説明

記録装置及び液体噴射装置

【課題】トレイにセットされた光ディスク等の被記録媒体にトレイを搬送する為のローラの通過痕を残さないようにすることで、記録品質の低下を防止して良好な記録結果を得る。
【解決手段】トレイ50を搬送するトレイ搬送手段は、トレイ50にセットされる光ディスクの記録面側に配置されるとともにトレイ本体51においてセット部52以外の領域と接する押圧ローラ63と、トレイ本体51において押圧ローラ63が接する面に対して反対側の面と接する排出駆動ローラ41と、を備えて構成されていて、記録実行時には排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、トレイ50が副走査送りされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に記録を行う記録装置に関し、特に被記録媒体として光ディスク等の薄板状体がトレイにセットされた状態で搬送可能であるとともに、前記薄板状体に記録を実行可能な記録装置および液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
記録装置或いは液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンタには、CD−Rや、DVD(Digital Versatile Disc)等に代表される、薄板状体としての光ディスク等を被記録媒体とし、そのラベル面に直接インク滴を吐出することによって記録を実行可能に構成されたものがある。この様なインクジェットプリンタにおいては、例えば特許文献1や特許文献2に示されるように、一般的に光ディスク等の薄板状体はプレート形状を成すトレイにセットされ、当該トレイにセットされた状態でインクジェットプリンタ内の搬送経路を搬送(副走査送り)され、そして前記ラベル面にインクジェット記録が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−106344号公報
【特許文献2】特開2003−211757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、インクジェットプリンタにおいて被記録媒体はインクジェット記録ヘッド上流側に設けられた搬送手段によって搬送されるため、光ディスクがセットされたトレイも、上記特許文献1或いは特許文献2に示すように上記搬送手段によって搬送される。
搬送手段は回転駆動される搬送駆動ローラと当該搬送駆動ローラに接して従動回転する搬送従動ローラとを備えて構成されるが、搬送従動ローラは、単票紙等の被記録媒体を搬送する際に高い搬送精度を確保するために、搬送駆動ローラに強く圧接する様に設けられている。そして、この様に構成された搬送手段によってトレイが搬送される際に、搬送従動ローラがトレイにセットされた光ディスクのラベル面に強く圧接すると、当該ラベル面に通過痕を形成してしまうといった虞があった。
【0006】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、トレイにセットされた光ディスク等(薄板状体)のラベル面に、トレイを搬送する為のローラの通過痕を残さないようにすることで、記録品質の低下を防止して良好な記録結果を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録媒体としての薄板状体をセット可能なセット部を、プレート形状を成すトレイ本体に備えたトレイをトレイ搬送手段によって搬送可能に構成された、被記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記トレイ搬送手段が、前記トレイにセットされる薄板状体の記録面側に配置されるとともに前記トレイ本体において前記セット部以外の領域と接する第1ローラと、前記トレイ本体において前記第1ローラが接する面に対して反対側の面と接する第2ローラと、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記態様によれば、トレイを搬送するトレイ搬送手段は、前記トレイにセットされる被記録媒体の記録面側に配置されるとともに前記トレイ本体において前記セット部以外の領域と接する第1ローラと、前記トレイ本体において前記第1ローラが接する面に対して反対側の面と接する第2ローラと、を備えて構成されているので、前記トレイにセットされた光ディスク等の薄板状体の記録面にローラの通過痕を残すことがなく、記録品質の低下を防止して良好な記録結果を得ることが可能となる。加えて、前記トレイにおける前記セット部を例えばローラが通過すると、前記セット部の段差形状をローラが通過することによってトレイの搬送精度に悪影響を及ぼす虞があるが、トレイ搬送手段は前記セット部以外の領域と接するので、上記の様な搬送精度の低下を防止できる。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、被記録媒体に記録を行う記録手段の下流側に設けられ、回転駆動される排出駆動ローラと、当該排出駆動ローラに接して従動回転する排出従動ローラとを備えて構成された被記録媒体排出手段と、前記排出従動ローラを前記排出駆動ローラから離間させるレリース手段と、を備え、前記第2ローラが前記排出駆動ローラであり、前記第1ローラが、前記排出従動ローラの前記排出駆動ローラからの離間に伴って前記トレイの搬送経路に進出し、前記排出駆動ローラに向けて前記トレイを押圧する押圧ローラであることを特徴とする。
【0010】
