説明

計量装置

【課題】被計量物を載置する載置部を交換したときに、パラメータの設定変更忘れや誤設定を防止することができる計量装置を提供すること。
【解決手段】被計量物Wが載置される秤量コンベア32と、秤量コンベア32を交換可能に支持し、秤量コンベア32と枠部材34の重量と被計量物Wの重量との合計重量を計量する荷重センサ21と、荷重センサ21が計量した合計荷重から秤量コンベア32と枠部材34の重量を減算して被計量物Wの重量を算出する算出部22と、を備え、秤量コンベア32の種類を識別する識別部19と、識別部19の識別結果に基づいて秤量コンベア32が交換されたことを検知する検知部16と、検知部16による検知結果を報知する表示部10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、肉、魚、加工食品、医薬品などの被計量物を搬送しながら計量して被計量物の良否を判定する計量装置に関し、特に、被計量物を載置する載置部が交換可能な計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より食品等の生産ラインに設けられ、生産される物品、すなわち被計量物を計量する計量装置が知られており、なかでも、生産ラインの前段装置から順次搬送される被計量物を受けて、搬送しながら計量するコンベア式の計量装置が多く用いられている。このようなコンベア式の計量装置は、計量部に設けられたコンベアで搬送している被計量物の重量と、コンベア自身の合計重量とを検出し、予め判っているコンベア自身の重量を風袋値として記憶しておき、合計重量から差し引くことにより物品の重量を検出できるようになっている。通常、コンベア自身の重量は固定値であるから、物品が載置されていない状態でゼロ点を設定(ゼロリセット)するようになっている。
【0003】
また、消費者ニーズの多様化により、特に食品メーカーにおいては、多品種の物品を効率よく生産できるように生産ラインが構築されており、計量装置に搬入される物品も単一品種ではなく多品種になりそれぞれのサイズが異なることが増えている。コンベア方式の計量装置においては、原理上、計量部に備えられたコンベア上に1つの被計量物が乗っているときに計量を行う必要があるため、効率向上のために、被計量物のサイズに合わせて、異なるサイズのコンベアの中から好適なサイズのコンベアを計量部に装着できるよう、コンベアが交換可能に構成された計量装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4008413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、異なるサイズのコンベアへの変更に伴って計量に関するパラメータも設定変更する必要があるにも関わらず、ユーザがパラメータの設定変更を忘れてしまう恐れがあり、誤ったパラメータで計量装置を運転してしまう恐れがあるという問題があった。すなわち、コンベアの長さ方向の寸法を変更する場合には、被計量物がコンベアに乗ってから所定の計量位置に到達するまでの搬送時間が異なってしまい計量タイミングに関するパラメータを適切な値に変更する必要が生じ、また、コンベアの幅方向の寸法を変更する場合には、搬送時間は同じだがコンベア自体の重量が変わることによって荷重センサの過渡応答特性が変わってしまうから応答時間に関するパラメータを適切な値に変更する必要が生じているにも関わらず、ユーザ(操作者)がこれらのパラメータの変更を忘れてしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、被計量物を載置する載置部を交換したときに、パラメータの設定変更忘れや誤設定を防止することができる計量装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る計量装置は、被計量物が載置される載置部と、前記載置部を交換可能に支持し、前記載置部の重量と前記載置部に載置された被計量物の重量との合計重量を計量する計量部と、前記計量部が計量した合計荷重から前記載置部の重量を減算して前記被計量物の重量を算出する算出部と、を備えた計量装置において、前記載置部の種類を識別する識別部と、前記識別部の識別結果に基づいて前記載置部が交換されたことを検知する検知部と、前記検知部による検知結果を報知する報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成により、識別部により載置部の識別が可能となり、識別部の識別結果に基づいて検知部により載置部が交換されたことが検知され、この旨が報知部により報知されることとなるので、載置部が交換されたことを検知して報知部によりオペレータに通報でき、パラメータの変更を確実に行わせることができる。したがって、被計量物を載置する載置部を交換したときに、パラメータの設定変更忘れや誤設定を防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る計量装置は、前記識別部は、前記計量部により計量された前記載置部の重量変化に基づいて前記載置部の種類を識別することを特徴とする。
【0010】
この構成により、計量部が計量した荷重の変化によって載置部が交換されたことを検知でき、新たな構成を追加することなく、確実に載置部が交換されたことを識別できる。
【0011】
また、本発明に係る計量装置は、前記載置部の種類と重量とを対応付ける対応表を記憶する記憶部を備え、前記識別部は、前記対応表を参照して、前記計量部により計量された前記載置部の重量から前記載置部の種類を識別することを特徴とする。
【0012】
この構成により、載置部の荷重を載置部の種類毎に予め対応表に記憶しておき、載置部が交換されたことに加えて交換後の載置部の種類をも識別できるので、装着されている載置部に対応させて適切なパラメータを自動で設定できるようになる。
【0013】
また、本発明に係る計量装置は、前記載置部は、該載置部を識別するための識別情報を備え、前記識別部は、前記識別情報を読取る読取部を備えたことを検知することを特徴とする。
【0014】
この構成により、識別情報を読取って載置部の種類を識別することにより、載置部が交換されたこと、および交換後の載置部の種類をより確実に識別することができる。
【0015】
また、本発明に係る計量装置は、前記載置部が交換されたことを前記検知部が検知したとき、前記被計量物の計量と重量の算出を行う計量モードから、交換された前記載置部を用いて前記計量モードを実行するために必要な設定の変更を行う設定モードに動作モードを切替える動作制御部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成により、載置部が交換されたときは、計量モードから設定モードに動作モードが切替わるので、交換後の載置部に適したパラメータに設定をし忘れることを防止することができる。
【0017】
また、本発明に係る計量装置は、前記被計量物の複数の品種毎にこの品種の計量に用いる前記載置部の種類を対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶させる設定操作を行う操作部と、前記識別部が識別した識別結果が、前記記憶部に前記品種毎に記憶された前記載置部の種類と一致するかを照合する照合部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成により、被計量物の品種に応じて予め決められた載置部以外の誤った載置部を用いて検査を行ってしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、被計量物を載置する載置部を交換したときに、パラメータの設定変更忘れや誤設定を防止することができる計量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の搬送部を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す側面図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す側面図であり、(d)は、枠部材を示す側面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す上面図であり、(d)〜(f)は、枠部材を示す上面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアのサイズと重量との対応を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の動作を示すフロー図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る計量装置の計量皿を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の外観を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の内部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の搬送部を示す側面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す側面図である。
