説明

記録装置

【課題】専用の熱源を用いることなく、省スペースにして且つ低コストにインクの乾燥を促進させることのできる記録装置を提供する。
【解決手段】金属軸によって形成された搬送駆動ローラー40を駆動するモーター50は、搬送駆動ローラー40の一方側軸端に配置されている。モーター50の外ケースは金属材料により形成されており、その一部には熱伝導部材51が接触している。熱伝導部材51の他端は搬送駆動ローラー40まで延びており、そして搬送駆動ローラー40の軸端部に、熱伝導部材51が有する弾性によって弾接している。これによりモーター50で生じた熱は、熱伝導部材51を介して搬送駆動ローラー40に伝達され、搬送駆動ローラー40が加熱され、ローラー外周面を介して用紙が加温され、インク乾燥が促進される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置に関し、特に記録用紙を搬送するローラーが金属などの熱伝導性材料により形成された記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置の中で、インクを吐出することにより記録を行うインクジェットプリンターにおいては、記録用紙に吐出されたインクの濡れ(未乾燥)が問題となる。即ち、インクが長時間乾燥しない場合、インク滲みや次ページの記録用紙が重なることによる汚損などの問題が生じる。
【0003】
また、おもて面とうら面の両面に記録を実行可能な構成においては、おもて面に記録の行われた記録用紙は、再び装置内部へと引き戻され、うら面が上面となるように反転経路を搬送される。従ってこの反転経路内において、インクが未乾燥であると既にインクの吐出されたおもて面が擦れることにより著しい記録品質の低下を招く虞がある。従ってインクジェットプリンターにおいては、記録面に吐出されたインクはできる限り短時間で乾燥することが好ましい。
【0004】
そこで従来のインクジェットプリンターにおいては、記録面に吐出されたインクの乾燥を促進させる手段が種々提案されている。例えば特許文献1には、温風を用紙に対して噴射することにより用紙に着弾したインクを乾燥させる乾燥手段が記載されている。
【0005】
また特許文献2、3に示されるようなヒートローラーが用いられる場合もある。ヒートローラーはセラミックヒーターなどの熱源を内蔵しており、この熱源によりローラー温度を高め、ローラー外周面を介して記録用紙を加熱し、インク乾燥時間を短縮するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−292841号公報
【特許文献2】特開平5−16341号公報
【特許文献3】特開平8−290560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら温風を用紙に対して噴射することにより用紙に着弾したインクを乾燥させる乾燥手段やヒートローラーは、それ専用の熱源を必要とするため、装置の大型化やコストアップを招いていた。また、専用の熱源に電力を供給するため、装置全体としての消費電力が増大するという問題もある。
【0008】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、専用の熱源を用いることなく、省スペースにして且つ低コストにインクの乾燥を促進させることのできる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、被記録媒体を搬送する、熱伝導性材料により形成されたローラーと、を備えた記録装置であって、装置内部の発熱体と前記ローラーとが熱伝導性部材により接続されていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、記録装置は被記録媒体を搬送するローラーが熱伝導性材料により形成されており、そして装置を構成する発熱体と前記ローラーとが熱伝導性部材により接続されているので、前記ローラーを加熱する為の専用の熱源を用いることなく前記ローラーの外周面を昇温させることができ、ローラー外周面を介して被記録媒体を加温することができる。その結果、省スペースにして且つ低コストに被記録媒体の乾燥を促進させることが可能となる。
【0011】
