記録液カートリッジ及び画像形成装置
【課題】 インク袋を収容する記録液カートリッジの筺体形状が複雑になってコストが高くなるか、あるいは、インク袋が破損しやすい。
【解決手段】 インクカートリッジ10の第1筐体112A及び第2筐体112Bには、内外形状が同じで内面が可撓性を有する記録液収容手段であるインク袋111の一部である上端部124a、124bを面当りで当接して保持する保持手段としてのラウンド形状部123a、123bを形成し、一部を面あたりとすることで形状の簡素化を図るとともに、インク袋111に対して集中的な力が作用しなくなって破損を防止できる。
【解決手段】 インクカートリッジ10の第1筐体112A及び第2筐体112Bには、内外形状が同じで内面が可撓性を有する記録液収容手段であるインク袋111の一部である上端部124a、124bを面当りで当接して保持する保持手段としてのラウンド形状部123a、123bを形成し、一部を面あたりとすることで形状の簡素化を図るとともに、インク袋111に対して集中的な力が作用しなくなって破損を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録液カートリッジ及び画像形成装置に関し、特に記録液を吐出する記録ヘッドを備えた画像形成装置及び記録液を収容保持する記録液カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として知られているインクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録媒体(以下、用紙というが材質を紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、また、記録媒体、記録紙などとも称されるものを含む。)に、記録液であるインクを吐出して記録を行うものであり、特に、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においては、液滴を吐出する記録ヘッドに対する記録液の供給系として、記録ヘッドを搭載したキャリッジに直接インクを供給するインクカートリッジを着脱自在に装着する方式のもの、記録ヘッドを搭載したキャリッジには記録ヘッドにインクを供給するサブタンクを搭載し、装置本体側に交換可能に装填されるメインの記録液カートリッジであるインクカートリッジとサブタンクとを可撓性チューブ(パイプなどを含む)などで連結し、サブタンクのインク容量が減少したときにインクカートリッジからインクを供給(補給)する方式のものがある。
【0004】
そして、後者のサブタンク方式のインクジェット記録装置で用いられているインクカートリッジとしては、特許文献1に記載されているように、インク供給口部及び封止されたインク充填口部を有する保持部材を備えたインク収納手段と、このインク収納手段の保持部材を保持するための保持手段を有する第1筐体と、この第1筐体と外形形状が相似の第2筐体と、第1筐体と第2筐体とを合わせた状態で第1筐体及び第2筐体のインク供給側前面に嵌め込まれる第3筐体とを備え、第1、第2、第3筐体は分解及び組立て可能であるように構成されたインクカートリッジが知られている。
【特許文献1】特開2004−195962号公報
【0005】
また、インクカートリッジとしては、特許文献2に記載されているように、インク袋を収納する外装(筺体)をインク袋の外形形状に倣った形状にして、インク袋を面全体で保持するようにしたもの、特許文献3に記載されているように、筺体の内部に設けた複数のリブによってインク袋を保持するようにしたものなどがある。
【特許文献2】特公平6−65492号公報
【特許文献3】特公平8−230204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献3に記載のインクカートリッジのように筺体内に複数のリブを設けてインク袋を保持するようにした場合、インクカートリッジが落下などしたり、揺れたりしたときに、その衝撃でリブがインク袋に対して点当りとなって集中荷重が働き、インク袋に突き刺さってインク袋が破損するおそれがあるという課題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載のインクカートリッジのように筺体の形状をインク袋の形状に倣わせて形成するのでは、形状が複雑になるとともに、スペース上の制約も増え、設計、製作上の自由度が低下するという課題がある。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録液カートリッジの筺体を簡単な形状にでき、しかも液体収容手段の破損も防止できるようにすることを目的とし、また、この記録液カートリッジを搭載する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る記録液カートリッジは、記録液収容手段を保持する筺体の内面側には可撓性を有する記録液収容手段の一部を面当りで当接して保持する保持手段が設けられている構成とした。
【0010】
ここで、保持手段の保持面は記録液収容手段の外形状に沿った形状であることが好ましく、また、保持手段は記録液収容手段をこの記録液収容手段の記録液排出口部と異なる部位で保持することが好ましく、更に、筺体の保持手段に対応する外面側にはリブが形成されていることが好ましく、このリブは筺体の最外面から突出していないことが好ましい。さらにまた、記録液収容手段を保持する筺体は、外形形状が略相似する前記第1筺体及び第2筺体に分割され、これらの第1筺体及び第2筺体のいずれか一方の一辺側には嵌合手段を、他方の対応する一辺側には嵌合手段が嵌合する嵌合部が設けられ、これらの嵌合手段と嵌合部を嵌合させた状態で第1筺体と第2筺体が合わせて閉じられる構成であることが好ましい。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドに供給する記録液を収容保持した本発明に係る記録液カートリッジを交換可能に備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る記録液カートリッジによれば、記録液収容手段を保持する筺体の内面側には可撓性を有する記録液収容手段の一部を面当りで当接して保持する保持手段が設けられている構成としたので、記録液収容手段が破損することを防止できる。