【図16】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す側面図であり、(d)は、枠部材を示す側面図である。
【図17】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアを示す上面図であり、(d)〜(f)は、枠部材を示す上面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の秤量コンベアのサイズと重量との対応を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の動作を示すフロー図である。
【図20】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る計量装置の計量皿を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る計量装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図10は、本発明に係る計量装置の第1の実施の形態を示している。
【0022】
図1〜図3に示すように、計量装置1は、装置本体部2と、搬送部3と、搬入センサ4と、識別部19とを備えて構成され、後段に選別部5が接続されている。
【0023】
計量装置1は、生産ラインの一部を構成するベルトコンベア14の下流側に設置されており、所定の間隔で矢印A方向に順次搬送されてくる被計量物Wの重量を測定するとともに、得られた測定値を予め設定された重量の上限および下限の基準値とそれぞれ比較し、得られた測定値が基準値の範囲内にあるか否かを判定し、範囲内のものを良品とし範囲外のものを不良品として判定するようになっている。また、判定結果は、表示部10に表示されるとともに、計量装置1の後段に接続された選別部5に出力され、判定結果に応じて振り分けられるようになっている。
【0024】
装置本体部2は、搬送制御部6と、荷重センサ21と、制御部7と、表示部10と、操作部11と、これらの各部を収納する収納筐体2aとにより構成されている。
【0025】
搬送部3は、ベルトコンベア14から矢印A方向に搬送されてくる包装された肉、魚、加工食品、医薬品などの各種の被計量物Wを搬送するようになっている。被計量物Wは、助走コンベア31により測定するのに最適な速度になるよう加速または減速されて搬送され、秤量コンベア32によりさらに搬送され、搬送されている間に重量が荷重センサ21により計量されるようになっている。また、被計量物Wは、計量の後にさらに後段の選別部5に搬送され、振り分けられるようになっている。
【0026】
搬送部3は、助走コンベア31および秤量コンベア32により構成されている。助走コンベア31は、2つのローラ31a、31cと、これらのローラに巻き付けられている無端状の搬送ベルト31bとにより構成されている。また、秤量コンベア32は、2つのローラ32a、32cとこれらのローラに巻き付けられている無端状の搬送ベルト32bとにより構成されている。
【0027】
秤量コンベア32は、図2、図4に示すように、枠部材34に収められており、枠部材34に秤量コンベア32が収まった状態でこれらの下方に配置された荷重センサ21が荷重の計量を行うようになっている。
【0028】
計量装置1においては、サイズの異なる複数種類の秤量コンベア32の何れかが、その秤量コンベア32を収納可能な枠部材34に収められて用いられるようになっており、被計量物Wの品種の切替え時等に、切替え後の被計量物Wに応じた好適な秤量コンベア32に交換してその被計量物Wの検査を行うことができるようになっている。
【0029】
また、秤量コンベア32は、幅が同じであれば長さが異なっていても共通の枠部材34に収納できるようになっており、例えば、図6(a)、図6(b)、図6(c)に示すような長さのみが異なる3種類の秤量コンベア32は、図6(d)に示す共通の枠部材34に収納できるようになっている。このため、秤量コンベア32の長さと幅が特定されれば、その秤量コンベア32とともに用いる枠部材34が特定されることとなるため、その秤量コンベア32の重量および秤量コンベア32を収納可能な枠部材34の重量の両方が特定されることとなる。また、秤量コンベア32の重量および秤量コンベア32を収納可能な枠部材34の重量の両方が特定されれば、秤量コンベア32の長さと幅が特定されることとなる。
【0030】
搬入センサ4は、一対の投光部4aおよび受光部4bからなる透過形光電センサで構成されており、助走コンベア31と秤量コンベア32との間に配置されている。具体的には、投光部4aは、搬送ベルト32bの装置本体部2側に配置され、受光部4bは、搬送ベルト32bの他の側面側で投光部4aに対向するように配置されており、被計量物Wが投光部4aおよび受光部4bの間を通過すると被計量物Wにより受光部4bが遮光されるので被計量物Wの搬入が開始されたことが検出されるようになっている。検出された搬入開始の信号は、装置本体部2内の制御部7に出力されるようになっている。
【0031】
搬送制御部6は、駆動モータ12と、搬送制御回路13とにより構成されており、駆動モータ12は、搬送制御回路13によりその回転速度(rpm)が制御されるようになっている。
【0032】
荷重センサ21は、電磁平衡機構などのはかり機構で構成されており、被計量物Wが秤量コンベア32で搬送されている間に、荷重センサ21に加わる荷重、すなわち被計量物Wと秤量コンベア32と枠部材34との合計重量を測定するようになっている。荷重センサ21は、重量を測定できるはかり機構であればよく、例えば、差動トランス機構や歪ゲージ機構などのはかり機構で構成してもよい。
【0033】
荷重センサ21は、搬入センサ4によって被計量物Wが秤量コンベア32に搬入されたことが検知されてから予め設定された基準時間Tkが経過したときに計量を行うようになっている。ここで、基準時間Tkは、搬入センサ4で被計量物Wが秤量コンベア32に搬入を開始したことを検出してから、被計量物Wが秤量コンベア32に完全に乗り移り、さらに荷重センサ21から出力された信号が安定するまでに必要な時間を意味し、秤量コンベアのサイズ、速度、および所定の被計量物Wの大きさに対応して予め設定されている。具体的には、基準時間Tkは、秤量コンベア32の速度(m/min)、秤量コンベア32の矢印B方向の長さ(mm)および被計量物Wの搬送方向である矢印B方向の長さ(mm)、被計量物Wのサイズやラインの処理能力、その他の条件などに基づいて設定される。また、図3に示すように、基準時間Tkが経過すると、被計量物Wは、搬入開始検出位置PからLだけ移動して質量測定位置Pに到達し、計量が行われる。
【0034】
なお、荷重センサ21においては、秤量コンベア32のサイズや被計量物Wの品種(特に、サイズ)に応じて、その測定範囲、測定能力および検査精度などの検査条件(パラメータ)が選択されるようになっており、被計量物Wの品種に応じて、例えば、測定範囲が6g〜600g、測定能力が最大150個/minで選択されるようになっている。この場合、被計量物Wの1個当たりの基準時間Tkは、最小400msecに設定されていることになり、基準時間Tkは400msec以上であればよいが、被計量物Wのサイズ、ラインの処理能力、生産その他の条件により設定されるようになっている。基準時間Tkは、400msecに近いほど短時間で測定されるので検査効率は高まり、遠くなるほど検査時間はかかるが、秤量コンベア32上を安定して搬送されるようになるから計量精度は高まることになる。
