記録装置
【課題】複数のコピー制御情報が混在する。
【解決手段】記録媒体に対して、コピー世代管理情報とコピー可能個数情報と録画機器IDを含むコピー制御情報を含むデジタル情報の書込みと読み出しを行う記録再生部と、コピー世代管理情報が一世代のみ記録を許すことを示す情報である場合、記録媒体にデジタル情報と共にコピー可能個数情報を記録し、記録媒体に記録したデジタル情報の一覧を表示するときにコピー制御情報によって分類して表示を行わせる制御部とを有する。また、第一の記録媒体および当該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体に内容が等価なデジタル情報を蓄積し、コピー可能個数が複数個であるデジタル情報を当該第一の記録媒体から第二の記録媒体にコピーするときには、当該第一の記録媒体および第二の記録媒体に蓄積されたデジタル情報のコピー可能個数情報のみを変更してコピーを完了する。
【解決手段】記録媒体に対して、コピー世代管理情報とコピー可能個数情報と録画機器IDを含むコピー制御情報を含むデジタル情報の書込みと読み出しを行う記録再生部と、コピー世代管理情報が一世代のみ記録を許すことを示す情報である場合、記録媒体にデジタル情報と共にコピー可能個数情報を記録し、記録媒体に記録したデジタル情報の一覧を表示するときにコピー制御情報によって分類して表示を行わせる制御部とを有する。また、第一の記録媒体および当該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体に内容が等価なデジタル情報を蓄積し、コピー可能個数が複数個であるデジタル情報を当該第一の記録媒体から第二の記録媒体にコピーするときには、当該第一の記録媒体および第二の記録媒体に蓄積されたデジタル情報のコピー可能個数情報のみを変更してコピーを完了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野はデジタル情報を記録及び/又は再生する装置に関する。特に放送受信やネットワークからのコンテント配信に対応した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野について、特許文献1には、「著作権保護すべきデジタル情報の記録再生装置における記録媒体への記録制限を行える装置及び方法を提供する」ことを課題とし、その解決手段として「記録再生制御回路は、コピー制御情報が、(Copy One Generation)である場合には、情報とともに、予め定めたビットレートに情報を変換した変換デジタル情報と、前記コピー回数情報を前記記録媒体に記録し、コピー制御情報に従い、(Copy No More)でありながら、当該再生装置に接続された記録装置の記録媒体に前記デジタル情報あるいは前記変換デジタル情報を移動する場合は、可能回数を減じて前記コピー回数情報を更新し、前記デジタル情報信号あるいは前記変換デジタル情報と前記コピー制御情報および前記コピー回数情報を再度記録媒体に記録すると共に、前記デジタル情報信号あるいは前記変換デジタル情報を再生不能化する構成とした」ことが記載されている(特許文献1要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−114090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、デジタル放送が普及すると共に様々な記録メディアが流通しており、デジタルコンテントを視聴する形態も多種多様になってきている。このような環境下においては著作権保護の観点から、コピー制御情報を使用することによって複数の記録再生装置あるいは記録媒体間でのデータ送受信を制御することが考えられる。
【0005】
しかしコピー制御情報による制御は任意の機器間でコピー可能かどうかの判断が複雑になり、使用者の使い勝手を低下させる。特許文献1に示したデジタル情報記録再生方法では、コピー制御情報がCopy Once Generationであるデジタル情報のコピー可能回数を管理して、かつコピー可能回数の情報を使用者に表示することで使い勝手を向上している。
【0006】
しかし、特許文献1に示したデジタル情報記録再生装置では、デジタル情報の記録やコピーを繰り返した結果、或る記録媒体にコピー制御情報及び/又はコピー可能回数が異なる複数のデジタルデータが格納された場合までは想定されず、その制御方法についてまで記載がない。
【0007】
この場合、例えば同じ内容のデジタルデータが複数あった場合に、まだコピーできる方のデジタルデータの方を消去してしまい、そのデジタルデータについてはそれ以上のコピーができない方のデジタルデータしか残らなくなってしまうなどの不都合を生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一実施の態様は、記録媒体に対して、コピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含むコピー制御情報を含むデジタル情報の書込みとデータの読み出しを行う記録再生部を設け、コピー世代管理情報が一世代のみ記録を許すことを示す情報である場合、記録媒体にデジタル情報と共にコピー可能個数情報を記録し、記録媒体に記録したデジタル情報の一覧を表示するときにコピー制御情報によって分類して表示を行わせる制御部とを有する構成とした。
【0009】
また例えば、第一の記録媒体にコピー世代管理情報とコピー可能個数情報が異なり且つ内容が等価な複数のデジタル情報を蓄積し、コピー可能個数が複数個であるデジタル情報を当該第一の記録媒体から当該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体にコピーするときに、第二の記録媒体に内容が等価なデジタル情報が存在することをユーザに通知させる。
【発明の効果】
【0010】
上記手段によれば、ユーザにとっての使い勝手を向上させることができる。具体的には、例えば一つの記録媒体に含まれる映像・音声データの内容が等価(記録を実行した装置もしくは受信部が同一で、かつ例えば番組のタイトルや録画時間などの情報が一致)で、コピー制御情報及び/又はコピー可能個数情報が異なるデジタル情報を、管理、表示、通知などすることができ、使い勝手を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の例である。
【図4】コンテント利用記述子の各フィールドへ記述例である。
【図5】コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の例である。
【図6】コピー世代を制御する情報の例である。
【図7】送信装置から送出されたコンテント利用記述子の各フィールドの受信装置における受信処理の例である。
【図8】送信装置が、コピー制御情報を利用することによる番組コンテントの保護の運用例である。
【図9】受信装置が、コピー制御情報を利用して番組コンテントを蓄積(記録)する場合における制御の例である。
【図10】記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】記録再生制御部の構成例を示すブロック図である。
【図12】コピー制御情報を管理するテーブル例を示す模式図である。
【図13(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図13(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図14】コピー制御の処理例を示すフローチャートである。
【図15】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図16】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図17】コピー予約情報記録の処理例を示すフローチャートである。
【図18】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図19】コピー制御の処理例を示すフローチャートである。
【図20】記録再生装置の別の構成例を示すブロック図である。
【図21】着脱可能な記録媒体の情報の構成例を示す模式図である。
【図22(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図22(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図23】記録再生装置の別の構成例を示すブロック図である。
【図24】着脱可能な記録媒体の情報の構成例を示す別の模式図である。
【図25(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図25(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図26(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図26(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図27】コンテントのコピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】コンテントの移動処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】コピー制御の処理例を示すフローチャートである。
【図30】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に好適な実施形態の例(実施例)を説明する。但し、本発明は本実施例に限定されない。本実施例は、主には一世代のコピーを許された情報の扱いに関するものである。
【0013】
<システム>
図1は、本実施例のシステムの構成例を示すブロック図である。放送で情報を送受信して記録再生する場合を例示している。ただし放送に限定されず通信によるVOD(Video On Demand)であってもよく、総称して配信ともいう。
【0014】
1は放送局などの情報提供局に設置される送信装置、2は中継局や放送用衛星などに設置される中継装置、ユーザの宅内などに設置される3は受信装置、10は受信装置3に内蔵される受信記録再生部である。受信記録再生部10では、放送された情報を記録し、再生することができる。
【0015】
送信装置1は、中継装置2を介して、変調された信号電波を伝送する。例えばケーブルによる伝送、電話線による伝送、地上波放送による伝送などを用いることもできる。受信装置3で受信されたこの信号電波は、後に述べるように、復調されて情報信号となった後、必要に応じ記録するために適した信号となって記録される。また、ユーザは、受信装置3にディスプレイが内蔵されている場合はこのディスプレイで、内蔵されていない場合には受信装置3と図示しないディスプレイとを接続して情報信号が示す映像音声を視聴することができる。
【0016】
<送信装置>
図2は、図1のシステムのうち、送信装置1の構成例を示すブロック図である。
【0017】
11はソース発生部、12はMPEG方式等で圧縮を行うエンコード部、13はスクランブル部、14は変調部、15は送信アンテナ、16は管理情報付与部である。カメラ、記録再生装置などから成るソース発生部11で発生した映像音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード部12でデータ量の圧縮が施される。必要に応じてスクランブル部13で、特定の視聴者には視聴可能となるように伝送暗号化される。変調部14で伝送するために適した信号となるよう変調された後、送信アンテナ15から、中継装置2に向けて電波として送信される。このとき、管理情報付与部16では、コピーを制御するための情報であるコピー制御情報や現在時刻等の情報を付加する。
【0018】
なお、一つの電波には複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。簡単のため図2には記していないが、この場合、ソース発生部11とエンコード部12の系統が複数個あり、エンコード部12とスクランブル部13との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス部(多重化部)が置かれる。
【0019】
<コピー制御情報>
コピー制御情報は、コピーの可否や回数などの制限を制御する情報であり、例えば管理情報付与部16で付加される。コンテント利用記述子とデジタルコピー制御記述子などを含む。
【0020】
図8は、コピー制御情報を利用することによる番組コンテントの保護に関する運用の例を示す。
【0021】
「運用可」とは、それぞれのサービス形態に対応したコンテントに対して、デジタルコピー制御情報を用いた世代制限として送信側が選択できることを示す。例えば、「ペイパービュー(pay-per-view)」であれば、どのデジタルコピー制御情報を用いてもよいことを示しており、一方で「月極め等有料放送」であれば「コピー禁止」を送信側が選択できないことを示す。
【0022】
「フラット/ティア」とは、有料放送などで複数チャンネルをまとめて契約することをフラット契約と呼び、チャンネル毎に契約することをティア契約と呼ぶ。
【0023】
「上記以外」には、例えば「有料放送ではなく、コンテント保護を伴わない番組の場合」が含まれる。
【0024】
図3は、コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の一例を示す。コンテント利用記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(Program Specific Information)(一例としてPMT(Program Map Table)など)或いはSI(Service Information)に格納されて送出される情報である。
【0025】
コンテント利用記述子の用途は、当該番組に対して、蓄積(記録)や出力に関する制御情報を記述する場合に配置(送出)されるものである。その意味は、digital_recording_control_mode(デジタルコピーモードビット)の1ビットのフィールドが「1」の場合、図5で説明するデジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが「一世代のコピー可」であっても「個数制限コピー可」として記録可能であることを示す。「0」の場合、「個数制限コピー可」として記録することはできない。
【0026】
なお、コンテント利用記述子は、当該番組が出力保護の対象である場合に必ず配置(送出)する。この出力保護とは、コンテント利用記述子の出力保護ビット(encryption_mode)を用いて、「制約条件なしにコピー可」のコンテントの高速デジタルインタフェース出力に対して、保護を実施することを意味する。別の言い方をすれば、デジタルインタフェースでの出力や記録媒体へのコピーの際に暗号化するものの、コピーの回数や世代には制限をかけない。インターネットへの再送信は事実上不可能となる。「出力保護付きコピー・フリー」や、EPN(encryption plus non-assertion)とも呼ぶ。
【0027】
また、当該番組のデジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合に必ず配置(送出)する。
【0028】
図4は、コンテント利用記述子の各フィールドの記述内容の一例を示す。
【0029】
「descriptor_tag」にはコンテント利用記述子を意味する“0xDE”を記述する。「descriptor_length」には、コンテント利用記述子の記述子長を記述する。「digital_recording_control_mode」には、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合は’0’を記述する。デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象である場合は‘1’を記述する。
【0030】
「encryption_mode」には、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」であり、且つ、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施する場合は’0’を記述する。
【0031】
「retention_mode」は一時蓄積制御ビットを意味し、デジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)が「コピー禁止」であっても一時蓄積が可能であることを表す“0”を記述する。「retention_state」は一時蓄積許容時間を意味し、1時間30分の蓄積が可能なことを表す”111”を記述する。なお、「image_constraint_token」、「retention_state」、「encryption_mode」はデフォルトの状態では「1」である。
【0032】
各フィールドについては、受信側の処理として、図7でも後述する。
【0033】
図5は、コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の一例を示す。デジタルコピー制御記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(一例としてPMTなど)或いはSIに格納されて送出される情報である。
【0034】
デジタルコピー制御記述子は、「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)の2ビットのフィールドにより、コピー世代を制御する情報を表す。
【0035】
図6は、デジタルコピー制御情報の例を示す。デジタルコピー制御情報が、「00」の場合には制約条件なしにコピー可を示し、「01」の場合には放送事業者の定義によることを示し、「10」の場合には一世代のコピー可であることを示し、「11」の場合にはコピー禁止であることを示す。なお、一世代のコピー可とは、受信した放送信号を記録(一世代目のコピー)できるが、記録した後には放送信号を複製(コピー)できないことを意味する。
【0036】
図3と図4のコンテント利用記述子をコピー個数制限情報、図5と図6のデジタルコピー制御情報をコピー世代制限情報とも呼ぶ。
【0037】
送信装置1から送出された、図3〜6で説明したコピー制御情報に関係する受信装置3の処理の詳細例を説明する。
【0038】
図7は、受信装置3における、コンテント利用記述子の各フィールドに対する処理の一例を示す。
【0039】
「descriptor_tag」が“0xDE”だと、当該記述子がコンテント利用記述子であると判断する。「descriptor_length」により、コンテント利用記述子の記述子長であると判断する。「digital_recording_control_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象であると判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象でないと判断する。「image_constraint_token」については、いかなる値が入っていても映像信号出力の解像度の制限を行わないと判断する。「retention_mode」については、いかなる値が入っていても一時蓄積が可能であると判断する。「retention_state」については、いかなる値が入っていても一時蓄積許容時間が1時間30分であると判断する。「encryption_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施しないと判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施すると判断する。
【0040】
なお、何らかの理由でコンテント利用記述子が配置(送出)されない場合、各フィールドが以下の値であると解釈するとよい。digital_recording_control_mode =‘1’、image_constraint_token =‘1’、retention_mode =‘0’、retention_state =‘111’、encryption_mode =‘1’。
【0041】
図9は、受信装置3が、コピー制御情報を利用して番組コンテントを蓄積(記録)する制御の例を示す。
【0042】
図9が示している内容は例えば、番組コンテントを蓄積するときに、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、記録媒体上のコピー制御情報を「再コピー禁止」として蓄積する。但し、digital_recording_control_modeが’1’の場合は、「個数制限コピー可」として蓄積する。なお、「再コピー禁止」で蓄積を行う場合にも、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataの値は変更しなくてよい。
【0043】
また、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、複数のコピーを生成してはならない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへの蓄積は除外する。また、上記制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。
