説明

記録材収容装置及びこれを用いた記録材後処理装置、記録材処理装置

【課題】記録材を複数枚重ねて冊子状に折り曲げられた記録材束を収容する際、設置スペースを抑えながら記録材束を整列させた状態で大量に収容する。
【解決手段】冊子状に折り曲げた記録材束が搬送される記録材束搬送手段4と、記録材束が収容される複数の記録材束収容部材5と、記録材束収容部材5及び記録材束搬送手段4の少なくともいずれか一方が相対移動可能に支持され、複数の記録材束収容部材5のいずれか一つが記録材束を収容する収容可能位置に選択的に配置され且つ他の記録材束収容部材5が前記収容可能位置から外れた非収容可能位置に配置される移動手段6とを備え、前記収容可能位置に位置する記録材束収容部材5は、記録材束搬送手段4の記録材束搬送領域の少なくとも一部を記録材束収容領域の一部として兼用するように配置され、記録材束搬送手段4にて搬送される記録材束にて直前に搬送された記録材束を押し込み搬送可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機やプリンタ等の記録材処理装置で用いられる記録材収容装置及びこれを用いた記録材後処理装置、記録材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録材上に画像を形成した後に、中綴じ処理や中折り処理等の後処理を行い冊子状の記録材束とする記録材処理装置が汎用化されるようになってきた。
このような記録材処理装置では、例えば中綴じされ、中折りされた冊子状記録材束を多量に収容する収容方式が要請されてきている。そのため、中綴じ、中折りされた冊子状記録材束を整列させて収容するために、各種の工夫が提案されている(例えば特許文献1〜5参照)。
【0003】
特許文献1には、装置の下方に固定設置された記録材束収容部材に冊子状記録材束を落下収容させる方式が提示されている。
また、特許文献2,3には、装置の下方に固定配置された記録材束収容部材に、押さえ部材を設け、記録材束収容部材上に排出した冊子状記録材束を押さえ部材で押さえることで、記録材束収容部材内での記録材束同士の混じり合いを防ぐようにした方式が提示されている。
更に、特許文献4,5には、冊子状記録材束を水平方向に移動させて、記録材束収容部材内で記録材束を立てた状態で並べて収容する方式が提示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−72320号公報(発明の実施の形態、図2)
【特許文献2】特許第3413056号公報(発明の実施の形態、図15)
【特許文献3】特開2004−99291号公報(発明の実施の形態、図8)
【特許文献4】特開2005−1109号公報(発明の実施の形態、図14〜図17)
【特許文献5】特開2004−91130号公報(発明の実施の形態、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、記録材を複数枚重ねて冊子状に折り曲げられた記録材束を収容する際、設置スペースを抑えながら記録材束を整列させた状態で大量に収容することが可能な記録材収容装置及びこれを用いた記録材後処理装置、記録材処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1に係る発明は、重ねられた複数枚の記録材を冊子状に折り曲げた記録材束が搬送される記録材束搬送手段と、この記録材束搬送手段によって搬送される記録材束が収容される複数の記録材束収容部材と、前記記録材束収容部材及び前記記録材束搬送手段の少なくともいずれか一方が相対移動可能に支持され、複数の記録材束収容部材のいずれか一つが記録材束搬送手段によって搬送される記録材束を収容する収容可能位置に選択的に配置され且つ他の記録材束収容部材が前記収容可能位置から外れた非収容可能位置に配置される移動手段とを備え、前記収容可能位置に位置する記録材束収容部材は、記録材束搬送手段の記録材束搬送領域の少なくとも一部を記録材束収容領域の一部として兼用するように配置され、記録材束搬送手段にて搬送される記録材束にて直前に搬送された記録材束を押し込み搬送可能とする記録材収容装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る記録材収容装置において、記録材束収容部材は、前記記録材束収容領域の記録材束搬送手段による記録材束搬送方向上流側端部から窪む切り欠き部を有し、記録材束搬送手段はこの切り欠き部に非接触に配置される記録材収容装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る記録材収容装置において、記録材束搬送手段は、冊子状記録材束の折り部を先頭にして記録材束を搬送する記録材収容装置である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る記録材収容装置において、記録材束搬送手段は、複数の記録材束同士が互いにその一部が重なった状態で搬送する記録材収容装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1に係る記録材収容装置において、記録材束収容部材は、その記録材束搬送方向下流端部側に記録材束の搬送方向に沿って後傾し且つ搬送される記録材束を停止させて整列収容可能な傾斜面を備える記録材収容装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1に係る記録材収容装置において、記録材束収容部材は、少なくともその上流端部側に、前記記録材束収容面より上方に突出し且つ前記収容可能位置にて記録材束搬送手段の記録材束搬送面より下方に位置する規制突起部を備える記録材収容装置である。
【0008】