【0035】
また、被計量物Wの品種に応じて、例えば、測定範囲が1g〜300g、測定能力が最大600個/minで選択されるようになっている。測定能力が最大600個/minであると、被計量物Wの1個当たりの測定時間は最小100msecに設定されていることになり、被計量物Wのサイズ、ラインの処理能力、生産やその他の条件により設定されるようになっている。この基準時間Tkは、100msecに近いほど短時間で測定されるので検査効率は高まり、遠くなるほど検査時間はかかるが、秤量コンベア32上を安定して搬送されるようになるから計量精度は高まる。
【0036】
このように、荷重センサ21においては、被計量物Wの品種に応じて、その範囲、能力などの検査条件(パラメータ)が選択されるが、秤量コンベア32のサイズに応じても同様に検査条件が選択されるようになっている。
【0037】
制御部7は、荷重センサ21から出力された重量信号に基づいて被計量物Wの重量を算出する算出部22と、被計量物Wの良否を判定する良否判定部24と、種々の設定値(パラメータ)や測定結果および判定結果を記憶する記憶部23とを有しており、搬送部3により搬送される被計量物Wの重量を測定し、測定した重量が所定値の範囲内にあるか否かを判定するようになっている。
【0038】
算出部22は、所定の演算回路で構成されており、算出部22においては、荷重センサ21から出力された被計量物Wと秤量コンベア32と枠部材34の3つの合計の重量信号が入力されると、3つの合計の重量信号から秤量コンベア32と枠部材34の2つの合計重量を減算することにより、被計量物Wのみの重量を算出し、被計量物Wの重量の信号を良否判定部24に出力するようになっている。また、算出部22においては、搬入センサ4によって被計量物Wが秤量コンベア32に搬入されたことが検知されてから所定の基準時間Tkが経過し、荷重センサ21により重量が測定された被計量物Wに対して、被計量物W毎に重量算出を実行するようになっている。算出部22により算出された個々の重量は、記憶部23に算出データとして記憶されるようになっている。
【0039】
記憶部23は、記憶媒体などから構成されており、被計量物Wの品種に対応して予め設定した各種のデータを記憶するようになっている。記憶部23には、例えば、助走コンベア31または秤量コンベア32の各ベルト速度(m/min)および搬送方向の長さ(mm)、被計量物Wの品種毎の大きさ(mm)と形状、被計量物Wの重量に対する許容範囲の上限値Gaと下限値Gb、秤量コンベア32の搬出端から選別部5までの距離、被計量物Wの品種毎に設定された搬入間隔t(msec)、設定された基準時間Tk、荷重センサ21によって取得された個々の被計量物Wの搬入間隔t(msec)および検査条件などの品質データなどが記憶されるようになっている。
【0040】
また、記憶部23には、サイズが異なる複数の秤量コンベア32のそれぞれについて、秤量コンベア32と枠部材34の合計重量と、この合計重量と図6、図7に示す秤量コンベア32の種類(長さおよび幅)との対応関係を、図8に示すような対応表として記憶されるようになっている。この対応表は、操作部11からの設定操作または外部機器との接続により予め記憶されるようになっている。
【0041】
図8に示す対応表においては、各秤量コンベア32の種類(長さと幅)と重量との対応関係が、"L1 W1 G1"、"L1 W2 G2"、"L1 W3 G3"、"L2 W1 G4"、"L2 W2 G5"、"L2 W3 G6"、"L3 W1 G7"、"L3 W2 G8"、"L3 W3 G9"のように定められている。ここで、L1〜L3は、秤量コンベア32の長さであり、W1〜W3は秤量コンベア32の幅であり、G11〜G33は、秤量コンベア32とその秤量コンベア32に対応する枠部材34との合計重量である。
【0042】
良否判定部24は、判定回路などから構成されており、被計量物Wの良否を判定するようになっている。良否判定部24においては、算出部22から出力された被計量物Wの重量信号を受けると、記憶部23に予め記憶されている重量の上限値Gaおよび下限値Gbが読み出され、算出した被計量物Wの重量と上限値Gaおよび下限値Gbとがそれぞれ比較され、上限値Gaおよび下限値Gbで決定される重量の許容範囲内に被計量物Wの重量が入っているか否かが判定されるようになっている。
【0043】
良否判定部24において判定された判定結果は、計量装置1の後段に接続された選別部5に出力され、被計量物Wが良品または不良品として選別されるようになっている。また、この判定結果は、表示部10に出力され、良品または不良品として表示されるようになっており、さらに記憶部23に出力され各被計量物Wについての判定結果が記憶されるようになっている。また、搬送制御部6にも出力され、通常時の搬送部3の駆動や、不良品が続出した場合のような異常時の搬送停止などの制御情報として使用されるようになっている。
【0044】
また、計量装置1は、荷重センサ21により計量された秤量コンベア32の重量に基づいて秤量コンベア32の種類を識別する識別部19と、識別部19の識別結果に基づいて秤量コンベア32が異なる種類のものに交換されたことを検知する検知部16とを備えている。
【0045】
また、制御部7は、上記検知部16と、計量装置1の動作モードを計量モードと設定モードとの間で切替える動作制御部17とを有しており、秤量コンベア32が交換されたことが検知部16により検知されたときは、動作制御部17により計量装置1の動作モードを計量モードから設定モードに切替えるようになっている。
【0046】
識別部19は、荷重センサ21により計量された秤量コンベア32の重量に基づいて秤量コンベア32の種類を識別するようになっている。
【0047】
検知部16は、識別部19の識別結果に基づいて、秤量コンベア32の種類に変化があった場合は、秤量コンベア32が交換されたことを示す交換検知信号を出力する。具体的には、検知部16は、荷重センサ21が計量した秤量コンベア32の重量と、過去に荷重センサ21が計量した秤量コンベア32の重量との対比を行い、重量が変化していた場合、秤量コンベア32が交換されたことを示す交換検知信号を出力するようになっている。
【0048】
動作制御部17は、検知部16から交換検知信号が出力されたとき、計量装置1の動作モードを計量モードから設定モードに切替えるようになっている。ここで、計量モードとは、計量装置1が被計量物Wの計量、重量の算出および良否判定を行う通常の動作モードのことであり、設定モードとは、計量モードを実行するために必要なパラメータの設定変更を操作部11によりユーザに行わせるための動作モードのことである。また、動作制御部17は、動作モードを計量モードから設定モードに切替えるとともに、交換後の秤量コンベア32のサイズおよび合計重量と、パラメータの設定変更を促すメッセージを表示部10に表示させるようになっている。
【0049】
さらに、識別部19は、荷重センサ21により計量された秤量コンベア32の重量と、記憶部23に記憶された対応表とに基づいて、秤量コンベア32の種類を特定するようになっている。
【0050】
また、制御部7は、少なくとも検知部16から交換検知信号が出力された場合に、識別部19が特定した秤量コンベア32の種類が、記憶部23に品種毎に記憶された秤量コンベア32の種類と一致するかを照合する照合部18を有している。
【0051】
具体的には、記憶部23には、計量を行う被計量物Wの品種、および使用すべき秤量コンベア32の種類(寸法)が、品種番号に対応して予め設定記憶されており、例えば、品種Aの被計量物Wを計量する場合には、ユーザによる操作部11からの入力操作により品種Aを表す品種番号が選択されて、合計重量G11の秤量コンベア32A(図示せず)を用いて計量することが読み出され、次に、品種Bの被計量物Wを計量する場合には、入力操作により品種番号が品種Bを表す品種番号に変更されて、合計重量G12の秤量コンベア32B(図示せず)を用いて計量することが読み出される。
【0052】