【0013】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る記録液カートリッジを備えているので、装置本体内での液漏れを防止できるとともに装置全体でのコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図、図2は同記録装置のカートリッジ装填部の前カバーを開いた状態の斜視説明図である。
【0015】
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0016】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の本発明に係る記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
【0017】
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
【0018】
さらに、カートリッジ装填部4の前カバー6は、全体が、この前カバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができる透明又は半透明の部材で形成されている。なお、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができれば一部が透明又は半透明の部材で形成されている構成とすることもできる。
【0019】
また、前カバー6の上側一端部には前カバー6の開閉を検知するためにカートリッジ装填部4の内部に設けられた図示しない開閉検知手段である検知センサによって検知される突起部(センサ片)16を設けている。
【0020】
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同機構部の全体構成を説明する側面概略構成図、図4は同機構部の要部平面説明図である。
【0021】
フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図4で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0022】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0023】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0024】
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
【0025】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
【0026】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0027】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0028】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0029】
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0030】
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド35側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
【0031】
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図4のベルト搬送方向に周回移動する。
【0032】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0033】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0034】
さらに、図4に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
【0035】
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
【0036】
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
【0037】
また、図4に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0038】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0039】
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0040】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0041】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0042】
次に、このインクジェット記録装置で使用しているインクカートリッジ10の詳細について図5及び図6をも参照して説明する。なお、図5は同インクカートリッジの外観斜視説明図、図6は同インクカートリッジの断面説明図である。
このインクカートリッジ10は、インクを充填した記録液収容手段であるインク袋111と、このインク袋111を着脱可能に内部に収納する外装としての筐体112を備えている。この筐体112は、二分割された外形状が略相似な第1筐体112Aと第2筐体112Bとを備え、これらによってインク袋111の側面を保護するとともにこのインクカートリッジ10の外装を構成している。
【0043】
インク袋111は、例えば、2枚のアルミラミネートフィルム121a、121bの周囲を融着して構成した略四角形状(ここでは長方形状)の可撓性を有する袋本体121に、記録液(インク)を排出する(装置本体1に供給する)インク排出口部122を設けたものである。
【0044】
このような可撓性を有するインク袋111を筺体112内に収納する場合、インク袋111を筺体112内にガタツキが少ないように保持収納する必要があるが、このとき、筐体112内に複数配置したリブによって保持すると、落下した場合になどにインク袋111に対して集中的な荷重が作用して破損するおそれがあり、また、筐体112全体をインク袋111の外形状に合わせて形成することは筐体形状が複雑になる。
