説明

記録装置、再生装置、記録再生システム、記録媒体およびプログラム

【課題】映像ストリームの再生前に3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツの判別を可能にする、記録装置、再生装置、記録再生システム、記録媒体およびプログラムを提供する。
【解決手段】映像ストリームを取得する取得部(チューナ11、復調器13)と、取得した映像ストリームを参照し、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示を検出する切替指示検出部25と、検出した切替指示に基づき、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成する切替情報生成部(CPU27)と、取得した映像ストリームに関連付けて切替情報を記録する記録部(BDドライブ17)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、再生装置、記録再生システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送では、3次元(3D:three dimension)映像コンテンツと通常の2次元(2D:two
dimension)映像コンテンツが混在したAVストリームを用いて、放送が行われている。そして、3D映像コンテンツは、2D映像コンテンツとともにBD−RE(Blu−ray Disc Rewritable)規格等に基づきブルーレイディスク等の記録媒体に記録され、再生利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、現状、AVストリームの再生は、記録されたコンテンツのコンテンツ種別(3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツ)を特定しながら行われている。これは、従来、コンテンツ種別は、AVストリーム中の映像データを参照しないと判別することができないためである。このため、AVストリームの再生前において、再生装置は、3D映像コンテンツの再生に必要な制御を事前に行うことができず、ユーザは、3D映像コンテンツの視聴に必要な準備を事前に行うことができなかった。
【0004】
そこで、本発明は、映像ストリームの再生前に3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツの判別を可能にする、記録装置、再生装置、記録再生システム、記録媒体およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によれば、映像ストリームを取得する取得部と、取得した映像ストリームを参照し、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示を検出する切替指示検出部と、検出した切替指示に基づき、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成する切替情報生成部と、取得した映像ストリームに関連付けて切替情報を記録する記録部とを備える記録装置が提供される。
【0006】
切替情報は、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替時点を、映像ストリームのパケット番号またはタイムスタンプにより特定するタイミング情報を含んでもよい。
【0007】
切替情報は、再生制御情報に含まれるユーザ拡張領域に記録されてもよい。
【0008】
切替情報は、映像ストリーム中の映像データを参照せずに3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツを切替えた再生が可能となるように、映像ストリームの再生制御情報として記録されてもよい。
【0009】
また、本発明の第2の観点によれば、映像ストリームと、映像ストリームの記録時に映像ストリームを参照して検出された切替情報を記録装置から取得する取得部と、取得した映像ストリームを再生する再生部と、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報に基づき、取得した映像ストリームの再生を制御する再生制御部とを備える再生装置が提供される。
【0010】
切替情報に基づき、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えをユーザに通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0011】
再生制御部は、切替情報に基づき、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間を切替えるために必要な処理を事前に行ってもよい。
【0012】
再生制御部は、切替情報により指定される3次元映像コンテンツの表示方式に基づき3次元映像コンテンツを再生するように、映像ストリームの再生を制御してもよい。
【0013】
再生制御部は、切替情報に基づき映像ストリーム中における3次元映像コンテンツおよび2次元映像コンテンツのうちいずれか一方を再生するように、映像ストリームの再生を制御してもよい。
【0014】
再生制御部は、映像ストリーム中におけるコンテンツ種別の比率に基づき、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツおよび2次元映像コンテンツのうちいずれか一方を再生するように、映像ストリームの再生を制御してもよい。
【0015】
また、本発明の第3の観点によれば、本発明の第1の観点による記録装置と第2の観点による再生装置を有する記録再生システムが提供される。
