説明

記録装置および記録装置用の端子モジュール

【課題】記録装置用の端子モジュール40は、カートリッジ20に異物が付着していても、異物をカートリッジ20の回路基板28と接触端子50との接触箇所に導くことを防止または抑制でき、電気的接触不良を低減する。
【解決手段】端子モジュール40は、スリット43を有するハウジング41と、スリット43に装着される複数の接触端子50とを備えている。ハウジング41は、該ハウジング41の回路基板28側の壁面に、接触子55よりスリット43の手前側であって撓み方向Xcに形成された防壁47e,47gを有するトラップ部47を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の接触端子を備える記録装置および記録装置用の端子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録装置の端子モジュールとして、特許文献1のコネクタが知られている。コネクタは、ハウジングに収容される複数のコンタクトを備えている。すなわち、ハウジングは、配列方向に複数のスリットを備え、コンタクトをスリットにそれぞれ挿入している。コンタクトは、接触アームと、接触アームの先端の接触部とを備え、接触部をカートリッジの回路基板の端子で押して接触アームを撓ませることで電気的に接続している。
【0003】
しかし、コネクタに接続されるカートリッジは、記録装置に着脱可能であることから、記録装置から外されて放置されたときに、その壁面に紙粉などの異物が付着することがある。こうした異物は、カートリッジを記録装置に装着する際に、カートリッジの回路基板とコネクタのコンタクトの間に入り込んで、電気的接続不良を生じるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−208184
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の技術の問題点を解決することを踏まえ、記録材収容容器に異物が付着していても、記録材収容容器の容器側端子と記録装置の接触端子との接点への異物の進入を低減し、電気的接触不良の発生を低減した記録装置および記録装置に設けられる端子モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
複数の容器側端子を備えた記録材収容容器を所定の装着方向に挿入可能な記録材収容容器装着部を備え、前記記録材収容容器装着部には、前記記録材収容容器が装着された状態で、前記複数の容器側端子とそれぞれ接続する複数の接触端子を備える記録装置であって、
前記複数の接触端子は前記容器側端子と接触する接点を有し、
前記接触端子は、互いに平行に形成された複数のスリットを有するハウジング内に、少なくとも前記接点が前記スリットから外部に突出するように配置されており、
前記ハウジングの前記接点より前記装着方向手前側に、前記装着方向と交差する防壁を有するトラップ部を備える、記録装置。
【0008】
適用例1において、記録材収容容器に付着した異物は、記録装置の接触端子と接続するために記録材収容容器への装着作業をしたときに、トラップ部に保持される。トラップ部には、前記ハウジングの前記接点より前記装着方向の手前側に、前記装着方向と交差する防壁が配置されているので、この防壁によって異物が接触端子の接点へ向かうのが規制される。よって、異物は、接触端子の接点にまで達する可能性が低減され、記録装置の接触端子と記録材収容容器の容器側端子との電気的接触が損なわれることを低減することができる。
【0009】
[適用例2]
前記記録材収容容器が前記記録装置に装着された状態で、前記トラップ部は、前記防壁に対応する位置における、前記複数のスリットが形成された面と前記記録材収容容器の面との間隔が、前記装着方向手前側より狭くなるように形成されている、記録装置。
適用例2によれば、防壁により前記間隔が狭く形成されているので、記録材収容容器に付着した異物の、記録装置の接触端子の接点への進入が低減され、記録装置の接触端子と記録材収容容器の容器側端子との間の電気的接触が損なわれることを低減することができる。
【0010】
[適用例3]
前記トラップ部は、前記スリットが形成された面に設けられた凹部であり、該凹部の前記接点側に前記防壁を配置した記録装置。
適用例3によれば、凹部により防壁を形成することができる。
【0011】
[適用例4]
前記凹部の底面が、前記防壁に向けて、前記スリットが形成された面と前記記録材収容容器の面との間隔を狭くするように形成されている記録装置。
適用例4によれば、防壁に向けて異物を圧縮することができる。
【0012】
[適用例5]
前記凹部は、前記装着方向手前から前記装着方向の奥側に向かって、該凹部の断面積を小さくする傾斜面を有する記録装置。
適用例5によれば、断面積が小さくなっている凹部の傾斜面で異物を圧縮することができる。
【0013】
[適用例6]
前記接触端子は、前記スリットの深さ方向に弾性を有しており、前記接触端子が前記容器側端子により押されて弾性変形している状態から、該弾性変形が解除されたときに少なくとも一部が前記凹部内に位置するように配置されている記録装置。
適用例6によれば、接触端子の弾性変形が解除されるときに、異物を凹部から跳ばして接点の付近から除去する。よって、異物が記録装置の接触端子の付近に残っているのを回避できる。
【0014】
[適用例7]
前記トラップ部は、前記装着方向または前記複数の接触端子を配列した方向に、異なった形状の凹部を複数備えている記録装置。
適用例7によれば、多様な形状の異物に対して記録装置の接触端子の接点への異物の進入を低減することができる。
【0015】
[適用例8]
互いに平行に形成された複数のスリットを有するハウジングと、
