説明

触覚的にイネーブルにされるユーザインタフェース

デバイスが、ユーザ入力又はジェスチャに応答して触覚的効果を生成するユーザインタフェースを有する。一実施の形態では、このデバイスは、ユーザが要素のリスト内をスクロールしているという指示及び1つの要素が選択されているという指示を受信する。このデバイスは、スクロール速度を求め、スクロール速度に基づく振幅を有する触覚的効果を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施の形態は、触覚的効果に関する。より詳細には、本発明の一実施の形態は、触覚的効果を有するユーザインタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の製造者は、ユーザにとって豊富なインタフェースを製造しようと努力している。従来の装置は、ユーザにフィードバック(手応え)を提供するために、視覚的及び聴覚的合図を用いている。いくつかのインタフェース装置において、より一般的には総括して「触覚フィードバック」又は「触覚的効果」として知られる、運動感覚フィードバック(素早い及び抵抗力フィードバック等)及び/又はタクタイル(触知的)フィードバック(振動、触感、及び熱等)もまた、ユーザに提供される。触覚フィードバックは、ユーザインタフェースを強化及び単純化するきっかけを提供し得る。具体的に、振動効果、すなわち振動触覚的効果は、ユーザに特定のイベントを通知する(alert)ために、電子装置のユーザへ合図を提供するのに有用であり得るか、又はシミュレート環境若しくは仮想環境内でより大きく感覚を集中させるために、現実的なフィードバックを提供し得る。
【0003】
また、触覚フィードバックは、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機のような携帯電子装置、及び様々な他の携帯電子装置に、増大的に組み込まれてきた。例えば、触覚フィードバックを提供するように構成される、より大きな規模のゲームシステムで用いられる制御装置(例えば、ジョイスティック等)と同様の方法で振動することが可能な携帯ゲームアプリケーションもある。さらに、携帯電話機及びPDAのような装置は、振動によりユーザに様々な通知を提供することが可能である。例えば、携帯電話機は、振動によりユーザに着信を通知することができる。同様に、PDAは、ユーザに予定されている予定事項を通知するか、又はユーザに「行動」("to do")一覧事項若しくは予定されている約束事項の注意を喚起することができる。
【0004】
携帯装置はだんだんと、物理的なボタンからタッチスクリーンオンリー型インタフェースを好むように移行している。この転換は、柔軟性の増大、部品数の減少、及び故障しやすいメカニカル・ボタンへの依存の減少を可能にし、製品設計における最新動向に沿うものである。これらのタッチスクリーンデバイスの多くは、マルチタッチジェスチャを含むユーザジェスチャを入力コマンドに変換する高度なユーザインタフェースを含む。
【発明の概要】
【0005】
一実施の形態は、ユーザ入力又はジェスチャに応答して触覚的効果を生成するユーザインタフェースを有するデバイスである。一実施の形態では、このデバイスは、ユーザが要素のリスト内をスクロールしているという指示及び1つの要素が選択されているという指示を受信する。このデバイスは、スクロール速度を求め、スクロール速度に基づく振幅を有する触覚的効果を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】一実施形態による携帯電話機のブロック図である。
【図2】一実施形態によるスクロールバーの対話を通じてスクロールされ得る要素のリストを含むユーザインタフェースのブロック図である。
【図3】ユーザインタフェースを通じた要素のスクロールに応答して、一実施形態による図1の携帯電話機によって行われる機能のフロー図である。
【図4】フリックされた(flicked:軽くタッチされた)オブジェクトに応答して、一実施形態による図1の携帯電話機によって行われる機能のフロー図である。
【図5】ボリュームを制御するための仮想スライダを提供するタッチスクリーンのユーザインタフェースである。
【図6】スライダの動きに応答して、一実施形態による図1の携帯電話機によって行われる機能のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態は、種々のユーザ入力及びジェスチャ又はデバイス動作に応答してユーザへの触覚的確認を提供する、触覚的にイネーブルにされるユーザインタフェースである。
【0008】
図1は、一実施形態による携帯電話機10のブロック図である。電話機10は、タッチスクリーン11を含み、メカニカル・キー/ボタン13も含み得る。電話機10の内部には、電話機10上で振動を発生させる触覚フィードバックシステムがある。一実施形態では、振動は電話機10全体で発生する。他の実施形態では、タッチスクリーン11全体又はタッチスクリーン11の個々の部分を含む電話機10の特定の部分が、触覚フィードバックシステムによって、触覚的にイネーブルにされ得る。