【0044】
個数制限コピー可について、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテントからは、N個のコピーを生成することができる。Nの値は、例えば規格に準拠することでよい。高速デジタルインタフェース出力を経由してコピーを生成する場合は、ムーブ機能を用いる等によって、生成するコピーの数が確定できる場合にはコピーを行ってよい。例えば、インタフェースがIEEE1394で、出力先がDTCP規格に対応した装置であることを認識できた場合である。なお、生成したコピーは、「再コピー禁止」またはそれと同等の状態とする。
【0045】
また、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテントを再生して出力する場合、高速デジタルインタフェースでは、DTCP(Digital Transmission Content Protection)に規定されているNo More Copiesの処理を行って出力する。アナログ映像出力およびデジタル音声出力については、「一世代のコピー可」として出力することができる。
【0046】
記録媒体がリムーバブル記録媒体である場合には、図9に加えて別の制限がある。番組コンテントのリムーバブル記録媒体へのデジタル記録については、TV、データサービスのデジタル記録、或いは音声サービスのデジタル記録において、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の番組コンテントを受信して記録するときは、受信したコンテントについて一世代目であっても3つ以上ののコピーは許さない(例えば、放送を受信して記録するときに同時に3つ以上の記録媒体には記録させない)。この値(3つ以上を例示)は例えば規格に準拠することでよい。また、記録フォーマットが同一の一世代のコピーは複数生成させない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへのデジタル記録は除外する。また、デジタル記録媒体への記録制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。受信装置がdigital_recording_control_modeに対応していない記録方式を搭載する場合は、デジタルコピー制御記述子のcopy_control_typeが’01’で、digital_recording_control_dataが’10’の番組コンテントについて、コンテント利用記述子のdigital_recording_control_modeの値にかかわらず「一世代のコピー可」の扱いでデジタル記録する。
【0047】
また、コピー制御情報並びにコピー個数情報は受信装置の情報(記録機器IDと表記する)と合せて管理される。例えばある受信機Aを使用して記録媒体に記録した場合と受信装置Aと同じ性能を有する受信装置Bを使用して記録した場合とはコンテントの映像・音声データなどが全く同一であっても記録機器IDが異なりコピー制御の観点では別のコンテントと解釈する。
【0048】
受信装置Cが複数の受信部を保有している場合、いずれの受信部で記録してもコンテントの記録機器IDは同一としても良い。
【0049】
また記録機器IDというのは、必ずしも受信装置に特化しなくとも良い。たとえば受信装置Dが複数の受信部を持っている場合に、記録時に使用する受信部毎に異なる記録機器IDを割り当てても良い。
【0050】
<受信装置(1)>
図10は、受信装置3内の記録再生装置10の例として、記録再生装置100の構成例を示す。なお、本実施例では記録及び再生のうちどちらか一方のみの機能を有する装置であってもよい。
【0051】
101は入力端子であり中継装置2からの電波などのデジタルデータを受信する。102は受信部であり、入力端子101から受信したデジタルデータを周波数変換、変調操作、誤り訂正など、受信したデジタルデータに応じた処理を適宜行い、多重化された1トランスポンダ内のビットストリームを映像や音声などのパケットに分離化する。
【0052】
103は映像・音声情報処理部であり、映像データと音声データをデコードする。104は記録媒体への記録あるいは再生を制御する記録再生制御部であり、このモジュールのさらに詳細な内部構成の一例を図11に示す。
【0053】
105は例えばハードディスクドライブなどのデジタルデータを記録する記録媒体である。106は映像・音声データや各種アプリケーション用インタフェース(IF)の表示データから出力データを生成する表示制御部である。例えば映像音声処理部103で処理された映像データを必要に応じてスケーリングを行い、その映像データに例えば操作用のインタフェースや静止画像といった記録再生装置100が独自に用意する画像データを重ね合わせて表示画像を生成する。
【0054】
107は出力端子であり、生成されたデータを例えば表示用液晶パネルなどの表示デバイスに転送する。108は使用者がリモコンを用いて操作を行うときのリモコンIFである。109は入力端子でありリモコンからの信号を受信する受光部である。
【0055】
110は例えば録画や再生などの操作を行うボタン群を配し、使用者が直接ボタンを操作することで記録再生装置100の制御を行うための操作部である。111は記録再生装置100の動作を制御する制御部であり、例えばCPUで構成される。112は情報を記録するための不揮発性メモリである。113は制御部111と接続された各ブロック間でデータ通信を行うシステムバスである。
【0056】
図11は記録再生制御部104の構成例を示す。
【0057】
201は入出力端子であり、システムバス113に接続し制御信号を伝送する。202は入力端子であり記録媒体に記録する映像データならびに音声データを含むデジタルデータを入力とする。203はコピー制御情報処理部であり、デジタルデータに含まれるコピー制御情報を解析し必要に応じて更新を行う。204は暗号部であり、例えば制御部111により伝送される鍵情報を用いるなどして、入力されたデジタルデータを暗号化する。205は記録制御部であり、記録媒体に記録する為のコマンドを発行し、デジタルデータの転送などの処理を行う。206は出力端子であり、記録媒体に接続される。207は入力端子であり記録媒体から再生するデジタルデータを入力する。208は再生制御部であり、記録媒体へコマンドを発行し所望のデジタルデータを再生する。209は復号部であり、読み出した暗号化されたデジタルデータを例えば制御部111より伝送される鍵情報を用いるなどして復号する。210は出力端子であり復号したデジタルデータを出力する。211はシステムバスであり、制御部と接続された各ブロック間でデータ通信を行う。
【0058】
コピー制御情報処理部203で処理するコピー制御情報は、例えばコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、コピー世代管理情報は例えば下記のような2ビットの信号で
11 コピー禁止(Copy-never)
01 録画後は再コピー不可能(No-more-copies)
10 一世代のみの記録が可能(Copy-one-generation)
00 コピー可能(Copy-free)
といった指定が考えられる。コピー可能個数情報は0以上の整数で指定し、何個コピー可能かを指定することが考えられる。
【0059】
記録媒体105にデジタルデータを蓄積するときには、制御部112は例えばデジタルデータに含まれるデジタルコピー制御記述子とコンテント利用記述子に基づいて制御を行う。
【0060】
デジタルコピー制御記述子は例えばコピー制御タイプとデジタル記録制御データからなり、コンテント利用記述子は例えば暗号化モードとデジタル記録制御モードからなる信号で表される。制御部112はこれらの記述子の値に応じて、コピー制御情報処理部203に蓄積するデジタルデータのコピー制御情報の更新を指示し、暗号部204に暗号化する/しないを指示する。
【0061】
図12は記録媒体105に保持するコピー制御情報記録領域301を示す一実施例である。302にはデジタルデータの一つの纏まりを示す番組IDを示す。纏まりの単位は例えば放送される番組の始めから終わりまでや、同一番組におけるコピー制御情報が同一である範囲である。
【0062】
303はその番組およびコピー制御情報が記録された日時を示す。304では該当データが記録媒体105のどこに記録されているかを表すアドレス情報を示す。305は該当デジタルデータのコピー世代管理情報を示す。306は該当デジタルデータのコピー可能個数情報を示す。307は録画を実行した機器のIDを示す。
【0063】
この録画機器IDとは例えば記録再生装置毎に固有の値をあらかじめ工場などで不揮発性メモリ112などに記録しておき、録画を実行する際に記録されている番号を録画機器IDとして記録する。よって例えば一つの記録再生装置で記録を行えば全て同一の値が記録され、他の記録再生装置からコピー/ムーブした番組には該記録装置で記録した番組の録画機器IDの値と異なる値が保持されている。
【0064】
例えば本記録再生装置において記録再生制御部104に出力端子を接続したり、記録再生制御部と出力端子をもう一組用意したりするなどして、一度記録媒体105に記録したデジタルデータを出力するときには、制御部111はデジタルデータに含まれるコピー制御情報と出力のインタフェースに応じて、適宜コピーするデジタルデータのコピー制御情報の更新を行い、コピー制御情報処理部203に出力するデータのコピー制御情報を更新するよう指示し、復号部209に復号化する/しないを指示する。
【0065】
例えば記録媒体105にコピー世代管理情報がNo-more-copiesでコピー可能個数情報が8であるデジタルデータを別の記録媒体にコピーする場合、コピーが成功したかに関わらず元のデジタルデータのコピー世代管理情報はNo-more-copies、コピー可能個数情報を7に更新する。
【0066】
異なる記録媒体へコピーするデジタルデータのコピー制御情報の書き換えは、出力インタフェースに依存する。例えばBlu−rayディスクや半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどのランダムアクセスが可能なリムーバブル記録媒体に出力するのであればNo-more-copiesとして出力し、例えば高速デジタルインタフェース出力であればコピー世代管理情報をNo-more-copiesとして出力し、例えばアナログ映像出力であればコピー世代管理情報をCopy-one-generationとするなどである。
【0067】
以上のような構成を持つ記録再生装置100において、異なる記録再生装置と相互にデジタルデータのコピー/ムーブが可能な場合を考える。異なる記録再生装置でも図12に示した番組情報管理ができるものとする。
【0068】
記録再生装置100から別の記録再生装置へコピー世代管理情報をNo-more-copiesとしてコピーしたのち、同じ番組を別の記録再生装置から世代管理情報をNo-more-copiesとして記録再生装置100にムーブすることが可能である。この時記録再生装置100ではコピー制御情報がCopy-one-generationであるデジタルデータと、コピー制御情報がNo-more-copiesで内容が等価なデジタルデータが記録媒体105に蓄積されることがある。
【0069】
なお、内容が等価な番組とは、同一の記録再生装置で記録した(すなわち記録機器IDが等しい)番組であり、録画時に例えばランダムに生成した固定値を生成し上記デジタルデータに含めて記録を行い、内容が等価かどうかを判断する際には比較対象の番組の記録機器IDと上記ランダムに生成した固定値を比較する。
【0070】
上記ランダムに生成する固定値のデータサイズは偶然同一となることが確率的に極めて低くなるようなサイズとする。またこの判断に利用する値は例えば暗号化して記録するなどの方法で使用者の不正な改竄を防ぐ必要がある。
【0071】
別の例としては同一の記録再生装置で記録した(すなわち記録機器IDが等しい)番組であり、かつ記録時間、番組のタイトル、番組識別番号、チャネル、放送日時、放送事業者名、放送地域などが一致しているかどうかを適宜組み合わせて判断しても良い。
【0072】
番組のタイトルについては、例えば”Event Information Table(イベント情報テーブル,EIT)”に含まれる” Carousel compatible composite descriptor (カルーセル互換複合記述子)”に含まれるTitle記述子の文字列の値を記録し、評価に使用する。
【0073】
番組識別番号については、例えば”Network Information Table(ネットワーク情報テーブル,NIT)”や、”Service Description Table(サービス記述テーブル,SDT)”、EITなどに含まれるtransport_stream_idの値を記録し、評価に使用する。
【0074】
チャンネルについては、例えばSDTに含まれる”Service descriptor(サービス記述子)”に含まれる事業者名やサービス名の文字列の値を記録し、評価に使用する。
【0075】
放送日時については、例えば”Time and Date Table(時刻日付テーブル,TDT)”や”Time Offset Table(時刻日付オフセットテーブル,TOT)”に含まれるJST_timeの値を記録し、評価に使用する。
【0076】
放送事業社名は、例えばSDTに含まれる”Service descriptor(サービス記述子)”に含まれる事業者名の文字列の値を記録し、評価に使用する。
【0077】
放送地域は、例えばPMTに含まれる”Target region descriptor(対象地域記述子)”に含まれる地域指定子の値やNITに含まれる”Terrestrial delivery system descriptor(地上分配システム記述子)”に含まれるarea_code(エリアコード)の値を記録し、評価に使用する。
【0078】
なお、番組の長さ(放送時間)や、番組の内容(映像音声データ)の解析結果なども等価であるか否かの判断要素に加えてもよい。例えば番組の長さは記録を終了した時刻から開始した時刻を引いて計算で求める。
【0079】
このように内容が等価であることを、番組の内容が重複しているとも表現する。
【0080】
図13には記録媒体中に記録されたデジタルデータの一覧をコピー制御情報毎に分類して表示する一例を示す。
【0081】
図13(a)において、401は表示制御部106で生成され、出力端子107から出力される表示画面である。402では記録されたデータの一覧を表示させたい記録媒体の名称を表示する。403では例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。
【0082】
404には、402で指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で、403で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。例えば、使用者が所定の操作により403の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次404に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを404に表示する。
【0083】
図13(b)において405では、403でフォルダ名による分類を表示していた代わりに、コピー世代管理情報による分類を表示する。このとき404には405で指定したコピー世代管理情報に該当するデータを一覧表示する。
【0084】
例えば使用者が所定の操作によって405の分類で「コピーフリー」を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-free であるデータのみを404に表示し、「コピー1回可能」(コピー1世代可能でもよい)を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを404に表示する。このときコピー世代管理情報がNo-more-copies でコピー可能個数が正数であるデータは「コピー1回可能」の分類で表示したり、コピー世代管理情報がCopy-one-generationで、かつコピー可能個数が0回であるデータは「コピー禁止」の分類で表示してもよい。また、表示に際しては各データのコピー可能個数情報をデータ名と合わせて表示してもよい。
【0085】
使用者はリモコンを用いた所定の操作、あるいは操作部110を用いた所定の操作によって制御部111は図13(a)で示したフォルダ構成の分類を用いた表示と図13(b)で示したコピー制御情報毎の分類を用いた表示とを切り替える。
【0086】
以上のように複数のコピー制御情報が混在する場合のデジタルデータの表示を行うことで、コピー制御情報に対応したデジタルデータの把握が簡単に行え、使用者の使い勝手を良くすることが可能である。
【0087】
以上の実施例についてアナログデータとしてコピーが可能かどうかを判定する処理によっても同様の効果が得られる。例えば図13(b)に示したコピー制御情報の分類について「アナログコピー可能」「アナログコピー不可能」という区分を405に設けて各ステータスに該当する番組を304の領域に一覧表示を行う。あるいは使用者が所定の操作によって分類表示を切り替えてアナログコピーに関するコピー制御情報のみに特化した一覧表示としてもよい。
【0088】
使い勝手を向上させる一覧表示の異なる例として、図25に示す方法がある。図25(a)および(b)において、401は表示制御部106で生成され、出力端子107から出力される表示画面である。402では記録されたデータの一覧を表示させたい記録媒体の名称を表示する。
【0089】
403では例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。404には402で指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で、403で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。
【0090】
例えば使用者が所定の操作により403の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次404に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを404に表示する。404に表示されている各番組の表示欄右上には残りコピー個数を合わせて表示している。0はコピー不可(異なる装置へのコンテントの移動はムーブのみ可能)であり、1以上であればコピー可能(異なる装置へのコピーとムーブが可能)であることを意味する。
【0091】
図25(a)ではタイトルが同一であるが内容が等価ではない番組を一覧表示させた場合を示す。番組1という番組が二つ並んでおり、一方はこの記録再生装置で記録した残りコピー可能個数が7のコンテント、他方は例えば一度他の機器にコピーを行い、再びこの記録再生装置にムーブをした結果、コピー可能個数0となったコンテントである。
これらの番組は記録機器IDが等しく内容が等価な(録画機器IDが等しく、例えば番組情報、録画時間などが等しい)番組なので図25(b)に示すように統合して一つに見せることが可能である。
【0092】
そして、図25(a)で示したコピー可能個数7とムーブした1を合計した個数8が右上に表記してある。このように統合することで不要に表示番組数を増やすことが無くなり、使用者の使い勝手を向上することが出来る。この例では二つのコンテントを統合したが、3つ以上のコンテントを統合する場合も同様である。
【0093】
またコンテント(番組1)を一度他の機器にコピーした際に対象の機器が図12に示したような形式で録画機器IDを保持できない場合に、録画機器ID情報が失われたコンテント(番組1)をこの記録再生装置にムーブを行った場合、元のコンテントもムーブしたコンテントも番組1ではあるが内容が等価とは判断せず、図25(a)で示したように別々に表示を行うようにしても良い。
【0094】
次に、記録媒体105に内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在するときにデータのコピーをする場合を考える。
【0095】
図29は、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータをコピーする動作の一例を示すフローチャートである。フローチャートの処理の主体は基本的に制御部111である。
【0096】
S2901では、コピーするデータが選択(指定)され、S2902へ進む。S2902では、制御部111がコピーするよう指定されたデータと等価な内容のデータを検索する。等価な内容のデータが存在する場合、S2907へ、等価な内容のデータが存在しない場合S2904へ進む。
【0097】
S2904では、指定されたデータがコピーが可能かどうかを、指定されたデータのコピー可能個数情報によって判定する。コピーが可能な場合、すなわち、コピー可能個数情報が0でない場合、S2906で指定されたデータをコピーする。コピーが不可能な場合、すなわちコピー可能個数情報が0である場合、S2905でコピーができない旨や、記録媒体2へ転送すると記録媒体1からは指定されたデータが消去される旨(すなわち、ムーブは可能である旨)等のメッセージを表示する。なお、このメッセージを表示する場合に、コピーではなくムーブを行う選択を可能としてもよい。