前記ハウジングに固定され、アームと、該アームの一端に形成されかつ前記記録材収容容器に設けられた容器側端子と接触する接点を含む接触子と、を有する複数の接触端子と、
前記ハウジングは、前記接点よりもアーム側であって、前記複数のスリットが配列された配列方向に形成された防壁を有するトラップ部を備える端子モジュール。
適用例8によれば、スリットの配列方向に形成された防壁を、接点よりもアーム側に有するので、スリットの配列方向に対して垂直な方向から接点への異物の進入を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例にかかる端子モジュールを用いた液体噴射装置の概略構成を示す図である。
【図2】カートリッジが装着されたホルダーの外観斜視図である。
【図3】カートリッジが装着されたホルダーを示す平面図である。
【図4】カートリッジなどをホルダーから外した状態を示す斜視図である。
【図5】カートリッジの回路基板の付近を示す側面図である。
【図6】カートリッジおよび端子モジュールの接続構造を説明する説明図である。
【図7】端子モジュールをホルダーの端子装着部から外した状態を示す斜視図である。
【図8】端子モジュールを示す斜視図である。
【図9】端子モジュールを示す平面図である。
【図10】スリットのスリット幅を説明する説明図である。
【図11】端子モジュールにおいてハウジングに接触端子を装着する前の状態を示す斜視図である。
【図12】接触端子の1つを示す斜視図である。
【図13】図9のF13−F13線に沿った断面図である。
【図14】ハウジングの平面図である。
【図15】図14のF15−F15線に沿った斜視図である。
【図16】図14のF16−F16線に沿った斜視図である。
【図17】図14のF17−F17線に沿った斜視図である。
【図18】図14のF18−F18線に沿った断面図である。
【図19】図14のF19−F19線に沿った断面図である。
【図20】端子モジュールの組付工程を説明する説明図である。
【図21】接触端子のハウジングへの挿入作業を説明する説明図である。
【図22】図21に続く挿入作業を説明する説明図である。
【図23】図22に続く挿入作業を説明する説明図である。
【図24】カートリッジをホルダーのカートリッジ装着部に装着する作業を説明する説明図である。
【図25】図24のF25の方向から見た図である。
【図26】図25のF26−F26線に沿った断面の位置におけるカートリッジの挿入作業を説明する説明図である。
【図27】図25のF27−F27線に沿った断面の位置におけるカートリッジの挿入作業を説明する説明図である。
【図28】図27(A)のF28−F28線に沿った断面図である。
【図29】図27(B)のF29−F29線に沿った断面図である。
【図30】カートリッジをホルダーから外した状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(1) 液体噴射装置の構成:
図1は本発明の一実施例にかかる端子モジュールを用いた液体噴射装置10(記録装置)の概略構成を示す図である。液体噴射装置10は、印刷用紙PAにインクを吐出し印刷を行うインクジェットプリンター10である。インクジェットプリンター10は、カートリッジ20(記録材収容容器)と、ホルダー30と、第1のモーター72と、第2のモーター70と、制御ユニット74と、操作部80と、所定のインターフェース82と、を備えている。
【0018】
ホルダー30は、印刷用紙PAと対向する側にインクを吐出する印刷ヘッド(図示せず)を備え、複数のカートリッジ20を着脱可能に搭載している。各々のカートリッジ20には、シアン、マゼンダ、イエロー等のインク(記録材)がそれぞれ収容されている。カートリッジ20に収容されているインクがホルダー30の印刷ヘッドに供給され、印刷用紙PAにインクが吐出される。
【0019】
第1のモーター72は、ホルダー30を主走査方向に駆動させる。第2のモーター70は、印刷用紙PAを副走査方向に搬送させる。制御ユニット74は、インクジェットプリンター10の動作全般を制御する。制御ユニット74は、所定のインターフェース82を介して接続されたコンピューター90などから受信した印刷データに基づいて、第1のモーター72、第2のモーター70、印刷ヘッドを制御して印刷を行わせる。制御ユニット74には、操作部80が接続されており、利用者からの種々の操作を受け付ける。
【0020】
(2) カートリッジ20およびホルダー30の概略構成
図2はカートリッジ20が装着されたホルダー30の外観斜視図、図3はカートリッジ20が装着されたホルダー30を示す平面図である。図2および図3は説明の容易のために、ホルダー30に1つのカートリッジ20が装着されている様子を示している。なお、図2には方向を特定するために互いに直交するXYZ軸を付している。これ以降に示す図についても、必要に応じて互いに直交するXYZ軸を付している。ここで、インクジェットプリンター10の使用姿勢において、インクジェットプリンター10の主走査方向はY軸方向、副走査方向はX軸となる。また、Z軸方向が鉛直方向となり、Z軸負方向が鉛直下方向となる。
【0021】
カートリッジ20は、ホルダー30に保持されるとともに、端子モジュール40を介して制御ユニット74側に接続されている。ホルダー30は、4つのカートリッジ20を装着可能な構成である。なお、ホルダー30が装着可能なカートリッジ20の個数は4つに限定されるものではなく、装着を要求されるカートリッジ20の個数に応じてホルダー30の構成を変更すればよい。
【0022】
(2)−1 カートリッジ20の構成:
図4はカートリッジ20などをホルダー30から外した状態を示す斜視図である。図4において、カートリッジ20は、容器本体22と、レバー24と、液体供給口26と、回路基板28とを備える。容器本体22、レバー24および液体供給口26は、ポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。容器本体22は、底面部22aと、正面部22bと、背面部22cと、上面部22dと、左側面部22eと、右側面部22fとを有し、これらの面部でほぼ直方体を構成しており、内部にインクを収容するための液体収容室22Sを形成している。
【0023】
レバー24は、正面部22bであって、該レバー24の下端面が正面部22bに取り付けられており、その下端面から上向に向かって延びる形状である。レバー24は、弾性を有し、外力により長さ方向(X軸方向)に弾性変形して、ホルダー30の一部と係合・係脱することで、ホルダー30からカートリッジ20を着脱するためのストッパ機構である。
【0024】
液体供給口26は、底面部22aに設けられており、液体収容室22Sのインクを外部へ向かって流通させる通路であり、印刷ヘッド(図示省略)に向かって流通させる。液体供給口26内にはスポンジ状のフォームが配置され、液体供給口26からインクが漏れ出すことを防止している。また、底面部22aには、液体収容室22Sのインクの消費に従い、内部に空気を導入するための大気開放孔(図示せず)が形成されている。
【0025】
図5はカートリッジ20の回路基板28の付近を示す側面図である。回路基板28は、カートリッジ20の正面部22bの下部に装着され(図4参照)、表面に配置された9つの端子(容器側端子)からなる端子群28tと、裏面に配置された記憶部(図示省略)とを備え、記憶部にカートリッジ20のインクに関する情報(例えば、インク残量やインク色)を格納する。端子群28tの端子は、ほぼ矩形状に形成され、方向Zと略垂直な列を2列形成するように端子列28a,28bで配置されるとともに、互い違いに千鳥状に配置されている。端子列28aは、方向Zの上側、端子列28bは、方向Zの下側に配置されている。こうした端子は、装着検出端子、リセット端子、クロック端子、電源端子、接地端子、データ端子など、それぞれの機能(用途)を有する。なお、回路基板28と端子モジュール40などとの接続構成については、後述する。
【0026】
(2)−2 ホルダー30の構成:
図2において、ホルダー30は、カートリッジ20を着脱可能とするために一部を開口した凹状形状であり、ポリプロピレンなどの合成樹脂から形成されている。ホルダー30は、底壁面部32aと、前壁面部32bと、対向壁面部32cと、側壁面部32dと、側壁面部32eとを有し、これらの壁面部32a〜32eによって、カートリッジ20を収容するカートリッジ収容室32Sを形成している。なお、図2は説明を容易にするために側壁面部32bを切り欠いて示している。
【0027】
図4において、ホルダー30のホルダーケース32内には、カートリッジ20を保持するためのカートリッジ装着部33(記録材収容容器装着部)が形成されている。カートリッジ装着部33は、各々のカートリッジ20を保持および位置決めするための仕切壁34aにより構成されている。また、カートリッジ装着部33の前壁面部32b(図2参照)側には、端子モジュール40を保持するための端子装着部34が形成されている。なお、端子装着部34については、端子モジュール40との関係で後述する。
【0028】
図2において、底壁面部32aには、液体供給管35とシール部材36とが取り付けられている。液体供給管35の一端側は、底壁面部32aの背面(Z軸負方向側の面)に取り付けられている印刷ヘッド(図示省略)に接続されている。また、ホルダー30にカートリッジ20が装着された場合に、液体供給管35の他端側は、カートリッジ20の液体供給口26に接続される。シール部材36は、合成ゴムなどの弾性を有する部材である。シール部材36は液体供給管35の周囲に配置され、カートリッジ20がホルダー30に装着された際に、インクが外部に漏れ出すことを防止する。したがって、カートリッジ20がホルダー30に装着されたときに、インクジェットプリンター10が駆動されると、カートリッジ20内部のインクは、液体供給口26を介して印刷ヘッドに供給される。
【0029】
図6はカートリッジ20および端子モジュール40の接続構造を説明する説明図である。ホルダー30のカートリッジ装着部33の下部(Z方向の下方)には、端子装着部34が形成されており、この端子装着部34に本体側回路基板37が装着される。図4に示すように、本体側回路基板37には、カートリッジ20の個数に対応して回路基板28にそれぞれ接続するための接点機構38が4つ形成されている。各々の接点機構38には、回路基板28の端子群28t(図5)に対応して、9つの端子からなる端子群38tが形成されている。端子群38tは、2段に配置された端子列38a,38bを備え、各端子が互い違いに千鳥状に配置されている。接点機構38は、端子モジュール40を介して、カートリッジ20の回路基板28とインクジェットプリンター10の制御ユニット74とを電気的に接続するために用いられる。
【0030】
(3)端子モジュール40の構成
図7は端子モジュール40をホルダー30の端子装着部34から外した状態を示す斜視図である。端子モジュール40は、ホルダー30の端子装着部34に装着されて、カートリッジ20と本体側回路基板37の接点機構38との電気的接続をとるための両面端子である(図6参照)。図8は端子モジュール40を示す斜視図、図9は端子モジュール40を示す平面図である。端子モジュール40は、ハウジング41と、ハウジング41に保持される複数の接触端子50とを備えている。なお、以下の説明において、上述した各々の方向X,Y,Zを、ハウジング41と接触端子50との関係を明確にするために、撓み方向Xc、配列方向Yc、挿入方向Zcで表わす。
【0031】
