説明

記録再生装置

【課題】操作性を改善する。
【解決手段】折り畳み可能な記録再生装置100は、折り畳んだ状態において、第2の筐体2の主面および背面のいずれが外部に露出するかを検出する。検出結果に基づき、第1表示部40を有する主面が露出している場合には、第1筐体1の面3に設けられた第2表示部30に、画像表示の操作入力を受付けるための表示操作部の画像を表示する。検出結果に基づき、マイクを有する背面が露出している場合には、第1筐体1の面3に設けられた第2表示部30に、マイクを介した録音操作のための入力を受付ける録音操作部の画像が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は記録再生装置に関し、特に、画像および音声を含む情報を記録および再生することが可能な携帯型の記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から画像および音声を含む情報を記録および再生する携帯可能な機器がたとえば特許文献1に示される。特許文献1に記載の携帯無線通信機は、通信機本体が3つの部材に分割されるとともに、各分割部材が自在継手を介して互いに回転可能に連結される。上端の分割部材は電子カメラを有し、中央の分割部材は電子カメラにより撮影した映像を表示するディスプレイを有し、下端の分割部材はマイクを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−313452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の携帯無線通信機においては、中央の分割部材に設けられたディスプレイには、撮影した映像または通話、撮影・録音、撮影、録音および送信のための各種操作を受付けるタッチセンサ機能を備えている。したがって、各分割部材の傾きの程度によっては、ユーザは、ディスプレイに表示されるタッチセンサによる各種キーを操作しにくくなるという課題がある。
【0005】
それゆえにこの発明の目的は、操作性が改善された携帯可能な記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のある局面に従うと、画像および音声を含む情報を記録および再生する携帯可能な記録再生装置は、第1の筐体と、主面に画像を表示する第1表示部を有し、且つ、主面の背面に録音のための音声集音部を有した第2の筐体と、を含む筐体部と、第1の筐体と第2の筐体とを重ね合せ可能に接続するための連結部と、第1の筐体と第2の筐体とを連結部を介して重ね合せることにより筐体部を折り畳んだ状態で、外部への露出面に設けられた第2表示部と、折り畳んだ状態において、主面および背面のいずれが外部に露出するかを検出する面検出手段と、を備える。
【0007】
折り畳んだ状態において、面検出手段の検出結果に基づき、第2表示部に、画像表示の操作入力を受付けるための表示操作部の画像または録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像を切り替え表示する。
【0008】
好ましくは、第1表示部には、再生される画像が表示され、表示操作部は、第1表示部に再生表示される画像の再生操作入力を受付けるための再生操作部を含む。
【0009】
好ましくは、第2表示部は、折り畳んだ状態で、第1の筐体の外部への露出面に設けられる。
【0010】
好ましくは、折り畳んだ状態で、第2表示部が設けられる露出面と、主面および背面のうち外部に露出する面とは、同一面内に含まれる。
【0011】
好ましくは、第1表示部には、撮影される画像が表示され、表示操作部は、第1表示部に表示される撮影画像に関する操作入力を受付けるための撮影操作部を含む。
【0012】
好ましくは、撮影操作部は、撮影画像を記録するための記録操作部を含む。
好ましくは、折り畳まれた状態で、面検出手段の検出結果に基づき、第2表示部に画像表示の動作または録音の動作に関する情報を切り替え表示する。
【0013】
好ましくは、記録再生装置は、画像再生モードおよび録音モードを含む複数種類の動作モードを有し、面検出手段の検出結果に基づき、記録再生装置の動作モードとして、画像再生モードまたは録音モードを切り替え設定する。
【0014】
好ましくは、第1の筐体は撮影レンズを、さらに含み、筐体部が開いた状態にあるとき、第1表示部には、撮影レンズを介して撮影される画像が表示される。
【0015】
好ましくは、第2の筐体の主面には、音声を出力するための音声出力部を有する。
