説明

記憶装置、電子機器、および基板アセンブリ

【課題】回路基板が筐体に接続された状態で生じる回路基板の撓みによる不都合が生じにくい記憶装置、電子機器、および基板アセンブリを得る。
【解決手段】筐体と回路基板4Aとモジュール5Bとを備え、回路基板4Aは筐体内に収容され第一面と、この第一面の反対側に位置された第二面とを有する。モジュール5Bは回路基板4Aの第一面または第二面に設けられる。回路基板4Aの周縁部4dには第一切欠4gと筐体と接続される筐体接続部18eとが設けられる。第一切欠4gには回路基板4Aのモジュール5Bが固定されるモジュール固定領域P1と、筐体接続部18eとの間に位置された領域に向けて進出した第二切欠4hが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、記憶装置、電子機器、および基板アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不揮発性半導体メモリ等のモジュールが設けられた回路基板が筐体内に収容された電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−289278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、回路基板が筐体に接続された際に回路基板が撓むと、回路基板とこの回路基板に設けられたモジュールとの接続強度が、局所的に低くなる虞があった。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、回路基板が筐体に接続された状態で生じる回路基板の撓みによる不都合が生じにくい記憶装置、電子機器、および基板アセンブリを得ることを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる記憶装置にあっては、筐体と、回路基板と、モジュールと、を備える。回路基板は、筐体内に収容され、第一面とこの第一面の反対側に位置された第二面とを有する。モジュールは、回路基板の第一面または第二面に設けられる。回路基板の周縁部には、第一切欠と、筐体と接続される筐体接続部と、が設けられる。第一切欠には、回路基板のモジュールが固定されるモジュール固定領域と筐体接続部との間に位置された領域に向けて進出した第二切欠が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる記憶装置の一例が示された斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかる記憶装置の一例を別の角度から見た斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかる記憶装置の一例が示された分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態にかかる記憶装置の第一基板の一例が示された斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態にかかる記憶装置の第一基板の一例の一部が示された平面図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態にかかる電子機器の一例が示された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に示される複数の実施形態には同様の構成が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成には共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。
【0009】
<第1実施形態>
本実施形態では、一部の図中で、便宜上、方向が規定されている。具体的には、半導体記憶装置1の矩形状の天面あるいは底面の短手方向がX方向、長手方向がY方向、厚み方向がZ方向と規定される。
【0010】
本実施形態にかかる電子機器および記憶装置の一例である半導体記憶装置1は、SSD(solid state drive)であり、パーソナルコンピュータ、サーバ、ストレージボックス等の電子機器(図示されず)に装着されたり、それらの筐体(図示されず)内に収容されたりする。図1,2に示されるように、半導体記憶装置1は、扁平な直方体状の外観を呈しており、平面視(すなわち、Z方向の視線)では、長方形状に形成されている。この半導体記憶装置1は、底壁(第一壁)2a、天壁(第二壁)2b、および側壁(第三壁)2cを形成する筐体2を備えている。底壁2a、天壁2b、および側壁2cは、外壁、壁部の一例である。図2に示されるように、筐体2の一部(本実施形態では側壁2cおよび底壁2aの一部)が切り欠かれ、外部接続用のコネクタ3が露出している。
【0011】
