説明

計器処理通信システム

【課題】ネットワークの間の通信をサポートするシステムを提供する。
【解決手段】計器処理通信システム100は、需給計器110と、需給計器110と一体化された中央プロセッサ140であって、中央プロセッサ140は、単一の通信スタック150を含み、単一の通信スタック150および中央プロセッサ140は、複数の異なるネットワークHAN120、NAN130の間での通信を処理するように構成される、中央プロセッサ140とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、全般的には計器技術に関し、より具体的には、需給計器との通信および需給計器を介する通信を構成するツールに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に、需給計器は、所与の位置でのまたは所与のユーザによるユーティリティサービスの消費を追跡するのに使用されてきた。たとえば、電気計器が、世帯の電気消費を記録するのに使用されてきた。最近、需給計器のより多くの機能性に関する需要があり、その結果、需給計器は、それを通って流れる所与のサービスの量を監視し、表示するのみの機械的デバイスから、さまざまな管理機能および情報機能を有する複雑なコンピュータ化されたシステムに進歩してきた。この進歩の一部として、需給計器は、別個の通信プロトコル上で動作する複数のインターフェースにしばしば接続される、ホームエリアネットワーク(Home Area Network)(HAN)とネイバーフッドエリアネットワーク(Neighborhood Area Network)(NAN)との間の通信リンクの中心になった。これらの接続および別個の通信プロトコルを使用する複数のインターフェースの間の通信のサポートは、限られた処理能力を有する需給計器にとって重荷である。いくつかの通信システムは、NANおよびHANへの各インターフェースが、通信プロトコルのそれ自体のバージョンを処理し、他のネットワークおよびインターフェースとの接続性を可能にするためにその中に配置された少なくとも1つの通信スタックを有することを要求することによって、需給計器をこの処理負荷から免れさせる。しかし、各インターフェース内に少なくとも1つの通信スタックを配置することは、各インターフェース内の処理コア、需給計器内の追加のメモリ空間をも必要とし、すべての更新またはテストが複数の通信スタックにまたがって実行されなければならないのでソフトウェアのテストおよび保守を重荷にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,126,494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
需給計器との通信および需給計器を介する通信を構成するツールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
需給計器を介する通信をサポートするシステムを開示する。本発明の一実施形態では、計器処理通信システムは、需給計器と、需給計器と一体化された中央プロセッサであって、中央プロセッサは、単一の通信スタックを含み、単一の通信スタックおよび中央プロセッサは、複数の異なるネットワークの間での通信を処理するように構成される、中央プロセッサとを含む。
【0006】
本開示の第1の態様は、需給計器と、需給計器と一体化された中央プロセッサであって、中央プロセッサは、単一の通信スタックを含み、単一の通信スタックおよび中央プロセッサは、複数の異なるネットワークの間での通信を処理するように構成される、中央プロセッサとを含む計器処理通信システムを提供する。
【0007】
第2の態様は、ホームエリアネットワーク(HAN)およびネイバーフッドエリアネットワーク(NAN)に通信的に接続された需給計器と、需給計器に一体化された中央プロセッサであって、中央プロセッサは、需給計器内でNANおよびHANの一方または両方から通信を受信することと、受信された通信を処理することと、NANおよびHANの一方または両方の間で処理された通信をルーティングすることと、処理された通信を暗号化することと、暗号化された通信を需給計器の外部でNANおよびHANの一方または両方に配布することとを含むアクションを実行することによって需給計器を介するNANとHANとの間での通信をサポートするように構成された単一の通信スタックを含む、中央プロセッサとを含むシステムを提供する。
【0008】
第3の態様は、複数のインターフェースに通信的に接続された需給計器と、需給計器に通信的に接続されたバックホールネットワークと、需給計器に一体化された中央プロセッサであって、中央プロセッサは、中央プロセッサの内部で複数のインターフェースおよびバックホールネットワークの間の通信のエンドツーエンドルーティングおよび暗号化をサポートする単一の通信スタックを含む、中央プロセッサとを含むネットワーク通信システムを提供する。
【0009】
