π/8 … agl = 4
7π/8 ≦ θ < 9π/8 … agl = 1
9π/8 ≦ θ < 11π/8 … agl = 2
11π/8 ≦ θ < 13π/8 … agl = 3
13π/8 ≦ θ < 15π/8 … agl = 4
15π/8 ≦ θ < 2π … agl = 1
ただし、以下の条件が成立する場合はこちらが優先される。
lv < mth … agl = 0
mthは角度の検出感度として用いられる所定の値である。値を小さくすると感度が良くな
り、ぼやけたエッジでも角度を検出できるようになる。値を大きくすると感度が悪くなり、誤判定を軽減することができるようになる。これにより、検出角度R22として図10で示したようにコード化された角度情報が得られる。
【0026】
ステップS24では、角度検出部が、得られた検出角度R22と検出信頼度R23を検出角度メモリ4に蓄積する。
ステップS25では、角度検出部が、全ての入力画素について角度が検出されたか否かを判定する。未処理の画素が残っていればステップS21に戻って次の画素の処理を行う。全ての画素について処理が完了していれば、角度検出処理を終了する。
【0027】
角度修正部8における角度修正処理のフローチャートを図11に示す。
ステップS81では、角度修正部が、多様度R7(dvr)と、予め定められた多様度境界
値(不図示)(dvr_th)との比較を行う。ここで、dvr > dvr_th であればステップS84
へ進む。そうでなければステップS82へ進む。
ステップS82では、角度修正部が、補間注目角度R48(iagl)と最頻角R6(mjr)と
の比較を行う。ここで、iagl≠mjrであればステップS83へ進む。そうでなければステ
ップS84へ進む。
ステップS83では、角度修正部が、修正角度R8(oagl)として最頻角R6(mjr)を選
択する。
ステップS84では、角度修正部が、修正角度R8(oagl)として補間注目角度R48(iagl)を選択する。
【0028】
最頻角信頼度算出部9における最頻角信頼度算出処理のフローチャートを図12に示す。制御変数(x,y)は補間注目周辺角度R46の25個のエリアのうち1つを特定するため
に用いられ、(0,0)〜(4,4)の範囲で変動する。
ステップS91では、最頻角信頼度検出部が、信頼度和(S)、一致数(C)、制御変数yを
初期化する。
ステップS92では、最頻角信頼度検出部が、制御変数xを初期化する。
ステップS93では、最頻角信頼度検出部が、最頻角R6(mjr)と制御変数x,yが示す補間注目周辺角度R46(iagl_a(x,y))を比較する。一致すればステップS94へ進む。一
致しなければステップS95へ進む。
ステップS94では、最頻角信頼度検出部が、一致数(C)を1増やす。また信頼度和(S)に制御変数x,yが示す補間注目周辺信頼度R49(ilv_a(x,y))を加える。
ステップS95では、最頻角信頼度検出部が、制御変数xに1を加える。
ステップS96では、最頻角信頼度検出部が、制御変数xの値を判断する。制御変数xが4以下であればステップS93に戻り、1つ右の補間注目周辺角度について検討する。そうでなければステップS97へ進む。
ステップS97では、最頻角信頼度検出部が、制御変数yに1を加える。
ステップS98では、最頻角信頼度検出部が、制御変数yの値を判断する。制御変数yが4以下であればステップS92に戻り、1行下の補間注目周辺角度について検討する。そうでなければステップS99へ進む。
ステップS99では、信頼度和(S)を一致数(C)で割って最頻角信頼度R9(mjlv)とする。
【0029】
信頼度修正部10における信頼度修正処理のフローチャートを図13に示す。
ステップS101では、信頼度修正部が、多様度R7(dvr)と、予め定められた多様度
境界値(不図示)(dvr_th)との比較を行う。ここで、dvr > dvr_th であればステップS
105へ進む。そうでなければステップS102へ進む。
ステップS102では、信頼度修正部が、修正角度R8(oagl)と最頻角R6(mjr)との
比較を行う。ここで、oagl≠mjrであればステップS103へ進む。そうでなければステ
ップS104へ進む。
ステップS103では、信頼度修正部が、修正信頼度R10(mdlv)として最頻角信頼度R9(mjlv)を選択する。
ステップS104では、信頼度修正部が、修正信頼度R10(mdlv)として補間注目信頼度R40(ilv)を選択する。
