説明

記録材処理装置および記録材処理システム

【課題】記録材を処理する記録材処理装置や記録材処理システムにて生じうる記録材の詰まりを低減する。
【解決手段】画像形成装置2に設けられた排出ロール2Fによって画像形成装置2から排出された用紙Pを、コンパイル部431へ用紙Pを排出するイクジットロール432で受け取り、そして、排出ロール2Fおよびイクジットロール432の2つのロールによって、この用紙Pをコンパイル部431に排出する。さらに説明すると、排出ロール2Fとイクジットロール432との間には、用紙Pの搬送に用いられるロールが他に設けられておらず、排出ロール2Fにより搬送されてきた用紙Pをイクジットロール432が受け取り、そしてこのイクジットロール432によって、コンパイル部431に用紙Pが排出されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材処理装置および記録材処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シート搬入口に設けられたシート搬入ローラ、このシート搬入ローラに接続するシート搬入路の終端に設けられた搬入路終端ローラによって、シート搬入口から搬入されたシートがコンパイルトレイに搬入されるシート処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、第1の搬送路に沿ってシートを搬送する第1の搬送ローラ対が設けられ、第2の上部搬送路と第2の下部搬送路にはそれぞれ第2の上部搬送ローラ対と第2の下部搬送ローラ対が設けられ、第2の上部搬送路と第2の下部搬送路の合流部の左側に第3の搬送ローラ対が設けられた後処理装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−73111号公報
【特許文献2】特開2001−233524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、記録材を処理する記録材処理装置や記録材処理システムにて生じうる記録材の詰まりを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材を受け入れる受け入れ部と、前記受け入れ部にて受け入れられた前記記録材を支持する支持面を有し、当該支持面に向けて順次排出される当該記録材を当該支持面で支持し、記録材束を生成する記録材束生成部と、を備え、前記支持面に向けての前記記録材の排出は、前記受け入れ部にて受け入れられた当該記録材に初めて接触する駆動部材によって行われることを特徴とする記録材処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記記録材束生成部にて生成され前記支持面上に載っている前記記録材束の端部に対し予め定められた処理を施す処理機構を備え、前記記録材処理装置は、複数の側面を備え、前記処理機構は、前記記録材処理装置の前記複数の側面のうちの何れかの側面に寄せられた状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記記録材束生成部は、前記支持面に向けて順次排出される前記記録材を一方向に移動させることで突き当て部に当該記録材を突き当て端部の揃え処理が施された前記記録材束を当該支持面上に生成するとともに、当該支持面上の当該記録材束を当該一方向とは反対方向に搬送し、前記記録材束生成部により前記反対方向に搬送される前記記録材束が排出される開口が更に設けられ、前記記録材処理装置にて処理可能な最大の記録材の中央部から端部までの距離よりも、前記突き当て部から前記開口までの距離の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記駆動部材は、回転駆動を行う部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の記録材処理装置である。
【0006】
