説明

記録再生装置及びプログラム

【課題】特別なユーザ操作が行われなくても、再生対象の状況に応じてその再生形態を選択できるようにする。
【解決手段】CPU1は、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中か否かを判別し、この判別結果に基づいて再生指示どおりの再生を行うか現在の録画位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する。特殊再生はスキップ再生、ダイジェスト再生、早送り再生である。CPU1は、特殊再生として再生速度を速くした早送り再生を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、受信した放送内容を記録する記録機能と、この記録機能によって記録された記録データを再生する再生機能とを備えた記録再生装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の記録再生装置としては、受信した放送内容を記録(録画)した録画データを再生する際に、CM(コマーシャル)スキップモードが選択されていたり、CMスキップキーが操作されたりした場合に、この録画データの中からCM部分を検出してその部分をスキップするようにした技術が知られている(特許文献1参照)。また、放送を録画しながらその録画済み部分をダイジェスト再生するようにした技術が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−8835号公報
【特許文献2】特開2002−262230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、CM部分をスキップするためには、CMスキップモードを選択したり、CMスキップキーを操作したりする必要があり、また、特許文献2の技術は、現行放送モード、追いかけモード、追いつきモードの中からユーザ指定されたモードに応じてその再生を制御するものであり、そのいずれの技術であってもユーザ操作を必要としていた。
【0005】
ところで、録画中にタイムシフト再生を指示するのは、それまでの録画済み部分を素早く確認してリアルタイム視聴への移行を希望する場合が多いからであるが、このような場合に、タイムシフト再生の指示を忘れると、リアルタイム放送であるにも拘わらず、タイムシフト再生であると間違ってしまい、逆に、誤ってタイムシフト再生を指示してしまうと、タイムシフト再生であるにも拘わらず、リアルタイム放送であると間違ってしまうことがある。
【0006】
この発明の課題は、特別なユーザ操作が行われなくても、再生対象の状況に応じてその再生形態を選択できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る記録再生装置は、
受信した放送内容を記録する記録機能と、この記録機能によって記録された記録データを再生する再生機能とを備えた記録再生装置であって、
前記記録データを選択してその再生が指示された際に、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かの判別結果に基づいて前記再生指示どおりの再生を行うか現在の記録位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する再生制御手段と、
を具備し、
前記再生指示は、1倍速の通常再生であり、前記再生制御手段は、特殊再生として再生速度を速くした早送り再生を行う、
ようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点に係るプログラムは、
コンピュータに対して、
記録データを選択してその再生が指示された際に、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かを判別する機能と、
現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かの判別結果に基づいて前記再生指示どおりの再生を行うか現在の記録位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する機能と、
を実現させるためのプログラムであって、
前記再生指示は、1倍速の通常再生であり、前記制御する機能では、特殊再生として再生速度を速くした早送り再生を行う、
ようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、特別なユーザ操作が行われなくても、再生対象の状況に応じてその再生形態を選択することができ、ユーザ負担の軽減のほか、意図したどおりの再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】記録再生装置として適用した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】録画中の再生時において、録画ファイル内の再生位置と録画位置とを例示した図。
【図3】再生キーの操作に応じて実行開始される再生処理を示したフローチャート。
【図4】図3に続くフローチャート。
【図5】第2実施例における再生処理の一部分を示した図4に代わるフローチャート。
【図6】第3実施例における再生処理の一部分を示した図4に代わるフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
