説明

記録装置、記録方法、再生装置、及び再生方法

【課題】ハードディスクドライブへのデータの書き込み、及びハードディスクからのデータの読出し速度の低下を防止する。
【解決手段】ビデオ信号をハードディスクドライブ1fに書き込む前に、単位当たりのダミーファイルのサイズを決定し、連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを決定されたサイズでハードディスクドライブ1fに記憶させ、各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込み、決定されたダミーファイルにビデオ信号を書き込み、ビデオ信号が書き込まれたダミーファイルに関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを変更して当該ダミーファイルの名前を変更し、書きこんだデータのサイズが、決定されたダミーファイルのサイズ未満である場合に、データのサイズがダミーファイルのサイズに等しくなるまでビデオ信号の後に、予め定められたダミーデータを終端データとして書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ信号を記憶媒体に書き込むことが可能な記録装置、記録方法、再生装置、及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、任意の情報を記録して、記録した情報を操作者が不要と感じた不要部分を部分的に削除可能なように分割ファイル化することが可能な記録再生装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−140886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の発明では、ファイルを分割するので、ファイルの断片化が生じてしまい、ハードディスクドライブへのデータの書き込み、及びハードディスクからのデータの読出し速度が低下してしまう可能性がある。
【0004】
本発明者のビデオ信号の記録処理及び再生処理に関する考察によれば、ビデオ信号の記録時にファイルの断片化を生じることなく、記録するようにファイルを管理することによって、ハードディスクドライブへのデータの書き込み、ハードディスクへのアクセス、及びハードウェアからのデータの読出し速度の低下を防止することが可能な記録装置に対する産業界の要請が高まっている。
【0005】
そこで、本発明は、ビデオ信号の記録時にファイルの断片化を生じることなく記録することによって、ハードディスクドライブへのデータの書き込み、及びハードディスクからのデータの読出し速度の低下を防止することが可能な記録装置及び記録方法を提供することを目的とする。
更に、本発明の他の目的は、かかる記録装置によって記録したビデオデータを再生する再生装置及び再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る記録装置は、ビデオ信号を、ビデオ信号が記憶される記憶領域を有する記憶手段に書き込む前に、記憶手段の記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定するファイルサイズ決定手段と、少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを前記ファイルサイズ決定手段によって決定されたサイズで記憶手段の記憶領域に記憶させるダミーファイル書き込み手段と、各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込む第1のダミーデータ書き込み手段と、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定するダミーファイル決定手段と、ビデオ信号をダミーファイル決定手段により決定されたダミーファイルに書き込むビデオ信号書き込み手段と、ビデオ信号書き込み手段によってビデオ信号が書き込まれたダミーファイルに関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを変更して当該ダミーファイルの名前を変更するファイル名変更手段と、ビデオ信号書き込み手段によって書きこんだビデオ信号のデータのサイズが、ファイルサイズ決定手段によって決定されたダミーファイルのサイズ未満である場合に、データのサイズがファイルサイズ決定手段によって決定されたダミーファイルのサイズに等しくなるまでビデオ信号の後に、予め定められたダミーデータを終端データとして書き込む第2のダミーデータ書き込み手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る記録方法は、ビデオ信号を、ビデオ信号が記憶される記憶領域を有する記憶手段に書き込む前に、記憶手段の記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定するファイルサイズ決定工程と、少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルをファイルサイズ決定工程で決定されたサイズで記憶手段の記憶領域に記憶させるダミーファイル書き込み工程と、各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込む第1のダミーデータ書き込み工程と、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定するダミーファイル決定工程と、ビデオ信号をダミーファイル決定工程で決定されたダミーファイルに書き込むビデオ信号書き込み工程と、ビデオ信号書き込み工程でビデオ信号が書き込まれたダミーファイルに関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを変更して当該ダミーファイルの名前を変更するファイル名変更工程と、ビデオ信号書き込み工程で書きこんだビデオ信号のデータのサイズが、ファイルサイズ決定工程で決定されたダミーファイルのサイズ未満である場合に、データのサイズが前記ファイルサイズ決定工程で決定されたダミーファイルのサイズに等しくなるまでビデオ信号の後に、予め定められたダミーデータを終端データとして書き込む第2のダミーデータ書き込み工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る再生装置は、複数のフレームを含むビデオ信号が記憶された第1の記憶手段と、第1の記憶手段から読み出されたビデオ信号が記憶され、リング状に形成された複数の単位バッファから構成された第2の記憶手段と、ビデオ信号を再生する場合に、前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から複数のフレーム毎に読み出し、読み出したビデオ信号を複数のフレーム毎に第2の記憶手段に書き込む映像データ書き込み手段と、ビデオ信号を時系列に沿って再生する場合に、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、ビデオ信号を第1の記憶手段から読み出す処理を、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する読み込み停止手段と、読み込み停止手段により停止されたビデオ信号を第1の記憶手段から読み出す処理を再開する読み込み再開手段と、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号を順方向又は逆方向に再生する再生手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る再生方法は、ビデオ信号を再生する場合に、ビデオ信号を複数のフレームを含むビデオ信号が記憶された第1の記憶手段から複数のフレーム毎に読み出し、読み出したビデオ信号を複数のフレーム毎に第1の記憶手段から読み出されたビデオ信号が記憶され、リング状に形成された複数の単位バッファで構成された第2の記憶手段に書き込む映像データ書き込み工程と、ビデオ信号を時系列に沿って再生する場合に、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、ビデオ信号を第1の記憶手段から読み出す処理を、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する読み込み停止工程と、読み込み停止工程により停止されたビデオ信号を第1の記憶手段から読み出す処理を再開する読み込み再開工程とを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る再生方法は、ビデオ信号を逆方向再生する場合に、複数のフレームを含むビデオ信号が記憶された第1の記憶手段からフレームを読み出す読み出し順序が、各フレームに割り当てられたフレーム番号が昇順となるようにビデオ信号を複数のフレーム毎に読み出し、読み出したビデオ信号を、第1の記憶手段から読み出されたビデオ信号が記憶され、かつ、リング状に形成された複数の単位バッファで構成された第2の記憶手段に複数のフレーム毎に書き込む映像データ書き込み工程と、ビデオ信号を逆方向に再生する場合に、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、ビデオ信号を第1の記憶手段から読み出す処理を、第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する読み込み停止工程と、読み込み停止工程により停止されたビデオ信号を第1の記憶手段から読み出す処理を再開する読み込み再開工程と、第2の記憶手段からフレームを読み出す読み出し順序が、各フレームに割り当てられたフレーム番号が降順となるように、複数のフレーム毎に順次読み出して逆方向再生する逆再生処理を実行する逆再生工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ビデオ信号の記録時にファイルの断片化を生じることなく記録することによって、ハードディスクドライブへのデータの書き込み、及びハードディスクからのデータの読出し速度の低下を防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の形態に関し、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る記録装置を適用した記録再生装置1の全体構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施の形態に係る記録再生装置は、ビデオ信号を記憶した記憶領域の断片化を防止するとともに、再生時ないし記録時の処理の高速化を図る観点から、ビデオ信号をビデオ信号が記憶される記憶領域を有する記憶手段に書き込む前に、前記記憶手段の記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定し、少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを決定されたサイズで記憶領域に記憶させ、記憶領域に記憶された各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込んだ状態で、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定し、ビデオ信号を決定されたダミーファイルに書き込む処理を実行する装置である。
【0014】
本実施の形態に係る記録再生装置1は、ビデオ入力部1aと、操作入力受付部1bと、ストリームエンコーダ1cと、システムコントローラ1dと、ファイルシステム1eと、ハードディスク1fと、同期処理部1gと、ストリームデコーダ1hと、ビデオ出力部1iとを備えている。
【0015】
ビデオ入力部1aは、システムコントローラ1dの制御の下、外部から入力されたMPEG2 TS等のビデオ信号の入力を受け付け、入力を受け付けたビデオ信号をストリームエンコーダに出力する。
