説明

記録媒体の再生装置

【課題】ネットワーク接続機能を有する光ディスクを再生する際、タイトル再生前にネットワークの状況を判別する機能を有する再生装置を提供する。
【解決手段】MPEG−2で記録された映像ストリームを再生する記録媒体の再生装置において、再生に際しネットワークを介したデータの取得が必要か否かを判定するネットワーク接続可否判定部と、ネットワーク回線情報を取得するネットワーク回線情報取得部と、ネットワーク回線情報の解析結果とネットワーク接続の必要可否情報に基づいてネットワークに接続するか否かを判定するシステム制御部と、判定信号に従い、ネットワークを介して取得したデータを用いて映像ストリームを再生し、またはデータを取得せず映像ストリームを再生する映像デコーダ部とを備え、映像デコーダ部は判定信号に基づきネットワークを介してサーバに接続し、サーバから再生制御情報を取得することでランダムアクセス再生を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式記録媒体に記録された情報を再生する記録媒体の再生装置に関するものである。特に、光学式記録媒体にインタラクティブ機能を実現するためのプログラムが記録され、当該プログラムの実行によりネットワーク上のコンテンツ(データ)をダウンロードすることが可能な記録媒体の再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクに記録されたストリーム情報を再生する装置として、DVD規格が知られている。一方、BD(Blu−ray Disc規格)、HD−DVD規格等の次世代光ディスク規格では、当該ストリーム情報を再生することに加え、光ディスクに記録されたプログラムを実行することも可能である。当該プログラムは、インタラクティブ機能を提供するために記録されており、当該プログラムを実行することにより、ネットワークを介して新たなコンテンツ(データ)をダウンロードし、ストリーム情報と同期して再生することができる。
【0003】
ネットワークを利用したアプリケーション例として、光ディスクに記録されているコンテンツのアップデートファイルをダウンロードすることができる映像再生装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1によれば、ネットワークを利用し、未収録の言語をサブチャンネルとしてダウンロードする使用方法が可能である。その結果、日本語音声しか記録されていない映画コンテンツが記録された再生専用ディスクであっても、ディスク再生時に英語音声を映像再生装置内のローカルストレージにダウンロードし、当該ダウンロードした英語音声と同期して光ディスク内の映像を再生することができる。
【0004】
また、再生している映像シーンに対応したWebコンテンツが存在するときに、ネットワーク接続用コンテンツが存在することを示すアイコンを表示することで、当該映像シーンにWebコンテンツがリンクしていることをユーザに通知する映像再生装置も知られている(例えば特許文献2参照)。この映像再生装置では、映像再生装置内にWebコンテンツへの接続履歴情報を保持しており、Webコンテンツに接続する際には当該接続履歴情報を参照することで、上述したアイコンの表示/非表示を切り替える。そして、ネットワーク接続ができない可能性が高い場合には、ネットワーク接続を示すアイコンが非表示となる。その結果、ユーザは不要なアクセス作業を行う必要がなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−159589号公報(第4−5頁、第3図)
【特許文献2】特開2000−207873号公報(第2−5頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1には、光ディスクに記録されているコンテンツのアップデートファイルをダウンロードすることができる映像再生装置について記載されている。しかしながら、ネットワークが利用できない場合(例えば、「ネットワークケーブルが外れている」「ネットワークの接続先が存在しない」「ネットワーク回線が混雑しており、通信速度が極めて遅い」など)における対処方法については開示されていない。
【0007】
また特許文献2には、上述したように、Webコンテンツへの接続履歴情報を保持しておき、当該接続履歴情報に基づいて、当該接続履歴情報に登録されている接続先へのアクセスが成功する確率が高いか否かを判別している。しかしながら、特許文献2では、接続履歴情報に登録されている接続に関してのみ留意しているものであり、一度もネットワーク通信を行ったことのない新たな接続先へのアクセスについては考慮されていない。また、ネットワークケーブルの断線やネットワーク接続設定をしていない等、ネットワーク回線自体が有効ではない場合についても考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ネットワーク接続機能を有する光学式記録媒体を再生する際に、タイトル再生前に、ネットワークの状況を判別する機能を有する記録媒体の再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係わる記録媒体の再生装置は、
MPEG−2で圧縮符号化され記録された映像ストリームを再生する際に、ネットワークを介して再生に必要なデータを取得する記録媒体の再生装置において、
前記映像ストリームの再生に際し、前記ネットワークを介した前記データの取得が必要か否かを判定するネットワーク接続可否判定部と、
前記ネットワークを介した前記データの取得可否の判断の基となる情報であるネットワーク回線情報を取得するネットワーク回線情報取得部と、
前記ネットワーク回線情報取得部から出力される前記ネットワーク回線情報の解析結果と前記ネットワーク接続可否判定部から出力されるネットワーク接続の必要可否情報に基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを判定するシステム制御部と、
前記システム制御部からの判定信号に従い、前記ネットワークを介して取得した前記データを用いて前記映像ストリームを再生し、または、前記データを取得せず前記映像ストリームを再生する映像デコーダ部と、
を備え、
前記映像ストリームは、GOPをアクセス単位とするパケットから構成されたエレメンタリストリームであり、
前記映像デコーダ部は、前記判定信号に基づきネットワークを介してサーバに接続し、前記サーバから再生制御情報を取得することで、ランダムアクセス再生を行うこと
としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の記録媒体の再生装置によれば、上述したように構成することにより、ネットワーク接続機能を有する光学式記録媒体の再生前に、ネットワークの状況を判別する機能を有する記録媒体の再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明に係る実施の形態1に示すシステム構成ブロック図である。