【0016】
また、本発明の第4の観点によれば、映像ストリーム中の映像データを参照せずに3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツを切替えた再生を可能とするために、映像コンテンツの間の切替えを示す情報として、映像ストリームの記録時に映像ストリームを参照して検出された切替情報を、映像ストリームに関連付けて記録している記録媒体が提供される。
【0017】
また、本発明の第5の観点によれば、映像ストリームを取得するステップと、取得した映像ストリームを参照し、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示を検出するステップと、検出した切替指示に基づき、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成するステップと、取得した映像ストリームに関連付けて切替情報を記録するステップとを含む記録方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0018】
また、本発明の別の観点によれば、互いに関連付けて記録されている映像ストリームと切替情報を記録装置から取得するステップと、取得した映像ストリームを再生するステップと、再生するステップにおいて、映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報に基づき、取得した映像ストリームの再生を制御するステップとを含む再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、映像ストリームの再生前に3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツの判別を可能にする、記録装置、再生装置、記録再生システム、記録媒体およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係るAVシステムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るAVシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】BDAVフォーマットのディレクトリ、ファイル構成を示す図である。
【図4】BDAVフォーマットのデータファイルの相関関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る記録再生方法の手順を示すフロー図である。
【図6】AVCHDフォーマットのディレクトリ、ファイル構成を示す図である。
【図7】AVCHDフォーマットのデータファイルの相関関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
[1.記録再生システムの構成]
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る記録再生システムの構成について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態としてのAVシステムの概要を示している。AVシステムは、記録再生装置1と映像音声出力装置3からなる。記録再生装置1は、記録装置として、デジタル放送信号のAVストリームを受信し、AVストリーム中の映像・音声データをディスクDに記録する。また、記録再生装置1は、再生装置として、AVストリーム中の映像・音声データをディスクDから再生して映像音声出力装置3に出力する。
【0024】
記録再生装置1は、ブルーレイディスクDのディスク記録再生装置1でもよく、セットトップボックスでもよい。記録再生装置1は、記録装置と再生装置が別体に設けられてもよい。また、映像音声出力装置3は、テレビ受像機でもよく、プロジェクタでもよく、映像出力装置と音声出力装置が別体に設けられてもよく、記録再生装置1と一体に設けられてもよい。
【0025】
記録再生装置1は、3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツの映像データを含むAVストリームを受信する。AVストリームには、3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示が含まれている。記録再生装置1は、受信したAVストリームを参照して切替指示を検出する。そして、記録再生装置1は、検出した切替指示に基づき、AVストリームにおける3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成し、受信したAVストリームに関連付けてディスクDに記録する。
【0026】
また、記録再生装置1は、互いに関連付けて記録されているAVストリームと切替情報をディスクDから読出す。記録再生装置1は、取得したAVストリームを再生する。ここで、記録再生装置1は、AVストリームにおける3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報に基づき、取得したAVストリームの再生を制御する。そして、記録再生装置1は、AVストリームの再生映像・音声を映像音声出力装置3に出力する。
【0027】
ディスクDには、3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを示す情報として、AVストリームの記録時にAVストリームを参照して検出された切替情報が、AVストリームに関連付けて記録されている。ディスクDを記録再生装置1により再生することで、AVストリーム中の映像データを参照せずに3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツを切替えた再生が可能となる。