図3に示されるように、筐体2の内部には、複数(本実施形態では二つ)の回路基板(プリント基板、プリント配線板、配線基板、リジッド基板)としての第一基板4Aおよび第二基板4Bが、間隔をあけて積み重ねた状態で収容されている。そして、図3,4に示されるように、第一基板4Aおよび第二基板4Bには、それぞれ複数の半導体素子(モジュール、電子部品、部品)が設けられている。本実施形態では、半導体素子として、SOC(system-on-a-chip)による素子(以下、SOCと記す)5Aや、NAND型フラッシュメモリ(以下、NANDと記す)5B、DDR RAM(double data rate random access memory、以下DDRと記す)5C、キャパシタ5D等が実装されている。SOC5Aは、CPU(central processing unit)や、コントローラ等が統合されたチップであり、NAND5BやDDR5Cに対するデータのリードライトを制御する。また、SOC5Aは、コネクタ3を介して、シリアルATA(serial advanced technology attachment、SATA)等の規格で、半導体記憶装置1が装着される電子機器のホストコントローラ等との間でのデータの授受を制御する。NAND5Bは、不揮発性半導体メモリである。また、キャパシタ5Dは、電子機器からの電源電力の供給を補う役割を果たす。なお、これら半導体素子は、いずれも発熱する発熱体である。なお、本実施形態では、SOC5Aの発熱量が最も大きい。
【0012】
第一基板4Aおよび第二基板4Bは、一例としては、PCB(printed circuit board)として構成される。半導体素子(SOC5A,NAND5B,DDR5C,キャパシタ5D)は、第一基板4Aおよび第二基板4Bの上面(第一面)4aおよび下面(第二面)4bのうち少なくとも一方(本実施形態では両方)に、例えば表面実装等によって実装される。なお、上面4aおよび下面4bは、便宜上の名称であって、第一基板4Aおよび第二基板4Bの装着姿勢を限定するものではない。
【0013】
図3に示されるように、本実施形態では、半導体記憶装置1は、ベース6、第一基板4A、中間部材7、第二基板4B、およびカバー8を備えている。本実施形態では、一例として、ベース6は、主として筐体2の底壁2aを構成している。また、カバー8は、主として筐体2の天壁2bと側壁2cの一部とを構成している。また、中間部材7は、主として第一基板4Aと第二基板4Bとの間に介在する隔壁9と側壁2cの一部とを構成している。本実施形態では、これらベース6、第一基板4A、中間部材7、第二基板4B、およびカバー8が、ねじ10やスタッド11等の固定具(接続具、締結具、図1,3参照)によって一体化されている。ベース6、中間部材7、およびカバー8は、筐体2、および筐体2を構成する部品(構成部品、分割体)の一例である。第一基板4A、中間部材7、およびカバー8には、ベース6、第一基板4A、中間部材7、およびカバー8を一体的に固定する(接続する)ねじ10が挿通する貫通部の一例として、貫通孔18eが設けられている。本実施形態では、一例として、ねじ10は、カバー8側から貫通孔18eに挿通され、ベース6に設けられた結合部の一例である雌ねじ孔18fに結合される。
【0014】
また、図3に示されるように、本実施形態では、ベース6の上面6aには、カバー8側に向けて突出する複数のピン18aが設けられている。そして、第一基板4Aおよび中間部材7には、このピン18aが貫通する貫通孔18bが設けられている。本実施形態では、これらピン18aと貫通孔18bとによって、ベース6、第一基板4A、および中間部材7がX方向およびY方向に位置決めされている。貫通孔18bは、貫通部の一例である。また、中間部材7の相互に対向する隅部には、カバー8側に向けて突出するリブ18cが設けられている。そして、カバー8には、このリブ18cに嵌合する切欠18dが設けられている。本実施形態では、これらリブ18cと切欠18dとによって、中間部材7およびカバー8がX方向およびY方向に位置決めされている。
【0015】
本実施形態では、筐体2(および隔壁9)を構成するベース6、中間部材7、およびカバー8は、いずれも、熱伝導性が比較的高い材料(例えば、アルミニウム合金、ステンレススチール、銅合金等の金属材料)で構成されている。これにより、発熱体としての半導体素子(SOC5A,NAND5B,DDR5C,キャパシタ5D)で生じた熱を、筐体2や隔壁9を介して、半導体記憶装置1の外へ放出しやすくなり、筐体2内が高温になるのを抑制しやすくなる。
【0016】
また、筐体2(および隔壁9)を構成するベース6や、中間部材7、カバー8等の表面には、放熱性の高い材料による被膜(図示されず)を形成するのが好適である。具体的には、例えば、放熱性の良好なフィラー(例えば、絶縁の場合はセラミック粒子等、非絶縁の場合は金属粒子、カーボンファイバ等)を含む塗料で塗装することで、このような被膜を形成することができる。これにより、発熱体としての半導体素子で生じた熱を、被膜を介して半導体記憶装置1の外へより一層放出しやすくなり、筐体2内が高温になるのをより一層抑制しやすくなる。なお、被膜は、放熱性の高いシートを貼付するなどして形成することもできる。
【0017】
また、図1〜3等に示されるように、筐体2を構成するベース6や、中間部材7、カバー8等には、筐体2の内外で空気を通流させる通気口2dを形成するのが好適である。これにより、発熱体としての半導体素子で生じた熱を、通気口2dを通る空気によって半導体記憶装置1の外へ排出することができるため、筐体2内が高温になるのをより一層抑制しやすくなる。この通気口2dは、発熱量の大きい半導体素子(例えばSOC5A等)に対向する位置や、近い位置に形成するのが好適である。なお、放熱性をより一層高めるため、筐体2の外表面に、フィン等の凹凸形状を設けることもできる。
