説明

解剖学的構造の統計モデルに基づく撮像データのマルチモダリティ融合のためのシステム

心室心外膜位置合わせ方法が三つの段階を含む。第一段階(P62)は、心臓(10)の心室心外膜の超音波画像(41)内で不可視の一つまたは複数の解剖学的特徴を同定する。第二段階(P61)は、心臓の心室心外膜のX線画像(31)内で可視の前記解剖学的特徴を表現する。第三段階(P63)は、超音波画像(41)内の不可視の解剖学的構造の表現およびX線画像(31)内で可視の解剖学的特徴の同定に基づいて、心臓の心室心外膜の超音波画像(41)とX線画像(31)を位置合わせする。解剖学的特徴の例は、これに限られないが、心外膜表面(11、12)および冠状静脈洞(13)の一部または全体が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願人は、2007年12月18日に出願された米国仮出願第61/014,451号の利益を主張する。関連出願は、2007年12月18日に出願された米国仮出願第61/014,451号および2008年9月24日に出願された米国仮出願第61/099637号である。
【0002】
本発明は、心臓の心室心外膜のX線および超音波画像内の解剖学的特徴(たとえば心外膜表面および目印)に基づく心臓三次元X線および超音波情報を統合する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
心臓介入を受ける患者は典型的にはきわめて脆弱で、心不全状態にある。そうした患者は、たとえば心室造影のような手順に典型的である大容量の造影剤注入に耐えられないこともしばしばである。これらのシナリオのいくつかでは、心室造影を必要とするマルチモード画像ベースの位置合わせは倫理的に実行できない。
【0004】
たとえば、心臓再同期療法は右および左の心臓チャンバ内に両心室ペースメーカーのリード線を埋め込むことに依拠する。心臓収縮を同期させるため、左心室リード位置は、最大の機械的遅延の領域内に電極先端を位置させるよう冠静脈解剖学的構造内で操作される。回転静脈造影図から導かれる三次元静脈モデルが、医師がリード案内のために有望な静脈分枝を特定するのを助ける。一方、三次元超音波撮像に基づく同期不全評価は電極先端配置のための目標位置を特定するのを助ける。X線および超音波からの情報を効果的に利用するため、X線画像と超音波画像の間の位置合わせ(すなわち空間的整合)が計算される必要がある。X線画像と超音波画像を位置合わせするための一つの心内膜画像技術は、心室造影に基づくLV〔左心室〕チャンバ解剖学的構造を、超音波で撮像された同じチャンバと組み合わせて位置合わせのために使う。しかしながら、心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy)を受ける患者は典型的にはきわめて脆弱であり心不全状態にあり、したがって、心室造影のような手順に一般に必要とされる大容量の造影剤注入に耐えられないこともしばしばである。したがって、X線画像と超音波画像の、心室造影に基づく位置合わせは、心機能および腎機能が貧弱なCRT患者にとっては問題である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Elco Oost et al.、"Automated contour detection in X-ray left ventricular angiograms using multiview active appearance models and dynamic programming"、IEEE Trans Med Imaging September 2006,
【非特許文献2】Alison Noble et al.、"Ultrasound image segmentation: a survey"、IEEE Trans Med Imaging, August 2006
【非特許文献3】Audette et al.、Medical Image Analysis, 2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の手法は、心室造影を完全に回避し、患者が大容量の造影剤による造影に耐えられない状況においてより臨床的に有望である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの形は、心室心外膜位置合わせ方法であって、(1)心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の一つまたは複数の解剖学的特徴の表現、(2)心臓の心室心外膜のX線画像内で可視の解剖学的特徴(一つまたは複数)の同定および(3)超音波画像内の不可視の解剖学的構造(一つまたは複数)の表現およびX線画像内で可視の解剖学的特徴(一つまたは複数)の同定に基づく、心室心外膜の超音波画像およびX線画像の位置合わせ、に関わる。解剖学的特徴の例としては、これに限られないが、心外膜表面および冠状静脈洞の一部または全体が含まれる。
