記録液カートリッジ及び画像形成装置
【課題】記録液カートリッジの供給口部に記録液が付着していることが多く、装置本体から取り外したときに机や手など他の部分へと再付着して汚すおそれがある。
【解決手段】インクカートリッジ10のカートリッジケース102には内部に収納したインク袋103のインク供給口部131に対応して開口部123を形成し、開口部123の周囲には、その周辺の外面102aよりも前方側に突き出した環状の凸部123aを形成することにより、開口部123の最外端面123bをインク袋103の供給口部131の先端面131aに対して相対的に外側に位置させている。
【解決手段】インクカートリッジ10のカートリッジケース102には内部に収納したインク袋103のインク供給口部131に対応して開口部123を形成し、開口部123の周囲には、その周辺の外面102aよりも前方側に突き出した環状の凸部123aを形成することにより、開口部123の最外端面123bをインク袋103の供給口部131の先端面131aに対して相対的に外側に位置させている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録液カートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ/ファックス/コピア或いはこれらの機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを用いて、記録ヘッドをキャリッジに搭載して走査し、被記録媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、記録媒体、転写材なども同義で使用する。)を完結的に搬送しながら、記録液の液滴(以下、インク滴ともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行うシリアル型のインクジェット記録装置が知られている。また、ライン型記録ヘッドを備えたライン型のインクジェット記録装置も知られている。
【0003】
このような画像形成装置において記録ヘッドに供給する記録液を保持した記録液カートリッジ、例えばインクカートリッジとしては、特許文献1に記載されているように、内部にインクを収容し、外部にインクを供給するために供給口部を有するインク袋を、組み立て及び分解可能な第1、第2、第3の筺体(カートリッジケース)で構成される筺体内に収納したものが知られている。
【特許文献1】特開2004−195962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような記録液カートリッジにあっては、画像形成装置本体に装着されたときに供給口部に装置本体側の中空針などが刺通されることで、カートリッジ内部の記録液収容手段と装置本体とが連通される構成が採用され、記録液カートリッジの供給口部はカートリッジ内部と装置本体とをつなぐコネクタ部として機能することから、カートリッジの外装面とほぼ同一位置に取り付けられる。
【0005】
ところで、使用中もしくは使用済のカートリッジ供給口部には記録液が付着していることが多く、画像形成装置本体に装着した記録液カートリッジを装置本体から取り外したときに、記録液カートリッジの供給口部に付着した記録液が例えば机や手など他の部分へと再付着して汚すおそれがあり、取り扱いには十分な注意をしなければならないという課題が生じている。
【0006】
また、画像形成装置本体に対して記録液カートリッジをスライドさせて抜き差しする形態を採用する場合、画像形成装置のコンパクト化のために、記録液カートリッジの抜き差し方向側面(背面又は後側という。)にカートリッジの抜き差しを容易にするために指を掛ける引っ掛け部(あるいは取っ手部)が設けられている。
【0007】
ところが、記録液カートリッジを操作する操作者の手の大きさには個人差があってまちまちであるため、カートリッジの引っ掛け部や取っ手部に指を掛けることができ難い場合があるなど、操作者によって操作性が悪いことが生じるという課題がある。
【0008】
さらに、記録液カートリッジは、生産量が比較的多いことから、工場内での組立て性の簡便化は非常に有効な採算面向上の手段のひとつであることから、カートリッジケースのネジレス化が検討されてきた。この有効な手段のひとつとして、カートリッジのケースとベースをスライド嵌合させる方法が挙げられる。例えば、カートリッジケースを略同じ形状の少なくとも2つのケース部材に分けて、一方のケース部材(ベース)に記録液収容袋を設置し、他方のケース部材(ケース)で蓋をすることで組み立てられるようにし、ベース(あるいはケース)に取り付けられた水平方向に伸びた爪を、ケース(あるいはベース)に取り付けられた水平方向に穴のあいた爪受け部にスライド嵌合させることで、ベースとケースを上下方向への分離を不可能にする形式を取ることが行われる。
【0009】
ところで、記録液カートリッジの場合、内包する記録液量がまちまちであるため、多量の記録液を収容した重量の比較的高い記録液カートリッジにおいても、落下等による衝撃で嵌合部分が破損しないことが求められる。しかしながら、カートリッジケースは通常プラスチックなどの樹脂成形で形成されるために、爪及び爪受け部の強度的な信頼性が十分でない場合が生じてくるという課題がある。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、請求項1ないし3の発明は一旦使用された場合の取り扱い性を向上した記録液カートリッジを提供することを目的とし、請求項4及び5の発明は記録液カートリッジの抜き差しの操作性を向上した記録液カートリッジを提供することを目的とし、請求項6の発明は強度を向上することで収容量に対する選択の幅を増やした記録液カートリッジを提供することを目的とし、請求項7の発明は本発明に係る記録液カートリッジを装着する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る記録液カートリッジは、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置している構成とした。ここで、カートリッジケースの開口部の周囲の外面がその周辺の外面よりも突き出ている構成、あるいは、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面に対して供給口部の先端面がケース内部に引っ込んでいる構成とすることができる。