【0028】
図2は、図1に示した記録再生装置1の主要な構成を示している。記録再生装置1は、チューナ11、復調器13、デマルチプレクサ15、BDドライブ17、映像デコーダ19、音声デコーダ21、映像切替部23、切替指示検出部25、CPU27、RAM29、ROM31、フラッシュメモリ33、HDドライブ35および操作部37を備える。操作部37を除く構成要素は、バス39に接続される。記録再生装置1には、チューナ11を介してアンテナ41が接続され、映像切替部23および音声デコーダ21を各々に介して映像音声出力装置3が接続される。
【0029】
なお、図2に示す各構成要素は、回路等のハードウェアとして構成されてもよく、CPU27上で実行されるプログラム等のソフトウェアにより構成されてもよい。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体を用いて提供されてもよく、通信手段を介して提供されてもよい。
【0030】
チューナ11は、アンテナ41を通じて受信されたデジタル放送信号から所定の放送信号を選択して復調器13に供給する。復調器13は、所定の放送信号をAVストリームに変換し、デマルチプレクサ15に供給するとともに、切替指示検出部25に供給する。チューナ11および復調器13は、映像ストリームを取得する取得部として機能する。デマルチプレクサ15は、AVストリームを映像データと音声データに分離する。AVストリームは、ストリーム記録時には、復調器13からBDドライブ17に供給され、映像視聴時には、BDドライブ17からデマルチプレクサ15に供給される。デマルチプレクサ15は、記録されている映像ストリームを取得する取得部として機能する。
【0031】
BDドライブ17は、ストリーム記録時には、復調器13から供給されるAVストリームを後述するBDAV(Blu−ray Disc Audio/Visual)等のフォーマットに従って映像・音声データとしてBD−R/RE規格等のディスクDに書き込む。また、BDドライブ17は、ストリーム再生時には、映像・音声データをディスクDから読み出し、デマルチプレクサ15に供給する。BDドライブ17は、CPU27と協働して記録部および再生部として機能する。
【0032】
映像デコーダ19は、デマルチプレクサ15から供給される映像データをデコードして映像信号を生成し、映像切替部23に供給する。音声デコーダ21は、デマルチプレクサ15から供給される音声データをデコードして音声信号を生成し、映像音声出力装置3のスピーカ(不図示)に供給する。映像切替部23は、映像デコーダ19から供給される映像信号に対して、必要に応じて2D映像コンテンツと3D映像コンテンツの間の切替処理を実行し、映像音声出力装置3のディスプレイ(不図示)に供給する。
【0033】
CPU27は、記録再生装置1の動作に必要な演算処理や制御を行う。CPU27は、ROM31等からプログラムを読出し、RAM29上に展開して実行する。CPU27は、後述するように、切替情報生成部および再生制御部としても機能し、記録されている切替情報を取得する取得部としても機能する。フラッシュメモリ33は、不揮発性メモリとしてデータ等を記録する。HDドライブ35は、外部記憶装置としてデータ等を記録する。操作部37は、記録再生装置1の動作を制御するための操作入力をユーザから受け付ける。
【0034】
切替指示検出部25は、ストリーム記録時に、復調器13から供給されるAVストリームから切替指示を検出する。切替指示は、3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替を指示する情報として、デジタル放送局に設置されたストリーム送出装置により、AVストリーム中に埋め込まれて送出される。
【0035】
切替指示検出部25は、切替指示を検出すると、検出結果をCPU27に通知する。CPU27は、切替指示とともに、切替時点を示す切替時点情報を取得する。切替時点情報は、AVストリームのソースパケット番号やタイムスタンプの情報として、復調器13または切替指示検出部25から取得される。
【0036】
ストリームの記録中、CPU27は、切替指示および切替時点情報をRAM29や不図示のバッファ等に一時記憶する。ストリームの記録が終了すると、CPU27は、AVストリームにおける全ての切替を指定する切替情報を生成する。切替情報は、BDドライブ17に供給され、後述するクリップ情報ファイル65(再生制御情報)の一部として、ストリームファイル67に関連付けて記録される。なお、ストリームの記録中、切替情報が逐次一時記憶されずに、クリップ情報ファイル65の一部として記録されてもよい。
【0037】
切替指示は、切替時点を指定するタイミング情報を含む。タイミング情報は、切替指示の検出時点から切替時点までの期間を示す相対情報でもよく、切替時点の時刻を示す絶対情報でもよい。
【0038】
切替指示は、切替後のコンテンツ種別(3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツ)を指定するコンテンツ種別情報を含んでもよい。コンテンツ種別情報は、3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツを直接指定する情報でもよく、コンテンツ種別の切替えを指定する情報でもよい。なお、ストリームの受信開始時におけるコンテンツ種別が予め定められている場合、タイミング情報により切替え後のコンテンツ種別が特定可能であるので、コンテンツ種別の指定を省略することができる。
【0039】