【0098】
S2907では、指定されたデータ、及び検索されたデータのコピー世代管理情報およびコピー可能個数情報を取得してS2908へ進む。S2908では、指定されたデータ及び検索されたデータ全てのコピー可能個数情報が0であるか否かを判定し、全てのデータのコピーが不可能な場合、すなわち全てのデータのコピー可能個数情報が0である場合、S2911でコピーができない旨のメッセージや、記録媒体2へ転送すると記録媒体1からは指定されたデータが消去される旨のメッセージ(すなわち、ムーブは可能である旨のメッセージ)、どのデータをムーブするかの選択を求めるメッセージ等を表示する。
【0099】
なお、S2908において、同じ内容のデータが複数個あり、いずれのデータのコピー可能個数が0であったとしても、それぞれのデータはムーブが可能である。例えば、コピー可能個数が0のデータが3つあった場合、そのうち2つをムーブしても1つのデータは残るため、実質的にコピー可能個数は2であるともいえる。この場合、S2908においてコピー可能個数が0でないと判断し、S2909へ進むようにしてもよい。
【0100】
S2909では、例えば図30に示すように、表示画面(3001)に同一内容のデータが複数ある旨、コピーするデータを選択する旨のメッセージ(3002)を表示し、それぞれのデータについてコピー可能回数を付した選択欄(3003、3004)を設けても良い。図30では3003が選択されている状態の例を示している。また、コピー可能回数が0回のデータはムーブとなる旨の注意を表示するようにしても良い。また、コピーを中止する選択欄を合わせて設けても良い。その場合ユーザがコピー中止を選択するとS2909からS2910へは進まず処理を終了するようにして良い。
【0101】
また、同一内容のデータであっても、圧縮形式やビットレート、フレームレートが異なるデータであった場合、選択欄(3003、3004)に各データの圧縮形式やビットレート、フレームレート等を表示するようにしてもよい。
【0102】
S2910では、S2909で選択されたデータをコピーする。
【0103】
なお、S2909でユーザがコピーするデータを選択する表示を行わず、S2910に進み、制御部111が複数のデータのうちいずれか1つのデータをコピーするように構成しても良い。例えば、コピー可能回数が少ないデータを優先的にコピーするようにしても良い。この構成により、ユーザが複数のデータから選択する手間が省けるという効果がある。
【0104】
特に、同じ内容で圧縮形式やビットレート、フレームレート等も同じ複数のデータが存在した場合にS2909を省略するようにすると、いずれを選択してもコピーされるデータは同じになるため、ユーザが選択する手間が省けるという効果がより顕著になる。
【0105】
図29の処理を行うことで、同じ内容の複数のデータが1つの記録媒体に記録されている場合の当該データのコピーについて、ユーザは複数のデータそれぞれについてのコピー回数を把握することや、その内容のデータについてのコピー可能回数の総数を把握することが可能となり、ユーザにとっての使い勝手が良くなるという効果がある。
【0106】
また、図29ではコピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを例に説明したが、S2901でコピー世代管理情報がCopy-one-generationではないデータ、すなわちコピー世代管理情報がNo-more-copiesのデータや、コピー禁止のデータ等を選択した場合であっても、図29の処理を行うことで、同様の効果が得られる。
【0107】
図14は、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータをコピーする動作の他の一例を示すフローチャートである。フローチャートの処理の主体は基本的に制御部111である。
【0108】
使用者がコピーするデータを選択するとS501では制御部111は選択されたデータのコピー制御情報を取得しS502へ進む。S502ではコピーが可能かどうかをコピー可能個数情報によって判定する。
【0109】
コピー可能個数情報が0であればS503へ進み、0でなければS504へ進む。S503ではコピーできない旨のメッセージを表示して処理を終了する。S504では制御部111がコピーするよう指定されたデータと等価な内容のデータを検索する。検索に用いる情報には例えば番組名や録画時間などがある。
【0110】
S505は前記検索の結果等価な内容の番組がある場合S507へ進み、無い場合にはS506へ進む。S506では指定されたデータを所定の方法でコピーして処理を終了する。
【0111】
S507では検索されたデータのコピー世代管理情報およびコピー可能個数情報を取得してS508へ進む。S508ではコピー世代管理情報がNo-more-copiesかを判定し、そうであればS511へ進み、そうでなければS509へ進む。S509では検索したデータのコピー世代管理情報がCopy-one-generationであり、かつコピー可能個数情報が使用者が指定したデータよりも少ないかどうかを確認する。
【0112】
少なければS511へ進み、多ければS510へ進む。S510ではS506と同様に使用者が指定したデータをコピーして処理を終了する。S511では使用者に異なるコピー制御情報を持つデジタルデータが存在することを通知して処理を終了する。
【0113】
またこのとき自動的に該当するデータをコピー・ムーブを行い、使用者が指定したデータはそのまま記録媒体105に蓄積したままとしてもよい。またS505の検索によって該当するデータが複数或る場合には、S507からS509の処理をS511に到達するまでループしてもよい。
【0114】
図14の処理を行うことで、図29で説明した効果に加え、同一内容の複数のデータのうち、コピー可能回数が少ないデータからコピーを行うことができるという効果がある。
【0115】
図15はS511にて表示するメッセージの一例を示した模式図である。501は表示画面である。502は表示するメッセージである。503は使用者がメッセージを了解したことを確認するためのボタンであり、例えばリモコンの決定キーを押下する等の所定の操作を行うことで元のアプリケーションに戻す。
【0116】
上記の制御により内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在する場合において使用者はS511においてメッセージを表示したときに異なるデータの存在に気がつき、所望の操作を行うことが可能となる。
【0117】
図29、図14の処理については、使用者が指定したデータが例えばコピー世代管理情報がNo-more-copiesでかつコピー可能個数情報が正数であるである情報であっても、同様の処理を行うことで、同様の効果が得られる。
【0118】
次に記録媒体105に内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在するときに、データの削除を行う場合を考える。使用者がコピー世代管理情報がCopy-one-generationである一つのデータを削除する場合に、内容が等価でコピー情報が異なるデータがあるかどうかをS2903、S2907、S2908や、S505からS509と同様のシーケンスで確認する。
【0119】
図16は、その結果、データの内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータがある場合に、内容が等価でコピー情報が異なるデータが存在し、より利用できる範囲が狭い(例えばコピー世代管理情報がNo-more-copiesであるとかコピー可能個数が少ないなど)データを削除することを促すメッセージの一例の表示例を示す。
【0120】
701は表示画面である。702は表示するメッセージである。703及び704は使用者が所望の操作を指定するためのボタンである。703を選択した場合には、使用者が指定したデータを削除し、704を選択した場合には使用者が指定したデータを削除しない。704を選択後、使用者はコピー制御情報が異なるデータを別途削除することが可能である。
【0121】
上記の制御により一つの記録媒体中に内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在する場合に、コピー個数が多いデータを誤って削除しないようにして使用者の使い勝手を向上することが可能である。また、自動的に記録データを削除する機能を持つ記録再生装置において、削除時にコピー可能個数が少ないコンテントを優先的に削除するようにすれば、さらに使い勝手の向上が可能である。
【0122】
また、コピー可能個数の大小に関わらず、削除を指示したデータと内容が等価のデータが存在する場合に、そのデータの存在をユーザに知らせるメッセージを表示するようにしても良い。これにより、ユーザが削除対象と同じ内容のデータの存在を把握し、どのデータを削除するのがよいかを考えることができるため、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【0123】
次に記録再生装置100を複数人数で使用する場合の使い勝手を向上する方法について考える。
【0124】
図17は、録画再生装置100の使用者がコピー処理を予約する操作の一例を示すフローチャートである。
【0125】
ある使用者がコピー可能個数情報が正数のあるデータをコピーしたいと考えているとする。S801では使用者はコピーしたい番組を選択する。S802では使用者が任意の方法によって使用者本人を識別可能な名前を登録してS803へと進む。登録方法については例えばリモコン操作によるソフトキーボードでの入力や、録画再生装置にキーボードを繋げて文字入力を行う方法が挙げられる。
【0126】
S803では使用者がコピーを行う予定回数を任意の方法で設定を行いS804へと進む。S804ではS803で設定された個数が有効かどうかを判定する。すなわちコピー可能個数情報とこれまでに予約されている個数の合計を上回るかを調べ、上回らなければS805へ、上回ればS806へ進む。
【0127】
S805では予約が可能でる旨と、入力された名前(予約者名。名前以外に番号やアイコン等でもよい)、回数を画面上に表示して、S807へと進む。S806ではS804で入力された回数の設定が不可能であるため、それを通知するメッセージを表示し、S803へと戻り、再度回数の設定を促す。
【0128】
S807ではS805で表示された確認画面を見て使用者が予約設定の承諾を行う。承諾すればS808へ進み、キャンセルすれば制御部111は一連の入力データを破棄して処理を終了する。S808では制御部1111は定められたフォーマットに従いコピー予約情報を記録媒体105へ記録する。
【0129】
図17の処理を行うことにより、複数のユーザが装置を利用する場合に、コピーやムーブの予定があるデータを他のユーザに消去されることを防いだり、他のユーザがデータをコピーすることにより当該データのコピー可能個数がコピーを予定している数より少なくなってしまうことを防いだりすることができる。
【0130】
図18は、S806で表示するメッセージの一例を示した模式図である。901は表示画面を示す。902にはメッセージの一例を示す。903は使用者が選択するボタンを示す。
【0131】
なお、コピー予約情報は不揮発性記録媒体113に記録しても本実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0132】
図19は、上記で設定したコピー予約情報を利用したコピー制御の一例を示すフローチャートである。
【0133】
記録再生装置100が何らかの方法で現在の使用者名が認識可能な方法を備えているものとする。S1001では使用者がコピーする番組を指定する。指定された番組について上述したシーケンスによってコピー予約情報が付随しているものとする。
【0134】
S1002では制御部112は指定された番組のコピー制御情報、およびコピー予約情報を取得してS1003へ進む。S1003ではコピー予約情報に現在の使用者によるコピー予約情報がある場合、S1004へと進み、そうでない場合S1006へと進む。
【0135】
S1004では指定された番組のコピーを実行してS1005へ進む。S1005ではコピーを行った番組のコピー可能個数を1減らし、使用者のコピー予約個数を1減らして処理を終了する。このときコピーが正常に完了したかを判断して、通知するメッセージを表示してもよい。
【0136】
S1006では別の使用者によるコピー予約情報があり、それがコピー可能個数よりも少ないかどうかを判定する。少ない場合S1007へ進み、0となる場合S1009へ進む。
【0137】
S1007ではS1005と同様に指定された番組のコピーを実行してS1008へと進む。S1008ではコピー可能個数を1減らして(差し引いて)処理を終了する。このときコピーが完了したかどうかを通知するメッセージを表示してもよい。S1009では予約があるためにコピーできない旨のメッセージを表示して処理を終了する。このときコピー予約情報に基づいてどの使用者が何個のコピーを予約しているかを表示してもよい。
【0138】
上記の制御によって、使用者が後々コピーしたいデータを他の使用者によって不用意にコピーされたために、コピー可能個数情報が0になりコピーが実行できなくなることを防ぎ、使い勝手を向上することが可能である。
【0139】
あるいは記録再生装置100が現在の使用者を認識する手段を備えていない場合、S1006の手順に代えてコピー予約情報の表示を行い、コピーを行うかどうかをその際の使用者に判断を委ねるようにしてもよい。
【0140】
次に記録再生装置100において記録媒体105に記録されたデジタルデータを例えば分割するなどの不可逆な編集を行う場合を考える。使用者が編集したいデジタルデータのコピー可能個数情報が正数である場合、該当のデジタルデータを記録媒体105内部でコピーを行い、コピー世代管理情報がNo-more-copiesであるデータを複製し、複製したデータに対して編集を行う。
【0141】
これにより編集が失敗した場合、あるいは編集結果に納得がいかないが元に戻せないといった場合でも、元のコピー可能個数情報が正数であるデータが残っていれば再度編集を行うことができ、使い勝手を向上することができる。
【0142】
次に記録再生装置100でコピー制御情報に基づき自動的に記録を行う機能について考える。記録再生装置100は放送波を受信するときに、電子番組表を表示するために未来の放送予定を記載したデジタルデータ(EPGデータなど、番組ガイド情報ともよぶ)を合わせて受信する。
【0143】
そこで、記録媒体105にコピー可能個数情報が減少したデジタルデータを蓄積している場合に、未来の放送予定の中から該当するデジタルデータと番組内容が等価なデータが送信されることを検知すると、自動的に予約録画を行う。番組内容が等価か否かは、例えば記録済みの該当番組の番組情報と放送予定番組の番組情報の内容とを比較することで判断を行う。
【0144】
録画が成功した場合、一覧表示には録画機器IDも含めて内容が等価な二つの番組を統合して一つの番組として使用者に表示することで利便性を向上させる。または録画が成功した場合、先に蓄積されているデジタルデータを破棄しても良い。
【0145】
減少したことの判断は任意であり、例えば閾値N(Nは任意の整数)を不揮発性メモリ112へ記録しておき、コピー可能個数情報がN回未満の場合などの条件で判断を行ってもよい。なお、この条件は使用者に指定されてもよいし、予め決められていてもよい。これらの処理は制御部111が実行することでよく、特に放送予定の中から検知する部位を、放送予定解析部とも呼ぶ。
【0146】
上記の実施例によって、同じ番組内容のコンテントについてコピー可能個数情報を実質的に増やす(実際に増やすわけではなく、同じ番組を録画しなおすことでコピー可能回数をデフォルトの値もしくはそれ以上に増加させる)ことができ、使い勝手を向上させることが可能である。
【0147】
<受信装置(2)>
図20は記録再生装置1100の構成例を示すブロック図である。
【0148】
1101は着脱可能な記録媒体を装着可能とするスロット(着脱部とも呼ぶ)である。1102は記録媒体105と同一の記録フォーマットで記録を行う着脱可能な記録媒体である。1103はスイッチであり、記録再生制御部104に対して、記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102のどちらのデータを出力するか、あるいはどちらのデータを入力するかを選択する。
【0149】
図では一つのスイッチのみ記載したが、入力用と出力用にそれぞれ異なるスイッチを用意することが考えられる。あるいは記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102夫々に対して記録再生制御部を用意するという構成が考えられる。
【0150】
図21は、このときの着脱可能な記録媒体1102の構成の一例を示す。1201は使用者がアクセスできない管理領域である。デジタルデータを暗号化してデータ記録領域1202に記録するための鍵データを管理領域に保存することで秘匿性を保つ。1202は使用者が所定の操作で内部のデータにアクセス可能なデータ記録領域である。
【0151】
1201には鍵データを記録する。1202には映像・音声データや静止画データなどのデータと共にデータ記録領域の各データに対応する鍵情報を判別するための情報再生用データを記録する。このような着脱可能な記録媒体1102には、コピー制御情報を一括して管理領域に記録しておくことも可能である。
【0152】
図24は、図21の記録媒体のデータ構成を別の表現で示したものである。この記録媒体は複数個コピーの管理(コピー個数制御、個数制御コピーとも呼ぶ)ができる記録媒体(セキュリティリムーバブルメディアとも呼ぶ)である。ユーザがアクセスできるノーマル領域と、ユーザがアクセスできない耐タンパ領域をひとつの記録媒体に併せ持つ。耐タンパ領域に格納される機密情報は、この記録媒体を扱うことのできる装置との認証処理により認証が確認できた場合にはアクセス可能となるようになっており、機密情報の管理ができるようになっている。図21の管理領域1201が耐タンパ領域に、データ記録領域1202がノーマル領域に対応する。
【0153】
図20で示した記録再生装置1100においては、着脱可能な記録媒体1102が例えば番組情報や図12で示した管理情報が不正に改竄される可能性のある、コピーの世代管理ができない記録媒体である場合、着脱可能な記録媒体1102には入力端子101から入力されたデジタルデータを記録する場合には、例えば制御部111はコピー制御情報処理部203にコピー世代管理情報をNo-more-copies、コピー可能個数情報を0として記録させるなどして、コピーの世代管理ができない記録媒体から更なるコピーが不可能となるようにする。
【0154】
また、本構成によれば記録媒体105に記録されたデジタルデータを着脱可能な記録媒体1102へ以下のようなコピーあるいはムーブが可能である。例えば記録媒体105に記録されているコピー可能個数情報(コピー許可個数情報)が正数であるデジタルデータを着脱可能な記録媒体1102へ記録する場合、記録再生制御部104の復号部209で復号し、コピー制御情報処理部203で例えばコピー世代管理情報をNo-more-copies、コピー可能個数情報を0回として、暗号部204で暗号化して着脱可能な記録媒体1102へと出力する。
【0155】
鍵データは制御部111がランダムな鍵を生成するために必要な情報を暗号部204に渡して暗号部204が生成し、記録制御部205が管理領域への書込み用のコマンドを使用することで管理領域1201に記録する。コピーの場合には記録媒体105に記録されたデジタルデータのコピー可能個数情報を1減らして更新し、ムーブの場合は記録媒体105に記録されたデジタルデータを削除する。
これにより、コピーの世代管理ができない記録媒体に対して著作権保護をより確実に行うことが可能である。
【0156】
一方で例えばコピー制御情報をユーザがアクセスできない管理領域内に記録、管理することにより図12で示した管理情報が不正に改竄される可能性がない着脱可能な記録媒体1102は、記録再生装置1100に内蔵した記録媒体105と同様に世代管理を行うことが可能とする。
【0157】
すなわち入力端子101から入力されたデジタルデータを、コピー世代管理情報をCopy-one-generation、コピー可能個数情報(コピー許可個数情報)を正数として記録する。このような構成とすることで、着脱可能な記録媒体1102に記録されているデジタルデータに対してもこれまでの実施例で示した処理によって使用者の使い勝手を向上する制御が可能である。
【0158】
また、この構成においては内蔵した記録媒体105に記録されたコピー世代管理情報をCopy-one-generation、コピー可能個数情報が正数であるデジタルデータを着脱可能な記録媒体1102へムーブする場合、コピー世代管理情報をCopy-one-generation、コピー可能個数情報を変更せずにデータの移動を行う。これにより着脱可能な記録媒体に対しても複数個のコピーを実行可能なままにデータを転送することが可能となり、使い勝手を向上することが可能である。
【0159】
