説明

触覚的に操作可能な歯科モデリングシステム

本発明は、触覚インターフェースを利用し、かつ必要に応じてユーザの設計技術を利用して、通常は歯科修復物に見られる不規則で不定形な三次元構造の直感的構築を可能にするように構成されるコンピュータベースの設計アプリケーションを特徴とするデンタル歯科システムを提供する。ある実施形態では、本システムは、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラント等の歯科修復物を作成する業務における歯科技工所のための包括的なデジタルソリューションに、触覚インターフェース機器により提供される接触感覚を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2008年1月23日に出願された米国仮特許出願第61/062,275号の優先権と利益を主張し、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(本発明の分野)
本発明は、概して、歯科修復のためのシステムおよびツールに関する。より具体的には、ある実施形態では、本発明は、通常、歯科修復物に見られる不規則で不定形な三次元構造の、ユーザによる直感的構築を可能にするように構成されるコンピュータベースの設計アプリケーションに関する。
【背景技術】
【0003】
(本発明の背景)
米国の歯科修復産業(歯冠、ブリッジ、部分義歯、および総義歯)は、極めて大きな市場であり、現在、$70億を超える収益を出している(世界全体では$200億を超える)。その規模の大きさにもかかわらず、歯科修復物の設計および生産は、主に、地理的に分散および分離した技工所により小規模に実行されるローテクで手動の工程を特徴とする。
【0004】
従来の歯科技工所の方法は、労働集約型であり、世代が古く、相当な指先の器用さを必要とし、職務の多くについては、芸術的な技術を必要とする。歯冠またはブリッジを製作する従来の工程(すなわち、ワックスレプリカの作成、硬質石膏の中へのワックスのインベストメントでの包み込み、ワックスの溶解、溶解金属との置換、硬質石膏からの除去、ポーセリンまたは他の材料の追加)は、3,000年以上も前にエジプト人によって初めて開発された。多くの技工所は、極めて基本的な資本設備しか持たず、単純な混合器、オーブン、ならびに歯科修復物の設計における何年ものトレーニングおよび技術のみに依存している。
【0005】
多くのデジタル歯科製造者は、より迅速かつ効率的に高度に正確な修復物を生産することに期待して、技工所がデジタルコンテクストで修復物を設計することに役立てるシステムを導入し、技工所の処理能力、収益性、および質を改善している。多くの業者は、市場のシェアを競っているが、現在利用可能なシステムが提供する解決法は、歯科技工所の技工士によって容易に採用されるものではない。市場浸透は低く、デジタル的に作製される修復物の数は、依然として全体の10%に満たない。
【0006】
修復歯科学におけるデジタル化解決法の採用を普及させるための重大なハードルのうちのいくつかとして、従来のコンピュータインターフェースを機械的設計に利用する際に大部分の技工士が直面する困難と、技工士が自身の経験および専門的知識を生かすことを可能にする方式で修復物のデジタルモデルを修正するための直感的ツールの不足とが挙げられる。現在業界で提供されるものでは、技工士は、抽象化を含む複雑な設計プログラムであって、技工士の経験およびトレーニングとはかなり異なるプログラムにおいて熟練度を上げることが必要となる。さらに、これらのシステムは、歯科補綴物の設計に関する高度に有機的な性質に対処するには設備が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
歯科専門家が快く受け入れる透過的で使い易く、かつ習得し易いデジタル歯科システムが必要とされる。デジタル歯科システムは、高度に有機的な形状を生成し、ユーザがこれらの形状を、ワックスモデルにおいて手動で行うように容易にかつ直感的に修正することを可能にすることができなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本発明の実施形態は、触覚インターフェースを利用し、かつ通常は歯科修復物に見られる不規則で不定形な三次元構造の直感的構築を可能にするように構成されるコンピュータベースの設計アプリケーションを特徴とするデンタル歯科システムを提供する。他の実施形態は、修復物の多種多様の三次元仮想表現を、自動的、半自動的、または手動的に修正するための仮想ツールを提供し、これによって、熟練した技工士からの入力および調整が可能になる。
【0009】
ある実施形態では、本システムは、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラント等の歯科修復物を作成する業務における歯科技工所のための包括的なデジタルソリューションに、Woburn, MassachusettsのSensAble Technologies, Inc.により製造されるSensAble PHANTOM(登録商標)触覚機器等の、触覚インターフェース機器により提供される接触感覚を提供する。
【0010】
ある実施形態では、歯科技工所システムは、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラントなどを含む歯科修復物のための総合的なソリューションを提供する。例えば、一実施形態では、本システムは、光学3Dスキャナ、3D設計ソフトウェア、触覚(力フィードバックインターフェース機器)、システム統合ソフトウェア、ネットワーキングおよびコンピュータハードウェア、ならびにいくつかのパッケージ構成では、歯科修復物の製作のためのラピッドプロトタイピング(RP)機器または研磨機械を含む。他の構成では、歯科修復物は、生産センターで製作されて、修復物は、最終的な適合および仕上げのために歯科技工所に発想されてもよい。
【0011】
概して、一局面では、本発明は、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するためのシステムを含む。本システムは、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションを含む。設計アプリケーションは、ユーザインターフェースを介するユーザ入力に従って、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを仮想耐火モデル上に確立するように構成される1つ以上の仮想ワックスアップツールを含む。
【0012】
種々の実施形態では、仮想ワックスオブジェクトは、主に、ボクセルベースであり、辺縁線近傍に境界表現幾何学的形状を有する。1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想メッシュツール、仮想隆線ツール、仮想クラスプツール、仮想フィニッシュラインツール、および仮想舌側カラーツールから成る群から選択される1つ以上の部材を含み得る。1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想メッシュツールを含み得、仮想メッシュツールは、最小限の歪みを含む仮想耐火モデルの表面の任意のユーザにより識別された領域内において、仮想ワックスオブジェクトの三次元パターン化メッシュ部分を確立し得る。仮想メッシュツールは、NURBSパッチが適合する4つの境界曲線に、仮想耐火モデルの表面に適合するユーザ定義の閉ループ曲線を分割し得、三次元パターン化メッシュ部分とともに、ユーザ定義の厚さのスペーサ体積をさらに確立し得る。
【0013】
種々の実施形態では、1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想隆線ツールを含む。仮想隆線ツールは、クラスプと、部分骨格におけるメッシュ範囲の周囲のフィニッシュラインとの作成に適切なプロファイルおよび端部テーパ特徴を含む長い押し出しワックスパターンを確立し得る。仮想隆線ツールは、ユーザにより決定された1つ以上のガイド曲線、1つ以上の断面プロファイル、および1つ以上の端部テーパパラメータを入力として受け入れ得る。1つ以上のガイド曲線、1つ以上の断面プロファイル、および1つ以上の端部テーパパラメータは、システム全体の選好のデータベースからユーザにより選択され得る。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、仮想隆線ツールは、1つ以上のガイド曲線、1つ以上の断面プロファイル、またはその両方を作成および/または編集する際にユーザを支援するために、触覚インターフェース機器を介してユーザに供給される1つ以上の触覚支援を含み得る。1つ以上の触覚支援は、ガイド曲線の複数の点の各々に対応する触覚スナップを含み、調整のために、ユーザによるガイド曲線の1つ以上の点の選択を促進し得る。1つ以上の触覚支援は、二次元制限平面を含み、プロファイル点および/または1つ以上の断面プロファイルのハンドルの選択および調整を促進し得る。
【0014】
種々の実施形態では、1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想クラスプツールを含む。仮想クラスプツールは、1つ以上のユーザにより選択されたガイド曲線、プロファイル、および端部テーパ条件を定義するパラメータに基づいて、単純なリングクラスプ、J字型クラスプ、またはT字型クラスプを確立し得る。1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想フィニッシュラインツールまたは仮想舌側カラーツールを含み得る。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含み得る。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有し得る。歯科修復物は、例えば、部分骨格、歯冠およびブリッジ、インプラント、ベニヤ、ナイトガード、バイトスプリント、または歯列矯正であり得る。
【0015】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0016】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物を設計するための方法を含む。本方法は、患者の口腔の歯型から作製される歯科用硬質石膏の走査から初期3Dコンピュータモデルを作成するステップ、あるいは、患者の口腔の直接走査から初期3Dコンピュータモデルを作成するステップと、仮想ブロックアウトワックスを初期3Dコンピュータモデルに自動的、手動的、または半自動的に追加するステップと、初期3Dコンピュータモデルおよび追加された仮想ブロックアウトワックスを接合することによって(例えば、統一動作を介して)、仮想耐火モデルを形成するステップを含む。本方法は、歯科修復物の最終3Dコンピュータモデルを定義するために、仮想設計ワックスを仮想耐火モデルに追加するステップと、任意選択により、歯科修復物の最終3Dコンピュータモデルを使用して、三次元歯科修復物を製造するステップとをさらに含む。
【0017】
種々の実施形態では、本方法は、ユーザにより調整可能な辺縁線を自動的に識別するステップを含む。仮想リリーフワックスは、仮想ブロックアウトワックスの追加前もしくは追加後のいずれかの仮想耐火モデルの形成時に、例えば、初期3Dコンピュータモデルに追加されるか、または仮想リリーフワックスは、仮想耐火モデルに直接追加されるが、いかなる場合でも、製造ステップの前に追加される。仮想リリーフワックスは、手動的または自動的に追加され得る。仮想設計ワックスは、歯科用硬質石膏の走査における1つ以上の走査誤差を補正し、および/または歯科修復物の鋳造中に1つ以上の適合誤差を防止し得る。誤差は、歯科用硬質石膏における泡、高周波加熱、および/または硬い隅部により引き起こされ得る。少なくとも1つのステップは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器を使用して実行され得る。触覚インターフェース機器は、スタイラスをまたは少なくとも6つの自由度を含み得る。本方法は、3Dコンピュータモデルの幾何学的形状および三次元歯科修復物の挿入方向に少なくとも部分的に基づいて、仮想ブロックアウトワックスを初期3Dコンピュータモデルに自動的に追加するステップをさらに含み得る。歯科修復物の最終3Dコンピュータモデルを定義するために仮想耐火モデルの上部に仮想設計ワックスを追加するステップは、クローンツール、主要コネクタツール、メッシュツール、隆線ツール、クラスプツール、フィニッシュツール、および舌側カラーツールから成る群から選択される1つ以上の仮想ワックスアップツールを使用するステップを含み得る。最終3Dコンピュータモデルは、ボクセルベースの表現および境界表現を含み得る。境界表現は、識別される辺縁線およびセメント間隙の精度を改善し得る。
【0018】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0019】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物の設計において仮想耐火モデルを下処理するための装置を含む。本装置は、命令の組を定義するコードを格納するメモリと、命令を実行するプロセッサとを含む。これによって、プロセッサは、硬質石膏または患者の状況の走査からモデルを作成し、モデルのアンダーカット部分および/または欠陥部分を充填するために、仮想ブロックアウトワックスをモデルに追加し、ユーザコマンド時に、追加された仮想ブロックアウトワックスを組み込むようにモデルを更新することによって、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトがその上に確立可能である仮想耐火モデルを下処理する。
【0020】
種々の実施形態では、モデルは、ボクセルベースの表現および境界表現を含む多表現モデルである。加えて、プロセッサは、仮想ブロックアウトワックスを追加するステップの前に、命令を実行して、泡アーチファクトを彫刻もしくは平滑化することによって、または下処理した歯を溝掘りすることによってモデルを修正し、ならびに/あるいは、任意選択により、歯科用硬質石膏の走査および/または鋳造による1つ以上の誤差を補正するために、仮想リリーフワックスを、歯科用硬質石膏および/または歯科用硬質石膏の走査から作成されたモデルの走査に追加し得る。リリーフワックスは、手動的または自動的に追加され得る。誤差は、歯科用硬質石膏における泡、穴、高周波加熱、および/または硬い隅部により引き起こされ得る。三次元歯科修復物は、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラント、ベニヤ、ナイトガード、バイトスプリント、および/または歯列矯正であり得る。仮想耐火モデルは、硬質石膏または患者の状況の走査に対応する第1の体積成分と、モデルに追加される仮想ブロックアウトワックスの体積に対応する第2の別の体積成分とを含み得る。プロセッサは、命令を実行して、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトをさらに作成する。仮想ワックスオブジェクトは、仮想耐火モデル上に確立され得、ボクセルベースの表現および境界表現を含む多表現モデルであり得る。ユーザコマンドは、ボタンの作動を含み得る。
【0021】
種々の実施形態では、プロセッサは、命令を実行して、ユーザにより選択された挿入経路に少なくとも部分的に基づいて、グラフィカルインターフェース上において、グラフィック的に、モデルのアンダーカット部分を自動的に識別および表示し、それによって、アンダーカット部分をモデルの非アンダーカット部分と区別する。アンダーカット部分は、アンダーカットの度合いに基づいて、対照的な色により表示され得る。プロセッサは、命令を実行して、ユーザがユーザインターフェースを介して仮想ブロックアウトワックスを追加する際に、リアルタイムで上記モデルを表示し得、アンダーカット部分の減少は、ユーザが仮想ブロックアウトワックスを追加する際に、リアルタイムでユーザに表示され得る。プロセッサは、命令を実行して、仮想ブロックアウトワックスをアンダーカット部分に自動的に追加し得る。プロセッサは、命令を実行して、初期耐火モデルにおけるギザギザの下部構造を作成するか、またはユーザにより指定された1つ以上のパラメータに基づいて、初期耐火モデルに選好の組を適用し得る。パラメータは、歯科修復物において使用される患者データおよび/または材料を備えるか、またはそれに対応し得る。
【0022】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0023】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物の設計において仮想耐火モデルを下処理するためのシステムを含む。本システムは、ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、硬質石膏または患者の状況に対応する走査データを使用して初期仮想耐火モデルを作成するように構成される。設計アプリケーションは、仮想ブロックアウトワックスを、初期仮想耐火モデルのユーザ定義の領域に追加して、初期耐火モデルの表面上の1つ以上の穴を充填し、および/または凸凹を平準化することによって、初期耐火モデルを修正するように構成される仮想ブロックアウトワックスツールを含み、設計アプリケーションは、ユーザコマンド時に、追加された仮想ブロックアウトワックスを含めるために、仮想耐火モデルを更新するように構成される。
【0024】
種々の実施形態では、設計アプリケーションは、ユーザインターフェースを介したユーザ入力に基づいて、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを作成するようにさらに構成され、仮想ワックスオブジェクトは、更新された仮想耐火モデル上に確立される。設計アプリケーションは、パッチをユーザ定義の領域内の初期仮想耐火モデルの表面に適合し、上記パッチは、凸状表面に緩く適合し得るが、凹状特徴に適合し得ない。仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを初期耐火モデルのユーザ定義の領域上に追加して、抜歯により引き起こされた穴を補うように構成され得る。三次元歯科修復物は、部分骨格であり得、仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを初期耐火モデルのユーザ定義の領域上に追加して、口腔欠陥を補うように構成され得る。三次元歯科修復物は、舌側バーを含み得、仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを初期耐火モデルのユーザ定義の領域上に追加して、下側口蓋の凸凹を補うように構成され得る。
【0025】
種々の実施形態では、仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを初期耐火モデルのユーザ定義の領域上に追加して、初期仮想耐火モデルの作成に使用される走査データが得られた硬質石膏のアーチファクトを補うように構成される。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含み得る。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有し得る。ユーザインターフェースは、マウスおよび/またはトラックボールを含み得る。設計アプリケーションは、初期耐火モデルにおけるギザギザの下部構造を作成するための切縁範囲低減ツール、および/またはユーザにより指定されたパラメータに基づいて、初期耐火モデルに選好の組を適用するための選好ツールをさらに含み得る。パラメータは、歯科修復物において使用される患者データおよび/または材料を含むか、またはそれに対応し得る。
【0026】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0027】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するためのシステムを含む。本システムは、ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、ユーザインターフェースを介するユーザ入力に従って仮想ワックス層を仮想耐火モデルに適用することによって、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するように構成される仮想ワックスアップツールを含み得る。仮想ワックス層は、ユーザ指定の厚さにより耐火モデルの表面から自動的にオフセットされ得る。
【0028】
種々の実施形態では、三次元歯科修復物は、部分骨格である。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、仮想ワックスアップツールは、触覚インターフェース機器を介して、仮想耐火モデルの表面に沿ってユーザによりガイドされ得る。仮想ワックスアップツールは、仮想ワックスの出力層の境界を決定する体積サンプリング形状を有し、それによって、出力層の連続性が確実になり得る。体積サンプリング形状は、球形であり得、適用される仮想ワックスのユーザ指定の厚さよりも大きい直径を有し得る。仮想耐火モデルは、仮想ワックス層のモデリングに使用されるボクセルデータを含み得る。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、触覚インターフェース機器は、スタイラスを含み得、仮想ワックスアップツールは、ユーザによるスタイラスの移動に従って、リアルタイムで仮想ワックス層を仮想耐火モデル上に対話式にペイントするように構成され得る。