切替指示は、3D映像コンテンツの表示方式を指定する表示方式情報を含んでもよい。表示方式情報は、例えば、サイド・バイ・サイド方式、トップ・アンド・ボトム方式、インターリーブ方式等、3D映像コンテンツの表示方式を指定する情報である。なお、サイド・バイ・サイド方式では、視差を伴う2つの映像が画面の左右に並べて表示され、トップ・アンド・ボトム方式では、視差を伴う2つの映像が画面の上下に並べて表示され、インターリーブ方式では、視差を伴う2つの映像が交互に織り込んだ状態で並べて表示される。
【0040】
また、表示方式情報は、3D映像コンテンツを2D映像コンテンツとして再生する場合に表示する映像(右目用映像または左目用映像)を指定する情報でもよい。なお、右目用映像および左目用映像とは、通常、3D映像コンテンツの再生において、視差を伴う映像として同時に表示される映像である。
【0041】
BDドライブ17は、ストリーム記録時に、AVストリームの映像・音声データと切替情報を互いに関連付けてディスクDに書き込む。例えば、BD−REの映像記録規格であるBDAVフォーマットでは、映像・音声データのストリームファイル87と、ストリームの属性情報ファイル(クリップ情報ファイル65)が関連付けて記録される。
【0042】
[2.BDAVフォーマットへの適用]
つぎに、図3および図4を参照して、BDレコーダ向けの記録規格であるBDAVフォーマットについて説明する。
【0043】
図3は、BDAVフォーマットのディレクトリ、ファイル構成を示している。BDAVフォーマットの「BDAV」フォルダ51には、記録コンテンツの再生制御情報のデータベースファイルと、記録コンテンツのAVストリームデータが区分して記録される。
【0044】
データベースファイルとしては、管理情報ファイル「Info.bdav」61が記録され、さらに「PLAYLIST」フォルダ53および「CLIPINF」フォルダ55が形成される。「PLAYLIST」フォルダ53には、1以上のプレイリストファイル63(nnnnn.rpls)が記録され、「CLIPINF」フォルダ55には、1以上のクリップ情報ファイル65(nnnnn.clpi)が記録される。AVストリームデータとしては、「STREAM」フォルダ57が形成され、1以上のストリームファイル67(nnnnn.m2ts)が記録される。なお、「nnnnn」は、AVストリーム毎に指定される任意の識別情報である。
【0045】
図4は、BDAVフォーマットのデータファイルの相関関係を示している。BDAVフォーマットでは、映像・音声データのストリームファイル67にクリップ情報ファイル65が対応付けられ、クリップ情報ファイル65にプレイリストファイル63が対応付けられる。プレイリストファイル63は、管理情報ファイル61により管理される。
【0046】
クリップ情報ファイル65は、対応するストリームファイル67のAVストリームの属性等を含んでいる。プレイリストファイル63は、ストリームファイル67中の所定のデータ区間(例えばCMコンテンツを除くデータ区間)として指定される1以上のプレイアイテムを含んでいる。
【0047】
例えば、図4では、クリップ#00001により定義される2つのプレイアイテムからなるプレイリスト1、クリップ#00002により定義される2つのプレイアイテムからなるプレイリスト2、クリップ#00003により定義される1つのプレイアイテムからなるプレイリスト3が管理されている。
【0048】
クリップ情報ファイル65の詳細は、BDAVフォーマットとして規格化されている。クリップ情報ファイル65には、特定の利用目的を割当てられた複数のデータ領域とともに、ユーザ拡張領域が設けられている。ユーザ拡張領域には、記録再生装置1のメーカー毎に独自のデータを記録することができる。
【0049】
切替情報は、例えば以下の書式に従って、映像データのストリームファイル67毎に、ストリームファイル67に対応するクリップ情報ファイル65中のユーザ拡張領域に記録される。なお、以下の書式中、(1)から(6)は、説明の便宜上付された項目番号である。また、切替情報の記録書式は、以下の書式に限定されるものではない。
(1)2D_3D_sequence(){
(2) number_of_2D_3D_sequence
(3) for(i=0;i<number_of_2D_3D_sequence;i++){
(4) is_3d_area
(5) reserved
(6) start_source_packet_number


【0050】
項目(1)は、切替情報の記録を定義するためのヘッダ情報である。項目(2)は、AVストリームにおけるコンテンツ種別間の切替回数を示す情報である。項目(3)は、コンテンツ種別の切替毎に項目(4)から項目(6)を定義するための情報である。
【0051】
項目(4)は、切替後のコンテンツ種別(3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツ)を示す情報(コンテンツ種別情報)であり、例えば3D映像コンテンツを「0」、2D映像コンテンツを「1」として指定するフラグ情報である。項目(5)は、例えば前述した3D映像の表示方式を指定するために用いられる情報、3D映像を2D映像として再生する場合の表示方式を指定するために用いられる情報(表示方式情報)等、予備的な情報である。項目(6)は、切替時点を指定する情報(切替時点情報)であり、切替時点のソースパケット番号等が指定される。ここで、項目(2)、(4)、(5)、(6)は、例えば、16ビット、1ビット、7ビット、32ビットの情報として各々に記録される。
【0052】
[3.記録再生方法の手順]
つぎに、図5を参照して、本発明の一実施形態に係る記録再生方法の手順について説明する。
