説明

解剖用試料共有システム

本発明は、ルーム端末システムおよび中央制御システムからなる、解剖用試料共有システムに関するものである。前記ルーム端末システムは、コンピュータと、画像分割装置と、画像収集機能を有する1つ以上の解剖台ユニットとを少なくとも含む。前記コンピュータは、それぞれの解剖台ユニット内の制御ケースへ、指示信号を送る。前記制御ケースは前記指示信号によって前記解剖台を制御し、またこれと同期して、前記解剖台ユニット内の画像収集装置から得られた映像信号を画像分割装置へ伝送する。前記画像分割装置は前記映像信号をルーム端末システムへ伝送する。前記中央制御システムは、中央制御コンピュータと中央制御ソフトウェアからなり、両者は互いに通信するためにネットワークを介して接続されている。本発明は遠隔地にいる人々へ試料情報を提供することを実現し、またこの発明は操作する者にとって対話型システムであるため、教育や研究の進展をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコンピュータおよびビデオカメラの分野に関するものである。特に、いくつかの顕微鏡ビデオカメラをコンピュータ接続し制御するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、教室で試料の解剖を行うときは、一人の学生が解剖台で試料解剖を行う。解剖試料の細部における比較的小さな部分であるため、中心的な解剖者だけが前記台の上で解剖されている試料の詳細を知ることができる。一方、複数の学生がそれぞれの解剖台の上で解剖操作を徹底的に行う場合、教師は彼ら学生達がきちんと操作できているかに気を配ることは不可能であるし、また他の学生にもそれは不可能である。さらに、指導用試料の供給は限られており、代表的な解剖標本がすべての学生に示されることになる。しかし、教師はビデオやオーディオを通して解剖の詳細を指導することができなかっただけでなく、学生達とコミュニケーションをとり彼らを指導することもできなかった。従って、このような解剖指導と学習授業は、十分に有意義また効果的であったとは言えない。その理由は、すべての学生が自分自身で解剖操作を行うことができるわけではないからである。たとえ学生達が解剖台を囲んで解剖操作を観察したとしても、不明瞭であるという問題は依然として残る。
【0003】
一方、内科病理学での解剖指導および実地の分野では、一般的に、研究のために解剖される組織試料は病理学の専門家によって取り出されることになっている。そして医者もしくは教師は、前記専門家による分析に従って治療計画を練るのである。現在、この試料取り出し方法は、専門家による迅速な観察と分析という要求を満たすことができない。そしてこの方法は、前記専門家をただ一つの病院での貢献に制限していることになる。この事態は、病理学専門家が広く他の人々に対し迅速に貢献することを阻害しており、また、効率を向上させることと貴重な財産を共有することを阻害している。
【0004】
現時点では、国内外を問わず解剖の分野における上記問題は解決されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、解剖用試料共有システムを提供するものであり、前記システムは、研究室や教室に設置された、1つのコンピュータを備えた拡大ビデオカメラとハンディビデオカメラによって収集された画像情報を、関係者が同時に観測し保存し加工することを可能にする。そしてこの画像情報は、病理学専門家によって制御された、研究室や教室の外にある別のコンピュータへ転送することも可能である。前記専門家は前記画像情報を解析し加工し、その分析意見を研究室や教室へコンピュータを介して送り返す。このようにして、教師と病理学専門家の間の双方向コミュニケーションが、指導現場におけるビデオとオーディオ技術を用いることで達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、(研究室や教室における)ルーム端末システムおよび中央制御システムからなる。これらの二つの部分の接続は、前記ルーム端末システムにおけるルーム端末コンピュータと前記中央制御システムにおける中央制御コンピュータとの間のネットワーク通信を行うことで構築される。前記ルーム端末システムは、ソフトウェアをインストール済みのコンピュータと、画像分割装置と、1つ以上の解剖台ユニットとからなる。それぞれの制御ケースは1つの解剖台ユニットに対応する。前記ルーム端末コンピュータは、前記制御ケースを利用した制御を通じて、前記解剖台ユニットの各種の部分を制御する。前記ルーム端末コンピュータは、いくつかの画像分割装置に接続し、いくつかの制御ケースユニットを制御することも可能である。前記制御ケースは画像分割装置に接続し、映像信号を送る。前記解剖台ユニットは、固定支点、ビデオカメラ、制御ケース、制御キーボード、画像表示モニター、可動自在クレードルヘッドなどからなる。