【0009】
触覚フィードバックシステムはプロセッサ12を備える。プロセッサ12には、メモリ20と、振動アクチュエータ18に結合されているアクチュエータ駆動回路16とが結合されている。プロセッサ12は、任意のタイプの汎用プロセッサであり得るか、又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)のような、触覚的効果を提供するように特別に設計されたプロセッサであり得る。プロセッサ12は、電話機10全体を動作させるプロセッサと同一であってもよいし、又は別個のプロセッサであってもよい。プロセッサ12は、高レベルパラメータに基づいて、どのような触覚的効果を奏するようにさせるか、及び、触覚的効果が奏される順番を決定し得る。一般に、特定の触覚的効果を定義する高レベルパラメータは、振幅、周波数、及び持続時間を含む。また、ストリーミングモータコマンドのような低レベルパラメータも、特定の触覚的効果を決定するために用いられ得る。触覚的効果は、該触覚的効果が生成されるときのこれらパラメータのいくらかの変動、又はユーザの対話に基づくこれらパラメータの変動を含む場合、「動的である」と見なすことができる。
【0010】
プロセッサ12は、駆動回路16に制御信号を出力し、該駆動回路16は、所望の触覚的効果をもたらすために、必要とされる電流及び電圧をアクチュエータ18に供給するために用いられる電子要素及び回路を含む。アクチュエータ18は、電話機10上で振動を発生させる触覚装置である。アクチュエータ18は、電話機10のユーザに振動触覚力を(例えば、電話機10のハウジングを介して)印加することが可能な、1つ又は複数の力印加機構を含み得る。アクチュエータ18は、例えば、電磁アクチュエータ、偏心質量がモータによって動く偏心回転質量(「ERM」)アクチュエータ、ばねに取り付けられた質量が前後に駆動されるリニア共振アクチュエータ(「LRA」)、又は圧電ポリマー、電気活性ポリマー若しくは形状記憶合金のような「スマート材料」であり得る。メモリ装置20は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)又はリードオンリーメモリ(「ROM」)のような、任意のタイプの記憶装置又はコンピュータ可読媒体であり得る。メモリ20は、プロセッサ12によって実行される命令を格納する。また、メモリ20は、プロセッサ12の内部に位置してもよいし、内部メモリ及び外部メモリの任意の組み合わせであってもよい。
【0011】
タッチスクリーン11は、タッチを認識し、またタッチセンサー面上のタッチの位置及び振幅を認識し得る。タッチに対応するデータは、プロセッサ12又は電話機10内の別のプロセッサへ送信され、プロセッサ12は、そのタッチを解釈し、それに応答して触覚的効果を生成する。タッチスクリーン11は、容量感知、抵抗感知、表面音波感知、圧力感知、光学感知等を含む任意の感知技術を用いてタッチを感知することができる。タッチスクリーン11は、マルチタッチ接触を感知することができ、同時に生じる複数のタッチを区別することが可能であり得る。タッチスクリーン11はさらに、ユーザが例えばキー、ダイヤル等と対話するために画像を表示することができるか又は画像を最小限だけ有するか若しくは全く有しない、タッチパッドとすることができる。
【0012】
図1の実施形態は携帯電話機10であるが、他の実施形態は、ユーザインタフェースを提供し且つ触覚的効果を生成することができる任意のタイプのデバイスであり得る。このデバイスは、ハンドヘルド型であってもよく、ユーザインタフェースを生成するタッチスクリーンを含んでもよい。他の実施形態では、タッチスクリーン対話のためにハンドヘルドデバイス上で触覚的効果を生成するのではなく、デバイスは、ディスプレイと、マウス、タッチパッド、ミニジョイスティック等のようなカーソル制御装置とを含むコンピュータシステムであり得る。ディスプレイはユーザインタフェースを表示し、マウス又は他のデバイスは、ユーザがデバイスを把持しているときに触覚的効果が該デバイス上で生成されるように振動アクチュエータ18を含む。
【0013】
図2は、一実施形態によるスクロールバー204の対話を通じてスクロールされ得る要素202のリストを含むユーザインタフェース(「UI」)200のブロック図である。ユーザは、タッチスクリーンとの対話を通じて或いはボタンを押すか又はマウス若しくは他のインタフェースデバイスを用いることによって、スクロールバー204をスライドし得る。さらに、矢印206は、要素202のリストをスクロールする既知の方法で選択され得る。
【0014】
要素202がスクロールされると、要素の1つが、いずれの要素が「選択されている」かを示すために反転表示される。一実施形態では、触覚的効果は、要素202の各要素が選択されると生成される。触覚的効果は、振幅、周波数、及び持続時間の所定の組合せによる「バンプ(bump: ドンという衝撃、こぶ)」、「ポップ(pop)」、「クリック」、「チック(tick)」等の形態であり得る。しかしながら、スクロール速度が上昇するにつれて、一定の振幅の触覚的効果は、ユーザには一定の「バズ音(buzz)」のように感じられ、有意な情報を提供することができない可能性がある。したがって、一実施形態では、触覚的効果のボリューム/振幅は、スクロール速度が上昇するにつれて減少され、またその逆も同様である。これは、UI対話の全体的な「触覚的エネルギー」を低くて控えめなレベルに保つ。