この発明の他の局面に従う、上述した記録再生装置の制御方法は、折り畳んだ状態において、主面および背面のいずれが外部に露出するかを検出するステップと、折り畳んだ状態において、検出するステップの検出結果に基づき、第1表示部に、画像表示の操作入力を受付けるための表示操作部の画像または録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像を切り替え表示するステップ、とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、面検出手段の検出結果に基づき、第2表示部には、画像の再生操作入力を受付けるための再生操作部の画像および録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像が切り替え表示される。したがって、第1表示部を介して再生表示される画像を見ながら、第2表示部30に表示される再生操作部の画像を操作することにより、画像の再生操作を行なうことができる。また、集音部から録音しながら、第2表示部に表示される録音操作部の画像をタッチ操作することにより、録音操作を行なうことができて、良好な操作性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録再生装置の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る再生操作部の表示の一例を示す図である。
【図3】図2の姿勢から第2の筐体を起立させた状態の斜視図である。
【図4】図3の状態から第2の筐体を回転させた状態の斜視図である。
【図5】図4の状態において第2の筐体の主面側から見た斜視図である。
【図6】図5の状態から第2の筐体を回転させた状態の斜視図である。
【図7】筐体部が折り畳まれた場合に、第2の筐体の背面が外部に向けられた状態を示す斜視図である。
【図8】筐体部が折り畳まれた場合に、第2の筐体の主面が外部に向けられた状態を示す斜視図である。
【図9】本実施の形態に係る記録再生装置の機能構成図である。
【図10】本実施の形態に係る記録再生装置の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照し説明する。なお、各図中の同一符号は、同一または相当部分を指す。
【0019】
図1の(A)は、本実施の形態に係る記録再生装置の筐体部が折り畳まれた状態の外観斜視図であり、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。記録再生装置100の筐体部である本体6は、第1の筐体1と第2の筐体2とを含む。
【0020】
第2の筐体2は、当該筐体の主面において第1表示部40と再生される音声を出力するためのスピーカ30Aを有し、かつ主面に対向する当該筐体の背面においては録音のための音声集音部に相当するマイク(後述するマイク30B)を有する。第1の筐体1は、撮影のために、被写体方向に向けられる撮影レンズ10を含む。記録再生装置100は、第2の筐体2を第1の筐体1に重ね合わせ可能に接続するためのヒンジ機構に相当する連結部41を備える。連結部41を介して第2の筐体2を第1の筐体1に重ね合わせることにより、本体6は折り畳み可能に構成される。第1の筐体1は第2の筐体2が重ね合わせられた状態で外部に露出する面3において、ユーザによる操作入力を受付けるための操作部(スイッチ、ボタンなど)の画像を表示する第2表示部30を有する。
【0021】
第1表示部40は、たとえば液晶ディスプレイなどからなる。第2表示部30は、表示一体型入力装置であるタッチパネルからなる。タッチパネルは、液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を一体的に組み合わせて構成される。画面上の表示画像を、タッチパッドを介してタッチ(押下)操作することで、タッチ位置がタッチセンサ機能により読取られて、当該表示画像に対応するデータ・指示が入力される。
【0022】
折り畳まれた状態において、第2表示部30を有した面3は、第2の筐体2の外部に露出する面(主面または背面)の延長上に位置する。すなわち、面3と当該露出する面とは、同一面の異なる領域に位置するように配されている。したがって、ユーザは、第1表示部40の表示画面を見ながら、第2表示部30に表示される操作部の操作を容易にすることができる。
【0023】
また、第1の筐体1の側面においては、撮影レンズ10を介して被写体画像を撮影するために操作されるスイッチ131および132が設けられる(図1の(C)参照)。スイッチ131はシャッターキーに相当する。スイッチ132は、録画開始を指示するときに押下されて、録画開始後に録画終了を指示するときに再度押下される。また、スイッチ132は、第1の筐体1の側面に沿ってスライド操作可能であり、スライド操作することにより、ズームレンジの切り替え操作をすることができる。
【0024】