【0007】
前記中央制御システムは、中央制御コンピュータと中央制御ソフトウェアからなる。前記中央制御コンピュータは、ユーザ管理や、ビデオ録画や、動画と静止画を取得すること、ホワイトバランス、その他の機能を有する前記中央制御ソフトウェアをもつ前記ルーム端末コンピュータから収集された画像情報を解析し、画像情報が送られてきた前記ルーム端末コンピュータもしくは、他の接続されているルーム端末コンピュータへ向けて、その解析コメントを送る。
【0008】
上記解剖台ユニットは、1つ以上のであることも可能である。上記ルーム端末コンピュータは、中央制御コンピュータと接続可能である。上記ビデオカメラヘッドは二つの種類をもつ。一つは拡大ビデオカメラであり、もう一方はハンディビデオカメラヘッドである。前記拡大ビデオカメラは前記解剖台の上部の指定された場所に固定されるが、一方、ハンディビデオカメラヘッドは指定された場所に固定はされず、手で保持する。前記ハンディビデオカメラヘッドは制御ケースに接続され、前記ハンディビデオカメラヘッドは制御ケースからの指示を受け、その指示に従い動作する。前記制御ケースは、画像収集、電源供給、または拡大ビデオカメラヘッドとハンディビデオカメラヘッド間の切り替えを制御する。拡大ビデオカメラヘッドは、連続的にズームできる1:22連続ズームレンズと359度の回転性を備える。制御キーとソフトウェアが、前記ズーミングとビデオカメラヘッドの角度を制御する。制御キーボードは、手動制御モード、もしくは足踏み制御モード、もしくはその両方のモードによる操作が可能である。前記モニターは、前記解剖台の上部脇に固定され、ビデオカメラによる画像を映す。
【0009】
上記コンピュータは1つのみであることもある。前記コンピュータは、画像の加工と解析とオーディオシステムの制御を行うルーム端末ソフトウェアがインストールされている。従って、前記コンピュータは、画像収集と解析、出力と通信の機能を有する。
【0010】
上記制御ケースは、画像加工ソフトウェア、もしくは制御信号を伝送する通信ケーブルを介して前記コンピュータに接続する。前記制御ケースは、画像加工ソフトウェア、もしくは画像収集信号を伝送するビデオコードを介して前記画像分割装置に接続する。
【0011】
制御ケースはオーディオコントローラを有する。単チップマイクロコンピュータ技術により、前記制御ケースは、制御キーボード、可動自在クレードルヘッド、拡大ビデオカメラヘッド、ハンディビデオカメラヘッド、およびビデオ増幅分配器など、また可動自在クレードルヘッド、拡大ビデオカメラ、オーディオコントローラにおける各種の機構部分を制御する。前記制御キーボードは、クレードルヘッド、拡大、フォーカス調整、ビデオカメラのバックライト調整、および呼び出しなどの機構を制御する。前記走査キーボードのキー操作が、その上部にビデオカメラを従える可動自在クレードルヘッドにスイッチ接続され、前記制御ケースが指示信号をクレードルヘッドに伝送した場合、前記拡大ビデオカメラが画像を取得することが可能となる。手動制御モード、もしくは足踏み制御モード、もしくはその両方のモードによる操作が可能である。
【0012】
前記可動クレードルヘッドは、その上に載っている前記ビデオカメラを左右上下に回転させることができる。前記ビデオカメラヘッドは、連続ズーム撮影装置によって画像を取得することができる。
【0013】
前記画像分割装置は複数画像分割装置である。前記画像分割装置は、コンピュータによって制御され、個々の解剖台ユニットに対応する。解剖台ユニットの入力コンピュータの数が、コンピュータに送られる、画像分割装置の画像の数を決定する。
【0014】
本発明はオーディオ制御ボックスを有する。前記オーディオ制御ボックスの一端は部屋内の端末コンピュータの音声カードに接続され、もう一端はそれぞれの解剖台ユニットの制御ケース内にあるオーディオコントローラに接続される。文字通りの通信が中央制御ルームもしくは研究室もしくは教室にいる人々の間で達成される。すべてのオーディオコントローラは、マイクロフォンもしくはボリュームコントロールボタンを有するスピーカを有する。研究室内にいる人との会話を実現するために、マイクロフォンとワイヤレスインターフォンをコンピュータの音声カードに接続することも可能である。本発明は同時にまたビデオ増幅分配器を有する。この分配器は単一チャンネルビデオ信号を増幅し、それを多チャンネルビデオ信号に分配する。加えて、本発明にはプロジェクターとLCDが付属される。
【0015】