図11は端子モジュール40においてハウジング41に接触端子50を装着する前の状態を示す斜視図である。ハウジング41は、カートリッジ20に対向するカセット側側壁41a(図4参照)と、本体側回路基板37に対向する本体基板側壁41bと、側壁部41c,41cと、底壁部41dとを備え、これらの壁によりほぼ直方体を形成している。
【0032】
ハウジング41は、側壁部41c,41cとの間に底壁部41dから突設されたスリット形成ユニット42Gを配置している。スリット形成ユニット42Gは、複数(図示では9本)の接触端子50を装着するために互いに平行に形成された複数のスリット43を形成している。
スリット形成ユニット42Gは、ハウジング41の配列方向Ycで定まる中心軸CLを対称とし、配列方向Ycに配置された3種類のスリット形成壁42−1〜42−3を備えており、すなわち、中央に2つ配置されたスリット形成壁42−1と、スリット形成壁42−1の両側にそれぞれ2つ配置されたスリット形成壁42−2と、スリット形成壁42−2の両側に1つずつ配置されたスリット形成壁42−3とを備えている。スリット形成ユニット42Gのスリット形成壁42−1〜42−3は、挿入方向Zcで長さの異なる2種類のスリット43A,43Bからなるスリット群43Gを形成している。
【0033】
すなわち、スリット43Aのうち、挿入方向Zcに長い、スリット43A−1がスリット形成壁42−1,42−1により、スリット43A−2がスリット形成壁42−2,42−2により、スリット43A−3がスリット形成壁42−3と側壁部41cとによりそれぞれ形成されている。
また、スリット43Bのうち、挿入方向Zcでスリット43Aより短い、スリット43B−1がスリット形成壁42−1とスリット形成壁42−2とにより、スリット43B−2がスリット形成壁42−2とスリット形成壁42−3とによりそれぞれ形成されている。なお、以下の説明において、スリット形成壁42と記載している場合は、全てのスリット形成壁42−1〜42−3のうち個々のものを表わし、また、スリット43A,43Bと記載している場合には、長さの異なるスリットの集合を表わす。また、スリット形成壁42およびスリット43A,43Bに添え文字を付している場合には、個々のスリット形成壁およびスリットを表わす。
【0034】
次に、端子モジュール40を端子装着部34に装着するための構成について説明する。図7において、ハウジング41の側壁部41cには、端子モジュール40をホルダー30の端子装着部34に装着するための側面支持部44が形成されている。側面支持部44は、両側の側壁部41cで同じ形状で構成されており、側壁部41cに突設された2つのレール部44aと、レール部44aの一方に形成された係止突部44bと、レール部44aから突設された弾性変形可能な挿入位置決めアーム44cとを備えている。レール部44aは、ガイド溝34bに嵌合した状態でガイド溝34bを倣うように形成されている。両側の係止突部44bが対向した仕切壁34aのそれぞれに当接することで配列方向Ycを位置決めしている。挿入位置決めアーム44cの先端には、係合爪44dが形成され、係合溝34cに係合するように形成されている。
【0035】
端子モジュール40を端子装着部34に装着するには、まず、端子モジュール40のレール部44aを仕切壁34aのガイド溝34bに位置合わせし、端子モジュール40をガイド溝34b内へ押し下げる。このとき、挿入位置決めアーム44cの係合爪44dがガイド溝34bの壁面で押されて、挿入位置決めアーム44cが撓む。そして、係合爪44dが係合溝34cに達したときに、挿入位置決めアーム44cが戻ることで係合爪44dが係合溝34cに係合する。これにより、端子モジュール40が端子装着部34に装着される。同様に、図3に示すように、他の3箇所のカートリッジ装着部33にも端子モジュール40を装着することができる。
【0036】
図12は接触端子50の1つを示す斜視図である。図12において、接触端子50は、金属製の薄板から形成されたアーム51と、接触子55,56(接点)と、被ロック部57とを備えている。アーム51は、長辺52と、短辺53と、接続部54とを備え、平行な2辺である長辺52および短辺53を接続部54で連結して構成されている。長辺52の先端側には、接触子55が形成されている。短辺53の先端側には、接触子56が形成されている。長辺52の先端には、摩擦抵抗を低減するために角または隅を斜めに削った面取部52aが形成され、その先端上部がストッパ端58になっている。また、接続部54には、ハウジング41に固定するための被ロック部57が形成されている。
【0037】
図13は図9のF13−F13線に沿った断面図である。ハウジング41の各々のスリット形成壁42は、連結部41fおよびロック部45で連結されている。ロック部45は、ロック規制片45aによりコ字形に形成されたロック凹部45bを備えている。ロック規制片45aの上端は、接触端子50のアーム51の長辺52と平行であって間隙Gpを隔てて形成されている。接触端子50は、スリット43に挿入方向Zcから挿入されることで被ロック部57がハウジング41のロック部45に嵌合して装着位置にて固定される。また、接触端子50の先端のストッパ端58は、ハウジング41の奥側に形成された係止端48に係止されている。こうした構成により、接触端子50の接触子55,56がスリット43から外部に突出するように配置されるとともに、撓み方向Xcに押されることでロック部45に固定された被ロック部57を支点として接触端子50は2点鎖線で示すように、スリット43の深さ方向に弾性で撓む。
【0038】
