説明

記録装置および記録方法

【課題】記録速度向上が可能な記録装置および記録方法。
【解決手段】複数の記録ヘッドを走査させて、搬送手段により記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録装置であって、複数の記録ヘッドは、副走査方向に沿って走査方向における走査開始位置をずらして配置されており、副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の記録ヘッドの長さ以下である場合に、走査開始位置が記録媒体の搬送路に最も近い記録ヘッドを選択する選択手段と、選択された記録ヘッドの副走査方向での位置に応じて搬送手段による記録媒体の搬送量を設定する設定手段と、選択された記録ヘッドと設定された搬送量とを用いた記録を行う記録制御手段とを備えた記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置および記録方法に関し、詳しくは、複数の記録ヘッドを用いる記録装置の記録速度を向上する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
記録ヘッドを走査させて記録媒体上に画像記録を行う記録装置について、複数の記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に沿って記録ヘッドの走査方向における走査開始位置をずらして配置したタイプのものがある(特許文献1参照)。そのような構成によると、一走査あたりにおいて使用可能なノズル列の長さが単一の記録ヘッドを用いる場合よりも長くなり、同一の画像記録領域に対して少ない走査数での画像形成が可能となるので、記録速度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−198958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、記録装置においてさらなる記録速度の向上が望まれている。しかしながら、特許文献1には、さらに記録速度を向上させる構成または方法に関する記載がない。すなわち、特許文献1の記録装置によると、同一の領域に対して記録ヘッドを1回のみ走査させて記録を行う1パス記録において、画像記録領域に対する最終走査では、複数の記録ヘッドの全てを用いることなく単一の記録ヘッドのみで記録ができる場合がある。このとき、この最終記録領域に対する記録条件は、他の領域と同様に一意的に決まることが多く、例えば記録媒体の搬送量および使用する記録ヘッドが一意的に決まる。そうすると、各方向における位置を異ならせて配置された複数の記録ヘッドのうち、走査開始時の相対的な位置関係において、記録媒体までの距離が遠い記録ヘッドを使用する場合と、短い記録ヘッドを使用する場合とが生じる。また、走査開始時の相対的な位置関係において、記録ヘッドを案内支持するガイド部材からの距離が遠い記録ヘッドを使用する場合と、近い記録ヘッドを使用する場合とが生じる。特許文献1には、そのような距離の違いへの着目を示す記載はない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記録媒体搬送方向および記録ヘッドの走査方向に位置をずらして配置された複数の記録ヘッドを用いた記録装置および記録方法の記録速度の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の記録装置は、複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録装置であって、複数の記録ヘッドは、副走査方向に沿って走査方向における走査開始位置をずらして配置されており、副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の記録ヘッドの長さ以下である場合に、走査開始位置が記録媒体の搬送路に最も近い記録ヘッドを選択する選択手段と、選択手段により選択された記録ヘッドの副走査方向における位置に応じて、搬送手段による記録媒体の搬送量を設定する設定手段と、選択手段により選択された記録ヘッドおよび設定手段により設定された搬送量を用いた記録を行う記録制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、複数の記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置において、記録ヘッドの相対的な位置関係に着目し、記録速度の向上が可能なインクジェット記録装置および方法を提供するものである。すなわち、最終記録領域の記録に用いる記録ヘッド、該記録ヘッドの走査開始位置および走査加速度の少なくとも1つを適宜設定することにより、記録領域の記録に要する時間を低減させる効果を奏する。最終領域を単一の記録ヘッドで記録する場合に、例えば、記録媒体に最も近い記録ヘッドを選択することにより、最終領域の記録開始および終了を早めることができる。また、例えば、最終領域の記録に用いる記録ヘッドの助走距離を、走査速度が定常域に到達する最短の距離とすることにより、記録開始および終了を早めることができる。さらに、例えば、最終領域の記録における走査速度を定常域に到達させるための加速度を過度に小さく設定しないことにより、記録開始および終了を早めることができる。また、これらを組み合わせることもでき、それにより、記録に要する時間を低減させることができる。