【0053】
図5に示すように、ストリーム記録時において、復調器13は、AVストリームを切替指示検出部25およびBDレコーダに供給する(ステップS11)。切替指示検出部25は、AVストリームから切替指示を検出し(S13)、CPU27(切替情報生成部)は、検出された切替指示に基づき、映像ストリーム中における3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を再生制御情報として生成する(S15)。BDレコーダは、AVストリーム中の映像・音声データに関連付けて切替情報をディスクDに書き込む(S17)。
【0054】
ストリーム再生時において、CPU27は、映像・音声データと切替情報をBDレコーダから読み出す(S21)。切替情報は、再生制御情報としてAVストリームの再生前に読み出される。そして、CPU27は、切替情報に基づき、映像・音声データの再生を制御する(S23)。映像デコーダ19および音声デコーダ21は、CPU27の制御下で、映像・音声データを再生する(S25)。
【0055】
ストリーム再生において、CPU27(再生制御部)は、切替時点情報およびコンテンツ種別情報を用いて、所定のタイミングで3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間で、再生するコンテンツ種別を切替えるように映像切替部23を制御する。
【0056】
この場合、CPU27は、3D映像コンテンツの視聴に必要な準備を事前に促すための通知をユーザに行うことができる。なお、通知は、例えば「○○秒後に3D映像に切替わるので、3D映像観賞用眼鏡を準備してください。」等の表示ガイダンスでもよく、同様の音声ガイダンスでもよい。通知は、CPU27により生成され、映像音声出力装置3を通じて出力される。
【0057】
また、CPU27は、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)の再認証処理等、3D映像コンテンツの再生に必要な制御を事前に行うことができる。ここで、HDMIの再認証処理中は、映像を表示することができなくなり、コンテンツ種別が事前に判別できない場合も同様の問題が生じる。しかし、切替情報に基づき3D映像コンテンツの再生に必要な制御を事前に行うことで、このような問題を解消することができる。
【0058】
また、CPU27は、2D映像コンテンツから3D映像コンテンツに切替える場合に、3D映像コンテンツの表示方式を指定する表示方式情報を用いて、所定の表示方式で3D映像コンテンツを再生することができる。3D映像コンテンツは、例えば、サイド・バイ・サイド方式、トップ・アンド・ボトム方式、インターリーブ方式等の表示方式で再生される。また、3D映像コンテンツを2D映像コンテンツとして再生する場合、3D映像コンテンツは、右目用映像または左目用映像のうち指定された映像として再生することができる。
【0059】
また、CPU27は、切替時点情報およびコンテンツ種別情報を用いて、AVストリーム中の3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツのみを再生することができる。この場合、再生するコンテンツ種別は、ユーザにより指定されてもよく、記録再生装置1により自動的に設定されてもよい。これにより、ユーザは、AVストリームの再生中に3D映像観賞用眼鏡をつけ外しする必要性から解放される。
【0060】
また、CPU27は、同様に、AVストリーム中のコンテンツ種別毎の再生時間の比率に基づき、3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツのみを自動的に再生することができる。この場合、2D映像コンテンツの比率が高ければ、右目用映像または左目用映像を用いてAVストリーム全体を2D映像コンテンツとして再生し、3D映像コンテンツの比率が高ければ、擬似3D映像を用いてAVストリーム全体を3D映像コンテンツとして再生してもよい。
【0061】
これにより、ユーザは、AVストリームの再生中に3D映像観賞用眼鏡をつけ外しする必要性から解放される。また、ユーザは、再生するコンテンツ種別を指定しなくても、AVストリーム毎に最適なコンテンツ種別で映像を再生することができる。
【0062】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る記録再生装置1によれば、映像ストリームの記録時に、映像ストリーム中における3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報が映像ストリームに関連付けて記録される。ここで、切替情報は、映像ストリーム中の映像データを参照せずに3D映像コンテンツと2D映像コンテンツを切替えた再生が可能となるように、映像ストリームの再生制御情報として記録される。そして、映像ストリームの再生時に、互いに関連付けて記録されている映像ストリームと切替情報が記録装置から取得され、映像ストリームの再生が制御される。
【0063】
これにより、映像ストリームの再生前に3D映像コンテンツまたは2D映像コンテンツを判別することが可能となる。よって、映像ストリームの再生前において、再生装置は、3D映像コンテンツの再生に必要な制御を事前に行うことができ、ユーザは、3D映像コンテンツの視聴に必要な準備を事前に行うことができる。
【0064】
[4.AVCHDフォーマットへの適用]
上記説明では、本発明がBDレコーダ向けの記録規格であるBDAVフォーマットに適用される場合について説明した。しかし、本発明は、ビデオカメラ向けの動画記録規格であるAVCHD(Advanced Video Codec High Definition)フォーマットに適用されてもよい。つぎに、図6および図7を参照して、AVCHDフォーマットについて説明する。