【0029】
種々の実施形態では、仮想ワックスアップツールは、仮想ワックス層を、仮想耐火モデルの表面上の領域内に適用するように構成され、上記領域は、ユーザインターフェースを介してユーザによって識別される。仮想ワックス層は、ユーザインターフェースを介してユーザによって、仮想耐火モデルの表面上に描画される閉曲線ループにより境界付けられる領域内に適用され得る。仮想ワックス層は、ユーザインターフェースを介してユーザによって、仮想耐火モデルの表面上にペイントされる領域内に適用され得る。設計アプリケーションは、仮想耐火モデルの表面上の領域にNURBSパッチを適合し、NURBSパッチを指定の距離にオフセットし、パッチの上面をボクセル表現に変換し得る。設計アプリケーションは、所望の平滑を生成するために、領域内の二次元グリット点を緩和することによって、NURBSパッチを領域に適合し得る。設計アプリケーションは、ポリメッシュ表現を生成するためにパッチを碁盤目模様にすることによってパッチの上面をボクセル表現に変換し、ポリメッシュ表現をボクセル表現に変換し得る。
【0030】
種々の実施形態では、ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含み得る。ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり得、触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有し得る。ユーザインターフェースは、マウスおよび/またはトラックボールを含み得る。
【0031】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0032】
概して、別の局面では、本発明は、ラピッドプロトライピング機械とともに使用するための三次元歯科修復物のモデルを修正するためのシステムを特徴とする。本システムは、ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、辺縁線を備える三次元歯科修復物のモデルを受信するように構成される。設計アプリケーションは、ラピッドプロトタイピング機械の1つ以上の拘束に従って、選択された最小値に辺縁線におけるモデルの厚さを増加させるように構成されるエッジ厚ツールを含む。
【0033】
種々の実施形態では、ラピッドプロトタイピング機械の拘束は、分解能を含み得る。歯科修復物は、コーピングおよび/またはベニヤを含み得る。辺縁線におけるモデルの増加した厚さは、三次元歯科修復物のモデルの表面に垂直である棚部を含み得る。最小値は、約0.2mmであり得る。
【0034】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0035】
概して、別の局面では、本発明は、歯科修復物を設計するためのシステムを特徴とする。本システムは、力フィードバックをユーザに提供し、かつユーザからの入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、グラフィカルフィードバックをユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、触覚インターフェース機器およびグラフィカルインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、ユーザ入力に応答して、グラフィカルインターフェースを介してダイアログボックスをユーザに表示するように構成されるワークフローモジュールを含み、ダイアログボックスは、触覚インターフェース機器、グラフィカルインターフェース、および設計アプリケーションを使用して三次元歯科修復物を設計する際に、所定のワークフローにユーザをガイドするための命令の段階的リストを含む。
【0036】
種々の実施形態では、ワークフローモジュールは、ダイアログボックスのシーケンスをユーザに表示するように構成され、シーケンスにおける各ダイアログボックスは、所定のワークフローのサブタスクを実行する際の命令の段階的リストを含む。三次元歯科修復物は、部分義歯、部分骨格、ブリッジ、コーピング、ベニヤ、複合ブリッジ、人口歯、複数の人口歯、ポンティック、インプラント、インプラントアバットメント、およびインプラントバーから成る群から選択される部材であり得る。ダイアログボックスは、所定のワークフローにおいて、1つ以上の対応する機能を作動するための1つ以上のリンクを含み得、1つ以上の対応する機能は、力フィードバックを含む触覚インターフェース機器を使用してワックス状モデリングタスクを実行するための少なくとも1つの機能を含み得る。触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含み得る。ダイアログボックスは、モーダルダイアログボックス、非モーダルダイアログボックス、ウィンドウモーダルダイアログボックス、およびアプリケーションモーダルダイアログボックスから成る群から選択される部材であり得る。
【0037】
種々の実施形態では、本システムは、所定のワークフローにおいて実行される機能を表現する複数のアイコンと、任意選択により、1つ以上の追加の機能とを含むグラフィカルユーザインターフェースをさらに含む。設計アプリケーションは、グラフィカルユーザインターフェースにおいて、選択された所定のワークフローにおいて実行される機能に対応する特定の組のアイコンを表示または強調するように構成され得、任意選択により、選択された所定のワークフローにおいて実行される機能に対応しない任意のアイコンを非表示または除去するように構成され得る。ワークフローモジュールは、ユーザによる作動時に、所定のワークフローのうちの1つ以上のステップを実行する際にユーザにより実行される動作を中止し、1つ以上の中止したステップを実行する際にユーザにより引き起こされる三次元歯科修復物の設計における任意の効果を無効にする取り消し機能を含み、これによって、ユーザは、1つ以上の中止したステップを繰り返すまたは省略することが可能になり得る。触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有し得る。
【0038】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0039】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物を設計するためのシステムを含む。本システムは、力フィードバックをユーザに提供し、かつユーザから入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、グラフィカルフィードバックをユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、触覚インターフェース機器およびグラフィカルインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、触覚インターフェース機器、グラフィカルインターフェース、および設計アプリケーションを使用して三次元歯科修復物を設計する際に実行される機能を表現するアイコンを含み得る、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含み得、機能のうちの少なくとも1つは、ユーザ選択の前に確立された初期設定を含み得る。
【0040】
種々の実施形態では、初期設定は、寸法または1つ以上のワックスパターを含む。設計アプリケーションは、ユーザによる機能の作動時に、ダイアログボックスを表示するように構成され得、ダイアログボックスは、ユーザにより作動された機能に対応する初期設定を表示し得る。初期設定は、技工所全体の症例管理システムを介して設定され得るか、または設計アプリケーションのための入力として利用可能であり得る。
【0041】
アイコンは、複数のワークフローにおいて実行可能である機能に対応するツールを表現し得、アイコンは、特定のワークフローにおける使用に所定のツールを表現するアイコンが空間的に近接するように、GUIにおいて配置され得る。部分骨格、コーピング、および/またはブリッジを設計するためのツールを表現するアイコンは、まとめてグループ化され得る。描画ツールおよび/またはワックス状モデリングツールを表現するアイコンは、まとめてグループ化され得る。三次元歯科修復物は、部分義歯、部分骨格、ブリッジ、コーピング、ベニヤ、複合ブリッジ、人口歯、複数の人口歯、ポンティック、インプラント、インプラントアバットメント、およびインプラントバーから成る群から選択される複数の部材を含み得る。設計アプリケーションは、ユーザにより選択されたワークフローにおいて実行される機能に対応する特定の組のアイコンを、GUIにおいて表示または強調するように構成され得、任意選択により、ユーザにより選択されたワークフローにおいて実行される機能に対応しない任意のアイコンを非表示または除去するように構成され得る。設計アプリケーションは、ユーザによる作動時に、所定のワークフローのうちの1つ以上のステップを実行する際にユーザにより実行される動作を中止し、1つ以上の中止したステップを実行する際にユーザにより引き起こされる三次元歯科修復物の設計における任意の効果を無効にする取り消し機能を含み、これによって、ユーザは、1つ以上の中止したステップを繰り返すまたは省略することが可能になり得る。
【0042】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0043】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物の設計において辺縁線を抽出するためのシステムを含む。本システムは、触覚フィードバックをユーザに提供し、かつユーザから触覚入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、グラフィカルフィードバックをユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、硬質石膏または患者の状況の走査からモデルを作成するように構成され、設計アプリケーションは、モデルの辺縁線を識別するように構成される辺縁線検出モジュールを含む。辺縁線検出モジュールは、任意選択により、辺縁線を識別する際に、ユーザからの触覚入力を使用する。
【0044】
種々の実施形態では、辺縁線検出モジュールは、初期辺縁線がユーザインターフェースを介してユーザにより調整されるように、または調整せずにユーザによって受け入れられるように、モデルから初期辺縁線を自動的に決定するように構成される。硬質石膏は、自動検出のために辺縁線を強調するように走査前に修正(例えば、溝掘り)され得る。辺縁線検出モジュールは、曲率ベースの機構および/または二次元輪郭検出機構を使用して、辺縁線を識別するように構成され得る。辺縁線検出モジュールは、辺縁線を表現する閉ループを検出するために、アルゴリズムを使用して、辺縁線が存在する幾何学的形状片のユーザインターフェースを介するユーザ選択の後に、辺縁線を識別するように構成され得る。幾何学的形状片は、触覚インターフェース機器を使用してユーザによりペイント選択される。触覚インターフェース機器と通信する設計アプリケーションは、ユーザによる幾何学的形状片のペイント選択中に、触覚インターフェースをモデルの表面に拘束するように、力フィードバックをユーザに提供し得る。
【0045】
種々の実施形態では、辺縁線検出モジュールは、辺縁線を表現する閉ループを検出するために、視覚的に明白なシルエット探索アルゴリズムを使用する。触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含み得る。触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有し得る。ユーザインターフェースは、マウスおよび/またはトラックボールを含み得る。
【0046】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0047】
概して、別の局面では、歯科修復物の三次元モデルに支持特徴を配置するためのシステムを含む。本システムは、ユーザから入力を受信するように設計されるユーザインターフェースと、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、モデルの特徴を分析し、支持特徴の配置点を決定するように構成される。
【0048】
種々の実施形態では、歯科修復物は、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラント、ベニヤ、ナイトガード、バイトスプリント、および/または歯列矯正であり得る。支持特徴は、スプルーおよび/または支持バーであり得る。設計アプリケーションは、支持特徴を三次元モデルに自動的に配置するようにさらに構成され得る。設計アプリケーションは、配置された支持特徴を除去するために、ユーザにクエリを行うダイアログボックスを含み得、および/またはコマンドをグループ化するためのテンプレートを含み得、テンプレートは、三次元モデルを分析するためのステップと、支持特徴の配置を決定するためのステップとを含む。
【0049】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【0050】
概して、別の局面では、本発明は、三次元歯科修復物のボクセルベースの表現を確立するためのシステムを含む。本システムは、ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含む。設計アプリケーションは、硬質石膏または患者の状況の走査からモデルを作成するように構成され、設計アプリケーションは、三次元歯科修復物のボクセルベースの表現を作成するように構成される接合間隙モジュールを含み、ボクセルベースの表現とモデルとの間の接合間隙を可能にする。種々の実施形態では、接合間隙オフセットは、ユーザにより指定され得る。
【0051】
本発明の他の局面の実施形態の要素に関する説明も、本発明の本局面に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の種々の局面および実施形態の目的および特徴は、以下の概略図および請求項を参照して、より理解可能になる。図面は、必ずしも一定の縮尺であるとは限らず、代わりに、概して、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。図面において、同様の参照文字は、概して、異なる図面において同一の部分を指す。以下の説明において、本発明の種々の実施形態は、以下の図面を参照して説明される。
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従うワークフローウィザードの画面キャプチャを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従う、パレットのグループの画面キャプチャを示す。
【図3a】図3a〜図3bは、本発明の実施形態に従う、設定選好の画面キャプチャを示す。
【図3b】図3a〜図3bは、本発明の実施形態に従う、設定選好の画面キャプチャを示す。
【図4a】図4a〜図4bは、本発明の実施形態に従う、走査モデルの画面キャプチャを示す。
【図4b】図4a〜図4bは、本発明の実施形態に従う、走査モデルの画面キャプチャを示す。
【図5a】図5a〜図5bは、本発明の実施形態に従う、コ―ピング走査の画面キャプチャを示す。
【図5b】図5a〜図5bは、本発明の実施形態に従う、コ―ピング走査の画面キャプチャを示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に従う、歯科修復物の画面キャプチャを示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従うクローンツール動作の画面キャプチャを示す。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に従う、クローン体積動作を示す。
【図9a】図9a〜図9cは、本発明の実施形態に従う、設計モデルの画面キャプチャを示す。
【図9b】図9a〜図9cは、本発明の実施形態に従う、設計モデルの画面キャプチャを示す。
【図9c】図9a〜図9cは、本発明の実施形態に従う、設計モデルの画面キャプチャを示す。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に従うフィラーツールの断面適合を示す。
【図11a】図11a〜図11bは、本発明の実施形態に従う、耐火モデルの表面の画面キャプチャを示す。
【図11b】図11a〜図11bは、本発明の実施形態に従う、耐火モデルの表面の画面キャプチャを示す。
【図12a】図12a〜図12bは、本発明の実施形態に従う、メッシュおよびワックスリリーフ範囲の画面キャプチャを示す。
【図12b】図12a〜図12bは、本発明の実施形態に従う、メッシュおよびワックスリリーフ範囲の画面キャプチャを示す。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に従う、ドロップダウンリストの画面キャプチャを示す。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に従う、仮想ワックス出力の画面キャプチャを示す。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に従う、隆線ツールの画面キャプチャを示す。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に従う、クラスプパラメータのダイアログボックスの画面キャプチャを示す。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に従う、フィニッシュラインパラメータのダイアログボックスの画面キャプチャを示す。
【図18】図18は、本発明の一実施形態に従う、舌側カラーオプションのダイアログボックスの画面キャプチャを示す。
【図19】図19は、本発明の一実施形態に従う、コーピング設定のダイアログボックスの画面キャプチャを示す。
【図20a】図20a〜図20dは、本発明の実施形態に従う、辺縁生成の画面キャプチャを示す。
【図20b】図20a〜図20dは、本発明の実施形態に従う、辺縁生成の画面キャプチャを示す。
【図20c】図20a〜図20dは、本発明の実施形態に従う、辺縁生成の画面キャプチャを示す。
【図20d】図20a〜図20dは、本発明の実施形態に従う、辺縁生成の画面キャプチャを示す。
【図21】図21は、本発明の一実施形態に従う、挿入経路の画面キャプチャを示す。
【図22a】図22a〜図22bは、本発明の実施形態に従う、回転ウィジェットの画面キャプチャを示す。
【図22b】図22a〜図22bは、本発明の実施形態に従う、回転ウィジェットの画面キャプチャを示す。
【図23】図23は、本発明の一実施形態に従う、コーピングにおけるナイフエッジの画面キャプチャを示す。
【図24】図24は、本発明の一実施形態に従う、ベニヤ設計におけるナイフエッジの画面キャプチャを示す。
【図25】図25は、本発明の一実施形態に従う、エッジ厚ダイアログボックスの画面キャプチャを示す。
【図26】図26は、本発明の一実施形態に従う、完成ベニヤの画面キャプチャを示す。
【図27a】図27a〜図27cは、本発明の実施形態に従う、混合表現利用の画面キャプチャを示す。
【図27b】図27a〜図27cは、本発明の実施形態に従う、混合表現利用の画面キャプチャを示す。
【図27c】図27a〜図27cは、本発明の実施形態に従う、混合表現利用の画面キャプチャを示す。
【図28】図28は、本発明の一実施形態に従う、ボクセルオフセットを含むコーピングの画面キャプチャを示す。
【図29】図29は、本発明の一実施形態に従う、選好ダイアログボックスの画面キャプチャを示す。
【図30】図30は、本発明の一実施形態に従う、付属品ライブラリの画面キャプチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(詳細な説明)
工程、システム、方法、および装置が、具体的なステップおよび/または構成要素を有する、含む、または備えるものとして説明される説明において、記載のステップおよび/または構成要素から本質的に成る、またはそれから成る、本発明に従う工程、システム、方法、および装置が存在することが想定される。さらに、システム、方法、または装置の要素の説明が、全ての対応するシステム、方法、および装置に交換可能に適用可能であることを理解されたい。
【0054】
ステップの順序または一定の動作を実行するための順序は、本発明が動作可能である限り、無関係であることを理解されたい。さらに、2つ以上のステップまたは動作を同時に行ってもよい。
【0055】