【0012】
他の本発明に係る記録液カートリッジは、カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられている構成とした。ここで、カートリッジケースの操作者の指を掛けることが可能な部分はカートリッジケースの上側部分及び下側部分並びに中間部分に設けられていることが好ましい。
【0013】
更に他の本発明に係る記録液カートリッジは、少なくとも2つに分割された第1ケース及び第2ケースのいずれか一方に設けられた爪部と他方に設けられた爪受け部の少なくともいずれかには強度を補強する補強リブが設けられている構成とした。
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、いずれかの本発明に係る記録液カートリッジを装填するカートリッジ装填部を備えている構成とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る記録液カートリッジによれば、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置している構成としたので、カートリッジの供給口部が設けられた面を下にして机の上に置いた場合などでも供給口部に付着した記録液が机に付着して汚すことが防止される。
【0016】
他の本発明に係る記録液カートリッジによれば、カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられている構成としたので、指を掛ける箇所の選択の余地が広がって装置本体に対する抜き差し操作の操作性が向上する。
【0017】
更に他の本発明に係る記録液カートリッジによれば、少なくとも2つに分割された第1ケース及び第2ケースのいずれか一方に設けられた爪部と他方に設けられた爪受け部の少なくともいずれかには強度を補強する補強リブが設けられている構成としたので、カートリッジの落下などの衝撃に対しより強くなり、収容記録液重量の増加などにも耐えうる構成となったことから、収容記録液容量に対する選択の幅が増える。
【0018】
本発明に係る画像形成装置によれば、いずれかの本発明に係る記録液カートリッジを装填するカートリッジ装填部を備えているので、記録液カートリッジの取り扱いが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る記録液カートリッジを装着した本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、記録液カートリッジであるインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0020】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる色材である記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ(メインタンク)10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
【0021】
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく要部平面説明図である。
ガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0022】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッド(以下「ヘッド」という。)34a〜34dからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0023】
記録ヘッド34のヘッドを構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0024】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンク35y1、35m1、35k、35c、35m2、35y2(色を区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。この各色のヘッドタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられている。
【0025】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0026】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0027】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。
【0028】
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
【0029】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0030】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0031】
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
【0032】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0033】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、用紙42は搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0034】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0035】
