説明

記録装置

【課題】装置を大型化することなく、記録媒体の幅方においてより広い領域に画像を記録できる記録装置を提供する。
【解決手段】搬送ローラ10のニップ力を第1搬送群4のニップ力よりも強く、第2搬送群5のニップ力を第1搬送群4のニップ力よりも強くし、上流側の記録ヘッド1aによる記録の際には、搬送ローラ10によって記録媒体3の搬送を制御しながら印字し、下流側の記録ヘッド1bによる記録の際には、第2搬送群5によって記録媒体3の搬送を制御しながら印字することで装置の小型化を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式の記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、書類などが入れられた封筒などの郵便物に印刷する記録装置を開示している。この記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジが2つの印刷位置間を移動することができるように取付けられている。そして、一方の印刷位置において、該インクジェット記録装置に配置された搬送装置で搬送された記録媒体に直接インダイシャを印刷し、他方の印刷位置において、搬送装置で送ることができない記録媒体に貼られるテープのストリップにインダシャを印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3769319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された記録装置では、記録面の搬送精度を確保するために、駆動された搬送ローラを記録面側に接触させて搬送する必要がある。記録ヘッド近傍において封筒の記録面に搬送ローラやガイドを接触させるため、記録媒体の幅方向の全体に記録することができず、特定の範囲にしか印刷できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置を大型化することなく、記録媒体の幅方向においてより広い領域に画像を記録できる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の記録装置は、記録媒体の搬送方向に順に配置され、記録媒体を挟持して搬送可能な第1、第2および第3の搬送手段と、
前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間に配置され、搬送される記録媒体の第1の記録領域にインクを吐出して画像を記録可能な第1の記録手段と、
前記第2の搬送手段と前記第3の搬送手段との間に配置され、搬送される記録媒体の前記第1の記録領域とは異なる第2の記録領域にインクを吐出して画像を記録可能な第2の記録手段と、を有し、前記第1、第2および第3の搬送手段のうち、隣り合う2つの搬送手段により記録媒体が同時に挟持された状態において、当該隣り合う2つの搬送手段のいずれか一方の搬送速度で記録媒体の搬送速度がコントロールされるように、当該隣り合う搬送手段の記録媒体を挟持する各ニップ力が互いに異なり、かつ、当該隣り合う2つの搬送手段のうちの搬送方向の下流側に位置する搬送手段の搬送速度が搬送方向の上流側に位置する搬送手段の搬送速度よりも高い、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置を大型化することなく、記録媒体の幅方向のより広い領域に印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る記録装置の概略構成を示す上面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る記録装置の概略構成を示す正面図である。
【図3】本発明に係る記録媒体の概略図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る記録装置の制御フローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る記録装置の制御系ブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る記録装置の概略構成を示す上面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る記録装置の概略構成を示す正面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る記録媒体の概略図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る記録装置の制御フローチャートである。
【図10】本発明の第4実施形態に係る記録装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る記録装置の概略図である。
【図12】本発明の第3実施形態で使用する記録媒体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1および図2は本実施形態に係るインクジェット式の記録装置の概略図であって、図1は上面図、図2は正面図をそれぞれ示す。本実施形態の記録装置は、記録媒体3を搬送する搬送部、記録媒体3にインク吐出を行う2個のキャリッジ、記録ヘッドのクリーニングを行う回復装置23、印字開始等の操作を行う操作パネル14を含む。
