記録装置
【課題】供給量に関わらずインク等の機能液を安定して加温することができる記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッド45を搭載したキャリッジ41と、記録ヘッド45のノズル面NFを露出させた状態で、キャリッジ41を覆うチャンバールーム52と、チャンバールーム52内の雰囲気を加温する加温手段53と、加温手段53により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段54と、雰囲気の温度を検出する温度検出手段55と、温度検出手段55の検出結果に基づいて、雰囲気が所定の温度となるように加温手段53を制御する制御装置と、を備えた。
【解決手段】記録ヘッド45を搭載したキャリッジ41と、記録ヘッド45のノズル面NFを露出させた状態で、キャリッジ41を覆うチャンバールーム52と、チャンバールーム52内の雰囲気を加温する加温手段53と、加温手段53により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段54と、雰囲気の温度を検出する温度検出手段55と、温度検出手段55の検出結果に基づいて、雰囲気が所定の温度となるように加温手段53を制御する制御装置と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に対し、記録ヘッドを搭載したキャリッジを相対移動させて記録処理を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッド(インクジェットヘッド)のノズルが配置されたノズル面の周囲に着脱可能に巻回されて装着された加温手段(インク加熱手段)を備えた記録装置が知られている(特許文献1参照)。この加温手段は、記録ヘッドの下部周囲に密着させて巻回するU字状をした加熱枠体と、温水循環手段を駆動して加熱枠体内側に形成された温水を循環させる通路と、から構成されている。
この加温手段では、通路内に温水を循環させることにより、記録ヘッド内側を通過するインクを加熱(熱交換)して、インクの粘度を低下させ、ノズルがインクで詰まることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−007583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の記録装置に備えられた加温手段は、記録ヘッドのノズル面付近のみを加熱しているため、連続的に記録が行われ、インクの供給源から流路を通って常温のインクが、記録ヘッドに供給され続けると、インクの加温(加熱)が間に合わず、適切な粘度になる前にノズルに供給される。このため、温度が上がらず粘度の高いままのインクによりノズルが詰まるという問題があった。
また、複数の記録ヘッドを用いる場合には、全ての記録ヘッドに加温手段を設けなければならず、構造的に複雑になると共に、コスト増加という問題もあった。
【0005】
本発明は、供給量に関わらずインク等の機能液を安定して加温することができる記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジと、記録ヘッドのノズル面を露出させた状態で、キャリッジを覆うチャンバールームと、チャンバールーム内の雰囲気を加温する加温手段と、加温手段により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、キャリッジを覆うチャンバールーム内の雰囲気を温めることで、キャリッジに搭載された記録ヘッド全体を温めることができる。また、当然のことながら、記録ヘッドには、インク等の機能液を供給するための流路(チューブ)が接続されており、この流路も同時に温められる。さらに、攪拌手段により、チャンバールーム内の空間を隅々まで均一に温めることができる。したがって、チャンバールーム内の雰囲気を介して、記録ヘッド内および記録ヘッドに接続された流路内を通る機能液は、記録ヘッドのノズル面に到達するまでの間に確実に加温される。これにより、連続的な記録により供給源から機能液が供給され続けたとしても、機能液は、適切な粘度となるように加温され、記録ヘッドに供給される。このため、不適切な粘度の機能液による記録ヘッドのノズル詰りや吐出量不足を有効に防止することができる。
なお、チャンバールームは、キャリッジに対して密着している。また、記録ヘッドに接続された流路やケーブルは、チャンバールームを貫通して外部に延びているが、その貫通部分は、シールされている。すなわち、チャンバールーム内は、外気圧と略同圧の密閉空間となっている。
【0008】
この場合、雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出結果に基づいて、雰囲気が所定の温度となるように加温手段を制御する制御手段と、を更に備えたことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、チャンバールーム内の雰囲気の温度を、予め設定した(所定の)温度に維持することができる。これにより、記録ヘッド内およびこれに接続された流路内を通る機能液は、加温されると共に所定の温度(適切な粘度)に維持される。
【0010】
この場合、攪拌手段は、雰囲気を流動させる送風ファンと、送風ファンの送気口側に接続した複数の吹出し口を有するマニホールドと、送風ファンの吸気口側に接続した吸気チャンバーと、を有していることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、送風ファンの駆動により、吸気口から吸い込んだ雰囲気をマニホールドの複数の吹出し口から送気することにより、チャンバールーム内の雰囲気を循環させることができる。また、複数の吹出し口から送気されるため、チャンバールーム内の空間全体を攪拌することができる。これにより、チャンバールーム内において雰囲気が滞留することがなく、雰囲気を一定の温度に維持することができる。したがって、記録ヘッド内およびこれに接続された流路内を通る機能液を均一な温度に加温することができる。
【0012】
また、この場合、吸気チャンバーは、チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、上部チャンバーに連通する側部チャンバーと、を有し、天壁には、複数の吸込口が形成され、内側壁には、送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることが好ましい。
【0013】
他にも、吸気チャンバーは、チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、上部チャンバーおよびマニホールドに連通する側部チャンバーと、を有し、天壁には、送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることが好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、温められた雰囲気は、チャンバールーム内で上昇し、チャンバールーム内の雰囲気は、上部チャンバーおよび側部チャンバーを通過して、再びチャンバールームに戻ってくる。このため、天壁に、複数の吸込口または送風ファンを設けることにより、雰囲気を効率良く吸気することができると共に、雰囲気の循環を均一にすることができる。
【0015】
この場合、キャリッジには、複数の記録ヘッドが間隔を有して並んで搭載され、マニホールドの各吹出し口は、記録ヘッド同士の間隔に臨んでいることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、各吹出し口からの送気によって、加温された雰囲気が各記録ヘッドに直接吹き付けられる。これにより、各記録ヘッドが重点的に温められるため、各記録ヘッド内を通る機能液が効率良く加温される。
