説明

記録制御装置、記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】外部の装置から入力されるデータを記録する記録装置において、記録用のデータの枯渇を防止し、安定して記録動作を継続できるようにする。
【解決手段】印刷ヘッド31により感熱ロール紙に印刷を行うプリンター2を制御する制御部20は、ホストコンピューター4から入力されたデータを展開して印刷用のイメージデータを生成するイメージ展開部204と、イメージ展開部204により生成されたイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファー205と、イメージバッファー205に記憶されたイメージデータを読み出して、印刷ヘッド31により感熱ロール紙に印刷させる印刷制御部206と、を備え、印刷制御部206は、イメージ展開部204におけるイメージデータの生成速度に基づいて、印刷機構部の印刷速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録速度を変化させる記録制御装置、この記録制御装置を有する記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホストコンピューター等の装置から入力されるデータに基づいて記録を行うプリンター等の装置において、記録速度を可変としたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の印刷装置は、ホストシステムから入力されるデータを記憶するバッファーメモリーを備え、バッファーメモリー内のデータ量が少なくなった場合に印刷速度を低下させてメモリー内のデータ読み出し速度を低下させ、これによりデータ不足による印刷の中断を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−169677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような記録装置において、外部の装置からデータが十分に供給されている状態であっても、装置内部におけるデータ処理が間に合わなければ、データ不足による記録動作の中断を招くことがある。例えば、文字装飾等の高負荷の処理を記録装置の内部で行う場合、外部の装置からのデータ入力状態とは関係なく記録するためのデータが不足し、動作の中断を招きやすい。また、バッファーメモリーの記憶容量が小さいと、バッファーメモリー内のデータ量が十分であってもデータ読み出し速度が速い場合はデータの枯渇を招くおそれがあった。このため、バッファーメモリーの記憶容量が十分に大きくなければ印刷速度を適切なレベルに調整することが困難であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、外部の装置から入力されるデータを記録する記録装置において、記録用のデータの枯渇を防止し、安定して記録動作を継続できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録機構部を制御する記録制御装置において、外部から入力されるデータを展開して、記録用のイメージデータを生成するイメージ展開部と、前記イメージ展開部により生成されたイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファーメモリーと、前記イメージバッファーメモリーに記憶されたイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させる記録制御部と、を備え、前記記録制御部は、前記イメージ展開部における前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部の記録速度を制御すること、を特徴とする。
この構成によれば、外部から入力されるデータを展開して記録用のイメージデータを生成する際の生成速度に基づいて、記録機構部による記録速度を制御するので、高負荷の処理になりやすいデータの展開に係る処理の速度と、展開されたイメージデータに基づく記録の速度との調和を図り、イメージデータの枯渇による記録動作の中断を回避できる。また、イメージデータの生成速度は、外部からデータが入力される速度とデータの展開処理の速度との両方を反映しているので、このイメージデータの生成速度に基づいて記録速度を制御すれば、確実に記録動作の中断を回避できる。さらに、イメージデータを展開する速度に基づいて記録速度を制御するので、バッファーメモリーの容量による制約を受けにくく、適切に記録速度を制御できる。
【0006】
上記構成において、前記イメージ展開部は、前記イメージデータを生成して、生成したイメージデータを予め設定されたジョブ単位で前記イメージバッファーメモリーに出力し、前記記録制御部は、前記イメージ展開部から前記イメージバッファーメモリーにジョブが出力される間隔に基づいて、前記記録機構部の記録速度を制御してもよい。
この場合、イメージ展開部が生成したイメージデータを予め設定されたジョブ単位でイメージバッファーメモリーに出力することとし、このジョブの間隔に基づいて記録速度を制御するので、イメージ展開の処理速度を容易に、かつ正確に検出し、この速度に合わせて記録速度を適切に制御することができ、継続して安定した記録動作を行う事ができる。