本発明の実施形態は、その開示全体が本明細書に参考として援用される以下の特許および/または出願において具現化される方法およびシステムとともに使用してもよい:Steingartらによる、名称が「Systems for Haptic Design of Dental Restorations」である係属中の米国特許出願第11/998,457号、Fakenらによる、名称が「Systems for Hybrid Geometric/Volumetric Representation of 3D Objects」である係属中の米国特許出願第11/998,877 号、Bergerらによる、名称が「Apparatus and Methods for Modifying a Model of an Object to Enforce Compliance with a Manufacturing Constraint」である米国特許第7,149,596号、Jennings, Jr.らによる、名称が「Systems and Methods for Three−Dimensional Modeling」である米国特許第6,958,752号、Payneによる、名称が「Systems and Methods for Voxel Warping」である米国特許第6,867,770号、Shihらによる、名称が「Systems and Methods for Interacting With Virtual Objects in A Haptic Virtual Reality Environment」である米国特許第6,421,048号、およびZillesらによる、名称が「Method and Apparatus for Determining Forces to be Applied to a User Through a Haptic Interface」である米国特許第6,111,577号。
【0056】
以下の見出しは、読むことを容易にするために提供され、本発明の要素に関する説明を限定することを意味しない。
【0057】
(定義)
本明細書において使用する際、以下の用語は、概して、以下の意味を有するように理解される。
【0058】
解剖学的コーピングまたは歯冠−下処理された歯に適合し、かつ全体の咬合面を特徴とする歯冠−例えば、反対の顎上の対応する歯と咬み合う歯の外面;
アバットメント−下処理された歯の上に適合するブリッジ骨格におけるコーピング状構造;ブロックアウト−歯科修復物の挿入が成功するようにアンダーカットを修繕するためにワックスを硬質石膏に塗布すること;
ブリッジ骨格−通常は、1つ以上のアバットメントと、任意選択により1つ以上のポンティックとを含むブリッジ修復物の内部構造。アバットメントおよびポンティックは、コネクタと呼ばれる物理的構造により接合される;
クラスプ−既存の歯に取り付けられる部分骨格におけるバネ状金属保持特徴;
コネクタ−ブリッジ骨格において隣接するアバットメントおよびポンティックを接合する物理的構造;
コーピング−下処理された歯の上に正確に適合する歯冠の内部構造。通常は、コーピングは、下部構造としての役割を果たし、ポーセリンで仕上げられる;
歯型−歯科医院で取られた患者の口腔に関する否定的記録;
舌側カラー−コーピングまたはアバットメントの上に確立するポーセリンの構造的支持としての役割を果たすコーピングまたはアバットメントとの底部における任意選択のリップまたは隆線;
主要コネクタ−口蓋に接触する上顎のための部分骨格の部分である;
辺縁線−コーピングが下処理された歯に接触する線;
メッシュ範囲−アクリル歯科修復物を受け入れる部分骨格におけるメッシュ状構造;
咬合面−歯または歯科修復物の実際の外面;
部分骨格−既存の歯に取り付けられるクラスプを含む取外し可能金属骨格であり、人口歯を支持するためのメッシュ範囲を特徴とする;
挿入経路−部分義歯、コーピング、またはブリッジが患者の口腔に挿入される方向;
ポンティック−ブリッジにおける欠損歯の歯修復物の内部構造;
下処理線−辺縁線を参照;
耐火モデル−部分骨格設計では、これは、ワックスを使用してアンダーカットを修繕したブロックアウトされた硬質石膏の複製物を指す。耐火モデルは、通常は、埋没材料で作製される;
スプー−患者の顎骨にインプラントを連結し得る金属柱;
硬質石膏−患者の口腔の幾何学的形状の肯定的モデルであり、通常は、石膏材料から作製される。硬質石膏は、歯型から作製可能であるか、またはシリコーン成形工程を使用して別の硬質石膏から複製可能である;
調査−部分修復物を必要とする患者の走査された硬質石膏を検査し、部分修復物の最適挿入経路を決定する工程;
アンダーカット−歯科修復物の挿入失敗を引き起こす場合のある、または挿入時に取外し可能ではない場合のある患者の解剖学的形状における張り出し範囲;
ある実施形態では、歯科技工所システムは、以下のモジュールを含む:症例管理モジュール−患者症例管理システムは、ジョブベース毎に情報を記録するためにシステムに一体型である;走査モジュール−患者の口腔の幾何学的形状の物理的表現をデジタルフォーマットに変換するための機構。走査モジュールは、PHANTOM触覚機器等の力フィードバックを含む6DOF入力機器で動作し得る;設計モジュール−歯科専門家のために設計されるソフトウェアシステムであって、PHANTOM触覚機器のような機器を使用して、接触感覚により歯科修復物を迅速かつ容易に作成することを可能にする;および確立モジュール−設計モジュールの出力から物理的修復物を生成するための機構。本機構は、例えば、RPベースのロストワックス焼き流し鋳造工程、粉砕ワックスパターン工程、RPから金属部分への工程、または粉砕セラミック、複合体、もしくは金属部分工程を伴い得る。
【0059】
これらのモジュールに関する詳細は、本明細書と、2007年11月28日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/998,457号とにおいて開示され、その出願のテキストは、その全体が本明細書に参考として援用される。設計モジュールの実施形態について、本書において詳細に説明する。
【0060】
(設計モジュール)
本明細書に説明する例示的歯科技巧室システム内の設計モジュールは、使い易く、かつ透過的なユーザインターフェースを歯科専門家に提供するソフトウェアシステムを含む。ある実施形態では、ソフトウェアシステムは、以下を含む:ワークフローウィザード−ワークフローウィザードは、短いテキスト説明ならびに関与するツールへのリンクを提供することによって、ワークフローにおける各ステップにユーザを案内するウィジェットである;GUIにおけるワークフロー指向のツール編成−ツールは、部分義歯、歯冠およびブリッジ、インプラント、ならびにその他のものを含む対応するワークフロー毎との関連性に従ってグループ化される。ユーザは、目の前のワークフローに関連するツールだけを見るように選択することが可能である;システム全体の選好−歯科技工所は、頻繁に、歯科修復物の繰り返し作製を可能にする具体的なノウハウを有する。本システムは、寸法、仮想ワックスパターン等の選好を技工所全体ベースで実行可能にするツールを提供することから、設計を行う実際の技工士であるかにかかわらず、同一の結果を達成することが可能である;仮想耐火モデルおよびブロックアウト−従来の工程では、部分骨格設計者は、アンダーカットをブロックアウトするためにワックスを硬質石膏に追加し、ついで、部分設計のワックスアップが開始可能になる前に、埋没材料を含むこの硬質石膏の複製物を作製しなければならない。本システムは、「仮想耐火モデル」の概念を提供し、この概念では、元々の未修正の硬質石膏は、走査され、仮想「ブロックアウト」ワックスを塗布するためにソフトウェアツールが提供される。これは、本明細書に説明するフィラーツールと同様に手動で行うことが可能であるか、または「挿入経路」が色マッピングされたアンダーカット視覚化器の支援により選択され、自動的にブロックアウトされる仮想調査工程によって行うことが可能である。歯冠およびブリッジのワークフローにも類似の提供物が利用可能である;仮想ワックスアップツール−本例示的システムは、触覚フィードバックを含む6DOF(6自由度)入力機器とともに、ユーザがワックスを追加および除去すること、推移を平滑化すること、および他のワックス状モデリングタスクを実行することを接触感覚により手動で可能にするスタイラスインターフェースとともに作動する多種多様の仮想ワックスアップツールを提供する;触覚ウィジェット−本例示的システムは、透過的で使い易いインターフェースの提供に役立てるために、多種多様の触覚ウィジェットを提供する;ワークフロー特有ツール−本例示的システムは、部分骨格、歯冠、コーピング、およびブリッジ、ならびに他のものの今後のワークフローの設計に、具体的な特徴の組を提供する。
【0061】
コーピングおよびブリッジ骨格に対処するいくつかの既存のCAD/CAMシステムが存在する。これらのうちのいずれもが、部分骨格のデジタル作成に対応することができず、また、触覚的にも対応しない。
【0062】
以下の段落は、本発明の例示的実施形態の設計モジュールの構成要素について概説する。
【0063】
(1.ワークフローウィザード)
例示的設計モジュールは、ワークフローウィザードの案を導入する。ワークフローウィザードは、短いテキスト記述ならびに関与するツールへのリンクを提供することによって、ワークフローにおける各ステップにユーザを案内するウィジェットである。
【0064】
一実施形態では、ワークフローウィザードは、ウィンドウズ(登録商標)のインストールウィザードによく似た、モーダルなダイアログボックスのように実装され得る。各ステップは、明確に定義され、ユーザは、所定の様式でツールに導かれる。各ステップを終了する場合、ユーザは「次へ」のボタンをクリックして、次のステップに進むことができる。本実施形態は、標準的な経路から通常は外れない十分に定義されたワークフローに最適である。
【0065】
第2の実施形態では、ワークフローウィザードは、関連ツールへのリンクを含む修正型ヘルプファイルの組(htmlまたはxml等のマークアップ言語で実装可能である)として実装され得る。ユーザは、テキストの見出しをクリックして、ワークフローを移動することが可能であり、対応するツールおよびオブジェクトを起動する。タスクを順次的にクリックすることによって、ユーザは、最初から最後までの設計を仕上げることが可能である。ワークフローウィザードの各ステップ/区分は、ワークフローのこのステップにおいて実行するべきことを概説するべきであり、適切なツールを起動するか、または適切な機能もしくはマクロを実行する明確に標示されるリンクを含む。
【0066】
図1は、この修正型ヘルプファイル手法を示し、本図面において、部分骨格100のためのワークフローウィザードが画面の右側にある。
【0067】
この第2の実施形態では、ウィザードは、故意的に、自由でかつ任意選択であるように設計される。繰り返し可能なワークフローを行う1人または複数の未熟なユーザは、歯科修復物の設計を作成する際に、ウィザードに従うことを選択することができる。上級のユーザは、ウィザードに提供されるガイダンスよりも先に進み、必要に応じて歯科設計ツールに直接アクセスすることを選択することができる。ユーザは、自身の作業に影響を及ぼさずにいかなる時もウィザードを閉じることができる。
【0068】
ある実施形態では、ユーザは、自身の必要性に最も適合するワークフローに対応するように、ユーザ自身のワークフローウィザードを構築することを選択することができる。
【0069】
自由式ウィザードの例によって、ユーザは、部分ワークフローのための以下のステップに導かれ得る:(1)調査ツール:挿入経路を選択し、ドラフトを固定する;(2)曲線描画:クラスプ、メッシュ範囲、主要コネクタ、および他の主要特徴を描き出す;(3)フィラー:任意の表面欠陥または走査アーチファクトを充填または平滑化する;(4)メッシュ:任意選択のオフセットでメッシュ範囲を形成し、組織止め具を含む;(5)主要コネクタ:主要コネクタを作成する;(6)フィニッシュライン:メッシュ範囲のフィニッシュラインを作成する;(7)クラスプ:ソフトウェア支援のテーパおよび他の設計特徴を含むクラスプを生成する;(8)クローン:ペイント状のインターフェースを使用して仮想ワックスを追加し、部分骨格の主要範囲を相互に連結する;(9)スマッジ:推移を平滑化するための多用途仮想ワックスアップツール;ならびに(10)平滑範囲:遷移を平滑化するための多用途仮想ワックスアップツール。これらのステップは、単に、部分ワークフローの一例であり、ウィザードは、異なるツールまたは異なるシーケンスのツールを表してもよい。
【0070】
場合によっては、ウィザードは、より高いレベルの構造を可能にし得る。例えば、全体のブリッジ構築は、3つの個々の段階、つまり、アバットメント、ポンティック、およびコネクタを有し、これらの段階のうちの各々は、それ独自のサブウィザードを有してもよい。最上位ブリッジウィザードは、現在どの段階にあるのかに関する概要、つまり、より高いレベルの操作表示を提示してもよい。これは、テキストベースであることが可能であるか、または工程における現在のステップを例示するグラフィックの使用を伴うことが可能である。
【0071】
第2の実施形態では、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を直接利用することによって、任意のツールに常にアクセスすることが可能である。ユーザは、いかなる時も、ウィザードを使用して継続することが可能であり、ウィザードリンクをクリックして、ウィザードが導いた最後のステップに戻ることが可能である。
【0072】
(2.ワークフロー指向のツール編成)
一実施形態では、GUIは、特定のワークフローに関連するツールを物理的に近接させてグループ化するように設計されてもよく、その結果、ユーザは、そのワークフローに関連するツールを迅速に探索することが可能になり得る。
【0073】
例えば、ワークフローによるツールの可能なグループ化の1つについて以下に要約する。これが、単なる例であり、多くの他のグループ化が可能であり、各ワークフローからツールを追加または削除してもよいことに留意されたい。これらの機能仮想ツールを表すアイコンが、図1のGUIの左側に描かれ、左から右および上から下に各グループ内で列挙される:部分骨格ツール(102):調査、メッシュ/ライザー、主要コネクタ、クローン、クラスプ、フィニッシュライン、およびフィラー;コーピングおよびブリッジツール(104):辺縁線、コーピング調査(アンダーカット修繕)、コーピング/アバットメント生成ツール、ポンティック、コネクタ、および組み合わせ(ブリッジ骨格生成);描画(106):選択、仮想耐火モデル上の曲線描画、分割、接合、および曲線の表示/非表示;ワックスツール(108):スマッジ、平滑化、平滑範囲、隆線、エンボス範囲、引張、ワックスの追加、歯磨き粉、およびパイプ;ユーティリティイ(110):トリム走査、ワックス測定、耐火物への追加、ボールによるワックスの選択、ワックスの塊の選択、マスク、ペイント色の表示、前のピースの起動、および次のピースの起動。
【0074】
これらの仮想ツールの機能について、本明細書により詳細に説明する。ワックスツール108に関し、スマッジは、ユーザが印加する触覚力に応じて、材料を追加するか、または材料を除去する(例えば、モデルの内部から「引張する」場合に追加し、外部から「スマッジする」場合に除去する)。平滑範囲は、選択範囲において高点を低くし、かつ低点を高くしようとする。平滑は、ユーザが印加する触覚力の量に基づいて、対話式に高点を低くし、かつ低点を高くするが、平滑範囲は、触覚対話を使用して平滑化する程度を決定しない。引張は、ユーザとの触覚対話に基づいて、(仮想)ワックスの表面を変形させる。ユーザは、引張を開始する点を選択し、ツールのサイズおよび触覚対話に基づいて、ワックスを「引張」して、ワックスを変形させる。歯磨き粉は、ユーザの触覚入力に従って、ワックスの流れをモデルに追加する(歯磨き粉のチューブを絞ることに類似する)。パイプは、ユーザが指定する三次元曲線に沿って、クレイの円柱を追加する。
【0075】
ユーティリティ110に関し、ボールによるワックスの選択は、ボール状の仮想ツールを使用して、別の動作への入力のためにワックスの範囲を選択する。ワックスの塊の選択は、ユーザが触れた点に隣接する全てのワックスを選択する。その状況において複数の非接合部分のワックスが存在する場合、ユーザ触れる点に連結されるワックスのみが選択される。マスクは、他のツール(例えば、平滑化およびスマッジ)による修正から保護されるワックスの範囲を指定する。分割線の色/抜き勾配色ツールは、現在の挿入経路(引張方向)に基づいてアンダーカットが発生し得る場所を表示するワックス上の色を表示または非表示する。ディスプレイは、所定の範囲においてアンダーカットの量を表示するために多色であってもよい。ワックスの測定は、いくつかのモードにおけるワックスの厚さを表示する。これは、耐火モデル上のワックスの厚さ、またはワックス上の2つの選択点の間の距離を対話式に表示することが可能である。加えて、ワックス測定ツールは、最小厚および最大厚に基づいて、ワックスに着色することが可能であり、例えば、ワックスが最初距離よりも薄い場合に青色を表示し、ワックスが最大よりも厚い場合に赤色を表示する。
【0076】
ツールをまとめてグループ化するための可能な方式の1つとして、図2に示すように、別々のパレット200にツールを置くことが挙げられる。
【0077】
また、ユーザは、独自の「お気に入り」ツールセット204を生成することも可能であり、「お気に入り」ツールセット204において、ユーザは、ユーザが最も有用であると考えるツールを、ユーザが選ぶ順序で定義する。同様に、ユーザは、プログラム可能なワークフローマクロまたはテンプレートを生成して、共通のステップをまとめてグループ化することができる。ステップは、例えば、ツール、コマンド、もしくは動作、または他のユーザ入力の使用であってもよい。次いで、ユーザは、プログラミングされたワークフローマクロを実行して、ステップを個々に実行する代わりに、一連のステップを1つの動作として実行してもよい。
【0078】
一方のワークフローに特有のツールは、他のワークフローの作動中に可視的である必要はない。一実施形態では、ジョブ情報入力段階中にユーザが選択するワークフローは、設計段階中にツールの可視性を制御するために使用される。例えば、部分骨格であるように指定されるジョブは、設計モジュールのGUIを駆動して、一般的ツール(描画ツール、ワックスアップツール、およびユーティリティ)および部分ツールのみを表示するが、コーピングおよびブリッジツールを表示せず、逆の場合も同様である。
【0079】
(2.1構造配置ワークフロー)
マクロまたはテンプレートを使用して、解剖学的ランドマークおよび/または設計ランドマークに基づいて、スプルーおよび/または支持棒の配置の一般的な位置を定義してもよい。スプルーは、モデルの特徴(例えば、クラスプ等の、一定の端部に対するプラスチック/ワックス厚および/または距離)に基づいて鋳造するために、プラスチックまたはワックスモデル上に自動的に配置されてもよい。本方法は、設計ルールに基づいて、スプルーのための最適配置点を自動的に決定してもよく、それによって、空隙、短鋳造、および他の鋳造欠陥が最低限に抑えられる鋳造モデルがもたらされる。スプルーの配置は、部分骨格、歯冠/ブリッジの下位構造、および上位構造を含む多くの歯科修復物に適用してもよい。この同一の技法を使用して、自動的に支持棒を配置し、印刷物の歪みおよび反りを防止してもよい。
【0080】
(2.2自動化切縁範囲設計)
前歯の設計は、ギザギザの鋸歯パターンを含むように自動化され得る。審美的に見栄えの良い前歯の設計は、歯の全体の解剖学的な外部だけでなく、基底構造の一部を設計することを必要とする。例えば、切縁範囲において、基底歯は、切縁においてより半透明の上位構造を含むギザギザの下部構造を有するように見えてもよい。一実施形態では、減少した切縁範囲の設計は自動化され、これによって、ギザギザの下部構造を生成するための、硬質石膏またはダイヤモンドの研削器具の必要性が排除される。本方法は、時間を節約することができ、かつ初期設計工程の一部として、より自然な前歯を形成することができる。
【0081】
(3.システム全体の選好)
大部分の歯科技工所には、繰り返し可能な工程により歯科修復物を確立するために、技工所が使用する多くの知識および経験が存在するため、結果として、一貫して高品質の生産物をもたらしている。通常は、これは、歯科技工所が業者から購入するワックスパターンに関する具体的な選択、通常の特徴サイズに関する具体的な知識(例えば、クラスプの厚さおよびテーパ特徴ならびに例えば、コネクタおよびメッシュの厚さ)を含む。これは、操作者間の一貫性を確実にする方式である。
【0082】
技工所全体の公差および設計パラメータに対応するために、設計段階における全ての重要なパラメータのための重要選好が、設定段階中の症例管理適用レベルにおいて定義される機構を提供する。ゆえに、技工所の所有者は、技工所の標準的な方法論を技工所の全ユーザに課すことが可能である。選好は、多くの場合、寸法、ワックスパターン選択などの形式で、特徴毎の初期設定として設計モジュールに反映される。ユーザは、これらの設定を変更して、具体的なユーザシナリオに適応することできるが、初期設定は、全ユーザ間で一貫している。
【0083】
図3aは、設定ダイアログ300を介して技工所全体レベルで設定可能である選好の種類の画面例であり、図3bは、技工所全体の選好からその初期設定の寸法を導く特徴の例であり、本図面では、「設定:l_半円形」ダイアログ302で示される。
【0084】
(4.仮想耐火物または硬質石膏および仮想ブロックアウト)