また記録再生装置1100においては、スロット1101にはコピーの世代管理可能な記録媒体と管理不可能な記録媒体とのいずれもが装着可能である。よって制御部111が例えばあらかじめ定められた認証処理により管理領域1201が存在するかを確認することなどで、装着された着脱可能な記録媒体1102がいずれのものかを識別し記録時にコピー世代管理情報およびコピー可能個数情報の制御を分けて記録する。
【0160】
こうすることで使用者がコピーの世代管理可能な記録媒体と管理不可能な記録媒体の両方を使用した場合でも確実に著作権保護を行うことが可能である。
【0161】
例えば図22は、記録再生装置1100において、着脱可能な記録媒体1102に記録したデータの一覧を示す画面の一例である。図22(a)において1301は表示画面である。1302は記録媒体105の記録データ表示を選択するためのタブである。1303は着脱可能な記録媒体1102の記録データ表示を選択するためのタブである。使用者は所定の操作によって1302のタブと排他的に切り替える。
【0162】
1304は例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。1305には1302あるいは1303のいずれか指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で1304で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。例えば使用者が所定の操作により1304の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次1305に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを表示する。
【0163】
図22(b)において1306では1304でフォルダ名による分類を表示していた代わりに、コピー世代管理情報による分類を表示する。このとき1305には1306で指定したコピー世代管理情報に該当するデータを一覧表示する。例えば使用者が所定の操作によって1306の分類で「コピーフリー」を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-free であるデータのみを1305に表示し、「コピー1回可能」(コピー1世代可能でもよい)を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを1305に表示する。このときコピー世代管理情報がNo-more-copies でコピー可能個数が正数であるデータは「コピー1回可能」の分類で表示したり、コピー世代管理情報がCopy-one-generationで、かつコピー可能個数が0回であるデータは「コピー禁止」の分類で表示してもよい。また、表示に際しては各データのコピー可能個数情報をデータ名と合わせて表示してもよい。
【0164】
使用者はリモコンを用いた所定の操作、あるいは操作部110を用いた所定の操作によって制御部111は図22(a)で示したフォルダ構成の分類を用いた表示と図22(b)で示したコピー制御情報毎の分類を用いた表示とを切り替える。
【0165】
以上の処理によって着脱可能な記録媒体に対しても、複数のコピー制御情報が混在する場合のデジタルデータの表示を行うことで、コピー制御情報に対応したデジタルデータの把握が簡単に行え、使用者の使い勝手を良くすることが可能である。
【0166】
なお、1305に表示する一覧は勿論、図4において404で表したようなサムネイル表示でも同様の効果が得られる。
【0167】
使い勝手を向上させる一覧表示の異なる例として図26に示す方法がある。図26(a)および(b)において1301は表示画面である。1302は記録媒体105の記録データ表示を選択するためのタブである。1303は着脱可能な記録媒体1102の記録データ表示を選択するためのタブである。
【0168】
使用者は所定の操作によって1302のタブと排他的に切り替える。1304は例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。1305には1302あるいは1303のいずれか指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で1304で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。
【0169】
例えば使用者が所定の操作により1304の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次1305に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを表示する。1305に表示されている各番組の表示欄右側には残りコピー個数を合わせて表示している。0はコピー不可(異なる装置へのコンテントの移動はムーブのみ可能)であり、1以上であればコピー可能(異なる装置へのコピーとムーブが可能)であることを意味する。
【0170】
図25(a)ではタイトルが同一であるが内容が等価ではない番組を一覧表示させた場合を示す。番組4という番組が二つ並んでおり、一方はこの記録再生装置で記録した残りコピー可能個数が7のコンテント、他方は例えば一度他の機器にコピーを行い、再びこの記録再生装置にムーブをした結果、コピー可能個数0となったコンテントである。
【0171】
これらの番組は記録機器IDが等しく内容が等価な(録画機器IDが等しく、例えば番組情報、録画時間などが等しい)番組なので(b)に示すように統合して一つに見せることが可能である。(a)で示したコピー可能個数7とムーブした1を合計した個数8が右側に表記してある。このように統合することで不要に表示番組数を増やすことが無くなり、使用者の使い勝手を向上することが出来る。
【0172】
この例では二つのコンテントを統合したが、3つ以上の場合も同様である。この時、実際に記録されるデジタルデータは一つでも良いし、同一のデジタルデータが複数記録されていても効果は同様である。
【0173】
またコンテント(番組4)を一度他の機器にコピーした際に対象の機器が図12に示したような形式で録画機器IDを保持できない場合に、録画機器ID情報が失われたコンテント(番組4)をこの記録再生装置にムーブを行った場合、元のコンテントもムーブしたコンテントも番組4ではあるが内容が等価とは判断せず、(a)で示したように別々に表示を行うようにしても良い。
【0174】
本記録再生装置の構成においては“番組の内容が等価である”ことを次のように管理することが可能である。先にも述べたように、録画時に例えばランダムに生成した固定値を生成し上記デジタルデータに含めて記録を行う。例えば耐タンパ領域に番組毎に固有のIDを乱数などを用いたランダムな値として割り当てる。
【0175】
記録再生装置は記録機器IDが等しく、かつ番組固有のIDが等しい場合に番組の内容が等価であると判断すれば良い。コピーを行う場合には、耐タンパ領域の情報も合わせて送付するため、番組毎の録画機器IDと番組固有のIDはそのままコピー先の記録媒体においても継承される。
【0176】
あるいは番組固有のIDを耐タンパ領域に記録するのではなく、独自の暗号化処理を用いて図24に示すノーマル領域(図21に示すデータ記録領域)に情報を記録しても同様である。すなわち番組の内容が等価であることを録画機器IDとノーマル領域に記録した番組固有のIDによって判断をする。
【0177】
あるいは先に述べたように記録時間、番組のタイトル、番組識別番号、チャネル、放送日時、放送事業者名、放送地域といった番組固有の情報が一致することを適宜組み合わせて判断しても良い。
【0178】
以上から記録再生装置1100において次のような場合を考える、内蔵した記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102でそれぞれが耐タンパ領域を保持し、セキュリティが確保されている状況で、それぞれの記録媒体に内容が等価なコンテントAを保持し、記録媒体105にはコピー可能個数4のコンテントAがあり、記録媒体1102にはコピー可能個数3のコンテントAがある場合を考える。
【0179】
記録媒体105からコンテントAを2個、記録媒体1102へコピーする場合、実デジタルデータは既にそれぞれが同一なデータを保持しているため、それぞれのコピー可能個数情報だけを修正すれば良い。結果として記録媒体105のコンテントAはコピー可能個数2であり、記録媒体1102のコンテントAはコピー可能個数5となる。
【0180】
図27に上記説明を含む動作の流れを示す。S2701ではコピーするコンテントAと同一のコンテントが記録媒体1102に存在するかを確認し、存在すればS2702へ遷移し、存在しなければS2704へ遷移する。S2702では記録媒体105のコンテントAのコピー可能個数を2減らしてS2703へ遷移する。S2703では記録媒体1102のコンテントAのコピー可能個数を2増やして処理を終了する。
【0181】
ここまでが上記説明に該当する動作である。S2704では先ず記録媒体105のコンテントAのコピー可能個数を1減らしてS2705へ遷移する。S2705ではコンテントAのデータを記録媒体1102へコピーしてS2706へ遷移する。
【0182】
このとき例えば付随する鍵データなどのコンテントAの再生に必要な情報も記録媒体1102にコピー、あるいは作成する。S2706では記録媒体105のコンテントAのコピー可能個数を1減らしてS2707へ遷移する。
【0183】
S2707では記録媒体1102のコンテントAのコピー可能個数を1増やす。コンテントAのデータコピーとコピー可能個数の増減とのタイミングを別にしたのは、個数のみを変更する処理時間がごく短いのに対して、データのコピー処理は時間が掛かるため、例えばコピーの最中に電源が切られるなどの現象が起きてしまうことが考えられる。
【0184】
この場合に記録媒体105内で失うコピー可能個数を1に留める効果がある。記録媒体105から記録媒体1102へのコピー個数がN(N>2)である場合も同様に、S2704で記録媒体105のコピー可能個数を1減らしてデータのコピーを行い、S2706では記録媒体105のコピー可能個数を(N−1)個減らし、S2707で記録媒体1102のコピー可能個数を(N−1)個増やすことでコピー失敗時のリスクを軽減することが出来る。以上の手法により使用者はデータそのものをコピーする場合に比べて高速にデータをコピーすることができる。
【0185】
また、内蔵した記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102でそれぞれが耐タンパ領域を保持し、セキュリティが確保されている状況で、それぞれの記録媒体に内容が等価なコンテントBを保持し、記録媒体105にはコピー可能個数1のコンテントBがあり、記録媒体1102にはコピー可能個数3のコンテントBがある場合を考える。記録媒体105からコンテントBを2個、記録媒体1102へコピーする場合、実デジタルデータが同一なデータであるため、記録媒体1102のコンテントBはコピー可能個数情報だけを修正すれば良く、記録媒体1102のコンテントBはコピー可能個数5となる。そして、記録媒体105のコンテントBは実体を削除する。
【0186】
図28に上記説明を含む動作の流れを示す。S2801ではコピーするコンテントBと同一のコンテントが記録媒体1102に存在するかを確認し、存在すればS2802へ遷移し、存在しなければS2804へ遷移する。S2802では記録媒体105のコンテントBを削除してS2803へ遷移する。S2803では記録媒体1102のコンテントBのコピー可能個数を2増やして処理を終了する。ここまでが上記説明に該当する動作である。なお、記録媒体1102のコピー可能個数を2個増やした後に、記録媒体105のコンテントBを削除するようにしてもよい。
【0187】
S2804では先ず記録媒体105のコンテントBのコピー可能個数を1減らしてS2805へ遷移する。S2805ではコンテントBのデータを記録媒体1102へコピーしてS2806へ遷移する。この時例えば付随する鍵データなどのコンテントBの再生に必要な情報も記録媒体1102にコピー、あるいは作成する。
【0188】
S2806では記録媒体105のコンテントBを削除してS2807へ遷移する。S2807では記録媒体1102のコンテントBのコピー可能個数を1増やす。記録媒体105のコピー個数がN(N>2)であり記録媒体1102へのコピー個数がNである場合は、S2804で記録媒体105のコピー可能個数を1減らしてデータのコピーを行い、S2807で記録媒体1102のコピー可能個数を(N−1)個増やすことでコピー失敗時のリスクを軽減することが出来る。この手法により、データそのものは1回のコピーで済む為、データそのものをコピーの回数分コピーするのに比べて高速にデータを移動することができる。
【0189】
本例では着脱可能な記録媒体1102を例示したが、記録再生装置に内蔵の記録媒体が複数あるとした場合においても上述の実施内容および得られる効果は同様である。また複数の着脱可能な記録媒体の間でも実施内容および得られる効果は同様である。
【0190】
また、内蔵された記録媒体105は耐タンパ領域を所有して安全性を高めても良いし、規則再生装置1100でのみ利用可能となるように書き込むデータに専用の暗号化を施して記録することで安全性を高めても得られる効果は同様である。
【0191】
<受信装置(3)>
図23は記録再生装置1400の構成例を示すブロック図である。記録媒体105に記録されたコピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデジタルデータを出力する場合を考える。
【0192】
1401は制御検出部であり、デジタルデータのコピー制御情報を検出し、例えば出力時のコピー制御情報ステータスをNo-more-copiesとして出力する。1402はデジタルインタフェースでありデジタルデータを暗号化して出力する。1403は出力端子であり、例えば異なる記録再生装置やネットワークに接続される。
【0193】
本構成においては入力端子101から入力されたデジタルデータを出力端子1403に対してデコードを行い表示すると同時に、デジタルデータを異なる記録再生装置へストリーミング再生を行うことが可能である。
【0194】
その場合、制御部111は制御検出部1401において出力時のコピー制御情報をNo-more-copiesとして出力するよう制御する。あるいは、記録媒体105に記録したコピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデジタルデータを出力端子1403を介してムーブする場合には、制御部111は制御検出部1401においてコピー制御情報をCopy-one-generationとして出力するように制御する。
【0195】
出力端子1403の先には同じ構成を持った別の記録再生装置が接続しており、例えばネットワークを経由しhttpヘッダなどの情報送受信が可能な場合、お互いの機器認証が可能である。機器認証によって安全にコピー制御管理ができると判断した場合、記録再生装置1400において次の動作を実行可能である。
【0196】
内蔵した記録媒体105とネットワークにより接続された別の記録再生装置の所有する記録媒体のそれぞれが例えば耐タンパ領域を保持、かつネットワーク上を暗号化してデータの送受信ができ、セキュリティが確保されている状況で、それぞれが内容が等価なコンテントを保持し、記録媒体105にはコピー可能個数4であり別の記録再生装置の記録媒体にはコピー可能個数3である場合を考える。
【0197】
記録媒体105から2個、別の記録媒体へコピーする場合、実デジタルデータは既にそれぞれが同一なデータを保持しているため、それぞれのコピー可能個数情報だけを修正すれば良い。結果として記録媒体105の該当コンテントはコピー可能個数2であり、記録媒体1102の該当コンテントはコピー可能個数5となる。この手法により使用者はあたかも高速にデータをコピーするのと同じ効果が得られる。
【0198】
以上の実施例によって記録再生装置1400から出力方法の違いによって、コピー制御情報を使い分けて出力することで著作権保護に柔軟に対応可能である。
【0199】
図には未記載だが、例えば受信装置(1)〜(3)において、記録再生装置が入力端子および受信部を複数備えている場合、記録媒体への記録時に設定する録画機器IDは受信部に応じて値を変更しても良い。一つの記録再生装置であれば受信部が異なっていても録画機器IDは統一しても良い。
【符号の説明】
【0200】
10、100、1100、1200、1300…記録再生装置 101、109、201、202、207…入力端子 102…受信部 103…画像・音声信号処理部 104…記録再生制御部 105…記録媒体 106…表示制御部 107、206、210、1203、1302…出力端子 108…リモコンインタフェース 110…操作部 111…制御部 112…不揮発性メモリ 113…システムバス 203…コピー制御情報処理部 204…暗号部 205…記録制御部 208…再生制御部 209…復号部 1101…スロット 1102…着脱可能な記録媒体 1103…スイッチ 1401…制御検出部 1402…デジタルインタフェース
【技術分野】
【0001】
技術分野はデジタル情報を記録及び/又は再生する装置に関する。特に放送受信やネットワークからのコンテント配信に対応した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野について、特許文献1には、「著作権保護すべきデジタル情報の記録再生装置における記録媒体への記録制限を行える装置及び方法を提供する」ことを課題とし、その解決手段として「記録再生制御回路は、コピー制御情報が、(Copy One Generation)である場合には、情報とともに、予め定めたビットレートに情報を変換した変換デジタル情報と、前記コピー回数情報を前記記録媒体に記録し、コピー制御情報に従い、(Copy No More)でありながら、当該再生装置に接続された記録装置の記録媒体に前記デジタル情報あるいは前記変換デジタル情報を移動する場合は、可能回数を減じて前記コピー回数情報を更新し、前記デジタル情報信号あるいは前記変換デジタル情報と前記コピー制御情報および前記コピー回数情報を再度記録媒体に記録すると共に、前記デジタル情報信号あるいは前記変換デジタル情報を再生不能化する構成とした」ことが記載されている(特許文献1要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−114090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、デジタル放送が普及すると共に様々な記録メディアが流通しており、デジタルコンテントを視聴する形態も多種多様になってきている。このような環境下においては著作権保護の観点から、コピー制御情報を使用することによって複数の記録再生装置あるいは記録媒体間でのデータ送受信を制御することが考えられる。
【0005】
しかしコピー制御情報による制御は任意の機器間でコピー可能かどうかの判断が複雑になり、使用者の使い勝手を低下させる。特許文献1に示したデジタル情報記録再生方法では、コピー制御情報がCopy Once Generationであるデジタル情報のコピー可能回数を管理して、かつコピー可能回数の情報を使用者に表示することで使い勝手を向上している。
【0006】
しかし、特許文献1に示したデジタル情報記録再生装置では、デジタル情報の記録やコピーを繰り返した結果、或る記録媒体にコピー制御情報及び/又はコピー可能回数が異なる複数のデジタルデータが格納された場合までは想定されず、その制御方法についてまで記載がない。
【0007】
この場合、例えば同じ内容のデジタルデータが複数あった場合に、まだコピーできる方のデジタルデータの方を消去してしまい、そのデジタルデータについてはそれ以上のコピーができない方のデジタルデータしか残らなくなってしまうなどの不都合を生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一実施の態様は、記録媒体に対して、コピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含むコピー制御情報を含むデジタル情報の書込みとデータの読み出しを行う記録再生部を設け、コピー世代管理情報が一世代のみ記録を許すことを示す情報である場合、記録媒体にデジタル情報と共にコピー可能個数情報を記録し、記録媒体に記録したデジタル情報の一覧を表示するときにコピー制御情報によって分類して表示を行わせる制御部とを有する構成とした。
【0009】
また例えば、第一の記録媒体にコピー世代管理情報とコピー可能個数情報が異なり且つ内容が等価な複数のデジタル情報を蓄積し、コピー可能個数が複数個であるデジタル情報を当該第一の記録媒体から当該第一の記録媒体とは異なる第二の記録媒体にコピーするときに、第二の記録媒体に内容が等価なデジタル情報が存在することをユーザに通知させる。
【発明の効果】
【0010】
上記手段によれば、ユーザにとっての使い勝手を向上させることができる。具体的には、例えば一つの記録媒体に含まれる映像・音声データの内容が等価(記録を実行した装置もしくは受信部が同一で、かつ例えば番組のタイトルや録画時間などの情報が一致)で、コピー制御情報及び/又はコピー可能個数情報が異なるデジタル情報を、管理、表示、通知などすることができ、使い勝手を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の例である。
