説明

記録媒体に記録されるビデオデータについてのナビゲーション情報の構造とその構造を利用する記録/再生方法及び装置

記録媒体に記録されるビデオデータについてのナビゲーション情報の構造並びにその構造を利用する記録/再生方法及び装置。主データストリームと当該主データストリームに関連する補助データストリームとが記録媒体に記録され、TMAP情報などのアクセス管理情報が記録されたデータストリームのそれぞれについて生成されて記録媒体に記録される。このアクセス管理情報は、関連するデータストリームが主データストリームなのか補助データストリームなのかを指し示す類型情報を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主(primary)データストリーム及び補助(secondary)データストリームが記録された再生専用記録媒体についてのナビゲーション情報の構造とその構造を利用する記録/再生方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、DVDと呼ばれるDVD−ROMは、約4.7GBの記録容量を有していて、映画などの高画質のデジタルコンテンツを届けるための記録媒体として使用されることが一般的である。
【0003】
テレビ放送局は、現在のところ、アナログ方式の信号及びデジタル方式の信号の両方で配信をしているが、近い将来において、デジタル方式のTV放送信号のみが利用可能になるだろう。デジタル方式のTV放送信号は、その対応するアナログ方式のTV放送信号よりも高い画質を提供する。視聴者は、DVDが提供する画質よりも高画質の映画を楽しみたいという欲求を持つのが自然である。
【0004】
このような理由で、DVDよりもさらに記憶容量の高い再生専用ディスクが開発されている。より高い記憶容量のディスクは、高画質のコンテンツをさらに多様な方法で視聴者に提供することができる。例えば、より高い記憶容量のディスクは、一つのメインコンテンツとそのメインコンテンツに関連する付加的な映像コンテンツまたはオーディオコンテンツを同時に提供することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
付加的なデータストリームは、メイン映像を提供する主(primary)データストリームに対して、補助(secondary)データストリームということができる。この補助データストリームも主データストリームと同様に探索(search)と再生が実行可能であるので、補助データストリームのためのナビゲーションデータもまた必要である。しかし、補助データストリームのナビゲーションデータの構造と主データストリームのナビゲーションデータの構造とが大きい差を有する場合には、再生装置の動作プログラムであるファームウェアの最初の設計及びアップグレードのための設計が難しくなる。したがって、可能な限り主データストリームのナビゲーションデータの構造が、補助データストリームのナビゲーションデータの構造を収容することができるように設計されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、記録されている主データストリーム及び補助データストリームを有する記録媒体の再生を可能にするナビゲーションデータの構造を提供すること並びにその構造を利用する記録/再生方法及び装置を提供することである。
【0007】
本発明は、主データストリームと該主データストリームに関連する補助データストリームとを前記記録媒体に記録し、主データストリーム及び補助データストリームのそれぞれについてのアクセス管理情報を生成し、生成したアクセス管理情報を記録媒体に記録する。このアクセス管理情報は、関連するデータストリームが主ストリームなのか補助ストリームなのかを指し示す類型情報を有する。
【0008】
本発明による一実施形態では、アクセス管理情報は、関連するデータストリームについての位置を指し示す情報として、関連するデータストリームを有するファイル名を利用する。
【0009】
本発明による他の一実施形態では、類型情報が関連するデータストリームが主データストリームであることを指し示す場合には、記録媒体に記録された全ての第1類型のデータストリームに対する管理情報を有するファイルの特定の記録位置(例えば、開始位置)から関連するデータストリームが始まる位置までの距離に該当する値が、関連するデータストリームについての位置を指し示す情報としてアクセス管理情報内に記録される。
【0010】
本発明による他の一実施形態では、類型情報が関連するデータストリームが補助データストリームであることを指し示す場合には、関連するデータストリームの開始位置に対する絶対アドレスに相当する値が、関連するデータストリームに対する位置を分かるようにする情報としてアクセス管理情報内に記録される。
【0011】