【0007】
この構成において、前記記録制御部は、前記イメージ展開部から前記イメージバッファーメモリーにジョブが出力される毎に、その前のジョブが出力されてからの間隔を求め、この間隔に基づいて受信した前記ジョブの記録時における記録速度を制御してもよい。
この場合、ジョブの間隔に基づいて、その直後に記録されるジョブの記録速度を制御するので、記録速度を常に最適な速度に保つことができ、継続して安定した記録動作を行う事ができる。
【0008】
また、上記構成において、前記記録制御部は、前記ジョブの記録時における記録速度を、その前のジョブの記録時における記録速度より所定以上の幅で増大または低減させる場合には、その前のジョブの記録速度も増大または低減させてもよい。
この場合、記録速度が所定以上の幅で大きく増大または低減する際には、その前のジョブの記録速度が増大または低減されるので、記録速度の極端な増減を回避し、より安定した記録動作の実現と、記録品質の向上が期待できる。
【0009】
また、上記構成において、前記イメージ展開部は、生成したイメージデータを、前記記録機構部が記録する少なくとも1行あるいは少なくとも1ドットラインに相当するジョブを単位として前記イメージバッファーメモリーに出力してもよい。
この場合、記録媒体に記録されるキャラクター(文字)などが1行あるいはグラフィック(画像)などが1ドットラインに相当するジョブを単位としてイメージデータが出力され、このジョブの間隔に基づいて記録速度が制御されるので、記録速度がきめ細かく調整されるため安定した記録動作を行う事ができる。この場合、適切な速度になるのであれば、数行、数ドットラインなどの単位としてもよい。
【0010】
また、本発明は、記録媒体に記録を行う記録ヘッドを有する記録機構部と、外部から入力されるデータを展開して、記録用のイメージデータを生成するイメージ展開部と、前記イメージ展開部により生成されたイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファーメモリーと、前記イメージバッファーメモリーに記憶されたイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させる記録制御部と、を備え、前記記録制御部は、前記イメージ展開部における前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部による記録速度を制御すること、を特徴とする。
この記録装置によれば、外部から入力されるデータを展開して記録用のイメージデータを生成する際の生成速度に基づいて、記録機構部による記録速度を制御するので、高負荷の処理になりやすいデータの展開に係る処理の速度と、展開されたイメージデータに基づく記録の速度との調和を図り、イメージデータの枯渇による記録動作の中断を回避できる。また、イメージデータの生成速度は、外部からデータが入力される速度とデータの展開処理の速度との両方を反映しているので、このイメージデータの生成速度に基づいて記録速度を制御することにより、確実に記録動作の中断を回避できる。
【0011】
本発明は、記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録機構部を制御する記録装置の制御方法であって、外部から入力されたデータを展開して、記録用のイメージデータを生成し、生成したイメージデータを一時的にイメージバッファーメモリーに記憶し、このイメージバッファーメモリーに記憶したイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させ、前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部による記録速度を制御すること、を特徴とする。
この制御方法により記録装置を制御することで、外部から入力されるデータを展開して記録用のイメージデータを生成する際の生成速度に基づいて、記録機構部による記録速度を制御するので、高負荷の処理になりやすいデータの展開に係る処理の速度と、展開されたイメージデータに基づく記録の速度との調和を図り、イメージデータの枯渇による記録動作の中断を回避できる。また、イメージデータの生成速度は、外部からデータが入力される速度とデータの展開処理の速度との両方を反映しているので、このイメージデータの生成速度に基づいて記録速度を制御すれば、確実に記録動作の中断を回避できる。さらに、イメージデータを展開する速度に基づいて記録速度を制御するので、バッファーメモリーの容量による制約を受けにくく、適切に記録速度を制御できる。
【0012】
また、本発明は、記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録機構部を制御する制御部が実行するプログラムであって、前記制御部は、外部から入力されたデータを展開して、記録用のイメージデータを生成し、生成したイメージデータを一時的にイメージバッファーメモリーに記憶し、このイメージバッファーメモリーに記憶したイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させ、前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部による記録速度を制御すること、を特徴とする。
