説明

触媒粉末の製造方法

【課題】触媒粉末を製造する方法、及び形成触媒粉末をNOx還元時に触媒活性の低下しない触媒として、触媒コンバータに用いる方法を提供する。
【解決手段】触媒スラリーを調製、乾燥、熱分解、焼成する工程を経て焼成触媒粉末を得る。触媒スラリーは、触媒、液体キャリア、鋳型剤及び触媒基材を含有する。触媒スラリーを乾燥して触媒粉末原料を得る。触媒粉末原料を第1制御雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、この熱分解触媒粉末を第2制御雰囲気で焼成して焼成触媒粉末を得る。NOx浄化用としては、該方法にて触媒粉末を焼成して銀鋳型メソポーラスアルミナを形成し、該触媒粉末を用いて触媒コンバータを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、触媒の製造方法に関し、特に触媒粉末を製造し、触媒粉末を触媒コンバータに用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
選択触媒還元(SCR)では、排気ガスを固体触媒に通す際にアンモニア又は尿素を排気ガスに供給することにより窒素酸化物(NOx)の還元を達成することができる。アンモニア及び尿素SCRの両方でNOxの高い還元転換率が報告されている。しかし、アンモニア及び尿素還元方法はいずれも還元剤を供給する設備を必要とし、アンモニアを用いる場合、アンモニアが触媒を通過(スリップ)して許容レベルを超えるアンモニア排出をもたらすおそれがある。別の技術には、炭化水素がNOx転換の還元剤として働く炭化水素SCR(即ちHC−SCR)がある。HC−SCRに用いる炭化水素としては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレンなどの比較的小さい分子並びにヘキサン、オクタンなどの直鎖状炭化水素が挙げられる。
【0003】
いくつかの大型ディーゼルエンジンでは、排気ガスの流れに炭化水素を補給するのにディーゼル又はメタノールの噴射が検討されている。設備の観点から、搭載しているディーゼル燃料をHC−SCR用の炭化水素源として用いるのが有利である。ディーゼルの噴射を用いるSCRでは触媒金属を多孔質基材に担持したものを用いる。通常、触媒金属の製造及びこのような基材への堆積が必要になり、複雑である。しばしばこのプロセスの間に触媒基材の構造及び/又は効力が損なわれ、その結果、触媒が適切に機能せず、触媒の転換効率の低減につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6869906号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、NOx還元時に触媒活性の劣化しない触媒を製造し、処理する方法を開発することが望ましい。さらに、触媒を大規模生産し、得られた触媒を触媒コンバータに用いるのに適した方法を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は触媒粉末を製造する方法である。製造方法は、触媒スラリーを調製し、乾燥し、熱分解し、焼成する工程を経て焼成触媒粉末を得る。触媒スラリーは、触媒、液体キャリア、鋳型剤及び触媒基材を含有する。触媒スラリーを乾燥して触媒粉末原料を得る。触媒粉末原料を第1制御雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、この熱分解触媒粉末を第2制御雰囲気で焼成して焼成触媒粉末を得る。
【0007】
本発明の別の実施形態は触媒粉末を製造する方法である。製造方法は、触媒スラリーを調製し、乾燥し、熱分解し、焼成する工程を経て焼成触媒粉末を得る。触媒スラリーは、触媒、液体キャリア、鋳型剤及び触媒基材を含有する。触媒スラリーを乾燥して触媒粉末原料を得る。触媒粉末原料を第1制御雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、この熱分解触媒粉末を第2制御雰囲気で焼成して焼成触媒粉末を得る。焼成触媒粉末からなる触媒表面を製造する。
【0008】
本発明の他の実施形態はNOx触媒コンバータを製造する方法である。製造方法は、触媒スラリーを調製し、噴霧乾燥し、熱分解し、焼成する工程を経て焼成触媒粉末を得る。触媒スラリーは銀、アルミナ、アルコール及び鋳型剤を含有する。触媒スラリーを噴霧乾燥して触媒粉末原料を得る。触媒粉末原料を不活性雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、この熱分解触媒粉末を制御酸素雰囲気で焼成して銀鋳型(構造規制)メソポーラスアルミナ(Ag−TA=silver-templated mesoporous alumina)を含む焼成触媒粉末を得る。焼成触媒粉末を液体と混合して焼成触媒粉末スラリーを形成し、モノリス支持体上にウォッシュコートする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による触媒粉末の製造のプロセスマップである。