そして、照合部18は、例えば、計量を行う被計量物Wの品種が品種Aから品種Bに切替わったとき、ユーザにより入力操作された品種Bの品種番号に対応する秤量コンベア32の種類として記憶部23から読み出された秤量コンベア32Bと、識別部19により特定された秤量コンベア32の種類とを照合して、予め設定された種類の秤量コンベア32Bが載置されているか否かを表す照合結果を出力するようになっている。この照合結果は、表示部10により表示されるようになっていて、秤量コンベア32が被計量物Wの品種に対応した正しい種類の秤量コンベア32Bに交換されたか否かがユーザに報知される。
【0053】
また、検知部16は、計量装置1の起動時(主電源が入れられたとき)、または計量モードにおいて計量動作(被計量物Wの搬送および計量)が一時停止から再開するとき、識別部19が識別した秤量コンベア32の種類と、計量装置1の主電源が切られた直後、または計量動作が一時停止になった直後に記憶しておいた前回の秤量コンベア32の種類とを対比し、種類が一致するか否かを判定するようになっている。このため、検知部16により、計量装置1の主電源が切られているとき、または計量動作の一時停止中に、秤量コンベア32が交換されているか否かを判定することができる。また、計量装置1の主電源が切られる前後、または計量動作の一時停止の前後で秤量コンベア32が交換されたために秤量コンベア32の種類に変化があったと検知部16が判定した場合は、変化があったことを示すメッセージを表示部10が表示してユーザに報知を行うとともに、動作制御部17が計量装置1の動作モードを設定モードに切替えるようになっている。
【0054】
表示部10は、図1に示すように、装置本体部2の搬送部3側の上端部に設けられ、液晶ディスプレイなどの表示デバイスで構成される。表示部10は、計量装置1の動作モードが計量モードのときにおいては、計量装置1の動作状態、被計量物Wの計量値、良否判定結果を表示し、計量装置1の動作モードが設定モードのときにおいては、交換後の秤量コンベア32のサイズおよび合計重量と、パラメータの設定変更を促すメッセージを表示するようになっている。
【0055】
なお、表示部10は、表示された数字、文字などがタッチ操作により入力されるタッチパネルとして構成し、操作部11として使用してもよい。
【0056】
計量装置1の後段に接続される選別部5は、選別機構部5aおよび搬送ベルト5bにより構成されており、選別機構部5aは、例えば、エアジェット機構などの選別機構により構成されている。選別機構部5aは、良品と不良品とを選別できるものであればよく、フリッパ機構やドロップアウト機構などの選別機構で構成してもよい。このエアジェット機構においては、上流の秤量コンベア32から搬送される被計量物Wが搬送ベルト5bで矢印B方向に搬送されている間に、不良品と判定された被計量物Wに対してジェットエアが吹き付けられるようになっており、不良の被計量物Wを搬送ベルト5b上から移動させ、良品の被計量物Wと区別することにより選別を行っている。また、搬送ベルト5bは、ローラ5cおよびローラ5cに対向して配置されるローラ(不図示)と、これらのローラに巻き付けられている無端状の搬送ベルト5dとにより構成されており、測定を終了した被計量物Wを所定の速度で下流側に搬送するようになっている。
【0057】
以下、秤量コンベア32および枠部材34について、図4〜図8を参照して詳細を説明する。
【0058】
図4に示すように、秤量コンベア32は、ローラ32a、32cを支持するフレーム部材33を搬送ベルト32bの内側に有しており、このフレーム部材33には、6つの突起33a、33b、33c、33d、33e、33fが設けられている。
【0059】
一方、図4、図5に示すように、枠部材34は、上部が開口する箱形状に形成され、枠部材34の上部には、6つの切欠き34a、34b、34c、34d、34e、34fが設けられている。これら6つの切欠き34a、34b、34c、34d、34e、34fには、フレーム部材33の突起33a、33b、33c、33d、33e、33fがそれぞれ嵌合するようになっており、嵌合により枠部材34上に秤量コンベア32が位置決めされて収納されるようになっている。
【0060】
また、図5に示すように、枠部材34と秤量コンベア32とは、固定具としてのキャッチクリップ36により固定されるようになっている。キャッチクリップ36は、突起33bと切欠き34bの嵌合部の近傍に設けられている。
【0061】
秤量コンベア32は、図6(a)に示す長さL1のものと、図6(b)に示す長さL2のものと、図6(c)に示す長さL3のものが用意されている。これらの長さが異なる秤量コンベア32は、幅が同一であれば、図6(d)に示す長さL4の共通の枠部材34に収納させることができるようになっている。
【0062】
また、秤量コンベア32は、図7(a)に示す幅W1のものと、図7(b)に示す幅W2のものと、図7(c)に示す幅W3のものが用意され、枠部材34は、図7(d)に示す幅W1のものと、図7(e)に示す幅W2のものと、図7(f)に示す幅W3のものが用意されており、ある秤量コンベア32はその秤量コンベア32と同一の幅を枠部材34にのみ収納されるようになっている。具体的には、図7(a)の幅W1の秤量コンベア32が図7(d)の幅W1の枠部材34に収納され、図7(b)の幅W2の秤量コンベア32が図7(e)の幅W2の枠部材34に収納され、図7(c)の幅W3の秤量コンベア32が図7(f)の幅W3の枠部材34に収納されるようになっている。
【0063】
このように、秤量コンベア32の長さには、L1、L2、L3の3種類があり、秤量コンベア32の幅には、W1、W2、W3の3種類があるため、これら3種類の長さと幅の組み合わせにより、図8に示すように、秤量コンベア32は、長さと幅が異なる9種類が用意されている。図8の幅がW1の3種類の秤量コンベア32(枠部材34との合計重量がG11、G21、G31の秤量コンベア32)は、これらと同一の幅W1を有する図7(d)に示す枠部材34に収納でき、幅がW2の3種類の秤量コンベア32(枠部材34との合計重量がG12、G22、G32の秤量コンベア32)は、これらと同一の幅W2を有する図7(e)に示す枠部材34に収納でき、幅がW3の3種類の秤量コンベア32(枠部材34との合計重量がG13、G23、G33の秤量コンベア32)は、これらと同一の幅W3を有する図7(f)に示す枠部材34に収納できる。
【0064】
次に、本実施の形態に係る計量装置1の動作を説明する。
【0065】
まず、制御部7は、図9に示すように、秤量コンベア32が交換されたか否かの比較を開始する条件を満たしているか否かを判定する(ステップS1)。この開始条件とは、計量装置1の起動時(主電源が入れられたとき)、または計量モードにおいて計量動作(被計量物Wの搬送および計量)が一時停止から再開するときの何れかの状態であるときに満たされる。すなわち、ステップS1〜ステップS6は、計量装置1の主電源が切られているとき、または計量動作の一時停止中に、秤量コンベア32が交換されているか否かを判定し、交換されている場合と交換されていない場合のそれぞれに対する動作を定めるものである。
【0066】
制御部7は、比較を開始する条件が満たされていた場合(ステップS1でYes)は、検知部16により、装着されている秤量コンベア32の種類に変化が有ったか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、識別部19が、荷重センサ21により計量された秤量コンベア32と枠部材34との合計重量に基づいて識別した識別結果と、計量装置1の主電源が切られる直前、または計量動作が一時停止された直後に記憶しておいた前回の識別結果とを対比し、両識別結果が変化しているときは、秤量コンベア32の種類に変化が有ったと判定する。なお、識別部19の識別結果が秤量コンベア32の合計重量を表す重量データを含む場合には、2つの重量データが完全に一致していなくても、両重量データの差もしくは比が予め設定した所定値以上であるときに、秤量コンベア32の種類が変化したと判定するようになっている。
【0067】
ついで、制御部7は、秤量コンベア32の種類に変化が有った場合(ステップS2でYes)は、秤量コンベア32の種類が変化したことを示すメッセージを秤量コンベア32の変化後の種類とともに表示部10に表示させることによりユーザに報知を行い(ステップS3)、動作モードを設定モードに切替える(ステップS4)。
【0068】
