説明

記録再生装置、光ディスク、記録再生装置の制御方法、及び記録再生装置の制御プログラム

【課題】RE層又はR層に記録された情報を読み出すことにより、ROM層に記録された情報も読み出すことが可能な記録再生装置等を実現する。
【解決手段】光ディスク装置1は、情報を読み出すことのみ可能なROM層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能なRE層又はR層と、を備えた光ディスク100に対して情報の記録または再生を行う光ディスク装置1であって、ROM層に記録されている情報である登録情報を読み出す映像情報読出部24と、映像情報読出部24が読み出した登録情報の少なくとも一部を、RE層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる選択映像記録制御部27と、を備える。これにより、光ディスク装置1は、RE層又はR層に記録された情報を読み出すことにより、ROM層に記録された情報を効率的に読み出すことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録特性の異なる情報記録層を複数備え、RE層又はR層に記録された情報を読み出すことにより、ROM層に記録された情報も読み出すことが可能な記録再生装置、光ディスク、記録再生装置の制御方法、及び記録再生装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OS(Operating System)やアプリケーション等のセキュリティーを向上させる目的や、より使いやすいものにバージョンアップする目的で、インターネット等を利用して、頻繁に更新情報などをインストールする機会が多くなってきている。
【0003】
さらに、近年、光ディスク等の光情報記録媒体は、その記録容量が増大しており、例えば、一枚のDVD−ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory)で約200分程度の映像/音声データを記録できるようになってきている。今後は、Blu−ray Disc(登録商標)などの登場に伴い、光ディスクの記録容量が益々増大し、一枚の光ディスクにハイビジョン画質では2〜3時間、標準画質では4〜10時間にも及ぶ映像/音声データの記録が可能となるものと考えられる。
【0004】
このような背景のもと、記録容量が増大した光ディスク等の光情報記録媒体に更新情報を記録し、当該光情報記録媒体を常に最新版にアップデートさせておく技術が進展している。そのような技術は、例えば特許文献1、2に開示されている。
【0005】
具体的に、特許文献1の記録媒体システム(DVDシステム)は、ROM領域とRAM領域とを備え、基礎データをROM領域に記録し、ネットワークを介して受信した追加・更新・削除情報をRAM領域に書き込んでいる。そして、当該DVDシステムは、ROM領域およびRAM領域のデータを読み出し、各々のデータを連携・同期させて最新版のDVDディスクと同様に出力しており、これにより、DVDディスクを常に最新版のディスクとして利用することを可能にしている。
【0006】
特許文献2に記載の、ネットワーク上で電子コンテンツにアクセスする方法では、識別シグネチャあるいは暗号化情報が設けられた認証用ハイブリッド光ディスクにより、ネットワーク上のコンテンツ供給者のデータベースにユーザがアクセスし、取得したコンテンツが光ディスクのRAM領域に保存される。これにより、安全かつ便利にネットワーク上の情報にアクセスし、取得した最新情報をRAM領域に保存することを可能にしている。
【0007】
他の特許文献として、特許文献3には、取得した更新情報等を管理する方法が開示されている。具体的に、特許文献3のディスク記録装置は、フォーマット時にRAM領域にファイル管理領域を設け、ROM領域に記録されていたファイル管理情報をRAM領域に転写し、RAM領域に記録する毎にファイル管理情報を更新している。これにより、ROM領域およびRAM領域に記録されたデータファイルを一元管理し、取得情報の管理を容易にしている。
【0008】
また、特許文献4に記載の光ディスク再生装置は、マルチアングル映像が記録された光ディスクの再生中に、選択されたアングル映像を自装置が備える不揮発性メモリに記憶して、その光ディスクを再び再生するとき、記憶されているアングル映像を上記不揮発性メモリから再生する。そして、当該光ディスク再生装置は、以前に視聴したときと同じアングル映像を視聴することができるようにし、かつ、記憶されているアングル映像を変更或いは消去することを可能としている。
【0009】
また、特許文献5に記載のマルチアングル再生装置は、マルチアングル映像が記録された光ディスクを再生する際、アングル映像データを表示データとして格納し、この複数の表示データのそれぞれを1画面内に表示してユーザに選択させ、通常再生とアングル再生を自動で行うことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−144322号公報(1999年5月28日公開)
【特許文献2】特開2003−100013号公報(2003年4月4日公開)
【特許文献3】特開平7−182218号公報(1995年7月21日公開)
【特許文献4】特開2002−252833号公報(2002年9月6日公開)
【特許文献5】特許第3765724号(平成18年2月3日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2の技術は、認証・内容閲覧表示のためにネットワークへ接続することを前提とするものであり、かつ、ROM領域から起動するため、ROM領域とRAM領域との信号の往来が頻繁になる。さらに、ディスクは認証用に利用され、コンテンツそのものは媒体に記録されていないため、コンテンツのダウンロードに多大な時間を要し、ユーザにとって利便性に欠ける。
【0012】
また、特許文献1・3では、ROM領域およびRAM領域は同一の層に設けられ、記録されたデータファイルは一元管理されている。従って、特許文献1・3の技術では、情報記録層が多層化され、ROM領域およびRAM領域が異なる層に設けられた場合に、両層をまたいだ一元管理は困難である。また、ディスクの中間に位置するRAM領域にファイル管理領域が設けられているため、ディスク導入時にまず、もともとROM領域に記録されているファイル管理領域の情報が読み出されることになる。従って、ROM領域に記録されていたファイル管理情報をRAM領域に転写しても、実質的に一元管理に利用される可能性は低い。さらに、ROM領域のファイル管理情報がRAM領域のファイル管理情報の前(内周側)に転写されるため、ユーザの指示を示す情報が記録されるRAM領域のファイル管理情報を読み込む前に、必要のないROM層の管理情報を読み込むことになり、無駄な動作による処理速度の低下や消費電力の増加を招くという問題がある。
【0013】
そして、特許文献4・5では、情報記録媒体のROM層に記録されたアングル映像であって、ユーザが視聴を希望するアングル映像が、記録再生装置側の記録媒体に記録される。それゆえ、上記情報記録媒体を他の記録再生装置に挿入した場合、ユーザは、上記他の記録再生装置で再度アングル映像を選択しなければならず、ユーザに過度な負担をかけるものであった。これは、ユーザが視聴を希望するアングル映像を情報記録媒体に記録することができない、つまり、アングル映像に関して、情報記録媒体および記録再生装置側の記録媒体に記録されており、情報記録媒体に関する情報の一元化ができないという問題に起因して生じる問題であった。
【0014】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、情報記録層が多層化された情報記録媒体において、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な情報記録層に記録された情報を読み出すことにより、情報を読み出すことのみ可能な情報記録層に記録された登録情報を効率的に読み出すことを可能とする記録再生装置、光ディスク、記録再生装置の制御方法、及び記録再生装置の制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る記録再生装置は、
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクに対して情報の記録または再生を行う記録再生装置であって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出手段と、
上記読出手段が読み出した上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0016】
また、本発明に係る光ディスクは、
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクであって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報の少なくとも一部が、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録されていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係る記録再生装置の制御方法は、
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクに対して情報の記録または再生を行う記録再生装置の制御方法であって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出ステップと、
上記読出ステップにて読み出された上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御ステップと、を含むことを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、本発明に係る記録再生装置に挿入される光ディスクは、第1及び第2情報記録層を備え、第1情報記録層は、情報を読み出すことのみ可能な情報記録層であり、第2情報記録層は、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な情報記録層である。そして、当該記録再生装置では、読出手段が第1情報記録層に記録されている登録情報を読み出し、記録制御手段が当該登録情報の少なくとも一部を第2情報記録層に記録させる構成である。
【0019】
従って、第2情報記録層への読出動作のみで当該第2情報記録層に記録された登録情報の少なくとも一部(以下、第2情報記録層に記録された登録情報の少なくとも一部を「複写情報」と称する。)を読み出すことができ、第1情報記録層への読出動作が不要となる。これにより、第1情報記録層と第2情報記録層との間を層間ジャンプして、上記複写情報を第1情報記録層から読み出す必要もなくなり、記録再生装置の処理速度を速めることができる。
【0020】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、上記複写情報は、第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録される構成である。
【0021】
従って、本発明に係る記録再生装置に上記光ディスクが挿入された際に、まず上記第2情報記録層のファイル管理情報が読み込まれることになる。ここで、一般的に、ファイル管理情報はユーザの指示等が記録されることになるため、当該指示等に基づいて他の情報を読み込めばよいこととなり、第1及び第2情報記録層に記録された各種情報の実質的な一元管理が可能となる。そして、ユーザの指示等が記録されているファイル管理情報が複写情報よりも先に読み込まれることになるため、必要のない複写情報を読み込むことによって生じる、無駄な動作による処理速度の低下や消費電力の増加といった特許文献1・3の課題を解決することができる。また、登録情報を記録再生装置側のメモリに記録する必要がなくなるため、特許文献4・5の技術では解決できなかった、光ディスク側で情報の一元管理を実現することができる。
【0022】
このような理由により、本発明に係る記録再生装置では、装置自体の処理速度を速めることができ、さらに、第2情報記録層に記録される複写情報を第1情報記録層から読み出す動作を省略することができることから、動作回数を低減でき、その結果、記録再生装置に発生する故障等の頻度を抑えることができる。
【0023】
加えて、上記複写情報は、記録再生装置側のメモリではなく、光ディスクの第2情報記録層に記録される。それゆえ、本発明に係る記録再生装置から上記光ディスクを取り出した時点で第2情報記録層に複写情報が記録されているため、その光ディスクを他の記録再生装置で使用する場合においても、第2情報記録層に記録された情報を読み出すだけで、本来第1情報記録層に記録されている複写情報を読み出すことが可能となる。これにより、上記他の記録再生装置においても、第1情報記録層への読出動作を省略することができるため、装置の処理速度を速めることができる。
【0024】
さらに、OSやアプリケーション等のセキュリティーを向上させる目的や、より使いやすいものにバージョンアップすることを目的として更新(最新)情報を取得し、その更新情報を光ディスクに記録する場合、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層に更新情報が記録される。それゆえ、複写情報が第2情報記録層に記録されていることにより、複写情報や更新情報等を第2情報記録層において一元的に管理できるようになるという効果を奏する。これにより、複写情報や更新情報等を記録再生装置側の記録媒体に記録する必要がなくなり、特許文献4・5が解決できなかった、光ディスク側での情報の一元管理を実現することができる。
【0025】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記登録情報は、上記第1情報記録層に記録されたファイル管理情報を含むことが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、第2情報記録層への情報の読出動作のみにより、第1情報記録層に記録されていたファイル管理情報を読み出すことが可能となる。つまり、第1情報記録層からファイル管理情報を読み出す動作、及びその動作に要する処理時間を削減することができる。
【0027】
なお、ファイル管理情報は、上記光ディスクに記録されたファイルを管理するための情報である。また、第2情報記録層は、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な情報記録層であって、更新情報や新たな情報(ファイル)は第2情報記録層に追記録されていく。
【0028】
従って、第2情報記録層にファイル管理情報が記録されていれば、そのファイル管理情報を更新することも可能となり、ユーザにとって光ディスクに記録されたファイルの管理が容易になるという効果を奏する。
【0029】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記登録情報は、当該登録情報のインデックスを含むことが好ましい。
【0030】
一般に、インデックスとは、情報(データ)の検索速度を向上させるために、どの情報がどこに存在するかを示した索引、テーブル、見出し等のことを言う。
【0031】