上記態様によれば、前記トレイは、被記録媒体に記録を行う記録手段の下流側に設けられた、回転駆動される排出駆動ローラと、当該排出駆動ローラに向けて前記トレイを押圧する押圧ローラとによって搬送されるので、即ち単票紙等を搬送する搬送手段(記録手段の上流側に設けられる)を利用しないことから、前記トレイをニップする力を容易に最適化することができ、従って前記トレイを強くニップすることによる前記トレイへのダメージの付与を防止することができる。加えて、記録実行時には前記トレイの先端が記録ヘッド上流側に設けられた搬送手段にニップされる必要がないので、前記トレイの先端部分の寸法を短くすることができ、前記トレイの小型化を図ることができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記排出駆動ローラに接して従動回転する排出従動ローラを支持するとともに、前記排出従動ローラが前記排出駆動ローラに接する接触ポジションと、前記排出従動ローラが前記排出駆動ローラから離間する離間ポジションと、をとり得るように変位可能に設けられた従動ローラ支持手段を備え、前記レリース手段は、前記従動ローラ支持手段を前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位させるものであり、且つ、前記トレイの搬送経路に突出するレバー部と、前記押圧ローラと、を備えるとともに前記搬送経路を側視して回動可能となる様に前記従動ローラ支持手段に軸支されるレリース部材を備えて構成され、前記レバー部が前記搬送経路に突出した状態において前記トレイが前記搬送経路に差し込まれることにより、前記トレイが前記レバー部を押し上げて前記レリース部材が回動し、当該レリース部材の回動動作に伴って前記従動ローラ支持手段が前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位するよう構成されていることを特徴とする。
【0012】
上記態様によれば、排出従動ローラを支持する従動ローラ支持手段を離間ポジションに変位させるレリース手段は、被記録媒体をセット可能なトレイの搬送経路に突出するレバー部を備えるとともに、前記搬送経路を側視して回動可能となる様に前記従動ローラ支持手段に軸支されるレリース部材を備えて構成され、前記レバー部が前記搬送経路に突出した状態において前記トレイが前記搬送経路に差し込まれることにより、前記トレイが前記レバー部を押し上げて前記レリース部材が回動し、当該レリース部材の回動動作に伴って前記従動ローラ支持手段が前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位する。即ち、上記レリース部材の回動動作を介して従動ローラ支持手段が離間ポジションに変位するので、従動ローラ支持手段のレリースストロークを大きくとることができるとともに、リンク機構を採用する場合等のように部品点数の増加を招くことなく、低コスト化に資すことができる。また、前記トレイが前記搬送経路に差し込まれることで特別な操作を要せずに前記排出従動ローラが前記排出駆動ローラから確実に離間するので、ユーザの取扱性を向上させることができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様において、被記録媒体に記録を行う記録手段の上流側に設けられた、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに接して従動回転する搬送従動ローラと、を備えて構成された被記録媒体搬送手段を備え、前記第2ローラが前記搬送駆動ローラであり、前記第1ローラが前記搬送従動ローラであることを特徴とする。
【0014】
上記態様によれば、前記トレイは、被記録媒体に記録を行う記録手段の上流側に設けられた、回転駆動される搬送駆動ローラと、当該搬送駆動ローラに接して従動回転する搬送従動ローラとによってニップされて搬送されるので、トレイの搬送に際して高い搬送精度を得ることができるとともに、剛体としての前記トレイを高強度の搬送駆動ローラ(金属軸体によって構成される)によって搬送するため、装置の耐久性を向上させることができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、被噴射媒体としての薄板状体をセット可能なセット部を、プレート形状を成すトレイ本体に備えたトレイをトレイ搬送手段によって搬送可能に構成された、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置であって、前記トレイ搬送手段が、前記トレイにセットされる薄板状体の液体噴射面側に配置されるとともに前記トレイ本体において前記セット部以外の領域と接する第1ローラと、前記トレイ本体において前記第1ローラが接する面に対して反対側の面と接する第2ローラと、を備えて構成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るプリンタの装置本体の外観斜視図。
【図2】本発明に係るプリンタの側断面図。
【図3】トレイの平面図。
【図4】排紙フレームAssyの外観斜視図。
【図5】排紙フレームAssyの外観斜視図。
【図6】レリース部材(レリース手段)の外観斜視図。
【図7】レリース部材の取付部の拡大斜視図。
【図8】排紙フレームAssy周辺のトレイ搬送経路の側断面図。
【図9】排紙フレームAssy周辺のトレイ搬送経路の側断面図。
【図10】本発明に係るプリンタの装置本体の外観斜視図。
【図11】本発明に係るプリンタの装置本体の正面図。
【図12】他の実施形態に係るトレイの平面図。