【図2】この発明に係る実施の形態1に示す光ディスクの外観と内部ファイルデータ構造である。
【図3】この発明に係る実施の形態1に示す光ディスクの論理ファイル構造である。
【図4】この発明に係る実施の形態1に示す光ディスクのストリーム情報ファイルの内部データ構造を示すストリーム構成図である。
【図5】この発明に係る実施の形態1に示す再生制御情報ファイルのシンタックスを示す図である。
【図6】この発明に係る実施の形態1に示すプログラム管理ファイルのシンタックスを示す図である。
【図7】この発明に係る実施の形態1に示すネットワーク回線情報取得部にて取得されるネットワーク回線の使用可否結果を示すリストを示す図である。
【図8】この発明に係る実施の形態1に示す符号化映像再生装置がネットワーク回線を使用できない場合に、ネットワーク接続が必要な光ディスクを再生した際に表示される警告画面例を示したものである。
【図9】この発明に係る実施の形態1に示す動作フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
実施の形態1では、再生装置がネットワーク回線を利用できない場合において、ネットワーク接続機能を有するプログラムが含まれている光ディスクを再生した場合に、ユーザに対してネットワークコンテンツを利用できないことをあらかじめ通知し、本来不要な操作を行うことを未然に防ぐことのできる再生装置100について説明する。
【0013】
なお、以下において「ネットワークコンテンツを利用できない」とは、ネットワークケーブルの断線がおきている状態、再生装置自身のネットワーク設定が正しく行われていない状態、ネットワーク回線負荷が非常に高い状態、およびネットワーク接続先が存在しない状態など、「ネットワーク回線が正常に利用できない」状態を示す。
【0014】
図1はこの発明に係る実施の形態1にシステム構成ブロック図を示すものである。同図において、システム制御部101は、再生装置100全体を統合制御している。光学式記録媒体(以下、「光ディスク」と記す。)102には、後述する符号化映像が多重化されたストリーム情報、および当該ストリーム情報の再生制御情報が記録される。なお光ディスク102からのファイル再生は、再生ドライブ部103を通じて行われる。
【0015】
110は再生ドライブ部103に取りこまれた後述するストリーム情報ファイルを逐次取り込んだ後に、符号化圧縮された映像ストリームまたは音声ストリームに分離して取り出すためのデマルチプレクサ部、111はデマルチプレクサ部110にて分離したMPEG−2などで符号化された映像ストリームをデコード処理して映像信号に復号するための映像デコーダ部、112はデマルチプレクサ部110にて分離したAC−3などで符号化された音声ストリームをデコード処理して出力音声信号に復号するための音声デコーダ部、113はシステム制御部101によって生成される警告表示や装置の動作状態表示や機能選択画面などを画面上に表示するためのOSD(On Screen Display)生成部、114は映像デコーダ部111で生成された映像信号とOSD生成部113で生成された映像信号を重畳表示し出力映像信号を出力する映像ミキシング部、115は復号化された出力映像信号および、音声デコーダ部112から出力した出力音声信号を視聴するための表示部を示す。
【0016】
120は光ディスク102に記録されているストリーム情報の再生制御情報を、システム制御部101が素早くアクセスできるように一時的に記憶するためのメモリ部である。再生制御情報とは、光ディスク102に記録されているストリーム情報から分離した符号化映像ストリームに関する映像や音声の属性情報や、ストリーム情報のアクセス単位(通常GOP単位)で再生開始時間情報と再生開始位置情報の対応関係を示す情報などを保持している。121は再生装置100がネットワークと接続するためのネットワークインターフェース部、122はネットワークからダウンロードした情報を記録しておくためのHDD(ローカルストレージ)を示す。HDD122は、スマートメディアやメモリカードのような不揮発性記録媒体であれば良い。また必ずしも内部に装着されている必要もなく、取り外し可能な構成をとってもよい。
【0017】
123は再生装置100の動作状態を規定するシステムパラメータを格納することが可能な複数個のレジスタで構成されているシステムレジスタ部である。システムパラメータとは再生しているタイトル番号やプレイリスト番号、映像や音声の再生互換性、ネットワーク接続への対応可否(プロファイルとして定義)等の再生状態を示す情報を保持している。なおネットワーク接続への対応可否を示すシステムパラメータは再生装置100自身がネットワーク対応の機能があるか否かを示すもので、ネットワーク通信が可能な状態かを示す値ではない。
【0018】
なお光ディスク102は、ネットワーク対応モードとネットワーク非対応モードの2種類の再生経路を用意しており、再生装置100が上述したネットワーク対応しているか否かを示す当該システムパラメータに基づいて再生装置100がネットワーク対応であるかを判断し、再生経路を決定する光ディスクタイトルが一般的である。
【0019】
124は光ディスク102内に記録されているプログラム毎にネットワーク接続が必要であるかを判定するネットワーク接続可否判定部である。当該ネットワーク接続可否判定部124は、光ディスク102内に記録されているプログラム毎にネットワーク接続が必要であるか否かを示す検出信号を出力する。125はネットワークインターフェース部121と外部ネットワーク回線とが正常に通信ができるかを判定するネットワーク回線情報取得部である。当該ネットワーク回線情報取得部125は、再生装置100の電源ON時や光ディスク102の再生開始時に、ネットワークが正常に使用できる環境であるかを判定する。またネットワークが使用可能であるかを判定すると同時に、ネットワークの実行速度を計測する機能を有していてもよい。当該ネットワーク回線情報取得部125は、再生装置100と外部ネットワーク回線との接続状況に関する接続状況信号を示す検出信号を出力する。
【0020】
126はネットワークからダウンロードを行うファイルサイズが、ダウンロード用ファイル記録媒体であるHDD122に保存可能な容量かを判定する有効メモリ容量判定部である。なおネットワーク接続可否判定部124、ネットワーク回線情報取得部125、および有効メモリ容量判定部126は、システム制御部101内のファームウェアなどで構成される例を示している。しかし、システム制御部101の外部に存在してもよく、当該機能を有するハードウェアであってもよい。当該有効メモリ容量判定部126は、後述するデータ供給源から供給されるデータの容量を示す容量検出信号を出力する。