【図2】本発明の一実施形態による不活性雰囲気での触媒粉末原料の熱分解とそれに続く酸化のプロセスマップである。
【図3】本発明の一実施形態による真空中での触媒粉末原料の熱分解とそれに続く酸化のプロセスマップである。
【図4】本発明の一実施形態による熱分解及び焼成プロセスに用いる回転炉の概念図である。
【図5】本発明の一実施例にしたがって3%及び6%の銀添加焼成触媒粉末のNOx転換活性率を大規模のバッチで製造した場合と実験室規模のバッチで製造した場合で比較したグラフである。
【図6】本発明の一実施例にしたがって製造した3%の銀添加焼成触媒粉末のNOx転換活性率をエタノール抽出有りの場合と無しの場合で比較したグラフである。
【図7】本発明の一実施例にしたがって熱分解の際に異なる加熱条件を用いた焼成触媒粉末のNOx転換活性を比較したグラフである。
【図8】本発明の一実施例にしたがって焼成の際に異なる加熱条件を用いた焼成触媒粉末のNOx転換活性を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の方法は、触媒粉末を製造する方法及び該触媒粉末を触媒コンバータの製造に用いる方法に関する実施形態を含む。触媒粉末は、極端な微粉砕をせずに、また触媒活性をほとんど低減、劣化或は変化させることなく触媒粉末の粒度を下げる方法で処理する。本発明の触媒粉末の製造方法は、規模を拡大して工業的に採用できる量の触媒粉末を製造することができる。一般に、燃焼装置から排出される排気ガス中のNOxを還元するNOx還元触媒及びNOx還元システムを開示する。適当な燃焼装置には、炉、オーブン又は内燃エンジン及びガスタービンエンジンなどのエンジンがある。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲において、単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。
【0012】
特記しない限り、ここで用いる用語「メソポーラス」とは、約2nm〜約50nmの範囲の直径の細孔を有する材料を示す。触媒は、それ自身は化学反応中に消費されずに、化学反応の速度を変化させることができる物質である。スラリーは液体と微細粒子の混合物である。ゾルはコロイド溶液である。粉末は微細固体粒子を含有する物質である。「鋳型」(構造規制)とは制御されたパターン形成を示し、「鋳型」は付与されたパターンの所定の制御を示し、分子の自己集合を含むこともできる。モノリス体は、多数のチャンネルを有するセラミック体とすることができ、例えば、粘土、バインダー及び添加剤をダイから押出して構造を成形する押出成形によって製造することができる。本明細書及び特許請求の範囲全体を通して用いた近似的な表示は、それが関与する基本機能に変化をもたらすことなく変動することが許される量的表現を修飾するのに適用することがある。したがって、「約」のような用語で修飾された値は、特定された正確な値に限定されない。少なくとも幾つかの例では、近似的な表示はその値を測定する計器の精度、或は通常許容されるレベルのプロセス変動に対応する。同様に、「存在しない」は、用語と組み合わせて用いることができ、ごくわずかな数又は量を含んでも、組み合わせた用語が存在しないと見なす。ここで用いる用語「大規模」は粉末が約2kg超のバッチ量を意味する。
【0013】
NOx触媒粉末を大規模に合成し、合成した触媒粉末を大型エンジンの触媒コンバータの製造に用いるには多くの課題がある。通常、実験室プロセスで製造される触媒粉末の量は数gだけであるが、大型エンジンでの試験や使用には少なくとも数kgの触媒粉末が必要である。実験室の合成プロセスでは、スラリーを単純な工程で素早くろ過したり、乾燥したりすることができるが、大規模な場合、極端に遅いろ過工程は、実施が困難であり、時間がかかる。実験室規模で取り組むには、乾燥触媒粉末の熱分解及び焼成は、小型オーブン及び炉を用いて単一バッチで行うことができるが、大規模な触媒粉末の熱分解及び焼成には、試験、認証済みの高効率な熱処理方法が必要である。さらに、焼成触媒粉末は、適切に組織されたプロセスを施し、大規模な触媒コンバータの製造に取り入れることが必要である。本発明の別の実施形態は、触媒粉末の反応性を維持しながら触媒粉末の大規模なバッチを処理する工程を提供する。
【0014】
説明の便宜上、本明細書全体を通して触媒粉末製造方法を、イソプロピルアルコール及びTRITON X−114(登録商標)界面活性剤を用いた銀鋳型メソポーラスアルミナ(Ag−TA)の例により説明する。しかし、触媒粉末の製造にこれらの材料だけを用いると本発明を限定するものではない。
