記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法
【課題】記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することを課題とする。
【解決手段】カード発行機20が、パチンコ玉の貸出単位額(例えば100円)に消費税(例えば5%)を加算した消費税内包貸出単位額(例えば105円=1度数)に基づいて支払われた金額分に対応する度数を算出するとともに、この度数を算出する際に消費税内包貸出単位額未満の端数(例えば100円未満)が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整し、調整した度数が関連づけられたプリペイドカードを発行する。
【解決手段】カード発行機20が、パチンコ玉の貸出単位額(例えば100円)に消費税(例えば5%)を加算した消費税内包貸出単位額(例えば105円=1度数)に基づいて支払われた金額分に対応する度数を算出するとともに、この度数を算出する際に消費税内包貸出単位額未満の端数(例えば100円未満)が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整し、調整した度数が関連づけられたプリペイドカードを発行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体の発行、処理および精算をおこなう記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法に関し、特に、記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することができる記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店では、店内に配設されたカード発行機によりプリペイドカードに有価価値(投入金額若しくは度数)を価値付けるとともに、このプリペイドカードをパチンコ台に併設されたカードユニットで受け付けてパチンコ玉をパチンコ台に供給するカードシステムが導入されている。また、かかるプリペイドカードに残額若しくは残度数がある場合には、このプリペイドカードをカード精算機に投入することで、残額の精算を受けることもできる(特許文献1等を参照)。
【0003】
ここで、上記カード発行機では、通常は紙幣のみを受け付け可能としており、1000円、2000円、3000円、5000円、10000円(上限は10000円)を価値付けられたプリペイドカードを発行するのが一般的である。
【0004】
また、上記カードユニットでは、通常は100円単位での玉貸しが可能であり、例えば遊技客がカードユニットにプリペイドカードを投入して100円の玉貸し操作をおこなうと、25個のパチンコ玉がパチンコ台に投出されることになる。なお、カードユニットに投入したプリペイドカードの残額若しくは残度数が残り少なくなった場合を考慮して、カードユニットに貨幣を追加入金すると、プリペイドカードに新たな金額若しくは度数を追加できるカードシステムが導入されることが多い。
【0005】
さらに、上記カード精算機は、設置される遊技店と設置されない遊技店が混在しているのが実情であり、たとえカード精算機が設置された場合であっても、100円以上の硬貨若しくは紙幣による返金しかおこなわない。プリペイドカードに価値づけられた残金若しくは残度数は、100円単位でおこなわれるためである。
【0006】
【特許文献1】特開2002−346200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記カードシステムでは、消費税の徴収に効率良く対応できないという問題がある。具体的には、プリペイドカードによる遊技媒体貸出時、該貸出遊技媒体数に対応する金額に対する消費税を徴収しようとすると、1度数(100円)の玉貸を行なう度に5%の消費税相当額(5円)を回収する必要があるため、カードシステムで1度数当たり105円の残高を減算する処理を行わなければならない。これにより、例えば、10000円のプリペイドカードを用いた各回の玉貸終了時の残額パターン(105円ずつ減少)は、10000円→9895円→9790円→9685円→…となり、プリペイドカードには、100円以下の端数残高(以下、単に「端数」と言う)が残ることとなる。
【0008】
ここで、カードユニット(若しくはパチンコ台)の玉投出機構がプリペイドカードの端数に対応するパチンコ玉(例えば10個)を投出できれば問題ないが、通常は、かかる玉投出機構は25個単位の玉貸ししか行うことができず、結果的にプリペイドカードの端数分の玉貸しは行えないのが実情である。なお、全国には膨大な数のカードユニット(若しくはパチンコ台)が実運用されているため、これら全てのカードユニット(若しくはパチンコ台)の玉投出機構を1個単位の玉貸しを行えるよう機能変更することは事実上不可能である。
【0009】
加えて、カード精算機で端数分を精算しようとした場合に、カード精算機に、100円未満の硬貨を払い出す硬貨払出機構を設ければ、上記端数の精算が可能になるが、かかるカード精算機に100円未満の硬貨払出機構を設けることとすると、(1)新たな硬貨払出機構の追加によりカード精算機がコストアップしてしまう、(2)カード精算機内部のスペースが限られているので、複数種類(1円、5円、10円、50円)の硬貨払出機構を搭載することが現実には難しい、(3)ただでさえ貨幣の補充や回収が煩雑であるにも係わらずその負担がさらに増加してしまう、(4)端数を精算する必要性が機会が累増するためカード精算機の台数を増やさざるを得ず遊技店の負担が増してしまう等の問題点が生ずる。
【0010】
また、遊技者の立場から言えば、たとえ消費税分を上乗せしてプリペイドカードを販売することとしても、硬貨が足らない場合には多くの釣り銭を受け取らねばならないし、端数分の精算をカード精算機でおこなえたとしても、小銭(硬貨)を余り持ちたがらない遊技客が多いため、必ずしもサービス向上にはつながらない。
【0011】
以上のことから、従来は、消費税分を遊技店側で負担する内税方式を採らざるを得ないのが実情であり、既存のカード発行機、カードユニットおよびカード精算機などの大幅に変更することなく、いかにして効率良く消費税を徴収するかが極めて重要な課題となっている。なお、かかる課題はパチンコ以外のスロットや他の遊技機を利用する場合にも共通する課題である。
【0012】
この発明は、上記課題(問題点)に鑑みてなされたものであり、記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することができる記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行装置であって、前記遊技媒体の貸出単位額(例えば100円;以下、記録媒体処理装置が遊技媒体を貸し出しできる最小単位額を貸出単位額と言う)に消費税(例えば5%)を加算した消費税内包貸出単位額(例えば105円=1度数)に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出手段と、前記度数算出手段により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数(例えば105円未満)が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整手段と、前記度数調整手段により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理装置であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理手段と、前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算装置であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行方法であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出工程と、前記度数算出工程により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整工程と、前記度数調整工程により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行工程とを含んだことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理方法であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理工程と、前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理工程とを含んだことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算方法であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて支払われた金額分に対応する度数を算出するとともに、度数を算出する際に消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整し、調整した度数が関連づけられた記録媒体を発行するよう構成したので、遊技者が紙幣以外の硬貨を投入しなくとも記録媒体の発行時に消費税分を調整することができる。これにより、以後の記録媒体処理装置および記録媒体精算装置側で貸出単位額を変更するだけで円滑に記録媒体の処理や精算をおこなうことができる。
【0020】
また、本発明によれば、遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて記録媒体の残高が所在する範囲で遊技媒体の貸出処理を行うとともに、記録媒体に関連付けられた残高が消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行うよう構成したので、記録媒体に端数が残っている場合であっても記録媒体処理装置で端数に伴う問題を効率良く解消することができる。特に、かかる記録媒体処理装置側で端数の不足分を補っているので、記録媒体の残高を使い切ろうとする遊技客の意欲を高めることができる。
【0021】
また、本発明によれば、遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて遊技媒体の貸出処理を行った記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定し、端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出するよう構成したので、消費税徴収に伴って生じる端数の問題を遊技媒体投出、記録媒体投出若しくはレシート投出により解消することができる。特に、遊技客および遊技店の両者から見て公平な調整を行い得るというメリットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出システム(記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法)の好適な実施例を詳細に説明する。なお、ここでは本発明をパチンコ遊技に適用した場合を示すこととする。