【0008】
本発明の第二の形は、プロセッサおよび該プロセッサと通信するメモリを有するマルチモダリティ位置合わせシステムであって、メモリはプロセッサによって、(1)心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の一つまたは複数の解剖学的特徴を表現し、(2)心臓の心室心外膜のX線画像内で可視の解剖学的特徴(一つまたは複数)を同定し、(3)超音波画像内の不可視の解剖学的構造(一つまたは複数)の表現およびX線画像内で可視の解剖学的特徴(一つまたは複数)の同定に基づく、心臓の心室心外膜の超音波画像およびX線画像を位置合わせする、よう実行可能なプログラミング命令を記憶する。
【0009】
本発明の上記の形および他の形ならびに本発明のさまざまな特徴および利点は、付属の図面との関連で読まれる本発明のさまざまな実施形態の以下の詳細な説明から明白になるであろう。詳細な説明および図面は単に本発明を例解するものであって限定するものではなく、本発明の範囲は付属の請求項およびその等価物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に基づく統合された心外膜殻/冠静脈モデルの例示的な実施形態を示す図である。
【図2】X線および超音波データセットの例示的な位置合わせを示す図である。
【図3】本発明に基づく心室心外膜位置合わせ方法を実装するための本発明に基づくさまざまなシステムのブロック図を示す図である。
【図4】本発明に基づく心室心外膜位置合わせ方法の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【図5】本発明に基づく超音波撮像段階の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【図6】本発明に基づくX線撮像段階の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【図7】本発明に基づく撮像位置合わせ段階の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【図8】本発明に基づく統計モデル生成/マッピング方法の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【図9】本発明に基づく例示的な統計モデル生成およびマッピングを示す図である。
【図10】本発明に基づく例示的な撮像位置合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、心臓の左および/または右の心室心内膜表面の輪郭特定のために心室造影を使う代わりに、心臓の左心室および/または右心室の位置特定のために心室心外膜を使ってもよいという認識を前提としている。具体的には、心室心外膜のX線画像が自動的、半自動的または手動でセグメント化されて表面モデルを生成することができる。その表面モデル上に、X線画像によって視覚化された有望な解剖学的特徴の位置を注釈付けできる。さらに、三次元超音波については、大体積撮像が可能にされることができる、あるいは複数のより小さな体積が心室心外膜全体の形を捉えるよう融合されることができる。これにより、有望な解剖学的構造がしばしば拡大され、可能性としては超音波撮像において可視となる。もし超音波画像において可視であれば、解剖学的特徴の位置は自動的、半自動的または手動で超音波画像上に注釈付けされることができる。
【0012】
上述したように、本発明のX線/超音波統合戦略は、共有される特徴の位置合わせに基づく。たとえば、図2に示されるように、超音波データから同定された右心室(RV: right-ventricular)リード先端位置25および冠静脈中心線位置26が、回転X線から導かれた冠静脈モデル中心線の位置に合致するよう変換された。場合によっては、これらの特徴は超音波データにおいて容易に識別できないことがありうる。本発明はさらに、不可視の解剖学的特徴の、得られた超音波データにおいて可視の他の特徴に対する位置について三次元確率マップを定義するために統計的モデルを導出し、使用することを前提とする。具体的には、関心のある解剖学的構造の統計的モデルは、心臓コンピュータ・トポグラフィー・データセットのライブラリから導出されうる。各統計的モデルは超音波空間における同じ特徴の位置を推定し、推定された特徴位置をX線データセットにおいて可視である実際の特徴位置に変換する位置合わせを実行するために使われる。この工程後、超音波データには位置合わせのために使われる実際の解剖学的構造がないにもかかわらず、超音波およびX線データの成功裏の融合が達成されている。
【0013】
