説明

記録媒体の記録材除去装置

【課題】 記録媒体上に剥離層を有する記録媒体を繰り返し再生した場合においても、記録媒体にうねりおよびキズ等が発生することを抑制し、記録媒体の品質を安定に保つことが可能な記録媒体の再生装置を提供する。
【解決手段】 記録媒体74の記録材除去装置1において、ブレード16、17、18を記録媒体74に対し上げ下げする手段と、ブレードが16、17、18記録媒体74に対して下げられたときに、ブレード16、17、18を記録媒体74の剥離層に対して押し当てられるように回転軸23に直接取付けられており、回転軸23の回転に従って回転されながら記録媒体74の剥離層上の記録材107を除去する除去手段と、ブレード16、17、18が記録媒体74に接したときのブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を、回転軸23の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上に転写記録されて記録媒体上に残存する記録材を除去する記録材除去装置に関し、特に、文字、画像等の記録に一旦使用されて記録媒体上に残存する記録材を除去することにより、記録媒体の再利用を可能とする記録材除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子技術の発達は、ペーパーレスの時代の到来を予測させたにもかかわらず、コピー機、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ等の出力機の生産台数の増加に伴って、コピー用紙等の記録用紙の消費量が増加し続けている。
【0003】
このような状況の中で、最近では古紙のリサイクルが盛んであり、オフィスで分別された古紙は古紙業者、製紙工場というルートを経て古紙の再生がおこなわれている。しかしながら、再生に時間を要する、コストが高くなる、紙の品質が低下する等の不具合が発生する場合があり、これより文字、画像等の記録に使用した記録用紙を再利用する技術が注目されてきている。
【0004】
前記した記録用紙を再利用する技術としては、文字、画像等の記録に使用されて記録用紙上に残存している記録材を除去し、記録材除去後の記録用紙をそのまま記録媒体として再利用する技術が種々提案されている。例えば、コピー機等の画像形成装置において記録用紙上に形成された記録材を除去する技術として、記録材を界面活性剤等の記録材消去促進液を含む水溶液に浸すことにより密着強度を低下し、その後、記録材剥離体と接触させることにより記録材を除去する方法等が提案されている。また、記録済みの記録材を有する記録用紙を加熱することにより記録材を加熱溶融させて除去する方法が提案されている。また、機械的な力のみで記録材を除去する技術としては、ブレードを記録用紙上の記録材に押し当てて削り取ることにより除去する方法等が提案されている。
【0005】
具体的に、特開平4−300395号公報には、記録用紙に印字された記録材に、溶剤を付着させて記録材を溶解し、溶解した記録材を例えば、クリーニングブレードのような機械的手段により剥離する除去装置を用いて、記録用紙を再生することが開示されている。
【0006】
しかしながら、記録材を界面活性剤等の記録材消去促進液を含む水溶液に浸すという方法では、液体の供給および排出手段を設けたり定期的に交換する必要があり、維持管理が困難となる場合がある。さらに、一度液体に浸した記録用紙を短時間で乾燥させる工程を設けなければならず、コストやスペース的に不利となることが予想される。
【0007】
さらに、この方法では溶剤を用いるため、これが消耗品となり、再生コストが高くなる場合がある。また、溶剤に起因する引火性および毒性等も懸念される。また記録材除去後、紙に染み込んだ溶剤を乾燥除去する工程が必要になり、装置サイズが大きくなるし、乾燥熱エネルギが必要になる場合もある。この結果、乾燥排出ガスによる大気汚染が懸念される。また、一度溶剤で処理された紙を乾燥すると、紙がうねったり、表面の繊維が毛羽立つ等の再生後の紙の品質が劣化する場合もある。
【0008】
また、特開平7−199757号公報には、記録済みの記録材を有する記録用紙を加熱することにより記録材を加熱溶融させて除去する方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、記録材を加熱溶融させて除去する方法では、記録用紙上の記録材を加熱する手段を別に設ける必要がありコストやスペースの問題で不利になる場合があり、熱による周辺部分への影響が懸念される。
【0010】
また、特開平7−199757号公報には、ブレードを記録材に押し当てて削り取ることにより記録材を除去する方法が提案されている。
【0011】
ブレードを記録材に押し当てて削り取ることにより除去する方法では、熱および記録材消去促進液などが必要なくコストやスペースやメンテナンス等で有利である。また、機械的に設計がしやすいので精度が出しやすく、記録材除去時に記録用紙に傷を付ける可能性が低い。
【0012】
しかしながら、ブレードを記録材に押し当てて削り取ることにより除去する方法では、ブレードと記録用紙が常に当たっているために記録用紙上の表面状態によっては、ブレードまたは記録用紙を移動するために大きなトルクが必要になり、駆動部を大きくしなければならないといったコストやスペース的に不利となることが予想される。
【0013】
また、ブレードを記録材に押し当てて削り取ることにより除去する方法では、記録用紙を搬送してブレードを記録用紙に当てるタイミングによって、記録用紙端部の記録材の除去残りも予想される。また、ブレードと記録用紙の隙間の調整によっては、記録用紙に部分的な記録材の除去残りが発生することも予想される。
【0014】
【特許文献1】特開平7−199757号公報
【0015】
【特許文献2】特開平4−300395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、記録媒体上に剥離層を有する記録媒体を繰り返し再生した場合においても、記録媒体にうねりおよびキズ等が発生することを抑制し、記録媒体の品質を安定に保つことが可能な記録媒体の再生装置を提供することを目的とする。
【0017】
より具体的には、第1に記録媒体表面から記録材を機械的な力を用いて除去する方法において、できるだけ単純な構造で機械的な力を極小にして、コストやスペースの問題を改善することを目的とする。
【0018】
第2に、除去手段の製作コストの低減と長寿命化および定期的な交換の容易化を目的とする。
【0019】
第3に、記録媒体に傷、すじ等の損傷を防止することを目的とする。
【0020】
第4に、記録媒体の端面や一部分に発生する記録材除去残りを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するために請求項1に係る記録媒体の記録材除去装置は、記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、前記ブレードが前記記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを前記記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の前記記録材を除去する除去手段と、前記ブレードが前記記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設けたことを特徴とする。
【0022】
次に、請求項2に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1の記録材除去装置において、前記ブレードは、前記記録媒体の搬送方向に沿って回転されるとともに、その先端部が記録媒体の搬送方向に対して上流側に向くように前記記録媒体の剥離層に押し当てられることを特徴とする。
【0023】
次に、請求項3に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1又は請求項2の記録材除去装置において、前記記録媒体の搬送方向にて前記ブレードの上流側に記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を設け、前記回転軸を介して回転される前記ブレードの先端部の速度は、前記記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体の搬送速度よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0024】
次に、請求項4に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかの記録材除去装置において、前記回転軸には、2以上のブレードが取付けられていることを特徴とする。
【0025】
次に、請求項5に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかの記録材除去装置において、2以上取付けられた前記ブレードと前記記録媒体のなす角度がそれぞれ異なる角度に設定されていることを特徴とする。
【0026】
次に、請求項6に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1乃至5のいずれかの記録材除去装置において、前記ブレードは、弾性を有する材料から形成されていることを特徴とする。
【0027】
次に、請求項7に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1乃至6のいずれかの記録材除去装置において、前記ブレードの先端部は、円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0028】
次に、請求項8に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項1乃至7のいずれかの記録材除去装置において、前記ブレードが前記記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段の駆動源として、ブレードが回転軸を中心にして回転するときにブレードに発生する慣性力が使用されていることを特徴とする。
【0029】
次に、請求項9に係る記録媒体の記録材除去装置は、記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、 前記記録媒体または前記ブレードを往復させることによって、前記記録媒体の剥離層に熱定着された前記記録材を記録媒体の全面から除去するようにしたことを特徴とする。
【0030】
次に、請求項10に係る記録媒体の記録材除去装置は、記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、前記ブレードが前記記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを前記記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の前記記録材を除去する除去手段と、前記ブレードが前記記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設け、ブレードと記録媒体のなす角度を回転軸の回転の方向を変えることによって変えて、記録媒体または除去手段を往復させて記録媒体の剥離層に熱定着された記録材を記録媒体の全面から除去するようにしたことを特徴とする。