【図4】コンテント利用記述子の各フィールドへ記述例である。
【図5】コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の例である。
【図6】コピー世代を制御する情報の例である。
【図7】送信装置から送出されたコンテント利用記述子の各フィールドの受信装置における受信処理の例である。
【図8】送信装置が、コピー制御情報を利用することによる番組コンテントの保護の運用例である。
【図9】受信装置が、コピー制御情報を利用して番組コンテントを蓄積(記録)する場合における制御の例である。
【図10】記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】記録再生制御部の構成例を示すブロック図である。
【図12】コピー制御情報を管理するテーブル例を示す模式図である。
【図13(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図13(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図14】コピー制御の処理例を示すフローチャートである。
【図15】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図16】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図17】コピー予約情報記録の処理例を示すフローチャートである。
【図18】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【図19】コピー制御の処理例を示すフローチャートである。
【図20】記録再生装置の別の構成例を示すブロック図である。
【図21】着脱可能な記録媒体の情報の構成例を示す模式図である。
【図22(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図22(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図23】記録再生装置の別の構成例を示すブロック図である。
【図24】着脱可能な記録媒体の情報の構成例を示す別の模式図である。
【図25(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図25(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図26(a)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図26(b)】表示画面の一例を示す模式図である。
【図27】コンテントのコピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】コンテントの移動処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】コピー制御の処理例を示すフローチャートである。
【図30】メッセージ表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に好適な実施形態の例(実施例)を説明する。但し、本発明は本実施例に限定されない。本実施例は、主には一世代のコピーを許された情報の扱いに関するものである。
【0013】
<システム>
図1は、本実施例のシステムの構成例を示すブロック図である。放送で情報を送受信して記録再生する場合を例示している。ただし放送に限定されず通信によるVOD(Video On Demand)であってもよく、総称して配信ともいう。
【0014】
1は放送局などの情報提供局に設置される送信装置、2は中継局や放送用衛星などに設置される中継装置、ユーザの宅内などに設置される3は受信装置、10は受信装置3に内蔵される受信記録再生部である。受信記録再生部10では、放送された情報を記録し、再生することができる。
【0015】
送信装置1は、中継装置2を介して、変調された信号電波を伝送する。例えばケーブルによる伝送、電話線による伝送、地上波放送による伝送などを用いることもできる。受信装置3で受信されたこの信号電波は、後に述べるように、復調されて情報信号となった後、必要に応じ記録するために適した信号となって記録される。また、ユーザは、受信装置3にディスプレイが内蔵されている場合はこのディスプレイで、内蔵されていない場合には受信装置3と図示しないディスプレイとを接続して情報信号が示す映像音声を視聴することができる。
【0016】
<送信装置>
図2は、図1のシステムのうち、送信装置1の構成例を示すブロック図である。
【0017】
11はソース発生部、12はMPEG方式等で圧縮を行うエンコード部、13はスクランブル部、14は変調部、15は送信アンテナ、16は管理情報付与部である。カメラ、記録再生装置などから成るソース発生部11で発生した映像音声などの情報は、より少ない占有帯域で伝送できるよう、エンコード部12でデータ量の圧縮が施される。必要に応じてスクランブル部13で、特定の視聴者には視聴可能となるように伝送暗号化される。変調部14で伝送するために適した信号となるよう変調された後、送信アンテナ15から、中継装置2に向けて電波として送信される。このとき、管理情報付与部16では、コピーを制御するための情報であるコピー制御情報や現在時刻等の情報を付加する。
【0018】
なお、一つの電波には複数の情報が、時分割、スペクトル拡散などの方法で多重されることが多い。簡単のため図2には記していないが、この場合、ソース発生部11とエンコード部12の系統が複数個あり、エンコード部12とスクランブル部13との間に、複数の情報を多重するマルチプレクス部(多重化部)が置かれる。
【0019】
<コピー制御情報>
コピー制御情報は、コピーの可否や回数などの制限を制御する情報であり、例えば管理情報付与部16で付加される。コンテント利用記述子とデジタルコピー制御記述子などを含む。
【0020】
図8は、コピー制御情報を利用することによる番組コンテントの保護に関する運用の例を示す。
【0021】
「運用可」とは、それぞれのサービス形態に対応したコンテントに対して、デジタルコピー制御情報を用いた世代制限として送信側が選択できることを示す。例えば、「ペイパービュー(pay-per-view)」であれば、どのデジタルコピー制御情報を用いてもよいことを示しており、一方で「月極め等有料放送」であれば「コピー禁止」を送信側が選択できないことを示す。
【0022】
「フラット/ティア」とは、有料放送などで複数チャンネルをまとめて契約することをフラット契約と呼び、チャンネル毎に契約することをティア契約と呼ぶ。
【0023】
「上記以外」には、例えば「有料放送ではなく、コンテント保護を伴わない番組の場合」が含まれる。
【0024】
図3は、コピー制御情報の一つであるコンテント利用記述子の構造の一例を示す。コンテント利用記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(Program Specific Information)(一例としてPMT(Program Map Table)など)或いはSI(Service Information)に格納されて送出される情報である。
【0025】
コンテント利用記述子の用途は、当該番組に対して、蓄積(記録)や出力に関する制御情報を記述する場合に配置(送出)されるものである。その意味は、digital_recording_control_mode(デジタルコピーモードビット)の1ビットのフィールドが「1」の場合、図5で説明するデジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが「一世代のコピー可」であっても「個数制限コピー可」として記録可能であることを示す。「0」の場合、「個数制限コピー可」として記録することはできない。
【0026】
なお、コンテント利用記述子は、当該番組が出力保護の対象である場合に必ず配置(送出)する。この出力保護とは、コンテント利用記述子の出力保護ビット(encryption_mode)を用いて、「制約条件なしにコピー可」のコンテントの高速デジタルインタフェース出力に対して、保護を実施することを意味する。別の言い方をすれば、デジタルインタフェースでの出力や記録媒体へのコピーの際に暗号化するものの、コピーの回数や世代には制限をかけない。インターネットへの再送信は事実上不可能となる。「出力保護付きコピー・フリー」や、EPN(encryption plus non-assertion)とも呼ぶ。
【0027】
また、当該番組のデジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合に必ず配置(送出)する。
【0028】
図4は、コンテント利用記述子の各フィールドの記述内容の一例を示す。
【0029】
「descriptor_tag」にはコンテント利用記述子を意味する“0xDE”を記述する。「descriptor_length」には、コンテント利用記述子の記述子長を記述する。「digital_recording_control_mode」には、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象でない場合は’0’を記述する。デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」であり、且つ、「個数制限コピー可」の対象である場合は‘1’を記述する。
【0030】
「encryption_mode」には、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」であり、且つ、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施する場合は’0’を記述する。
【0031】
「retention_mode」は一時蓄積制御ビットを意味し、デジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)が「コピー禁止」であっても一時蓄積が可能であることを表す“0”を記述する。「retention_state」は一時蓄積許容時間を意味し、1時間30分の蓄積が可能なことを表す”111”を記述する。なお、「image_constraint_token」、「retention_state」、「encryption_mode」はデフォルトの状態では「1」である。
【0032】
各フィールドについては、受信側の処理として、図7でも後述する。
【0033】
図5は、コピー制御情報の一つであるデジタルコピー制御記述子の構造の一例を示す。デジタルコピー制御記述子は、例えば管理情報付与部16で生成、付加され、MPEG-TSのPSI(一例としてPMTなど)或いはSIに格納されて送出される情報である。
【0034】
デジタルコピー制御記述子は、「digital_recording_control_data」(デジタルコピー制御情報)の2ビットのフィールドにより、コピー世代を制御する情報を表す。
【0035】
図6は、デジタルコピー制御情報の例を示す。デジタルコピー制御情報が、「00」の場合には制約条件なしにコピー可を示し、「01」の場合には放送事業者の定義によることを示し、「10」の場合には一世代のコピー可であることを示し、「11」の場合にはコピー禁止であることを示す。なお、一世代のコピー可とは、受信した放送信号を記録(一世代目のコピー)できるが、記録した後には放送信号を複製(コピー)できないことを意味する。
【0036】
図3と図4のコンテント利用記述子をコピー個数制限情報、図5と図6のデジタルコピー制御情報をコピー世代制限情報とも呼ぶ。
【0037】
送信装置1から送出された、図3〜6で説明したコピー制御情報に関係する受信装置3の処理の詳細例を説明する。
【0038】
図7は、受信装置3における、コンテント利用記述子の各フィールドに対する処理の一例を示す。
【0039】
「descriptor_tag」が“0xDE”だと、当該記述子がコンテント利用記述子であると判断する。「descriptor_length」により、コンテント利用記述子の記述子長であると判断する。「digital_recording_control_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象であると判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「一世代のコピー可」の場合、「個数制限コピー可」の対象でないと判断する。「image_constraint_token」については、いかなる値が入っていても映像信号出力の解像度の制限を行わないと判断する。「retention_mode」については、いかなる値が入っていても一時蓄積が可能であると判断する。「retention_state」については、いかなる値が入っていても一時蓄積許容時間が1時間30分であると判断する。「encryption_mode」が’1’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施しないと判断する。’0’だと、デジタルコピー制御情報が「制約条件なしにコピー可」の場合、高速デジタルインタフェース出力に保護を実施すると判断する。
【0040】
なお、何らかの理由でコンテント利用記述子が配置(送出)されない場合、各フィールドが以下の値であると解釈するとよい。digital_recording_control_mode =‘1’、image_constraint_token =‘1’、retention_mode =‘0’、retention_state =‘111’、encryption_mode =‘1’。
【0041】
図9は、受信装置3が、コピー制御情報を利用して番組コンテントを蓄積(記録)する制御の例を示す。
【0042】
図9が示している内容は例えば、番組コンテントを蓄積するときに、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、記録媒体上のコピー制御情報を「再コピー禁止」として蓄積する。但し、digital_recording_control_modeが’1’の場合は、「個数制限コピー可」として蓄積する。なお、「再コピー禁止」で蓄積を行う場合にも、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataの値は変更しなくてよい。
【0043】
また、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の場合、複数のコピーを生成してはならない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへの蓄積は除外する。また、上記制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。
【0044】
個数制限コピー可について、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテントからは、N個のコピーを生成することができる。Nの値は、例えば規格に準拠することでよい。高速デジタルインタフェース出力を経由してコピーを生成する場合は、ムーブ機能を用いる等によって、生成するコピーの数が確定できる場合にはコピーを行ってよい。例えば、インタフェースがIEEE1394で、出力先がDTCP規格に対応した装置であることを認識できた場合である。なお、生成したコピーは、「再コピー禁止」またはそれと同等の状態とする。
【0045】
また、「個数制限コピー可」として蓄積されている番組コンテントを再生して出力する場合、高速デジタルインタフェースでは、DTCP(Digital Transmission Content Protection)に規定されているNo More Copiesの処理を行って出力する。アナログ映像出力およびデジタル音声出力については、「一世代のコピー可」として出力することができる。
【0046】
記録媒体がリムーバブル記録媒体である場合には、図9に加えて別の制限がある。番組コンテントのリムーバブル記録媒体へのデジタル記録については、TV、データサービスのデジタル記録、或いは音声サービスのデジタル記録において、デジタルコピー制御記述子のdigital_recording_control_dataが’10’で「一世代のコピー可」の番組コンテントを受信して記録するときは、受信したコンテントについて一世代目であっても3つ以上ののコピーは許さない(例えば、放送を受信して記録するときに同時に3つ以上の記録媒体には記録させない)。この値(3つ以上を例示)は例えば規格に準拠することでよい。また、記録フォーマットが同一の一世代のコピーは複数生成させない。但し、バックアップ目的でユーザがアクセスできないエリアへのデジタル記録は除外する。また、デジタル記録媒体への記録制限は、放送の受信部毎に課せられるものとし、放送の受信部が複数ある場合は、ひとつの放送の受信部毎に上記制限が課せられるものとする。受信装置がdigital_recording_control_modeに対応していない記録方式を搭載する場合は、デジタルコピー制御記述子のcopy_control_typeが’01’で、digital_recording_control_dataが’10’の番組コンテントについて、コンテント利用記述子のdigital_recording_control_modeの値にかかわらず「一世代のコピー可」の扱いでデジタル記録する。
【0047】
また、コピー制御情報並びにコピー個数情報は受信装置の情報(記録機器IDと表記する)と合せて管理される。例えばある受信機Aを使用して記録媒体に記録した場合と受信装置Aと同じ性能を有する受信装置Bを使用して記録した場合とはコンテントの映像・音声データなどが全く同一であっても記録機器IDが異なりコピー制御の観点では別のコンテントと解釈する。
【0048】
受信装置Cが複数の受信部を保有している場合、いずれの受信部で記録してもコンテントの記録機器IDは同一としても良い。
【0049】
また記録機器IDというのは、必ずしも受信装置に特化しなくとも良い。たとえば受信装置Dが複数の受信部を持っている場合に、記録時に使用する受信部毎に異なる記録機器IDを割り当てても良い。
【0050】
<受信装置(1)>
図10は、受信装置3内の記録再生装置10の例として、記録再生装置100の構成例を示す。なお、本実施例では記録及び再生のうちどちらか一方のみの機能を有する装置であってもよい。
【0051】
101は入力端子であり中継装置2からの電波などのデジタルデータを受信する。102は受信部であり、入力端子101から受信したデジタルデータを周波数変換、変調操作、誤り訂正など、受信したデジタルデータに応じた処理を適宜行い、多重化された1トランスポンダ内のビットストリームを映像や音声などのパケットに分離化する。
【0052】
103は映像・音声情報処理部であり、映像データと音声データをデコードする。104は記録媒体への記録あるいは再生を制御する記録再生制御部であり、このモジュールのさらに詳細な内部構成の一例を図11に示す。
【0053】
105は例えばハードディスクドライブなどのデジタルデータを記録する記録媒体である。106は映像・音声データや各種アプリケーション用インタフェース(IF)の表示データから出力データを生成する表示制御部である。例えば映像音声処理部103で処理された映像データを必要に応じてスケーリングを行い、その映像データに例えば操作用のインタフェースや静止画像といった記録再生装置100が独自に用意する画像データを重ね合わせて表示画像を生成する。
【0054】
107は出力端子であり、生成されたデータを例えば表示用液晶パネルなどの表示デバイスに転送する。108は使用者がリモコンを用いて操作を行うときのリモコンIFである。109は入力端子でありリモコンからの信号を受信する受光部である。
【0055】
110は例えば録画や再生などの操作を行うボタン群を配し、使用者が直接ボタンを操作することで記録再生装置100の制御を行うための操作部である。111は記録再生装置100の動作を制御する制御部であり、例えばCPUで構成される。112は情報を記録するための不揮発性メモリである。113は制御部111と接続された各ブロック間でデータ通信を行うシステムバスである。
【0056】
図11は記録再生制御部104の構成例を示す。
【0057】
201は入出力端子であり、システムバス113に接続し制御信号を伝送する。202は入力端子であり記録媒体に記録する映像データならびに音声データを含むデジタルデータを入力とする。203はコピー制御情報処理部であり、デジタルデータに含まれるコピー制御情報を解析し必要に応じて更新を行う。204は暗号部であり、例えば制御部111により伝送される鍵情報を用いるなどして、入力されたデジタルデータを暗号化する。205は記録制御部であり、記録媒体に記録する為のコマンドを発行し、デジタルデータの転送などの処理を行う。206は出力端子であり、記録媒体に接続される。207は入力端子であり記録媒体から再生するデジタルデータを入力する。208は再生制御部であり、記録媒体へコマンドを発行し所望のデジタルデータを再生する。209は復号部であり、読み出した暗号化されたデジタルデータを例えば制御部111より伝送される鍵情報を用いるなどして復号する。210は出力端子であり復号したデジタルデータを出力する。211はシステムバスであり、制御部と接続された各ブロック間でデータ通信を行う。