図1の(A)には第2の筐体2の短辺と平行に延びる仮想のZ軸と、長辺に平行に延びる仮想のY軸が示される。Z軸とY軸は直交する。図1の(A)を参照して、第2の筐体2は、連結部41によって、Z軸を中心に回転可能に第1の筐体1に取付けられている。Z軸を中心に第2の筐体2が回転し、その結果、第2の筐体2は第1の筐体1に対して略垂直となるまで起立するように回転する。また、第2の筐体2がZ軸を中心に回転して開いた状態であるとき(折り畳まれた状態でないとき)、第2の筐体2は、連結部41を介して、Y軸を中心に回転可能に第1の筐体1に取付けられており、いわゆるスイベール機能を実現できるようになっている。したがって、連結部41は、第2の筐体2のZ軸を中心とした回転と、Y軸を中心にした回転とを支持するための支持部材として機能する。
【0025】
本実施の形態に係る記録再生装置100は、折り畳まれた状態において、第2の筐体2の主面(第1表示部40の面)および背面(後述のマイク30Bの面)のいずれが、外部に露出しているかを検出する面検出機能を有する。面検出機能の検出結果に基づき、第2表示部30には、画像の再生操作入力を受付けるための再生操作部の画像および録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像が切り替え表示される。
【0026】
したがって、第1表示部40を介して再生表示される画像を見ながら、第2表示部30に表示される再生操作部の画像(スイッチまたはボタンの画像)をタッチ操作することにより、画像の再生操作を行なうことができる。また、マイク30Bから録音しながら、第2表示部30に表示される録音操作部の画像(スイッチまたはボタンの画像)をタッチ操作することにより、録音操作を行なうことができる。
【0027】
図2には、折り畳まれた状態で、第2の筐体2の背面が折り畳まれた状態の内面側に位置し、主面が外面(露出面)に位置した場合には、第2表示部30においては、露出面(主面)の第1表示部40で画像を再生表示するための再生操作部の画像が表示される。再生操作部の画像としては、画像の再生操作のための入力を受付ける各種ボタン(早送り・巻き戻し、音量調整(プラス・マイナスの記号)、再生開始/停止のための操作ボタンなど)の画像が表示される。ユーザは、第2表示部30に表示された操作ボタンをタッチすることにより、操作指示を入力する。入力された操作指示は、受付けられて、受付けられた操作指示に基づき第1表示部40における画像の再生動作が制御される。
【0028】
図3には、図2の状態から、ユーザが第2の筐体2をZ軸を中心に矢印Bの方向に回転させることにより、第2の筐体2が第1の筐体1に対して略垂直となるまで起立した状態が示される。本体6が、図3の姿勢をとるとき、第1の筐体1に設けられた電源スイッチ133が外部に露出する状態となる。
【0029】
記録再生装置100は、連結部41に関連して、第2の筐体2の回転角度を検出するための角度センサ51および52を備える。角度センサ51は、Y軸を中心とした第2の筐体2の回転角度を検出し、角度センサ52は、Z軸を中心とした第2の筐体2の回転角度を検出する。
【0030】
図3を参照して、記録再生装置100は、本体6の開閉(折り畳まれているか否か)を検出するために、第2の筐体2に設けられたマグネット4Aと、第1の筐体1に設けられてマグネット4Aの磁力を検知するセンサ4Bを備える。マグネット4Aとセンサ4Bは、折り畳まれた状態において両者が対向するような位置に設けられている。したがって、センサ4Bの検知出力に基づいて、本体6が折り畳まれた状態(図1または図2の状態)であるか否か、すなわち開閉を判定することができる。
【0031】
また、角度センサ51および52の検出出力に基づき、第2の筐体2のZ軸を中心とした回転角度と、Y軸を中心とした回転角度とを判定することができる。
【0032】
図3の姿勢において、ユーザが第2の筐体2をY軸を中心に回転させることによって、第2の筐体2の背面(マイク30Bが設けられた面)が向く方向が、撮影レンズ10の向く方向と一致した状態が図4に示される。図5には、図4の状態において、第2の筐体2の主面側から見た外観が示される。図4と図5は、撮影レンズ10を介して被写体を撮影するための姿勢を示す。撮影方向(被写体の方向)に向けられる撮影レンズ10を介して撮影される被写体の画像は、第1表示部40を介してリアルタイムに表示されるので、撮影時には、第1表示部40は撮影者のためのビューファインダとして機能する。また、図4の姿勢では、マイク30Bが音声を集音する方向は、撮影方向(被写体の方向)に対応するので、撮影画像とともに効果的に音声を入力することができる。
【0033】
図4(または図5)の姿勢において、ユーザが第2の筐体2を、Y軸を中心に回転させることにより、図6の状態とすることができる。図6の姿勢において、ユーザが第2の筐体2をZ軸を中心に矢印B方向に回転させることにより、本体6は図7のように折り畳まれた状態となる。図7の状態では、第2の筐体2の主面(第1表示部40の面)は折り畳まれた本体6の内面側に位置し、背面(マイク30Bの面)は外部に露出する位置となる。