請求項7に係る発明は、請求項1に係る記録材収容装置において、移動手段は、前記収容可能位置と前記非収容可能位置との間で記録材束収容部材を移動させる記録材収容装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る記録材収容装置において、前記非収容可能位置は、収容可能位置より下方で記録材束が収容されていない記録材束収容部材を待機させる待機位置と、収容可能位置より上方で記録材束収容部材に収容された記録材束を当該記録材束収容部材から取り出し可能な取出位置とで設定される記録材収容装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1に係る記録材収容装置において、記録材束搬送手段は、搬送される記録材束を計数可能な計数手段を更に備える一方、移動手段は、この計数手段からの情報に基づいて記録材束収容部材及び記録材束搬送手段の少なくとも一方を移動させる記録材収容装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る記録材収容装置において、記録材束搬送手段は、更に、当該記録材束搬送手段によって搬送される記録材束が収容される記録材束収容部材の記録材束収容情報を検知する収容検知手段を備え、この収容検知手段からの情報により記録材束の収容がない条件下で前記計数手段の計数を可能にする記録材収容装置である。
【0009】
請求項11に係る発明は、重ねられた複数枚の記録材を冊子状に折り曲げた記録材束が搬送される記録材束搬送手段と、この記録材束搬送手段によって搬送された記録材束が収容される複数の記録材束収容部材とを備え、前記記録材束搬送手段にて連続的に記録材束が搬送される場合には、一つの記録材束収容部材が予め決められた所定の収容量に達すると他の記録材束収容部材に収容されるように、記録材束搬送手段又は記録材束収容部材の少なくともいずれか一方を移動させる記録材収容装置である。
【0010】
請求項12に係る発明は、画像が形成された記録材を複数枚重ねて少なくとも冊子状に折り曲げた記録材束に処理する記録材処理部と、請求項1乃至11のいずれかに係る記録材収容装置とを備えた記録材後処理装置である。
請求項13に係る発明は、記録材上に画像を形成する画像形成装置と、請求項12に係る記録材後処理装置とを備えた記録材処理装置である。
請求項14に係る発明は、記録材上に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置にて画像が形成された記録材を複数枚重ねて少なくとも冊子状に折り曲げた記録材束を作製する記録材束作製装置と、請求項1乃至11のいずれかに係る記録材収容装置とを備えた記録材処理装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、設置スペースを小さく抑えながら、大量の冊子状に折り曲げられた記録材束を収容することができる記録材収容装置を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、記録材束搬送手段によって記録材束収容部材の記録材束収容領域に効果的に記録材束の搬送がなされるようになる。
請求項3に係る発明によれば、記録材束収容部材での記録材束の整列収容ができるようになる。
請求項4に係る発明によれば、記録材束収容部材での記録材束の整列収容性がより向上する。
請求項5に係る発明によれば、搬送される記録材束が折り部を上方にして容易に整列させることができるようになる。
【0012】
請求項5に係る発明によれば、記録材束搬送手段による記録材束の搬送が記録材束収容部材の奥側まで有効になされるようになり、記録材収容部材での収容性が向上する。
請求項6に係る発明によれば、一旦記録材束収容部材へ収容された記録材束が当該記録材束収容部材からこぼれることを防ぐことができ、安定した収容性を確保できる。
請求項7に係る発明によれば、記録材束搬送手段が移動するものに比較して装置構成が簡略化される。
請求項8に係る発明によれば、装置の設置スペースを一層小さくすると共に記録材束収容部材への記録材束の大量収容が容易になる。
請求項9に係る発明によれば、記録材束収容部材上の収容数を検知し、必要に応じて他の記録材束収容部材に収容先を変更することができ、記録材束の数量管理及び収容量を所望の値にすることができる。
請求項10に係る発明によれば、記録材束収容部材に収容された記録材束の取り忘れを防止することも可能になる。
請求項11に係る発明によれば、記録材束を複数の記録材束収容部材にて収容することができ、大量の記録材束の収容ができる記録材収容装置を提供できる。
【0013】
請求項12に係る発明によれば、設置スペースを小さく抑えながら、大量の冊子状の記録材束を収容することができる記録材後処理装置を提供できる。
請求項13に係る発明によれば、設置スペースを小さく抑えながら、大量の冊子状の記録材束を収容することができる記録材後処理装置を用いた記録材処理装置を提供できる。
請求項14に係る発明によれば、設置スペースを小さく抑えながら、大量の冊子状の記録材束を収容することができる記録材収容装置を用いた記録材処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
先ず、本発明が適用される実施の形態モデルの概要について説明する。
◎実施の形態モデルの概要
図1は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る記録材処理装置の概要を示す。同図において、記録材処理装置は、記録材上に画像を形成する画像形成装置1と、画像が形成された記録材を複数枚重ねて折り曲げて冊子状の記録材束にする記録材後処理装置2と、冊子状の記録材束を収容する記録材収容装置3とで構成されている。
【0015】
画像形成装置1での画像形成方式は記録材上に画像が形成できるものであれば特に限定されず、例えば電子写真方式やインクジェット方式が適用可能である。また、記録材後処理装置2としては、複数枚の記録材を重ねて折り曲げる折り処理を有するものであればよく、折り曲げる際に綴じる処理を行うようにしても差し支えない。
尚、本実施の形態モデルの記録材処理装置は、画像形成装置1、記録材後処理装置2、記録材収容装置3の構成としたが、この構成は等に限定されず、例えば画像形成装置1と記録材後処理装置2とを一体化したような構成であってもよいし、記録材後処理装置2に記録材収容装置3を備えた記録材後処理装置であっても差し支えない。