次に、このインクジェット記録装置で使用している本発明に係る記録液カートリッジであるインクカートリッジについて図4以降をも参照して説明する。図4は同インクカートリッジの斜視説明図、図5は同カートリッジの側面説明図である。
この記録液カートリッジ10は、カートリッジケース(筺体)102内に記録液であるインクを収容した記録液収容手段であるインク袋103を収納したものである。このカートリッジケース102は、図8及び図10にも示すように、分解及び組立て可能に2分割された第1ケース(ベース)121と第2ケース(ケース)122とで構成されている。
【0036】
そして、カートリッジケース102には内部に収納したインク袋103のインク供給口部131に対応して開口部123を形成している。この開口部123は、図8及び図10に示すように、第1ケース121の開口部部分123Aと第2ケース122の開口部部分123Bとによって形成される。
【0037】
このインクカートリッジ10をカートリッジ装填部4に装着したときに、カートリッジ装着部4の奥側に設けた中空針がインク袋103の供給口部131内に刺通されて、インク袋103内部と供給ポンプユニット24とが連通状態となり、インク袋103内のインクを装置本体1側に供給可能になる。
【0038】
ここで、図6にも拡大して示すように、カートリッジケース102の開口部123の周囲には、その周辺の外面102aよりも前方(供給方向前方)側に突き出した環状の凸部123aを形成することにより、開口部123の最外端面123bをインク袋103の供給口部131の先端面131aに対して相対的に外側に位置させている。なお、図6では第2ケース122との関係で図示しているが、第1ケース121との関係でも同様である。また、環状の凸部123aは、図8及び図9に示すように、第1ケース121の凸部部分123aAと第2ケース122の凸部部分123aBとで形成される。
【0039】
このように、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置していることで、カートリッジの供給口部が設けられた面を下にして机の上に置いた場合などでも供給口部に付着した記録液が机に付着して汚すことが防止される。
【0040】
なお、この場合、図7に示すように、カートリッジケース102の開口部123の周囲を他の外面102aと略同じ面として、インク袋103の供給口部131の先端面131aがカートリッジケース102の内部に引っ込んだ状態でカートリッジケース102内に収納して、開口部123の周囲の外面123bが供給口部131の先端面131aに対して相対的に外側に位置する構成とすることもでき、このようにしても同様の作用効果が得られる。
【0041】
次に、インクカートリッジ10のカートリッジケース102の外面には、装置本体1のカートリッジ装着部4に対する着脱方向後側(供給口部131と反対側の面)に、インクカートリッジ10をカートリッジ装着部4に対して抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分(把持部という。)125〜127を形成している。なお、把持部125〜125は、図8及び図10に示すように、第1ケース121の把持部部分125A〜127Aと第2ケース122の把持部部分125B〜127Bとで形成される。
【0042】
ここで、把持部125はカートリッジケース102の上側部分に、把持部127はカートリッジケース102の下側部分に、把持部126はカートリッジケース102の中間部分に設けている。
【0043】
したがって、装置本体1のカートリッジ装着部4に対してインクカートリッジ10を装着し、あるいは装着されたインクカートリッジ10を抜くときには、操作者は、自分の手の大きさなどに応じて、カートリッジケース102の上側の把持部125と中間の把持部126とに指を掛けて把持し、あるいは、カートリッジケース102の上側の把持部125と下側の把持部127とに指を掛けて把持して、インクカートリッジ10の抜き差しを行うことができる。
【0044】
このように、カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられている構成としたので、指を掛ける箇所の選択の余地が広がって装置本体に対する抜き差し操作の操作性が向上する。
【0045】
次に、カートリッジケース102は、上述したように第1ケース121と第2ケース122とによって分解及び組立て可能にされ、図8に示すように第1ケース121に設けた爪部141と第2ケース122に設けた爪受け部142とを嵌め合わせることによって組み立てることができる(なお、爪部と爪受け部との関係は逆であってもよい。)
【0046】
ここで、第1ケース121に設けた爪部141と第2ケース122に設けた爪受け部142には、図9及び図11にも拡大して示すように、それぞれ強度を補強する補強リブ143、144を設けている。
【0047】
これによって、カートリッジの落下などの衝撃に対し、嵌合部分がより強くなり、収容記録液重量の増加などにも耐えうる構成となって、収容記録液容量に対する選択の幅が増える。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。
【図3】同機構部の要部平面説明図である。
【図4】本発明に係る記録液カートリッジの外観斜視説明図である。
【図5】同じく側面説明図である。
【図6】同じく要部拡大説明図である。
【図7】同じく他の例を示す要部拡大説明図である。
【図8】同カートリッジの第1ケースの斜視説明図である。
【図9】同第1ケースの爪部の拡大斜視図である。
【図10】同カートリッジの第2ケースの斜視説明図である。
【図11】同第2ケースの爪受け部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
10、10k、10c、10m、10y…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