前記中央制御コンピュータは、前記ルーム端末コンピュータとネットワークを介して接続される。前記中央制御コンピュータは、前記ルーム端末コンピュータのユーザソフトウェアのもつ、研究室もしくは教室のソフトウェアをスタートさせる機能により、前記ルーム端末コンピュータのユーザソフトウェアを実行する。その後、前記ルーム端末コンピュータは前記中央制御コンピュータに自動的に接続する。もしくは、前記ルーム端末コンピュータの前記ユーザソフトウェアは手動で起動され、接続ボタンを手動でクリックすることにより前記ルーム端末コンピュータは前記中央制御コンピュータに接続することも可能である。
【0016】
前記中央制御コンピュータは前記ルーム端末コンピュータを制御し、前記中央制御コンピュータのもつスクリーン制御機能システムによって情報を得ることができる。もしくは、前記ルーム端末コンピュータは解析される前記情報を前記中央制御コンピュータへ送ることも可能である。前記中央制御コンピュータ情報の加工と編集、画像の拡大もしくは前記中央制御コンピュータの持つ機能を使って、他の関連する加工を実行することも可能である。この関連する加工とは、ユーザ管理、ビデオ録画、動画と静止画の取得、ホワイトバランスなどである。
【0017】
前記中央制御ソフトウェアの主要な機能は、ユーザ管理、ビデオ録画、動画と静止画の取得、インターバルの自動取得、設定、コンソール、リンケージ、基本システム、ホワイトバランス、スライス、背景バランス、およびフィルターレンズである。
【0018】
いくつかのユニットが前記ユーザ管理機能を構築し、いくつかのクラスがそれぞれのユニットに割り当てられ、それぞれのクラスで記録された画像の保存パスが指示される。
【0019】
前記動画と静止画の取得機能は、現在のウィンドウ内で動いていたり静止している画像の取得を目的とするものである。
【0020】
前記コンソールは、いかなるデジタルビデオカメラヘッドの起動とオフ、明るさ調整、連続ズーム、連続フォーカス、角度、そしてクリアランス機能の呼び出し、画の明るさの調整の制御を自動的に行うことができる。
【0021】
リンケージ機能には、一方向リンケージ、双方向リンケージ、およびノンリンケージなどが含まれる。一方向リンケージでは、制御パネル上の一人の学生チャンネルをマウスを使って選択し、同時に、前記コンソール上の対応するチャンネルを選択する。ここでは、マウスを使って選択した前記コンソール上のチャンネルは切替え可能であるが、制御パネル上の対応する学生のチャンネルを同時に切り替えることは不可能である。双方向リンケージでは、制御パネル上の一人の学生のチャンネルをマウスを使って選択し、同時に、前記コンソール上の対応するチャンネルを選択する。ここでは、その学生は前記コンソール上のチャンネルを切り替え、まだ同時に、前記制御パネル上の対応する学生のチャンネルを切り替えることが可能である。ノンリンケージでは、マウスによる前記制御パネル上の学生チャンネルの切り替えが、前記コンソール上のチャンネルの切り替えに何の影響も及ぼさず、また逆も成り立つ。
【0022】
進歩したシステムの主要な機能は、カラー制御、ホワイトバランス、ノイズ制御、背景バランス、フィルターレンズである。画像の赤値、緑値、青値はそれぞれ±100の範囲で調節可能である。
【0023】
中央制御ソフトウェアはその機能として、通信、ファイル転送、ウィンドウ管理、メンバーセッティング、音声通信、画像転送などを有する。
テキスト通信機能は、解剖台端末と中央制御端末との間のテキスト通信を目的とする。
【0024】
ファイル転送機能は、解剖台端末へファイルを伝送することを目的とする。
音声通信は、送信データモード、グループモード、会話モードからなる。
【0025】
送信モードは、中央制御端末にいる病理学専門家が、システム上で起動しているそれぞれのルーム端末コンピュータのところにいる人々に話しかけることのみを可能とする。グループモードは、中央制御端末にいる病理学専門家が、解剖台端末のところにいる一つのグループに加わり、そのグループ内の解剖台端末と通信することを可能とする。そのグループ内の解剖台端末は中央制御端末にいる医者と会話をすることが可能である。中央制御端末にいる病理学専門家は、一つのグループを選択し、そのグループに加わるにはJOIN DISCUSSION GROUPボタンを、そのグループから去るにはQUIT DISCUSSION GROUPボタンをクリックする。会話モードは、中央制御端末にいる病理学専門家が個別に会話をするために一つの解剖台端末を選択することを可能とする。もし、他の解剖台端末からもその会話を聞いて欲しい場合には、PUBLIC TALKオプションを選択する。
【0026】