【0016】
ここで、記録材収容装置3の代表的モデルの一つは、図2(a)(b)に示すように、重ねられた複数枚の記録材を冊子状に折り曲げた記録材束が搬送される記録材束搬送手段4と、この記録材束搬送手段4によって搬送される記録材束が収容される複数の記録材束収容部材5と、前記記録材束収容部材5及び前記記録材束搬送手段4の少なくともいずれか一方が相対移動可能に支持され、複数の記録材束収容部材5のいずれか一つが記録材束搬送手段4によって搬送される記録材束を収容する収容可能位置に選択的に配置され且つ他の記録材束収容部材5が前記収容可能位置から外れた非収容可能位置に配置される移動手段6とを備え、前記収容可能位置に位置する記録材束収容部材5は、記録材束搬送手段4の記録材束搬送領域の少なくとも一部を記録材束収容領域の一部として兼用するように配置され、記録材束搬送手段4にて搬送される記録材束にて直前に搬送された記録材束を押し込み搬送可能とすることを特徴とする。
尚、記録材としては、画像が形成できるものであれば特に限定されず、通常の紙基材の用紙や合成樹脂基材のOHPシート等が含まれる。
【0017】
また、「記録材束搬送手段4の記録材束搬送領域の少なくとも一部を記録材束収容領域の一部として兼用する」とは、記録材束搬送手段4の一部が記録材束収容部材5側に出張るように構成してもよいし、全部が出張るように構成してもよいことを意味する。
【0018】
本実施の形態モデルにおける記録材束搬送手段4としては、記録材束が搬送できればよく、代表的態様としてはベルト搬送体が挙げられる。また、搬送される記録材束が綴じられているかどうかは特に限定されず、冊子状に折り曲げられていればよいが、安定した搬送性及び良好な取り扱い性を確保する観点からすれば、綴じ処理がなされる方が好ましい。そして、折り曲げ回数は特に限定されないが、通常、二つ折りがなされる。
移動手段6は、記録材束収容部材5及び記録材束搬送手段4の少なくともいずれか一方を移動させればよく、例えば、記録材束搬送手段4を記録材束収容部材5側に向かって進退させるようにしてもよいし、記録材束収容部材5を移動させるようにしてもよい。
【0019】
また、記録材収容部材5は、記録材束搬送手段4による記録材束の安定搬送を行う観点からすれば、記録材束収容領域の記録材束搬送手段4による記録材束搬送方向上流側端部から窪む切り欠き部7を有し、記録材束搬送手段4はこの切り欠き部7に非接触に配置されることが好ましい。このとき、切り欠き部7の数量や大きさは特に限定されない。
更に、記録材束収容部材5は、収容される記録材束を整列収容させる観点からすれば、記録材束搬送方向下流端部側に記録材束の搬送方向に沿って後傾する傾斜面8を備えることが好ましい。尚、「上流端部側」とは、傾斜面8が必ずしも端部でなくてもよく、例えば端部に近い部位に傾斜面8を備えるようにしてもよいことを意味する。
また、記録材束収容部材5に一旦収容した記録材束を記録材束収容部材5内に維持する観点からすれば、少なくともその上流端部側に、記録材束収容面より上方に突出し且つ収容可能位置にて記録材束搬送手段4の記録材束搬送面より下方に位置する規制突起部9を備えることが好ましい。
【0020】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態
図3は、本発明が適用された記録材処理装置の実施の形態を示す。同図において、本実施の形態の記録材処理装置は、記録材上に画像を形成する画像形成装置10、画像が形成された記録材を反転搬送する反転搬送装置50、反転搬送装置50の下流側に設けられ、必要に応じて記録材を待機させる待機装置60、記録材に対して綴じ処理、孔開け処理(穿孔処理)、中綴じ中折り処理等の後処理を行う記録材後処理装置70、記録材後処理装置70にて冊子状になった記録材束を仕上げ断裁する断裁装置100及び断裁された記録材束を整列して収容する記録材収容装置120で構成されている。
本実施の形態では、画像形成装置10と記録材に対し各種の後処理を行う記録材後処理装置70との間に反転搬送装置50や待機装置60を設ける態様を示したが、記録材後処理装置70に反転搬送装置50や待機装置60を含めるようにしても差し支えなく、また、これらの反転搬送装置50や待機装置60を画像形成装置10側に含めるようにしても差し支えない。更に、断裁装置100を使用しないようにしてもよいことは云うまでもない。
【0021】
本実施の形態における画像形成装置10は、図4のように構成されている。同図において、画像形成装置10は、上方に原稿ガラス41上にセットされた原稿42の画像を読み取る画像読取部40を備え、この画像読取部40の下方には画像形成部が設けられた構成となっている。画像形成部は、感光体11上にトナー像を形成し、この形成されたトナー像を画像形成部の下方に設けられた複数の記録材供給部21〜24から供給部材25によって搬送された記録材S上に転写させるようにしたものとなっている。
そのため、感光体11の周囲には、感光体11上に一様な帯電を行う帯電ロール等の帯電器12、一様に帯電された感光体11上に静電潜像を形成するレーザスキャナ等の露光器13、感光体11上の静電潜像をトナーにて現像して可視像化する現像器14、感光体11上に形成されたトナー像を記録材供給部21〜24から供給される記録材S上に転写するコロトロン等の転写器15、転写後の感光体11上に残留する残留トナー等を清掃する清掃器17等が配設されている。尚、符号16はトナー像が転写された後の記録材Sを感光体11から分離し易くするための除電器、符号44は画像読取部40によって読み取られた原稿42の画像情報を処理する画像情報処理部である。また、二点鎖線で示す符号43は例えばオプション装置として原稿ガラス41上に原稿42を送り込む自動原稿送り装置である。
【0022】