請求項5に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置により画像が形成された記録材を受け入れる受け入れ部と、前記受け入れ部にて受け入れられた前記記録材を支持する支持面を有し、当該支持面に向けて順次排出される当該記録材を当該支持面で支持し、記録材束を生成する記録材束生成部と、を備え、前記支持面に向けての前記記録材の排出は、前記受け入れ部にて受け入れられた当該記録材に初めて接触する駆動部材によって行われることを特徴とする記録材処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記画像形成装置に隣接した筐体がさらに設けられ、前記筐体に、前記受け入れ部、前記記録材束生成部、および前記駆動部材が設けられるとともに、当該筐体のうちの前記画像形成装置に対峙する側に当該受け入れ部が設けられ、当該筐体のうちの当該対峙する側とは反対側には、当該記録材束生成部により生成された前記記録材束が排出される開口が形成され、前記筐体の内部には、前記記録材束生成部にて生成され前記支持面上に載っている前記記録材束の端部に対し予め定められた処理を施す処理機構が更に設けられ、前記筐体の内部に設けられた前記処理機構は、前記画像形成装置に対峙する側に寄せられた状態で設けられていることを特徴とする請求項5記載の記録材処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記記録材束生成部を収容する筐体が更に設けられ、前記記録材束生成部は、前記支持面に向けて順次排出される前記記録材を一方向に移動させることで突き当て部に当該記録材を突き当て端部の揃え処理が施された記録材束を当該支持面上に生成するとともに、当該支持面上の当該記録材束を当該一方向とは反対方向に搬送し、前記筐体には、前記記録材束生成部により前記反対方向に搬送される前記記録材束が排出される開口が更に設けられ、前記記録材処理システムにて処理可能な最大の記録材の中央部から端部までの距離よりも、前記突き当て部から前記開口までの距離の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の記録材処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材処理装置にて生じうる記録材の詰まりを低減することができる。
請求項2の発明によれば、処理機構が記録材処理装置の中央部などに設けられている場合に比べ、記録材束生成部における支持面を大きくすることができるようになる。
請求項3の発明によれば、開口からの記録材の落下を抑制するための部材を別途設けずに記録材の落下を抑制することが可能となる。
請求項4の発明よれば、支持面に向けて記録材を排出する機構の簡素化が可能になる。
請求項5の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、記録材処理システムにて生じうる記録材の詰まりを低減することができる。
請求項6の発明によれば、処理機構が筐体の中央部などに設けられている場合に比べ、記録材束生成部における支持面を大きくすることができるようになる。
請求項7の発明によれば、開口からの記録材の落下を抑制するための部材を別途設けずに記録材の落下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態が適用される用紙処理システムの全体構成を示した図である。
【図2】用紙処理装置の上部を拡大して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される用紙処理システム1の全体構成を示した図である。
図1に示す用紙処理システム1は、例えば電子写真方式によって記録材の一例としての用紙Pに対しカラー画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置2と、画像形成装置2から排出される用紙Pに対して後処理を施す用紙処理装置4(記録材処理装置の一例)とを備えている。
【0010】
ここで画像形成装置2は、画像形成装置本体2Aと、例えば液晶ディスプレイにより構成され、ユーザに対して情報を表示するとともにユーザからの指示(入力)を受け付けるUI(User Interface)とを備えている。また、画像形成装置2は、画像形成装置本体2Aの内部に、用紙Pに対して例えばトナー像を形成する画像形成部(不図示)を備えている。また、この画像形成部によって用紙Pに形成されたトナー像を加熱および加圧することでこの用紙Pに定着する定着装置2E、定着装置2Eを通過した用紙Pを画像形成装置2の外部に排出する排出ロール2Fが設けられている。さらに画像形成装置2は、画像形成装置本体2Aにおける上記画像形成部、定着装置2Eなどを制御する制御部2Cを備えている。
【0011】