【0018】
図4に示されるように、第一基板4Aの下面4bには、SOC5Aや、NAND5B、DDR5C等の半導体素子が実装されている。そして、図3に示されるように、第一基板4Aの下面4bに対向するベース6の上面6aには、各半導体素子(5A,5B,5C)の中央部に対向する突出部12が設けられている。突出部12は、比較的高さの低い角柱状に形成されている。突出部12の頂面は、上面6aと平行な平坦面状に形成されている。また、突出部12の高さは、各半導体素子(5A,5B,5C)と干渉しない高さに設定されている。このような構成により、本実施形態では、突出部12を対応する半導体素子(5A,5B,5C)に近接させることができるため、発熱体としての各半導体素子(5A,5B,5C)で生じた熱を、突出部12およびベース6を介して半導体記憶装置1の外へより一層放出しやすくなり、筐体2内が高温になるのをより一層抑制しやすくなる。
【0019】
さらに、図3に示されるように、本実施形態では、突出部12の頂面上に、介装部材13が設けられている。介装部材13は、各半導体素子(5A,5B,5C)と突出部12との間に介在し、一例としては、挟持される。介装部材13は、可撓性(弾性)を有しかつ扁平な矩形のシート状に形成され、一例としては、頂面上に接着等することで取り付けられる。この介装部材13は、熱伝導性が比較的高い材料(例えば、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂等)で構成される。このような構成により、発熱体としての各半導体素子(5A,5B,5C)で生じた熱が、介装部材13、突出部12、およびベース6を介して半導体記憶装置1の外へより一層放出されやすくなり、筐体2内が高温になるのをより一層抑制しやすくなる。なお、このような突出部12や介装部材13は、中間部材7(隔壁9)や、カバー8にも、設けられうる。
【0020】
また、図3に示されるように、第一基板4Aの上面4a上には、基板間接続部16としてのスタッド11が取り付けられている。また、中間部材7の隔壁9には、このスタッド11を表裏に貫通させる貫通孔9aが設けられている。また、貫通孔9aを貫通したスタッド11に対応して、第二基板4Bには、ねじ10を挿通させる貫通孔4cが設けられている。そして、第二基板4Bの上面4a側から貫通孔4cを挿通されたねじ10がスタッド11に結合される(接続される)ことで、第一基板4Aと第二基板4Bとが結合(接続)される。さらに、隔壁9には、第一基板4Aに設けられたコネクタ15Mおよび第二基板4Bに設けられたコネクタ(図示されず)を貫通させる細長い矩形状の貫通孔9bが形成されている。貫通孔9a,9bと、対応するスタッド11ならびにコネクタ15Mとの間には、所定のクリアランスが設定され、隔壁9(中間部材7)と、スタッド11およびコネクタ15Mとが、相互に接触しないように構成されている。また、クリアランスにより、隔壁9の表裏の空間同士が連通するため、空気の通流(対流)による排熱効果を得ることができる。
【0021】
図4は、第一基板4Aに素子5A〜5C等が設けられて構成された基板アセンブリ20の一例が示された斜視図である。図5は、第一基板4Aの一部の一例が示された平面図である。図4に示されるように、第一基板4Aは、矩形状(長方形状)に形成され、四つの端部(辺部)4dと、四つの角部4eと、を有する。第一基板4Aの周縁部(本実施形態では、一例として四つの角部4e)には、筐体2との接続部の一例として、貫通部(本実施形態では、一例として貫通孔18e)が設けられている。貫通部を貫通した結合具の一例としてのねじ10(図3参照)が、筐体2の結合部(本実施形態では、一例として雌ねじ孔18f、図3参照)に結合され、これにより、第一基板4Aが筐体2に接続(固定)されている。貫通孔18eは、筐体2に接続される筐体接続部の一例である。
【0022】
第一基板4Aの周縁部(本実施形態では、一例として角部4eに近い端部4d)には、第一切欠4gが設けられている。この第一切欠4gは、筐体2としてのベース6に設けられた結合部6b(図3参照)との干渉を避けるために設けられている。結合部6bには、側方(周縁部より外側、側外方、一例としてはX方向)に向けて開口された雌ねじ孔6cが設けられている。雌ねじ孔6cは、接続部の一例である。この雌ねじ孔6cに結合されるねじ(図示されず)によって、半導体記憶装置1が電子機器(図示されず)に固定される。
【0023】