たとえば、図1を参照すると、心臓10の心室心外膜のX線画像がセグメント化されて、表面モデルを生成することができる。この表面モデル上に、X線画像によって心臓10の後方ビューにおいて視覚化される心臓10の左心室の心外膜表面11の位置、心臓10の右心室の心外膜表面12の位置および/または冠状静脈洞13の位置が注釈付けされることができる。さらに、三次元超音波については、大体積撮像が可能にされることができる、あるいは複数のより小さな体積が心臓10の心室心外膜全体の形を捉えるよう融合されることができる。これにより、冠状静脈洞13は超音波撮像では不可視であるが、本発明の統計的モデル化によって表現されることができる。よって、心臓10の左心室の心外膜表面11の位置、心臓10の右心室の心外膜表面12の位置および/または冠状静脈洞13の位置が、自動的、半自動的または手動で超音波画像上に注釈付けされることができる。
【0014】
本発明の最終結果は、外科的目的のための心外膜表面/冠静脈統合、たとえば図1に示される統合された心外膜表面/冠静脈統合20を得るための超音波画像とX線画像の位置合わせである。この例において、統合20は心内膜表面21を含み、表面21から離れた冠状静脈洞22ならびに表面21に関係する目印〔ランドマーク〕23および24(たとえばカテーテル先端)をもつ。
【0015】
本発明のさらなる理解を容易にするために、図3は、X線システム30、超音波システム40ならびにプロセッサ51およびメモリ51を有する新しい独特なマルチモダリティ位置合わせシステム50を示している。メモリ51は、図4に示されるフローチャート60によって表される心室心外膜位置合わせ方法を実装するためのプロセッサ51によって実行可能な命令を記憶している。
【0016】
図3を参照するに、X線システム30は、脈管撮像心臓10についてのX線画像31を生成し、X線画像31を表すX線撮像データ32をシステム50に通信するよう構造的に構成された任意のX線システムである。相補的に、超音波システム40は、心臓10の全体積三次元または複数体積三次元超音波撮像の三次元超音波画像41を生成し、超音波画像41を表す超音波撮像データ42をシステム50に通信するよう構造的に構成された任意の超音波システムである。マルチモダリティ位置合わせシステム50は、メモリ52内に記憶されプロセッサ51によって実行可能な命令により、フローチャート60を実装する目的でX線静脈造影データ32および超音波データ42を処理するよう構造的に構成されている。
【0017】
具体的には、フローチャート60の超音波撮像段階P61は、プロセッサ51が、超音波画像41にない一つまたは複数の解剖学的特徴を表現するための命令を実行することを含む。フローチャート60のX線撮像段階P62は、プロセッサ51が、X線画像31に示される一つまたは複数の解剖学的特徴を同定するための命令を実行することを含む。フローチャート60の画像位置合わせ段階P63は、プロセッサ51が、解剖学的特徴のX線同定および超音波表現に基づいて画像31および41をマッピングするための命令を実行することを含む。ここでもまた、解剖学的構造の例は、これに限られないが、図1および図2に示されるような心外膜表面11および12ならびに冠状静脈洞13を含む。
【0018】
実際上は、超音波撮像段階P61は典型的には手術前イベントとして実行され、一方、X線撮像段階P62および画像位置合わせ段階P63は手術イベントとして実行される。にもかかわらず、本発明の目的のためには、段階P61〜P63は、必要に応じて、任意の適用可能な心血管手順を実行するために実施できる。
【0019】
図5に示されるフローチャート70は、超音波撮像段階P61の例示的な実施形態である。心外膜表面11および12ならびに冠状静脈洞13が解剖学的特徴の役割をする。図5を参照すると、フローチャート70の段階S71は、プロセッサ51が、超音波データ42から三次元の心外膜殻(shell)を生成することを含む。ここで、解剖学的構造の一つまたは複数が超音波画像41からは不可視でありうる(すなわち、解剖学的構造は検出不可能であるまたは明確に同定されることができない)。よって、フローチャート70の任意的な段階S72は、プロセッサ51が、不可視の解剖学的特徴(単数または複数)の統計的モデルを生成することを含み、フローチャート70の任意的な段階S73は、プロセッサ51が、不可視の解剖学的特徴(単数または複数)の統計的モデルを三次元心外膜殻にマッピングすることを含む。段階S72の統計的モデル生成は、任意の型(たとえば計算機断層撮影および磁気共鳴)のX個の心臓データセットを有するライブラリから導出される。ここでX≧1である。さらに、段階S74の統計的モデル・マッピングは、そうした不可視の解剖学的特徴の三次元心外膜殻上での位置を推定する。
【0020】
段階S72およびS73がもしあったとして完了すると、フローチャート70の段階S74は、プロセッサ51が、フローチャート80の段階S83の間に定義された凸包セグメント(単数または複数)に合致するよう使うことのできる、三次元心外膜殻の一つまたは複数のセグメントを定義することを含み、フローチャート70の段階S75は、プロセッサ51が、冠状静脈洞13の位置を、三次元心外膜殻上に注釈付けすることを含む。ここでもまた、冠状静脈洞13の位置は、冠状静脈洞13の空間的位置座標および/または冠状静脈洞13の角度配向座標を含む。