【0008】
本発明は、記録媒体の搬送方向に沿って記録ヘッドの走査方向における走査開始位置をずらして配置された複数の記録ヘッドを備える記録装置に適用できる。また、本発明は、これに限られず、記録媒体の搬送方向に沿って記録ヘッドの走査方向における走査開始位置をずらして配置された複数のノズル列を有する記録ヘッドを備える記録装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態のインクジェット記録装置の概略的な外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態のインクジェット記録装置におけるキャリッジ内の記録ヘッドの配置構造を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のインクジェット記録装置の記録制御を示すフローチャートである。
【図5】(a)から(c)は、本発明の第1の実施形態での記録媒体、キャリッジおよび記録ヘッドの位置関係を示す図である。
【図6】(a)および(b)は、本発明の第2の実施形態での記録媒体、キャリッジおよび記録ヘッドの位置関係を示す図である。
【図7】キャリッジの走査距離と走査速度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の代表的な実施形態に係るインク液滴を吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の構成を示す外観斜視図である。図1に示されるように、記録媒体1に対向する位置に記録ヘッド2を複数(以下、本実施形態では、2つとして説明する。)搭載するキャリッジ3は、ガイド部材であるガイド軸4によって回動可能および摺動自在に案内支持される。キャリッジ3の移動範囲の片端にプーリ付きキャリッジモータ5(プーリのみ図示)が配置され、もう片端にアイドルプーリ6が配置され、これらにタイミングベルト7が掛けまわされ、キャリッジ3とタイミングベルト7とが連結される。ガイド軸4を中心としてキャリッジ3が回転するのを防ぐために、ガイド軸4と平行に延びるサポート部材8が設置され、キャリッジ3はサポート部材8によって摺動自在に支持される。このような構成により、キャリッジ3ならびにこれに搭載された記録ヘッド2は、図中矢印Aの方向(走査方向)に、ガイド軸4の軸方向における一方の端(第1端)と他方の端(第2端)との間をガイド軸4に沿って往復走査される。また、記録媒体1は、搬送モータ(不図示)によってキャリッジ3の移動方向(走査方向)と交差する記録媒体の搬送方向(図中矢印Bの方向:副走査方向)に搬送される。このとき、記録媒体1の搬送は、記録ヘッド2による走査領域を挟んだ搬送の上流側と下流側にそれぞれ設けられた搬送ローラ(不図示)と、それに押圧力を作用して搬送力を生じさせるためのピンチローラや拍車(不図示)によって行われる。
【0011】
図2は、キャリッジ3に搭載された2つの記録ヘッド2aおよび2bの配置構造を示す平面図である。図中の矢印AおよびBは、図1と同様に、それぞれ走査方向および副走査方向を示す。記録ヘッド2aおよび2bの各々にはCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)の色毎のノズル列9が形成されている。ノズル列9の各々は複数のノズル10を有し、ノズル10の開口は、記録媒体1の被記録面と対向する面に形成されている。記録ヘッド2aおよび2bの配置位置の関係に着目して、記録ヘッド2aおよび2bは、図中、長さPで示される間隔で隣接し、かつ、走査方向Aに沿った直線Qで示されるようにそれぞれのノズル列の一部が走査する領域が重なるように配置される。この構成によれば、記録ヘッド2aおよび2bそれぞれのノズル列9の長さがhである場合、ほぼその合計の副走査方向の長さ(図中のH:H≒2×h)の記録ヘッドとして記録を行うことができる。なお、この際、上記走査領域が重なるそれぞれのノズルについては、その走査領域の記録データが、全体として100%となるように例えば1/2ずつに割り振られて、それぞれのノズルからのインク吐出が行われる。
【0012】
なお、図2に示す例においては、記録ヘッド2aおよび2bは、キャリッジに対して互いに別個に装着されるものとしたが、本発明に適用することのできる記録ヘッドは、この構成に限られない。記録ヘッド2aおよび2bのノズル列を一体に構成し、複数のノズル列を有する1つの記録ヘッドの形態とすることもできる。さらに、図2に示す例においては、2つの記録ヘッドを副走査方向に沿って走査方向における走査開始位置をずらして配列したが、これを繰り返して、複数の記録ヘッドを千鳥状に配列した構成とすることもできる。
【0013】
