説明

計時装置および計時装置の制御方法

【課題】 時差時刻を正確に表示する計時装置を提供する。
【解決手段】 基準時刻を計時する時刻カウンタ200と、時刻表示手段400と、基準時刻に対する時差設定量を外部入力する外部入力手段700と、入力される時差設定量を記憶する時差設定量記憶部822と、を備え、時差設定量記憶部822に記憶された時差設定量を前記基準時刻に加算した時差時刻を時刻表示手段400に表示する。外部入力手段700は、1回の操作で1時間単位の時差量を入力するAボタン720およびBボタン730を有する。時差設定量記憶部822は、Aボタン720およびBボタン730の操作回数に応じた時差設定量を記憶する。さらに、入力された時差設定量を秒針423の移動で示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時装置および計時装置の制御方法に関する。特に、時差設定機能を有する計時装置および計時装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時差設定機能付きの時計が知られており、例えば、第1国とこの第1国に対して時差を有する第2国とを往来する場合などに用いられている(例えば、特許文献1)。
例えば、特許文献1に開示される時差設定機能付き時計では、文字板910および指針920を有するアナログ式(指針式)の時刻表示手段900と、クロックパルスに基づいて世界標準時(GMT)を計時する計時手段と、世界標準時に対する主要都市の時差を記憶した時差記憶部と、を備える時差設定機能付き時計が開示されている(図6参照)。
【0003】
文字板910において、外縁寄りには世界の主要都市を表記した都市表記部911がリング状に設けられ、中心の小円には時間の目盛り912が刻まれている。
指針920としては時針921、分針922および秒針923が設けられており、秒針923は、秒時間を示す他、ユーザーの外部操作に応じて都市表記部911に表記された都市を任意に指定可能である。
そして、ユーザーが都市表記部911の都市を秒針で指定すると、この指定した都市に対応した時差が時差記憶部から読み出され、時刻表示手段900には世界標準時に対して時差を加算した時刻が表示される。すると、指定した都市の時刻が時刻表示手段900に表示されることになる。
【0004】
例えば、時差記憶部には香港(HONG KONG)について世界標準時を基準として+8時間の時差が記憶されており、秒針923で香港を指定すると、世界標準時に対して8時間加算した時刻が時刻表示手段900に表示される。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−66187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、世界中の国々において、夏期間の日光を有効利用することを目的とし、時刻を所定時間(例えば1または2時間)進めるサマータイム(夏時間、Daylight Saving Time)制度が導入されている。そして、例えば、ヨーロッパの主要国では、3月から10月がサマータイムモードである。
【0007】
このようにサマータイムが世界中で導入されるようになった結果、特許文献1に開示されるように都市ごとに時差を記憶させておく場合には、各都市の標準時に対する時差を設定することになるので、指定された都市がサマータイムモードである期間にはずれた時刻を表示することになってしまうという問題が生じる。
そして、サマータイムモード(3月〜10月)の方がウィンタータイム(標準時刻)モード(11月〜2月)よりも期間が長いのであるから、むしろずれた時刻を表示することの方が多くなってしまい、時刻を正確に表示するという時計本来の目的を果たすことできないという問題がある。
また、そもそも都市表記部911に表記されていない都市の時差については設定できないという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、時差時刻を正確に表示できる計時装置および計時装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の計時装置は、基準時刻をクロックパルスに基づいて計時する計時手段と、文字板とこの文字板上を回動する指針とを有し時刻を表示する時刻表示手段と、前記基準時刻に対する時差設定量を外部入力する外部入力手段と、前記外部入力手段にて入力される時差設定量を記憶する時差設定量記憶部と、前記時差設定量記憶部に記憶された時差設定量を前記計時手段で計時される前記基準時刻に加算した時差時刻を前記時刻表示手段に表示させる時刻表示制御手段と、前記外部入力手段にて時差設定量が入力される際に前記指針を所定の基準位置から前記時差設定量に応じた位置に移動させる時差設定量表示指令部と、を備え、前記外部入力手段は、1回の操作で予め決められた所定時差量を入力する時差入力操作手段を有し、前記時差設定量記憶部は前記時差入力操作手段の操作回数に応じた時差設定量を記憶することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、時差入力操作手段の操作回数によって時差の設定量をユーザーが任意に決めることができる。
例えばサマータイム制度が世界中で導入されているために地域間の時差は一定ではなく期間によって変わりうるので、単純に都市名と時差とを対応させて記憶した時差時刻を表示するだけでは期間によっては間違った時差時刻の表示を行ってしまうことになるが、この点、本発明では、ユーザーが時差入力操作手段を操作する回数によって任意の時差量を設定入力できるので、ユーザーの判断によって適切に正確な時差設定量を入力して正確な時差時刻の表示をさせることができる。
【0011】