本発明の上記および他の特徴は、本発明のさまざまな実施形態を示す添付図面と共に解釈される本発明のさまざまな態様の次の詳細な説明からより簡単に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態による計器処理通信システムを示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態による複数のインターフェースをサポートする計器処理通信システムを示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態による例示的な通信スタックを示す図である。
【図4】本発明の実施形態による例示的な通信スタックを示す図である。
【図5】本発明の実施形態による例示的な通信スタックを示す図である。
【図6】本発明の実施形態による例示的な通信スタックを示す図である。
【図7】本発明の実施形態による複数のインターフェースをサポートできる通信スタックを有する例示的な需給計器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の図が、原寸通りではないことに留意されたい。図面は、本開示の通常の態様のみを示すことを意図されたものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと解釈してはならない。図面では、同様の番号が、複数の図の間で同様の要素を表す。
【0012】
上で示したように、本発明の諸態様は、中央需給計器プロセッサ上に単一の通信スタックを配置することによって、計器処理通信システムでの通信スタック要件および処理コア要件を減らすように構成されたシステムを提供する。この通信スタックは、複数のインターフェース(たとえば、無線インターフェース、セルラインターフェース、電力線キャリアインターフェース、イーサネット(商標)インターフェース、サブギガヘルツメッシュインターフェースなどを含む)をサポートし、インターフェースごとに小さいソフトウェアドライバを含み、これによって、通信スタックを各個々のインターフェースに配置する必要を除去する。したがって、すべての通信を、需給計器上で処理し、中央プロセッサ内のセキュリティを終結させることができる。その結果、システムセキュリティが改善され、計器処理通信システムの処理コア要件およびメモリ要件が減らされる。さらに、単一のソフトウェアスタックの使用は、開発者がシステムの保守にソフトウェア開発ツールの単一のセットを使用することを可能にする。
【0013】
需給計器システム(たとえば、電気計器、スマートメーター、電力計などを含む)の分野では、通信システムが、しばしばシステムの一部として使用され、これらのシステムは、家屋内のインターフェースのインターネット接続ポイントとして働き、あるいは使用量総計または消費パターンなどの測定学データをユーティリティに戻って通信することができる。通常、需給計器の制限されたプロセッサへの重荷を減らすために、少なくとも1つ通信スタックが、需給計器に接続された各インターフェース上に配置される。各インターフェースは、処理コアを含み、この処理コアは、別個の通信プロトコルを処理するためにそれ自体の通信スタックと共に働き、これによって、需給計器、他のインターフェース、および他のネットワークとの通信を容易にする。しかし、所与の需給計器に接続されるインターフェースの個数が増えるにつれて、使用される別個のプロトコルの個数も増える。これは、通信スタックおよび処理コアの必要な個数の増加をもたらす可能性がある。さらに、通信スタックおよび処理コアの個数のこの増加は、リソースを浪費する可能性があり、需給計器上のメモリの増加を要求する可能性がある。さらに、複数の通信スタックにまたがるデータの暗号化およびルーティングの拡散は、システムを、サイバー攻撃に対してより脆弱にする可能性がある。最後に、複数の通信スタックの使用は、共通の通信スタックがなく、したがって開発者およびプログラムが共に働くべき単一のバイナリイメージがないので、ソフトウェアのテストおよび保守に対する重荷になる可能性がある。
【0014】
従来のシステムとは対照的に、本発明の実施形態は、単一の通信スタックを含み、ネットワークおよびインターフェースの間での通信を処理するのにその単一の通信スタックを使用する中央プロセッサを、需給計器に提供する。中央プロセッサ上の単一の通信スタックは、別個のネットワークおよびインターフェースによって使用される別個のプロトコルを処理するのに複数のソフトウェアドライバを使用し、これによって、需給計器が異なるネットワークおよびインターフェースの間の通信をセキュアにサポートし、処理することを可能にする。中央プロセッサおよび単一の通信スタックの使用は、需給計器に接続されたインターフェースに対するメモリ要求および処理要求を減らし、よりセキュアで保守がより簡単な通信スタックを提供する。
【0015】
当業者が了解するように、本明細書で説明する計器処理通信システムを、システム(1つまたは複数)、方法(1つまたは複数)、またはコンピュータプログラム製品(1つまたは複数)、たとえば通信システムの一部として実施することができる。したがって、本発明の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形をとることができ、これらのすべてを、本明細書では全般的に「回路」、「モジュール」、「ネットワーク」、または「システム」と呼ぶ場合がある。さらに、本発明は、媒体内で実施されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する表現の任意の有形の媒体内で実施されたコンピュータプログラム製品の形をとることができる。