【図13】他の実施形態に係るトレイ先端の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<<第1の実施形態>>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では先ず、図1および図2を参照しながら、記録装置或いは液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概要について説明する。ここで、図1はプリンタ1の装置本体(外装ケースを取り外した状態)の外観斜視図であり、図2は同側断面図である。尚、以下では、図2の右方向(プリンタ前方側)を用紙或いはトレイの搬送経路の「下流側」と言い、左方向(プリンタ後方側)を「上流側」と言うこととする。
【0018】
プリンタ1は後部に「被記録媒体」、「被噴射媒体」の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う)を傾斜姿勢でセット可能な給送装置2を備え、当該給送装置2から、用紙Pを下流側の被記録媒体搬送手段4へ向けて給送する。給送された用紙Pは被記録媒体搬送手段4によって下流側の記録手段3へ搬送され、記録が実行される。記録手段3によって記録の行われた用紙Pや、光ディスクD(トレイ50)は、下流側の被記録媒体排出手段5によって装置前方へ排出される。尚、被記録媒体排出手段5は後述するトレイ50も搬送し、記録手段3はトレイ50にセットされた薄板状体としての光ディスクDへ記録を実行する。
【0019】
以下、プリンタ1の用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。給送装置2は、ホッパ11と、給送ローラ12と、リタードローラ13と、戻しレバー14とを備えて構成されている。
ホッパ11は板状体から成り、上部の揺動支点(図示せず)を中心に揺動可能に構成され、揺動することにより、ホッパ11上に傾斜姿勢に支持された用紙Pを給送ローラ12に圧接させ、または、給送ローラ12から離間させる。給送ローラ12は側面視略D形の形状を成し、その円弧部分によって圧接した最上位の用紙Pを下流側へ給送する一方で、用紙Pが給送された後の、被記録媒体搬送手段4による用紙Pの搬送中においては、搬送負荷を生じさせない様に図示する様にその平坦部が用紙Pと対向する様に制御される。
【0020】
リタードローラ13は、給送ローラ12の円弧部分と圧接可能に設けられている。リタードローラ13は用紙Pの重送が発生せずに、1枚だけ用紙Pが給送されている場合にはこの用紙Pに接して従動回転(図2の時計回り)し、用紙Pが給送ローラ12とリタードローラ13との間に複数枚存在する場合には、用紙間の摩擦係数が用紙Pとリタードローラ13との間の摩擦係数よりも低いため、回転せずに停止した状態となる。従ってこれにより、給送されるべき最上位の用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pが、リタードローラ13から下流側へ進まずに、重送が防止される。戻しレバー14は回動可能に設けられていて、重送されようとした次位以降の用紙Pをホッパ11上に戻す作用を奏する。
【0021】
給送装置2と被記録媒体搬送手段4との間には、用紙Pの通過を検出する検出手段(図示せず)と、用紙Pの給送姿勢を形成するとともに用紙Pの給送ローラ12への接触を防止して搬送負荷を軽減するガイドローラ26が設けられている。尚、本実施形態においてガイドローラ26は、紙案内上24の上流側端部において自由回転可能に軸支されている。
【0022】
給送装置2の下流側に設けられた被記録媒体搬送手段4は、モータによって回転駆動される搬送駆動ローラ30と、該搬送駆動ローラ30に圧接して従動回転する搬送従動ローラ31とを備えて構成されている。搬送駆動ローラ30は用紙幅方向に延びる金属軸の外周面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散されて成る付着層を備えて成され、搬送従動ローラ31は外周面がエラストマ等の低摩擦材料によって成され、搬送駆動ローラ30の軸線方向に複数配設されている。
【0023】
また、搬送従動ローラ31は本実施形態では1つの紙案内上24の下流側端部に2つ自由回転可能に軸支され、その紙案内上24は、用紙幅方向に3つ、図1に示すように設けられている。また、紙案内上24は軸24aがメインフレーム23に軸支されることで、用紙搬送経路を側視して軸24a中心に揺動可能に設けられるとともに、コイルばね25によって、搬送従動ローラ31が搬送駆動ローラ30に圧接する方向に付勢されている。
被記録媒体搬送手段4に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってニップされた状態で搬送駆動ローラ30が回転することにより、下流側の記録手段3へと搬送される。
【0024】
記録手段3は、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)36と、当該記録ヘッド36と対向するように設けられる紙案内下37とを備えて構成される。記録ヘッド36はキャリッジ33の底部に設けられ、当該キャリッジ33は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸34にガイドされながら、図示しない駆動モータによって主走査方向に往復動する様に駆動される。また、キャリッジ33は、複数色の各色毎に独立したインクカートリッジ35を搭載し、記録ヘッド36へとインクを供給する。
【0025】
