説明

設定値管理システム、設定値管理方法、設定値管理サービス装置、画像形成装置、及びプログラム

【課題】画像形成装置のコンフィグデータを設定する手段が複数あった場合に、どの設定方法を使用して設定するかを、ユーザに柔軟に決定させる。
【解決手段】画像形成装置と、コンフィグデータを管理する設定値管理サービス装置とを含む設定値管理システムであって、設定値管理サービス装置は、コンフィグデータを保持する手段と、更新する手段と、コンフィグデータの送受信を行う通信手段とを有し、画像形成装置は、当該画像形成装置のコンフィグデータを保持する手段と、保持するコンフィグデータを更新する手段と、前記設定値管理サービス装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う通信手段とを有し、コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、保持されたコンフィグデータのうち、更新を許可されたコンフィグデータを、画像形成装置へ送信し、制御情報に従って、保持するコンフィグデータを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の動作を切り替える設定値であるコンフィグデータを一括管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、動作を切り替える設定値であるコンフィグデータを記憶するものがある。コンフィグデータは各画像形成装置が備える記憶装置に記憶されているため、全画像形成装置のコンフィグデータを変更するには画像形成装置の台数だけ設定を行う必要があった。この手間を省くため、ある情報処理装置から複数の画像形成装置にコンフィグデータの一括設定を行うさまざまな技術が存在する。
【0003】
例えば、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を使用して、コンフィグデータの一部であるホスト名やドメイン名を画像形成装置に設定するようなことが一般的に行われている。また、コンフィグデータをネットワーク参照可能な場所に配置し、複数の画像形成装置が同じコンフィグデータを参照することで、コンフィグデータの一括管理を行う技術が存在する(例えば、特許文献1)。他にも、ネットワークのサーバ上にコンフィグデータを配置した上で、サーバ側から画像形成装置にコンフィグデータを送り込むような技術も存在する(例えば特許文献2)。
【0004】
また、さらにはコンフィグデータをインターネット上のサーバにて管理し、画像形成装置が設置される物理的な位置の制限なく一括して設定を行うこともできるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−130838号公報
【特許文献2】特開2009−053850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような新しいコンフィグデータ設定システムを導入するにあたり、既存のコンフィグデータの設定方法との競合が問題となる。例えば、コンフィグデータの一部であるホスト名やドメイン名をDHCPで設定していた環境において、新規に別のコンフィグデータ設定システムを導入した場合、ホスト名やドメイン名が二重に設定されてしまい設定値間の整合性がとれなくなってしまう。また、複数のコンフィグデータ設定方法を共存させ部分的に設定させるようにした場合、画像形成装置に設定されている設定値すべてを一括して確認することができず、管理上不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明は以下の構成を有する。すなわち、少なくとも1つの画像形成装置と、前記画像形成装置のコンフィグデータを管理する設定値管理サービス装置とを含む設定値管理システムであって、前記設定値管理サービス装置は、前記画像形成装置のコンフィグデータを保持する第一の保持手段と、前記第一の保持手段が保持するコンフィグデータを更新する第一の更新手段と、前記画像形成装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う第一の通信手段とを有し、前記画像形成装置は、当該画像形成装置のコンフィグデータを保持する第二の保持手段と、前記第二の保持手段にて保持するコンフィグデータを更新する第二の更新手段と、前記設定値管理サービス装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う第二の通信手段とを有し、前記コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、前記第一の通信手段は、前記制御情報に従って、前記第一の保持手段にて保持されたコンフィグデータのうち、前記設定値管理サービス装置が更新を許可されたコンフィグデータを、前記画像形成装置へ送信し、前記第二の更新手段は、前記制御情報に従って、前記第二の保持手段にて保持するコンフィグデータを更新する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、装置内の同じコンフィグデータに対して複数の設定方法があった場合にどの設定方法を使用して設定するかをユーザが柔軟に決定することができるため、コンフィグデータの設定値が競合してしまうという課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク構成を示す図。