【0021】
130はユーザなどから再生装置100に対して要求を行う操作部を示す。一般的に操作部130は、再生装置100のフロントパネルに配置されている操作パネルやリモコンなどを指す。再生装置100は、操作部130によって要求された命令の内容を解釈し、デコーダブロック(データ再生部)140を制御することで任意のストリーム情報を再生する。
【0022】
例えば、ユーザが操作部130に対して、任意の番組タイトルの再生命令を行うと、当該命令がシステム制御部101へ伝えられる。その後システム制御部101は、メモリ部120に保持している再生制御情報から、当該番組タイトルを構成する後述するプレイリスト情報を読み出す。プレイリスト情報は、1つ以上のプレイアイテムと呼ばれる再生区間から成り立ち、プレイアイテムが特定するストリーム情報のファイルが記録されている光ディスク102内の物理アドレスを取得する。そして当該物理アドレスから読み出されたストリーム情報を再生ドライブ部103にて再生し、逐次デマルチプレクサ部110、デコーダ部を経由して、映像・音声情報を表示部115にて出力する。
【0023】
なおネットワーク接続を行う場合には、上述した番組タイトルにはプログラムが関連付けられており、当該プログラムの実行により、プログラム内に規定されたネットワーク上のURLサイト(データ供給源)へとアクセスする。
【0024】
図2は、光ディスク102の外観と内部ファイルデータ構造を図示したものである。同図中、光ディスク102のファイルデータは、光ディスク102のディスク内周側201からディスク外周側202に向かってデータが記録されている。210は光ディスク102の開始情報や物理特性などを記述したリードイン領域、211は光ディスク102のファイルシステム情報を管理しているファイル管理情報領域、212はあらかじめコンテンツ供給元が記録できる情報であるユーザデータ領域、213はディスク終端情報を記述しているリードアウト領域である。
【0025】
ユーザデータ領域212は、再生制御情報領域220とストリーム情報領域230とプログラム記録領域240から構成される。ストリーム情報領域230は、少なくとも1つ以上の多重化圧縮された一連のストリームを示すストリーム情報ファイル231を記録している。ストリーム情報ファイル231は、映像ストリームや音声ストリームが多重化されたファイルであり、デマルチプレクサ部110で分離することにより映像ストリーム、および音声ストリームが生成できる。映像ストリームは、MPEG−2 ES(エレメンタリストリーム)規格に規定されているGOP(Group of Picture)などの圧縮単位で符号化されたストリーム情報であるとして説明を進める。
【0026】
またプログラム記録領域240は、複数のプログラムファイル241を記録している。プログラムファイル241は、JAVA(登録商標)言語などのプログラミング言語で記述された実行ファイルであり、任意のWebサイトへアクセスするなどインタラクティブ機能を拡充させるために使用する。当該プログラムファイル241は、ストリーム情報ファイル231と同期して実行されても良いし、プログラムファイル241単独で実行されてもよい。なおネットワーク接続が必要のないディスクにおいては、プログラムファイル241は記録する必要はない。
【0027】
再生制御情報領域220は、1つの再生制御情報ファイル221と、プログラム管理ファイル222が記録されている。再生制御情報ファイル221には、番組タイトルの再生区間情報および再生順序情報、ストリーム情報ファイル231のコンテンツ情報などが記述されている。またストリーム情報ファイル231を構成しているアクセスポイント(一般的にはGOP)毎の開始アドレス、表示開始時刻情報なども記述されている。なおアクセスポイントとは、複数のGOPで構成されていてもよい。またプログラム管理ファイル222は、プログラムファイル241の管理情報であり、プログラムの属性情報や、プログラムと同期して再生するストリーム情報ファイル231を特定するための情報などが記録されている。
【0028】
また実施の形態1では、1つの再生制御情報ファイル221と1つのプログラム管理ファイル222が存在する場合について述べるが、当該情報を細分化し複数のファイルに分けて管理してもよい。すなわち本構成では、光ディスク102に記録された全ての番組タイトル情報とプレイリスト情報を再生制御情報ファイル221内に保持している例を示しているが、当該情報毎に管理するファイルを分割して形成してもよい。
【0029】
図3は、この発明の実施の形態1における光ディスク102の論理ファイル構造を図示したものである。300は論理的に階層構造を成すファイル構造の最上位階層のディレクトリ構造であるルートディレクトリ、301はルートディレクトリ300の下位階層に配置されるディレクトリ構造であるディスクディレクトリを示す。ディスクディレクトリ301には、光ディスク102に記録されているディスクコンテンツ管理情報である再生制御情報ファイル221、プログラム管理ファイル222、ストリーム情報ファイル231をまとめて記録したフォルダであるストリーム管理ディレクトリ302、およびプログラムファイル241をまとめて記録したフォルダであるプログラム管理ディレクトリ303で構成される。
【0030】
同図中、ストリーム情報ファイル231およびプログラムファイル241は、5桁のファイル名により記録されているものとして説明を進める。ファイル名は5桁の数字であれば良く、連番である必要はない。なおストリーム情報ファイル231およびプログラムファイル241は個別のディレクトリ内に配置する例を示したが、同一のディレクトリ内に配置されていたり、当該ファイルがルートディレクトリ300に直接配置されていたりしても構わない。また当該ストリーム情報ファイル231およびプログラムファイル241は、ある管理単位毎に個別のファイルとして形成している例を示しているが、1つのファイルにまとめて記録されていてもよい。
【0031】
図4は、ストリーム情報ファイル231の内部データ構造を示すストリーム構成図である。ストリーム情報ファイル231はパケット400と呼ばれる固定長のデータ単位により構成されている。映像データ、音声データ、ストリーム管理データは、このパケット400単位に分割された後、多重化されてストリーム情報ファイル231を構成する。それぞれのパケット400の先頭にはヘッダ情報401があり、ヘッダ情報401に記述されたID402(Identification)により、パケット400内のデータ識別を行う。デマルチプレクサ部110は、このID402を識別して、映像データ、音声データ、ストリーム管理データ等に分離する。
【0032】
