説明

記録装置

【課題】簡易な構成で、跳ね上げ板を支持することが可能な記録装置を提供すること。
【解決手段】インクジェット式プリンタ100の下部ハウジング102は、ホッパ41を支持するホッパ支持部200a、200bと、給紙部120を支持する給紙支持部420とを有し、一体成形されていることを特徴としている。これにより、ホッパ41を支持するホッパ支持部200a、200bが下部ハウジング102として一体成形されているので、部品点数を減少させてコストを抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体を跳ね上げる跳ね上げ板を備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録装置の1つであるインクジェット式プリンタや熱転写式プリンタでは、画像を記録する用紙を、この用紙が載置された給紙トレイから跳ね上げ板の1つであるホッパによって給紙ローラに当接させて一枚ずつ給送し、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを用紙の搬送直交方向(主走査方向)に往復移動させることにより記録し、画像が記録された用紙を排紙トレイへ排出して載置させている。
【0003】
このような記録装置においては、給紙トレイの下部の記録装置の本体に、ホッパと支持部とで略構成されるホッパユニットを取り付けて、このホッパユニットに記録装置本体の駆動モータから駆動力を伝達してホッパを跳ね上げて用紙を給紙ローラに当接させている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−201034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した記録装置では、給紙ローラに用紙を当接させるホッパを備えたホッパユニットを、記録装置の本体に装着しており、このホッパユニットのホッパに記録装置側から駆動力を伝達してホッパを跳ね上げている。このホッパの跳ね上げ動作は、伝達される駆動力及びホッパユニットのホッパの裏面に設けられている圧縮バネの張力によって行われる。そして、ホッパが揺動することによって、給紙ローラに用紙を当接及び離間させて一枚ずつ用紙を給送している。
【0006】
しかしながら、この記録装置では、ホッパユニットが記録装置の本体とは別体であるため、ホッパユニットを本体に取り付けるための部品や、ホッパユニット自体の部品点数が多くなり、それに伴って、ホッパユニット取付構造やホッパユニット自体の構成が複雑になる。そして、部品点数の増加は、記録装置のコスト高に繋がっている。そして、このホッパユニット及びホッパユニットを取り付ける為の部品点数の減少が、以前から望まれていた。
【0007】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡易な構成で、跳ね上げ板を支持することが可能な記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、本発明では、被記録媒体を給送する給送部と、前記被記録媒体を載置して跳ね上げ、前記給送部に当接させる跳ね上げ板とを備えた記録装置において、前記記録装置の一のハウジングは、前記跳ね上げ板を支持する板支持部と、前記給送部を支持する給送支持部とを有し、一体成形されていることを特徴としている。これにより、この記録装置では、跳ね上げ板を支持する板支持部がハウジングとして一体成形されているので、部品点数を減少させてコストを抑えることができる。
【0009】
また、前記一のハウジングは、前記跳ね上げ板に載置された前記被記録媒体の先端を揃える当接部を有し、一体成形されていることを特徴としている。これにより、この記録装置では、当接部がハウジングとして一体成形されるので、部品点数が減少するのでコストを抑えることが可能となる。また、跳ね上げ板と当接部との位置合わせを簡易に行うことが可能となる。
【0010】
また、前記一のハウジングは、前記記録装置の設置部を有することを特徴としている。これにより、この記録装置では、板支持部を有するハウジングが設置することになるので、板支持部を安定させることが可能となる。従って、支持される跳ね上げ板を安定的に支持することができる。
【0011】
また、前記一のハウジングは、前記記録装置の全設置部を有することを特徴としている。これにより、記録装置の設置面を、板支持部を有しているハウジングのみで構成することが可能となるので、部品点数が減少し、コストを抑えることが可能となる。
【0012】
また、前記板支持部は、前記跳ね上げ板の媒体給送方向上流側の端を、媒体給送直行方向の両端から内側に押さえて支持することを特徴としている。これにより、跳ね上げ板は、板支持部に押し広げる方向に力が発生したとしても、跳ね上げ板は、板支持部によって押さえられて、支持された状態を維持できるので外れることを防止することができる。