【実施例1】
【0023】
まず、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、この遊技媒体貸出システムは、遊技用記録媒体であるプリペイドカード5に対応付けて有価価値(残高)の管理を行なう管理装置10と、現金などによる所定の購入操作に基づき、管理装置10と通信して購入金額分の有価価値を残高として対応付けた後にプリペイドカード5を発行する処理を行うカード発行機20と、「島」と呼ばれるグループ毎に設置される複数の遊技機45に対応して配設され、プリペイドカード5を受け入れて対応する遊技機45の遊技媒体であるパチンコ玉を貸出す処理を行い、その際、該プリペイドカード5に対応して管理される残高から遊技機45に対して貸出された遊技媒体数分の価値を減算して残高の更新処理を行うカード処理ユニット40と、プリペイドカード5を受け入れ、該プリペイドカード5に対応付けられている残高に対応する現金を払い出す精算処理を行うカード精算機50と、島構成要素(カード処理ユニット40や遊技機45等)の制御を司る島コントローラ60とをローカル・エリア・ネットワーク(LAN)70を介して通信可能に接続して構成される。
【0024】
管理装置10は、遊技システム全体を制御統括するコントローラ(ターミナル・コントローラ:以下、「T/C」と言う)であり、例えば、図2に示すように、制御部であるCPU11、ハードディスクなどの記憶装置12、動作プログラム等を記憶するメモリ13、マウスやキーボード等の入力装置14、CRT等の表示装置15、LAN70を介してカード発行機20、カード処理ユニット40、カード精算機50等の被管理装置との通信を行う通信インタフェース(I/F)部16を備えたPC(パーソナル・コンピュータ)等の情報処理端末により構成される。
【0025】
T/C10のメモリ13には、プリペイドカードのカードIDごとにその残高を管理するプリペイドカード管理テーブル131と、端数の金額単位を記憶する設定記憶領域132とが記憶されている。この設定記憶領域13は、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円=1度数)を記憶しており、この設定記憶領域13に記憶したデータは消費税が変更されたような場合に適宜更新することができる。
【0026】
プリペイドカード管理テーブル131は、図3に示すように、カードID毎に、発行日時、発行金額、当初度数および使用度数などの各種データが記憶されている。発行金額の欄には、当該プリペイドカード5を購入する際に遊技客が支払った購入額が登録されており、当初度数の欄には、発行金額に対応する度数が登録され、残度数には残り度数が登録され、使用度数には使用済みの度数が登録される。
【0027】
すなわち、本実施例1では、プリペイドカードの残高を従来から広く用いられている「度数」と呼ばれる指標を利用して管理する場合を示しており、通常1度数が100円に対応づけられるが、ここでは5%の消費税を考慮して1度数が105円に対応づけられている。
【0028】
ここで、発行金額が10000円の場合に、10000÷105=95.23…となるため、発行金額に95度数を対応づけることが考えられるが、これでは1度数に満たない端数金額25円が出てしまう。そして、カード処理機40では105円単位(=1度数単位=パチンコ玉25個)でしか処理を行えないので、かかる端数金額分は玉貸しすることができず、結果的にこの端数金額の取り扱いが不便となる。そこで、本実施例1では、発行金額が10000円である場合に、当初度数を95度数とするのではなく、この95度数に1度数付加した96度数を当初度数にすることとしている。
【0029】
T/C10は、上記プリペイド管理テーブル131に記憶された有価価値管理情報を用いて、対応するプリペイドカード5に記録された識別データ(カードID)に対応する残高を管理している。この有価価値管理情報の内容は、遊技者による遊技中、あるいは、遊技の終了時に適宜更新される。一方、プリペイドカード5は、カード発行機20にて貨幣などを受け入れて発行される紙製の磁気記録カードである。
【0030】
遊技客が、プリペイドカード5を購入するために、カード発行機20に貨幣を投入して所定の発行操作を行うと、プリペイドカード5に所定事項が印字・記録されて該プリペイドカード5が発行される。この時、カード発行機20からT/C10にプリペイドカード5のカードID、発行金額などが送出され、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131(図3参照)に有価価値(発行金額に対応する残額)等がカードIDに対応付けられて書き込まれ、該プリペイドカード5がカード処理ユニット40などで使用可能になる。
【0031】
カード処理ユニット40は、各遊技機45間(台間)にそれぞれ配設されており、遊技機45が備える玉投出機構と連携してパチンコ玉の貸し出しを行う。このカード処理ユニット40の前面パネルには、紙幣投入口、硬貨投入口、カード挿入口、金額表示部などが設けられており、遊技機45には、度数表示部、貸出ボタンなどが設けられている。
【0032】
遊技者は、予め、カード処理ユニット40にプリペイドカード5(場合によっては、さらに現金)を投入するとともに、必要に応じて貸出単位(1回の貸出操作により貸し出される度数)を設定しておく。そして、遊技者が貸出ボタンを操作すると、玉投出機構が作動し、遊技機45の上皿へと貸出単位分のパチンコ玉が投出される。この投出代金は、カードの識別データに対応して予め登録されている価値情報から減算される。
【0033】
カード処理ユニット40にプリペイドカード5が装填された状態で、貨幣が直接投入された場合には、貨幣を受け入れて、プリペイドカード5に度数を追加することも可能である。遊技者は、このようにして貸し出された玉を用いて、遊技機45において遊技を行う。
【0034】
遊技終了後、カード処理ユニット40から抜き出したプリペイドカード5等に残度数がある場合、遊技客は、希望により残度数をカード精算機50により精算することができる。遊技客が精算を希望するプリペイドカード5をカード精算機50に挿入すると、カード精算機50は該プリペイドカード5からカードIDを読み取り、該読み取ったカードIDをキーにT/C10に残高の問合せを行なう。
【0035】
その後、カード精算機50は、T/C10がカード精算機50からの問合せのあったカードIDに対応する使用度数をプリペイドカード管理テーブル131から検索してカード精算機50に応答情報として送出するのに合わせて、該応答情報を受信し、その後、当該使用度数分を発行金額から減じた残高に相当する現金を精算金として払い出し、払い出し(精算)終了後、プリペイドカード5を遊技客に返却する。尚、精算済みのプリペイドカード5は必ずしも返却する必要は無く、カード精算機50の内部に回収するようにしても良い。また、このカード精算機50では、プリペイドカード5の残額精算は千円札と100円硬貨で行われるものとする。
【0036】
次に、プリペイドカードの発行〜精算までの処理についてさらに具体的に説明する。図4は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【0037】
図4に示すように、遊技客がカード発行機20に現金を投入して所望の金額ボタンを押下すると(図中に示す1)、カード発行機20からT/C10に対してカード登録依頼がなされ(図中に示す2)、プリペイドカード管理テーブル131に登録がなされたならば(図中に示す3)、登録完了がカード発行機20に対して通知され(図中に示す4)、これに応答してプリペイドカードが発行される(図中に示す5)。
【0038】
具体的には、遊技客を10000円を投入して10000円カードの発行ボタンを押下すると、例えばプリペイドカード管理テーブル131のカードID00298の欄に発行金額10000円、当初度数96、残度数96、使用度数0が書き込まれた後に、このカードID00298が書き込まれたプリペイドカードが発行される。
【0039】
ここで、本実施例1の特徴は、当初度数が95度数のプリペイドカードではなく当初度数が96度数のプリペイドカードを発行する点にその特徴がある。すでに説明したように、1度数は消費税込みで105円であるので10000円で95度数までしか関連付けることができないが、当初度数を95度数としてしまうとパチンコ玉を貸し出すことができない端数25円を別管理せねばならず効率的ではない。特に、以降のカード処理ユニット40やカード精算機50は、度数対応の機能しか有していないため、かかる端数に対応する機能を付加せねばならなくなる。このため、本実施例1では、本来10000円で関連付けられる95度数に1度数加算した96度数を登録することとしている。
【0040】
図4の説明に戻ると、カード発行機20から発行されたプリペイドカードは、遊技機45に併設されたカード処理ユニット40に挿入され(図中に示す6)、遊技台の玉/メダル貸出ボタンが押下されると(図中に示す7)、カード処理ユニット40とT/C10の間でデータ授受がなされてプリペイドカード管理テーブル131の残度数および使用度数を更新しつつ(図中に示す8)パチンコ玉が遊技台の上皿に投出される。例えば、1回の貸出ボタン操作で5度数分の玉貸しをおこなう場合には、14回の貸出ボタン操作がなされた際に、カードID00298の残度数が26となり使用度数が70となる。
【0041】
ここで、遊技機45のカード返却ボタンが押下されたならば、カード処理ユニット40はプリペイドカードを返却し(図中に示す9)、他の遊技機での遊技若しくは精算が可能となる。ただし、プリペイドカードの残度数が0になると、プリペイドカードをカード処理ユニット40の内部に取り込むか又は精算できない使用済みのプリペイドカードとして装置外へと排出される。
【0042】
その後、このプリペイドカードがカード精算機50に挿入されると(図中に示す10)、カード精算機50はT/C10に対して使用度数及び発行金額を問い合わせ(図中に示す11)、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131に登録した使用度数及び発行金額をカード精算機50へと通知し(図中に示す12)、カード使用度数、使用金額、カード残高及び精算額を表示パネルに表示し(図中に示す13)、精算ボタンが押下されると(図中に示す14)、表示パネルに表示した精算額を出金する。具体的には、使用度数×105円により使用金額を算定し、使用金額分を発行金額から減じればカード残高が得られる。例えば、カードID00298のプリペイドカードが挿入された場合には、発行金額10000円(96度数)、使用度数70度数、使用金額7350円(=70×105円)、カード残高2650円、精算額2700円という表示をおこない、精算ボタンが押下されると、表示パネルに表示した精算額2700円を出金することになる。なお、カード残高よりも精算額がやや多くなるが、これは端数分のサービスとして遊技店が負担する。また、ここでは使用度数をT/C10から取得することとしたが、残度数をT/Cから取得し、この(当初度数−1)から残度数を減じることにより使用度数を取得することもできる。
【0043】