【0034】
図7ではマイク30Bは外部に露出するので、周囲の音声を効率的に集音することができる。図7の状態では、第2表示部30には、マイク30Bを介した録音のための録音操作部の画像が表示される。録音操作部の画像としては、録音操作のための入力を受付ける各種ボタン(録音モードを切り替えるボタン、マイク感度調整(プラス・マイナスの記号)、音声起動録音(VCVA(Variable Control Voice Actuatorの略)録音)の設定ボタン、録音の開始/停止のボタンなど)の画像が表示される。ユーザは、第2表示部30に表示された録音操作部の画像の操作ボタンをタッチすることにより、操作指示を入力する。入力された操作指示は、受付けられて、受付けられた操作指示に基づきマイク30Bを介した集音動作および録音動作が制御される。
【0035】
図7の姿勢において、ユーザが第2の筐体2をZ軸およびY軸を中心に回転させることにより、本体6の姿勢を図7→図6→図4(または図5)→図3→図2と変化させて、図8の姿勢に設定することができる。図8では、第2表示部30には、第1表示部40で画像を再生表示するための再生操作部の画像が表示される(図2を参照)。
【0036】
図9を参照して本実施の形態に係る記録再生装置100の構成について説明する。
記録再生装置100は、制御部110、記憶部120、スイッチ131,132,133を含む操作部130、第1表示部40、撮影レンズ10に関連する光学系制御部150および光学系151、CCD(Charge Coupled Device)からなる撮影素子161およびこれを制御する撮影素子制御部160、映像処理部170、AD(Analog Digital)変換部171、音声処理部180、マイク30Bを含むマイク部181、スピーカ30Aを含むスピーカ部182、および圧縮伸張処理部190を備える。
【0037】
記録再生装置100は、さらに、第2表示部30の表示動作を制御する表示制御部60、角度センサ51と52の検出信号を入力し、入力した検出信号に基づき第2の筐体2のZ軸およびY軸を中心とした回転角度を検出する角度検出部54、センサ4Bの検出信号を入力し、入力した検出信号に基づき本体6の開閉(折り畳まれているか否か)を検出する開閉検出部53を備える。
【0038】
表示制御部60は、記憶部120の所定領域に予め記憶された操作部表示のための画像データ、または制御部110から与えられるデータに基づき、第2表示部30に画像を表示する。
【0039】
なお、センサ4Bの検出出力に代替して、角度センサ52の検出角度を用いてもよい。角度センサ52のZ軸を中心とした第2の筐体2の検出角度に基づけば、本体6が折り畳まれた状態か、開いた状態かを判定することができる。
【0040】
上述した各部は、バスなどの伝送路を経由して相互にデータ・信号を送受信する。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)(たとえば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)(たとえば、SDRAM(synchronous Dynamic Random Access Memory))などの揮発性メモリ、ならびに、着脱自在のメモリカード121(たとえば、SDメモリカードおよびUSB(Universal Serial Bus)メモリ)のデータを読書きするためのメモリカードスロットを含む。メモリカード121に、記録再生装置100で録音された音声データまたは撮影された画像データを格納することによって、外部の情報処理装置に当該メモリカード121を介して、これら録音された音声データまたは画像データを転送することができる。なお、データ転送は、メモリカードなどの記録媒体によるものに限定されず、記録再生装置100が外部機器との通信機能を備える場合には、通信(有線・無線)により為されるとしてもよい。
【0041】
なお、記憶部120は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリなどの半導体メモリに加えてまたは替えて、他の内部記憶装置、たとえば、ハードディスクドライブを含むようにしてもよい。また、記憶部120は、メモリカードスロットに加えてまたは替えて、他の外部記憶装置、たとえば、光ディスク(たとえば、DVD(Digital Versatile Disc)およびBD(Blue-ray Disc))などの記録媒体のデータを読書きする装置を含むようにしていもよい。
【0042】