【0065】
図6は、AVCHDフォーマットのディレクトリ、ファイル構成を示している。AVCHDフォーマットの「BDMV」フォルダ71には、記録コンテンツの再生制御情報のデータベースファイルと、記録コンテンツのAVストリームデータが区分して記録される。
【0066】
データベースファイルとしては、インデックスファイル81「Index.bdmv」および動画オブジェクトファイル82「MovieObject.bdmv」が記録され、さらに「PLAYLIST」フォルダ73および「CLIPINF」フォルダ75が形成される。「PLAYLIST」フォルダ73には、1以上のプレイリストファイル83(nnnnn.mpls)が記録され、「CLIPINF」フォルダ75には、1以上のクリップ情報ファイル85(nnnnn.clpi)が記録される。ストリームデータとしては、「STREAM」フォルダ77が形成され、1以上のストリームファイル87(nnnnn.m2ts)が記録される。なお、「nnnnn」は、AVストリーム毎に指定される任意の識別情報である。
【0067】
図7は、AVCHDフォーマットのデータファイルの相関関係を示している。AVCHDフォーマットでは、動画データのストリームファイル87にクリップ情報ファイル85が対応付けられ、クリップ情報ファイル85にプレイリストファイル83が対応付けられる。プレイリストファイル83は、インデックスファイル81および動画オブジェクトファイル82により管理される。
【0068】
クリップ情報ファイル85は、対応するストリームファイル87のAVストリームの属性等を含んでいる。プレイリストファイル87は、ストリームファイル87中の所定の動画データ区間(例えば特定の記録シーンに対応する動画データ区間)として指定される1以上のプレイアイテムを含んでいる。
【0069】
例えば、図7では、クリップ#00001により定義されるプレイアイテム#0とクリップ#00125により定義されるプレイアイテム#1からなるプレイリスト#00000が、タイトル1を付与された動画オブジェクト#0として管理されている。また、クリップ#00028により定義されるプレイアイテム#0とクリップ#00002により定義されるプレイアイテム#1からなるプレイリスト#00005が、タイトル#4を付与された動画オブジェクト#3として管理されている。
【0070】
動画オブジェクト#0から#2は、ストリームファイル87単位の動画データを用いたリアルプレイリストとして形成される。一方、動画オブジェクト#3は、ストリームファイル87単位の動画データの一部を用いた仮想プレイリストとして形成される。
【0071】
AVストリーム記録時において、ビデオカメラは、3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替を指示する切替情報を埋め込まれたAVストリームを生成する。ビデオカメラでは、AVストリームから切替指示が検出され、AVストリームにおける3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報がクリップ情報ファイル85の一部として生成される。そして、AVストリーム中の映像・音声データに関連付けて切替情報がディスクDに書き込まれる。
【0072】
AVストリーム再生時において、ビデオカメラでは、映像・音声データとともに、クリップ情報ファイル85の一部として切替情報がディスクDから読み出され、切替情報に基づき、映像・音声データの再生が制御される。そして、所定のタイミングで3D映像コンテンツと2D映像コンテンツの間で、再生するコンテンツ種別を切替えるように、映像・音声データの再生が制御される。なお、AVストリーム再生時における再生制御方法については、BDAVフォーマットの場合と同様に説明することができる。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0074】
例えば上記説明では、記録再生装置1上でディスクDに対する記録再生処理を行う場合について説明した。しかし、記録装置上でディスクDに対して記録処理を行い、記録装置と別体に設けられた再生装置上でディスクDに対して再生処理を行う場合についても同様に説明することができる。
【0075】
また、上記説明では、AVストリームおよびAVストリームに関連付けた切替情報をデータとしてディスクDに記録し、再生利用する場合について説明した。しかし、同様なデータは、ディスクDに記録して再生利用する代わりに、通信手段を用いて伝送して再生利用されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 記録再生装置
3 映像音声出力装置
D ディスク
11 チューナ
13 復調器
15 デマルチプレクサ
17 BDドライブ
19 映像デコーダ
21 音声デコーダ
23 映像切替部
25 切替指示検出部
27 CPU(切替情報生成部、再生制御部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像ストリームを取得する取得部と、
前記取得した映像ストリームを参照し、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示を検出する切替指示検出部と、
前記検出した切替指示に基づき、前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成する切替情報生成部と、
前記取得した映像ストリームに関連付けて前記切替情報を記録する記録部と
を備える記録装置。