【0058】
コピー制御情報処理部203で処理するコピー制御情報は、例えばコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、コピー世代管理情報は例えば下記のような2ビットの信号で
11 コピー禁止(Copy-never)
01 録画後は再コピー不可能(No-more-copies)
10 一世代のみの記録が可能(Copy-one-generation)
00 コピー可能(Copy-free)
といった指定が考えられる。コピー可能個数情報は0以上の整数で指定し、何個コピー可能かを指定することが考えられる。
【0059】
記録媒体105にデジタルデータを蓄積するときには、制御部112は例えばデジタルデータに含まれるデジタルコピー制御記述子とコンテント利用記述子に基づいて制御を行う。
【0060】
デジタルコピー制御記述子は例えばコピー制御タイプとデジタル記録制御データからなり、コンテント利用記述子は例えば暗号化モードとデジタル記録制御モードからなる信号で表される。制御部112はこれらの記述子の値に応じて、コピー制御情報処理部203に蓄積するデジタルデータのコピー制御情報の更新を指示し、暗号部204に暗号化する/しないを指示する。
【0061】
図12は記録媒体105に保持するコピー制御情報記録領域301を示す一実施例である。302にはデジタルデータの一つの纏まりを示す番組IDを示す。纏まりの単位は例えば放送される番組の始めから終わりまでや、同一番組におけるコピー制御情報が同一である範囲である。
【0062】
303はその番組およびコピー制御情報が記録された日時を示す。304では該当データが記録媒体105のどこに記録されているかを表すアドレス情報を示す。305は該当デジタルデータのコピー世代管理情報を示す。306は該当デジタルデータのコピー可能個数情報を示す。307は録画を実行した機器のIDを示す。
【0063】
この録画機器IDとは例えば記録再生装置毎に固有の値をあらかじめ工場などで不揮発性メモリ112などに記録しておき、録画を実行する際に記録されている番号を録画機器IDとして記録する。よって例えば一つの記録再生装置で記録を行えば全て同一の値が記録され、他の記録再生装置からコピー/ムーブした番組には該記録装置で記録した番組の録画機器IDの値と異なる値が保持されている。
【0064】
例えば本記録再生装置において記録再生制御部104に出力端子を接続したり、記録再生制御部と出力端子をもう一組用意したりするなどして、一度記録媒体105に記録したデジタルデータを出力するときには、制御部111はデジタルデータに含まれるコピー制御情報と出力のインタフェースに応じて、適宜コピーするデジタルデータのコピー制御情報の更新を行い、コピー制御情報処理部203に出力するデータのコピー制御情報を更新するよう指示し、復号部209に復号化する/しないを指示する。
【0065】
例えば記録媒体105にコピー世代管理情報がNo-more-copiesでコピー可能個数情報が8であるデジタルデータを別の記録媒体にコピーする場合、コピーが成功したかに関わらず元のデジタルデータのコピー世代管理情報はNo-more-copies、コピー可能個数情報を7に更新する。
【0066】
異なる記録媒体へコピーするデジタルデータのコピー制御情報の書き換えは、出力インタフェースに依存する。例えばBlu−rayディスクや半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどのランダムアクセスが可能なリムーバブル記録媒体に出力するのであればNo-more-copiesとして出力し、例えば高速デジタルインタフェース出力であればコピー世代管理情報をNo-more-copiesとして出力し、例えばアナログ映像出力であればコピー世代管理情報をCopy-one-generationとするなどである。
【0067】
以上のような構成を持つ記録再生装置100において、異なる記録再生装置と相互にデジタルデータのコピー/ムーブが可能な場合を考える。異なる記録再生装置でも図12に示した番組情報管理ができるものとする。
【0068】
記録再生装置100から別の記録再生装置へコピー世代管理情報をNo-more-copiesとしてコピーしたのち、同じ番組を別の記録再生装置から世代管理情報をNo-more-copiesとして記録再生装置100にムーブすることが可能である。この時記録再生装置100ではコピー制御情報がCopy-one-generationであるデジタルデータと、コピー制御情報がNo-more-copiesで内容が等価なデジタルデータが記録媒体105に蓄積されることがある。
【0069】
なお、内容が等価な番組とは、同一の記録再生装置で記録した(すなわち記録機器IDが等しい)番組であり、録画時に例えばランダムに生成した固定値を生成し上記デジタルデータに含めて記録を行い、内容が等価かどうかを判断する際には比較対象の番組の記録機器IDと上記ランダムに生成した固定値を比較する。
【0070】
上記ランダムに生成する固定値のデータサイズは偶然同一となることが確率的に極めて低くなるようなサイズとする。またこの判断に利用する値は例えば暗号化して記録するなどの方法で使用者の不正な改竄を防ぐ必要がある。
【0071】
別の例としては同一の記録再生装置で記録した(すなわち記録機器IDが等しい)番組であり、かつ記録時間、番組のタイトル、番組識別番号、チャネル、放送日時、放送事業者名、放送地域などが一致しているかどうかを適宜組み合わせて判断しても良い。
【0072】
番組のタイトルについては、例えば”Event Information Table(イベント情報テーブル,EIT)”に含まれる” Carousel compatible composite descriptor (カルーセル互換複合記述子)”に含まれるTitle記述子の文字列の値を記録し、評価に使用する。
【0073】
番組識別番号については、例えば”Network Information Table(ネットワーク情報テーブル,NIT)”や、”Service Description Table(サービス記述テーブル,SDT)”、EITなどに含まれるtransport_stream_idの値を記録し、評価に使用する。
【0074】
チャンネルについては、例えばSDTに含まれる”Service descriptor(サービス記述子)”に含まれる事業者名やサービス名の文字列の値を記録し、評価に使用する。
【0075】
放送日時については、例えば”Time and Date Table(時刻日付テーブル,TDT)”や”Time Offset Table(時刻日付オフセットテーブル,TOT)”に含まれるJST_timeの値を記録し、評価に使用する。
【0076】
放送事業社名は、例えばSDTに含まれる”Service descriptor(サービス記述子)”に含まれる事業者名の文字列の値を記録し、評価に使用する。
【0077】
放送地域は、例えばPMTに含まれる”Target region descriptor(対象地域記述子)”に含まれる地域指定子の値やNITに含まれる”Terrestrial delivery system descriptor(地上分配システム記述子)”に含まれるarea_code(エリアコード)の値を記録し、評価に使用する。
【0078】
なお、番組の長さ(放送時間)や、番組の内容(映像音声データ)の解析結果なども等価であるか否かの判断要素に加えてもよい。例えば番組の長さは記録を終了した時刻から開始した時刻を引いて計算で求める。
【0079】
このように内容が等価であることを、番組の内容が重複しているとも表現する。
【0080】
図13には記録媒体中に記録されたデジタルデータの一覧をコピー制御情報毎に分類して表示する一例を示す。
【0081】
図13(a)において、401は表示制御部106で生成され、出力端子107から出力される表示画面である。402では記録されたデータの一覧を表示させたい記録媒体の名称を表示する。403では例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。
【0082】
404には、402で指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で、403で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。例えば、使用者が所定の操作により403の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次404に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを404に表示する。
【0083】
図13(b)において405では、403でフォルダ名による分類を表示していた代わりに、コピー世代管理情報による分類を表示する。このとき404には405で指定したコピー世代管理情報に該当するデータを一覧表示する。
【0084】
例えば使用者が所定の操作によって405の分類で「コピーフリー」を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-free であるデータのみを404に表示し、「コピー1回可能」(コピー1世代可能でもよい)を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを404に表示する。このときコピー世代管理情報がNo-more-copies でコピー可能個数が正数であるデータは「コピー1回可能」の分類で表示したり、コピー世代管理情報がCopy-one-generationで、かつコピー可能個数が0回であるデータは「コピー禁止」の分類で表示してもよい。また、表示に際しては各データのコピー可能個数情報をデータ名と合わせて表示してもよい。
【0085】
使用者はリモコンを用いた所定の操作、あるいは操作部110を用いた所定の操作によって制御部111は図13(a)で示したフォルダ構成の分類を用いた表示と図13(b)で示したコピー制御情報毎の分類を用いた表示とを切り替える。
【0086】
以上のように複数のコピー制御情報が混在する場合のデジタルデータの表示を行うことで、コピー制御情報に対応したデジタルデータの把握が簡単に行え、使用者の使い勝手を良くすることが可能である。
【0087】
以上の実施例についてアナログデータとしてコピーが可能かどうかを判定する処理によっても同様の効果が得られる。例えば図13(b)に示したコピー制御情報の分類について「アナログコピー可能」「アナログコピー不可能」という区分を405に設けて各ステータスに該当する番組を304の領域に一覧表示を行う。あるいは使用者が所定の操作によって分類表示を切り替えてアナログコピーに関するコピー制御情報のみに特化した一覧表示としてもよい。
【0088】
使い勝手を向上させる一覧表示の異なる例として、図25に示す方法がある。図25(a)および(b)において、401は表示制御部106で生成され、出力端子107から出力される表示画面である。402では記録されたデータの一覧を表示させたい記録媒体の名称を表示する。
【0089】
403では例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。404には402で指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で、403で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。
【0090】
例えば使用者が所定の操作により403の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次404に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを404に表示する。404に表示されている各番組の表示欄右上には残りコピー個数を合わせて表示している。0はコピー不可(異なる装置へのコンテントの移動はムーブのみ可能)であり、1以上であればコピー可能(異なる装置へのコピーとムーブが可能)であることを意味する。
【0091】
図25(a)ではタイトルが同一であるが内容が等価ではない番組を一覧表示させた場合を示す。番組1という番組が二つ並んでおり、一方はこの記録再生装置で記録した残りコピー可能個数が7のコンテント、他方は例えば一度他の機器にコピーを行い、再びこの記録再生装置にムーブをした結果、コピー可能個数0となったコンテントである。
これらの番組は記録機器IDが等しく内容が等価な(録画機器IDが等しく、例えば番組情報、録画時間などが等しい)番組なので図25(b)に示すように統合して一つに見せることが可能である。
【0092】
そして、図25(a)で示したコピー可能個数7とムーブした1を合計した個数8が右上に表記してある。このように統合することで不要に表示番組数を増やすことが無くなり、使用者の使い勝手を向上することが出来る。この例では二つのコンテントを統合したが、3つ以上のコンテントを統合する場合も同様である。
【0093】
またコンテント(番組1)を一度他の機器にコピーした際に対象の機器が図12に示したような形式で録画機器IDを保持できない場合に、録画機器ID情報が失われたコンテント(番組1)をこの記録再生装置にムーブを行った場合、元のコンテントもムーブしたコンテントも番組1ではあるが内容が等価とは判断せず、図25(a)で示したように別々に表示を行うようにしても良い。
【0094】
次に、記録媒体105に内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在するときにデータのコピーをする場合を考える。
【0095】
図29は、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータをコピーする動作の一例を示すフローチャートである。フローチャートの処理の主体は基本的に制御部111である。
【0096】
S2901では、コピーするデータが選択(指定)され、S2902へ進む。S2902では、制御部111がコピーするよう指定されたデータと等価な内容のデータを検索する。等価な内容のデータが存在する場合、S2907へ、等価な内容のデータが存在しない場合S2904へ進む。
【0097】
S2904では、指定されたデータがコピーが可能かどうかを、指定されたデータのコピー可能個数情報によって判定する。コピーが可能な場合、すなわち、コピー可能個数情報が0でない場合、S2906で指定されたデータをコピーする。コピーが不可能な場合、すなわちコピー可能個数情報が0である場合、S2905でコピーができない旨や、記録媒体2へ転送すると記録媒体1からは指定されたデータが消去される旨(すなわち、ムーブは可能である旨)等のメッセージを表示する。なお、このメッセージを表示する場合に、コピーではなくムーブを行う選択を可能としてもよい。
【0098】
S2907では、指定されたデータ、及び検索されたデータのコピー世代管理情報およびコピー可能個数情報を取得してS2908へ進む。S2908では、指定されたデータ及び検索されたデータ全てのコピー可能個数情報が0であるか否かを判定し、全てのデータのコピーが不可能な場合、すなわち全てのデータのコピー可能個数情報が0である場合、S2911でコピーができない旨のメッセージや、記録媒体2へ転送すると記録媒体1からは指定されたデータが消去される旨のメッセージ(すなわち、ムーブは可能である旨のメッセージ)、どのデータをムーブするかの選択を求めるメッセージ等を表示する。
【0099】
なお、S2908において、同じ内容のデータが複数個あり、いずれのデータのコピー可能個数が0であったとしても、それぞれのデータはムーブが可能である。例えば、コピー可能個数が0のデータが3つあった場合、そのうち2つをムーブしても1つのデータは残るため、実質的にコピー可能個数は2であるともいえる。この場合、S2908においてコピー可能個数が0でないと判断し、S2909へ進むようにしてもよい。
【0100】
S2909では、例えば図30に示すように、表示画面(3001)に同一内容のデータが複数ある旨、コピーするデータを選択する旨のメッセージ(3002)を表示し、それぞれのデータについてコピー可能回数を付した選択欄(3003、3004)を設けても良い。図30では3003が選択されている状態の例を示している。また、コピー可能回数が0回のデータはムーブとなる旨の注意を表示するようにしても良い。また、コピーを中止する選択欄を合わせて設けても良い。その場合ユーザがコピー中止を選択するとS2909からS2910へは進まず処理を終了するようにして良い。
【0101】
また、同一内容のデータであっても、圧縮形式やビットレート、フレームレートが異なるデータであった場合、選択欄(3003、3004)に各データの圧縮形式やビットレート、フレームレート等を表示するようにしてもよい。
【0102】
S2910では、S2909で選択されたデータをコピーする。
【0103】
なお、S2909でユーザがコピーするデータを選択する表示を行わず、S2910に進み、制御部111が複数のデータのうちいずれか1つのデータをコピーするように構成しても良い。例えば、コピー可能回数が少ないデータを優先的にコピーするようにしても良い。この構成により、ユーザが複数のデータから選択する手間が省けるという効果がある。
【0104】
特に、同じ内容で圧縮形式やビットレート、フレームレート等も同じ複数のデータが存在した場合にS2909を省略するようにすると、いずれを選択してもコピーされるデータは同じになるため、ユーザが選択する手間が省けるという効果がより顕著になる。
【0105】
図29の処理を行うことで、同じ内容の複数のデータが1つの記録媒体に記録されている場合の当該データのコピーについて、ユーザは複数のデータそれぞれについてのコピー回数を把握することや、その内容のデータについてのコピー可能回数の総数を把握することが可能となり、ユーザにとっての使い勝手が良くなるという効果がある。
【0106】
また、図29ではコピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを例に説明したが、S2901でコピー世代管理情報がCopy-one-generationではないデータ、すなわちコピー世代管理情報がNo-more-copiesのデータや、コピー禁止のデータ等を選択した場合であっても、図29の処理を行うことで、同様の効果が得られる。
【0107】
図14は、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータをコピーする動作の他の一例を示すフローチャートである。フローチャートの処理の主体は基本的に制御部111である。
【0108】
使用者がコピーするデータを選択するとS501では制御部111は選択されたデータのコピー制御情報を取得しS502へ進む。S502ではコピーが可能かどうかをコピー可能個数情報によって判定する。
【0109】
コピー可能個数情報が0であればS503へ進み、0でなければS504へ進む。S503ではコピーできない旨のメッセージを表示して処理を終了する。S504では制御部111がコピーするよう指定されたデータと等価な内容のデータを検索する。検索に用いる情報には例えば番組名や録画時間などがある。
【0110】
S505は前記検索の結果等価な内容の番組がある場合S507へ進み、無い場合にはS506へ進む。S506では指定されたデータを所定の方法でコピーして処理を終了する。
【0111】
S507では検索されたデータのコピー世代管理情報およびコピー可能個数情報を取得してS508へ進む。S508ではコピー世代管理情報がNo-more-copiesかを判定し、そうであればS511へ進み、そうでなければS509へ進む。S509では検索したデータのコピー世代管理情報がCopy-one-generationであり、かつコピー可能個数情報が使用者が指定したデータよりも少ないかどうかを確認する。
【0112】
少なければS511へ進み、多ければS510へ進む。S510ではS506と同様に使用者が指定したデータをコピーして処理を終了する。S511では使用者に異なるコピー制御情報を持つデジタルデータが存在することを通知して処理を終了する。
【0113】
またこのとき自動的に該当するデータをコピー・ムーブを行い、使用者が指定したデータはそのまま記録媒体105に蓄積したままとしてもよい。またS505の検索によって該当するデータが複数或る場合には、S507からS509の処理をS511に到達するまでループしてもよい。
【0114】
図14の処理を行うことで、図29で説明した効果に加え、同一内容の複数のデータのうち、コピー可能回数が少ないデータからコピーを行うことができるという効果がある。
【0115】
図15はS511にて表示するメッセージの一例を示した模式図である。501は表示画面である。502は表示するメッセージである。503は使用者がメッセージを了解したことを確認するためのボタンであり、例えばリモコンの決定キーを押下する等の所定の操作を行うことで元のアプリケーションに戻す。
【0116】