【0017】
また、この場合、マニホールドは、チャンバールームの下端隅部に配設されていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、温められた雰囲気は、チャンバールーム内で上昇するため、マニホールドをチャンバールームの下端隅部に位置させることにより、チャンバールーム内の上部と下部とにおける温度差を少なくすることができる。また、チャンバールーム内に上昇気流が形成され、チャンバールーム内の雰囲気を効率良く循環させる(攪拌する)ことができる。
【0019】
この場合、記録ヘッドのノズル面を加温するために、記録ヘッドに対し、ノズル面に形成されたノズルから液滴が吐出されない程度の微振動波形を印加するヘッド駆動手段と、記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、記録ヘッドが所定の温度となるようにヘッド駆動手段を制御するヘッド制御手段と、を更に備えたことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、記録ヘッドに微振動波形を印加することにより、ノズル部分に臨む機能液を温めることができる。また、記録ヘッドの温度の検出および制御を行うことにより、ノズル内における機能液の温度の微調整を行うことができる。これにより、ノズル詰りを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】記録装置を模式的に示した斜視図である。
【図2】記録装置を模式的に示した正面図である。
【図3】記録ユニット(キャリッジ)の表裏斜視図である。
【図4】記録ヘッドの斜視図である。
【図5】サブヘッドプレートおよび記録ヘッドの底面図である。
【図6】第1実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの平面断面図である。
【図7】第1実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの正面断面図である。
【図8】第1実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの側面断面図である。
【図9】第2実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの平面断面図である。
【図10】第3実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの平面断面図である。
【図11】第3実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る記録装置について説明する。この記録装置は、ワーク(記録媒体)に対して、例えば、紫外線硬化インク(UVインク)を記録ヘッドにより吐出することで、所望の画像等を描画(印刷)するものである。なお、以下の説明では、各図に示す通り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定する。
【0023】
図1および図2に示すように、記録装置1は、X軸方向に延在して、ワークWをX軸方向に移動させるX軸テーブル2と、X軸テーブル2を跨ぐように架け渡され、Y軸方向に延在するY軸テーブル3と、複数の記録ヘッド45が搭載された記録ユニット4と、装置全体を統括制御する制御装置5と、を備えている。また、図示は省略するが、記録装置1は、各記録ヘッド45に機能液を供給する機能液供給ユニットと、記録ヘッド45の機能維持・機能回復を図るためのメンテナンス装置と、を備えている。
【0024】
この記録装置1では、X軸テーブル2およびY軸テーブル3が交わる部分が、各記録ヘッド45により描画(印刷)が行われる描画エリアDAとなっている。
制御装置5は、X軸テーブル2とY軸テーブル3とを同期駆動し、描画エリアDAにおいて各記録ヘッド45から複数色の機能液を吐出させる。これにより、ワークWに所定の描画が行われる。また、制御装置5は、Y軸テーブル3を駆動してメンテナンス装置上に記録ユニット4を臨ませて、各記録ヘッド45の機能維持・機能回復を行う。
【0025】
X軸テーブル2は、ワークWを吸着セットすると共に、θ軸方向に補正可能な機構を有するワークステージ21と、ワークステージ21を支持すると共にリニアモーターが組み込まれた一対のX軸スライダー22と、X軸方向に延在し、X軸スライダー22のX軸方向への移動をガイドする一対のX軸ガイドレール23と、を備えている。
【0026】
Y軸テーブル3は、各記録ユニット4を吊設した一対のブリッジ部材31と、各ブリッジ部材31に両持ちで支持されると共にリニアモーターが組み込まれた一対のY軸スライダー32と、Y軸方向に延在し、Y軸スライダー32のY軸方向への移動をガイドする一対のY軸ガイドレール33と、を備えている。
【0027】
図3に示すように、記録ユニット4は、複数の記録ヘッド45を搭載したヘッドユニット42を有するキャリッジ41と、キャリッジ41を覆うように設けられたチャンバーユニット51(図6参照)と、を備えている。記録ユニット4は、昇降機構付きの吊設部材(図示省略)によりY軸テーブル3に支持されている。
【0028】
キャリッジ41は、複数の記録ヘッド45を搭載した4つのヘッドユニット42と、ヘッドユニット42上において機能液の流路となる複数の上流側チューブ48を保持する4つのチューブ保持部材43と、ヘッドユニット42が4つ並んで装着されるメインヘッドプレート44と、を有している。
【0029】
各ヘッドユニット42は、インクジェット方式で機能液を吐出する4個の記録ヘッド45と、各記録ヘッド45が装着されるサブヘッドプレート46と、を有している。
【0030】
図4に示すように、各記録ヘッド45は、ノズル面NFに相互に平行な複数の吐出ノズル45aから成る複数(4列)のノズル列を有している。また、各記録ヘッド45には、サブヘッドプレート46への固定部位としてノズル面NF側にフランジ部45bが設けられている。なお、記録ヘッド45の吐出ノズル45aの数およびノズル列の数は任意である。
【0031】
図5に示すように、各サブヘッドプレート46は、ステンレス等の厚板で略クランク形状に形成されている。各サブヘッドプレート46には、板厚方向に貫通して形成された4個のヘッド装着開口46aが千鳥状に配設されている。各ヘッド装着開口46aには、記録ヘッド45がノズル面NFを下方に露出して取り付けられている。なお、図示は省略するが、各記録ヘッド45と各ヘッド装着開口46aとの隙間は、シール材(エアータイト材)で塞がれている。また、サブヘッドプレート46に対する記録ヘッド45の装着個数および配設パターンは任意である。
【0032】
図3に示すように、各チューブ保持部材43は、逆U字状に形成され、各サブヘッドプレート46に搭載された各記録ヘッド45を跨ぐように配置されている。そして、各チューブ保持部材43は、一対の脚部分で各サブヘッドプレート46に固定されている。
【0033】
各チューブ保持部材43の上面には、機能液供給ユニットから供給された機能液を各記録ヘッド45に導くための複数(本実施形態では8本)の継手部材47が固定されている。各継手部材47は、X軸方向に向って突設された導入接続口47aと、チューブ保持部材43の上面から貫通して下方に向って突設された2つの導出接続口47bと、を有している。各導入接続口47aには、機能液供給ユニットに連通した上流側チューブ48が接続されている。各導出接続口47bには、各記録ヘッド45に連通した下流側チューブ49が接続さていれる(図8参照)。なお、各下流側チューブ49は、下流側で二股に分岐しており、1つの記録ヘッド45には、8本の下流側チューブ49(2本分の上流側チューブ48)が接続される。
【0034】