51…搬送ベルト
102…カートリッジケース
103…インク袋
121…第1ケース
122…第2ケース
123…開口部
123a…環状の凸部
125〜127…把持部
131…供給口部
141…爪部
142…爪受け部
143,144…補強リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は記録液カートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ/ファックス/コピア或いはこれらの機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを用いて、記録ヘッドをキャリッジに搭載して走査し、被記録媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、記録媒体、転写材なども同義で使用する。)を完結的に搬送しながら、記録液の液滴(以下、インク滴ともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行うシリアル型のインクジェット記録装置が知られている。また、ライン型記録ヘッドを備えたライン型のインクジェット記録装置も知られている。
【0003】
このような画像形成装置において記録ヘッドに供給する記録液を保持した記録液カートリッジ、例えばインクカートリッジとしては、特許文献1に記載されているように、内部にインクを収容し、外部にインクを供給するために供給口部を有するインク袋を、組み立て及び分解可能な第1、第2、第3の筺体(カートリッジケース)で構成される筺体内に収納したものが知られている。
【特許文献1】特開2004−195962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような記録液カートリッジにあっては、画像形成装置本体に装着されたときに供給口部に装置本体側の中空針などが刺通されることで、カートリッジ内部の記録液収容手段と装置本体とが連通される構成が採用され、記録液カートリッジの供給口部はカートリッジ内部と装置本体とをつなぐコネクタ部として機能することから、カートリッジの外装面とほぼ同一位置に取り付けられる。
【0005】
ところで、使用中もしくは使用済のカートリッジ供給口部には記録液が付着していることが多く、画像形成装置本体に装着した記録液カートリッジを装置本体から取り外したときに、記録液カートリッジの供給口部に付着した記録液が例えば机や手など他の部分へと再付着して汚すおそれがあり、取り扱いには十分な注意をしなければならないという課題が生じている。
【0006】
また、画像形成装置本体に対して記録液カートリッジをスライドさせて抜き差しする形態を採用する場合、画像形成装置のコンパクト化のために、記録液カートリッジの抜き差し方向側面(背面又は後側という。)にカートリッジの抜き差しを容易にするために指を掛ける引っ掛け部(あるいは取っ手部)が設けられている。
【0007】
ところが、記録液カートリッジを操作する操作者の手の大きさには個人差があってまちまちであるため、カートリッジの引っ掛け部や取っ手部に指を掛けることができ難い場合があるなど、操作者によって操作性が悪いことが生じるという課題がある。
【0008】
さらに、記録液カートリッジは、生産量が比較的多いことから、工場内での組立て性の簡便化は非常に有効な採算面向上の手段のひとつであることから、カートリッジケースのネジレス化が検討されてきた。この有効な手段のひとつとして、カートリッジのケースとベースをスライド嵌合させる方法が挙げられる。例えば、カートリッジケースを略同じ形状の少なくとも2つのケース部材に分けて、一方のケース部材(ベース)に記録液収容袋を設置し、他方のケース部材(ケース)で蓋をすることで組み立てられるようにし、ベース(あるいはケース)に取り付けられた水平方向に伸びた爪を、ケース(あるいはベース)に取り付けられた水平方向に穴のあいた爪受け部にスライド嵌合させることで、ベースとケースを上下方向への分離を不可能にする形式を取ることが行われる。
【0009】
ところで、記録液カートリッジの場合、内包する記録液量がまちまちであるため、多量の記録液を収容した重量の比較的高い記録液カートリッジにおいても、落下等による衝撃で嵌合部分が破損しないことが求められる。しかしながら、カートリッジケースは通常プラスチックなどの樹脂成形で形成されるために、爪及び爪受け部の強度的な信頼性が十分でない場合が生じてくるという課題がある。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、請求項1ないし3の発明は一旦使用された場合の取り扱い性を向上した記録液カートリッジを提供することを目的とし、請求項4及び5の発明は記録液カートリッジの抜き差しの操作性を向上した記録液カートリッジを提供することを目的とし、請求項6の発明は強度を向上することで収容量に対する選択の幅を増やした記録液カートリッジを提供することを目的とし、請求項7の発明は本発明に係る記録液カートリッジを装着する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る記録液カートリッジは、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置している構成とした。ここで、カートリッジケースの開口部の周囲の外面がその周辺の外面よりも突き出ている構成、あるいは、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面に対して供給口部の先端面がケース内部に引っ込んでいる構成とすることができる。
【0012】
他の本発明に係る記録液カートリッジは、カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられている構成とした。ここで、カートリッジケースの操作者の指を掛けることが可能な部分はカートリッジケースの上側部分及び下側部分並びに中間部分に設けられていることが好ましい。