【0016】
操作入力受付部1bは、操作者の操作によって入力されたハードディスクドライブのファイルを初期化するための初期化要求、ハードディスクドライブにビデオ信号を記録するためのビデオ信号記録要求、再生対象のファイルの名前とハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を再生するためのビデオ信号再生要求との組、及び消去対象のファイルの名前とハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を消去するためのビデオ信号消去要求との組をシステムコントローラ1dに出力する。
【0017】
ストリームエンコーダ1cは、システムコントローラ1dの制御の下、ビデオ入力部1aから入力されたビデオ信号にコーデック処理を施し、ビデオ信号を圧縮して、得られたデジタルビデオデータをハードディスクに書き込む。
【0018】
システムコントローラ1dは、ビデオ信号をビデオ信号が記憶される記憶領域を有するハードディスク1fに書き込む前に、ハードディスク1fの記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定し、少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを決定されたサイズで記憶領域に記憶させ、記憶領域に記憶された各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込んだ状態で、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定し、ビデオ信号を決定されたダミーファイルに書き込む処理を実行するようにファイルシステム1fを制御する処理と、フォーマット処理、データ書き込み処理、データ再生処理を実行するように、記録再生装置1全体を制御する処理とを実行する。
【0019】
ファイルシステム1eは、システムコントローラ1dの制御の下、ハードディスクドライブ1fにビデオデータを書き込む前に、ハードディスク1fの記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定し、少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを決定されたサイズで記憶領域に記憶させ、記憶領域に記憶された各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込むフォーマット処理と、ハードディスクドライブ1fへのビデオデータの書き込み処理と、ハードディスクドライブ1fからのビデオデータの読み出し処理とを実行する。
【0020】
ハードディスクドライブ1fは、ビデオ信号を圧縮して得られたデジタルビデオデータが、書き込み/読み出し可能に記憶された記憶媒体である。
【0021】
同期処理部1gは、システムコントローラ1dの制御の下、ビデオ信号入力部1aに入力されたビデオ信号に含まれる水平同期信号、垂直同期信号、クロック信号を抽出し、抽出した水平同期信号、垂直同期信号、同期信号をビデオ出力部1iに出力する。
【0022】
ストリームデコーダ1hは、ハードディスクドライブ1fから読み出されたデジタルビデオデータを解凍し、得られたビデオ信号をビデオ出力部1iに出力する。
【0023】
ビデオ出力部1iは、ストリームデコーダ1hから出力されたビデオ信号を受け取り、同期処理部1gから出力された水平同期信号、垂直同期信号を用いて、ストリームデコーダ1hから受け取ったビデオ信号を、記録再生装置1本体に入力されたビデオ信号の信号波形と同様の波形にして出力する。
【0024】
次に、以上のように構成された記録再生装置1の実行する処理に関して図面を参照して説明する。図2乃至図9は、本実施の形態に係る記録再生装置1の実行する処理を説明するための図である。なお、以下の説明では、説明を本発明のポイントに絞ると共に、説明の効率化を図る観点から、本実施に係る記録再生装置1の実行する全ての処理のうち、ここでは、前述したファイルシステム、及びシステムコントローラが前述したハードディスクドライブに対して実行する処理であるファイルを管理するファイル管理処理を構成するフォーマット処理、データ書き込み処理、データ再生処理、データ消去処理の各処理に関してのみ説明を行うこととする。
[フォーマット処理]
【0025】
始めに、本実施の形態に係る記録再生装置1が実行するファイル管理処理を構成するフォーマット処理、データ書き込み処理、データ再生処理、データ消去処理の各処理のうち、データを書き込む準備を行う処理に該当するフォーマット処理に関して説明する。
【0026】
まず、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によってハードディスクドライブ1fのファイルを初期化するための初期化要求が入力された場合には、ハードディスクドライブ1fの記憶領域にある全てのファイルを消去することによって、ハードディスクドライブ1fの初期化処理を実行する(A1)。
【0027】
次の工程A2では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号を、ビデオ信号が記憶される記憶領域を有するハードディスクドライブ1fに書き込む前に、ハードディスクドライブ1fの記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定する。
【0028】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1のファイルシステム1eがハードディスクドライブ1fの記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズとしては、ファイルシステム1eに固有のファイルのサイズの最大のサイズ、例えば2GByteでもよいし、それ以下のサイズであってもよいことは言うまでもない。
【0029】
次の工程A3では、ファイルシステム1eは、ハードディスクドライブ1fの記憶領域に、決定した均一サイズのダミーファイルを生成して、生成したダミーファイルを記憶させる。
【0030】
次の工程A4では、ファイルシステム1eは、各ダミーファイルに少なくとも連続番号を含む任意の名前を付与する。
【0031】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eが各ダミーファイルに付与する名前としては、デジタルビデオのデータの記録を行っていないことが特定できる名前であれば、如何なる名前であってもよい。
【0032】
例えば、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eが各ダミーファイルに付与する名前としては、図2に示すように、デジタルビデオのデータの記録を行っていない、換言すれば未使用のファイルであることをシステムが特定できる「empty」と、連続番号を含む特定の名前とを組み合わせた「empty_e1」、「empty_e2」、「empty_e3」、…、「empty_e13」、「empty_14」、「empty_15」、…、「empty_eN」等であってもよい。
【0033】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図7に示すように、ファイルシステム1eが各ダミーファイルに付与する名前としては、図2に示すように、デジタルビデオのデータの記録を行っていない、換言すれば未使用のファイルであることをシステムが特定できる「empty」と、ランダムな番号を含む特定の名前とを組み合わせた名前を付与してもよいことは言うまでもない。
【0034】
次の工程A5では、ファイルシステム1eは、各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込む。
【0035】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eが各ダミーファイルに書き込むダミーデータとしては、例えばオール0のデータ列、オール1のデータ列、又は特定のパターンのデータ列、例えば「01010101…」という0と1の任意の組み合わせからなるデータ列であってもよいことは言うまでもない。
【0036】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eを管理するオペレーティングシステムがダミーデータを書き込むことなく、領域の確保とファイル名の管理との処理を実行可能なオペレーティングシステムであれば、決定された略一定のサイズからなる複数のダミーファイルを生成するのみで、生成した各ダミーファイルへのダミーデータの書き込みを行わなくてもよいことは言うまでもない。
【0037】
以上の一連の処理により、本実施の形態に係る記録再生装置1は、フォーマット処理を終了する。
[データ書き込み処理]
【0038】
次に、本実施の形態に係る記録再生装置1が実行するファイル管理処理を構成するデータ書き込み処理に関して説明する。
【0039】
始めに、工程B1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によってハードディスクドライブ1fにビデオ信号を記録するためのビデオ信号記録要求が入力された場合には、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定する。
【0040】
例えば、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図3に示すように、1番目のダミーファイルと、2番目のダミーファイルとに他のビデオ信号が記憶されていた場合には、3番目のダミーファイルである「Empty_e3」が選択することになる。
【0041】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図6に示すように、ビデオ信号の記録時に、各ダミーファイルに付与された名前のうち、名前に含まれる番号が第1の番号と、第1の番号よりも大きい第2の番号とを含むダミーファイルを組み合わせてビデオ信号が書き込まれたダミーファイルの分布が略均一となるように、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定してもよいことは言うまでもない。
【0042】
これにより、ハードディスクドライブの内周と外周との記録速度の均一化を図ることも可能になる。
【0043】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図7に示すように、ファイルシステム1eが各ダミーファイルに付与する名前としては、デジタルビデオのデータの記録を行っていない、換言すれば未使用のファイルであることをシステムが特定できる「empty」と、ランダムな番号を含む特定の名前とを組み合わせた名前が付与されている場合には、ビデオ信号のデータを書き込むためのダミーファイルを選択する際に、選ぶダミーファイルの番号を昇順又は降順となるように、ビデオ信号のデータを書き込むためのダミーファイルを選択してもよい。
【0044】
これにより、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ランダムに番号を付与されたダミーファイルを昇順又は降順等の順番に使用することで、ハードディスクドライブ1f内の記憶領域内の場所が内周と外周とがランダムに使用されるようになり、ハードディスクドライブの内周及び外周の記録速度の性能差が均一化されて性能を改善することも可能になる。
【0045】
更に、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図8に示すように、ビデオ信号を書き込むためのダミーファイルを選択する際に、選ぶダミーファイルの番号をランダムになるように、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを選択してもよい。