【0031】
次に、請求項11に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項9又は請求項10の記録材除去装置において、前記ブレードが前記記録媒体から前記記録材を除去するときに記録媒体が保持される位置は、往復で変化させられていることを特徴とする。
【0032】
次に、請求項12に係る記録媒体の記録材除去装置は、記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、前記ブレードが前記記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを前記記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の前記記録材を除去する除去手段と、前記ブレードが前記記録媒体に加える押圧力を検知する検知手段と、検知した情報によって前記ブレードの押圧力を調整する調整手段とを設けたことを特徴とする。
【0033】
次に、請求項13に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項12の記録材除去装置において、前記ブレードの下方に前記記録媒体を支持する支持体を設け、該支持体とブレードが当接する支持体の面に押圧力を検知する検知手段を設けたことを特徴とする。
【0034】
そして、請求項14に係る記録媒体の記録材除去装置は、請求項12の記録材除去装置において、前記ブレードに押圧力を検知する検知手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
請求項1に係る記録材除去装置では、前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、ブレードが記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の記録材を除去する除去手段と、ブレードが記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設けたので、記録媒体上の剥離層に対してブレードが周期的に当たり、さらに慣性力も加わることにより、常にブレードを記録媒体上の剥離層に当ててブレードあるいは記録媒体を移動させる方法の駆動力よりも少ないトルクで駆動することができ、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる効果がある。
【0036】
また、ブレードが記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の記録材を除去する除去手段を設けたので、記録媒体をブレードに対して搬入、搬出を滑らかにおこなうことができ、記録媒体上の端面の記録材も極めて良好に除去することができる。さらに、ブレードが回転軸を中心に回転しながら記録媒体上の記録材を除去する方法で、記録媒体上の剥離層に対してブレードが周期的にオーバ−ラップして当たるようにしたので、一度通り過ぎた記録材の除去残りも除去することができる効果がある。
【0037】
そして、ブレードが記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段を設けたので、回転軸の回転の方向に合わせて記録媒体を往復させるだけで、記録媒体へのブレードの食い込みも無く、記録媒体の端部も含む全面から記録材を除去することができる効果がある。
【0038】
次に、請求項2に係る記録材除去装置では、ブレードが記録媒体の搬送方向に沿って回転されるとともに、その先端部が記録媒体の搬送方向に対して上流側に向くように記録媒体の剥離層に押し当てられるので、記録媒体に対して撫でるように回転することになり、このため、記録媒体に傷やすじが付くという問題点を解決することができるという効果がある。
【0039】
また、ブレードを記録媒体の搬送方向に沿って回転させたので、ブレードが記録媒体の搬送の一端を担わせることができるという効果がある。
【0040】
次に、請求項3に係る記録材除去装置では、記録媒体の搬送方向にてブレードの上流側に記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を設け、回転軸を介して回転されるブレードの先端部の速度は、記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体の搬送速度よりも大きく設定されているので、記録媒体搬送手段が記録媒体を送り出すと同時にブレードの下に引き込まれるのを防ぐブレーキの役目もし、記録媒体を滑らかに移動させるのでジャミングによる皺や傷等が付く問題を防ぐことができるという効果が得られる。
【0041】
さらに、回転軸を介して回転されるブレードの先端部の速度は、記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体の搬送速度よりも大きく設定されているので、ブレードを記録媒体にオーバーラップさせて当てることができることを示しており、オーバーラップさせて当てることにより、一度取り残した記録材を確実に除去することができる効果がある。これはブレードが1枚だけで他のブレードが無いときでも回転軸を介して回転されるブレードの先端部の速度と、記録媒体送り手段の記録媒体送り速度を調整することにより同等の結果が得られるという効果がある。
【0042】
次に、請求項4に係る記録材除去装置では、回転軸に2以上のブレードが取付けられているので、ブレードが周期的にオーバーラップする回数が追加したブレードの枚数分だけ増加させて記録媒体に当てることになり、一度取り残した記録材をより確実に除去することができるという効果が得られる。
【0043】
次に、請求項5に係る記録材除去装置では、2以上取付けられたブレードと記録媒体のなす角度がそれぞれ異なる角度に設定されているので、まず、ブレードが周期的にオーバーラップする回数が、追加したブレードの枚数分だけ増加させて記録媒体に当てることになり、一度取り残した記録材をより確実に除去する効果が得られる。さらに、ブレードと記録媒体のなす角度がそれぞれ異なるブレードを持つことによって、ブレードが記録媒体に当たる強さと記録材に当たる角度が変わるので、熱定着され色々な厚みの記録材に対応でき、記録媒体から記録材を完全に除去することができる効果が得られる。
【0044】
次に、請求項6に係る記録材除去装置では、ブレードが弾性を有する材料から形成されているので、記録媒体とブレードの密着性を良くすることができるため、記録媒体と弾性を持たない場合のブレードとの隙間によってできる記録材の除去残りを防止することができる。また、ブレードに弾性を持たせたことによって、ブレードの記録媒体に当たる距離が長くなり、ブレードの当たる場所のオーバーラップ量が多くなって確実に記録材を除去することができる。さらに、ブレードの剛性によってできる記録媒体上の傷も極めて良好に防止することができるという効果がある。
【0045】
次に、請求項7に係る記録材除去装置では、ブレードの先端部が円弧状に形成されているので、ブレードの先端部が円弧状に形成されていないブレードの刃先の細かい凹凸によってできる記録媒体上の傷も極めて良好に防止できるという効果がある。
【0046】
次に、請求項8に係る記録材除去装置では、ブレードが記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段の駆動源として、ブレードが回転軸を中心にして回転するときにブレードに発生する慣性力が使用されているので、回転軸の回転の方向に合わせて記録媒体を往復させるだけで、記録媒体の端部も含む全面から記録材を除去することができる。さらに、ブレードが記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を前もって変更するのに慣性力を利用することにより余分な駆動源を使用しないで済むのでコストの問題点を極めて良好に改善することができるという効果が得られる。
【0047】
次に、請求項9に係る記録材除去装置では、記録媒体またはブレードを往復させることによって、記録媒体の剥離層に熱定着された記録材を記録媒体の全面から除去するようにしたので、往復という動作によって、記録材の除去残りが起こり易い記録媒体の端部からも記録材を完全に除去することができるという効果がある。
【0048】
次に、請求項10に係る記録材除去装置では、ブレードを記録媒体に対し上げ下げする手段と、ブレードが記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の記録材を除去する除去手段と、ブレードが記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設け、ブレードと記録媒体のなす角度を回転軸の回転の方向を変えることによって変えて、記録媒体または除去手段を往復させて記録媒体の剥離層に熱定着された記録材を記録媒体の全面から除去するようにしたので、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる効果、記録媒体をブレードに対して搬入、搬出を滑らかにおこなう効果、記録媒体に傷やすじが付くという問題点を解決することができるという効果、一度通り過ぎた記録材の除去残りも除去することができる効果、そして、往復という動作によって、記録材の除去残りが起こり易い記録媒体の端部からも記録材を完全に除去することができるという効果がある。
【0049】
次に、請求項11に係る記録材除去装置では、ブレードが記録媒体から記録材を除去するときに記録媒体が保持される位置は、往復で変化させられているので、除去動作の往きと帰りで記録媒体を保持する部分を変化させることによって、記録媒体を保持する部分の記録材の除去残りを防止することができるという効果がある。
【0050】
次に、請求項12に係る記録材除去装置では、ブレードを記録媒体に対し上げ下げする手段と、ブレードが記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の記録材を除去する除去手段と、ブレードが記録媒体に加える押圧力を検知する検知手段と、検知した情報によってブレードの押圧力を調整する調整手段とを設けたので、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる効果、記録媒体をブレードに対して搬入、搬出を滑らかにおこなう効果、一度通り過ぎた記録材の除去残りも除去することができる効果、そして、記録媒体から記録材を除去するのに最適な条件の押圧力を常にブレードに加えられるので極めて良好に記録媒体から記録材を除去することができ、ブレードによる押圧力のかけすぎで記録媒体に発生する傷、すじ付けの防止もできるという効果がある。
【0051】
次に、請求項13に係る記録材除去装置では、ブレードの下方に記録媒体を支持する支持体を設け、支持体とブレードが当接する支持体の面に押圧力を検知する検知手段を設けたので、記録媒体をブレードが押す圧力を記録媒体を通して検知することができ、検知手段を保護することができるという効果がある。
【0052】