次に、図1に示したカード発行機20によるカード発行時の処理手順について具体的に説明する。図5は、図1に示したカード発行機20によるカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
同図に示すように、当初カード発行機20は現金の投入待ちの状態にあり(ステップS101)、現金が投入されたならば(ステップS102)、投入された貨幣の金額判定をおこない(ステップS103)、当該金額以下の選択ボタンを点灯させ(ステップS104)、選択ボタンの受付待ちの状態になる(ステップS104否定〜106否定)。なお、返却操作がなされたならば(ステップS106肯定)、投入された現金を返却して(ステップS107)処理を終了する。
【0045】
これに対して、いずれかの選択ボタンが押下されたならば(ステップS104肯定)、T/C10に対して度数算出依頼をおこなう(ステップS105)。この度数算出依頼を受け付けたT/C10は、投入金額を105で除算して度数aを算出し(ステップS108)、余りが存在しない場合には(ステップS109否定)度数aカードの登録処理を行い(ステップS110、S112)、余りが存在する場合には(ステップS109肯定)度数a+1カードの登録処理を行う(ステップS111、S112)。この度数a+1カードとは、度数aカードに1度数加算した度数を関連付けたカードであり、例えば10000円カードの場合には度数aカードが95度数のプリペイドカードであり、度数a+1カードが96度数のプリペイドカードである。
【0046】
その後、T/C10がカード発行機20に対して登録完了通知をおこなうと(ステップS113)、カード発行機20はこの登録完了通知を受信して(ステップS114)、カードIDが記憶されたプリペイドカードを発行する(ステップS115)。なお、釣り銭がある場合には(ステップS116肯定)釣り銭を払い出した後に処理を終了する(ステップS117)。
【0047】
ところで、上記一連の説明では、度数をT/C10側で管理する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、度数をプリペイドカードに書き込む場合にも適用することができる。このため、かかる場合の処理手順について説明する。図6は、度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、当初カード発行機20は現金の投入待ちの状態にあり(ステップS201)、現金が投入されたならば(ステップS202)、投入された貨幣の金額判定をおこない(ステップS203)、当該金額以下の選択ボタンを点灯させ(ステップS204)、選択ボタンの受付待ちの状態になる(ステップS204否定〜205否定)。なお、返却操作がなされたならば(ステップS205肯定)、投入された現金を返却して(ステップS206)処理を終了する。
【0049】
これに対して、いずれかの選択ボタンが押下されたならば(ステップS204肯定)、投入金額を105で除算して度数aを算出し(ステップS207)、余りが存在しない場合には(ステップS208否定)度数aカードの登録処理を行い(ステップS209、S211)、余りが存在する場合には(ステップS208肯定)度数a+1カードの登録処理を行う(ステップS210、S211)。その後、釣り銭がある場合には(ステップS212肯定)釣り銭を払い出した後に処理を終了する(ステップS213)。
【0050】
上述してきたように、本実施例1では、カード発行機20が、パチンコ玉の貸出単位額(例えば100円)に消費税(例えば5%)を加算した消費税内包貸出単位額(例えば105円=1度数)に基づいて支払われた金額分に対応する度数を算出するとともに、この度数を算出する際に消費税内包貸出単位額未満の端数(例えば100円未満)が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整し、調整した度数が関連づけられたプリペイドカードを発行するよう構成したので、遊技者が紙幣以外の硬貨を投入しなくともプリペイドカード発行時に消費税分を調整することができる。これにより、以後のカード処理ユニット40およびカード精算機50側で貸出単位額を変更するだけで円滑にプリペイドカードの処理や精算をおこなうことができる。
【0051】
なお、本実施例1では、プリペイドカード管理テーブル131で残高を度数管理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、残高を金額で管理しておき、残高の減算を行う際に1度数分の金額を減算する場合に適用することもできる。
【実施例2】
【0052】
ところで、上記実施例1では、カード発行機20で消費税対応の度数調整を行うよう構成したが、カード処理ユニット40やカード精算機50側で消費税対応処理を行うこともできる。そこで、本実施例2では、カード処理ユニット40やカード精算機50側で消費税対応処理を行う場合について説明する。なお、かかる場合のシステム構成などは図1および図2に示したものと同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
【0053】
図7は、本実施例2で用いるプリペイド管理テーブル131の一例を示す図である。同図に示すように、ここではカードIDごとに発行日時、発行金額および残高(残額)などを登録している。すなわち、上記実施例1と異なり、本実施例2ではカード残高を金額で管理する場合を示している。なお、プリペイドカード管理テーブル131ではカード残高を金額として管理するが、カード処理ユニット40側では残高を度数で表示する。遊技客にとっては残高を金額で表示したとしても直感的に分かり難く、度数単位で表示する方が理解しやすいからである。
【0054】
次に、本実施例2に係るプリペイドカードの発行〜精算までの処理について具体的に説明する。図8は、本実施例2に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【0055】
図8に示すように、遊技客がカード発行機20に現金を投入して所望の金額ボタンを押下すると(図中に示す1)、カード発行機20からT/C10に対してカード登録依頼がなされ(図中に示す2)、プリペイドカード管理テーブル131に登録がなされたならば(図中に示す3)、登録完了がカード発行機20に対して通知され(図中に示す4)、これに応答してプリペイドカードが発行される(図中に示す5)。
【0056】
具体的には、遊技客を10000円を投入して10000円カードの発行ボタンを押下すると、例えばプリペイドカード管理テーブル131のカードID00298の欄に発行金額10000円、残額10000円が書き込まれた後に、このカードID00298が書き込まれたプリペイドカードが発行される。
【0057】
その後、カード発行機20から発行されたプリペイドカードは、遊技機45に併設されたカード処理ユニット40に挿入され(図中に示す6)、遊技台の玉/メダル貸出ボタンが押下されると(図中に示す7)、カード処理ユニット40とT/C10の間でデータ授受がなされてプリペイドカード管理テーブル131の残高を更新しつつ(図中に示す8)パチンコ玉が遊技台の上皿に投出される。例えば、1回の貸出ボタン操作で1度数分の玉貸しをおこなう場合には、25個のパチンコ玉が投出されるとともに、105円が残高から減算され、同図では残高が3595円となった状態を示している。
【0058】
ここで、本実施例2では、カード処理ユニット40に残度数を表示する際に、たとえ1度数分(105円)の残高が残っていない場合であっても、残度数を切り上げて表示することとしている(図中に示す6)。かかる切上表示をおこなう場合は、消費税徴収に伴って生ずる端数の問題を解消するためである。加えて、かかるカード処理ユニット40側で端数の不足分を補っているので、プリペイドカードの残高を使い切ろうとする遊技客の意欲を高めることができる。
【0059】
このため、カードID00298の残高が95円である場合に玉/メダル貸出ボタンが押下されると、カード処理ユニット40はT/C10に105円の減算を行うよう指示し、T/C10では、かかる場合にプリペイドカードの残高をマイナス(95-105=-10)にするのではなく、この残高を0にして玉貸しを許容する処理を行うことになる。なお、カード残高が0になったプリペイドカードは装置内に取り込まれるか装置外部に排出される。
【0060】
ところで、プリペイドカードの残高が0でない状態で遊技機45のカード返却ボタンが押下されたならば、カード処理ユニット40はプリペイドカードを返却し(図中に示す9)、他の遊技機での遊技若しくは精算が可能となる。
【0061】
このプリペイドカードがカード精算機50に挿入されると(図中に示す10)、カード精算機50はT/C10に対して残高を問い合わせ(図中に示す11)、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131に登録した残高をカード精算機50へと通知し(図中に示す12)、カード残高、精算額及び精算後のカード残高を表示パネルに表示し(図中に示す13)、精算ボタンが押下されると(図中に示す14)、表示パネルに表示した精算額を出金するとともに精算できない端数の残高をプリペイドカードに関連付けて投出する(図中に示す15)。
【0062】
例えば、カードID00298のプリペイドカードが挿入された場合には、カード残高3595円、精算額3500円、精算後のカード残高95円という表示をおこない、精算ボタンが押下されると、3500円を出金するとともに残金95円分を関連付けたプリペイドカードを投出する。
【0063】
なお、このプリペイドカードを当日若しくは翌日以降にカード発行機20に投入して現金を追加入金することにより、カード残高を更新することができる(図中に示す16)。例えば10000円を追加入金した場合には、残高は10095円に更新されることになる。これにより、消費税徴収に伴う端数を有効利用することができ、遊技客の不利をなくすことができる。
【0064】
ところで、上記説明では、端数の残高をプリペイドカードに関連付けて投出することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、端数分のパチンコ玉をカード精算機50から投出するよう構成することもできる。かかる構成を採用すれば、消費税徴収に伴って生じる精算時の端数の問題をパチンコ玉投出により解消することができる。特に、遊技客および遊技店の両者から見て公平な調整を行い得るというメリットが得られる。
【0065】
次に、本実施例2に係るカード処理ユニット40の処理手順について具体的に説明する。なお、ここでは図8において説明した度数の繰り上げ表示を単純に行うのではなく、1度数分の残高(金額)が存在しない場合に、後述するような特殊な表示を行う場合を示している。
【0066】
図9は、本実施例2に係るカード処理ユニット40の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、当初カード処理ユニット40はプリペイドカードの投入待ちの状態にあり(ステップS301)、プリペイドカードが投入されたならば(ステップS301肯定)、プリペイドカードのカードIDがT/C10に送信される(ステップS302)。このカードIDを受信したT/C10は、プリペイドカード管理テーブル131に登録されたカード残高を確認し(ステップS303)、カード残高をカード処理ユニット40に送信する(ステップS304)。