用紙Pと記録ヘッド36との距離を規定する紙案内下37には、記録ヘッド36と対向する面にリブが形成されているとともに(図示せず)、インクを打ち捨てる凹部(図示せず)が形成されていて、用紙Pの端部から外れた領域に吐出するインクを前記凹部に打ち捨てることにより、用紙Pの端部に余白無く印刷を行う所謂フチ無し印刷が実行される。
【0026】
続いて、記録ヘッド36の下流側には、ガイドローラ43と、被記録媒体排出手段5が設けられている。ガイドローラ43は用紙Pの紙案内下37からの浮き上がりを防止して用紙Pと記録ヘッド36との距離を一定に保つ機能を果たす。被記録媒体排出手段5は図示しないモータによって回転駆動される排出駆動ローラ41と、当該排出駆動ローラ41に接して従動回転する排出従動ローラ42とを備えて構成されている。本実施形態において排出駆動ローラ41はゴムローラによって成されるとともに回転駆動される軸体の軸方向に複数設けられる(図10参照)。
【0027】
また、排出従動ローラ42は外周に複数の歯を有する歯付きローラによって成されるとともに、主走査方向に長い形状を成す排紙フレームAssy(従動ローラ支持手段)45に、複数の排出駆動ローラ41に対応するよう複数設けられる。記録手段3によって記録の行われた用紙Pは、排出駆動ローラ41と排出従動ローラ42とによってニップされた状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、装置前方(図示しないスタッカ)へ向けて排出される。
【0028】
尚、従動ローラ支持手段としての排紙フレームAssy45は、排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41に接する接触ポジションと、排出駆動ローラ41から離間する離間ポジションと、をとり得るように変位可能に設けられている。また、排紙フレームAssy45を前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位させるレリース手段が設けられているが、これらについては後に詳述する。
【0029】
以上が用紙搬送経路上の構成要素であるが、プリンタ1は、被記録媒体或いは被噴射媒体として単票紙等の他に、CD−R等の光ディスク(薄板状体)のラベル面に直接インクジェット記録可能に構成されている。図1に示す様に光ディスクDは、プレート形状を成すトレイ50にセットされた状態で、プリンタ1における直線状のトレイ搬送経路を搬送される。トレイ50はプリンタ1とは別体に構成され、プリンタ1前方に設けられたトレイガイド7に支持されながら、プリンタ1の後方側(上流側)へ向けて、トレイ搬送経路に手差しで差し込まれる。
【0030】
以下、トレイ50の構成について図3を参照しながら説明する。ここで、図3はトレイ50の平面図である。
図3に示すように、トレイ50は平面視において長方形の形状を成し、排出駆動ローラ41と押圧ローラ63(後述)とによってニップ可能なプレート形状を成すとともに、排出駆動ローラ41の回転に伴って副走査送り可能となっている(詳細は後述)。尚、トレイ50は、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってニップするとともに、搬送駆動ローラ30の回転に伴って副走査送りすることもできるようになっている。
【0031】
トレイ50は、トレイ本体51とセット部52とを備えるように樹脂材料によって一体的に形成されている。セット部52は、図示するように平面視において円形の形状を成す凹部によって構成されている。セット部52の中心には凸部53が形成され、光ディスクDがセット部52にセットされた際に、光ディスクDの中心穴(図示せず)が凸部53に嵌合し、これによって光ディスクDのセット部52における位置が定まるようになっている。尚、セット部52の周囲に形成された穴54、54は、光ディスクDの取り出し(イジェクト)用穴である。
【0032】
図3の上下方向はトレイ50の搬送方向となっていて、上述したようにトレイ50をトレイガイド7を介してトレイ50の搬送経路に差し込む(給送する)際には、図3の上方を先端として差し込むようになっている。即ち、符号56は、トレイ50の先端を示している。そして、トレイ50をトレイ50の搬送経路に差し込む際には、トレイ50の先端56を頭にして、トレイガイド7を介してプリンタ1後方側へ向けて差し込む。このとき、後述するレリース手段によって排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41から離間するとともに、押圧ローラ63(図2)が搬送経路に進出し、トレイ50は排出駆動ローラ41と押圧ローラ63とによって(搬送経路を側視して)挟まれた状態となる。そして、この状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることによって、トレイ50が搬送される(詳細は後述)。
【0033】
以上がプリンタ1の概要であり、以下、図4乃至図9を参照しながら、排紙フレームAssy45および当該排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションへ変位させるレリース手段について詳説する。ここで図4および図5は排紙フレームAssy45の外観斜視図、図6はレリース部材60(レリース手段6)の外観斜視図、図7はレリース部材60の取付部の拡大斜視図、図8および図9は排紙フレームAssy45周辺のトレイ搬送経路の側断面図である。
【0034】