本発明による他の一実施形態では、補助データストリームについての属性情報が、当該データストリームについてのアクセス管理情報内または別個のファイル内に記録される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を完全に理解することができるために、望ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係るナビゲーションデータを有する再生専用光ディスクを製造するための装置のブロック図である。この装置は、レーザビーム(laser beam)を生成する半導体レーザ10と、生成されたレーザビームを平行にする(collimate)コリメータ11と、変調された入力信号(例えば、EFM信号)のレベルによって、コリメータ11からの平行ビームを透過し、または遮断する光変調器13と、この光変調器13からのビームをガラス基板に置かれる感光層(例えば、フォトレジスト)上に集光させる集光レンズ14と、入力されるコンテンツデータを、例えばMPEGフォーマットでエンコードするエンコーダ20と、このエンコードされたデータを記録用のECC(Error Correction Code)ブロックデータにフォーマットするフォーマッター21と、データを保存する大容量記録媒体23(例えば、ハードディスクドライブ)と、この大容量記録媒体23に対してデータを書き込み/読み出すディスク記録/再生部22と、大容量記録媒体23に記録されているデータをEFM信号などの二値信号(binary signal)に変調する信号変調器31と、そして、ユーザの入力を処理して、記録されるコンテンツのためのナビゲーションデータを生成して、感光層上のレーザビームの照射を制御する記録制御器30とを含む。
【0014】
図1に示す装置を使用して再生専用ディスクを製造するためには、再生専用ディスクに記録されるコンテンツデータ及びそのコンテンツデータについてのナビゲーションデータを大容量記録媒体23に先に書き込む必要がある。このように保存されたデータは、記録制御器30の制御により読み出され、そして、信号変調器31により二値信号に変調される。光変調器13は、変調した信号のレベルによって平行レーザビームを透過または遮断させて、ガラス基板に置かれる感光層上に、当該変調された信号に対応するピット列(pit train)を形成する。記録制御器30によって制御されると、集光レンズ14は、ピット列が形成される間、徐々に外周に移動することによって、前記感光層には螺旋形トラックに沿ってピット列が形成される。このピット列は、大容量記録媒体23に保存されたコンテンツデータ及びナビゲーションデータに相当するデータを表す。このピット列が形成された感光層を利用してスタンパー(stamper)を製作して、このスタンパーを用いて本発明に係るコンテンツデータ及びナビゲーションデータを格納する再生専用ディスクが制作される。
【0015】
大容量記録媒体23に記録されるコンテンツデータ及びナビゲーションデータが再生専用ディスクに直接マッピングされるので、大容量記録媒体23のデータ構造は再生専用ディスクのデータ構造と同じである。本発明に係る大容量記録媒体23にデータを書き込む方法について説明する。
【0016】
入力される映像信号は、エンコーダ20により特定のフォーマット(例えば、MPEG)でエンコードされ、フォーマッター21によりECCブロックに変換され、ディスク記録/再生部22によって大容量記録媒体23に書き込まれる。他の装置によりあらかじめエンコードされたデータストリームが、他の記録媒体を介して提供されることも可能である(101)。
【0017】
エンコーダ20は、主(primary)データをGOPにエンコードするが、各GOPは、先頭のIピクチャー及び場合により多くのピクチャーを備える。記録制御器30は、プレゼンテーション時間の長さが0.4〜1秒内になる一つまたは複数のGOPを一つのナビゲーション単位に区画して、そのナビゲーション単位に対するナビゲーション情報を生成する。ナビゲーション単位の生成のために必要な情報は、エンコーダ20から受信する。ナビゲーション単位はEVOBU(Enhanced Video Object Unit)と呼ばれ、記録された1タイトルに対応するデータ区間はEVOB(Enhanced Video Object)と呼ばれる。生成されたナビゲーション単位のそれぞれの大きさ及びプレゼンテーション時間の長さについての情報は、TMAP(Time Map)情報として記録される。TMAP情報は、記録されたタイトルに対するアクセス管理情報であり、各ナビゲーション単位に対する情報以外にもTMAP一般情報(TMAP_GI)も含む。この一般情報は、図3に示したように、TMAP情報に関連するストリームの種類を示すTMAPカテゴリー情報フィールド(TMAP_category)を有する。図3において、TMAPカテゴリー情報フィールドは‘0’の値を有するが、このことは関連するデータストリームが主データストリームであることを意味する。
【0018】
一方、各ナビゲーション単位は、2048バイトの大きさを有するセクターに整列されて、大容量記録媒体23のデータ領域に記録される。各ナビゲーション単位が大容量記録媒体23のデータ領域に記録されるということは、再生専用ディスク上にピット列として記録され、大容量記録媒体23に記録されたデータが、再生専用ディスクにマッピングされることを意味する。