また、外部入力手段で時差設定量が入力される際に時差設定量表示指令部によって指針が移動され、この指針の移動量によって入力された時差設定量が表示される。すると、入力した時差設定量を確認しながらユーザーが時差設定量を調整することができ、ユーザーが自分で時差入力操作手段の操作回数をカウントする必要はなく、また、操作ミスによって間違った時差を入力した場合でも時差設定量の表示を確認して修正することができる。
さらに、従来は、文字板の周囲に設けられた都市表記部の都市名を指定させて時差の設定を行うこととしていたので時刻の表示部が小さくならざるをえなかったが、この点、本発明では時刻表示に利用する指針と時刻の目盛りとで時差を表示し、都市名の表示など時刻表示にとって無駄な要素を必要としないので、時刻の表示部を最大限大きくとることができる。その結果、時刻視認性を向上させることができ、また、時刻表示にとって無駄な要素を必要としないので、デザイン性を向上させることができる。
【0012】
なお、計時手段で計時する基準時刻としては、第1地域の標準時を基準に第1地域と第2地域との時差を設定して第2地域の時差時刻を表示させたい場合、第1地域の標準時が計時手段で計時する基準時刻となる。一般的にはこの計時装置を使用するユーザーが主として居住する地域の標準時を基準時刻として設定するのが利便性の点から良いと考えられる。そして、基準時刻としてどの地域の標準時とするかは製品の出荷時に初期設定されてもよく、あるいはユーザーが任意に選択可能であってもよい。
【0013】
ここで、「前記時差入力操作手段の操作回数に応じた時差設定量」における「操作回数」とは、時差入力操作手段を押すなどの実際の操作回数の他、例えば、ボタンを押し続けた場合に長押し時間に応じた操作回数をカウントすることも含む概念である。
【0014】
本発明では、前記時差入力操作手段として、一回の操作によって正の時差を入力する正時差入力用の操作手段と、一回の操作によって負の時差を入力する負時差入力用の操作手段と、を備えていることが好ましい。
この構成では、正の時差を設定入力するときは正時差入力用の操作手段で入力でき、負の時差を設定入力するときは負時差入力用の操作手段で入力できるので、設定したい時差を直接に最も少ない操作回数で入力できる。
【0015】
なお、時差入力操作手段として一つの操作手段のみが設けられ、カウント値が所定の範囲でループするカウンタを備えていてもよい。この構成では、操作手段の操作によってカウンタのカウント値が正の時差と負の時差とでループするので、所定の操作回数で任意の時差を入力でき、また操作手段を少なくできるので、デザイン性が向上するとともに操作が簡単である。
【0016】
また、一回の操作で入力される所定時差量としては、1時間単位でもよく、または30分単位であってもよい。
【0017】
本発明では、前記時刻表示手段は、前記指針として時針、分針および秒針を有し、前記時差設定量表示指令部は、前記外部入力手段にて時差設定量が入力される際に前記秒針を所定の基準位置から前記時差設定量に応じた位置に移動させ、前記基準位置は、0秒位置であり、前記時差設定量に応じた位置は、時差設定量の1時間分を1秒に換算して前記0秒位置から前記時差設定量だけ運針した位置であることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、秒針の移動量によって入力された時差設定量を表示することができる。そして、秒針によって時差設定量を表示させる場合、一般の指針式時計では時分針を駆動させるモータとは別に秒針駆動用モータを備えるので、時差設定量の表示の際に秒針だけを独立して所定位置に駆動させる際に利便性が高い。
【0019】
本発明では、予め定められた所定範囲である有効時差範囲が設定された有効時差範囲設定部を備え、前記時差設定量記憶部は、前記外部入力手段にて入力される時差設定量のうち前記有効時差範囲内の時差を有効として記憶することが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、入力された時差設定量が有効時差範囲内であれば時差設定量記憶部に時差設定量が記憶されるとともに基準時刻に時差設定量が加算されて時差時刻が表示される。その一方、ユーザーが誤った外部入力手段の操作を行って有効時差範囲外の時差が入力された場合には、有効時差範囲外の時差設定入力を無効として受け付けないこととする。
【0021】
例えばユーザーが誤った外部入力手段の操作を行って地球上に存在しえない時差を入力してしまった場合に、地球上に存在しえない時刻を表示することは計時装置として無意味である。この点、本発明では、入力された時差設定量が有効時差範囲内であるかを判断して、有効時差範囲内である場合にのみ時差時刻の表示を行うこととするので、ユーザーが誤った操作で過大な時差を入力してしまった場合でも無意味な時差時刻の表示を行うこともなく、また、過剰に時分針の早送り運針を行うといった無駄も回避できる。
また、例えば、入力された時差設定量を指針(例えば秒針)で示す場合にも無意味な時差設定量を表示する位置まで指針(秒針)を運針させる無駄を回避することができる。
【0022】
ここで、本発明では、前記有効時差範囲は、前記基準時刻を標準時とする地域から東回りおよび西回りに日付変更線までの時差範囲とすることが好ましい。このように有効時差範囲を設定すると、有効時差範囲内の時差設定量であれば時差時刻は地球上に存在しうる時刻となる。
また、前記有効時差範囲は、期間に応じて調整されることが好ましい。ここで、期間に応じた調整とは、例えば、サマータイムを考慮して前記有効時差範囲の最大値および最小値を所定時間(例えば1時間または2時間)調整することをいう。このような構成によれば、サマータイム等によって変更される時差にも対応して時差時刻の表示を行うことができる。