【0013】
更に他の本発明に係る記録液カートリッジは、少なくとも2つに分割された第1ケース及び第2ケースのいずれか一方に設けられた爪部と他方に設けられた爪受け部の少なくともいずれかには強度を補強する補強リブが設けられている構成とした。
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、いずれかの本発明に係る記録液カートリッジを装填するカートリッジ装填部を備えている構成とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る記録液カートリッジによれば、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置している構成としたので、カートリッジの供給口部が設けられた面を下にして机の上に置いた場合などでも供給口部に付着した記録液が机に付着して汚すことが防止される。
【0016】
他の本発明に係る記録液カートリッジによれば、カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられている構成としたので、指を掛ける箇所の選択の余地が広がって装置本体に対する抜き差し操作の操作性が向上する。
【0017】
更に他の本発明に係る記録液カートリッジによれば、少なくとも2つに分割された第1ケース及び第2ケースのいずれか一方に設けられた爪部と他方に設けられた爪受け部の少なくともいずれかには強度を補強する補強リブが設けられている構成としたので、カートリッジの落下などの衝撃に対しより強くなり、収容記録液重量の増加などにも耐えうる構成となったことから、収容記録液容量に対する選択の幅が増える。
【0018】
本発明に係る画像形成装置によれば、いずれかの本発明に係る記録液カートリッジを装填するカートリッジ装填部を備えているので、記録液カートリッジの取り扱いが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る記録液カートリッジを装着した本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を前方側から見た斜視説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体1の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、記録液カートリッジであるインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
【0020】
このカートリッジ装填部4には、色の異なる色材である記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ(メインタンク)10k、10c、10m、10y(色を区別しないときは「インクカートリッジ10」という。)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。
【0021】
次に、このインクジェット記録装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同機構部の概要を示す側面模式的説明図、図3は同じく要部平面説明図である。
ガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0022】
このキャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッド(以下「ヘッド」という。)34a〜34dからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0023】
記録ヘッド34のヘッドを構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0024】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンク35y1、35m1、35k、35c、35m2、35y2(色を区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。この各色のヘッドタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられている。
【0025】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0026】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0027】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。
【0028】
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
【0029】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0030】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0031】
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
【0032】
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
【0033】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、用紙42は搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0034】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0035】
次に、このインクジェット記録装置で使用している本発明に係る記録液カートリッジであるインクカートリッジについて図4以降をも参照して説明する。図4は同インクカートリッジの斜視説明図、図5は同カートリッジの側面説明図である。