画像転送機能は、中央制御端末スクリーンがそこでの画像をすべての解剖台ルーム端末に送るというやり方で行われる。現在のところ、中央制御端末は画像の加工を行えるが、解剖台端末では行えないようになっている。
【0027】
DISSECTING ROOM IMAGEオプションは、一つの解剖台端末で取得された画像を他のすべての解剖台端末に転送することを可能にする。このオプションを選択した後、解剖台チャンネルのプルダウンメニューの中から一つの部署を選択すると、その画像はその部署に転送される。したがってこの機能はまた画像ダウンロードとも呼ばれる。上記の事項はこの発明の重要なソフトウェアに含まれる主要な機能である。現在のところ、他のソフトウェアについていかなる議論も行われていない。
【0028】
ユーザは、ボタンを押したりソフトウェアを利用することで、ビデオカメラのフォーカスを変化させたり、ズームイン、ズームアウトを行ったり、ビデオカメラを移動させて、自分の要件に従い期待される映像効果を得ること、そしてその映像信号を画像分割装置とコンピュータに転送することを行うことができる。全体として、そのソフトウェアと組み合わせることで、この発明は進歩的で実用的であるといえる。
【0029】
本発明の主要な利点:
1.本発明により、解剖過程の詳細がよりクリアーになる。ビデオカメラとプロジェクターが画像を拡大し、研究室や教室にいる人々はあたかも自分が中心的オペレータであるかのように解剖の詳細を鮮明に見ることができ、解剖過程を正確に知ることができる。
【0030】
2.本発明は解剖過程での資源の共有を促進し、病理学専門家が迅速な解を提供することを可能とする。中央制御コンピュータと、いくつかの研究室や教室でのルーム端末コンピュータを同時に接続することにより、中央制御コンピュータは研究室や教室におけるひとつのルーム端末コンピュータから画像情報を得ることができ、そして分析コメントをその研究室や教室へ送り返すことができる。また病理専門家が解析したり加工したのちに、この分析コメントを他の研究室や教室へ同時に送ることができる。さらに、ルーム端末コンピュータと中央制御コンピュータのそれぞれの音声カードに接続されたオーディオ制御ボックスのおかげで、病理学専門家はその場で解剖画像を使って困難な点を説明したり学生の質問に答えることができる。このようにして、本発明は貴重な試料を大いに節約し、指導と学習のコストを削減し、やがては関係する問題も解決していく。
【0031】
3.本発明におけるハンディビデオカメラは試料内部もしくは、解剖される試料の内側と外側と下面の画像の取得が可能である。これは拡大ビデオカメラではできないことである。ハンディビデオカメラはある試料の「死角」の映像も撮ることができる。
【0032】
4.本発明での画像分割装置は、ルーム端末コンピュータが16画像、9画像、4画像表示できるようにする。そして、ユーザは、いくつかの解剖台での解剖過程を同時に見ることができ、適時に問題を修正したり対処することができる。画像分割装置は解剖台の上にあるビデオカメラからの映像信号を加工し、それをコンピュータに伝送する。ユーザは代表的な解剖例を選び、適時にそれを保存し記録し説明することができる。
【0033】
5.本発明の中央制御コンピュータは、ルーム端末ソフトウェアの機能を通して、情報の加工と編集を行うことができる。ソフトウェアの機能とはすなわち、ユーザ管理、ビデオ録画、動画と静止画の取得、ホワイトバランス、など、である。このソフトウェアのおかけで、コンピュータの加工効率は向上し、画像はより鮮明でより正確になり、本発明は一層先進的なものとなる。
【0034】
本発明は、エレクトロニクスとソフトウェアを統合した、ビデオとオーディオシステムである。この共有システムは自動化の程度が高いため、試料解剖に特に応用できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下の図と実施形態は本発明をさらに説明するものである。
図1に示すように、本発明はルーム端末システムと中央制御システムからなる。
ルーム端末システムは、ルーム端末コンピュータ1、画像分割装置2(16画像)、制御キーボード4、モニター5、制御ケース6、可動自在クレードルヘッド7、内部拡大ビデオカメラ8、固定支柱9、プロジェクティングシステム11などを含む。一方、中央制御システムは中央制御コンピュータと中央制御ソフトウェアからなる。ルーム端末システムと中央制御システムはネットワーク17を介して接続される。このネットワークは、ルーム端末コンピュータ1と中央制御コンピュータ16の互いの通信を可能にする。
【0036】
