説明

記録装置及びデータ記録方法

【課題】 データの再生時に当該データが作成された時期の時間的系列や時代背景を分かりやすくする。
【解決手段】 デジタルテレビ12は、デジタルビデオカメラ11から通信回線を介してデータを受信し、受信したデータと当該データの作成時期に関連する情報とを同時に再生可能な状態でHDD13に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ビデオカメラ等の撮影された映像を受信し、記録媒体に記録させることが可能な記録装置及びそのデータ記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラで撮影した画像をPCのホームサーバに保存する従来例を、図4を用いて説明する。
【0003】
図4において、111はデジタルビデオカメラ(以下、DVCと称す)、114はIEEE1394ケーブル、115はPCを用いたホームサーバである。
【0004】
DVC111を用いて撮影された映像は、自宅にあるホームサーバ115にIEEE1394ケーブルで接続される。ホームサーバ115は通常PCである場合が多く、ホームサーバ115には編集アプリケーションがインストールされている。そして、ユーザは、この編集アプリケーションを用いて、DVC111に対してテープの頭だしや再生等のコントロールを行い、キャプチャと呼ばれる作業を行って、ホームサーバ115に映像を取り込む。必要な場合は、この編集アプリケーションでキャプチャした映像の削除やエフェクトやつなぎ等の編集を行い、最終的にホームサーバ115に内蔵されたHDDに保存する。ユーザは任意にこの保存された映像を再生し、思い出等を楽しむことになる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−308040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来例では、ホームサーバ115に蓄積された思い出の映像を再生する際、遠い過去の映像になればなる程、記憶が曖昧になり、時間的系列や時代背景が分からないといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、データの再生時に当該データが作成された時期の時間的系列や時代背景を分かりやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の記録装置は、外部装置から通信回線を介してデータを受信する受信手段と、前記外部装置から受信するデータと前記データの作成時期に関連する情報とを同時に再生可能な状態で記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とする。
本発明のデータ記録方法は、記録装置によるデータ記録方法であって、外部装置から通信回線を介してデータを受信する受信ステップと、前記外部装置から受信するデータと前記データの作成時期に関連する情報とを同時に再生可能な状態で記録媒体に記録する記録ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記データ記録方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、データと当該データの作成時期に関連する情報とを同時に再生可能な状態で記録するように構成しているので、当該データの再生時に当該データが作成された時期の時間的系列や時代背景が分かりやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、デジタルビデオカメラ(以下、DVCと称す)で撮影した画像をホームサーバであるデジタルテレビ(以下、DTVと称す)に保存する場合のシステム構成例を示した図である。
【0012】
図1において、11はDVC、14はIEEE1394ケーブル、12はインターネットに接続された、放送波を受信するDTVを用いたホームサーバ、13はDTV12に内蔵されたHDDである。
【0013】
DVC11を用いて撮影された映像は、自宅にあるDTV12にIEEE1394ケーブル14で接続される。DTV12には編集機能が付属している。そして、ユーザは、この編集機能を用いて、DVC11に対してテープの頭だしや再生等のコントロールを行い、キャプチャと呼ばれる作業を行って、DTV12に映像を取り込む。必要な場合は、この編集機能でキャプチャした映像の削除やエフェクトやつなぎなどの編集を行い、最終的にDTV12に内蔵されたHDD13に保存する。
【0014】
このとき、DTV12は図1のようにテレビ放送を受信しているとともに常にインターネットに接続されている。DTV12は、DVC11の映像をキャプチャしながら、映像の中にある撮影日時に関する情報を検出している。その撮影日時に関する情報をどのように検出するかを説明する。
【0015】
図2にDVC11の磁気テープに記録されているデジタルビデオトラックフォーマットを示す。これはデジタルビデオで使用されているフォーマットで「Specifications of Consumer-Use Digital VCRs」に詳しく記載されている。
【0016】
図2において、左側から順に、トラックの初めはヘッドがトラッキングをとったり、後半のフォーマットを読み取るための情報が書かれているITIエリアである。次が音声信号が記録されているオーディオエリアである。次が映像が記録されているビデオエリアである。最後がテープの検索をしたり、タイムコード等が記録されているサブコードエリアである。
【0017】
撮影日時に関する情報は、図3に示すRECDATEパックと図示しないが同じ構造のRECTIMEパックであり、図2に示す、オーディオエリア、ビデオエリア、サブコードエリアに記録されている。それぞれのエリアに記録されているRECDATEパックは音声の記録日時、映像の記録日時及び検索に必要な日時が別であるが、通常は全てが同時に作成されるため同じデータとなっている。そして、1ビデオフレーム分、NTSCの場合は10トラックが全て同じデータになっている。
【0018】
DVC11からは1フレーム分を並べ替えて1394パケットにして出力している。DTV12はこの送られてきたパケットからビデオエリアにある、RECDATEパックに対応するRECDATEパケットを取り出し、撮影された日付を検出する(時間まで検出したい場合は、RECTIMEパックに対応するRECTIMEパケットも取り出す)。
【0019】