従って、上記構成により、第2情報記録層に登録情報のインデックスが記録されるため、第2情報記録層への読み出し動作のみにより、登録情報のインデックスを確認することができるようになる。
【0032】
それゆえ、ユーザは、第1情報記録層に記録されている登録情報を効率的に検索することができるという効果を奏する。
【0033】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記登録情報は、複数のアングルから撮影されたマルチアングル映像に関する情報であるマルチアングル映像情報を含み、
上記マルチアングル映像情報は、一のアングルから撮影されたシングルアングル映像に関する情報であるシングルアングル映像情報を上記複数のアングルそれぞれについて有しており、
上記読出手段が読み出した上記マルチアングル映像情報の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御手段と、
上記表示制御手段によって表示された上記マルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をユーザに選択させる選択手段と、を備え、
上記記録制御手段は、上記選択手段がユーザに選択させた上記1又は複数のシングルアングル映像情報を選択済シングルアングル映像情報として上記第2情報記録層に記録させることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、表示制御手段は、読出手段が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部を表示装置に表示させる。そして、選択手段は、表示装置に表示された上記マルチアングル映像情報の少なくとも一部の中から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をユーザに選択させる。そのうえで、記録制御手段は、選択手段がユーザに選択させた上記1又は複数のシングルアングル映像情報を上記第2情報記録層に記録させる。その結果、ユーザが視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報が選択済シングルアングル映像情報として第2情報記録層に記録されることになる。
【0035】
従って、上記光ディスクを他の記録再生装置に挿入した場合には、シングルアングル映像情報の選択動作を再びユーザに要求することなく、本発明に係る記録再生装置において選択されて第2情報記録層に記録された選択済シングルアングル映像情報をユーザに視聴させることができる。
【0036】
このように、上記構成により、利便性に優れた記録再生装置をユーザに提供することができる。
【0037】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記選択済シングルアングル映像情報は、上記1又は複数のシングルアングル映像情報がリスト化されたプレイリストであることが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、マルチアングル映像情報からシングルアングル映像情報を再度選択する動作をユーザに要求することなく、第2情報記録層に記録された選択済シングルアングル映像情報をユーザに視聴させることができる。しかも、選択済シングルアングル映像情報はリスト化されたプレイリストとして記録されているため、必要とする記録容量は少なくて済み、多くの選択済シングルアングル映像情報を第2情報記録層に記録することが可能となる。そして、空いた記録容量をバージョンアップ情報等の記録に活用することもできる。
【0039】
なお、プレイリストとは、ファイル管理情報の1つであって、第1情報記録層に記録されたアングル映像情報をユーザの好みに従って再生順序をリスト化したものである。例えば、タイトルや撮影対象ごとにリストを作成できるため、プレイリストを使用することにより、ユーザは、タイトルや撮影対象を基準にして、視聴したい情報(映像情報等)をすぐに再生することができる。
【0040】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記表示制御手段によって表示されるシングルアングル映像情報は、そのシングルアングル映像情報に対応するシングルアングル映像の属性を示すシングルアングル映像属性情報を含むことが好ましい。
【0041】
上記構成によれば、表示装置には、シングルアングル映像属性情報が表示される。そして、そのシングルアングル映像属性情報として、例えば、撮影されたアングルの位置、撮影対象物との距離、撮影者、撮影日時などが挙げられる。
【0042】
従って、ユーザは、実際のシングルアングル映像そのものではなく、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をシングルアングル映像属性情報に基づいて選択することが可能となるため、選択動作を短時間で終わらせることができる。
【0043】
また、表示装置に表示されるシングルアングル映像属性情報は、シングルアングル映像そのものよりも容量が小さいため、表示装置にシングルアングル映像属性情報を表示する処理を行う際の記録再生装置への負荷を小さくすることができ、それゆえ、処理速度を上げることも可能となる。
【0044】
加えて、高速のCPUやメモリ容量の大容量化が必要でなくなるため、記録再生装置の複雑化、高コスト化を防ぐことができる。
【0045】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記記録制御手段は、上記シングルアングル映像と当該シングルアングル映像に関する上記シングルアングル映像属性情報とを対応付けて上記第2情報記録層に記録させることが好ましい。
【0046】
上記構成により、第2情報記録層に記録された上記1又は複数のシングルアングル映像情報を再生するときに、当該シングルアングル映像に対応する属性情報(撮影されたアングルの位置、撮影対象物など)も表示させることができる。そして、その属性情報を確認することにより、ユーザは、撮影されたアングルの位置、撮影対象物などを知ることができ、再生されたシングルアングル映像の詳細を正確に把握することができる。
【0047】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記記録制御手段は、上記1又は複数のシングルアングル映像情報を、シングルアングル映像が撮影された時間の順に上記第2情報記録層に記録させることが好ましい。
【0048】
シングルアングル映像が撮影された時間の順に上記1又は複数のシングルアングル映像情報を上記第2情報記録層に記録させておけば、撮影された時間の順序で上記1又は複数のシングルアングル映像情報を再生する場合に、ピックアップの移動距離を少なくすることができ、それにより再生処理の処理速度を速めることができるという効果を奏する。
【0049】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記表示制御手段は、上記マルチアングル映像情報のすべてを上記表示装置の一画面内に表示させることが好ましい。
【0050】
上記構成によれば、マルチアングル映像情報が表示装置の一画面内に表示されるため、ユーザは、すべてのシングルアングル映像情報を一目で確認でき、選択すべきシングルアングル映像情報を容易かつ迅速に選択することができる。
【0051】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記選択手段がユーザに選択させた複数のシングルアングル映像情報を連続して再生する場合であって、再生される順序が隣り合う2つのシングルアングル映像情報の間に再生時間の非連続性が生じる場合に、その非連続性を埋めるための接続画像を挿入する挿入手段を備えることが好ましい。
【0052】
再生される順序が隣り合う2つのシングルアングル映像情報であって、異なるアングル、異なる時間に撮影されたシングルアングル映像情報を連続的に再生する場合等において、2つのシングルアングル映像情報の再生時間に非連続性が生じることがある。そのような場合、何も表示されない状態の表示画面が発生するなど、その非連続性に起因して2つのシングルアングル映像情報のつなぎに不自然さが生じることがある。
【0053】
このとき、本発明に係る記録再生装置では、挿入手段が、上記非連続性を埋めるための接続画像を2つのシングルアングル映像情報の間に挿入する。これにより、2つのシングルアングル映像情報の間のつなぎに生じていた不自然さを軽減することができる。
【0054】
なお、挿入手段は、変形していく間の映像をコンピュータによって補完して作成するモーフィング技術、あるいは、輝度変化や色差変化を検出してつなぎ画像を自動生成するシーンチェンジ技術などの公知技術を適用することが可能である。
【0055】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記接続画像は、上記第1情報記録層に記録されていることが好ましい。
【0056】
上記構成により、第1情報記録層に記録されたシングルアングル映像情報に好適な接続画像を予め準備しておくことができるため、ユーザは、シングルアングル映像情報を違和感なく視聴することができる。さらに、接続画像が第1情報記録層に記録されているため、ユーザは、外部から接続画像を取得してくる手間を省くことができる。
【0057】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記接続画像は、外部に接続したネットワークを介して取得されるものであり、
上記記録制御手段は、上記接続画像を上記第2情報記録層に記録させることが好ましい。
【0058】
上記構成によれば、接続画像は外部から取得されるため、ユーザは、より多くの種類の接続画像を取得することができる。また、取得した接続画像は第2情報記録層に記録されるため、ユーザの嗜好に合った接続画像を第2情報記録層に蓄積していくことができる。
【0059】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記選択手段がユーザに選択させた上記選択済シングルアングル映像情報、または、上記表示制御手段によって表示された上記マルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報を選択する選択例が、上記第2情報記録層に記録されている場合に、
上記表示制御手段は、上記選択手段がユーザに選択させた結果を示す情報である選択結果情報、または、上記選択例を上記表示装置に表示させることが好ましい。
【0060】
上記構成により、過去の選択結果、または予め記録されている選択例の有無や内容を知ることができるため、その選択結果そのものを選択、またはその選択結果を参考にして、新たに視聴を希望するシングルアングル映像情報を選択することができる。
【0061】
さらに、本発明に係る記録再生装置では、
上記表示制御手段によって表示された上記マルチアングル映像情報から視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報を選択する選択例、または、上記選択手段がユーザに選択させた上記選択済シングルアングル映像情報が上記光ディスクに記録されており、
上記表示制御手段は、上記読出手段が読み出した上記マルチアングル映像情報の少なくとも一部と共に、上記選択例、または、上記選択済シングルアングル映像情報を上記表示装置に表示させることが好ましい。
【0062】
上記構成により、読出手段が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部と共に、上記選択例または上記選択済シングルアングル映像情報が表示装置に表示される。従って、ユーザは、どのような選択例または選択済シングルアングル映像情報を視聴しているかを知ることができる。
【0063】
さらに、本発明に係る光ディスクでは、
上記第2情報記録層には、シングルアングル映像が再生される時間の順に上記1又は複数のシングルアングル映像情報が記録されていることが好ましい。
【0064】
シングルアングル映像が再生される時間の順に上記1又は複数のシングルアングル映像情報が上記第2情報記録層に記録されていることにより、再生される時間の順序で上記1又は複数のシングルアングル映像情報を再生する場合に、ピックアップの移動距離を少なくすることができ、それにより再生処理の処理速度を速めることができるという効果を奏する。
【0065】
さらに、本発明に係る光ディスクでは、
上記第1情報記録層には、上記マルチアングル映像情報が再生される時間の順に区切られて記録されていることが好ましい。
【0066】
上記構成により、上記光ディスクが挿入される記録再生装置がPinP機能によりマルチアングル映像情報を表示して、かつその中から所望のマルチアングル映像情報をユーザに選択させる場合、ピックアップを内周から外周に動作させるだけでよく、往復動作する必要がないため、無駄な動作を省くことができるという効果を奏する。
【0067】
さらに、本発明に係る光ディスクでは、
上記第1情報記録層には、撮影されたアングルごとに上記マルチアングル映像情報が記録されていることが好ましい。
【0068】
上記1又は複数のシングルアングル映像情報が、撮影されたアングルごとに上記第1情報記録層に記録されていることにより、例えばアングルごとにチャプター番号を付ける場合には、チャプター番号とアングル番号とを一致させることができる、といった構成を実現することが可能となる。そうすると、記録再生装置がユーザに選択させるためにマルチアングル映像情報を表示するとき、あるいは、記録再生装置が上記選択の結果を第2情報記録層に記録するときに必要となる動作を容易にすることができる。
【0069】
さらに、本発明に係る光ディスクでは、
上記選択済シングルアングル映像情報が再生される際に、その再生順序を示す情報である再生順序情報が上記第1情報記録層に記録されていることが好ましい。
【0070】
再生順序情報は、例えば、撮影された時間の順にシングルアングル映像を再生することを指示する情報であったり、あるいは、シングルアングル映像が、撮影されたアングルごとに再生されることを指示する情報である。このような再生順序情報は、ディスクサプライヤー(製造業者)や映像提供会社が第1情報記録層に予め記録しておけばよく、ユーザは、自ら再生の順序を選択する手間をかけることなく、その再生順序情報に基づいてシングルアングル映像を再生することができる。
【0071】
なお、上記記録再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記記録再生装置をコンピュータにて実現させる上記記録再生装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0072】
本発明に係る記録再生装置は、以上のように、上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出手段と、上記読出手段が読み出した上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御手段とを備える構成である。
【0073】
本発明に係る光ディスクは、以上のように、上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報の少なくとも一部が、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録されている構成である。