部分骨格を作成するための従来の歯科技工所ワークフローでは、「耐火モデル」は、歯型材料から石膏石を鋳込みし、アンダーカットおよび他の問題を補正するためにそれをワックスでブロックアウトし、次いで、石膏埋没材料を含むこのブロックアウトされた硬質石膏の複製物を作製することによって生成される。結果として生じる生成物は、「耐火モデル」と呼ばれ、部分骨格を作成するための全ての後続の手動のワックス引きの基礎である。この複製物は、シリコーン成形を介して作製され、シリコーン成形は、新しい耐火モデルの幾何学的形状を無意識に歪める危険を冒す。
【0085】
本明細書に説明する例示的システムは、この時間を要し、かつ不正確なステップを排除する「仮想耐火物」の概念を導入する。実際のワックスを使用してアンダーカットをブロックアウトせずに、元々の硬質石膏を走査し、ソフトウェアを使用して挿入の方向を設定し、次いで、その方向に基づいて自動的に全てのアンダーカットを修繕することができる。この「ブロックアウト」ステップの基となる技術は、本明細書に参考として援用される2006年12月12日に発行された米国特許第7,149,596号(Bergerら)に教示される機構に基づく。
【0086】
さらに、走査工程において作成されるSTLメッシュファイルは、かなり大きく、モノリシックである。歯科システムにおけるさらなる処理では、通常、必要に応じてメッシュをより小さい区分(個々の歯に対応する)に分離する。一例では、これは、メッシュにおける三角形の領域をペイントまたは平面選択によりユーザに選択させて、次いで、この手動入力に基づいて区分を作成することによって、手動的に達成可能である。
【0087】
自動区分けは、区分けされる歯の中心に対応するx位置およびy位置(ミリメートル)に水平である入力の組を必要とする。これらの位置は、走査機器により指定され、走査工程中にユーザにより入力される。この入力を使用して、本システムは、−z方向に下方に光線投射することによって、各x、yにおいて垂直のz位置を計算し、メッシュとのz交点を探索する。次いで、結果として生じるxyz点は、メッシュ三角形の「塗りつぶし」選択を実行するためにシード点として使用される。塗りつぶしでは、開始点からの全ての隣接する連結三角形は、対話式工程において選択される。選択伝搬は、特定の距離(シード点から下方の−z方向において測定される)における下側カットオフ面と、多角形のカットオフ数とによって限定され、x方向およびy方向における過剰選択、塗りつぶしを防止する。各選択範囲は、歯を表わし、次いで、歯は、別々のメッシュされた走査区分になる。
【0088】
特定の引張方向から表示されるアンダーカットにカラーマップを適用する等の可視化技法を用いて、歯科修復物に最適な挿入経路をユーザが探索することに役立てることができる。これにより、歯科技工所で行っていた従来の努力よりも大幅な生産性の向上が提示される。
【0089】
図4aは、アンダーカット402を標示するための、ソース「走査モデル」400aの使用を示す。一実施形態では、カラーマップを使用して、アンダーカット402を標示してもよい。図4bは、同一のモデルを示し、アンダーカットを仮想ブロックアウトワックス404で自動的に充填して、「仮想耐火」モデル404bを形成する。
【0090】
従来のワークフローを使用して、コーピングまたはブリッジ骨格を作成する場合、通常、耐火モデルステップは存在しないが、通常は、依然として手動で充填されるアンダーカットが存在する。前述のように、本工程は、不正確であり、かつ人為的ミスを起こす傾向にある。
【0091】
本開示に説明する仮想耐火モデルは、歯冠、コーピング、およびブリッジ骨格のワークフローまで拡張されてもよい。走査されたモデルは、エンドユーザにより査定されてもよく、挿入経路は、アンダーカットの量の色分け等の多種多様の可視化技法からの支援により選択されてもよい。さらに、次いで、アンダーカットは、挿入経路に基づいて自動的に修繕されてもよい。
【0092】
図5aおよび図5bは、アンダーカットが仮想ワックスで自動的に充填される前後のコーピング走査500a、500bをそれぞれ示す。図5aでは、アンダーカット502は、線504の下の範囲に示される。これらの範囲は、図5bの走査500bにおいて仮想ワックス506で充填される。
【0093】
一実施形態では、仮想耐火モデルは、2つの別々の体積成分として格納される。一方の体積成分は、走査された患者データを表わし、他方の体積成分は、アルゴリズムコンテンツおよびユーザ生成「ブロックアウト」コンテンツを表わす。これらの2つの体積の統合により、「仮想耐火モデル」が形成される。
【0094】
ユーザにより作成される歯科修復物のための後続の設計作業は、「仮想ワックス」オブジェクト体積に格納され、これは、耐火体積および設計ワックスの複合物として保持される。ワークフローの終了時に、体積ブール減算を実行して、仮想ワックス体積から仮想耐火体積を除去してもよい。その結果は、製造可能な仮想ワックス部分であり、これは、患者の走査データに正確に適合し、所望の挿入経路およびユーザ定義の平滑化を満たすようにブロックアウトを説明する。
【0095】
加えて、ブリッジ骨格は、複数の別々の部分から構成され、その各々は、それぞれの走査、ブロックアウト、およびワックス体積を有してもよい。これらの部分は、成分全体の様式で、体積統合動作で組み合わせられて、連続的な統一体を作り出し、そこから仮想耐火体積を減算して、製造可能な仮想ワックスブリッジ部分がもたらされる。
【0096】
(4.1仮想リリーフワックス)
歯科修復物の製造前にリリーフワックスを自動的、半自動的、または手動的に追加することによって、例えば、硬質石膏または患者の状況において高周波加熱または硬い隅部が存在する範囲において、修復物の適合が最適化され得る。従来の修復方法を使用する設計者は、補綴物の適合に関する自身の経験および知識に基づいて、硬質石膏の走査により作成された硬質石膏および/またはモデルにリリーフワックスを手動的に追加し得る。また、本発明の実施形態は、仮想リリーフワックスを必要とし得るモデルの範囲を自動的に決定し、かつ完成鋳造モデルの手動的なユーザ研磨および仕上げを最小限に抑えて完成鋳造モデルが適切に適合するように、仮想リリーフワックスを自動的に適用するための方法も含む。仮想リリーフワックスは、例えば、患者の唾液により引き起こされる泡から穴が形成された硬質石膏および/またはモデルの範囲に自動的、手動的、または半手動的に適用されてもよい。図6は、一実施形態において、歯科修復物のモデル600を示す。リリーフワックス602は、いくつかの範囲に追加されており、本方法は、リリーフワックスが他の範囲604において有益であり得ることを自動的に決定している。
【0097】
(5.仮想ワックスアップツール)
物理的世界では、ユーザは、ワックスアップ工程に慣れており、本工程では、ワックスを追加し、次いで、彫って歯科修復物のための所望の特徴を形成する。本明細書に説明する例示的設計モジュールは、本明細書において仮想ワックスアップツールと呼ばれるツールの種類を提供し、仮想ワックスアップツールは、手動のワックス引きの感触の大部分を再現する。仮想ワックスアップツールは、以下を含む:
(5.1クローンツール−一定の厚さでの対話式のワックス追加)
クローンツールは、主に部分骨格作製のために作成されるツールであるが、他のワークフローにも使用可能である。図7は、一連の複製命令のためのクローンツール動作を示す。対話は、触覚機器による仮想モデル700の感触を伴う。スタイラスを押下している間にモデル700上で前後に移動することによって、ワックスの層702をペイントし、ワックスの層702は、耐火モデル700の表面704からユーザ指定の厚さに自動的にオフセットされる。これにより、耐火モデル上にワックスのシートを敷くことによる効果を模倣する対話式ツールがもたらされる。標準的なツールに対する改善は、厚さが明示的に制御可能であり、ユーザの「目」に依存しないことにある。ボール状のブラシ706の直径が、適用されるワックス702の厚さよりも大きくてもよく、数値パラメータとして指定されてもよいことに留意されたい。
【0098】
クローンツールは、参照によりそのテキストが全体として本明細書に援用される2005年3月15日に発行された米国特許第6,867,770号(Payne)からのFreeFormにおける体積ツール動作骨格内で実装される。これは、参照体積R(耐火モデル)の等位面に沿った3D位置軌道によって誘導される対話式動作である。クローン動作の軌道は、触覚インターフェース機器により参照体積表面をユーザがトレースすることに基づいて、2002年7月16日に発行された米国特許第6,421,048号(Shihら)および2000年8月29日に発行された第6,111,577号(Zillesら)(そのテキストは、その全体が本明細書に参考として援用される)により教示される表面接触点アルゴリズムにより生成される。クローン動作の出力は、一致オブジェクト体積Vで生成される。クローン動作は、Vに変換および統合されるRからの一連のローカル体積複製物として処理される。
【0099】
本開示において、耐火モデル、Rに沿った3D位置軌道が、非触覚手段、すなわち、マウス入力からも生成されてもよく、または別々のコンピュータプログラムから自動的に生成されてもよいことに留意されたい。
【0100】
クローンツール動作は、図8に示すように、入力3D軌道を一連の線分に分解することによって処理される。各線分は、体積座標において、開始位置
【0101】
【数1】

および終了位置
【0102】
【数2】

によって記述される。線分は、クローンされた出力の境界を決定する体積サンプル形状Sを掃引するために使用される。本処理の掃引性質により、出力体積の連続性が確実になる。好適な実装では、この体積サンプル形状は、半径
【0103】
【数3】

により記述される球形であり、位置軌道を中心とする。表面法線
【0104】
【数4】

は、各区分の開始位置pにおける参照体積の負の勾配に基づいてサンプリングされ、区分全体の動作の全体のために使用される。加えて、好適な実装では、クローンの厚さ
【0105】
【数5】

は、ボクセル座標において提供される。厚さおよび法線は、参照体積からオブジェクト体積にボクセルデータをクローンするために、ローカルオフセットベクトル
【0106】
【数6】

を提供する。サンプル形状S内部の各出力オブジェクト体積位置q∈Vにおいて、クローンサンプルは、参照体積から入手され、式V(q)=max(V(q),R(q+v))によってオブジェクト体積に複合されてもよい。
【0107】
図8では、3つの個別のクローン体積動作802が示され、各々は、独自のクローンオフセットベクトル804を含む。点線806は、出力オブジェクト体積の表面を表わし、これは、参照体積のローカルオフセットとして得られる。参照体積のローカルオフセット複製物からオブジェクト体積を生成するこの工程は、体積オフセットに近似するが、距離場または距離クエリデータ構造を保持するメモリおよび計算オーバーヘッドを含まない。
【0108】
(5.2.主要コネクタツール−モデルにおけるマーク範囲に一定のワックス層を塗布する)
主要コネクタツールの目的は、ユーザがバッチ動作で一定のワックス層をモデルに塗布することを可能にすることにある。現在、技工士は、事前に形成されたワックス層を塗布し、それを耐火モデルに押圧する。目標は、この動作をデジタル的に模倣して、結果的に、技工士が、必要なステップに関して深く理解するとともに、コンピュータ制御機械加工または迅速なプロトタイピングのためのファイルを出力する能力を提供することにある。
【0109】
図9a〜図9cに示す例示的設計モジュールでは、ユーザは、ペイント状パラダイムによって、またはモデル900上の範囲904を包囲するために閉曲線ループ902を描画することによって、耐火モデル900上に範囲にマーク付けすることができる。境界902がマーク付けされると、NURBSパッチは、基底モデルに緩く適合されてもよい。次いで、NURBSパッチは、指定の距離にオフセットされ、このパッチの上面は、ポリメッシュ表現に碁盤目模様にすることによってボクセル表現に再び変換され、次いで、ポリメッシュ表現からボクセルに変換される。境界の自動平滑化は、影響アルゴリズムの範囲を適用して、境界近傍の多角形を基底ボクセルモデルに平準化することによって達成される。
【0110】
NURBSからボクセルへの機構は、2005年10月25日に発行された米国特許第6,958,752号(Jenningsら)において教示されており、そのテキストは、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0111】
主要コネクタ特徴は、耐火モデル900の表面908および閉ループ境界曲線904に基づいて、仮想ワックスの厚化した層906を計算する。この厚化した層を得る方式の1つとして、閉ループ領域内の三角形耐火モデル表面の「表面法線エンボス」を使用することが挙げられる。しかしながら、結果として生じるエンボス表面は、元々の耐火モデルの幾何学的形状の不規則な詳細の全てを複製するが、主要コネクタのために平滑上面を有することが望ましい。加えて、高解像度データのための三角形表面エンボスの処理は、特に、大きな表面積では、メモリおよび計算の両方に集約的である可能性がある。ゆえに、主要コネクタが使用する代替手法は、耐火モデルの表面に近似するようにNURBSパッチを適合し、次いで、パッチを厚化することであり、これにより、望ましい平準化特徴が提供され、より効率的な処理になる。NURBSパッチの体積データへの適合は、同時係属米国特許第20050128211号(Bergerら)により教示されるEmboss With Wrapped Imageを含む、FreeFormにおけるいくつかの特徴により使用される。
【0112】
密にサンプルされる表面に近似するように平準NURBSパッチを適合するための技法は、元々、高密度多角形メッシュに適用するために、Krishnamurthy(Krishnamurthyら)によって開発された。その後、これらの技法は、NURBSを高密度ボクセル体積の等位面に適合させるために、SensAble FreeFormソフトウェアに適応された。まず、等位面の規則的サンプリングが、境界領域内の2Dグリッド点を適合および緩和させることによって得られる。点は、点を等間隔にし、かつパッチ境界に水平および垂直である平滑等高線に続くように拘束する仮想バネ力を使用して、繰り返し緩和される。緩和の各繰り返し後に、点は、体積勾配に沿った投影によって等位面に再適合される。グリット点が十分緩和され、等位面に適合されると、点は、最小2乗グリット入りデータ適合アルゴリズムを使用して近似され得る。パッチ表面におけるグリット点の数および制御点の関連数は、等位面からサンプリングされ、かつパッチにより表現される詳細の量を制御する。これを、ヒューリステックによりに決定されるか、またはユーザに制御されて、耐火モデル表面への十分に平滑な適合を得ることができる。
【0113】
主要コネクタは、NURBSパッチを碁盤目模様にし、次いで、碁盤目模様にされたパッチの複製物から「表面法線エンボス」を計算することによって計算される。これらの2つの表面は、主要コネクタの上面および下面を形成する。これらの表面の境界は、一片の三角形と連結されて、閉三角形境界表面を生成する。次いで、この閉境界表面は、一時的ボクセル体積にラスタライズされ、次いで、オブジェクト体積と統合される。
【0114】
図9aおよび図9bは、平滑化される範囲にマーク付けする2つの方式を示し、図9cは、定義された範囲内に塗布された仮想ワックスの層902を示す。
【0115】
(5.3フィラーツール−モデル上のマーク付けされた範囲における表面アーチファクトを平準化する)
フィラーツールの目的は、例えば、以下のステップに従うことによって、部分骨格または他の歯科修復物を生成する際に、「ブロックアウト」ワックスを仮想耐火物に手動的に追加するための個々の顧客の必要性に対処することにある。1.抜歯により引き起こされる穴を充填する。場合により、患者は、抜歯を行い、次いで、抜歯が完全に治癒して組織により充填される前に、修復物を順序付ける目的で歯型を作製する。結果として生じる硬質石膏は、抜歯部位に深いディンプルを有し、このディンプルは、経時的に、口腔治癒として組織で充填される。2.喫煙により長年損傷を受けていた患者の口腔における欠陥を平準化する。喫煙者は、口蓋に複数のディンプルを有する可能性があり、部分骨格の裏側はこのディンプルを反映してはならない。3.舌側バーと相互作用するように平滑表面を下処理する。下側部分義歯の舌側バーは、下部口蓋上のあらゆる隆起およびテクスチャを反映せずに、平滑表面を有する必要がある。4.硬質石膏の複製物を鋳込みする間に生成されるアーチファクトを含み得る石膏石の表面を平滑化する。
【0116】
歯科技工所の技工士がこれらの問題に対処する現在の方式として、硬質石膏自体を平準化するために、ある高温ワックスを使用することが挙げられる。ワックスは、裂け目および穴内に滴下し、上面に良好な平滑表面を形成する。次いで、このワックスアップされたモデルを使用して、新しい石膏耐火モデルを再び鋳造する。次いで、歯科修復物を設計するための後続のワックスアップタスクは、この「補修塗り」された硬質石膏に実行される。
【0117】
本明細書に説明する触覚的に対応する歯科モデリングシステムの利点は、極めて単純な制御方式で、デジタルワックスを初期デジタル耐火モデルに追加可能であることにある。次いで、この修正されたモデルは、要求に応じて、即座に新しい耐火モデルに変えることが可能である。
【0118】
上記に概説する工程を模倣するために、仮想フィラーツールによって、ユーザは、以下のステップに従う等によって、多数の方式により平準化される範囲にマーク付けすることが可能になる。1.触覚機器によりモデルに接触することによって範囲を選択するようにペイントし、触覚機器が上下に移動している間にボタンを押下することによってその表面をペイントする。2.マウス等により2D動作を介してペイントする。3.平準化されるモデルの範囲にマーク付けするように、閉曲線ループを描画する。
【0119】
(3)を実装するために、フィラーツールは、閉曲線ループにより画定される領域内の耐火モデル表面を平準化する。平滑化は、耐火モデル表面の領域を、特殊目標と適合していたパッチに置換することによって達成される。耐火モデル表面は、境界曲線ループを使用して表面を分割し、内部領域を、碁盤目模様にされたNURBSパッチ表面に置換することによって修正される。この修正された表面は、2005年10月25日に発行された米国特許第6,958,752(Jennings,Jr.ら)において教示されたラスタライズ化技法による、耐火モデル体積表現に基づき、この特許のテキストは、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0120】
NURBSパッチを耐火モデル表面に適合するための工程は、凸状表面特徴に緩く適合するが、凹状表面特徴に適合しない特殊目標を最適化する。フィラーツールの断面適合の例示的な例1000を図10に示す。耐火モデル1002は、上面1006に欠陥1004を含む。フィラーは、クレイ1008を追加して、羽根状または混合エッジ1012を含む平滑上面1010を作成する。
【0121】
本手法は、第5.2項における主要コネクタにより説明されるパッチ適合方法の変形例として実装される。適合は、2Dグリット点を使用して近似される表面の規則的サンプリングの確立に依存する。点は、初めに、等間隔になるように緩和され、耐火モデル表面の識別領域の形状および詳細を均一に表現する。各点は、ローカル曲率に基づいて順位付けされ、片方または両方の寸法において凹状曲率を有する点のみが考慮される。次いで、平準化工程を使用して、2Dグリッドのこれらの凹状点を繰り返し修正する。繰り返し毎に、少なくとも1つの寸法において最も凹状の曲線に寄与する点は、近傍点の加重平均に基づいて、新しい位置に修正および移動される。境界における点は、修正することを許可されない。この平準化工程の制限により、境界表面点のみを補間する完全に平滑な表面がもたらされる。しかしながら、ユーザは、スライダによって、グリッドの密度と平滑化の量との両方を制御して、耐火物への適合の所望のバランスを達成するとともに、凹状欠陥を排除することができる。
【0122】
図11aは、平滑化動作が適用される前の、耐火モデル1100の表面を示す。図11bの接近写真は、上述のように平滑化された範囲1102を含む。
【0123】
5.4メッシュツール−部分修復物のためのメッシュ範囲を作成するために仮想ワックスパターンを適用する。
【0124】
本ツールは、図12aおよび図12bに示すように、取外し可能部分骨格モデリングワークフローのためのメッシュおよびリリーフワックス範囲を生成する簡素化方式を提供する。「リリーフワックス範囲」1202は、部分骨格上の換歯が患者の歯肉の若干上で浮くことを確実にする耐火モデル上の隆起範囲である。メッシュ1204は、換歯を保持する部分骨格の部分であり、パターン化された円形または四角形の穴を有するメッシュから成り、メッシュは、換歯が部分骨格に接着される場合にエポキシを補足する。
【0125】
リリーフワックス範囲1202は、メッシュ1204の作成時のみに必要であるため、本発明は、両方の項目の作成を1つのワークフローに混合し、いくつかの反復的な外見上のステップのユーザの手間を省く。
【0126】