【0021】
図6に示されるフローチャート80は、X線撮像段階P62の例示的な実施形態である。心外膜表面11および12ならびに冠状静脈洞13が解剖学的特徴の役割をする。図6を参照すると、フローチャート80の段階S81は、プロセッサ51が、X線静脈造影データ32から三次元静脈モデルを生成することを含み、フローチャート80の段階S82は、プロセッサ51が、心臓10の心室心外膜全体を近似する目的のために三次元静脈モデルから三次元凸包(convex hull)を生成することを含む。三次元凸包は心外膜表面11および12の限られた部分にわたって正確でありうる(心尖の包の形(apical hull shape)は正確でないことがある)という事実に鑑み、フローチャート80の段階S83は、プロセッサ51が、心臓10の心室心外膜を正確に反映する三次元凸包の一つまたは複数のセグメントを定義することを含む。これにより、そうした凸包セグメントは心臓10の心室心外膜の超音波撮像に合致するために使われることができる。これについては本稿でさらに後述する。フローチャート80の段階S84は、プロセッサ51が、冠状静脈洞13の位置を三次元凸包上に注釈付けすることを含む。その位置は、冠状静脈洞13の空間的位置座標および/または冠状静脈洞13の角度配向座標を含む。
【0022】
図7に示されるフローチャート90は、撮像位置合わせ段階P63の例示的な実施形態である。心外膜表面11および12ならびに冠状静脈洞13が解剖学的特徴の役割をする。図7を参照すると、フローチャート90の段階S91は、プロセッサ91が、必要に応じて一つまたは複数の位置合わせパラメータを推定することを含み、それによりフローチャート90の段階S92の間に凸包と心外膜表面セグメントとの間の最小合計距離(minimum total distance)を得、それによりフローチャート90の段階S93の間に、三次元凸包における冠状静脈洞13の位置と三次元心外膜表面殻との間の最小合計距離を得る。そのような最小合計距離を得たら、フローチャート90の段階S94は、プロセッサ51が、段階S92およびS93の最小合計距離メトリックに基づいて、X線画像31および超音波画像41をマッピングすることを含む。あるいはまた、フローチャート90の段階S94は、プロセッサ51が、破線で示されるように、段階S92または段階S93のいずれかの最小合計距離決定に基づいてX線画像31および超音波画像41をマッピングすることを含むことができる。
【0023】
さらなる代替的な実施形態では、追加的な内的目印(たとえば図2に示される解剖学的目印21)および/または外的目印(たとえば図2に示されるカテーテル/電極先端22)が、注釈付けおよび/またはX線画像と超音波画像との間の距離最小化のために使用できる。さらに、段階S92および/またはS93において、合計距離メトリックまたは他の任意の適切な当てはめ良好性パラメータ技法が使用できる。
【0024】
結果は、たとえば介入X線/EP領域手順、特に心臓再同期療法のような適用可能な心臓血管手順を実施する目的のための、心室殻/冠静脈モデル統合(たとえば図1および図2に示される心内膜殻/冠静脈モデル統合20)である。
【0025】
図8は、本発明の統計的モデル生成/マッピングのさらなる理解を容易にするためのフローチャート100を示している。図8を参照するに、フローチャート100の段階S101は、プロセッサ51が、統計的モデルにおいて、超音波画像41に示される一つまたは複数の基準点(fiducial point)をマッピングすることを含み、フローチャート100の段階S102は、プロセッサ51が、不可視の解剖学的特徴の平均位置を計算することを含む。
【0026】
たとえば、図9は、心臓計算機断層撮影および超音波において可視の四つの僧帽弁基準点に対する、冠静脈中心線の近位の3cmの描画に基づく統計的モデル生成100を示している。四つの僧帽弁基準点(左下の図の112)の三次元位置は、12個の心臓計算機断層撮影体積の、多平面の再フォーマットされたスライスから決定される。冠静脈の近位3cmの中心線位置も各患者について定義113される。これらのマーカーはすべて、共通の参照空間中にマッピングされ、三次元冠静脈中心線114の平均位置が計算される。中心線114は、三次元超音波データセットにおいて容易に同定可能な僧帽弁基準点に対する推定された近位静脈中心線位置を表す。
【0027】
図8を参照すると、段階S101およびS102が完了すると、段階S103は、プロセッサ51が、超音波データセット42において基準点(単数または複数)を同定することを含み、フローチャート100の段階S104は、プロセッサ51が、超音波データセット42内で不可視の解剖学的特徴の計算された平均位置を位置合わせすることを含む。