【0074】
本発明に係る記録再生方法は、以上のように、上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出ステップと、上記読出ステップにて読み出された上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御ステップと、を含む構成である。
【0075】
それゆえ、情報記録層が多層化された光ディスクにおいて、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な情報記録層に記録された情報を読み出すことにより、情報を読み出すことのみ可能な情報記録層に記録された登録情報を効率的に読み出すことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光ディスクのルート構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光ディスクの各記録層の構成例を示す図である。
【図4】記録再生回路群制御部の詳細を説明するためのブロック図である。
【図5】本実施形態に係る光ディスク装置に光ディスクを挿入した後の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】表示装置に表示されるマルチアングル映像情報の一例を示す図であり、(a)は、アングルごとにアングル映像情報を区分している様子を、(b)は、撮影したアングルの方向を撮影場所の写真や図面上に表した様子を、(c)は、撮影したアングルの方向および撮影範囲を撮影場所の写真や図面上に表した様子を、それぞれ表す図である。
【図7】アングル映像情報としてアングル映像を選択し、その選択結果をメモリまたは光ディスクのRE層に記録する動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、以下の説明において、光ディスク100が有する層として、書き換え可能な記録層(情報記録層)をRE(RE-writable)層と呼び、再生専用の記録層をROM(Read Only Memory)層と呼び、追記録可能な記録層をR(Recordable)層と呼ぶ。また、「記録層」を「ボリューム(Volume)」と表現することもある。さらに、RE層およびR層を総称して「記録可能な記録層」と表現することもある。
1.一般
1-1.構成
1-1-1.光ディスク100の概略構成
まず、図3に基づき、本発明の一実施形態である光ディスク100の概略構成について説明する。図3は、光ディスク100の各記録層の構成例を示す図である。
【0078】
図3に示すように、再生光入射側から最も遠い記録層から記録層L0、L1、・・・と称し、記録層L0がRE層(第2情報記録層)、記録層L1がROM層(第1情報記録層)である場合の光ディスク100の構成を示している。図示のように、記録層L0(RE層)およびL1(ROM層)には、BCA(Burst Cutting Area)101、リードイン領域102、ユーザデータ領域103およびリードアウト領域104が設けられている。なお、同図では、BCA101は、L0(RE層)にのみ存在しているが、L1(ROM層)のみに存在してもよいし、両方の層に存在してもよい。
【0079】
BCA101は、光ディスク100の最内周で、トラッキング制御が不要な領域またはフォーカス制御のみでアクセス可能なバーコード状の記録領域である。光ディスク装置(記録再生装置)1は、光ディスク100が挿入されると、まずBCA101の情報を読み取りにいくように設計されている。また、BCA101は、製造時にのみ情報の書き込みを行うことが可能な領域(すなわち書き換え不可能な領域)である。
【0080】
BCA101には、主として、光ディスクの構造を示す識別情報が記録される。識別情報の具体例としては、光ディスク100の記録層のタイプ(再生専用型、追記型、書き換え型)、光ディスク100のサイズ、光ディスク100の規格バージョンおよび光ディスク100固有の番号などが挙げられるが、BCA101における各識別情報の記録順序(又は配置方法)は、通常規格などによって決められている。
【0081】
リードイン領域102は、光ディスク100においてBCA101の外周側に、記録層ごとに設けられた領域である。また、リードイン領域102には、製造時にのみ情報の書き込みを行うことが可能な領域(すなわち書き換え不可能な領域)だけでなく、追記型や書き換え型の場合には、光ディスク装置1に挿入された後に情報の追記録あるいは書き換えを行うことが可能な領域が設けられている。リードイン領域102には、例えば光ディスク100への記録・再生の標準条件、各層に対する光ディスク装置1のアクセスの許可不許可(アクセス制限)を示す情報、製造時の欠陥および使用中にできた欠陥の位置を示す情報などが記録される。
【0082】
ユーザデータ領域103は、OS(Operating System)などの基本ソフト、アプリケーション、あるいはコンテンツ、及び、それらに付随するユーザデータなど、様々な情報が記録されている(または記録可能な)領域である。また、これらの情報が記録されている位置・アドレスや、複数の情報の相関関係(ファイル、ディレクトリのルート)などの管理情報も記録されている。
例えばROM層のユーザデータ領域103には、ディスクサプライヤーが用意したアプリケーションやコンテンツなどが予め記録されており、RE層のユーザデータ領域103には、ユーザが録画したコンテンツや、アプリケーションのバージョンアップ情報、また、これに付随するユーザデータをなどが光ディスク装置1により記録される。
【0083】
以後、L1(ROM層)に予め記録されている情報を「登録情報」と称する。光ディスク100のRE層には、ROM層の登録情報の一部が記録(コピー)されている。これは、ディスクサプライヤーがあらかじめ記録(コピー)してもよいし、光ディスク装置1がRE層に記録(コピー)してもよい。RE層に記録(コピー)される登録情報は、例えばROM層のユーザデータ領域103に記録されているファイル管理情報である。また別の例では、RE層に記録(コピー)される登録情報は、ROM層のユーザデータ領域103に記録されているコンテンツの一部である。これら、RE層に記録(コピー)されたROM層の登録情報を、以後「複写情報」と称する。
【0084】
リードアウト領域104は、通常、光ディスク100の各層の最外周側に設けられており、記録層の終了位置を示すものである。
【0085】
なお、図3では、記録層L0およびL1だけを図示しているが、さらに記録層を設けた構成であってもよい。また、L0層がROM層であり、L1層がRE層であってもよい。
1-1-2.光ディスク装置1の概略構成
まず、図1に基づき、本発明の一実施形態である光ディスク装置1の構成について説明する。
【0086】
図1は、本発明の一実施形態である光ディスク装置1の主要部の構成を示すブロックである。
【0087】
図1に示すように、光ディスク装置1は、主としてスピンドル2、ディスク装填認識部3、格納部4、記録再生回路群10、光ピックアップ12及び制御部20を備えている。
【0088】
また、記録再生回路群10は、主としてピックアップ駆動回路13、レーザ駆動回路14、検出回路15及びスピンドル回路16を備えている。
【0089】
また、制御部20は、主として、ディスク装填確認部22、及び記録再生回路群制御部23を備える。
【0090】
スピンドル2は、光ディスク100を固定して回転させるためのものである。
【0091】
ディスク装填認識部3は、光ディスク100の装填を検出するためのものであり、例えば、各種センサが例示できるが、光ディスク100の装填を検出できるものであれば、どのようなセンサを用いても良い。また、ディスク装填認識部3は、検出した結果を検出信号として制御部20のディスク装填確認部22へ出力するようになっている。
【0092】
格納部4は、制御部20が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。格納部4は、例えばROM(Read Only Memory)フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。
【0093】
記録再生回路群10は、スピンドル2や光ピックアップ12を駆動するためのものであり、主としてピックアップ駆動回路13、レーザ駆動回路14、検出回路15、及びスピンドル回路16を備えている。
【0094】
ピックアップ駆動回路13は、光ピックアップ12全体を、光ディスク100の所望の記録・再生部位へ移動させるためのものである。さらに、該記録・再生部位におけるフォーカスおよびトラッキング制御のために、光ピックアップ12内のアクチュエータ(図示せず)を動作させるためのものである。
【0095】
レーザ駆動回路14は、光ディスク100に照射する光の強度を、記録・再生などに適した強度にするよう、光ピックアップ12内のレーザ(図示せず)を動作させるためのものである。
【0096】
検出回路15は、光ディスク100から反射される光を検出するためのものであり、主に、フォーカスおよびトラッキングのために、ピックアップ駆動回路13へフィードバックされるサーボ信号と、光ディスク100の情報を含むRF信号を生成する。また、光ピックアップ12から出射される光の強度を一定に保つため、光ピックアップ12の一部から反射された光を検出し、レーザ駆動回路14へフィードバックされるサーボ信号も生成する。
【0097】
スピンドル回路16は、ディスク装填確認部22や操作部6から駆動の指示があると、スピンドル2、すなわち光ディスク100を最適な回転速度で回転させるためのものである。
【0098】
光ピックアップ12は、レーザから出射される光を光ディスク100へ集光するとともに、光ディスク100からの反射光を分岐し、検出回路15まで導くための光学系である。
【0099】
制御部20は、光ディスク装置1の内部、およびメモリ5、操作部6、表示装置7、インターネット端末装置8などの外部機器とのやり取りを全般的に担うためのものであり、主として、ディスク装填確認部22、及び記録再生回路群制御部23を備える。
【0100】
ディスク装填確認部22は、ディスク装填認識部3から検出信号を受信しているか否かにより、光ディスク100が挿入されたか否かを確認するものである。
【0101】
記録再生回路群制御部23は、記録再生回路群10を制御するためのものであり、例えば、操作部6に入力された指示を、記録再生回路群10への入力信号に変換する。また、記録再生回路群10から得られたRF信号をもとに映像信号や音声信号を生成し、表示装置7へ入力する。これらの動作は、例えば処理速度や容量などの問題から、メモリ5を経由して行われる場合もある。また、光ディスク装置1とのやり取りにインターネット回線を利用する場合は、インターネット端末装置8を経由して行われる。
【0102】
以上、光ディスク装置1について説明した。ここで、一般的に、光ディスク装置1には、メモリ5、操作部6、表示装置7、インターネット端末装置8などが付設される。以下、これらについて説明する。なお、メモリ5、操作部6、表示装置7、インターネット端末装置8などは、光ディスク装置1の内部に含まれていてもよい。
【0103】
メモリ5は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成してよく、光ディスク100のROM層から読み出した情報、外部のインターネット端末装置を介して取得した情報等を記憶するものである。
【0104】
操作部6は、ユーザが、光ディスク装置1に各種の操作命令を入力するためのものであり、例えば、操作ボタンとそのインターフェース、マウス、タッチパッド、リモコンなどが例示できる。
【0105】
表示装置7は、光ディスク100の情報をユーザに示すための装置であり、一般に用いられるテレビやパソコンのモニターなどでよい。なお、表示装置7は広義の意味であり、音声を再生する機能も含むものとする。
【0106】
インターネット端末装置8は、光ディスク装置1をインターネット回線とつなぐためのものである。
1-2.動作
次に、本発明に係る光ディスク装置1の動作の概要について説明する。
【0107】
まず、光ディスク100が光ディスク装置1に挿入されると、そのことがディスク装填認識部3により検出される。そして、ディスク装填認識部3から制御部20のディスク装填確認部22に対して、光ディスク100が光ディスク装置1に挿入されたことを示す信号が送信される。次に、制御部20が、スピンドル回路16を介してスピンドル2を回転させ、光ディスク100が設定された回転数で回転する。なお、光ディスク100は、図3を参照して説明した構造を有しており、また、光ディスク100のROM層に記録されている登録情報は、あらかじめRE層に記録されていてもよい。
【0108】
次に、制御部20が、ピックアップ駆動回路13を介して光ピックアップ12を移動させ、レーザ駆動回路14を介してRE層またはROM層に光を照射させる。これにより記録・再生動作が行われる。反射光は検出回路15で検出され、検出回路15は、サーボ信号でフィードバックをかける。そして、RF信号を基に、記録された情報の読み込みが行われる。このとき、ROM層またはRE層のいずれかを優先的に読み込むように光ディスク装置1を設定しておいてもよいし、ROM層、RE層の少なくともいずれかに、優先的に読み込む層を指示する情報を記録しておいてもよい。
【0109】
また、操作部6や表示装置7などを介して、外部からの読み込み箇所の指示が光ディスク装置1に入力された場合には、当該指示に従って制御部20から記録再生回路群10へ信号が送られる。そして、上記と同様の動作により、記録・再生動作が行われる。
2.実施例1
以下、本発明に係る光ディスク100の具体例として、ROM層の管理情報が複写情報である場合について説明する。
【0110】
以下では、光ディスク100の構成、光ディスク装置1の構成・動作について、上述した内容を基本とし、これと異なる部分のみを説明する。
【0111】
光ディスク100は、サプライヤーにより、ROM層のユーザデータ領域103にソフト、アプリケーション、データベースが記録され、発売される。ROM層の情報としては、例えば、パソコンなどで用いられるソフト、カーナビなどのアプリケーション、辞書などのデータベース、およびカラオケなど、およびこれらの組み合わせがある。さらに、複写情報であるROM層の管理情報は、光ディスク100の発売時にあらかじめRE層に記録された状態であってもよいし、光ディスク100の発売後に光ディスク装置1がRE層に記録(コピー)してもよい。
【0112】
光ディスク100を購入したユーザは、上記各ソフトやアプリケーションを利用するなかで、サプライヤーなどが用意するウェブページにアップロードされるバージョンアップ情報を、インターネット回線などを介して定期的にチェックすることになる。このバージョンアップ情報のチェックは、ユーザが好きなときに行う方式でもよいし、あらかじめ光ディスク100が自動チェック機能を備えていてもよい。
【0113】
光ディスク装置1は、バージョンアップ情報が存在する場合に、当該バージョンアップ情報を光ディスク100のRE層に記録する。この際、新たに記録したバージョンアップ情報が、元のソフトまたはアプリケーションのどの点をバージョンアップしたものであるか、ROM層に記録されているどの部分の情報を置き換えるものか、といった情報をRE層に記録する。
【0114】