図3は、図1に示すインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。図3に示すように、図1に示したインクジェット記録装置には装置全体を制御する制御部11が備えられ、制御部11は、ホストコンピュータ(以下、ホストという)12とケーブル13を介して接続され、記録ヘッド2やキャリッジモータ5の動作を制御する。なお、ケーブル13の代わりに赤外線や無線電波をインタフェース(例えば、IrDAやBluetooth(登録商標))とする構成でもよい。ホスト12からはケーブル13を介して記録データや記録にかかわるモードの種類、各種コマンド等が制御部11に対して送信されてくる。制御部11には、画像処理部14が設けられる。画像処理部14には、インクジェット記録装置全体を制御するための各種処理を実行するCPU14a、各種処理に対応した制御プログラムを格納するROM14b、プリントバッファや制御プログラム実行のための作業領域として用いられるRAM14cがある。画像処理部14は、さらに、ラスタカラム変換を始めとする各種画像処理を実行するASIC14d、ホスト12との間でデータを送受信するためのインタフェース(I/F)14eを備えている。
【0014】
また、キャリッジモータ5および搬送モータ15をそれぞれ制御するキャリッジモータドライバ16および搬送モータドライバ17、記録ヘッド2を駆動制御するヘッドドライバ18が設けられている。なお、キャリッジモータ5は、キャリッジ3を走査方向に移動させるための駆動力を発生するモータであり、搬送モータ15は、搬送ローラ19を駆動して記録媒体を搬送させるための駆動力を発生するモータである。キャリッジエンコーダ20および搬送エンコーダ21は、それぞれキャリッジ3の走査方向の位置の検出および搬送ローラ19の回転位置の検出をするために用いられる。その出力信号はそれぞれキャリッジエンコーダコントローラ22および搬送エンコーダコントローラ23を経て、画像処理部14のCPU14aにフィードバックされる。このときキャリッジエンコーダコントローラ22はキャリッジエンコーダ20からの出力信号を処理して、キャリッジ位置信号とキャリッジ速度信号とを生成する。また、搬送エンコーダコントローラ23は搬送エンコーダ21からの出力信号を処理して、回転位置信号と回転速度信号とを生成する。したがって、CPU14aには、キャリッジ位置信号、キャリッジ速度信号、回転位置信号および回転速度信号が転送される。
【0015】
次に、以上のような構成を有する本発明のインクジェット記録装置のいくつかの実施形態における記録制御について説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図4および図5を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図4は、本実施形態のインクジェット記録装置のキャリッジおよび搬送駆動制御を中心にした記録制御動作を示すフローチャートである。また、図5(a)から(c)は、それぞれ、本実施形態のインクジェット記録装置のキャリッジ3およびこれに搭載された記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置と記録媒体1との位置関係を表す模式図である。以下、ここでの記録は同一の領域に対して1回のみのキャリッジの走査により画像を完成させる1パス記録であるとして説明する。
【0017】
図5(a)は、通常記録時においてキャリッジ3を図に対し右から左の方向へ走査させて記録する際のキャリッジおよび記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置を示す。ここで、「通常記録」とは、搬送量を1パス記録における記録領域の副走査方向の長さWとした記録媒体の搬送と2つの記録ヘッド2aおよび2bを用いたキャリッジの走査による記録とを交互に繰り返す記録をいう。通常記録時における1パス記録における記録領域の副走査方向の長さWは、図2に示す長さH、すなわち、2つの記録ヘッド2aおよび2bのそれぞれのノズル列の長さを合計した長さにほぼ等しい長さとした。図中の領域Sが、通常記録を行う記録領域である。また、図中の領域Eは、最終走査によって記録を行う記録領域である。以下、この記録領域Eを「最終領域」といい、また、最終走査による記録すなわち最終領域の記録を、「最終記録」という。図5(b)は、最終記録時においてキャリッジ3を図に対し左から右の方向へ走査させて記録する際のキャリッジならびに記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置を示す。また図5(c)は、最終記録時においてキャリッジ3を図に対し右から左の方向へ走査させて記録する際のキャリッジならびに記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置を示す。最終記録時の1パス記録における記録領域の副走査方向の長さWは、図2に示す長さh以下であり、すなわち記録ヘッド2aまたは2bの単一の記録ヘッド(以下、単に「単一ヘッド」ともいう。)で最終記録を行えるものとして、以下の説明をする。
【0018】