このプログラムを制御部により実行することで、記録装置の外部から入力されるデータを展開して記録用のイメージデータを生成する際の生成速度に基づいて、記録機構部による記録速度を制御するので、高負荷の処理になりやすいデータの展開に係る処理の速度と、展開されたイメージデータに基づく記録の速度との調和を図り、データの展開処理が間に合わないことによる記録動作の中断を回避できる。また、イメージデータの生成速度は、外部からデータが入力される速度とデータの展開処理の速度との両方を反映しているので、このイメージデータの生成速度に基づいて記録速度を制御すれば、確実に記録動作の中断を回避できる。さらに、イメージデータを展開する速度に基づいて記録速度を制御するので、バッファーメモリーの容量による制約を受けにくく、適切に記録速度を制御できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力されるデータを展開して記録用のイメージデータを生成する際の生成速度に基づいて、記録速度を適切に制御することにより、イメージデータの枯渇による記録動作の中断を回避して、安定した記録動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】プリンターの機能ブロック図である。
【図3】プリンターにおけるイメージデータの処理の様子を示す説明図である。
【図4】イメージデータを生成する速度の検出に係る処理の説明図である。
【図5】プリンターの動作を示すフローチャートである。
【図6】印刷速度の変化の例を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用したプリンター2の回路構成を示すブロック図である。
本実施形態で説明する記録装置としてのプリンター2は、その本体(図示略)に記録媒体としての感熱ロール紙を収容し、発熱素子を備えた印刷ヘッド31によって、感熱ロール紙の記録面に熱を加えることにより文字(キャラクター)や画像(グラフィック)等を印刷(記録)する装置である。プリンター2は、通信回線3を介してホストコンピューター4に接続され、このホストコンピューター4から制御データや印刷用のデータを受信する。通信回線3は、例えば、RS−232C規格に準拠したシリアルインターフェース、IEEE1284規格に準拠したパラレルインターフェース等で構成される通信ケーブル、Ethernet(登録商標)、無線LAN等の有線または無線の近距離通信回線等で構成されるが、ホストコンピューター4をプリンター2の遠隔地に設置して、公衆回線網や移動体通信網を通信回線3として利用する構成としてもよい。
【0016】
プリンター2は、プリンター2の全体を制御する制御部20と、制御部20の制御に従って動作する各部を備えて構成される。制御部20は、所定のプログラムを実行して各種データを処理することにより制御を行うCPU21と、CPU21が実行する基本制御プログラムを記憶したROM22と、CPU21が実行するプログラムや処理対象のデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成するRAM23と、CPU21の制御に従ってモーター等を駆動するモータードライバー24とを備えている。そして、CPU21には、CPU21が実行する制御プログラムや処理対象のデータ等を不揮発的に記憶する不揮発性メモリー25が接続される。不揮発性メモリー25は、具体的には、EEPROMやフラッシュメモリー等の半導体記憶素子により構成される。
モータードライバー24には、感熱ロール紙の排出口近傍に設けられたカッターユニット(図示略)を駆動して感熱ロール紙をカットするカッター駆動モーター32、及び、ローラープラテン(図示略)を回転させて感熱ロール紙を搬送する搬送モーター33が接続されている。このモータードライバー24と、モータードライバー24により制御される搬送モーター33と、CPU21により制御される記録ヘッドとしての印刷ヘッド31とを含めて、記録機構部が構成される。
【0017】
また、プリンター2の本体には、感熱ロール紙のフィード動作を指示するための図示しない紙送りスイッチ、及び、プリンター2の動作状態を示すLED表示部が設けられ、CPU21には、紙送りスイッチにおける操作を検出する入力部26、LED表示部を制御して各種表示を行わせる表示部27が接続されている。
さらに、プリンター2は、感熱ロール紙の搬送路上において感熱ロール紙の有無を検出する用紙端センサー34、感熱ロール紙の残量が所定量以下になったことを検出する用紙残量センサー35、及び、インターフェース28を備えている。
【0018】
モータードライバー24には、カッター駆動モーター32、及び、搬送モーター33が接続される。モータードライバー24は、印刷ヘッド31の各発熱素子(図示略)に対して駆動電流を供給するとともに電圧を制御して、感熱ロール紙の記録面を発色させる。また、モータードライバー24は、例えばステッピングモーターで構成されるカッター駆動モーター32及び搬送モーター33に対し、駆動電源を供給するとともに必要数の駆動パルスを出力して、ローラープラテンにより感熱ロール紙を搬送し、カッターユニットによって感熱ロール紙を切断する。