尚、「装置を構成する発熱体」とは、前記ローラーを加熱する為の専用の熱源ではなく、モーターや電源ユニットなどの、記録装置において記録等を行う為に本来的に必要な構成要素を意味するものである。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記発熱体がモーターであることを特徴とする。本態様によれば、前記発熱体がモーターであるので、十分な発熱量を得ることができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記モーターが断熱材により覆われていることを特徴とする。本態様によれば、前記モーターが断熱材により覆われているので、前記モーターから生じた熱を効率よく前記ローラーに伝えることができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記熱伝導性部材が、前記ローラーの回転軸線方向両端部に接続されていることを特徴とする。本態様によれば、前記熱伝導性部材が、前記ローラーの回転軸線方向両端部に接続されているので、前記ローラーは回転軸線方向両端部から加熱されることとなる。従って前記ローラーの回転軸線方向における温度ばらつきを抑えることができ、被記録媒体をその幅方向に渡って均一に加熱することができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記ローラーに対して圧接して従動回転する従動ローラーを備え、被記録媒体が前記ローラーと前記従動ローラーとによりニップされながら搬送されることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、被記録媒体が、加熱される前記ローラーと前記従動ローラーとによりニップされながら搬送されるので、所謂「アイロン効果」が期待でき、被記録媒体に形成された皺を効果的に伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面図。
【図2】本発明に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面図。
【図3】本発明に係るプリンターの装置本体の要部斜視図。
【図4】本発明に係るプリンターの要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。ここで図1及び図2は本発明に係る記録装置の一例としてのインクジェットプリンター1の用紙搬送経路を示す側断面図、図3はインクジェットプリンター1の装置本体の要部斜視図、図4はインクジェットプリンター1の要部断面図である。
【0019】
尚、以下では図1において中間ローラー24から排出駆動ローラー47に至る用紙搬送経路において同図右方向を用紙搬送経路の「下流側」と言い、同図左方向を用紙搬送経路の「上流側」と言うこととする。
【0020】
図1においてインクジェットプリンター1は装置底部に用紙給送部2を備えており、この用紙給送部2から用紙Pを送り出し、用紙送りローラーユニット3にて湾曲反転させて記録ヘッド37の側へと給送し、記録を行う構成を備えている。尚、図1において破線R1はこのときの用紙Pの搬送ルート(通過軌跡)を示している。
【0021】
またインクジェットプリンター1は用紙Pの第1面(おもて面)に記録を行った後、これをバックフィードして用紙送りローラーユニット3に送り込み、反転させ、第2面(うら面)を上にして再び記録ヘッド37の側へ搬送することができるように構成されている。即ち両面記録可能に構成されており、図2において破線R2はこのときの用紙Pの搬送ルート(通過軌跡)を示している。
【0022】
符号4はプリンター機構部の上部に設けられるスキャナーユニットを示しており、インクジェットプリンター1はこのスキャナーユニット4にて読み込んだ原稿画像を下部のプリンター機構部により印刷出力が可能な、所謂複合機として構成されている。
【0023】
以下、更に用紙搬送経路の構成について詳説する。用紙給送部2は用紙カセット11と、給送ローラー18と、を備えている。用紙カセット11には図示を省略するエッジガイドが設けられており、このエッジガイドによって用紙カセット11に収容された用紙Pの側端位置および後端位置が規制されるようになっている。
【0024】
用紙カセット11に収容された用紙Pの先端と対向する位置には分離斜面12が設けられており、給送ローラー18により送り出される用紙Pの先端が分離斜面12に摺接しつつ下流側へ給送されることで、給送されるべき最上位の用紙Pと、これに連れられて重送されようとする次位以降の用紙Pとの予備的な分離が行われる。
【0025】