例えば、一実施形態では、以下の5つのステップを実行して、部分骨格のメッシュ部分をデジタル的に設計する。1.選択されたユーザが描画した曲線ループを入力として取る。2.ユーザは、リリーフワックスおよびリリーフワックスの厚さを含むメッシュ、ならびにリリーフワックスエッジからのメッシュのオフセット(メッシュ範囲は、リリーフワックス範囲から差し込まれるため)に関するパラメータを設定し得る。3.初期設定により、最も頻繁に使用するメッシュは、システム全体の選好から読みだされる。また、ユーザは、他の標準的なメッシュパターンのリストから選択してもよく、または厚さ、穴のサイズ、頻度、形状、および他の類似のパラメータを修正することによって、現在のメッシュパターンをさらにカスタマイズしてもよい。4.メッシュパターンのプレビューは、図12aに示すように示される。穴のサイズは、数値制御を介してユーザによって指定される。次いで、ユーザは、ユーザがパターンを自由に回転およびサイズ変更することを可能にする触覚(例えば、3D)または2Dウィジェット(例えば、触覚または非触覚マウスまたはトラックボール)を使用して、メッシュパターンプレビューを調整する。5.完了すると、メッシュツールは、正確な高さ含む耐火モデルに追加するための、オフセット「リリーフワックス」を作成し(図12b参照)、また、部分骨格を表現する既存のワックスに新しいメッシュを追加する。
【0127】
ステップ(4)を実装する際、歪みを含まない閉曲線ループにより画定される範囲にメッシュパターンを提供するための機構が、2005年6月16日に発行された同時係属中の米国特許出願第2005/0128211(Bergerら)に基づくことに留意されたく、この特許のテキストは、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0128】
メッシュツールの実装は、既存のEmboss With Wrapped Image(EWWI)施設において拡張する。動作は、オブジェクト体積の表面への閉ループ曲線適合を入力として使用する。曲線は、4つのパッチ境界曲線に自動的に分割され、次いで、NURBSパッチは、この領域の内部に適合する。オブジェクト体積の表面は、これらの境界曲線により分割され、内部領域は、パッチ表面の碁盤目模様と置換される。同時係属中の米国特許出願第2005/0128211号(Bergerら)により教示されるEWWI処理は、歪みを含まないテクスチャパターンをタイル標示するために、NURBSパッチ表面内に共形UVマッピングを提供する。メッシュツールは、このパッチ、UVマッピング、および碁盤目模様に基づいて追加の処理を実行して、所望の厚さδのスペーサ(リリーフワックス)体積および厚さδを有するパターン化メッシュ体積を生成する。
【0129】
スペーサ(リリーフワックス)体積は、平均表面法線に沿ってδだけ碁盤目模様にされたパッチ表面をオフセットすることによって生成される。境界に沿った碁盤目模様点はオフセットされない。スペーサ体積の下面は、オブジェクト体積分割からの切り抜かれた内部領域から得られる。これらの碁盤目模様にされた表面を組みわせてラスタライズして、デジタル耐火物体積に追加されるボクセル体積スペーサを生成する。
【0130】
パターン化メッシュ体積は、「EWWIエンボス」処理の変形例として生成される。まず、碁盤目模様にされたパッチ表面は、δだけ平均表面法線に沿ってオフセットされる。オフセットは、線形ランプフォールオフ機能に基づいて、パッチ境界近傍の碁盤目模様点について減衰される。これにより、パターン化メッシュ体積の境界が、スペーサ(リリーフワックス)体積の境界から若干差し込まれることが確実になる。各頂点は、そのそれぞれの表面法線に沿ってδだけさらにオフセットされるとともに、エンボステクスチャパターンによって調節される。また、「エンボス」も、線形ランプを有するステップ機能に基づいて、パッチ境界近傍の碁盤目模様点について減衰される。さらに、フォールオフ機能により、パターン化メッシュの境界が、スペーサ(リリーフワックス)から十分差し込まれることが確実になる。さらに、このエンボス加工され、かつオフセットされたテセレート表面の境界が、移動しなかったことから、オブジェクト体積表面が依然として固体として評価され得ることが仮定される。この碁盤目模様にされた表面をラスタライズして、2005年10月25日に発行された米国特許第6,958,752号(Jennings,Jr.ら)において教示される技法に基づいて、修正されたオブジェクト体積を生成し、この特許のテキストは、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0131】
最後に、耐火体積が後にワックスアップされたオブジェクト体積から減算される場合、パターン化メッシュ体積は、下部に所望のスペーサ距離δと所望のメッシュ厚δとを含んで自由に浮遊する。
【0132】
(5.5ツールの隆線群−一連の歯科掃引/ロフト状ツール)
部分骨格およびコーピング/ブリッジ骨格のワークフローでは、長い押し出しワックスパターンに基づく修復物において多くの物理的特徴が存在する。例えば、CMPおよびBego等の多種多様の業者は、部分骨格におけるメッシュ範囲の周囲のクラスプおよびフィニッシュラインの作成に適切な多種多様のプロファイルおよび端部テーパ特徴を含む標準的なワックスパターンを販売する。コーピングおよびブリッジ骨格では、舌側カラーは、しばしばワックスを含まずに作られるが、カラーの形状は、依然として、ワックスコーピングの表面に置かれる可変断面の押し出しに類似する。
【0133】
本明細書に説明する例示的設計モジュールでは、「隆線」として本明細書に示される仮想ツールの群を使用することによって、この種類の特徴を達成することが可能である。ツールの隆線群は、1つ以上のガイド曲線と、システム全体の選好のデータベースから読み出し可能である1つ以上の断面プロファイルおよび追加の端部テーパパラメータとを受け入れる。これらの入力は、ガイド曲線に沿って、任意選択により片側または両側にテーパ状端部を含む掃引またはロフトプロファイルを作成するために使用される。
【0134】
これに対応するための内部機構は、一時的NURBSパッチの使用に基づき、一時的NURBSパッチは、ロフト形状を記述し、ユーザがガイド曲線を修正するか、プロファイルのサイズもしくは配向を変更するか、各ロフトプロファイルの形状を編集するか、または終点におけるテーパ条件を定義するパラメータを変更すると、対話式に更新される。ユーザがプレビューを受け入れると、コネクタおよびフィラーツール(上記参照)に電力供給する同一の機構を使用して、まず、NURBSパッチを碁盤目模様にし、次いで、結果として生じるポリメッシュを仮想ワックスに変換する。
【0135】
図13:画面の下部におけるドロップダウンリスト1300は、リングクラスプ、Jクラスプ、Tクラスプ、フィニッシュライン、主要コネクタの強化バー、ならびにコーピングおよびブリッジの舌側カラーを含む、異なる種類の隆線ベースのツールに使用される通常の断面プロファイル(例えば、半円形またはドームシャープ)を示す。
【0136】
図14は、これらの異なるプロファイルを使用する仮想ワックス出力1400を示す。
【0137】
触覚支援を使用して、ガイド曲線および断面プロファイルの作成および編集についてユーザを支援する。
【0138】
ガイド曲線は、仮想耐火モデルの表面上の点に接触することによって描画される。これらの編集点の間において、曲線は、表面に適合され、輪郭に続く。作成されると、ガイド曲線は、編集点を表面上の新しい点にドラッグすることによって、または点を追加もしくは除去することによって改変可能である。編集点が変更されると、曲線は、表面に自動的に再適合される。編集点選択を支援するために、各点は、「触覚スナップ」、つまり、触覚機器が近接する際に触覚機器を点に引き付けてロックする小さな力を有する。
【0139】
プロファイルは、二次元平面において一連の接合線および曲線を操作することによって編集される。触覚機器は、xおよびyに動きを制限され、平坦面に接触する体感を与える。ガイド曲線の編集点と同様に、触覚スナップは、プロファイル点の選択および移動、ならびにこれらの点における曲線接線方向を制御するためのハンドルの操作を支援する。
【0140】
図15は、隆線ツールのためのプロファイルを編集ために使用される画面を示し、二次元平面1506上に線1502および曲線1504を示す。
【0141】
ガイド曲線に沿って掃引される際に、プロファイルの整合およびサイズを調整するためにさらなる触覚制御が提供される。回転ウィジェットは、円形トラックにおける触覚機器の移動をロックし、ガイド曲線の軸の周囲のプロファイルの法線配向を設定可能にする。拡大縮小ウィジェットは、触覚機器の移動を線形トラックにロックし、プロファイルの幅または高さのいずれかを設定可能にする。
【0142】
具体的には、特に部分骨格設計者に有用であるいくつかのワークフローに特有の対話が存在する。
【0143】
(5.5.1クラスプツール)
本明細書に説明する例示的隆線ベースのツールの全てと同様に、クラスプツールは、1つ以上のガイド曲線、2つのプロファイル、および端部テーパ条件を定義するパラメータを受け入れる。ガイド曲線は、仮想耐火モデルの表面上で曲線を描画するようにクリックすることによってユーザにより入力される。プロファイルは、システム全体の選好から読み出され、また、カスタマイズのためにユーザにより編集可能である。
【0144】
ガイド曲線に沿ったプロファイルのテーパは、掃引プロファイルの終了幅として指定可能であり、これは、対応する開始幅よりも大きいまたは小さいことが可能である。ガイド曲線幅は、開始から終了まで線形に拡大縮小する。プロファイルの高さ(厚さ)は、幅に比例して拡大縮小する。テーパは、クラスプの成分毎に一意的に設定可能である。結果として生じるテーパ状形状の端部に丸みを付けるために、エンドキャップを追加する。これは、終点周囲で表面にプロファイルを回転させることによって作成される。
【0145】
対応するクラスプの種類には、単純なリングクラスプ、J字型クラスプ、およびT字型クラスプが含まれる。単純なリングクラスプは、一方の端部で主要コネクタに取り付けられ、他方の端部でテーパ状である。クラスプツールは、単一のガイド曲線を、この種類のクラスプの入力として受け入れる。このクラスプの種類について、単一の組のテーパパラメータが存在する。J字型クラスプは、2つの脚部を有する。基礎脚部は、主要コネクタに取り付けられる。基部脚部の他方の端部は、若干テーパ状である。次いで、この遠位端部は、急な推移を有する短い脚部に取り付けられる。このクラスプの種類について2つの単一組のテーパパラメータが存在する。T字型クラスプは、3つの脚部を有する。基礎脚部は、主要コネクタに取り付けられる。基礎脚部の他方の端部は、若干テーパ状である。次いで、この遠位端は、2つの短い脚部に取り付けられ、その各々は、基礎脚部よりも積極的にテーパ状である。クラスプツールは、ユーザが1つまたは2つの曲線として短い脚部を描画したか否かに依存して、この種類のクラスプの入力として2つまたは3つの曲線を受け入れる。このクラスプの種類について1つの単一組のテーパパラメータが存在する。
【0146】
クラスプは、概して、仮想耐火モデル上に存在するガイド曲線を必要とする。結果として生じるロフト幾何学的形状は、耐火モデルに対して置かれるか、またはユーザのオプションにより耐火モデルからオフセットされる。
【0147】
図16は、各種類のクラスプを定義する通常のパラメータを示すダイアログボックス1600である。
【0148】
(5.5.2フィニッシュラインツール)
フィニッシュラインツールの目的は、部分骨格を作成する際に、メッシュツールにより生成される幾何学的形状に境界を提供することにある。通常は、フィニッシュラインは、三角形のプロファイルを使用し、結果として生じるロフト形状は、掃引プロファイルの配向が下部で耐火モデルの表面法線により影響を受けずに、ガイド曲線に沿って自由に掃引されるように生成される。
【0149】
図17は、各種類のフィニッシュラインを定義する通常のパラメータを示すダイアログ1700である。
【0150】
(5.5.3舌側カラーツール)
舌側カラーツールは、コーピングおよびブリッジ骨格を作成する際に使用される。金属コーピングにおける舌側カラーの目的は、金属コーピングの上部に確立されるポーセリンに構造的支持を提供することにある。概して、コーピングは、舌側カラー、部分的な舌側カラー、または全体的な舌側カラーを持たなくてもよい。
【0151】
図18は、例示的ユーザインターフェースにおける、コーピングのためのこれらの舌側カラーオプション1800を示す。
【0152】
コーピングでは、舌側カラーは、常に、平滑に辺縁線に混合するように定義される。ブリッジ骨格では、舌側カラーは、コネクタに平滑に流れるように設計され得る。ゆえに、舌側カラーは、カラーの底を支配する少なくとも1つのガイド曲線によって定義される。任意選択により、追加のガイド曲線は、舌側カラーの上部を標示するように提供され得る。舌側カラーの断面は、ユーザにより入力されたパラメータによりカスタマイズされ得る標準的な形状に従う。部分的な舌側カラーの端部は、下方に混合して、下部ガイド曲線に交わるが、下部ガイド曲線に沿って突然終了してステップを形成する。
【0153】
図19は、舌側カラーの定義に必要なパラメータを示すコーピング設定ダイアログ1900を示す。
【0154】
(5.6コーピングおよびブリッジのための触覚的に支援される自動辺縁線抽出)
コーピングおよびブリッジ骨格では、初めに定義しなければならない最も重要な特徴は、辺縁線であり、これは、下処理された歯の上の下処理線に従う閉ループである。
【0155】
概して、受信する走査は、「溝掘」モデルを表わし、ソフトウェアアプリケーションによる使用のために下処理線を際立たせるように、石膏石が手動で修正されたことを標示する。この場合、辺縁線は、明らかに検出可能であり得る。しかしながら、場合によっては、溝掘りは、不完全または未完成である場合があり、この場合、辺縁線は、点検により手動的に直感で得なくてはならない。
【0156】
(5.6.1辺縁線に対する可能な入力)
一実施形態では、溝掘りモデルが利用可能である場合、全体の走査は、スコープされた特徴線検出アルゴリズムのために使用されてもよく、このアルゴリズムは、挿入経路に基づく曲率ベースの機構もしくは2D輪郭検出機構、歯科解剖学に関する知識、または走査データから辺縁線を導き出すいくつかの他の機構を使用してもよい。
【0157】
別の実施形態では、ユーザは、触覚機器を使用して、辺縁線が存在する小片の幾何学的形状をペイント選択してもよい。次いで、この簡略化された非解剖学的幾何学的形状をアルゴリズムによって使用して、辺縁線を表現する閉ループを検出する。
【0158】
第3の実施形態では、ユーザは、触覚機器を使用して、最終辺縁線を描画してもよい。これを実行する方式の1つとして、サンプル点を入力するために走査モデルに接触しながら辺縁線上の点をクリックすることが挙げられる。次いで、NURBS曲線は、走査されたモデル上に幾何学的形状を密接して表わすために、最小2乗適合機構を使用してクリックされた点を介して適合されてもよい。曲線を公差に厳密に適合することは、対話式であってもよく、長時間かかってもよい。種々のトリックを使用して、本ステップの対話性を改善してもよく、種々のトリックには、粗い適合のために初期定義状態中に緩く適合される曲線を使用すること、および辺縁線定義段階を励起する前にバッチ工程として細かい適合を実行することが含まれる。
【0159】
(5.6.2自動辺縁線検出のための手法)
一実施形態では、辺縁線は、視覚的に明白なシルエット探索アルゴリズムにより決定され得る。挿入経路および十分に溝掘りしたモデルと、下処理線に近接して区分化されるモデルとを考慮して、辺縁線全体は、シルエット線として可視的であるはずである。標準的なシルエット検出アルゴリズムは、辺縁線を探索するために、本モデルの2D表示に適用され得る。
【0160】
別の実施形態では、幾何学的形状のループを入力として使用することは、ポリメッシュ幾何学的形状のループの上部および下部を定義する2つのポリラインループの重心を接合する線を通過する平面に対する多数のサンプル角度においてモデルの分類断面を取ることによって決定され得る。断面のシルエット点は、平面毎に識別され、これらの点は、モデル上のサンプル点を表わし、次いで、これらの点をNURBS曲線適合アルゴリズムに対する入力として使用して、緊密に適合する曲線を生成することができる。あるいは、これらのシルエット点に接合するポリラインは、辺縁線として使用してもよい。あるいは、NURBS曲線は生成されてもよく、次いで、初期モデルに戻って投影されて、走査されたモデルのファセットにあるポリラインを探索する。
【0161】
(5.6.3辺縁線を決定するための例示的技法)
辺縁線を決定するための例示的技法は、触覚機器を使用して、所望の関連3D領域をユーザが手動的に「掃引」し、次いで、結果として生じる表面曲率の分析によって辺縁線をアルゴリズムで決定することから始まる。
【0162】
ユーザは、触覚機器により辺縁線を感知し、触覚機器による入力は、辺縁線を含む耐火モデル等位面上にバンドを生成する。ユーザの技術に基づいて、バンドは、走査データにおける実際の辺縁線の周囲に可変幅を有する。
【0163】
この解剖学的形状における表面の形状と、スワイプ(例えば、ペイント選択)ツールを所望の領域に触覚的に拘束するシステムの能力とにより、システムは、辺縁線を含むバンドを特定する効果的な方式を提供する。
【0164】
辺縁線を自動的に検出および抽出するために、第5.6.2項に説明する「2つのループ」の方法の実装を実行する。
【0165】
辺縁線を含む多角形の「スワイプバンド」により、重心軸よび指定原点と呼ばれる参照ベクトルが作成および格納される。これは、バンドの上部およびバンドの下部の境界の重心に基づく。重心と呼ばれる原点は、バンドの上部およびバンドの下部の境界の重心の中点である。重心軸は、バンドの上部の重心およびバンドの下部の重心の差分ベクトルを取ることによって得られる。Z軸は、別の潜在的重心軸である。この対のベクトルの加重決定アルゴリズムを使用して、バンドに対する法線を定義する。この軸は、ベータと呼ばれる。
【0166】
ベータにより、平面の組が生成される。これらの平面は、重心軸の周囲に均一にパラメータ化される。この組の平面を使用して、改善された重心および重心軸の後続の選択を改善するためにバンドをサンプリングする。
【0167】
図20aでは、重心軸2000が示され、バンド2004の上部2002およびバンド2004の下部2006は点線でマーク付けされる。
【0168】
等間隔の組の平面により、等位面との各平面の交差が生成される。平面毎に、特定の平面と交差するエッジは、ポリラインを形成し、表面上の三角形のエッジとしてのその連結性によって順序付けられる。この順序付けにより、中間頂点または頂点対は、これらの点の周囲のバンドとともに、識別および収集される。新しい上部および下部ポリラインは、この組の上部および下部中間頂点により作成される。新しい重心は、平面毎に戻された中心頂点の中点の重心を取ることによって作成され、この曲線は、「暫定辺縁線(PML)」と呼ばれる。新しい重心軸は、中間頂点の新しい上部および下部バンドにより作成される。
【0169】
新しい重心軸および重心により、バンドは、より多くの平面の収集でサンプリングされる。バンドは、意図的に、過度にサンプリングされる。平面の数および間隔は、PML構築の前に生成される元々のループからの上部および下部ループにおけるエッジの数および変動と、PMLのために生成される上部および下部ループとにより決定される。
【0170】
各平面は、バンドおよび暫定辺縁線と交差し、この点は、PML点と呼ばれる。平面のバンドとの交差点は、表面上のその位置によって、前述のように順序付けられる。
【0171】
z軸と重心軸との両方について、ローカル重心は、PML点とz軸および重心軸に沿った重心との差異の投影によって計算される。ローカルフレームは、これらの点を原点として使用して作成される。これらの点により、順序付けられた交差点の幾何学的特性が計算される。これらは、ローカルフレームに対する凹面を含む。
【0172】
また、交点ポリラインの点における表面に対する法線接平面の変動が近似される。この近似を作成するために複数の技法を使用する。これらは、NURBS曲線によるポリラインの近似と、結果として生じる幾何学的情報、具体的には、ポリラインの点におけるフレネフレームの抽出とを含む。加えて、ポリラインの弦偏差の変動が分析される。
【0173】
加重決定アルゴリズムは、図20bに示すように、平面をバンド2004と交差することによって生成される交差点2008において最良かつ適切な点を選択するように収集される幾何学的情報を使用する。
【0174】
サンプリングされる点2008は、図20cにおけるより少数の点2010によって示されるように、ポリラインアルゴリズム上の点のローカル密度および分散の加重重要性サンプリングによって、より少数に減少する。
【0175】
次いで、この新しい少数の点2010の組は、ポリラインおよびNURBSノット挿入の加重重要性サンプリングにより曲線を平滑化することにより精緻化される。これらの動作の結果、図20dに示す辺縁線2012がもたらされる。
【0176】
一旦定義されると、辺縁線は、ユーザによって編集されてもよい。触覚機器は、触覚重力井戸を使用して、曲線上のクリックされた編集点に引きつけられ得る。次いで、ユーザは、ボタンをクリックして、ポイントを移動させるようにドラッグし、および/または曲線の形状を変更するように点を曲線に追加するか、または曲線から除去してもよい。制御点の数、適合の公差、ノットベクトルが等間隔であるか、または適応的に決定されるか等の、曲線の適合を支配する他のパラメータも修正してもよい。
【0177】
(6.触覚対話ツール)