ステップS105では、信頼度修正部が、修正信頼度R10(mdlv)として、補間注目信頼度R40(ilv) ×多様度修正係数(dvr_lv)を選択する。多様度修正係数(dvr_lv)の標準的な所定の値は1/2である。この値を小さくすると角度誤検出を多様度によって排除する
度合いが高くなる。大きくするとその逆である。
【0030】
以上説明したように、画像の複雑度が増すと多様度R7の値が大きくなり、多様度境界値(dvr_th)を超えると補間注目信頼度R40(ilv)を下げるように制御を行う。多様度境
界値(dvr_th)は、大きくすると複雑な画像で角度の検出感度が上がる。また小さくすると、誤検出を軽減することができる。
【0031】
角度検証部11における、角度検証処理のフローチャートを図14に示す。
ステップS111では、角度検証部が、一致マップを作成する。一致マップの概念図を図15に示す。補間注目周辺角度R46に含まれる各周辺角度iagl_a(x,y)と修正角度R
8(oagl)を比較して一致するか否かの一致フラグをマップ化する。一致フラグjdg(x,y)の算出方法は以下の式のとおりである。
jdg(x,y) = 0 : iagl_a(x,y) ≠ oagl(ixi,iyi)
jdg(x,y) = 1 : iagl_a(x,y) = oagl(ixi,iyi)
【0032】
一致マップの計算例を図16に示す。図16(a)は補間注目周辺角度R46の模式図で中央の網部は修正角度R8である。図16(b)は一致マップの算出結果である。例えば、iagl_a(ixi-2,iyi-2)の角度とoagl(ixi,iyi)の角度は異なるのでjgd(ixi-2,iyi-2)は0となる。また、iagl_a(ixi-1,iyi-1)の角度とoagl(ixi,iyi)の角度は同じなのでjgd(ixi-2,iyi-2)は1となる。
ステップS112では、角度検証部が、検証パターンの選択を行う。検証パターン選択の概念図を図17に示す。修正角度R8(oagl)に応じて一致マップから4点の一致フラグを選択する。ここでは、修正角度R8が(右上−左下)の方向であることから、図17(d)に黒マスで示した4点が選択される。
ステップS113では、角度検証部が、選択した検証パターンに従って検証一致度R11(oagl_lv)を算出する。検証一致度R11(oagl_lv)は検証パターンに含まれる一致フラグの値の平均値とする。例えば図16の場合だと、以下の式のように求められる。
oagl_lv = { jdg(ixi-2,iyi+2) + jdg(ixi-1,iyi+1) + jdg(ixi+1,iyi-1) + jdg(ixi+2,iyi-2) } /4 = 0.5
【0033】
信頼度再修正部12は、再修正信頼度R12(olv)を、修正信頼度R10(mdlv)、検証
一致係数R11(oagl_lv)に基づいて以下の式にて算出する。
olv = mdlv × oagl_lv
【0034】
以上説明したように、修正角度R8の示す角度と補間注目周辺角度R46の示す周辺の検出角度との相関を検証し、相関が低ければエッジ角度の信頼度を下げるように制御を行う。
【0035】
内挿演算部13における内挿演算処理のフローチャートを図18に示す。
ステップS131では、内挿演算部が、補間に用いる補間関数の選択を行う。図19(a)〜(e)に補間関数の例を示す。図19(a)は方向性を持たない補間関数である。図19(b)〜(e)は、修正角度R8(oagl)に応じて選択される補間関数である。例えば修正角度R8(oagl)の値が2(左上−右下)であれば、補間関数として図19(c)のF2(h,v)が選択される。
補間関数に用いる2次元関数の概念図を図20に示す。補間関数F0の軸断面は図に示したようになっており、関数全体が円錐状の形となっている。同様に、F1〜F4の補間関数は対応するエッジ方向に扁平な楕円錐型の関数である。ここでは適用される補間係数は0〜1の範囲となる。
ステップS132では、内挿演算部が、補間注目座標R3に基づいて、選択した補間関数Fn(h,v)から補間係数を選択する。これが、本発明の第1の補間係数に該当する。補間
係数選択の概念図を図21に示す。まず、補間注目座標R3の座標(ix,iy)に選択した補
間関数Fn(h,v)の原点を重ね合わせる。また選択する補間係数f(x,y)を以下のように定め
る。
f(x,y) = Fn(ix-x,iy-y)