なお、期間に応じて有効時差範囲を調整するにあたって、計時手段で日付(カレンダ情報)を計時する場合には、この日付に基づいて判断してもよい。
【0023】
本発明では、複数の地域についての有効時差範囲を記録した有効時差範囲テーブルを有し、前記計時手段は、設定された本地域の標準時を前記基準時刻として計時し、前記有効時差範囲テーブルに記録された複数の地域から前記本地域を選択可能であることが好ましい。
【0024】
このような構成において、前記有効時差範囲テーブルに記録された複数の地域から前記本地域を選択されると、計時手段は、この本地域の標準時を基準時刻として計時し、また、有効時差範囲設定部は、この本地域についての有効時差範囲を読み出して有効時差範囲として設定する。よって、計時装置が使用される地域に応じて適切な基準時刻が計時され、また、適切な有効時差範囲内で時差設定を行うことができる。
【0025】
本発明では、時刻情報を含む電波を受信する受信手段を備え、前記有効時差範囲設定部は、前記有効時差範囲テーブルに記録された複数の地域から前記受信手段で受信した電波に基づいて前記本地域を選択することが好ましい。
【0026】
このような構成によれば、各国において発信されている時刻情報を含む電波を受信して、その電波の種類等に基づいて本地域の選択を自動的に行うので、ユーザーが逐次選択しなくても、本地域の選択が行われ、利便性が向上される。
【0027】
本発明の計時装置の制御方法は、予め設定された基準時刻をクロックパルスに基づいて計時する計時工程と、指針を回動させて時刻を表示する時刻表示工程と、前記基準時刻に対する時差設定量を外部入力する外部入力工程と、前記外部入力工程にて入力される時差設定量を記憶する時差設定量記憶工程と、前記時差設定量記憶工程で記憶した時差設定量を前記計時工程で計時する前記基準時刻に加算した時差時刻を前記時刻表示工程にて表示させる時刻表示制御工程と、前記外部入力工程にて時差設定量が入力される際に前記指針を所定の基準位置から前記時差設定量に応じた位置に移動させる時差設定量表示指令工程と、を備え、前記外部入力工程は、1回の操作で予め決められた所定時差量を入力する時差入力操作工程を有し、前記時差設定量記憶工程は、前記時差入力操作工程の操作回数に応じた時差設定量を記憶することを特徴とする。
【0028】
このような構成によれば、上記発明と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、時差入力操作工程の操作回数によって任意の時差量を設定入力でき、ユーザーの判断によって適切に正確な時差設定量を入力して正確な時差時刻の表示をさせることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ユーザーが時差入力操作手段を操作する回数によって任意の時差量を設定入力できるので、ユーザーの判断によって適切に正確な時差設定量を入力して正確な時差時刻の表示をさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明の計時装置にかかる第1実施形態としての電波修正時計100を示す。
この電波修正時計100は、基準パルス生成手段210からの基準クロックに基づいて現時刻(基準時刻)をカウントする時刻カウンタ(計時手段)200と、時刻情報を含む標準電波を受信する受信手段300と、指針420等によって時刻を表示する時刻表示手段400と、指針420等を駆動させる駆動回路部500と、指針420等の位置を記憶する針位置カウンタ600と、現時刻に対する時差設定量を外部入力する外部入力手段700と、時刻表示動作、時差設定動作および標準電波の受信動作を制御する中央制御部800と、を備えて構成されている。
【0031】
基準パルス生成手段210は、水晶振動子を発振させて基準振動を得る発振回路211と、発振回路211からの基準振動を分周してクロックパルスおよび早送りパルス等を生成する分周回路212と、を備える。
時刻カウンタ200は、分周回路212からのクロックパルスに基づいて現時刻(基準時刻)をカウントする。
具体的には、時刻カウンタ200は、時間のうち秒情報をカウントする秒カウンタ(不図示)と、時分情報をカウントする時分カウンタ(不図示)と、日情報をカウントする日カウンタ(不図示)と、を備えている。
【0032】
受信手段300は、電波を受けるアンテナ310と、アンテナ310で受けた電波の信号を処理する受信回路320と、受信回路320からの情報を処理する受信情報処理部330と、を備えて構成されている。
受信回路320は、図示しない増幅回路、バンドパスフィルタ、復調回路、AGC(Automatic Gain Control)回路、デコード回路、を備える。
受信回路320で受信されて信号処理された時刻情報は受信情報処理部330に出力される。
【0033】
受信情報処理部330は、受信した標準電波の種類を特定してこの標準電波の発信地域を認識するとともにその標準電波のタイムコードフォーマットに従って時刻情報を読み出す。また、受信情報処理部330は、受信した時刻情報を一旦記憶するとともに、連続して受信した時刻情報が所定時間差(1分差)になっているか否かで受信の成否を判断して、受信に成功している場合には時刻カウンタ200の現時刻情報を受信した時刻情報に基づいて修正する。
なお、受信回路320は、予め設定されたスケジュール(自動受信時刻)もしくは外部入力手段700による強制受信操作によって時刻情報の受信を開始する。
【0034】
時刻表示手段400は、文字板410と、この文字板410上を回動する指針420と、文字板410の下面側で回動する日車424と、を備えている。
文字板410は、時計の外装ケース411の開口部412から視認可能である。平面視において、外装ケース411のフェース面いっぱいに開口形成された開口部412から文字板410が外部に臨んでいる。