キャリッジ3に搭載される2つの記録ヘッド2aおよび2bは、図5(a)から(c)に示されるような位置関係で配置されている。すなわち、まず、ガイド軸4から記録ヘッド2b(第1の記録ヘッド)までの距離Dbは、ガイド軸4から記録ヘッド2a(第2の記録ヘッド)までの距離Daよりも長い(Da<Db)。さらにキャリッジが図5(a)または図5(c)のように右端側にある場合は、走査方向Aにおいて記録ヘッド2aよりも記録ヘッド2bの方が記録媒体1の搬送路に近くなるように2つの記録ヘッド2aおよび2bが配備されている。この配置によると、キャリッジが図5(b)のように左端側にある場合は、走査方向Aにおいて記録ヘッド2bよりも記録ヘッド2aの方が記録媒体1の搬送路に近くなる。記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置から記録媒体への記録開始位置までの走査方向における距離をそれぞれXaおよびXbとすると、図5(a)および(c)の場合では、Xa>Xb、および図5(b)の場合では、Xa<Xbの関係が成り立つ。
【0019】
本実施形態での記録動作を、図4に示すフローチャートに従って説明する。まず、ステップS1でホスト12からの記録データの入力があると、処理はステップS2に進み、記録方法を選択する。記録が同一の領域に対して1回のキャリッジ走査により画像を完成させる1パス記録であるか複数回の走査により画像を完成させるマルチパス記録であるかの記録データに基づいて、記録方法を設定する。本実施形態では1パス記録を行うものとする。次にステップS3にて、制御部11は入力された記録データをRAM14c内のプリントバッファに展開する。ステップS4にて、搬送量およびキャリッジ3の各駆動パラメータを設定する。始めは通常記録が行われるため、ここでの搬送量はHと設定する。ステップS5では、ステップS4で設定された駆動パラメータに基づいて搬送ローラ19を駆動し、記録媒体1を搬送させる。ステップS6で、キャリッジ3を駆動させて記録を行う。
【0020】
次に、ステップS7にて、記録データが残っているかどうかを判断する。記録データが残っていない場合は記録動作を終了し、残っている場合はステップS8へと進む。ステップS8では、記録データに基づいて、記録領域の副走査方向長さWが、図2でhとして示される単一の記録ヘッドの副走査方向の長さ以下であるか、すなわち複数の記録ヘッドを用いることなく単一の記録ヘッドで記録を行えるかどうかを判断する。長さWがhより大きいと判断された場合は、複数の記録ヘッド(以下、単に「複数ヘッド」ともいう)による通常記録を行うため、ステップS5へと戻る。
【0021】
ここで、ステップS8で記録領域の副走査方向の長さWがh以下と判断された場合について説明する。この場合は、最終記録領域が単一ヘッドで記録できると認識し、単一ヘッドによる記録を行うため、ステップS9へと進み、記録ヘッド2aあるいは記録ヘッド2bのどちらかを使用記録ヘッドとして選択することになる。本実施形態において、最終記録の開始時にキャリッジが図5(b)のように左端側にある場合は、記録ヘッド2aの方が記録ヘッド2bよりも記録媒体1の搬送路に近い。したがって、単一ヘッドとして記録ヘッド2aを用いた方が、記録媒体への記録開始までの距離および時間が短くなり、記録終了のタイミングが早くなる(Xa<Xb)。結果として、画像記録領域全体についての記録開始から終了までの時間が短くなって、記録速度の向上が図れる。よって、この場合は、記録ヘッド2aを選択する。一方、最終記録の開始時にキャリッジが図5(c)のように右端側にある場合は、記録ヘッド2bの方が記録ヘッド2aよりも記録媒体1の搬送路に近い。したがって、単一ヘッドとして記録ヘッド2bを用いた方が、記録媒体への記録開始までの距離および時間が短くなり、記録終了のタイミングが早くなる(Xa>Xb)。結果として、画像記録領域全体についての記録開始から終了までの時間が短くなって、記録速度の向上が図れる。よって、この場合は、記録ヘッド2bを選択する。ステップS10にて、ステップS9で使用に選択した記録ヘッドに応じて各駆動パラメータを再設定する。例えば、単一ヘッドで記録を行う図5(b)の例では、ステップS4で設定した通常記録のための搬送量Hより小さい搬送量を設定することになる。通常記録のための設定である搬送量Hで搬送を行うと、記録媒体の搬送が行き過ぎてしまって、選択された記録ヘッド2aによる記録領域への記録ができなくなるためである。また、単一ヘッドで記録を行う図5(c)の例では、ステップS4で設定した通常記録のための搬送量Hより小さい搬送量を設定することができる場合がある。記録データにおいて記録領域の副走査方向長さWが図2でhとして示される単一の記録ヘッドの副走査方向の長さ未満である場合に、搬送量を小さくすることができる。これによって、走査開始までの搬送時間を短縮することができ、記録速度の向上が図れる可能性がある。
【0022】
このように、ステップS10で設定した搬送量に基づいて、ステップS11にて搬送ローラ19を駆動し、記録媒体1を搬送させる。次にステップS12にてキャリッジ3を駆動させ記録を行う。記録後はステップS7へと戻る。
【0023】