図4に示すように、排紙フレームAssy45は、金属板材によって形成された排紙フレーム46と、樹脂材料によって形成されたローラ支持部材47とを備えて構成され、主走査方向(用紙幅方向)に延びる形状を成している。
ローラ支持部材47には、排出従動ローラ42を軸支するホルダ部44が、主走査方向に局在するように一体的に形成されていて、また、後述するレリース部材60を軸支する軸受け部47a、47aが一体的に形成されている。
尚、図6および図7において符号47bで示すリブは、普通紙等の用紙Pが排出される際に、当該用紙Pを下流側へ円滑に案内するためのガイドリブである。
【0035】
一方、図6に示すようにレリース手段6を構成するレリース部材60は主走査方向に延びる軸体によって成され、その軸端部60a、60aが、図7に詳しく示すように上記軸受け部47a、47aにスナップフィット式に嵌合することにより、ローラ支持部材47に保持される。尚、図7に示すように排紙フレーム46がローラ支持部材47と嵌合することによって、排紙フレーム46に形成された抜け留め部46aが軸端部60aを軸受け部47aから脱落しないよう確実に保持するよう構成されている。以上により、レリース部材60は、排紙フレームAssy45に回動可能に軸支される。
【0036】
次に、図6および図7に示すようにレリース部材60の一方の軸端部60aの近傍には、レバー部61が形成され、更にレバー部61近傍と、他方の軸端部60aの近傍には、「押圧部」を構成する押圧ローラ63(例えば、ゴムローラによって成される)が、軸受部62によってそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0037】
以下、レリース部材60の作用、特にレバー部61と押圧ローラ63との関係について、図8および図9を参照しながら説明する。
図8は、排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41に接した状態(排紙フレームAssy45の接触ポジション)を示し、図9は排出従動ローラ42が排出従動ローラ41から離間した状態(排紙フレームAssy45の離間ポジション)を示している。
【0038】
排紙フレームAssy45の接触ポジションを示す図8においては、図示するようにレバー部61がトレイ50の搬送経路に突出し、且つ、押圧ローラ63がトレイ50の搬送経路から退避した状態となっている。尚、レリース部材60は、図示しない付勢手段(例えば、捻りばね)の付勢力によってレバー部61がトレイ50の搬送経路に突出するような回動傾向が付勢された状態に設けられている(図8の矢印d方向)。
【0039】
この状態において、トレイ50が装置前方(トレイ搬送経路の下流側)から装置後方(トレイ搬送経路の上流側)へ向けて、手差しでトレイ搬送経路に差し込まれると(図8の矢印e方向)、図9に示すようにトレイ50がレバー部61を押し上げて、レリース部材60が回動し、当該レリース部材60の回動動作に伴って排紙フレームAssy45が上方に変位する。即ち、レリース部材60がトレイ50によって上方に押し上げられることで、排紙フレームAssy45は接触ポジションから離間ポジションに変位する。
【0040】
ここで、排紙フレームAssy45の上方には「位置決め部材」としてのガイドフレーム48が設けられていて、ローラ支持部材47の下流側端部には、ガイドフレーム48に向かって突出する突出部45aが形成されている。そして、図9に示すように、突出部45aがガイドフレーム48の下面(排紙フレームAssy45と対向する面)に当接することで、排紙フレームAssy45が離間ポジションに位置決めされる。
【0041】
尚この離間ポジションにおいては、図9に示すように排紙フレームAssy45はほぼ水平姿勢に保持されるようになっている。これは、排紙フレームAssy45の上流側の上方は、図示するようにキャリッジ35の主走査領域となっており、例えば排紙フレームAssy45の上流側が斜め上方に向かうように排紙フレームAssy45の姿勢が傾斜姿勢となると、排紙フレームAssy45の上流側端部がキャリッジ35と干渉してしまうからである。そこで、上述の通り排紙フレームAssy45を離間ポジションにおいて水平姿勢とすることで、排紙フレームAssy45とキャリッジ35とを大きく離すことなく双方の干渉を防止して、装置の大型化を防止している。
【0042】
次に、排紙フレームAssy45とガイドフレーム48との間には、「圧接手段」としてのコイルばね49が配設され、そして排紙フレームAssy45の上流側をガイドフレーム48から離間させる様に付勢力を作用させている。このコイルばね49の付勢力は、押圧ローラ63がトレイ50を排出駆動ローラ41に向けて押圧する押圧力と、突出部45aがガイドフレーム48に圧接する圧接力と、を形成するように作用する。即ち、図9に示すように力点(符号aで示す)、支点(符号bで示す)、作用点(符号cで示す)からなる梃子の原理が形成される。従ってこれにより、排紙フレームAssy45が安定して離間ポジションを保持することができるとともに、確実にトレイ50を排出駆動ローラ41へ向けて押圧することが可能となっている。
【0043】