【0011】
第1の記録手段としての第1キャリッジ2には、キャリッジ移動用ベルト、キャリッジモータ32a及びキャリッジ移動用レールが配置されており、第1キャリッジ2はキャリッジ移動用レール上を移動可能となっている。また、キャリッジには記録媒体3にインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドが搭載されている。
【0012】
第1キャリッジ2の停止位置には、キャップ位置11及び印字位置12が用意されている。キャップ位置11は印刷待機時、電源オフ時等の印刷動作が行われない時や、クリーニング動作を行う時に使用される位置である。印字位置12は記録媒体3への印字を行う時に使用される位置である。
【0013】
第2の記録手段としての第2キャリッジ7にも、第1キャリッジ2同様にキャリッジ移動用ベルト、キャリッジモータ32b及びキャリッジ移動用レールが配置されており、第2キャリッジ7はキャリッジ移動用レール上を移動可能となっている。また、キャリッジには記録媒体3に印字を行う記録ヘッドが搭載されており、記録媒体3にインク吐出して印字を行う。第2キャリッジ7の停止位置にも、第1キャリッジ2同様にキャップ位置11及び印字位置12が用意されている。なお、第1キャリッジ2および第2キャリッジの印字位置は、それぞれ独立に変更可能である。
【0014】
キャップ位置11は印刷待機時、電源オフ時等の印刷動作が行われない時や、クリーニング動作を行う時に使用される位置である。印字位置12は記録媒体3への印字を行う時に使用される位置である。
【0015】
この装置は、上流からそれぞれ記録媒体3を積載し、搬送経路に供給するためのフィーダ部8を備えた給紙装置40、第1キャリッジ2の下流に配置された第2の搬送手段としての第1搬送群4、第2キャリッジ7の下流に配置された第3の搬送手段としての第2搬送群5を備えている。
【0016】
第1キャリッジ2に対して第1搬送群4、第2キャリッジ7に対して第2搬送群5が設けられ、各搬送群は対応するキャリッジに搭載された記録ヘッドのノズルで記録可能な領域をニップしない位置に配置され、記録ヘッドで印字した直後の記録媒体印字部を搬送群によって踏みつけないようになっている。
【0017】
各搬送群の幅(搬送方向を横切る方向の寸法)は、記録媒体の最小幅の範囲内に収まるように形成されている。キャリッジ間の距離は搬送可能な記録媒体の最大長さよりも長くなっている。このため、一の記録媒体に複数のキャリッジで同時に印字されることはない。
【0018】
図3に本実施形態で使用する記録媒体3を示す。本実施形態における記録装置には、第1、第2キャリッジ7が配置されており、記録媒体3に対して第1キャリッジ2で印字される領域を記録領域(第1の記録領域)A、第2キャリッジ7で印字される領域を記録領域(第2の記録領域)Bとする。
【0019】
記録媒体3が矢印方向13へ向かって搬送されるとき、図中上側が記録領域A、下側が記録領域Bとなる。
【0020】
本実施形態における記録媒体3は、最小幅を有する記録媒体である。本実施形態における記録媒体の最小幅は万国郵便条約に基づいて決めており、90ミリメートルとしているが、万国郵便条約の規格に係わらず、各国の郵政規格により決定しても構わない。本実施形態において、先端、後端及び左右端部には余白領域を設けているが、必要に応じて余白領域をなくしてもかまわない。
【0021】
次に、各部を駆動するための制御系について図5を参照して説明する。図5において、33は制御部であってCPU33a、ROM33b、RAM33cからなる。CPU33aは中央演算処理装置であり、後述のROM33bや入力装置等の外部機器34等からプログラムや各種データを読み出し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行うものである。ROM33bは読み出し専用メモリーであり、CPU33aが動作するための各種データを格納している。RAM33cはリードライトメモリーであり、前記CPU33aが命令中のデータや演算結果を一時貯えておくワーキングエリア、外部機器34等から入力された各種データを格納しておくバッファエリア、アドレス情報等を保存しておくテキストエリア等からなっている。
【0022】
制御部33は、インターフェース35を介して外部機器34から画信号を入力し、また操作パネル14から各種の情報を入力する。また、制御部33はセンサやエンコーダからの出力信号を入力し、情報を処理する。
【0023】
また、制御部33はインターフェース35を介して各モータ(キャリッジモータ32等)を駆動制御するモータドライバ36へ駆動信号を出力し、且つ記録ヘッド1を駆動制御するヘッドドライバ37へ画信号等を出力して各部材を駆動する。
【0024】