【0016】
1つまたは複数のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用することができる。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、たとえば、電子、磁気、光、電磁、赤外、または半導体のシステム、装置、またはデバイスとすることができるが、これらに限定はされない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光ストレージデバイス、インターネットもしくはイントラネットをサポートするものなどの伝送媒体、または磁気記憶デバイスを含むはずである。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を、プログラムが印刷される紙または別の適切な媒体とすることすらできることに留意されたい。というのは、プログラムを、たとえば紙または他の媒体の光学スキャンを介して電子的に取り込み、その後、必要な場合に適切な形でコンパイルし、解釈し、または他の形で処理し、その後、コンピュータメモリに格納することができるからである。本文書の文脈では、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を、命令実行システム、命令実行装置、または命令実行デバイスによる使用またはこれに関連する使用のためにプログラムを含み、格納し、通信し、または搬送することができる任意の媒体とすることができる。コンピュータ使用可能媒体は、ベースバンド内または搬送波の一部としてのいずれかでコンピュータ使用可能プログラムコードをその中で実施された伝搬するデータ信号を含むことができる。コンピュータ使用可能プログラムコードを、無線、有線、光ファイバケーブル、RFその他を含むがこれらに限定はされない任意の適当な媒体を使用して伝送することができる。
【0017】
本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードを、Java、Smalltalk、C++、または類似物などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または類似するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述することができる。
【0018】
これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ可読媒体に格納された命令が図面で指定される機能/行為を実施する命令手段を含む製造品を作るように、特定の形で機能するようにコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に指示することのできるコンピュータ可読媒体に格納することもできる。
【0019】
図面に移ると、計器処理通信システムの実施形態が示されており、この計器処理通信システムは、セキュリティを高め、単一の通信スタックを提供し、需給計器内で通信を処理することによってシステムの処理要求およびメモリ要求を減らすことができる。図1〜7に示されているように、図面のコンポーネントのそれぞれを、従来の手段を介して、たとえば、無線メッシュ、WiFi、電力線通信、セルラ、共同溝、または他の既知の手段を介して接続することができる。具体的には、図1を参照すると、計器処理通信システム100の概略図が示されている。計器処理通信システム100は、需給計器110、ホームエリアネットワーク(HAN)120、ネイバーフッドエリアネットワーク(NAN)130、中央プロセッサ140、および通信スタック150を含むことができる。需給計器110は、電気計器、水量計、ガスメーター、または当技術分野で既知の任意の他の形の需給計器を含むことができる。HAN 120は、無線インターフェース、メッシュネットワークインターフェース、WiFiインターフェース、および電力線キャリアインターフェースを含むがこれらに限定されない複数の物理インターフェースを含むことができる。本発明のこの実施形態では、需給計器110は、HAN 120およびNAN 130の一方または両方から別個のプロトコルを含む通信を受信する。需給計器110内では、中央プロセッサ140および通信スタック150が、受信された通信を処理し、ルーティングし、暗号化する。中央プロセッサ140および通信スタック150は、HAN 120およびNAN 130の一方または両方に通信を配布し、これによって、HAN 120とNAN 130との間の通信を容易にする。さらに、需給計器110は、任意のタイプの通信リンクを使用して、HAN 120およびNAN 130の一方または両方ならびに/または1つもしくは複数の他のコンピュータシステムと通信することができる。この通信リンクは、さまざまなタイプの有線リンクおよび/または無線リンクの任意の組合せを含むことができ、1つまたは複数のタイプのネットワークの任意の組合せを含むことができ、かつ/あるいはさまざまなタイプの伝送技法およびプロトコルの任意の組合せを利用することができる。