ここで、f(x,y)を補間周辺画素R1に対応する座標(ixi-1,iyi-1)〜(ixi+2,iyi+2)について選択する。例えば、oagl=3, ix=3.8, iy=1.7であれば以下の式のようになる。
f(ixi,iyi) = F3(ix-ixi,iy-iyi)
= F3(-0.8,-0.7)
f(ixi+2,iyi-1) = F3(ix-(ixi+2),iy-(iyi-1))
= F3(1.2,-2.7)
【0036】
さらに、ステップS131で選択した補間関数に対応する補間係数fn(x,y)の他、角度
なしに対応する補間関数F0(h,v)から選択した補間係数f0(x,y)も同様にして選択する。これが、本発明の第2の補間係数に該当する。
ステップS133では、内挿演算部が、補間周辺画素R1(ipix(x,y))と補間係数fn(x,y)から畳み込み演算を行って角度性補間画素値(opix_a)を得る。演算は以下の式(4)による。
【数3】
また以下の式(5)の演算により、非角度性補間画素値(opix_0)を得る。
【数4】
ステップS134では、内挿演算部が、角度性補間画素値(opix_a)、非角度性補間画素値(opix_0)、再修正信頼度R12(olv)に基づいて補間画素R13(opix)を算出する。演
算は以下の式による。
opix = opix_a × olv + opix_0 × ( 1 - olv )
【0037】
以上説明した構成および方法にて解像度変換処理を実施することにより、角度検出部が検出したエッジ角度を多様度と最頻角に基づいて修正して誤検出を減らすことができる。これにより適切な補間係数を適用して補間が行われるので画像の劣化を少なくすることが可能になる。
【0038】
本実施例の装置によって角度を検出、修正および検証する例を示す。
【0039】
図22(a)〜(c)は画像に細い線画が含まれていたときの例である。角度検出部2による初期検出状態である図22(a)では、細線の一部で検出漏れが発生している。しかし、角度修正部によって図22(b)のように最頻角(右上−左下)に置き換えられる(多様度は境界値以下とする)。角度検証によっても支持されて最終的に(c)の出力を得
て細線のエッジ検出精度が向上する
【0040】
図23(a)〜(c)はランダムな模様に近い複雑な画像での例である。角度検出部2による初期検出状態である図23(a)では、各画素でばらばらの検出結果が得られている。しかし、図23(b)に示されるように、図13のステップS101〜ステップS105のフローに従い、多様度の検出によって注目点の信頼度が低く修正される。また周囲の信頼度も同様に修正されて最終的に図23(c)の出力を得て複雑画像における誤検出が低減される。
【0041】
図24(a)〜(c)は周期的な線画の中で発生する例である。角度検出部2による初期検出状態である図24(a)では、ところどころで誤検出が発生している。中央のエリアの角度は、まず図11のフローに従って 図24(b)のように修正される(多様度は
境界値以下とする)。しかし、角度検証部11の角度検証処理において同じ角度方向に角度の検出がないので支持されず、信頼度再修正部12によって信頼度が低く修正される。最終的には図24(c)の出力を得て孤立した誤判定の除去性能が向上する。
【0042】
本実施例において、補間関数F0〜F4は直線補間に基づく補間関数を例示したが、バイキュービック法などの高次関数を用いて画質を改善することも可能である。
【0043】
本実施例において、画像のエッジ角度を検出する方法としてテンプレートマッチングフィルタによる方法を例示したが、例示したテンプレートと異なるテンプレートを用いて角度を検出することも可能である。あるいは全く別の手段によって角度を検出する構成であっても本発明を実施することが可能である。
また、検出する角度の種類を増やして例えば8方向の角度を検出するシステムであっても本質的に同様の手順にて本発明を実施することが可能である。また、補間周辺画素や角度検出周辺画素の数を4×4=16個より多くして、角度検出や画素値算出の精度を向上させることができる。
【0044】
<実施例2>
本実施例では、角度検証部11の入力を、検出角度R22に基づく補間注目周辺角度R46ではなく、修正角度R8に基づいた周辺角度によって検証する構成について説明する。
【0045】
実施例2における装置の構成を図25のブロック図に示す。実施例1との相違点は周辺修正角度抽出部14を備えることにある。