ここで、本実施形態の印字動作について図4のフローチャートを用いて説明する。ユーザが記録媒体3をフィーダ部8のトレイに積載し、操作パネル14のスタートボタンを押すと(ステップS1)、印刷が開始され(ステップS2)、第1キャリッジ2、第2キャリッジ7がそれぞれ印字位置12へ移動する(ステップS3,S4)。その後、給紙ローラ9、搬送ローラ10、第1搬送群4、第2搬送群5がそれぞれ回転し(ステップS5)、記録媒体3を搬送ローラ10へ給紙する(ステップS6)。記録媒体3が搬送ローラ10を通過後、入口センサ15が印字媒体を検知したのをトリガとして(ステップS7)、第1キャリッジ2で記録領域Aに印字を行う(ステップS8)。その後、印字媒体は第1搬送群4、第2搬送群5へ受け渡されて搬送を続け、記録媒体3が第2入口センサ19の通過をトリガとして(ステップS9)、第2キャリッジ7で記録領域Bに印字を行う(ステップS10)。第2キャリッジ7で印字した後、一定時間入口センサ15を記録媒体3が通過しない場合(ステップS11)、第1及び第2キャリッジ2、7はキャップ位置11へ移動してキャッピングし(ステップS12,13)、給紙ローラ9、搬送ローラ10、第1搬送群4、第2搬送群5が停止し(ステップS14)、印字動作を終了する。
【0025】
次に、実際に記録媒体を搬送したときの装置の動作について説明する。給紙装置40は記録媒体3を積載、給紙を行うフィーダ部8と、フィーダ部8に積載された記録媒体3を分離して記録媒体3を1枚ずつ給紙させる分離部16、記録媒体3をニップして第1キャリッジ2にて印字する際の吐出タイミングを決める第1の搬送手段としての搬送ローラ10を含む。搬送ローラ10は、記録媒体3の記録面と接触する。
【0026】
フィーダ部8はトレイに記録媒体3を搬送させる給紙ローラ9が配置されており、給紙ローラ9の駆動によりトレイに積載された最下層の記録媒体3を搬送する。このとき最下層の記録媒体3と最下層の直上に積載された記録媒体3とが重なって搬送された場合、分離部16を通過する際、2枚の記録媒体3が分離されて最下層の1枚のみが通過する。分離部16で分離された記録媒体3は搬送ローラ10へ搬送される。このとき、分離部16の引き抜き力と搬送ローラ10のニップの力関係及び、フィーダ部8の搬送速度と搬送ローラ10の搬送速度の関係は、
分離部16の引き抜き力 < 搬送ローラ10のニップ力
フィーダ部8の搬送速度 < 搬送ローラ10の搬送速度
となっている。搬送ローラ10には、搬送ローラ10の回転量を検知して、第1キャリッジ2での吐出タイミングを決めるエンコーダ17aが接続されており、第1キャリッジ2での印字の際、安定した画像を形成する。
【0027】
また、第1キャリッジ2の直下には押付部材38aが配置されている。押付部材38aはバネ(図示せず)によって規制部材30へ押圧されている。記録媒体3が第1キャリッジ2で記録される際、記録媒体3は押付部材38aによって規制部材30の通紙高さ基準面30aへ押し付けられながら搬送されることにより、記録媒体3の厚さに関わらず記録ヘッド1と記録媒体3との一定間の距離を保ち、安定した印字が可能となる。
【0028】
第1搬送群4は、給紙装置40で給紙した記録媒体3を印字する第1キャリッジ2の下流に配置されている。第1搬送群4は、上下に配置された複数対のローラ18が配置されている。ローラ18は回転可能に保持され、記録媒体3の記録領域Aをニップして搬送するように配置されている。第1搬送群4の搬送方向の長さ(搬送距離)は、記録装置で使用できる用紙の最大用紙長さよりも長い。なお、第1搬送群4の搬送距離は搬送速度とインクの定着時間によって決定される。すなわち、第1キャリッジ2で記録媒体3に吐出されたインクは第1搬送群4での搬送中に定着可能である。
【0029】
各上ローラは、駆動ベルト(図示せず)によって回転し、上ローラが回転したときに、給紙装置40で搬送した記録媒体3をローラがニップして搬送する。
【0030】
分離部16で分離された記録媒体3は搬送ローラ10へ搬送される。このとき、搬送ローラ10のニップ力と第1搬送群4のニップ力との関係及び、搬送ローラ10の搬送速度と第1搬送群4の搬送速度との関係は、
搬送ローラ10のニップ力 > 第1搬送群4のニップ力
搬送ローラ10の搬送速度 < 第1搬送群4の搬送速度
となっている。
【0031】
第1搬送群4のローラ18の周速は、搬送ローラ10の周速よりも速い。これにより、第1キャリッジ2での印字の際、記録媒体3は第1搬送群4に対してスリップしながら搬送され、ニップ力の相対的に強い搬送ローラ10の搬送速度で印字制御を行い、安定した画像を形成する。すなわち、互いに隣り合う2つの搬送手段である搬送ローラ10と第1搬送群4とにより記録媒体3が同時に挟持された状態において、当該隣り合う2つの搬送手段のいずれか一方である搬送ローラ10の搬送速度で記録媒体3の搬送速度がコントロールされるようにする。このため、搬送ローラ10と第1搬送群4の記録媒体3を挟持する各ニップ力を互いに異ならせる、すなわち、搬送ローラ10のニップ力を相対的に高める。加えて、搬送方向の下流側に位置する第1搬送群4の搬送速度を搬送方向の上流側に位置する搬送ローラ10の搬送速度よりも高くする。
【0032】
第1搬送群4の下側に配置されたローラはイコライズ可能になっており、記録媒体3の厚みに応じて下ローラがイコライズして搬送する。
第1搬送群4に配置されたローラ18aには、ワンウェイクラッチが搭載されている。
第1搬送群4のニップ力と第2搬送群5のニップ力の関係及び、第1搬送群4の搬送速度と第2搬送群5の搬送速度の関係は、