【0020】
本発明の実施形態では、計器処理通信システム100は、単一の通信スタック150を有する中央プロセッサ140を含み、通信スタック150は、圧縮されたおよび/または非圧縮のインターネットプロトコルを処理し、需給計器110、HAN 120、およびNAN 130のいずれの間の通信をもサポートすることができる。本発明の一実施形態では、単一の通信スタック150は、HAN 120およびNAN 130のインターフェースの間の通信を処理するのにインターネットプロトコル(IP)スイートまたはインターネットプロトコル(IP)層を利用することができる。本発明の別の実施形態では、単一の通信スタック150は、HAN 120およびNAN 130のインターフェースの間の通信に対処するのに圧縮プロトコルスイートを使用することができる。本発明の別の実施形態では、単一の通信スタック150は、HAN 120およびNAN 130のインターフェースの間でルーティングするのにインターネットプロトコルバージョン6(IPv6)を使用することができる。本発明の別の実施形態では、中央プロセッサ140は、需給計器110の計器プロセッサをさらに含むことができる。本発明の別の実施形態では、中央プロセッサ140を、NAN 130とHAN 120との間の通信の暗号化の終端点とすることができる。本発明の別の実施形態では、単一の通信スタック150は、HAN 120およびNAN 130の一方または両方の複数のインターフェースの間の通信を可能にするように構成された複数のメディアアクセスコントローラ(MAC)を含む。本発明の別の実施形態では、需給計器110は、使用量総計または消費パターンなどの測定学データをHAN 120およびNAN 130の一方または両方に送ることができる。本発明の別の実施形態では、中央プロセッサ140および単一の通信スタック150は、通信の処理の一部として、配布のための再暗号化の前にHAN 120とNAN 130との間の通信を暗号化解除することができる。
【0021】
どの場合でも、中央プロセッサ140は、ユーザによってインストールされたコンピュータプログラムコードを実行できる任意の汎用コンピューティング製造品を含むことができる。しかし、中央プロセッサ140、需給計器110、HAN 120、およびNAN 130が、本開示のさまざまな処理ステップを実行できるさまざまな可能な同等のコンピューティングデバイスの代表にすぎないことを理解されたい。この範囲で、他の実施形態では、計器処理通信システムは、特定の機能を実行するハードウェアおよび/またはコンピュータプログラムコードを含む任意の特定目的コンピューティング製造品、特殊目的ハードウェア/ソフトウェアおよび汎用ハードウェア/ソフトウェアの組合せを含む任意のコンピューティング製造品、または類似物を含むことができる。各場合に、プログラムコードおよびハードウェアを、それぞれ標準的なプログラミング技法および標準的な工学技法を使用して作成することができる。
【0022】
同様に、計器処理通信システム100は、本開示を実施するさまざまなタイプのコンピュータインフラストラクチャの例示にすぎない。通信リンクがネットワークを含む時に、そのネットワークは、1つまたは複数のタイプのネットワーク(たとえば、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、仮想プライベートネットワークなど)の任意の組合せを含むことができる。ネットワークアダプタをシステムに結合して、データ処理システムが介在する私有ネットワークまたは公衆ネットワークを介して他のデータ処理システム、リモートプリンタ、またはリモートストレージデバイスに結合されることを可能にすることもできる。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネット(商標)カードが、現在入手可能なタイプのネットワークアダプタのうちの少数である。それにかかわりなく、コンピューティングデバイスの間の通信は、さまざまなタイプの伝送技法の任意の組合せを利用することができる。
【0023】
前に述べ、下でさらに述べるように、単一の通信スタック150は、中央プロセッサ140が、とりわけ本明細書で説明する通信処理を実行することを可能にするという技術的影響を有する。図1〜7に示されたさまざまなコンポーネントのいくつかを、中央プロセッサ140内に含まれる1つまたは複数の別々のコンピューティングデバイス用のメモリ内で独立に実施し、組み合わせ、かつ/または格納することができることを理解されたい。さらに、コンポーネントおよび/または機能性のいくつかを実施しないものとすることができ、あるいは、追加のスキーマおよび/または機能性を計器処理通信システム100の一部として含めることができることを理解されたい。
【0024】