文字板410の最外周には時刻目盛り413が刻設されている。また、文字板410には日付視認窓414が開口形成されており、日車424に刻設された日付が日付視認窓414から視認可能である。
指針420としては、時針421、分針422および秒針423が設けられている。
【0035】
駆動回路部500は、秒針423を駆動させる秒針駆動回路510および秒針駆動モータ511と、時分針421、422を駆動させる時分針駆動回路520および時分針駆動モータ521と、日車424を駆動させる日車駆動回路530および日車駆動モータ531と、を備えている。
駆動回路部500は、中央制御部800から出力される制御信号に応じた駆動パルスを各駆動回路510、520、530から各駆動モータ511、521、531へ出力して各指針421、422、423および日車424を駆動する。
【0036】
針位置カウンタ600は、秒針423の位置をカウントして記憶する秒針位置カウンタ610と、時分針421、422の位置をカウントして記憶する時分針位置カウンタ620と、日車424の回転量をカウントして記憶する日車カウンタ630と、を備える。
中央制御部800から駆動回路部500に向けて各指針および日車424を駆動する制御信号が出力されるところ、この制御信号が針位置カウンタ600にも同時に出力される。そして、針位置カウンタ600は、この制御信号に基づいて各カウンタ610、620、630をカウントアップして各指針421、422、423の位置および日車424の回転量を記憶する。
【0037】
初期設定において針位置カウンタ600のカウント値を指針420および日車424の位置に一致させておいて、以後、中央制御部800からの制御信号が駆動回路部500に出力されるたびに針位置カウンタ600がカウントアップすることにより、指針420および日車424の位置と針位置カウンタ600のカウント値の一致が図られる。
【0038】
外部入力手段700は、外装ケース411の側面に設けられた3つの操作部材により構成されている。
操作部材としては、外装ケース411の側面において3時位置に対応する位置に設けられた押し引き可能なリューズ710と、2時位置に対応する位置に設けられた押動操作可能なAボタン720と、4時位置に対応する位置に設けられた押動操作可能なBボタン730と、が設けられている。
リューズ710は、押し引き可能であり、例えば、時刻修正モードへの移行および時刻修正モードの解除などの操作に使用される。
なお、Aボタン720およびBボタン730(時差入力操作手段)は、時差設定入力に使用され、通常の時刻表示が行われている状態でBボタン730が一回押されると時差設定モードへの移行処理がなされ、時差設定モードの状態においてAボタン(正時差入力用の操作手段)720の押動操作でプラス1時間(所定時差量)の時差入力、Bボタン(負時差入力用の操作手段)730の押動操作でマイナス1時間(所定時差量)の時差入力が行われるなどの入力操作が行われるが、Aボタン720、Bボタン730の押動操作とこの操作に対応する動作処理については、図3、図4のフローチャートおよび図5の具体的動作例を参照して説明する。
【0039】
中央制御部800は、時刻表示手段400の時刻表示動作を制御する時刻表示制御部810と、時差設定動作を制御する時差設定制御部820と、受信手段300の受信動作を制御する受信タイミング制御部830と、を備えている。
【0040】
時刻表示制御部810は、時刻カウンタ200でカウントされる現時刻を時刻表示手段400に表示させ、また、外部入力手段700によって時差設定が行われた場合には、時刻カウンタ200でカウントされる現時刻に時差設定量を加算した時差時刻を時刻表示手段400に表示させる。
時刻表示制御部810は時刻表示手段400の指針420等を駆動して時刻を表示させるところ、時刻表示制御部810からは、指針420を回転駆動させる制御信号が駆動回路部500に出力されると同時に同じ制御信号が針位置カウンタ600に出力される。
【0041】
時差設定制御部820は、時差設定入力を受け付ける時差設定モードにおける動作処理を行う時差設定モード処理部821と、外部入力手段700によって設定入力される時差量を記憶する時差設定量記憶部822と、有効時差範囲が設定された有効時差範囲設定部823と、複数の地域についての有効時差範囲を記録した有効時差範囲テーブル824と、を備える。
【0042】
時差設定モード処理部821は、外部入力手段700による時差設定開始の指令を受けると、時刻表示制御部810による時刻表示動作を停止させて時差設定入力を受け付ける時差設定モードへの移行処理を行う。
時差設定モードに移行した状態において、時差設定モード処理部821は、外部入力手段700による時差設定入力に応じて秒針423を駆動させる制御信号を駆動回路部500および針位置カウンタ600に出力して秒針423の駆動制御を行い時差設定量の表示を制御する。ここに、時差設定モード処理部821によって、時差設定量を秒針423の駆動にて表示させる時差設定量表示指令部が構成されている。
なお、時差設定モードにおいて時差設定量に応じた秒針423の駆動については、図3、図4のフローチャートおよび図5の具体的動作例を参照して後述する。
また、時差設定モード処理部821は、時差設定モードに移行した状態において、入力された時差設定量のぶんだけ時針421および分針422を早送りする制御信号を駆動回路部500および針位置カウンタ600に出力することで、現時刻から時差時刻へ時刻表示を変更させる。
【0043】
時差設定量記憶部822は、外部入力手段700によって設定入力される時差設定量を記憶して、記憶した時差設定量を時差設定モード処理部821および時刻表示制御部810に出力する。なお、時差設定量記憶部822は、時差の設定が1時間単位で行われることに対応して1時間単位のカウンタで構成されている。