【0045】
そこで、このインクカートリッジ10では、筺体112を構成する第1筺体112A及び第2筺体112Bの上端部及び下端部の側壁部は、断面形状で少なくとも内面がラウンド形状(各筺体では略円弧形状)に形成されたラウンド形状部123a、123bとし、内部に収納するインク袋111の上端部124a及び下端部124bの近傍の外面形状に沿わせた形状としている。このラウンド形状部123a、123bは、インク袋111の一部を面当りで当接して保持する保持手段を構成する。
【0046】
そして、側壁部のラウンド形状部123a、123bの外面と上部壁部123c、底部壁部123dとの間には複数の補強用リブ123eを形成している。このリブ123eは図6に示すように筺体112を構成する第1筺体112A及び第2筺体112Bの側壁の最外面から突出しない形状に形成することで、単に補強用だけでなく、リブ123eの凹凸部分を持つときにユーザーの手(指)がフィットするようなすべり止めとして機能させることができる。
【0047】
これにより、インクカートリッジ10の輸送中などに内部でインク袋111が揺れたり、或いはインクカートリッジ10が落下されたりした場合でも、第1筺体112A及び第2筺体112Bの内面に衝突したインク袋111に対して集中荷重が作用するようなことがなく、インク袋111のアルミラミネートフィルム121a、121bが破損することを防止でき、また、筐体112のすべての内面形状をインク袋111の外面形状に沿った形状にするものではないために構成も簡単になる。
【0048】
次に、このような二分割構造のインクカートリッジの筐体の組み付け構造について図7ないし図9をも参照して説明する。なお、図7は同インクカートリッジの筐体を展開した状態の模式的斜視説明図、図8は同じく組み付け状態の説明に供する斜視説明図、図9は組み立てた状態の斜視説明図である。ここで各図は簡略化して図示しているが、前記図5及び図6と対応する部分には同一符号を使用して説明する。
【0049】
前述したようにインクカートリッジ10の筐体112は、外形形状が略相似する第1筺体112A及び第2筺体112Bに分割して構成している。ここで、第1筺体112A及び第2筺体112Bの一方の第1筺体112Aの一辺側には嵌合手段となる嵌合突起131a、131b、131c(区別しない場合は「嵌合突起131」という。)を設け、他方の第2筐体112Bには対応する一辺側に嵌合突起131a、131b、131cが嵌合する嵌合部である嵌合爪132a、132b、132c(区別しない場合は「嵌合爪132」という。)を設けている。なお、第1筺体112A側に嵌合爪を、第2筺体112B側に嵌合突起を設ける構成とすることもできる。
【0050】
また、第1筐体112Aの嵌合突起131を設けた辺と反対側の辺の近くには側壁内面側にねじ止めに用いるボス部133、133を形成し、他方第2筐体112bにはねじ止めに用いる貫通穴134、134を形成している。さらに、第1筐体112A及び第2筐体112Bには前述したインク袋111のインク排出口部122に対応する半円形状の切り欠き部135A、135Bをそれぞれ形成している。
【0051】
そして、このインクカートリッジ10の筐体112を組み立てるには、図8にも示すように、第1筺体112Aの嵌合突起131a、131b、131cを、対応する第2筐体112Bの嵌合爪132a、132b、132に嵌合させた状態で、第1筐体112A及び第2筐体112Bを合わせて閉じた後、ねじ(締結部材)113、113を第2筐体112Bの貫通穴135Bを通して第1筐体112Aのボス部133に捻じ込んで締め付けることによって、第1筐体112Aと第2筐体112Bを固定する。
【0052】
この筐体112内にインク袋111を収納保持した状態で完成したインクカートリッジ10は図9に示すようになる。このインクカートリッジ10では、第1筐体112A側(第2筐体112B側でもよい。)に、このインクカートリッジ10に関する情報、例えば、インクの色種、インク種類、使用期限などの情報を記憶した記録手段であるIDチップ115を取り付けている。これにより、インクカートリッジ10を装置本体1に装着したときに装置本体1側でIDチップ115に記憶されている情報を読み込んで所要の制御を行なうことができるようになる。
【0053】
このように、記録液収容手段を保持する筺体は、外形形状が略相似する第1筺体及び第2筺体に分割され、これらの第1筺体及び第2筺体のいずれか一方の一辺側には嵌合手段を、他方の対応する一辺側には嵌合手段が嵌合する嵌合部が設けられ、これらの嵌合手段と嵌合部を嵌合させた状態で第1筺体と第2筺体が合わせて閉じられる構成とすることによって、第1筐体及び第2筐体の二分割筐体構造とした場合でも筐体を組み立てることができるようになり、部品点数が少なくなって組み付け作業性が向上し、コストも廉価になる。
【0054】
次に、インクカートリッジ10におけるインク袋111を収納保持するための筐体構造の詳細について図10及び図11を参照して説明する。なお、図10は同インクカートリッジの外観斜視説明図、図12は同インクカートリッジの分解斜視説明図である。ここでも、各図は簡略化して図示しているが、前記図5ないし図9と同一部分には同一符号を使用して説明する。
【0055】
前述したように、このインクカートリッジ10の第1筐体112A及び第2筐体112Bには、内外形状が同じで内面が可撓性を有する記録液収容手段であるインク袋111の一部である上端部124a、124bを面当りで当接して保持する保持手段としてのラウンド形状部123a、123bを形成している。
【0056】
このように、外装である第1筐体、第2筐体112A、112Bの一部を窪ませることによってインク袋111の必要な部分(この例では上端部124a、下端部124b)を部分的に面当りで保持することによって、インク袋111の破損を防止することができる。
【0057】