記憶部120は、記録再生装置100を制御するためのプログラムのデータ、記録再生装置100を制御するためのデータ、記録再生装置100の各種機能を設定するための設定データ、および、記録再生装置100によって撮影された静止画または動画のデータ、マイク部181によって集音された音声データなどを記憶する。
【0043】
また、記憶部120は、プログラムが実行されるときのワークメモリ、および、撮影処理が行なわれるときのバッファメモリなどとして用いられる。
【0044】
また、記憶部120の所定の記憶領域には角度データD1、D2およびD3、ならびにモードデータMが予め格納される。
【0045】
角度データD1は、本体6が折り畳まれて、且つ、第1表示部40の主面が露出している状態(図2、図8など)であるときの角度センサ51と52による検出角度を指す。角度データD2は、本体6が折り畳まれて、且つ、マイク30Bが設けられた第2の筐体の背面が露出している状態(図7など)であるときの角度センサ51と52による検出角度を指す。角度データD3は、本体6が開いた状態であり、且つ、第2の筐体2がビューファインダとして機能し得る姿勢(図4、図5など)であるときの角度センサ51と52による検出角度を指す。これらの角度データは予め実験により検出されて格納されている。
【0046】
モードデータMは記録再生装置100の現在の動作モードを指す。記録再生装置100は、画像再生モード、録音モード、撮影する画像を録画する録画モードなどの複数種類の動作モードを有する。
【0047】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部120に記憶された記録再生装置100を制御するためのプログラムの命令コード・データに従って、他の各部の動作を制御する。制御部110は、モードデータMに設定されたデータに基づき、各部を設定された動作モードに従って制御する。これにより、記録再生装置100の動作モードが切替えられる。
【0048】
ここで、記録再生装置100は、汎用的なアーキテクチャを有している制御部110のCPUを含むコンピュータであり、予めインストールされたプログラムを実行することで、後述のフローチャートに従う処理を含む各種機能を提供する。このような汎用的なコンピュータを利用する場合には、本実施の形態に従う機能を提供するためのアプリケーションに加えて、コンピュータの基本的な機能を提供するためのOS(Operating System)がインストールされていてもよい。この場合には、本実施の形態に従うプログラムは、OSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。すなわち、本実施の形態に従うプログラム自体は、上記のようなモジュールを含んでおらず、OSと協働して処理が実行される。本実施の形態に従うプログラムとしては、このような一部のモジュールを含まない形態であってもよい。
【0049】
さらに、本実施の形態に従うプログラムは、他のプログラムの一部に組み込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には、上記のような組み合わせられる他のプログラムに含まれるモジュールを含んでおらず、当該他のプログラムと協働して処理が実行される。すなわち、本実施の形態に従うプログラムとしては、このような他のプログラムに組込まれた形態であってもよい。
【0050】
なお、プログラムの実行により提供される機能の一部もしくは全部を専用のハードウェア回路として実装してもよい。
【0051】
図10のフローチャートを参照して、本実施の形態に係る第2表示部30における表示制御に関する処理について説明する。
【0052】
動作において、制御部110は、電源スイッチ133が操作されて電源ONされると、本体6が折り畳まれた状態(閉状態)であるか開状態であるかを、開閉検出部53により検出する(ステップS3)。続いて、制御部110は、第2の筐体2の回転角度を角度検出部54が出力する角度センサ51,52により検出する(ステップS5)。これらの検出値は検出される都度、記憶部120の所定領域に格納される(後述のステップS25参照)。
【0053】
制御部110は、今回検出した開閉状態と回転角度との検出値と、記憶部120に格納された前回の検出値とを比較し(ステップS7)、比較結果に基づき、今回の検出値が前回検出値と同じか否かを判定する(ステップS9)。今回の検出値は前回検出値と同じであると判定されると(ステップS9でYES)、電源スイッチ133が操作されて電源OFF操作がされたか否かが判定される(ステップS27)。電源OFF操作されたと判定されると(ステップS27でYES)、各部への電力供給は断たれて一連の処理は終了する。
【0054】
電源OFF操作されないと判定されると(ステップS27でNO)、処理はステップS3に戻り、以降の処理が同様に行なわれる。