【0019】
CPU21は、用紙端センサー34及び用紙残量センサー35により検出される感熱ロール紙の位置や感熱ロール紙の残量を監視しながら、インターフェース28を介してホストコンピューター4から入力されるデータに基づいて、印刷ヘッド31に接続されたヘッドドライバー(図示略)を制御するとともに、モータードライバー24を介してカッター駆動モーター32及び搬送モーター33を動作させ、感熱ロール紙への印刷を実行する。また、CPU21は、入力部26によって紙送りスイッチの操作を検出した場合は搬送モーター33を動作させて感熱ロール紙を所定量搬送する。また、CPU21は、プリンター2の動作状態等に合わせて表示部27を介してLED表示部の各LEDの点灯状態を変化させる。
また、インターフェース28は、通信回線3を介してホストコンピューター4に接続され、ホストコンピューター4との間のデータの送受信を制御し、ホストコンピューター4から受信したデータ(コマンドを含む)を受信バッファー201に記憶させる。
【0020】
図2は、プリンター2の機能的構成を示す機能ブロック図である。この図2に示す各機能ブロックは、図1に示したプリンター2の各部のハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能を示す。
制御部20は、インターフェース28を介してホストコンピューター4から受信したコマンドやデータを一時的に記憶する受信バッファー201、受信バッファー201に記憶されたコマンドを検出して、その種類や内容を判定するコマンド判定部202、コマンド判定部202により検出されたコマンドに従って処理を実行するコマンド処理部203、コマンド判定部202により検出されたコマンドに従って、受信バッファー201に記憶された印刷用のデータを展開して感熱ロール紙に印刷されるイメージデータを生成するイメージ展開部204、イメージ展開部204が生成したイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファー205(イメージバッファーメモリー)、及び、イメージバッファー205からイメージデータを読み出して感熱ロール紙に印刷する印刷制御部206(記録制御部)を有する。
【0021】
受信バッファー201は、RAM23(図1)により構成される揮発性の記憶部であり、インターフェース28を介して受信したデータを、コマンドやデータの区別なく、受信した順に記憶する。
コマンド判定部202は、受信バッファー201に記憶されたデータを先頭から順に参照し、各データがコマンドであるか否かを判定する。すなわち、コマンド判定部202は、受信バッファー201に記憶されたデータの中からコマンドを検出する。
コマンド判定部202は、受信バッファー201において検出したコマンドが、印刷実行以外のコマンドである場合、コマンド処理部203にコマンドを検出したことを示す情報を出力し、印刷実行を指示する印刷コマンドを検出した場合には、イメージ展開部204に対してコマンドを検出したことを示す情報を出力する。
【0022】
ホストコンピューター4から送信されるコマンドは、その処理対象のデータを伴っている場合があり、例えば、プリンター2における印刷モード等の設定を行う場合は、機能設定コマンドとともに設定内容を示すデータがホストコンピューター4から送信され、インターフェース28により受信されて受信バッファー201に記憶される。また、ホストコンピューター4が印刷実行を指示する場合、印刷コマンドに続けて印刷データがホストコンピューター4から送信されて受信バッファー201に記憶される。
コマンド処理部203は、コマンド判定部202によってコマンドであると判定されたデータを受信バッファー201から読み出して、そのコマンドを実行する。
【0023】
図3は、プリンター2におけるイメージデータの処理の様子を示す説明図であり、イメージ展開部204、イメージバッファー205及び印刷制御部206の間のデータの授受を模式的に示している。
イメージ展開部204は、コマンド判定部202によって検出された印刷コマンドと、この印刷コマンドに続けて受信された印刷データとを受信バッファー201から読み出し、印刷データを展開してイメージデータを生成する。イメージ展開部204が生成するイメージデータは、感熱ロール紙に形成される形態そのもののデータであり、文字、画像及びその他のオブジェクトの全てを含む印刷イメージである。イメージ展開部204は、イメージデータを、図3に示すように所定サイズのジョブ毎に生成して、イメージバッファー205に順次出力して、記憶させる。
【0024】
ここで、一つのジョブは、文字のイメージデータであれば1行分に相当し、画像のイメージデータでは1ドットライン分に相当する。印刷ヘッド31のドット数が24ドットである場合は、画像のイメージデータは24ドット分のデータが1つのジョブとして生成される。行間スペースを6ドットとした場合、印刷ヘッド31のドット数と合わせて、1つのジョブを30ドット分として生成してもよい。イメージ展開部204は、1つのジョブに相当するイメージデータを生成して、生成した順にイメージバッファー205に出力する。