図5は、再生制御情報ファイル221のシンタックスを示す図である。“ディスク一般情報”は、ディスクを特定するための情報を示すものであり、光ディスク102の製造元の識別番号であるStudio_ID501と、光ディスク102内のコンテンツ識別番号であるDisc_ID502が記録されている。すなわちStudio_ID501とDisc_ID502により、市場に流通しているディスク全体から、当該光ディスク102に記録したコンテンツが特定される。このStudio_ID501とDisc_ID502を用いて、ダウンロードするアップデートファイルを識別するためにも使用する。
【0033】
また同ファイル中には、光ディスク102内に記録されている番組タイトルの総数を示す“num_of_title503”が記録され、次のループ文(for以下)は、“num_of_title503”の数だけ繰り返される。“type_of_title504”は番組タイトルの種別を識別する情報が保持される。番組タイトルとしては、プレイリスト情報に従い再生する「通常タイトル」と、プログラムを実行することにより再生する「プログラムタイトル」の2種類のタイトルが存在し、当該“type_of_title504”によって識別される。そして“type_of_title504”が通常タイトルを示す場合には、後述するプレイリスト情報を特定するための情報である“ref_to_playlist_id505”が記録される。また“type_of_title504”がプログラムタイトルを示す場合には、後述するプログラムを特定するための情報である“ref_to_program_id506”が記録される。
【0034】
さらに同ファイル中には、“プレイリスト情報507”が記録されている。“プレイリスト情報507”には、番組構成情報である全てのプレイリストに関する情報を保持しており、プレイリスト毎の再生区間情報(再生対象のストリーム情報ファイル名、再生開始時間、再生終了時間)を記録している。当該再生区間情報に基づいて、再生装置100は、ストリーム情報ファイル231のどの区間を再生すればよいのかを判断することができる。
【0035】
また同ファイル中には、光ディスク102内に記録されているストリーム情報ファイル231の総数を示す“num_of_stream508”が記録され、次のループ文(for以下)は、“num_of_stream508”の数だけ繰り返される。ストリームファイル名509は、ストリーム情報ファイル231の名前を示す5桁の数字情報である。また属性情報管理テーブル510は、ストリーム情報ファイル231中で使用される映像情報や音声情報などの属性情報が記録されている。またストリームを構成している映像情報や音声情報毎にパケットIDなどを格納しており、当該パケットIDを用いてデマルチプレクサ部110は、映像データ・音声データ・ストリーム管理データ等に分離する。
【0036】
またアクセスポイント管理テーブル511は、アクセスポイント毎のストリーム読み出し位置と再生開始時間を記録したリスト情報であり、当該情報を用いてサーチや特殊再生などのランダムアクセス再生を行うことができる。なお例えば映像データがMPEG−2ビデオストリームでエンコードされている場合、GOP(Group of Picture)の先頭がアクセスポイントに相当するものであり、当該GOP毎に再生開始時間と再生開始アドレス(ストリームファイル先頭を起算とした位置)の情報が記述されている。再生装置100は、再生開始時間情報からストリーム情報ファイル231の再生開始アドレスを割り出し、ランダムアクセス再生を行う。
【0037】
図6は、プログラム管理ファイル222のシンタックスを示す図である。当該ファイルには、光ディスク102内に記録されているプログラムファイル241の総数を示す“num_of_program601”が記録され、次のループ文(for以下)は、“num_of_program601”の数だけ繰り返される。“program_name602”は、プログラムファイル241の名前を示す5桁の数字情報であり、当該情報によりプログラムファイル241を特定する。プログラム一般情報は、プログラムの作成日時、操作制限等の一般的な情報が記録される。
【0038】
なお1つのプログラムは複数のアプリケーションから構成されており、そのアプリケーションの総数を示す“num_of_application603”が記録されている。そして次のループ文(for以下)は、“num_of_application603”の数だけ繰り返される。“type_of_application604”は、当該アプリケーションが、ネットワークに接続するタイプか否かを判定するための情報である。また“application_ID605”は、アプリケーションを特定するためのユニークなID番号が記録される。また図示するアプリケーション一般情報は、アプリケーションと同期して再生するストリーム情報ファイル231を特定する情報や、アプリケーションの操作制限情報など一般的な情報が記録される。
【0039】
本発明によれば、任意のプログラムが実行された際に、当該プログラムを構成する全てのアプリケーションに関して、当該“type_of_application604”情報に基づいて、ネットワークに接続するアプリケーションを含んでいるかを判断している。なお光ディスク102が、当該プログラム管理ファイル222内の“type_of_application604”のような属性情報を含んでいない場合、参照するプログラムファイル241中の情報を直接解析し、ネットワーク接続するか否かを判定しても良い。
【0040】
図7は、ネットワーク回線情報取得部125にて取得されるネットワーク回線の使用可否結果を示すリスト(以下、「回線状態履歴リスト」と記す。)である。当該回線状態履歴リストは、接続可否状態701、接続日時情報702、通信速度情報703から構成される。接続可否状態701は、接続が成功したかを示す情報が記録され、同図中では「OKとは成功」を示し、「NGは接続失敗」を示している。接続日時情報702は、ネットワーク接続を試みた時間が記録される。時間情報は図示しない時間情報取得部から得ても良いし、ネットワーク接続時(成功時に限る)に時間情報を取得してもよい。通信速度情報703はネットワーク接続時の回線速度が記録される。当該回線状態履歴リストは、システム制御部101からの指示で、ネットワーク回線情報取得部125が生成するリストである。当該回線状態履歴リストは、素早くアクセスできるようにメモリ部120、もしくはHDD122に記録する。
【0041】
なお当該回線状態履歴リストは、最低限の情報として最終アクセスした時点での接続可否状態701を保持していれば良く、接続日時情報702と通信速度情報703は必ずしも必要ではない。ただし接続可否状態701、接続日時情報702、および通信速度情報703を一覧表示することにより、ユーザは一瞥しただけで回線速度が速い時間帯を知ることができる。
【0042】