触覚ガイドおよび拘束は、生産性向上支援として非常に有益である。触覚ガイドならびに線および平面拘束等の拘束を用いてもよい。加えて、歯科特有の触覚グラフィックウィジェットが、歯科用途のための直感的かつ透過的なユーザインターフェースを促進するために、ここに導入される。これは、以下を含む。
【0178】
(6.1仮想触覚トラックボールを使用する挿入経路の選択)
大部分の修復物では、挿入経路、つまり、修復物を患者の口腔に挿入する方向を選択することが必要である。部分義歯では、歯科専門家は、「Ney(登録商標) Surveyor」と呼ばれる機器をしばしば使用し、この機器は、本質的に、可動プラットフォームを含むデスクトップ機器である。垂直方向は、対象の挿入経路である。ユーザは、患者の口腔の石膏鋳造物をプラットフォームに置き、次いで、鋳造物を側面から見ながらプラットフォームを若干回転させる。ユーザがアンダーカットを最小化する挿入経路を見つけると、黒鉛先端を含むツールを使用して、さらなる処理のために輪郭の高さにマーク付けする。
【0179】
本明細書に説明する例示的システムでは、Ney Surveyorの類似物が、触覚調査ツールによって提供される。図21では、挿入経路は、白色矢印2100および線2102によって標示される。この経路は、走査方向のz軸に初期設定される。触覚機器により挿入経路を変更するために、ユーザは、まず、石膏鋳造物の走査されたモデルの上の点か、またはその周囲の空間の点に接触し、モデルの中心からの半径を定義し、ついで、球面運動でドラッグする。本モードでは、触覚機器の移動は、仮想触覚トラックボールの体感を提供する球形シェルに拘束され、全軸上でモデルの正確な回転を可能にする。モデルが回転すると、挿入経路は、画像に対して固定されたままであるが、モデルに対して変更する。結果として生じる効果は、Ney Surveyorの挙動とよく似ている。
【0180】
この仮想触覚トラックボールインターフェースは、概して、任意のコンピュータモデルの3D回転を正確に特定することに適用することが可能であり、この特定のコンテクストに限定されないことに留意されたい。
【0181】
さらに、説明する「仮想歯科調査」システムが、マウスまたはタブレット入力から等の2D入力により達成可能であることにも留意されたい。
【0182】
類似の対話は、コーピングおよびブリッジのための挿入経路の選択に使用される。この種類のワークフローでは、歯科専門家は、しばしば、コーピングまたはアバットメントの辺縁線が明確に可視的であるように、挿入経路を真っすぐ見下ろすことを好む。しかしながら、触覚対話は、不変であり、つまり、ユーザは、まず、点に接触し、次いで、触覚機器を移動させて、仮想触覚トラックボール技法を使用してその中心を中心としてモデルを回転させる。
【0183】
図21は、部分骨格2104のための挿入経路を選択するための動作における回転ウィジェットを示す。
【0184】
(6.2ポンティック配置のための平行移動、回転、および拡大縮小ウィジェット)
ブリッジ骨格修復物を作成するために、欠損歯は、ポンティックに置換され、隣接するコーピングおよびポンティックは、コネクタにより接合される。物理的世界では、歯科専門家は、標準的なワックスポンティックおよび溶解ワックスを使用して、これらのコネクタを手動で作製する。
【0185】
本明細書に説明する例示的システムでは、仮想ポンティックおよびコネクタのライブラリが提供され、その形状は、関与する特定の歯に基づく。さらに、個々のポンティックまたはコネクタを、それらに接触し、ボタンを押下し、およびそれらをx−y−z平行移動モード、回転モード、または6つの自由度(DOF)モードのいずれかでドラッグすることによって、ユーザが移動および再配向することを可能にする触覚ウィジェットが提供される。
【0186】
図22aは、ポンティック2200に適用される平行移動/回転ウィジェットを示す。x軸2202、y軸2204、およびz軸2206は、ローカルx−y−z座標系を示し、交点2208は、回転のためのローカル原点を示す。
【0187】
加えて、配置されたポンティック2200およびコネクタ片は、サイズ変更および伸長する必要があり得る。例示的システムは、ユーザが一片に接触し、次いでドラッグを開始する触覚ウィジェットを提供する。一片に接触する位置とユーザが移動する方向に依存して、一片は、その3つのローカルx−y−z座標方向のうちの1つにおいて不均一に拡大縮小可能である。
【0188】
一片に接触すると、拡大縮小の方向は、表面法線ベクトルに基づいて選択される。整合状態で法線が最接近するどの主要ローカル軸も拡大縮小軸になる。触覚機器が移動すると、拡大縮小軸に沿って線形トラックにロックされる。より精緻化された拡大縮小制御では、Nudge修正器は、触覚機器動作よりも拡大縮小動作の速度が遅い。
【0189】
図22bは、ポンティック2200に適用される拡大縮小ウィジェットを示す。この場合、X方向に対向する側面において一片に接触するため、矢印2210は、x軸2202に平行に描画される。
【0190】
(6.3触覚ガイド)
切削角度の設定に役立てるため、および/または外科的固定具における使用のためのガイド固定具を生成するために、触覚学は、外科的ガイドを確認する際、例えば、インプラントおよびバーの整合時に使用され得る。
【0191】
本発明の実施形態は、ガイド固定具かまたは患者特有の補綴物を伴う外科計画を構築することによって、歯科処置の実行を強化するためのシステムおよび方法を説明する。このガイド固定具または外科計画は、患者における補綴物の最終的な配置を歯科医が最適化する命令としての役割を果たし得る。次いで、触覚インターフェースを利用して、患者の状態と設計された補綴物との間のガイドの整合を確認し得る。加えて、触覚インターフェースを利用して、患者の状況と設計された補綴物との間の一致を直接確認してもよい。補綴物を指で押圧して、結果として生じる動きを感知することによって、部分骨格または歯冠の適合を歯科医が検査するのとほとんど同じ方式で、触覚インターフェースは、仮想設定においてこの対話を提供するようにプログラミングされ得る。
【0192】
さらに、インプラントの切削経路等の外科計画が、患者特有のインプラントとともに生成される場合、外科計画は、触覚ガイドにより直接実装されてもよく、この場合、歯科医の手は、正確な経路に沿って切削するように、自身の器具によって直接導かれる。本発明の一実施形態は、通常の歯科医の切削を修正して、各接合点における切削移動の程度を限定するためのアクチュエータ(モータ等)またはブレーキと、切削先端の位置を3D空間において把握するようにする符号器または他の位置センサ(この修正型切削を6−DOF触覚切削と呼ぶ)と、切削、患者、および外科計画の間の3D関係を定義する患者位置決めステップとを含む。
【0193】
患者位置決めは、患者の状況における切削を含む外科計画において利用可能なランドマーク点に接触することによって、外科計画において利用可能な患者に取り付けられる基準点の明確な導入によって、または、切削の端部近傍のセンサおよび一致ソフトウェアを利用して、センサデータと実行される外科計画との間の対応を導き出す「リアルタイム」方法によって、達成されてもよい。
【0194】
この接触ガイド概念は、設計された補綴物成分の必要性を除去することによって拡張され得る。インプラント手術の場合、顎内の利用可能な骨組織の使用を最適化するために適切な外科計画を実行すると同時に、在庫のインプラントを選択する際の歯科医の技術が、最も重要である。この場合、6−DOF触覚切削は、特定の経路に沿って切削配向の整合を触覚的に実行することによって、および切削先端の穿孔の深度に関する情報を提供することによって、「静止時形式」制御戦略によって、インプラント外科医が必要な切削をすることに役立つ。
【0195】
「静止時形式」制御戦略は、SensAbleにより製造されるPremium 6−DOF触覚機器等の、触覚機器を使用して開発され、この場合、概念的に、切削先端は、触覚インターフェース点に位置し、重力補正と、機器の解放時のユーザのハンドル配向の維持との組み合わせである。一般的な自由空間運動は、プログラミングされた拘束、触覚壁、または他のガイド経路が接近するまで許可される。
【0196】
触覚ガイドは、歯の下処理、インプラント、および他の歯科外科処置に使用されてもよい。これらのガイドは、2つの形式をとってもよく、その形式は、処置が行われる前に患者の口腔に配置されるガイド固定具、または通常の歯科医の切削を修正して、(1)切削移動の程度を限定するためのアクチュエータおよび/またはブレーキ、(2)切削先端の位置を3D空間において把握するようにする符号器または他の位置センサ、ならびに/あるいは(3)切削と患者との間の3D関係を定義する患者位置決めステップを含む触覚ガイドを含む。患者位置決めは、切削の端部近傍のセンサと、センサデータと実行される外科計画との間の対応を導き出すことが可能である一致ソフトウェアとを使用することによって、「リアルタイム」で発生し得る。
【0197】
また、触覚ガイドは、咬み合わせ位置決めのためにも使用され得る。歯冠/ブリッジの等のための多くの良好に適合する歯科修復物は、上顎および下顎の歯が接触する適切な咬合を提供するための方法を必要とする。咬み合わせ位置決めのための触覚ガイドにより、技工士は、対合歯を感知しながら歯冠/ブリッジ修復物を製作することが可能になり得る。例えば、技工士は、対合歯を感知しながら、設計中の歯の上の咬頭を変形させるツールを使用してもよく、それによって、対向する窩または他のユーザ定義の接触点と接触させるように咬頭が配置される。本方法は、このような設計に、極めて直感的かつ高速のインターフェースを提供することができる。
【0198】
また、ボクセルおよび/または触覚フィードバックは、動的咬み合わせ連結のためにも使用され得る。多くの歯科修復物は、物理的咬み合わせ連結調節器を使用して設計および検査され、この場合、上顎および下顎は、相互にインタラクトし、技工士が適切な咬合または適合を設計に提供することが可能になる。触覚学を使用して、ユーザは、物理的モデルおよび連結調節器を模倣して、仮想適合を体感するように上顎に対して下顎を操作することができる。
【0199】
加えて、センサは、患者の身体的連結および顎の移動を測定し得る。これらのセンサは、患者が歯を食いしばる際の、移動、ならびにタイミングおよび力も測定し得る。次いで、本情報を使用して、動的連結を説明するように、修復物設計を自動的に修正し得る。例えば、歯冠およびブリッジでは、「フリーウェイ」は、歯の設計において提供される余分な空間であり、自然な咀嚼、前方移動、乱移動、および他の移動を可能にする。ボクセルおよび/または触覚学による動的咬み合わせ連結を使用して、技工士は、最初の歯科医による最小限の研削および調整により、患者の口腔に適合する歯冠またはブリッジを設計することができる。
【0200】
(7.精度とスケーラビリティとのバランスを取るための多重表現)
仮想耐火物および仮想ワックスモデリングパラダイムを可能にするために使用されるボクセルベースの3D表現は、固有の長所および短所を有する。長所には、体積統一、交差、および減算ブール、ならびに混合および変形動作の使用による、現実世界のモデリング工程を容易に模倣する能力が含まれる。しかしながら、現実世界の材料とは違って、ボクセル表現は、固有の空間分解能限界を有し、これは、最小特徴サイズと表面位置の精度との両方に影響を及ぼす。メモリおよび処理要件は、通常は、分解能が増加するにつれて指数関数的に増加する。相対的に、多角形表面またはスプライン表面等の境界表現(B−rep)は、比較的少ないメモリおよび処理要件で、任意に小さい特徴と正確な表面位置とを表現し得るが、現実世界のモデリング工程を模倣するためのボクセル表現と同じ容易さは提供しない。
【0201】
コーピングおよびブリッジのモデリング工程の重要な一部分は、辺縁線への正確な適合を達成することを伴う。ボクセル表現は、辺縁線に必要な10ミクロン規模の製造公差を満たすために極めて高い分解能でサンプリングされる必要があり得る。この高分解能を使用することにより、歯科技工士に対話式でかつ時間効率の良いモデリング経験を提供することが難しくなり得る。対照的に、例示的システムは、多重表現を使用する。これにより、ボクセル体積のための十分正確な空間分解能が、設計部分の大部分を表現するとともに、辺縁線近傍のより正確な境界表現幾何学的形状により表面表現を補ことが可能になる。本工程の出力は、三角形表面であり、この三角形表面において、表面の大部分は、仮想ワックス体積からの等位面抽出に基づき、辺縁近傍の設計部分の内部表面上の三角形だけが、走査される患者の幾何学的形状を仮想耐火モデルからトリミングすることにより得られる。任意選択により、辺縁近傍の外部表面を定義するために、碁盤目模様にされたスプライン表面を使用しもよい。
【0202】
仮想ワックスを下処理、トリミング、および縫合するための工程は、以下のように実行可能である。これは、コーピングまたはブリッジと患者走査データとの間の1つ以上の辺縁線接合に適用されてもよい。本工程に対する入力は、対応する正確に定義された辺縁線曲線を含むコーピング毎の三角形患者走査データである。下処理ステップとして、辺縁線曲線を使用して、明確かつ正確な表面境界をもたらすように、三角形患者走査データをトリムする。辺縁より下の走査からの余分な幾何学的形状を破棄する。加えて、耐火物体積をワックス体積から減算して、コーピングまたはブリッジの隔離されたワックス部分を生成する。辺縁近傍の表面の部分は、平滑であり、かつ位相的欠陥が無いことが保証される。ゆえに、挿入経路に垂直である小さい押し出し表面は、体積を生成するように下方に掃引される辺縁線を使用して作製される。この体積をワックス部分から減算して、辺縁近傍のはみ出した幾何学的形状を排除し、トリミングのために明確な表面を生成する。加えて、体積塗りつぶし選択を実行して、ワックス部分から外れた仮想ワックスの全てのはみ出し部分を識別および除去する。
【0203】
仮想ワックスおよび走査データ幾何学的形状が下処理されると、トリミング工程を使用して、仮想ワックスと走査データとの両方から、辺縁近傍の幾何学的形状の部分を隔離する。トリミング表面は、円形プロファイルを掃引することに基づいて、辺縁ループから形成される。円形プロファイルの半径は、三角形ボクセルデータと三角形走査データとの間の推移領域の所望のサイズに基づいて選択され、そのサイズは、通常は、数個の多角形の幅のサイズである。掃引円形プロファイル表面は、ロフトNURBS表面として計算され、次いで、この表面は、碁盤目模様にされる。トリミング表面を使用して、三角形ワックス等位面抽出から欠陥をトリムおよび排除して、高度に正確な内部辺縁領域のために、一片のより正確な表面データを生成する。同一のトリミング表面を両方の表面に適用して、結果の一貫性および連続性を確実にする。三角形塗りつぶしを使用して、外部および内部のトリミング表面を収集するとともに、辺縁近傍の仮想ワックス表面の部分を破棄する。加えて、塗りつぶしを使用して、辺縁ループに最接近する走査データから一片の表面を集める。
【0204】
処理の最終段階は、トリムされた外部および内部の仮想ワックス表面を、走査データ表面に縫合して、製造される部分の水密2−マニホールド三角形境界表現を産生する。内部、外部、および走査データストリップからの境界ポリラインは、近接性に基づいて識別され、対にされる。次いで、これらの対のポリライン境界は、三角形の片を使用して連結される。
【0205】
(7.1エッジ厚)
追加のパラメータ化および幾何学的構築を実行して、歯科設計のラピッドプロトタイピング(RP)の能力をさらに利用してもよい。三次元部分を直接印刷可能であるRP機械は、例えば、3D Systems,Objet、および他の会社により製造される。これらのRP機械は、有限量の分解能を有するため、小さい、細い特徴、および/またはナイフエッジ設計(この場合、エッジは厚さゼロまで薄くなる)は、設計部分とラピッドプロトタイプ機械の物理的出力との間の不一致を呈し得る。コーピングおよびベニヤは、理想的にはエッジが厚さゼロまで薄くなるこのようなナイフエッジにおいて終端となり得る。図23は、コーピング2302におけるナイフエッジ2300を示す。同様に、図24は、ベニヤ設計2402におけるナイフエッジ2400を示す。
【0206】
コーピングおよびベニヤの両方の場合では、ナイフエッジの位置は、歯の解剖学的辺縁線によって定義され得る。0.2mmの幅を有し得る図24に示す辺縁線2404において、幾何学的な「棚部」を構築する「エッジ厚」の追加のパラメータが追加され得る。この値は、異なるRP機械の分解能と歯科設計における任意の他の拘束とを一致させるように可変であってもよい。図25は、新しいパラメータエッジ厚を含む構成ダイアログボックス2500を示す。
【0207】
最後に、図26は、0.2mmのエッジ厚2602を含む完成したベニヤ2600を示す。設計ソフトウェアにおいて大量のズームが利用可能であるため、棚部は、視覚的に大きく見えるが、実際の物理的サイズは、ミリメートル未満であり得る。棚部は、設計されたベニヤの元々の表面に主に垂直であるように配向され得る。
【0208】
さらに、本発明の実施形態に関する上述の説明は、コーピングおよびベニヤを設計する観点からのものであるが、追加のエッジ厚パラメータを含む辺縁線のこの利用を、他の歯科補綴物またはインプラントの幾何学的構築にも適用してもよいことを理解されたい。
【0209】
図27aから図17cは、混合表現利用を明示し、辺縁線およびセメント間隙の精度を示す。図27aは、ボクセルベースのコーピングエクスポート2700の辺縁を示す(下処理された歯との差異を示すエクスポート2700のエッジ近傍の範囲2702を参照)。図27bは、走査データが縫合されたコーピングエクスポート2704の辺縁を示す(辺縁2708近傍の範囲2706が極めて正確であることを示す)。図27cは、ボクセル表現2710が100ミクロンにおけるセメント間隙2712を正確に表現することを明示する。
【0210】
(8.コーピングのための歯の下処理)
下処理された歯の残根は、下処理された歯の上に、セメント、接着剤、または接合間隙により適合するコーピングまたはブリッジの下位構造を作成するために剥がされ得る。ボクセル表現を使用して、接着剤間隙を含むコーピングまたはブリッジを作成し得る。
【0211】
ボクセルオフセットは、図28に示すように、解剖学的コーピングのために使用され得る。ボクセルを使用して、全輪郭歯設計から解剖学的コーピング2800を自動的に導き出してもよい。解剖学的コーピングは、ユーザが指定するオフセットにおいて導き出され得る。解剖学的コーピングは、任意選択により、不透明層のためのユーザ指定の間隙を含んでもよい(通常、暗い色のコーピングを隠すための明るい色の材料であり、ポーセリン上位構造は、暗いスポットを含まずに自然に見える)。単純で指抜き状のコーピングとは違って、解剖学的コーピングは、より強力な下部構造を提供し、均一なポーセリン上位構造の厚さの適用を可能にし、これにより、応力破壊および亀裂が低減し得る。
【0212】
(9.技工士支援設計)
技工士は、特定の歯科医による注文に従って選好を選択してもよい。本システムは、一般的に使用されるパラメータを設定するために、ユーザ定義の選好を提供し得る。これらの選好は、ユーザ、技工所、および/または歯科医に設定され得る。特定の患者について新しい症例が開始すると、最終的な修復物設計に影響を及ぼすように、適切な選好が自動的に適用され得る。例えば、歯科医は、一定のプロファイルおよび寸法のクラスプを好む場合があるか、または緊密または緩い適合を有する修復物を好む場合がある。歯科医の患者のうちの1人について補綴物を設計する場合、これらの選好は、自動的に引き継がれる。
【0213】
技工士は、図29に示すように、どの種類の材料を歯科修復物に使用するかに応じて、選好2900を選択することができる。上述のように、本システムは、修復物のための標的材料に関する知識を使用して、設計および設計パラメータを自動的に改変し得る。例えば、準貴石のコーピングは、厚さがxxmmであってもよく、一方、貴石の金のコーピングの厚さは、yymmであってもよく、本システムは、これらの厚さを自動的に割り当ててもよい。別の例では、押圧するためのポーセリン層は、業者によって、および具体的な材料形成によって異なってもよく、前述のように、本システムは、これらの差異を自動的に補ってもよい。また、設計は、異なる製作技法、例えば、付加的RP樹脂、レーザ焼結、ジルコニウム/他のセラミック/金属の粉砕を補うように自動的に改変されてもよい。
【0214】
(10.付属品ライブラリ)
図30は、付属品ライブラリ3000の一実施形態を示し、ライブラリは、既存の歯構造に固定される第1の要素と、第2の要素とを含む。第2の要素は、技工士により選択され、部分骨格設計に追加され、プラスチック樹脂として出力され、次いで鋳造されてもよい。嵌合された対を提供するのではなく、本発明の実施形態は、単性の付属品システムを提供し、この場合、一方の部材は、仮想設計ワックスとして指定される。
【0215】
付属品部分は、仮想部品ライブラリに格納され得る。これらの部品は、システムに配置されて、適切な整合を確実にするように、挿入経路または任意の他の配向とともに自動的に整列される。ユーザは、平行に整合される2つ以上の付属品を配置して、結合せずに修復物を挿入および除去することを可能にし得る。触覚学を使用して、仮想付属部品は、完成修復物の設計および精度を促進するように、所望の配向、例えば、挿入経路に自動的に拘束され得る。
【0216】
(均等物)