【0015】
図3は、ユーザインタフェースを通じた要素202のスクロールに応答して、一実施形態による図1の携帯電話機10によって行われる機能のフロー図である。一実施形態では、図3、並びに以下の図4及び図6の機能は、メモリに格納されているソフトウェアによってインプリメントされ、プロセッサによって実行される。他の実施形態では、この機能は、ハードウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組合せによって行われてもよい。
【0016】
302において、ユーザが要素202のリスト内をスクロールしており且つ要素の1つが反転表示又は選択されているという指示を受信する。一実施形態では、要素202のリストは、図2のようなメニューリスト又はコンタクトのリストのようなリテラルリストであってもよいし、又は数字をスクロール/フリックによるタンブリング(tumbling)することによって変えることができるデジタル数字のスクロールリストを有する3Dシリンダクロックのような抽象的(abstract)なリストであってもよい。スクロールは、タッチスクリーンを通じて画面と対話することによって、上/下、左/右、斜めに若しくは円を描くようにボタンの押下/ホールドイベントを行うことによって、又は他の任意の方法によって達成され得る。
【0017】
304において、要素202の現在のスクロール速度を求めて、これを以前のスクロール速度と比較し得る。現在のスクロール速度が上昇しているのか又は下降しているのかが判断される。
【0018】
306において、要素の1つの選択に対応する触覚的効果を、現在のスクロール速度及び該現在のスクロール速度が上昇しているのか若しくは下降しているのかに基づいて、又はそのスクロール速度の振幅に基づいて生成する。一実施形態では、触覚的効果は、持続時間が短く、新たな要素が選択される度に反復する。触覚的効果の振幅は、スクロール速度が上昇している場合、以前の触覚的効果に比べて減少される。同様に、触覚的効果の振幅は、スクロール速度が下降している場合、以前の触覚的効果に比べて増大される。別の実施形態では、触覚的効果の振幅は、その振幅が現在のスクロール速度に反比例することに基づく参照テーブルから求められる。スクロール速度が速くなるほど、振幅は小さくなり、またその逆も同様である。
【0019】
一実施形態では、ユーザが、要素202のリストをスクロールしていくと、最終的にリストの終端に達する。この時点で、スクロールが停止し得るか又はリストがその先頭に戻り得る。一実施形態では、触覚的効果は、リスト内の最後の項目が選択されるか又はリストが先頭に戻ると生成され、その結果ユーザが非視覚的指示を受信する。この触覚的効果は、上記で開示されたような、リストの終端に位置していない項目の1つが選択されると生成される触覚的効果とは異なる。一実施形態では、リストの終端の触覚的効果は、持続時間、振幅、周波数等の任意の組合せの変化によって異なる。
【0020】
別の実施形態では、写真、ボール、パック等のような項目又は他のオブジェクトのリストをジェスチャを用いて「フリックする」ことができ、その結果リストが視覚的に動く。動く速度は、フリックの速度に応じて変わり得る。フリックされたオブジェクトは、リストの終端、壁、又は他の「ハードオブジェクト」のような仮想の停止点にぶつかると、視覚的にバウンスして反応する。一実施形態では、バウンスによって、対応する触覚的効果及びオプションで可聴出力が生じる。一実施形態では、触覚的効果は、最初は非常に強く(すなわち、振幅が高い)、バウンスされているオブジェクトが静止するにつれて急速に振幅が減少するという特徴的なパラメータを有することになる。さらに、フリックされたオブジェクトが動きを止めて静止したことを確認するために、かすかな触覚的クリック、ポップ又はチック効果のような別の触覚的効果が生成され得る。
【0021】
図4は、フリックされたオブジェクトに応答して、一実施形態による図1の電話機10によって行われる機能のフロー図である。402において、プロセッサ12は、フリックされたオブジェクトが壁、リストの終端等のような終点に達したという指示を受信する。404において、終点の指示に応答して、触覚的効果を生成する。一実施形態では、触覚的効果は、最初は高い振幅を有し、次いでフリックされたオブジェクトが静止するにつれて急速に減少していく振幅を有するという点で動的である。
【0022】