つまり、図13に示すように、第1筐体、第2筐体112A、112Bの内面側のインク袋111の上端部124a及び下端部124bに対応する部分に複数のリブ301を立設形成して保持するようにした場合、インクカートリッジ10が落下などしたり、揺れたりしたときに、その衝撃でリブ301がインク袋111に対して点当りとなって集中荷重が働き、インク袋111に突き刺さってインク袋110が破損するおそれがある。一方、図14に示すように、第1筐体、第2筐体112A、112Bの側壁面112a、112bの内面全部をインク袋111の外面形状に倣った形状に形成しようとすると、形状が複雑になるとともに、スペース上の制約も増え、設計、製作上の自由度が低下することになる。
【0058】
これに対して、外装の一部を窪ませてインク袋の必要な部分を部分的に面当りで保持することによって、インク袋の破損を防止することができるとともに、形状も簡単になり、スペース上の制約や設計、製作上の自由度の低下を低減することができる。
【0059】
この場合、保持手段であるラウンド形状部123a、123bの内面(保持面)はインク袋111の上端部124a及び下端部124bの外形状に沿った形状となっているので、より安定してインク袋111を保持することができる。
【0060】
また、この保持手段であるラウンド形状部123a、123bはインク袋111のインク排出口部122と異なる部位(インク排出方向と直交する方向の端部)である上端部124a及び下端部124bを保持しているので、インク袋111が筐体112内で動くことを効果的に抑制できる。
【0061】
さらに、筺体112の保持手段であるラウンド形状部123a、123bに対応する外面側には複数のリブ123eを形成しているので、ラウンド形状部123a、123bが破損しにくくなる。この場合、リブ123eが筐体112の最外面より突出しないように形成することで、補強だけでなく、インクカートリッジ10を出し入れするときの滑り止めの効果も併せ持たせることができる。
【0062】
次に、インクカートリッジ10におけるインク袋111を収納保持するための筐体構造の他の例の詳細について図12を参照して説明する。なお、同図は同インクカートリッジの第2筐体の斜視説明図である。ここでも、各図は簡略化して図示しているが、前記図5ないし図11と同一部分には同一符号を使用して説明する。
この例では、第2筐体112Bの内面に可撓性を有する記録液収容手段であるインク袋111の一部である上端部124a、124bを面当りで当接して保持する保持手段としての内面がラウンド形状となった保持部143を形成している。なお、第1筐体112Aも図示しないが同様な保持部143を設けている。
【0063】
このようにしても、前述した例と同様に、外装である第1筐体、第2筐体112A、112Bの保持部143でインク袋111の必要な部分(この例では上端部124a、下端部124b)を部分的に面当りで保持することができ、インク袋111の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同記録装置のカートリッジ装填部の前カバーを開いた状態の斜視説明図である。
【図3】同装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。
【図4】同機構部の要部平面説明図である。
【図5】同装置で使用するインクカートリッジの外観斜視説明図である。
【図6】同インクカートリッジの断面説明図である。
【図7】同インクカートリッジにおける筐体を展開した状態の模式的斜視説明図である。
【図8】同じく組み付け状態の説明に供する斜視説明図である。
【図9】同じく組み立てた状態の斜視説明図である。
【図10】同インクカートリッジの簡略化した外観斜視説明図である。
【図11】同じく分解斜視説明図である。
【図12】同インクカートリッジの筐体の他の例を説明する斜視説明図である。
【図13】同インクカートリッジの筐体の比較例の一例を説明する斜視説明図である。
【図14】同インクカートリッジの筐体の比較例の他の例を説明する斜視説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
4…カートリッジ装填部
10k、10c、10m、10y…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
36…インク供給チューブ
51…搬送ベルト
81…維持回復機構
111…インク袋
112…筺体
112A…第1筐体
112B…第2筺体
115…IDチップ
122…インク排出口部
123a、123b…ラウンド形状部(保持手段)
131a〜131c…嵌合突部
132a〜132c…嵌合爪
【技術分野】
【0001】
本発明は記録液カートリッジ及び画像形成装置に関し、特に記録液を吐出する記録ヘッドを備えた画像形成装置及び記録液を収容保持する記録液カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として知られているインクジェット記録装置は、記録ヘッドから被記録媒体(以下、用紙というが材質を紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、また、記録媒体、記録紙などとも称されるものを含む。)に、記録液であるインクを吐出して記録を行うものであり、特に、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においては、液滴を吐出する記録ヘッドに対する記録液の供給系として、記録ヘッドを搭載したキャリッジに直接インクを供給するインクカートリッジを着脱自在に装着する方式のもの、記録ヘッドを搭載したキャリッジには記録ヘッドにインクを供給するサブタンクを搭載し、装置本体側に交換可能に装填されるメインの記録液カートリッジであるインクカートリッジとサブタンクとを可撓性チューブ(パイプなどを含む)などで連結し、サブタンクのインク容量が減少したときにインクカートリッジからインクを供給(補給)する方式のものがある。
【0004】
そして、後者のサブタンク方式のインクジェット記録装置で用いられているインクカートリッジとしては、特許文献1に記載されているように、インク供給口部及び封止されたインク充填口部を有する保持部材を備えたインク収納手段と、このインク収納手段の保持部材を保持するための保持手段を有する第1筐体と、この第1筐体と外形形状が相似の第2筐体と、第1筐体と第2筐体とを合わせた状態で第1筐体及び第2筐体のインク供給側前面に嵌め込まれる第3筐体とを備え、第1、第2、第3筐体は分解及び組立て可能であるように構成されたインクカートリッジが知られている。