一方、制御部7の検知部16は、秤量コンベア32の種類に変化が無かった場合(ステップS2でNo)は、今回識別部19により識別された変化後の秤量コンベア32の種類を記憶する(ステップS5)。制御部7は、その後、計量動作を開始する(ステップS6)。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態に係る計量装置1では、被計量物Wが載置される秤量コンベア32と、秤量コンベア32を交換可能に支持し、秤量コンベア32と枠部材34の重量と被計量物Wの重量との合計重量を計量する荷重センサ21と、荷重センサ21が計量した合計荷重から秤量コンベア32と枠部材34の重量を減算して被計量物Wの重量を算出する算出部22と、を備え、秤量コンベア32の種類を識別する識別部19と、識別部19の識別結果に基づいて秤量コンベア32が交換されたことを検知する検知部16と、検知部16による検知結果を報知する表示部10と、を備えることを特徴としている。
【0070】
このため、識別部19により秤量コンベア32の識別が可能となり、識別部19の識別結果に基づいて検知部16により秤量コンベア32が交換されたことが検知され、この旨が表示部10に表示されることとなるので、秤量コンベア32が交換されたことを検知して表示部10によりオペレータに通報でき、パラメータの変更を確実に行わせることができる。したがって、被計量物Wを載置する秤量コンベア32を交換したときに、パラメータの設定変更忘れや誤設定を防止することができる。
【0071】
また、本実施の形態に係る計量装置1では、識別部19は、荷重センサ21により計量された秤量コンベア32の重量変化に基づいて秤量コンベア32の種類を識別することを特徴としている。
【0072】
このため、荷重センサ21が計量した荷重の変化によって秤量コンベア32が交換されたことを検知でき、新たな構成を追加することなく、確実に秤量コンベア32が交換されたことを識別できる。
【0073】
また、本実施の形態に係る計量装置1では、秤量コンベア32の種類と重量とを対応付ける対応表を記憶する記憶部23を備え、識別部19は、この対応表を参照して、荷重センサ21により計量された秤量コンベア32の重量から秤量コンベア32の種類を識別することを特徴としている。
【0074】
このため、秤量コンベア32自体の荷重を秤量コンベア32の種類毎に予め対応表に記憶しておき、秤量コンベア32が交換されたことに加えて交換後の秤量コンベア32の種類をも識別できるので、装着されている秤量コンベア32に対応させて適切なパラメータを自動で設定できるようになる。
【0075】
また、本実施の形態に係る計量装置1では、秤量コンベア32が交換されたことを検知部16が検知したとき、被計量物Wの計量と重量の算出を行う計量モードから、交換された秤量コンベア32を用いて計量モードを実行するために必要な設定の変更を行う設定モードに動作モードを切替える動作制御部17を備えたことを特徴とする。
【0076】
このため、秤量コンベア32が交換されたときは、計量モードから設定モードに動作モードが切替わるので、交換後の秤量コンベア32に適したパラメータに設定をし忘れることを防止することができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る計量装置1では、被計量物Wの複数の品種毎にこの品種の計量に用いる秤量コンベア32の種類を対応付けて記憶する記憶部23と、記憶部23に記憶させる設定操作を行う操作部11と、識別部19が識別した識別結果が、記憶部23に品種毎に記憶された秤量コンベア32の種類と一致するかを照合する照合部18と、を備えたことを特徴としている。
【0078】
このため、被計量物Wの品種に応じて予め決められた秤量コンベア32以外の誤った秤量コンベア32を用いて検査を行ってしまうことを防止することができる。
【0079】
なお、上述の実施の形態においては、秤量コンベア32により被計量物Wを搬送しながら荷重センサ21により計量を行うように計量装置1が構成されているが、図10(a)に示すように、荷重センサ21の上に計量皿50を交換可能に載置し、図10(b)に示す小サイズの計量皿50、図10(c)に示す中サイズの計量皿50または図10(d)に示す大サイズの計量皿50の何れかを荷重センサ21の上に設け、秤量コンベア32と同様に計量皿50のサイズおよび重量を取り扱うように構成してもよい。この場合、計量皿50に凸部50aを形成するとともに荷重センサ21に凹部21aを形成して、凸部50aと凹部21aを嵌合させることにより、被計量物Wの品種等に応じて選択した計量皿50を荷重センサ21に対して位置決めおよび固定することができる。
(第2の実施の形態)
図11〜図20は、本発明に係る計量装置の第2の実施の形態を示している。なお、本実施の形態の計量装置は、秤量コンベア32の重量変化に代えて、秤量コンベア32に識別情報を設けることにより秤量コンベア32が交換されたことの検知、および交換後の秤量コンベア32の種類の識別を行うように構成したものであり、第1の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図11〜図13に示すように、計量装置51は、装置本体部2と、搬送部3と、搬入センサ4と、識別部19とを備えて構成され、後段に選別部5が接続されている。また、識別部19は読取部15を備えている。
【0081】
本実施の形態においても、図14、図15に示すように、サイズの異なる複数種類の秤量コンベア32の何れかが、その秤量コンベア32を収納可能な枠部材34に収められて用いられるようになっており、被計量物Wの品種の切替え時等に、切替え後の被計量物Wに応じた好適な秤量コンベア32に交換してその被計量物Wの検査を行うことができるようになっている。
【0082】
また、秤量コンベア32は、幅が同じであれば長さが異なっていても共通の枠部材34に収納できるようになっており、例えば、図16(a)、図16(b)、図16(c)に示すような長さのみが異なる3種類の秤量コンベア32は、図16(d)に示す共通の枠部材34に収納できるようになっている。このため、秤量コンベア32の長さと幅が特定されれば、その秤量コンベア32とともに用いる枠部材34が特定されることとなるため、秤量コンベア32の長さと幅が特定されれば、その秤量コンベア32の重量および秤量コンベア32を収納可能な枠部材34の重量の両方が特定されることとなる。また、秤量コンベア32の重量および秤量コンベア32を収納可能な枠部材34の重量の両方が特定されれば、秤量コンベア32の長さと幅が特定されることとなる。
【0083】
秤量コンベア32の一方の側面には、バーコード39が設けられており、バーコード39の近傍には、秤量コンベア32を識別するための識別部19として、秤量コンベア32のバーコード39を読取る読取部15が図示しない支持部材により装置本体部2に固定されている。バーコード39には、サイズや重量の異なる秤量コンベア32を識別する識別符号、秤量コンベア32のサイズの値、または秤量コンベア32のサイズと秤量コンベア32および対応する枠部材34の合計重量の両方の値が記録されている。例えば、バーコード39には、図18に示すように、長さと幅がそれぞれ異なる9種類の秤量コンベア32を識別するために、"D11"、"D12"、"D13"、"D21"、"D22"、"D23"、"D31"、"D32"、"D33"の9つのうち何れの識別符合が記録されているか、または、長さと幅のそれぞれの具体的な値を"L1 W1"、"L1 W2"、"L1 W3"、"L2 W1"、"L2 W2"、"L2 W3"、"L3 W1"、"L3 W2"、"L3 W3"と表して、これらのうち何れかが記録されている。ここで、例えば、長さL1は500mmとし、長さL2は750mmとし、長さL1は1000mmとするとともに、幅W1は200mmとし、幅W2は300mmとし、幅W3は400mmとする。または、バーコード39には、長さと幅と重量のそれぞれの具体的な値を"L1 W1 G1"、"L1 W2 G2"、"L1 W3 G3"、"L2 W1 G4"、"L2 W2 G5"、"L2 W3 G6"、"L3 W1 G7"、"L3 W2 G8"、"L3 W3 G9"と表して、これらのうち何れかが記録されている。
【0084】