【0044】
有効時差範囲設定部823には所定範囲の有効時差範囲が設定されており、有効時差範囲設定部823は、外部入力手段700によって入力された時差設定量が有効時差範囲であるかどうかを判断して、有効時差範囲であれば入力された時差設定量を時差設定量記憶部822に記憶させ、有効時差範囲外であれば、外部入力手段700による時差設定入力を無効として受け付けない。
【0045】
有効時差範囲は、時刻カウンタ200で計時する現時刻を標準時とする地域(本地域)から東回りおよび西回りで日付変更線までの時差にサマータイム分の調整量である所定時間(例えば1時間)を考慮した時差で仕切られる範囲である。
【0046】
例えば、イギリス(サマータイムが導入されている)を本地域とすると、西回りで日付変更線まで行くと−11時間までの時差があり、東回りで日付変更線までいくと+12時間まであるので、サマータイムの調整量を考慮すると東側および西側の地域に対して1時間ずれる可能性があるので、有効時差範囲は、−12時間〜+13時間の範囲となる。
また、日本国(サマータイムが導入されていない)を本地域とすると、西回りで日付変更線まで行くと−20時間までの時差があり、東回りで日付変更線までいくと+3時間まであるので、サマータイムの調整量を考慮すると東側の地域では1時間時計が進む可能性があるので、現在有効であると考えられる有効時差範囲は、−20時間〜+4時間の範囲となる。
【0047】
有効時差範囲テーブル824は、図2に示されるように、各地域に対する有効時差範囲を記録している。
そして、受信手段300で受信された標準電波の種類が受信情報処理部330によって特定されるところ、有効時差範囲設定部823は、標準電波の種類からこの電波修正時計が現在用いられている本地域を特定して有効時差範囲テーブル824から本地域およびこの本地域に対応した有効時差範囲を読み出して記憶する。
なお、有効時差範囲テーブル824に記録された地域から本地域を選択するにあたっては、ユーザーが外部入力手段700による手動操作で任意に選択可能であってもよい。
【0048】
受信タイミング制御部830は、受信手段300で標準電波の受信を開始する自動受信開始時刻を記憶しており、時刻が自動受信開始時刻に到達したところで、受信回路320を起動させて標準電波の受信を開始させる。自動受信時刻としては、毎日午前2時と午前5時に設定されることが例として挙げられる。また、受信タイミング制御部830は、外部入力手段700によって入力される強制受信開始の指令に応じて受信回路320による標準電波の受信を開始させる。
【0049】
このような構成を備える電波修正時計の動作について、図3、図4のフローチャートおよび図5の具体的動作例を参照して説明する。
図3、図4は、時差設定動作を主とする電波修正時計100の動作を示すフローチャートである。図5は、電波修正時計100の具体的動作例であって、(A)は通常の時刻表示を行っている状態、(B)は時差設定モードに移行した状態、(C)は時差設定モードにおいて時差設定量が入力された状態、(D)は時差時刻を表示している状態、を示す。
【0050】
まず、ST100において、通常の時刻表示制御が時刻表示制御部810によって行われ、時刻表示手段400に時刻が表示される(図5(A)参照)。
ここで、時差設定がされていない場合、時刻表示制御部810は、針位置カウンタ600のカウント値を時刻カウンタ200とのカウント値に一致させるように制御信号を針位置カウンタ600と駆動回路部500に出力して時刻カウンタ200でカウントされる現時刻を時刻表示手段400に表示させる。一方、時差設定がされており、時差設定量記憶部822に時差設定量が記憶されている場合、時刻表示制御部810は、時刻カウンタ200でカウントされる現時刻に時差設定量を加算した時差時刻を時刻表示手段400に表示させる。
【0051】
このように時刻表示が行われている状態で(ST100)、自動受信時刻に到達するか(ST101:YES)あるいは強制受信操作が行われた場合(ST102:YES)、受信タイミング制御部830によって受信回路320が起動されて、標準電波の受信動作が行われる。そして、受信した標準電波の種類が受信情報処理部330にて特定され、この特定された標準電波の種類に対応した地域が有効時差範囲テーブル824に記憶された地域から本地域として選択される。
すると、有効時差範囲設定部823は、選択された本地域に対応した有効時差範囲を読み出して設定する(ST104)。例えば、日本が本地域として選択されれば、有効時差範囲は−21時間〜+4時間に設定される。
【0052】
ST105において、外部入力手段700による操作、つまりBボタン730の一回押しによって時差設定開始の指令が行われた場合(ST105:YES)、時差設定モード処理部821は、時差設定の入力を受け付ける時差設定モードへの移行処理を行う(ST106)。すなわち、時刻表示制御部810による時刻表示を停止させて、さらに、秒針423を時差設定量の表示手段として機能させる。
このとき、時差設定モード処理部821は、時差設定量記憶部822にすでに記憶された時差を読み出して、時差設定量を表示する位置へ秒針423を移動させる(ST107)。
【0053】
ここで、時差設定量を表示する位置は、時差設定量の1時間を1秒に換算して0秒位置から時差設定量だけ運針した位置であり、プラスの時差であれば秒針423を0秒位置から時計回りに時差設定量分だけ運針した位置であり、マイナスの時差であれば秒針423を0秒位置から反時計回りに時差設定量分だけ運針した位置である。例えば、+2時間の時差が設定されていれば、秒針423は2秒位置に運針され、−2時間の時差が設定されていれば、58秒の位置へ運針される。