【特許文献1】特開2004−195962号公報
【0005】
また、インクカートリッジとしては、特許文献2に記載されているように、インク袋を収納する外装(筺体)をインク袋の外形形状に倣った形状にして、インク袋を面全体で保持するようにしたもの、特許文献3に記載されているように、筺体の内部に設けた複数のリブによってインク袋を保持するようにしたものなどがある。
【特許文献2】特公平6−65492号公報
【特許文献3】特公平8−230204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献3に記載のインクカートリッジのように筺体内に複数のリブを設けてインク袋を保持するようにした場合、インクカートリッジが落下などしたり、揺れたりしたときに、その衝撃でリブがインク袋に対して点当りとなって集中荷重が働き、インク袋に突き刺さってインク袋が破損するおそれがあるという課題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載のインクカートリッジのように筺体の形状をインク袋の形状に倣わせて形成するのでは、形状が複雑になるとともに、スペース上の制約も増え、設計、製作上の自由度が低下するという課題がある。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録液カートリッジの筺体を簡単な形状にでき、しかも液体収容手段の破損も防止できるようにすることを目的とし、また、この記録液カートリッジを搭載する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る記録液カートリッジは、記録液収容手段を保持する筺体の内面側には可撓性を有する記録液収容手段の一部を面当りで当接して保持する保持手段が設けられている構成とした。
【0010】
ここで、保持手段の保持面は記録液収容手段の外形状に沿った形状であることが好ましく、また、保持手段は記録液収容手段をこの記録液収容手段の記録液排出口部と異なる部位で保持することが好ましく、更に、筺体の保持手段に対応する外面側にはリブが形成されていることが好ましく、このリブは筺体の最外面から突出していないことが好ましい。さらにまた、記録液収容手段を保持する筺体は、外形形状が略相似する前記第1筺体及び第2筺体に分割され、これらの第1筺体及び第2筺体のいずれか一方の一辺側には嵌合手段を、他方の対応する一辺側には嵌合手段が嵌合する嵌合部が設けられ、これらの嵌合手段と嵌合部を嵌合させた状態で第1筺体と第2筺体が合わせて閉じられる構成であることが好ましい。
【0011】
本発明に係る画像形成装置は、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドに供給する記録液を収容保持した本発明に係る記録液カートリッジを交換可能に備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る記録液カートリッジによれば、記録液収容手段を保持する筺体の内面側には可撓性を有する記録液収容手段の一部を面当りで当接して保持する保持手段が設けられている構成としたので、記録液収容手段が破損することを防止できる。
【0013】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る記録液カートリッジを備えているので、装置本体内での液漏れを防止できるとともに装置全体でのコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図、図2は同記録装置のカートリッジ装填部の前カバーを開いた状態の斜視説明図である。
【0015】
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0016】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の本発明に係る記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
【0017】
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
【0018】
さらに、カートリッジ装填部4の前カバー6は、全体が、この前カバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができる透明又は半透明の部材で形成されている。なお、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができれば一部が透明又は半透明の部材で形成されている構成とすることもできる。
【0019】
また、前カバー6の上側一端部には前カバー6の開閉を検知するためにカートリッジ装填部4の内部に設けられた図示しない開閉検知手段である検知センサによって検知される突起部(センサ片)16を設けている。
【0020】
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同機構部の全体構成を説明する側面概略構成図、図4は同機構部の要部平面説明図である。
【0021】
フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図4で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0022】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0023】
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0024】
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
【0025】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
【0026】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0027】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0028】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0029】