また、この画像形成装置10内の記録材搬送系は次のようになっている。記録材供給部21〜24の近傍には、夫々の記録材供給部21〜24から記録材Sを供給する供給部材25が設けられ、これらの供給部材25によって供給された記録材Sは、適宜配設された搬送ロール26等によって搬送され、感光体11の上流側の位置規制ロール27に導かれるようになっている。この位置規制ロール27では、搬送された記録材に対し位置決め規制を行って、所定のタイミングで感光体11と転写器15との対向部位である転写領域へ送り出すようになっている。
そして、転写が行われた記録材は定着器28に搬送され、記録材上の未定着トナーが例えば加熱及び加圧によって定着される。定着が行われた記録材は、定着器28の出口ロール29から排出ロール30に導かれ、画像形成装置10の下流側の装置(本例では反転搬送装置50)へ搬送されるようになる。
【0023】
一方、定着後の記録材の裏面側にも画像を形成する場合には、定着器28の出口ロール29を通過した記録材は切替器31によって下向きに搬送方向が変更され、3個のロールが圧接配置された3本ロール32、反転ロール33を経由して反転搬送路34に導かれる。反転搬送路34に達した記録材は、少なくとも記録材の後端部分が反転ロール33に挟持された条件下で反転ロール33の反転動作によって搬送ロール35が設けられた戻し搬送路36側に搬送される。戻し搬送路36に搬送された記録材は、再び位置規制ロール27を経由して転写器15によって記録材の裏面にも画像が転写された後、定着器28によって定着がなされるようになる。定着がなされた記録材は出口ロール29、排出ロール30を経由して下流側の装置へ搬送されるようになる。
【0024】
このように、画像形成装置10によって画像が形成された記録材は、図3に示すように、反転搬送装置50、待機装置60に導かれ、上方に設けられた排出収容部51に反転排出されたり、待機装置60によって所定のタイミングで後続の記録材後処理装置70に搬送されるようになる。
【0025】
本実施の形態の記録材後処理装置70は、待機装置60からの記録材を搬送する搬送ロール71が入口に設けられ、この搬送ロール71の直後には孔開け処理を行う穿孔処理部72が設けられている。この穿孔処理部72の下流側では記録材搬送路が分岐され、上方の記録材搬送路73はそのまま記録材後処理装置70の上方に設けられた排出収容部76に導かれる記録材搬送路74と、記録材の端部側を綴じる処理を施した後に後処理記録材収容部77側に搬送する記録材搬送路75とに分岐している。そのため、各記録材搬送路73,74,75には記録材を搬送するための搬送ロールや検知手段等が適宜配設されている。
また、記録材搬送路75に搬送された記録材は、回転羽根を持った羽根付き回転部材81や叩き部材82等によって整列された後に綴じ処理部83によって記録材端部周縁への綴じ処理が行われ、後処理記録材収容部77上に排出される。尚、この後処理記録材収容部77は、記録材排出方向に交差する方向にて選別収容ができるようになっていると共に、綴じられて排出される記録材束の数が増えるにつれて自動的に下方に移動するようになっている。
【0026】
一方、穿孔処理部72から下方に分岐した記録材搬送路78には、複数枚の記録材を冊子化するための中綴じ処理装置90が設けられている。
中綴じ処理装置90は、斜めに傾斜した状態で設けられた記録材整合部92を備え、この上流側には記録材整合部92に記録材を搬送するための羽根付き回転部材を持った搬送ロール91が設けられている。また、記録材整合部92の下端部には、記録材の下端部(先端部)を所定の位置に位置決めする周端案内部材96が記録材整合部92の上下方向に沿って移動できるように設けられている。更に、この周端案内部材96の近傍には、記録材の下端部を整列させるための羽根付き回転部材97が設けられている。
更にまた、記録材整合部92の上端部には、記録材整合部92に整列される記録材の幅方向の端部を揃える図示外の叩き部材が設けられ、この叩き部材を駆動する叩き部材駆動部98が設けられている。
そのため、記録材搬送路78から中綴じ処理装置90に搬送された記録材は、羽根付き回転部材を持った搬送ロール91を経由して記録材整合部92によって複数枚の記録材毎に揃えられるようになる。
【0027】
また、この中綴じ処理装置90には、記録材整合部92上に整列された複数枚の記録材に対し、中綴じを行う中綴じ用の中綴じ処理部94が設けられ、この中綴じ処理部94の上方には、中綴じされた複数枚の記録材束に対し、中折りを行う折り刃95が中折り用ロール対93を対向にして進退自在に設けられている。そのため、記録材整合部92にて整列された複数枚の記録材に対し、周端案内部材96を移動させることで、中綴じ処理部94による中綴じがなされ、更に、折り刃95を中折り用ロール対93側に進出させることで中折りされた記録材束が、中折りされた折り部(背)を先頭にして排出ロール99から後続の断裁装置100側へ搬送されるようになっている。
【0028】
また、本実施の形態の断裁装置100は、記録材後処理装置70との間に循環移動する対構成のベルト搬送体107を配設し、記録材後処理装置70にて冊子状に作製された記録材束をこのベルト搬送体107によって挟持搬送した後に断裁装置100に導くようになっている。この断裁装置100内には、冊子状の記録材束を挟持搬送する対構成の搬送ベルト101,102が夫々搬送方向と略直交する方向に延びる例えば2組の平行なベルトとして設けられ、その間には、記録材束の先端(冊子状に中折りされた折り部)を位置決めする位置決め部材103が設けられており、この位置決め部材103は対構成の搬送ベルト101,102による記録材束搬送面に対し例えば下方から進退できるようになっている。
そのため、冊子状の記録材束は、搬送ベルト101,102によって挟持されたまま位置決め部材103にて位置決めされた後、この位置決め部材103より上流側に設けられた刃104が降下することで、記録材束の後端部分(冊子の小口部分)が断裁仕上げされるようになる。尚、このとき、刃104による断裁によって発生した記録材屑は、屑収容箱105に収容される。
【0029】
更に、本実施の形態では、断裁装置100の下流側に断裁仕上げされた冊子状の記録材束を収容する記録材収容装置120が設けられている。本実施の形態における記録材収容装置120は、図5(a)(b)に示すように構成されている。ここで、(a)は断裁装置100にて断裁仕上げされた記録材束が搬送される方向と交差する方向から見た図であり、(b)は(a)の矢印A方向(側方)から見た図である。