【0046】
これにより、本実施の形態に係る記録再生装置1では、連続番号を付与されたダミーファイルをランダムな順番で使用することで、ハードディスクドライブ1f内の記憶領域内の場所が内周と外周とがランダムに使用されるようになり、ハードディスクドライブ1fの内周外周の記録速度の性能差が均一化されて性能を改善することも可能になる。
【0047】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号を書き込むためのダミーファイルを選択する際に、選ぶダミーファイルの番号を、ダミーファイルの総数である最大の番号、例えば「N」が付与されたダミーファイルから順にデクリメントするように、「N−1」、「N−2」、「N−3」…「3」、「2」、「1」となるように、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを選択してもよい。この場合、ファイルシステム1eは、最初、ダミーファイルの総数である最大の番号を管理するが、データの書き込みと共に、管理する番号を「N」が付与されたダミーファイルから順に「N−1」、「N−2」、「N−3」…「3」、「2」、「1」とデクリメントする。
【0048】
次の工程B2では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号を書き込むダミーファイルとして決定されたダミーファイルをオープンして、当該ダミーファイルにビデオ信号を書き込むことが出来るようにする。
【0049】
次の工程B3では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイル内に予め書き込んだダミーデータの量と同一のデータ量になるまで、ダミーファイル内に予め書き込んだダミーデータをビデオ信号のデータでオーバーライトすることによって、ダミーファイル内にビデオ信号のデータを書き込む。
【0050】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルに書き込んだ後で、予め決定したダミーファイルのサイズと一致するまでダミーデータを書き込むことになる。
【0051】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルに書き込んだ後で、予め決定したダミーファイルのサイズと一致するまでダミーデータを書き込んでいたが、これに限らず、本実施の形態に係るファイルシステム1eは、図4に示すように、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルに書き込んだ後で、当該ダミーファイル内にビデオ信号のデータがこれ以上存在しないことを示す予め定められた終端データ、例えば「ffffffff」を書き込んで、予め決定したダミーファイルのサイズと一致するまでダミーデータを書き込むことなく、データ書き込み処理を終了してもよいことは言うまでもない。
【0052】
これにより、本実施の形態に係るファイルシステム1eは、図5に示すように、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、予め決定したダミーファイルのサイズと一致するまでダミーデータを書き込むことなく、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルに書き込んだ後で、当該ダミーファイル内にビデオ信号のデータがこれ以上存在しないことを示す予め定められた終端データ、例えば「ffffffff」を書き込んでデータの書き込み処理を終了するので、処理時間の短縮を図ることも可能である。
【0053】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ内のオープンしたダミーファイルに書き込んだ後で、予め決定したダミーファイルのサイズと一致するまでダミーデータを書き込んでいたが、これに限らず、本実施の形態に係るファイルシステム1eは、図9に示すように、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルの先頭、最終端等の予め定められた位置に、予め定められたバイト数領域に、そのダミーファイル内に書き込んだビデオデータのバイト数を書き込んでもよいことは言うまでもない。
【0054】
次の工程B4では、ファイルシステム1eは、予め書き込んだダミーデータの量と同一のデータ量になるまでビデオ信号のデータを書き込んだダミーファイルをクローズする。
【0055】
次の工程B5では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号が書き込まれたダミーファイルに関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを変更して当該ダミーファイルの名前を変更する。
【0056】
例えば、前述した図3に示す例では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号が書き込まれたダミーファイル「Empty_e3」に関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを、デジタルビデオデータの記録を行ったことが特定できる特定の名称「scene1」に変更して当該ダミーファイルの名前を「scene1_e3」にそれぞれ変更する。
【0057】
工程B6では、ファイルシステム1eは、ハードディスクドライブ1fへの書き込み対象のデータであるビデオ信号の全てのデータの入力の受け付けが終了したかを判定する。
【0058】
ファイルシステム1eは、前述した工程B6における判定の結果、ハードディスクドライブ1fへの書き込み対象のデータであるビデオ信号の全てのデータの入力の受け付けが終了したと判定した場合には、ハードディスクドライブ1fへのビデオ信号のデータの書き込み処理を終了する。
【0059】
一方、ファイルシステム1eは、前述した工程B6における判定の結果、ハードディスクドライブ1fへの書き込み対象のデータであるビデオ信号の全てのデータの入力の受け付けが終了していないと判定した場合には、前述した工程B1に移行して、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定する処理を実行し、しかる後、ハードディスクドライブ1fへの書き込み対象のデータであるビデオ信号の全てのデータの入力の受け付けが終了するまで前述した工程B1乃至工程B5における実行処理を繰り返す。
【0060】
以上の一連の処理により、本実施の形態に係る記録再生装置1は、データ書き込み処理を終了する。
[データ再生処理]
【0061】
次に、本実施の形態に係る記録再生装置1が実行するファイル管理処理を構成するデータ再生処理に関して説明する。
【0062】
始めに工程C1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって、再生対象のファイルの名前と、ハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を再生するためのビデオ信号再生要求とが入力された場合には、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前をハードディスクドライブ1f上で探索する。
【0063】
ファイルシステム1eは、前述した探索の結果、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在する場合(C1:Yes)には、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの時間的に最初に再生すべきファイルの名前を検出する(C2)。
【0064】
例えば、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前「scene」の始めのファイル名「scene1_xx」を探索すると、前述した図3に示すように、ハードディスクドライブ上にファイル名「scene1_e3」が得られることになる。
【0065】
一方、ファイルシステム1eは、前述した探索の結果、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前がハードディスクドライブ上に存在しない場合(C1:No)には、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前がハードディスクドライブ上に存在しないことを操作者に報知した後(C3)、実行中の処理であるデータ再生処理を終了する。
【0066】
工程C4では、ファイルシステム1eは、検出した操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの時間的に最初に再生すべきファイルをオープンして、記憶されたデータを読み取ることが可能な状態にする。
【0067】
工程C5では、ファイルシステム1eは、オープンして、記憶されたデータを読み取ることが可能な状態にしたファイルから記憶された映像データを読み込み、読み込んだデータをストリームデコーダ1hに出力する。
【0068】
これにより、操作入力受付部から操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの時間的に最初に再生すべきファイルに記憶された映像データがストリームデコーダ1hによって再生される。
【0069】
工程C6では、ファイルシステム1eは、映像データを読み込んだファイルをクローズする。
【0070】
工程C7では、ファイルシステム1eは、時間的に、操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの次に再生すべきファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在するかを判定する。
【0071】
ファイルシステム1eは、前述した工程の結果、次に再生すべきファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在すると判定した場合には(C7:Yes)、前述した工程C2に移行して、前述した工程C2乃至工程C6における実行処理を繰り返す。
【0072】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの時間的に最後に再生すべきファイルのときには、ダミーデータの直前までのビデオ信号の読み込みを行った後、読み込んだビデオ信号のデータをストリームエンコーダ1hに出力する。
【0073】
従って、本実施の形態に係る記録再生装置1では、操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの時間的に最後に再生すべきファイルのときには、ストリームコーダ1hによってダミーファイル内に記憶されたダミーデータの直前までのビデオ信号が再生されることになる。
【0074】
例えば、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前「scene」の始めのファイル名「「scene1_e3」の次に再生すべきファイルの名前がハードディスクドライブ上に存在するかを判定して、「scene2_e4」を検出し、検出した「scene2_e4」をオープンして、「scene2_e4」内に記憶されたビデオ信号のデータを読み込み、読み込んだビデオ信号のデータをストリームデコーダ1hに出力する。
【0075】
これによって、本実施の形態に係る記録再生装置1では、「scene2_e4」内に記憶されたビデオ信号のデータが再生される。
【0076】