【0028】
たとえば、図9を参照するに、統計的モード・マッピング101は、心臓計算機断層撮影体積において測定され、かつ超音波体積データ42において容易に同定できる同じ僧帽弁基準点を使う。これにより、僧帽弁基準点は、心エコーからの左心室殻を、近位冠静脈の統計的モデルと位置合わせするために使われる。ここでもまた、示されるモデルを構築するために12患者からの冠静脈測定が平均された。静脈モデル中心線(左の図で破線の緑の線、右側の三次元レンダリングにおける赤い曲線状のセグメント)は、12患者にわたる平均三次元位置である。一方、モデル直径は殻セグメント位置における中心線位置の1標準偏差を表す。図10は、超音波空間における近位静脈モデルの、X線空間に存在する冠静脈の対応するセグメントへの空間的変換に基づく、超音波空間とX線空間の位置合わせを示している。最終結果は、左下の回転X線投影ならびに対応する右下の融合されたLV殻(3DUSから)および静脈モデル(回転X線から)を示す。
【0029】
図1〜図10を参照して、当業者は本発明のさまざまな恩恵を理解するであろう。それには、これに限られないが、外部追跡システムを削減するまたはなくすことが含まれ、これは低い臨床上のオーバーヘッドにつながり、非常に小さな造影剤ボーラスを許容/要求する。さらに、実際上、実行される特定の心臓手順および該心臓手順を実行するために使用される特定の設備に依存して、本発明の注釈付け、セグメント化および位置合わせ要求についてのさまざまな技法が使用されうる。好ましくは、(1)三次元凸包のセグメント化は非特許文献1から導出され、(2)三次元心外膜表面殻のセグメント化は非特許文献2から導出され、(3)X線画像および超音波画像の位置合わせは非特許文献3から導出される。
【0030】
本稿で開示される本発明の実施形態は現在のところ好ましいと考えられているが、本発明の精神および範囲から外れることなくさまざまな変更および修正ができる。本発明の範囲は付属の請求項に示されており、等価物の意味および範囲内にはいるあらゆる変更は本発明の範囲に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心室心外膜位置合わせ方法であって:
心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の少なくとも一つの解剖学的特徴を表現する段階と;
心臓の心室心外膜のX線画像内で可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を同定する段階と;
前記超音波画像内の不可視の前記少なくとも一つの解剖学的構造の表現および前記X線画像内で可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴の同定に基づいて、心臓の心室心外膜の前記X線画像および前記超音波画像を位置合わせする段階とを含む、
方法。
【請求項2】
請求項1記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、前記少なくとも一つの解剖学的特徴が、心臓の心外膜表面および冠状静脈洞のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現する段階が:
少なくとも心臓データセットを含むライブラリから導出される第一の解剖学的特徴の統計的モデルを生成する段階を含む、
方法。
【請求項4】
請求項3記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現する段階がさらに:
前記超音波画像内で前記第一の解剖学的特徴の前記統計的モデルをマッピングする段階を含む、
方法。
【請求項5】
請求項3記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、少なくとも心臓データセットを含む前記ライブラリが、計算機断層撮影データセットおよび磁気共鳴データセットのうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現する段階が:
前記超音波画像内で識別可能な少なくとも一つの基準点および少なくとも一つの心臓データセットを含むライブラリを共通の参照空間中にマッピングする段階を含む、
方法。
【請求項7】
請求項6記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現する段階がさらに:
前記共通の参照空間における第一の解剖学的特徴の、前記少なくとも一つの基準点に対する平均位置を計算する段階を含む、
方法。
【請求項8】
請求項7記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現する段階がさらに:
前記超音波画像内で前記第一の解剖学的特徴を同定する段階を含む、
方法。
【請求項9】