【0015】
一実施形態による触媒粉末の製造方法を図1のプロセスマップに示す。本方法は、触媒スラリーを調製し、触媒スラリーを乾燥し、乾燥触媒粉末を熱分解し、その後熱分解触媒粉末を焼成して最終焼成触媒粉末を得る工程を含む。触媒スラリーは、触媒基材、液体キャリア、鋳型剤及び触媒を含有する。
【0016】
触媒基材に適当な材料としてはセラミック材料がある。一実施形態では、触媒基材は酸化物材料である。一実施形態では、触媒基材にはアルミナ、ジルコニア、シリカ、ゼオライト又はこれらを含有する混合物が挙げられる。触媒基材の所望の特性には、例えば比較的小さな粒度及び大きな表面積が挙げられる。一実施形態では、触媒基材粉末の平均直径は約100μm未満である。一実施形態では、平均直径は約100μm未満である。別の実施形態では、平均直径は約1μm〜約10μmである。触媒基材粉末の表面積は約100m/g超である。一実施形態では、触媒基材粉末の表面積は約200m/g超である。一実施形態では、表面積は約200m/g〜約500m/gの範囲であり、別の実施形態では、表面積は約300m/g〜約600m/gである。
【0017】
適当な液体キャリアには水及び短鎖のアルコールがある。適当な短鎖アルコールとしては、メタノール、エタノール、ヘキサノール、イソプロパノール(IPA)、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどの1つ又は2つ以上が挙げられる。一実施形態では、液体キャリアは水である。別の実施形態では、液体キャリアはIPAである。
【0018】
鋳型剤(テンプレート剤)は一方向に整列した形状を有する触媒基材の製造を容易にする。触媒スラリーの鋳型剤の含有量は通常、触媒スラリーの重量に基づいて約0.1〜約10重量%である。一実施形態では、触媒スラリーは鋳型剤を約3〜約7重量%の範囲で含有する。代表的な鋳型剤は、オクチルフェノールエトキシレートであり、TRITON X−114(登録商標)として市販されている。
【0019】
適当な触媒には、ガリウム、インジウム、ロジウム、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムの1つ又は2つ以上がある。別の適当な触媒には遷移金属元素がある。適当な触媒には白金、金及び銀の1つ又は2つ以上も挙げられる。特定の実施形態では、触媒はほぼ100%の銀である。
【0020】
一実施形態によれば、Ag−TA触媒粉末の大規模な製造の典型的な方法では、まず液体キャリアをアセト酢酸エチルとともに反応器に加え、内容物を攪拌する。比例する量の目的触媒基材の有機化合物を各種量の鋳型剤及び触媒化合物とともに反応器内の初期内容物に添加することができる。
【0021】
反応器を所定の時間加熱還流することができる。還流後、粒子が液体キャリアに懸濁したものが得られる。一実施形態では、この懸濁液を触媒スラリーと見なす。用いる最初の液体キャリアに応じて、このスラリーは水性にも非水性にもなる。一実施形態では、この段階で非水性スラリーが存在するが、後続の処理工程で水性スラリーを用いることが望ましい場合、水をゆっくり添加することにより、反応器の懸濁液を共沸混合物にすることができる。その後、共沸混合物系を加熱して蒸留により非水性液体の一部を除去して水性触媒スラリーを製造することができる。
【0022】
触媒スラリーを乾燥して粉末を形成する工程に関しては、触媒スラリーは、その後の使用に十分となるように触媒基材の粒度を制御かつ低減する方法で乾燥することができる。さらに、乾燥方法は、触媒基材の細孔構造及び触媒の効力を維持、保存することができる。維持する触媒基材の細孔構造は、メソポーラス又はマイクロポーラス構造とすることができる。一実施形態では、細孔構造は、鋳型され、即ち所定のパターン、寸法/体積及び分布を有するように制御される。
【0023】
一実施形態では、噴霧乾燥を用いて触媒スラリーから乾燥触媒粉末を形成する。噴霧乾燥を用いて水性又はアルコール性スラリー又は懸濁液を乾燥することができる。前述したように、一実施形態では、スラリー中のすべての非水性液体を除去するのに必要な量の水をスラリーに添加して、目標とする所望の割合の固体を有する、水に粒子が懸濁した最終水性懸濁液を得ることができる。一実施形態では、この最終水性触媒スラリーを噴霧乾燥に用いる。別の実施形態では、非水性液体をそのまま噴霧乾燥に用いる。他の実施形態では、キャリアとしてアルコールを含有する触媒スラリーを噴霧乾燥に用いる。
【0024】
一実施形態では、触媒スラリーを噴霧乾燥して触媒粉末の製造に使用するのに十分な小さい粒度をもつ乾燥触媒粉末を形成する。噴霧乾燥は、D90≦50μm(90%の粒子の直径が14μm以下である)の粒子を製造することができる。一実施形態では、噴霧乾燥により製造した粒子はD90≦14μmである。スラリー組成及び噴霧乾燥パラメータを変更することにより、D90が3μmのように小さい粒子を得ることが可能である。