給送ローラー18は、回転軸20を中心にして図1及び図2の時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能な揺動部材19に軸支されており、モーター50(図4)からの動力を、図示を省略する動力伝達切換手段を介して受け、回転駆動される。用紙給送時に給送ローラー18は、用紙給送時には用紙カセット11に収容された用紙Pの最上位のものに接して回転することにより、最上位の用紙Pを用紙カセット11から送り出す。
【0026】
尚、用紙カセット11の底面11aにおいて給送ローラー18と対向する位置には摩擦パッド13が設けられており、給送ローラー18が用紙束に上方から圧接した際に、最下位の用紙Pが摩擦パッド13に向けて押圧されることにより、用紙束ごと送り出されないように用紙束を保持する機能を果たす。
【0027】
用紙カセット11から上方に送り出された用紙Pは、用紙送りローラーユニット3に入る。この用紙送りローラーユニット3は、反転ローラー22と、リタードローラー23と、中間ローラー24と、ガイド部材25と、を備えている。
【0028】
反転ローラー22は、用紙Pを湾曲反転させる経路の内側を形成する大径ローラーであり、本実施形態では用紙幅方向(図1及び図2の紙面表裏方向)において中心位置、即ち本実施形態に係るインクジェットプリンター1の給送基準位置に1つ、配置されている。反転ローラー22は、モーター50(図4)からの動力を、図示を省略する動力伝達切換手段を介して受け、回転駆動されるよう設けられており、図1及び図2の時計回り方向に回転することにより、用紙Pを下流側へと搬送する。
【0029】
リタードローラー23は所定の回転摩擦抵抗が付与された状態で反転ローラー22に対して圧接可能に設けられており、反転ローラー22との間で用紙Pをニップすることにより、給送されるべき最上位の用紙Pと、これに連れられて重送されようとする次位以降の用紙Pとを分離する。
【0030】
中間ローラー24は自由回転可能なローラーであり、反転ローラー22との間で用紙Pをニップすることにより、反転ローラー22による用紙送りを補助する。ガイド部材25は、反転ローラー22と搬送駆動ローラー40との間に位置し、上側経路と、第1面に記録がおこなわれた用紙Pがバックフィードされる際に経由する下側経路とを形成する。
【0031】
次に、中間ローラー24の下流側には、搬送駆動ローラー40と搬送従動ローラー41とを備えて構成された第1搬送手段が設けられている。搬送駆動ローラー40は、本実施形態では用紙幅方向に長い金属軸の表面に耐摩耗性粒子が付着されて成り、モーター50(図4)からの動力を、図4に示すプーリー52、54及び無端ベルト53を介して受け、回転駆動される。搬送従動ローラー41は、本実施形態では樹脂材料により形成され、搬送駆動ローラー40の長手方向に沿って適宜の間隔を空けて複数配置される。
【0032】
搬送従動ローラー41は、ローラー支持体としての紙案内部材30に自由回転可能に軸支されるとともに、搬送駆動ローラー40に対して圧接するよう設けられ、搬送駆動ローラー40との間で用紙Pをニップする。
【0033】
搬送従動ローラー41を支持する紙案内部材30は、揺動軸30aを介してフレーム33に揺動可能に支持されるとともに、フレーム33と紙案内部材30との間で付勢力を発揮する引っ張りばね31により、搬送従動ローラー41が搬送駆動ローラー40に圧接する方向に付勢された状態に設けられる。尚、この紙案内部材30は、本実施形態では図3に示すように搬送駆動ローラー41の軸線方向に沿って複数(本実施形態では3つ)配置される。
【0034】
搬送駆動ローラー40の下流側には、インクジェット記録ヘッド37と、紙案内部材45とが上下に対向配置されている。インクジェット記録ヘッド37はキャリッジ36の底部に設けられ、このキャリッジ36は前後に配置されたフレーム33、34にガイドされながら、図示を省略する駆動モーターの動力を受けて主走査方向(図1及び図2の紙面表裏方向)に往復動するよう設けられる。尚、このキャリッジ36には図示を省略するンクカートリッジが収容される。
【0035】
紙案内部材45においてインクジェット記録ヘッド37と対向する面には用紙搬送方向に延びるリブ45a、45b、45cが、用紙搬送方向の上流側から下流側に向かってこの順で所定間隔で配置され、また各リブが主走査方向に適宜の間隔を置いて複数設けられている(主走査方向の配置は図示せず)。用紙Pは、これらリブにより支持され、インクジェット記録ヘッド37との距離が規定される。
【0036】
次に、インクジェット記録ヘッド37と紙案内部材45とが対向する領域の下流側には用紙浮きを防止する補助ローラー46が設けられ、更にその下流側には排出駆動ローラー47と排出従動ローラー48とが設けられている。