請求項8記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、前記超音波画像内での前記第一の解剖学的特徴の前記統計的モデルのマッピング段階がさらに、
前記超音波画像内で不可視の前記第一の解剖学的構造の平均位置を位置合わせする段階を含む、
方法。
【請求項10】
請求項6記載の心室心外膜位置合わせ方法であって、少なくとも心臓データセットを含む前記ライブラリが、計算機断層撮影データセットおよび磁気共鳴データセットのうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項11】
プロセッサおよび該プロセッサと通信するメモリを有するマルチモダリティ位置合わせシステムであって、前記メモリは、前記プロセッサによって、
心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の少なくとも一つの解剖学的特徴を表現し;
心室心外膜のX線画像内で可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を同定し;
前記超音波画像内の不可視の前記少なくとも一つの解剖学的構造の表現および前記X線画像内で可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴の同定に基づいて、心室心外膜の前記X線画像および前記超音波画像を位置合わせする、
よう実行可能なプログラミング命令を記憶する、システム。
【請求項12】
請求項11記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、前記少なくとも一つの解剖学的特徴が、心臓の心外膜表面および冠状静脈洞のうちの少なくとも一方を含む、システム。
【請求項13】
請求項11記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現することが:
少なくとも心臓データセットを含むライブラリから導出される第一の解剖学的特徴の統計的モデルを生成することを含む、
システム。
【請求項14】
請求項13記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現することがさらに:
前記超音波画像内で前記第一の解剖学的特徴の前記統計的モデルをマッピングすることを含む、
システム。
【請求項15】
請求項13記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、少なくとも心臓データセットを含む前記ライブラリが、計算機断層撮影データセットおよび磁気共鳴データセットのうちの少なくとも一方を含む、システム。
【請求項16】
請求項11記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現することが:
前記超音波画像内で識別可能な少なくとも一つの基準点および少なくとも一つの心臓データセットを含むライブラリを共通の参照空間中にマッピングすることを含む、
システム。
【請求項17】
請求項16記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現することがさらに:
前記共通の参照空間における第一の解剖学的特徴の、前記少なくとも一つの基準点に対する平均位置を計算することを含む、
システム。
【請求項18】
請求項17記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、心臓の心室心外膜の超音波画像内で不可視の前記少なくとも一つの解剖学的特徴を表現することがさらに:
前記超音波画像内で前記第一の解剖学的特徴をマッピングすることを含む、
システム。
【請求項19】
請求項18記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、前記超音波画像内での前記第一の解剖学的特徴の前記統計的モデルのマッピングがさらに、
前記超音波画像内で不可視の前記第一の解剖学的構造の平均位置を位置合わせすることを含む、
システム。
【請求項20】
請求項16記載の心室心外膜位置合わせシステムであって、少なくとも心臓データセットを含む前記ライブラリが、計算機断層撮影データセットおよび磁気共鳴データセットのうちの少なくとも一方を含む、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−506033(P2011−506033A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538993(P2010−538993)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055273
【国際公開番号】WO2009/081318
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】