この記録液カートリッジ10は、カートリッジケース(筺体)102内に記録液であるインクを収容した記録液収容手段であるインク袋103を収納したものである。このカートリッジケース102は、図8及び図10にも示すように、分解及び組立て可能に2分割された第1ケース(ベース)121と第2ケース(ケース)122とで構成されている。
【0036】
そして、カートリッジケース102には内部に収納したインク袋103のインク供給口部131に対応して開口部123を形成している。この開口部123は、図8及び図10に示すように、第1ケース121の開口部部分123Aと第2ケース122の開口部部分123Bとによって形成される。
【0037】
このインクカートリッジ10をカートリッジ装填部4に装着したときに、カートリッジ装着部4の奥側に設けた中空針がインク袋103の供給口部131内に刺通されて、インク袋103内部と供給ポンプユニット24とが連通状態となり、インク袋103内のインクを装置本体1側に供給可能になる。
【0038】
ここで、図6にも拡大して示すように、カートリッジケース102の開口部123の周囲には、その周辺の外面102aよりも前方(供給方向前方)側に突き出した環状の凸部123aを形成することにより、開口部123の最外端面123bをインク袋103の供給口部131の先端面131aに対して相対的に外側に位置させている。なお、図6では第2ケース122との関係で図示しているが、第1ケース121との関係でも同様である。また、環状の凸部123aは、図8及び図9に示すように、第1ケース121の凸部部分123aAと第2ケース122の凸部部分123aBとで形成される。
【0039】
このように、カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置していることで、カートリッジの供給口部が設けられた面を下にして机の上に置いた場合などでも供給口部に付着した記録液が机に付着して汚すことが防止される。
【0040】
なお、この場合、図7に示すように、カートリッジケース102の開口部123の周囲を他の外面102aと略同じ面として、インク袋103の供給口部131の先端面131aがカートリッジケース102の内部に引っ込んだ状態でカートリッジケース102内に収納して、開口部123の周囲の外面123bが供給口部131の先端面131aに対して相対的に外側に位置する構成とすることもでき、このようにしても同様の作用効果が得られる。
【0041】
次に、インクカートリッジ10のカートリッジケース102の外面には、装置本体1のカートリッジ装着部4に対する着脱方向後側(供給口部131と反対側の面)に、インクカートリッジ10をカートリッジ装着部4に対して抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分(把持部という。)125〜127を形成している。なお、把持部125〜125は、図8及び図10に示すように、第1ケース121の把持部部分125A〜127Aと第2ケース122の把持部部分125B〜127Bとで形成される。
【0042】
ここで、把持部125はカートリッジケース102の上側部分に、把持部127はカートリッジケース102の下側部分に、把持部126はカートリッジケース102の中間部分に設けている。
【0043】
したがって、装置本体1のカートリッジ装着部4に対してインクカートリッジ10を装着し、あるいは装着されたインクカートリッジ10を抜くときには、操作者は、自分の手の大きさなどに応じて、カートリッジケース102の上側の把持部125と中間の把持部126とに指を掛けて把持し、あるいは、カートリッジケース102の上側の把持部125と下側の把持部127とに指を掛けて把持して、インクカートリッジ10の抜き差しを行うことができる。
【0044】
このように、カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられている構成としたので、指を掛ける箇所の選択の余地が広がって装置本体に対する抜き差し操作の操作性が向上する。
【0045】
次に、カートリッジケース102は、上述したように第1ケース121と第2ケース122とによって分解及び組立て可能にされ、図8に示すように第1ケース121に設けた爪部141と第2ケース122に設けた爪受け部142とを嵌め合わせることによって組み立てることができる(なお、爪部と爪受け部との関係は逆であってもよい。)
【0046】
ここで、第1ケース121に設けた爪部141と第2ケース122に設けた爪受け部142には、図9及び図11にも拡大して示すように、それぞれ強度を補強する補強リブ143、144を設けている。
【0047】
これによって、カートリッジの落下などの衝撃に対し、嵌合部分がより強くなり、収容記録液重量の増加などにも耐えうる構成となって、収容記録液容量に対する選択の幅が増える。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の前方側から見た斜視説明図である。
【図2】同装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。
【図3】同機構部の要部平面説明図である。
【図4】本発明に係る記録液カートリッジの外観斜視説明図である。
【図5】同じく側面説明図である。
【図6】同じく要部拡大説明図である。
【図7】同じく他の例を示す要部拡大説明図である。
【図8】同カートリッジの第1ケースの斜視説明図である。
【図9】同第1ケースの爪部の拡大斜視図である。
【図10】同カートリッジの第2ケースの斜視説明図である。
【図11】同第2ケースの爪受け部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…装置本体
2…給紙トレイ
3…排紙トレイ
10、10k、10c、10m、10y…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34…記録ヘッド