図3に示すように、メインヘッドプレート44は、ステンレス等の厚板で略クランク形状に形成されている。メインヘッドプレート44には、板厚方向に貫通して、略クランク形状のプレート装着開口44aが形成されている。プレート装着開口44aには、ヘッドユニット42(サブヘッドプレート46)が、長辺(X軸)方向に4つ並んで取り付けられている。なお、図示は省略するが、各サブヘッドプレート46とメインヘッドプレート44との隙間は、シール材(エアータイト材)で塞がれている。また、メインヘッドプレート44に対するサブヘッドプレート46の装着個数および配設パターンは任意である。
【0035】
ここで、使用する機能液の粘度が高い場合、各吐出ノズル45aの詰りや吐出量が少なくなる等の問題があるため、機能液を温めることにより、その粘度を低下させる必要がある。
そこで、本実施形態に係る記録装置1では、キャリッジ41全体をチャンバーユニット51により覆って温めることにより、各記録ヘッド45内を通過する機能液を加温し、その粘度を適切なものとなるように管理している。
【0036】
図6ないし図8に示すように、チャンバーユニット51は、各記録ヘッド45のノズル面NFを露出させた状態で、キャリッジ41を覆うように設けられたチャンバールーム52と、チャンバールーム52内の雰囲気を加温する加温手段53と、加温手段53により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段54と、チャンバールーム52内の雰囲気の温度を検出する温度検出手段55と、を備えている。なお、請求項に言う「制御手段」は、制御装置5を指す。また、図中の矢印は、空気(雰囲気)の流れを示している。
【0037】
チャンバールーム52は、底の無い箱状に形成されている。チャンバールーム52は、上方からキャリッジ41に覆い被さり、メインヘッドプレート44上に密着して固定されている。チャンバールーム52の外装は、断熱性を有する樹脂で形成されている。なお、図示は省略するが、チャンバールーム52とメインヘッドプレート44との隙間は、シール材(エアータイト材)で塞がれている。また、各記録ヘッド45に機能液を供給する上流側チューブ48や制御信号を送信するケーブルは、チャンバールーム52を貫通して外部に延びているが、その貫通部分もシール材で塞がれている。すなわち、チャンバールーム52内は、外気圧と略同圧の密閉空間となっている。
【0038】
加温手段53は、電熱器であり、後述する送風ファン56の送気口側(下流側)に配置され、後述する連通チャンバー61内に固定されている。
【0039】
攪拌手段54は、チャンバールーム52内雰囲気を流動させる送風ファン56と、送風ファン56の送気口側に接続した複数の吹出し口57aを有する一対のマニホールド57と、送風ファン56の吸気口側に接続した吸気チャンバー58と、を有している。
【0040】
送風ファン56は、チャンバールーム52内においてY軸方向略中央に配設されている。送風ファン56は、マニホールド57と吸気チャンバー58とを連通させる連通チャンバー61内に固定されている。送風ファン56は、連通チャンバー61内において、吸気チャンバー58から各マニホールド57に向って送気可能に配設されている。また、連通チャンバー61は、下流側においてY軸方向に二分岐している。そして、連通チャンバー61の二分岐した部分が、それぞれマニホールド57に連通している。送風ファン56の駆動することで、吸気チャンバー58を介して吸い込んだ雰囲気をマニホールド57の複数の吹出し口57aから送り出す。これにより、チャンバールーム52内の雰囲気を循環させることができる。
【0041】
一対のマニホールド57は、チャンバールーム52の下端隅部で、X軸方向に延在している。送風ファン56により下流側へと送られた空気(雰囲気)は、加温手段53で温められ、各マニホールド57の複数(本実施形態では5つ)の吹出し口57aから同一流量で吹き出される。温められた雰囲気は、チャンバールーム52内で上昇するため、一対のマニホールド57を下端隅部に位置させることにより、チャンバールーム52内の上部と下部とにおける温度差を少なくすることができる。つまり、チャンバールーム52内の雰囲気の温度を均一にすることができる。
【0042】
また、マニホールド57の各吹出し口57aは、X軸方向両端部分およびサブヘッドプレート46の同士の間隙に臨んでいる。したがって、一対のマニホールド57は各吹出し口を互いに内側に向けて配設されている。各吹出し口57aから吹き出された加温された空気(雰囲気)が、各記録ヘッド45に直接吹き付けられる。これにより、各記録ヘッド45が重点的に温められるため、各記録ヘッド45内を通る機能液が効率良く加温される。
【0043】
吸気チャンバー58は、チャンバールーム52の上壁52aと天壁52bとの間に構成された上部チャンバー62と、チャンバールーム52の外側壁52cと内側壁52dとの間に構成され、上部チャンバー62に連通する側部チャンバー63と、を有している。
【0044】
上部チャンバー62は、チャンバールーム52内の上部全面に設けられた空間である。天壁52bには、上部チャンバー62に連通する複数の吸込口64が千鳥状に形成されている。チャンバールーム52内の雰囲気は、温められて上昇する。また、チャンバールーム52内の雰囲気は、送風ファン56の駆動により循環するため、複数の吸込口64を通過して上部チャンバー62内に吸い込まれる。このため、天壁52bに、複数の吸込口64を設けることにより、雰囲気を効率良く吸気することができると共に、雰囲気の循環を均一にすることができる。なお、複数の吸込口64の形成パターンは千鳥状に限定されるものではなく、例えばマトリクス状でもよい。
【0045】
側部チャンバー63は、チャンバールーム52内のX軸方向の1の側部全面に設けられた空間であり、上部で上部チャンバー62に連通している。すなわち、吸気チャンバー58は、上部チャンバー62と側部チャンバー63とにより一体に形成されたL字状の空間を為している。内側壁52dの下部には、送風ファン56の吸気口が接続される接続口65がY軸方向略中央に形成されている。また、接続口65において、側部チャンバー63と連通チャンバー61とが連通している。
【0046】
したがって、送風ファン56により送り出された空気は、加温手段53により加温され、連通チャンバー61および各マニホールド57内を通って複数の吹出し口57aから吹き出される。加温され吹き出された空気は、チャンバールーム52内の雰囲気を、加温すると共に攪拌する。加温された雰囲気は、上昇し、天壁52bに形成された複数の吸込口64を通って上部チャンバー62に吸い込まれる。吸い込まれた雰囲気は、送風ファン56の吸気作用により、上部チャンバー62から側部チャンバー63に流れて、送風ファン56により再びチャンバールーム52へと送り出される。これにより、チャンバールーム52内に上昇気流が形成して雰囲気を効率良く循環させる(攪拌する)ことで、チャンバールーム52内における雰囲気の滞留を防止し、雰囲気を一定の温度に維持することができる。
【0047】
温度検出手段55は、加温手段53の下流側に取り付けられた熱電対で構成されている。制御装置5は、温度検出手段55の検出結果に基づいて、チャンバールーム52内の雰囲気が予め設定した温度(本実施形態では45℃程度)となるように加温手段53をフィードバック制御する。これにより、各記録ヘッド45内、チャンバールーム52内の上流側チューブ48および下流側チューブ49を通る機能液は、加温されると共に設定した温度(適切な粘度)に維持される。なお、制御装置5は、温度検出手段55の検出結果に基づいて、加温手段53の他に送風ファン56の送風量(回転数)をフィードバック制御してもよい。
【0048】