【0054】
なお、図5(B)に時差設定モードに移行した状態を示すところ、時差設定量が0である場合を例にして示しているので、秒針423は0秒位置に帰零されている。もし、仮に、時差設定量記憶部に2時間の時差が設定されていれば、秒針423は2秒の位置に運針される。
【0055】
このように時差設定モードに移行した状態で、外部入力手段700の操作、つまりAボタン720あるいはBボタン730の押動操作で時差入力が行われたか否かを検出する(ST108)。
時差入力操作を検出した場合(ST108:YES)、この時差入力が有効時差範囲であるかを有効時差範囲設定部823により判断する(ST109)。
Aボタン720が一回押されるたびに+1時間の時差が設定入力され、Bボタン730が一回押されるたびに−1時間の時差が設定入力されるので、有効時差範囲設定部823は、Aボタン720およびBボタン730が押された回数をカウントして、合計の時差設定量が有効時差範囲であるか否かを判断する。
例えば、日本が本地域として選択されている場合、有効時差範囲は、−21時間から+4時間であるので、この範囲内の時差設定入力であれば有効と判断する。
【0056】
入力された時差設定量が有効時差範囲である場合(ST109;YES)、入力された時差設定量を時差設定量記憶部822に記憶する(ST110)。
そして、時差設定モード処理部821は、時差設定量を表示する位置へ秒針423を移動させる(ST111)とともに、入力された時差のぶんだけ時針421および分針422を正転方向または逆転方向に早送り運針する(ST112)。ここで、図5(C)では、入力された時差設定量が−9時間であって、秒針423が0秒位置から−9秒分運針されて51秒を示す場合を表している。
【0057】
時針421および分針422の早送りが終了した後(ST113:YES)、さらに、時差設定量によっては日付まで変更する必要がある場合には日車424が必要量だけ送られる(ST114)。
例えば、図5(A)の通常時刻表示において午前8時10分が表示されており、図5(C)に示されるように−9時間の時差が設定入力された場合、時差時刻は前日の午後11時10分となるので、図5(D)に示されるように、日車424が1日分逆回転される。
【0058】
時分針421、422の早送りあるいは日車送りが終了したのち(ST113、ST114)、外部入力手段700による時差設定入力が行われないままに5秒間が経過した場合(ST115:YES)には、時差設定モード処理部821は、時差設定モードを解除する(ST116)。すると、時刻表示制御部810により、時刻カウンタ200でカウントされる現時刻に時差設定量を加算した時差時刻が時刻表示手段400に表示されて(図5(D)参照)、以後、クロックパルスに基づく通常の運針によって時刻表示が行われる(ST100)。
【0059】
ここで、ST108において、時差設定モードに移行したのち時差入力操作が検出されないで(ST108:NO)5秒間経過した場合には時差設定モード処理部821は、時差設定モードを解除する(ST116)。
ST109において、外部入力手段700のAボタン720あるいはBボタン730の押動操作によって入力された時差設定量が有効時差範囲を超えていた場合(ST109:NO)、有効時差範囲を超える時差設定入力を無効とし(ST300)、無効の時差入力を時差設定量記憶部822に記憶することもなければ、無効の時差設定入力を時差時刻の表示に反映することもない。
【0060】
ST113において時分針421、422の早送りを終了する前に(ST113:NO)外部入力手段700によるさらなる時差設定入力があった場合(ST108:YES)、または、ST115において時分針421、422の早送りが終了後(ST113)5秒が経過する前に外部入力手段700によるさらなる時差設定入力があった場合(ST108:YES)、その時差設定入力が有効時差範囲であるか判断し(ST109)、以後、有効時差範囲であれば、時差設定量記憶部822に時差設定量を記憶して(ST110)、秒針423による時差設定量の表示(ST111)、時分針421、422の早送り動作(ST112)が行われることになる。
【0061】
このような構成を備える第1実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)Aボタン720およびBボタン730の押動操作回数によって時差の設定量をユーザーが任意に決めることができるので、ユーザーの判断によって適切に正確な時差設定量を入力して正確な時差時刻の表示をさせることができる。例えばサマータイム制度が世界中で導入されているために地域間の時差は一定ではなく期間によって変わりうるが、このような時差の変化も考慮に入れてユーザーが時差を任意に設定できるので、正確な時差時刻を表示することができる。
【0062】
(2)入力された時差設定量を秒針423の移動量によって表示することができるので、入力した時差設定量を確認しながらユーザーが時差設定量を調整することができる。よって、ユーザーが自分で時差入力操作手段の操作回数をカウントする必要はなく、また、操作ミスによって間違った時差を入力した場合でも時差設定量の表示を確認して修正することができるなど利便性を向上させることができる。
【0063】
(3)時刻表示に利用する秒針423と秒の目盛り413で時差を表示し、都市名の表示などの時刻表示にとって無駄な要素を必要としないので、時刻の表示部を最大限大きくとることができる。その結果、時刻視認性を向上させることができ、また、時刻表示にとって無駄な要素を必要としないので、デザイン性を向上させることができる。
【0064】