以下、図1〜図4を参照して本発明の第1実施例を説明する。
この実施例は、記録再生装置として、放送受信機能付き携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
【0012】
携帯電話装置は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、デジタルテレビ放送を受信可能なテレビ放送受信機能と、このテレビ放送受信機能によって受信した放送内容を記録する記録機能(録画機能)と、この記録機能によって記録された記録データを再生する再生機能とを備えている。なお、テレビ放送受信機能は、放送局から発信された地上波デジタル放送を受信することができるほか、無線通信網、インターネットを介してテレビ放送をダウンロード受信することもできるようになっている。
【0013】
CPU1は、記憶部2内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部2のプログラム領域には、後述する図3及び図4に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。メモリ3は、例えば、ワーク領域を有する内部メモリであり、後述する録画ファイル格納部Mなどが設けられている。無線通信送受信部4は、アンテナに接続された送受信部(ベースバンド部)の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのちに、音声信号処理部5を介して受話スピーカ6から音声出力させる。また、無線通信送受信部4は、送話マイク7から入力された音声データを音声信号処理部5から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのちに送受信部の送信側に与えられてアンテナから送信出力させる。
【0014】
一方、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に、無線通信送受信部4を介して受信取得した表示データあるいはテレビ放送受信機能の動作時にテレビ放送受信部8を介して受信した放送内容(映像・文字・音声データ)は、高精細液晶などを使用した表示部9に与えられて表示される。テレビ放送受信部8は、携帯電話などの携帯端末装置向け地上波デジタルテレビ放送のほか、電子番組表などの番組情報も含めて受信可能なもので、専用アンテナに接続されていて放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、文字に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。なお、テレビ音声データは、サウンドスピーカ10から出力される。
【0015】
操作部11は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、テレビ放送の受信開始/終了を指示するテレビキー、録画開始/終了を指示する録画キー、再生の開始/終了を指示する再生キーなどが設けられており、CPU1は、操作部11からの入力信号に応じた処理を実行する。例えば、テレビ放送受信部8の動作中に録画キーが操作されて録画開始が指示されると、放送内容を録画した録画ファイルを生成して録画ファイル格納部Mに保存する録画処理を実行する。また、再生キーの操作で再生開始が指示されると、CPU1は、録画リストの中から任意に選択された録画ファイルを読み出して、この録画ファイル内の映像データを表示部9から出力させると共に、その音声データをサウンドスピーカ10から出力させる再生処理を実行する。
【0016】
この場合、CPU1は、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中であるか否かを判別し、この判別結果に基づいて再生指示どおりの再生を行うか、再生位置が現在の録画位置に追いつく特殊再生を行うかを制御するようにしている。すなわち、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中でなければ、再生指示どおりの再生(例えば、1倍速再生)を実行するが、現在録画中であれば、特殊再生として、例えば、CM部分をスキップするCMスキップ再生(タイムシフト再生)を実行するようにしている。
【0017】
図2は、録画中の再生時において、録画ファイル内の再生位置と録画位置とを例示した図であり、CMスキップ再生の実行によって再生位置は現在の録画位置に追いつくようになる。なお、CMスキップ再生によって再生位置が録画位置に追いついたのちは、再生指示どおりの再生(例えば、1倍速再生)が行われる。
【0018】
次に、この第1実施例における携帯電話装置の動作概念を図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施例においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0019】
なお、図3及び図4は、携帯電話装置の全体動作のうち、本実施例の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図3及び図4のフローから抜けた際には、全体動作のフロー(図示省略)に戻る。
【0020】