周辺修正角度抽出部14は、修正角度R8を蓄積して修正角度R8周囲25点の修正角度を抽出する。抽出した周辺修正角度R14の構造は図3に示した補間注目周辺角度R46と同じである。
角度検証部11は修正角度R8と周辺修正角度R14に基づいて検証一致度R11を算出する。算出の方法は実施例1と同様である。
【0046】
実施例2では、修正された角度に基づいて検証を行うため、再修正信頼度R12の精度が向上する。
【符号の説明】
【0047】
2 角度検出部
3 座標演算部
6 最頻角検出部
7 多様度検出部
8 角度修正部
13 内挿演算部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換装置であって、
入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する角度検出部と、
前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する多様度検出部と、
前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する最頻角検出部と、
前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める角度修正部と、
前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する演算部と、
を備える解像度変換装置。
【請求項2】
前記角度修正部は、前記多様度が所定の値より小さく、かつ、前記検出角度と前記最頻角が異なっていれば、修正角度として前記最頻角を使用する
請求項1に記載の解像度変換装置。
【請求項3】
前記最頻角の信頼度を求める最頻角信頼度検出部と、
前記多様度と前記最頻角の信頼度を用いて検出信頼度を修正し、修正信頼度を求める信頼度修正部と、
をさらに備え、
前記演算部は、前記検出信頼度に替えて前記修正信頼度を使用して補間画素の画素値を算出する
請求項1または2に記載の解像度変換装置。
【請求項4】
前記多様度検出部は、前記補間注目周辺角度を検出した領域にエッジが含まれることの確からしさである補間注目周辺信頼度をさらに検出し、
前記最頻角信頼度検出部は、前記補間注目周辺信頼度の和を、前記最頻角と前記補間注目周辺角度が一致した数で除算して、前記最頻角の信頼度を求め、
前記信頼度修正部は、前記多様度が所定の値より小さく、かつ、前記検出角度と前記最頻角が異なっていれば、修正信頼度として前記最頻角の信頼度を使用する
請求項3に記載の解像度変換装置。
【請求項5】
前記修正角度と、前記補間注目周辺角度のうち前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向に存在するものとを比較し、一致数を求める角度検証部と、
前記一致数に基づいて前記修正信頼度をさらに修正し、再修正信頼度を求める信頼度再修正部と、
をさらに備え、
前記演算部は、前記修正信頼度に替えて前記再修正信頼度を使用して補間画素の画素値を算出する
請求項3または4に記載の解像度変換装置。
【請求項6】
前記角度検証部は、前記修正角度と、前記修正角度の方向に存在する補間注目周辺角度に対応する入力画素について求められた修正角度とを比較することにより、前記一致数を求める
請求項5に記載の解像度変換装置。
【請求項7】
入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換方法であって、
入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する工程と、
前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する工程と、
前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する工程と、
前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める工程と、
前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する工程と、
を有する解像度変換方法。
【請求項1】
入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換装置であって、