そして、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0030】
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド35側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
【0031】
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図4のベルト搬送方向に周回移動する。
【0032】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0033】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0034】
さらに、図4に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。
【0035】
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
【0036】
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
【0037】
また、図4に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0038】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0039】
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0040】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0041】
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
【0042】
次に、このインクジェット記録装置で使用しているインクカートリッジ10の詳細について図5及び図6をも参照して説明する。なお、図5は同インクカートリッジの外観斜視説明図、図6は同インクカートリッジの断面説明図である。
このインクカートリッジ10は、インクを充填した記録液収容手段であるインク袋111と、このインク袋111を着脱可能に内部に収納する外装としての筐体112を備えている。この筐体112は、二分割された外形状が略相似な第1筐体112Aと第2筐体112Bとを備え、これらによってインク袋111の側面を保護するとともにこのインクカートリッジ10の外装を構成している。
【0043】
インク袋111は、例えば、2枚のアルミラミネートフィルム121a、121bの周囲を融着して構成した略四角形状(ここでは長方形状)の可撓性を有する袋本体121に、記録液(インク)を排出する(装置本体1に供給する)インク排出口部122を設けたものである。
【0044】
このような可撓性を有するインク袋111を筺体112内に収納する場合、インク袋111を筺体112内にガタツキが少ないように保持収納する必要があるが、このとき、筐体112内に複数配置したリブによって保持すると、落下した場合になどにインク袋111に対して集中的な荷重が作用して破損するおそれがあり、また、筐体112全体をインク袋111の外形状に合わせて形成することは筐体形状が複雑になる。
【0045】
そこで、このインクカートリッジ10では、筺体112を構成する第1筺体112A及び第2筺体112Bの上端部及び下端部の側壁部は、断面形状で少なくとも内面がラウンド形状(各筺体では略円弧形状)に形成されたラウンド形状部123a、123bとし、内部に収納するインク袋111の上端部124a及び下端部124bの近傍の外面形状に沿わせた形状としている。このラウンド形状部123a、123bは、インク袋111の一部を面当りで当接して保持する保持手段を構成する。
【0046】
そして、側壁部のラウンド形状部123a、123bの外面と上部壁部123c、底部壁部123dとの間には複数の補強用リブ123eを形成している。このリブ123eは図6に示すように筺体112を構成する第1筺体112A及び第2筺体112Bの側壁の最外面から突出しない形状に形成することで、単に補強用だけでなく、リブ123eの凹凸部分を持つときにユーザーの手(指)がフィットするようなすべり止めとして機能させることができる。
【0047】
これにより、インクカートリッジ10の輸送中などに内部でインク袋111が揺れたり、或いはインクカートリッジ10が落下されたりした場合でも、第1筺体112A及び第2筺体112Bの内面に衝突したインク袋111に対して集中荷重が作用するようなことがなく、インク袋111のアルミラミネートフィルム121a、121bが破損することを防止でき、また、筐体112のすべての内面形状をインク袋111の外面形状に沿った形状にするものではないために構成も簡単になる。
【0048】
次に、このような二分割構造のインクカートリッジの筐体の組み付け構造について図7ないし図9をも参照して説明する。なお、図7は同インクカートリッジの筐体を展開した状態の模式的斜視説明図、図8は同じく組み付け状態の説明に供する斜視説明図、図9は組み立てた状態の斜視説明図である。ここで各図は簡略化して図示しているが、前記図5及び図6と対応する部分には同一符号を使用して説明する。
【0049】
前述したようにインクカートリッジ10の筐体112は、外形形状が略相似する第1筺体112A及び第2筺体112Bに分割して構成している。ここで、第1筺体112A及び第2筺体112Bの一方の第1筺体112Aの一辺側には嵌合手段となる嵌合突起131a、131b、131c(区別しない場合は「嵌合突起131」という。)を設け、他方の第2筐体112Bには対応する一辺側に嵌合突起131a、131b、131cが嵌合する嵌合部である嵌合爪132a、132b、132c(区別しない場合は「嵌合爪132」という。)を設けている。なお、第1筺体112A側に嵌合爪を、第2筺体112B側に嵌合突起を設ける構成とすることもできる。
【0050】