従来のインクジェット記録装置によれば、単一ヘッドでの記録時においても、記録媒体の搬送量は、複数ヘッド使用による記録時と同じく一意的に決まる。そのため、最終記録のための記録媒体搬送量は通常記録時と同様にHとされ、例えば図5(b)の構成において記録ヘッド2aと比べて記録媒体から遠く記録媒体への記録開始までの距離および時間が長い記録ヘッド2bを用いた記録を行う可能性がある。その場合、画像記録領域全体についての記録開始から終了までの時間は、複数ヘッドを使用する場合と変わらなかった。一方、本実施形態に従えば、最終記録において、記録媒体1の搬送路に近い記録ヘッドを適宜選択するため記録媒体への記録開始までの時間を短くしかつ記録終了を早くすることができ、結果として、前述のように記録速度を向上させることが可能となる。
【0024】
本実施形態の説明として、最終記録時の記録領域の副走査方向長さWがh以下になる場合を例として挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、記録画像に空白部(非記録領域)が多く、記録途中に記録領域の副走査方向長さWがh以下となるような記録データが入力された場合も、本実施形態を適用可能である。
【0025】
本実施形態の適用は、記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査開始位置を変更できない条件下、例えば、走査開始位置がインクの予備吐出動作により限定される場合に効果的である。ここで、「予備吐出」とは、記録ヘッド内部のインクを、記録目的ではなく新鮮なインクの再充填を目的として、画像の形成に寄与しないインク滴として吐出することである。予備吐出は、吐出ノズルに対応するインク受けが設けられた予備吐出位置で実行される。予備吐出位置は、記録装置の記録媒体搬送路外の左右どちらかの片側端部に設置された、記録ヘッドのメンテナンスを行うヘッドメンテナンス機構(不図示)上に設定することが多い。メンテナンス機構が設置された側からキャリッジの走査を開始する場合であって、走査開始前に予備吐出が必要な場合は、キャリッジならびにこれに搭載された記録ヘッドの走査開始位置はこのメンテナンス機構上に限定されることになる。
【0026】
(第2の実施形態)
さらに図6および図7を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態のインクジェット記録装置の構成および制御システムの概略構成は、第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。本実施形態においても、図4のフローチャートに示したような処理が実行される。以下の説明では第1の実施形態で説明したものと同じ処理の説明は省略する。
【0027】
図6(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態のインクジェット記録装置のキャリッジ3およびこれに搭載された記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置と記録媒体1との関係を表す模式図である。図6(a)は、通常記録時においてキャリッジ3を図に対し右から左へ走査させて記録する際のキャリッジならびに記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置を示す。図6(b)は最終記録時においてキャリッジ3を図に対し右から左へ走査させて記録する際のキャリッジならびに記録ヘッド2aおよび2bの走査開始位置を示す。
【0028】
本実施形態での記録動作を、図4に示すフローチャートに従って説明する。ステップS1からS3の処理後、ステップS4にて搬送量およびキャリッジ3の各駆動パラメータを設定する。搬送量の設定については第1の実施形態の場合と同様であり、始めは通常記録が行われるため、ここでの搬送量はHとなる。
【0029】
ここで、第2の実施形態におけるキャリッジ3の各駆動パラメータのうち、キャリッジの走査開始位置から記録媒体への記録開始位置までの走査方向における距離(助走距離)の設定について、図6(a)および図7を用いて説明する。キャリッジ3およびこれに搭載された記録ヘッドは、走査開始位置において走査方向Aへの力が加えられて加速されて走行する。図7は、キャリッジ3の走査開始位置からの走行距離X(横軸)に対する、キャリッジの速度V(縦軸)を表したグラフである。記録を行う際は一般的には画像画質等の記録品位を考慮して、記録ヘッドを搭載したキャリッジの速度が定常域に到達してから記録を開始することが多い。したがって、ここでは、記録ヘッドの走査開始位置から記録媒体への記録開始位置までの走査方向における距離(助走距離)を、安定した品位の記録が可能となる図7における距離Xpと設定する。通常記録の開始時にキャリッジが図6(a)のように右端側にある場合は、記録ヘッド2bの方が、記録ヘッド2aよりも記録媒体1の搬送路に近いため、始めに記録に用いられる。したがって、助走距離は記録ヘッド2bを基準に設定され、距離XbをXpとする。なお、このとき、記録ヘッド2aの助走距離Xaは、Xpに記録ヘッド2bとの間隔距離P(図2参照)を足した距離(Xp+P)となる。このようにして、キャリッジの走査開始位置から少なくとも記録ヘッド2bの助走距離Xp(=Xb)だけ移動した位置を、キャリッジについての記録媒体への記録開始位置に設定する。
【0030】
ステップS4にてキャリッジの各駆動パラメータを設定した後、ステップS5からS9の処理を行う。