【0019】
記録制御器30は、一つまたは複数の主データストリーム(すなわち、EVOB)を記録した後、主データストリームのそれぞれについて生成されたTMAP情報と必要な管理情報とを含むビデオタイトルセット情報(VTSI:Video Title Set Information)を生成して、一つのファイル(例えば、Video_TS.ifo)にビデオタイトルセット情報(VTSI)を記録する。この時、ビデオタイトルセット情報(VTSI)を生成するために必要な情報が、記録制御器30にあらかじめプログラムされたGUI(Graphical User Interface)基盤のメニューを介してユーザが入力することを要求される場合もある。
【0020】
各EVOBについて生成されたTMAP情報は、対応するEVOBの開始位置についての情報を含む。記録されたEVOBのそれぞれが1つのファイルとして管理される場合には、開始位置の情報はそのファイル名になりうる。また、開始位置についての情報は、ビデオタイトルセット情報(VTSI)の特定の記録位置(例えば、VTSIの開始位置)と対応するEVOBの開始位置との間の相対的な距離を示す値となることができる。この距離を示す値は、所定の大きさを有する各論理ブロック(LB:Logical Block)の数で表現されることができる。
【0021】
また、ビデオタイトルセット情報(VTSI)は、各EVOBに対する属性情報も含む。図4Aで示されるように、この属性情報は、ビデオタイトルセット情報(VTSI)内に割り当てられているEVOB属性テーブル401に含まれる。この属性情報は、図4Bに示すような構造を有し、EVOBに属したデータストリームの再生に必須の情報(例えば、EVOB内のビデオ及びオーディオの属性、主オーディオストリームの数等の情報)を有する。この属性情報の各要素が有する特性については本発明と直接的な関連がないので、各要素に対する具体的な説明は省略する。
【0022】
そして、主データストリームと同様に、主データストリームと関連した補助データストリームもナビゲーション単位に区画され、同様のやり方で大容量記録媒体23のデータ領域に記録される。また、記録制御器30は、その記録された補助データストリーム区間(S_EVOB)に対する、アクセス管理情報であるTMAP情報を生成して記録する。しかしながら、主データストリームに対して生成されたビデオタイトルセット情報(VTSI)は、記録された補助データストリーム区間(S_EVOB)に対しては生成されない。
【0023】
結果としていままで説明した方法により、図5に示すようなデータ構造が大容量記録媒体23に記録される。図5の例において、3個のタイトル(EVOB#1〜#3)と、そのタイトルのそれぞれに関連するTMAP501と、記録されたタイトルセットに対する一つのVTSIと、2個の補助タイトル(S_EVOB#1及びS_EVOB#2)と、その補助タイトルのそれぞれに関連するTMAP502とが大容量記録媒体23に記録されている。
【0024】
補助データストリームのそれぞれに対して生成されたTMAPは、主データストリーム(すなわち、EVOB)のそれぞれに対して生成されたTMAPと同一の構造を有する。補助データストリームのそれぞれについて生成されたTMAPの一般情報(TMAP_GI)は、図3に示したようにTMAP_categoryフィールドを有しており、このフィールドには、例えば‘1’の値が記録される。
【0025】
そして、記録された補助データストリームに対してはビデオタイトルセット情報(VTSI)は生成されないので、TMAP情報内に記録された補助データストリーム区間(S_EVOB)の開始位置に対する情報は、ビデオタイトルセット情報(VTSI)の開始位置からの相対的な距離を示す値になることはない。代わりに、開始論理ブロックのアドレスなどの補助データストリームに対する絶対的な位置情報が記録される。各補助データストリーム(S_EVOB)を一つのファイルに記録する場合には、開始位置に対するアドレスを記録する代わりに、その補助ストリーム(S_EVOB)のファイル名をTMAP情報内にS_EVOBの開始位置情報として記載することができる。
【0026】
補助データストリームに対してはビデオタイトルセット情報(VTSI)を生成しないので、補助データストリーム(S_EVOB)の再生に必要とされる属性情報は、関連したTMAP情報内の追加フィールドに、または別個のファイルに記録される。この時、S_EVOBに対する属性情報は図4Bにおける符号402の印がつけられた属性情報グループを含まないが、これは補助データストリームがサブ−ピクチャー(sub-picture)についての属性情報を持つことを許されていないからである。
【0027】