【0067】
その後、カード処理ユニット40は、カード残高が105円未満であるか否かを調べ(ステップS305)、残高が105円以上である場合には(ステップS305否定)、その残高に対応する度数表示を行う(ステップS306)。なお、度数表示ではなく金額表示を行うこともできる。一方、残高が105未満である場合には(ステップS305肯定)、「1回(25個)玉貸し可能です」と表示する(ステップS307)。かかる表示を行うこととした理由は、1度数分の残高が存在しないにも係わらず25個の貸し出しをサービスとして行っている旨を遊技客に通知して、遊技意欲の向上を図るためである。ただし、図8で説明したように、端数分を繰り上げて一度数多く表示することもできる。
【0068】
そして、遊技客による玉貸し操作若しくはカード返却操作待ちの状態となり(ステップS308否定〜S309否定)、玉貸しボタンが押下されたならば(ステップS308肯定)、T/C10に残高更新指示を行い(ステップS311)、返却操作がなされたならば(ステップS309肯定)、プリペイドカードを返却して処理を終了する(ステップS310)。
【0069】
この残高更新指示を受け付けたT/C10は、玉貸し分の金額を残高から減算する残高更新処理を行って、更新後の残高を該当するカードIDの残高に記録し(ステップS312〜S313)、その残高をカード処理ユニット40に送信する(ステップS314)。その際、元の残高が105以下であり更新後の残高がマイナスとなった場合には、残高をマイナスにするのではなく0にする。なお、かかる残高をマイナスで記録し、消費税に伴うマイナス分を後日集計することもできる。
【0070】
この残高を受信したカード処理ユニット40は、遊技台へ玉貸し依頼を行うとともに(ステップS315)、残高が0であるか否かを調べ(ステップS316)、残高が0である場合には(ステップS316肯定)プリペイドカードを返却又は取り込み(ステップS317)、残高が0でない場合には(ステップS316否定)ステップS305に移行して貸出処理を継続する。なお、残高のマイナスを書き込むこととした場合には、0以下である場合にプリペイドカードを返却又は取り込むことになる。
【0071】
ところで、上記一連の説明では、度数をT/C10側で管理する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、度数をプリペイドカードに書き込む場合にも適用することができる。このため、かかる場合の処理手順について説明する。図10は、度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード処理ユニット40の処理手順を示すフローチャートである。
【0072】
図10に示すように、当初カード処理ユニット40はプリペイドカードの投入待ちの状態にあり(ステップS401)、プリペイドカードが投入されたならば(ステップS401肯定)、プリペイドカードに記録された残高が読み取られる(ステップS402)。
【0073】
その後、カード処理ユニット40は、カード残高が105円未満であるか否かを調べ(ステップS403)、残高が105円以上である場合には(ステップS403否定)、その残高に対応する度数表示を行う(ステップS404)。一方、残高が105未満である場合には(ステップS403肯定)、「1回(25個)玉貸し可能です」と表示する(ステップS405)。
【0074】
そして、遊技客による玉貸し操作若しくはカード返却操作待ちの状態となり(ステップS406否定〜S407否定)、返却操作がなされたならば(ステップS407肯定)、プリペイドカードを返却して処理を終了する(ステップS408)。一方、玉貸しボタンが押下されたならば(ステップS406肯定)、遊技台へ玉貸し依頼を行うとともに(ステップS409)、残高の金額を算定してこれをプリペイドカードに記録し(ステップS410〜S411)。
【0075】
その後、カード処理ユニット40は、残高が0であるか否かを調べ(ステップS412)、残高が0である場合には(ステップS412肯定)プリペイドカードを返却又は取り込み(ステップS413)、残高が0でない場合には(ステップS412否定)ステップS403に移行して貸出処理を継続する。
【0076】
上述してきたように、本実施例2では、、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円)に基づいてプリペイドカードの残高が所在する範囲でパチンコ玉の貸出処理を行うとともに、プリペイドカードに関連付けられた残高が消費税内包貸出単位額(105円)未満の端数である場合に、一貸出単位額分(一度数分)のパチンコ玉の貸出処理を行うよう構成したので、プリペイドカードに端数が残っている場合であってもカード処理ユニット40で端数に伴う問題を効率良く解消することができる。特に、かかるカード処理ユニット40側で端数の不足分を補っているので、プリペイドカードの残高を使い切ろうとする遊技客の意欲を高めることができる。
【0077】
また、本実施例2では、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円)に基づいてパチンコ玉の貸出処理を行ったプリペイドカードの残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定し、端数があると判定された場合に、当該端数分のパチンコ玉を投出するよう構成したので、消費税徴収に伴って生じる精算時の端数の問題をパチンコ玉投出により解消することができる。特に、遊技客および遊技店の両者から見て公平な調整を行い得るというメリットが得られる。
【0078】
なお、本実施例2では、端数があると判定された場合に、当該端数分のパチンコ玉を投出することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、端数分を価値付けたプリペイドカードや端数が記載されたレシートを発行することもできる。かかるレシートをカウンターに持参することにより景品やパチンコ玉に交換することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明にかかる記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法は、プリペイドカードシステム等を導入するパチンコ店などの遊技店が遊技客から消費税を徴収する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した管理装置(T/C)の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したプリペイドカード管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】本実施例1に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【図5】図1に示したカード発行機によるカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本実施例2で用いるプリペイド管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】本実施例2に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【図9】本実施例2に係るカード処理ユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード処理ユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
5 プリペイドカード
10 管理装置(ターミナル・コントローラ:T/C)
11 制御部(CPU)
12 記憶装置
13 メモリ
131 プリペイドカード管理テーブル
132 設定記憶領域
14 入力装置
15 表示装置
16 通信インタフェース(I/F)部
20 カード発行機
40 カード処理ユニット
45 遊技機
50 カード精算機
60 島コントローラ
70 LAN
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体の発行、処理および精算をおこなう記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法に関し、特に、記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することができる記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店では、店内に配設されたカード発行機によりプリペイドカードに有価価値(投入金額若しくは度数)を価値付けるとともに、このプリペイドカードをパチンコ台に併設されたカードユニットで受け付けてパチンコ玉をパチンコ台に供給するカードシステムが導入されている。また、かかるプリペイドカードに残額若しくは残度数がある場合には、このプリペイドカードをカード精算機に投入することで、残額の精算を受けることもできる(特許文献1等を参照)。
【0003】
ここで、上記カード発行機では、通常は紙幣のみを受け付け可能としており、1000円、2000円、3000円、5000円、10000円(上限は10000円)を価値付けられたプリペイドカードを発行するのが一般的である。
【0004】
また、上記カードユニットでは、通常は100円単位での玉貸しが可能であり、例えば遊技客がカードユニットにプリペイドカードを投入して100円の玉貸し操作をおこなうと、25個のパチンコ玉がパチンコ台に投出されることになる。なお、カードユニットに投入したプリペイドカードの残額若しくは残度数が残り少なくなった場合を考慮して、カードユニットに貨幣を追加入金すると、プリペイドカードに新たな金額若しくは度数を追加できるカードシステムが導入されることが多い。
【0005】
さらに、上記カード精算機は、設置される遊技店と設置されない遊技店が混在しているのが実情であり、たとえカード精算機が設置された場合であっても、100円以上の硬貨若しくは紙幣による返金しかおこなわない。プリペイドカードに価値づけられた残金若しくは残度数は、100円単位でおこなわれるためである。
【0006】
【特許文献1】特開2002−346200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記カードシステムでは、消費税の徴収に効率良く対応できないという問題がある。具体的には、プリペイドカードによる遊技媒体貸出時、該貸出遊技媒体数に対応する金額に対する消費税を徴収しようとすると、1度数(100円)の玉貸を行なう度に5%の消費税相当額(5円)を回収する必要があるため、カードシステムで1度数当たり105円の残高を減算する処理を行わなければならない。これにより、例えば、10000円のプリペイドカードを用いた各回の玉貸終了時の残額パターン(105円ずつ減少)は、10000円→9895円→9790円→9685円→…となり、プリペイドカードには、100円以下の端数残高(以下、単に「端数」と言う)が残ることとなる。
【0008】