具体的な好適な実施形態を参照して本発明について具体的に図示および説明したが、添付の請求項により定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細における種々の変更を加えてもよいことを当業者により理解されたい。これが仮出願である限り、出願者の発明として考えられるものは、以下の請求項内にある実施形態に必ずしも限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元歯科修復物を設計するためのシステムであって、該システムは、
力フィードバックをユーザに提供し、かつ該ユーザから入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、
グラフィカルフィードバックを該ユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、
該触覚インターフェース機器および該グラフィカルインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、ユーザ入力に応答して、該グラフィカルインターフェースを介してダイアログボックスをユーザに表示するように構成されるワークフローモジュールを含み、該ダイアログボックスは、該触覚インターフェース機器、該グラフィカルインターフェース、および該設計アプリケーションを使用して三次元歯科修復物を設計する際に、所定のワークフローに該ユーザをガイドするための命令の段階的リストを含む、システム。
【請求項2】
前記ワークフローモジュールは、ダイアログボックスのシーケンスを前記ユーザに表示するように構成され、前記シーケンスにおける各ダイアログボックスは、前記所定のワークフローのサブタスクを実行する際の命令の段階的リストを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記三次元歯科修復物は、部分義歯、部分骨格、ブリッジ、コーピング、ベニヤ、複合ブリッジ、人口歯、複数の人口歯、ポンティック、インプラント、インプラントアバットメント、およびインプラントバーから成る群から選択される部材である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ダイアログボックスは、前記所定のワークフローにおいて、1つ以上の対応する機能を作動するための1つ以上のリンクを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の対応する機能は、力フィードバックを伴う前記触覚インターフェース機器を使用してワックス状モデリングタスクを実行するための少なくとも1つの機能を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ダイアログボックスは、モーダルダイアログボックス、非モーダルダイアログボックス、ウィンドウモーダルダイアログボックス、およびアプリケーションモーダルダイアログボックスから成る群から選択される部材である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記所定のワークフローにおいて実行される機能を表現する複数のアイコンと、任意選択により、1つ以上の追加の機能とを含むグラフィカルユーザインターフェースをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記設計アプリケーションは、前記グラフィカルユーザインターフェースにおいて、選択された所定のワークフローにおいて実行される機能に対応する特定の組のアイコンを表示または強調するように構成され、任意選択により、該選択された所定のワークフローにおいて実行される機能に対応しない任意のアイコンを非表示または除去するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ワークフローモジュールは、前記ユーザによる作動時に、前記所定のワークフローのうちの1つ以上のステップを実行する際に該ユーザにより実行される動作を中止し、該1つ以上の中止したステップを実行する際に該ユーザにより引き起こされる前記三次元歯科修復物の設計における任意の効果を無効にする取り消し機能を含み、それによって、該ユーザは、該1つ以上の中止したステップを繰り返すまたは省略することが可能になる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
三次元歯科修復物を設計するためのシステムであって、該システムは、
力フィードバックをユーザに提供し、かつ該ユーザから入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、
グラフィカルフィードバックを該ユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、
該触覚インターフェース機器および該グラフィカルインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、該触覚インターフェース機器、該グラフィカルインターフェース、該グラフィカルインターフェース、および該設計アプリケーションを使用して三次元歯科修復物を設計する際に実行される機能を表現するアイコンを含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含み、該機能のうちの少なくとも1つは、ユーザ選択の前に確立された初期設定を含む、システム。
【請求項13】
前記初期設定は、寸法、1つ以上のワックスパターン、またはその両方を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記設計アプリケーションは、ユーザによる機能の作動時に、ダイアログボックスを表示するように構成され、該ダイアログボックスは、該ユーザにより作動された機能に対応する前記初期設定を表示する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記初期設定は、技工所全体の症例管理システムを介して設定され、前記設計アプリケーションのための入力として利用可能に作製される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記初期設定は、ウェブサービスを介して設定され、前記設計アプリケーションのための入力として利用可能に作製される、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記アイコンは、複数のワークフローにおいて実行可能である機能に対応するツールを表現し、該アイコンは、特定のワークフローにおける使用のために定められたツールを表現するアイコンが空間的に近接するように、前記GUIにおいて配置される、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
部分骨格、コーピング、および/またはブリッジを設計するためのツールを表現する前記アイコンは、まとめてグループ化される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
描画ツール、ワックス状モデリングツール、またはその両方を表現する前記アイコンは、まとめてグループ化される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記三次元歯科修復物は、部分義歯、部分骨格、ブリッジ、コーピング、ベニヤ、複合ブリッジ、人口歯、複数の人口歯、ポンティック、インプラント、インプラントアバットメント、およびインプラントバーから成る群から選択される複数の部材を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記設計アプリケーションは、ユーザにより選択されたワークフローにおいて実行される機能に対応する特定の組のアイコンを、前記GUIにおいて表示または強調するように構成され、任意選択により、該ユーザにより選択されたワークフローにおいて実行される機能に対応しない任意のアイコンを非表示または除去するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記設計アプリケーションは、前記ユーザによる作動時に、所定のワークフローのうちの1つ以上のステップを実行する際に該ユーザにより実行される動作を中止し、該1つ以上の中止したステップを実行する際に該ユーザにより引き起こされる前記三次元歯科修復物の設計における任意の効果を無効にする取り消し機能を含み、それによって、該ユーザは、該1つ以上の中止したステップを繰り返すまたは省略することが可能になる、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
三次元歯科修復物の設計において辺縁線を抽出するためのシステムであって、該システムは、
触覚フィードバックをユーザに提供し、かつ該ユーザから触覚入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、
グラフィカルフィードバックを該ユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、硬質石膏または患者の状況の走査からモデルを作成するように構成され、該設計アプリケーションは、該モデルの辺縁線を識別するように構成される辺縁線検出モジュールを含み、該辺縁線検出モジュールは、任意選択により、該辺縁線を識別する際に、該ユーザからの触覚入力を使用する、システム。
【請求項24】
前記辺縁線検出モジュールは、前記モデルから初期辺縁線を自動的に決定するように構成され、それにより、該初期辺縁線が前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザにより調整される得るか、または調整されずに該ユーザによって受け入れられ得る、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記硬質石膏は、自動検出のために前記辺縁線を強調するように走査前に修正される、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記辺縁線検出モジュールは、曲率ベースの機構および/または二次元輪郭検出機構を使用して、前記辺縁線を識別するように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記辺縁線検出モジュールは、前記辺縁線を表現する閉ループを検出するために、アルゴリズムを使用して、前記ユーザインターフェースを介した該辺縁線が存在する幾何学的形状片のユーザ選択の後に、該辺縁線を識別するように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記幾何学的形状片は、前記触覚インターフェース機器を使用して前記ユーザによりペイント選択される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記触覚インターフェース機器と通信する前記設計アプリケーションは、該触覚インターフェースを拘束するように、力フィードバックを前記ユーザに提供する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
ユーザによる幾何学的形状片のペイント選択中の、モデルの表面上の機器。
【請求項31】
前記辺縁線検出モジュールは、前記辺縁線を表現する前記閉ループを検出するために、視覚的に明白なシルエット探索アルゴリズムを使用する、請求項23に記載のシステム。
【請求項32】
前記辺縁線検出モジュールは、前記定義された幾何学的形状片内において上部および下部ポリラインループを検出する、請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項34】
前記触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有する、請求項23に記載のシステム。
【請求項35】
三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するためのシステムであって、該システムは、
ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、該ユーザインターフェースを介するユーザ入力に従って、仮想耐火モデルの上に三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するように構成される1つ以上の仮想ワックスアップツールを含む、システム。
【請求項36】
前記仮想ワックスオブジェクトは、主に、ボクセルベースであり、辺縁線近傍に境界表現幾何学的形状を有する、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想メッシュツール、仮想隆線ツール、仮想クラスプツール、仮想フィニッシュラインツール、および仮想舌側カラーツールから成る群から選択される1つ以上の部材を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想メッシュツールを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項39】
前記仮想メッシュツールは、最小限の歪みを含む前記仮想耐火モデルの表面の任意のユーザにより識別された領域内において、前記仮想ワックスオブジェクトの三次元パターン化メッシュ部分を確立する、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記仮想メッシュツールは、NURBSパッチが適合する4つの境界曲線に、前記仮想耐火モデルの表面に適合されるユーザ定義の閉ループ曲線を分割する、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記仮想メッシュツールは、前記三次元パターン化メッシュ部分とともに、ユーザ定義の厚さのスペーサ体積をさらに確立する、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想隆線ツールを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項43】
前記仮想隆線ツールは、クラスプと、部分骨格における前記メッシュ範囲の周囲のフィニッシュラインとの作成に適切なプロファイルおよび端部テーパ特徴を含む長い押し出しワックスパターンを確立する、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記仮想隆線ツールは、前記ユーザにより決定された1つ以上のガイド曲線、1つ以上の断面プロファイル、および1つ以上の端部テーパパラメータを入力として受け入れる、 請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記1つ以上のガイド曲線、1つ以上の断面プロファイル、および1つ以上の端部テーパパラメータは、システム全体の選好のデータベースから前記ユーザにより選択される、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、前記仮想隆線ツールは、前記1つ以上のガイド曲線、前記1つ以上の断面プロファイル、またはその両方を作成および/または編集する際に、該ユーザを支援するために、該触覚インターフェース機器を介して該ユーザに供給される1つ以上の触覚支援を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
前記1つ以上の触覚支援は、ガイド曲線の複数の点の各々に対応する触覚スナップを含み、調整のために、前記ユーザによる該ガイド曲線の1つ以上の点の選択を促進する、請求項45に記載のシステム。
【請求項48】
前記1つ以上の触覚支援は、二次元制限平面を含み、プロファイル点および/または前記1つ以上の断面プロファイルのハンドルの選択および調整を促進する、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
前記1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想クラスプツールを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項50】
前記仮想クラスプツールは、1つ以上のユーザにより選択されたガイド曲線、プロファイル、および端部テーパ条件を定義するパラメータに基づいて、単純なリングクラスプ、J字型クラスプ、またはT字型クラスプを確立する、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想フィニッシュラインツールを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項52】
前記1つ以上の仮想ワックスアップツールは、仮想舌側ツールを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項53】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項54】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有する、請求項34に記載のシステム。
【請求項55】
前記歯科修復物は、部分骨格、歯冠およびブリッジ、インプラント、ベニヤ、ナイトガード、バイトスプリント、または歯列矯正である、請求項34に記載のシステム。
【請求項56】
三次元歯科修復物を設計するための方法であって、該方法は、
(a)患者の口腔の歯型から作製される歯科用硬質石膏の走査から初期3Dコンピュータモデルを作成するステップ、あるいは、該患者の口腔の直接走査から該初期3Dコンピュータモデルを作成するステップと、
(b)仮想ブロックアウトワックスを該初期3Dコンピュータモデルに自動的、手動的、または半自動的に追加するステップと、
(c)該初期3Dコンピュータモデルおよび該追加された仮想ブロックアウトワックスを接合することによって、仮想耐火モデルを形成するステップと、
(d)該歯科修復物の最終3Dコンピュータモデルを定義するために、仮想設計ワックスを該仮想耐火モデルに追加するステップと、任意選択により、
(e)該歯科修復物の該最終3Dコンピュータモデルを使用して、該三次元歯科修復物を製造するステップと
を含む、方法。
【請求項57】
仮想リリーフワックスを追加するステップをさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記仮想リリーフワックスは、自動的に追加される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記仮想リリーフワックスは、手動的に追加される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記仮想リリーフワックスは、前記歯科用硬質石膏の走査における1つ以上の走査誤差を補正し、および/または前記歯科修復物の鋳造中に発生し得る1つ以上の適合誤差を防止し、該1つ以上の走査誤差は、該歯科用硬質石膏における泡および/または穴により引き起こされ、該1つ以上の適合誤差は、該歯科用硬質石膏における高周波加熱および/または硬い隅部により引き起こされる、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
ユーザにより調整可能な辺縁線を自動的に識別するステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項62】
少なくとも1つのステップは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器を使用して実行される、請求項55に記載の方法。
【請求項63】
前記触覚インターフェース機器は、スタイラスを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記3Dコンピュータモデルの幾何学的形状および前記三次元歯科修復物の挿入方向に少なくとも部分的に基づいて、仮想ブロックアウトワックスを前記初期3Dコンピュータモデルに自動的に追加するステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項66】
ステップ(d)は、クローンツール、主要コネクタツール、メッシュツール、隆線ツール、クラスプツール、フィニッシュツール、および舌側カラーツールから成る群から選択される1つ以上の仮想ワックスアップツールを使用するステップを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項67】
前記最終3Dコンピュータモデルは、ボクセルベースの表現および境界表現を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項68】
前記境界表現は、識別される辺縁線およびセメント間隙の精度を改善する、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
三次元歯科修復物の設計において仮想耐火モデルを下処理するための装置であって、該装置は、
(a)命令の組を定義するコードを格納するメモリと、
(b)
(i)歯科用硬質石膏または患者の状況の走査からモデルを作成し、
(ii)該モデルのアンダーカット部分、該モデルの欠陥部分、またはその両方を充填するために、仮想ブロックアウトワックスを該モデルに追加し、