【0025】
乾燥触媒粉末は、スラリー合成工程からの吸着水、TRITON X−114及び若干の炭化水素を含有する。通常、使用前に、これらの余分な材料のすべてを粉末から実質的に除去する。このプロセスを本明細書では「脱TRITON化」又は熱分解と表す。空気中での単純な熱処理により脱TRITON化するのはいくつかの理由で望ましくないことがある。例えば、TRITON X−114及び/又は炭化水素の急速な燃焼は、触媒にホットスポットを生成する原因となり、触媒失活を引き起こすことがある。したがって、乾燥触媒粉末を制御雰囲気で熱処理することが望ましい。
【0026】
ここで用いる用語「雰囲気」は、粉末に接し、これを取り囲む環境である。一実施形態では、制御雰囲気を第1制御雰囲気とすることができ、第1制御雰囲気が処理する材料に対して不活性であるように酸素含量を制御する。ここで用いる用語「不活性」は、処理する材料と雰囲気が処理中に有意な化学反応を起こさないことを意味する。この第1制御雰囲気の酸素含量は約0.5モル%未満である。第1制御雰囲気を真空にすることもできる。本明細書では真空は総圧が約20トル未満である雰囲気と定義する。一実施形態では、制御雰囲気を第2制御雰囲気とすることができ、この雰囲気は通常、第1制御雰囲気より酸素濃度が高い制御酸素雰囲気である。一実施形態では、第2制御雰囲気の酸素濃度は全気体含量の約1モル%超である。別の実施形態では、第2制御雰囲気の酸素濃度は約5モル%超である。他の実施形態では、第2制御雰囲気の酸素濃度は約10モル%超である。さらに他の実施形態では、第2制御雰囲気は空気である。ある実施形態では、酸素に富む雰囲気を第2制御雰囲気として用いることもできる。酸素含量の上限値は、費用又は健康及び安全の問題などの実際の処理要求で決まり、場合によって異なることがあるが当業者には明らかである。
【0027】
通常、脱TRITON化は第1制御雰囲気での少なくとも2工程の温度処理を含む。熱処理の第1工程は、約150℃未満の温度での脱水工程であり、通常、脱水触媒粉末を生成し、一方温度処理の第2工程は通常、熱分解触媒粉末を生成する。その後、脱TRITON化及び熱分解粉末を第2制御雰囲気に曝露しながら焼成温度で焼成することができる。脱TRITON化は2つの異なる方法のいずれかで実現することができる。図2及び図3に乾燥触媒粉末を熱分解する2つの方法のプロセス工程を詳述する。
【0028】
図2に示すように、乾燥触媒粉末の温度を第1雰囲気で約150℃までゆっくりと上昇させて水を除去することができる。一実施形態では、脱TRITON化に用いる第1雰囲気は窒素である。別の実施形態では、第1雰囲気をアルゴンにすることができる。通常、この上昇、即ち「昇温」は、非常にゆっくり行うことができ、最終触媒粉末の特性を強化するように決定した1つ又は2つ以上の「ソーク点」(プロセス中で温度を一時的に一定に保持する点)を含むことができる。昇温及びソークに必要な時間は、粉末の幾何形状及び粉末のバルク中でのTRITON X−114の物質移動によって変化する。粉末の温度をさらに上げ、700℃未満の温度で炭化水素を熱分解するのに適当な時間保持することができる。一実施形態では、この保持温度は600℃未満である。別の実施形態では、保持温度は約550℃である。この熱処理の結果、炭素を含有する、銀鋳型メソポーラスアルミナ(Ag−TA)粉末を得る。これを本明細書では熱分解触媒粉末という。
【0029】
別の実施形態では、図3に示すようにこのプロセスを真空下で行うことができる。この実施形態では、粉末温度を室温から定常状態で約700℃未満の温度に上げる。一実施形態では、温度を真空下1℃/分の速度で約500℃まで上げる。乾燥触媒粉末のこの処理でも熱分解触媒粉末が得られる。
【0030】
その後、得られた熱分解触媒粉末を炭素酸化を抑制するのに十分な温度に冷却する。一実施形態では、この温度は100℃未満である。別の実施形態では、冷却後の粉末は室温程度の温度である。冷却された状態で、熱分解触媒粉末を第2制御雰囲気にさらすことができる。一実施形態では、第2制御雰囲気の酸素濃度は約5モル%超である。その後、第2制御雰囲気で熱分解触媒粉末の温度を約500℃超の温度に上げることができる。一実施形態では、熱分解に用いる温度は約700℃未満である。一実施形態では、この温度は約600℃未満である。一実施形態では、この温度は約550℃である。一実施形態では、粉末が所望の焼成温度に到達したら、空気雰囲気に徐々に切り換えることができる。
【0031】