図8は、再生装置100がネットワーク回線を使用できない場合に、ネットワーク接続が必要な光ディスク102を再生した際に表示される警告画面例を示したものである。本警告画面には、「現在の再生モードを継続」ボタン801と「ネットワーク非対応モードに変更」ボタン802を備え、ユーザは操作部130を介して、当該ボタンを選択・押下することにより、再生装置100がネットワーク接続へ対応するか否かを決定する再生モードを切り替えることができる。
【0043】
また補助的な関連情報として、ネットワークを介した通信状態が良好か否かを、ネットワーク回線状態表示領域803に表示しても良い。ネットワーク回線が良好かを判定する基準(閾値)は、ユーザは初期設定画面による設定できるようにしても良い。同図中では、現在の通信速度が400kbpsであるのに対して、閾値は500kbpsに設定している例を示している。そのため現在の通信速度は閾値を下回っているので、通信品位が悪いと判断することができる。なお閾値の設定はいくつか段階を設けて、通信品質を細分化していてもよい。本情報により、ユーザはネットワーク通信速度が遅いため、ダウンロードに膨大な時間を要するか否かについて、あらかじめ詳細に知ることができるため、ダウンロードがなかなか終了しないことによる苛立ちや不便さを感じさせにくくなる。
【0044】
このようなネットワーク通信状態の取得は、光ディスク102を再生する際にネットワークアクセスができるかを直接確認しても良いし、前述した回線状態履歴リストの最新接続実績から判定しても良い。
【0045】
回線状態履歴リストを用いる場合、前述したようにあらかじめメモリ部120に格納されているため、システム制御部101は当該情報を読み出すことで、光ディスク102に逐次アクセスしなくても、素早くネットワークの回線が使用可能か否かを把握することができる。なおネットワーク回線状態表示領域803中に表示する情報は、必ずしも図8に示す警告画面中に表示する必要はなく、図示しない再生装置100に備えた表示管やLEDなどに状態を通知しても良いし、再生装置100内の初期設定画面上に表示したり、専用キーにより別画面として表示させる機能があってもよい。このような情報を簡単かつ素早く明示することにより、ネットワーク接続が行える環境か否かを、一瞥しただけで理解できるユーザインターフェースを提供することができる。またこのような情報を表示することで、ネットワークケーブルが断線することを判別したり、ネットワーク回線の速度などを即座に知るために利用することができる。
【0046】
また別の補助的な関連情報として、ダウンロードメモリの容量が任意のサイズ以上であるか等の情報を、ダウンロード環境表示領域804に表示しても良い。当該情報から、ネットワークを利用してダウンロードした際に、再生装置100内に情報を保持できる記録領域が存在するか等を判別するかを知ることができる。なお任意のサイズは、初期設定画面などによりユーザが設定値を決めてもよいし、光ディスク102挿入時にダウンロードされる可能性がある最大サイズが設定されていてもよい。本情報により、ユーザはダウンロードで保持する記録容量、および再生装置100内の記録可能な領域についての情報をあらかじめ詳細に知ることができるため、ダウンロード中に記録領域がなくなり、ダウンロードが中止されるといった不具合が発生させないようにできる。
【0047】
図9は、本実施の形態1の動作フローを示している。以下図9(図1から図8を適宜参照)に基づいて、図1に示す再生装置100の動作モデルを詳細に説明する。光ディスク102を再生ドライブ部103に挿入すると、システム制御部101は、光ディスク102のファイル管理情報領域211に格納されているファイルシステム情報を読み込む。当該ファイルシステム情報から、図3に示す論理ディレクトリ構造を展開することができ、その後システム制御部101からの命令に従い、光ディスク102に記録している再生制御情報ファイル221、プログラム管理ファイル222、全てのプログラムファイル241をメモリ部120に読み込む(S101)。
【0048】
そしてシステム制御部101内のネットワーク回線情報取得部125は、TCP/IPネットワークにおいてIPパケットが通信先まで到達可能かを調べる基本的なコマンドであるPINGコマンドを用いて、ネットワーク接続先が利用可能かを調査する(S102)。なおPINGコマンドは、接続先からの到達時間を測定することが可能であるため、ネットワークの回線速度を算出することができる。また本実施の形態ではPINGコマンドを使用した例について示しているが、ネットワーク接続を確認する類似のコマンドを利用してもよい。
【0049】
上記で取得した情報は、ネットワーク回線情報取得部125から接続状況信号として出力され、図7に示す回線状態履歴リストとして、メモリ部120もしくはHDD122に保持する(本情報を、「ネットワーク回線情報解析結果」と記す。)。回線状態履歴リストをメモリ部120に保持し、当該情報にアクセスすることで光ディスク102が挿入されていなくても、ネットワーク回線が使用できるかを即座に知ることができる。なおネットワーク回線情報(ネットワークの使用可否、回線速度の算出)の取得は、ディスク挿入時やタイトル再生前に限らず、タイトル再生前であれば再生装置100の電源ON時や、ある固定周期毎に計測(ポーリング)しても良い。ネットワーク回線情報の取得方法・取得頻度について、初期設定画面等によりユーザが切り替えることができるように構成してもよい。そのように構成することにより、システム制御部101は、不必要に数多くの通信制御を行うことがなくなるので、システム全体の負荷を上げないようにできる。
【0050】
その後、操作部130から再生する番組タイトルの番号が入力されると、システム制御部101は、メモリ部120に展開されている再生制御情報ファイル221から、番組タイトルの番号に対応した番組タイトル情報(504、505、506)を読み込む。そしてシステム制御部101は、“type_of_title504”から番組タイトル種別が“通常タイトル”か“プログラムタイトル”かを特定する。そして“プログラムタイトル”であった場合、“ref_to_program_id506”情報に基づいて、プログラム管理ファイル222から実行プログラムを特定する。プログラムが特定されると、“program_name602”情報により、実行するプログラムファイル241が特定できる。
【0051】
そして、システム制御部101内のネットワーク接続可否判定部124は、プログラムファイル241を構成している全アプリケーションに関して、ネットワーク接続が可能かを否かの情報を示す“type_of_application604“情報を読み出し、検出信号として出力し、アプリケーションを識別するID番号である”application_ID605”と共にメモリ部120もしくはHDD122に保持する(S103)(本情報を、「ネットワーク接続の必要可否情報」と記す。なお、検出信号として“type_of_application604“と”application_ID605”とを含めてもよい。)。