【請求項2】
前記切替情報は、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替時点を、前記映像ストリームのパケット番号またはタイムスタンプにより特定するタイミング情報を含む、請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記切替情報は、前記再生制御情報に含まれるユーザ拡張領域に記録される、請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記切替情報は、前記映像ストリーム中の映像データを参照せずに3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツを切替えた再生が可能となるように、前記映像ストリームの再生制御情報として記録される、請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
映像ストリームと、前記映像ストリームの記録時に前記映像ストリームを参照して検出された切替情報を記録装置から取得する取得部と、
前記取得した映像ストリームを再生する再生部と、
前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報に基づき、前記取得した映像ストリームの再生を制御する再生制御部と
を備える再生装置。
【請求項6】
前記切替情報に基づき、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えをユーザに通知する通知部をさらに備える、請求項5に記載の再生装置。
【請求項7】
前記再生制御部は、前記切替情報に基づき、前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間を切替えるために必要な処理を事前に行う、請求項5に記載の再生装置。
【請求項8】
前記再生制御部は、前記切替情報により指定される3次元映像コンテンツの表示方式に基づき3次元映像コンテンツを再生するように、前記映像ストリームの再生を制御する、請求項5に記載の再生装置。
【請求項9】
前記再生制御部は、前記切替情報に基づき前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツおよび2次元映像コンテンツのうちいずれか一方を再生するように、前記映像ストリームの再生を制御する、請求項5に記載の再生装置。
【請求項10】
前記再生制御部は、前記映像ストリーム中におけるコンテンツ種別の比率に基づき、前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツおよび2次元映像コンテンツのうちいずれか一方を再生するように、前記映像ストリームの再生を制御する、請求項9に記載の再生装置。
【請求項11】
映像ストリームを取得する取得部と、前記取得した映像ストリームを参照し、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示を検出する切替指示検出部と、前記検出した切替指示に基づき、前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成する切替情報生成部と、前記取得した映像ストリームに関連付けて前記切替情報を記録する記録部とを備える記録装置と、
互いに関連付けて記録されている前記映像ストリームと前記切替情報を前記記録装置から取得する取得部と、前記取得した映像ストリームを再生する再生部と、前記切替情報に基づき、前記取得した映像ストリームの再生を制御する再生制御部とを備える再生装置と
を有する記録再生システム。
【請求項12】
映像ストリーム中の映像データを参照せずに3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツを切替えた再生を可能とするために、前記映像コンテンツの間の切替えを示す情報として、前記映像ストリームの記録時に前記映像ストリームを参照して検出された切替情報を、前記映像ストリームに関連付けて記録している記録媒体。
【請求項13】
映像ストリームを取得するステップと、
前記取得した映像ストリームを参照し、3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを指示する切替指示を検出するステップと、
前記検出した切替指示に基づき、前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す切替情報を生成するステップと、
前記取得した映像ストリームに関連付けて切替情報を記録するステップと
を含む記録方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
映像ストリームと、前記映像ストリームの記録時に前記映像ストリームを参照して検出された切替情報を記録装置から取得するステップと、
前記取得した映像ストリームを再生するステップと、
前記再生するステップにおいて、前記映像ストリーム中における3次元映像コンテンツと2次元映像コンテンツの間の切替えを示す前記切替情報に基づき、前記取得した映像ストリームの再生を制御するステップと
を含む再生方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−254239(P2011−254239A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126019(P2010−126019)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】