【0055】
一方、今回検出した開閉状態およびZ軸またはY軸を中心とした第2の筐体2の回転角度が、前回の検出値と同じではないと判定されると(ステップS9でNO)、検出された開閉状態の値およびZ軸およびY軸を中心とした第2の筐体2の回転角度と、記憶部120から読み出した角度データD1〜D3それぞれが指す値とを比較する。そして、比較結果に基づき、第2表示部30に表示するべき操作部の画像を切り替える(ステップS10)。ステップS10では、本体6を折り畳んだ状態において、第2の筐体2の主面および背面のいずれが外部に露出するかを検出する面検出処理に相当する。
【0056】
具体的には、比較結果に基づき、検出された開閉状態の値および回転角度は、角度データD1の値を指示すると判定すると(ステップS10で“再生”)、動作モードを画像再生モードに移行させるために、動作モードの設定変更が必要か否かを判定する(ステップS11b)。つまり、モードデータMが指す現在の動作モードが“画像再生モード”を指示するか否かを判定し、指示しないと判定すると(ステップS11bでYES)、動作モードを、画像再生モードに切り替える(ステップS13)。そして、モードデータMを、画像再生モードを指示するように更新する。画像再生モードにおいては、記憶部120から読み出された画像は、第1表示部40に表示される(ステップS13)。また、第2表示部30には、制御部110の制御のもとに、表示制御部60によって画像再生操作部の画像が表示される(ステップS15)。
【0057】
なお、モードデータMが指す現在の動作モードが“画像再生モード”を指示すると判定すると(ステップS11bでNO)、動作モードおよび第2表示部30に表示される操作部の画像を変更することなく、処理は後述のステップS25に移行する。
【0058】
一方、比較結果に基づき、検出された開閉状態の値および回転角度は、角度データD2の値を指示すると判定すると(ステップS10で“録音”)、動作モードを録音モードに移行させるために、動作モードの設定変更が必要か否かを判定する(ステップS11d)。つまり、モードデータMが指す現在の動作モードが“録音モード”を指示するか否かを判定し、指示しないと判定すると動作モードを、録音モードに切り替える(ステップS21)。そして、モードデータMを、録音モードを指示するように更新する。録音モードにおいては、マイク30Bで集音された音声データは記憶部120の所定記憶領域に記憶される(ステップS21)。録音モードでは、第1表示部40への電力供給はされないので、第1表示部40には画像は表示されないが、第2表示部30には、制御部110の制御のもとに、表示制御部60によって録音操作部の画像が表示される(ステップS21)。
【0059】
なお、モードデータMが指す現在の動作モードが“録音モード”を指示すると判定すると(ステップS11dでNO)、動作モードおよび第2表示部30に表示される操作部の画像を変更することなく、処理は後述のステップS25に移行する。
【0060】
比較結果に基づき、検出された開閉状態の値および回転角度は、角度データD3の値を指示すると判定すると(ステップS10で“録画”)、動作モードを録画モードに移行させるために、動作モードの設定変更が必要か否かを判定する(ステップS11c)。つまり、モードデータMが指す現在の動作モードが“録画モード”を指示するか否かを判定し、指示しないと判定すると(ステップS11cでYES)、動作モードを、録画モードに切り替える(ステップS17)。そして、モードデータMを、録画モードを指示するように更新する。録画モードにおいては、撮影レンズ10から入力される被写体の画像は、第1表示部40に表示され(ステップS17)、また、記憶部120の所定領域に格納される。録画モードでは、第2表示部30への電力供給はされないので、第2表示部30には操作部の画像は表示されない(ステップS19)。
【0061】
なお、モードデータMが指す現在の動作モードが“録画モード”を指示すると判定すると(ステップS11cでNO)、動作モードおよび第2表示部30に表示される操作部の画像を変更することなく、処理は後述のステップS25に移行する。
【0062】
比較結果に基づき、検出された開閉状態の値および回転角度は、角度データD1〜D3の値のいずれも指示しないと判定すると(ステップS10で“その他”)、動作モードの変更はすることなく、および第2表示部30への電力の供給を遮断して表示をOFFする(なお、表示が既にOFFの場合には、表示をOFFするための処理は行われない)。そして、処理は後述のステップS25に移行する。
【0063】
ステップS25の処理では、制御部110は、ステップS3およびステップS5で今回検出された値を記憶部120の所定領域に格納する。その後、処理はステップS3に移行し、以下の処理が同様に行われる。