次に、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前「scene」のファイル名「scene2_e4」の次に再生すべきファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在するかを判定して、「scene3_e5」を検出し、検出した「scene3_e5」をオープンして、「scene3_e5」内に記憶されたビデオ信号のデータを読み込み、読み込んだビデオ信号のデータをストリームデコーダに出力する。
【0077】
これによって、本実施の形態に係る記録再生装置1では、「scene3_e5」内に記憶されたビデオ信号のデータが再生される。
【0078】
次に、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象のファイルの名前「scene」のファイル名「scene3_e5」の次に再生すべきファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在するかを判定して、「scene4_e6」を検出し、検出した「scene4_e6」をオープンして、「scene4_e6」内に記憶されたダミーデータの前までのビデオ信号のデータを読み込み、読み込んだビデオ信号のデータをストリームデコーダ1hに出力する。
【0079】
これによって、本実施の形態に係る記録再生装置1では、「scene4_e6」内に記憶されたダミーデータ前までに記憶されたビデオ信号のデータが再生される。
【0080】
一方、ファイルシステム1eは、前述した工程の結果、次に再生すべきファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在しないと判定した場合には(C7:No)、そのまま実行処理を終了する。
【0081】
以上の一連の処理により、本実施の形態に係る記録再生装置1は、データ再生処理を終了する。
【0082】
なお、本実施の形態に係るファイルシステム1eは、図5に示すように、最後のデータのようにデータの書き込み時に、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合に、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルに書き込んだ後で、当該ダミーファイル内にビデオ信号のデータがこれ以上存在しないことを示す予め定められた終端データ、例えば「ffffffff」が書き込まれている場合には、当該終端データの前までのデータを読み込み、読み込んだデータをストリーミングデコーダ1hに出力する。
【0083】
これにより、本実施の形態に係る記録再生装置1では、当該終端データの前までのビデオデータが再生されることになる。
【0084】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図9に示すように、オープンしてビデオ信号を書き込むことが出来るようにしたダミーファイルに書き込むことが可能な量にビデオ信号のデータ量が到達しなかった場合には、ビデオ信号のデータをハードディスクドライブ1f内のオープンしたダミーファイルの先頭、最終端等の予め定められた位置に、予め定められたバイト数領域に、そのダミーファイル内に書き込んだビデオデータのバイト数が書き込まれている場合には、当該書き込まれているバイト数を読み込んだ後、読み込んだバイト数のビデオデータをストリームデコーダに出力するようにしてもよい。
【0085】
これにより、本実施の形態に係る記録再生装置1では、当該ダミーファイルに関しては、書きこまれたバイト数分のビデオデータが再生されることになる。
[データ消去処理]
【0086】
次に、本実施の形態に係る記録再生装置1が実行するファイル管理処理を構成するデータ消去処理に関して説明する。
【0087】
始めに工程D1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって、再生対象のファイルの名前と、ハードディスクドライブ1fに記録されたビデオ信号を消去するためのビデオ信号消去要求とが入力された場合には、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された消去対象のファイルの名前をハードディスクドライブ1f上で探索する。
【0088】
ファイルシステム1eは、前述した探索の結果、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された消去対象のファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在する場合(D1:Yes)には、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された消去対象のファイルの名前を検出する(D2)。
【0089】
例えば、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された消去対象のファイルの名前「scene」のファイル名「scenex_xx」を探索すると、図4に示すように、ハードディスクドライブ1f上にファイル名「scene1_e3」、「scene2_e4」、「scene3_e5」、「scene4_e6」が得られることになる。
【0090】
一方、ファイルシステム1eは、前述した探索の結果、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された消去対象のファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在しない場合(D1:No)には、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された消去対象のファイルの名前がハードディスクドライブ1f上に存在しないことを操作者に報知した後(D3)、実行中の処理であるデータ消去処理を終了する。
【0091】
工程D4では、ファイルシステム1eは、検出された消去対象のファイル内に記憶されたデータは消去対象のファイルに記憶されたままの状態で、ビデオ信号のデータを書き込む際に変更したファイル名を、変更する前のダミーファイルの名前と同一の名前に変更する。
【0092】
例えば、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、図4に示すように、検出された消去対象のファイル「scene1_e3」、「scene2_e4」、「scene3_e5」、「scene4_e6」内に記憶されたデータは消去対象のファイル「scene1_e3」、「scene2_e4」、「scene3_e5」、「scene4_e6」の各々に記憶されたままの状態で、ビデオ信号のデータを書き込む際に変更したファイル名「scene1_e3」、「scene2_e4」、「scene3_e5」、「scene4_e6」を、変更する前のダミーファイルの名前「empty_e3」、「empty_e4」、「empty_e5」、「empty_e6」と同一の名前に変更する。
【0093】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1では、ファイルシステム1eは、ビデオ信号を書き込むためのダミーファイルを選択する際に、選ぶダミーファイルの番号を、ダミーファイルの総数である最大の番号、例えば「N」が付与されたダミーファイルから順にデクリメントするように、「N−1」、「N−2」、「N−3」…「3」、「2」、「1」となるように、ビデオ信号を書き込むダミーファイルを選択して記録されている場合、換言すれば、ファイルシステム1eによって管理された番号が、ダミーファイルの総数である最大の番号から、データの書き込みと共に、管理する番号を順に「N−1」、「N−2」、「N−3」…「3」、「2」、「1」とデクリメントされている場合には、検出された消去対象のファイル内に記憶されたデータは消去対象のファイルに記憶されたままの状態で、ビデオ信号のデータを書き込む際に変更したファイル名に含まれる数字に1を加算して得られた数字を含む名前に変更する。
【0094】
これにより、ビデオ信号の記録時には、書き込みファイルがダミーファイルの名前に含まれる番号の大きいダミーファイルから小さい番号の含まれるダミーファイルへと順にダミーファイルが選択されて使用され、消去時には、消去ファイルが変更前のダミーファイルの名前に変更するのでなく、ハードディスク内で管理された最大番号の次の番号で管理されるので、ダミーファイルに付与された名前に含まれる番号の重複が起こらないで容易に番号管理が可能になる。
【0095】
このようにダミーファイル番号を管理しながら使用することで、現在のダミーファイルの総数がいくつか容易に管理できるのに加え、その値に固定値であるダミーファイルのサイズを乗算することで、未使用記録バイト数を容易に算出することが出来ると共に、未使用記録バイトの管理を実行出来る。
【0096】
以上の一連の処理により、本実施の形態に係る記録再生装置1は、データ消去処理を終了する。
【0097】
上述したように、本実施の形態によれば、ハードディスクドライブ1fのファイルシステム1eの初期化後に、任意に定めたダミーファイルサイズに従って、ハードディスクドライブの全ての記憶領域を、ダミーファイルサイズで記録するので、ビデオファイルの記録と消去とを繰り返しても、始めにハードディスクドライブの全記憶領域に書き込んだファイルにオーバーライトするだけであるため、ファイルの断片化を防止することが可能になる。
【0098】
また、本実施の形態によれば、ハードディスクドライブのファイルシステム1eの初期化後に、任意に定めたダミーファイルサイズに従って、ハードディスクドライブ1fの全ての記憶領域を、ダミーファイルサイズで記録するので、ダミーファイルとして確保されるファイルは、昇順にLBAが連続しているため、ダミーファイルにビデオデータをオーバーライトしても、LBAの連続性が維持される。
【0099】
この結果、本実施の形態によれば、ダミーファイル内でのビデオデータの記録再生においては、LBAの昇順の連続読み書きが行われ、ハードディスクドライブ1fの読み書き性能の向上を図ることが可能になる。
【0100】
また、本実施の形態によれば、ダミーファイルの番号が大きくなるほどLBAが大きくなり、ダミーファイルの番号順にHDDの外周から内周に向かっておおむね順番にLBAが並ぶ状況になるので、記録するビデオ信号のビットレートに応じて、ダミーファイルの番号を使い分けることで、ハードディスクドライブの内外周における速度の違いを適切に使い分けることも可能になる。
【0101】
更に、本実施の形態によれば、ハードディスクドライブ1f内の内外周の書き込み位置を、おおよそコントロールすることが可能になる。
【0102】
また、本実施の形態によれば、記録するビデオ信号の高ビットレートの場合には、ダミーファイルの番号の小さいファイルに記録し、記録するビデオ信号の低ビットレートの場合には、ダミーファイルの番号の大きいファイルに記録することで、ハードディスクドライブ1fの内外周の記録スピードによる性能差を適切に使い分けることが出来る。
【0103】
更に、本実施の形態によれば、ファイルの消去は、ファイル内のデータは記憶された状態のままで何もいじらずに、ファイル名を変更するだけなので、高速の消去操作が可能となる。
【0104】
また、本実施の形態によれば、ビデオの記録ファイル名として、ビデオ信号のファイルの分割順番を示す番号と、ダミーファイルの番号とが両方入ったファイル名を採用することで、ビデオデータの消去の際に、そのファイルを元のダミーファイル名に容易に戻すことが出来て、ダミーファイルの番号管理などの特別な管理が不要となり、システムをシンプルに構成することが可能になる。
(第2の実施の形態)
【0105】
図10は、本発明の一実施の形態に係る再生装置を適用した記録再生装置1´の全体構成を示すブロック図である。なお、前述した図面と同一部分に関しては、同一符号を付して、その詳しい説明を省略し、ここでは、主として異なる部分に関して説明する。
【0106】