粉末の炭素のすべて又はほとんどすべてを酸化するのに適当な時間粉末を焼成温度に保持することができる。この時間は触媒層の厚さ及び酸素の物質移動速度に依存する。流動層は通常、滞留層より速く酸化する。ある実施形態では、焼成は約48時間以下、通常約10分間より長く行われる。別の適当な時間の範囲には、約10分間〜約30分間、約30分間〜約1時間、約1時間〜約10時間、約10時間〜約24時間及び約24時間〜約48時間があるが、これも選択温度、反応層設計及び他の変数に依存する。炭素が酸化されたら、粉末を冷却することができ、こうして得られた材料を本明細書では焼成触媒粉末又は「触媒粉末」という。一実施形態では、触媒粉末はAg−TAである。
【0032】
前述したプロセス工程によって大量の触媒粉末の製造が可能である。一実施形態では、上記のプロセスを用いて製造することができる触媒粉末は1バッチ当たり5kg超である。別の実施形態では、1バッチ当たり約10kg超の触媒粉末を製造することができる。他の実施形態では、単一バッチで約50kg超の触媒粉末を製造することができる。
【0033】
触媒粉末の所望の特性には、特に、触媒の粒度、形態、活性及び細孔率が挙げられる。触媒粉末は、メジアン径が約100μm未満である粒子を含有する。ある実施形態では、触媒粉末粒子のメジアン径は約50μm未満であり、ある実施形態では、メジアン径は約25μm未満である。一実施形態では、触媒粉末は、メジアン径が約10〜約25μmの範囲である粒子を含有する。特定の実施形態では、メジアン径は約1〜10μmの範囲である。別の実施形態では、メジアン径は約1μm未満である。
【0034】
触媒粉末の表面積は約100m/g超とすることができる。一実施形態では、焼成触媒粉末の表面積は約200m/g超である。一実施形態では、表面積は約200m/g〜約500m/gの範囲である。ある実施形態では、表面積は約300m/g〜約600m/gの範囲である。一実施形態では、触媒粉末の表面積は約300m/g〜約500m/gの範囲である。
【0035】
触媒粉末は、鋳型所定の寸法の細孔(ポア)の周期的配列を有することができる。寸法には孔径、曲率、内表面の均一性などがある。ある実施形態では細孔のメジアン径は約2nm超である。一実施形態では、細孔のメジアン径は約100nm未満である。ある実施形態では、細孔のメジアン径は約2nm〜約20nmの範囲である。別の実施形態では、メジアン径は約20nm〜約60nmであり、他の実施形態では、メジアン径は約60nm〜約100nmである。ある実施形態では、細孔の周期性は約50A超である。ある実施形態では、細孔の周期性は約150A未満である。一実施形態では、細孔の周期性は約50A〜約100Aの範囲である。別の実施形態では、細孔の周期性は約100A〜約150Aの範囲である。
【0036】
一実施形態では、触媒粉末を触媒表面の製造に取り入れることができる。一実施形態では、触媒粉末を成形し、触媒表面として形成することができる。別の実施形態では、液体媒体で触媒粉末のスラリーを形成し、触媒支持体に接触させて触媒コンバータを製造することができる。
【0037】
触媒支持体は発泡体、モノリス及びハニカムなどのどのような形状にもすることができる。触媒支持体に適当な材料にはセラミック及び金属がある。セラミックの例には、酸化物、例えばアルミナ、シリカ、チタン酸化合物及び高融点酸化物、例えばコーディエライト、ムライト及びゼオライトが挙げられる。別の例には金属炭化物及び金属窒化物がある。ある実施形態では、炭素が有効である。特定の実施形態では、触媒支持体には炭化ケイ素、溶融シリカ、活性炭又はチタン酸アルミニウムがある。ここで用いるゼオライトには、水和アルミノケイ酸塩、例えば方沸石、菱沸石、輝沸石、ソーダ沸石、十字沸石及び束沸石が挙げられる。ここで用いるムライトはケイ酸アルミニウムの1形態である。別の実施形態では、適当な触媒支持体は波形金属である。
【0038】
一実施形態では、触媒粉末のスラリーをモノリス体などの触媒支持体上にウォッシュコートする。本発明の一実施形態では、触媒支持体はコーディエライトなどのモノリス体である。塗布したウォッシュコートを乾燥し、焼結し、これをNOxなどの排出ガス成分を還元するのに用いることができる。
【0039】
一実施形態では、上記触媒組成物の使用方法は、多数の細孔を有する鋳型金属酸化物基材及び銀を含有する触媒材料からなる組成をもつチャンバにガス流れを導入する工程を含む。銀は基材の総量に基づいて約0.5重量%以上の量で存在することができる。一実施形態では、銀は触媒基材の総量に基づいて3重量%超の量で存在する。一実施形態では、銀の存在量は触媒基材の約6重量%である。約250℃以上の温度でガス流中に存在する窒素酸化物を還元することができる。一実施形態では、約250℃〜約350℃の範囲の温度で還元が起こる。別の実施形態では、この温度は約350℃〜約500℃の範囲である。特定の実施形態では、この温度は約500℃〜約600℃の範囲である。一実施形態では、約350℃未満の温度のチャンバ内でガス流中に存在する窒素酸化物を還元することができる。
【実施例】