【図2】ハードウェア構成を示す図。
【図3】ソフトウェア構成を示す図。
【図4】機種別設定値スキーマの例を示す図。
【図5】テナント用コンフィグデータの例を示す図。
【図6】機器構成データの例を示す図。
【図7】仮想コンフィグデータの例を示す図。
【図8】仮想デバイスリストの例を示す図。
【図9】テナント用コンフィグデータ更新時の処理を示すフローチャート。
【図10】デバイス起動時のデバイスの処理を示すフローチャート。
【図11】実コンフィグデータの例を示す図。
【図12】テナント用コンフィグデータ更新画面の例を示す図。
【図13】仮想デバイス一覧を閲覧/設定する画面の例を示す図。
【図14】仮想コンフィグデータをウェブブラウザで表示した画面の例を示す図。
【図15】第一実施形態に係るコンフィグデータの同期処理を示すフローチャート。
【図16】実コンフィグデータの参照/変更を行う画面の例を示す図。
【図17】第二実施形態に係るコンフィグデータの同期処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[用語の定義]
まず、本明細書における用語の定義を行う。
【0011】
コンフィグデータとは、画像形成装置の動作を切り替えるための設定値情報である。つまり、コンフィグデータには、画像形成装置における各種動作の設定値が含まれている。例えば、コピージョブの面付けのデフォルト値などが該当する。面付けが「1in1」に設定されていれば、コピーを行った結果、用紙一枚に1ページが印刷される。また、面付けが「2in1」に設定されていれば、コピーを行った結果、用紙一枚に2ページが印刷される。
【0012】
機器構成データとは、画像形成装置が備える機器の構成を示すデータである。例えば、ファクスユニットを装着しているかを表すデータなどが該当する。さらに、画像形成装置の機種を一意に識別するための機種コード、動作しているファームウェアバージョンなどを含む。
【0013】
機種別設定値スキーマとは、画像形成装置が特定の機種で保持するコンフィグデータのスキーマを定義するデータである。スキーマとは、コンフィグデータについての規約や位置づけを定義するデータである。例えば、コンフィグデータ各々の設定値識別子、デフォルト値、値域、およびデータが有効になるための条件が、機種別設定値スキーマに含まれる。画像形成装置それぞれの機種に応じて実現可能な機能が異なるため、これにより機種によって保持するコンフィグデータには差分がある。そのため、設定値スキーマは機種別に用意されることを前提とする。
【0014】
仮想デバイスとは、サーバコンピュータ群が保持する実デバイスのデータ群である。具体的に、仮想デバイスには、機器構成データ、コンフィグデータが少なくとも含まれる。これに対し、実デバイスとは、物理的なデバイス(画像形成装置等)が対応する。
【0015】
テナントとは、ユーザが画像形成装置の管理を委託する委託者の単位である。またテナント識別子とは、テナントを一意に識別するための識別子である。例えば、ある会社がユーザ環境100に配置された画像形成装置101A、101B、101Cの管理を委託したと仮定する。その場合、ユーザ環境100に対応するテナント識別子が1つ割り当てられ、画像形成装置101A、101B、101Cはそのテナントに属する画像形成装置であると認識され、管理の対象とされる。
【0016】
仮想デバイスに含まれるデータと、実デバイスが保持するデータと、テナント専用のデータとを区別して呼ぶために、以下のように定義する。
【0017】
仮想デバイスに含まれる機器構成データを仮想機器構成データと呼び、仮想デバイスに含まれるコンフィグデータを仮想コンフィグデータと呼ぶ。
【0018】
実デバイスが保持する機器構成データを実機器構成データと呼び、実デバイスが保持するコンフィグデータを実コンフィグデータと呼ぶ。また、従来のコンフィグデータ設定方法において管理サーバ107で管理するコンフィグデータを管理コンフィグデータと呼ぶ。
【0019】
また、テナント内で共通で利用したい共有コンフィグデータをテナント用コンフィグデータと呼ぶ。
【0020】
<第一実施形態>
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
[ネットワーク構成]
図1は、本実施形態に係る設定値管理システムのネットワーク構成の一例を示す図である。画像形成装置101A、101B、101Cは、本発明に係る管理される画像形成装置である。ユーザ環境100内の各画像形成装置は、ネットワーク106を介してインターネット104にアクセス可能である。
【0022】
端末装置102Dは、ユーザ環境100のユーザが操作可能なコンピュータであって、ネットワーク106を介してインターネット104にアクセス可能である。端末装置102Eは、画像形成装置101A、101B、101Cを管理するサービスマンが操作可能なコンピュータであって、インターネット104にアクセス可能である。端末装置102Fは、画像形成装置のベンダに所属する管理担当者が操作可能なコンピュータであって、インターネット104にアクセス可能である。
【0023】
端末装置102D、管理サーバ107、画像形成装置101A、101B、101Cはユーザ環境100に属し、互いにネットワーク106を介して接続されている。ここでは、ユーザ環境100が一つのテナントとして扱われる。
【0024】