【0052】
本実施の形態では、プログラムファイル241が「ネットワーク接続を必要としているか否か」を判断するための手段としては、プログラム管理ファイル222内に格納されている情報(“type_of_application604”)を利用した例を示しているが、実際のプログラムファイル241自身を解析し、ネットワーク接続が必要か否かの情報を直接取得してもよい。
【0053】
その後システム制御部101内の有効メモリ容量判定部126は、上述したアプリケーション毎にダウンロードするコンテンツのサイズ情報を取得する(S104)。ダウンロードするコンテンツのサイズ情報は、実行プログラムファイル241内に記録されているものとして説明を進める。有効メモリ容量判定部126は、再生装置100に具備されているダウンロード用記録ストレージであるHDD122の空き容量を適宜取得し、当該空き容量情報を、容量検出信号として出力し、ダウンロードするコンテンツのサイズ情報と共にメモリ部120もしくはHDD122に記録する(本情報を、「ダウンロードコンテンツのサイズ情報」と記す。)。
【0054】
さらに、システム制御部101は、S102とS103とS104で取得した「ネットワーク回線情報解析結果」(すなわち、接続状況信号)と「ネットワーク接続の必要可否情報」(すなわち、検出信号)、および「ダウンロードコンテンツのサイズ情報」(すなわち、容量検出信号)に応じて、図8に示す警告画面を表示するべきかを判定し、その判定内容を判定信号として出力する(S105)。具体的には、「ネットワーク接続の必要可否情報」(検出信号)により挿入された光ディスク102がネットワーク接続を必要としているコンテンツであるかをチェックする。ネットワーク接続が必要ではない光ディスク102であると判断できた場合には、図8に示す警告画面を表示する必要はないため、通常再生ステップに遷移する(S108)。同様に、「ネットワーク接続の必要可否情報」(検出信号)により挿入された光ディスク102がネットワーク接続を必要としている場合であっても、「ネットワーク回線情報解析結果」(接続状況信号)から、ダウンロードを行うのに十分な回線速度が保証され、且つ「ダウンロードコンテンツのサイズ情報」(容量検出信号)により、ダウンロード先HDDの空き容量も十分に確保できている場合に関しても、図8に示す警告画面を表示する必要はないため、通常再生ステップに遷移する(S108)。
【0055】
一方、「ネットワーク接続の必要可否情報」(検出信号)により、ネットワーク接続が必要で且つ「ネットワーク回線情報解析結果」(接続状況信号)からダウンロード自体ができない、またはダウンロードを行うのに十分な回線速度が確保されていない場合に関しては、図8に示す警告画面を表示する(S106)。また「ネットワーク接続の必要可否情報」(検出信号)により、ネットワーク接続が必要で且つ「ダウンロードコンテンツのサイズ情報」(容量検出信号)から、十分なHDD容量が確保できない場合についても、同様に図8に示す警告画面を表示する(S106)。
【0056】
当該警告画面を表示させることにより、ユーザに対してネットワークが使用できない環境を再認識させることができる。また再生装置100が、ネットワークを利用できない理由(ネットワーク回線速度が原因か、ダウンロードメモリ容量不足が原因か等)を表示するよう構成してもよい。
【0057】
さらに、回線が切断されている、接続プラグが外れている等の再生装置100がネットワーク回線に物理的に接続されていないと判断される場合もネットワークが利用できない理由として表示する。また、再生装置100の接続設定がされていない場合もその旨を表示する。
【0058】
図8に示す警告画面は、光ディスク102を再生するたびに表示する可能性も高い。そのような場合には、初期設定画面等により本警告画面自身を表示させないよう設定させるようにしても良い。またそのような場合においても、ネットワーク回線情報取得部125にて、ネットワーク接続が正常に行えるようになった初回に限り警告画面を表示してもよい。
【0059】
本警告画面上で「現在の再生モードを継続」ボタン801か「ネットワーク非対応モードに変更」ボタン802を選択・押下することにより、ネットワーク非対応の再生モードへ切替えを行うかを決定する(S107)。
【0060】
操作部130を介して、「現在の再生モードを継続」ボタン801が押下されると、通常再生モードでの再生ステップに遷移し(S108)する。そしてシステム制御部101は、メモリ部120に展開されている再生対象のプログラムファイル241を実行する。もしプログラムファイル241に関連付けられたストリーム情報ファイル231が存在する場合は、当該符号化圧縮されたストリーム情報ファイル231の復号化処理を施した後、表示部115に映像音声表示を行う。
【0061】
一方、操作部130を介して、「ネットワーク非対応モードに変更」ボタン802が押下されると、システムレジスタ部123に保持しているネットワーク対応フラグをOFF(ネットワーク非対応)に変更する(S109)。その後は、ネットワーク非対応モードで上述した処理と同様の再生処理を行う(S110)。
【0062】
このようにシステムパラメータのネットワーク対応フラグをOFF(ネットワーク非対応)に変更して再生することにより、光ディスク102をネットワーク接続に依存しない再生経路を選択して再生することができる。
【0063】
なお本実施の形態1では、番組タイトル再生開始前に警告画面を表示する例を示しているが、光ディスク102挿入時に警告画面を表示させても良いし、ネットワーク接続を行うアプリケーションの実行直前に表示させてもよい。また図9で示す「ネットワーク接続の必要可否情報」(検出信号)による判定(S103)、および「ダウンロードコンテンツのサイズ情報」(容量検出信号)による判定(S104)を行わず、「ネットワーク回線情報解析結果」(接続状況信号)による判定(S102)のみから警告画面表示を行うか否かを決定しても良いし、これらの情報の組み合わせにより警告画面表示を行うか否かを決定してもよい。また初期設定画面上でS107の選択内容を決定しておくことで、図8に示す警告画面自身を表示させることなく自動的に選択してもよい。
【0064】
実施の形態1のように構成すれば、番組タイトルを再生開始前にネットワーク接続が必要である光ディスクかを判別し、当該判定結果を自動的にディスプレイ装置に表示することができる。したがって、ユーザは一瞥しただけで素早くネットワーク接続が必要な光ディスクか、また現在ネットワークを使用できる環境ではないことをあらかじめ知ることができる。また当該警告画面上で、再生装置100をネットワーク非対応モードの再生モードに切り替えることにより、光ディスク再生中にダウンロードが行えないといった理由等で、途中で番組タイトルの再生を中断させることなく、安心してタイトルの視聴を続けることができるといった効果を奏する。