また、図示は省略するが、変形例として、温度検出手段55の取り付け位置を、加温手段53の下流側に代えて、チャンバールーム52内に配置してもよい。チャンバールーム52内における温度検出手段55の取り付け位置は、任意であるが、X軸方向に並んだ中央の2つのチューブ保持部材43のうちいずれか1つに温度検出手段55を取り付けることが好ましい。これにより、チャンバールーム52内の中心付近の温度を検出することができる。なお、チャンバールーム52内の複数の位置の温度を検出することができるように、複数の温度検出手段55を設けてもよい。さらに、温度検出手段55を、加温手段53の下流側およびチャンバールーム52内の両方に配設してもよい。
【0049】
上述したチャンバーユニット51を用いることにより、キャリッジ41に搭載された各記録ヘッド45およびチューブ48,49等全体を均一に温めることができる。しかし、各記録ヘッド45のノズル面NFは、下方(チャンバールーム52の外)に露出しているため、各吐出ノズル45a内の機能液は、温度が僅かに下がってしまい、粘度が高くなってしまう。
【0050】
そこで、本実施形態に係る記録装置1では、制御装置5が、各記録ヘッド45に対して、各吐出ノズル45aから機能液(液滴)が吐出されない程度の微振動波形を印加している。この場合、ノズル面NFの温度を検出するヘッド温度検出手段(熱電対(図示省略))を各記録ヘッド45に設け、制御装置5が、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、設定した温度となるように微振動波形を印加することが好ましい。このように、各記録ヘッド45(ノズル面NF)の温度の検出および制御を行うことにより、吐出ノズル45a内における機能液の温度の微調整を行うことができる。これにより、ノズル詰りを有効に防止することができる。なお、請求項に言う「ヘッド駆動手段」および「ヘッド制御手段」とは、制御装置5が有する機能を指す。
【0051】
以上の構成によれば、キャリッジ41を覆うチャンバールーム52内の雰囲気を温めることができるため、キャリッジ41に搭載された各記録ヘッド45、各上流側チューブ48および各下流側チューブ49が同時に温められる。さらに、攪拌手段54により、チャンバールーム52内の空間を隅々まで均一に温めることができる。したがって、機能液は、各記録ヘッド45のノズル面NFに到達するまでの間に確実に加温される。これにより、連続的な機能液の吐出がなされ、機能液供給ユニットから機能液が供給され続けたとしても、機能液は、適切な粘度となるように加温され、各記録ヘッド45に供給される。このため、不適切な粘度の機能液によるノズル詰りや吐出量不足を有効に防止することができる。
【0052】
(第2実施形態)
図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る記録装置1について説明する。なお、第1実施形態に係る記録装置1と同様の説明は省略する。
第2実施形態に係る記録装置1の攪拌手段54は、加温手段53および送風ファン56を、それぞれ2台備えている。また、温度検出手段55も、それぞれの加温手段53の下流側に取り付けられている。内側壁52dには、Y軸方向両端部分にそれぞれ接続口65が形成されている。各接続口65には、送風ファン56の吸気口が接続されている。各送風ファン56は、各マニホールド57に連通する連通チャンバー61内に固定されている。そして、制御装置5は、各温度検出手段55の検出結果に基づいて、各加温手段53をフィードバック制御する。
【0053】
この構成によれば、攪拌手段54が2台設けられているため、チャンバールーム52内の雰囲気を迅速に設定温度に加温することができる。これにより、機能液を適切な粘度となるように加温し、機能液の不吐出や吐出量不足が有効に防止される。
【0054】
(第3実施形態)
図10および図11を参照して、本発明の第3実施形態に係る記録装置1について説明する。なお、第1実施形態に係る記録装置1と同様の説明は省略する。
第3実施形態に係る記録装置1の攪拌手段54では、送風ファン56が、上部チャンバー62内に配設されている。また、側部チャンバー63は、X軸方向両端部に、それぞれ2本ずつ設けられた合計4本のダクトで形成されている。X軸方向に並んだ一対二組の側部チャンバー63は、それぞれ上部チャンバー62の両端部とマニホールド57の両端部とを連通させている。したがって、マニホールド57と吸気チャンバー58とを連通させる連通チャンバー61は省略されている。
【0055】
この構成によれば、温められた雰囲気は、チャンバールーム52内で上昇するため、上部チャンバー62内に送風ファン56を設けることにより、雰囲気を効率良く吸気することができると共に、雰囲気の循環を均一にすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1:記録装置、5:制御装置、41:キャリッジ、44:記録ヘッド、52:チャンバールーム、52a:上壁、52b:天壁、52c:外側壁、52d:内側壁、53:加温手段、54:攪拌手段、55:温度検出手段、56:送風ファン、57:マニホールド、57a:吹出し口、58:吸気チャンバー、62:上部チャンバー、63:側部チャンバー、64:吸込口、65:接続口
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に対し、記録ヘッドを搭載したキャリッジを相対移動させて記録処理を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッド(インクジェットヘッド)のノズルが配置されたノズル面の周囲に着脱可能に巻回されて装着された加温手段(インク加熱手段)を備えた記録装置が知られている(特許文献1参照)。この加温手段は、記録ヘッドの下部周囲に密着させて巻回するU字状をした加熱枠体と、温水循環手段を駆動して加熱枠体内側に形成された温水を循環させる通路と、から構成されている。
この加温手段では、通路内に温水を循環させることにより、記録ヘッド内側を通過するインクを加熱(熱交換)して、インクの粘度を低下させ、ノズルがインクで詰まることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−007583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の記録装置に備えられた加温手段は、記録ヘッドのノズル面付近のみを加熱しているため、連続的に記録が行われ、インクの供給源から流路を通って常温のインクが、記録ヘッドに供給され続けると、インクの加温(加熱)が間に合わず、適切な粘度になる前にノズルに供給される。このため、温度が上がらず粘度の高いままのインクによりノズルが詰まるという問題があった。
また、複数の記録ヘッドを用いる場合には、全ての記録ヘッドに加温手段を設けなければならず、構造的に複雑になると共に、コスト増加という問題もあった。
【0005】
本発明は、供給量に関わらずインク等の機能液を安定して加温することができる記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジと、記録ヘッドのノズル面を露出させた状態で、キャリッジを覆うチャンバールームと、チャンバールーム内の雰囲気を加温する加温手段と、加温手段により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、キャリッジを覆うチャンバールーム内の雰囲気を温めることで、キャリッジに搭載された記録ヘッド全体を温めることができる。また、当然のことながら、記録ヘッドには、インク等の機能液を供給するための流路(チューブ)が接続されており、この流路も同時に温められる。さらに、攪拌手段により、チャンバールーム内の空間を隅々まで均一に温めることができる。したがって、チャンバールーム内の雰囲気を介して、記録ヘッド内および記録ヘッドに接続された流路内を通る機能液は、記録ヘッドのノズル面に到達するまでの間に確実に加温される。これにより、連続的な記録により供給源から機能液が供給され続けたとしても、機能液は、適切な粘度となるように加温され、記録ヘッドに供給される。このため、不適切な粘度の機能液による記録ヘッドのノズル詰りや吐出量不足を有効に防止することができる。