ここで、カードユニット(若しくはパチンコ台)の玉投出機構がプリペイドカードの端数に対応するパチンコ玉(例えば10個)を投出できれば問題ないが、通常は、かかる玉投出機構は25個単位の玉貸ししか行うことができず、結果的にプリペイドカードの端数分の玉貸しは行えないのが実情である。なお、全国には膨大な数のカードユニット(若しくはパチンコ台)が実運用されているため、これら全てのカードユニット(若しくはパチンコ台)の玉投出機構を1個単位の玉貸しを行えるよう機能変更することは事実上不可能である。
【0009】
加えて、カード精算機で端数分を精算しようとした場合に、カード精算機に、100円未満の硬貨を払い出す硬貨払出機構を設ければ、上記端数の精算が可能になるが、かかるカード精算機に100円未満の硬貨払出機構を設けることとすると、(1)新たな硬貨払出機構の追加によりカード精算機がコストアップしてしまう、(2)カード精算機内部のスペースが限られているので、複数種類(1円、5円、10円、50円)の硬貨払出機構を搭載することが現実には難しい、(3)ただでさえ貨幣の補充や回収が煩雑であるにも係わらずその負担がさらに増加してしまう、(4)端数を精算する必要性が機会が累増するためカード精算機の台数を増やさざるを得ず遊技店の負担が増してしまう等の問題点が生ずる。
【0010】
また、遊技者の立場から言えば、たとえ消費税分を上乗せしてプリペイドカードを販売することとしても、硬貨が足らない場合には多くの釣り銭を受け取らねばならないし、端数分の精算をカード精算機でおこなえたとしても、小銭(硬貨)を余り持ちたがらない遊技客が多いため、必ずしもサービス向上にはつながらない。
【0011】
以上のことから、従来は、消費税分を遊技店側で負担する内税方式を採らざるを得ないのが実情であり、既存のカード発行機、カードユニットおよびカード精算機などの大幅に変更することなく、いかにして効率良く消費税を徴収するかが極めて重要な課題となっている。なお、かかる課題はパチンコ以外のスロットや他の遊技機を利用する場合にも共通する課題である。
【0012】
この発明は、上記課題(問題点)に鑑みてなされたものであり、記録媒体の発行、処理並びに精算に係る装置を大幅に変更することなく、消費税取得に伴って生じ得る残高の端数に効率良く対応することができる記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行装置であって、前記遊技媒体の貸出単位額(例えば100円;以下、記録媒体処理装置が遊技媒体を貸し出しできる最小単位額を貸出単位額と言う)に消費税(例えば5%)を加算した消費税内包貸出単位額(例えば105円=1度数)に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出手段と、前記度数算出手段により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数(例えば105円未満)が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整手段と、前記度数調整手段により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理装置であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理手段と、前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算装置であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行方法であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出工程と、前記度数算出工程により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整工程と、前記度数調整工程により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行工程とを含んだことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理方法であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理工程と、前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理工程とを含んだことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算方法であって、前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて支払われた金額分に対応する度数を算出するとともに、度数を算出する際に消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整し、調整した度数が関連づけられた記録媒体を発行するよう構成したので、遊技者が紙幣以外の硬貨を投入しなくとも記録媒体の発行時に消費税分を調整することができる。これにより、以後の記録媒体処理装置および記録媒体精算装置側で貸出単位額を変更するだけで円滑に記録媒体の処理や精算をおこなうことができる。
【0020】
また、本発明によれば、遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて記録媒体の残高が所在する範囲で遊技媒体の貸出処理を行うとともに、記録媒体に関連付けられた残高が消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行うよう構成したので、記録媒体に端数が残っている場合であっても記録媒体処理装置で端数に伴う問題を効率良く解消することができる。特に、かかる記録媒体処理装置側で端数の不足分を補っているので、記録媒体の残高を使い切ろうとする遊技客の意欲を高めることができる。
【0021】
また、本発明によれば、遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて遊技媒体の貸出処理を行った記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定し、端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出するよう構成したので、消費税徴収に伴って生じる端数の問題を遊技媒体投出、記録媒体投出若しくはレシート投出により解消することができる。特に、遊技客および遊技店の両者から見て公平な調整を行い得るというメリットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出システム(記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法)の好適な実施例を詳細に説明する。なお、ここでは本発明をパチンコ遊技に適用した場合を示すこととする。
【実施例1】
【0023】
まず、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、この遊技媒体貸出システムは、遊技用記録媒体であるプリペイドカード5に対応付けて有価価値(残高)の管理を行なう管理装置10と、現金などによる所定の購入操作に基づき、管理装置10と通信して購入金額分の有価価値を残高として対応付けた後にプリペイドカード5を発行する処理を行うカード発行機20と、「島」と呼ばれるグループ毎に設置される複数の遊技機45に対応して配設され、プリペイドカード5を受け入れて対応する遊技機45の遊技媒体であるパチンコ玉を貸出す処理を行い、その際、該プリペイドカード5に対応して管理される残高から遊技機45に対して貸出された遊技媒体数分の価値を減算して残高の更新処理を行うカード処理ユニット40と、プリペイドカード5を受け入れ、該プリペイドカード5に対応付けられている残高に対応する現金を払い出す精算処理を行うカード精算機50と、島構成要素(カード処理ユニット40や遊技機45等)の制御を司る島コントローラ60とをローカル・エリア・ネットワーク(LAN)70を介して通信可能に接続して構成される。
【0024】
管理装置10は、遊技システム全体を制御統括するコントローラ(ターミナル・コントローラ:以下、「T/C」と言う)であり、例えば、図2に示すように、制御部であるCPU11、ハードディスクなどの記憶装置12、動作プログラム等を記憶するメモリ13、マウスやキーボード等の入力装置14、CRT等の表示装置15、LAN70を介してカード発行機20、カード処理ユニット40、カード精算機50等の被管理装置との通信を行う通信インタフェース(I/F)部16を備えたPC(パーソナル・コンピュータ)等の情報処理端末により構成される。
【0025】
T/C10のメモリ13には、プリペイドカードのカードIDごとにその残高を管理するプリペイドカード管理テーブル131と、端数の金額単位を記憶する設定記憶領域132とが記憶されている。この設定記憶領域13は、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円=1度数)を記憶しており、この設定記憶領域13に記憶したデータは消費税が変更されたような場合に適宜更新することができる。
【0026】
プリペイドカード管理テーブル131は、図3に示すように、カードID毎に、発行日時、発行金額、当初度数および使用度数などの各種データが記憶されている。発行金額の欄には、当該プリペイドカード5を購入する際に遊技客が支払った購入額が登録されており、当初度数の欄には、発行金額に対応する度数が登録され、残度数には残り度数が登録され、使用度数には使用済みの度数が登録される。
【0027】
すなわち、本実施例1では、プリペイドカードの残高を従来から広く用いられている「度数」と呼ばれる指標を利用して管理する場合を示しており、通常1度数が100円に対応づけられるが、ここでは5%の消費税を考慮して1度数が105円に対応づけられている。
【0028】
ここで、発行金額が10000円の場合に、10000÷105=95.23…となるため、発行金額に95度数を対応づけることが考えられるが、これでは1度数に満たない端数金額25円が出てしまう。そして、カード処理機40では105円単位(=1度数単位=パチンコ玉25個)でしか処理を行えないので、かかる端数金額分は玉貸しすることができず、結果的にこの端数金額の取り扱いが不便となる。そこで、本実施例1では、発行金額が10000円である場合に、当初度数を95度数とするのではなく、この95度数に1度数付加した96度数を当初度数にすることとしている。
【0029】
T/C10は、上記プリペイド管理テーブル131に記憶された有価価値管理情報を用いて、対応するプリペイドカード5に記録された識別データ(カードID)に対応する残高を管理している。この有価価値管理情報の内容は、遊技者による遊技中、あるいは、遊技の終了時に適宜更新される。一方、プリペイドカード5は、カード発行機20にて貨幣などを受け入れて発行される紙製の磁気記録カードである。
【0030】