【0064】
なお、図10のフローチャートにおいては、ステップS25の処理は、ステップS3およびステップS5の検出処理後に実行されるようにしてもよい。
【0065】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態では、第2表示部30には、画像再生および録音の動作に関する情報(再生画像の録画日付、録音のメモリ残量またはマイク感度などの情報)を、操作部の画像(スイッチまたはボタンの画像)と同時に、またはこれとは個別に、表示するようにしてもよい。
【0066】
また、本体6は第1の筐体1と第2の筐体2の2個の筐体からなるとしているが、3個以上の筐体からなるとしてもよい。
【0067】
また、録音された音声データを、図2のように本体6を置いた状態で、第2の筐体2の主面のスピーカ30Aを介して再生し出力することもできる。この場合には、第1表示部40に音声再生動作に関する情報(再生されている音声ファイル名、残りの再生データ量、スピーカ音量など)を表示するようにしてもよい。
【0068】
また、第2の筐体2の背面においてスピーカを設けても良い。その場合には、たとえば図7の状態のように背面のスピーカを外部に露出するように本体6を置いて、音声を再生出力するようにしてもよい。この場合の音声再生出力時には、第2表示部30には、音声再生のための操作部(スイッチまたはボタン)の画像が表示される。また、操作部画像と同時に、または個別に、第2表示部30には、上述の音声再生動作に関する情報を表示するようにしてもよい。
【0069】
上述の実施の形態では、録画モード時には、第2表示部30では表示がされないとしたが、録画のための記録操作・撮影操作のための操作部(輝度調整、手ぶれ補正の有無、静止画/動画の別を指定するスイッチなど)の画像が表示されてもよい。また、操作部画像と同時に、または個別に録画動作または撮影動作に関する情報(被写体の明るさ情報、ピント調整情報など)を表示するようにしてもよい。
【0070】
さらに、上述の実施の形態に示す図10の処理フローチャートに従うプログラムを含む各種のプログラムはコンピュータなどの機械が読み取り可能な記録媒体に格納される。記録媒体としては、記憶部120に適用される、たとえばCD−ROM、ROM、RAMおよびメモリカードなどの各種の記憶媒体である。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0071】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 第1の筐体、2 第2の筐体、3 面、4A マグネット、4B センサ、6 本体、10 撮影レンズ、30 第2表示部、30A スピーカ、30B マイク、40 第1表示部、41 連結部、51,52 角度センサ、53 開閉検出部、54 角度検出部、60 表示制御部、100 記録再生装置、110 制御部、120 記憶部、121 メモリカード、130 操作部、181 マイク部、182 スピーカ部、190 圧縮伸張処理部、D1,D2,D3 角度データ、M モードデータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像および音声を含む情報を記録および再生する携帯可能な記録再生装置であって、
第1の筐体と、主面に画像を表示する第1表示部を有し、且つ、前記主面の背面に録音のための音声集音部を有した第2の筐体と、を含む筐体部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを重ね合せ可能に接続するための連結部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを前記連結部を介して重ね合せることにより前記筐体部を折り畳んだ状態で、外部への露出面に設けられた第2表示部と、
前記折り畳んだ状態において、前記主面および前記背面のいずれが外部に露出するかを検出する面検出手段と、を備え、
前記折り畳んだ状態において、前記面検出手段の検出結果に基づき、前記第2表示部に、画像表示の操作入力を受付けるための表示操作部の画像または録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像を切り替え表示する、記録再生装置。
【請求項2】
前記第1表示部には、再生される画像が表示され、
前記表示操作部は、前記第1表示部に再生表示される画像の再生操作入力を受付けるための再生操作部を含む、請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記第2表示部は、前記折り畳んだ状態で、前記第1の筐体の外部への露出面に設けられる、請求項1または2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記折り畳んだ状態で、前記第2表示部が設けられる露出面と、前記主面および前記背面のうち外部に露出する面とは、同一面内に含まれる、請求項1から3のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記第1表示部には、撮影される画像が表示され、