再生装置は、TMAP_categoryフィールドの情報を使用して、記録媒体に記録されているデータストリームについての属性情報を得るか否かを判断する。TMAP_categoryが‘0’の値であるならば、再生装置は、主データストリームである該当のデータストリームについての属性情報を、ビデオタイトルセット情報(VTSI)のEVOB属性テーブルから得る。TMAP_categoryフィールドの値が‘1’ならば、再生装置は、補助データストリームである該当のデータストリームについての属性情報を、TMAP情報に追加されたフィールドまたは属性情報を格納する特定のファイルから得る。
【0028】
コンテンツのデータストリーム(主データストリームと補助データストリーム)が全て記録された後に、ナビゲーション情報を記録することもできる。また、ナビゲーション情報は、管理情報が記録されるデータベース領域に記録され、コンテンツデータが記録された領域の前に位置付けられる。ナビゲーション情報がデータベース領域に記録されるということは、大容量記録媒体23のデータベース領域が図6に示すような再生専用記録媒体のデータベース領域601にマッピングされることを意味する。
【0029】
図5及び図6に示すようなデータ領域に格納されたコンテンツデータ並びに図4A及び図4Bに示すようなデータベース領域に格納されたナビゲーション情報を有する再生専用記録媒体(例えば、HD−DVD)を再生する方法について説明する。
【0030】
図7は、本発明に係るデータ構造を有する再生専用記録媒体71を再生する装置のブロック図である。データの再生要求がある場合に、再生制御器70は、ドライバ73を制御して、光ピックアップ72が前述したデータ構造を再生できるようにする。まず、図3、図4A、及び図4Bに示す情報を含むナビゲーション情報が記録されたデータの再生のためにメモリ79にロードされる。ロードされたナビゲーション情報及びユーザインターフェース(例えば、再生装置の操作ボタン、再生装置遠隔制御装置)を介して受信したユーザ入力に基づいて、再生制御器70は、再生専用記録媒体71から記録されたタイトル(主データストリーム)を読み出すようにドライバ73を制御する。ユーザ入力は、再生する記録タイトルを指定することができるが、この記録タイトルは、ナビゲーション情報により一つのEVOBとして管理されている。このようなユーザ入力は、再生制御器70においてあらかじめプログラムされたGUI基盤のメニューを介して入力されることができる。再生制御器70は、ユーザ入力とメモリ79にロードされたナビゲーション情報を利用して指定されたタイトルの再生を制御する。この時、ロードされたナビゲーション情報、すなわちビデオタイトルセット情報(VTSI)内の指定されたタイトル(EVOB)についてのTMAP情報に含まれるTMAP_categoryフィールドが、タイトルが主データストリームであることを指し示している場合には、再生制御器70は、ビデオタイトルセット情報(VTSI)に含まれているEVOBの属性情報を読み出し、その属性情報に基づいてA/Vデコーダ76のオペレーションモードの設定を行う。また、再生制御器70は、選択されたタイトルに対応するTMAP情報に含まれるEVOBの開始位置についての情報(例えば、ファイル名、または論理ブロック単位で表されるVTSIの開始位置から離れた距離の値)に基づいて選択されたタイトルに対応するEVOBの開始位置からデータを再生するように光ピックアップ72を制御する。
【0031】
デフォーマッター(Deformatter)74は、ドライバ73及び光ピックアップ72により再生されるデータストリームを受信し、エラー訂正動作を行った後にそのデータをデマルチプレクサ75)に提供する。デマルチプレクサ75は、入力されたデータストリームをオーディオデータ及びビデオデータに逆多重化する。A/Vデコーダ76は、主ビデオデータ及び主オーディオデータをデコードすることによって、本来のビデオ信号及びオーディオ信号を取り出す(retrieve)。再生するプロセスの間、デフォーマッター74、デマルチプレクサ75、及びA/Vデコーダ76の動作は、再生制御器70により監督される。A/Vデコーダ76は、主A/Vデータ、補助ビデオデータ及び/または補助オーディオデータを同時にデコードするために複数の内部デコーダを具備する。
【0032】
選択されたタイトル(EVOB)に関連した補助コンテンツ(S_EVOB)があれば、補助コンテンツのデータストリームは、選択された主データストリームと共にデコードされる。補助コンテンツ(S_EVOB)へのリンクは、補助コンテンツと関連したTMAP情報を特定することによって得られる。これは様々な方法で行われることが可能である。補助データストリームのTMAP情報へのリンク情報が選択されたタイトルについての管理情報に記録されることができ、TMAP情報へのリンク情報が、拡張子を除けばリンクされたEVOBのファイルと同じファイル名をTMAP情報に与えることによって暗黙的に連結することができ、リンクされたTMAPファイルの名前がマークアップ言語(例えば、xml)で作成された別個のスクリプトファイルで特定することができ、またはユーザがTMAPファイルを特定することもできる。リンクされたTMAPファイルが別個のスクリプトファイルによって特定される場合には、再生制御器70は、使用されるマークアップ言語の解析機能を具備する。