図5に示されるように、第一切欠4gは、相互に対向した二つの端部4dから相互に近接する方向に延びている。第一切欠4gは、端部4dに近い位置では一定幅の帯状に形成され、端部4dから離れた位置では円弧状(半円状)に形成されている。第一基板4Aには、この第一切欠4gが設けられたことにより、筐体接続部としての貫通孔18eを有したアーム4iが形成されている。本実施形態では、第一基板4Aに第一切欠4g(およびアーム4i)が設けられたことで、一例としては、筐体接続部としての貫通孔18eと半導体素子(モジュール)としてのNAND5Bが固定されるモジュール固定領域P1との間の領域P2を、比較的細く形成することができ、第一切欠4gが設けられなかった場合に比べて、領域P2が撓みやすく(変形しやすく、曲がりやすく)なる。一例としては、第一基板4Aが筐体接続部としての貫通孔18eを介して筐体2に接続された際に、第一基板4Aが硬いと、第一基板4Aが筐体2に固定(接続)された際に、第一基板4Aと筐体2としてのベース6との寸法誤差(製造ばらつき)等によって、第一基板4Aのモジュール固定領域P1が撓み、この撓みによって、モジュールとしてのNAND5Bと第一基板4Aとの接続強度が低下する虞がある。この点、本実施形態では、第一切欠4gおよびアーム4iが設けられたことで、第一基板4Aの領域P2が撓みやすくなり、その分、モジュール固定領域P1が撓みにくくなるので、一例としては、第一基板4Aの変形に伴うNAND5Bの接続強度の低下を抑制しやすくなる。また、加熱された場合等に、第一基板4Aと筐体2との線膨張係数の差異によって、第一基板4Aに撓みが生じるような場合等、他の要因で第一基板4Aに撓みが生じるような場合においても、上記構成が有効となる場合がある。
【0024】
さらに、本実施形態では、図5に示されるように、第一基板4Aには、第一切欠4gの縁から筐体接続部としての貫通孔18eと半導体素子(モジュール)としてのNAND5Bが固定されるモジュール固定領域P1との間の領域P2に向けて進出した第二切欠4hが設けられた。これにより、領域P2がさらに狭くなって狭窄領域P3が形成され、第一基板4Aの領域P2がより一層撓みやすくなり、モジュール固定領域P1がより撓みにくくなるので、一例としては、第一基板4Aの変形に伴うNAND5Bの接続強度の低下をより一層抑制しやすくなる。
【0025】
また、本実施形態では、筐体2としてのベース6に設けられたピン18a(図3参照)が挿入される貫通部としての貫通孔18bが、第一切欠4gに対して第二切欠4hの反対側に位置された。よって、位置決めに利用される貫通孔18bを、第一基板4Aの撓みやすい領域P2,P3から離間させて位置させることができるため、一例としては、第一基板4Aの変形によって位置決め精度が低下するのを抑制することができる。
【0026】
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器30は、図6に示されるように、箱形のサーバとして構成されており、直方体状の筐体31を備えている。筐体31は、第一の分割体(第一部分、第一部品)32と第二の分割体(第二部分、第二部品)33とを有している。筐体31の内部には、プレート状あるいはフレーム状の図示しない骨格部材が設けられており、第一の分割体32は、ねじ34等を介して骨格部材に固定される。また、第二の分割体33は、第一の分割体32に対して着脱可能に取り付けられている。オペレータ(ユーザ)は、第一の分割体32から第二の分割体33を取り外して筐体31の内部を露出させ、骨格部材等に対して半導体記憶装置1を着脱することができる。筐体31の内部には、複数の半導体記憶装置1を収容することができる。
【0027】
また、電子機器30の長手方向一方側には、プレート35が設けられている。また、電子機器30には、カードスロット37a,37bが設けられたカード収容部36が設けられている。プレート35には、カードスロット37a,37bに対応するスリット38や、通気口として機能する開口39が形成されている。また、この電子機器30には、開口39のうち一つに対応して、ロック機構40が設けられている。
【0028】
この電子機器30には、上記第1実施形態で例示された筐体2を有した複数の半導体記憶装置1を装備することができる。また、半導体記憶装置1の筐体2を除く内部構成(すなわち、第一基板4Aおよび第二基板4Bや隔壁9等)が、電子機器30の筐体31内に収容された構成とすることもできる。その場合、電子機器30の筐体31が、半導体記憶装置1の筐体も兼ねることになる。
【0029】
<第3実施形態>
本実施形態にかかる電子機器100は、図7に示されるように、所謂ノート型のパーソナルコンピュータとして構成されており、矩形状の扁平な第一の本体部102と、矩形状の扁平な第二の本体部103と、を備えている。これら第一の本体部102および第二の本体部103は、ヒンジ機構104によって、回動軸Ax回りに、図7に示す展開状態と図示しない折り畳み状態との間で相対回動可能に、接続されている。
【0030】
第一の本体部102には、筐体102aの外面としての表面(上面、天面、第一面)102b側に露出する状態で、入力操作部としてのキーボード105や、ポインティングデバイス107、クリックボタン108等が設けられている。一方、第二の本体部103には、筐体103aの外面としての表面(前面)103bに設けられた開口部103cから露出する状態で、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイパネル(表示装置、表示モジュール、モジュール)106が設けられている。図7に示す展開状態では、キーボード105やディスプレイパネル106等が露出し、ユーザが使用可能な状態となる。一方、折り畳み状態(図示されず)では、表面102b,103b同士が相互に近接した状態で対向して、キーボード105や、ディスプレイ106、ポインティングデバイス107、クリックボタン108等が、筐体102a,103aによって隠された状態となる。