そして、請求項14に係る記録材除去装置では、ブレードに押圧力を検知する検知手段を設けたので、ブレードの歪みを検出するだけでよいので検知手段の故障を減らし寿命を延ばすことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
(実施例1)
以下、本発明に係る記録媒体の記録材除去装置について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る記録媒体の記録材除去装置の概略構成について図1、図2に基づき説明する。図1は記録材除去装置の正面図、図2は記録材除去装置の上面図である。
【0054】
図1及び図2において、記録媒体74の記録材除去装置1は、基本的に、記録材除去部2(図1、図2中中央参照)と、記録材除去部2と記録媒体74の送りをガイドする第3ガイドプレート3及び第4ガイドプレート4で結ばれた第1記録媒体送り部5及び第2記録媒体送り部6(図1、図2中中央の記録材除去部2の左右参照)と、第1記録媒体送り部5と記録媒体74の送りをガイドする第2ガイドプレート7で結ばれた第1用紙センサ8を含む記録媒体74の送排出部9(図1、図2中左中参照)と、送排出部9の左側に記録媒体74の送りをガイドする第1ガイドプレート10及び記録媒体74を溜める排紙トレイ11と、第2記録媒体送り部6の右側に続く記録媒体74の送りをガイドする第5ガイドプレート12と、第5ガイドプレート12の右側に続く第2用紙センサ13を含む記録媒体ストッパ14とで構成され、これらはフレーム73に取付けられている。
【0055】
ここで、記録媒体74の構成(図示せず)につき説明する。記録媒体74は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ナイロン、フッ素樹脂、ポリブチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の材料、または、前記材料やポリプロピレン、ポリエチレン等に無機質材料や繊維材料を添加した強化プラスチック、あるいは、上質紙、アート紙、コート紙といったパルプ製シート等の基材に、剥離層として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系の材料やフッ素系の材料を少なくとも1種類は含有した材料を接着又は圧着して構成する。また、前記基材に剥離層として、例えば、シリコン系材料、フッ素系材料等を少なくとも1種類は含有した材料をコーティングして記録媒体74を構成してもよい。さらに、剥離層と基材を兼ねて、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系の材料やフッ素系の材料を少なくとも1種類は含有した材料をそのまま記録媒体74として使用してもよい。
【0056】
先ず、記録媒体74の記録材除去部2の構成について説明する。記録媒体74の支持体15はSK材等の磨耗に耐久性のある金属から形成されており、支持体15の上面には第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18からの圧力を感知する圧力センサ19が設けられ、支持体15の内部には支持体15を加熱するヒータ20が設けられている。さらにヒータ20の温度を一定にするために温度センサ21が支持体15に設けられている。
【0057】
そして、支持体15の上方にはブレード回転体22(詳細は後述する)が配置され、ブレード回転体22は、その回転を支持する回転軸23を有し、回転軸23が回転体支持フレーム24の第3軸支穴25に回転可能に支持されている。回転体支持フレーム24には、回転体支持フレーム24から上方へ延出された延出部26が設けられており、その延出部26に設けられた第1平歯歯車27が第1駆動歯車28を介して第6駆動モータ29に連結している。第6駆動モータ29は第6モータ支持フレーム30に固定され、第6モータ支持フレーム30はフレーム73に固定されている。これにより回転体支持フレーム24は、ブレード回転体22と共に第6駆動モータ29の回転方向によって上下に移動可能になる。
【0058】
さらに、回転体支持フレーム24には第5モータ取付部31が設けられており、第5駆動モータ32が固定されている。第5駆動モータ32の軸110には第1プーリ33が取付けられ、ブレード回転体22の回転軸23には第2プーリ34が取付けられている。第1プーリ33と第2プーリ34は第3駆動ベルト35によって連結されている。これによって第5駆動モータ32の駆動力がブレード回転体22の回転軸23に伝わりブレード回転体22が回転する。第5駆動モータ32の回転方向によってブレード回転体22は正回転したり逆回転したりする。
【0059】
次に、第1記録媒体送り部5の構成について説明する。第1駆動ローラ111はシリコン、EPDMなどのゴム材料が金属製の第1駆動ローラ軸36を覆うように円筒形に形成されている。第1駆動ローラ軸36はフレーム73に回動可能に取付けられている。第1駆動モータ37はフレーム73に固定されており、第1駆動モータ37の軸112には第3プーリ38が取付けられ、第1駆動ローラ111の第1駆動ローラ軸36には第4プーリ39が取付けられている。第3プーリ38と第4プーリ39は第1駆動ベルト40によって連結されている。これによって第1駆動モータ37の駆動力が第1駆動ローラ111の第1駆動ローラ軸36に伝わり第1駆動ローラ111が回転する。第1駆動モータ37の回転方向によって第1駆動ローラ111は正回転したり逆回転したりする。
【0060】
そして、第1駆動ローラ111の上方にはシリコン、EPDMなどのゴム材料で円筒形に形成された第1押えローラ41が配置され、第1押えローラ41はその中心に第1押えローラ41を回転するための金属製の第1押えローラ軸42を有し、その第1押えローラ軸42が第1押えローラ支持フレーム43の第1軸支穴44に回転可能に支持されている。第1押えローラ支持フレーム43には、第1押えローラ支持フレーム43から延出された延出部45が設けられており、その延出部45に設けられた第2平歯歯車46が第2駆動歯車47を介して第4駆動モータ48に連結している。第4駆動モータ48は第4モータ支持フレーム49に固定され、第4モータ支持フレーム49はフレーム73に固定されている。これにより第1押えローラ支持フレーム43は、第1押えローラ41と共に、第4駆動モータ48の回転方向によって上下に移動可能になる。
【0061】
次に、第2記録媒体送り部6の構成について説明する。第2駆動ローラ50はシリコン、EPDMなどのゴム材料が金属製の第2駆動ローラ軸51を覆うように円筒形に形成されている。第2駆動ローラ軸51はフレーム73に回動可能に取付けられている。第2駆動モータ52もフレーム73に固定されており、第2駆動モータ52の軸113には第5プーリ53が取付けられ、第2駆動ローラ50の第2駆動ローラ軸51には第6プーリ54が取付けられている。第5プーリ53と第6プーリ54は第2駆動ベルト55によって連結されている。これによって第2駆動モータ52の駆動力が第2駆動ローラ50の第2駆動ローラ軸51に伝わり第2駆動ローラ50が回転する。第2駆動モータ52の回転方向によって第2駆動ローラ50は正回転したり逆回転したりする。
【0062】
そして、第2駆動ローラ50の上方にはシリコン、EPDMなどのゴム材料で円筒形に形成された第2押えローラ56が配置され、第2押えローラ56はその中心に第2押えローラ56を回転するための金属製の第2押えローラ軸57を有し、その第2押えローラ軸57が第2押えローラ支持フレーム58の第2軸支穴109に回転可能に支持されている。第2押えローラ支持フレーム58には、第2押えローラ支持フレーム58から延出された延出部59が設けられており、その延出部59に設けられた第3平歯歯車60が第3駆動歯車61を介して第3駆動モータ62に連結している。第3駆動モータ62は第3モータ支持フレーム63に固定され、第3モータ支持フレーム63はフレーム73に固定されている。これにより第2押えローラ支持フレーム58は、第2押えローラ56と共に第3駆動モータ62の回転方向によって上下に移動可能になる。
【0063】
次に、記録媒体74の送排出部9の構成について説明する。記録媒体74を送入・排出する送排出板64は第4回動軸65によってフレーム73に回動可能に取付けられている。送排出板64の一方の端面には摺動軸66が設けられ、摺動軸66は送排出板ガイドフレーム67の一端に設けられた摺動溝68に嵌められている。
【0064】
また、送排出板ガイドフレーム67の他端には第4平歯歯車69が設けられた延出部70が設けられている。第4平歯歯車69は第4駆動歯車71を介して第7駆動モータ72に連結している。第7駆動モータ72はフレーム73に固定されている。これにより、送排出板ガイドフレーム67は第7駆動モータ72の回転方向によって上下に移動可能となる。かかる動きによって送排出板64は第4回動軸65を中心にして回動可能になり、送排出板64の先端を第1ガイドプレート10側または排紙トレイ11側に移動することができる。
【0065】
ここで、先ず、ブレード回転体22について、図3に基づき説明する。図3はブレード回転体の構成及びそれぞれのブレードが記録媒体と接したときにそれぞれのブレードと記録媒体のなす角度がそれぞれ異なるようにするためのブレードの動きを説明する図であり、(A)はブレード回転体が反時計回りに回っている図、(B)はブレード回転体が時計回りに回っている図である。
【0066】
図3において、ブレード回転体22の構成について説明する。回転軸23に取付けられたブレードホルダ取付板91には、回転軸23を中心として決められた円周を3等分する位置に第1回動穴92、第2回動穴93、第3回動穴94が開けられており、第1回動穴92、第2回動穴93、第3回動穴94を中心とする円弧状の第1摺動溝95、第2摺動溝96、第3摺動溝97が開けられている。第1摺動溝95、第2摺動溝96、第3摺動溝97の長さは、回転軸23の中心とそれぞれの第1回動穴92、第2回動穴93、第3回動穴94の中心を結ぶ中心線を中心とする左右振分けの長さであり、第1摺動溝95、第2摺動溝96、第3摺動溝97の長さは、それぞれ異なる。
【0067】
そして、第1回動穴92と第1摺動溝95には、第1ブレードホルダ98に設けられた第1回動軸101及び第1摺動軸104がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。また、第2回動穴93と第2摺動溝96には、第2ブレードホルダ99に設けられた第2回動軸102及び第2摺動軸105がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。さらに、第3回動穴94と第3摺動溝97には、第3ブレードホルダ100に設けられた第3回動軸103及び第3摺動軸106がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。また、第1摺動溝95、第2摺動溝96、第3摺動溝97の摺動溝の長さは、それぞれ異なるように形成されているので、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18が記録媒体74と接したときに、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18と記録媒体74のなす角度はそれぞれ異なる。また、この各ブレード16,17,18は、それぞれのブレードホルダ98、99、100に圧入またはネジ止め(図示せず)されているので極めて簡単に交換できる。
【0068】