【0033】
特定のTMAP情報が指定されると、再生制御器70は、TMAP情報に含まれているTMAP_categoryフィールドを読み出す。TMAP_categoryフィールドが関連するストリームが補助データストリームであることを指し示していれば、再生制御器70は、TMAP情報内の別個のフィールドに格納されている、または別個のファイルに格納されているS_EVOBの属性情報を読み出して、その属性情報に基づいてA/Vデコーダ76の動作に必要な設定を行う。また、再生制御器70は、光ピックアップ72を制御して、特定されたTMAP情報に含まれたS_EVOB開始位置についての情報(例えば、ファイル名またはS_EVOB開始位置のアドレス)に基づいて、補助コンテンツデータ(S_EVOB)の開始位置から記録されたデータを再生する。
【0034】
選択された主タイトル及びその補助コンテンツデータを記録媒体71から同時に再生することはできない。再生制御器70は、補助コンテンツについてのTMAP情報に基づいて、E_SVOBのデータをメモリ79に最初にロードする。E_SVOBのデータをロードすることが全て終われば、再生制御器70は、選択された主タイトル(EVOB)のデータの再生を実行する。主タイトルのデータ再生が行われる間、再生制御器70は、メモリ79にロードされた補助データストリームをA/Vデコーダ76に提供することによって、主タイトル及びその補助データストリームが共にデコードされる。
【0035】
選択されたタイトルに関連する補助コンテンツデータを記録媒体71からというよりは、ネットワークを介して任意のサーバ(図示せず)から得ることができる。この場合、図7に示す装置は、さらなる別個のネットワーク接続手段を有する。ネットワークを介してサーバから補助コンテンツデータを得る時は、そのコンテンツに対するデータストリームはもちろん、補助コンテンツデータ(E_SVOB)についてのTMAP情報もネットワークから得るようになる。
【0036】
記録媒体71を介して主データストリーム(EVOB)と共に提供されない補助コンテンツデータについてのTMAP情報のTMAP_categoryフィールドは、その事実を示す指し示す値、例えば、‘2’の値を有する。また、ネットワークを介して提供され、一時的にメモリ79に格納される補助コンテンツデータについての開始位置の情報は、TMAP情報の開始位置からの距離に該当するバイト数で表すことができる。これは補助コンテンツデータ及びTMAP情報が、TMAP情報が補助コンテンツデータよりも先に置かれる一つのファイルとして提供される場合のためである。もしも、TMAP情報とそれと関連した補助コンテンツデータがそれぞれ別個のファイルで提供される場合には、補助コンテンツデータのファイル名をTMAP情報内の補助コンテンツデータの開始位置についての情報に記録することもできる。
【0037】
したがって、TMAP情報内のTMAP_categoryフィールドに、関連のデータストリームが記録媒体71上に収録されていない補助コンテンツのデータストリームであることを示す値が記録されていれば、再生制御器70は、補助コンテンツデータの開始位置の情報(例えば、TMAP情報の開始位置からのバイト数)に基づいて、一時メモリ(例えば、メモリ79)から補助コンテンツデータをロードする。この場合、補助コンテンツデータの属性情報は、前述したような方法でTMAP情報または別個に受信されたファイル内の情報から得られる。
【0038】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、主コンテンツデータのナビゲーション情報の構造が、その主コンテンツデータに関連する補助コンテンツデータのナビゲーション情報を収容できるという点において、再生装置を動作させるファームウェアの設計やアップグレードを容易にする。
【0039】
本発明は、限られた数の実施形態に関して開示されてきたが、この開示された内容によって利益を受ける当業者は、数多くの発明の修正バージョンや変形バージョンを十分に理解するだろう。このような発明の修正バージョンや変形バージョンは、本発明の要旨及び範囲に含まれるということは意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るナビゲーション情報を有する再生専用記録媒体を製造する装置のブロック図を示す図である。
【図2】ビデオデータをナビゲーション単位に区画することによって記録する処理の一例を示す図である。
【図3】TMAPカテゴリーフィールドを含むビデオタイトルセットタイムマップ情報(VTS_TMAP)の階層的構造を示す図である。
【図4A】主データストリーム(EVOB)のそれぞれの属性情報を記録する属性情報テーブルを含むビデオタイトルセット情報(VTSI)を示す図である。
【図4B】任意の主データストリームに対する属性情報の構造を示す図である。
【図5】主データストリーム、関連する補助データストリーム、及びこれらに対する管理情報が存在する記録媒体に記録されたデータの一例を示す図である。