第1搬送群4のニップ力 < 第2搬送群5のニップ力
第1搬送群4の搬送速度 < 第2搬送群5の搬送速度
となっている。第2キャリッジ7での印字の際、第1搬送群4のローラ18aは、ワンウェイクラッチが空転し、記録媒体3は、ニップ力の強い第2搬送群5の搬送速度で搬送される。これにより、安定した画像が形成される。
【0033】
また、第2キャリッジ7の直下には押付部材38bが配置されている。押付部材38bはバネ(図示せず)によって規制部材の基準面30aへ押圧されている。記録媒体3が第2キャリッジ7で記録される際、記録媒体3は押付部材38bによって規制部材30の通紙高さ基準面30aへ押し付けられながら搬送されることにより、記録ヘッド1と記録媒体3との距離を保ち、安定した印字が可能となる。
【0034】
前述したとおり、第2搬送群5は、第1搬送群4の下流に配置されている。第2搬送群5は、記録媒体3の記録領域Aをニップする位置に配置されており、第2搬送群5の横に第2キャリッジ7が配置されている。
【0035】
本実施形態において、第1搬送群4の搬送方向の長さ(搬送距離)は、インクジェット記録装置の最大用紙長さよりも長くなっている。第1キャリッジ2または第2キャリッジ7において記録を行う際、搬送ローラ10と第2搬送群5の両者が記録媒体3を同時にニップしない、言い換えれば、記録媒体3は、搬送ローラによる挟持が解放された後にのみ、第2搬送群5により挟持される。第1搬送群4の搬送距離は、インクジェット記録装置の最大用紙長さより短くても構わない。このため、搬送ローラ10のニップの位置から第2搬送群5の最上流のニップの位置までの距離が記録装置において記録可能な最大長の記録媒体より長ければよい。このような配置により、第1キャリッジ通過中の搬送速度をコントロールする搬送ローラ10と、第2キャリッジ通過中の搬送速度をコントロールする第2搬送群5が同時に記録媒体を挟持することがない。従って各記録ヘッドによる記録中の搬送が安定する。
【0036】
本実施形態によれば、記録媒体の幅方向において記録範囲が異なる複数の記録手段を搬送方向に配置することにより、記録面を規制する必要のある記録装置でも、幅方向の記録範囲を広げることができる。
【0037】
[第2実施形態]
図6及び図7は本発明の第2実施形態に係る記録装置の概略図であり、図6は記録装置の上面図を、図7は記録装置の正面図をそれぞれ示す。本発明の記録装置は、記録媒体3を搬送する搬送部、記録媒体3にインク吐出を行う記録ヘッドを搭載したキャリッジ、記録ヘッドのクリーニングを行う回復装置23、印字開始等の操作を行う操作パネル14を含む。
【0038】
本実施形態において、キャリッジ及び回復装置は3組備えられており、搬送方向上流から順に第1キャリッジ、第2キャリッジ、第3キャリッジとする。
【0039】
第1キャリッジ2には、キャリッジ移動用ベルト、キャリッジモータ32a及びキャリッジ移動用レールが配置されており、第1キャリッジ2はキャリッジ移動用レール上を移動可能となっている。
【0040】
また、キャリッジには記録媒体3に印字を行う記録ヘッド1aが搭載されており、記録媒体3にインク吐出して印字を行う。第1キャリッジ2の停止位置には、キャップ位置11及び印字位置12が用意されている。
【0041】
キャップ位置11は印刷待機時、電源オフ時等の印刷動作が行われない時や、クリーニング動作を行う時に使用される位置である。印字位置12は記録媒体3への印字を行う時に使用される位置である。第2キャリッジ7および第3キャリッジ39も、第1キャリッジ2同様の構成となっている。
【0042】
この装置は、上流からそれぞれ記録媒体3を積載、供給するための給紙装置40、第1キャリッジ2の下流に配置された第1搬送群4、第2キャリッジ7の下流に配置された第2搬送群5、第3キャリッジ39にて印字を行う時に記録媒体3を搬送する第3搬送群6を含む。
【0043】
第1キャリッジ2と第1搬送群4、第2キャリッジ7と第2搬送群5、第3キャリッジ39と第3搬送群6とを1つの組として構成されている。各搬送群は対応するキャリッジに搭載された記録ヘッドのノズルで記録可能な領域をニップしない位置に配置されており、記録ヘッドで印字した直後の記録媒体印字部を搬送群によって踏みつけないようになっている。
【0044】
また、各搬送群幅方向は記録媒体の最小幅の範囲以内に収まる様に配置されている。各キャリッジ間の距離は搬送可能な記録媒体の最大長さよりも長くなっており、同時に複数のキャリッジでの印字を行わないようになっている。
【0045】
図8に本実施形態で使用する記録媒体3を示す。本実施形態に係る記録装置には第1〜第3キャリッジ2,7,39が配置されており、記録媒体3に対して第1キャリッジ2で印字した領域を記録領域A、第2キャリッジ7で印字した領域を記録領域B、第3キャリッジ39で印字した領域を記録領域Cとする。記録媒体3が矢印方向13へ向かって搬送されるとき、図中上側が記録領域A、中央部が記録領域B、下側が記録領域Cとなる。
【0046】
図中に示す範囲42は記録媒体の最小幅であり、記録領域A、記録領域B含むものである。
本実施例における記録媒体の最小幅は万国郵便条約に基づいて決めており、90ミリメートルとしているが、万国郵便条約の規格に係わらず、各国の郵政規格により決定しても構わない。