【0031】
本実施形態では、第一の本体部102の筐体102aに、上記第1実施形態で例示した半導体記憶装置1が取り付けられている。具体的には、例えば、筐体102aの裏面(図示されず)に、半導体記憶装置1の収容部としての凹部(図示されず)が設けられ、その凹部に半導体記憶装置1が収容される。その場合、第一の本体部102には、凹部に臨む状態で、半導体記憶装置1のコネクタ3に対応するコネクタ(図示されず)が設けられ、当該コネクタと半導体記憶装置1のコネクタ3とが接続される。また、筐体102aの裏面には、半導体記憶装置1が収容された状態で凹部を覆う蓋(図示されず)が取り付けられる。
【0032】
また、半導体記憶装置1の筐体2を除く内部構成(すなわち、第一基板4Aおよび第二基板4Bや隔壁9等)が、電子機器100の筐体102a内に収容された構成とすることもできる。その場合、電子機器100の筐体102aが、半導体記憶装置1の筐体も兼ねることになる。なお、半導体記憶装置1は、第二の本体部103の筐体103a内に設けることができるし、複数の半導体記憶装置1を、電子機器100の筐体102a(または筐体103a)の内部に、設けることもできる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態について例示したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、回路基板を有した半導体記憶装置以外の電子機器に適用することができる。また、各実施形態や実施例の構成を部分的に組み合わせて構成することができる。また、電子機器、記憶装置、半導体記憶装置、回路基板、モジュール、モジュール固定領域、領域、第一切欠、第二切欠、貫通部等のスペック(構造や、種類、方向(上下、左右)、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0034】
本実施形態によれば、一例としては、回路基板が筐体に接続された状態で生じる回路基板の撓みによる不都合が生じにくい記憶装置、電子機器、および基板アセンブリを得ることができる。
【符号の説明】
【0035】
1…半導体記憶装置(電子機器)、2…筐体、4A…第一基板(回路基板)、4a…上面(第一面)、4b…下面(第二面)、4d…端部(辺部、周縁部)、4e…角部(周縁部)、4g…第一切欠、4h…第二切欠、5A〜5D…素子(モジュール)、18b…貫通孔(貫通部)、18e…貫通孔(筐体接続部)、20…基板アセンブリ、100…電子機器、P1…モジュール固定領域、P2…モジュール固定領域と筐体接続部との間に位置された領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、第一面とこの第一面の反対側に位置された第二面とを有した回路基板と、
前記回路基板の前記第一面または前記第二面に設けられたモジュールと、
を備え、
前記回路基板の周縁部に、第一切欠と、前記筐体と接続される筐体接続部と、が設けられ、
前記第一切欠に、前記回路基板の前記モジュールが固定されるモジュール固定領域と前記筐体接続部との間に位置された領域に向けて進出した第二切欠が設けられた、
記憶装置。
【請求項2】
前記回路基板の前記第一切欠に対して前記第二切欠の反対側となる位置に、前記回路基板と前記筐体とを位置決めする貫通部が設けられた、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の記憶装置を備えた電子機器。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体内に収容され、第一面とこの第一面の反対側に位置された第二面とを有した回路基板と、
前記回路基板の前記第一面または前記第二面に設けられたモジュールと、
を備え、
前記回路基板の周縁部に、第一切欠と、前記筐体と接続される筐体接続部と、が設けられ、
前記第一切欠に、前記回路基板の前記モジュールが固定されるモジュール固定領域と前記筐体接続部との間に位置された領域に向けて進出した第二切欠が設けられた、
電子機器。
【請求項5】
第一面とこの第一面の反対側に位置された第二面とを有した回路基板と、
前記回路基板の前記第一面または前記第二面に設けられたモジュールと、
を備え、
前記回路基板の周縁部に、第一切欠と、前記第一面側と前記第二面側とを貫通する貫通部と、が設けられ、
前記第一切欠に、前記回路基板の前記モジュールが固定されるモジュール固定領域と前記貫通部との間に位置された領域に向けて進出した第二切欠が設けられた、
基板アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−216672(P2012−216672A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80674(P2011−80674)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】