【0013】
また、前記記録装置は、前記一のハウジングと異なる他のハウジングを有しており、前記他のハウジングは、前記板支持部の媒体給送直交方向の外側に配設されることを特徴としている。これにより、板支持部の外側には、他のハウジングが配設されるので、仮に、板支持部に対して、媒体給送直交方向の外側へ力が生じたとしても、他のハウジングによって押さえられて、板支持部の変形が防止され、跳ね上げ板が外れることを防止することができる。
【0014】
また、前記板支持部と、前記跳ね上げ板との一方には穴が形成され、他方には突起部が設けられており、前記穴に前記突起部が嵌入されて、前記跳ね上げ板は支持されることを特徴としている。これにより、穴に突起部を嵌入するという簡易な構成で、跳ね上げ板を支持できるので、部品点数とコストを抑えることが可能となる。
【0015】
また、前記板支持部には、前記穴が形成されているとともに、前記穴の前記突起部の差込方向後方に前記突起部の外周の一部と接触する板部材が設けられており、前記板支持部は、前記穴の内側と前記板部材とによって、前記跳ね上げ板を揺動可能に支持することを特徴としている。これにより、跳ね上げ板の突起部は、穴と板部材によって支持されるので、簡易な構成で跳ね上げ板を支持できる。また、突起部の接触面を少なくできるので、跳ね上げ板の揺動を円滑に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外部構成全体の斜視図、図2は、このインクジェット式プリンタのペーパーサポート及びスタッカ取付時の外部構成全体の斜視図、図3は、その内部構成の概略を示す斜視図であり、図4は、その内部構成概略を示す断面側面図である。このインクジェット式プリンタ100は、例えば名刺、カード、L判/2L判、ハガキ、六切やJIS規格のA6判からA4判までのサイズの単票紙と、例えばCD−R(Compact Disc−Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)等の光ディスクのレーベル面に記録することができる機能を備えている。
【0018】
インクジェット式プリンタ100は、図1及び図2に示すように全体が幅方向に長く延びる略直方体状の上部ハウジング101と下部ハウジング102とを備えている。上部ハウジング101と下部ハウジング102とは、締結されている。
【0019】
そして、上部ハウジング101の上面における図示左後方側には操作部110が配設され、上面における背面側には給紙部120が配設され、前面側には排紙部130が配設されている。更に、このインクジェット式プリンタ100の内部には、図3及び図4に示すように、用紙搬送部140、及び記録部150が配設されている。
【0020】
また、上部ハウジング101の上部後方から前面部にかけて開口部103が形成されている。この開口部103は、開閉自在なプリンタカバー104によって覆われている。ユーザは、プリンタカバー104を持ち上げて開口部103を開放することにより、インクカートリッジの交換作業や用紙搬送部140や記録部150等の内部機構のメンテナンス作業等を簡易に行うことができる。
【0021】
操作部110は、図1に示すように、パワーをオン・オフするパワー系、用紙の頭出し等を操作したりインクのフラッシング等を操作したりする操作系、画像処理等を行う処理系等のボタン113が配設されている。操作部110下方のインクジェット式プリンタ100の内部には、プリンタコントローラを構成する図示しないメイン基板が配設されていて、CPU、ROM、RAM、ASIC等の制御素子や記憶素子、及びその他の各種回路素子が装着されている。メイン基板上端には、パワー系、操作系のボタン113が押された時にそれぞれ発光して、ユーザにボタン113のオン・オフを確認し得るように配置されたLEDがボタン113ごとに突設されている。
【0022】
給紙部120は、図1及び図2に示すように、上方に向かって矩形状に開口した給紙口121と、給紙する用紙を1枚もしくは複数枚サポートするペーパーサポート122を備えている。このペーパーサポート122は、プリンタ本体の図示しない後壁部に形成された差込口に差し込んで取り付けることができる。従って、ユーザは、インクジェット式プリンタ100の使用又は不使用に応じて、ペーパーサポート122を自由に着脱することができる。したがって、不使用時においては、ペーパーサポート122を離脱させておくことにより、インクジェット式プリンタ100をコンパクトにすることができる。
【0023】