【0065】
すなわち、ネットワーク接続機能を有する光学式記録媒体の再生前にネットワーク回線が利用できるかを判断し、利用できない場合においてはユーザにその旨を警告画面等により簡単に確認させることができる。ユーザは当該警告画面を一瞥しただけで、コンテンツのネットワーク接続の必要性・接続できない理由をあらかじめ知ることができる。そのため、本来不要な操作をユーザが行う可能性を減らすことができる。
【0066】
また、再生装置内に具備したダウンロードコンテンツを記録するためのストレージの空き容量と、ダウンロードする情報量を事前に認識できるように構成することで、ストレージの空き容量が足りなくなる等の理由により途中でダウンロードできなくなるなどの不具合を未然に防ぐことができる。
【0067】
さらに、再生装置がネットワーク回線を利用できない場合において、ネットワーク接続を必要とするプログラムが含まれている光ディスクを再生した場合に、自動的にネットワーク非依存の再生モードに切り替えることができる。そのため、ネットワークに接続しない再生経路に従って光ディスクを再生できるので、当該光ディスクを再生する度に、ネットワーク資源に対して無駄なアクセスを行うことがなくなる。
【0068】
また、再生装置100内(例えばHDD122)に、ネットワーク対応フラグと再生を行った光ディスクとを対応付けた情報を保持しておいてもよい。これにより、再生を行った光ディスクを再度再生する場合、事前のネットワークへの対応モードを参照してモードを決定することが可能となる。
【0069】
なお、再生装置100は、コンテンツの再生終了後、S109において変更されたネットワーク対応フラグを、OFFからONに戻すように構成しても良い。
【0070】
[付記]
(付記1)
ネットワークを介してデータ供給源に接続するプログラムを含む光学式記録媒体を再生する光学式記録媒体の再生装置であって、
前記ネットワークと前記光学式記録媒体の再生装置との接続状況に関する接続状況信号を出力するネットワーク回線情報取得部と、
前記ネットワーク回線情報取得部から出力される接続状況信号に基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力するシステム制御部と、
前記光学式記録媒体に記録されているデータを再生する際に、前記データ供給源から供給されるデータを参照して再生を行うネットワーク対応モードと、前記データ供給源から供給されるデータを参照せずに再生を行うネットワーク非対応モードとを有するデータ再生部と
を備え、
前記システム制御部から出力される判定信号が、前記光学式記録媒体の再生装置と前記データ供給源に接続しないことを示す場合、前記データ再生部は、前記ネットワーク非対応モードにて、前記光学式記録媒体に記録されているデータを再生すること
を特徴とする光学式記録媒体の再生装置。
当該光学式記録媒体の再生装置によれば、ネットワーク接続機能を有する光学式記録媒体の再生前にネットワーク回線が利用できるかを判断し、利用できない場合において、ネットワーク非対応モードにて再生を行うこととする。そのため、本来不要な操作をユーザが行う可能性を減らすことができる。
(付記2)
前記プログラムが前記ネットワークへの接続が必要なプログラムであるか否かを示す検出信号を出力するネットワーク接続可否判定部を更に備え、
前記システム制御部は、前記ネットワーク回線情報取得部から出力される接続状況信号と、前記ネットワーク接続可否判定部から出力される検出信号とに基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力すること
を特徴とする付記1に記載の光学式記録媒体の再生装置。
(付記3)
前記データ供給源から供給されるデータの容量を示す容量検出信号を出力する有効メモリ容量判定部を更に備え、
前記ネットワーク回線情報取得部から出力される接続状況信号と、前記ネットワーク接続可否判定部から出力される検出信号と、前記システム制御部は、前記有効メモリ容量判定部から出力される容量検出信号とに基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力すること
を特徴とする付記2の光学式記録媒体の再生装置。
(付記4)
前記ネットワークと前記光学式記録媒体の再生装置との接続状況に関する接続状況信号は、前記ネットワークと前記光学式記録媒体の再生装置との物理的な接続状態、および/または前記光学式記録媒体の再生装置の前記ネットワークに対する接続設定、および/または前記ネットワークと前記光学式記録媒体の再生装置との間の通信速度に関する信号であること
を特徴とする付記1に記載の光学式記録媒体の再生装置。
(付記5)
前記光学式記録媒体の再生装置に接続されるローカルストレージを更に備え、
前記有効メモリ容量判定部は、前記データ供給源から供給されるデータの容量と、前記ローカルストレージの使用可能な容量とを比較し、前記比較結果に基づく情報を出力すること
を特徴とする付記3に記載の光学式記録媒体の再生装置。
(付記6)
前記光学式記録媒体の再生装置に接続される表示装置に、前記判定信号に基づく情報を表示すること
を特徴とする付記1に記載の光学式記録媒体の再生装置。
(付記7)
ネットワークを介してデータ供給源に接続するプログラムを含む光学式記録媒体を再生する光学式記録媒体の再生方法であって、
前記ネットワークとの接続状況に関する接続状況信号を出力するネットワーク回線情報取得ステップと、
前記ネットワーク回線情報取得ステップから出力される接続状況信号に基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力するシステム制御ステップと、
前記光学式記録媒体に記録されているデータを再生する際に、前記データ供給源から供給されるデータを参照して再生を行うネットワーク対応モードと、前記データ供給源から供給されるデータを参照せずに再生を行うネットワーク非対応モードとを有するデータ再生ステップと
を備え、
前記システム制御ステップにて出力される判定信号が、前記データ供給源に接続しないことを示す場合、前記データ再生ステップでは、前記ネットワーク非対応モードにて、前記光学式記録媒体に記録されているデータを再生すること
を特徴とする光学式記録媒体の再生方法。
(付記8)
前記プログラムが前記ネットワークへの接続が必要なプログラムであるか否かを示す検出信号を出力するネットワーク接続可否判定ステップを更に備え、
前記システム制御ステップは、前記ネットワーク回線情報取得ステップから出力される接続状況信号と、前記ネットワーク接続可否判定ステップから出力される検出信号と基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力すること