また、第1筐体112Aの嵌合突起131を設けた辺と反対側の辺の近くには側壁内面側にねじ止めに用いるボス部133、133を形成し、他方第2筐体112bにはねじ止めに用いる貫通穴134、134を形成している。さらに、第1筐体112A及び第2筐体112Bには前述したインク袋111のインク排出口部122に対応する半円形状の切り欠き部135A、135Bをそれぞれ形成している。
【0051】
そして、このインクカートリッジ10の筐体112を組み立てるには、図8にも示すように、第1筺体112Aの嵌合突起131a、131b、131cを、対応する第2筐体112Bの嵌合爪132a、132b、132に嵌合させた状態で、第1筐体112A及び第2筐体112Bを合わせて閉じた後、ねじ(締結部材)113、113を第2筐体112Bの貫通穴135Bを通して第1筐体112Aのボス部133に捻じ込んで締め付けることによって、第1筐体112Aと第2筐体112Bを固定する。
【0052】
この筐体112内にインク袋111を収納保持した状態で完成したインクカートリッジ10は図9に示すようになる。このインクカートリッジ10では、第1筐体112A側(第2筐体112B側でもよい。)に、このインクカートリッジ10に関する情報、例えば、インクの色種、インク種類、使用期限などの情報を記憶した記録手段であるIDチップ115を取り付けている。これにより、インクカートリッジ10を装置本体1に装着したときに装置本体1側でIDチップ115に記憶されている情報を読み込んで所要の制御を行なうことができるようになる。
【0053】
このように、記録液収容手段を保持する筺体は、外形形状が略相似する第1筺体及び第2筺体に分割され、これらの第1筺体及び第2筺体のいずれか一方の一辺側には嵌合手段を、他方の対応する一辺側には嵌合手段が嵌合する嵌合部が設けられ、これらの嵌合手段と嵌合部を嵌合させた状態で第1筺体と第2筺体が合わせて閉じられる構成とすることによって、第1筐体及び第2筐体の二分割筐体構造とした場合でも筐体を組み立てることができるようになり、部品点数が少なくなって組み付け作業性が向上し、コストも廉価になる。
【0054】
次に、インクカートリッジ10におけるインク袋111を収納保持するための筐体構造の詳細について図10及び図11を参照して説明する。なお、図10は同インクカートリッジの外観斜視説明図、図12は同インクカートリッジの分解斜視説明図である。ここでも、各図は簡略化して図示しているが、前記図5ないし図9と同一部分には同一符号を使用して説明する。
【0055】
前述したように、このインクカートリッジ10の第1筐体112A及び第2筐体112Bには、内外形状が同じで内面が可撓性を有する記録液収容手段であるインク袋111の一部である上端部124a、124bを面当りで当接して保持する保持手段としてのラウンド形状部123a、123bを形成している。
【0056】
このように、外装である第1筐体、第2筐体112A、112Bの一部を窪ませることによってインク袋111の必要な部分(この例では上端部124a、下端部124b)を部分的に面当りで保持することによって、インク袋111の破損を防止することができる。
【0057】
つまり、図13に示すように、第1筐体、第2筐体112A、112Bの内面側のインク袋111の上端部124a及び下端部124bに対応する部分に複数のリブ301を立設形成して保持するようにした場合、インクカートリッジ10が落下などしたり、揺れたりしたときに、その衝撃でリブ301がインク袋111に対して点当りとなって集中荷重が働き、インク袋111に突き刺さってインク袋110が破損するおそれがある。一方、図14に示すように、第1筐体、第2筐体112A、112Bの側壁面112a、112bの内面全部をインク袋111の外面形状に倣った形状に形成しようとすると、形状が複雑になるとともに、スペース上の制約も増え、設計、製作上の自由度が低下することになる。
【0058】
これに対して、外装の一部を窪ませてインク袋の必要な部分を部分的に面当りで保持することによって、インク袋の破損を防止することができるとともに、形状も簡単になり、スペース上の制約や設計、製作上の自由度の低下を低減することができる。
【0059】
この場合、保持手段であるラウンド形状部123a、123bの内面(保持面)はインク袋111の上端部124a及び下端部124bの外形状に沿った形状となっているので、より安定してインク袋111を保持することができる。
【0060】
また、この保持手段であるラウンド形状部123a、123bはインク袋111のインク排出口部122と異なる部位(インク排出方向と直交する方向の端部)である上端部124a及び下端部124bを保持しているので、インク袋111が筐体112内で動くことを効果的に抑制できる。
【0061】
さらに、筺体112の保持手段であるラウンド形状部123a、123bに対応する外面側には複数のリブ123eを形成しているので、ラウンド形状部123a、123bが破損しにくくなる。この場合、リブ123eが筐体112の最外面より突出しないように形成することで、補強だけでなく、インクカートリッジ10を出し入れするときの滑り止めの効果も併せ持たせることができる。
【0062】
次に、インクカートリッジ10におけるインク袋111を収納保持するための筐体構造の他の例の詳細について図12を参照して説明する。なお、同図は同インクカートリッジの第2筐体の斜視説明図である。ここでも、各図は簡略化して図示しているが、前記図5ないし図11と同一部分には同一符号を使用して説明する。
この例では、第2筐体112Bの内面に可撓性を有する記録液収容手段であるインク袋111の一部である上端部124a、124bを面当りで当接して保持する保持手段としての内面がラウンド形状となった保持部143を形成している。なお、第1筐体112Aも図示しないが同様な保持部143を設けている。
【0063】
このようにしても、前述した例と同様に、外装である第1筐体、第2筐体112A、112Bの保持部143でインク袋111の必要な部分(この例では上端部124a、下端部124b)を部分的に面当りで保持することができ、インク袋111の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同記録装置のカートリッジ装填部の前カバーを開いた状態の斜視説明図である。
【図3】同装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。
【図4】同機構部の要部平面説明図である。