イメージバッファー205は、RAM23(図1)により構成される揮発性の記憶部であり、イメージ展開部204からジョブ単位で入力されるイメージデータを、入力された順に記憶する。
【0025】
印刷制御部206は、用紙端センサー34及び用紙残量センサー35の検出値に基づいて、印刷ヘッド31、搬送モーター33及びカッター駆動モーター32を制御して感熱ロール紙に印刷する。この印刷制御部206は、図3に示すように、イメージバッファー205に記憶されているイメージデータを、ジョブ単位で、イメージバッファー205への記憶順に読み出して、感熱ロール紙への印刷を行う。
ここで、イメージバッファー205は、いわゆるFIFO構造のメモリーであり、印刷制御部206は、イメージバッファー205内のイメージデータを、記憶された順すなわち最も古いものから順に読み出す。印刷制御部206により読み出されたイメージデータは、印刷済みのデータとしてイメージバッファー205から消去される。このため、イメージバッファー205には、印刷を待つ最新のイメージデータがジョブ単位で記憶されていることになる。
【0026】
本実施形態の印刷制御部206は、印刷速度を変更可能に構成される。
印刷速度とは、印刷中に搬送モーター33により搬送される速度であり、例えば、1秒当たりの感熱ロール紙の搬送量として、200mm/秒、80mm/秒等と表現される。
印刷制御部206は、印刷速度に応じた速さでイメージバッファー205からイメージデータを読み出す。言い換えれば、イメージバッファー205内のイメージデータは印刷速度に応じて消費される(読み出される)。このため、イメージ展開部204がイメージデータを生成してイメージ展開部204に出力する速さが、イメージデータが消費される速さを下回ってしまうと、イメージバッファー205のイメージデータが枯渇し、印刷制御部206が印刷動作を中断する必要が生じる。このような印刷動作の中断を避けるため、印刷制御部206は、イメージ展開部204がイメージバッファー205にイメージデータを出力するタイミングに基づいて、イメージ展開部204がデータを展開してイメージデータを生成する速度を検出し、この速度に合わせて印刷速度を決定する。
【0027】
図4は、イメージ展開部204がイメージデータを生成する速度の検出に係る処理の説明図であり、特に、イメージデータをイメージバッファー205に出力する様子を示す。
イメージ展開部204は、受信バッファー201から読み出したデータを展開してイメージデータを生成し、ジョブ単位でイメージバッファー205に出力する。印刷制御部206は、イメージバッファー205に入力されるジョブとジョブとの間の時間(図中のジョブ受信間隔)を計測し、ジョブに対応付けて保持する。
例えば、図4に示すように、イメージバッファー205にジョブ1、ジョブ2、…ジョブ(n−1)、ジョブn、ジョブ(n+1)、…が入力される場合において、印刷制御部206は、イメージバッファー205へのジョブ1とジョブ2の入力タイミングの間隔を、ジョブ受信間隔(1)として、ジョブ2に対応付けて保持する。同様に、ジョブ2とジョブ3との間隔をジョブ受信間隔(2)とし、以下、ジョブ(n−1)とジョブnとの間隔をジョブ受信間隔(n−1)、ジョブnとジョブ(n+1)との間隔をジョブ受信間隔(n)として保持する。
【0028】
ジョブを構成するデータは予めキャラクター1行分またはグラフィック1ドットライン分と決まっているので、ジョブ受信間隔が短いほど、イメージ展開部204のイメージデータ生成速度が高速であることになる。従って、印刷制御部206は、ジョブ受信間隔の長さに基づいて、印刷速度を決定する。
すなわち、印刷制御部206は、ジョブ受信間隔(1)を、予め設定された複数段階のしきい値と比較し、ジョブ受信間隔(1)が属する範囲に対応する印刷速度を求め、この印刷速度を、ジョブ2を印刷する際の印刷速度として決定する。以下、印刷制御部206は、ジョブ受信間隔(2)に基づいて、ジョブ3を印刷する際の印刷速度を決定し、ジョブ受信間隔(n)に基づいてジョブ(n+1)を印刷する際の印刷速度を決定する。このように、ジョブを受信する毎にジョブ受信間隔を求め、このジョブ受信間隔に基づいて該ジョブの印刷時の印刷速度を設定するので、印刷速度をきめ細かく制御してイメージバッファー205のイメージデータが枯渇する事態を確実に防止し、安定した印刷を行える。
【0029】
図5は、プリンター2の動作を示すフローチャートであり、印刷速度の設定と印刷動作に関する動作を示す。
プリンター2の制御部20は、イメージバッファー205に記憶されたイメージデータの中から、先頭のジョブnのイメージデータを取得する(ステップS1)。続いて、制御部20は、取得したジョブnのイメージデータと、その前のジョブ(n−1)のイメージデータとのジョブ受信間隔(n−1)を取得する(ステップS2)。制御部20は、印刷制御部206の機能によって、常時、イメージバッファー205へのイメージデータの入力を検出し、イメージデータが入力される毎にジョブ受信間隔を求めて保持するので、ステップS2では、既に保持しているジョブ受信間隔(n−1)を取得する。