【0037】
排出駆動ローラー47はゴムローラーにより構成され、排出駆動ローラー軸47aの軸線方向に沿って複数設けられており、モーター50(図4)からの動力を、図4に示すプーリー52及び無端ベルト53を介して受け、回転駆動される。排出従動ローラー48は排出駆動ローラー47に軽く弾接するよう設けられた拍車であり、排出駆動ローラー47との間で用紙Pをニップする。これらローラーにより、記録の行われた用紙Pは、図示を省略するスタッカへむけて排出される。
【0038】
尚、搬送駆動ローラー40は正逆回転可能に構成されており、即ち用紙Pをインクジェット記録ヘッド37の側へ搬送する第1方向(図1及び図2において右方向:下流側方向)と、反転経路を有する用紙送りローラーユニット3の側へ搬送する第2方向(図1および図2において左方向:上流側方向)の双方向に用紙Pを搬送可能である。また排出駆動ローラー47についても同様に、正逆回転可能に構成されており、上記第1方向、第2方向いずれの方向にも用紙Pを搬送可能である。
【0039】
以上がインクジェットプリンター1の用紙搬送経路の構成であり、以下、図3及び図4を参照しながら搬送駆動ローラー40を加熱する手段について説明する。本実施形態において給送ローラー18、反転ローラー22、搬送駆動ローラー40、排出駆動ローラー47、のこれらローラーの駆動源となるモーター(本実施形態では、DCモーター)50は、装置幅方向に長い軸体である搬送駆動ローラー40の一方側端部に配置されている。
【0040】
モーター50は紙案内部材45の下部に配置されており、その回転軸(図示せず)に設けられたピニオン歯車(図示せず)と、プーリー52と、プーリー54と、のこれらに無端ベルト53が係回されている。
【0041】
プーリー52は排出駆動ローラー軸47aの軸端部に設けられ、またプーリー54は搬送駆動ローラー40の軸端部に設けられ、これにより排出駆動ローラー47と搬送駆動ローラー40に、モーター50の動力が伝達されるようになっている。
【0042】
モーター50の外ケースは金属材料により形成されており、その一部には熱伝導性を備える部材である熱伝導部材51が接触している。熱伝導部材51の他端51aは搬送駆動ローラー40まで延びており、そして搬送駆動ローラー40の軸端部40a(耐摩耗性粒子が付着されて成る高摩擦層の形成領域外)に、熱伝導部材51が有する弾性によって弾接している。即ち、モーター50と搬送駆動ローラー40とが、熱伝導部材51により接続された状態となっている。
【0043】
熱伝導部材51には熱伝導率の高い材料を用いるのが好ましく、例えば銅、アルミニウムなどの金属材料を用いることができるが、金属に限られず熱伝導率の高いものであればどのようなものであっても構わない。
【0044】
モーター50と搬送駆動ローラー40とが、熱伝導部材51により接続された状態となっていることにより、モーター50で生じた熱は、熱伝導部材51を介して搬送駆動ローラー40に伝達される。そしてこれにより、搬送駆動ローラー40が加熱され、ローラー外周面を介して用紙が加温される。
【0045】
搬送駆動ローラー40を介して用紙が加温されると、その状態でインクジェット記録ヘッド37からインクが吐出されるため、インクの乾燥が促進され、インクの濡れ(未乾燥)に伴うインク滲みや汚損などの問題を回避することができる。
【0046】
また、モーター50の熱が熱伝導部材51を介して搬送駆動ローラー40に伝達されるので、搬送駆動ローラー40をモーター50の放熱手段として利用することとなり、モーター50の熱がより一層効果的に放出される。
【0047】
加えて、所謂「アイロン効果」が期待できる。即ち、搬送駆動ローラー40には搬送従動ローラー41が圧接しており、用紙は両ローラーによって挟圧されながら下流側へ搬送されるので、搬送駆動ローラー40が加温されない状態であっても一定の「皺伸ばし効果」が期待できる。この様な構成において、更に搬送駆動ローラー40を加温するので、前記アイロン効果をより一層得ることができる。
【0048】
尚、搬送駆動ローラー40の外周面に付着された耐摩耗性粒子としてアルミナなどを用いることができるが、鉄粉などのより一層熱伝導率の高い材料を使用することで、搬送駆動ローラー40外周面から用紙への熱伝導をより高効率で行うことができる。尚、ローラー周面(金属軸周面)をゴムなどの弾性材により形成した場合には、加温によってゴム表面の摩擦係数が向上し、用紙を安定して搬送することができるといった作用効果が得られる。