続いて、前記のように構成された記録媒体74の記録材除去装置1において、記録媒体74の動きに着目して記録材除去装置1の動作について図4乃至図13に基づき説明する。
【0069】
図4乃至図13は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程を説明する図である。ここではブレード回転体22を構成している第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18が記録媒体74と接したときに、それぞれのブレード16,17,18と記録媒体74とのなす角度がそれぞれ異なっているブレード回転体22で説明している。また、記録媒体74の記録材107が剥離層に熱定着された面は、図中では記録媒体74の上側となっている。
【0070】
図4は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(1)を説明する図である。記録媒体74の記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が上側、ブレード回転体22が上側、第2押えローラ56が上側の状態を示し、ブレード回転体22のみが反時計回りに回っている。ブレード回転体22を上側にしてブレード回転体22を回すのは、各ブレード16,17,18と支持体15が当接することを回避し、係る措置によって、ブレード回転体22の各ブレード16,17,18が取付けられているブレードホルダ98,99,100の摺動軸104、105,106をブレードホルダ取付板91の摺動溝95,96,97の中で慣性力によってスムーズに摺動させて移動させるためである。記録媒体74は第1ガイドプレート10の上で待機中である。
【0071】
図5は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(2)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が下側、ブレード回転体22が下側、第2押えローラ56が上側の状態を示し、第1押えローラ41とブレード回転体22が反時計回りに回っている。記録媒体74が第1ガイドプレートの上から排出される準備が整った状態である。
【0072】
図6は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(3)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が下側、ブレード回転体22が下側、第2押えローラ56が上側の状態を示し、第1押えローラ41とブレード回転体22が反時計回りに回っており、記録媒体74の先端がブレード回転体22の真下まで搬送された状態である。第1押えローラ41とブレード回転体22が反時計回りで第1押えローラ41よりブレード回転体22の方が早く回っているので、記録媒体74はジャミングすることも無く滑らかにブレード回転体22の下を通り過ぎる。このとき、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18により、記録媒体74の先端から記録材107を除去することができ、記録媒体74の端部に記録材107が残るという問題を完全に解決することができる。また、第1押えローラ41よりブレード回転体22の方を早く回すことにより、記録媒体74に第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18をオーバーラップさせて押し当てることができるので、一度取り残した記録材107を確実に除去することができる。これは第1ブレード16が1枚だけで他のブレードが無いときでもブレード回転体22の回転と第1押えローラ41の回転を調整することにより同等の効果が得られる。さらに、ブレードに弾性を持たせると、ブレードが記録媒体74に当たる記録材107を除去する幅が増し、記録材107を除去するオーバーラップ回数が増えるので大きな効果が得られる。しかも、ブレードを記録媒体74に周期的に当てることと、ブレード回転体22の回転の慣性力を利用することにより、第5駆動モータ32の駆動能力を小さいモータに置き換えられるという利点があり、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる。
【0073】
図7は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(4)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が下側、ブレード回転体22が下側、第2押えローラ56が上側の状態を示し、第1押えローラ41とブレード回転体22が反時計回りに回っているが、記録媒体74はブレード回転体22の真下を通り過ぎ、記録媒体74の先端が記録媒体ストッパ14に当たって止まって、第2用紙センサ13が記録媒体74の先端を検知した状態である。記録媒体ストッパ14の位置は記録媒体74の後端がブレード回転体22と第2押えローラ56の中間に来るように設定されている。さらに、第2押えローラ56と記録媒体ストッパ14との距離は記録媒体74の半分以上であることが望ましい。
【0074】
図8は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(5)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が上側、ブレード回転体22が上側、第2押えローラ56が上側の状態を示し、第2用紙センサ13が記録媒体74の先端を検知したすぐ後の状態である。そして、第1押えローラ41とブレード回転体22の回転は止められている。
【0075】
図9は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(6)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が上側、ブレード回転体22が上側、第2押えローラ56が上側の状態であり、ブレード回転体22のみが時計回りに回っている。ブレード回転体22を上側にしてブレード回転体22を回すのは、各ブレード16,17,18と支持体15が当接することを回避し、係る措置によって、ブレード回転体22の各ブレード16,17,18が取付けられているブレードホルダ98,99,100の摺動軸104、105,106をブレードホルダ取付板91の摺動溝95,96,97の中で慣性力によってスムーズに摺動させて移動させるためである。記録媒体74は第5ガイドプレート12の上で待機中である。
【0076】
図10は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(7)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が上側、ブレード回転体22が下側、第2押えローラ56が下側の状態を示し、第2押えローラ56とブレード回転体22が時計回りに回っており、記録媒体74の先端がブレード回転体22の真下まで来た状態である。第2押えローラ56とブレード回転体22が時計回りで第2押えローラ56よりブレード回転体22の方が早く回っており、従って、記録媒体74はジャミングすることも無くスムーズにブレード回転体22の下を通り過ぎる。このとき、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18により、記録媒体74の後端から記録材107を除去することができ、記録媒体74の端部に記録材107が残るという問題を完全に解決することができる。また、第1押えローラ56よりブレード回転体22の方を早く回すことにより、記録媒体74に第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18をオーバーラップさせて当てることができるので、一度取り残した記録材107を確実に除去することができる。これは第1ブレード16が1枚だけで他のブレードが無いときでもブレード回転体22の回転と第1押えローラ56の回転を調整することにより同等の効果が得られる。さらに、ブレードに弾性を持たせると、ブレードが記録媒体74に当たる幅が増しオーバーラップする回数が増えるので大きな効果が得られる。しかも、ブレードを記録媒体74に周期的に当てることと、ブレード回転体22の回転の慣性力を利用することにより、第5駆動モータ32の駆動能力を小さいモータに置き換えられるという利点があり、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる。
【0077】
図11は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(8)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が上側、第1押えローラ41が上側、ブレード回転体22が下側、第2押えローラ56が下側の状態を示し、第2押えローラ56とブレード回転体22が時計回りに回っているが、記録媒体74はブレード回転体22の真下を通り過ぎ、記録媒体74の後端を第1用紙センサ8が検知した状態である。第1用紙センサ8の位置は記録媒体74の先端がブレード回転体22と第1押えローラ41の中間に来るように設定されている。さらに、第1押えローラ41と第1用紙センサ8との距離は記録媒体74の半分以上であることが望ましい。ここまでの工程で記録媒体74の剥離層に熱定着された記録材107は、記録媒体74の全面から除去される。
【0078】
図12は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(9)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が下側、第1押えローラ41が下側、ブレード回転体22が上側、第2押えローラ56が上側の状態であり、ブレード回転体22と第2押えローラ56の回転は止められ、第1押えローラ41が時計回りに回っている。図11で記録媒体74の後端を第1用紙センサ8が検知すると、直ちに第7駆動モータ72を駆動して送排出板ガイドフレーム67を下げて送排出板64の端面を排出トレイ11側に移動し、第1押えローラ41を時計回りになるように第1駆動モータ37を回して記録媒体74を排出トレイ11に排出する。同時にブレード回転体22と第2押えローラ56の回転は止められる。
【0079】
図13は、記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(10)を説明する図である。記録材除去装置1の送排出板64が下側、第1押えローラ41が下側、ブレード回転体22が上側、第2押えローラ56が上側の状態を示し、第1押えローラ41が時計回りに回っている。図12の状態から排紙が終わった状態を示している。この後、第1押えローラ41の回転が止まり、送排出板64が第7駆動モータ72によって上側(第1ガイドプレート側)に上げられて一連の動作はおわる。ここまでの工程で記録媒体74の剥離層に熱定着された記録材107が全面から除去された記録媒体74を得ることができる。
【0080】
次に、図3に戻って、ブレード回転体22の動作について説明する。図3において、ブレード回転体22のブレードホルダ取付板91は、回転軸23に取付けられており、回転軸23には第2プーリ34が取付けられ第3駆動ベルト35、第1プーリ33を介して第5駆動モータ32に連結している。第5駆動モータ32を回転駆動することによりその回転方向によってブレード回転体22は正回転または逆回転の回転をする。