以上説明したように、レリース部材60の回動動作を介して排紙フレームAssy45が離間ポジションに変位するので、排紙フレームAssy45のレリースストロークを大きくとることができるとともに、リンク機構を採用する場合等のように部品点数の増加を招くことなく、低コストにレリース手段を構成することができる。また、トレイ50が搬送経路に差し込まれることで、トレイ50それ自体が排紙フレームAssy45を接触ポジションから離間ポジションに変位させることから、特別な操作を要せずに排出従動ローラ42を排出駆動ローラ41から確実に離間させることができ、ユーザの取扱性を向上させることが可能となる。更に、押圧ローラ63によってトレイ50が排出駆動ローラ41に向けて押圧されるので、トレイ50の浮き上がり、即ちトレイ50にセットされた光ディスクDと排出従動ローラ42との接触を確実に防止することができる。また、押圧ローラ63は自由回転可能なので、トレイ50の搬送に際しての搬送負荷を最小限に留めることができる。
【0044】
続いて、図10および図11をも参照しながら、排出駆動ローラ41と押圧ローラ63とによるトレイ50の搬送について説明する。ここで、図10はプリンタ1の装置本体の外観斜視図、図11は同正面図である。
図8から図9への変化に示すように、レバー部61の搬送経路からの退避に伴って押圧ローラ63が搬送経路に進出し、そしてトレイ50を排出駆動ローラ41に向けて押圧する。従ってこれにより、トレイ50が排出駆動ローラ41と押圧ローラ63とによって(搬送経路を側視して)挟まれた状態となり、排出駆動ローラ41の回転によってトレイ50を搬送可能な状態となる。
【0045】
そして、本実施形態では実際の記録実行時においても、排出駆動ローラ41の回転のみによってトレイ50を副走査送りする(被記録媒体搬送手段4は用いない)。即ち、排出駆動ローラ41と押圧ローラ63が、トレイ50を副走査送りするトレイ搬送手段を構成することになる。
【0046】
ここで、「第1ローラ」としての押圧ローラ63は、光ディスクDの記録面側に配置されるとともに、図10および図11に示すようにトレイ50(トレイ本体51)においてセット部52以外の領域と接するように配置されている。即ち、トレイ50を搬送するトレイ搬送手段が、光ディスクDの記録面側に配置されるとともにトレイ本体51においてセット部52以外の領域と接する第1ローラ(押圧ローラ63)と、トレイ本体51において前記第1ローラが接する面に対して反対側の面と接する第2ローラ(排出駆動ローラ41)と、を備えて構成されている。
【0047】
従って、トレイ50にセットされた光ディスクDの記録面にローラの通過痕を残すことがなく、記録品質の低下を防止して良好な記録結果を得ることが可能となる。加えて、トレイ50におけるセット部52をローラが通過すると、セット部52の段差形状をローラが通過することによって搬送精度に悪影響を及ぼす虞があるが、上述の通りトレイ搬送手段はセット部52以外の領域と接するので、上記の様な搬送精度の低下を防止できる。
【0048】
また、被記録媒体搬送手段4を利用しないため、即ち単票紙等(特に、銀塩写真並の超高画質印刷を行う為の専用光沢紙等)の搬送精度を考慮する必要が無いため、押圧ローラ63によるトレイ50を押圧する押圧力を、容易に最適化することができる。従ってトレイ50を強く押圧することによるトレイ50へのダメージの付与を防止することができる。また、搬送駆動ローラ40は上述の通り金属軸の外周面に耐摩耗性粒子がほぼ均一に分散されて成る付着層を備えて成されているので、トレイ50がこの様な搬送駆動ローラ40によって搬送されることによる、トレイ50へのダメージの付与を防止できる。
【0049】
加えて、トレイ50はプリンタ1の前方側から手差しで差し込まれるが、光ディスクDへの記録に際してトレイ50先端が被記録媒体搬送手段4にニップされる必要がないので、従ってトレイ50を、その先端部分の寸法(セット部52の領域から先端56までの距離:図3において符号Lで示す)を短くした形態とすることができ、トレイの小型化を図ることができる。
尚、本実施形態では、光ディスクDへの記録開始時にはトレイ50の先端56は被記録媒体搬送手段4の更に上流側に位置することになるから、搬送従動ローラ31を搬送駆動ローラ30から離間させるレリース手段が設けられている(図示せず)。
【0050】
ところで、光ディスクDへの記録が終了し、トレイ50が排出される際には(図8の矢印f方向)、レリース部材60には矢印dで示す方向の回動傾向が付与されているので、レバー部61が、トレイ50の先端56を排出方向(矢印f方向)に押し出すように作用する。従ってこれによりトレイ50の排出性が高まり、円滑にトレイ50を排出することができる。
【0051】
続いて、本実施形態における他の特徴的構成について説明する。図11において主走査方向における領域Bは単票紙等の用紙Pが通過する領域を示し、領域Aはトレイ50が通過する領域を示しており、図示するように押圧ローラ63は、領域B内に位置している。また、図8に示すように用紙搬送経路を側視しては、排紙フレームAssy45の接触ポジションにおいて単票紙等の用紙Pが通過する領域から退避し、図9に示すように排紙フレームAssy45の離間ポジションにおいては単票紙等の用紙Pの通過領域内に進出する。
【0052】
即ち、押圧ローラ63を単票紙等の用紙Pの通過の妨げにならないように、主走査方向において単票紙等の用紙Pの通過領域Bの外側に配置すると、これにともなって領域A、即ちトレイ50の幅方向寸法が大きくなる。しかし、押圧ローラ63は主走査方向において単票紙等の用紙Pの通過領域Bの内側に位置しているので、トレイ50の幅方向寸法が大きくなることを防止できるとともに、単票紙等の用紙Pが通過する状態(図8に示す排紙フレームAssy45の接触ポジション)では、単票紙等の用紙Pの通過領域から退避するので、単票紙等の用紙Pの通過を妨げることがない。
【0053】