DTV12は、接続されたインターネットを検索し、検出された日付のニュースをダウンロードする。そして、そのニュースをHDD13の中のキャプチャした映像と同じ場所に保存する。例えば、HDD13内でフォルダ構成による管理を行っているのであれば、キャプチャされた映像とダウンロードされたニュースとが同じフォルダ内に保存されることになる。このように、本実施形態では、キャプチャした映像とその映像の作成時期を表す情報とを同時に再生可能な状態で保持する。
【0020】
また、図3に示すようにRECDATEパックには撮影された年も記録されており、撮影された年の終わり、例えば12月31日になるとDTV12はインターネットより、その年の10大ニュースを検索して記録したり、ベストヒット曲を検索して記録したりする。もちろん、これらのニュースやヒット曲の情報は、テキストのみの場合もあるし、映像である場合もある。
【0021】
また、DTV12はテレビ放送を受信しているため、ニュースやヒット曲の映像をEPGを利用することにより、年末に自動的に10大ニュースやヒット曲の番組を録画することも可能である。
【0022】
なお、キャプチャした日に同時にこれらの情報を記録する場合、テレビ放送はリアルタイムのため、撮影された日付は過去になっていることがある。この場合、キャプチャした日のニュース等を録画することもある。
【0023】
このようにしてDTV12に撮影映像とともに記録されたニュースやヒット曲情報等は、ユーザが撮影映像を再生した際に、ユーザの希望により、テキストで表示したり、同じように映像を再生したりして、撮影された時期を表す情報として得ることができる。
【0024】
なお、上述した実施形態では、ホームサーバにDTV12を使用した例で説明したが、当然、図4のようにホームサーバはPCである場合もある。その場合も同様でPC15がインターネットに接続されていたり、テレビキャプチャーカードを内蔵していると、インターネットやテレビ放送網を介して情報を受信することができるようになっていると、上述した実施形態と同等のことを行うことが可能である。
【0025】
以上のように、上述した実施形態においては、撮影映像とともにニュースやヒット曲情報等を同時に再生することが可能である。従って、ユーザは、撮影映像を再生する際に、その撮影が行われた日時に起こった事件や話題、ヒット曲等を同時に情報として知ることができる。よって、本実施形態によれば、撮影映像の時間的系列や撮影時の時代的背景が分かりやすくなるとともに、より一層撮影映像に対する懐かしさ等の感情や記憶の鮮明さを与えることができる。
【0026】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム等のコンピュータが記憶媒体からプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0027】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0028】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0029】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0030】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに接続された機能拡張ユニット等に備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づきCPU等が実際の処理を行い、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】デジタルビデオカメラ(DVC)で撮影した画像をホームサーバであるデジタルビデオカメラ(DTV)に保存する場合のシステム構成例を示した図である。
【図2】DVCの磁気テープに記録されているデジタルビデオトラックフォーマットを示す図である。
【図3】RECDATEパックの構成例を模式的に示す図である。
【図4】ビデオカメラで撮影した画像をPCのホームサーバに保存する例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
11 デジタルビデオカメラ(DVC)
12 デジタルテレビ(DTV)
13 HDD
14 IEEE1394ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から通信回線を介してデータを受信する受信手段と、
前記外部装置から受信するデータと前記データの作成時期に関連する情報とを同時に再生可能な状態で記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記データに含まれる前記データの作成時期を示す情報に基づき、前記データの作成時期に関連する情報を取得する取得手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記取得手段は、インターネットを介して前記データの作成時期に関連する情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記取得手段は、テレビ放送より前記データの作成時期に関連する情報を取得することを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記データの作成時期に関連する情報は、前記データの作成時期におけるニュース及びヒット曲のうちの少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の記録装置。
【請求項6】
記録装置によるデータ記録方法であって、
外部装置から通信回線を介してデータを受信する受信ステップと、
前記外部装置から受信するデータと前記データの作成時期に関連する情報とを同時に再生可能な状態で記録媒体に記録する記録ステップとを含むことを特徴とするデータ記録方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ記録方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−242187(P2007−242187A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66090(P2006−66090)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】