制御部20は、取得したジョブ受信間隔(n−1)に基づいて、ジョブnのイメージデータを印刷する間の印刷速度を決定し(ステップS3)、決定した印刷速度が、その前のジョブ(n−1)の印刷速度と設定値を超える速度差を有するか否かを判別する(ステップS4)。
【0030】
ここで、ジョブnの印刷速度とジョブ(n−1)の印刷速度との間に設定値以上の速度差がない場合(ステップS4;No)、制御部20は、決定した印刷速度でジョブnのイメージデータの印刷を開始する(ステップS5)。さらに、制御部20は、印刷開始後に、ジョブnのイメージデータが印刷対象の最終のイメージデータであるか否かを判別し(ステップS6)、最終のイメージデータである場合は(ステップS6;Yes)、ジョブnのイメージデータの印刷が済んだ後に本処理を終了する。
一方、印刷中のジョブnのイメージデータで最終のイメージデータでない場合(ステップS6;No)、制御部20は、イメージバッファー205内に次のジョブ(n+1)のイメージデータがあるか否かを判別する(ステップS7)。
【0031】
ここで、イメージバッファー205内に次のジョブのイメージデータがない場合(ステップS7;No)、制御部20は、実行中のジョブのイメージデータを印刷し終わった時点で印刷動作をいったん中断させ(ステップS8)、イメージバッファー205内に記憶されるイメージデータの量が所定量(例えば、ジョブ1つ分以上)に回復するまで待機し(ステップS9)、イメージデータの量が回復したら、印刷動作を再開して(ステップS10)、ステップS7に戻る。なお、ステップS8においては、1つのジョブのイメージデータの印刷途中で印刷動作を中断してもよい。
イメージバッファー205内に次のジョブのイメージデータが記憶されている場合(ステップS7;Yes)、制御部20は、ステップS1に戻って次のジョブのイメージデータを取得して印刷する。
【0032】
また、ジョブnの印刷速度とジョブ(n−1)の印刷速度との間に設定値以上の速度差がない場合(ステップS4;Yes)、制御部20は、ジョブnの印刷を開始する前に、その前のジョブ(n−1)の印刷速度を変更する(ステップS11)。この印刷速度の変更は、ジョブ(n−1)の印刷途中であっても行う。そして、印刷速度を変更させてジョブ(n−1)の印刷を行った後、制御部20はステップS5に移行し、ジョブnの印刷を開始する。
なお、図5に示す動作において使用する設定値あるいは閾値は、例えば、ホストコンピューター4から受信したコマンドにより設定され、ROM22またはRAM23に記憶される。
【0033】
図6は、印刷速度の変化の例を示す図表である。
上述したように、制御部20は、印刷速度を、その前のジョブとのジョブ受信間隔に基づいて決定するが、印刷速度を増大或いは減少させる場合、必ず加速期間または減速期間が必要であるため、即座に決定された印刷速度に切り替えることはできない。
図6(A)に示す例では、ジョブnを印刷速度V1で印刷し、次のジョブ(n+1)を印刷速度V3で印刷する。この場合、印刷速度V1から印刷速度V3まで加速するために時間がかかるので、実際には、ジョブ(n+1)の印刷開始から加速を開始し、ジョブ(n+1)の印刷中に速度V3に達してから、印刷速度V3が保たれる。つまり、図6(A)の例では、ジョブ(n+1)の印刷速度を実現するために必要な加速は、ジョブ(n+1)の印刷中に行われる。
【0034】
印刷速度の減速を要する場合も同様であり、図6(A)に示す例では、ジョブ(n+4)の印刷速度V2がジョブ(n+3)の印刷速度V3より大幅に低速であり、長い減速期間を必要とする。この場合、ジョブ(n+3)の印刷が完了してから減速が行われ、ジョブ(n+4)の印刷中に、印刷速度が、決定された印刷速度V2に達したら、その後は印刷速度V2でジョブ(n+4)の最後まで印刷が行われる。
このように、制御部20は、ジョブnの印刷速度への加減速を、ジョブnの印刷を開始してから行うため、印刷速度を高速に、或いは低速に変化させたことによる効果が多少減殺されるが、それでも、イメージ展開部204がイメージデータを生成する速度に合わせて印刷に要する時間を変化させることで、イメージデータの枯渇を防止できる。また、イメージデータの生成速度を超えない範囲で、印刷速度を高めることができ、スループットの向上が期待できる。
【0035】
さらに、本実施形態のプリンター2は、図5のステップS11で説明した処理により、ジョブのイメージデータの印刷速度を、その前のジョブの印刷速度から設定値を超えて変化させる場合には、その前のジョブの印刷中から速度を変化させることが可能である。
図6(B)に示す例では、ジョブnを印刷速度V1で印刷し、次のジョブ(n+1)を印刷速度V3で印刷する際に、ジョブnの印刷中に加速を開始する。このため、ジョブnの印刷を開始する時点または印刷開始まもなく、加速が完了しており、ジョブnの印刷中はほぼ決定された印刷速度V3で印刷される。また、ジョブ(n+3)を印刷速度V3で印刷し、次のジョブ(n+4)を、より低速の印刷速度V2で印刷する際に、ジョブ(n+3)の印刷中に減速を開始するので、ジョブ(n+4)の印刷を開始する時点または印刷開始まもなく、減速が完了している。このように、印刷速度の大幅な加減速を必要とする場合に、その前のジョブの印刷中から印刷速度の加減速を開始することで、決定された印刷速度への移行を早めることができる。これにより、イメージ展開部204のイメージデータ生成の速度が変化した場合に、この変化に速やかに対応してイメージデータの消費速度を変化させるので、イメージデータの生成速度に余裕がある場合は印刷速度を高めてスループットの向上を図ることができ、かつ、イメージデータの生成速度を超えないように印刷速度を制御することで、印刷動作の中断を回避し、安定して印刷を行える。