35…サブタンク
51…搬送ベルト
102…カートリッジケース
103…インク袋
121…第1ケース
122…第2ケース
123…開口部
123a…環状の凸部
125〜127…把持部
131…供給口部
141…爪部
142…爪受け部
143,144…補強リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に記録液を収容し、記録液を外部に供給するための供給口部を有する記録液収容手段をカートリッジケース内に収納し、このカートリッジケースには前記供給口部に対応した開口が形成されている記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が前記供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置していることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの開口部の周囲の外面がその周辺の外面よりも突き出ていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項3】
請求項1に記載の記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面に対して前記供給口部の先端面がケース内部に引っ込んでいることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項4】
内部に記録液を収容した記録液収容手段をカートリッジケース内に収納した記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの操作者の指を掛けることが可能な部分はカートリッジケースの上側部分及び下側部分並びに中間部分に設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項6】
内部に記録液を収容した記録液収容手段をカートリッジケース内に収納し、このカートリッジケースは少なくとも2つに分割された第1ケース及び第2ケースで構成され、これらの第1ケース及び第2ケースのいずれか一方に設けられた爪部と他方に設けられた爪受け部とを嵌め合せること組み立てられる記録液カートリッジにおいて、前記爪部及び爪受け部の少なくともいずれかには強度を補強する補強リブが設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項7】
記録液滴を吐出する記録ヘッドを備えた画像形成装置において、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録液カートリッジを装填するカートリッジ装填部を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
内部に記録液を収容し、記録液を外部に供給するための供給口部を有する記録液収容手段をカートリッジケース内に収納し、このカートリッジケースには前記供給口部に対応した開口が形成されている記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面が前記供給口部の先端面に対して相対的に外側に位置していることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの開口部の周囲の外面がその周辺の外面よりも突き出ていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項3】
請求項1に記載の記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの少なくとも開口部の周囲の外面に対して前記供給口部の先端面がケース内部に引っ込んでいることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項4】
内部に記録液を収容した記録液収容手段をカートリッジケース内に収納した記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースには装置本体に対する着脱方向後側に抜き差しするときに操作者の指を掛けることが可能な部分が3箇所以上設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載の記録液カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの操作者の指を掛けることが可能な部分はカートリッジケースの上側部分及び下側部分並びに中間部分に設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項6】
内部に記録液を収容した記録液収容手段をカートリッジケース内に収納し、このカートリッジケースは少なくとも2つに分割された第1ケース及び第2ケースで構成され、これらの第1ケース及び第2ケースのいずれか一方に設けられた爪部と他方に設けられた爪受け部とを嵌め合せること組み立てられる記録液カートリッジにおいて、前記爪部及び爪受け部の少なくともいずれかには強度を補強する補強リブが設けられていることを特徴とする記録液カートリッジ。
【請求項7】
記録液滴を吐出する記録ヘッドを備えた画像形成装置において、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録液カートリッジを装填するカートリッジ装填部を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−111864(P2007−111864A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302424(P2005−302424)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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