図11において、接触端子50は、同一のものが複数組み合わされることで、第1接触端子ユニット50A,第2接触端子ユニット50Bが構成されている。第1接触端子ユニット50Aは、5つのスリット43A−1〜43A−3にそれぞれ挿入される接触端子50A−1〜50A−3を備えている。第2接触端子ユニット50Bは、4つのスリット43B−1,43B−2にそれぞれ挿入される接触端子50B−1,50B−2を備えている。第2接触端子ユニット50Bの接触端子50B−1,50B−2は、第1接触端子ユニット50Aの接触端子50A−1〜50A−3の間に配置され、かつ挿入方向Zcに距離L1だけずらして配置されている。このように第1接触端子ユニット50Aおよび第2接触端子ユニット50Bの配置により、接触子55,56の位置が挿入方向Zcで異なることになり、接触子55,56は、カートリッジ20(図5)の回路基板28の端子群28tの各端子、および本体側回路基板37(図4)の接点機構38の端子群38tの各端子にそれぞれ接触する配列になっている。すなわち、接触端子50A−1〜50A−3の接触子55は、回路基板28の端子群28tの端子列28aにそれぞれ接触し、接触端子50B−1,50B−2の接触子55は、端子群28tの端子列28bの端子にそれぞれ接触する。また、接触端子50A−1〜50A−3の接触子56は、接点機構38の端子群38tの端子列38aの端子にそれぞれ接触し、接触端子50B−1,50B−2の接触子56は、端子群38tの端子列38bの端子にそれぞれ接触する。これにより、各々の接触端子50は、回路基板28と接点機構38の各端子とを電気的に接続している。
【0039】
図14はハウジング41の平面図である。図15は図14のF15−F15線に沿った斜視図であり、スリット形成壁42−2を示している。スリット形成壁42−2は、接触端子50をスリット43A−2への挿入をガイドするためのガイド部46を備えている。ガイド部46は、スリット形成壁42−2の挿入側から順に、ガイド端面46a、第1ガイド傾斜面46b、第2ガイド傾斜面46cを備えている。
【0040】
ガイド端面46aは、スリット形成壁42−2の端部を面取りした形状である。第1ガイド傾斜面46bは、スリット43A−2の中心に向けて、挿入側から奥側への傾斜面である。第2ガイド傾斜面46cは、第1ガイド傾斜面46bより奥側に配置され、スリット43A−2の中心に向けて、挿入側から奥側への傾斜面である。また、ガイド部46は、挿入側を切り欠いたガイド台座46dを備えている。ガイド台座46dは、スリット形成壁42−2の撓み方向Xcの一部を低くする段差を形成している。なお、ガイド部46の作用については後述する。
【0041】
図10はスリット43A−2のスリットの幅を説明する説明図である。図10に示すように、スリット43A−2のスリット幅は、挿入側から接触端子50の装着位置の順に、狭くなっており、例えば、接触端子50の厚みがWtとすると、挿入側のガイド台座46dでW1、第1ガイド傾斜面46bの奥側でW2、第2ガイド傾斜面46cの奥側であって装着位置でW3になっており、W1>W2>W3になっている。
【0042】
図16は図14のF16−F16線に沿った斜視図であり、スリット形成壁42−1を示している。図17は図14のF17−F17線に沿った斜視図であり、側壁部41cを示している。スリット形成壁42−1および側壁部41cには、上述したガイド部46のうち、ガイド端面46a以外は形成されておらず、ほぼ同じ幅のスリット43A−1およびスリット43A−3を形成している。また、スリット43Bも、挿入方向Zcに沿って同じ幅で形成されている。
【0043】
図15および図16において、スリット形成壁42−1,42−2には、紙粉などの異物を保持するためのトラップ部47が、スリット43を形成した面に設けられている。すなわち、図16において、トラップ部47は、スリット形成壁42−1に形成された第1トラップ部47aを備えている。第1トラップ部47aは、スリット形成壁42−1の上辺の一部を凹部に形成したものであり、凹部の奥側の端部が防壁47eになっている。防壁47eは、接触端子50の撓みのない状態にて、接触子55から距離L2だけ離れた位置に形成されている。また、図15において、トラップ部47は、スリット形成壁42−2に形成された第2トラップ部47bおよび第3トラップ部47cを備えている。第2トラップ部47bは、ガイド台座46dにより形成された凹部である。また、第3トラップ部47cは、スリット形成壁42−2の上辺に挿入方向Zcに形成された凹部であり、スリット43A−2の中央に向けて傾斜した斜面で形成されており、挿入側から奥側に向けて、つまり、凹部の底面が浅くなって、その凹部の断面積が小さくなるように形成されている。また第3トラップ部47cは、その凹部の奥側の端部が防壁47gになっている。防壁47gは、接触子55から距離L2だけ離れた位置に形成されている。
【0044】
図18は図14のF18−F18線に沿った断面図、図19は図14のF19−F19線に沿った断面図である。図18に示すように、第1トラップ部47aは、ハウジング41のカセット側側壁41aの中央部を切り欠いた形状を有するほぼ断面四角形の凹部であり、第3トラップ部47cは、第1トラップ部47aの両側であって、ハウジング41のカセット側側壁41aの上部を断面三角形に切り欠いた形状を有する凹部である。また、図19に示すように、第2トラップ部47bは、ガイド台座46dで形成された広いスペースの凹部である。なお、トラップ部47の作用については、後述する。
【0045】
(4) 端子モジュール40の組付作業
図20は端子モジュール40の組付工程を説明する説明図である。端子モジュール40を製造するには、以下の工程をとることができる。まず、端子モジュール40の各部材を準備する。すなわち、ハウジング41を樹脂射出成形などにより形成するとともに、同じ形状の9つの接触端子50をプレス成形などにより打ち抜くことで製造する。続いて、9つの接触端子50を治具JGにセットする。このとき、5つの接触端子50A−1〜50A−3を奥側に、4つの接触端子50B−1,50B−2を挿入側にかつ互い違いにセットする。
【0046】