図3及び図4は、再生キーの操作に応じて実行開始される再生処理を示したフローチャートである。
【0021】
先ず、CPU1は、再生開始が指示されると、録画ファイル格納部Mの内容を読み出してそのファイル名をリスト表示させると共に(ステップA1)、この録画リストの中から再生対象として任意の録画ファイルがユーザ操作によって選択指定されると(ステップA2)、この録画ファイルをアクセスし、前回の再生終了時における再生位置が当該録画ファイル内に記憶されているか否かを調べる(ステップA3)。いま、この録画ファイルに再生位置が記憶されていなければ、録画ファイルの先頭位置を今回の再生位置としてセットするが(ステップA4)、再生位置が記憶されていれば(ステップA3でYES)、この前回の再生位置を今回の再生位置としてセットする(ステップA5)。
【0022】
そして、選択された録画ファイルは現在録画中であるか否かを調べ(ステップA6)、録画中でなければ、再生指示どおりの再生として、今回の再生位置より1倍速再生を開始させ、その映像データを表示部9から出力させると共に、その音声データをサウンドスピーカ10から出力させる(ステップA7)。この状態においてCPU1は、操作有無を調べ(ステップA8)、操作無しの状態では、再生位置が録画ファイルの終了位置に達したかを調べながら(ステップA9)、以下、再生位置が終了位置に達するまでステップA8に戻る。いま、何らかの操作が行われた場合には(ステップA8でYES)、再生終了を指示する終了操作かを調べ(ステップA10)、終了操作であれば、このフローの終了となるが、終了操作以外の操作であれば(ステップA10でNO)、当該操作に対応する処理として、例えば、早送り処理、音量調整処理などを行ったのち(ステップA11)、上述のステップA8に戻る。
【0023】
一方、現在録画中の録画ファイルが選択された場合には、つまり、選択された録画ファイルが現在録画中であれば(ステップA6でYES)、図4のフローに移り、再生位置の音声信号をチェックし(ステップA12)、ステレオ信号の有無に基づいて再生位置がCM放送部分に該当しているかを調べる(ステップA13)。いま、再生位置がCM放送部分以外であれば(ステップA13でNO)、再生位置からの1倍速再生を開始し、その映像データを表示部9から出力させると共に、その音声データをサウンドスピーカ10から出力させる(ステップA18)。この状態において操作有無を調べ(ステップA19)、操作無しの状態ではステップA12に戻る。また、何らかの操作が行われた場合には(ステップA9でYES)、再生終了を指示する終了操作であるかを調べ(ステップA20)、終了操作であれば、このフローの終了となるが、終了操作以外の操作であれば(ステップA20でNO)、当該操作に対応する処理として、例えば、早送り処理、音量調整処理などを行ったのち(ステップA21)、上述のステップA12に戻る。
【0024】
また、再生位置がCM放送部分に該当していれば(ステップA13でYES)、再生位置の音声信号をチェックし、ステレオ信号の有無に基づいてCM放送部分の終了位置を検索し(ステップA14)、その終了位置の有無をチェックする(ステップA15)。ここで、CM放送部分の終了位置を検索することができた場合には(ステップA15でYES)、この検索位置を再生位置としてセットすることで当該CM放送部分をスキップしたのち(ステップA17)、上述のステップA18に移り、この再生位置より1倍速再生を行う。以下、CM放送部分を検索する毎にそのCM放送部分をスキップする処理を繰り返しながら1倍速再生を行う。また、CM放送部分の終了位置を検索した結果、その終了位置が無ければ、言い換えれば、現在の再生位置から録画位置までがCM放送部分であれば(ステップA15でNO)、このCM放送部分をスキップするために録画位置を再生位置としてセットしたのち(ステップA16)、図3のステップA7に移り、以下、録画動作に追随した1倍速再生を行う。
【0025】
以上のように、この第1実施例においてCPU1は、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中か否かを判別し、この判別結果に基づいて再生指示どおりの再生を行うか現在の録画位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御するようにしたので、特別なユーザ操作が行われなくても、再生対象の状況に応じてその再生形態を選択することができ、ユーザ負担の軽減のほか、意図したどおりの再生が可能となる。
【0026】
また、CPU1は、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中であれば、この録画ファイルの中からCM放送部分(スキップ対象部分)を検出すると共に、このCM放送部分をスキップするようにしたので、現在の記録位置に再生位置が追いつく特殊再生(タイムシフト再生)が可能となる。
【0027】
また、再生位置が録画位置に追いついた場合には、録画動作に追随した通常の1倍速再生に移行することができ、現在放送中の内容をリアルタイムに視聴することが可能となる。つまり、特別な操作を行うことなく、間髪を入れず、特殊再生から通常の1倍速再生に移行することができる。
【0028】
(実施例2)
以下、この発明の第2実施例について図5を参照して説明する。