なお画像形成装置2に設けられた上記画像形成部は、例えば、感光体ドラム、この感光体ドラムを帯電する帯電器、感光体ドラムにレーザ光を照射し静電潜像を形成するレーザ露光器、感光体ドラムに形成された上記静電潜像をトナーを用いて現像する現像装置、感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙Pに対し転写する転写装置とから構成することができる。なお本実施形態では、電子写真方式によって画像を形成する場合を例示したが、インクジェット方式などによって画像を形成することもできる。
【0012】
一方、用紙処理装置4は、略垂直に配置された4つの側面を有し略直方体状に形成された筐体41と、用紙束(記録材束)を生成するとともにこの用紙束の端部に対しステープル(金属針)を用いて綴じ処理を行う端綴じ部43とを備えている。さらに用紙処理装置4には、画像形成装置2における制御部2Cと通信可能に設けられ用紙処理装置4の全体を制御する制御部100が設けられている。また、用紙処理装置4は、端綴じ部43から排出された用紙束が載せられる用紙積載部材45を備えている。ここでこの用紙積載部材45は、用紙束が積載されるに従い下方に移動する。
【0013】
また用紙処理装置4は、筐体41の上部に設けられ用紙処理装置4での処理が行われない用紙Pが積載される上部積載部46を備えている。さらに用紙処理装置4には、端綴じ部43に向けて用紙Pが順次搬送される際に用紙Pが通過する第1用紙搬送経路R1が設けられている。また、この第1用紙搬送経路R1から分岐して設けられ、上部積載部46に向けて用紙Pが搬送される際に用紙Pが通過する第2用紙搬送経路R2が設けられている。また、第2用紙搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pを上部積載部46に排出する排出ロール461、排出ロール461よりも用紙Pの搬送方向における上流側に設けられ第2用紙搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pを排出ロール461に向けて搬送する搬送ロール462が設けられている。
【0014】
また用紙処理装置4には、第2用紙搬送経路R2が第1用紙搬送経路R1から分岐した分岐部に、切り替え部材47が設けられている。この切り替え部材47は、予め定められた軸を中心に揺動可能(回転可能)に設けられている。付言すると、切り替え部材47は、用紙Pの搬送方向における下流側に一端を有し、用紙Pの搬送方向における上流側に他端を有するとともに、用紙Pの搬送方向における下流側に位置するこの一端を中心に回転可能に設けられている。
【0015】
ここで、切り替え部材47は、第1用紙搬送経路R1から退避した状態から第1用紙搬送経路R1に突出した状態に変位し、画像形成装置2から搬送されてきた用紙Pの搬送先を、第1用紙搬送経路R1から第2用紙搬送経路R2に切り替える。なお、切り替え部材47の第1用紙搬送経路R1への突出は、切り替え部材47の上記他端が第1用紙搬送経路R1に移動するように切り替え部材47が回転することで行われる。また切り替え部材47は、第1用紙搬送経路R1に突出した状態から第1用紙搬送経路R1から退避した状態に変位し、画像形成装置2から搬送されてきた用紙Pの搬送先を、第2用紙搬送経路R2から第1用紙搬送経路R1に切り替える。
【0016】
また用紙処理装置4には、切り替え部材47よりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられるとともに第1用紙搬送経路R1に沿って設けられ、第1用紙搬送経路R1を搬送される用紙Pの案内を行う第1案内部材51が設けられている。また、第1用紙搬送経路R1を挟み第1案内部材51の対向位置に配置され、同じく用紙Pの案内を行う第2案内部材52が設けられている。ここでこの第2案内部材52は、用紙Pの案内を行う第1案内面52A、第2案内面52Bを有している。ここで第1案内面52Aは、切り替え部材47よりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられるとともに第1用紙搬送経路R1に沿うように設けられ、また、第1案内部材51の対向位置に配置され、第1用紙搬送経路R1を搬送される用紙Pの案内を行う。
【0017】