また、図6(A)、図6(B)に示したように印刷速度をリニアに変化させるので、急激な印刷速度の変化がないため印刷品質の低下を防止できる。
【0036】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係るプリンター2によれば、印刷ヘッド31により感熱ロール紙に印刷を行うプリンター2を制御する制御部20が、ホストコンピューター4から入力されたデータを展開して印刷用のイメージデータを生成するイメージ展開部204と、イメージ展開部204により生成されたイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファー205と、イメージバッファー205に記憶されたイメージデータを読み出して、印刷ヘッド31により感熱ロール紙に印刷させる印刷制御部206と、を備え、印刷制御部206は、イメージ展開部204におけるイメージデータの生成速度に基づいて、印刷機構部の印刷速度を制御する。
これにより、プリンター2は、ホストコンピューター4から入力されるデータを展開して印刷用のイメージデータを生成する際の生成速度に基づいて印刷速度を制御するので、高負荷の処理になりやすいデータの展開に係る処理の速度と、展開されたイメージデータに基づく印刷の速度との調和を図り、データの展開処理が間に合わないことによる印刷動作の中断を回避できる。また、イメージデータの生成速度は、外部からデータが入力される速度とデータの展開処理の速度との両方を反映しているので、このイメージデータの生成速度に基づいて印刷速度を制御することによって、確実に印刷動作の中断を回避できる。さらに、バッファーメモリーの容量による制約を受けにくく、適切に印刷速度を制御できる。
【0037】
また、制御部20のイメージ展開部204は、イメージデータを生成して、生成したイメージデータを予め設定されたジョブ単位でイメージバッファー205に出力し、印刷制御部206は、イメージ展開部204からイメージバッファー205にジョブが出力されるジョブ受信間隔に基づいて印刷速度を制御するので、イメージ展開部204がデータを展開してイメージデータを生成する速度を容易に、かつ正確に検出し、この速度に合わせて印刷速度を適切に制御できる。そして、このジョブ受信間隔に対応して印刷速度を変化させることで、イメージデータが枯渇するおそれがない範囲で印刷速度を高めてスループットの向上を図ることができ、かつ、イメージデータの生成速度を超えないように印刷速度を制御することで、印刷動作の中断を回避し、安定して印刷を行える。
さらに、イメージバッファー205に記憶されたイメージデータの残量に依存しないで印刷速度を決定するので、イメージバッファー205の容量に関わらず、適切な印刷速度を設定して、イメージデータの枯渇を防止できる。
さらに、イメージ展開部204は、生成したイメージデータをキャラクター等の1行あるいはグラフィック等の1ドットラインに相当するジョブを単位としてイメージバッファー205に出力し、このジョブの受信間隔に基づいて印刷速度が制御されるので、印刷速度をきめ細かく調整することができ、安定した記録動作を行う事ができる。イメージデータの生成速度を超えないように印刷速度を制御することができれば、ジョブの単位を、キャラクター等の1行あるいはグラフィック等の1ドットラインとしてもよい。
【0038】
なお、上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、イメージ展開部204が、1行分のキャラクターまたは1ドットライン分のグラフィックのデータからなるジョブを単位としてイメージデータを出力する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクターとグラフィックとを区別せず、設定された所定ドット数分を1つのジョブとして、イメージバッファー205にイメージデータを出力してもよい。また、ジョブを構成するデータ量についても制限はなく、プリンター2が備えるイメージ展開部204のサイズや印刷時にイメージデータを消費する速度に応じて適宜設定すればよい。
【0039】
また、本発明を適用可能な記録装置は、記録媒体への記録速度を制御可能なプリンターであれば特に制限されず、特に、ラインプリンターであればライン毎のイメージデータの生成速度に基づいて印刷速度を制御できるため好適であり、例えば、記録媒体の搬送方向に直交して往復走査されるキャリッジと、このキャリッジに搭載された記録ヘッドとを用いて記録を行うドットインパクト式プリンター、インクジェット式プリンター、熱昇華型プリンター等が挙げられる。本発明は、イメージデータをページ単位で処理する場合にも応用でき、ページ単位で印刷を行うインクジェット式プリンターやレーザープリンターに対しても適用可能である。さらに、本発明は、他の装置に組み込まれるプリンターにも本発明を適用可能であって、その適用対象は限定されない。