インターネット104は、公衆回線上のデジタル通信が可能なネットワークである。サーバコンピュータ群105は、インターネット104を介してサービスを提供するサーバ群である。ネットワーク106は、ユーザ環境100において各装置間を接続し、デジタル通信を可能とするネットワークである。
【0025】
管理サーバ107は、ユーザ環境100に属し、従来の方法により画像形成装置のコンフィグデータ設定を行うサーバコンピュータである。サービスマン環境110は、画像形成装置に対するサービスマンが端末装置102Eを使って、例えばユーザ環境100に属する画像形成装置の管理を行う環境である。画像形成装置のベンダ環境120は、画像形成装置を生産するベンダの管理担当者が、端末装置102Fを使って、例えばユーザ環境100に属する画像形成装置の管理に必要なデータのメンテナンスを行う環境である。
【0026】
[ハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係るハードウェア構成の一例を示す図である。サーバコンピュータ211H、および管理サーバ107は、サーバコンピュータ211Gと同じハードウェア構成であるため、ここではまとめて説明を行う。
【0027】
CPU201は、記憶装置に格納されたプログラムの実行や、搭載された装置内の様々な処理の制御を行う。不揮発性メモリ202は、ROM(Read Only Memory)から構成され、機器の起動処理において初期段階に必要なプログラムやデータが格納されている。揮発性メモリ203は、RAM(Random Access Memory)から構成され、プログラム、データの一時的な格納場所として利用される。
【0028】
補助記憶装置204は、ハードディスクやRAMドライブ等の大容量記憶装置から構成され、大容量データの保管、プログラムの実行コードの保持を行う。補助記憶装置204には、揮発性メモリ203と比較して、長時間保持する必要があるデータを記憶する。補助記憶装置204は不揮発性の記憶装置であるため、電源が切られてもデータを記憶し続けることができる。
【0029】
ディスプレイ205は、利用者に情報を提示するための表示部である。なお、本明細書における利用者とは、ユーザとサービスマンを想定する。入力装置206は、利用者の選択指示を受け付け、内部バス210を介してプログラムに伝達するための装置である。
【0030】
ネットワーク通信装置207は、別の情報処理装置とネットワークを介して通信するための装置である。ファクスユニット208は、画像形成装置101が形成した画像データ、もしくは補助記憶装置204に記憶された画像データを、ネットワーク106を介して別の情報機器に送付するためのハードウェアユニットである。ファクスユニット208はオプションであり、個体によって装着されていない構成もありうる。
【0031】
プリンタエンジン209は、画像形成装置101が形成した画像データ、もしくは補助記憶装置204に記憶された画像データを、紙媒体(不図示)に印刷する手段である。
【0032】
内部バス210は、CPU201、不揮発性メモリ202、揮発性メモリ203、補助記憶装置204、ディスプレイ205、入力装置206、およびネットワーク通信装置207を画像形成装置101内で通信可能な状態に接続する通信バスである。
【0033】
[ソフトウェア構成]
(画像形成装置)
図3は、本実施形態に係るソフトウェア構成の一例を示す図である。まず、画像形成装置101が備える各手段について説明する。
【0034】
実コンフィグデータ保持手段301は、画像形成装置101のコンフィグデータを記憶部である補助記憶装置204A(第二の記憶部)に保持する。これにより、第二の保持手段を実現する。画像形成装置101は、実コンフィグデータ保持手段301によって保持された実コンフィグデータに基づいて動作の振る舞いを切り替える。
【0035】
ここで、実コンフィグデータの例を図11に示す。図11(A)に示すように、実コンフィグデータ1101は、設定値識別子1102で識別されるコンフィグデータと、その値1103と、設定タイプ1104とを含む。また、図11(B)に示すように、実コンフィグデータ1101に対応付けて、当該実コンフィグデータの値を設定値管理サービス310に通知したかどうかを示す通知フラグ1105が設定される。本実施形態において、通知フラグ1105には、対応する実コンフィグデータの値が通知済みの場合には「済」を設定し、通知されていない場合には、「未」の値を設定するものとする。設定タイプについては、後述するテナント用コンフィグデータ501および仮想コンフィグデータ701における設定タイプ504、704と同様であり、詳細については後述する。
【0036】
実コンフィグデータ更新手段302は、実コンフィグデータ保持手段301が保持する実コンフィグデータを更新する。これにより第二の更新手段を実現する。実コンフィグデータ更新手段302は、仮想コンフィグデータ受信手段303、管理コンフィグデータ受信手段307、および実コンフィグデータ入力手段308によって取得した仮想コンフィグデータを用いて実コンフィグデータの更新を行う。また、仮想コンフィグデータ受信手段303以外の方法でコンフィグデータを取得して更新する場合には図11(B)に示した通知フラグ1105を「未」に変更する。
【0037】