【0040】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態によるAg−TA触媒粉末の調製、乾燥、熱分解及び焼成工程の詳細を示す。
[実験室規模の合成]
銀を含有する鋳型金属酸化物の代表的な製造方法は以下の工程を含む。機械式攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた5Lの3つ口フラスコに250mLの2−プロパノール、TRITON X−114(68.7g、0.16モル)及びアセト酢酸エチル(13.2g、0.1モル)を入れた。Al(OsecBu)(249.8g、1.02モル)を1Lの2−プロパノールに溶解又は懸濁してフラスコに添加した。内容物を30分間撹拌した。所定量の硝酸銀(AgNO)を水(37mL、2.06モル)に溶解した。硝酸銀溶液は以下のように使用した。AgNOの量は、触媒生成物1の場合、5.383g(0.0317モル)のAgNOから6%の銀構造規制されたアルミナ触媒組成物を生成し、触媒生成物2の場合、2.6g(0.0158モル)のAgNOから3%の銀構造規制されたアルミナ触媒組成物を生成する。硝酸銀溶液を500mLの2−プロパノールと混合して、滴下ロートに入れた。滴下ロートの内容物を75分間かけて5Lフラスコに添加した。撹拌溶液を24時間還流した。
【0041】
冷却後、内容物を濾過し、約250mLのエタノールで洗浄して半乾燥物を得た。半乾燥物をソックスレー抽出器で24時間かけてエタノールにより抽出した。エタノール抽出を用いて半乾燥物中の有機残渣を除去した。典型的なエタノール抽出方法では、乾燥粉末をソックスレー抽出シンブルに入れ、シンブルをソックスレー抽出器のエタノールを入れたフラスコの上部に配置した。エタノールを加熱還流した。抽出では、エタノールで固体を洗い流し、残留TRITON X−114及びアセト酢酸エチルなどのエタノールに可溶な有機物を除去する。得られた生成物を30mmHgで24時間真空オーブン乾燥して固体を得た。得られた茶色固体を、凝縮し、窒素下管状炉内で加熱速度2℃/分で550℃への加熱により熱分解して反応生成物を得、550℃で1時間保持し、室温まで冷却し、550℃で5時間空気流中で焼成して触媒生成物1及び2を得た。
[大規模な合成]
この実験には、窒素ブランケットにて循環熱油加熱器、後退カーブ形撹拌機、熱電対プローブ付きバッフル、窒素スイープ及び還流/蒸留冷却器を備えた100ガロン容量のガラス内張りスチール反応器を使用した。窒素ブランケット下95RPMで撹拌しながら反応器に約60.5kgのアセト酢酸エチル(130g/モル)及び約2.6kgのTRITON X−114(426g/モル)を入れた。連続撹拌下約15kgのアルミニウムsec−ブトキシド(246g/モル)を反応器に添加した。
【0042】
反応器の内容物を約30〜45分間撹拌した。約2.2kgの脱イオン水と約20.5kgのIPAに約0.331kgの硝酸銀(170g/モル)を溶解して調製した硝酸銀溶液を別の容器で均質化し、ペリスタポンプを用いてゆっくり反応器に添加して、アルミナの理論モル数に基づいて約6モル%の銀を含有する生成物3を得た。
【0043】
均質化した銀/水/IPA溶液を反応器に移す間に、反応混合物は徐々に濁り、濃厚になった。反応混合物を約30℃で3時間撹拌し、その後、熱油加熱により24時間穏やかに還流した(約80℃)。反応器の内容物を少し冷却し、約75kgの脱イオン水を添加して溶媒共沸蒸留プロセスを始めた。撹拌機の速度を115RPMに上げ、反応器蒸気空間から冷却器を通してゆっくり窒素でのスイープを開始した。混合物を再加熱して水/IPA共沸物を蒸留してIPA及びsec−ブタノールを除去した。溶媒置換プロセスの間にスラリーレベルが下がるので撹拌機の速度を時々調節して過剰なはね散りを出来るだけ少なくした。蒸留物を風袋を量ったドラムに集めた。共沸物の除去は、約4〜12kgの脱イオン水を時々添加しながら蒸留物にアルコールが存在しないことが確認されるまで継続した。この時点での加熱温度は、約97℃で一定であった。茶色のスラリーを室温まで冷却し、風袋を量った55ガロンポリエチレンドラムに流し入れた。ドラムをドラムローラーに載せ、さらなる処理の前に2時間以上回転させた。
【0044】
噴霧乾燥の試験を始める前に、処理の出口温度を求めるために実験室規模の乾燥テストをオーブン内で行った。温度及び外観を時間の経過とともに記録した。初期の乾燥温度は、溶媒を主成分とした供給材料を乾燥する予備実験に基づいて選択した。乾燥テストにより、処理入口温度は約250℃〜300℃の範囲であり、処理出口温度は100℃〜180℃の範囲となることが分かった。
【0045】
上記実施例の方法を変更したものとして、共沸蒸留の工程なしでアルコールスラリーを噴霧乾燥した。その実験での処理入口温度は約110℃〜150℃の範囲であり、処理出口温度は60℃〜100℃の範囲であった。