(4)有効時差範囲設定部823に有効時差範囲が設定されており、この有効時差範囲は、時刻カウンタ200で計時する基準時刻を標準時とする地域から東回りおよび西回りに日付変更線までの時差範囲とするので、有効時差範囲内の時差設定量であれば時差時刻は地球上に存在しうる有意味な時刻とすることができる。
【0065】
(5)有効時差範囲の設定にあたっては、サマータイムを考慮して有効時差範囲の最大値および最小値を1時間調整して設定しているので、サマータイム等によって変更される時差にも対応して時差時刻の入力および表示を行うことができる。
【0066】
(6)有効時差範囲が設定されており、入力された時差設定量が有効時差範囲内であるかを判断して、有効時差範囲内である場合に時差時刻の表示を行うこととするので、ユーザーが誤った操作で過大な時差を入力してしまった場合でも地球上に存在しない無意味な時差時刻の表示を行うこともなく、また、過剰に時分針421、422の早送り運針を行うといった無駄も回避できる。
【0067】
(7)時刻情報を含む電波を受信するとともに電波の種類を特定して、この特定した標準電波の種類に対応した地域を有効時差範囲テーブル824に記憶された地域から本地域として選択するので、計時装置が使用される地域に応じた適切な基準時刻を時刻カウンタ200で計時でき、また、適切な有効時差範囲内で時差設定を行うことができる。そして、各国において発信されている時刻情報を含む電波を受信して、その電波の種類等に基づいて本地域の選択を自動的に行うので、ユーザーが逐次選択しなくても、本地域の選択が行われ、利便性が向上する。
【0068】
(8)本実施形態は電波修正時計であるところ、標準電波に基づく時刻表示の修正にあたっては指針420の位置を認識しておく必要があり、その一方、時差設定において秒針423で時差設定量を示したりまた通常の時刻表示に復帰したりするにあたっては秒針423の位置を認識している必要がある。
このように標準電波の受信機能と時差設定量の秒針423による表示とはともに針位置カウンタ600を備える必要があるところ、電波修正時計に対して時差設定量を秒針423で表示する機能を付加したり、逆に、時差設定量を秒針423で表示する電子時計に電波受信機能を付加したりする場合には、針位置カウンタ600を共用できるのでその他のわずかな設計変更で済ませることができる。
【0069】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
有効時差範囲テーブルに記憶する有効時差の範囲としては図2に示される有効時差範囲に限られず適切な有効時差を設定すればよいことはもちろんである。例えば、有効時差範囲の調整時間を1時間ではなく2時間としてもよく、または、サマータイム制度が導入されていない地域を考慮して調整時間を設けなくてもよい。
また、現在、日本国ではサマータイムが導入されていないので、現在有効であると考えられる有効時差範囲は、−20時間〜+4時間の範囲となるが、将来的に日本にサマータイムが導入される可能性を考えて、有効時差範囲を−21時間〜+4時間としてもよい。
【0070】
時差設定としては、1時間単位で行うとしたが、例えば、30分単位で設定可能であってもよいことはもちろんである。
【0071】
上記実施形態では、時差設定量記憶部822に時差設定量が記憶されていれば時刻表示手段400は常に時差時刻を表示する場合を例にして説明したが、時差設定量記憶部822に時差設定量が記憶されている場合であっても、時刻カウンタ200でカウントされる現時刻(基準時刻)を表示する基準時刻表示モードと時差時刻を表示する時差時刻表示モードを任意に切り替えることが可能に構成されていてもよい。
【0072】
時差設定モードに移行した際に、秒針423は、時差設定量記憶部822に記憶されている時差設定量の位置に移動するとして説明したが、通常の時刻表示から時差設定モードに移行した際には時差設定量記憶部822に記憶されている時差設定量がリセットされ、秒針423は常に帰零されてもよい。
【0073】
時差設定モードにおいて時差が入力された際に秒針423の運針で入力された時差設定量を表示する場合を例にして説明したが、時差設定量を表示する場合に駆動される指針としては秒針423に限らず、時針421あるいは分針422であってもよく、さらには、日車424に日付表示の他にマイナスの数字も印刷しておいてこの日車を利用して時差設定量を表示してもよい。
【0074】
上記実施形態としては、標準電波を受信する受信手段を備えた電波修正時計を例にして説明したが、電波の受信機能を有していない電子時計であってもよいことはもちろんである。電波を受信しない電子時計である場合、有効時差範囲テーブルに記録された地域から本地域を選択するにあたっては、ユーザーが手動操作で任意に選択可能であってもよい。
【0075】
標準電波の受信によって標準電波の種類に対応した地域を特定し、有効時差範囲テーブルから本地域を選択するとともに有効時差範囲設定部に有効時差範囲を設定するとしたが、さらに、受信した時刻情報に基づいて時刻カウンタの現時刻(基準時刻)を修正した場合には、時差時刻の表示を解除して標準電波に基づいて修正された時刻を時刻表示手段400に表示するとしてもよい。
【0076】
例えば、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータに制御プログラムを組み込んで中央制御部800の各制御部としての機能を実現させてもよく、このようにコンピュータを例えば有効時差範囲設定部823や有効時差範囲テーブル824として機能させれば、各種の設定変更等を容易に行うことができる。なお、この制御プログラムは、インターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールされてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、時計等の計時装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の計時装置に係る第1実施形態として、電波修正時計の全体構成を示す図。