なお、チャンバールームは、キャリッジに対して密着している。また、記録ヘッドに接続された流路やケーブルは、チャンバールームを貫通して外部に延びているが、その貫通部分は、シールされている。すなわち、チャンバールーム内は、外気圧と略同圧の密閉空間となっている。
【0008】
この場合、雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出結果に基づいて、雰囲気が所定の温度となるように加温手段を制御する制御手段と、を更に備えたことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、チャンバールーム内の雰囲気の温度を、予め設定した(所定の)温度に維持することができる。これにより、記録ヘッド内およびこれに接続された流路内を通る機能液は、加温されると共に所定の温度(適切な粘度)に維持される。
【0010】
この場合、攪拌手段は、雰囲気を流動させる送風ファンと、送風ファンの送気口側に接続した複数の吹出し口を有するマニホールドと、送風ファンの吸気口側に接続した吸気チャンバーと、を有していることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、送風ファンの駆動により、吸気口から吸い込んだ雰囲気をマニホールドの複数の吹出し口から送気することにより、チャンバールーム内の雰囲気を循環させることができる。また、複数の吹出し口から送気されるため、チャンバールーム内の空間全体を攪拌することができる。これにより、チャンバールーム内において雰囲気が滞留することがなく、雰囲気を一定の温度に維持することができる。したがって、記録ヘッド内およびこれに接続された流路内を通る機能液を均一な温度に加温することができる。
【0012】
また、この場合、吸気チャンバーは、チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、上部チャンバーに連通する側部チャンバーと、を有し、天壁には、複数の吸込口が形成され、内側壁には、送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることが好ましい。
【0013】
他にも、吸気チャンバーは、チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、上部チャンバーおよびマニホールドに連通する側部チャンバーと、を有し、天壁には、送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることが好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、温められた雰囲気は、チャンバールーム内で上昇し、チャンバールーム内の雰囲気は、上部チャンバーおよび側部チャンバーを通過して、再びチャンバールームに戻ってくる。このため、天壁に、複数の吸込口または送風ファンを設けることにより、雰囲気を効率良く吸気することができると共に、雰囲気の循環を均一にすることができる。
【0015】
この場合、キャリッジには、複数の記録ヘッドが間隔を有して並んで搭載され、マニホールドの各吹出し口は、記録ヘッド同士の間隔に臨んでいることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、各吹出し口からの送気によって、加温された雰囲気が各記録ヘッドに直接吹き付けられる。これにより、各記録ヘッドが重点的に温められるため、各記録ヘッド内を通る機能液が効率良く加温される。
【0017】
また、この場合、マニホールドは、チャンバールームの下端隅部に配設されていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、温められた雰囲気は、チャンバールーム内で上昇するため、マニホールドをチャンバールームの下端隅部に位置させることにより、チャンバールーム内の上部と下部とにおける温度差を少なくすることができる。また、チャンバールーム内に上昇気流が形成され、チャンバールーム内の雰囲気を効率良く循環させる(攪拌する)ことができる。
【0019】
この場合、記録ヘッドのノズル面を加温するために、記録ヘッドに対し、ノズル面に形成されたノズルから液滴が吐出されない程度の微振動波形を印加するヘッド駆動手段と、記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、記録ヘッドが所定の温度となるようにヘッド駆動手段を制御するヘッド制御手段と、を更に備えたことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、記録ヘッドに微振動波形を印加することにより、ノズル部分に臨む機能液を温めることができる。また、記録ヘッドの温度の検出および制御を行うことにより、ノズル内における機能液の温度の微調整を行うことができる。これにより、ノズル詰りを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】記録装置を模式的に示した斜視図である。
【図2】記録装置を模式的に示した正面図である。
【図3】記録ユニット(キャリッジ)の表裏斜視図である。
【図4】記録ヘッドの斜視図である。
【図5】サブヘッドプレートおよび記録ヘッドの底面図である。
【図6】第1実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの平面断面図である。
【図7】第1実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの正面断面図である。
【図8】第1実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの側面断面図である。
【図9】第2実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの平面断面図である。
【図10】第3実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの平面断面図である。
【図11】第3実施形態に係るキャリッジおよびチャンバーユニットの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る記録装置について説明する。この記録装置は、ワーク(記録媒体)に対して、例えば、紫外線硬化インク(UVインク)を記録ヘッドにより吐出することで、所望の画像等を描画(印刷)するものである。なお、以下の説明では、各図に示す通り、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定する。
【0023】
図1および図2に示すように、記録装置1は、X軸方向に延在して、ワークWをX軸方向に移動させるX軸テーブル2と、X軸テーブル2を跨ぐように架け渡され、Y軸方向に延在するY軸テーブル3と、複数の記録ヘッド45が搭載された記録ユニット4と、装置全体を統括制御する制御装置5と、を備えている。また、図示は省略するが、記録装置1は、各記録ヘッド45に機能液を供給する機能液供給ユニットと、記録ヘッド45の機能維持・機能回復を図るためのメンテナンス装置と、を備えている。
【0024】
この記録装置1では、X軸テーブル2およびY軸テーブル3が交わる部分が、各記録ヘッド45により描画(印刷)が行われる描画エリアDAとなっている。