また、第2案内面52Bは、第1案内面52Aよりも用紙Pの搬送方向における上流側に設けられるとともにこの第1案内面52Aに接続して設けられ、また、第1用紙搬送経路R1を挟み切り替え部材47の対向位置に配置されている。また第2案内面52Bは、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い、第1用紙搬送経路R1に接近するように設けられている。付言すると、第2案内面52Bは、水平方向に対し傾斜した状態で設けられている。この第2案内面52Bは、画像形成装置2から排出された用紙Pの先端が垂れ下がっているときなどに、この先端を案内し、用紙Pを、第1案内部材51と第1案内面52Aとの間に誘導する。
【0018】
端綴じ部43は、順次搬送されてくる用紙Pが積載されるコンパイル部431と、回転駆動しコンパイル部431に向けて用紙Pを排出する一対のローラであるイクジットロール432(駆動部材の一例)とを備えている。ここで、コンパイル部431の上面は、記録材としての用紙Pを支持する支持面として捉えることができ、コンパイル部431は、用紙束(記録材束)を生成する記録材束生成部として捉えることができる。また端綴じ部43には、用紙Pの後端をコンパイル部431のエンドガイド431Aに突き当てるために回転するパドル58が設けられている。更に、パドル58によってエンドガイド431Aに突き当てられ端部の揃え処理が施された用紙束の、この端部に対してステープルを用いて綴じ処理を行うステープラ435(処理機構の一例)が設けられている。
【0019】
また端綴じ部43には、コンパイル部431にて集積され且つステープラ435による綴じ処理が行われた用紙束を、排出口411(開口の一例)を通じ、用紙積載部材45へ搬送するイジェクトロール433が設けられている。さらに、イジェクトロール433による用紙束の排出が行われる際に、この用紙束に押圧配置される押圧ロール436が設けられている。なおこの押圧ロール436は、イジェクトロール433による用紙束の排出が行われていないときには、上方に退避している。
【0020】
ここで端綴じ部43における動作について詳細に説明する。
端綴じ部43による綴じ処理が行われる際には、切り替え部材47によって、用紙Pの搬送先が第1用紙搬送経路R1に設定される。これにより、画像形成装置2から順次搬送されてくる用紙Pが、第1用紙搬送経路R1を経由してコンパイル部431に到達し、このコンパイル部431に対し用紙Pが順次排出される。そして排出された用紙Pは、パドル58によって、突き当て部として機能するエンドガイド431Aに向かって一方向に移動する。これによりコンパイル部431上には、複数枚の用紙Pにより構成された用紙束が生成される。次いで、ステープラ435によって、生成されたこの用紙束の端部に対して綴じ処理が行われる。その後、この用紙束に対して押圧ロール436が進出するとともに、イジェクトロール433の回転が行われる。これにより、上記一方向とは反対方向に用紙束が移動し用紙積載部材45上にこの用紙束が積載される。
【0021】
ところで本実施形態では、画像形成装置2に設けられた排出ロール2Fによって画像形成装置2から排出された用紙Pを、コンパイル部431へ用紙Pを排出するイクジットロール432で受け取り、そして、排出ロール2Fおよびイクジットロール432の2つのロールによって、この用紙Pをコンパイル部431に排出している。付言すると、排出ロール2Fとイクジットロール432との間には、用紙Pの搬送に用いられるロールが他に設けられておらず、排出ロール2Fにより搬送されてきた用紙Pをイクジットロール432が受け取り、そしてこのイクジットロール432によって、コンパイル部431に用紙Pが排出されるようになっている。
【0022】
さらに説明すると、用紙処理装置4の第1用紙搬送経路R1上には、一つのロール(一つのロール対)しか設けられておらず、この一つのロール(イクジットロール432)によって、上流側から搬送されてきた用紙Pをまず受け取り、そして、この一つのロールによって、用紙Pをコンパイル部431へ排出している。さらに説明すると、本実施形態では、用紙処理装置4に搬送されてきた用紙Pに初めて接触するイクジットロール432によって、コンパイル部431への用紙Pの排出が行われるようになっている。
【0023】
ここで、排出ロール2Fとイクジットロール432との間に更にロールを設けることも考えられる。ところでこの場合、装置の大型化を招いてしまう。本願の構成では、装置内におけるロールの数が減少し、装置の小型化が実現されている。また排出ロール2Fとイクジットロール432との間に更にロールを設ける場合、このようにロールを設けない場合に比べ、第1用紙搬送経路R1にて用紙Pの詰まり(ジャム)が生じやすくなる。このため本実施形態では、第1用紙搬送経路R1におけるロールの数を最小限とし、用紙Pの詰まりを生じにくくしている。