このペーパーサポート122の下方側には、図2及び図3に示すように、用紙の両サイドエッジをガイドする固定エッジガイド23と可動エッジガイド24等を備えている。固定エッジガイド23は、図示右側壁に沿う形状でホッパ41と一体形成され、可動エッジガイド24は、図示左側壁に沿う形状に形成されている。可動エッジガイド24は、後壁のガイドレールに沿って図示左側壁から右側壁の方向に摺動可能なように取り付けられている。固定エッジガイド23と可動エッジガイド24とは、用紙のサイズが異なっても確実に用紙の両側縁をガイドすることができるので、給送を高精度に行うことができる。
【0024】
排紙部130は、図2に示すように、前方に向かって矩形状に開口した排紙口131と、排紙される用紙を1枚もしくは複数枚スタックする機能を併せ持ったスタッカ132を備えている。このスタッカ132は、排紙口131の下方のプリンタ本体に形成されたスタッカ差込口133に差し込んで取り付けることができる。従って、ユーザは、インクジェット式プリンタ100の使用又は不使用に応じて、スタッカ132を自由に着脱することができる。したがって、不使用時においては、スタッカ132を離脱させておくことにより、インクジェット式プリンタ100をコンパクトにすることができる。更に、記録後の用紙は常に前面側から排紙されるので、ユーザは用紙を容易に取り出すことができる。
【0025】
用紙搬送部140は、図4に示すように、給紙部120から排紙部130に掛けて配設されており、自動給紙機構141、搬送機構142、排紙機構143を備えている。自動給紙機構141は、ペーパーサポート122にサポートされている用紙を給送するために持ち上げるホッパ(跳ね上げ板)41、このホッパ41により持ち上げられた用紙を取り出す給紙ローラ42、この給紙ローラ42により重送された用紙を1枚のみに分離するリタードローラ43、このリタードローラ43により分離された残りの用紙をホッパ41へ戻す紙戻しレバー44等を備えている。
【0026】
ホッパ41は、用紙が載置可能な平板状に形成されて後壁と略平行に配設されており、下端が給紙ローラ42の近傍に位置し、上端が後壁頂部に近接して位置するように配設されている。そして、ホッパ41は、後壁に一端が取り付けられた図示しない圧縮バネの他端が下端側の裏面に取り付けられており、この圧縮バネの伸縮により上端側を中心に下端側が旋回するように配設されている。
【0027】
給紙ローラ42は、断面の一部が切り欠かれたD字状に形成されてホッパ41の下端近傍に配設されており、間欠的に回転してホッパ41により持ち上げられた用紙を摩擦給送するようになっている。リタードローラ43は、給紙ローラ42と当接可能に配設されており、給紙ローラ42により用紙が重送されたときに最上層の用紙のみを下層の用紙から摩擦分離するようになっている。紙戻しレバー44は、爪状に形成されて給紙ローラ42の近傍に配設されており、リタードローラ43により分離された下層の用紙を爪に掛けてホッパ41へ戻すようになっている。
【0028】
搬送機構142は、記録動作に同期して副走査方向に用紙を送る紙送りローラ45とその従動ローラ46等が配設されている。紙送りローラ45は、プラテン153の搬送上流側に配設されており、給紙ローラ42により給送される用紙を従動ローラ46と共に挟持してプラテン153へ送り出すようになっている。
【0029】
排紙機構143は、排紙ローラ47と第1ギザローラ48a及び第2ギザローラ48b等を備えている。第1ギザローラ48aは、プラテン153の搬送下流側に配設され、第2ギザローラ48bと排紙ローラ47は、第1ギザローラ48aの搬送下流側に対向配設されており、プラテン153を通過してくる用紙を先ず第1ギザローラ48aで排送し、続いて第2ギザローラ48bと排紙ローラ47で挟持してスタッカ132上へ排紙するようになっている。尚、第1ギザローラ48a及び第2ギザローラ48bは、図示しない同一の保持部材により保持されている。
【0030】
記録部150には、記録動作に同期して主走査方向に移動するキャリッジ151、記録動作に同期してインクを吐出する記録ヘッド152、記録時の用紙を平坦に保持するプラテン153等が配設されている。キャリッジ151は、プラテン153の上方でキャリッジガイド154に支持されてキャリッジベルト155に連結されており、キャリッジモータ156によってキャリッジベルト155が作動すると、キャリッジベルト155の動きに連行され、キャリッジガイド154に案内されて往復移動するようになっている。このキャリッジ151の内部には、複数のインクカートリッジが抜き差し可能なカートリッジ収納部が形成されている。
【0031】