次に、奥側の第1接触端子ユニット50Aをスリット43Aにそれぞれ位置合わせし、治具JGを端子モジュール40の側へ2段階のストロークST1,ST2で移動することで、接触端子50をスリット43(43A,43B)内へ装着する。図21ないし図23は、第1段のストロークST1における挿入位置M21,22,23にて、接触端子50A−2,50B−1の移動の様子をそれぞれ示している。なお、スリット形成壁42−1,42−2の配列方向Ycの位置は、その間隔を大きくして説明している。図21の挿入位置M21において、9つの接触端子50のうち、接触端子50A−2がスリット43A−2に挿入される。このとき、接触端子50A−2の先端がスリット43A−2の中心に対して、配列方向Ycに位置ズレしていると、接触端子50A−2の先端の面取部52aがガイド部46のガイド端面46aに当たり、スリット43A−2の中心に向けて調芯される。また、接触端子50A−2が撓み方向Xcに位置ズレしていると、接触端子50A−2の先端がガイド台座46dに当たり、撓み方向Xcへ位置決めされる。図22の挿入位置M22にて、接触端子50A−2がスリット43A−2に対して、配列方向Ycに位置ズレしていると、接触端子50A−2の先端の面取部52aが第1ガイド傾斜面46bに当たり、中心に向けて調芯される。図23の挿入位置M23にて、接触端子50A−2がスリット43A−2に対して、配列方向Ycに位置ズレしていると、第2ガイド傾斜面46cに当たり、中心に向けて調芯される。そして、第1段のストロークST1を終え、第2段のストロークST2にて、図13に示すように、接触端子50の被ロック部57がハウジング41の被ロック部57に嵌合するとともに、ストッパ端58が係止端48に係止することで、接触端子50をスリット43への装着する工程が完了する。
【0047】
(5) カートリッジ20の装着作業
図24において、カートリッジ20をホルダー30のカートリッジ装着部33に装着するには、容器本体22の正面部22bおよび背面部22c(図4参照)をカートリッジ装着部33に位置合わせし、カートリッジ20を装着方向Zt(図示下方)であって、該装着方向Ztの手前側から奥側へ挿入する。そして、片持ち梁のレバー24がカートリッジ装着部33の壁面の係合部(図示省略)に押されることで、根元部を支点として撓み、係合部を乗り越えて係合することで、カートリッジ20がカートリッジ装着部33に装着される。このとき、カートリッジ20の回路基板28は、端子モジュール40の接触端子50を押して撓ませることにより、端子群28t(図5参照)が端子モジュール40の接触端子50の接点においてに電気的に接続される。
【0048】
(6) 実施例の作用・効果
前記実施例にかかる端子モジュール40の構成により、以下の効果を奏する。
(6)−1 ガイド部46の作用効果
(a) 図21ないし図23に示すように、ガイド部46は、挿入方向Zcに沿って、装着位置のスリット幅へ段階的に狭くする第1ガイド傾斜面46bおよび第2ガイド傾斜面46cを備えているから、接触端子50A−2をスリットの装着位置に向けて移動するときに、第1ガイド傾斜面46bおよび第2ガイド傾斜面46cで順次ガイドされ、つまり、接触端子50A−2に1箇所で大きく調芯するような力が加わらないから、円滑な挿入作業を行なうことができる。したがって、接触端子50に多少の反りや曲がりがあっても、スリット43への挿入作業を容易に行なうことができ、組立作業の歩留りも向上させることができる。
【0049】
(b) 図21に示すように、ガイド部46のガイド台座46dは、接触端子50A−2の装着作業の際に、接触端子50A−2の先端を支持することで、撓み方向への位置を規制し、図13に示すように、被ロック部57をロック部45へ確実にガイドし、接触端子50A−2の挿入作業を容易にする。
【0050】
(c) 図11,図14,図15,図20において、ガイド部46は、ハウジング41の中心のスリット43A−1の両側のスリット43A−2に、左右対称に配置され、しかも、最初に接触端子50の先端がスリット43Aに入る箇所に設けられているから、少ないガイド部46で複数の接触端子50の位置合わせを確実に行なうことができる。すなわち、ガイド部46は、全てのスリット43に設けられていないから、スリット形成壁42を必要以上に複雑にしたり、凹部の形成で機械的強度の低下を招かない。
【0051】
(d) 図21ないし図23において、接触端子50の挿入側の先端面に形成された面取部52aは、第1ガイド傾斜面46bおよび第2ガイド傾斜面46cなどに当たったときに、摩擦抵抗を低減するから、接触端子50の円滑な挿入作業を行なうことができる。
【0052】
(e) 図13に示すように、接触端子50のストッパ端58は、接触端子50の装着位置にてハウジング41の係止端48に位置決めされることから、接触端子50は、ハウジング41に対して確実に位置決めされ、そのガタツキを防止することができる。
【0053】
(f) 図13に示すように、接触端子50は、被ロック部57がハウジング41のロック部45に嵌合することによりハウジング41に固定されるが、被ロック部57とハウジング41のロック規制片45aとの間に間隙Gpを設定しているから、被ロック部57とアーム51との製造時における寸法誤差があっても、アーム51が被ロック部57に干渉したり、接触するのを回避し、接触端子50を簡単にハウジング41に装着することができる。
【0054】
(6)−2 トラップ部47の作用効果
(a) カートリッジ20をホルダー30から外していると、カートリッジ20の回路基板28の付近に紙粉などの異物が付着している場合があり、こうした異物は、カートリッジ20をホルダー30に装着したときに、ホルダー30の回路基板28と端子モジュール40との間に入り込んで、電気的接続を阻害する可能性がある。図15および図16などで説明したトラップ部47は、こうした異物に起因する課題を、以下の作用により解決しており、これを、図25ないし図29を用いて説明する。