別の実施形態では、ユーザインタフェースは、スライダをシミュレートする。専門的音響及び産業用制御機器において見られる多数の物理的制御スライダがある。これらのスライダは概して、指先でスライダをドラッグすることによって制御される。スライダ制御機能の多くは、タッチスクリーンUI内に組み込まれ得る。図5は、ボリュームを制御する仮想スライダ502を提供するタッチスクリーンのためのUI500である。UI500は、仮想スライダ502の位置又は状態及び仮想スライダ502が制御しているパラメータに関する情報を提供する。スライダ502は、指又はカーソルによって操作され得る。他のUIは、上/下の向きに広がるか又はノブ若しくはハンドルのような回転式であり得るスライダを提供し得る。
【0023】
UI500は、最小設定及び最大設定を有し、一実施形態では、ボリュームが上がるにつれて増大する振幅、及びボリュームが下がるにつれて減少する振幅を有する動的な触覚的効果が生成される。このタイプの触覚的効果は、増大/減少するパラメータの相対量(これがステレオシステムからの可聴音量であるか又は液体体積を管理する産業用流量制御システムに関してのような物理的体積であるかにかかわらず)を伝えるのに役立つ。加えて、スライダの終端停止点、中央位置、又は制御されるエンドユーザ用途に特有であり得るスライダにおける他の重要な位置(例えば、位置504及び506)として用いられ得るバンプ又はくぼみをシミュレートする位置の触覚的効果が生成され得る。
【0024】
図6は、スライダの動きに応答して、一実施形態による図1の電話機10によって行われる機能のフロー図である。602において、プロセッサ12は、スライダが動いたという指示、及びパラメータ(例えば、ボリューム)が増大しているのか又は減少しているのかに関する指示を受信する。604において、パラメータの増大又は減少に応答して、増大若しくは減少する振幅又は他のパラメータを有する動的な触覚的効果を生成する。
【0025】
別の実施形態では、スライダ502は、オン/オフスイッチのような2つの静止位置又は限られた数の位置しか有しないトグル式のスライダである。この実施形態では、トグルスイッチによる(toggled)制御動作を確認する触覚的効果が生成される。さらに、2つ以上の明確に異なる触覚的効果は、スライダがオン/オフ、低速/中速/高速等のようないずれかの状態に置かれているのかをユーザに伝え得る。触覚的効果の差異は、多様な振幅、周波数、持続時間又はこれらの3つのパラメータの任意の組合せによるものであり得る。
【0026】
別の実施形態では、電話機10が画面遷移中に触覚的効果を生成する。触覚的効果は、一実施形態では画面上に生じるあらゆる視覚的遷移と同期する。触覚的効果を生成し得る画面遷移の例には、画面上のコンテンツが回転する画面の向きの変更、コンテンツを、画面のフェード、画面のワイプ、ディゾルブ又は他のビデオ遷移技法によって新たなコンテンツと差し替えること、ウェブページ、画像又は文書等のようなコンテンツの拡大又は縮小、パニングのような視覚サイズの変更が挙げられる。一実施形態では、触覚的効果は画面遷移中に生成され、画面遷移が完了すると異なる触覚的効果が生成され得る。
【0027】
別の実施形態では、ユーザが選択されたテキスト又は他の項目をタッチスクリーンを横切ってドラッグすると、触覚的効果は生成される。触覚的バンプ、ポップ又はチックは、ドラッグ中に生成され得る。個々の文字及び単語全体の選択の両方を確認するために、選択された文字毎にこの触覚的効果を再生することができ、また、単語全体が選択されると、異なった、おそらくはより強い効果を再生することができる。さらに、触覚的効果は、ドラッグ中に個々のオブジェクトがそれぞれ選択されると生成され得る。さらに、タッチスクリーンを横切ってオブジェクトをドラッグするか又は別様に指を動かす間に、画面の「表面」をシミュレートするように触覚的効果が生成され得る。例えば、画面がでこぼこの多い道路を表示している場合、指がてこぼこの多い道路を横切ってドラッグしているように感じられるように触覚的効果を生成することができる。
【0028】
別の実施形態では、バンプ、ポップ又はチックのような触覚的効果は、ユーザが自身の指又はカーソルを単語、ファイル、ディレクトリ、画像、アイコン等のような多数のオブジェクトを横切ってクリック・ドラッグすると生成され得る。一実施形態では、触覚的効果は、ドラッグしながら個々のオブジェクトをそれぞれ集団から選択又は除外するときに生成されることになる。この選択方法は、ワンタッチ及びマルチタッチスクリーンの両方によって達成することができる。
【0029】
別の実施形態では、バンプ、ポップ又はチックのような触覚的効果は、ユーザが単語を選択するのに自身の指をダブルタップするか又はカーソルをダブルクリックすると加えられ得る。この確認方法は、文全体又は段落全体を選択するのにトリプルタップするか又はトリプルクリックするときに用いられてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ユーザは、電話機10のようなデバイスが初期化し、コンテンツをダウンロードする等の間待機しなければならない。この間、Ulと概して対話することができず、対話を試みるのに費やされる時間は一切無駄である。一実施形態では、触覚的効果は、デバイスがユーザを待機させるローディング/スタンバイ状態に入ったか又は該状態から出たことをユーザに知らせるように生成される。