入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する角度検出部と、
前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する多様度検出部と、
前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する最頻角検出部と、
前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める角度修正部と、
前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する演算部と、
を備える解像度変換装置。
【請求項2】
前記角度修正部は、前記多様度が所定の値より小さく、かつ、前記検出角度と前記最頻角が異なっていれば、修正角度として前記最頻角を使用する
請求項1に記載の解像度変換装置。
【請求項3】
前記最頻角の信頼度を求める最頻角信頼度検出部と、
前記多様度と前記最頻角の信頼度を用いて検出信頼度を修正し、修正信頼度を求める信頼度修正部と、
をさらに備え、
前記演算部は、前記検出信頼度に替えて前記修正信頼度を使用して補間画素の画素値を算出する
請求項1または2に記載の解像度変換装置。
【請求項4】
前記多様度検出部は、前記補間注目周辺角度を検出した領域にエッジが含まれることの確からしさである補間注目周辺信頼度をさらに検出し、
前記最頻角信頼度検出部は、前記補間注目周辺信頼度の和を、前記最頻角と前記補間注目周辺角度が一致した数で除算して、前記最頻角の信頼度を求め、
前記信頼度修正部は、前記多様度が所定の値より小さく、かつ、前記検出角度と前記最頻角が異なっていれば、修正信頼度として前記最頻角の信頼度を使用する
請求項3に記載の解像度変換装置。
【請求項5】
前記修正角度と、前記補間注目周辺角度のうち前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向に存在するものとを比較し、一致数を求める角度検証部と、
前記一致数に基づいて前記修正信頼度をさらに修正し、再修正信頼度を求める信頼度再修正部と、
をさらに備え、
前記演算部は、前記修正信頼度に替えて前記再修正信頼度を使用して補間画素の画素値を算出する
請求項3または4に記載の解像度変換装置。
【請求項6】
前記角度検証部は、前記修正角度と、前記修正角度の方向に存在する補間注目周辺角度に対応する入力画素について求められた修正角度とを比較することにより、前記一致数を求める
請求項5に記載の解像度変換装置。
【請求項7】
入力画像に含まれる入力画素の画素値に基づいて補間画素を生成し、前記入力画像とは解像度の異なる出力画像を作成する解像度変換方法であって、
入力画像において補間画素に対応する補間注目座標の近傍に存在する複数の入力画素である補間周辺画素を抽出し、前記補間周辺画素に含まれるエッジの角度である検出角度、および、前記補間周辺画素が前記エッジを含むことの信頼度を示す検出信頼度を検出する工程と、
前記補間周辺画素を構成する入力画素のそれぞれについて、当該入力画素を中心とする領域に含まれるエッジの角度である補間注目周辺角度を検出し、当該補間注目周辺角度の種類数である多様度を検出する工程と、
前記補間注目周辺角度のうち、最も個数の多い角度を最頻角として検出する工程と、
前記多様度と前記最頻角を用いて前記補間注目座標の検出角度を修正して修正角度を求める工程と、
前記補間周辺画素のそれぞれについて、前記補間注目座標から見て前記修正角度の方向にある補間周辺画素に適用される値が大きくなるような第1の補間係数と、前記修正角度の方向に関わりなく値が定まる第2の補間係数を決定し、前記検出信頼度が大きいほど前記第1の補間係数が前記第2の補間係数より大きくなるように重みづけを行い、前記第1の補間係数、前記第2の補間係数および前記補間周辺画素の画素値に基づいて前記補間画素の画素値を算出する工程と、
を有する解像度変換方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−28640(P2011−28640A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175543(P2009−175543)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]