一方、光ディスク100には、複写情報としてのROM層の管理情報が、光ディスク100の発売時にあらかじめRE層に記録されている、または、光ディスク100の発売後に光ディスク装置1によって記録(コピー)されている。そのため、ROM層の管理情報は、RE層に記録されている情報を読み出すことで取得でき、その際に層間ジャンプを必要としない。
【0115】
このように、光ディスク100のRE層には、上記バージョンアップ情報とROM層の管理情報とが記録される。つまり、上述した単純な動作により、RE層の管理情報に、新たに記録したバージョンアップ情報とROM層の管理情報との対応関係を含めることができる。また、ROM層およびRE層の管理情報をRE層において一元管理することもできるため、光ディスク100に記録されている情報はより簡易に整理されることになる。さらに、RE層にバージョンアップ情報を記録した光ディスク100を再生する際にも、まず、RE層に記録されているROM層およびRE層の管理情報を読み込むことで、光ディスク装置1は、どのような再生を行えばバージョンアップ情報を反映することができるかを認識することができる。
【0116】
このように、ROM層およびRE層の管理情報がRE層において一元管理されることで、RE層への読み込み動作のみでROM層およびRE層の管理情報を取得できる。それゆえ、ROM層およびRE層の管理情報をそれぞれの層から読み込む動作が不要となり、記録時および再生時ともに記録・再生処理の高速化を実現することができる。
【0117】
次に、ROM層の管理情報が記録されるRE層の領域を図2により説明する。図2は、光ディスク100のルート構成を示すブロック図である。
【0118】
同図に示すように、ROM層用のファイル管理情報は、RE層用のファイル管理情報が記録されている領域の後(外周側)に記録(コピー)してよい。すなわち、図示のとおり、RE層用のファイル管理情報である「指示1−1」が記録されている領域の後(外周側)に、ROM層用のファイル管理情報である「データ1−2」「データ2−1」が記録される、といった構成である。あるいは、ROM層の管理情報は、RE層の管理情報の一部として記録(コピー)されてもよい。このような構成とすることにより、記録可能なRE層を主体とした、光ディスク100の一元管理が可能となる。
【0119】
さらに例示すると、ROM層にデータベースが記録されている場合、RE層に、ユーザがROM層のデータをどのように利用したいかを指示する情報が記録される。具体的には、ROM層にパソコン用ソフトが記録されている場合には、RE層にはそのバージョンアップ情報と、当該バージョンアップ情報がROM層に記録されているどの情報をバージョンアップすべきかを指示する情報が記録される。また、ROM層にカーナビ用データが記録されている場合には、RE層にはユーザがルートを指示する情報が記録される。また、ROM層にカラオケ用データが記録されている場合には、RE層にはユーザが曲のリストやそれぞれの曲のキーを指示する情報が記録される。また、ROM層に映像や文字情報などのデータが記録されている場合には、RE層にはユーザが映像や文字情報の表示方法を指示する情報が記録される。
【0120】
つまり、光ディスク100のRE層には、ユーザの指示を示す情報が記録されるため、一旦これらの指示を示す情報がRE層に記録されると、図2のように、その指示に従って各種データの再生が行われることが好ましい。よって、ROM層の管理情報が、RE層の管理情報が記録された領域の後または内部に記録(コピー)されていることにより、光ディスク装置1は、RE層に記録されているユーザの指示に対して、ROM層のデータがどのように利用されるかを認識することができ、それゆえ、処理動作が単純になり、高速起動および高速処理が可能となる。
【0121】
これに対して、ROM層の管理情報が、RE層の管理情報が記録されている領域の前に記録(コピー)されていると、光ディスク100が光ディスク装置1に挿入された際、まずROM層の管理情報を認識することになる。しかしながら、この動作は、認識しなくてよい情報も認識することとなり、無駄な動作となる。よって、ROM層の管理情報がRE層の管理情報が記録されている領域の前に記録(コピー)されていると、処理速度が遅くなるとともに、消費電力を無駄にすることになる。
【0122】
なお、ROM層の管理情報が記録されている領域よりも前の領域に、RE層の管理情報を読み込む指示を示す情報を記録しておくことも可能である。しかしながら、光ディスク100を光ディスク装置1に挿入して再生動作を行うたびに当該指示を読み込み、その後にRE層の管理情報が記録された領域まで光ピックアップ12を移動させる必要があるため、無駄な動作を発生させることとなる。よって、ROM層の管理情報が記録されている領域よりも前の領域に、RE層の管理情報を読み込む指示を示す情報を記録しておく場合にも、処理速度が遅くなるとともに、消費電力を無駄にする。
【0123】
従って、ROM層の管理情報は、RE層の管理情報が記録された領域の後または内部に記録(コピー)されていることが好ましい。
3.実施例2:マルチアングル
以下、本発明に係る光ディスク100のROM層にマルチアングル映像情報が記録され、かつ、そのマルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報をユーザが選択した選択結果がRE層に記録されている場合について、まずは概要を説明し、次に、複写情報が、ROM層に記録されたマルチアングル映像情報の一部である例、および、ROM層の管理情報である例について説明する。
【0124】
なお、以下では、光ディスク100の構成、光ディスク装置1の構成・動作について、上述した内容を基本とし、これと異なる部分のみを説明する。
3-1.光ディスク100の記録層L1(ROM層)に記録されている情報について
本実施例においては、ROM層のユーザデータ領域103にマルチアングル映像情報が記録されている。マルチアングル映像情報は、ある撮影対象物を複数のアングルから撮影した映像情報および、該映像情報に関する情報の総称である。
【0125】
そして、マルチアングル映像情報は、少なくとも、一のアングルから撮影されたシングルアングル映像情報(以下、アングル映像情報と称する)と、該アングル映像情報に関する情報である、アングル映像属性情報を上記複数のアングルそれぞれについて有している。マルチアングル映像情報は、記録されている全時間に渡って存在してもよいし、一部の時間にのみ存在してもよい。
【0126】
アングル映像情報は、上述の通り、一のアングルから撮影されたアングル映像に関する情報を表す。より具体的には、アングル映像に関する情報とは、そのアングル映像を示す静止画ないし動画データを意味する。
【0127】
アングル映像属性情報は、撮影した対象物(人、物、景色など)、撮影したアングル(例えば野球場やサッカー場におけるカメラの撮影方向、対象物との距離など)等の個々のアングル映像の属性を示す情報であって、アングル映像を説明するための情報であると考えてよい。なお、アングル映像属性情報は、上記の属性情報に限定されず、種々の映像に関する情報を含む構成であってよい。
【0128】
なお、アングル映像情報およびアングル映像属性情報は、複数のアングルから撮影対象物を撮影した場合、少なくともそのアングルと同数だけ生成される。また、アングル映像情報およびアングル映像属性情報は、上記複数のアングルのアングル位置を固定して撮影した場合、撮影した回数と少なくとも同数だけ生成される。このとき、例えば1つのアングルから10の静止画を撮影したのであれば、撮影した回数は10となる。あるいは、撮影に使用したカメラで区別してもよい。この場合、カメラの台数がアングル数となる。
【0129】
さらに、ROM層には、表示装置7に表示される複数のアングル映像情報の中から、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報(選択済シングルアングル映像情報)をユーザが選択するときに、その選択方法の具体的な例を示す選択例が記録されていてもよい。
【0130】
これにより、映像情報読出部24が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部と共に、上記選択例が表示装置7に表示される。従って、ユーザは、その選択例そのものを選択、またはこれを参考にして、視聴したいアングル映像情報を選択することが可能となる。
【0131】
また、ROM層には、接続画像が含まれていてもよい。接続画像は、ユーザが選択した複数のアングル映像情報を連続して再生する場合であって、再生される順序が隣り合う2つのアングル映像情報の間に再生時間の非連続性が生じる場合に、その非連続性を埋めるために挿入される画像である。
3-2.光ディスク装置1のより詳細な構成
次に、本実施例における光ディスク装置1の構成について図4を参照して説明する。図4は、記録再生回路群制御部23の詳細を説明するためのブロック図である。
【0132】
本実施例における光ディスク装置1では、記録再生回路群制御部23は、主として、映像情報読出部(読出手段)24、映像表示制御部(表示制御手段)25、選択要求部(選択手段)26、選択映像記録制御部(記録制御手段)27、及び映像挿入部(挿入手段)28を備える。そして、記録再生回路群制御部23は、映像情報読出部24、映像表示制御部25、選択要求部26、選択映像記録制御部27、及び映像挿入部28の各部を統括制御すると共に、各部の指示を受けて記録再生回路群10などを駆動させるものである。
【0133】
以下、記録再生回路群制御部23に含まれる映像情報読出部24などの各部の詳細を説明する。
3-2-1.記録再生回路群制御部23に含まれる各部詳細について
映像情報読出部24は、ディスク装填認識部3から検出信号を受信したディスク装填確認部22が光ディスク装置1に光ディスク100が挿入されたことを確認した後に、光ディスク100のROM層に記録されたマルチアングル映像情報を読み出すものである。なお、上述したように、マルチアングル映像情報は、少なくとも、複数のアングル映像情報と、それに付随するアングル映像属性情報とを含む。
【0134】
映像表示制御部25は、映像情報読出部24からマルチアングル映像情報を取得して、そのマルチアングル映像情報を光ディスク装置1の外部に設けた表示装置7に表示させるものである。なお、表示方法の詳細は後ほど説明する。また、ここでは表示装置7は光ディスク装置1の外部に設けるものとして説明したが、光ディスク装置1に表示装置7が組み込まれる構成であってもよい。
【0135】
選択要求部26は、表示装置7に表示されたマルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報をユーザに選択させるものである。具体的には、選択要求部26は、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報をユーザに選択させるための選択要求信号を記録再生回路群制御部23に出力する。記録再生回路群制御部23は、その選択要求信号を受けて、視聴を希望するアングル映像情報を選択するようユーザに選択要求する。その際、例えば表示装置7の表示画面に「視聴したいアングル映像を選択ください」といった選択要求メッセージを表示し、アングル映像情報が選択可能な状態に設定される。なお、視聴を希望するアングル映像情報を選択するようユーザに選択要求する主体は、記録再生回路群制御部23でなくとも、選択要求部26が行う構成であってもよい。
【0136】
次に、ユーザは、表示装置7に表示されたマルチアングル映像情報の中から、操作部6での操作を介して、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報を選択する。
【0137】
選択映像記録制御部27は、操作部6での上記操作を経て、ユーザが選択した1又は複数のアングル映像情報を特定し、その1又は複数のアングル映像情報を記録可能な記録層(L0層)に記録させる。具体的には、選択映像記録制御部27の指示を受けた記録再生回路群10が、レーザ駆動回路14を介して記録条件を設定し、光ピックアップ12から記録用のレーザビームを光ディスク100のL0層に照射することによって、光ディスク100にユーザが選択した1又は複数のアングル映像情報を記録させる。
【0138】
このとき、選択映像記録制御部27は、選択要求部26がユーザに選択させた選択結果に付随する情報である選択結果属性情報を併せてL0層に記録させてもよい。なお、選択結果属性情報は、例えば、光ディスク装置1においてユーザ登録等の設定が可能であれば、誰が選択したのか、何に注目して選択したのか、といった情報である。
【0139】
これにより、光ディスク100が再び光ディスク装置1に挿入されたときに、映像表示制御部25は、その選択結果属性情報を表示装置7に表示させることができる。これにより、ユーザは、過去の選択結果の有無や内容を知ることができる。さらに、ユーザは、その選択結果を参考にして、新たに視聴を希望するアングル映像情報を選択することができる。また、光ディスク100が別の光ディスク装置に挿入された場合でも、選択結果および選択結果属性情報を表示装置7に表示させることができ、これにより、ユーザは、過去の選択結果の有無や内容を知ることができる。さらに、ユーザは、その選択結果を参考にして、新たに視聴を希望するアングル映像情報を選択することができる。
【0140】
なお、所望の選択結果および、サプライヤーによって予め記録されている選択例(なくてもよい)の選択は、選択要求部26がユーザに要求するものである。具体的には、選択要求部26は、選択結果および選択例をユーザに選択させるための選択要求信号を記録再生回路群制御部23に出力する。記録再生回路群制御部23は、その選択要求信号を受けて、希望する選択結果および選択例を選択するようユーザに選択要求する。その際、例えば表示装置7の表示画面に「再現したい選択肢をお選びください」といった選択要求メッセージを表示し、選択結果および選択例が選択可能な状態に設定される。なお、所望の選択結果および選択例を選択するようユーザに選択要求する主体は、記録再生回路群制御部23でなくとも、選択要求部26が行う構成であってもよい。
【0141】
映像挿入部28は、異なるアングル映像情報を連続再生するときに動作するものである。具体的には、再生される順序が隣り合う2つのアングル映像情報であって、異なるアングル、異なる時間に撮影されたアングル映像情報を連続的に再生する場合等において、2つのアングル映像情報の再生時間に非連続性が生じることがある。そのような場合、何も表示されない状態の表示画面が発生するなど、その非連続性に起因して2つのアングル映像情報のつなぎに不自然さが生じることがある。
【0142】
このとき、映像挿入部28が、上記非連続性を埋めるための接続画像を2つのアングル映像情報の間に挿入する。これにより、2つのアングル映像情報の間のつなぎに生じていた不自然さを軽減することができる。
【0143】
なお、映像挿入部28は、変形していく間の映像をコンピュータによって補完して作成するモーフィング技術、あるいは、輝度変化や色差変化を検出してつなぎ画像を自動生成するシーンチェンジ技術などの公知技術を適用することができる。そして、当該技術により、2つのアングル映像情報の間にフェードアウト効果やグラデーション効果を実現し、上記非連続性に起因して生じた2つのアングル映像情報のつなぎの不自然さを軽減することができる。なお、映像挿入部28は、モーフィング技術やシーンチェンジ技術などの従来技術を援用してよいため、ここでの詳細説明は省略する。
【0144】