【0049】
また、本実施形態では、搬送駆動ローラー40を中実軸ではなく中空軸により形成しているので、軸の熱容量を小さくすることができ、ローラー外周面の温度をより一層高めることができる。
【0050】
そして以上の効果を、搬送駆動ローラー40を加熱するための専用の熱源を設けることなく実現可能であるので、省スペースにして且つ低コストにインクの乾燥を促進させることが可能となる。また、専用の熱源を用いない為、消費電力を抑えることができる。
【0051】
尚、上記実施形態では、搬送駆動ローラー40の一方側端部40aに熱伝導部材51を接続したが、例えば他方側端部40bにも熱伝導部材51を接続し、ローラー両端部で加熱する構成とすれば、ローラーの温度ばらつきを抑えることができる。この場合、搬送駆動ローラー40の他方側端部に設けられたモーター、例えばキャリッジ36を駆動するモーターなどを利用することもできる。
【0052】
また、発熱体としてはモーターのみならず、インクジェットプリンター1の構成要素であって発熱する構成要素であればこれを用いることができ、例えば電源回路などを用いることができる。更に、熱伝導部材51に導電性部材を用いることにより、熱伝導部材51をモーター50の接地手段として利用することもできる。
【0053】
また、モーターによっては、フレーム側面からの漏れ磁束を抑えるために、フラックスヨークがかぶせられている。このフラックスヨークを、搬送駆動ローラー40まで延設する構成とし、つまり熱伝導部材51をフラックスヨークと兼用することもできる。
【0054】
尚、モーター表面を断熱材で覆うことにより、モーター表面からの直接の放熱を極力防止することができ、モーターから生じた熱を効率よく搬送駆動ローラー40に伝えることができる。
【0055】
その他、以上説明した実施形態に限られず、種々の実施形態を採用可能であることは言うまでもない。例えば、本実施形態では熱伝導部材51を板バネ状に形成しているが、棒ばね状に形成しても良いし、コイルばね状に形成しても良く、即ち発熱体から搬送駆動ローラー40へ熱が伝達される構成であれば良い。
【符号の説明】
【0056】
1 インクジェットプリンター、2 用紙給送部、3 用紙送りローラーユニット、4 スキャナーユニット、11 用紙カセット、12 分離斜面、18 給送ローラー、19 揺動部材、20 回転軸、22 反転ローラー、23 リタードローラー、24 中間ローラー、25 ガイド部材、30 紙案内部材、31 引っ張りばね、33、34 フレーム、36 キャリッジ、37 インクジェット記録ヘッド、40 搬送駆動ローラー、41 搬送従動ローラー、45 紙案内部材、45a〜45b リブ、46 補助ローラー、47 排出駆動ローラー、47a 排出駆動ローラー軸、48 排出従動ローラー、50 モーター、51 熱伝導部材、52 プーリー、53 無端ベルト、54 プーリー、P 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
被記録媒体を搬送する、熱伝導性材料により形成されたローラーと、を備えた記録装置であって、
装置を構成する発熱体と前記ローラーとが熱伝導性部材により接続されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記発熱体がモーターであることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の記録装置において、前記モーターが断熱材により覆われていることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置において、前記熱伝導性部材が、前記ローラーの回転軸線方向両端部に接続されている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記ローラーに対して圧接して従動回転する従動ローラーを備え、被記録媒体が前記ローラーと前記従動ローラーとによりニップされながら搬送されることを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−240916(P2010−240916A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90341(P2009−90341)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】