記録ヘッド152は、プラテン153と所定の間隔が空くようにしてキャリッジ151に搭載されており、例えばブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタの5色のインクをそれぞれ吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド152は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口がノズルプレートに設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口から用紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。
【0032】
次に、本発明の特徴的な部分であるホッパ41及び関連する内容について図を参照して説明する。
【0033】
図5は、本実施形態の下部ハウジング102の斜視図である。図5に示すように、下部ハウジング102は、ホッパ41を支持するホッパ支持部(板支持部)200a、200bと、先端当接部(当接部)410、給紙支持部(給送支持部)420とを有しており、これらの各部材が一体成形されている。また、この下部ハウジング102は、下面に、インクジェット式プリンタ100が設置される設置面と接触する設置部を有している。そして、下部ハウジング102の設置部は、インクジェット式プリンタ100の全設置部となる。
【0034】
ホッパ支持部200a、200bは、ホッパ41を揺動可能な状態でインクジェット式プリンタ100本体に支持するための支持部材である。このホッパ支持部200a、200bは、下部ハウジング102の、インクジェット式プリンタ100の背面の一部を形成する下部ハウジング後壁102a側に、下部ハウジング102の底部から上方へと延びるように成形されている。ホッパ支持部200a、200bの二つの部材間の用紙給送直交方向の幅は、給紙口121の幅と略等しくなるようになっている。そして、ホッパ支持部200a、200bには、上端部に取付穴(穴)201a、201bが形成されている。
【0035】
また、ホッパ支持部200a、200bは、下部ハウジング102の底部からホッパ支持部200a、200bの略中間の高さまで下部ハウジング後壁102aと一体に連結されている。これにより、ホッパ支持部200a、200bは、用紙給送直交方向に変形し難いようになっている。
【0036】
さらに、ホッパ支持部200a、200bの間のホッパ支持部200b側には、先端当接部410が成形されている。この先端当接部410は、ホッパ41に載置された用紙の先端と当接して用紙を揃えるための部材であり、ホッパ41が下がった場合、用紙の先端と当接するように成形されている。次にホッパ41について図を用いて説明する。
【0037】
図6は、ホッパ41の斜視図である。図6に示すように、このホッパ41は、上述した固定エッジガイド23を一体形成しており、可動エッジガイド24が摺動可能なように取り付けられている。さらに、ホッパ41の用紙給送方向上流側(図示上端側)の両側部には、ホッパ取付部(突起部)210a、210bが設けられている。このホッパ取付部210a、210bは、略円筒系の突起であり、このホッパ取付部210aを取付穴201aに、ホッパ取付部210bを取付穴201bに、それぞれ嵌入することによって、ホッパ41をホッパ支持部200a、200bに揺動可能に支持させることが可能となる。次に、ホッパ支持部200a、200bにホッパ41が支持されている状態について図を用いて説明する。
【0038】
図7は、ホッパ支持部200a、200bにホッパ41が支持されている状態を示す斜視図である。図7に示すように、ホッパ41は、ホッパ支持部200a、200bによって用紙給送方向上流側の両側部が支持される。この時、ホッパ41は、先端当接部410と接触せず、揺動可能な状態になっており、先端当接部410の図示右側に配設される図示しない駆動機構によって揺動されるようになっている。さらに、ホッパ支持部200bは、側壁によりホッパ41の揺動を案内し、可動エッジガイド24の抜け止めを防止することが可能となっている。
【0039】
また、本実施形態では、ホッパ支持部200a、200bと先端当接部410とが下部ハウジング102として一体成形されているため、ホッパ41をホッパ支持部200a、200bによって支持した時に、先端当接部410とホッパ41とが接触しないようにすることが可能となっている。これにより、先端当接部410とホッパ41との位置合わせを行う必要がなくなるので、作業工程を簡略化することも可能となっている。次に、ホッパ支持部200a、200bにホッパ41が支持されている状態の詳細について図を用いて説明する。
【0040】
図8は、ホッパ支持部200a、200bにホッパ41が支持されている状態を詳細に示す図であり、図8(a)は、インクジェット式プリンタ100の組立時のホッパ支持部200aの近傍を示す図であり、図8(b)は、インクジェット式プリンタ100の組立時のホッパ支持部200bの近傍を示す図である。