【0047】
給紙装置40から供給した記録媒体3を印字する第1キャリッジ2は、前述した通り記録領域Aに記録を行う。第1搬送群4は記録領域Bを踏みつける位置に配置されており、第1キャリッジ2で印字された直後の記録媒体3の記録領域Aを踏みつけることなく搬送可能となっている。
【0048】
第2キャリッジ7は、記録領域Bに記録を行う。第2搬送群5は記録領域Aを踏みつける位置に配置されており、第2キャリッジ7で印字された直後の記録媒体3の記録領域Bを踏みつけることなく搬送可能となっている。
【0049】
第3キャリッジ39は、記録領域Cに記録を行う。第3搬送群6は記録領域Bを踏みつける位置に配置されており、第3キャリッジ39で印字された直後の記録媒体3の記録領域Cを踏みつけることなく搬送可能となっている。
【0050】
上記の構成により、各搬送群は記録媒体の最小幅に収まっている。本実施形態における記録媒体の最小幅は万国郵便条約に基づいて決めており、90ミリメートルとしているが、各国の郵政規格により前後しても構わない。本実施形態において、先端、後端及び左右端部には余白領域を設けているが、必要に応じて余白領域をなくしてもかまわない。
【0051】
ここで、本実施形態の印字動作について図9のフローチャートを用いて説明する。ユーザが記録媒体3をフィーダ部8のトレイに積載し、操作パネル14のスタートボタンを押すと(S21)、印刷が開始され(S22)、第1キャリッジ2、第2キャリッジ7、第3キャリッジ39がそれぞれ印字位置12へ移動する(S23,24,25)。その後、給紙ローラ9、搬送ローラ10、第1搬送群4、第2搬送群5、第3搬送群6が回転し(S26)、記録媒体3を搬送ローラ10へ給紙する(S27)。記録媒体3が搬送ローラ10を通過後、入口センサ15が印字媒体を検知したのをトリガとして(S28)、第1キャリッジ2で記録領域Aに印字を行う(S29)。その後、印字媒体は第1搬送群4へ受け渡されて搬送を続け、記録媒体3が第2入口センサ19の通過をトリガとして(S30)、第2キャリッジ7で記録領域Bに印字を行う(S31)。その後、印字媒体は第2搬送群5へ受け渡されて搬送を続け、記録媒体3が第3入口センサ41の通過をトリガとして(S32)、第3キャリッジ39で記録領域Cに印字を行う(S33)。
【0052】
第3キャリッジ39で印字を行った後、一定時間入口センサ15を記録媒体3が通過しない場合(S34)、第1キャリッジ2、第2キャリッジ7および第3キャリッジ39はキャップ位置11へ移動し(S35,36,37)、キャッピングを行い、給紙ローラ9、搬送ローラ10、第2搬送群5、第3搬送群6が停止し(S38)、印字動作を終了する。
【0053】
次に、実際に記録媒体を搬送したときの装置の動作の説明をする。給紙装置40は記録媒体3を積載しつつ給紙を行うフィーダ部8と、フィーダ部8に複数枚積載された記録媒体3を分離して記録媒体3を1枚ずつ給紙させるための分離部16、記録媒体3をニップして第1キャリッジ2にて印字を行う際の吐出タイミングを決める搬送ローラ10を含む。
【0054】
フィーダ部8はトレイから記録媒体3を搬送させる給紙ローラ9が配置されており、給紙ローラ9の駆動によりトレイに積載された最下層の記録媒体3を搬送する。このとき最下層の記録媒体3と最下層の直上に積載された記録媒体3とが重なって搬送された場合、分離部16を通過する際、2枚の記録媒体3が分離されて最下層の1枚のみが通過する。
【0055】
分離部16で分離された記録媒体3は搬送ローラ10へ搬送される。このとき、分離部16の引き抜き力と搬送ローラ10のニップの力関係及び、フィーダ部8搬送速度と搬送ローラ10搬送速度の関係は、
分離部16の引き抜き力 < 搬送ローラ10のニップ力
フィーダ部8の搬送速度 < 搬送ローラ10の搬送速度
となっている。搬送ローラ10には、搬送ローラ10の回転量を検知して、第1キャリッジ2での吐出タイミングを決めるエンコーダ17aが接続されており、第1キャリッジ2での印字の際、安定した画像を形成する。
【0056】
また、第1キャリッジ2直下には押付部材38aが配置されている。押付部材38aはバネ(図示せず)によって規制部材30へ押圧されている。記録媒体3が第1キャリッジ2で記録される際、記録媒体3は押付部材38aによって規制部材30の通紙高さ基準面30aへ押し付けられながら搬送されることにより、記録媒体3の厚さに関わらず記録ヘッド1と記録媒体3との一定間の距離を保ち、安定した印字が可能となる。
【0057】
第1搬送群4は、給紙装置40から供給した記録媒体3を印字する第1キャリッジ2に搭載された記録ヘッドのノズルと第1搬送群4とは位相の異なる位置に配置されている。第1搬送群4は上下に配置された複数対のローラ(搬送ローラ)18が配置されている。ローラ18は記録媒体3の記録領域Bをニップして搬送を行うように配置されている。
【0058】
第1搬送群4の距離は、インクジェット記録装置の最大用紙長さよりも長くなっている。
また、第1搬送群4の搬送距離は搬送速度とインクの定着時間によって決定される。第1キャリッジ2で記録媒体3に吐出されたインクは第1搬送群4での搬送中に定着可能である。各上ローラは、駆動ベルト(図示せず)によって回転し、上ローラが回転したときに、第1搬送群4で搬送した記録媒体3をローラがニップして搬送を行う。