【0081】
また、ブレードホルダ取付板91には第1回動穴92、第2回動穴93、第3回動穴94、第1摺動溝95、第2摺動溝96、第3摺動溝97が開けられている。第1回動穴92及び第1摺動溝95には第1ブレードホルダ98に設けられた第1回動軸101及び第1摺動軸104がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。これによって、第1ブレードホルダ98の第1摺動軸104はブレードホルダ取付板91の第1摺動溝95の中をブレード回転体22の回転の方向によって、A位置からB位置へ、B位置からA位置へと摺動移動する。これに伴って第1ブレード16の位置も移動する。これはブレード回転体22が回転することによって、第1ブレードホルダ98に発生する慣性力によっておこなわれる。
【0082】
そして、第2回動穴93及び第2摺動溝96には第2ブレードホルダ99に設けられた第2回動軸102及び第2摺動軸105がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。これによって、第2ブレードホルダ99の第2摺動軸105はブレードホルダ取付板91の第2摺動溝96の中をブレード回転体22の回転の方向によって、C位置からD位置へ、D位置からC位置へと摺動移動する。これに伴って第2ブレード17の位置も移動する。これはブレード回転体22が回転することによって、第2ブレードホルダ99に発生する慣性力によっておこなわれる。
【0083】
さらに、第3回動穴94及び第3摺動溝97には第3ブレードホルダ100に設けられた第3回動軸103及び第3摺動軸106がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。これによって、第3ブレードホルダ100の第3摺動軸106はブレードホルダ取付板91の第3摺動溝97の中をブレード回転体22の回転の方向によって、E位置からF位置へ、F位置からE位置へと摺動移動する。これに伴って第3ブレード18の位置も移動する。これはブレード回転体22が回転することによって、第3ブレードホルダ100に発生する慣性力によっておこなわれる。
【0084】
図3(A)はブレード回転体22が反時計回りに回っており、第1摺動軸104はAの位置、第2摺動軸105はCの位置、第3摺動軸106はEの位置になっている。図3(B)はブレード回転体22が時計回りに回っており、第1摺動軸104はBの位置、第2摺動軸105はDの位置、第3摺動軸106はFの位置になっている。ブレード回転体22が正回転しても逆回転しても、部品追加すること無しに慣性力を利用することで、簡単にそれぞれのブレードと記録媒体74が接したときにそれぞれのブレードと記録媒体74のなす角度を同じにすることができる。これによって、記録媒体74を往復させることにより、記録媒体74の端面を含む全面から記録材107を除去することができる。
【0085】
続いて、前記のような動作をするブレード回転体22と第1押えローラ41と記録媒体74と支持体15がおこなう記録媒体74からの記録材107の除去動作を図14に基づいて説明する。図14(A)は弾性を持たないブレードがブレード回転体に装着されている図、(B)は記録媒体に弾性を持たないブレードがオーバーラップして当たることを説明する図である。
【0086】
図14(A)では、第1押えローラ41とブレード回転体22が反時計方向に回転し、また、第1押えローラ41の回転よりもブレード回転体22の方を早く回転させ、さらに、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18の取付け向きが記録媒体74の進行方向に対して上流側に向くように取付けているので、記録媒体74が滑らかにブレード回転体22と支持体15の間に送出され、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18によって記録材107が除去されるようになっている。
【0087】
しかも、ブレードを記録媒体74に周期的に当てることと、ブレード回転体22の回転の慣性力を利用することにより、第5駆動モータ32の駆動能力を小さいモータに置き換えられるという利点があり、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる。
【0088】
図14(B)では、第1押えローラ41よりブレード回転体22の方を早く回すことにより、記録媒体74に第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18をオーバーラップさせて当てることができることを示している。オーバーラップさせて当てることができるので、一度取り残した記録材107を確実に除去することができる。これは第1ブレード16が1枚だけで他のブレードが無いときでもブレード回転体22の回転と第1押えローラ41の回転を調整することにより同等の効果が得られる。
【0089】
ここで、第1押えローラ41の回転よりもブレード回転体22の方を早く回転させた方がよい理由について図15に基づいて説明する。図15はブレード回転体と押えローラの回転の方向と回転速さの違いによって記録媒体に起こる状況を説明する図であり、(A)は、ブレード回転体と押えローラの回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体>押えローラのときの記録媒体に起こる状況を説明する図、(B)は、ブレード回転体と押えローラの回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体<押えローラのときの記録媒体に起こる状況を説明する図、(C)は、ブレード回転体の回転が時計回り、押えローラの回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体>押えローラのときの記録媒体に起こる状況を説明する図である。
【0090】
図15(A)において、ブレード回転体22と押えローラ41の回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体22>押えローラ41のときの記録媒体74に起こる状況は極めて良好である。ブレード回転体22の回転が速いために、第1押えローラ41から送られてくる記録媒体74は常にブレード回転体22の下に引き込まれる状況になり、第1押えローラ41は記録媒体74を送り出すと同時に回転体22の下に引き込まれるのを防ぐブレーキの役目もしている。このため、記録媒体74は滑らかに移動するのでジャミングによる皺や傷等が付く問題はない。
【0091】
図15(B)において、ブレード回転体22と押えローラ41の回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体22<押えローラ41のときの記録媒体74に起こる状況は極めて良くない。ブレード回転体22の回転が遅く、第1押えローラ41の回転が速いために、第1押えローラ41とブレード回転体22の間で記録媒体74にたるみが出てしまい、この部分が皺や傷等の発生場所になる。
【0092】
図15(C)において、ブレード回転体22の回転が時計回り、押えローラ41の回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体22>押えローラ41のときの記録媒体74に起こる状況も極めて良くない。ブレード回転体22の回転が第1押えローラ41の逆の回転であるため、第1押えローラ41の回転で送られてくる記録媒体74がブレード回転体22の下に取り込まれず、ブレード回転体22に跳ね上げられてしまい、この部分が皺や傷等の発生場所になる。
【0093】
さらに、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18の取付け向きが記録媒体74の進行方向に対して上流側に向くように取付けるのがよい理由を図16に基づいて説明する。図16はブレード回転体に装着されているブレードの取付け向きを変えたときの動きを説明する図であり、(A)は、ブレードの取付け向きが記録媒体の進行方向に対して上流側の向きの方向であることを説明する図である。(記録媒体を撫でる。)(B)は、ブレードの取付け向きが記録媒体の進行方向に対して下流側の向きの方向であることを説明する図である(記録媒体を掘る。)。
【0094】
図16(A)において、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18の取付け向きが記録媒体74の進行方向に対して上流側に向く方向であるので、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18は、第1押えローラ41の回転よりブレード回転体22の回転の方が速いので、記録媒体74に対して撫でるように回転することになる。このため、記録媒体74に傷やすじが付くという問題点を解決できる効果がある。
【0095】
図16(B)において、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18の取付け向きが記録媒体74の進行方向に対して下流側に向く方向であるので、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18は、第1押えローラ41の回転よりブレード回転体22の回転の方が速いので、記録媒体74に対して記録媒体74を掘るように回転することになる。このため、記録媒体74が切断されたり、傷やすじが付くという問題を解決できない。
【0096】
図17はブレードの先端が鋭角のものを示す図である。ブレードの材質は樹脂の場合、ポリカーネート、ポリプロピレン、金属の場合、高速度鋼(SKH)、刃物鋼(SKU)、炭素工具鋼(SK)、バネ鋼(SUP)などでできている。
【0097】
ここで、図6、図10に戻って、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18の記録媒体74に加わる押圧を支持体15の上面に配置されている圧力センサ19によって検知し、その値を決められた値に制御する動作を説明する。第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18によって記録媒体74に加えられる押圧力を記録媒体74を介して圧力センサ19で検知し、検知した値が決められた値よりも小さければ第6駆動モータ29を駆動して決められた値になるまで加圧し、検知した値が決められた値よりも大きければ第6駆動モータ29を駆動して決められた値になるまで減圧して決められた値になるように制御する。この制御によって記録媒体74から記録材107を常に完全に除去できる。また、この制御によって加圧し過ぎによる記録媒体74への傷、すじ付けの防止、加圧不足による記録媒体74からの記録材107の除去不足を防止することができる。この制御は記録媒体74がブレード回転体22の下にある間に行うのがよい。
(実施例2)
【0098】
ここでは、ブレード回転体22の別の実施例について、図18に基づき説明する。図18はブレード回転体の構成及びそれぞれのブレードが記録媒体と接したときにそれぞれのブレードと記録媒体のなす角度が全て同じになるようにするためのブレードの動きを説明する図であり、(A)はブレード回転体が反時計回りに回っている図、(B)はブレード回転体が時計回りに回っている図である。