そして、秤量コンベア32のサイズを識別符号で表す場合は、各識別符号に対応する具体的な秤量コンベア32のサイズと秤量コンベア32および対応する枠部材34の合計重量の値を計量装置51側の記憶部23に記憶させておき、記憶部23の情報を参照することにより、例えば、バーコード39に記録されていた符号がD11であったときは、そのバーコード39を有する秤量コンベア32のサイズと秤量コンベア32および対応する枠部材34の合計重量は、"L1 W1 G1"であると判別できるようになっている。
【0085】
また、秤量コンベア32のサイズを具体的な値としてバーコード39に記録するようにした場合は、各秤量コンベア32のサイズに対応する秤量コンベア32と枠部材34の合計重量の値を計量装置51側の記憶部23に記憶させておき、読取部15によりバーコード39を読取ることで直接的に秤量コンベア32のサイズを取得した上で、記憶部23の情報を参照することにより、その秤量コンベア32と枠部材34の合計重量を判定することができるようになっている。
【0086】
また、秤量コンベア32のサイズと秤量コンベア32および枠部材34の合計重量を具体的な値としてバーコード39に記録するようにした場合は、読取部15によりバーコード39を読取ることで直接的に秤量コンベア32のサイズと秤量コンベア32および枠部材34の合計重量を取得することができるようになっている。なお、秤量コンベア32のサイズと枠部材34との関係は、図14〜図18を参照して後述する。
【0087】
制御部7は、荷重センサ21から出力された重量信号に基づいて被計量物Wの重量を算出する算出部22と、被計量物Wの良否を判定する良否判定部24と、種々の設定値(パラメータ)や測定結果および判定結果を記憶する記憶部23とを有しており、搬送部3により搬送される被計量物Wの重量を測定し、測定した重量が所定値の範囲内にあるか否かを判定するようになっている。
【0088】
算出部22は、所定の演算回路で構成されており、算出部22においては、荷重センサ21から出力された被計量物Wと秤量コンベア32と枠部材34の3つの合計の重量信号が入力されると、3つの合計の重量信号から秤量コンベア32と枠部材34の2つの合計重量を減算することにより、被計量物Wのみの重量を算出し、被計量物Wの重量の信号を良否判定部24に出力するようになっている。また、算出部22においては、搬入センサ4によって被計量物Wが秤量コンベア32に搬入されたことが検知されてから所定の基準時間Tkが経過し、荷重センサ21により重量が測定された被計量物Wに対して、被計量物W毎に重量算出を実行するようになっている。算出部22により算出された個々の重量は、記憶部23に算出データとして記憶されるようになっている。
【0089】
ここで、算出部22が減算に用いる秤量コンベア32と枠部材34の2つの合計重量としては、秤量コンベア32のバーコード39に全ての値、すなわちサイズ(長さおよび幅)と、秤量コンベア32と枠部材34の合計重量を記録するようにしている場合は、読取部15がバーコード39から読取って取得した値を用いることができ、バーコード39に識別符号またはサイズのみを記録するようにしている場合は、読取部15が秤量コンベア32のバーコード39から読取って取得した識別符号またはサイズに基づいて、記憶部23に予め記憶されている合計重量のうち対応するものを用いることができる。
【0090】
記憶部23は、記憶媒体などから構成されており、被計量物Wの品種に対応して予め設定した各種のデータを記憶するようになっている。記憶部23には、例えば、助走コンベア31または秤量コンベア32の各ベルト速度(m/min)および搬送方向の長さ(mm)、被計量物Wの品種毎の大きさ(mm)と形状、被計量物Wの重量に対する許容範囲の上限値Gaと下限値Gb、秤量コンベア32の搬出端から選別部5までの距離、被計量物Wの品種毎に設定された搬入間隔t(msec)、設定された基準時間Tk、荷重センサ21によって取得された個々の被計量物Wの搬入間隔t(msec)および検査条件などの品質データなどが記憶されるようになっている。
【0091】
また、記憶部23には、サイズが異なる複数の秤量コンベア32のそれぞれについて、秤量コンベア32と枠部材34の合計重量と、この合計重量と図16、図17に示す秤量コンベア32の種類(長さおよび幅)との対応関係を、図18に示すような対応表として記憶されるようになっている。この対応表は、操作部11からの設定操作または外部機器との接続により予め記憶されるようになっている。
【0092】
図18に示す対応表においては、秤量コンベア32のバーコード39に記録された識別符号と記憶部23に記憶された合計重量との対応関係か、または、秤量コンベア32のバーコード39に記録されたサイズ(長さおよび幅)と記憶部23に記憶された合計重量との対応関係が定められている。
【0093】
良否判定部24は、判定回路などから構成されており、被計量物Wの良否を判定するようになっている。良否判定部24においては、算出部22から出力された被計量物Wの重量信号を受けると、記憶部23に予め記憶されている重量の上限値Gaおよび下限値Gbが読み出され、算出した被計量物Wの重量と上限値Gaおよび下限値Gbとがそれぞれ比較され、上限値Gaおよび下限値Gbで決定される重量の許容範囲内に被計量物Wの重量が入っているか否かが判定されるようになっている。
【0094】
良否判定部24において判定された判定結果は、計量装置51の後段に接続された選別部5に出力され、被計量物Wが良品または不良品として選別されるようになっている。また、この判定結果は、表示部10に出力され、良品または不良品として表示されるようになっており、さらに記憶部23に出力され各被計量物Wについての判定結果が記憶されるようになっている。また、搬送制御部6にも出力され、通常時の搬送部3の駆動や、不良品が続出した場合のような異常時の搬送停止などの制御情報として使用されるようになっている。
【0095】
また、制御部7は、読取部15が読取った秤量コンベア32のバーコード39の情報に基づいて秤量コンベア32の種類を識別する識別部19と、識別部19の識別結果に基づいて秤量コンベア32が異なる種類のものに交換されたことを検知する検知部16を備えている。
【0096】
また、計量装置51の動作モードを計量モードと設定モードとの間で切替える動作制御部17とを有しており、秤量コンベア32が交換されたことが検知部16により検知されたときは、動作制御部17により計量装置51の動作モードを計量モードから設定モードに切替えるようになっている。
【0097】
検知部16は、識別部19の識別結果に変化があった場合は、秤量コンベア32が異なる種類のものに交換されたことを示す交換検知信号を出力するようになっている。具体的には、識別部19は、バーコード39の情報が秤量コンベア32の長さ(L)、幅(W)や合計重量(G)といった寸法情報や識別情報といった識別符号であった場合、読取部15が読取ったバーコード39に含まれる識別符号を識別結果として出力する。検知部16は、識別部19の識別結果と、記憶しておいた前回の識別結果との対比を行い、識別結果が例えば、D11からD12に変化していた場合、秤量コンベア32が異なる種類のものに交換されたことを示す交換検知信号を出力するようになっている。また、検知部16は、バーコード39に含まれるサイズ情報と、過去に読取部15が読取って記憶部23に記憶されたバーコード39に含まれるサイズ情報との対比を行い、サイズ情報(L、W)が例えば"L1 W1"から"L1 W2"に変化したときに、秤量コンベア32が異なるサイズのものに交換されたことを示す交換検知信号を出力するようになっている。また、検知部16は、識別部19の識別結果が秤量コンベア32のサイズ情報と重量情報の両方を含む場合、識別部19の識別結果に含まれるサイズ情報および重量情報(G)と、記憶しておいた前回のサイズ情報および重量情報との対比を行い、例えば"L1 W1 G1"から"L2 W2 G1"にサイズ情報のみが変化したときや、"L1 W1 G1"から"L1 W2 G2"にサイズ情報および重量情報がともに変化したときに、秤量コンベア32が異なる種類のものに交換されたことを示す交換検知信号を出力するようになっている。すなわち、検知部16は、記憶しておいた前回の識別結果と、識別部19の識別結果とを対比して、対応する情報(L、W、G)のうち何れかが異なっているとき、秤量コンベア32が異なる種類のものに交換されたことを示す交換検知信号を出力するようになっている。