遊技客が、プリペイドカード5を購入するために、カード発行機20に貨幣を投入して所定の発行操作を行うと、プリペイドカード5に所定事項が印字・記録されて該プリペイドカード5が発行される。この時、カード発行機20からT/C10にプリペイドカード5のカードID、発行金額などが送出され、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131(図3参照)に有価価値(発行金額に対応する残額)等がカードIDに対応付けられて書き込まれ、該プリペイドカード5がカード処理ユニット40などで使用可能になる。
【0031】
カード処理ユニット40は、各遊技機45間(台間)にそれぞれ配設されており、遊技機45が備える玉投出機構と連携してパチンコ玉の貸し出しを行う。このカード処理ユニット40の前面パネルには、紙幣投入口、硬貨投入口、カード挿入口、金額表示部などが設けられており、遊技機45には、度数表示部、貸出ボタンなどが設けられている。
【0032】
遊技者は、予め、カード処理ユニット40にプリペイドカード5(場合によっては、さらに現金)を投入するとともに、必要に応じて貸出単位(1回の貸出操作により貸し出される度数)を設定しておく。そして、遊技者が貸出ボタンを操作すると、玉投出機構が作動し、遊技機45の上皿へと貸出単位分のパチンコ玉が投出される。この投出代金は、カードの識別データに対応して予め登録されている価値情報から減算される。
【0033】
カード処理ユニット40にプリペイドカード5が装填された状態で、貨幣が直接投入された場合には、貨幣を受け入れて、プリペイドカード5に度数を追加することも可能である。遊技者は、このようにして貸し出された玉を用いて、遊技機45において遊技を行う。
【0034】
遊技終了後、カード処理ユニット40から抜き出したプリペイドカード5等に残度数がある場合、遊技客は、希望により残度数をカード精算機50により精算することができる。遊技客が精算を希望するプリペイドカード5をカード精算機50に挿入すると、カード精算機50は該プリペイドカード5からカードIDを読み取り、該読み取ったカードIDをキーにT/C10に残高の問合せを行なう。
【0035】
その後、カード精算機50は、T/C10がカード精算機50からの問合せのあったカードIDに対応する使用度数をプリペイドカード管理テーブル131から検索してカード精算機50に応答情報として送出するのに合わせて、該応答情報を受信し、その後、当該使用度数分を発行金額から減じた残高に相当する現金を精算金として払い出し、払い出し(精算)終了後、プリペイドカード5を遊技客に返却する。尚、精算済みのプリペイドカード5は必ずしも返却する必要は無く、カード精算機50の内部に回収するようにしても良い。また、このカード精算機50では、プリペイドカード5の残額精算は千円札と100円硬貨で行われるものとする。
【0036】
次に、プリペイドカードの発行〜精算までの処理についてさらに具体的に説明する。図4は、本実施例1に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【0037】
図4に示すように、遊技客がカード発行機20に現金を投入して所望の金額ボタンを押下すると(図中に示す1)、カード発行機20からT/C10に対してカード登録依頼がなされ(図中に示す2)、プリペイドカード管理テーブル131に登録がなされたならば(図中に示す3)、登録完了がカード発行機20に対して通知され(図中に示す4)、これに応答してプリペイドカードが発行される(図中に示す5)。
【0038】
具体的には、遊技客を10000円を投入して10000円カードの発行ボタンを押下すると、例えばプリペイドカード管理テーブル131のカードID00298の欄に発行金額10000円、当初度数96、残度数96、使用度数0が書き込まれた後に、このカードID00298が書き込まれたプリペイドカードが発行される。
【0039】
ここで、本実施例1の特徴は、当初度数が95度数のプリペイドカードではなく当初度数が96度数のプリペイドカードを発行する点にその特徴がある。すでに説明したように、1度数は消費税込みで105円であるので10000円で95度数までしか関連付けることができないが、当初度数を95度数としてしまうとパチンコ玉を貸し出すことができない端数25円を別管理せねばならず効率的ではない。特に、以降のカード処理ユニット40やカード精算機50は、度数対応の機能しか有していないため、かかる端数に対応する機能を付加せねばならなくなる。このため、本実施例1では、本来10000円で関連付けられる95度数に1度数加算した96度数を登録することとしている。
【0040】
図4の説明に戻ると、カード発行機20から発行されたプリペイドカードは、遊技機45に併設されたカード処理ユニット40に挿入され(図中に示す6)、遊技台の玉/メダル貸出ボタンが押下されると(図中に示す7)、カード処理ユニット40とT/C10の間でデータ授受がなされてプリペイドカード管理テーブル131の残度数および使用度数を更新しつつ(図中に示す8)パチンコ玉が遊技台の上皿に投出される。例えば、1回の貸出ボタン操作で5度数分の玉貸しをおこなう場合には、14回の貸出ボタン操作がなされた際に、カードID00298の残度数が26となり使用度数が70となる。
【0041】
ここで、遊技機45のカード返却ボタンが押下されたならば、カード処理ユニット40はプリペイドカードを返却し(図中に示す9)、他の遊技機での遊技若しくは精算が可能となる。ただし、プリペイドカードの残度数が0になると、プリペイドカードをカード処理ユニット40の内部に取り込むか又は精算できない使用済みのプリペイドカードとして装置外へと排出される。
【0042】
その後、このプリペイドカードがカード精算機50に挿入されると(図中に示す10)、カード精算機50はT/C10に対して使用度数及び発行金額を問い合わせ(図中に示す11)、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131に登録した使用度数及び発行金額をカード精算機50へと通知し(図中に示す12)、カード使用度数、使用金額、カード残高及び精算額を表示パネルに表示し(図中に示す13)、精算ボタンが押下されると(図中に示す14)、表示パネルに表示した精算額を出金する。具体的には、使用度数×105円により使用金額を算定し、使用金額分を発行金額から減じればカード残高が得られる。例えば、カードID00298のプリペイドカードが挿入された場合には、発行金額10000円(96度数)、使用度数70度数、使用金額7350円(=70×105円)、カード残高2650円、精算額2700円という表示をおこない、精算ボタンが押下されると、表示パネルに表示した精算額2700円を出金することになる。なお、カード残高よりも精算額がやや多くなるが、これは端数分のサービスとして遊技店が負担する。また、ここでは使用度数をT/C10から取得することとしたが、残度数をT/Cから取得し、この(当初度数−1)から残度数を減じることにより使用度数を取得することもできる。
【0043】
次に、図1に示したカード発行機20によるカード発行時の処理手順について具体的に説明する。図5は、図1に示したカード発行機20によるカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
同図に示すように、当初カード発行機20は現金の投入待ちの状態にあり(ステップS101)、現金が投入されたならば(ステップS102)、投入された貨幣の金額判定をおこない(ステップS103)、当該金額以下の選択ボタンを点灯させ(ステップS104)、選択ボタンの受付待ちの状態になる(ステップS104否定〜106否定)。なお、返却操作がなされたならば(ステップS106肯定)、投入された現金を返却して(ステップS107)処理を終了する。
【0045】
これに対して、いずれかの選択ボタンが押下されたならば(ステップS104肯定)、T/C10に対して度数算出依頼をおこなう(ステップS105)。この度数算出依頼を受け付けたT/C10は、投入金額を105で除算して度数aを算出し(ステップS108)、余りが存在しない場合には(ステップS109否定)度数aカードの登録処理を行い(ステップS110、S112)、余りが存在する場合には(ステップS109肯定)度数a+1カードの登録処理を行う(ステップS111、S112)。この度数a+1カードとは、度数aカードに1度数加算した度数を関連付けたカードであり、例えば10000円カードの場合には度数aカードが95度数のプリペイドカードであり、度数a+1カードが96度数のプリペイドカードである。
【0046】
その後、T/C10がカード発行機20に対して登録完了通知をおこなうと(ステップS113)、カード発行機20はこの登録完了通知を受信して(ステップS114)、カードIDが記憶されたプリペイドカードを発行する(ステップS115)。なお、釣り銭がある場合には(ステップS116肯定)釣り銭を払い出した後に処理を終了する(ステップS117)。
【0047】
ところで、上記一連の説明では、度数をT/C10側で管理する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、度数をプリペイドカードに書き込む場合にも適用することができる。このため、かかる場合の処理手順について説明する。図6は、度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、当初カード発行機20は現金の投入待ちの状態にあり(ステップS201)、現金が投入されたならば(ステップS202)、投入された貨幣の金額判定をおこない(ステップS203)、当該金額以下の選択ボタンを点灯させ(ステップS204)、選択ボタンの受付待ちの状態になる(ステップS204否定〜205否定)。なお、返却操作がなされたならば(ステップS205肯定)、投入された現金を返却して(ステップS206)処理を終了する。
【0049】
これに対して、いずれかの選択ボタンが押下されたならば(ステップS204肯定)、投入金額を105で除算して度数aを算出し(ステップS207)、余りが存在しない場合には(ステップS208否定)度数aカードの登録処理を行い(ステップS209、S211)、余りが存在する場合には(ステップS208肯定)度数a+1カードの登録処理を行う(ステップS210、S211)。その後、釣り銭がある場合には(ステップS212肯定)釣り銭を払い出した後に処理を終了する(ステップS213)。
【0050】
上述してきたように、本実施例1では、カード発行機20が、パチンコ玉の貸出単位額(例えば100円)に消費税(例えば5%)を加算した消費税内包貸出単位額(例えば105円=1度数)に基づいて支払われた金額分に対応する度数を算出するとともに、この度数を算出する際に消費税内包貸出単位額未満の端数(例えば100円未満)が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整し、調整した度数が関連づけられたプリペイドカードを発行するよう構成したので、遊技者が紙幣以外の硬貨を投入しなくともプリペイドカード発行時に消費税分を調整することができる。これにより、以後のカード処理ユニット40およびカード精算機50側で貸出単位額を変更するだけで円滑にプリペイドカードの処理や精算をおこなうことができる。
【0051】