【0031】
一実施形態では、UIが非応答である間の触覚的効果は、UIが再び対話に利用可能になると単純に終わる、変化しない振幅又は周波数を有する一定のかすかな効果である。別の実施形態では、触覚的効果は、システムがそのタスクの完了に向けて近付くにつれて振幅及び/又は周波数が増大する動的な効果である。さらに、一実施形態では、UIが再び利用可能になると、バンプ、ポップ又はチックのような別個の確認完了の触覚的効果が生成され得る。
【0032】
別の実施形態では、タッチスクリーン11上でのユーザからのジェスチャを用いて、デバイス10によって既にロックされているコンテンツをロック解除することができる。デバイス10は、所定のジェスチャがユーザによって入力されるとロック解除することができる。例えば、ジェスチャは、デバイス10のメニューシステムをロック解除するパスワード又はパスコードとして機能することができる。所定のジェスチャの例は、旋回、スワイプ、押下/タップパターン又はこれらのジェスチャの任意の組合せを含む。
【0033】
一実施形態では、ジェスチャに対応するか又はジェスチャの表現である触覚的効果が生成され、その結果ユーザはそのジェスチャを確認するか又は習得することができる。触覚的効果は、円を描くような指向性の動きをシミュレートするために、動的であることができ、またタッチスクリーン11の個々の部分に一度に適用され得る。これは、特にジェスチャがパスコードの代わりであり且つデバイス10にアクセスするにはユーザがそのジェスチャを記憶する必要があるときに価値がある。触覚的効果がなければ、スワイプ、旋回又はタップパターンのようなジェスチャは、ジェスチャの視覚的及び/又は聴覚的表現を用いて該ジェスチャを再生することによってレビュー/確認され得る。しかしながら、触覚的効果は、視覚的及び/又は聴覚的合図のみよりも、特にタッチスクリーン11によって生成される指圧データパターンを含み得るジェスチャを用いる方が、ジェスチャパスコードを記憶するのにユーザを良好に助け得る。触覚的効果は、触覚的効果の振幅値を変えることによって指圧データを「シミュレートする」ことができる。触覚的効果は、自身のジェスチャパスコードを忘れてしまった可能性があるユーザのために生成することもできる、すなわち触覚的効果の再生は注意喚起としての機能を果たす。
【0034】
別の実施形態では、ユーザジェスチャは、所望のメニュー又は機能に到達するための複数のステップを迂回するために「ホットキー」又はマクロとして用いられる。例えば、ユーザの指をタッチスクリーン11上で時計回りに2回旋回させることは、ユーザが自宅に電話をかけること又はSMSモバイルメッセージをタイプすることを望んでいることを示し得る。デバイス10は次いで、本来はナビゲートされる必要がある標準的なメニュー選択を迂回してすぐにタスクを単純に開始する。上記のように、触覚的効果は、ユーザに対してジェスチャを確認するために又はユーザがジェスチャをレビューできるようにするために生成される。
【0035】
開示されるように、ユーザインタフェースを有するデバイスが、ユーザ入力に対するフィードバックを提供するかデバイスの状態に関する情報を提供するために種々の触覚的効果を生成する。触覚的効果はデバイスの有用性を高める。
【0036】
いくつかの実施形態が、本明細書において具体的に説明及び/又は記載されている。しかしながら、本発明の精神及び意図する範囲から逸脱することなく、改良形態及び変形形態が上記の教示により包含され、添付の特許請求の範囲内にあるものであることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースを操作する方法であって、
前記ユーザが要素のリスト内をスクロールしているという第1の指示を受信すること、
スクロール速度を求めること、及び
前記スクロール速度に基づく振幅を有する第1の触覚的効果を生成すること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記振幅は、前記スクロール速度が下降するにつれて増大される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記振幅は、前記スクロール速度が上昇するにつれて減少される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リストの終端が選択されているという第2の指示を受信すること、及び
前記第2の指示に応答して第2の触覚的効果を生成すること、
をさらに含み、前記第2の触覚的効果は前記第1の触覚的効果とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の触覚的効果は、振幅、周波数又は持続時間から成るグループからの前記パラメータの少なくとも1つに関して前記第1の触覚的効果と比較して異なる値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユーザインタフェースを操作する方法であって、