また、接続画像は、予め光ディスク100のROM層に記録されていても、あるいは、光ディスク装置1が、外部に接続したインターネット端末装置8を介して取得してもよい。
3-3.光ディスク装置1に光ディスク100を挿入した後の処理の流れ
次に、〔制御部20に含まれる各部詳細について〕で説明した制御部20に含まれる各部の処理の流れを図5を参照して説明する。
【0145】
図5は、光ディスク装置1に光ディスク100を挿入した後の処理の流れを示すフローチャートである。
【0146】
まず、S10で、光ディスク100が光ディスク装置1に挿入される。なお、光ディスク100は、図3を参照して説明した構造を有しており、〔光ディスク100の記録層L1(ROM層)に記録されている情報について〕で説明した各種情報(登録情報)が予めROM層に記録されているものとする。
【0147】
次に、S12では、制御部20がピックアップ駆動回路13を介して光ピックアップ12を駆動させ、RE層に記録された情報の読み込みが行われる。このとき、ROM層よりもRE層を優先的に読み込むように設定しておき、RE層にデータが記録されていない場合にのみ、ROM層の読み込みを行うように設定しておくことが好ましい。これにより、RE層に記録された情報を優先的に読み込むことができる。
【0148】
続いて、S14では、ROM層に選択結果および選択結果属性情報が記録されているかどうかが確認され、記録されている場合には、映像表示制御部25がその選択結果および(または)選択結果属性情報を表示装置7に表示させる(S16)。なお、光ディスク100が初めて光ディスク装置1に挿入されたときは、選択結果および選択結果属性情報はRE層に記録されていない場合がある。この場合、S14ではNOとなりS20に進む。
【0149】
S18では、表示装置7に表示された選択結果および選択結果属性情報に基づいて、ユーザは、何れの選択結果および選択結果属性情報を選択するかを決定する。
【0150】
具体的な処理の流れとしては、選択要求部26が、選択結果および選択結果属性情報をユーザに選択させるための選択要求信号を記録再生回路群制御部23に出力する。記録再生回路群制御部23は、その選択要求信号を受けて、希望する選択結果および選択結果属性情報を選択するようユーザに選択要求する。その際、例えば表示装置7の表示画面に「再現したい選択結果をお選びください」といった選択要求メッセージを表示し、選択結果および選択結果属性情報が選択可能な状態に設定される。なお、選択結果および選択結果属性情報を選択するようユーザに選択要求する主体は、上記では記録再生回路群制御部23であるものとして説明したが、選択要求部26であってもよい。
【0151】
S20は、S18において再現したい選択結果および選択結果属性情報が存在しない場合に該当する。一方、再現したい選択結果および選択結果属性情報が存在する場合には、その選択結果を選択することによりS26に進む。
【0152】
S20では、映像表示制御部25は、映像情報読出部24からマルチアングル映像情報を取得して、そのマルチアングル映像情報を表示装置7に表示させる。
【0153】
そして、S22において、選択要求部26が、表示装置7に表示されたマルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報をユーザに選択させる。その詳細は上述したため、ここでの説明は省略する。
【0154】
次に、S24では、選択映像記録制御部27が、ユーザによる操作部6での選択操作を経て、ユーザが視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報を特定し、その1又は複数のアングル映像情報をRE層に記録させる。選択の動作が行われるのに伴い、逐次RE層記録されてもよいし、逐次的にはメモリ5に記録され、選択がすべて終わった時点で、RE層にまとめて記録されてもよい。
【0155】
最後に、S26では、RE層に記録された選択内容(ユーザが視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報)が再生され、ユーザは、自身が希望するアングル映像情報を視聴することができる。S26の選択内容の再生は、別の光ディスク装置で行うこともできる。例えば、S20〜S24のマルチアングル映像情報の選択および記録は、操作性の高いパソコンで行い、S26の選択内容の再生は、画質のよいテレビで見るため、パソコンに付随している光ディスク装置1とは別の光ディスク装置1により再生してもよい。
3-3-1.選択させるための表示方法について
次に、映像表示制御部25が、映像情報読出部24から取得したマルチアングル映像情報を表示装置7に表示し、ユーザに選択させる表示方法について説明する。
【0156】
まず、映像表示制御部25が、マルチアングル映像情報すべてを表示装置7の一画面内に表示させる。このとき、アングル映像情報をアングルごとに区分して表示する。従って、表示画面はアングル数で分割されることになる。また、撮影されたアングルに関する情報などを示すアングル映像属性情報を併せて画面上に表示してもよい。
【0157】
上記構成によれば、マルチアングル映像情報が表示装置7の一画面内に表示されるため、ユーザは、すべてのアングル映像情報を一目で確認でき、選択すべきアングル映像情報を容易かつ迅速に選択することができる。なお、各アングルに包含されるアングル映像情報は、時間ごとに細切れに表示される構成でよい。
【0158】
あるいは、マルチアングル映像情報の他の表示方法として、映像表示制御部25が、アングル映像すべてを表示装置7の一画面内に同時に表示させてもよい。つまり、表示画面に表示するアングル映像情報をPinP機能を用いて表示する方法である。これにより、ユーザは、アングル映像情報を一目で確認でき、またアングル映像情報であるため映像内容を明確に知ることができるため、選択すべきアングル映像情報を容易かつ迅速に選択することができる。なお、PinP機能は従来の方法で動作させればよいため、ここでの詳細説明は省略する。
【0159】
ここで、ユーザによって選択されたアングル映像情報の記録先は、光ディスク100のRE層に直接記録しても、あるいは、光ディスク装置1のメモリ5に一旦記録し、後で光ディスク100のRE層に記録してもよい。ただし、メモリ5にアングル映像情報を記録する場合と光ディスク100のRE層に記録する場合とを比較すると、メモリ5にアングル映像情報を記録する方が、処理速度が速い分だけアングル映像情報の再生選択とほぼ同時に記録可能なため、複数のアングル映像情報を記録する場合に光ディスク装置1への負荷を軽減することができる。
【0160】
また、マルチアングル映像情報の表示方法として、アングル映像情報そのものではなく、アングル映像属性情報を画面上に表示する方法が挙げられる。具体的には、撮影対象と各アングルの相対位置を表示する、または、撮影対象などが時間の経過に伴い変化する場合には、図面やグラフでその変化の内容を表示する、といった方法である。これらの図面やグラフ等は、例えばディスクサプライヤーや映像提供会社が光ディスク100のRE層に予め記録しておけばよく、ユーザが視聴を希望するマルチアングル映像情報を選択するときに、映像表示制御部25が表示画面上に表示させ、選択要求部26がユーザに所望のマルチアングル映像情報を選択させればよい。
【0161】
以下、その具体例について説明する。図6は、表示装置7に表示されるマルチアングル映像属性情報の一例を示す図である。
【0162】
まず、同図について説明する。図6(a)は、撮影したアングルごとにアングル映像属性情報を表示した例である。
【0163】
例えば、同図において、マルチアングル映像情報の対象撮影物がA〜Dで示されていたとする。なお、A〜Dは、どのような対象撮影物であってもよく、例えば人、動物、植物、物体、景色等と考えてよい。
【0164】
このとき、アングル1〜アングル3にはA〜Dに係るアングル映像情報が含まれており、アングル4にはAに係るアングル映像情報のみが含まれている。より具体的に説明すると、例えばアングル1では、撮影した時間の順に、C→A→B→D→B→A→D→B→C→A→Dという撮影対象物のアングル映像情報が含まれている。これにより、ユーザは、表示装置7の表示画面を確認して、アングル1の撮影対象物がA〜Dの何れであるかを知ることができ、かつ、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報を容易に選択することができる。なお、選択方法は、例えばアングル1の最初の「C→A→B」を視聴したいときは、それらの領域をクリックする、といった方法でよい。また、リモコンの数字ボタンなどを押す、といった方法でもよい。
【0165】
なお、同図ではアングルごとにアングル映像情報を区分しているが、撮影した時間ごとにマルチアングル映像情報を区分する方法で表示してもよい。また、同図ではA〜Dを異なる色(模様)で表現しているが、色(模様)ではなく、文字等のアングル映像属性情報で表現してもよい。
【0166】
次に、図6(b)について説明する。同図は、撮影したアングルの方向を撮影場所の写真や図面上に表したものである。なお、同図では、撮影場所はステージであり、そのステージの写真(図面)上に撮影した6つのアングルが表示されている。
【0167】
このとき、ユーザは、視聴を希望するアングルがアングル1であれば、そのアングル1を示す領域をクリックする、またはリモコンの数字ボタンなどを押すことにより、アングル1に含まれるアングル映像情報を選択することができる。なお、図示していないが、例えばアングル1を示す領域をクリックすると、次にアングル1に含まれる複数のアングル映像属性情報を示す画面(例えば図6(a)のアングル1の表示)が登場するようにしてもよい。
【0168】
以上の操作により、ユーザは、撮影場所と撮影されたアングルとを対応付けて確認し、そのうえで視聴を希望するアングルを選択することができる。
【0169】
次に、図6(c)について説明する。同図は、撮影したアングルの方向および撮影範囲を、撮影場所の写真や図面上に表したものである。なお、同図では、撮影場所は野球場であり、その野球場の写真(図面)上に撮影した4つのアングルを示している。
【0170】
このとき、ユーザは、視聴を希望するアングルがアングル3であれば、そのアングル3を示す領域をクリックすることにより、アングル3に含まれるアングル映像情報を選択することができる。なお、アングル3を示す領域上にポインタ等を移動することにより、撮影範囲が画面上に表れるようにすれば、アングル3の撮影範囲をユーザに知らせることができる(図6(c)では、アングル3の撮影範囲が示されている)。これにより、ユーザは、所定の撮影範囲の映像を視聴したい場合に、その撮影範囲がアングル1〜アングル4の何れに包含されるのかを容易に確認することができる。
【0171】
以上、図6(a)〜図6(c)を参照して、マルチアングル映像属性情報の種々の表示方法を例示した。しかしながら、マルチアングル映像情報の表示方法は上記3つに限定されず、種々の方法およびこれらの組み合わせで表示することができる。また、上記のマルチアングル映像情報を表示するとともに、マルチアングル映像属性情報を表示してもよい。
【0172】
以上の方法により、ユーザは、好みの人物(歌手・役者・演奏者・スポーツ選手)、物体(楽器・ボールなどのスポーツ競技道具)などの対象物に注目したアングル、または好きなアングルを容易に選択でき、映像を楽しむことができる。
3-3-2.ユーザによるアングル映像情報の選択と選択結果の記録
次に、アングル映像情報の選択結果を記録する動作の一例を図7を参照して説明する。
3-3-2-1.映像データそのものを選択する場合
最初にアングル映像情報そのものを複写情報とする場合について説明する。
【0173】
図7は、アングル映像情報を選択し、その選択結果をメモリ5を介してまたは直接光ディスク100のRE層に記録する動作を説明するフローチャートである。
【0174】
まず、S30で、映像表示制御部25によって表示されたマルチアングル映像情報またはアングル映像属性情報から、視聴を希望する1又は複数のアングル映像情報をユーザが選択する。
【0175】
次に、S32では、S30での選択結果の記録先が光ディスク100のRE層(R層でも可)であればS36に進む(S32でYES)。一方、S30での選択結果の記録先がメモリ5であればS34に進む(S32でNO)。なお、光ディスク100のRE層または光ディスク装置1のメモリ5の何れを選択結果の記録先とするかは、いずれでもよいが、表示方法などにより光ディスク装置1の処理速度が限られる場合、メモリ5に記録する方が高速に処理できる。
【0176】
S34は、S30での選択結果の記録先が光ディスク装置1のメモリ5の場合に該当する。この場合、記録動作の処理速度は速く、アングル映像情報の選択とほぼ同時に選択開始位置からメモリ5に記録される。
【0177】
一方、S36は、S30での選択結果の記録先が光ディスク100のRE層の場合に該当する。この場合、光ピックアップ12は、ROM層の再生とRE層への記録を並列して行わなければならないため、再生開始位置から追っかけ記録することになる。つまり、再生動作と記録動作との間には時間的なずれが生じる。
【0178】
S38では、S34およびS36での選択結果の記録が終了した後で、あるいは記録動作を行っている最中に、さらに選択すべきアングル映像情報があるかどうかをユーザに確認する。この確認は、例えば映像表示制御部が表示装置7の表示画面に「さらに選択すべきアングル映像情報がなければここをクリックしてください」といったメッセージを表示させ、選択すべきアングル映像情報が存在しない場合に、ユーザが上記クリックを行い、それにより選択動作が終了する、それ以外の場合には選択動作を続ける、といった方法で行えばよい。
【0179】
そして、さらに選択すべきアングル映像情報が存在する場合にはS40に進み(S38でYES)、選択すべきアングル映像情報が存在しない場合にはS42に進む(S38でNO)。
【0180】
S40では、選択切替時間を補正し、記録する。すなわち、ユーザがクリックやボタンなどにより選択の指示を出すタイミングは、実際には映像が切り替わった後となってしまうが、これを自動的に補正するものである。選択切替時間は、GOP(Group Of Pictures)の境界や、PTS(Presentation Time Stamp)値を用いて判断すればよい。
【0181】
S42は、S38において選択すべきアングル映像情報が他に存在しない場合に該当する。このとき、上述した「さらに選択すべきアングル映像情報がなければここをクリックしてください」といったメッセージに従い該当部分をクリックすることにより、S38からS42に進む。
【0182】
S42に進むと、映像表示制御部25は表示装置7におけるアングル映像情報の表示を終了させ、S44に進む。
【0183】
S44では、S34およびS36で記録されたアングル映像情報とは別の項目情報、例えばユーザ名、選択日時などの選択結果を示す情報が選択映像記録制御部27によって記録される。なお、記録先がメモリ5であった場合、これらをRE層に記録する動作も行われる。
【0184】
S44で選択結果の記録が終わるとS46に進み、アングル映像情報の選択動作がすべて終了する。
【0185】
以上により、光ディスク100を他の光ディスク装置1に挿入した場合には、マルチアングル映像情報からアングル映像情報を再度選択する動作をユーザに要求することなく、光ディスク装置1において選択されてRE層に記録された、選択済シングルアングル映像情報(選択結果)をユーザに視聴させることができる。さらに、RE層には、アングル映像情報そのものが記録されているため、他の光ディスク装置1がマルチアングル機能に対応していない場合でも、選択済シングルアングル映像情報(選択結果)をユーザに視聴させることができる。