解剖台ユニットは、固定支柱9、制御ケース6、制御キーボード4、モニター5、可動自在クレードルヘッド7、そして、拡大ビデオカメラ8、からなる。この拡大ビデオカメラ8は固定されている。制御キーボード4は制御ケースに接続されている。利用者は、可動自在クレードルヘッド7の動きや、制御キーボード4上の互いに異なるボタンを押すことでビデオカメラのズーミングなどの他の機能を制御することができる。
【0037】
図2に示すように、ルーム端末コンピュータ1と画像分割装置2は、通信制御ケーブル18を介して互いに接続されている。画像分割装置2はケーブル485を介して制御ケースと接続されている。このケーブルはソフトウェアの転送を無制限に行う機能を有する。コンピュータは指示信号をケーブル18と485を介してそれぞれの制御ケース6へ送る。制御ケースと画像分割装置は、映像信号を送る映像信号ケーブル19を介して接続される。
【0038】
図3に示すように、あらゆる解剖台ユニット10は、もし質問がある場合には、オーディオシステム15を使ってルーム端末コンピュータに知らせることができる。ルーム端末コンピュータは画像収集の指示信号を制御ケースに送る。制御ケースは、キーボード4を制御することで、拡大ビデオカメラを介して適切な画像を収集する。収集された画像は、制御ケースによって選択されたビデオ増幅分配器12によって分配され、その後、二つのチャンネルに送られる。一つはモニター5へ送られ試料の画像を映す。もう一方は画像分割装置2へ送られるがこれはコンピュータ1上で映される前に画像の分割を行うためである。可動自在クレードルヘッド7と内部拡大ビデオカメラ8は、制御ケース6に接続される。制御ケースの内側のSCMは、可動自在クレードルヘッド7の動きと、ビデオカメラのズーミングなどの他の機能を制御する。ハンディビデオカメラ3も同様に制御ケースに接続される。その結果、制御ケースは利用者のニーズによってハンディビデオカメラと拡大ビデオカメラを切り替えることができる。
【0039】
ハンディビデオカメラの利用により、利用者はさまざまな角度からの、また死角からの解剖試料の状態をも観測することが可能となる。ハンディビデオカメラは、異なった観点からの画像の収集のために利用される。これに加えて、他の手続きは拡大ビデオカメラの操作に対するものと同様である。そして最終的に、ビデオ出力は収集された画像を示す。
【0040】
図4に示すように、ソフトウェア制御オーディオシステムがインストールされると、このシステムはルーム制御コンピュータと解剖台にいるスタッフが、制御ケース6の中のオーディオコントローラを介して通信することを実現する。もしくは、利用者はオーディオシステムを、ワイヤレスインターフォン20かマイクロフォンパワーアンプシステム22をコンピュータ1に接続することでインストールすることができる。すると、ルーム端末コンピュータ1との通信は、制御ケースの上のオーディオボタンを押すことで行うことが可能となる。ルーム端末システムのワイヤレスインターフォン20は、オーディオコード23を介して中央コンピュータ16に接続される。そして、ワイヤレスインターフォン20もしくは、中央制御システムのマイクロフォンパワーアンプシステム22は、イヤーフォンとオーディオコード23を介して音声ボックス切替器21に接続される。イヤーフォンと音声ボックス切替器21は中央制御コンピュータに接続される。イヤーフォンと音声ボックス切替器のもつ切り替え機能のおかげで、利用者はワイヤレスインターフォンかマイクロフォンパワーアンプシステムのどちらかを使うことが可能になる。
【0041】
図1、2、3、4に示すように、このルーム端末システムの発明は、ルーム端末コンピュータによって制御される。そして、ルーム端末システムは図1にある1つもしくはそれ以上の台数の解剖台ユニット10に接続される。コンピュータ1と画像分割装置2は通信ケーブル18を介して接続される。ルーム端末コンピュータ1は制御ケース6へ指示信号を送る。制御ケースは信号を受け取り、制御ケース内のMCUで信号の復号化をおこなう。復号化ののち、MCUは制御信号を可動自在クレードルヘッド7と内部拡大ビデオカメラ8へ向けて送る。その結果、可動自在クレードルヘッド7と内部拡大ビデオカメラ8はその信号に従い画像の収集を行う。その後、収集された画像はルーム端末コンピュータによって解析と加工がなされる。このようにして、解剖台ユニットの一つから収集された画像データは他のユニットへ送られ、従って情報の共有が実現される。
【0042】
一旦ルーム端末コンピュータと中央制御コンピュータがLANもしくはインターネットを介して接続されると、両コンピュータはソフトウェアの収集、情報の解析と加工の点で、相互通信が可能となる。中央制御コンピュータはルーム端末コンピュータから情報を得ることができる。同様に、ルーム端末コンピュータは中央制御コンピュータへ、解析されるべき情報を送ることができる。加工の後、中央制御コンピュータはルーム端末コンピュータへ画像の情報を送り返す。この目的は、スタッフと学生の学習と参考資料にすることである。