制御装置5は、X軸テーブル2とY軸テーブル3とを同期駆動し、描画エリアDAにおいて各記録ヘッド45から複数色の機能液を吐出させる。これにより、ワークWに所定の描画が行われる。また、制御装置5は、Y軸テーブル3を駆動してメンテナンス装置上に記録ユニット4を臨ませて、各記録ヘッド45の機能維持・機能回復を行う。
【0025】
X軸テーブル2は、ワークWを吸着セットすると共に、θ軸方向に補正可能な機構を有するワークステージ21と、ワークステージ21を支持すると共にリニアモーターが組み込まれた一対のX軸スライダー22と、X軸方向に延在し、X軸スライダー22のX軸方向への移動をガイドする一対のX軸ガイドレール23と、を備えている。
【0026】
Y軸テーブル3は、各記録ユニット4を吊設した一対のブリッジ部材31と、各ブリッジ部材31に両持ちで支持されると共にリニアモーターが組み込まれた一対のY軸スライダー32と、Y軸方向に延在し、Y軸スライダー32のY軸方向への移動をガイドする一対のY軸ガイドレール33と、を備えている。
【0027】
図3に示すように、記録ユニット4は、複数の記録ヘッド45を搭載したヘッドユニット42を有するキャリッジ41と、キャリッジ41を覆うように設けられたチャンバーユニット51(図6参照)と、を備えている。記録ユニット4は、昇降機構付きの吊設部材(図示省略)によりY軸テーブル3に支持されている。
【0028】
キャリッジ41は、複数の記録ヘッド45を搭載した4つのヘッドユニット42と、ヘッドユニット42上において機能液の流路となる複数の上流側チューブ48を保持する4つのチューブ保持部材43と、ヘッドユニット42が4つ並んで装着されるメインヘッドプレート44と、を有している。
【0029】
各ヘッドユニット42は、インクジェット方式で機能液を吐出する4個の記録ヘッド45と、各記録ヘッド45が装着されるサブヘッドプレート46と、を有している。
【0030】
図4に示すように、各記録ヘッド45は、ノズル面NFに相互に平行な複数の吐出ノズル45aから成る複数(4列)のノズル列を有している。また、各記録ヘッド45には、サブヘッドプレート46への固定部位としてノズル面NF側にフランジ部45bが設けられている。なお、記録ヘッド45の吐出ノズル45aの数およびノズル列の数は任意である。
【0031】
図5に示すように、各サブヘッドプレート46は、ステンレス等の厚板で略クランク形状に形成されている。各サブヘッドプレート46には、板厚方向に貫通して形成された4個のヘッド装着開口46aが千鳥状に配設されている。各ヘッド装着開口46aには、記録ヘッド45がノズル面NFを下方に露出して取り付けられている。なお、図示は省略するが、各記録ヘッド45と各ヘッド装着開口46aとの隙間は、シール材(エアータイト材)で塞がれている。また、サブヘッドプレート46に対する記録ヘッド45の装着個数および配設パターンは任意である。
【0032】
図3に示すように、各チューブ保持部材43は、逆U字状に形成され、各サブヘッドプレート46に搭載された各記録ヘッド45を跨ぐように配置されている。そして、各チューブ保持部材43は、一対の脚部分で各サブヘッドプレート46に固定されている。
【0033】
各チューブ保持部材43の上面には、機能液供給ユニットから供給された機能液を各記録ヘッド45に導くための複数(本実施形態では8本)の継手部材47が固定されている。各継手部材47は、X軸方向に向って突設された導入接続口47aと、チューブ保持部材43の上面から貫通して下方に向って突設された2つの導出接続口47bと、を有している。各導入接続口47aには、機能液供給ユニットに連通した上流側チューブ48が接続されている。各導出接続口47bには、各記録ヘッド45に連通した下流側チューブ49が接続さていれる(図8参照)。なお、各下流側チューブ49は、下流側で二股に分岐しており、1つの記録ヘッド45には、8本の下流側チューブ49(2本分の上流側チューブ48)が接続される。
【0034】
図3に示すように、メインヘッドプレート44は、ステンレス等の厚板で略クランク形状に形成されている。メインヘッドプレート44には、板厚方向に貫通して、略クランク形状のプレート装着開口44aが形成されている。プレート装着開口44aには、ヘッドユニット42(サブヘッドプレート46)が、長辺(X軸)方向に4つ並んで取り付けられている。なお、図示は省略するが、各サブヘッドプレート46とメインヘッドプレート44との隙間は、シール材(エアータイト材)で塞がれている。また、メインヘッドプレート44に対するサブヘッドプレート46の装着個数および配設パターンは任意である。
【0035】
ここで、使用する機能液の粘度が高い場合、各吐出ノズル45aの詰りや吐出量が少なくなる等の問題があるため、機能液を温めることにより、その粘度を低下させる必要がある。
そこで、本実施形態に係る記録装置1では、キャリッジ41全体をチャンバーユニット51により覆って温めることにより、各記録ヘッド45内を通過する機能液を加温し、その粘度を適切なものとなるように管理している。
【0036】
図6ないし図8に示すように、チャンバーユニット51は、各記録ヘッド45のノズル面NFを露出させた状態で、キャリッジ41を覆うように設けられたチャンバールーム52と、チャンバールーム52内の雰囲気を加温する加温手段53と、加温手段53により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段54と、チャンバールーム52内の雰囲気の温度を検出する温度検出手段55と、を備えている。なお、請求項に言う「制御手段」は、制御装置5を指す。また、図中の矢印は、空気(雰囲気)の流れを示している。
【0037】
チャンバールーム52は、底の無い箱状に形成されている。チャンバールーム52は、上方からキャリッジ41に覆い被さり、メインヘッドプレート44上に密着して固定されている。チャンバールーム52の外装は、断熱性を有する樹脂で形成されている。なお、図示は省略するが、チャンバールーム52とメインヘッドプレート44との隙間は、シール材(エアータイト材)で塞がれている。また、各記録ヘッド45に機能液を供給する上流側チューブ48や制御信号を送信するケーブルは、チャンバールーム52を貫通して外部に延びているが、その貫通部分もシール材で塞がれている。すなわち、チャンバールーム52内は、外気圧と略同圧の密閉空間となっている。
【0038】
加温手段53は、電熱器であり、後述する送風ファン56の送気口側(下流側)に配置され、後述する連通チャンバー61内に固定されている。
【0039】
攪拌手段54は、チャンバールーム52内雰囲気を流動させる送風ファン56と、送風ファン56の送気口側に接続した複数の吹出し口57aを有する一対のマニホールド57と、送風ファン56の吸気口側に接続した吸気チャンバー58と、を有している。
【0040】
送風ファン56は、チャンバールーム52内においてY軸方向略中央に配設されている。送風ファン56は、マニホールド57と吸気チャンバー58とを連通させる連通チャンバー61内に固定されている。送風ファン56は、連通チャンバー61内において、吸気チャンバー58から各マニホールド57に向って送気可能に配設されている。また、連通チャンバー61は、下流側においてY軸方向に二分岐している。そして、連通チャンバー61の二分岐した部分が、それぞれマニホールド57に連通している。送風ファン56の駆動することで、吸気チャンバー58を介して吸い込んだ雰囲気をマニホールド57の複数の吹出し口57aから送り出す。これにより、チャンバールーム52内の雰囲気を循環させることができる。
【0041】
一対のマニホールド57は、チャンバールーム52の下端隅部で、X軸方向に延在している。送風ファン56により下流側へと送られた空気(雰囲気)は、加温手段53で温められ、各マニホールド57の複数(本実施形態では5つ)の吹出し口57aから同一流量で吹き出される。温められた雰囲気は、チャンバールーム52内で上昇するため、一対のマニホールド57を下端隅部に位置させることにより、チャンバールーム52内の上部と下部とにおける温度差を少なくすることができる。つまり、チャンバールーム52内の雰囲気の温度を均一にすることができる。