【0024】
ここで本実施形態では、第1用紙搬送経路R1が、用紙処理装置4の図中左側に位置しており(用紙処理装置4の一方側に寄せられて設けられており)、第1用紙搬送経路R1にて用紙Pの詰まりが生じた場合、図中左側(用紙処理装置4の左側面側)にこの用紙Pを引っ張ることでこの用紙Pの除去を行うことができる。ところでこの場合、用紙処理装置4の左側には画像形成装置2が設置されているために、用紙Pの除去が行いにくくなっている。付言すると本実施形態の用紙処理装置4は、第1用紙搬送経路R1上の用紙Pの除去が行いにくくなっており、この第1用紙搬送経路R1にて用紙Pの詰まりを極力生じさせないことが望ましくなってくる。このため本実施形態では、第1用紙搬送経路R1上にイクジットロール432だけが設けられていた構成とし、第1用紙搬送経路R1における用紙Pの詰まりを生じにくくしている。
【0025】
ここで図2は、用紙処理装置4の上部を拡大して示した図である。
上記では説明を省略したが、本実施形態では、用紙処理装置4のうちの画像形成装置2に面する箇所(対峙する箇所)に、画像形成装置2から搬送されてきた用紙Pを受け入れる受け入れ部42が設けられている。そして本実施形態では、この受け入れ部42に、切り替え部材47が設けられ、用紙処理装置4に用紙Pが進入した直後に、切り替え部材47による用紙Pの案内が行われるようになっている。また本実施形態では、画像形成装置2に面する側とは反対側に、用紙束が排出される排出口411が形成されている。
【0026】
また本実施形態では、受け入れ部42に設けられた切り替え部材47の下方に(真下に)ステープラ435が設けられている。さらに説明すると、本実施形態におけるステープラ435は、用紙処理装置4の中央部(水平方向における中央部)ではなく、受け入れ部42が設けられている側に寄せられて設けられている。さらに説明すると、ステープラ435は、用紙処理装置4のうちの、画像形成装置2が設けられている側に寄せられた状態で配置されている。さらに説明すると、ステープラ435は、用紙処理装置4に設けられた複数の側面のうち画像形成装置2側に位置する側面に寄せられた状態で設けられている。この結果、本実施形態では、ステープラ435が、用紙処理装置4の中央部に設けられている場合や、用紙処理装置4のうちの排出口411が設けられている側に寄せられて設けられている場合に比べ、コンパイル部431の長さが確保できるようになっている。
【0027】
この結果、本実施形態では、コンパイル部431に積載されている用紙Pのうちの筐体41から突出する部分(図2の符号Pt参照)の長さが小さくなる。また、ステープラ435が用紙処理装置4の中央部などに配置されている場合、上記筐体41から突出する部分Ptの筐体41からの突出量が増大し、この部分が下方に垂れ下がりやすくなる。そしてこの場合、用紙Pに湾曲が生じたり、用紙Pの落下などが生じたりするおそれがある。なおこのような場合、用紙Pのうちの筐体41から突出する部分を下方から支持する支持部材(図2の符号48参照)を別途設けることもあるが、この場合、用紙処理装置4の大型化を招きやすい。
【0028】
一方、本実施形態では、受け入れ部42が設けられている側にステープラ435が寄せられて設けられおり、上記のとおり、コンパイル部431の長さが確保できるようなっている。このため本実施形態では、上記筐体41から突出する部分Ptの筐体41からの突出量が小さくなるようになっている。さらに本実施形態では、コンパイル部431の長さが上記のように確保できるようになった結果、本用紙処理装置4にて処理可能な最大の用紙Pがコンパイル部431に載っている状態にて、この用紙Pの重心G(図2参照)を、コンパイル部431の上方に位置させることができるようになっている。
【0029】
付言すると本実施形態では、コンパイル部431の長さを確保できるため、図2に示すように、コンパイル部431の長さL2(エンドガイド431Aからコンパイル部431の端部までの距離)を、上記最大の用紙Pの端部から重心G(中央部)までの距離L1よりも大きくできるようになっている。付言すると、コンパイル部431のエンドガイド431Aから排出口411までの距離を、上記最大の用紙Pの端部から重心Gまでの距離L1よりも大きくできるようになっている。そしてこの場合、上記のような支持部材48を設けずに用紙Pを支持可能となる。そしてこれにより装置の小型化が図られるようになる。
【符号の説明】
【0030】