【0031】
ここで、ステップS4による設定に従うと最終記録時にステップS9にて選択される記録ヘッドが記録ヘッド2aとなる場合を例として、次のステップS10における各駆動パラメータの再設定を説明する。詳細には、図6(a)および(b)を参照して、キャリッジ3の各駆動パラメータのうち、走査方向におけるキャリッジの走査開始位置および記録媒体への記録開始位置の再設定について説明する。キャリッジが図のように右から左に走査して記録を行う際、通常記録では、記録ヘッド2bでの記録を考慮するため、記録ヘッド2aの助走距離Xaは図6(a)のようにXp+Pとなっていた。しかし最終記録時は記録ヘッド2bでの記録を考慮する必要がなく、そのため記録ヘッド2aの助走距離Xaはその速度が定常域に到達する距離Xpであってよい。したがって、本実施形態では、最終記録時の記録ヘッド2aの助走距離XaがXpとなるような位置に、キャリッジの走査開始位置を設定する。そして、記録ヘッド2aの走査開始位置から少なくともこの助走距離Xa(=Xp)を移動した位置を、記録開始位置に設定する。
【0032】
このように、ステップS10で再設定されたそれぞれの駆動パラメータに基づいて、ステップS11にて搬送ローラ19を駆動し、記録媒体1を搬送させ、ステップS12にてキャリッジ3を駆動させて記録を行う。
【0033】
従来のインクジェット記録装置によれば、単一ヘッドでの記録時において、キャリッジの助走距離ないし記録開始位置は、複数ヘッド使用による記録時と同じく一意的に決まる。そのため、単一ヘッドによる最終記録のための助走距離は通常記録時と同様にXp+Pであり、記録ヘッドの助走距離を必要最低限の距離以上にとってしまう場合があった。一方、本実施形態に従えば、単一ヘッドによる記録時は助走距離を必要最低限の距離に設定変更するため、記録開始までの時間を短くしかつ記録終了を早くすることができ、結果として、前述のように記録速度を向上させることが可能となる。
【0034】
本実施形態の説明として、最終記録時の記録領域の副走査方向長さWがh以下になる場合を例として挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、記録画像に空白部(非記録領域)が多く、記録途中に記録領域の副走査方向長さWがh以下となるような記録データが入力された場合も、本実施形態を適用可能である。
【0035】
さらに、ここではステップS9で記録ヘッド2aを選択した場合について説明したが、記録ヘッド2bを選択した場合でも本実施形態を適用可能である。すなわち、キャリッジが図6(a)の場合とは逆に左から右に走査して記録を行う際、最終記録時の記録ヘッド2bの助走距離Xbは、記録ヘッド2aの記録を考慮する必要がないため、Xp+PではなくXpに設定できる。そして、走査開始位置から少なくともこの助走距離を移動した位置を記録開始位置に設定すればよい。
【0036】
なお、本実施形態ではステップS9での記録ヘッドの選択は任意であるが、例えば記録媒体がカット紙であり、最終記録(後端記録)を行うための記録媒体の搬送量を小さくしたい場合は、記録ヘッド2aを選択するようにして本実施形態を適用してもよい。これによると、記録終了時により早く記録媒体を記録装置から排出可能となり、記録速度の向上が図れる場合がある。
【0037】
本実施形態の適用は、予備吐出動作などでキャリッジの走査開始位置が限定されない場合に効果的である。
【0038】
(第3の実施形態)
図4および図6(a)および(b)を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態のインクジェット記録装置の構成および制御システムの概略構成は、第の実施形態と同様なので説明を省略する。また本実施形態においても、図4のフローチャートに示したような処理が実行される。以下の説明では第1の実施形態で説明したものと同じ処理の説明は省略する。
【0039】
図4のステップS1からS8の処理後に、ステップS9で記録ヘッド2aが選択された場合の、ステップS10でキャリッジ3の駆動パラメータのうちキャリッジの加速度を設定する方法について、図6(a)および(b)を用いて説明する。一般にキャリッジが加速をする際にはキャリッジに振動が発生することが知られている。この振動はキャリッジの移動を案内支持するガイド部材を用いる構成において生じることが多い。このような振動が生じた状態で記録を行うと、搭載される記録ヘッドも振動し、結果として、記録されるドットの位置がばらつき、記録品位が低下する場合がある。そして、複数の記録ヘッドをキャリッジに搭載した場合は、キャリッジのガイド部材からの距離が遠い位置にある記録ヘッドほど振動の影響をより大きく受け、記録ドット位置のばらつきがより大きくなる。つまり図6(a)および(b)において、記録ヘッド2aよりも記録ヘッド2bの方が受ける振動の影響が大きい。また、キャリッジの加速時に生じる振動は、キャリッジの加速度が小さくなるほど、その振幅が小さくなる。これを考慮し、図6(a)に示す記録ヘッド2aおよび2bを用いる通常記録時においてキャリッジ3の加速度を設定する際は、より振動の影響を受けやすい記録ヘッド2bに対する振動影響が小さくなるように、加速度の設定がなされることになる。しかしながら、図6(b)に示す記録ヘッド2aのみを用いる最終記録時においては、記録ヘッド2bを考慮しなくてもよく、キャリッジの加速度を通常記録時よりも大きく設定できる。このようにしてステップS10で設定されたそれぞれの駆動パラメータに基づいて、ステップS11にて搬送ローラ19を駆動し、記録媒体1を搬送させ、ステップS12にてキャリッジ3を駆動させて記録を行う。