【0098】
動作制御部17は、検知部16から交換検知信号が出力されたとき、計量装置51の動作モードを計量モードから設定モードに切替えるようになっている。ここで、計量モードとは、計量装置1が被計量物Wの計量、重量の算出および良否判定を行う通常の動作モードのことであり、設定モードとは、計量モードを実行するために必要なパラメータの設定変更を操作部11によりユーザに行わせるための動作モードのことである。また、動作制御部17は、動作モードを計量モードから設定モードに切替えるとともに、交換後の秤量コンベア32のサイズおよび合計重量と、パラメータの設定変更を促すメッセージを表示部10に表示させるようになっている。
【0099】
さらに、識別部19は、読取部15により読取られた秤量コンベア32のバーコード39の情報と、記憶部23に記憶された対応表とに基づいて、秤量コンベア32の種類を特定するようになっている。
【0100】
また、制御部7は、少なくとも検知部16から交換検知信号が出力された場合に、識別部19が特定した秤量コンベア32の種類が、記憶部23に品種毎に記憶された秤量コンベア32の種類と一致するかを照合する照合部18を有している。
【0101】
具体的には、記憶部23には、計量を行う被計量物Wの品種を表す品種番号、および使用すべき秤量コンベア32の種類(寸法)が、各品種番号に対応して予め設定記憶されており、例えば、品種Aの被計量物Wを計量する場合には、ユーザによる操作部11からの入力操作により品種Aを表す品種番号が選択されて、識別符号D11の秤量コンベア32A(図示せず)を用いて計量することが読み出され、次に、品種Bの被計量物Wを計量する場合には、入力操作により品種番号が品種Bを表す品種番号に変更されて、識別符号D12の秤量コンベア32B(図示せず)を用いて計量することが読み出される。
【0102】
そして、照合部18は、例えば、計量を行う被計量物Wの品種が品種Aから品種Bに切替わったとき、ユーザにより入力操作された品種Bの品種番号に対応する秤量コンベア32の種類として読み出された秤量コンベア32Bと、識別部19により特定された秤量コンベア32の種類とを照合して、予め設定された種類の秤量コンベア32Bが載置されているか否かを表す照合結果を出力するようになっている。この照合結果は、表示部10により表示されるようになっていて、秤量コンベア32が被計量物Wの品種に対応した正しい種類の秤量コンベア32Bに交換されたか否かがユーザに報知される。
【0103】
また、照合部18は、検知部16から交換検知信号が出力された場合に、識別部19の識別結果が、記憶部23に予め記憶されている秤量コンベア32の情報と一致するか否かを照合するようになっている。
【0104】
具体的には、記憶部23には、計量を行う被計量物Wの品種、複数種類の秤量コンベア32の識別符号、サイズ、重量(対応する枠部材34との合計重量)といった情報が品種番号に対応付けて予め設定記憶されており、例えば、品種Aの被計量物Wを計量する場合には、ユーザによる操作部11からの入力操作により品種Aを表す品種番号が選択されて、識別符号D11の秤量コンベア32A(図示せず)を用いて計量することが読み出され、次に、品種Bの被計量物Wを計量する場合には、入力操作により品種番号が品種Bを表す品種番号に変更されて、識別符号D12の秤量コンベア32B(図示せず)を用いて計量することが読み出される。
【0105】
そして、照合部18は、例えば、計量を行う被計量物Wの品種が品種Aから品種Bに切替わったとき、ユーザにより入力操作された品種Bの品種番号に対応する秤量コンベア32の種類として記憶部23から読み出された秤量コンベア32Bと、識別部19により特定された秤量コンベア32の種類とを照合して、予め設定された種類の秤量コンベア32Bが載置されているか否かを照合するようになっている。さらに、例えば、照合部18は、読取部15により取得したバーコード39の情報に基づいて識別部19によって識別された識別符号D11が秤量コンベア32の合計重量を含む場合、記憶部23に記憶された情報を参照して識別符号D11に対応する重量(秤量コンベア32と枠部材34との合計重量)がW11であると特定し、荷重センサ21が計量する荷重がW11と一致するか否かを照合することにより、バーコード39から取得した情報と実際の秤量コンベア32との整合性を確認するようにしてもよい。
【0106】
また、検知部16は、計量装置51の起動時(主電源が入れられたとき)、または計量モードにおいて計量動作(被計量物Wの搬送および計量)が一時停止から再開するとき、読取部15により取得したバーコード39の情報(例えば、識別符号)と、計量装置51の主電源が切られた直後、または計量動作が一時停止した直後に、記憶しておいた前回の識別結果とを対比し、情報が一致するか否かを判定するようになっている。このため、検知部16により、計量装置51の主電源が切られているとき、または計量動作の一時停止中に、秤量コンベア32が交換されているか否かを判定することができる。また、計量装置51の主電源が切られる前後、または計量動作の一時停止の前後で秤量コンベア32が交換されたためにバーコード39の情報に変化があったと検知部16が判定した場合は、変化があったことを示すメッセージを表示部10が表示してユーザに報知を行うとともに、動作制御部17が計量装置51の動作モードを設定モードに切替えるようになっている。
【0107】
以下、秤量コンベア32および枠部材34について、図14〜図18を参照して詳細を説明する。
【0108】
図14に示すように、秤量コンベア32は、ローラ32a、32cを支持するフレーム部材33を搬送ベルト32bの内側に有しており、このフレーム部材33には、6つの突起33a、33b、33c、33d、33e、33fが設けられている。
【0109】
一方、図14、図15に示すように、枠部材34は、上部が開口する箱形状に形成され、枠部材34の上部には、6つの切欠き34a、34b、34c、34d、34e、34fが設けられている。これら6つの切欠き34a、34b、34c、34d、34e、34fには、フレーム部材33の突起33a、33b、33c、33d、33e、33fがそれぞれ嵌合するようになっており、嵌合により枠部材34上に秤量コンベア32が位置決めされて収納されるようになっている。
【0110】
また、図15に示すように、枠部材34と秤量コンベア32とは、固定具としてのキャッチクリップ36により固定されるようになっている。キャッチクリップ36は、突起33bと切欠き34bの嵌合部の近傍に設けられている。
【0111】
また、フレーム部材33の6つの突起33a、33b、33c、33d、33e、33fのうち、突起33bには、図15に示すように、前述したバーコード39が設けられており、秤量コンベア32を枠部材34に収納した状態でバーコード39が枠部材34により遮蔽されることがないようになっている。このため、バーコード39を露出させるために枠部材34に新たに切欠きを設ける必要がなく、枠部材34の強度を維持することができる。
【0112】
本実施の形態では、秤量コンベア32は、図16(a)に示す長さL1のものと、図16(b)に示す長さL2のものと、図16(c)に示す長さL3のものが用意されている。これらの長さが異なる秤量コンベア32は、幅が同一であれば、図16(d)に示す長さL4の共通の枠部材34に収納させることができるようになっている。
【0113】
また、秤量コンベア32は、図17(a)に示す幅W1のものと、図17(b)に示す幅W2のものと、図17(c)に示す幅W3のものが用意され、枠部材34は、図17(d)に示す幅W1のものと、図17(e)に示す幅W2のものと、図17(f)に示す幅W3のものが用意されており、ある秤量コンベア32はその秤量コンベア32と同一の幅を枠部材34にのみ収納されるようになっている。具体的には、図17(a)の幅W1の秤量コンベア32が図17(d)の幅W1の枠部材34に収納され、図17(b)の幅W2の秤量コンベア32が図17(e)の幅W2の枠部材34に収納され、図17(c)の幅W3の秤量コンベア32が図17(f)の幅W3の枠部材34に収納されるようになっている。
【0114】