これらの図において、本実施の形態の記録材収容装置120は、搬送される記録材束の幅方向両端部にて上方に延びる2本の支柱部121a,121bを基台上に持った架台121と、これらの支柱部121a,121b間に渡されて設けられる複数の記録材束収容部材130(本例では5個)と、断裁装置100(図2参照)にて断裁仕上げされた記録材束を記録材束収容部材130に搬送する記録材束搬送手段としての記録材束搬送ベルト140が設けられている。
【0030】
そして、本実施の形態における移動手段は、記録材収容部材130を移動させるように構成され、支柱部121a,121bに設けられた上下の回転ベルト、具体的には下部ベルト122と上部ベルト123(本例では両回転ベルトは夫々の支柱部121a,121bに対構成の状態で設けられている)と、これらの下部ベルト122及び上部ベルト123の表面に所定の間隔(具体的には上部ベルト123側が下部ベルト122側より広い間隔となっている)で取り付けられた留め具、具体的には下部留め具124及び上部留め具125等で構成されている。また、下部ベルト122は2個の張架ロール126,127に張り渡され、例えば図示外の駆動源であるモータによって張架ロール126が駆動されることで、循環移動するようになっている。一方、上部ベルト123は、下部ベルト122が張架された張架ロール127と上方に設けられた張架ロール128との間に張り渡され、例えば張架ロール128を図示外のモータによって駆動することで循環移動するようになっている。尚、張架ロール127は、下部ベルト122と上部ベルト123とが夫々独立に回転できるように、例えば1本の軸にベアリング等を装着した構成となっている。
更に、下部ベルト122や上部ベルト123に取り付けられた下部留め具124や上部留め具125には記録材束収容部材130が引っかけられるようになっており、下部ベルト122及び上部ベルト123の回転に伴って、記録材束収容部材130が上方に移動できるようになっている。尚、下部ベルト122及び上部ベルト123の駆動は所定のタイミングで行われることは云うまでもない。
【0031】
これにより、本実施の形態では、記録材収容部材130を下方の待機位置から、上方の記録材束を収容できる収容可能位置へ、更には記録材束が収容された記録材収容部材130から記録材束を取り出し可能な取出位置へと移動できるようになっている。
そして、本実施の形態では、記録材収容部材130の待機位置での移動や待機位置から収容可能位置への移動は下部ベルト122の移動によって下部留め具124が移動することで行われる一方、収容可能位置から取出位置への移動や取出位置内での移動は上部ベルト123の上部留め具125が移動することで行われる。そのため、記録材収容部材130が収容可能位置にあるときに下部留め具124及び上部留め具125の両者が記録材収容部材130に引っかかるように構成されている。
【0032】
また、本実施の形態の記録材束搬送ベルト140は、断裁装置100側に設けられた駆動ロール141と下流側に設けられた従動ロール142との間に張架され、図示外の駆動源としてのモータによって駆動ロール141が回転することで、記録材束搬送ベルト140が循環移動できるようになっている。そして、この記録材束搬送ベルト140の上方で、記録材束収容部材130の下流側端部近傍には、この記録材束搬送ベルト140上を搬送される記録材束の周端を検知する周端検知器143が設けられている。
更に、本実施の形態では、収容可能位置にある記録材束収容部材130上の記録材束の有無を検知するための記録材束検知器144と作動片145とが設けられ、また、作動片145は、その一部を揺動支点145aとするように取り付けられている。そして、収容可能位置にある記録材収容部材130に記録材束がない場合には、揺動支点145aを中心に作動片145の下流側が記録材束収容部材130の記録材束収容面より持ち上がるように図示外の弾性部材によって付勢されている。そのため、記録材束収容部材130上に記録材束が収容されていない状態では作動片145の上流側端部が記録材束検知器144に近づくことで記録材束収容部材130上に記録材束がないことが分かるようになっている。
尚、これらの周端検知器143や記録材束検知器144の配置は限定されず、適宜行うようにすればよく、また、その検知方式も機械的、光学的、電気的、磁気的等いずれでもよいし、これらを組み合わせるようにしても差し支えない。
【0033】
次に、本実施の形態における記録材束搬送ベルト140と収容可能位置における記録材束収容部材130との構成について詳述する。
図6(a)(b)は、収容可能位置での記録材束収容部材130を示す図であり、(a)は記録材収容装置120を上方から見た図であり、(b)は(a)の矢印B方向から見た図である。
同図において、本実施の形態の記録材束収容部材130は、記録材束搬送方向に沿って後傾する傾斜面131とこの傾斜面131まで略水平に設けられた収容面132とで構成されている。尚、傾斜面131は水平面から約30〜45°の角度の傾斜となっている。
また、収容面132には、2箇所に大きな切り欠き部132aを有し、この切り欠き部132aに対応する部分に後述する記録材束搬送ベルト140が互いに干渉することなく挿入されるようになっている。更に、記録材束収容部材130の記録材束搬送方向上流側端部には規制突起部133を設け、記録材束収容部材130に収容された記録材束が記録材束収容部材130の移動時に記録材束収容部材130からこぼれ落ちないようになっている。特に、本実施の形態では、この規制突起部133を記録材束収容部材130の記録材束の幅方向(記録材束搬送方向に直交する方向)の両端部にも設け、この方向での記録材束のこぼれ落ちも防ぐと共に、記録材束収容部材130自体の強度も高めるようになっている。