3-3-2-2.プレイリストを選択する場合
次に、アングル映像情報のプレイリストをRE層に記録する場合について説明する。この場合、ROM層の管理情報を複写情報とする。
【0186】
なお、プレイリストとは、ファイル管理情報の1つであって、光ディスク100のROM層に記録されたアングル映像情報を、ユーザの好みに従って再生順序をリスト化したものである。例えばタイトルや撮影対象ごとにリストを作成できるため、プレイリストを使用することにより、ユーザは、タイトルや撮影対象を基準にして、視聴したい映像をすぐに再生することができる。
【0187】
アングル映像情報のプレイリストを複写情報とする場合、ユーザによって選択されたアングル映像情報を、例えば該情報に対応する区間(IN点、OUT点)で認識することになり、これを一旦メモリ5に記録して、後ほど光ディスク100のRE層に記録、あるいは直接光ディスク100のRE層に記録する。
【0188】
この場合でも、選択切替時間を補正して、記録することが好ましい。すなわち、ユーザがクリックやボタンなどにより選択の指示を出すタイミングは、実際には映像が切り替わった後となってしまうが、これを自動的に補正するものである。選択切替時間は、GOP(Group Of Pictures)の境界や、PTS(Presentation Time Stamp)値を用いて判断し、補正されたIN点、OUT点を記録すればよい。
【0189】
以上より、光ディスク100を他の光ディスク装置1に挿入した場合には、マルチアングル映像情報からシングルアングル映像情報を再度選択する動作をユーザに要求することなく、光ディスク装置1において選択されてRE層に記録された、選択済シングルアングル映像情報(選択結果)をユーザに視聴させることができる。さらに、RE層には、ROM層に記録されているアングル映像情報のプレイリストが記録されているため、容量が少なくてすみ、多くの選択結果を記録することができる。また、空き容量をバージョンアップ情報などの他の情報を記録する場合に利用できる。
【0190】
また、ユーザにより選択されたシングルアングル映像情報を再生する場合には、まずプレイリストが読み込まれ、再生指示とRE層に記録(コピー)されているROM層のファイル管理情報とから、ROM層のどの位置(アドレス)を再生すればよいかがわかる。すなわち、ROM層のファイル管理情報(複写情報)とRE層のファイル管理情報(プレイリスト)とが一元管理され、層間ジャンプする回数を減らすことができ、故障の可能性を減らすことができる。
【0191】
さらに、ROM層のファイル管理情報がRE層のファイル管理情報の開始位置より外周側に記録されていれば、ユーザの指示であるプレイリストが先に読み込まれることになる。従って、当該プレイリストを読み込んだ後に、ROM層のファイル管理情報が読み込まれることになり、その読み込み動作が光ディスク100の内周側から外周側へ向かっていくことになるため、簡易な動作で済ませることができる。すなわち、ROM層のファイル管理情報が記録された領域の前にRE層の読み込み指示を示す情報を記録しておく必要がなくなり、また、ROM層のファイル管理情報のすべてを毎回読み込みに行くという無駄な動作が必要でなくなる。
【0192】
〔本実施の形態による効果〕
次に、本実施の形態に係る光ディスク装置1、及び光ディスク100による効果を説明する。
【0193】
光ディスク装置1は、情報を読み出すことのみ可能なROM層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能なRE層又はR層(以降では、便宜上RE層のみ記載する)と、を備えた光ディスク100に対して情報の記録または再生を行う光ディスク装置1であって、ROM層に記録されている情報である登録情報を読み出す映像情報読出部24と、映像情報読出部24が読み出した登録情報の少なくとも一部を、RE層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる選択映像記録制御部27と、を備えることを特徴としている。
【0194】
また、光ディスク100は、情報を読み出すことのみ可能なROM層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能なRE層と、を備えた光ディスク100であって、ROM層に記録されている情報である登録情報の少なくとも一部が、RE層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録されていることを特徴としている。
【0195】
また、光ディスク装置1の制御方法は、情報を読み出すことのみ可能なROM層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能なRE層と、を備えた光ディスク100に対して情報の記録または再生を行う光ディスク装置1の制御方法であって、ROM層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出ステップと、読出ステップにて読み出された登録情報の少なくとも一部を、RE層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御ステップと、を含むことを特徴としている。
【0196】
光ディスク装置1に挿入される光ディスク100は、ROM層及びRE層を備え、ROM層は、情報を読み出すことのみ可能な情報記録層であり、RE層は、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な情報記録層である。そして、光ディスク装置1では、映像情報読出部24がROM層に記録されている登録情報を読み出し、選択映像記録制御部27が登録情報の少なくとも一部をRE層に記録させることが好ましい。
【0197】
従って、RE層への読出動作のみでRE層に記録された登録情報の少なくとも一部(以下、RE層に記録された登録情報の少なくとも一部を「複写情報」と称する。)を読み出すことができ、ROM層への読出動作が不要となる。これにより、ROM層とRE層との間を層間ジャンプして、複写情報をROM層から読み出す必要もなくなり、光ディスク装置1の処理速度を速めることができる。
【0198】
さらに、光ディスク装置1では、複写情報は、RE層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録されることが好ましい。
【0199】
従って、光ディスク装置1に光ディスク100が挿入された際に、まずRE層のファイル管理情報が読み込まれることになる。ここで、一般的に、ファイル管理情報はユーザの指示等が記録されることになるため、指示等に基づいて他の情報を読み込めばよいこととなり、ROM層及びRE層に記録された各種情報の実質的な一元管理が可能となる。そして、ユーザの指示等が記録されているファイル管理情報が複写情報よりも先に読み込まれることになるため、必要のない複写情報を読み込むことによって生じる、無駄な動作による処理速度の低下や消費電力の増加といった特許文献1・3の課題を解決することができる。また、登録情報を光ディスク装置1側のメモリに記録する必要がなくなるため、特許文献4・5の技術では解決できなかった、光ディスク100側で情報の一元管理を実現することができる。
【0200】
このような理由により、光ディスク装置1では、装置自体の処理速度を速めることができ、さらに、RE層に記録される複写情報をROM層から読み出す動作を省略することができることから、動作回数を低減でき、その結果、光ディスク装置1に発生する故障等の頻度を抑えることができる。
【0201】
加えて、複写情報は、光ディスク装置1側のメモリではなく、光ディスク100のRE層に記録される。それゆえ、光ディスク装置1から光ディスク100を取り出した時点でRE層に複写情報が記録されているため、その光ディスク100を他の光ディスク装置1で使用する場合においても、RE層に記録された情報を読み出すだけで、本来ROM層に記録されている複写情報を読み出すことが可能となる。これにより、他の光ディスク装置1においても、ROM層への読出動作を省略することができるため、光ディスク装置1側の処理速度を速めることができる。
【0202】
さらに、OSやアプリケーション等のセキュリティーを向上させる目的や、より使いやすいものにバージョンアップすることを目的として更新(最新)情報を取得し、その更新情報を光ディスク100に記録する場合、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能なRE層に更新情報が記録される。それゆえ、複写情報がRE層に記録されていることにより、複写情報や更新情報等をRE層において一元的に管理できるようになるという効果を奏する。これにより、複写情報や更新情報等を光ディスク装置1側の記録媒体に記録する必要がなくなり、特許文献4・5が解決できなかった、光ディスク100側での情報の一元管理を実現することができる。
【0203】
さらに、光ディスク装置1では、登録情報は、ROM層に記録されたファイル管理情報を含むことが好ましい。RE層への情報の読出動作のみにより、ROM層に記録されていたファイル管理情報を読み出すことが可能となる。つまり、ROM層からファイル管理情報を読み出す動作、及びその動作に要する処理時間を削減することができる。
【0204】
なお、ファイル管理情報は、光ディスク100に記録されたファイルを管理するための情報である。また、RE層は、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な情報記録層であって、更新情報や新たな情報(ファイル)はRE層に追記録されていく。
【0205】
従って、RE層にファイル管理情報が記録されていれば、そのファイル管理情報を更新することも可能となり、ユーザにとって光ディスク100に記録されたファイルの管理が容易になるという効果を奏する。
【0206】
さらに、光ディスク装置1では、登録情報は、登録情報のインデックスを含むことが好ましい。
【0207】
一般に、インデックスとは、情報(データ)の検索速度を向上させるために、どの情報がどこに存在するかを示した索引、テーブル、見出し等のことを言う。
【0208】
従って、RE層に登録情報のインデックスが記録されるため、RE層への読み出し動作のみにより、登録情報のインデックスを確認することができるようになる。
【0209】
それゆえ、ユーザは、ROM層に記録されている登録情報を効率的に検索することができるという効果を奏する。
【0210】
さらに、光ディスク装置1では、登録情報は、複数のアングルから撮影されたマルチアングル映像に関する情報であるマルチアングル映像情報を含み、マルチアングル映像情報は、一のアングルから撮影されたシングルアングル映像に関する情報であるシングルアングル映像情報を複数のアングルそれぞれについて有しており、映像情報読出部24が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部を表示装置7に表示させる映像表示制御部25と、映像表示制御部25によって表示されたマルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をユーザに選択させる選択要求部26と、を備え、選択映像記録制御部27は、選択要求部26がユーザに選択させた1又は複数のシングルアングル映像情報を選択済シングルアングル映像情報としてRE層に記録させることが好ましい。
【0211】
映像表示制御部25は、映像情報読出部24が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部を表示装置7に表示させる。そして、選択要求部26は、表示装置7に表示されたマルチアングル映像情報の少なくとも一部の中から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をユーザに選択させる。そのうえで、選択映像記録制御部27は、選択要求部26がユーザに選択させた1又は複数のシングルアングル映像情報をRE層に記録させる。その結果、ユーザが視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報が選択済シングルアングル映像情報としてRE層に記録されることになる。
【0212】
従って、光ディスク100を他の光ディスク装置に挿入した場合には、シングルアングル映像情報の選択動作を再びユーザに要求することなく、光ディスク装置1において選択されてRE層に記録された選択済シングルアングル映像情報をユーザに視聴させることができる。
【0213】
このように、利便性に優れた光ディスク装置1をユーザに提供することができる。
【0214】
さらに、光ディスク装置1では、選択済シングルアングル映像情報は、1又は複数のシングルアングル映像情報がリスト化されたプレイリストであることが好ましい。
【0215】
マルチアングル映像情報からシングルアングル映像情報を再度選択する動作をユーザに要求することなく、RE層に記録された選択済シングルアングル映像情報をユーザに視聴させることができる。しかも、選択済シングルアングル映像情報はリスト化されたプレイリストとして記録されているため、必要とする記録容量は少なくて済み、多くの選択済シングルアングル映像情報をRE層に記録することが可能となる。そして、空いた記録容量をバージョンアップ情報等の記録に活用することもできる。
【0216】
なお、プレイリストとは、ファイル管理情報の1つであって、ROM層に記録されたアングル映像情報をユーザの好みに従って再生順序をリスト化したものである。例えば、タイトルや撮影対象ごとにリストを作成できるため、プレイリストを使用することにより、ユーザは、タイトルや撮影対象を基準にして、視聴したい情報(映像情報等)をすぐに再生することができる。
【0217】
さらに、光ディスク装置1では、映像表示制御部25によって表示されるシングルアングル映像情報は、そのシングルアングル映像情報に対応するシングルアングル映像の属性を示すシングルアングル映像属性情報を含むことが好ましい。
【0218】
表示装置7には、シングルアングル映像属性情報が表示される。そして、そのシングルアングル映像属性情報として、例えば、撮影されたアングルの位置、撮影対象物との距離、撮影者、撮影日時などが挙げられる。
【0219】
従って、ユーザは、実際のシングルアングル映像そのものではなく、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をシングルアングル映像属性情報に基づいて選択することが可能となるため、選択動作を短時間で終わらせることができる。
【0220】
また、表示装置7に表示されるシングルアングル映像属性情報は、シングルアングル映像そのものよりも容量が小さいため、表示装置7にシングルアングル映像属性情報を表示する処理を行う際の光ディスク装置1への負荷を小さくすることができ、それゆえ、処理速度を上げることも可能となる。
【0221】
加えて、高速のCPUやメモリ容量の大容量化が必要でなくなるため、光ディスク装置1の複雑化、高コスト化を防ぐことができる。
【0222】