を特徴とする付記7の光学式記録媒体の再生方法。
(付記9)
前記データ供給源から供給されるデータの容量を示す容量検出信号を出力する有効メモリ容量判定ステップを更に備え、
前記システム制御ステップは、前記ネットワーク回線情報取得ステップから出力される接続状況信号と、前記ネットワーク接続可否判定ステップから出力される検出信号と、前記有効メモリ容量判定ステップから出力される容量検出信号と基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力すること
を特徴とする付記8の光学式記録媒体の再生方法。
(付記10)
前記ネットワークとの接続状況に関する接続状況信号は、前記ネットワークとの物理的な接続状態、および/または前記ネットワークに対する接続設定、および/または前記ネットワークとの間の通信速度に関する信号であること
を特徴とする付記7に記載の光学式記録媒体の再生方法。
(付記11)
前記有効メモリ容量判定ステップの容量検出信号は、前記データ供給源から供給されるデータに基づく信号であること
を特徴とする付記9に記載の光学式記録媒体の再生方法。
(付記12)
前記判定信号に基づく情報を表示する表示ステップを更に備えること
を特徴とする付記7に記載の光学式記録媒体の再生方法。
(付記13)
ネットワークを介してデータ供給源に接続するプログラムを含む光学式記録媒体を再生する光学式記録媒体の再生プログラムであって、
前記ネットワークとの接続状況に関する接続状況信号を出力するネットワーク回線情報取得ステップと、
前記ネットワーク回線情報取得ステップから出力される接続状況信号に基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを示す判定信号を出力するシステム制御ステップと、
前記光学式記録媒体に記録されているデータを再生する際に、前記データ供給源から供給されるデータを参照して再生を行うネットワーク対応モードと、前記データ供給源から供給されるデータを参照せずに再生を行うネットワーク非対応モードとを有するデータ再生ステップと
を備え、
前記システム制御ステップにて出力される判定信号が、前記データ供給源に接続しないことを示す場合、前記データ再生ステップでは、前記ネットワーク非対応モードにて、前記光学式記録媒体に記録されているデータを再生すること
を特徴とする光学式記録媒体の再生プログラム。
【符号の説明】
【0071】
100 再生装置、 101 システム制御部、 102 光ディスク、 103 再生ドライブ部、 110 デマルチプレクサ部、 111 映像デコーダ部、 112 音声デコーダ部、 113 OSD生成部、 114 映像ミキシング部、 115 表示部、 120 メモリ部、 121 ネットワークインターフェース部、 122 HDD、 123 システムレジスタ部、 124 ネットワーク接続可否判定部、 125 ネットワーク回線情報取得部、 126 有効メモリ容量判定部、 130 操作部、 140 デコーダブロック、 201 ディスク内周側、 202 ディスク外周側、 210 リードイン領域、 211 ファイル管理情報領域、 212 ユーザデータ領域、 213 リードアウト領域、 220 再生制御情報領域、 221 再生制御情報ファイル、 222 プログラム管理ファイル、 230 ストリーム情報領域、 231 ストリーム情報ファイル、 240 プログラム記録領域、 241 プログラムファイル、 300 ルートディレクトリ、 301 ディスクディレクトリ、 302 ストリーム管理ディレクトリ、 303 プログラム管理ディレクトリ、 400 パケット、 401 ヘッダ情報、 402 ID、 501 Studio_ID、 502 Disc_ID、 503 num_of_title、 504 type_of_title、 505 ref_to_playlist_id、 506 ref_to_program_id、 507 プレイリスト情報、 508 num_of_stream、 509 ストリームファイル名、 510 属性情報管理テーブル、 511 アクセスポイント管理テーブル、 601 num_of_program、 602 program_name、 603 num_of_application、 604 type_of_application、 605 application_ID、 701 接続可否状態、 702 接続日時情報、 703 通信速度情報、 801 「現在の再生モードを継続」ボタン、 802 「ネットワーク非対応モードに変更」ボタン、 803 ネットワーク回線状態表示領域、 804 ダウンロード環境表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPEG−2で圧縮符号化され記録された映像ストリームを再生する際に、ネットワークを介して再生に必要なデータを取得する記録媒体の再生装置において、
前記映像ストリームの再生に際し、前記ネットワークを介した前記データの取得が必要か否かを判定するネットワーク接続可否判定部と、
前記ネットワークを介した前記データの取得可否の判断の基となる情報であるネットワーク回線情報を取得するネットワーク回線情報取得部と、
前記ネットワーク回線情報取得部から出力される前記ネットワーク回線情報の解析結果と前記ネットワーク接続可否判定部から出力されるネットワーク接続の必要可否情報に基づいて、前記ネットワークに接続するか否かを判定するシステム制御部と、
前記システム制御部からの判定信号に従い、前記ネットワークを介して取得した前記データを用いて前記映像ストリームを再生し、または、前記データを取得せず前記映像ストリームを再生する映像デコーダ部と、
を備え、
前記映像ストリームは、GOPをアクセス単位とするパケットから構成されたエレメンタリストリームであり、
前記映像デコーダ部は、前記判定信号に基づきネットワークを介してサーバに接続し、前記サーバから再生制御情報を取得することで、ランダムアクセス再生を行うことを特徴とする記録媒体の再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−192382(P2011−192382A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100659(P2011−100659)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【分割の表示】特願2008−513097(P2008−513097)の分割
【原出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】