【0046】
噴霧乾燥実験の際、時間とともにポンプで送った材料の重量を記録することができるようにドラムを秤に載せた。噴霧乾燥工程後に合計8kgの材料を回収した。
【0047】
3%の銀を添加した生成物4を必要量の硝酸銀溶液を用いて上記の方法で製造した。粉末を焼成する前に粉末製造の異なる段階でエタノール抽出を導入することができる。この一連の実施例では、焼成前に生成物3の噴霧乾燥粉末をエタノール抽出することにより生成物5を製造し、焼成前に生成物4の噴霧乾燥粉末をエタノール抽出することにより生成物6を製造し、噴霧乾燥及び焼成前に生成物4の合成粉末をエタノール抽出することにより生成物7を製造した。
【0048】
1実験では、生成物3の乾燥粉末を2つのバッチに分け、別々に熱処理した。第1の部分は、真空オーブン内で約0.2トルの真空レベルで熱処理した。温度を約1℃/分の速度で約520℃に上げ、約2時間保持した。熱分解粉末を約5℃/分の速度で室温まで冷却して木炭黒色の粉末を得た。その後粉末を空気中で約5℃/分の速度で約600℃の温度に熱処理することにより焼成した。室温に冷却すると白色粉末として焼成触媒粉末が得られた。
【0049】
乾燥粉末の第2の部分を図4に示す管状炉50内で熱分解した。粉末を窒素雰囲気の加熱管60内で熱処理した。粉末を約3℃/分の速度で加熱し、約150℃の一定温度で1時間保持することにより脱水した。管状炉内の粉末の温度を窒素雰囲気で約3℃/分の速度で約550℃に上げた。粉末を100℃未満に冷却し、雰囲気を約9%の酸素に変えた。5%の酸素雰囲気で粉末を約600℃に加熱して焼成した。雰囲気を空気に変え、室温まで冷却した。白色粉末として焼成触媒粉末が得られた。
【0050】
材料のサンプルを熱処理完了後に集めた。各実験の最後に、材料をコレクターから取り出し、秤量し、シールバックに入れた。焼成触媒粉末を測定したところ、生成物3から取ったサンプルでは、D90が約4.3μm、BET表面積が約293m/gであった。
【0051】
図5に、325℃〜約375℃の温度範囲での生成物1、2、5及び6の粉末のNOx転換活性率を比較して示す。3%の銀添加及び6%の銀添加の両方で、この測定温度範囲では実験室規模のNOx転換活性率曲線72、74はそれぞれ大規模のNOx転換活性率曲線76、78と同様である。これは、大規模のバッチ用に改訂した合成及び処理の変更が、実験室規模のバッチと比較して焼成粉末の所望のNOx転換活性率をほとんど低減せずに、実施可能であることを実証している。6%の銀添加触媒粉末についての実験室規模のNOx活性曲線72(生成物1)及び大規模のNOx活性曲線76(生成物5)を、3%の銀添加触媒粉末についての実験室規模のNOx活性曲線74(生成物2)及び大規模のNOx活性曲線78(生成物6)と比較することにより、測定温度範囲で3%の銀添加触媒粉末は6%の銀添加触媒粉末に比べNOx活性が高かったことが分かる。
【0052】
図6に、325℃〜約375℃の温度範囲での生成物2、4、7及び6の粉末のNOx転換活性率を比較して示す。図から、エタノール抽出なしの大規模なバッチ(生成物4)のNOx転換活性率曲線84が325℃の温度で高い出発点を有し、測定温度が上昇するにつれてNOx転換活性率が減少したことがわかる。製造又は処理の間の異なる段階でエタノール抽出を行った生成物(2、7、6)のNOx転換活性率曲線82、86、88は、合成及び処理のバッチサイズにかかわらず、この実験で測定した温度範囲に渡ってNOx転換活性率がより安定であった。
【0053】
上記の実施例に記載したのと同様の方法にしたがって上記の実施例に記載した大規模な合成よりさらに大きなバッチも作り生成物8を製造した。生成物3のバッチサイズを約20%大きくして生成物8を製造し、生成物3と比べて粒度及びBET表面積に実質的な差のない約10kgの焼成粉末を得た。
【0054】
熱分解及び焼成の条件を変更した実験も行った。例えば、熱処理の加熱速度及び最高温度は、熱分解及び焼成条件によって変化させた。これらの変化の影響を示すために比較を行った。
【0055】
図7に、大規模なバッチで製造し、異なる加熱条件で熱分解した焼成触媒粉末生成物の正規化したNOx転換活性率を測定温度毎に比較して示す。図7の棒グラフは、550℃、600℃及び650℃の温度で熱分解した粉末及び異なる加熱速度、具体的には12.2℃/分及び24.4℃/分で熱分解した粉末を比較する。正規化したNOx転換活性率については、測定温度が上昇するにつれて全体的に僅かに低下したが、熱分解の際に異なる加熱条件にさらした粉末間で有意な変化は認められなかった。
【0056】