さらに、光ディスク装置1では、選択映像記録制御部27は、シングルアングル映像とシングルアングル映像に関するシングルアングル映像属性情報とを対応付けてRE層に記録させることが好ましい。
【0223】
RE層に記録された1又は複数のシングルアングル映像情報を再生するときに、シングルアングル映像に対応する属性情報(撮影されたアングルの位置、撮影対象物など)も表示させることができる。そして、その属性情報を確認することにより、ユーザは、撮影されたアングルの位置、撮影対象物などを知ることができ、再生されたシングルアングル映像の詳細を正確に把握することができる。
【0224】
さらに、光ディスク装置1では、選択映像記録制御部27は、1又は複数のシングルアングル映像情報を、シングルアングル映像が撮影された時間の順にRE層に記録させることが好ましい。
【0225】
シングルアングル映像が撮影された時間の順に1又は複数のシングルアングル映像情報をRE層に記録させておけば、撮影された時間の順序で1又は複数のシングルアングル映像情報を再生する場合に、光ピックアップ12の移動距離を少なくすることができ、それにより再生処理の処理速度を速めることができるという効果を奏する。
【0226】
さらに、光ディスク装置1では、映像表示制御部25は、マルチアングル映像情報のすべてを表示装置7の一画面内に表示させることが好ましい。
【0227】
マルチアングル映像情報が表示装置7の一画面内に表示されるため、ユーザは、すべてのシングルアングル映像情報を一目で確認でき、選択すべきシングルアングル映像情報を容易かつ迅速に選択することができる。
【0228】
さらに、光ディスク装置1では、選択要求部26がユーザに選択させた複数のシングルアングル映像情報を連続して再生する場合であって、再生される順序が隣り合う2つのシングルアングル映像情報の間に再生時間の非連続性が生じる場合に、その非連続性を埋めるための接続画像を挿入する映像挿入部28を備えることが好ましい。
【0229】
再生される順序が隣り合う2つのシングルアングル映像情報であって、異なるアングル、異なる時間に撮影されたシングルアングル映像情報を連続的に再生する場合等において、2つのシングルアングル映像情報の再生時間に非連続性が生じることがある。そのような場合、何も表示されない状態の表示画面が発生するなど、その非連続性に起因して2つのシングルアングル映像情報のつなぎに不自然さが生じることがある。
【0230】
このとき、光ディスク装置1では、映像挿入部28が、非連続性を埋めるための接続画像を2つのシングルアングル映像情報の間に挿入する。これにより、2つのシングルアングル映像情報の間のつなぎに生じていた不自然さを軽減することができる。
【0231】
なお、映像挿入部28は、変形していく間の映像をコンピュータによって補完して作成するモーフィング技術、あるいは、輝度変化や色差変化を検出してつなぎ画像を自動生成するシーンチェンジ技術などの公知技術を適用することが可能である。
【0232】
さらに、光ディスク装置1では、接続画像は、ROM層に記録されていることが好ましい。
【0233】
ROM層に記録されたシングルアングル映像情報に好適な接続画像を予め準備しておくことができるため、ユーザは、シングルアングル映像情報を違和感なく視聴することができる。さらに、接続画像がROM層に記録されているため、ユーザは、外部から接続画像を取得してくる手間を省くことができる。
【0234】
さらに、光ディスク装置1では、接続画像は、外部に接続したネットワークを介して取得されるものであり、選択映像記録制御部27は、接続画像をRE層に記録させることが好ましい。
【0235】
接続画像は外部から取得されるため、ユーザは、より多くの種類の接続画像を取得することができる。また、取得した接続画像はRE層に記録されるため、ユーザの嗜好に合った接続画像をRE層に蓄積していくことができる。
【0236】
さらに、光ディスク装置1では、選択要求部26がユーザに選択させた選択済シングルアングル映像情報、または、映像表示制御部25によって表示されたマルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報を選択する選択例が、RE層に記録されている場合に、映像表示制御部25は、選択要求部26がユーザに選択させた結果を示す情報である選択結果情報、または、選択例を表示装置7に表示させることが好ましい。
【0237】
過去の選択結果、または予め記録されている選択例の有無や内容を知ることができるため、その選択結果そのものを選択、またはその選択結果を参考にして、新たに視聴を希望するシングルアングル映像情報を選択することができる。
【0238】
さらに、光ディスク装置1では、映像表示制御部25によって表示されたマルチアングル映像情報から視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報を選択する選択例、または、選択要求部26がユーザに選択させた選択済シングルアングル映像情報が光ディスク100に記録されており、映像表示制御部25は、映像情報読出部24が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部と共に、選択例、または、選択済シングルアングル映像情報を表示装置7に表示させることが好ましい。
【0239】
映像情報読出部24が読み出したマルチアングル映像情報の少なくとも一部と共に、選択例または選択済シングルアングル映像情報が表示装置7に表示される。従って、ユーザは、どのような選択例または選択済シングルアングル映像情報を視聴しているかを知ることができる。
【0240】
さらに、光ディスク100では、RE層には、シングルアングル映像が再生される時間の順に1又は複数のシングルアングル映像情報が記録されていることが好ましい。
【0241】
シングルアングル映像が再生される時間の順に1又は複数のシングルアングル映像情報がRE層に記録されていることにより、再生される時間の順序で1又は複数のシングルアングル映像情報を再生する場合に、光ピックアップ12の移動距離を少なくすることができ、それにより再生処理の処理速度を速めることができるという効果を奏する。
【0242】
さらに、光ディスク100では、ROM層には、マルチアングル映像情報が再生される時間の順に区切られて記録されていることが好ましい。
【0243】
光ディスク100が挿入される光ディスク装置1がPinP機能によりマルチアングル映像情報を表示して、かつその中から所望のマルチアングル映像情報をユーザに選択させる場合、光ピックアップ12を内周から外周に動作させるだけでよく、往復動作する必要がないため、無駄な動作を省くことができるという効果を奏する。
【0244】
さらに、光ディスク100では、ROM層には、撮影されたアングルごとにマルチアングル映像情報が記録されていることが好ましい。
【0245】
1又は複数のシングルアングル映像情報が、撮影されたアングルごとにROM層に記録されていることにより、例えばアングルごとにチャプター番号を付ける場合には、チャプター番号とアングル番号とを一致させることができる、といった構成を実現することが可能となる。そうすると、光ディスク装置1がユーザに選択させるためにマルチアングル映像情報を表示するとき、あるいは、光ディスク装置1が選択の結果をRE層に記録するときに必要となる動作を容易にすることができる。
【0246】
さらに、光ディスク100では、選択済シングルアングル映像情報が再生される際に、その再生順序を示す情報である再生順序情報がROM層に記録されていることが好ましい。
【0247】
再生順序情報は、例えば、撮影された時間の順にシングルアングル映像を再生することを指示する情報であったり、あるいは、シングルアングル映像が、撮影されたアングルごとに再生されることを指示する情報である。このような再生順序情報は、ディスクサプライヤー(製造業者)や映像提供会社がROM層に予め記録しておけばよく、ユーザは、自ら再生の順序を選択する手間をかけることなく、その再生順序情報に基づいてシングルアングル映像を再生することができる。
【0248】
なお、光ディスク装置1は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを各手段として動作させることにより光ディスク装置1をコンピュータにて実現させる光ディスク装置1の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0249】
〔本発明の別表現〕
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
【0250】
本発明に係る光ディスクは、情報が記録された書き換え禁止領域(ROM層)と、書き換え可能領域(R層又はRE層)を有し、書き換え禁止領域のファイル管理情報が、書き換え禁止領域と、書き換え可能領域に記録されている構成であってよい。なお、ここで言う「ファイル管理情報」とは、物理的なものではなく、ファイル構成を認識するようなソフト的なものを意図している。
【0251】
上記構成により、RE層に記録された情報を読み込むだけで、全ファイルシステムおよびROM層に記録されていた情報を取得することができる。特に、光ディスクを挿入した時点において、RE層からファイル管理領域を読み出す場合に上記構成は有用である。また、もともとROM層に書かれている管理情報(例えばプレイリスト)をRE層に記録するため、最新の情報に逐次更新することができる。例えば、ROM層に1〜n、RE層にn+1〜Nの情報が記録されている場合、これらの関係をいずれかの層で認識しなければならない。この点、RE層に記録された情報が書き換わることで、ROM層とRE層のファイル管理情報をRE層に一元管理することもできる。
【0252】
また、本発明に係る光ディスクは、複数のアングルから撮影されたマルチアングル映像情報が、上記書き換え禁止領域に記録されている構成であってよい。
【0253】
上記構成により、RE層を読み込むだけで、ROM層に記録された内容がマルチアングル映像であるとわかる。また、RE層にプレイリストなどのROM層に関連した情報が記録されている場合、RE層を読み込むだけで、RE層の記録内容とROM層の関連がわかる。
【0254】
さらに、RE層にプレイリストを記録するときに、ROM層の冒頭部までピックアップをシークする必要がない。従って、パーシャルROM層の場合、シーク距離が短くなり、また、2層(コンビディスク)の場合、層間ジャンプをする必要がない。それゆえ、処理速度が速くなるとともに、記録再生装置が動作不良を起こして故障する確率を低下させることができる。
【0255】
また、本発明に係る光ディスクは、光ディスクのアドレスに対して、異なるアングルから撮影された映像が、特定の時間単位ごとに、順々に記録されている構成であってよい。
【0256】
具体的には、光ディスクには、時間T1における撮影映像アングル1-2-3・・、時間T2における撮影映像アングル1-2-3・・・と記録されている。これにより、ユーザに選択させるために全アングルの映像PinP機能で表示するような場合には、ピックアップの移動距離が少なくて済むため、処理速度が速くなる(処理能力が高くなる)という効果を奏する。
【0257】
また、本発明に係る光ディスクは、記録媒体のアドレスに対して、異なるアングルから撮影された映像が、アングルごとに順々に記録されている構成であってよい。
【0258】
具体的には、光ディスクには、アングル1の全情報→アングル2の全情報→アングル3の全情報・・・と記録されている。これにより、チャプタ番号とアングル番号を一致させることができ、特にプレイリストをREに記録する際、映像データの判別・整理が容易になるという効果を奏する。
【0259】
また、本発明に係る光ディスクは、異なるアングルから撮影された映像が、それぞれ別のチャプタとして記録されている構成であってよい。
【0260】
上記構成により、チャプタ番号とアングル番号を一致させることができ、特にプレイリストをRE層に記録する際に、映像データの判別・整理が容易になるという効果を奏する。
【0261】
また、本発明に係る光ディスクは、異なるアングルから撮影された映像情報を再生する時間的順序の選択例が、あらかじめ記録されている構成であってよい。
【0262】
つまり、上記構成は、映像提供会社によって予め選択された再生の時間的順序の選択例(組み合わせ)が記録されているケースなどが該当する。これにより、予想される選択例が予め光ディスクに記録されていることになり、ユーザが自ら再生順序の組み合わせ等を考え、選択する手間を省くことができる。
【0263】
また、本発明に係る光ディスクは、上記選択例が、書き換え不可領域と書き換え可能領域に記録されている構成であってよい。
【0264】
これにより、ROM層の情報は、誤って消去されることを防止できる。また、RE層の情報は、これをユーザの好みに合わせて変えることができる。
【0265】
また、本発明に係る記録再生装置は、書き換え禁止領域と書き換え可能領域を有する記録媒体に記録する記録/再生装置であって、書き換え禁止領域のファイル管理情報が、書き換え可能領域からも読み込める構成であってよい。
【0266】
上記構成により、REを読み込むだけで、全ファイルシステムおよびROM層に記録された情報がわかる。特に、光ディスクを記録再生装置に挿入した辞典で、RE層から記録された情報を読み出す場合に有用である。
【0267】
また、本発明に係る記録再生装置では、上記記録/再生装置が、書き換え禁止領域に記録された情報に関連した情報を書き換え可能領域に記録/再生する記録/再生手段を備え、
該記録/再生手段は、書き換え可能領域を記録/再生する際に、書き換え可能領域に記録されている書き換え禁止領域のファイル管理情報を参照する構成であってよい。
【0268】
上記構成により、RE層に記録または再生する際に、RE層に記録されている情報(内容)がROM層に記録されている情報と関連しているため、ROM層の内容を読み出す必要があるものの、このとき、ROM層の冒頭部までピックアップをシークする必要がない。また、パーシャルROMの場合、シーク距離が短くなり、2層(コンビディスク)の場合、層間ジャンプをする必要がない。よって、処理速度が速くなるとともに、記録再生装置の動作不良を起こして故障する確率を下げることができる。
【0269】
また、本発明に係る記録再生装置では、上記記録/再生装置が、書き換え可能領域に、書き換え禁止領域のプレイリストを記録する構成であってよい。
【0270】
上記構成により、情報が記録されているのと同じ光ディスクにプレイリストが記録されるため、別の記録再生装置でもそのプレイリストを再生することができるという効果を奏する。また、家族の人数分など、多くのアングルの組み合わせを記録できるという効果を奏する。
【0271】
また、本発明に係る記録再生装置では、記録媒体の書き換え禁止領域に複数のアングルから撮影されたマルチアングル映像情報が記録されており、上記記録/再生装置が、ユーザに、アングル映像情報を選択させる選択手段と、上記選択手段により選択された選択結果を、該記録媒体の書き換え可能領域に記録する記録手段と、上記記録手段により記録された選択結果に基づいて、マルチアングル映像情報を再生する再生手段とを有する構成であってよい。
【0272】
上記構成により、マルチアングル映像情報が記録されているのと同じ記録媒体に選択結果が記録されるため、別の記録再生装置でも選択結果を再生することができるという効果を奏する。
【0273】
また、本発明に係る記録再生装置では、上記選択手段により選択された選択結果が、上記選択手段により選択された映像情報そのものである構成であってもよい。