【0099】
図18において、ブレード回転体22の構成について説明する。回転軸23に取付けられたブレードホルダ取付板75には、回転軸23を中心として決められた円周を3等分する位置に第1回動穴76、第2回動穴77、第3回動穴78が開けられており、第1回動穴76、第2回動穴77、第3回動穴78を中心とする円弧状の第1摺動溝79、第2摺動溝80、第3摺動溝81が開けられている。第1摺動溝79、第2摺動溝80、第3摺動溝81の長さは、回転軸23の中心とそれぞれの第1回動穴76、第2回動穴77、第3回動穴78の中心を結ぶ中心線を中心とする左右振分けの長さであり、第1摺動溝79、第2摺動溝80、第3摺動溝81の長さは、全て同じである。
【0100】
そして、第1回動穴76及び第1摺動溝79には第1ブレードホルダ82に設けられた第1回動軸85及び第1摺動軸88がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。また、第2回動穴77及び第2摺動溝80には第2ブレードホルダ83に設けられた第2回動軸86及び第2摺動軸89がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。さらに、第3回動穴78及び第3摺動溝81には第3ブレードホルダ84に設けられた第3回動軸87及び第3摺動軸90がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。また、第1摺動溝79、第2摺動溝80、第3摺動溝81の摺動溝の長さは、全て等しく形成されているので、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18が記録媒体74と接したときに、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18と記録媒体74のなす角度は全て同一になる。また、ブレードは、それぞれのブレードホルダ82、83、84に圧入またはネジ止め(図示せず)されているので極めて簡単に交換できる。
【0101】
次に、ブレード回転体22の動作について説明する。図18において、ブレード回転体22のブレードホルダ取付板75には回転軸23に取付けられており、回転軸23には第2プーリ34が取付けられ第3駆動ベルト35、第1プーリ33を介して第5駆動モータ32に連結している。第5駆動モータ32を回転駆動することにとりその回転方向によってブレード回転体22は正回転または逆回転をする。
【0102】
また、ブレードホルダ取付板75には第1回動穴76、第2回動穴77、第3回動穴78、第1摺動溝79、第2摺動溝80、第3摺動溝81が開けられている。第1回動穴76及び第1摺動溝79には、第1ブレードホルダ82に設けられた第1回動軸85及び第1摺動軸88がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。これによって、第1ブレードホルダ82の第1摺動軸88はブレードホルダ取付板75の第1摺動溝79の中をブレード回転体22の回転の方向によって、A位置からB位置へ、B位置からA位置へと摺動移動する。これに伴って第1ブレード16の位置も移動する。これはブレード回転体22が回転することによって、第1ブレードホルダ82に発生する慣性力によっておこなわれる。
【0103】
そして、第2回動穴77及び第2摺動溝80には、第2ブレードホルダ83に設けられた第2回動軸86及び第2摺動軸89がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。これによって、第2ブレードホルダ83の第2摺動軸89はブレードホルダ取付板75の第2摺動溝80の中をブレード回転体22の回転の方向によって、A位置からB位置へ、B位置からA位置へと摺動移動する。これに伴って第2ブレード17の位置も移動する。これはブレード回転体22が回転することによって、第2ブレードホルダ83に発生する慣性力によっておこなわれる。
【0104】
さらに、第3回動穴78及び第3摺動溝81には、第3ブレードホルダ84に設けられた第3回動軸87及び第3摺動軸90がそれぞれ回動可能及び摺動可能に取付けられている。これによって、第3ブレードホルダ84の第3摺動軸90はブレードホルダ取付板75の第3摺動溝81の中をブレード回転体22の回転の方向によって、A位置からB位置へ、B位置からA位置へと摺動移動する。これに伴って第3ブレード18の位置も移動する。これはブレード回転体22が回転することによって、第3ブレードホルダ84に発生する慣性力によっておこなわれる。
【0105】
図18(A)はブレード回転体22が反時計回りに回っており、第1摺動軸88はAの位置、第2摺動軸89もAの位置、第3摺動軸90もAの位置になっている。図18(B)はブレード回転体22が時計回りに回っており、第1摺動軸88はBの位置、第2摺動軸89もBの位置、第3摺動軸90もBの位置になっている。ブレード回転体22が正回転しても逆回転転しても、部品追加すること無しに慣性力を利用することで、簡単にそれぞれのブレードと記録媒体74の進行方向に対する角度を同じにすることができる。これによって、記録媒体74を往復させることにより、記録媒体74の端面を含む全面から記録材107を除去することができる。
(実施例3)
【0106】
次に、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18に弾性を持たせた別の実施例を、図19に基づいて説明する。
【0107】
図19(A)は、弾性を持たせたブレードで記録媒体から記録剤を除去する状態図である。ブレードに弾性を持たせることによって、記録媒体74に第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18が弾性のないブレードより長く当たる。ここで使用されるブレードの材質はバネ鋼(SUP、SUS)である。
【0108】
図19(B)は、弾性を持ったブレードがオーバーラップして記録材を除去する軌跡を示す図である。第1押えローラ41よりブレード回転体22の方を早く回し、ブレードに弾性を持たせることによって、記録媒体74に第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18が弾性のないブレードより長く当たり、オーバーラップも多くなることを示している。ブレードに弾性を持たせると、ブレードが記録媒体74に当たって記録材107を除去する幅が増し、記録材107を除去するオーバーラップ回数が増えるので記録媒体74から記録材107を除去するのに大きな効果が得られる。さらに、弾性によって記録媒体74の凹凸を吸収し記録材107の除去残しを防止することができる。
【0109】
しかも、ブレードを記録媒体74に周期的に当てることと、ブレード回転体22の回転の慣性力を利用することにより、第5駆動モータ32の駆動能力を小さいモータに置き換えられるという利点があり、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる。
(実施例4)
【0110】
次に、ブレードが別の先端形状を有する実施例について、図20に基づき説明する。図20は、平行面をRで結んで円弧状の先端を持つブレードの図である。ブレード回転体22に装着されているブレードは、先端形状がブレードの平行面をRで結んで円弧状の先端を持つものになっている。これによって記録媒体74に傷やすじを付ける問題を起こさないという利点がある
(実施例5)
【0111】
次に、ブレードに圧力センサを設けた実施例について、図16(A)を利用して説明する。図16(A)の第3ブレード18の平行面に圧力センサ19が設けられている。第3ブレード18が記録媒体74に当接したときに第3ブレード18の歪を圧力センサ19が検知し、その値によってブレード回転体22と共にブレードを上下して、ブレードによる記録媒体74への押圧力を適正な値にする。
【0112】
以上説明した通り、本実施形態に係る記録媒体74の記録材除去装置1では、ブレード16、17、18を記録媒体74に対し上げ下げする手段と、ブレードが16、17、18記録媒体74に対して下げられたときに、ブレード16、17、18を記録媒体74の剥離層に対して押し当てられるように回転軸23に直接取付けられており、回転軸23の回転に従って回転されながら記録媒体74の剥離層上の記録材107を除去する除去手段と、ブレード16、17、18が記録媒体74に接したときのブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を、回転軸23の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設けたので、記録媒体74の剥離層に対してブレード16、17、18が周期的に当たり、さらに慣性力も加わることにより、常にブレードを記録用紙の剥離層に当ててブレードあるいは記録用紙を移動させる方法の駆動力よりも少ないトルクで駆動することができ、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる効果がある。
【0113】
また、ブレード16、17、18が記録媒体74に対して下げられたときに、ブレード16、17、18を記録媒体74の剥離層に対して押し当てられるように回転軸23に直接取付けられており、回転軸23の回転に従って回転されながら記録媒体74の剥離層上の記録材107を除去する除去手段を設けたので、記録媒体74をブレード16、17、18に対して搬入、搬出を滑らかにおこなうことができ、記録媒体74の端面の記録材107も極めて良好に除去することができる。さらに、ブレード16、17、18が回転軸23を中心に回転しながら記録媒体74の記録材107を除去する方法で、記録媒体74の剥離層に対してブレード16、17、18が周期的にオーバ−ラップして当たるようにしたので、一度通り過ぎた記録材107の除去残りも除去することができる効果がある。
【0114】
そして、ブレード16、17、18が記録媒体74に接したときのブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を、回転軸23の回転の方向が変わったときに変更する変更手段を設けたので、回転軸23の回転の方向に合わせて記録媒体74を往復させるだけで、記録媒体74へのブレード16、17、18の食い込みも無く、記録媒体74の端部も含む全面から記録材107を除去することができる効果がある。
【0115】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18が記録媒体74の搬送方向に沿って回転されるとともに、その先端部が記録媒体74の搬送方向に対して上流側に向くように記録媒体74の剥離層に押し当てられるので、記録媒体74に対して撫でるように回転することになり、このため、記録媒体74に傷やすじが付くという問題点を解決することができるという効果がある。
【0116】
また、ブレード16、17、18を記録媒体74の搬送方向に沿って回転させたので、ブレード16、17、18が記録媒体74の搬送の一端を担わせることができるという効果がある。
【0117】