【0043】
中央制御ソフトウェアの主要な機能は以下の通りである。ユーザ管理、ビデオ録画、静止画の取得、インターバルの自動取得、セッティング、コンソール、リンケージ、基本システム、アドバンストシステム、その他、である。上記機能により、ルーム端末コンピュータ1のスクリーンは、中央制御コンピュータ上の特定のエリアにリアルタイムで映し出すことが可能となる。スクリーン制御機能は中央制御ソフトウェアがルーム端末コンピュータ1を制御することを可能とし、あらゆる操作をルーム端末コンピュータ1上で実行することを可能とする。いくつかの研究室や教室が利用可能である場合、中央制御コンピュータ16は、中央制御コンピュータ16のもつ画像ダウンロード機能を適用して、中央制御コンピュータ16のスクリーンをすべての研究室や教室で見ることが可能にすることができる。そして、画像はすべての部屋のコンピュータから収集可能である。
【0044】
ソフトウェアのオーディオ通信機能とテキスト機能もしくはマイクロフォンの利用により、中央制御システムと、研究室もしくは教室の端末の間の自由な通信が達成される。
【0045】
もしどこかの解剖台ユニットで質問が見つかり、それが一層の議論を必要とするなら、研究室や教室にいる人が上記オーディオ呼び出し機能を使って中央制御システムを呼び出すことができる。中央制御コンピュータ16が反応した後、中央制御コンピュータ16はスクリーン制御機能を介してルーム端末コンピュータ1を制御することができる。その後、中央制御コンピュータ16はコールしてきたユニットの画像を拡大したり、適切な対処を行うことができる。もし、ルーム端末にいる責任者が必要と思えば、その画像データはプロジェクティングシステム11を用いても拡大することも可能である。その後、ワイヤレスインターフォンもしくはマイクロフォンパワーアンプシステムを組み合わせて、病理学専門家がルーム端末にいる教師に説明もしくは教師と議論をすることが可能である。その間、画像ダウンロード機能とスクリーン共有機能を用いて、利用者はすべての過程が他のすべての教室で見ることができるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のシステム構成図。
【図2】ルーム端末システムの構成図。
【図3】ルーム端末システムの機能を示す図。
【図4】発明の動作原理を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーム端末システムおよび中央制御システムを備える解剖用試料共有システムであって、
前記ルーム端末システムおよび前記中央制御システムは、両方のシステムそれぞれが持つコンピュータの間がネットワークによって互いに接続され、
前記ルーム端末システムは、コンピュータと、画像収集機能を有する1つ以上の解剖台ユニットと、画像分割装置とを少なくとも含み、
前記ルーム端末コンピュータは複数の画像分割装置に接続され、前記画像分割装置は前記解剖台ユニットの制御ケースに接続され、
前記制御ケースにおける接続を介して、前記ルーム端末コンピュータは、1台以上の解剖台ユニットの制御が可能となり、
前記中央制御システムは、中央制御コンピュータと、中央制御ソフトウェアとからなり、
前記の二つのシステムは、収集、情報解析および処理を行うソフトウェアを通じて互いに通信することができることを特徴とする解剖用試料共有システム。
【請求項2】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、
前記解剖台ユニットは、制御ケースと、可動自在クレードルヘッドと、ビデオカメラとを含み、
前記ビデオカメラは、拡大ビデオカメラでもハンディビデオカメラでもよく、拡大ビデオカメラの場合には、前記拡大ビデオカメラは解剖台の上のある位置に固定されるが、前記ハンディビデオカメラは固定する必要はなく可動でよく、
制御ケースの数は1つ以上であるが、この数は解剖台ユニットの台数により決定され、解剖台ユニットはそれぞれ、1つの関連した制御ケースによって制御され、
前記制御ケースは前記画像分割装置に接続され、これにより、収集された映像信号を伝送することが可能となり、前記制御ケースはまた同時に前記コンピュータにも接続され、これにより、前記端末コンピュータからの指示を伝送することが可能となり、
前記コンピュータは制御ケースユニットを介して解剖台を制御する解剖用試料共有システム。
【請求項3】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、全画像分割装置の画像の総数は、全解剖台ユニットの総数と等しいか、それ以上である解剖用試料共有システム。