図25は図24の矢印F25の方向から見た図であり、カートリッジ20の正面部22bと端子モジュール40のカセット側側壁41aとの間に異物Ds1,Ds2,Ds3が介在している状態を示している。異物Ds1は、ハウジング41のカセット側側壁41aのほぼ中央であってスリット43A−1の付近にあり、異物Ds2は、カセット側側壁41aのやや側方であってスリット43A−2の付近にあり、異物Ds1,Ds2,Ds3は、カセット側側壁41aの端部にあるものとする。
【0055】
図26は図25のF26−F26線に沿った断面図、図27は図25のF27−F27線に沿った断面図である。図26において、カートリッジ20の正面部22bの中央に付着した異物Ds1は、カートリッジ20をホルダー30へ装着方向Ztの手前側から奥側へ挿入する装着作業とともに、図26(A)、図26(B)に示すように、カートリッジ20の正面部22bとハウジング41のカセット側側壁41aとの間で圧縮されつつ摩擦力を受けて装着方向Ztへ移動し、図26(C)に示すように、第1トラップ部47aに導かれて保持される。第1トラップ部47aには、防壁47eが接触端子50の接触子55に対して装着方向Ztの手前側であって装着方向Ztと直角方向(交差する方向)に配置されている。ここで、前記ハウジングの回路基板側の壁面(スリット43が形成された面)とカートリッジ20の壁面との間隔は、該防壁47eの箇所の間隔D1が前記手前側の間隔D2より狭くするように形成されている。よって、この防壁47eによって異物Ds1のそれ以上の移動が規制される。したがって、異物Ds1は、接触端子50の接触子55と回路基板28との間にまで達しないから、その間の電気的接触を損なわない。なお、前記実施例において、防壁47eが形成されている方向は、装着方向Ztと交差する方向として、直角方向を示しているが、これに限らず、異物Ds1の保持を損なわない角度であれば、前記直角方向に対してある程度傾斜した角度であってもよい。
【0056】
図27において、カートリッジ20の正面部22bの側方に付着した異物Ds2は、カートリッジ20のホルダーへの装着作業とともに、図27(A)、図27(B)を経て図27(C)に示すように装着方向Zt方向へ移動する。図28は図27(A)のF28−F28線に沿った断面図、図29は図27(B)のF29−F29線に沿った断面図である。図27(A)および図28に示すように、異物Ds2は、トラップ部47の第2トラップ部47bで圧縮された状態で保持され、さらに、第3トラップ部47cに沿って、カートリッジ20の正面部22bとハウジング41のカセット側側壁41aとの間で圧縮されつつ摩擦力を受けて装着方向Ztへ移動する。そして、異物Ds3が、第3トラップ部47cの防壁47gに達したときに、防壁47gによってそれ以上の移動が規制される。よって、異物Ds2は、接触端子50の接触子55と回路基板28との間にまで達しないから、その間の電気的接触を損なわない。
【0057】
(b) 図15および図27に示すように、第2トラップ部47bは、スリット43の手前側に配置され、しかもスリット形成壁42−2の一部を切り欠いたガイド台座46dで形成された大きなスペースであり、大きな異物を捕捉することができる。
(c) 図29に示すように、第3トラップ部47cは、傾斜面47dで形成されたV字形の溝であり、異物と接触面積が大きく、大きな摩擦力を得ることができるから、異物を確実に捕捉することができる。
(d)図15に示すように、第3トラップ部47cは、傾斜面47dにより溝の深さを挿入方向Zcに向けて、徐々に狭くしているから、異物を固めて捕捉することができる。よって、異物が千切れて細かくなって接触子55の付近に達することがない。
【0058】
(e) 図15および図16などにおいて、トラップ部47は、断面形状が異なった第1トラップ部47a、第2トラップ部47b、第3トラップ部47cが設けられているので、多様な形状の異物に対しても、接触子55の付近に達するのを確実に防止することができる。
【0059】
(f) 図15に示すように、第1トラップ部47aは、スリット43A−2の開口に、スリット形成壁42−2の一部を切り欠いたガイド台座46dで形成されているから、その機能が兼用され、構成も簡単になる。
【0060】
(g) 図25に示すように、カートリッジ20の正面部22bの端部に付着した異物Ds3は、端子モジュール40のハウジング41のカセット側側壁41aとの接触で側方へ脱落しやすく、図26や図27で示したように接触端子50の接触子55に達しにくい。これに鑑みて、ハウジング41の両側は、トラップ部47を形成するためにスリット形成壁42の一部を切り欠いたり、凹部を形成したりしていないから、ハウジング41の機械的強度を低下させない。
【0061】
(h) 図30はカートリッジ20をホルダーから外している状態を説明する説明図であり、つまり、図26(C)の状態からカートリッジ20を外している状態を示す。図26(C)に示すように、異物Ds1がトラップ部47の第1トラップ部47aに保持されている状態にて、カートリッジ20をホルダーから外すと、図30に示すように、第1トラップ部47aに臨んで配置された接触端子50のアーム51が弾性力で戻るときに、異物を第1トラップ部47aから跳ばして接触子55の付近から除去する。よって、異物が端子モジュール40の接触端子50の接触子55の付近に残っているのを回避できる。
【0062】
(7) 他の態様
この発明は前記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような態様をとることができる。