【図2】前記第1実施形態において、有効時差範囲テーブルを示す図。
【図3】前記第1実施形態において、電波修正時計の動作を示すフローチャート。
【図4】前記第1実施形態において、電波修正時計の動作を示すフローチャート。
【図5】前記第1実施形態において、電波修正修正時計の具体的動作例を示す図。
【図6】従来の時差設定機能付き時計の時刻表示部を示す図。
【符号の説明】
【0079】
100…電波修正時計、200…時刻カウンタ(計時手段)、210…基準パルス生成手段、211…発振回路、212…分周回路、300…受信手段、310…アンテナ、320…受信回路、330…受信情報処理部、400…時刻表示手段、410…文字板、411…外装ケース、412…開口部、413…時刻目盛り、414…日付視認窓、420…指針、421…時針、422…分針、423…秒針、424…日車、500…駆動回路部、510…秒針駆動回路、511…秒針駆動モータ、520…時分針駆動回路、521…時分針駆動モータ、530…日車駆動回路、531…日車駆動モータ、600…針位置カウンタ、610…秒針位置カウンタ、620…時分針位置カウンタ、630…日車カウンタ、700…外部入力手段、710…リューズ、720…Aボタン、730…Bボタン、800…中央制御部、810…時刻表示制御部、820…時差設定制御部、821…時差設定モード処理部、822…時差設定量記憶部、823…有効時差範囲設定部、824…有効時差範囲テーブル、830…受信タイミング制御部、900…時刻表示手段、910…文字板、911…都市表記部、920…指針、921…時針、922…分針、923…秒針。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準時刻をクロックパルスに基づいて計時する計時手段と、
文字板とこの文字板上を回動する指針とを有し時刻を表示する時刻表示手段と、
前記基準時刻に対する時差設定量を外部入力する外部入力手段と、
前記外部入力手段にて入力される時差設定量を記憶する時差設定量記憶部と、
前記時差設定量記憶部に記憶された時差設定量を前記計時手段で計時される前記基準時刻に加算した時差時刻を前記時刻表示手段に表示させる時刻表示制御手段と、
前記外部入力手段にて時差設定量が入力される際に前記指針を所定の基準位置から前記時差設定量に応じた位置に移動させる時差設定量表示指令部と、を備え、
前記外部入力手段は、1回の操作で予め決められた所定時差量を入力する時差入力操作手段を有し、
前記時差設定量記憶部は、前記時差入力操作手段の操作回数に応じた時差設定量を記憶する
ことを特徴とする計時装置。
【請求項2】
請求項1に記載の計時装置において、
前記時差入力操作手段として、一回の操作によって正の時差を入力する正時差入力用の操作手段と、一回の操作によって負の時差を入力する負時差入力用の操作手段と、を備えている
ことを特徴とする計時装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の計時装置において、
前記時刻表示手段は、前記指針として時針、分針および秒針を有し、
前記時差設定量表示指令部は、前記外部入力手段にて時差設定量が入力される際に前記秒針を所定の基準位置から前記時差設定量に応じた位置に移動させ、
前記基準位置は、0秒位置であり、
前記時差設定量に応じた位置は、時差設定量の1時間分を1秒に換算して前記0秒位置から前記時差設定量だけ運針した位置である
ことを特徴とする計時装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の計時装置において、
予め定められた所定範囲である有効時差範囲が設定された有効時差範囲設定部を備え、
前記時差設定量記憶部は、前記外部入力手段にて入力される時差設定量のうち前記有効時差範囲内の時差を有効として記憶する
ことを特徴とする計時装置。
【請求項5】
請求項4に記載の計時装置において、
複数の地域についての有効時差範囲を記録した有効時差範囲テーブルを有し、
前記計時手段は、設定された本地域の標準時を前記基準時刻として計時し、
前記有効時差範囲テーブルに記録された複数の地域から前記本地域を選択可能であることを特徴とする計時装置。
【請求項6】
請求項5に記載の計時装置において、
時刻情報を含む電波を受信する受信手段を備え、
前記有効時差範囲設定部は、前記有効時差範囲テーブルに記録された複数の地域から前記受信手段で受信した電波に基づいて前記本地域を選択する
ことを特徴とする計時装置。
【請求項7】
予め設定された基準時刻をクロックパルスに基づいて計時する計時工程と、
指針を回動させて時刻を表示する時刻表示工程と、
前記基準時刻に対する時差設定量を外部入力する外部入力工程と、
前記外部入力工程にて入力される時差設定量を記憶する時差設定量記憶工程と、
前記時差設定量記憶工程で記憶した時差設定量を前記計時工程で計時する前記基準時刻に加算した時差時刻を前記時刻表示工程にて表示させる時刻表示制御工程と、
前記外部入力工程にて時差設定量が入力される際に前記指針を所定の基準位置から前記時差設定量に応じた位置に移動させる時差設定量表示指令工程と、を備え、
前記外部入力工程は、1回の操作で予め決められた所定時差量を入力する時差入力操作工程を有し、
前記時差設定量記憶工程は、前記時差入力操作工程の操作回数に応じた時差設定量を記憶する
ことを特徴とする計時装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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