図2に移ると、複数のインターフェースをサポートする計器処理通信システム200の実施形態の概略図が示されている。図1と図2〜7との間で類似する番号を付けられた要素が、図1に関連して説明したものに実質的に類似する場合があることを理解されたい。これらの要素の冗長な説明は、明瞭さのために省略した。図2に戻って、本発明のこの実施形態では、計器処理通信システム200は、単一の通信スタック150を介する複数のデバイス242、244、246、248および需給計器110の間の通信およびデータ交換を可能にするために需給計器110に通信的に接続されたHAN 120上の複数のインターフェース230、232、および234(たとえば、低電力ディジタルラジオ、電力線通信、セルラインフラストラクチャ、無線ローカルエリアネットワーク、900MHzメッシュネットワークなど)を含むことができる。需給計器110の中央プロセッサ140上の単一の通信スタック150は、インターネットプロトコル層254と、アプリケーション層256と、別個のプロトコルを使用する可能性があるインターフェース230、232、および234の間の通信を可能にするように構成された複数のソフトウェアドライバとを含むことができる。複数のインターフェース230、232、および234は、需給計器110上の単一の通信スタック150および中央プロセッサ140を介して、クラウド222ならびにそれに接続された複数のネットワークおよびデバイス212、214およびNAN 130(たとえば、バックホールネットワーク、ユーティリティネットワーク、インターネットなど)と通信することができる。本発明の一実施形態では、中央プロセッサ140および単一の通信スタック150は、クラウド222とHAN 120との間のすべての通信をサポートすることができる。本発明の別の実施形態では、デバイス242、デバイス244、デバイス246、およびデバイス248のうちの少なくとも1つは、インターフェース230、インターフェース232、およびインターフェース234のうちの少なくとも1つとの通信のための通信スタックを含むことができる。本発明の別の実施形態では、中央プロセッサ140は、HAN 120とNAN 130と需給計器110との間のすべての通信を単一の通信スタック150内でエンドツーエンドでルーティングすることができる。本発明の別の実施形態では、単一の通信スタック150は、HAN 120とNAN 130と需給計器110との間の通信をサポートする通信スタックだけを含むことができる。本発明の一実施形態では、インターフェース230と232と234との間のすべての通信を、インターネットプロトコル層254を介してルーティングすることができる。本発明の別の実施形態では、NAN 130とHAN 120との間のすべての通信を、アプリケーション層256を介してルーティングすることができる。
【0025】
図3に移ると、本発明の実施形態による例示的な通信スタック300が示されている。通信スタック300は、IPv6層302、伝送制御プロトコル/ユーザデータグラムプロトコル(TCP/UDP)層304、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)層306、およびExtensible Markup Language(XML)アプリケーション層308を含む。通信スタック300は、インターフェース(たとえば、低電力ディジタルラジオ、電力線通信、セルラインフラストラクチャ、無線ローカルエリアネットワーク、900MHzメッシュネットワークなど)の間の通信をサポートし、その後、ネットワークおよびデバイスの間の通信をサポートするように構成される。IPv6層302は、インターネットプロトコルバージョン(IPv6)を利用するパケットルーティング、ホストアドレッシングおよび識別のためのインターネット層を含む。TCP/UDP層304は、アプリケーションの接続、エラー制御、セグメント化、フロー制御、輻輳制御、およびアプリケーションアドレッシングのためのトランスポート層を含む。HTTP層306は、ファイル転送、グラフィックフォーマットおよび文書の解釈、ならびに文書処理などのユーザタスクおよびアプリケーションタスクをサポートするサービスに関する仕様を含むアプリケーション層を含む。XMLアプリケーション層308は、符号化のためのさらなるアプリケーション層を含む。図4に移ると、本発明の実施形態による複数のインターフェースをサポートする例示的な通信スタック400が示されている。本発明のこの実施形態では、複数の物理層接続412が、メディアアクセス制御(MAC)層416を介して通信スタック300に通信的に接続されている。MAC層416は、アドレッシングおよびチャネルアクセス制御機構を実行し、その結果、通信スタック400は、MAC層416を介して通信スタック300に通信的に接続された複数の物理層接続412を介する複数のインターフェースの間の通信をサポートすることができる。さらに、図5に移ると、本発明の実施形態による複数のインターフェースをサポートする例示的な通信スタック500が示されている。本発明のこの実施形態では、IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks(6LoWPAN)層512が、通信スタック300とMAC層416との間に追加される。6LoWPAN層512は、低帯域幅ネットワークのために通信を圧縮し、IPv6プロトコルを利用して無線インターフェースと接続し、通信する際に通信スタック300を支援することができる。さらに、次に図6に移ると、本発明の実施形態による複数のインターフェースをサポートする例示的な通信スタック600が示されている。本発明のこの実施形態では、アプリケーション層612が、通信スタック300の上に追加される。アプリケーション層612は、デバイスのスマートエネルギ管理機能を使用可能にするために、制御プログラムとのインターフェース通信を可能にすることができる。本発明のこの実施形態では、通信を、TCP/UDP層304を介してルーティングすることができる。