尚、押圧ローラ63は複数(本実施形態では、2つ)設けられるとともに、図11に示すようにその主走査方向における位置は、トレイ50の主走査方向中心に対して対称を成す位置(本実施形態では、トレイ50の両側端近傍)であるので、押圧ローラ63と排出駆動ローラ41とによってトレイ50を搬送する際に、スキューを生じることなく適切に搬送することができるようになっている。
【0054】
続いて、排紙フレームAssy45が接触ポジションにあるときにトレイ50が誤った位置から挿入されることを防止する誤挿入防止手段について説明する。
図1に示すように、トレイガイド7には、誤挿入防止手段を構成するガイドリブ74、75が形成されている。ガイドリブ74、75はトレイ50の両側端位置に設けられることでトレイ50の側端位置を規制するとともに、ひさし部74a、75aを備え、これによってトレイ50のトレイガイド7からの浮き上がりを防止する機能を果たす。
【0055】
ところで、トレイ50がガイドリブ74、75を介して正しくセットされず、例えば、トレイ50の一方側の側端がひさし部74aまたは75aの上部に乗り上げるようにセットされて、そしてその状態で装置内部に差し込まれた際に、トレイ50の先端がレリース部材60を上方に押し上げてしまうと、排紙フレームAssy45は接触ポジションから離間ポジションに変位してしまう。従って、トレイ50がトレイガイド7から浮き上がった状態のまま装置内部に差し込まれて、トレイ50にセットされた光ディスクDが排出従動ローラ42と接触してしまったり、トレイ50先端によって装置内部の構成要素を破損させてしまうといった不具合を招く虞がある。
【0056】
しかし、ひさし部74a、75aは、その上部にトレイ50の側端が載った場合には、トレイ50の先端がローラ支持部材47に当接するようにトレイ50の先端を案内する機能を果たす。従ってこれにより、トレイ50がガイドリブ74、75によって正しくガイドされない状態で差し込まれても、トレイ50の先端がローラ支持部材47と当接することで、それ以上の進入が防止され、即ち排紙フレームAssy45が接触ポジションから離間ポジションに変位することがなく、トレイ50の誤挿入に伴う不具合を防止できるようになっている。
【0057】
<<第2の実施形態>>
ところで、上記実施形態では、トレイ50を搬送するトレイ搬送手段は、押圧ローラ63と排出駆動ローラ41とを備えて構成されているが、これを搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とで構成しても良い。即ち、搬送従動ローラ31を、トレイ50のセット部52以外の領域と接するように配置すれば、トレイ50にセットされた光ディスクDの記録面にローラの通過痕を残すことがなく、記録品質の低下を防止して良好な記録結果を得ることが可能となる。
【0058】
この様な構成において、トレイ50を図12および図13のように構成すれば(符号50Aで示すトレイ)、トレイ挿入時に搬送従動ローラ31を搬送駆動ローラ30からレリースさせる機構が不要となり、低コスト化に資すことができる。ここで、図12は他の実施形態に係るトレイ50Aの平面図、図13はトレイ50A先端の外観斜視図である。尚、図3に示すトレイ50と同一の構成要素については同一の符号を示し、以下ではその説明は省略する。
【0059】
トレイ50Aの先端には、舌片部57、57が、トレイ50Aの差し込み方向に突出するように、トレイ50と一体的に形成されている。
この舌片部57は、図13に示すように先端に向かって先細りするとともに、その底面が、トレイ本体51の底面とともに平坦な面を形成するように成されている。また、トレイ50Aの先端56Aも、舌片部57と同様に先端に向かって先細りするように形成されている。
【0060】
上記舌片部57は、以下の様な作用効果を奏する。即ち、トレイ50Aをトレイ50Aの搬送経路に差し込む際には、トレイ50Aの先端56Aを頭にして、トレイガイド7を介してプリンタ1後方側へ向けて差し込む。このとき、上記したレリース手段6によって排出従動ローラ42が排出駆動ローラ41から離間するとともに、押圧ローラ63(図2)が搬送経路に進出し、トレイ50Aは排出駆動ローラ41と押圧ローラ63とによって(搬送経路を側視して)挟まれた状態となる。そして、この状態で排出駆動ローラ41が回転駆動されることによって、トレイ50Aが被記録媒体搬送手段4へ向けて搬送される。
【0061】
搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31とによってトレイ50Aを副走査送りするには、トレイ50Aの先端56Aを、搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込ませる必要があるが、トレイ50Aの先端56Aには前記舌片部57が形成されているので、排出駆動ローラ41の回転に伴ってトレイ50Aが被記録媒体搬送手段4へ向けて搬送されると、舌片部57が搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込み、これがきっかけとなってその後にトレイ50Aの先端56Aが搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込み、やがてトレイ50Aは両ローラによってニップされる。
【0062】