本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ビデオ信号をフレーム単位で管理して記録装置に記録し、再生時の順方向再生、及び逆方向再生処理の高速化を図る観点から、リング状に形成された複数の単位バッファから構成されたバッファ1jを装備し、そのバッファを以下に説明するように操作して、順方向再生、及び逆方向再生処理の高速化を可能にした装置である。
【0107】
本実施の形態に係る記録再生装置1´は、第1の実施の形態に係る記録再生装置1の構成の選択操作入力部1bを選択操作入力部1b´に、選択操作入力部1bを選択操作入力部1b´に、システムコントローラ1dをシステムコントローラ1d´に、ファイルシステム1eをファイルシステム1e´に、それぞれ置換すると共に、ハードディスクドライブ1fにビデオデータを読み書きする際に、ビデオデータを一時的に記憶させるバッファ1jを付加した構成となっている。
【0108】
選択操作入力部1b´は、操作者の操作によって入力されたハードディスクドライブのファイルを初期化するための初期化要求、ハードディスクドライブにビデオ信号を記録するためのビデオ信号記録要求、再生対象のファイルの名前とハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を順方向再生するためのビデオ信号再生要求との組、再生対象のファイルの名前とハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を逆方向再生するためのビデオ信号再生要求との組、及び消去対象のファイルの名前とハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を消去するためのビデオ信号消去要求との組をシステムコントローラ1d´に出力する。
【0109】
システムコントローラ1d´は、第1の実施の形態に係るシステムコントローラ1dの実行する処理に加え、バッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が、予め定められたフレーム数以上になったかを計測管理する処理と、バッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が、予め定められたフレーム数以上になった場合に、ファイルシステム1e´にハードディスクドライブ1fからフレームのデータを読み出して、バッファ1jに記憶させる処理を実行させる処理と、バッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が、予め定められたフレーム数以上になった場合に、当該バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、ストリームデコーダ1hに出力させる処理をバッファに実行させる処理と、選択操作入力部1b´から再生対象のファイル名と、当該ファイルを逆方向再生させるための逆方向再生要求とを受け取った場合にはデータ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理を、バッファ1jに実行させる処理と、フレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスク1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理とを並列的に実行する処理をファイルシステム1c´に実行させる処理とをそれぞれ1フレーム毎に実行させる処理とを実行する。
【0110】
ファイルシステム1e´は、第1の実施の形態に係るファイルシステム1eの実行する処理に加え、バッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が、予め定められたフレーム数以上になった場合に、ハードディスクドライブ1fからフレームのデータを読み出して、バッファ1jに記憶させる処理と、選択操作入力部1b´から再生対象のファイル名と、当該ファイルを逆方向再生させるための逆方向再生要求とを受け取った場合には、フレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスク1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理とを実行する。
【0111】
バッファ1jは、リング状に形成された複数の単位バッファから構成されたバッファであり、バッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が、予め定められたフレーム数以上になった場合に、当該バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、ストリームデコーダ1hに出力する処理と、選択操作入力部1b´から再生対象のファイル名と、当該ファイルを逆方向再生させるための逆方向再生要求とを受け取った場合にはデータ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理とを実行する。
【0112】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´の他の構成に関しては、前述した第1の実施の形態に係る記録再生装置1の構成と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0113】
次に、以上のように構成された記録再生装置1´の実行する実行処理に関し、図面を参照して説明する。
【0114】
なお、以下の説明では、説明を本発明のポイントに絞ると共に、説明の効率化を図る観点から、本実施に係る記録再生装置1´の実行する全ての処理のうち、ここでは、リング状に構成されたバッファ1jを用いた再生処理に関してのみ説明を行うこととする。
【0115】
始めに、ファイルシステム1e´は、操作入力受付部1bから操作者の操作によって、再生対象のファイルの名前と、ハードディスクドライブ1fに記録されたビデオ信号を順方向再生するための順方向再生要求とが入力された場合には、操作入力受付部1fから操作者の操作によって指定された再生対象の名前のファイルの始めのフレームF1をハードディスクドライブ1f上から読み出し、読み出した再生対象の名前のファイルの始めのフレームF1をリング状に構成されたバッファ1jの始めのバッファN1に書き込む。
【0116】
次の工程では、ファイルシステム1e´は、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF2をハードディスクドライブ1f上から読み出し、読み出した再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF2をリング状に構成されたバッファ1jの次のバッファN2に書き込む。
【0117】
次の工程では、ファイルシステム1e´は、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF3をハードディスクドライブ1f上から読み出し、読み出した再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF3をリング状に構成されたバッファ1jの次のバッファN3に書き込む。
【0118】
次の工程では、ファイルシステム1e´は、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF4をハードディスクドライブ1f上から読み出し、読み出した再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF4をリング状に構成されたバッファ1jの次のバッファN4に書き込む。
【0119】
次の工程では、ファイルシステム1e´は、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF5をハードディスクドライブ上から読み出し、読み出した再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF5をリング状に構成されたバッファ1jの次のバッファN5に書き込む。
【0120】
次の工程では、ファイルシステム1eは、操作入力受付部1bから操作者の操作によって指定された再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF6をハードディスクドライブ1f上から読み出し、読み出した再生対象の名前のファイルの次に再生すべきフレームF6をリング状に構成されたバッファ1jの次のバッファN6に書き込む。
【0121】
次の工程では、システムコントローラ1dは、計測されたバッファ内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が、予め定められたフレーム数以上になったかを計測管理する。
【0122】
次の工程では、ファイルシステム1e´は、システムコントローラ1dによって計測されたバッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、フレームをハードディスクドライブ1fから読み出す処理を、バッファ1jに記憶されたフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する。
【0123】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、ファイルシステム1e´は、システムコントローラ1dによって計測されたバッファ内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が設置されたフレームバッファ数の半分以上になった場合には、フレームをハードディスクドライブ1fから読み出す処理を、バッファ1jに記憶されたフレーム数が設置されたフレームバッファ数の半分以下になるまで停止するようにしてもよい。
【0124】
また、本実施の形態に係る記録再生装置では、ファイルシステム1e´は、システムコントローラ1cによって計測されたバッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が設置されたフレームバッファ数の半分以上になった場合には、フレームをハードディスクドライブ1fから読み出す処理を、バッファ1jに記憶されたフレーム数が設置されたフレームバッファ数の半分になるまで停止するようにしてもよい。
【0125】
図11は、本実施の形態に係る記録再生装置1´のバッファ内に、予め定められた6フレームと同一の数のフレームであるハードディスクドライブ1fから読み出したフレームF1〜F6が記憶されている状態を示す模式図である。
【0126】
本実施の形態に係る記録再生装置1´では、ファイルシステム1e´によって、バッファ1j内に記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに出力する処理が開始される。
【0127】
次の工程では、システムコントローラ1c´は、システムコントローラ1cによって計測されたバッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファ1j内に記憶されたフレームを読み出す読み出し処理をバッファ1jに開始させ、ストリームデコーダ1hに出力させる。
【0128】
具体的には、バッファN1は、システムコントローラ1c´によって計測されたバッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファN1内に記憶されたフレームF1を読み出し、ストリームデコーダ1hに出力させる。
【0129】
バッファN2は、システムコントローラ1c´によって計測されたバッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファN2内に記憶されたフレームF2を読み出し、ストリームデコーダ1hに出力する。
【0130】