上記の制御により内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在する場合において使用者はS511においてメッセージを表示したときに異なるデータの存在に気がつき、所望の操作を行うことが可能となる。
【0117】
図29、図14の処理については、使用者が指定したデータが例えばコピー世代管理情報がNo-more-copiesでかつコピー可能個数情報が正数であるである情報であっても、同様の処理を行うことで、同様の効果が得られる。
【0118】
次に記録媒体105に内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在するときに、データの削除を行う場合を考える。使用者がコピー世代管理情報がCopy-one-generationである一つのデータを削除する場合に、内容が等価でコピー情報が異なるデータがあるかどうかをS2903、S2907、S2908や、S505からS509と同様のシーケンスで確認する。
【0119】
図16は、その結果、データの内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータがある場合に、内容が等価でコピー情報が異なるデータが存在し、より利用できる範囲が狭い(例えばコピー世代管理情報がNo-more-copiesであるとかコピー可能個数が少ないなど)データを削除することを促すメッセージの一例の表示例を示す。
【0120】
701は表示画面である。702は表示するメッセージである。703及び704は使用者が所望の操作を指定するためのボタンである。703を選択した場合には、使用者が指定したデータを削除し、704を選択した場合には使用者が指定したデータを削除しない。704を選択後、使用者はコピー制御情報が異なるデータを別途削除することが可能である。
【0121】
上記の制御により一つの記録媒体中に内容が等価でコピー制御情報が異なるデジタルデータが存在する場合に、コピー個数が多いデータを誤って削除しないようにして使用者の使い勝手を向上することが可能である。また、自動的に記録データを削除する機能を持つ記録再生装置において、削除時にコピー可能個数が少ないコンテントを優先的に削除するようにすれば、さらに使い勝手の向上が可能である。
【0122】
また、コピー可能個数の大小に関わらず、削除を指示したデータと内容が等価のデータが存在する場合に、そのデータの存在をユーザに知らせるメッセージを表示するようにしても良い。これにより、ユーザが削除対象と同じ内容のデータの存在を把握し、どのデータを削除するのがよいかを考えることができるため、ユーザにとっての使い勝手が向上する。
【0123】
次に記録再生装置100を複数人数で使用する場合の使い勝手を向上する方法について考える。
【0124】
図17は、録画再生装置100の使用者がコピー処理を予約する操作の一例を示すフローチャートである。
【0125】
ある使用者がコピー可能個数情報が正数のあるデータをコピーしたいと考えているとする。S801では使用者はコピーしたい番組を選択する。S802では使用者が任意の方法によって使用者本人を識別可能な名前を登録してS803へと進む。登録方法については例えばリモコン操作によるソフトキーボードでの入力や、録画再生装置にキーボードを繋げて文字入力を行う方法が挙げられる。
【0126】
S803では使用者がコピーを行う予定回数を任意の方法で設定を行いS804へと進む。S804ではS803で設定された個数が有効かどうかを判定する。すなわちコピー可能個数情報とこれまでに予約されている個数の合計を上回るかを調べ、上回らなければS805へ、上回ればS806へ進む。
【0127】
S805では予約が可能でる旨と、入力された名前(予約者名。名前以外に番号やアイコン等でもよい)、回数を画面上に表示して、S807へと進む。S806ではS804で入力された回数の設定が不可能であるため、それを通知するメッセージを表示し、S803へと戻り、再度回数の設定を促す。
【0128】
S807ではS805で表示された確認画面を見て使用者が予約設定の承諾を行う。承諾すればS808へ進み、キャンセルすれば制御部111は一連の入力データを破棄して処理を終了する。S808では制御部1111は定められたフォーマットに従いコピー予約情報を記録媒体105へ記録する。
【0129】
図17の処理を行うことにより、複数のユーザが装置を利用する場合に、コピーやムーブの予定があるデータを他のユーザに消去されることを防いだり、他のユーザがデータをコピーすることにより当該データのコピー可能個数がコピーを予定している数より少なくなってしまうことを防いだりすることができる。
【0130】
図18は、S806で表示するメッセージの一例を示した模式図である。901は表示画面を示す。902にはメッセージの一例を示す。903は使用者が選択するボタンを示す。
【0131】
なお、コピー予約情報は不揮発性記録媒体113に記録しても本実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0132】
図19は、上記で設定したコピー予約情報を利用したコピー制御の一例を示すフローチャートである。
【0133】
記録再生装置100が何らかの方法で現在の使用者名が認識可能な方法を備えているものとする。S1001では使用者がコピーする番組を指定する。指定された番組について上述したシーケンスによってコピー予約情報が付随しているものとする。
【0134】
S1002では制御部112は指定された番組のコピー制御情報、およびコピー予約情報を取得してS1003へ進む。S1003ではコピー予約情報に現在の使用者によるコピー予約情報がある場合、S1004へと進み、そうでない場合S1006へと進む。
【0135】
S1004では指定された番組のコピーを実行してS1005へ進む。S1005ではコピーを行った番組のコピー可能個数を1減らし、使用者のコピー予約個数を1減らして処理を終了する。このときコピーが正常に完了したかを判断して、通知するメッセージを表示してもよい。
【0136】
S1006では別の使用者によるコピー予約情報があり、それがコピー可能個数よりも少ないかどうかを判定する。少ない場合S1007へ進み、0となる場合S1009へ進む。
【0137】
S1007ではS1005と同様に指定された番組のコピーを実行してS1008へと進む。S1008ではコピー可能個数を1減らして(差し引いて)処理を終了する。このときコピーが完了したかどうかを通知するメッセージを表示してもよい。S1009では予約があるためにコピーできない旨のメッセージを表示して処理を終了する。このときコピー予約情報に基づいてどの使用者が何個のコピーを予約しているかを表示してもよい。
【0138】
上記の制御によって、使用者が後々コピーしたいデータを他の使用者によって不用意にコピーされたために、コピー可能個数情報が0になりコピーが実行できなくなることを防ぎ、使い勝手を向上することが可能である。
【0139】
あるいは記録再生装置100が現在の使用者を認識する手段を備えていない場合、S1006の手順に代えてコピー予約情報の表示を行い、コピーを行うかどうかをその際の使用者に判断を委ねるようにしてもよい。
【0140】
次に記録再生装置100において記録媒体105に記録されたデジタルデータを例えば分割するなどの不可逆な編集を行う場合を考える。使用者が編集したいデジタルデータのコピー可能個数情報が正数である場合、該当のデジタルデータを記録媒体105内部でコピーを行い、コピー世代管理情報がNo-more-copiesであるデータを複製し、複製したデータに対して編集を行う。
【0141】
これにより編集が失敗した場合、あるいは編集結果に納得がいかないが元に戻せないといった場合でも、元のコピー可能個数情報が正数であるデータが残っていれば再度編集を行うことができ、使い勝手を向上することができる。
【0142】
次に記録再生装置100でコピー制御情報に基づき自動的に記録を行う機能について考える。記録再生装置100は放送波を受信するときに、電子番組表を表示するために未来の放送予定を記載したデジタルデータ(EPGデータなど、番組ガイド情報ともよぶ)を合わせて受信する。
【0143】
そこで、記録媒体105にコピー可能個数情報が減少したデジタルデータを蓄積している場合に、未来の放送予定の中から該当するデジタルデータと番組内容が等価なデータが送信されることを検知すると、自動的に予約録画を行う。番組内容が等価か否かは、例えば記録済みの該当番組の番組情報と放送予定番組の番組情報の内容とを比較することで判断を行う。
【0144】
録画が成功した場合、一覧表示には録画機器IDも含めて内容が等価な二つの番組を統合して一つの番組として使用者に表示することで利便性を向上させる。または録画が成功した場合、先に蓄積されているデジタルデータを破棄しても良い。
【0145】
減少したことの判断は任意であり、例えば閾値N(Nは任意の整数)を不揮発性メモリ112へ記録しておき、コピー可能個数情報がN回未満の場合などの条件で判断を行ってもよい。なお、この条件は使用者に指定されてもよいし、予め決められていてもよい。これらの処理は制御部111が実行することでよく、特に放送予定の中から検知する部位を、放送予定解析部とも呼ぶ。
【0146】
上記の実施例によって、同じ番組内容のコンテントについてコピー可能個数情報を実質的に増やす(実際に増やすわけではなく、同じ番組を録画しなおすことでコピー可能回数をデフォルトの値もしくはそれ以上に増加させる)ことができ、使い勝手を向上させることが可能である。
【0147】
<受信装置(2)>
図20は記録再生装置1100の構成例を示すブロック図である。
【0148】
1101は着脱可能な記録媒体を装着可能とするスロット(着脱部とも呼ぶ)である。1102は記録媒体105と同一の記録フォーマットで記録を行う着脱可能な記録媒体である。1103はスイッチであり、記録再生制御部104に対して、記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102のどちらのデータを出力するか、あるいはどちらのデータを入力するかを選択する。
【0149】
図では一つのスイッチのみ記載したが、入力用と出力用にそれぞれ異なるスイッチを用意することが考えられる。あるいは記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102夫々に対して記録再生制御部を用意するという構成が考えられる。
【0150】
図21は、このときの着脱可能な記録媒体1102の構成の一例を示す。1201は使用者がアクセスできない管理領域である。デジタルデータを暗号化してデータ記録領域1202に記録するための鍵データを管理領域に保存することで秘匿性を保つ。1202は使用者が所定の操作で内部のデータにアクセス可能なデータ記録領域である。
【0151】
1201には鍵データを記録する。1202には映像・音声データや静止画データなどのデータと共にデータ記録領域の各データに対応する鍵情報を判別するための情報再生用データを記録する。このような着脱可能な記録媒体1102には、コピー制御情報を一括して管理領域に記録しておくことも可能である。
【0152】
図24は、図21の記録媒体のデータ構成を別の表現で示したものである。この記録媒体は複数個コピーの管理(コピー個数制御、個数制御コピーとも呼ぶ)ができる記録媒体(セキュリティリムーバブルメディアとも呼ぶ)である。ユーザがアクセスできるノーマル領域と、ユーザがアクセスできない耐タンパ領域をひとつの記録媒体に併せ持つ。耐タンパ領域に格納される機密情報は、この記録媒体を扱うことのできる装置との認証処理により認証が確認できた場合にはアクセス可能となるようになっており、機密情報の管理ができるようになっている。図21の管理領域1201が耐タンパ領域に、データ記録領域1202がノーマル領域に対応する。
【0153】
図20で示した記録再生装置1100においては、着脱可能な記録媒体1102が例えば番組情報や図12で示した管理情報が不正に改竄される可能性のある、コピーの世代管理ができない記録媒体である場合、着脱可能な記録媒体1102には入力端子101から入力されたデジタルデータを記録する場合には、例えば制御部111はコピー制御情報処理部203にコピー世代管理情報をNo-more-copies、コピー可能個数情報を0として記録させるなどして、コピーの世代管理ができない記録媒体から更なるコピーが不可能となるようにする。
【0154】
また、本構成によれば記録媒体105に記録されたデジタルデータを着脱可能な記録媒体1102へ以下のようなコピーあるいはムーブが可能である。例えば記録媒体105に記録されているコピー可能個数情報(コピー許可個数情報)が正数であるデジタルデータを着脱可能な記録媒体1102へ記録する場合、記録再生制御部104の復号部209で復号し、コピー制御情報処理部203で例えばコピー世代管理情報をNo-more-copies、コピー可能個数情報を0回として、暗号部204で暗号化して着脱可能な記録媒体1102へと出力する。
【0155】
鍵データは制御部111がランダムな鍵を生成するために必要な情報を暗号部204に渡して暗号部204が生成し、記録制御部205が管理領域への書込み用のコマンドを使用することで管理領域1201に記録する。コピーの場合には記録媒体105に記録されたデジタルデータのコピー可能個数情報を1減らして更新し、ムーブの場合は記録媒体105に記録されたデジタルデータを削除する。
これにより、コピーの世代管理ができない記録媒体に対して著作権保護をより確実に行うことが可能である。
【0156】
一方で例えばコピー制御情報をユーザがアクセスできない管理領域内に記録、管理することにより図12で示した管理情報が不正に改竄される可能性がない着脱可能な記録媒体1102は、記録再生装置1100に内蔵した記録媒体105と同様に世代管理を行うことが可能とする。
【0157】
すなわち入力端子101から入力されたデジタルデータを、コピー世代管理情報をCopy-one-generation、コピー可能個数情報(コピー許可個数情報)を正数として記録する。このような構成とすることで、着脱可能な記録媒体1102に記録されているデジタルデータに対してもこれまでの実施例で示した処理によって使用者の使い勝手を向上する制御が可能である。
【0158】
また、この構成においては内蔵した記録媒体105に記録されたコピー世代管理情報をCopy-one-generation、コピー可能個数情報が正数であるデジタルデータを着脱可能な記録媒体1102へムーブする場合、コピー世代管理情報をCopy-one-generation、コピー可能個数情報を変更せずにデータの移動を行う。これにより着脱可能な記録媒体に対しても複数個のコピーを実行可能なままにデータを転送することが可能となり、使い勝手を向上することが可能である。
【0159】
また記録再生装置1100においては、スロット1101にはコピーの世代管理可能な記録媒体と管理不可能な記録媒体とのいずれもが装着可能である。よって制御部111が例えばあらかじめ定められた認証処理により管理領域1201が存在するかを確認することなどで、装着された着脱可能な記録媒体1102がいずれのものかを識別し記録時にコピー世代管理情報およびコピー可能個数情報の制御を分けて記録する。
【0160】
こうすることで使用者がコピーの世代管理可能な記録媒体と管理不可能な記録媒体の両方を使用した場合でも確実に著作権保護を行うことが可能である。
【0161】
例えば図22は、記録再生装置1100において、着脱可能な記録媒体1102に記録したデータの一覧を示す画面の一例である。図22(a)において1301は表示画面である。1302は記録媒体105の記録データ表示を選択するためのタブである。1303は着脱可能な記録媒体1102の記録データ表示を選択するためのタブである。使用者は所定の操作によって1302のタブと排他的に切り替える。
【0162】
1304は例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。1305には1302あるいは1303のいずれか指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で1304で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。例えば使用者が所定の操作により1304の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次1305に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを表示する。
【0163】
図22(b)において1306では1304でフォルダ名による分類を表示していた代わりに、コピー世代管理情報による分類を表示する。このとき1305には1306で指定したコピー世代管理情報に該当するデータを一覧表示する。例えば使用者が所定の操作によって1306の分類で「コピーフリー」を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-free であるデータのみを1305に表示し、「コピー1回可能」(コピー1世代可能でもよい)を選択すると、コピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデータを1305に表示する。このときコピー世代管理情報がNo-more-copies でコピー可能個数が正数であるデータは「コピー1回可能」の分類で表示したり、コピー世代管理情報がCopy-one-generationで、かつコピー可能個数が0回であるデータは「コピー禁止」の分類で表示してもよい。また、表示に際しては各データのコピー可能個数情報をデータ名と合わせて表示してもよい。
【0164】
使用者はリモコンを用いた所定の操作、あるいは操作部110を用いた所定の操作によって制御部111は図22(a)で示したフォルダ構成の分類を用いた表示と図22(b)で示したコピー制御情報毎の分類を用いた表示とを切り替える。
【0165】
以上の処理によって着脱可能な記録媒体に対しても、複数のコピー制御情報が混在する場合のデジタルデータの表示を行うことで、コピー制御情報に対応したデジタルデータの把握が簡単に行え、使用者の使い勝手を良くすることが可能である。
【0166】
なお、1305に表示する一覧は勿論、図4において404で表したようなサムネイル表示でも同様の効果が得られる。
【0167】
使い勝手を向上させる一覧表示の異なる例として図26に示す方法がある。図26(a)および(b)において1301は表示画面である。1302は記録媒体105の記録データ表示を選択するためのタブである。1303は着脱可能な記録媒体1102の記録データ表示を選択するためのタブである。
【0168】
使用者は所定の操作によって1302のタブと排他的に切り替える。1304は例えばフォルダ名などのデジタルデータの分類を表示する。1305には1302あるいは1303のいずれか指定された記録媒体に記録されたデジタルデータの中で1304で指定された分類に該当するデータの一覧を表示する。
【0169】
例えば使用者が所定の操作により1304の分類で「すべて」を選択すると、前記記録媒体に記録されているデータを順次1305に表示し、「フォルダ1」を指定すると、予め使用者がそのフォルダに分類したデータのみを表示する。1305に表示されている各番組の表示欄右側には残りコピー個数を合わせて表示している。0はコピー不可(異なる装置へのコンテントの移動はムーブのみ可能)であり、1以上であればコピー可能(異なる装置へのコピーとムーブが可能)であることを意味する。
【0170】
図25(a)ではタイトルが同一であるが内容が等価ではない番組を一覧表示させた場合を示す。番組4という番組が二つ並んでおり、一方はこの記録再生装置で記録した残りコピー可能個数が7のコンテント、他方は例えば一度他の機器にコピーを行い、再びこの記録再生装置にムーブをした結果、コピー可能個数0となったコンテントである。
【0171】
これらの番組は記録機器IDが等しく内容が等価な(録画機器IDが等しく、例えば番組情報、録画時間などが等しい)番組なので(b)に示すように統合して一つに見せることが可能である。(a)で示したコピー可能個数7とムーブした1を合計した個数8が右側に表記してある。このように統合することで不要に表示番組数を増やすことが無くなり、使用者の使い勝手を向上することが出来る。
【0172】
この例では二つのコンテントを統合したが、3つ以上の場合も同様である。この時、実際に記録されるデジタルデータは一つでも良いし、同一のデジタルデータが複数記録されていても効果は同様である。
【0173】
またコンテント(番組4)を一度他の機器にコピーした際に対象の機器が図12に示したような形式で録画機器IDを保持できない場合に、録画機器ID情報が失われたコンテント(番組4)をこの記録再生装置にムーブを行った場合、元のコンテントもムーブしたコンテントも番組4ではあるが内容が等価とは判断せず、(a)で示したように別々に表示を行うようにしても良い。
【0174】
本記録再生装置の構成においては“番組の内容が等価である”ことを次のように管理することが可能である。先にも述べたように、録画時に例えばランダムに生成した固定値を生成し上記デジタルデータに含めて記録を行う。例えば耐タンパ領域に番組毎に固有のIDを乱数などを用いたランダムな値として割り当てる。
【0175】