このように、本実施の形態においても、秤量コンベア32の長さには、L1、L2、L3の3種類があり、秤量コンベア32の幅には、W1、W2、W3の3種類があるため、これら3種類の長さと幅の組み合わせにより、図18に示すように、秤量コンベア32は、長さと幅が異なる9種類が用意されている。図18の幅がW1の3種類の秤量コンベア32(識別符号がD11、D21、D31の秤量コンベア32)は、これらと同一の幅W1を有する図17(d)に示す枠部材34に収納でき、幅がW2の3種類の秤量コンベア32(識別符号がD12、D22、D32の秤量コンベア32)は、これらと同一の幅W2を有する図17(e)に示す枠部材34に収納でき、幅がW3の3種類の秤量コンベア32(識別符号がD13、D23、D33の秤量コンベア32)は、これらと同一の幅W3を有する図17(f)に示す枠部材34に収納できる。
【0115】
次に、本実施の形態に係る計量装置51の動作を説明する。
【0116】
まず、制御部7は、図19に示すように、秤量コンベア32が交換されたか否かの比較を開始する条件を満たしているか否かを判定する(ステップS11)。この開始条件とは、計量装置51の起動時(主電源が入れられたとき)、または計量モードにおいて計量動作(被計量物Wの搬送および計量)が一時停止から再開するときの何れかの状態であるときに満たされる。すなわち、ステップS11〜ステップS16は、計量装置51の主電源が切られているとき、または計量動作の一時停止中に、秤量コンベア32が交換されているか否かを判定し、交換されている場合と交換されていない場合のそれぞれに対する動作を定めるものである。
【0117】
制御部7は、比較を開始する条件が満たされていた場合(ステップS11でYes)は、検知部16により、装着されている秤量コンベア32の種類に変化があったか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、識別部19が読取部15で読取ったバーコード39の情報(秤量コンベア32の識別符号、サイズや重量、またはこれらの組み合わせ)に基づいて識別した識別結果と、計量装置51の主電源が切られる直前、または計量動作が一時停止された直後に記憶しておいた前回の識別結果とを対比し、両識別結果が変化しているときは、秤量コンベア32の種類に変化があったと判定する。なお、識別部19の識別結果が秤量コンベア32の合計重量を表す重量データを含む場合には、2つの重量データが完全に一致していなくても、両重量データの差もしくは比が予め設定した所定値以上であるときに、秤量コンベア32の種類が変化したと判定するようになっている。
【0118】
ついで、制御部7は、秤量コンベア32の種類に変化が有った場合(ステップS12でYes)は、秤量コンベア32の種類が変化したことを示すメッセージを変化後の秤量コンベア32の種類とともに表示部10に表示させることによりユーザに報知を行い(ステップS13)、動作モードを設定モードに切替える(ステップS14)。
【0119】
一方、制御部7の検知部16は、秤量コンベア32の種類に変化が無かった場合(ステップS12でNo)は、今回識別部19により識別された変化後の秤量コンベア32の種類を記憶する(ステップS15)。制御部7は、その後、計量動作を開始する(ステップS16)。
【0120】
以上説明したように、本実施の形態に係る計量装置51では、秤量コンベア32は、秤量コンベア32を識別するための識別情報が記録されたバーコード39を備え、識別部19は、バーコード39を読取る読取部15を備えたことを特徴としている。
【0121】
このため、バーコード39を読取って秤量コンベア32の種類を識別することにより、秤量コンベア32が交換されたこと、および交換後のコンベアの種類をより確実に識別することができる。
【0122】
なお、上述の実施の形態においては、秤量コンベア32により被計量物Wを搬送しながら荷重センサ21により計量を行うように計量装置51が構成されているが、図20(a)に示すように、荷重センサ21の上にバーコード39が設けられた計量皿50を交換可能に載置し、図20(b)に示す小サイズの計量皿50、図20(c)に示す中サイズの計量皿50または図20(d)に示す大サイズの計量皿50の何れかを荷重センサ21の上に設け、バーコード39を読取部15により読取り、秤量コンベア32と同様に計量皿50のサイズおよび重量を取り扱うように構成してもよい。この場合、計量皿50に凸部50aを形成するとともに荷重センサ21に凹部21aを形成して、凸部50aと凹部21aを嵌合させることにより、被計量物Wの品種等に応じて選択した計量皿50を荷重センサ21に対して位置決めおよび固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
以上のように、本発明に係る計量装置は、被計量物を載置する載置部を交換したときに、パラメータの設定変更忘れや誤設定を防止することができるという効果を有し、被計量物を載置する載置部が交換可能な計量装置として有用である。
【符号の説明】
【0124】
1、51 計量装置
2 装置本体部
2a 収納筐体
3、搬送部
4 搬入センサ
4a 投光部
4b 受光部
5 選別部
5a 選別機構部
5b、31b、32b 搬送ベルト
5c、31a、31c、32a、32c ローラ
6 搬送制御部
7 制御部
10 表示部(報知部)
11 操作部
12 駆動モータ
13 搬送制御回路
14 ベルトコンベア
15 読取部
16 検知部
17 動作制御部
18 照合部
19 識別部
21 荷重センサ(計量部)
21a 凹部
22 算出部
23 記憶部
24 良否判定部
31 助走コンベア
32 秤量コンベア(載置部)
33 フレーム部材
34 枠部材(載置部)
39 バーコード(識別情報)
50 計量皿
50a 凸部
W 被計量物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計量物(W)が載置される載置部(32、34)と、
前記載置部を交換可能に支持し、前記載置部の重量と前記載置部に載置された被計量物の重量との合計重量を計量する計量部(21)と、
前記計量部が計量した合計荷重から前記載置部の重量を減算して前記被計量物の重量を算出する算出部(22)と、を備えた計量装置において、
前記載置部の種類を識別する識別部(19)と、
前記識別部の識別結果に基づいて前記載置部が交換されたことを検知する検知部(16)と、
前記検知部による検知結果を報知する報知部(10)と、を備えることを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記識別部は、前記計量部により計量された前記載置部の重量変化に基づいて前記載置部の種類を識別することを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記載置部の種類と重量とを対応付ける対応表を記憶する記憶部(23)を備え、
前記識別部は、前記対応表を参照して、前記計量部により計量された前記載置部の重量から前記載置部の種類を識別することを特徴とする請求項2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記載置部は、該載置部を識別するための識別情報(39)を備え、
前記識別部は、前記識別情報を読取る読取部(15)を備えたことを検知することを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項5】
前記載置部が交換されたことを前記検知部が検知したとき、前記被計量物の計量と重量の算出を行う計量モードから、交換された前記載置部を用いて前記計量モードを実行するために必要な設定の変更を行う設定モードに動作モードを切替える動作制御部(17)を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の計量装置。
【請求項6】
前記被計量物の複数の品種毎にこの品種の計量に用いる前記載置部の種類を対応付けて記憶する記憶部(23)と、
前記記憶部に記憶させる設定操作を行う操作部(11)と、
前記識別部が識別した識別結果が、前記記憶部に前記品種毎に記憶された前記載置部の種類と一致するかを照合する照合部(18)と、を備えたことを特徴とする請求項2から請求項5の何れかに記載の計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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