バッファN3は、システムコントローラ1c´によって計測されたバッファ1j内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファN3内に記憶されたフレームF3を読み出し、ストリームデコーダ1hに出力する。
【0131】
バッファN4は、システムコントローラ1c´によって計測されたバッファ内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファN4内に記憶されたフレームF4を読み出し、ストリームデコーダに出力する。
【0132】
バッファN5は、システムコントローラ1c´によって計測されたバッファ内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファN4内に記憶されたフレームF4を読み出し、ストリームデコーダに出力する。
【0133】
バッファN6は、システムコントローラ1c´によって計測されたバッファ内に書き込まれた順方向再生のためのフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、バッファN6内に記憶されたフレームF6を読み出し、ストリームデコーダに出力する。
【0134】
システムコントローラ1c´は、これらのバッファN1乃至バッファN6からフレームF1乃至F4を読み出し、読み出したフレームF1乃至F4をストリームデコーダ1hへ転送する処理を、標準再生に必要なフレームスピードで、順次連続的に実行させる。
【0135】
図11乃至図18は、本実施の形態に係る記録再生装置1´の順方向再生時におけるバッファ1jからのストリームデコーダ1hへのフレームのデータを転送する転送処理を説明するための図である。
【0136】
前述した図11では、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームF7のデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したF7のフレームに関するデータを次のデータ書き込み位置としてバッファN7に記憶させる処理と、バッファ1jによって実行される次のデータ読み出し位置をバッファN1としてバッファN1に記憶されたフレームF1のデータを読み出して、読み出したF1のデータをストリームデコーダ1hに転送する処理とを並列的に実行を開始していることを示している。
【0137】
再生処理が進んで、図12では、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームF7のデータをハードディスクドライブから読み出し、読み出したF7のフレームに関するデータをバッファN7に記憶させる処理と、バッファ1jによって実行されるバッファN1に記憶されたフレームF1のデータを読み出して、読み出したF1のデータをストリームデコーダに転送する処理とを並列的に実行していることを示している。かかる状態では、ハードディスクドライブ1fから読み出したフレームの次のデータ書き込み位置は、バッファN8であり、次に、バッファからフレームのデータを読み出す次のデータ読出し位置は、バッファN2となっている。
【0138】
さらに、再生処理が進んで、図13では、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームF16のデータをハードディスクドライブから読み出し、読み出したF16のフレームに関するデータをバッファN16に記憶させる処理と、バッファ1jによって実行されるバッファN10に記憶されたフレームF10のデータを読み出して、読み出したF10のデータをストリームデコーダに転送する処理とを並列的に実行していることを示している。かかる状態では、ハードディスクドライブ1fから読み出したフレームの次のデータ書き込み位置は、バッファN1であり、次に、バッファ1jからフレームのデータを読み出す次のデータ読出し位置は、バッファN11となっている。
【0139】
更に、1フレーム分だけ再生処理が進んで、図14では、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームF7のデータをハードディスクドライブから読み出し、読み出したF7のフレームに関するデータをバッファN7に記憶させる処理と、バッファ1jによって実行されるバッファN1に記憶されたフレームF11のデータを読み出して、読み出したF11のデータをストリームデコーダに転送する処理とを並列的に実行していることを示している。かかる状態では、ハードディスクドライブ1fから読み出したフレームの次のデータ書き込み位置は、バッファN2であり、次に、バッファ1jからフレームのデータを読み出す次のデータ読出し位置は、バッファN12となっている。
【0140】
ここで、ファイルシステム1c´は、ハードディスクドライブ1fからフレームF17のデータを読み出し、読み出したフレームF17のデータをバッファN1へ書き込む処理を、既にバッファN1に記憶されたフレームF1のデータをオーバーライトする処理を行うことによって実行する。この結果、バッファN1に記憶されたフレームF1のデータは、オーバーライトすることによって消去されることになる。
【0141】
更に、フレームの再生処理が進んで、図15では、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームF70のデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したF7のフレームに関するデータをバッファN6に記憶させる処理と、バッファ1jによって実行されるバッファN16に記憶されたフレームF64のデータを読み出して、読み出したF64のデータをストリームデコーダ1hに転送する処理とを並列的に実行していることを示している。かかる状態では、ハードディスクドライブ1fから読み出したフレームの次のデータ書き込み位置は、バッファN7であり、次に、バッファ1jからフレームのデータを読み出す次のデータ読出し位置は、バッファN1となっている。
【0142】
以上詳説したように、操作入力受付部1bから操作者の操作によって、再生対象のファイルの名前と、ハードディスクドライブ1fに記録されたビデオ信号を順方向に再生するための順方向再生要求とが入力された場合には、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、フレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファに記憶させる処理を実行するデータ書き込み位置と、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータをストリームデコーダに転送する処理を実行するデータ読み出し位置とを順次時計回りに沿って移動させ、ハードディスクドライブから読み出したフレームに関するデータをバッファに記憶させる際にすでに当該バッファにフレームが記憶されている場合には、すでに当該バッファに記憶されているフレームのデータをハードディスクドライブから読み出したフレームのデータでオーバーライトする処理を実行している。
【0143】
一方、図15の状態で、操作入力受付部から操作者の操作によって、再生対象のファイルの名前と、ハードディスクドライブに記録されたビデオ信号を逆方向に再生するための逆方向再生要求とが入力された場合には、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理を実行するデータ書き込み位置と、バッファ1jによって実行されるバッファ1jに記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理を実行するデータ読み出し位置とを反時計回りに沿って移動させる処理を実行する。
【0144】
具体的には、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、操作入力受付部1bから操作者の操作によって、再生対象のファイルの名前と、ハードディスクドライブ1fに記録されたビデオ信号を逆方向に再生するための逆方向再生要求とが入力された場合には、図16に示すように、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理を実行するデータ書き込み位置と、バッファ1jによって実行されるバッファ1jに記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理を実行するデータ読み出し位置とを反時計回りに沿って1バッファ分移動させる処理を実行する。
【0145】
すなわち、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、フレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理を実行するデータ書き込み位置がバッファN1からバッファN16へと反時計回りに1フレーム分だけ移動する。
【0146】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、バッファ1jに記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理を実行するデータ読み出し位置がバッファN7からバッファN6へと反時計回りに1フレーム分だけ移動する。
【0147】
具体的には、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、図17に示すように、バッファ1jは、フレーム読み出し位置であるN16に書き込まれて既に一度使用したフレームF64のデータをバッファN16から読み出し、読み出したフレームF64のデータをストリームデコーダ1hに出力する。
【0148】
しかる後、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、フレーム読み出し位置であるN16を反時計回りに移動してバッファN15に移動する。
【0149】
そして、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、ファイルシステム1cは、フレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理を現在のデータ書き込み位置であるバッファN6に書き込む処理を実行する。
【0150】
このとき、バッファN6に書き込むフレームは、順再生方向で最後にバッファ1jに記憶させたフレームF70から逆方向でフレームを戻す方向に移動させる必要があり、なおかつ既にバッファ1j内に記憶されたフレーム分を飛ばす必要があるので、最後にバッファに記憶させたフレーム70からバッファのフレーム数16を差し引いたフレームF54を使うことになる。
【0151】
すなわち、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、バッファ1jによって実行されるデータ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理と、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスク1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理とを並列的に実行する処理を1フレーム毎に実行する。
【0152】
以上のような一連の処理により、本実施の形態に係る記録再生装置1´は、再生処理を終了する。
【0153】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、フレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファに記憶させる処理と、バッファ1jに記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理とを並列的に実行する処理を1フレーム毎に実行していたが、これに限らず、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、フレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理と、バッファ1jに記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理とを並列的に実行する処理を複数フレーム毎に実行してもよいことは言うまでもない。