なお、本実施例1では、プリペイドカード管理テーブル131で残高を度数管理する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、残高を金額で管理しておき、残高の減算を行う際に1度数分の金額を減算する場合に適用することもできる。
【実施例2】
【0052】
ところで、上記実施例1では、カード発行機20で消費税対応の度数調整を行うよう構成したが、カード処理ユニット40やカード精算機50側で消費税対応処理を行うこともできる。そこで、本実施例2では、カード処理ユニット40やカード精算機50側で消費税対応処理を行う場合について説明する。なお、かかる場合のシステム構成などは図1および図2に示したものと同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
【0053】
図7は、本実施例2で用いるプリペイド管理テーブル131の一例を示す図である。同図に示すように、ここではカードIDごとに発行日時、発行金額および残高(残額)などを登録している。すなわち、上記実施例1と異なり、本実施例2ではカード残高を金額で管理する場合を示している。なお、プリペイドカード管理テーブル131ではカード残高を金額として管理するが、カード処理ユニット40側では残高を度数で表示する。遊技客にとっては残高を金額で表示したとしても直感的に分かり難く、度数単位で表示する方が理解しやすいからである。
【0054】
次に、本実施例2に係るプリペイドカードの発行〜精算までの処理について具体的に説明する。図8は、本実施例2に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【0055】
図8に示すように、遊技客がカード発行機20に現金を投入して所望の金額ボタンを押下すると(図中に示す1)、カード発行機20からT/C10に対してカード登録依頼がなされ(図中に示す2)、プリペイドカード管理テーブル131に登録がなされたならば(図中に示す3)、登録完了がカード発行機20に対して通知され(図中に示す4)、これに応答してプリペイドカードが発行される(図中に示す5)。
【0056】
具体的には、遊技客を10000円を投入して10000円カードの発行ボタンを押下すると、例えばプリペイドカード管理テーブル131のカードID00298の欄に発行金額10000円、残額10000円が書き込まれた後に、このカードID00298が書き込まれたプリペイドカードが発行される。
【0057】
その後、カード発行機20から発行されたプリペイドカードは、遊技機45に併設されたカード処理ユニット40に挿入され(図中に示す6)、遊技台の玉/メダル貸出ボタンが押下されると(図中に示す7)、カード処理ユニット40とT/C10の間でデータ授受がなされてプリペイドカード管理テーブル131の残高を更新しつつ(図中に示す8)パチンコ玉が遊技台の上皿に投出される。例えば、1回の貸出ボタン操作で1度数分の玉貸しをおこなう場合には、25個のパチンコ玉が投出されるとともに、105円が残高から減算され、同図では残高が3595円となった状態を示している。
【0058】
ここで、本実施例2では、カード処理ユニット40に残度数を表示する際に、たとえ1度数分(105円)の残高が残っていない場合であっても、残度数を切り上げて表示することとしている(図中に示す6)。かかる切上表示をおこなう場合は、消費税徴収に伴って生ずる端数の問題を解消するためである。加えて、かかるカード処理ユニット40側で端数の不足分を補っているので、プリペイドカードの残高を使い切ろうとする遊技客の意欲を高めることができる。
【0059】
このため、カードID00298の残高が95円である場合に玉/メダル貸出ボタンが押下されると、カード処理ユニット40はT/C10に105円の減算を行うよう指示し、T/C10では、かかる場合にプリペイドカードの残高をマイナス(95-105=-10)にするのではなく、この残高を0にして玉貸しを許容する処理を行うことになる。なお、カード残高が0になったプリペイドカードは装置内に取り込まれるか装置外部に排出される。
【0060】
ところで、プリペイドカードの残高が0でない状態で遊技機45のカード返却ボタンが押下されたならば、カード処理ユニット40はプリペイドカードを返却し(図中に示す9)、他の遊技機での遊技若しくは精算が可能となる。
【0061】
このプリペイドカードがカード精算機50に挿入されると(図中に示す10)、カード精算機50はT/C10に対して残高を問い合わせ(図中に示す11)、T/C10のプリペイドカード管理テーブル131に登録した残高をカード精算機50へと通知し(図中に示す12)、カード残高、精算額及び精算後のカード残高を表示パネルに表示し(図中に示す13)、精算ボタンが押下されると(図中に示す14)、表示パネルに表示した精算額を出金するとともに精算できない端数の残高をプリペイドカードに関連付けて投出する(図中に示す15)。
【0062】
例えば、カードID00298のプリペイドカードが挿入された場合には、カード残高3595円、精算額3500円、精算後のカード残高95円という表示をおこない、精算ボタンが押下されると、3500円を出金するとともに残金95円分を関連付けたプリペイドカードを投出する。
【0063】
なお、このプリペイドカードを当日若しくは翌日以降にカード発行機20に投入して現金を追加入金することにより、カード残高を更新することができる(図中に示す16)。例えば10000円を追加入金した場合には、残高は10095円に更新されることになる。これにより、消費税徴収に伴う端数を有効利用することができ、遊技客の不利をなくすことができる。
【0064】
ところで、上記説明では、端数の残高をプリペイドカードに関連付けて投出することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、端数分のパチンコ玉をカード精算機50から投出するよう構成することもできる。かかる構成を採用すれば、消費税徴収に伴って生じる精算時の端数の問題をパチンコ玉投出により解消することができる。特に、遊技客および遊技店の両者から見て公平な調整を行い得るというメリットが得られる。
【0065】
次に、本実施例2に係るカード処理ユニット40の処理手順について具体的に説明する。なお、ここでは図8において説明した度数の繰り上げ表示を単純に行うのではなく、1度数分の残高(金額)が存在しない場合に、後述するような特殊な表示を行う場合を示している。
【0066】
図9は、本実施例2に係るカード処理ユニット40の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、当初カード処理ユニット40はプリペイドカードの投入待ちの状態にあり(ステップS301)、プリペイドカードが投入されたならば(ステップS301肯定)、プリペイドカードのカードIDがT/C10に送信される(ステップS302)。このカードIDを受信したT/C10は、プリペイドカード管理テーブル131に登録されたカード残高を確認し(ステップS303)、カード残高をカード処理ユニット40に送信する(ステップS304)。
【0067】
その後、カード処理ユニット40は、カード残高が105円未満であるか否かを調べ(ステップS305)、残高が105円以上である場合には(ステップS305否定)、その残高に対応する度数表示を行う(ステップS306)。なお、度数表示ではなく金額表示を行うこともできる。一方、残高が105未満である場合には(ステップS305肯定)、「1回(25個)玉貸し可能です」と表示する(ステップS307)。かかる表示を行うこととした理由は、1度数分の残高が存在しないにも係わらず25個の貸し出しをサービスとして行っている旨を遊技客に通知して、遊技意欲の向上を図るためである。ただし、図8で説明したように、端数分を繰り上げて一度数多く表示することもできる。
【0068】
そして、遊技客による玉貸し操作若しくはカード返却操作待ちの状態となり(ステップS308否定〜S309否定)、玉貸しボタンが押下されたならば(ステップS308肯定)、T/C10に残高更新指示を行い(ステップS311)、返却操作がなされたならば(ステップS309肯定)、プリペイドカードを返却して処理を終了する(ステップS310)。
【0069】
この残高更新指示を受け付けたT/C10は、玉貸し分の金額を残高から減算する残高更新処理を行って、更新後の残高を該当するカードIDの残高に記録し(ステップS312〜S313)、その残高をカード処理ユニット40に送信する(ステップS314)。その際、元の残高が105以下であり更新後の残高がマイナスとなった場合には、残高をマイナスにするのではなく0にする。なお、かかる残高をマイナスで記録し、消費税に伴うマイナス分を後日集計することもできる。
【0070】
この残高を受信したカード処理ユニット40は、遊技台へ玉貸し依頼を行うとともに(ステップS315)、残高が0であるか否かを調べ(ステップS316)、残高が0である場合には(ステップS316肯定)プリペイドカードを返却又は取り込み(ステップS317)、残高が0でない場合には(ステップS316否定)ステップS305に移行して貸出処理を継続する。なお、残高のマイナスを書き込むこととした場合には、0以下である場合にプリペイドカードを返却又は取り込むことになる。
【0071】
ところで、上記一連の説明では、度数をT/C10側で管理する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、度数をプリペイドカードに書き込む場合にも適用することができる。このため、かかる場合の処理手順について説明する。図10は、度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード処理ユニット40の処理手順を示すフローチャートである。
【0072】
図10に示すように、当初カード処理ユニット40はプリペイドカードの投入待ちの状態にあり(ステップS401)、プリペイドカードが投入されたならば(ステップS401肯定)、プリペイドカードに記録された残高が読み取られる(ステップS402)。
【0073】
その後、カード処理ユニット40は、カード残高が105円未満であるか否かを調べ(ステップS403)、残高が105円以上である場合には(ステップS403否定)、その残高に対応する度数表示を行う(ステップS404)。一方、残高が105未満である場合には(ステップS403肯定)、「1回(25個)玉貸し可能です」と表示する(ステップS405)。
【0074】
そして、遊技客による玉貸し操作若しくはカード返却操作待ちの状態となり(ステップS406否定〜S407否定)、返却操作がなされたならば(ステップS407肯定)、プリペイドカードを返却して処理を終了する(ステップS408)。一方、玉貸しボタンが押下されたならば(ステップS406肯定)、遊技台へ玉貸し依頼を行うとともに(ステップS409)、残高の金額を算定してこれをプリペイドカードに記録し(ステップS410〜S411)。
【0075】
その後、カード処理ユニット40は、残高が0であるか否かを調べ(ステップS412)、残高が0である場合には(ステップS412肯定)プリペイドカードを返却又は取り込み(ステップS413)、残高が0でない場合には(ステップS412否定)ステップS403に移行して貸出処理を継続する。
【0076】