次に、記録材除去装置1では、記録媒体74の搬送方向にてブレード16、17、18の上流側に記録媒体74を搬送する記録媒体搬送手段(第1記録媒体送り部5、第2記録媒体送り部6)を設け、回転軸23を介して回転されるブレード16、17、18の先端部の速度は、記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体74の搬送速度よりも大きく設定されているので、記録媒体搬送手段が記録媒体74を送り出すと同時にブレード16、17、18の下に引き込まれるのを防ぐブレーキの役目もし、記録媒体74を滑らかに移動させるのでジャミングによる皺や傷等が付く問題を防ぐことができるという効果が得られる。
【0118】
さらに、回転軸23を介して回転されるブレード16、17、18の先端部の速度は、記録媒体搬送手段(第1記録媒体送り部5、第2記録媒体送り部6)により搬送される記録媒体74の搬送速度よりも大きく設定されているので、ブレード16、17、18を記録媒体74にオーバーラップさせて当てることができることを示しており、オーバーラップさせて当てることにより、一度取り残した記録材107を確実に除去することができる効果がある。これはブレードが1枚だけで他のブレードが無いときでも回転軸23を介して回転されるブレードの先端部の速度と、記録媒体搬送手段の記録媒体搬送速度を調整することにより同等の結果が得られるという効果がある。
【0119】
次に、記録材除去装置1では、回転軸23に2以上のブレードが取付けられているので、ブレードが周期的にオーバーラップする回数が追加したブレードの枚数分だけ増加させて記録媒体74に当てることになり、一度取り残した記録材107をより確実に除去することができるという効果が得られる。
【0120】
次に、記録材除去装置1では、2以上取付けられたブレードと記録媒体74のなす角度がそれぞれ異なる角度に設定されているので、まず、ブレードが周期的にオーバーラップする回数が、追加したブレードの枚数分だけ増加させて記録媒体74に当てることになり、一度取り残した記録材107をより確実に除去する効果が得られる。さらに、ブレードと記録媒体74のなす角度がそれぞれ異なるブレードを持つことによって、ブレードが記録媒体74に当たる強さと記録材107に当たる角度が変わるので、熱定着され色々な厚みの記録材107に対応でき、記録媒体74から記録材107を完全に除去することができる効果が得られる。
【0121】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18が弾性を有する材料から形成されているので、記録媒体74とブレード16、17、18の密着性を良くすることができるため、記録媒体74と弾性を持たない場合のブレードとの隙間によってできる記録材107の除去残りを防止することができる。また、ブレード16、17、18に弾性を持たせたことによって、ブレード16、17、18の記録媒体74に当たる距離が長くなり、ブレード16、17、18の当たる場所のオーバーラップ量が多くなって確実に記録材107を除去することができる。さらに、ブレードの剛性によってできる記録媒体74の傷も極めて良好に防止することができるという効果がある。
【0122】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18の先端部が円弧状に形成されているので、先端部が円弧状に形成されていないブレードの刃先の細かい凹凸によってできる記録媒体74の傷も極めて良好に防止できるという効果がある。
【0123】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18が記録媒体74に接したときのブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を回転軸23の回転の方向が変わったときに変更する変更手段の駆動源として、ブレード16、17、18が回転軸23を中心にして回転するときにブレード16、17、18に発生する慣性力が使用されているので、回転軸23の回転の方向に合わせて記録媒体74を往復させるだけで、記録媒体74の端部も含む全面から記録材107を除去することができる。さらに、ブレード16、17、18が記録媒体74に接したときのブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を前もって変更するのに慣性力を利用することにより余分な駆動源を使用しないで済むのでコストの問題点を極めて良好に改善することができるという効果が得られる。
【0124】
次に、記録材除去装置1では、記録媒体74またはブレードを往復させることによって、記録媒体74の剥離層に熱定着された記録材107を記録媒体74の全面から除去するようにしたので、往復という動作によって、記録材107の除去残りが起こり易い記録媒体74の端部からも記録材107を完全に除去することができるという効果がある。
【0125】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18を記録媒体74に対し上げ下げする手段と、ブレード16、17、18が記録媒体74に対して下げられたときに、ブレード16、17、18を記録媒体74の剥離層に対して押し当てられるように回転軸23に直接取付けられており、回転軸23の回転に従って回転されながら記録媒体74の剥離層上の記録材107を除去する除去手段と、ブレード16、17、18が記録媒体74に接したときのブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を、回転軸23の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設け、ブレード16、17、18と記録媒体74のなす角度を回転軸23の回転の方向を変えることによって変えて、記録媒体74または除去手段を往復させて記録媒体74の剥離層に熱定着された記録材107を記録媒体74の全面から除去するようにしたので、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる効果、記録媒体74をブレード16、17、18に対して搬入、搬出を滑らかにおこなう効果、記録媒体74に傷やすじが付くという問題点を解決することができるという効果、一度通り過ぎた記録材107の除去残りも除去することができる効果、そして、往復という動作によって、記録材107の除去残りが起こり易い記録媒体74の端部からも記録材107を完全に除去することができるという効果がある。
【0126】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18が記録媒体74から記録材107を除去するときに記録媒体74が保持される位置は、往復で変化させられているので、除去動作の往きと帰りで記録媒体74を保持する部分を変化させることによって、記録媒体74を保持する部分の記録材107の除去残りを防止することができるという効果がある。
【0127】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18を記録媒体74に対し上げ下げする手段と、ブレード16、17、18が記録媒体74に対して下げられたときに、ブレード16、17、18を記録媒体74の剥離層に対して押し当てられるように回転軸23に直接取付けられており、回転軸23の回転に従って回転されながら記録媒体74の剥離層上の記録材107を除去する除去手段と、ブレード16、17、18が記録媒体74に加える押圧力を検知する検知手段と、検知した情報によってブレード16、17、18の押圧力を調整する調整手段とを設けたので、コストやスペースの問題を極めて良好に改善することができる効果、記録媒体74をブレード16、17、18に対して搬入、搬出を滑らかにおこなう効果、一度通り過ぎた記録材107の除去残りも除去することができる効果、そして、記録媒体74から記録材107を除去するのに最適な条件の押圧力を常にブレードに加えられるので極めて良好に記録媒体74から記録材107を除去することができ、ブレード16、17、18による押圧力のかけすぎで記録媒体74に発生する傷、すじ付けの防止もできるという効果がある。
【0128】
次に、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18の下方に記録媒体74を支持する支持体15を設け、支持体15とブレード16、17、18が当接する支持体15の面に押圧力を検知する検知手段(圧力センサ19)を設けたので、記録媒体74をブレード16、17、18が押す圧力を記録媒体74を通して検知することができ、検知手段を保護することができるという効果がある。
【0129】
そして、記録材除去装置1では、ブレード16、17、18に押圧力を検知する検知手段(圧力センサ19)を設けたので、ブレード16、17、18の歪みを検出するだけでよいので検知手段の故障を減らし寿命を延ばすことができるという効果がある。
【0130】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0131】
例えば、前記実施形態においては、第1ブレード16、第2ブレード17、第3ブレード18によって記録媒体74に加えられる押圧力を記録媒体74を介して圧力センサ19で検知し、検知した値が決められた値よりも小さければ第6駆動モータ29を駆動して決められた値になるまで加圧し、検知した値が決められた値よりも大きければ第6駆動モータ29を駆動して決められた値になるまで減圧して決められた値になるように制御するようにしていたが、これに限定されることなく、例えば、図21に示すように押圧片108を回転軸23の端部に設け、支持体15の上面に設けられた圧力センサ19を直接押圧するようにして、検知した値が決められた値よりも小さければ第6駆動モータ29を駆動して決められた値になるまで加圧し、検知した値が決められた値よりも大きければ第6駆動モータ29を駆動して決められた値になるまで減圧して決められた値になるように制御するようにしてもよい。
【0132】
また、動作の説明上、駆動部は個々の駆動モータで説明しているがいくつかは共用することができる。例えば、第1駆動モータ37と第2駆動モータ52、第3駆動モータ62と第4駆動モータ48は片方の機能を遊ばせることによって共用することができる。
【0133】
さらに、支持体15の内部には支持体15を加熱するヒータ20が設けられ、さらにヒータ20の温度を一定にするために温度センサ21が支持体15に設けられているので、それぞれのブレード16、17、18が記録媒体74の記録材107を除去するときの補助として利用してもよい。周囲の部材に耐熱部材を使用すれば熱の影響を受けることはない。これは余分なスペースを追加することなく支持体15の空きスペースを利用して実施できる。
【0134】
また、図1の第1記録媒体送り部5において、第1駆動モータ37の回転を第1駆動ローラ111に伝達するのに第3プーリ38と第4プーリ39と第1駆動ベルト40によって回転の伝達をおこなったが、歯車によって回転の伝達をおこなっても良い。同様に、図1の第2記録媒体送り部6において、第2駆動モータ52の回転を第2駆動ローラ50に伝達するのに第5プーリ53と第6プーリ54と第2駆動ベルト55によって回転の伝達をおこなったが、歯車によって回転の伝達をおこなっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】記録媒体の記録材除去装置にたいする正面図である。