なお、上述した第1実施例においては、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中である場合に、この録画ファイル内のCM放送部分を検出してその部分をスキップする特殊再生を行うようにしたが、この第2実施例においては、録画ファイル内のダイジェスト部分を検出してその部分を再生する特殊再生を行うようにしたものである。
【0029】
ここで、両実施例において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施例の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0030】
図5は、第2実施例における再生処理の一部分を示した図4に代わるフローチャートである。なお、その他は図3のフローチャートと同様であるため、その説明は省略する。
【0031】
先ず、CPU1は、録画リストから再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中であれば(図3のステップA6でYES)、図5のフローに移り、再生位置の音声信号をチェックし(ステップB1)、その音量に基づいて再生位置が音声大部分に該当しているかを調べる(ステップB2)。この音声大部分は、音量が一定レベル以上の部分を示し、音量レベルに応じてハイライトシーンなどのダイジェスト対象部分を特定するもので、再生位置が音声大部分に該当していれば(ステップB2でYES)、この再生位置より1倍速再生を開始させ、その映像データを表示部9から出力させると共に、音声データをサウンドスピーカ10から出力させる(ステップB7)。
【0032】
この状態において操作有無を調べ(ステップB8)、操作無しの場合には上述のステップB1に戻るが、何らかの操作が行われた場合には(ステップB8でYES)、再生終了を指示する終了操作であるかを調べる(ステップB9)。ここで、終了操作であれば、このフローの終了となるが、終了操作以外の操作であれば(ステップB9でNO)、当該操作に対応する処理として、例えば、早送り処理、音量調整処理などを行ったのち(ステップB10)、上述のステップB1に戻る。
【0033】
一方、再生位置の音声信号をチェックした結果、再生位置が音声大部分でなければ(ステップB2でNO)、録画ファイルの中から次の音声大部分を検索する(ステップB3)。その結果、音声大部分が有れば、この検索位置を再生位置としてセットすることによって当該音声大部分の位置までスキップしたのち(ステップB6)、この再生位置より1倍速再生を行う(ステップB7)。以下、音声大部分を検索する毎にその音声大部分を再生する動作を繰り返すが、次の音声大部分が無ければ、つまり、現在の再生位置から録画位置までが音声大部分でなければ(ステップB47NO)、この音声大部分以外をスキップするために録画位置を再生位置としてセットしたのち(ステップB5)、図3のステップA7に移り、以下、録画動作に追随した1倍速再生を行う。
【0034】
以上のように、この第2実施例においてCPU1は、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中であれば、この録画ファイルの中から音声大部分をダイジェスト対象部分として検出すると共に、このダイジェスト対象部分に絞って再生するようにしたので、現在の記録位置に再生位置が追いつく特殊再生(ダイジェスト再生)が可能となる。つまり、録画ファイル内の特定部分(音声大部分)を再生し、この音声大部分以外の部分をスキップする特殊再生を行うことができる。また、再生位置が録画位置に追いついた場合には、録画動作に追随した1倍速再生に移行することができ、現在放送中の内容をリアルタイムに視聴することが可能となる。
【0035】
なお、第2実施例においては、録画ファイル内の特定部分(音声大部分)を再生し、この音声大部分以外の部分をスキップするようにしたが、この特定部分をスキップしてそれ以外の部分を再生する特殊再生を行うようにしてもよい。
【0036】
また、第2実施例においては、音声大部分をダイジェスト対象部分として特定するようにしたが、例えば、音量有無、人物登場シーン、ズームアップの度合い、字幕の有無などからダイジェスト対象部分を特定するようにしてもよい。また、予め指定されたキーワードが登場した際に、そのキーワード部分に絞った再生を特殊再生として行うようにしてもよい。
【0037】
(実施例3)
以下、この発明の第3実施例について図6を参照して説明する。
なお、上述した第1実施例においては、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中である場合に、この録画ファイル内のCM放送部分を検出してその部分をスキップする特殊再生を行い、また、上述した第2実施例においては録画ファイルの中から音声大部分を検出してその音声大部分に絞った特殊再生を行うようにしたが、この第3実施例においては、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中か否かに基づいて再生速度を変えるようにしたものである。
【0038】
ここで、第1、第3実施例において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施例の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0039】
図6は、第3実施例における再生処理の一部分を示した図4に代わるフローチャートである。なお、その他は図3のフローチャートと同様であるため、その説明は省略する。