上述してきたように、本実施例2では、、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円)に基づいてプリペイドカードの残高が所在する範囲でパチンコ玉の貸出処理を行うとともに、プリペイドカードに関連付けられた残高が消費税内包貸出単位額(105円)未満の端数である場合に、一貸出単位額分(一度数分)のパチンコ玉の貸出処理を行うよう構成したので、プリペイドカードに端数が残っている場合であってもカード処理ユニット40で端数に伴う問題を効率良く解消することができる。特に、かかるカード処理ユニット40側で端数の不足分を補っているので、プリペイドカードの残高を使い切ろうとする遊技客の意欲を高めることができる。
【0077】
また、本実施例2では、パチンコ玉の貸出単位額(100円)に消費税(5%)を加算した消費税内包貸出単位額(105円)に基づいてパチンコ玉の貸出処理を行ったプリペイドカードの残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定し、端数があると判定された場合に、当該端数分のパチンコ玉を投出するよう構成したので、消費税徴収に伴って生じる精算時の端数の問題をパチンコ玉投出により解消することができる。特に、遊技客および遊技店の両者から見て公平な調整を行い得るというメリットが得られる。
【0078】
なお、本実施例2では、端数があると判定された場合に、当該端数分のパチンコ玉を投出することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、端数分を価値付けたプリペイドカードや端数が記載されたレシートを発行することもできる。かかるレシートをカウンターに持参することにより景品やパチンコ玉に交換することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明にかかる記録媒体発行装置、記録媒体処理装置、記録媒体精算装置、記録媒体発行方法、記録媒体処理方法および記録媒体精算方法は、プリペイドカードシステム等を導入するパチンコ店などの遊技店が遊技客から消費税を徴収する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施例1に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した管理装置(T/C)の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したプリペイドカード管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】本実施例1に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【図5】図1に示したカード発行機によるカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード発行時の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本実施例2で用いるプリペイド管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】本実施例2に係る遊技媒体貸出システムにおけるプリペイドカードの発行〜精算までの処理を説明するための説明図である。
【図9】本実施例2に係るカード処理ユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】度数をプリペイドカードに書き込む場合のカード処理ユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
5 プリペイドカード
10 管理装置(ターミナル・コントローラ:T/C)
11 制御部(CPU)
12 記憶装置
13 メモリ
131 プリペイドカード管理テーブル
132 設定記憶領域
14 入力装置
15 表示装置
16 通信インタフェース(I/F)部
20 カード発行機
40 カード処理ユニット
45 遊技機
50 カード精算機
60 島コントローラ
70 LAN
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行装置であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出手段と、
前記度数算出手段により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整手段と、
前記度数調整手段により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行手段と
を備えたことを特徴とする記録媒体発行装置。
【請求項2】
支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理装置であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理手段と、
前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理手段と
を備えたことを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項3】
支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算装置であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出手段と
を備えたことを特徴とする記録媒体精算装置。
【請求項4】
支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行方法であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出工程と、
前記度数算出工程により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整工程と、
前記度数調整工程により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体発行方法。
【請求項5】
支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理方法であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理工程と、
前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体処理方法。
【請求項6】
支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算方法であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体精算方法。
【請求項1】
支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行装置であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出手段と、
前記度数算出手段により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整手段と、
前記度数調整手段により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行手段と
を備えたことを特徴とする記録媒体発行装置。
【請求項2】
支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理装置であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理手段と、
前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理手段と
を備えたことを特徴とする記録媒体処理装置。
【請求項3】
支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算装置であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出手段と
を備えたことを特徴とする記録媒体精算装置。
【請求項4】
支払われた金額分に対応する度数が関連付けられ、遊技機に併設された記録媒体処理装置で遊技媒体を供給処理する際に利用される記録媒体を発行する記録媒体発行方法であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記支払われた金額分に対応する度数を算出する度数算出工程と、
前記度数算出工程により度数を算出する際に前記消費税内包貸出単位額未満の端数が生じた場合に、該算出された度数に一度数を加算して度数を調整する度数調整工程と、
前記度数調整工程により調整された度数が関連づけられた記録媒体を発行する発行工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体発行方法。
【請求項5】
支払った金額分の有価価値が関連付けられた記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高から貸し出した遊技媒体数分の価値を減算しつつ前記残高を更新する記録媒体処理方法であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記記録媒体の残高が所在する範囲で前記遊技媒体の貸出処理を行う第1の貸出処理工程と、
前記記録媒体に関連付けられた残高が前記消費税内包貸出単位額未満の端数である場合に、一度数分の遊技媒体の貸出処理を行う第2の貸出処理工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体処理方法。
【請求項6】
支払った金額分が関連付けられた有価価値から遊技機で貸し出した遊技媒体分の有価価値を減算した記録媒体を受け入れ、該受け入れた記録媒体に関連付けられた残高を現金に精算する記録媒体精算方法であって、
前記遊技媒体の貸出単位額に消費税を加算した消費税内包貸出単位額に基づいて前記遊技媒体の貸出処理を行った前記記録媒体の残高に、当該装置により払出し可能な任意の金種未満の端数があるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により端数があると判定された場合に、当該端数分の遊技媒体、該端数分を価値付けした記録媒体若しくはレシートを投出する投出工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体精算方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−122099(P2006−122099A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310844(P2004−310844)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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