【図6】再生専用ディスクに別個に記録されたデータストリーム及び管理情報を示す図である。
【図7】本発明に係るデータ構造を有する再生専用記録媒体を再生する装置のブロック図を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1類型のデータストリームと、
前記第1類型のデータストリームに関連づけられる第2類型のデータストリームと、
前記第1類型のデータストリーム及び第2類型のデータストリームのそれぞれに対するアクセス管理情報と
を格納する記録媒体であって、
前記アクセス管理情報は、関連するデータストリームが第1類型のデータストリームなのか第2類型のデータストリームなのかを指し示す類型情報を含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項2】
前記アクセス管理情報は、前記関連するデータストリームの開始位置についての情報として前記関連するデータストリームを有するファイル名を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
【請求項3】
前記アクセス管理情報は、前記関連するデータストリームの位置情報を含み、
前記類型情報が前記関連するデータストリームが第1類型のデータストリームであることを指し示す場合には、前記位置情報は、前記記録媒体に記録された全ての第1類型のデータストリームについての管理情報を格納するファイルの特定の位置から関連するデータストリームの開始位置までの距離に相当する値であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
【請求項4】
前記アクセス管理情報は、前記関連するデータストリームの位置情報を含み、
前記類型情報が前記関連するデータストリームが第2類型のデータストリームであることを指し示す場合には、前記位置情報は、前記関連するデータストリームの開始位置に対する絶対アドレスに相当する値であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
【請求項5】
前記第2類型のデータストリームについての属性情報がさらに記録されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
【請求項6】
データを記録媒体に記録する方法であって、
(a)第1類型のデータストリームと前記第1類型のデータストリームに関連する第2類型のデータストリームとを前記記録媒体に記録するステップと、
(b)前記第1類型のデータストリーム及び第2類型のデータストリームのそれぞれに対するアクセス管理情報を生成し、該生成されたアクセス管理情報を前記記録媒体に記録するステップと
含み、
前記アクセス管理情報は、関連するデータストリームが第1類型のデータストリームなのか第2類型のデータストリームなのかを指し示す類型情報を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記ステップ(b)は、前記アクセス管理情報が、前記関連するデータストリームの開始位置についての情報として前記関連するデータストリームを有するファイル名を含むようにして前記アクセス管理情報を記録することを特徴とする請求項6に記載の記録方法。
【請求項8】
前記ステップ(b)は、前記関連するデータストリームの位置情報を含むように前記アクセス管理情報記録し、前記類型情報が前記関連するデータストリームが第1類型のデータストリームであることを指し示す場合には、前記位置情報が、前記記録媒体に記録された全ての第1類型のデータストリームについての管理情報を格納するファイルの特定の位置から関連するデータストリームの開始位置までの距離に相当する値であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップ(b)は、前記関連するデータストリームの位置情報を含むように前記アクセス管理情報記録し、前記類型情報が前記関連するデータストリームが第2類型のデータストリームであることを指し示す場合には、前記位置情報が、前記関連するデータストリームの開始位置に対する絶対アドレスに相当する値であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第2類型のデータストリームについての属性情報を前記記録媒体に記録するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
記録されたデータストリームを記録媒体から再生する方法であって、
(a)前記データストリームについてのアクセス管理情報を前記記録媒体から読み出すステップと、
(b)前記読み出されたアクセス管理情報に含まれている類型情報に基づいて、前記データストリームが第1類型のデータストリームなのか、前記第1類型のデータストリームに関連する第2類型のデータストリームなのかを判定するステップと、