【0040】
従来のインクジェット記録装置によれば、単一ヘッドでの記録時において、キャリッジの加速度は、複数ヘッド使用による記録時と同じく一意的に決まる。そのため、記録ヘッドの加速度が必要以上に小さく設定されている場合があった。一方、本実施形態に従えば、単一ヘッドによる記録時に加速度をより大きく設定変更できるため、記録開始までの時間を短くしかつ記録終了を早くすることができ、結果として、記録速度を向上させることが可能となる。
【0041】
本実施形態の説明として、最終記録時の記録領域の副走査方向長さWがh以下になる場合を例として挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、記録画像に空白部(非記録領域)が多く、記録途中に記録領域の副走査方向長さWがh以下となるような記録データが入力された場合も、本実施形態を適用可能である。
【0042】
以上3つの実施形態の説明においては、記録ヘッドの数を2個としたが、これに限定されるものではない。3個以上の複数の記録ヘッドを用いてもよく、また、複数のノズル列が千鳥状に配置された構成の単一の記録ヘッドを用いることもできる。例えば、図2に示されるような記録ヘッドまたはノズル列の配置構造が繰り返されて、記録ヘッドまたはノズル列が千鳥状に配置されていてもよい。このとき、図2の場合と同様に、隣接する記録ヘッドは、それぞれのノズル列の一部が走査する領域が重なるように配置されることができる。これにより、記録ヘッドのそれぞれのノズル列の長さが短くても、ほぼそれぞれのノズル列の長さを合せた副走査方向の長さの記録ヘッドとして記録を行うことができ、高速記録が可能となる。
【0043】
また、記録ヘッドのノズル数やインク色の種類、色配置についても上記説明に限定されるものではない。例えば、ガイド部材からの相対的な距離が異なる第1の記録ヘッドまたはノズル列と第2の記録ヘッドまたはノズル列とで、用いるインク色は異なるものであってもよい。
【0044】
さらに、第1の実施形態から第3の実施形態を組合せて適用させることも可能である。すなわち記録装置の仕様に合わせて単一ヘッドによる記録時の選択するヘッドや、助走距離、および加速度の組合せを設定するなどしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により前記記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録装置であって、
複数の前記記録ヘッドは、前記副走査方向に沿って前記走査方向における走査開始位置をずらして配置されており、
前記副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の前記記録ヘッドの長さ以下である場合に、前記走査開始位置が記録媒体の搬送路に最も近い前記記録ヘッドを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記録ヘッドの前記副走査方向における位置に応じて、前記搬送手段による記録媒体の搬送量を設定する設定手段と、
前記選択手段により選択された前記記録ヘッドおよび前記設定手段により設定された前記搬送量を用いた記録を行う記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録装置は、記録媒体の搬送路外に前記記録ヘッドからの予備吐出を行う位置を備え、
前記予備吐出を行う位置を、前記走査開始位置としたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により前記記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録装置であって、
複数の前記記録ヘッドは、前記副走査方向に沿って前記走査方向における走査開始位置をずらして配置されており、
前記副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の前記記録ヘッドの長さ以下である場合に、記録に用いる単一の前記記録ヘッドを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記録ヘッドの前記走査開始位置から記録媒体への記録を開始する記録開始位置までの距離を、複数の前記記録ヘッドを用いて記録を行う場合と同一またはそれ未満の距離に設定する設定手段と、
前記選択手段により選択された前記記録ヘッドおよび前記設定手段によって設定された前記距離を用いた記録を行う記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