【0041】
図8(a)に示すように、インクジェット式プリンタ100が組み立てられた時、ホッパ支持部200aの用紙給送直交方向の外側には、上部ハウジング101が配設される。そのため、ホッパ支持部200aにホッパ41側から用紙給送直交方向の外側へ向かう力が発生したとしても、ホッパ支持部200aは、ホッパ支持部200aの用紙給送直交方向の外側に配設されている上部ハウジング101によって押さえられることになる。つまり、ホッパ支持部200aは、上部ハウジング101によって押さえられるため、用紙給送直交方向の変形が防止される。そのため、ホッパ支持部200aは、ホッパ41が外れることを防止することができ、ホッパ41を支持した状態を維持し続けることが可能となる。
【0042】
さらに、ホッパ支持部200aには、円形の取付穴201aが設けられており、この取付穴201aのホッパ取付部210aの差込方向後方には支持板(板部材)202aが設けられている。この支持板202aは、本実施形態では、ホッパ取付部210aの差込方向と平行な向きに4枚設けられている。この支持板202aは、ホッパ取付部210aが差し込まれた時に、2枚がホッパ取付部210aの上側の外周部と接触し、他の2枚がホッパ取付部210aの下側の外周部と接触するようになっている。
【0043】
これにより、取付穴201aの内周面で支持され、さらに、支持板202aによって支持されるので、ホッパ取付部210aは、その差込方向の広い幅で支持されることになる。これにより、支持された跳ね上げ板41を安定させることが可能となる。また、ホッパ取付部210aを、差込方向の幅が広い取付穴で支持する場合に比べて、接触面を少なくすることが可能となるので、ホッパ取付部210aに発生する摩擦力を小さくすることが可能となる。従って、ホッパ41の揺動を円滑に行うことが可能となっている。さらに、この支持板202aを設けることによって、ホッパ支持部200aの強度を向上させることもできる。
【0044】
図8(b)に示すように、インクジェット式プリンタ100が組み立てられた時、ホッパ支持部200bの用紙給送直交方向の外側には、上部ハウジング101が配設される。そのため、ホッパ支持部200bにホッパ41側から用紙給送直交方向の外側へ向かう力が発生したとしても、ホッパ支持部200bは、ホッパ支持部200bの用紙給送直交方向の外側に配設されている上部ハウジング101によって押さえられることになる。つまり、ホッパ支持部200bは、上部ハウジング101によって押さえられるため、用紙給送直交方向の変形が防止される。そのため、ホッパ支持部200bは、ホッパ41が外れることを防止することができ、ホッパ41を支持した状態を維持し続けることが可能となる。
【0045】
さらに、ホッパ支持部200bには、円形の取付穴201bが設けられており、この取付穴201bのホッパ取付部210bの差込方向後方には支持板(板部材)202bが設けられている。この支持板202bは、本実施形態では、ホッパ取付部210bの差込方向と平行な向きに4枚設けられている。この支持板202bは、ホッパ取付部210bが差し込まれた時に、2枚がホッパ取付部210bの上側の外周部と接触し、他の2枚がホッパ取付部210bの下側の外周部と接触するようになっている。
【0046】
これにより、取付穴201bの内周面で支持され、さらに、支持板202bによって支持されるので、ホッパ取付部210bは、その差込方向の広い幅で支持されることになる。これにより、支持された跳ね上げ板41を安定させることが可能となる。また、ホッパ取付部210bを、差込方向の幅が広い取付穴で支持する場合に比べて、接触面を少なくすることが可能となるので、ホッパ取付部210bに発生する摩擦力を小さくすることが可能となる。従って、ホッパ41の揺動を円滑に行うことが可能となっている。さらに、この支持板202bを設けることによって、ホッパ支持部200bの強度を向上させることもできる。
【0047】
このように、上述した本実施形態では、ホッパ支持部200a、200bを下部ハウジング102として一体成形するという簡易な構成で設けているので、部品点数を減少させることができ、コストを低減することが可能となる。そして、ホッパ支持部200a、200bにホッパ41を支持させるだけで、用紙の跳ね上げを行うことが可能としているので、組立等の作業工程も減少させることが可能となる。また、ホッパ支持部200a、200bの用紙給送直交方向への変形を、下部ハウジング項壁102aと、上部ハウジング101で防止することが可能となるので、ホッパ41が外れることを防止することが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態では、下部ハウジング102だけが設置部を有していたが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、下部ハウジング以外の部材に設置部を設けても構わない。