また、記録材束収容部材130の収容面132の両側方(本実施の形態では規制突起部133の近傍)には、複数の孔部134,135が設けられている。そのため、この孔部134,135に上述した下部留め具124や上部留め具125が挿入されることで、記録材束収容部材130を待機位置、収容可能位置、取出位置へと順次上方に移動させることができるようになる。
【0034】
一方、記録材束収容部材130の2箇所の切り欠き部132aに対応する位置の記録材束搬送ベルト140側には、下流側の従動ロール142(具体的には2個の従動ロール142a,142b)を回転可能に支持する固定梁146が夫々の切り欠き部132aに対応する形で設けられている。そのため、記録材束搬送ベルト140は、2本に分割された形で、記録材束収容部材130の切り欠き部132aに入り込むようにして図の矢印方向に循環移動できるようになっている。
そして、記録材束搬送ベルト140の記録材束搬送面は、記録材束収容部材130の収容面132やこの収容面132の外周に設けられた規制突起部133の頂部よりも高く設定されているため、記録材束搬送ベルト140上を搬送される記録材束は記録材束収容部材130の傾斜面131側へ有効に搬送されるようになる。
【0035】
以上のような構成の記録材処理装置における作動について、特に、記録材後処理装置70以降を中心に記録材の加工状態を含めて説明する。
本実施の形態では、図3に示すように、画像形成装置10によって画像が形成された記録材が反転搬送装置50、待機装置60を経由して記録材後処理装置70に搬送される。 記録材後処理装置70内の記録材搬送路78を通過した記録材は、中綴じ処理装置90に搬送され、ここで整列された記録材束に対し中綴じがなされ、更に中折りが行われる。折られた記録材束は、折り部(背)を先頭にした状態で排出ロール99からベルト搬送体107を経由して断裁装置100に搬送される。
断裁装置100では、位置決め部材103にて記録材束の折り部が位置決めされた状態で、刃104による断裁が行われ、記録材束は所定の長さに断裁仕上げ(小口断裁仕上げ)がなされる。
【0036】
このような断裁までの工程での記録材は、図7(a)〜(c)のように変化する。すなわち、(a)のように、先ず整列された複数枚の記録材が記録材後処理装置70にて中綴じされた記録材束になる。そして、同じ記録材後処理装置70内で中折りされた記録材束は、(b)のような形状になる。このとき、折られた記録材束の内側部分と外側部分(表面側)との長さは異なるため、中折りされた段階での記録材束は端部の長さ(小口部分)が不揃いとなっている。そのため、断裁装置100でこの不揃い部分を断裁仕上げすることで、(c)のように端部の長さが一致した仕上げ状態の冊子状の記録材束が得られるようになる。
【0037】
そして、断裁装置100で断裁仕上げされた記録材束は、順次記録材収容装置120側へ搬送される。
図8(a)〜(c)は、記録材束が記録材束搬送ベルト140によって搬送され、収容可能位置にある記録材束収容部材130に収容される様子を時系列的に示したものとなっている。
本実施の形態では、断裁装置100によって断裁仕上げされた記録材束は、記録材束搬送ベルト140上で記録材束の一部が重なるようになっている。このことは、例えば、断裁装置100からの記録材束の送り出しと、記録材束搬送ベルト140の搬送制御を所定のタイミングによって行うようにすればよい。
【0038】
そして、図8(a)に示すように、記録材束搬送ベルト140上で、断裁装置100から先に送り出された記録材束は、その一部に後続の記録材束が重なった状態で記録材束搬送ベルト140上を搬送されるようになる。
そして、図8(b)(c)に示すように、記録材束搬送ベルト140上を搬送された記録材束のうち、先頭の記録材束が記録材束収容部材130の傾斜面131に到達すると、その後、後続の記録材束が順次一つ前の記録材束を押すようになる。このとき、傾斜面131が所定の角度となっていることから、記録材束に対しては記録材束搬送ベルト140から与えられる搬送力と記録材束自体が接触する部位の摩擦力が作用し、先頭の記録材束は傾斜面131を滑って折り部(背)を上に向ける形に整列する。その後、後続の記録材束が夫々一つ前の記録材束に沿う方向に並ぶようになる。そして、周端検知器143(図5参照)によって所定量の記録材束が搬送されると、断裁装置100からの記録材束の送り出しが停止される。
【0039】
記録材束搬送ベルト140にて搬送された所定量の記録材束は記録材束収容部材130上及び記録材束搬送ベルト140上に整列するようになるが、その後、記録材束収容部材130を図の上方に持ち上げることで、整列された記録材束はそのままの状態を保ちながら全て記録材束収容部材130上に移動するようになる。
【0040】
次に、記録材束収容部材130の移動方式について図5、図6並びに後述する図9を併用して説明する。図9(a)(b)は下部留め具124や上部留め具125によって記録材束収容部材130が移動する様子を示したものであり、(a)は記録材束の搬送方向から見た概要図であり、(b)は正面から見た概要図となっている。
記録材束収容部材130を待機位置から収容可能位置に上昇させるには、下部ベルト122の下部留め具124に装着された記録材束収容部材130をそのまま下部ベルト122の回転によって行うようにする。その後、収容可能位置に到達した段階で下部ベルト122を停止させる。
収容可能位置で記録材束を収容した後、その収容可能位置のまま今度は上部ベルト123を回転させる。この上部ベルト123の回転によって上部留め具125が移動し、収容可能位置にある記録材束収容部材130の孔部(例えば本例では図6(a)で示す符号135)に上部留め具125が挿入される。このとき、記録材束収容部材130の孔部(例えば本例では図6(a)で示す符号134)には、下部留め具124も挿入された状態となっているが、上部ベルト123の更なる回転によって、下部留め具124が記録材束収容部材130の孔部から外れ、記録材束収容部材130はそのまま上昇する。その後、記録材束収容部材130が所定位置まで上昇(例えば取出位置の最下方位置まで)した後、上部ベルト123を停止させる。
【0041】