【0042】
また、マニホールド57の各吹出し口57aは、X軸方向両端部分およびサブヘッドプレート46の同士の間隙に臨んでいる。したがって、一対のマニホールド57は各吹出し口を互いに内側に向けて配設されている。各吹出し口57aから吹き出された加温された空気(雰囲気)が、各記録ヘッド45に直接吹き付けられる。これにより、各記録ヘッド45が重点的に温められるため、各記録ヘッド45内を通る機能液が効率良く加温される。
【0043】
吸気チャンバー58は、チャンバールーム52の上壁52aと天壁52bとの間に構成された上部チャンバー62と、チャンバールーム52の外側壁52cと内側壁52dとの間に構成され、上部チャンバー62に連通する側部チャンバー63と、を有している。
【0044】
上部チャンバー62は、チャンバールーム52内の上部全面に設けられた空間である。天壁52bには、上部チャンバー62に連通する複数の吸込口64が千鳥状に形成されている。チャンバールーム52内の雰囲気は、温められて上昇する。また、チャンバールーム52内の雰囲気は、送風ファン56の駆動により循環するため、複数の吸込口64を通過して上部チャンバー62内に吸い込まれる。このため、天壁52bに、複数の吸込口64を設けることにより、雰囲気を効率良く吸気することができると共に、雰囲気の循環を均一にすることができる。なお、複数の吸込口64の形成パターンは千鳥状に限定されるものではなく、例えばマトリクス状でもよい。
【0045】
側部チャンバー63は、チャンバールーム52内のX軸方向の1の側部全面に設けられた空間であり、上部で上部チャンバー62に連通している。すなわち、吸気チャンバー58は、上部チャンバー62と側部チャンバー63とにより一体に形成されたL字状の空間を為している。内側壁52dの下部には、送風ファン56の吸気口が接続される接続口65がY軸方向略中央に形成されている。また、接続口65において、側部チャンバー63と連通チャンバー61とが連通している。
【0046】
したがって、送風ファン56により送り出された空気は、加温手段53により加温され、連通チャンバー61および各マニホールド57内を通って複数の吹出し口57aから吹き出される。加温され吹き出された空気は、チャンバールーム52内の雰囲気を、加温すると共に攪拌する。加温された雰囲気は、上昇し、天壁52bに形成された複数の吸込口64を通って上部チャンバー62に吸い込まれる。吸い込まれた雰囲気は、送風ファン56の吸気作用により、上部チャンバー62から側部チャンバー63に流れて、送風ファン56により再びチャンバールーム52へと送り出される。これにより、チャンバールーム52内に上昇気流が形成して雰囲気を効率良く循環させる(攪拌する)ことで、チャンバールーム52内における雰囲気の滞留を防止し、雰囲気を一定の温度に維持することができる。
【0047】
温度検出手段55は、加温手段53の下流側に取り付けられた熱電対で構成されている。制御装置5は、温度検出手段55の検出結果に基づいて、チャンバールーム52内の雰囲気が予め設定した温度(本実施形態では45℃程度)となるように加温手段53をフィードバック制御する。これにより、各記録ヘッド45内、チャンバールーム52内の上流側チューブ48および下流側チューブ49を通る機能液は、加温されると共に設定した温度(適切な粘度)に維持される。なお、制御装置5は、温度検出手段55の検出結果に基づいて、加温手段53の他に送風ファン56の送風量(回転数)をフィードバック制御してもよい。
【0048】
また、図示は省略するが、変形例として、温度検出手段55の取り付け位置を、加温手段53の下流側に代えて、チャンバールーム52内に配置してもよい。チャンバールーム52内における温度検出手段55の取り付け位置は、任意であるが、X軸方向に並んだ中央の2つのチューブ保持部材43のうちいずれか1つに温度検出手段55を取り付けることが好ましい。これにより、チャンバールーム52内の中心付近の温度を検出することができる。なお、チャンバールーム52内の複数の位置の温度を検出することができるように、複数の温度検出手段55を設けてもよい。さらに、温度検出手段55を、加温手段53の下流側およびチャンバールーム52内の両方に配設してもよい。
【0049】
上述したチャンバーユニット51を用いることにより、キャリッジ41に搭載された各記録ヘッド45およびチューブ48,49等全体を均一に温めることができる。しかし、各記録ヘッド45のノズル面NFは、下方(チャンバールーム52の外)に露出しているため、各吐出ノズル45a内の機能液は、温度が僅かに下がってしまい、粘度が高くなってしまう。
【0050】
そこで、本実施形態に係る記録装置1では、制御装置5が、各記録ヘッド45に対して、各吐出ノズル45aから機能液(液滴)が吐出されない程度の微振動波形を印加している。この場合、ノズル面NFの温度を検出するヘッド温度検出手段(熱電対(図示省略))を各記録ヘッド45に設け、制御装置5が、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、設定した温度となるように微振動波形を印加することが好ましい。このように、各記録ヘッド45(ノズル面NF)の温度の検出および制御を行うことにより、吐出ノズル45a内における機能液の温度の微調整を行うことができる。これにより、ノズル詰りを有効に防止することができる。なお、請求項に言う「ヘッド駆動手段」および「ヘッド制御手段」とは、制御装置5が有する機能を指す。
【0051】
以上の構成によれば、キャリッジ41を覆うチャンバールーム52内の雰囲気を温めることができるため、キャリッジ41に搭載された各記録ヘッド45、各上流側チューブ48および各下流側チューブ49が同時に温められる。さらに、攪拌手段54により、チャンバールーム52内の空間を隅々まで均一に温めることができる。したがって、機能液は、各記録ヘッド45のノズル面NFに到達するまでの間に確実に加温される。これにより、連続的な機能液の吐出がなされ、機能液供給ユニットから機能液が供給され続けたとしても、機能液は、適切な粘度となるように加温され、各記録ヘッド45に供給される。このため、不適切な粘度の機能液によるノズル詰りや吐出量不足を有効に防止することができる。
【0052】
(第2実施形態)
図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る記録装置1について説明する。なお、第1実施形態に係る記録装置1と同様の説明は省略する。
第2実施形態に係る記録装置1の攪拌手段54は、加温手段53および送風ファン56を、それぞれ2台備えている。また、温度検出手段55も、それぞれの加温手段53の下流側に取り付けられている。内側壁52dには、Y軸方向両端部分にそれぞれ接続口65が形成されている。各接続口65には、送風ファン56の吸気口が接続されている。各送風ファン56は、各マニホールド57に連通する連通チャンバー61内に固定されている。そして、制御装置5は、各温度検出手段55の検出結果に基づいて、各加温手段53をフィードバック制御する。
【0053】
この構成によれば、攪拌手段54が2台設けられているため、チャンバールーム52内の雰囲気を迅速に設定温度に加温することができる。これにより、機能液を適切な粘度となるように加温し、機能液の不吐出や吐出量不足が有効に防止される。
【0054】
(第3実施形態)
図10および図11を参照して、本発明の第3実施形態に係る記録装置1について説明する。なお、第1実施形態に係る記録装置1と同様の説明は省略する。