【0049】
また、本実施形態では、ホッパ支持部に穴を形成し、ホッパに突起部を設けて、ホッパ取付部の穴に突起部を嵌入することによってホッパを支持しているが、突起部をホッパ支持部に設け、穴をホッパに設けても構わない。さらに、穴の形状は円形に限定されるものではなく、突起部が円柱形状であれば、三角形でも多角形でも構わない。また、突起部も円柱に限定されるものではなく、穴の形状が円形であれば、半円柱でも、多角柱でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
跳ね上げ板を備えた記録装置であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置等であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外観構成全体の斜視図である。
【図2】図1のプリンタのペーパーサポート及びスタッカ取付時の外部構成全体の斜視図である。
【図3】図1のプリンタの内部構成の概略を示す斜視図である。
【図4】図1のプリンタの内部構成の概略を示す断面側面図である。
【図5】図1のプリンタの下部ハウジングの斜視図である。
【図6】図1のプリンタのホッパの斜視図である
【図7】図1のプリンタのホッパの支持状態を示す斜視図である。
【図8】図1のプリンタのホッパの支持状態の詳細図である。
【符号の説明】
【0052】
23 固定エッジガイド、24 可動エッジガイド、41 ホッパ、100 インクジェット式プリンタ、101 上部ハウジング、102 下部ハウジング、102a 下部ハウジング後壁、110 操作部、120 給紙部、122 ペーパーサポート、130 排紙部、132 スタッカ、140 用紙搬送部、140 記録部、152 記録ヘッド、153 プラテン、200a、200b ホッパ支持部、201a、201b 取付穴、202a、202b 支持板、210a、210b ホッパ取付部、410 先端当接部、420 給紙支持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を給送する給送部と、前記被記録媒体を載置して跳ね上げ、前記給送部に当接させる跳ね上げ板とを備えた記録装置において、
前記記録装置の一のハウジングは、前記跳ね上げ板を支持する板支持部と、前記給送部を支持する給送支持部とを有し、一体成形されていることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記一のハウジングは、前記跳ね上げ板に載置された前記被記録媒体の先端を揃える当接部を有し、一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記一のハウジングは、前記記録装置の設置部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記一のハウジングは、前記記録装置の全設置部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記板支持部は、前記跳ね上げ板の媒体給送方向上流側の端を、媒体給送直交方向の両端から内側に押さえて支持することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録装置は、前記一のハウジングと異なる他のハウジングを有しており、前記他のハウジングは、前記板支持部の媒体給送直交方向の外側に配設されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記板支持部と、前記跳ね上げ板との一方には穴が形成され、他方には突起部が設けられており、前記穴に前記突起部が嵌入されて、前記跳ね上げ板は支持されることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記板支持部には、前記穴が形成されているとともに、前記穴の前記突起部の差込方向後方に前記突起部の外周の一部と接触する板部材が設けられており、
前記板支持部は、前記穴の内側と前記板部材とによって、前記跳ね上げ板を揺動可能に支持することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−276930(P2007−276930A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103414(P2006−103414)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】