【請求項4】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、前記制御ケースおよび前記画像分割装置は、映像信号を送るため、画像処理ソフトウェアもしくは映像信号ケーブルを介して互いに接続され、前記制御ケースおよび前記コンピュータは、指示信号を送るため、画像処理ソフトウェアもしくは通信制御ケーブルを介して互いに接続されている解剖用試料共有システム。
【請求項5】
請求項2記載の解剖用試料共有システムであって、前記ビデオカメラは、359度回転可能な1:22連続ズーム光学レンズを備える解剖用試料共有システム。
【請求項6】
請求項2記載の解剖用試料共有システムであって、
前記制御ケース、前記可動自在クレードルヘッド、および前記ビデオカメラ以外の、前記解剖台ユニットの他の主要部分は、固定支点と、制御キーボードと、モニターとを含み、前記モニターは前記解剖台の上部もしくは前記解剖台上に固定される解剖用試料共有システム。
【請求項7】
請求項2記載の解剖用試料共有システムであって、前記拡大ビデオカメラは、前記可動自在クレードルヘッドに固定される解剖用試料共有システム。
【請求項8】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、1つの中央制御コンピュータが、研究室もしくは教室の1つ以上の端末コンピュータに接続される解剖用試料共有システム。
【請求項9】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、オーディオシステム、ワイヤレスインターフォン、またはマイクロフォンパワーアンプシステムが付属可能であり、一般オーディオ制御ケースの一端は、前記ルーム端末コンピュータと前記中央制御コンピュータの両方の音声カードに接続され、もう一方の端は、それぞれの解剖台ユニットの前記制御ケースの内側にあるオーディオ制御装置に接続される解剖用試料共有システム。
【請求項10】
請求項2記載の解剖用試料共有システムであって、前記制御ケース内にSCM制御が採用されている解剖用試料共有システム。
【請求項11】
請求項2記載の解剖用試料共有システムであって、前記制御キーボードは、手による制御、または足踏み制御、または手による制御と足踏み制御の組み合わせ方式に切り替え可能である解剖用試料共有システム。
【請求項12】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、投影システムやLCDシステムなどが付属可能である解剖用試料共有システム。
【請求項13】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、前記制御ケースおよび前記コンピュータは、通信ケーブル485を介して接続される解剖用試料共有システム。
【請求項14】
請求項1記載の解剖用試料共有システムであって、前記中央制御ソフトウェアは機能として、ユーザ管理、ビデオ録画、動画又は静止画の取得、ホワイトバランスなどを有し、前記中央制御ソフトウェアはまた、収集した画像データの解析、その解析後に、解析した結果を前記中央制御コンピュータと接続されている画像データベース内のコンピュータ又は他のルーム端末コンピュータに送ることができる解剖用試料共有システム。
【請求項15】
請求項14記載の解剖用試料共有システムであって、画像の取得や加工を行うために、ダイナミックフィルター機能およびホワイトバランスソフトウェアが、設計に組み込まれていて、周囲の環境の色彩等級を定義することで、前記画像は最も真に近い色に調整することが可能となり、その後、前記画像はモニターやスクリーンの特定の場所、もしくはその全域で見ることが可能となる解剖用試料共有システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2008−511028(P2008−511028A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528559(P2007−528559)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000819
【国際公開番号】WO2006/021134
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507063539)モーティック チャイナ グループ カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】