【図2】記録媒体の記録材除去装置にたいする上面図である。
【図3】ブレード回転体の構成及びそれぞれのブレードが記録媒体と接したときにそれぞれのブレードと記録媒体のなす角度がそれぞれ異なるようにするためのブレードの動きを説明する図であり、(A)はブレード回転体が反時計回りに回っている図、(B)はブレード回転体が時計回りに回っている図である。
【図4】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(1)を説明する図である。
【図5】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(2)を説明する図である。
【図6】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(3)を説明する図である。
【図7】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(4)を説明する図である。
【図8】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(5)を説明する図である。
【図9】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(6)を説明する図である。
【図10】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(7)を説明する図である。
【図11】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(8)を説明する図である。
【図12】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(9)を説明する図である。
【図13】記録材除去装置が記録媒体の記録材を除去する工程(10)を説明する図である。
【図14】(A)は弾性を持たないブレードがブレード回転体に装着されている図、(B)は記録媒体に弾性を持たないブレードがオーバーラップして当たることを説明する図である。
【図15】ブレード回転体と押えローラの回転の方向と回転速さの違いによって記録媒体に起こる状況を説明する図であり、(A)は、ブレード回転体と押えローラの回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体>押えローラのときの記録媒体に起こる状況を説明する図、(B)は、ブレード回転体と押えローラの回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体<押えローラのときの記録媒体に起こる状況を説明する図、(C)は、ブレード回転体の回転が時計回り、押えローラの回転が反時計回りで回転スピードがブレード回転体>押えローラのときの記録媒体に起こる状況を説明する図である。
【図16】ブレード回転体に装着されているブレードの取付け向きを変えたときの動きを説明する図であり、(A)は、ブレードの取付け向きが記録媒体の進行方向に対して上流側の向きの方向であることを説明する図である。(記録媒体を撫でる。)(B)は、ブレードの取付け向きが記録媒体の進行方向に対して下流側の向きの方向であることを説明する図である。(記録媒体を掘る。)
【図17】ブレードの先端が鋭角のものを示す図である。
【図18】ブレード回転体の構成及びそれぞれのブレードが記録媒体と接したときにそれぞれのブレードと記録媒体のなす角度が全て同じになるようにするためのブレードの動きを説明する図であり、(A)はブレード回転体が反時計回りに回っている図、(B)はブレード回転体が時計回りに回っている図である。
【図19】(A)弾性を持たせたブレードで記録媒体から記録剤を除去する状態図、(B)は、弾性を持ったブレードがオーバーラップして記録材を除去する軌跡を示す図である。
【図20】ブレードの平行面をRで結んだ円弧状の先端を持つブレードの図である。
【図21】ブレード回転体に取付けられた押圧片で記録媒体の支持体の上面に取付けられた圧力センサを押す図であり、(A)は、押圧片が取付けられた状態を示す上面図、(B)は、押圧片が取付けられた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0136】
1 記録材除去装置
2 記録材除去部
5 第1記録媒体送り部
6 第2記録媒体送り部
8 第1用紙センサ
9 送排出部
10 第1ガイドプレート
11 排紙トレイ
12 第5ガイドプレート
13 第2用紙センサ
14 記録媒体ストッパ
15 支持体
16 第1ブレード
17 第2ブレード
18 第3ブレード
19 圧力センサ
22 ブレード回転体
23 回転軸
29 第6駆動モータ
32 第5駆動モータ
37 第1駆動モータ
41 第1押えローラ
48 第4駆動モータ
50 第2駆動ローラ
52 第2駆動モータ
56 第2押えローラ
62 第3駆動モータ
64 送排出板
67 送排出板ガイドフレーム
72 第7駆動モータ
73 フレーム
74 記録媒体
91 ブレードホルダ取付板
92 第1回動穴
93 第2回動穴
94 第3回動穴
95 第1摺動溝
96 第2摺動溝
97 第3摺動溝
98 第1ブレードホルダ
99 第2ブレードホルダ
100 第3ブレードホルダ
101 第1回動軸
102 第2回動軸
103 第3回動軸
104 第1摺動軸
105 第2摺動軸
106 第3摺動軸
107 記録材
111 第1駆動ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、
前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、
前記ブレードが前記記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを前記記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の前記記録材を除去する除去手段と、
前記ブレードが前記記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設けたことを特徴とする記録材除去装置。
【請求項2】
前記ブレードは、前記記録媒体の搬送方向に沿って回転されるとともに、その先端部が記録媒体の搬送方向に対して上流側に向くように前記記録媒体の剥離層に押し当てられることを特徴とする請求項1に記載の記録材装置。
【請求項3】
前記記録媒体の搬送方向にて前記ブレードの上流側に記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を設け、前記回転軸を介して回転される前記ブレードの先端部の速度は、前記記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体の搬送速度よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録材除去装置。
【請求項4】
前記回転軸には、2以上のブレードが取付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の記録材除去装置。
【請求項5】
2以上取付けられた前記ブレードと前記記録媒体のなす角度がそれぞれ異なる角度に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の記録材除去装置。
【請求項6】
前記ブレードは弾性を有する材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の記録材除去装置。
【請求項7】
前記ブレードの先端部は、円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の記録材除去装置。
【請求項8】
前記ブレードが前記記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段の駆動源として、ブレードが回転軸を中心にして回転するときにブレードに発生する慣性力が使用されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の記録材除去装置。
【請求項9】
記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、
前記記録媒体または前記ブレードを往復させることによって、前記記録媒体の剥離層に熱定着された前記記録材を記録媒体の全面から除去するようにしたことを特徴とする記録材除去装置。
【請求項10】
記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、
前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、
前記ブレードが前記記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを前記記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の前記記録材を除去する除去手段と、
前記ブレードが前記記録媒体に接したときのブレードと記録媒体のなす角度を、回転軸の回転の方向が変わったときに変更する変更手段とを設け、ブレードと記録媒体のなす角度を回転軸の回転の方向を変えることによって変えて、記録媒体または除去手段を往復させて記録媒体の剥離層に熱定着された記録材を記録媒体の全面から除去するようにしたことを特徴とする記録材除去装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10の記録材除去装置において、前記ブレードが前記記録媒体から前記記録材を除去するときに記録媒体が保持される位置は、往復で変化させられていることを特徴とする記録材除去装置。
【請求項12】
記録材が熱定着された記録媒体上の剥離層に対して、ブレードを押し当てて記録媒体上の記録材を除去する記録材除去装置において、
前記ブレードを前記記録媒体に対し上げ下げする手段と、
前記ブレードが前記記録媒体に対して下げられたときに、ブレードを前記記録媒体上の剥離層に対して押し当てられるように回転軸に直接取付けられており、回転軸の回転に従って回転されながら記録媒体の剥離層上の前記記録材を除去する除去手段と、
前記ブレードが前記記録媒体に加える押圧力を検知する検知手段と、
検知した情報によって前記ブレードの押圧力を調整する調整手段とを設けたことを特徴とする記録材除去装置。
【請求項13】
請求項12の記録材除去装置において、
前記ブレードの下方に前記記録媒体を支持する支持体を設け、該支持体とブレードが当接する支持体の面に押圧力を検知する検知手段を設けたことを特徴とする記録材除去装置。
【請求項14】
請求項12の記録材除去装置において、
前記ブレードに押圧力を検知する検知手段を設けたことを特徴とする記録材除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−3723(P2006−3723A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181208(P2004−181208)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】