【0026】
図7に移ると、本発明の実施形態による複数のインターフェースをサポートする単一の通信スタック700を含む需給計器110を含む例示的な計器処理通信システム722が示されている。本発明のこの実施形態では、需給計器110は、中央プロセッサ140を含む。中央プロセッサ140は、単一の通信スタック700を含み、単一の通信スタック700は、複数のインターフェースすなわちユーティリティ会社712、無線インターフェース714、および電力線キャリア物理インターフェース(PLC)716を介して複数のネットワークすなわちHAN 120およびNAN 130に通信的に接続される。NAN 130上のユーティリティ会社インターフェース712は、6LoWPAN層512と通信する無線NANメディアアクセスコントローラ(MAC)713を介して通信スタック700に通信的に接続される。この通信接続は、ユーティリティ会社インターフェース712を通信スタック700によって無線でサポートし、需給計器110を介するHAN 120、無線インターフェース714、およびPLC 716との通信を送信し、受信することを可能にする。HAN 120上の別々の低電力無線インターフェース714は、6LoWPAN層512と通信するMAC 715を介して通信スタック700に通信的に接続される。この通信接続は、無線インターフェース714を通信スタック700によって無線でサポートし、需給計器110を介するNAN 130、HAN 120、およびPLC 716との通信を送信し、受信することを可能にする。HAN 120上の別々のPLCインターフェース716は、PLC MAC層717を介して通信スタック700に通信的に接続される。この通信接続は、PLCインターフェース716を通信スタック700によってサポートし、需給計器110を介するNAN 130、HAN 120、および無線インターフェース714との通信を送信し、受信することを可能にする。各ネットワークすなわちHAN 120およびNAN 130と各インターフェースすなわち、ユーティリティ会社インターフェース712、無線インターフェース714、およびPLCインターフェース716とに通信的に接続された通信スタック700を用いて、通信に関するエンドツーエンドセキュリティが、IPv6層302およびTCP/UDP層304を介して需給計器110内で維持される。本発明の一実施形態では、HAN 120とNAN 130との間の暗号化されたデータまたは暗号化解除されたデータのルーティングは、IPv6層302で実行される。本発明の別の実施形態では、ユーティリティ会社インターフェース712、無線インターフェース714、およびPLCインターフェース716のいずれもが、伝送制御プロトコルスイートおよびインターネットプロトコルスイート/層の一方または両方を利用することができる。本発明の別の実施形態では、NAN 130との間の通信は、6LoWPAN層512を迂回してMAC 713を介してIPv6層302に直接に通過することができる。本発明の別の実施形態では、通信を、ネットワーク管理システム(NMS)742などのアプリケーション層を介してNAN 130からHAN 120へルーティングすることができる。本発明の一実施形態では、NAN 130は、NMS 742と通信することができ、NMS 742は、ネットワークインベントリを発見し、デバイスの健全性および状況を監視し、システム性能に影響する状態に対する警報を提供することができる。NMS 742は、アプリケーション層612と通信し、無線インターフェース714またはPLC 716を介して通信スタック700に通信的に接続されたデバイスに対する調整(たとえば、サーモスタット温度の調整、ライトをオンにすること、ストーブの予熱など)を行うことができる。本発明の別の実施形態では、HAN 120およびNAN 130の中およびその間の通信を、アプリケーション層612を介してルーティングすることができる。本発明の別の実施形態では、HAN 120上のインターフェースすなわちMAC 715とPLC MAC 717との間の通信だけを、TCP/UDP層304を介してルーティングすることができ、HAN 120とNAN 130との間の通信を、アプリケーション層612を介してルーティングすることができる。
【0027】
本明細書で述べたように、さまざまなシステムおよびコンポーネントは、データを「通信する」ものとして説明される。対応するデータを、任意の解決策を使用して入手できることを理解されたい。たとえば、対応するシステム/コンポーネントは、データを生成し、かつ/またはデータを生成するのに使用され、1つまたは複数のデータストアまたはセンサ(たとえば、データベース)からデータを取り出し、別のシステム/コンポーネントからデータを受信し、かつ/あるいは類似物を行うことができる。データが特定のシステム/コンポーネントによって生成されない時には、データを生成し、これをそのシステム/コンポーネントに提供し、かつ/またはそのデータをそのシステム/コンポーネントによるアクセスのためにそのデータを格納する別のシステム/コンポーネントを、図示のシステム/コンポーネントとは別に実施できることを理解されたい。