即ち、舌片部57によってトレイ50A先端の面積(平面視による)が極めて小さくなるので、小さい力でトレイ50Aの先端56Aを搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に容易に入り込ませることができる。従ってこれにより、搬送従動ローラ31を搬送駆動ローラ31から離間(レリース)させる手段を用いることなく、トレイ50Aを排出駆動ローラ41と押圧ローラ63との協働作用によって搬送駆動ローラ30と搬送従動ローラ31との間に入り込ませることが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1 インクジェットプリンタ、2 給紙装置、3 記録手段、4 被記録媒体搬送手段、5 被記録媒体排出手段、6 レリース手段、7 トレイガイド、11 ホッパ、12 給送ローラ、13 リタードローラ、14 紙戻しレバー、23 メインフレーム、24 紙案内上、25 コイルばね、26 ガイドローラ、30 搬送駆動ローラ、31 搬送従動ローラ、33 キャリッジ、34 キャリッジガイド軸、35 インクカートリッジ、36 記録ヘッド、37 プラテン、41 排出駆動ローラ、42 排出従動ローラ、43 ガイドローラ、44 ホルダ部、45 排紙フレームAssy、46 排紙フレーム、47 ローラ支持部材、48 ガイドフレーム、49 コイルばね、50 トレイ、51 トレイ本体、52 セット部、60 レリース部材、61 レバー部、62 軸受部、63 押圧ローラ(押圧部)、74,75 ガイドリブ、D 光ディスク、P 記録用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体としての薄板状体をセット可能なセット部を、プレート形状を成すトレイ本体に備えたトレイをトレイ搬送手段によって搬送可能に構成された、被記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記トレイ搬送手段が、前記トレイにセットされる薄板状体の記録面側に配置されるとともに前記トレイ本体において前記セット部以外の領域と接する第1ローラと、
前記トレイ本体において前記第1ローラが接する面に対して反対側の面と接する第2ローラと、を備えて構成されていることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1において、被記録媒体に記録を行う記録手段の下流側に設けられ、回転駆動される排出駆動ローラと、当該排出駆動ローラに接して従動回転する排出従動ローラとを備えて構成された被記録媒体排出手段と、
前記排出従動ローラを前記排出駆動ローラから離間させるレリース手段と、を備え、
前記第2ローラが前記排出駆動ローラであり、
前記第1ローラが、前記排出従動ローラの前記排出駆動ローラからの離間に伴って前記トレイの搬送経路に進出し、前記排出駆動ローラに向けて前記トレイを押圧する押圧ローラである、ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2において、前記排出駆動ローラに接して従動回転する排出従動ローラを支持するとともに、前記排出従動ローラが前記排出駆動ローラに接する接触ポジションと、前記排出従動ローラが前記排出駆動ローラから離間する離間ポジションと、をとり得るように変位可能に設けられた従動ローラ支持手段を備え、
前記レリース手段は、前記従動ローラ支持手段を前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位させるものであり、且つ、前記トレイの搬送経路に突出するレバー部と、前記押圧ローラと、を備えるとともに前記搬送経路を側視して回動可能となる様に前記従動ローラ支持手段に軸支されるレリース部材を備えて構成され、
前記レバー部が前記搬送経路に突出した状態において前記トレイが前記搬送経路に差し込まれることにより、前記トレイが前記レバー部を押し上げて前記レリース部材が回動し、当該レリース部材の回動動作に伴って前記従動ローラ支持手段が前記接触ポジションから前記離間ポジションへ変位するよう構成されている、ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1において、被記録媒体に記録を行う記録手段の上流側に設けられた、回転駆動される搬送駆動ローラと、
当該搬送駆動ローラに接して従動回転する搬送従動ローラと、を備えて構成された被記録媒体搬送手段を備え、
前記第2ローラが前記搬送駆動ローラであり、
前記第1ローラが前記搬送従動ローラである、ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
被噴射媒体としての薄板状体をセット可能なセット部を、プレート形状を成すトレイ本体に備えたトレイをトレイ搬送手段によって搬送可能に構成された、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置であって、
前記トレイ搬送手段が、前記トレイにセットされる薄板状体の液体噴射面側に配置されるとともに前記トレイ本体において前記セット部以外の領域と接する第1ローラと、
前記トレイ本体において前記第1ローラが接する面に対して反対側の面と接する第2ローラと、を備えて構成されていることを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−30312(P2010−30312A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255850(P2009−255850)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2005−12677(P2005−12677)の分割
【原出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】