【0154】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、バッファ1jによって実行されるデータ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理と、ファイルシステム1c´によって実行されるフレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスク1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1fに記憶させる処理とを並列的に実行する処理を1フレーム毎に実行していたが、これに限らず、データ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファ1jに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダに転送する処理と、フレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスクドライブ1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファに1j記憶させる処理とを並列的に実行する処理を複数フレーム毎、例えば図18に示すように、F52、F53、F54なる3フレーム毎に実行してもよいことは言うまでもない。
【0155】
この場合、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、フレームF54、フレームF53、フレームF52の順でハードディスクドライブから読み出し、リング状に形成したバッファN6、N5、N4の順にまとめて処理する。
【0156】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、データ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理と、フレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスク1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブ1fから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファ1jに記憶させる処理とを並列的に実行する処理を1フレーム毎に実行していたが、これに限らず、データ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに転送する処理と、フレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後にハードディスクドライブ1fから読み出してバッファ1jに記憶させたフレームから、設置されたバッファの数を差し引いたフレームのデータをハードディスクドライブから読み出し、読み出したフレームに関するデータをバッファに記憶させる処理とを並列的に実行する逆方向再生処理のみを1フレーム毎又は複数フレーム毎に実行してもよいことは言うまでもない。
【0157】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´で逆方向再生から順方向再生を行う場合におけるハードディスクドライブ1fから読み出したフレームのデータのバッファ1jへの書き込み処理と、バッファ1jから読み出したフレームのデータをストリームデコーダ1hに出力する処理とに関しては、上述したのと同様の手法によって実現可能である。
【0158】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、バッファ1jのフレーム長を固定長で説明したが、これに限らず、バッファ1jのフレーム長を可変にしてもよいことは言うまでもない。
【0159】
また、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、バッファをハードウェアで実装した場合に関して説明したが、OSが管理するメモリ上にアプリケーションで実装してもよいことはいうまでもない。
【0160】
なお、本実施の形態に係る記録再生装置1´では、バッファ1jの有するデータを記憶させる記憶領域の配分に関し、順方向再生に使用する記憶領域を逆方向再生に使用する記憶領域よりも優先する第1の設定、逆方向再生に使用する記憶領域を順方向再生に使用する記憶領域よりも優先する第2の設定、及び順方向再生に使用する記憶領域と逆方向再生に使用する記憶領域とを同一とする第3の設定を操作者の操作によって選択可能にしてもよいことはいうまでもない。
【0161】
上述したように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態によって奏することが出来る効果に加え、リングバッファ内の蓄積されたフレームを、使用後もそのままキープすることで、順方向標準再生から逆方向標準再生への移行と、逆方向標準再生から順方向標準再生への移行とが、バッファに蓄積されたフレームを有効利用して、効率良く順方向と逆方向の方向転換を行うことが出来る。
【0162】
また、本実施の形態によれば、フレームバッファをリング状にバッファ構成して、フレームのバッファ操作において、ハードディスクドライブからの読み出しフレームデータの蓄積操作フレーム位置と、蓄積されたフレームデータの再生の為の出力操作フレーム位置とが、一定に離れた位置になり、HDDからの読み出しフレームデータの蓄積操作と、蓄積されたフレームデータの再生の為の出力操作とが、同時並行して行える。
【0163】
更に、本実施の形態によれば、バッファ構成に順方向標準再生から逆方向再生に移行しても、バッファ内のフレームデータを消去させること無く、そのままバッファ内のフレームデータを残すため、システム負荷が減少する。
【0164】
また、本実施の形態によれば、順方向標準再生から逆方向再生に移行して、逆方向再生を行った後に、逆方向再生から順方向再生に戻した場合、そのフレームデータを有効に使用することが出来る。
【0165】
また、本実施の形態によれば、リング状に形成された複数の単位バッファから構成されたバッファで、単位バッファに読み込んだ蓄積フレームの消去操作は不要である。バッファがリング状に構成されているので、次々にHDDから必要なフレームを読み込んで、バッファにオーバーライトすることで、利用価値の低いフレームが自動的に消去され、不要フレームの消去動作が不要なので、効率的である。
【0166】
更に、本実施の形態によれば、HDDからのフレームデータを読み込み、リング状に形成された複数の単位バッファから構成されたバッファで、単位バッファに蓄積する動作を、1フレームごとに行わず複数フレームまとめて操作することにより、HDDからの連続データ読み込みとなり、その効率が上がる。
【0167】
また、本実施の形態によれば、で逆方向再生の場合に、HDDからの複数フレームまとめての読み出しにおいて、フレームを降順に読まずに昇順にまとめて読むことで、HDDのシーク動作が入らずに、HDD記録ストーレッジからのフレームデータの読み出しスピードが高速になり、システムの性能が向上する。
【0168】
更に、本実施の形態によれば、システムに使用するバッファ内の順方向フレームの蓄積数を、リング状に形成された複数の単位バッファの数の半分以下にした設定、或いは半分以上にした設定、又は半分にした設定などの選択を行うことを可能とすることによって、順方向再生に重点を置いた設定、逆方向再生に重点を置いた設定、又は順方向再生と逆方向再生にバランスが取れた設定を選択することが可能になる。
【0169】
また、本実施の形態によれば、大きなシステム変更の必要はなく、HDDからのフレームデータの読み込みを一時停止する、バッファ内に蓄積される順方向フレームの、予め定めて置くフレーム数を、バッファ内の全フレーム数に対して定めるだけでよいので、各種のシステムに適応させることが容易に出来る。
【0170】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。更に上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が生成され得る。例えば各実施の形態に示される全構成要件からいくつかの要件が省略されることで発明が生成される場合には、その生成された発明を実施する段階では省略部分が周知慣用技術で補われるものである。
【0171】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】本発明の一実施の形態に係る記録装置を適用した記録再生装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図3】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図4】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図5】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図6】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図7】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図8】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図9】同実施の形態に係る記録再生装置1の実行処理を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る再生装置を適用した記録再生装置1´の全体構成を示すブロック図である。
【図11】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図12】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図13】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図14】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図15】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図16】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図17】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【図18】同実施の形態に係る記録再生装置1´の実行処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0173】
1 記録再生装置、1´ 記録再生装置、1a ビデオ入力部、1b 操作入力受付部、1b´ 操作入力受付部1c ストリームエンコーダ、1d システムコントローラ、1d´ システムコントローラ、1e ファイルシステム、1e´ ファイルシステム、1f ハードディスク、1g 同期処理部、1h ストリームデコーダ、1i ビデオ出力部、1j バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ信号を、前記ビデオ信号が記憶される記憶領域を有する記憶手段に書き込む前に、前記記憶手段の記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定するファイルサイズ決定手段と、