【0274】
上記構成により、マルチアングルに対応していない記録再生装置でも選択結果を再生することができる。一例として、選択作業をパソコンで行い、再生はマルチアングルに対応していない手持ちの記録再生装置で実行することができる。
【0275】
また、本発明に係る記録再生装置では、選択手段が、ユーザに選択させる際、撮影を行ったアングルに対する説明を表示する構成であってもよい。
【0276】
上記構成により、実際の映像を表示せず、アングルの動きなどを表示させて、ユーザに選択させることができる。従って、短時間で選択でき、また、選択手段が大掛かりでなく、コストがかからないという効果を奏する。
【0277】
また、本発明に係る記録再生装置では、選択結果を記録するとともに上記アングルに対する説明も記録し、再生時に再生アングルに対応した説明を、画面の一部に表示する構成であってよい。
【0278】
上記構成により、再生時に撮影対象とアングルの相対位置を知ることができる。
【0279】
また、本発明に係る記録再生装置では、記録再生装置がローカルメモリを備え、選択手段は、同じ映像情報の経過時間に対して、複数のアングルを選択可能であり、該選択された複数のアングルのうち、少なくとも1つのアングルの映像情報は、展開されたデータを書き換え可能領域に記録するとともに、プレイリストとしても記録し、該プレイリストの参照先を、該書き換え可能領域に記録されたデータとする構成であってよい。
【0280】
一般的に、映像データは、光ディスクにおいて圧縮されて記録されており、記録再生装置のローカルメモリに展開されて再生される。しかし、上記構成とすることにより、この展開データをそのままRE層に記録することができるという効果を奏する。また、次回以降、圧縮された映像データを毎回展開する必要がない。
【0281】
また、本発明に係る記録再生装置では、選択されたアングルの切り替え部に、接続部を挿入する接続手段を備える構成であってもよい。
【0282】
上記構成により、例えばフェードアウト効果などをユーザの嗜好に沿って選択することができ、ユーザ好みの映像に仕上げることができる。また、上記構成により、不自然な接続を排除することができる。
【0283】
また、本発明に係る記録再生装置では、挿入する接続部が、記録媒体の書き換え禁止領域に記録されている構成であってもよい。
【0284】
上記構成により、ダウンロード等の動作を伴わず接続部を取得することができる。また、ROM層に記録された映像に合った接続部を予め用意することができる。
【0285】
また、本発明に係る記録再生装置では、記録媒体に記録されていない接続部を挿入可能であり、該挿入された接続部を書き換え可能領域に記録するとともに、プレイリストとしても記録し、プレイアイテムの参照先を、該書き換え可能領域に記録されたデータとする構成であってよい。
【0286】
上記構成により、ダウンロードなどで得た接続部をRE層に記録することができ、自由な接続部を利用することができるという効果を奏する。
【0287】
また、本発明に係る記録再生装置では、記録媒体にあらかじめ記録されている選択例および、過去にユーザが選択したプレイリストまたは選択結果を表示し、ユーザにこれらの選択の要否を問う機能を有する構成であってよい。
【0288】
上記構成により、最初に選択肢を表示することで、選択例や過去の選択肢の有無や内容を知ることができ、かつ、ユーザはすぐに映像を楽しむことができる。そして、好みのアングルを選択する場合においても、ユーザは選択肢を参考にすることができる。
【0289】
また、本発明に係る記録再生装置では、書き換え不可領域に記録されている情報に基づいて、ネットワークを介して、付加情報をダウンロードし、記録媒体に記録する構成であってよい。
【0290】
上記構成により、全アングルデータが存在しない場合には、ネットワークを介して、不足分のデータをRE層にダウンロードすることができる。また、RE層にROM層のファイル管理情報が記録されているため、RE層およびROM層の関連性を明確にすることができる。
【0291】
〔補足〕
最後に、光ディスク装置1の各ブロック、特に制御部20(ディスク装填確認部22、映像情報読出部24、映像表示制御部25、選択要求部26、選択映像記録制御部27、及び映像挿入部28)は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0292】
すなわち、光ディスク装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである光ディスク装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記光ディスク装置1に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0293】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0294】
また、光ディスク装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0295】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0296】
本発明は、記録特性の異なる情報記録層を複数備え、RE層又はR層に記録された情報を読み出すことにより、ROM層に記録された情報を効率的に読み出すことが可能な記録再生装置に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0297】
1 光ディスク装置(記録再生装置)
2 スピンドル
3 ディスク装填認識部
4 格納部
5 メモリ(一次記録メモリ)
6 操作部
7 表示装置
8 インターネット端末装置
10 記録再生回路群
12 光ピックアップ
13 ピックアップ駆動回路
14 レーザ駆動回路
15 検出回路
16 スピンドル回路
20 制御部
22 ディスク装填確認部
23 記録再生回路群制御部
24 映像情報読出部(読出手段)
25 映像表示制御部(表示制御手段)
26 選択要求部(選択手段)
27 選択映像記録制御部(記録制御手段)
28 映像挿入部(挿入手段)
100 光ディスク
101 BCA
102 リードイン領域
103 ユーザデータ領域
104 リードアウト領域
L1層 第1情報記録層
L0層 第2情報記録層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクに対して情報の記録または再生を行う記録再生装置であって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出手段と、
上記読出手段が読み出した上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御手段と、を備えることを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
上記登録情報は、上記第1情報記録層に記録されたファイル管理情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
上記登録情報は、当該登録情報のインデックスを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項4】
上記登録情報は、複数のアングルから撮影されたマルチアングル映像に関する情報であるマルチアングル映像情報を含み、
上記マルチアングル映像情報は、一のアングルから撮影されたシングルアングル映像に関する情報であるシングルアングル映像情報を上記複数のアングルそれぞれについて有しており、
上記読出手段が読み出した上記マルチアングル映像情報の少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御手段と、
上記表示制御手段によって表示された上記マルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報をユーザに選択させる選択手段と、を備え、
上記記録制御手段は、上記選択手段がユーザに選択させた上記1又は複数のシングルアングル映像情報を選択済シングルアングル映像情報として上記第2情報記録層に記録させることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項5】
上記選択済シングルアングル映像情報は、上記1又は複数のシングルアングル映像情報がリスト化されたプレイリストであることを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
上記表示制御手段によって表示されるシングルアングル映像情報は、そのシングルアングル映像情報に対応するシングルアングル映像の属性を示すシングルアングル映像属性情報を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の記録再生装置。
【請求項7】
上記記録制御手段は、上記シングルアングル映像と当該シングルアングル映像に関する上記シングルアングル映像属性情報とを対応付けて上記第2情報記録層に記録させることを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置。
【請求項8】
上記記録制御手段は、上記1又は複数のシングルアングル映像情報を、シングルアングル映像が撮影された時間の順に上記第2情報記録層に記録させることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項9】
上記表示制御手段は、上記マルチアングル映像情報のすべてを上記表示装置の一画面内に表示させることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項10】
上記選択手段がユーザに選択させた複数のシングルアングル映像情報を連続して再生する場合であって、再生される順序が隣り合う2つのシングルアングル映像情報の間に再生時間の非連続性が生じる場合に、その非連続性を埋めるための接続画像を挿入する挿入手段を備えることを特徴とする請求項4〜9の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項11】
上記接続画像は、上記第1情報記録層に記録されていることを特徴とする請求項10に記載の記録再生装置。
【請求項12】
上記接続画像は、外部に接続したネットワークを介して取得されるものであり、
上記記録制御手段は、上記接続画像を上記第2情報記録層に記録させることを特徴とする請求項10に記載の記録再生装置。
【請求項13】
上記選択手段がユーザに選択させた上記選択済シングルアングル映像情報、または、上記表示制御手段によって表示された上記マルチアングル映像情報から、視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報を選択する選択例が、上記第2情報記録層に記録されている場合に、
上記表示制御手段は、上記選択手段がユーザに選択させた結果を示す情報である選択結果情報、または、上記選択例を上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項4〜12の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項14】
上記表示制御手段によって表示された上記マルチアングル映像情報から視聴を希望する1又は複数のシングルアングル映像情報を選択する選択例、または、上記選択手段がユーザに選択させた上記選択済シングルアングル映像情報が上記光ディスクに記録されており、
上記表示制御手段は、上記読出手段が読み出した上記マルチアングル映像情報の少なくとも一部と共に、上記選択例、または、上記選択済シングルアングル映像情報を上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項4〜12の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項15】
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクであって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報の少なくとも一部が、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項16】
請求項4〜14の何れか1項に記載の記録再生装置に使用される光ディスクであって、上記第2情報記録層には、シングルアングル映像が再生される時間の順に上記1又は複数のシングルアングル映像情報が記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項17】
請求項4〜14の何れか1項に記載の記録再生装置に使用される光ディスクであって、上記第1情報記録層には、上記マルチアングル映像情報が再生される時間の順に区切られて記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項18】
請求項4〜14の何れか1項に記載の記録再生装置に使用される光ディスクであって、上記第1情報記録層には、撮影されたアングルごとに上記マルチアングル映像情報が記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項19】
請求項4〜14の何れか1項に記載の記録再生装置に使用される光ディスクであって、
上記選択済シングルアングル映像情報が再生される際に、その再生順序を示す情報である再生順序情報が上記第1情報記録層に記録されていることを特徴とする光ディスク。
【請求項20】
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクに対して情報の記録または再生を行う記録再生装置の制御方法であって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出ステップと、
上記読出ステップにて読み出された上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御ステップと、を含むことを特徴とする記録再生装置の制御方法。
【請求項21】
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録することが又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を備えた光ディスクに対して情報の記録または再生を行う記録再生装置の制御プログラムであって、
上記第1情報記録層に記録されている情報である登録情報を読み出す読出ステップと、
上記読出ステップにて読み出された上記登録情報の少なくとも一部を、上記第2情報記録層に記録されているファイルを管理するためのファイル管理情報の記録開始位置よりも外周側に記録させる記録制御ステップと、をコンピュータに実行させるための記録再生装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−118978(P2011−118978A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274779(P2009−274779)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】