(iii)ユーザコマンド時に、該追加された仮想ブロックアウトワックスおよび仮想リリーフワックスを組み込むように該モデルを更新することによって、該三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトが自身の上に確立可能である仮想耐火モデルを下処理する
ための該命令を自身により実行するプロセッサと
を含む、装置。
【請求項70】
前記プロセッサは、仮想ブロックアウトワックスを追加する前記ステップ(ii)の前に前記命令を実行して、泡アーチファクトを彫刻もしくは平滑化することによって、または前記下処理した歯を溝掘りすることによって前記モデルを修正する、請求項68に記載の装置。
【請求項71】
前記プロセッサは、前記モデルを更新する前記ステップ(iii)の前に、前記命令を実行して、前記歯科用硬質石膏の走査および/または鋳造による1つ以上の誤差を補正するために、仮想リリーフワックスを、該歯科用硬質石膏および/または該歯科用硬質石膏の走査から作成された該モデルの走査に追加する、請求項68に記載の装置。
【請求項72】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、前記仮想リリーフワックスを自動的に追加する、請求項68に記載の装置。
【請求項73】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、ユーザによる前記仮想リリーフワックスの手動追加を可能にする、請求項68に記載の装置。
【請求項74】
前記1つ以上の誤差は、前記歯科用硬質石膏における泡、穴、高周波加熱、および/または硬い隅部により引き起こされる、請求項68に記載の装置。
【請求項75】
前記モデルは、ボクセルベースの表現および境界表現を含む多表現モデルである、請求項68に記載の装置。
【請求項76】
前記三次元歯科修復物は、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラント、ベニヤ、ナイトガード、バイトスプリント、および歯列矯正から成る群から選択される部材である、請求項68に記載の装置。
【請求項77】
前記仮想耐火モデルは、前記歯科用硬質石膏または前記患者の状況の走査に対応する第1の体積成分と、前記モデルに追加される前記仮想ブロックアウトワックスの体積に対応する第2の別の体積成分とを含む、請求項68に記載の装置。
【請求項78】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、前記三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトをさらに作成し、該仮想ワックスオブジェクトは、前記仮想耐火モデル上に確立される、請求項76に記載の装置。
【請求項79】
前記仮想ワックスオブジェクトは、ボクセルベースの表現および境界表現を含む多表現モデルである、請求項77に記載の装置。
【請求項80】
前記ユーザコマンドは、ボタンの作動を含む、請求項68に記載の装置。
【請求項81】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、ユーザにより選択された挿入経路に少なくとも部分的に基づいて、グラフィカルインターフェース上において、グラフィック的に、前記モデルの前記アンダーカット部分を自動的に識別および表示し、それによって、該アンダーカット部分を該モデルの非アンダーカット部分と区別する、請求項68に記載の装置。
【請求項82】
前記アンダーカット部分は、アンダーカットの度合いに基づいて、対照的な色により表示される、請求項80に記載の装置。
【請求項83】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、前記ユーザが前記ユーザインターフェースを介して仮想ブロックアウトワックスを追加する際に、リアルタイムで前記モデルを表示し、前記アンダーカット部分の減少は、該ユーザが仮想ブロックアウトワックスを追加する際に、リアルタイムで該ユーザに表示される、請求項80に記載の装置。
【請求項84】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、仮想ブロックアウトワックスを前記アンダーカット部分に自動的に追加する、請求項80に記載の装置。
【請求項85】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、前記初期耐火モデルにおけるギザギザの下部構造を作成する、請求項68に記載の装置。
【請求項86】
前記プロセッサは、前記命令を実行して、ユーザにより指定された1つ以上のパラメータに基づいて、前記初期耐火モデルに選好の組を適用する、請求項68に記載の装置。
【請求項87】
前記1つ以上のパラメータは、前記歯科修復物において使用される患者データおよび/または材料を含むか、またはそれに対応する、請求項85に記載の装置。
【請求項88】
三次元歯科修復物の設計において仮想耐火モデルを下処理するためのシステムであって、該システムは、
ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、硬質石膏または患者の状況に対応する走査データを使用して初期仮想耐火モデルを作成するように構成され、該設計アプリケーションは、仮想ブロックアウトワックスを、該初期仮想耐火モデルのユーザ定義の領域に追加して、該初期耐火モデルの該表面上の1つ以上の穴を充填し、および/または凸凹を平準化することによって、該初期耐火モデルを修正するように構成される仮想ブロックアウトワックスツールを含み、該設計アプリケーションは、ユーザコマンド上で、該追加された仮想ブロックアウトワックスを含めるために、該仮想耐火モデルを更新するように構成される、システム。
【請求項89】
前記設計アプリケーションは、前記ユーザインターフェースを介したユーザ入力に基づいて、前記三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを作成するようにさらに構成され、該仮想ワックスオブジェクトは、前記更新された仮想耐火モデル上に確立される、請求項87に記載のシステム。
【請求項90】
前記設計アプリケーションは、パッチを前記ユーザ定義の領域内の前記初期仮想耐火モデルの表面に適合させ、該パッチは、凸状表面に緩く適合するが、凹状特徴に適合しない、請求項87に記載のシステム。
【請求項91】
前記仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを前記初期耐火モデルの前記ユーザ定義の領域上に追加して、抜歯により引き起こされた穴を補うように構成される、請求項87に記載のシステム。
【請求項92】
前記三次元歯科修復物は、部分骨格であり、前記仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを前記初期耐火モデルの前記ユーザ定義の領域上に追加して、口腔欠陥を補うように構成される、請求項87に記載のシステム。
【請求項93】
前記三次元歯科修復物は、舌側バーを含み、前記仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを前記初期耐火モデルの前記ユーザ定義の領域上に追加して、下側口蓋の凸凹を補うように構成される、請求項87に記載のシステム。
【請求項94】
前記仮想ブロックアウトワックスツールは、仮想ブロックアウトワックスを前記初期耐火モデルの前記ユーザ定義の領域上に追加して、該初期仮想耐火モデルの作成に使用される前記走査データが得られた硬質石膏のアーチファクトを補うように構成される、請求項87に記載のシステム。
【請求項95】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含む、請求項87に記載のシステム。
【請求項96】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有する、請求項87に記載のシステム。
【請求項97】
前記ユーザインターフェースは、マウスおよび/またはトラックボールを含む、請求項87に記載のシステム。
【請求項98】
前記設計アプリケーションは、前記初期耐火モデルにおけるギザギザの下部構造を作成するように構成される切縁範囲低減ツールをさらに含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項99】
前記設計アプリケーションは、前記ユーザにより指定された1つ以上のパラメータに基づいて、前記初期耐火モデルに選好の組を適用するように構成される選好ツールをさらに含む、請求項87に記載のシステム。
【請求項100】
前記1つ以上のパラメータは、前記歯科修復物において使用される患者データおよび/または材料を含むか、またはそれに対応する、請求項98に記載のシステム。
【請求項101】
三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するためのシステムであって、該システムは、
ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、該ユーザインターフェースを介するユーザ入力に従って仮想ワックス層を仮想耐火モデルに適用することによって、三次元歯科修復物に対応する仮想ワックスオブジェクトを確立するように構成される仮想ワックスアップツールを含み、該仮想ワックス層は、ユーザ指定の厚さにより該耐火モデルの表面から自動的にオフセットされる、システム。
【請求項102】
前記三次元歯科修復物は、部分骨格である、請求項100に記載のシステム。
【請求項103】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、前記仮想ワックスアップツールは、該触覚インターフェース機器を介して、前記仮想耐火モデルの表面に沿って該ユーザによりガイドされる、請求項100に記載のシステム。
【請求項104】
前記仮想ワックスアップツールは、仮想ワックスの出力層の境界を決定する体積サンプリング形状を有し、それによって、該出力層の連続性が確実になる、請求項100に記載のシステム。
【請求項105】
前記体積サンプリング形状は、球形である、請求項103に記載のシステム。
【請求項106】
前記体積サンプリング形状は、前記適用される仮想ワックスの前記ユーザ指定の厚さよりも大きい直径を有する、請求項103に記載のシステム。
【請求項107】
前記仮想耐火モデルは、前記仮想ワックス層のモデリングに使用されるボクセルデータを含む、請求項103に記載のシステム。
【請求項108】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、スタイラスを含み、前記仮想ワックスアップツールは、該ユーザによる該スタイラスの移動に従って、リアルタイムで仮想ワックス層を前記仮想耐火モデル上に対話式にペイントするように構成される、請求項103に記載のシステム。
【請求項109】
前記仮想ワックスアップツールは、前記仮想ワックス層を、前記仮想耐火モデルの前記表面上の領域内に適用するように構成され、該領域は、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザによって識別される、請求項100に記載のシステム。
【請求項110】
前記仮想ワックス層は、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザによって、前記仮想耐火モデルの前記表面上に描画される閉曲線ループにより境界付けられる領域内に適用される、請求項108に記載のシステム。
【請求項111】
前記仮想ワックス層は、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザによって、前記仮想耐火モデルの前記表面上にペイントされる領域内に適用される、請求項108に記載のシステム。
【請求項112】
前記設計アプリケーションは、前記仮想耐火モデルの前記表面上の領域にNURBSパッチを適合し、該NURBSパッチを指定の距離にオフセットし、該パッチの上面をボクセル表現に変換する、請求項108に記載のシステム。
【請求項113】
前記設計アプリケーションは、所望の平滑を生成するために、前記領域内の二次元グリット点を緩和することによって、前記NURBSパッチを該領域に適合する、請求項111に記載のシステム。
【請求項114】
前記設計アプリケーションは、ポリメッシュ表現を生成するために前記パッチを碁盤目模様にすることによって、該パッチの上面をボクセル表現に変換し、該ポリメッシュ表現を該ボクセル表現に変換する、請求項111に記載のシステム。
【請求項115】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、スタイラスインターフェースを含む、請求項100に記載のシステム。
【請求項116】
前記ユーザインターフェースは、力フィードバックをユーザに提供するように構成される触覚インターフェース機器であり、該触覚インターフェース機器は、少なくとも6つの自由度を有する、請求項100に記載のシステム。
【請求項117】
前記ユーザインターフェースは、マウスおよび/またはトラックボールを含む、請求項100に記載のシステム。
【請求項118】
ラピッドプロトライピング機械とともに使用するための三次元歯科修復物のモデルを修正するためのシステムであって、該システムは、
ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、辺縁線を含む三次元歯科修復物のモデルを受信するように構成され、該設計アプリケーションは、該ラピッドプロトタイピング機械の1つ以上の拘束に従って、選択された最小値にまで該辺縁線における該モデルの厚さを増加させるように構成されるエッジ厚ツールを含む、システム。
【請求項119】
前記ラピッドプロトタイピング機械の前記1つ以上の拘束は、分解能を含む、請求項117に記載のシステム。
【請求項120】
前記歯科修復物は、コーピングおよび/またはベニヤを含む、請求項117に記載のシステム。
【請求項121】
前記辺縁線における前記モデルの前記増加した厚さは、前記三次元歯科修復物の該モデルの表面に垂直である棚部を含む、請求項117に記載のシステム。
【請求項122】
前記最小値は、約0.2mmである、請求項117に記載のシステム。
【請求項123】
歯科修復物の三次元モデルに支持特徴を配置するためのシステムであって、該システムは、
ユーザから入力を受信するように設計されるユーザインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、該モデルの特徴を分析し、該支持特徴の配置点を決定するように構成される、システム。
【請求項124】
前記歯科修復物は、部分骨格、歯冠、コーピング、ブリッジ骨格、インプラント、ベニヤ、ナイトガード、バイトスプリント、および/または歯列矯正である、請求項122に記載のシステム。
【請求項125】
前記支持特徴は、スプルーおよび/または支持バーである、請求項122に記載のシステム。
【請求項126】
前記設計アプリケーションは、前記支持特徴を前記三次元モデル上に自動的に配置するようにさらに構成される、請求項122に記載のシステム。
【請求項127】
前記設計アプリケーションは、前記配置された支持特徴を除去するために、前記ユーザにクエリを行うダイアログボックスを含む、請求項125に記載のシステム。
【請求項128】
前記設計アプリケーションは、コマンドをグループ化するためのテンプレートを含み、該テンプレートは、前記三次元モデルを分析するためのステップと、前記支持特徴の配置を決定するためのステップとを含む、請求項122に記載のシステム。
【請求項129】
三次元歯科修復物のボクセルベースの表現を確立するためのシステムであって、該システムは、
ユーザから入力を受信するように構成されるユーザインターフェースと、
該ユーザインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、硬質石膏または患者の状況の走査からモデルを作成するように構成され、該設計アプリケーションは、三次元歯科修復物のボクセルベースの表現を作成するように構成される接合間隙モジュールを含み、該ボクセルベースの表現と該モデルとの間の接合間隙を可能にする、システム。
【請求項130】
接合間隙オフセットは、前記ユーザにより指定される、請求項128に記載のシステム。
【請求項131】
患者に行う歯科処置を触覚的にガイドするためのシステムであって、該システムは、
該患者の身体の一部分または外科計画の三次元表現を格納するためのストレージ媒体と、
外科ツールの位置を検知するためのセンサと、
該外科ツールの移動を制限するためのアクチュエータと、
該外科ツールの位置に対応する該センサからの信号を受信し、該位置を該三次元表現と比較し、応答して、該外科ツールの移動を制限するための該アクチュエータに信号を送信するためのプロセッサと
を含む、システム。
【請求項132】
前記外科ツールは、歯科用切削具を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項133】
前記患者の身体の一部分は、歯を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項134】
前記プロセッサは、リアルタイムで、前記位置を前記三次元モデルと比較する、請求項130に記載のシステム。
【請求項135】
三次元歯科修復物を設計するためのシステムであって、該システムは、
触覚フィードバックをユーザに提供し、該ユーザからの入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、
グラフィカルフィードバックを該ユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、
該触覚インターフェース機器および該グラフィカルインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、該三次元歯科修復物のコンピュータモデルを修正するための仮想ワックスアップツールを含み、該仮想ワックスアップツールは、該三次元歯科修復物の咬合点を決定する際に該ユーザを支援するように該触覚インターフェース機器を介して該ユーザに送達される1つ以上の触覚支援を含む、システム。
【請求項136】
前記咬合点は、咬頭を含む、請求項134に記載のシステム。
【請求項137】
前記歯科修復物は、歯冠またはブリッジである、請求項134に記載のシステム。
【請求項138】
咬み合わせ結合を検査するためのシステムであって、該システムは、
触覚フィードバックをユーザに提供し、該ユーザからの入力を受信するように構成される触覚インターフェース機器と、
グラフィカルフィードバックを該ユーザに提供するように構成されるグラフィカルインターフェースと、
該触覚インターフェース機器および該グラフィカルインターフェースと通信する設計アプリケーションとを含み、該設計アプリケーションは、患者の口腔のモデルを含み、該モデルは、三次元歯科修復物、上顎、および下顎と、該下顎を開閉するための結合モジュールと、該上顎および下顎のうちの少なくとも1つに対する該三次元修復物の適合を検査するための咬合モジュールとを含む、システム。
【請求項139】
前記患者の顎の移動を監視するためのセンサをさらに含む、請求項137に記載のシステム。
【請求項140】
前記設計アプリケーションは、前記患者の顎の移動に基づいて、前記三次元歯科修復物を自動的に修正するための修正モジュールをさらに含む、請求項138に記載のシステム。
【請求項141】
前記三次元歯科修復物は、ボクセルを含む、請求項137に記載のシステム。
【請求項142】
三次元歯科修復物を設計するためのシステムであって、該システムは、
患者の口腔の歯型から作製される歯科用硬質石膏の走査から初期3Dコンピュータモデルを作成するか、あるいは、該患者の口腔の直接走査から該初期3Dコンピュータモデルを作成するための初期モデリングモジュールと、
仮想ブロックアウトワックスを該初期3Dコンピュータモデルに自動的、手動的、または半自動的に追加するためのブロックアウトモジュールと、
該初期3Dコンピュータモデルおよび該追加された仮想ブロックアウトワックスを接合することによって、仮想耐火モデルを形成するための統合モジュールと、
該歯科修復物の最終3Dコンピュータモデルを定義するために、仮想設計ワックスを該仮想耐火モデルに追加するための最終モデリングモジュールと、任意選択により、
該歯科修復物の該最終3Dコンピュータモデルを使用して、該三次元歯科修復物を製造するための製造モジュールと
を含む、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2011−509812(P2011−509812A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544451(P2010−544451)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031883
【国際公開番号】WO2009/094576
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(500177640)センサブル テクノロジーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】