【0040】
先ず、CPU1は、録画リストから再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中であれば(図3のステップA6でYES)、図6のフローに移り、再生位置の音声信号、字幕データをチェックし(ステップC1)、再生位置が音量有り部分及び字幕有り部分に該当しているかを調べる(ステップC2)。この場合、音量有り部分及び字幕有り部分は、音量有無及び字幕有無に応じてハイライトシーンなどのダイジェスト対象部分を特定するものであり、この再生位置が音量有り部分及び字幕有り部分に該当していれば(ステップC2でYES)、CPU1は、この再生位置より1倍速再生を行うが(ステップC3)、音量有り部分及び字幕有り部分でなければ(ステップC2でNO)、この再生位置より1.3倍速の早送り再生を行う(ステップC4)。
【0041】
この状態において操作有無を調べ(ステップC5)、操作無しの状態では、再生位置が録画ファイルの終了位置に達したかを調べ(ステップC6)、以下、再生位置が終了位置に達するまでステップC1に戻る。いま、何らかの操作が行われた場合には(ステップC5でYES)、再生終了を指示する終了操作であるかを調べ(ステップC7)、終了操作であれば、このフローの終了となるが、終了操作以外の操作であれば(ステップC7でNO)、当該操作に対応する処理として、例えば、早送り処理、音量調整処理などを行ったのち(ステップC8)、図3のステップA7に移り、以下、録画動作に追随した1倍速再生を行う。
【0042】
以上のように、この第3実施例においてCPU1は、再生対象として選択された録画ファイルが現在録画中であれば、1倍速の通常再生に代わって再生速度を速くした1.3倍速の早送り再生を行うようにしたので、現在の記録位置に再生位置が追いつく特殊再生が可能となる。
【0043】
また、CPU1は、録画ファイルの中から音量有り部分及び字幕有り部分をダイジェスト対象部分として検出すると共に、このダイジェスト対象部分を1倍速で再生し、それ以外の部分を1.3倍速で早送り再生するようにしたので、ハイライトシーンなどを1倍速の通常再生で視聴しながらその他の部分も早送り再生で併せて視聴することが可能となる。また、早送り再生中であってもダイジェスト対象部分を検出した際に、1倍速の通常再生に切り替えることができる。
【0044】
この場合、特殊再生は、録画ファイル内の特定部分(音量有り部分及び字幕有り部分)を1倍速で再生する特殊再生と特定部分以外を1.3倍速で再生する特殊再生とに分けることができる。また、再生位置が録画位置に追いついた場合には、録画動作に追随した1倍速再生に移行することができ、現在放送中の内容をリアルタイムに視聴することが可能となる。
【0045】
なお、第3実施例においては、音量有り部分及び字幕有り部分をダイジェスト対象部分として特定するようにしたが、例えば、音量有無、人物登場シーン、ズームアップの度合い、字幕の有無などからダイジェスト対象部分を特定するようにしてもよい。また、予め指定されたキーワードが登場した際に、そのキーワード部分をダイジェスト対象部分として特定するようにしてもよい。
【0046】
その他、上述した各実施例においては、テレビ放送受信機能付きの携帯電話装置に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、テレビ放送受信機能付きのPDAなどの携帯端末装置であっても同様に適用可能である。また、携帯端末装置に限らず、ハードディスクレコーダ、DVDレコーダなどのレコーダであってもよく、もちろん、レコーダ付きのテレビ受像機であってもよい。また、テレビ放送に限らず、ラジオ放送を受信して記録するようにしてもよい。
【0047】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0048】
(付記1)
受信した放送内容を記録する記録機能と、この記録機能によって記録された記録データを再生する再生機能とを備えた記録再生装置であって、
前記記録データを選択してその再生が指示された際に、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かの判別結果に基づいて前記再生指示どおりの再生を行うか現在の記録位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する再生制御手段と、
を具備したことを特徴とする記録再生装置。
【0049】
(付記2)
前記再生制御手段は、記録データの中から特定部分を検出すると共に、この特定部分に応じて特殊再生を行う、
ようにしたことを特徴とする付記1に記載の記録再生装置。
【0050】
(付記3)
前記再生制御手段は、記録データの中からスキップ対象部分を検出すると共に、このスキップ対象部分をスキップすることによって特殊再生を行う、
ようにしたことを特徴とする付記2に記載の記録再生装置。
【0051】
(付記4)
前記再生制御手段は、記録データの中からダイジェスト対象部分を検出すると共に、このダイジェスト対象部分に絞って再生する特殊再生を行う、
ようにしたことを特徴とする付記2に記載の記録再生装置。
【0052】
(付記5)
前記再生指示は、1倍速の通常再生であり、前記再生制御手段は、特殊再生として再生速度を速くした早送り再生を行う、