【0059】
分離部16で分離された記録媒体3は搬送ローラ10へ搬送される。このとき、搬送ローラ10のニップと第1搬送群4とのニップ力の関係及び、搬送ローラ10の搬送速度と第1搬送群4との搬送速度の関係は、
搬送ローラ10のニップ力 > 第1搬送群4のニップ力
搬送ローラ10の搬送速度 < 第1搬送群4の搬送速度
となっており、第1キャリッジ2での印字の際、第1搬送群4はスリップしながら搬送され、ニップ力の強い搬送ローラ10の搬送で印字制御を行い、安定した画像を形成する。
第1搬送群4の下側に配置されたローラはイコライズ可能になっており、記録媒体3の厚みに応じて下ローラがイコライズして搬送する。第1搬送群4に配置されたローラ18aには、ワンウェイクラッチが搭載されており、第2搬送群5による記録媒体3の引き抜きの際の抵抗を少なくする。
【0060】
第2搬送群5には、エンコーダ17bが備えられており、第2搬送群5の搬送速度を監視している。第2キャリッジ7の印字タイミング制御はエンコーダ17bの信号によって行われる。
【0061】
記録媒体3が第2入口センサ19を通過して記録媒体先端を検知した後、記録媒体3が
第1搬送群4から第2搬送群5へ受け渡されてから印字を行う。
【0062】
第1搬送群4のニップ力と第2搬送群5のニップ力の関係及び、第1搬送群4の搬送速度と第2搬送群5との搬送速度の関係は、
第1搬送群4のニップ力 < 第2搬送群5のニップ力
第1搬送群4の搬送速度 < 第2搬送群5の搬送速度
となっている。第2キャリッジ7での印字の際、第1搬送群4のローラ18aのワンウェイクラッチが空転し、記録媒体3は、ニップ力の相対的に強い第2搬送群5によりされ、安定した画像が形成される。
【0063】
また、第2キャリッジ7直下には押付部材38bが配置されている。押付部材38bはバネ(図示せず)によって規制部材30へ押圧されている。記録媒体3が第2キャリッジ7で記録される際、記録媒体3は押付部材38bによって規制部材30の通紙高さ基準面30aへ押し付けられながら搬送されることにより、記録ヘッド1と記録媒体3との距離を保ち、安定した印字が可能となる。
【0064】
第2搬送群5の下側に配置されたローラはイコライズ可能になっており、記録媒体3の厚みに応じて下ローラがイコライズして搬送する。第2搬送群5に配置されたローラ18bには、ワンウェイクラッチが搭載されている。第3搬送群6には、エンコーダ17cが備えられており、第3搬送群6の搬送速度を監視している。第3キャリッジ39の印字タイミング制御はエンコーダ17cの信号によって行われる。記録媒体3が第3入口センサ41を通過して記録媒体先端を検知した後、記録媒体3が第2搬送群5から第3搬送群6へ受け渡されてから印字を行う。
【0065】
第2搬送群5のニップ力と第3搬送群6とのニップ力の関係及び、第2搬送群5の搬送速度と第3搬送群6との搬送速度の関係は、
第2搬送群5のニップ力 > 第3搬送群6のニップ力
第2搬送群5の搬送速度 < 第3搬送群6の搬送速度
なっており、第3キャリッジ39での印字の際、第3搬送群6のローラ18cはスリップしながら搬送され、ニップ力の強い第2搬送群5の搬送で印字制御を行い、安定した画像を形成する。
【0066】
また、第3キャリッジ39直下には押付部材38cが配置されている。押付部材38cはバネ(図示せず)によって規制部材30へ押圧されている。記録媒体3が第3キャリッジ39で記録される際、記録媒体3は押付部材38bによって規制部材30の通紙高さ基準面30aへ押し付けられながら搬送されることにより、記録ヘッド1と記録媒体3との距離を保ち、安定した印字が可能となる。
【0067】
なお、記録領域Cに記録しない場合や、図3のような第3キャリッジでの記録領域Cを有していない幅の狭い記録媒体を搬送する場合、操作パネルやPC等の外部端末にて第3キャリッジでの記録を行わないように規制することで、記録領域外への印字を防止することが可能となる。
【0068】
また、自動記録媒体計測装置(不図示)での記録媒体幅を予め測定する事で記録媒体の幅に応じて記録領域外への印字を防止することが可能となる。
【0069】
[第3実施形態]
図11は本発明の第3実施形態に係るインクジェット式の記録装置の概略図であり、図11は記録装置の上面図を示す。本実施形態の記録装置は、第2実施形態と類似しているため、ここでは第2実施形態との差異のみ説明をする。
【0070】
記録媒体3を搬送する搬送部、記録媒体3にインク吐出を行う記録ヘッドを搭載したキャリッジ、記録ヘッドのクリーニングを行う回復装置23、印字開始等の操作を行う操作パネル(不図示)からなる。
【0071】
本実施形態において、キャリッジ及び回復装置は3組備えられており、搬送方向上流から順に第1キャリッジ、第2キャリッジ、第3キャリッジとする。第1キャリッジ2には、キャリッジ移動用ベルト、キャリッジモータ32a及びキャリッジ移動用レール45aが配置されている。第1キャリッジ2はキャリッジ移動用レール45a上を任意の位置に移動可能となっている。また、キャリッジには記録媒体3に印字を行う記録ヘッド1aが搭載されており、記録媒体3にインク吐出して印字を行う。第1キャリッジ2の停止位置には、キャップ位置11及び印字位置12が用意されている。