例えば、前記実施例に端子モジュール40は、両面端子について説明したが、これに限らず、一方の側に端子を設けた場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10…インクジェットプリンター
20…カートリッジ
22…容器本体
22S…液体収容室
22a…底面部
22b…正面部
22c…背面部
22d…上面部
22e…左側面部
22f…右側面部
24…レバー
26…液体供給口
28…回路基板
28t…端子群
28a,28b…端子列
30…ホルダー
32…ホルダーケース
32S…カートリッジ収容室
32a…底壁面部
32b…前壁面部
32c…対向壁面部
32d…側壁面部
32e…側壁面部
33…カートリッジ装着部
34…端子装着部
34a…仕切壁
34b…ガイド溝
34c…係合溝
35…液体供給管
36…シール部材
37…本体側回路基板
38…接点機構
38t…端子群
38a,38b…端子列
40…端子モジュール
41…ハウジング
41a…カセット側側壁
41b…本体基板側壁
41c…側壁部
41d…底壁部
41f…連結部
42…スリット形成壁
42G…スリット形成ユニット
42−1,42−2,42−3…スリット形成壁
43G…スリット群
43A−1〜43A−3…スリット
43B−1,43B−2…スリット
44…側面支持部
44a…レール部
44b…係止突部
44c…挿入位置決めアーム
44d…係合爪
45…ロック部
45a…ロック規制片
45b…ロック凹部
46…ガイド部
46a…ガイド端面
46b…第1ガイド傾斜面
46c…第2ガイド傾斜面
46d…ガイド台座
47…トラップ部
47a…第1トラップ部
47b…第2トラップ部
47c…第3トラップ部
47d…傾斜面
47e,47g…防壁
48…係止端
50…接触端子
50A…第1接触端子ユニット
50A−1,50A−2…接触端子
50B…第2接触端子ユニット
50B−1,50B−2…接触端子
51…アーム
52…長辺
52a…面取部
53…短辺
54…接続部
55,56…接触子
57…被ロック部
58…ストッパ端
70…第2のモーター
72…第1のモーター
74…制御ユニット
80…操作部
82…インターフェース
90…コンピューター
Ds1,Ds2,Ds3…異物
PA…印刷用紙
JG…治具
CL…中心軸
Yc…配列方向
Zc…挿入方向
Xc…撓み方向
Zc…装着方向
Gp…間隙
Ds1〜Ds3…異物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器側端子を備えた記録材収容容器を所定の装着方向に挿入可能な記録材収容容器装着部を備え、前記記録材収容容器装着部には、前記記録材収容容器が装着された状態で、前記複数の容器側端子とそれぞれ接続する複数の接触端子を備える記録装置であって、
前記複数の接触端子は前記容器側端子と接触する接点を有し、
前記接触端子は、互いに平行に形成された複数のスリットを有するハウジング内に、少なくとも前記接点が前記スリットから外部に突出するように配置されており、
前記ハウジングの前記接点より前記装着方向の手前側に、前記装着方向と交差する防壁を有するトラップ部を備える、記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記記録材収容容器が前記記録装置に装着された状態で、前記トラップ部は、前記防壁に対応する位置における、前記複数のスリットが形成された面と前記記録材収容容器の面との間隔が、前記装着方向の手前側より狭くなるように形成されている、記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の記録装置において、
前記トラップ部は、前記スリットが形成された面に設けられた凹部であり、該凹部の前記接点側に前記防壁を配置した記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録装置において、
前記凹部の底面が、前記防壁に向けて、前記スリットが形成された面と前記記録材収容容器の面との間隔を狭くするように形成されている記録装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4の記録装置において、
前記凹部は、前記装着方向の手前から前記装着方向の奥側に向かって、該凹部の断面積を小さくする傾斜面を有する記録装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の記録装置において、
前記接触端子は、前記スリットの深さ方向に弾性を有しており、前記接触端子が前記容器側端子により押されて弾性変形している状態から、該弾性変形が解除されたときに少なくとも一部が前記凹部内に位置するように配置されている記録装置。
【請求項7】
請求項3ないし請求項6に記載の記録装置において、
前記トラップ部は、前記装着方向または前記複数の接触端子を配列した方向に、異なった形状の凹部を複数備えている記録装置。
【請求項8】
記録材収容容器が装着される記録装置に設けられる端子モジュールであって、
互いに平行に形成された複数のスリットを有するハウジングと、
前記ハウジングに固定され、アームと、該アームの一端に形成されかつ前記記録材収容容器に設けられた容器側端子と接触する接点を含む接触子と、を有する複数の接触端子と、
前記ハウジングは、前記接点よりもアーム側であって、前記複数のスリットが配列された配列方向に形成された防壁を有するトラップ部を備える端子モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−218287(P2012−218287A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86099(P2011−86099)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】