【0028】
前述の図面は、本開示の複数の実施形態に従って関連付けられた処理の一部を示す。これに関して、各図面は、説明された方法の実施形態に関連するプロセスを表す。いくつかの代替実施形態で、図面に記された行為またはブロックが、図面に記された順序から外れて発生することができ、あるいは、たとえば、用いられる行為に依存して、実際に実質的に同時にまたは逆の順序で実行され得ることにも留意されたい。また、当業者は、処理を説明する追加のブロックを追加できることを認めるであろう。
【0029】
本開示の計器処理通信システムは、どの一特定の計器、電気計器、スマートメーター、または他のシステムにも限定されず、他の電力および通信システムならびに/またはシステム(たとえば、無線ルータ、ネットワークハブ、サーバなど)と共に使用され得る。さらに、本発明の計器処理通信システムを、本発明の教示または実施形態から利益を得ることのできる、本明細書に記載されていない他のシステムと共に使用することができる。
【0030】
本明細書で使用された用語法は、特定の実施形態を説明するためのみのものであって、本開示について限定的であることは意図されていない。本明細書で使用される時に、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないと明らかに示さない限り、複数形をも含むことが意図されている。用語「comprises(含む)」および/または「comprising」は、本明細書で使用される時に、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはその群の存在または追加を除外しないことを、さらに理解されたい。
【0031】
この書かれた説明は、最良の態様を含む本発明を開示するために、また、任意のデバイスまたはシステムを作り、使用することと任意の組み込まれた方法を実行することとを含めて当業者が本発明を実践することを可能にするために、例を使用する。本発明の特許可能範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い浮かべる他の例を含む可能性がある。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字どおりの言葉と異ならない構造要素を有する場合に、またはそれらが特許請求の範囲の文字どおりの言葉からの実質的ではない相違を有する同等の構造要素を含む場合に、特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0032】
100 計器処理通信システム
110 需給計器
120 ホームエリアネットワーク(HAN)
130 ネイバーフッドエリアネットワーク(NAN)
140 中央プロセッサ
150 通信スタック
200 計器処理通信システム
212 ネットワーク
214 ネットワーク
222 クラウド
230 インターフェース
232 インターフェース
234 インターフェース
242 デバイス
244 デバイス
246 デバイス
248 デバイス
254 インターネットプロトコルスイート
256 アプリケーション層
300 通信スタック
302 IPv6層
304 伝送制御プロトコル/ユーザデータグラムプロトコル層
306 ハイパーテキスト転送プロトコル層
308 Extensible Markup Languageアプリケーション層
400 通信スタック
412 物理層接続
416 メディアアクセス制御層(MAC)
500 通信スタック
512 IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks(6LoWPAN)層
600 通信スタック
612 アプリケーション層
700 単一の通信スタック
712 ユーティリティ会社
713 メディアアクセスコントローラ(MAC)
714 無線インターフェース
715 メディアアクセスコントローラ(MAC)
716 電力線キャリア物理インターフェース(PLC)
717 PLC MAC層
722 計器処理通信システム
742 ネットワーク管理システム(NMS)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
需給計器(110)と、
前記需給計器(110)と一体化された中央プロセッサ(140)であって、前記中央プロセッサ(140)は、単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)を含み、前記単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)および中央プロセッサ(140)は、複数の異なるネットワーク(120、130、212、214、222)の間での通信を処理するように構成される、中央プロセッサ(140)と
を含む計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項2】