(c)前記判定された類型に基づいて、前記データストリーム及び前記データストリーム上の情報を得るステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記ステップ(c)は、前記読み出されたアクセス管理情報に含まれている関連するデータストリームのファイル名に基づいて前記データストリームを特定することによって前記記録媒体から前記データストリームを読み出すことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記判定された類型情報が第1類型のデータストリームである場合には、
前記ステップ(c)は、前記記録媒体に記録された全ての第1類型のデータストリームについての管理情報を格納するファイルの特定の位置から、前記アクセス管理情報に含まれている、関連するデータストリームについての位置情報を指し示す値に相当する距離だけ離された位置から前記データストリームを読み出すことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記判定された類型情報が第2類型のデータストリームである場合には、
前記ステップ(c)は、前記アクセス管理情報に含まれている、関連するデータストリームについての位置情報を指し示す値に相当する位置から前記データストリームを読み出すことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記判定された類型情報が第1類型のデータストリームである場合には、
前記ステップ(c)は、前記記録媒体に記録された全ての第1類型のデータストリームについての管理情報に割り当てられる属性情報テーブルから前記データストリームについての属性情報を読み出して、前記読み出された属性情報を前記データストリームのデコードを制御する情報として用いることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記判定された類型情報が第2類型のデータストリームである場合には、
前記ステップ(c)は、前記アクセス管理情報に含まれる、または別個のファイルに格納される前記データストリームについての属性情報を読みだして、前記読み出された属性情報を前記データストリームのデコードを制御する情報として用いることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
データストリームを記録媒体から再生する装置であって、
前記記録媒体に記録されたデータを再生する光再生手段を駆動するドライバと、
前記光再生手段により再生された前記データストリームをデコードするデコーダと、
前記ドライバを制御して前記光再生手段に前記データストリームのアクセス管理情報を読み出させて、前記アクセス管理情報に含まれる類型情報に基づいて、前記データストリームが第1類型のデータストリームなのか、第1類型のデータストリームと関連する第2類型のデータストリームなのかを判定して、前記判定された類型に基づいて、前記データストリーム及び前記データストリームについての情報を得るように前記ドライバを制御する制御器と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記制御器は、前記アクセス管理情報に含まれる関連するデータストリームのファイル名に基づいて、前記ドライバを制御して前記記録媒体から前記データストリームを読み出すことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記判定された類型情報が第1類型のデータストリームである場合には、
前記制御器は、前記記録媒体に記録された全ての第1類型のデータストリームについての管理情報を格納するファイルにおける特定の位置から、前記アクセス管理情報に含まれる関連するデータストリームの位置情報を指し示す値に相当する距離だけ離れた位置から前記データストリームを読み出すように前記ドライバを制御することを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記判定された類型情報が第2類型のデータストリームである場合には、
前記制御器は、前記アクセス管理情報に含まれる関連するデータストリームの位置情報を指し示す値に相当する位置から前記データストリームを読み出すように前記ドライバを制御することを特徴とする請求項17に記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−525940(P2008−525940A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549239(P2007−549239)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【国際出願番号】PCT/KR2005/003819
【国際公開番号】WO2006/071000
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】