前記選択手段は、記録媒体の後端記録においては、前記副走査方向において相対的に最も上流の前記記録ヘッドを選択することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により前記記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録装置であって、
複数の前記記録ヘッドは、前記副走査方向における位置をずらして配置されており、
前記副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の前記記録ヘッドの長さ以下である場合に、記録に用いる単一の前記記録ヘッドを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記録ヘッドを走査する加速度を、複数の前記記録ヘッドを用いて記録を行う場合と同一またはそれより大きい加速度に設定する設定手段と、
前記選択手段により選択された前記記録ヘッドおよび前記設定手段により設定された前記加速度を用いた記録を行う記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
前記選択手段は、前記記録ヘッドの走査を案内するガイド部材からの距離が相対的に最も短い前記記録ヘッドを選択することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により前記記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録方法であって、
複数の前記記録ヘッドは、前記副走査方向に沿って前記走査方向における走査開始位置をずらして配置されており、
前記副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の前記記録ヘッドの長さ以下である場合に、前記走査開始位置が記録媒体の搬送路に最も近い前記記録ヘッドを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記記録ヘッドの前記副走査方向における位置に応じて、前記搬送手段による記録媒体の搬送量を設定する設定工程と、
前記選択工程で選択された前記記録ヘッドおよび前記設定工程で設定された前記搬送量を用いた記録を行う記録工程と、
を備えたことを特徴とする記録方法。
【請求項8】
記録媒体の搬送路外に設けられた前記記録ヘッドからの予備吐出を行う位置を、前記走査開始位置としたことを特徴とする請求項7に記載の記録方法。
【請求項9】
複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により前記記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録方法であって、
複数の前記記録ヘッドは、前記副走査方向に沿って前記走査方向における走査開始位置をずらして配置されており、
前記副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の前記記録ヘッドの長さ以下である場合に、記録に用いる単一の前記記録ヘッドを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記記録ヘッドの前記走査開始位置から記録媒体への記録を開始する記録開始位置までの距離を、複数の前記記録ヘッドを用いて記録を行う場合と同一またはそれ未満の距離に設定する設定工程と、
前記選択工程で選択された前記記録ヘッドおよび前記設定工程で設定された前記距離を用いた記録を行う記録工程と、
を備えたことを特徴とする記録方法。
【請求項10】
前記選択工程は、記録媒体の後端記録においては、前記副走査方向において相対的に最も上流の前記記録ヘッドを選択することを特徴とする請求項9に記載の記録方法。
【請求項11】
複数の記録ヘッドを走査させ、搬送手段により前記記録ヘッドの走査方向と交差する副走査方向に搬送される記録媒体に記録を行う記録方法であって、
複数の前記記録ヘッドは、前記副走査方向における位置をずらして配置されており、
前記副走査方向において記録を行う記録領域の長さが単一の前記記録ヘッドの長さ以下である場合に、記録に用いる単一の前記記録ヘッドを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記記録ヘッドを走査する加速度を、複数の前記記録ヘッドを用いて記録を行う場合と同一またはそれより大きい加速度に設定する設定工程と、
前記選択工程で選択された前記記録ヘッドおよび前記設定工程で設定された前記加速度を用いた記録を行う記録工程と、
を備えたことを特徴とする記録方法。
【請求項12】
前記選択工程は、前記記録ヘッドの走査を案内するガイド部材からの距離が相対的に最も短い前記記録ヘッドを選択することを特徴とする請求項11に記載の記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−14086(P2013−14086A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149030(P2011−149030)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】