次に、待機位置にある記録材束収容部材130を収容可能位置まで持ち上げる。このときは、下部ベルト122を回転させるようにすればよい。そして、記録材束収容部材130に記録材束を収容した後、記録材束収容部材130を収容可能位置から上昇させる。この上昇によって、先に取出位置に運ばれた記録材束収容部材130は、更に上昇するようになり、2箇所の取出位置に記録材束が収容された記録材束収容部材130が運ばれるようになる。
このようなことを繰り返すことで、例えば図5(a)の破線で示す4箇所の取出位置とセット位置の5箇所にある記録材束収容部材130に記録材束を収容することができるようになる。尚、取出位置にある記録材束収容部材130から整列収容された記録材束を適宜取り出すようにすればよいことは云うまでもない。
【0042】
本実施の形態では、4箇所の取出位置の態様を示したが、これに限らず、収容可能位置にある記録材束収容部材130も上昇させるようにして、5箇所の取出位置とするようにしてもよく、また、記録材束収容部材130の数は5個に限るものでもない。
更に、例えば取出位置から記録材束が取り出された記録材束収容部材130を上部ベルト123及び下部ベルト122を逆回転させることで、待機位置まで下降させるようにしても差し支えない。この場合、下部ベルト122を回転させて記録材束収容部材130を収容可能位置まで下降させた後、更に上部ベルト123を回転させ、上部留め具125が記録材束収容部材130から外れた後に、下部ベルト122を回転させるようにすればよい。
【0043】
更に、本実施の形態では、収容可能位置にある記録材束収容部材130上の記録材束の有無を検知する作動片145を設けている。図10(a)(b)は、この作動片145の動作を示すものであり、(a)は記録材束収容部材130に記録材束がない状態、(b)は記録材束収容部材130に記録材束が収容されている状態を示す。
(a)のように、記録材束がない状態では、作動片145の下流側(記録材束収容部材130上に延びた部分)は揺動支点145aから上方に持ち上がった状態で保持され、作動片145の上流側が記録材束検知器144に接近する位置に保たれる。そのため、このような配置を例えば近接センサ等の検知器にて検知することで、記録材束収容部材130上に記録材束がないことを検知するようにすればよい。
一方、記録材束収容部材130上に記録材束があると、(b)に示すように、この記録材束によって作動片145の下流側が下がり、その結果、作動片145の上流側が記録材束検知器144から離れるようになる。そのため、この状態を記録材束検知器144にて検知することで、記録材束収容部材130上に記録材束があることを検知することができるようになる。
【0044】
本実施の形態では、記録材束収容部材130の移動に際し、下部ベルト122や上部ベルト123の回転を利用するようにしたが、これに限定されず、例えばウォームギアとボールリング等を組み合わせて、直線状に移動させるようにしてもよいし、ベルト以外のチェーン等を使用するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、画像形成装置10としてモノクロ画像を作製する構成を示したが、カラー画像を形成するようにしてもよいし、プリンタの構成とするようにしてもよい。
【0045】
また、図11は、本実施の形態の変形例を示すもので、本実施の形態では記録材束収容部材130を移動させていたが、これと異なり、記録材束搬送ベルト140側を移動する方式を示したものである。収容可能位置での記録材束の収容を終えると、記録材束搬送ベルト140が図の二点鎖線で示す位置に移動するようにすれば、ここを新たな収容可能位置として記録材束を収容することができるようになる。更に、このとき、記録材束収容部材130を同時に上方に移動させるようにしても差し支えない。尚、このように記録材束搬送ベルト140を移動させる際、断裁装置100(図2参照)から送り出される記録材束の位置を調整するようにしてもよいことは云うまでもない。
【0046】
更に、図12(a)(b)は、上述の記録材収容部材130と異なる形状の記録材収容部材130’(例えば切り欠き部のないもの)を適用した例を示すもので、(a)のように記録材束搬送ベルト140’によって記録材束は記録材束収容部材130’側に収容され、記録材束搬送ベルト140’上に残余の記録材束がある状態で、(b)に示すように、記録材束搬送ベルト140’を上流側(図の左方)に後退させる。このとき、突き当て棒150で記録材束を押すようにすれば、記録材束搬送ベルト140’上の記録材束を記録材束収容部材130’上に収容することができるようになる。尚、このように、記録材束搬送ベルト140’を進退させる方式にあっては、例えば断裁装置100(図3参照)側に記録材束搬送ベルト140’を収納可能な空きスペースを持っていることが好ましい。
そして、収容可能位置で記録材束収容部材130’に記録材束を収容した後、記録材束収容部材130’を移動させるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る記録材処理装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係る記録材収容装置の概要を示す説明図である。
【図3】本発明が適用された実施の形態に係る記録材処理装置を示す説明図である。
【図4】実施の形態の画像形成装置を示す説明図である。
【図5】(a)(b)は実施の形態の記録材収容装置を示す説明図であり、(b)は(a)のA方向から見た図である。
【図6】(a)(b)は実施の形態の記録材束収容部材と記録材束搬送ベルトとの関係を示す図であり、(b)は(a)の矢印B方向から見た図である。
【図7】(a)〜(c)は記録材束の変化を示す説明図である。
【図8】(a)〜(c)は記録材束収容部材での記録材束の様子を示す説明図である。
【図9】(a)(b)は記録材束収容部材の移動方法を示す説明図である。
【図10】(a)(b)は記録材束収容部材上の記録材束の有無を検知する方式を示す説明図である。
【図11】実施の形態の変形例を示す説明図である。