記録再生装置は記録機器IDが等しく、かつ番組固有のIDが等しい場合に番組の内容が等価であると判断すれば良い。コピーを行う場合には、耐タンパ領域の情報も合わせて送付するため、番組毎の録画機器IDと番組固有のIDはそのままコピー先の記録媒体においても継承される。
【0176】
あるいは番組固有のIDを耐タンパ領域に記録するのではなく、独自の暗号化処理を用いて図24に示すノーマル領域(図21に示すデータ記録領域)に情報を記録しても同様である。すなわち番組の内容が等価であることを録画機器IDとノーマル領域に記録した番組固有のIDによって判断をする。
【0177】
あるいは先に述べたように記録時間、番組のタイトル、番組識別番号、チャネル、放送日時、放送事業者名、放送地域といった番組固有の情報が一致することを適宜組み合わせて判断しても良い。
【0178】
以上から記録再生装置1100において次のような場合を考える、内蔵した記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102でそれぞれが耐タンパ領域を保持し、セキュリティが確保されている状況で、それぞれの記録媒体に内容が等価なコンテントAを保持し、記録媒体105にはコピー可能個数4のコンテントAがあり、記録媒体1102にはコピー可能個数3のコンテントAがある場合を考える。
【0179】
記録媒体105からコンテントAを2個、記録媒体1102へコピーする場合、実デジタルデータは既にそれぞれが同一なデータを保持しているため、それぞれのコピー可能個数情報だけを修正すれば良い。結果として記録媒体105のコンテントAはコピー可能個数2であり、記録媒体1102のコンテントAはコピー可能個数5となる。
【0180】
図27に上記説明を含む動作の流れを示す。S2701ではコピーするコンテントAと同一のコンテントが記録媒体1102に存在するかを確認し、存在すればS2702へ遷移し、存在しなければS2704へ遷移する。S2702では記録媒体105のコンテントAのコピー可能個数を2減らしてS2703へ遷移する。S2703では記録媒体1102のコンテントAのコピー可能個数を2増やして処理を終了する。
【0181】
ここまでが上記説明に該当する動作である。S2704では先ず記録媒体105のコンテントAのコピー可能個数を1減らしてS2705へ遷移する。S2705ではコンテントAのデータを記録媒体1102へコピーしてS2706へ遷移する。
【0182】
このとき例えば付随する鍵データなどのコンテントAの再生に必要な情報も記録媒体1102にコピー、あるいは作成する。S2706では記録媒体105のコンテントAのコピー可能個数を1減らしてS2707へ遷移する。
【0183】
S2707では記録媒体1102のコンテントAのコピー可能個数を1増やす。コンテントAのデータコピーとコピー可能個数の増減とのタイミングを別にしたのは、個数のみを変更する処理時間がごく短いのに対して、データのコピー処理は時間が掛かるため、例えばコピーの最中に電源が切られるなどの現象が起きてしまうことが考えられる。
【0184】
この場合に記録媒体105内で失うコピー可能個数を1に留める効果がある。記録媒体105から記録媒体1102へのコピー個数がN(N>2)である場合も同様に、S2704で記録媒体105のコピー可能個数を1減らしてデータのコピーを行い、S2706では記録媒体105のコピー可能個数を(N−1)個減らし、S2707で記録媒体1102のコピー可能個数を(N−1)個増やすことでコピー失敗時のリスクを軽減することが出来る。以上の手法により使用者はデータそのものをコピーする場合に比べて高速にデータをコピーすることができる。
【0185】
また、内蔵した記録媒体105と着脱可能な記録媒体1102でそれぞれが耐タンパ領域を保持し、セキュリティが確保されている状況で、それぞれの記録媒体に内容が等価なコンテントBを保持し、記録媒体105にはコピー可能個数1のコンテントBがあり、記録媒体1102にはコピー可能個数3のコンテントBがある場合を考える。記録媒体105からコンテントBを2個、記録媒体1102へコピーする場合、実デジタルデータが同一なデータであるため、記録媒体1102のコンテントBはコピー可能個数情報だけを修正すれば良く、記録媒体1102のコンテントBはコピー可能個数5となる。そして、記録媒体105のコンテントBは実体を削除する。
【0186】
図28に上記説明を含む動作の流れを示す。S2801ではコピーするコンテントBと同一のコンテントが記録媒体1102に存在するかを確認し、存在すればS2802へ遷移し、存在しなければS2804へ遷移する。S2802では記録媒体105のコンテントBを削除してS2803へ遷移する。S2803では記録媒体1102のコンテントBのコピー可能個数を2増やして処理を終了する。ここまでが上記説明に該当する動作である。なお、記録媒体1102のコピー可能個数を2個増やした後に、記録媒体105のコンテントBを削除するようにしてもよい。
【0187】
S2804では先ず記録媒体105のコンテントBのコピー可能個数を1減らしてS2805へ遷移する。S2805ではコンテントBのデータを記録媒体1102へコピーしてS2806へ遷移する。この時例えば付随する鍵データなどのコンテントBの再生に必要な情報も記録媒体1102にコピー、あるいは作成する。
【0188】
S2806では記録媒体105のコンテントBを削除してS2807へ遷移する。S2807では記録媒体1102のコンテントBのコピー可能個数を1増やす。記録媒体105のコピー個数がN(N>2)であり記録媒体1102へのコピー個数がNである場合は、S2804で記録媒体105のコピー可能個数を1減らしてデータのコピーを行い、S2807で記録媒体1102のコピー可能個数を(N−1)個増やすことでコピー失敗時のリスクを軽減することが出来る。この手法により、データそのものは1回のコピーで済む為、データそのものをコピーの回数分コピーするのに比べて高速にデータを移動することができる。
【0189】
本例では着脱可能な記録媒体1102を例示したが、記録再生装置に内蔵の記録媒体が複数あるとした場合においても上述の実施内容および得られる効果は同様である。また複数の着脱可能な記録媒体の間でも実施内容および得られる効果は同様である。
【0190】
また、内蔵された記録媒体105は耐タンパ領域を所有して安全性を高めても良いし、規則再生装置1100でのみ利用可能となるように書き込むデータに専用の暗号化を施して記録することで安全性を高めても得られる効果は同様である。
【0191】
<受信装置(3)>
図23は記録再生装置1400の構成例を示すブロック図である。記録媒体105に記録されたコピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデジタルデータを出力する場合を考える。
【0192】
1401は制御検出部であり、デジタルデータのコピー制御情報を検出し、例えば出力時のコピー制御情報ステータスをNo-more-copiesとして出力する。1402はデジタルインタフェースでありデジタルデータを暗号化して出力する。1403は出力端子であり、例えば異なる記録再生装置やネットワークに接続される。
【0193】
本構成においては入力端子101から入力されたデジタルデータを出力端子1403に対してデコードを行い表示すると同時に、デジタルデータを異なる記録再生装置へストリーミング再生を行うことが可能である。
【0194】
その場合、制御部111は制御検出部1401において出力時のコピー制御情報をNo-more-copiesとして出力するよう制御する。あるいは、記録媒体105に記録したコピー世代管理情報がCopy-one-generationであるデジタルデータを出力端子1403を介してムーブする場合には、制御部111は制御検出部1401においてコピー制御情報をCopy-one-generationとして出力するように制御する。
【0195】
出力端子1403の先には同じ構成を持った別の記録再生装置が接続しており、例えばネットワークを経由しhttpヘッダなどの情報送受信が可能な場合、お互いの機器認証が可能である。機器認証によって安全にコピー制御管理ができると判断した場合、記録再生装置1400において次の動作を実行可能である。
【0196】
内蔵した記録媒体105とネットワークにより接続された別の記録再生装置の所有する記録媒体のそれぞれが例えば耐タンパ領域を保持、かつネットワーク上を暗号化してデータの送受信ができ、セキュリティが確保されている状況で、それぞれが内容が等価なコンテントを保持し、記録媒体105にはコピー可能個数4であり別の記録再生装置の記録媒体にはコピー可能個数3である場合を考える。
【0197】
記録媒体105から2個、別の記録媒体へコピーする場合、実デジタルデータは既にそれぞれが同一なデータを保持しているため、それぞれのコピー可能個数情報だけを修正すれば良い。結果として記録媒体105の該当コンテントはコピー可能個数2であり、記録媒体1102の該当コンテントはコピー可能個数5となる。この手法により使用者はあたかも高速にデータをコピーするのと同じ効果が得られる。
【0198】
以上の実施例によって記録再生装置1400から出力方法の違いによって、コピー制御情報を使い分けて出力することで著作権保護に柔軟に対応可能である。
【0199】
図には未記載だが、例えば受信装置(1)〜(3)において、記録再生装置が入力端子および受信部を複数備えている場合、記録媒体への記録時に設定する録画機器IDは受信部に応じて値を変更しても良い。一つの記録再生装置であれば受信部が異なっていても録画機器IDは統一しても良い。
【符号の説明】
【0200】
10、100、1100、1200、1300…記録再生装置 101、109、201、202、207…入力端子 102…受信部 103…画像・音声信号処理部 104…記録再生制御部 105…記録媒体 106…表示制御部 107、206、210、1203、1302…出力端子 108…リモコンインタフェース 110…操作部 111…制御部 112…不揮発性メモリ 113…システムバス 203…コピー制御情報処理部 204…暗号部 205…記録制御部 208…再生制御部 209…復号部 1101…スロット 1102…着脱可能な記録媒体 1103…スイッチ 1401…制御検出部 1402…デジタルインタフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル情報を記録する記録装置であって、
コピーを制御するコピー制御情報を含むデジタル情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録したデジタル情報を表示する表示部と、
前記記録装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記記録部に記録したデジタル情報の一覧を表示するときに、内容が等価の複数のデジタル情報は、一つのデジタル情報として表示する記録装置。
【請求項2】
デジタル情報を記録する記録装置であって、
コピーを制御するコピー制御情報を含むデジタル情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録したデジタル情報を表示する表示部と、
前記記録装置固有の識別番号を記録する不揮発性メモリと、
前記記録装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デジタル情報を前記記録部に記録する際には、当該デジタル情報と前記コピー制御情報と前記不揮発性メモリに予め記録されている前記記録装置固有の識別番号とを共に記録し、前記記録部に記録したデジタル情報の一覧を表示するときに、装置固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報は、一つのデジタル情報として表示する記録装置。
【請求項3】
請求項2の記録装置において、
前記コピー制御情報はコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、
前記制御部は、前記デジタル情報の一覧を前記表示部に表示する際に、前記記録部に記録されたデジタル情報の前記記録装置固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報の前記コピー可能個数情報それぞれが示すコピーが可能な個数を合計した数を、コピーが可能な個数として表示することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項3の記録装置において、
前記記録部とは異なる第2の記録部を備え、
前記記録部および前記第2の記録部のそれぞれが前記記録装置固有の識別番号が等しいデジタル情報を保持している場合に前記記録部から前記第2の記録部へ当該デジタル情報をコピーするときは、前記制御部は前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項4の記録装置において、
前記制御部は、前記記録部から前記第2の記録部へデジタル情報をコピーするときは、記録したデジタル情報が含む番組情報に基づいて前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項6】
デジタル情報を記録する記録装置であって、
コピーを制御するコピー制御情報を含むデジタル情報を受信する複数の受信部と、
前記受信部で受信したデジタル情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録したデジタル情報を表示する表示部と、
前記受信部固有の識別番号を記録する不揮発性メモリと、
前記記録装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デジタル情報を前記記録部に記録する際には、当該デジタル情報と前記コピー制御情報と前記不揮発性メモリに予め記録されている前記受信部固有の識別番号とを共に記録し、前記記録部に記録したデジタル情報の一覧を表示するときに、受信部固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報は、一つのデジタル情報として表示する記録装置。
【請求項7】
請求項6の記録装置において、
前記コピー制御情報はコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、
前記制御部は、前記デジタル情報の一覧を前記表示部に表示する際に、前記記録部に記録されたデジタル情報の前記受信部固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報の前記コピー可能個数情報それぞれが示すコピーが可能な個数を合計した数を、コピーが可能な個数として表示することを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項7の記録装置において、
前記記録部とは異なる第2の記録部を備え、
前記記録部および前記第2の記録部のそれぞれが前記受信部固有の識別番号が等しいデジタル情報を保持している場合に前記記録部から前記第2の記録部へ当該デジタル情報をコピーするときは、前記制御部は前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8の記録装置において、
前記制御部は、前記記録部から前記第2の記録部へデジタル情報をコピーするときは、記録したデジタル情報が含む番組情報に基づいて前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項1】
デジタル情報を記録する記録装置であって、
コピーを制御するコピー制御情報を含むデジタル情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録したデジタル情報を表示する表示部と、
前記記録装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記記録部に記録したデジタル情報の一覧を表示するときに、内容が等価の複数のデジタル情報は、一つのデジタル情報として表示する記録装置。
【請求項2】
デジタル情報を記録する記録装置であって、
コピーを制御するコピー制御情報を含むデジタル情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録したデジタル情報を表示する表示部と、
前記記録装置固有の識別番号を記録する不揮発性メモリと、
前記記録装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デジタル情報を前記記録部に記録する際には、当該デジタル情報と前記コピー制御情報と前記不揮発性メモリに予め記録されている前記記録装置固有の識別番号とを共に記録し、前記記録部に記録したデジタル情報の一覧を表示するときに、装置固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報は、一つのデジタル情報として表示する記録装置。
【請求項3】
請求項2の記録装置において、
前記コピー制御情報はコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、
前記制御部は、前記デジタル情報の一覧を前記表示部に表示する際に、前記記録部に記録されたデジタル情報の前記記録装置固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報の前記コピー可能個数情報それぞれが示すコピーが可能な個数を合計した数を、コピーが可能な個数として表示することを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項3の記録装置において、
前記記録部とは異なる第2の記録部を備え、
前記記録部および前記第2の記録部のそれぞれが前記記録装置固有の識別番号が等しいデジタル情報を保持している場合に前記記録部から前記第2の記録部へ当該デジタル情報をコピーするときは、前記制御部は前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項4の記録装置において、
前記制御部は、前記記録部から前記第2の記録部へデジタル情報をコピーするときは、記録したデジタル情報が含む番組情報に基づいて前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項6】
デジタル情報を記録する記録装置であって、
コピーを制御するコピー制御情報を含むデジタル情報を受信する複数の受信部と、
前記受信部で受信したデジタル情報を記録する記録部と、
前記記録部に記録したデジタル情報を表示する表示部と、
前記受信部固有の識別番号を記録する不揮発性メモリと、
前記記録装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、デジタル情報を前記記録部に記録する際には、当該デジタル情報と前記コピー制御情報と前記不揮発性メモリに予め記録されている前記受信部固有の識別番号とを共に記録し、前記記録部に記録したデジタル情報の一覧を表示するときに、受信部固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報は、一つのデジタル情報として表示する記録装置。
【請求項7】
請求項6の記録装置において、
前記コピー制御情報はコピー世代管理情報とコピー可能個数情報とを含み、
前記制御部は、前記デジタル情報の一覧を前記表示部に表示する際に、前記記録部に記録されたデジタル情報の前記受信部固有の識別番号が等しい複数のデジタル情報の前記コピー可能個数情報それぞれが示すコピーが可能な個数を合計した数を、コピーが可能な個数として表示することを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項7の記録装置において、
前記記録部とは異なる第2の記録部を備え、
前記記録部および前記第2の記録部のそれぞれが前記受信部固有の識別番号が等しいデジタル情報を保持している場合に前記記録部から前記第2の記録部へ当該デジタル情報をコピーするときは、前記制御部は前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8の記録装置において、
前記制御部は、前記記録部から前記第2の記録部へデジタル情報をコピーするときは、記録したデジタル情報が含む番組情報に基づいて前記コピー可能個数情報を変更することを特徴とする記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22(a)】
【図22(b)】
【図23】
【図24】
【図25(a)】
【図25(b)】
【図26(a)】
【図26(b)】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22(a)】
【図22(b)】
【図23】
【図24】
【図25(a)】
【図25(b)】
【図26(a)】
【図26(b)】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2011−44208(P2011−44208A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192719(P2009−192719)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]