【符号の説明】
【0040】
2…プリンター(記録装置)、3…通信回線、4…ホストコンピューター、20…制御部(記録制御装置)、31…印刷ヘッド(記録ヘッド)、33…搬送モーター、204…イメージ展開部、205…イメージバッファー(イメージバッファーメモリー)、206…印刷制御部(記録制御部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録機構部を制御する記録制御装置において、
外部から入力されるデータを展開して、記録用のイメージデータを生成するイメージ展開部と、
前記イメージ展開部により生成されたイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファーメモリーと、
前記イメージバッファーメモリーに記憶されたイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させる記録制御部と、を備え、
前記記録制御部は、前記イメージ展開部における前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部の記録速度を制御すること、
を特徴とする記録制御装置。
【請求項2】
前記イメージ展開部は、前記イメージデータを生成して、生成したイメージデータを予め設定されたジョブ単位で前記イメージバッファーメモリーに出力し、
前記記録制御部は、前記イメージ展開部から前記イメージバッファーメモリーにジョブが出力される間隔に基づいて、前記記録機構部の記録速度を制御すること、を特徴とする請求項1記載の記録制御装置。
【請求項3】
前記記録制御部は、前記イメージ展開部から前記イメージバッファーメモリーにジョブが出力される毎に、その前のジョブが出力されてからの間隔を求め、この間隔に基づいて受信した前記ジョブの記録時における記録速度を制御すること、を特徴とする請求項2記載の記録制御装置。
【請求項4】
前記記録制御部は、前記ジョブの記録時における記録速度を、その前のジョブの記録時における記録速度より所定以上の幅で増大または低減させる場合には、その前のジョブの記録速度も増大または低減させること、を特徴とする請求項3記載の記録制御装置。
【請求項5】
前記イメージ展開部は、生成したイメージデータを、前記記録機構部が記録する少なくとも1行あるいは少なくとも1ドットラインに相当するジョブを単位として前記イメージバッファーメモリーに出力すること、を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の記録制御装置。
【請求項6】
記録媒体に記録を行う記録ヘッドを有する記録機構部と、
外部から入力されるデータを展開して、記録用のイメージデータを生成するイメージ展開部と、
前記イメージ展開部により生成されたイメージデータを一時的に記憶するイメージバッファーメモリーと、
前記イメージバッファーメモリーに記憶されたイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させる記録制御部と、を備え、
前記記録制御部は、前記イメージ展開部における前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部による記録速度を制御すること、
を特徴とする記録装置。
【請求項7】
記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録機構部を制御する記録装置の制御方法であって、
外部から入力されたデータを展開して、記録用のイメージデータを生成し、生成したイメージデータを一時的にイメージバッファーメモリーに記憶し、このイメージバッファーメモリーに記憶したイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させ、前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部による記録速度を制御すること、
を特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項8】
記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録機構部を制御する制御部が実行するプログラムであって、
前記制御部は、外部から入力されたデータを展開して、記録用のイメージデータを生成し、生成したイメージデータを一時的にイメージバッファーメモリーに記憶し、このイメージバッファーメモリーに記憶したイメージデータを読み出して、記録ヘッドにより記録媒体に記録させ、前記イメージデータの生成速度に基づいて、前記記録機構部による記録速度を制御すること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−101994(P2011−101994A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258073(P2009−258073)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】