【0072】
キャップ位置11は印刷待機時、電源オフ時等の印刷動作が行われない時や、クリーニング動作を行う時に使用される位置である。印字位置12は記録媒体3への印字を行う時に使用される位置である。第2キャリッジ7および第3キャリッジ39も、第1キャリッジ2同様の構成となっている。
【0073】
この装置は、上流からそれぞれ記録媒体3を積載、供給するための給紙装置40、第1キャリッジ2の下流に配置された第1搬送群4、第2キャリッジ7の下流に配置された第2搬送群5、第3キャリッジ39にて印字を行う時に記録媒体3を搬送する第3搬送群6を含む。
【0074】
第1キャリッジ2と第1搬送群4、第2キャリッジ7と第2搬送群5、第3キャリッジ39と第3搬送群6とは、それぞれ対応している。これらは、各搬送群の対応するキャリッジに搭載された記録ヘッドのノズルで記録可能な領域をニップしない位置に配置されており、記録ヘッドで印字した直後の記録媒体印字部を搬送群によって踏みつけないようになっている。
【0075】
また、各搬送群は規制部材30の記録媒体側端部基準位置から記録媒体の最小幅の範囲内にかかるように配置されている。また、各キャリッジ間の距離は搬送可能な記録媒体の最大長さよりも長くなっており、同時に複数のキャリッジでの印字を行わない。
【0076】
図12に本実施形態で使用する記録媒体3を示す。本実施形態に係る記録装置には、第1〜第3キャリッジ2,7,39が配置されており、記録媒体3に対して第1キャリッジ2で印字した領域を記録領域A、第2キャリッジ7で印字した領域を記録領域Bとする。なお、本実施形態において説明上、第3キャリッジ39では印字を行わないものとする。記録媒体3が矢印方向13へ向かって搬送されるとき、図中上側が記録領域A、下側が記録領域Bとなる。記録領域Bは図12(b)の様に範囲43内の任意の位置に規定する事ができ、その位置は、操作パネルや外部端末で指定可能である。
【0077】
本実施形態において、記録領域Aは固定位置にて説明しているが、記録領域Bのように範囲44内の任意の位置に規定しても構わない。その際、第1搬送群にかかる領域46は指定できないように規制されている。
【0078】
給紙装置40から供給した記録媒体3を印字する第1キャリッジ2は、前述した通り記録領域Aに記録を行う。第1搬送群4は記録領域Bを踏みつける位置に配置されており、第1キャリッジ2で印字された直後の記録媒体3の記録領域Aを踏みつけることなく搬送可能となっている。第2キャリッジ7は、記録領域Bに記録を行う。第2搬送群5は記録領域Aを踏みつける位置に配置されており、第2キャリッジ7で印字された直後の記録媒体3の記録領域Bを踏みつけることなく搬送可能となっている。
【0079】
[第4実施形態]
本実施形態の構成は、第2実施形態2と類似しているため、第2実施形態との差異部分の説明のみ行う。
【0080】
図10は本実施形態に係るインクジェット式の記録装置の概略図であり、図10は記録装置の上面図を示す。本実施形態の記録装置は、記録媒体3を搬送する搬送部、記録媒体3にインク吐出を行う記録ヘッドを搭載したキャリッジ、記録ヘッドのクリーニングを行う回復装置23、印字開始等の操作を行う操作パネル14を含む。
【0081】
実際に記録媒体を搬送したときの説明をする。給紙装置40に備えられた分離部16で分離された記録媒体3は搬送ローラ10へ搬送される。搬送ローラ10には、搬送ローラ10の回転量を検知して、第1キャリッジ2での吐出タイミングを決めるエンコーダ17aが接続されている。記録媒体3が入口センサ15を通過して記録媒体先端を検知した後、記録媒体3が給紙装置40で搬送されている時、第1キャリッジ2の印字タイミング制御はエンコーダ17aの信号によって行われる。
【0082】
給紙装置40と第1搬送群4とのニップ力の関係は、
給紙装置40のニップ力>第1搬送群4のニップ力
となっており、第1キャリッジ2での印字の際、記録媒体3は、第1搬送群4に対してスリップしながら搬送される。
【0083】
第1搬送群4には、エンコーダ17dが備えられており、第1搬送群4の搬送速度を監視している。記録媒体3が第2入口センサ19を通過して記録媒体先端を検知した後、記録媒体3が第1搬送群4のみで搬送されている時、第2キャリッジ7の印字タイミング制御はエンコーダ17dの信号によって行われる。第2搬送群5には、エンコーダ17bが備えられており、第2搬送群5の搬送速度を監視している。
【0084】
第1搬送群4と第2搬送群5とのニップ力の関係は、
第1搬送群4のニップ力<第2搬送群5のニップ力
となっており、記録媒体3が第1搬送群4から第2搬送群5へ受け渡された時、第2キャリッジ7の印字タイミング制御はエンコーダ17dの信号からニップ力の強い第2搬送群5を監視しているエンコーダ17bの信号に切り替える事で画像の安定を図る。
【0085】
記録媒体3が第3入口センサ41を通過して記録媒体先端を検知した後、記録媒体3が第2搬送群5のみで搬送されている時、第3キャリッジ39の印字タイミング制御はエンコーダ17bの信号によって行われる。
【0086】
第3搬送群6には、エンコーダ17cが備えられており、第3搬送群6の搬送速度を監視している。
【0087】
第2搬送群5と第3搬送群6とのニップ力の関係は、