前記表示操作部は、前記第1表示部に表示される撮影画像に関する操作入力を受付けるための撮影操作部を含む、請求項1から4のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記撮影操作部は、前記撮影画像を記録するための記録操作部を含む、請求項5に記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記折り畳まれた状態で、前記面検出手段の検出結果に基づき、前記第2表示部に画像表示の動作または録音の動作に関する情報を切り替え表示する、請求項1から6のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記記録再生装置は、画像再生モードおよび録音モードを含む複数種類の動作モードを有し、
前記面検出手段の検出結果に基づき、前記記録再生装置の動作モードとして、前記画像再生モードまたは前記録音モードを切り替え設定する、請求項1から7のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記第1の筐体は撮影レンズを、さらに含み、
前記筐体部が開いた状態にあるとき、前記第1表示部には、前記撮影レンズを介して撮影される画像が表示される、請求項1から8のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記第2の筐体の前記主面には、音声を出力するための音声出力部を有する、請求項1から9のいずれかに記載の記録再生装置。
【請求項11】
画像および音声を含む情報を記録および再生する携帯可能な記録再生装置の制御方法であって、
前記記録再生装置は、
第1の筐体と、主面に画像を表示する第1表示部を有し、且つ、前記主面の背面に録音のための音声集音部を有した第2の筐体と、を含む筐体部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを重ね合せ可能に接続するための連結部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを前記連結部を介して重ね合せることにより前記筐体部を折り畳んだ状態で、外部への露出面に設けられた第2表示部と、を備え、
前記制御方法は、
前記折り畳んだ状態において、前記主面および前記背面のいずれが外部に露出するかを検出するステップと、
前記折り畳んだ状態において、前記検出するステップの検出結果に基づき、前記第2表示部に、画像表示の操作入力を受付けるための表示操作部の画像または録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像を切り替え表示するステップ、とを備える、記録再生装置の制御方法。
【請求項12】
画像および音声を含む情報を記録および再生する携帯可能な記録再生装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記録再生装置は、
第1の筐体と、主面に画像を表示する第1表示部を有し、且つ、前記主面の背面に録音のための音声集音部を有した第2の筐体と、を含む筐体部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを重ね合せ可能に接続するための連結部と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを前記連結部を介して重ね合せることにより前記筐体部を折り畳んだ状態で、外部への露出面に設けられた第2表示部と、を備え、
前記制御方法は、
前記折り畳んだ状態において、前記主面および前記背面のいずれが外部に露出するかを検出するステップと、
前記折り畳んだ状態において、前記検出するステップの検出結果に基づき、前記第2表示部に、画像表示の操作入力を受付けるための表示操作部の画像または録音操作入力を受付けるための録音操作部の画像を切り替え表示するステップ、とを備える、ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−228939(P2011−228939A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96978(P2010−96978)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】