図8に、大規模なバッチで製造し、異なる加熱温度で焼成した焼成触媒粉末生成物の正規化したNOx転換活性率を測定温度毎に比較して示す。図8の棒グラフは、550℃、600℃及び650℃の温度及び12.2℃/分の加熱速度で焼成した粉末を比較する。上記の異なる加熱条件で熱分解した触媒粉末で認められたのと同様に、図8の正規化したNOx転換活性率については、測定温度が上昇するにつれて全体的に僅かに低下したが、焼成の際に異なる加熱条件にさらした粉末間で有意な変化は認められなかった。
【0057】
本明細書の実施形態は、特許請求の範囲に記載した発明の構成要素に相当する構成要素を含む方法の例である。本明細書では、特許請求の範囲に記載した発明の構成要素に同様に相当する代替構成要素を含む実施形態を当業者がつくり、実施できるようにしている。したがって、本発明の要旨は特許請求の範囲の文言と異ならない方法を含み、さらに特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない別の物品、システム及び方法を含む。特定の特徴及び実施形態だけについて例示し、説明したが、多くの変更や改変を当業者が想起することができるであろう。特許請求の範囲はこれらの変更や改変をすべて含む。
【符号の説明】
【0058】
50 管状炉
60 加熱管
72 実験室規模の6%銀触媒のNOx転換活性率曲線
74 実験室規模の3%銀触媒のNOx転換活性率曲線
76 大規模の6%銀触媒のNOx転換活性率曲線
78 大規模の3%銀触媒のNOx転換活性率曲線
82 乾燥工程後にエタノール抽出を行った6%銀触媒のNOx転換活性率曲線
84 エタノール抽出なしの3%銀触媒のNOx転換活性率曲線
86 噴霧乾燥前にエタノール抽出を行った3%銀触媒のNOx転換活性率曲線
88 噴霧乾燥後にエタノール抽出を行った3%銀触媒のNOx転換活性率曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒、液体キャリア、鋳型剤及び触媒基材を含有する触媒スラリーを調製し、
触媒スラリーを乾燥して触媒粉末原料を得、
触媒粉末原料を第1制御雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、
熱分解触媒粉末を第2制御雰囲気で焼成して焼成触媒粉末を得る
工程を含む、触媒粉末の製造方法。
【請求項2】
第1制御雰囲気が不活性雰囲気である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1制御雰囲気が真空である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
第2制御雰囲気が酸素を含有し、酸素濃度が第2制御雰囲気の全気体含量の約1モル%超である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
酸素濃度が約5モル%超である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
得られた焼成触媒粉末のメジアン径が約10μm未満である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
得られた焼成触媒粉末のバッチ量の中央値が約5kg超である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
焼成触媒粉末の比表面積が約200m/g超である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
触媒、液体キャリア、鋳型剤及び触媒基材を含有する触媒スラリーを調製し、
触媒スラリーを乾燥して触媒粉末原料を得、
触媒粉末原料を第1制御雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、
熱分解触媒粉末を第2制御雰囲気で焼成して焼成触媒粉末を得、
焼成触媒粉末からなる触媒表面を製造する
工程を含む、触媒コンバータの製造方法。
【請求項10】
銀、アルミナ、アルコール及び鋳型剤を含有する触媒スラリーを調製し、
触媒スラリーを噴霧乾燥して触媒粉末原料を得、
触媒粉末原料を不活性雰囲気で加熱して熱分解した触媒粉末を得、
熱分解触媒粉末を制御酸素雰囲気で焼成して銀鋳型メソポーラスアルミナ(Ag−TA)を含む焼成触媒粉末を得、
焼成触媒粉末を液体と混合して焼成触媒粉末スラリーを形成し、
焼成触媒粉末スラリーをモノリス支持体上にウォッシュコートする
工程を含む、NOx触媒コンバータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−143402(P2011−143402A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−286857(P2010−286857)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】