第2搬送群5のニップ力>第3搬送群6のニップ力
となっている。記録媒体3が第2搬送群5から第3搬送群6へ受け渡された後、記録媒体3が第2搬送群5を完全に抜けた後、第3キャリッジ39の印字タイミング制御はエンコーダ17bの信号からニップ力の強い第3搬送群6を監視しているエンコーダ17cの信号に切り替える事で画像の安定を図る。
【符号の説明】
【0088】
1 記録ヘッド
2 第1キャリッジ(第1の記録手段)
3 記録媒体
4 第1搬送群(第2の搬送手段)
5 第2搬送群(第3の搬送手段)
6 第3搬送群
7 第2キャリッジ(第2の記録手段)
8 フィーダ部
9 給紙ローラ
10 搬送ローラ(第1の搬送手段)
11 キャップ位置
16 分離部
18 ローラ
30 規制部材
40 給紙装置
42 記録媒体の最小幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送方向に順に配置され、記録媒体を挟持して搬送可能な第1、第2および第3の搬送手段と、
前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間に配置され、搬送される記録媒体の第1の記録領域にインクを吐出して画像を記録可能な第1の記録手段と、
前記第2の搬送手段と前記第3の搬送手段との間に配置され、搬送される記録媒体の前記第1の記録領域とは異なる第2の記録領域にインクを吐出して画像を記録可能な第2の記録手段と、を有し、
前記第1、第2および第3の搬送手段のうち、隣り合う2つの搬送手段により記録媒体が同時に挟持された状態において、当該隣り合う2つの搬送手段のいずれか一方の搬送速度で記録媒体の搬送速度がコントロールされるように、当該隣り合う搬送手段の記録媒体を挟持する各ニップ力が互いに異なり、かつ、当該隣り合う2つの搬送手段のうちの搬送方向の下流側に位置する搬送手段の搬送速度が搬送方向の上流側に位置する搬送手段の搬送速度よりも高い、ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記第1の搬送手段が記録媒体を挟持するニップ力は、前記第2の搬送手段のニップ力よりも大きく、前記第3の搬送手段のニップ力は前記第2の搬送手段のニップ力よりも大きく、前記第2の搬送手段の搬送速度は前記第1の搬送手段の搬送速度よりも速く、前記第3の搬送手段の搬送速度は前記第2の搬送手段の搬送速度よりも速い、ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第1、第2および第3の搬送手段は、記録媒体の記録面と接触し、回転可能に保持された搬送ローラをそれぞれ含み、
前記第2の搬送手段の搬送ローラの周速は、前記第1の搬送手段の搬送ローラの周速より速く、前記第3の搬送手段の搬送ローラの周速は、前記第2の搬送手段の搬送ローラの周速よりも速い、ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
記録媒体が前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段により同時に挟持されて搬送されるとき、前記第2の搬送手段の搬送ローラの記録媒体に対するスリップは、前記第1の搬送手段の搬送ローラに対するスリップよりも大きい、ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第2の搬送手段の搬送ローラは、ワンウェイクラッチを介して駆動され、記録媒体が前記第2の搬送手段および前記第3の搬送手段によって同時に挟持されて搬送されるとき、前記第2の搬送手段の搬送ローラは、前記ワンウェイクラッチが空転する、ことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第1および第2の記録手段は、記録媒体の搬送方向を横切る方向において、前記第1および第2の記録領域の位置をそれぞれ変更可能に形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録装置。
【請求項7】
前記第2および第3の搬送手段の搬送ローラは、記録媒体の最小幅の範囲内に収まるようにそれぞれ形成されるとともに、前記第2の搬送手段の搬送ローラは、記録媒体の前記第1の記録領域をニップしない位置に配置され、前記第3の搬送手段の搬送ローラは、記録媒体の前記第2の記録領域をニップしない位置に配置されている、ことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の記録装置。
【請求項8】
前記第1の搬送手段は、記録媒体を搬送経路に供給するための搬送ローラである、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図8】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−30902(P2012−30902A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169382(P2010−169382)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】