前記単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)は、インターネットプロトコル(IP)スイート(254)を利用する、請求項1記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項3】
前記中央プロセッサ(140)は、暗号化の終端点になるように構成される、請求項1記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項4】
前記単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)は、前記複数の異なるネットワーク(120、130、212、214、222)内のネットワーク(120、130、212、214、222)ごとにメディアアクセスコントローラ(MAC)(416、713、715、717)を含む、請求項1記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項5】
前記単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)によって使用される前記IPスイート(254)は、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)(302)である、請求項2記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項6】
前記複数の異なるネットワーク(120、130、212、214、222)は、ホームエリアネットワーク(HAN)(120)およびネイバーフッドエリアネットワーク(NAN)(130)を含む、請求項2記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項7】
前記HAN(120)上に配置された複数のインターフェース(230、232、234、714、716)の間の通信は、前記単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)上のインターネットプロトコル層(254)を介してルーティングされる、請求項6記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項8】
前記単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)は、アプリケーション層(256、612)を含み、前記アプリケーション層(256、612)は、前記HAN(120)と前記NAN(130)との間の通信をルーティングする、請求項6記載の計器処理通信システム(100、200、722)。
【請求項9】
ホームエリアネットワーク(HAN)(120)およびネイバーフッドエリアネットワーク(NAN)(130)に通信的に接続された需給計器(110)と、
前記需給計器(110)に一体化された中央プロセッサ(140)であって、前記中央プロセッサ(140)は、
前記需給計器(110)内で前記NAN(130)および前記HAN(120)の一方または両方から通信を受信することと、
前記受信された通信を処理することと、
前記NAN(130)および前記HAN(120)の一方または両方の間で前記処理された通信をルーティングすることと、
前記処理された通信を暗号化することと、
前記暗号化された通信を前記需給計器(110)の外部で前記NAN(130)および前記HAN(120)の一方または両方に配布することと
を含むアクションを実行することによって前記需給計器(110)を介する前記NAN(130)と前記HAN(120)との間での通信をサポートするように構成された単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)を含む、中央プロセッサ(140)と
を含むシステム。
【請求項10】
複数のインターフェース(230、232、234、712、714、716)に通信的に接続された需給計器(110)と、
前記需給計器(110)に通信的に接続されたバックホールネットワーク(120、130、212、214、222)と、
前記需給計器(110)に一体化された中央プロセッサ(140)であって、前記中央プロセッサ(140)は、前記中央プロセッサ(140)の内部で前記複数のインターフェース(230、232、234、712、714、716)および前記バックホールネットワーク(120、130、212、214、222)の間の通信のエンドツーエンドルーティングおよび暗号化をサポートする単一の通信スタック(150、300、400、500、600、700)を含む、中央プロセッサ(140)と
を含むネットワーク通信システム(100、200、722)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−178154(P2012−178154A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−35706(P2012−35706)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】