【図5】同装置で使用するインクカートリッジの外観斜視説明図である。
【図6】同インクカートリッジの断面説明図である。
【図7】同インクカートリッジにおける筐体を展開した状態の模式的斜視説明図である。
【図8】同じく組み付け状態の説明に供する斜視説明図である。
【図9】同じく組み立てた状態の斜視説明図である。
【図10】同インクカートリッジの簡略化した外観斜視説明図である。
【図11】同じく分解斜視説明図である。
【図12】同インクカートリッジの筐体の他の例を説明する斜視説明図である。
【図13】同インクカートリッジの筐体の比較例の一例を説明する斜視説明図である。
【図14】同インクカートリッジの筐体の比較例の他の例を説明する斜視説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
4…カートリッジ装填部
10k、10c、10m、10y…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
36…インク供給チューブ
51…搬送ベルト
81…維持回復機構
111…インク袋
112…筺体
112A…第1筐体
112B…第2筺体
115…IDチップ
122…インク排出口部
123a、123b…ラウンド形状部(保持手段)
131a〜131c…嵌合突部
132a〜132c…嵌合爪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録液を収容する記録液収容手段を収納した記録液カートリッジにおいて、前記記録液収容手段を保持する筺体の内面側には可撓性を有する前記記録液収容手段の一部を面当りで当接して保持する保持手段が設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の記録液カートリッジにおいて、前記保持手段の保持面は前記記録液収容手段の外形状に沿った形状であることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録液カートリッジにおいて、前記保持手段は前記記録液収容手段をこの記録液収容手段の記録液排出口部と異なる部位で保持することを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の記録液カートリッジにおいて、前記筺体の前記保持手段に対応する外面側にはリブが形成されていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の記録液カートリッジにおいて、前記リブは前記筺体の最外面から突出していないことを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の記録液カートリッジにおいて、前記記録液収容手段を保持する筺体は、外形形状が略相似する前記第1筺体及び第2筺体に分割され、これらの第1筺体及び第2筺体のいずれか一方の一辺側には嵌合手段を、他方の対応する一辺側には前記嵌合手段が嵌合する嵌合部が設けられ、これらの嵌合手段と嵌合部を嵌合させた状態で前記第1筺体と第2筺体が合わせて閉じられることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項7】
記録液の液滴を吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドに供給する記録液を収容保持した記録液カートリッジとを交換可能に備える画像形成装置において、前記記録液カートリッジが請求項1ないし7のいずれかに記載の記録液カートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
記録液を収容する記録液収容手段を収納した記録液カートリッジにおいて、前記記録液収容手段を保持する筺体の内面側には可撓性を有する前記記録液収容手段の一部を面当りで当接して保持する保持手段が設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の記録液カートリッジにおいて、前記保持手段の保持面は前記記録液収容手段の外形状に沿った形状であることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録液カートリッジにおいて、前記保持手段は前記記録液収容手段をこの記録液収容手段の記録液排出口部と異なる部位で保持することを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の記録液カートリッジにおいて、前記筺体の前記保持手段に対応する外面側にはリブが形成されていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の記録液カートリッジにおいて、前記リブは前記筺体の最外面から突出していないことを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の記録液カートリッジにおいて、前記記録液収容手段を保持する筺体は、外形形状が略相似する前記第1筺体及び第2筺体に分割され、これらの第1筺体及び第2筺体のいずれか一方の一辺側には嵌合手段を、他方の対応する一辺側には前記嵌合手段が嵌合する嵌合部が設けられ、これらの嵌合手段と嵌合部を嵌合させた状態で前記第1筺体と第2筺体が合わせて閉じられることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項7】
記録液の液滴を吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドに供給する記録液を収容保持した記録液カートリッジとを交換可能に備える画像形成装置において、前記記録液カートリッジが請求項1ないし7のいずれかに記載の記録液カートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−159720(P2006−159720A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356180(P2004−356180)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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