第3実施形態に係る記録装置1の攪拌手段54では、送風ファン56が、上部チャンバー62内に配設されている。また、側部チャンバー63は、X軸方向両端部に、それぞれ2本ずつ設けられた合計4本のダクトで形成されている。X軸方向に並んだ一対二組の側部チャンバー63は、それぞれ上部チャンバー62の両端部とマニホールド57の両端部とを連通させている。したがって、マニホールド57と吸気チャンバー58とを連通させる連通チャンバー61は省略されている。
【0055】
この構成によれば、温められた雰囲気は、チャンバールーム52内で上昇するため、上部チャンバー62内に送風ファン56を設けることにより、雰囲気を効率良く吸気することができると共に、雰囲気の循環を均一にすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1:記録装置、5:制御装置、41:キャリッジ、44:記録ヘッド、52:チャンバールーム、52a:上壁、52b:天壁、52c:外側壁、52d:内側壁、53:加温手段、54:攪拌手段、55:温度検出手段、56:送風ファン、57:マニホールド、57a:吹出し口、58:吸気チャンバー、62:上部チャンバー、63:側部チャンバー、64:吸込口、65:接続口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドを搭載したキャリッジと、
前記記録ヘッドのノズル面を露出させた状態で、前記キャリッジを覆うチャンバールームと、
前記チャンバールーム内の雰囲気を加温する加温手段と、
前記加温手段により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段と、を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記雰囲気が所定の温度となるように前記加温手段を制御する制御手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記攪拌手段は、
前記雰囲気を流動させる送風ファンと、
前記送風ファンの送気口側に接続した複数の吹出し口を有するマニホールドと、
前記送風ファンの吸気口側に接続した吸気チャンバーと、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記吸気チャンバーは、
前記チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、
前記チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、前記上部チャンバーに連通する側部チャンバーと、を有し、
前記天壁には、複数の吸込口が形成され、
前記内側壁には、前記送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記吸気チャンバーは、
前記チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、
前記チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、前記上部チャンバーおよび前記マニホールドに連通する側部チャンバーと、を有し、
前記天壁には、前記送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記キャリッジには、複数の前記記録ヘッドが間隔を有して並んで搭載され、
前記マニホールドの前記各吹出し口は、前記記録ヘッド同士の間隔に臨んでいることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の記録装置。
【請求項7】
前記マニホールドは、前記チャンバールームの下端隅部に配設されていることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の記録装置。
【請求項8】
前記記録ヘッドの前記ノズル面を加温するために、前記記録ヘッドに対し、前記ノズル面に形成されたノズルから液滴が吐出されない程度の微振動波形を印加するヘッド駆動手段と、
前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドが所定の温度となるように前記ヘッド駆動手段を制御するヘッド制御手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の記録装置。
【請求項1】
記録ヘッドを搭載したキャリッジと、
前記記録ヘッドのノズル面を露出させた状態で、前記キャリッジを覆うチャンバールームと、
前記チャンバールーム内の雰囲気を加温する加温手段と、
前記加温手段により加温された雰囲気を攪拌する攪拌手段と、を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記雰囲気の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記雰囲気が所定の温度となるように前記加温手段を制御する制御手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記攪拌手段は、
前記雰囲気を流動させる送風ファンと、
前記送風ファンの送気口側に接続した複数の吹出し口を有するマニホールドと、
前記送風ファンの吸気口側に接続した吸気チャンバーと、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記吸気チャンバーは、
前記チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、
前記チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、前記上部チャンバーに連通する側部チャンバーと、を有し、
前記天壁には、複数の吸込口が形成され、
前記内側壁には、前記送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記吸気チャンバーは、
前記チャンバールームの上壁と天壁との間に構成された上部チャンバーと、
前記チャンバールームの外側壁と内側壁との間に構成され、前記上部チャンバーおよび前記マニホールドに連通する側部チャンバーと、を有し、
前記天壁には、前記送風ファンの吸気口に接続される接続口が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記キャリッジには、複数の前記記録ヘッドが間隔を有して並んで搭載され、
前記マニホールドの前記各吹出し口は、前記記録ヘッド同士の間隔に臨んでいることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の記録装置。
【請求項7】
前記マニホールドは、前記チャンバールームの下端隅部に配設されていることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の記録装置。
【請求項8】
前記記録ヘッドの前記ノズル面を加温するために、前記記録ヘッドに対し、前記ノズル面に形成されたノズルから液滴が吐出されない程度の微振動波形を印加するヘッド駆動手段と、
前記記録ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドが所定の温度となるように前記ヘッド駆動手段を制御するヘッド制御手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−192596(P2012−192596A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57673(P2011−57673)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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