オブジェクトがユーザジェスチャによってフリックされたという指示及び前記オブジェクトが該オブジェクトをバウンスさせる終点に達したという指示を受信すること、及び
前記オブジェクトが前記終点に達すると触覚的効果を生成すること、
を含む、方法。
【請求項7】
前記触覚的効果は、動的であり、前記バウンスされているオブジェクトが静止するにつれて減少する振幅を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザインタフェースを操作する方法であって、
低振幅及び高振幅間で変動するスライダを前記ユーザインタフェース上に設けること、
前記スライダを前記高振幅に向けて動かす入力を受信すること、及び
前記スライダが前記高振幅に向かって動くにつれて増大する振幅を有する第1の動的な触覚的効果を生成すること、
を含む、方法。
【請求項9】
前記スライダを前記低振幅に向けて動かす入力を受信すること、及び
前記スライダが前記低振幅に向かって動くにつれて減少する振幅を有する第2の動的な触覚的効果を生成すること、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スライダの状態に対応する第3の触覚的効果を生成することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ユーザインタフェースを操作する方法であって、
前記ユーザインタフェース上で2つの状態間の画面遷移を生成すること、及び
前記画面遷移に基づいて触覚的効果を生成すること、
を含む、方法。
【請求項12】
前記触覚的効果は前記画面遷移中に生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記触覚的効果は前記画面遷移の完了時に生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ユーザインタフェースを操作する方法であって、
前記ユーザインタフェースの少なくとも1つの項目の選択を受信すること、
前記項目がドラッグされているという指示を受信すること、及び
前記項目がドラッグされている間に第1の触覚的効果を生成すること、
を含む、方法。
【請求項15】
前記選択が受信されると、第2の触覚的効果を生成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザインタフェースは表面を備え、前記第1の触覚的効果は該表面をシミュレートする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ユーザインタフェースを操作する方法であって、
前記ユーザインタフェースがスタンバイ状態に入ったという指示を受信すること、及び
前記スタンバイ状態に対応する第1の触覚的効果を生成すること、
を含む、方法。
【請求項18】
前記触覚的効果は、動的であり、前記ユーザインタフェースが前記スタンバイ状態の終了に近付くにつれて増大するパラメータを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記終了に達すると第2の触覚的効果を生成することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
タッチスクリーンを有するデバイスを操作する方法であって、
前記タッチスクリーンとのユーザ対話を含むジェスチャを前記デバイス上に格納すること、及び
前記ジェスチャをシミュレートする触覚的効果を前記デバイス上で生成すること、
を含む、方法。
【請求項21】
前記触覚的効果は、前記ジェスチャの動き部分をシミュレートするように前記タッチスクリーンの個々の部分に適用される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記触覚的効果は、前記ジェスチャの変化した圧力部分をシミュレートするように動的に変化する振幅を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ジェスチャは前記デバイスをロック解除する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ジェスチャは前記デバイス上でタスクを開始する、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−517810(P2011−517810A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550719(P2010−550719)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/034231
【国際公開番号】WO2009/114239
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(500390995)イマージョン コーポレーション (65)
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【Fターム(参考)】