2…画像形成装置、4…用紙処理装置、41…筐体、42…受け入れ部、411…排出口、431…コンパイル部、431A…エンドガイド、432…イクジットロール、435…ステープラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を受け入れる受け入れ部と、
前記受け入れ部にて受け入れられた前記記録材を支持する支持面を有し、当該支持面に向けて順次排出される当該記録材を当該支持面で支持し、記録材束を生成する記録材束生成部と、
を備え、
前記支持面に向けての前記記録材の排出は、前記受け入れ部にて受け入れられた当該記録材に初めて接触する駆動部材によって行われることを特徴とする記録材処理装置。
【請求項2】
前記記録材束生成部にて生成され前記支持面上に載っている前記記録材束の端部に対し予め定められた処理を施す処理機構を備え、
前記記録材処理装置は、複数の側面を備え、
前記処理機構は、前記記録材処理装置の前記複数の側面のうちの何れかの側面に寄せられた状態で設けられていることを特徴とする請求項1記載の記録材処理装置。
【請求項3】
前記記録材束生成部は、前記支持面に向けて順次排出される前記記録材を一方向に移動させることで突き当て部に当該記録材を突き当て端部の揃え処理が施された前記記録材束を当該支持面上に生成するとともに、当該支持面上の当該記録材束を当該一方向とは反対方向に搬送し、
前記記録材束生成部により前記反対方向に搬送される前記記録材束が排出される開口が更に設けられ、
前記記録材処理装置にて処理可能な最大の記録材の中央部から端部までの距離よりも、前記突き当て部から前記開口までの距離の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材処理装置。
【請求項4】
前記駆動部材は、回転駆動を行う部材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の記録材処理装置。
【請求項5】
記録材に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置により画像が形成された記録材を受け入れる受け入れ部と、
前記受け入れ部にて受け入れられた前記記録材を支持する支持面を有し、当該支持面に向けて順次排出される当該記録材を当該支持面で支持し、記録材束を生成する記録材束生成部と、
を備え、
前記支持面に向けての前記記録材の排出は、前記受け入れ部にて受け入れられた当該記録材に初めて接触する駆動部材によって行われることを特徴とする記録材処理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置に隣接した筐体がさらに設けられ、
前記筐体に、前記受け入れ部、前記記録材束生成部、および前記駆動部材が設けられるとともに、当該筐体のうちの前記画像形成装置に対峙する側に当該受け入れ部が設けられ、当該筐体のうちの当該対峙する側とは反対側には、当該記録材束生成部により生成された前記記録材束が排出される開口が形成され、
前記筐体の内部には、前記記録材束生成部にて生成され前記支持面上に載っている前記記録材束の端部に対し予め定められた処理を施す処理機構が更に設けられ、
前記筐体の内部に設けられた前記処理機構は、前記画像形成装置に対峙する側に寄せられた状態で設けられていることを特徴とする請求項5記載の記録材処理システム。
【請求項7】
前記記録材束生成部を収容する筐体が更に設けられ、
前記記録材束生成部は、前記支持面に向けて順次排出される前記記録材を一方向に移動させることで突き当て部に当該記録材を突き当て端部の揃え処理が施された記録材束を当該支持面上に生成するとともに、当該支持面上の当該記録材束を当該一方向とは反対方向に搬送し、
前記筐体には、前記記録材束生成部により前記反対方向に搬送される前記記録材束が排出される開口が更に設けられ、
前記記録材処理システムにて処理可能な最大の記録材の中央部から端部までの距離よりも、前記突き当て部から前記開口までの距離の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の記録材処理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121643(P2012−121643A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271936(P2010−271936)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】