少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを前記ファイルサイズ決定手段によって決定されたサイズで前記記憶手段の記憶領域に記憶させるダミーファイル書き込み手段と、
前記各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込む第1のダミーデータ書き込み手段と、
前記ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定するダミーファイル決定手段と、
前記ビデオ信号を前記ダミーファイル決定手段により決定されたダミーファイルに書き込むビデオ信号書き込み手段と、
前記ビデオ信号書き込み手段によってビデオ信号が書き込まれたダミーファイルに関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを変更して当該ダミーファイルの名前を変更するファイル名変更手段と、
前記ビデオ信号書き込み手段によって書きこんだビデオ信号のデータのサイズが、前記ファイルサイズ決定手段によって決定されたダミーファイルのサイズ未満である場合に、データのサイズが前記ファイルサイズ決定手段によって決定されたダミーファイルのサイズに等しくなるまで前記ビデオ信号の後に、予め定められたダミーデータを終端データとして書き込む第2のダミーデータ書き込み手段と
を備える記録装置
【請求項2】
ビデオ信号を、前記ビデオ信号が記憶される記憶領域を有する記憶手段に書き込む前に、前記記憶手段の有する全ての記憶領域に対する初期化処理を実行する初期化処理実行手段を更に備える請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記ビデオ信号の消去時に、前記ファイル内に記憶されたデータは前記記憶手段に記憶されたままの状態で、前記ファイル名変更手段によって変更したファイル名を、前記ファイル名変更手段によって変更する前の名前に変更する第2のファイル名変更手段を更に備える請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記ダミーファイル決定手段は、
前記ビデオ信号の記録時に、前記各ダミーファイルに付与された名前のうち、前記名前に含まれる番号が第1の番号と、前記第1の番号よりも大きい第2の番号とを含むダミーファイルを組み合わせてビデオ信号が書き込まれたダミーファイルの分布が略均一となるように、前記ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定する請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記各ダミーファイルに少なくとも連続番号を含む任意の名前を付与するファイル名付与手段を備え、
前記ダミーファイル決定手段は、
前記ビデオ信号の記録時に、前記各ダミーファイルに付与された名前のうち、前記名前に含まれる番号が最大の番号を含むダミーファイルが、前記ビデオ信号を書き込むダミーファイルとなるように、前記ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定し、
前記ファイル名変更手段は、
前記ビデオ信号の消去時に、前記ファイル内に記憶されたデータは前記記憶手段に記憶されたままの状態で、前記ファイル名付与手段によって付与された名前を、前記ファイル名付与手段によって付与された名前に含まれる番号に1を加算した番号を少なくとも含む名前に変更する請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
前記ビデオ信号の記録時に、前記ダミーファイル決定手段によって決定されたダミーファイル内の予め定められた領域に、当該ダミーファイルに書き込んだビデオデータのバイト数を書き込むバイト数書き込み手段と、
前記ビデオ信号の再生時に、前記ダミーファイル内の全データのうち、バイト数書き込み手段によって書きこまれたバイト数のみを読み込んで、ビデオ信号を再生する再生手段に出力する出力手段とを更に備えた請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
ビデオ信号を、前記ビデオ信号が記憶される記憶領域を有する記憶手段に書き込む前に、前記記憶手段の記憶領域に記憶させる単位当たりのダミーファイルのサイズを決定するファイルサイズ決定工程と、
少なくとも連続番号を含む任意の名前が付与された複数のダミーファイルを前記ファイルサイズ決定工程で決定されたサイズで前記記憶手段の記憶領域に記憶させるダミーファイル書き込み工程と、
前記各ダミーファイル内に、ダミーデータを書き込む第1のダミーデータ書き込み工程と、
前記ビデオ信号を書き込むダミーファイルを決定するダミーファイル決定工程と、
前記ビデオ信号を前記ダミーファイル決定工程で決定されたダミーファイルに書き込むビデオ信号書き込み工程と、
前記ビデオ信号書き込み工程でビデオ信号が書き込まれたダミーファイルに関し、当該ダミーファイルに付与された名前のうち、連続番号以外の部分のみを変更して当該ダミーファイルの名前を変更するファイル名変更工程と、
前記ビデオ信号書き込み工程で書きこんだビデオ信号のデータのサイズが、前記ファイルサイズ決定工程で決定されたダミーファイルのサイズ未満である場合に、データのサイズが前記ファイルサイズ決定工程で決定されたダミーファイルのサイズに等しくなるまで前記ビデオ信号の後に、予め定められたダミーデータを終端データとして書き込む第2のダミーデータ書き込み工程と
を含む記録方法。
【請求項8】
前記ビデオ信号の消去時に、前記ファイル内に記憶されたデータはそのままの状態で、前記ファイル名変更工程で変更されたファイル名を、前記ファイル名変更工程で変更する前の名前に変更する第2のファイル名変更工程を更に含む請求項7に記載の記録方法。
【請求項9】
複数のフレームを含むビデオ信号が記憶された第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段から読み出されたビデオ信号が記憶され、リング状に形成された複数の単位バッファから構成された第2の記憶手段と、
前記ビデオ信号を再生する場合に、前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から複数のフレーム毎に読み出し、読み出したビデオ信号を複数のフレーム毎に前記第2の記憶手段に書き込む映像データ書き込み手段と、
前記ビデオ信号を時系列に沿って再生する場合に、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する読み込み停止手段と、
前記読み込み停止手段により停止された前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を再開する読み込み再開手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号を順方向又は逆方向に再生する再生手段と
を備えた再生装置。
【請求項10】
前記読み込み停止手段は、
前記ビデオ信号を時系列に沿って再生する場合に、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止し、
前記読み込み再開手段は、
前記読み込み停止手段により停止された前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を再開する
請求項9に記載の再生装置。
【請求項11】
前記第2の記憶手段の有するデータを記憶させる記憶領域の配分に関し、順方向再生に使用する記憶領域を逆方向再生に使用する記憶領域よりも優先する第1の設定、逆方向再生に使用する記憶領域を順方向再生に使用する記憶領域よりも優先する第2の設定、及び順方向再生に使用する記憶領域と逆方向再生に使用する記憶領域とを同一とする第3の設定を操作者の操作によって選択可能にする請求項9に記載の再生装置。
【請求項12】
前記ビデオ信号の順方向再生時に、前記フレームのデータを第1の記憶手段から読み出し、読み出したフレームに関するデータを第2の記憶手段に記憶させる処理と、第2の記憶手段に記憶されたフレームのデータを読み出して、読み出したフレームのデータを前記再生手段に転送する処理とを並列的に実行する
請求項9に記載の再生装置。
【請求項13】
前記第2の記憶手段は、
リング状に形成された複数の単位バッファから構成されたバッファからなり、
前記ビデオ信号の逆方向再生時に、前記リング状に形成された複数の単位バッファからフレームのデータを読み出すデータ読み出し位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、リング状に形成された複数の単位バッファに記憶されたフレームのデータを読み出し、読み出したフレームのデータを前記再生手段に転送する処理と、フレームのデータを書き込むデータ書き込み位置を反時計回りに1フレーム分だけ移動させて、順方向再生で一番最後に第1の記憶手段から読み出して第2の記憶手段に記憶させたフレームから、前記リング状に形成された複数の単位バッファを形成するバッファの数を差し引いたフレームのデータを前記第1の記憶手段から読み出し、読み出したフレームに関するデータを前記リング状に形成された複数の単位バッファに記憶させる処理とを並列的に実行する
請求項9に記載の再生装置。
【請求項14】
ビデオ信号を再生する場合に、前記ビデオ信号を複数のフレームを含むビデオ信号が記憶された第1の記憶手段から複数のフレーム毎に読み出し、読み出したビデオ信号を複数のフレーム毎に前記第1の記憶手段から読み出されたビデオ信号が記憶され、リング状に形成された複数の単位バッファで構成された第2の記憶手段に書き込む映像データ書き込み工程と、
前記ビデオ信号を時系列に沿って再生する場合に、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する読み込み停止工程と、
前記読み込み停止工程により停止された前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を再開する読み込み再開工程と
を含む再生方法。
【請求項15】
ビデオ信号を逆方向再生する場合に、複数のフレームを含むビデオ信号が記憶された第1の記憶手段からフレームを読み出す読み出し順序が、前記各フレームに割り当てられたフレーム番号が昇順となるように前記ビデオ信号を複数のフレーム毎に読み出し、読み出したビデオ信号を、前記第1の記憶手段から読み出されたビデオ信号が記憶され、かつ、リング状に形成された複数の単位バッファで構成された第2の記憶手段に複数のフレーム毎に書き込む映像データ書き込み工程と、
前記ビデオ信号を逆方向に再生する場合に、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数以上になった場合には、前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を、前記第2の記憶手段に記憶されたビデオ信号に含まれるフレーム数が予め定められたフレーム数未満になるまで停止する読み込み停止工程と、
前記読み込み停止工程により停止された前記ビデオ信号を前記第1の記憶手段から読み出す処理を再開する読み込み再開工程と、
前記第2の記憶手段からフレームを読み出す読み出し順序が、前記各フレームに割り当てられたフレーム番号が降順となるように、複数のフレーム毎に順次読み出して逆方向再生する逆再生処理を実行する逆再生工程と
を含む再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−27145(P2010−27145A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187544(P2008−187544)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】