【図12】実施の形態の他の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1…画像形成装置,2…記録材後処理装置,3…記録材収容装置,4…記録材束搬送手段,5…記録材束収容部材,6…移動手段,7…切り欠き部,8…傾斜面,9…規制突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ねられた複数枚の記録材を冊子状に折り曲げた記録材束が搬送される記録材束搬送手段と、
この記録材束搬送手段によって搬送される記録材束が収容される複数の記録材束収容部材と、
前記記録材束収容部材及び前記記録材束搬送手段の少なくともいずれか一方が相対移動可能に支持され、複数の記録材束収容部材のいずれか一つが記録材束搬送手段によって搬送される記録材束を収容する収容可能位置に選択的に配置され且つ他の記録材束収容部材が前記収容可能位置から外れた非収容可能位置に配置される移動手段とを備え、
前記収容可能位置に位置する記録材束収容部材は、記録材束搬送手段の記録材束搬送領域の少なくとも一部を記録材束収容領域の一部として兼用するように配置され、記録材束搬送手段にて搬送される記録材束にて直前に搬送された記録材束を押し込み搬送可能とすることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項2】
請求項1記載の記録材収容装置において、
記録材束収容部材は、前記記録材束収容領域の記録材束搬送手段による記録材束搬送方向上流側端部から窪む切り欠き部を有し、記録材束搬送手段はこの切り欠き部に非接触に配置されることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項3】
請求項1記載の記録材収容装置において、
記録材束搬送手段は、冊子状記録材束の折り部を先頭にして記録材束を搬送することを特徴とする記録材収容装置。
【請求項4】
請求項3記載の記録材収容装置において、
記録材束搬送手段は、複数の記録材束同士を互いにその一部が重なった状態で搬送することを特徴とする記録材収容装置。
【請求項5】
請求項1記載の記録材収容装置において、
記録材束収容部材は、その記録材束搬送方向下流端部側に記録材束の搬送方向に沿って後傾し且つ搬送される記録材束を停止させて整列収容可能な傾斜面を備えることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項6】
請求項1記載の記録材収容装置において、
記録材束収容部材は、少なくともその上流端部側に、前記記録材束収容面より上方に突出し且つ前記収容可能位置にて記録材束搬送手段の記録材束搬送面より下方に位置する規制突起部を備えることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項7】
請求項1記載の記録材収容装置において、
移動手段は、前記収容可能位置と前記非収容可能位置との間で記録材束収容部材を移動させるものであることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項8】
請求項7記載の記録材収容装置において、
前記非収容可能位置は、収容可能位置より下方で記録材束が収容されていない記録材束収容部材を待機させる待機位置と、収容可能位置より上方で記録材束収容部材に収容された記録材束を当該記録材束収容部材から取り出し可能な取出位置とで設定されることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項9】
請求項1記載の記録材収容装置において、
記録材束搬送手段は、搬送される記録材束を計数可能な計数手段を更に備える一方、
移動手段は、この計数手段からの情報に基づいて記録材束収容部材及び記録材束搬送手段の少なくとも一方を移動させるものであることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項10】
請求項9記載の記録材収容装置において、
記録材束搬送手段は、更に、当該記録材束搬送手段によって搬送される記録材束が収容される記録材束収容部材の記録材束収容情報を検知する収容検知手段を備え、
この収容検知手段からの情報により記録材束の収容がない条件下で前記計数手段の計数を可能にすることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項11】
重ねられた複数枚の記録材を冊子状に折り曲げた記録材束が搬送される記録材束搬送手段と、
この記録材束搬送手段によって搬送された記録材束が収容される複数の記録材束収容部材とを備え、
前記記録材束搬送手段にて連続的に記録材束が搬送される場合には、一つの記録材束収容部材が予め決められた所定の収容量に達すると他の記録材束収容部材に収容されるように、記録材束搬送手段又は記録材束収容部材の少なくともいずれか一方を移動させることを特徴とする記録材収容装置。
【請求項12】
画像が形成された記録材を複数枚重ねて少なくとも冊子状に折り曲げた記録材束に処理する記録材処理部と、
請求項1乃至11のいずれかに記載の記録材収容装置とを備えたことを特徴とする記録材後処理装置。
【請求項13】
記録材上に画像を形成する画像形成装置と、
請求項12記載の記録材後処理装置とを備えたことを特徴とする記録材処理装置。
【請求項14】
記録材上に画像を形成する画像形成装置と、
この画像形成装置にて画像が形成された記録材を複数枚重ねて少なくとも冊子状に折り曲げた記録材束を作製する記録材束作製装置と、
請求項1乃至11のいずれかに記載の記録材収容装置とを備えたことを特徴とする記録材処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−156046(P2008−156046A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345776(P2006−345776)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】