ようにしたことを特徴とする付記1に記載の記録再生装置。
【0053】
(付記6)
前記再生制御手段は、前記早送り再生の実行中にあっても、記録データの中から特殊部分を検出した際は、この特殊部分の再生を前記1倍速の通常再生で行う、
ようにしたことを特徴とする付記5に記載の記録再生装置。
【0054】
(付記7)
前記判別手段は、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたか否かを判別する第1の判別手段であり、この第1の判別手段のほかに、現在の再生位置が記録データの中の特定部分か否かを判別する第2の判別手段を更に設け、
前記第1の判別手段によって現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたと判別された場合に、前記再生制御手段は、前記第2の判別手段の判別結果に基づいて前記特殊再生を行うか否かを制御する、
ようにしたことを特徴とする付記1に記載の記録再生装置。
【0055】
(付記8)
前記再生制御手段は、前記第2の判別手段によって現在の再生位置が記録データの中の特定部分であると判別された場合に特殊再生を実行する、
ようにしたことを特徴とする付記7に記載の記録再生装置。
【0056】
(付記9)
前記再生制御手段は、前記第2の判別手段によって現在の再生位置が記録データの中の特定部分でないと判別された場合に特殊再生を実行する、
ようにしたことを特徴とする付記7に記載の記録再生装置。
【0057】
(付記10)
前記特殊再生の実行中に現在の再生位置と記録位置とを比較する比較手段と、
この比較手段によって現在の再生位置が記録位置に追いついたことが検出された場合に、前記再生制御手段は、特殊再生から再生指示どおりの再生に切り替える、
ようにしたことを特徴とする付記1に記載の記録再生装置。
【0058】
(付記11)
コンピュータに対して、
記録データを選択してその再生が指示された際に、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かを判別する機能と、
現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かの判別結果に基づいて前記再生指示どおりの再生を行うか現在の記録位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0059】
1 CPU
2 記憶部
8 テレビ放送受信部
9 表示部
10 サウンドスピーカ
11 操作部
M 録画ファイル格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した放送内容を記録する記録機能と、この記録機能によって記録された記録データを再生する再生機能とを備えた記録再生装置であって、
前記記録データを選択してその再生が指示された際に、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かの判別結果に基づいて前記再生指示どおりの再生を行うか現在の記録位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する再生制御手段と、
を具備し、
前記再生指示は、1倍速の通常再生であり、前記再生制御手段は、特殊再生として再生速度を速くした早送り再生を行う、
ようにしたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記再生制御手段は、前記早送り再生の実行中にあっても、記録データの中から特殊部分を検出した際は、この特殊部分の再生を前記1倍速の通常再生で行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記特殊再生の実行中に現在の再生位置と記録位置とを比較する比較手段と、
この比較手段によって現在の再生位置が記録位置に追いついたことが検出された場合に、前記再生制御手段は、特殊再生から再生指示どおりの再生に切り替える、
ようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
コンピュータに対して、
記録データを選択してその再生が指示された際に、現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かを判別する機能と、
現在記録中の放送内容の記録データが再生対象として選択されたのか否かの判別結果に基づいて前記再生指示どおりの再生を行うか現在の記録位置に追いつくための特殊再生を行うかを制御する機能と、
を実現させるためのプログラムであって、
前記再生指示は、1倍速の通常再生であり、前記制御する機能では、特殊再生として再生速度を速くした早送り再生を行う、
ようにしたことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−130077(P2012−130077A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−62776(P2012−62776)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【分割の表示】特願2007−146516(P2007−146516)の分割
【原出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】