仮想コンフィグデータ受信手段303は、後述する設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ取得手段320を呼び出して仮想コンフィグデータを受信する。仮想コンフィグデータ取得手段320を呼び出すためのアドレスは、実コンフィグデータ保持手段301に保持されるアドレスが用いられる。具体的として、図4(A)を例に挙げると、設定値識別子402が「device_settings.cloud_address」の場合、対応するデフォルト値403として設定された「http://canon.com/config」に対してアクセスする。
【0038】
実機器構成データ収集手段304は、画像形成装置101の機器構成データを収集する。実機器構成データの例を図6に示す。データ種別602に対して、それぞれ対応する値603が記憶される。実機器構成データに含まれる情報として、機種を識別するための機種コードや、ファームウェアバージョン、デバイスを識別するためのデバイス識別子、ファクスユニットの有無が挙げられる。
【0039】
テナント識別子保持手段305は、画像形成装置101が属するテナント識別子を記憶する。テナント識別子は画像形成装置101の初期設置時に設定され、電源が切られても失われることがないように不揮発性の記憶装置である補助記憶装置204Aに記憶される。
【0040】
実機器構成データ通知手段306は、実機器構成データ収集手段304によって収集した実機器構成データと、テナント識別子保持手段305によって記憶されたテナント識別子とを合わせて通知する。ここで、実機器構成データ通知手段306による通知先は、後述する設定値管理サービス310の実機器構成データ受信手段318となる。
【0041】
管理コンフィグデータ受信手段307は、ネットワーク106内の管理サーバ107から管理コンフィグデータを受信する。受信した管理コンフィグデータは、実コンフィグデータとして、実コンフィグデータ更新手段302により実コンフィグデータ保持手段301に保持される。
【0042】
実コンフィグデータ入力手段308は、ディスプレイ205A、入力装置206Aを介してユーザまたはサービスマンが実コンフィグデータを入力する際に用いられる。入力された実コンフィグデータは、実コンフィグデータ更新手段302により実コンフィグデータ保持手段301に保持される。
【0043】
実コンフィグデータ通知手段309は、実コンフィグデータ保持手段301が保持する実コンフィグデータを、設定値管理サービス310の実コンフィグデータ受信手段323に通知する。仮想コンフィグデータ受信手段と実コンフィグデータ通知手段309とにより、設定値管理サービス310とのコンフィグデータの送受信を実現する(第二の通信手段)。
【0044】
(設定値管理サービス)
次に、設定値管理サービス310が備える各手段について説明する。設定値管理サービス310は、画像形成装置101のコンフィグデータを管理する機能を提供するサービスである。前述のサーバコンピュータ群105上で提供される。なお、図2のサーバコンピュータ群105内には、2台のサーバコンピュータ211G、211Hがネットワーク220にて接続された構成を示しているが、これに限定するものではない。例えば、1台のサーバコンピュータにて設定値管理サービス310を提供しても構わないし、3台以上の構成としても構わない。設定値管理サービス310は複数の手段を保持しており、以下はその手段を説明する。
【0045】
仮想デバイス保持手段311は、仮想デバイスが保持するデータを記憶する。仮想デバイスが保持するデータには、仮想機器構成データと、仮想コンフィグデータとが含まれる。また、複数の仮想デバイスから1つを特定するために、仮想デバイス保持手段311は、仮想デバイスのデバイス識別子を各データに対応付けて記憶する。さらに、所定のテナントが保持する画像形成装置を特定するために、仮想デバイス保持手段311は、テナント識別子を各データに対応付けて記憶する。これらの情報は、サーバコンピュータ211G内の補助記憶装置204Gに記憶される。これにより、第一の保持手段を実現する。
【0046】
ここで、仮想デバイス保持手段311が記憶する仮想デバイスリスト801の例を、図8に示す。仮想デバイスリスト801は、仮想デバイス保持手段311が保持する仮想デバイス全体を示す。
【0047】
デバイス識別子802は、仮想デバイスリスト801に含まれる複数の仮想デバイスから仮想デバイスを一意に特定するための識別子である。デバイス識別子802は、従来、画像形成装置101が記憶する識別子であって、画像形成装置101を一意に識別することができる識別子である。デバイス識別子802は、機器構成データの1つとして画像形成装置101から設定値管理サービス310へ通知される。
【0048】
テナント識別子803は、仮想デバイスに対応する画像形成装置101が属するテナント識別子である。上述したように、テナントを一意に識別するために割り当てられる。仮想機器構成データ804は、仮想デバイスに対応する画像形成装置101の機器構成データである。仮想機器構成データは図6に示す情報が仮想デバイス保持手段311によって別途保持される。仮想機器構成データ804には図6への参照となる識別子が保持される。
【0049】
仮想コンフィグデータ805は、仮想デバイスに対応する画像形成装置101が参照すべきコンフィグデータを指定している。ここで指定される仮想コンフィグデータは、図7に示す情報が仮想デバイス保持手段311によって別途保持される。したがって、仮想コンフィグデータ805には図7に示す情報を参照するための識別子が保持される。
【0050】
通知フラグ806は、仮想コンフィグデータの更新が行われてから画像形成装置101に通知したか否かを示すフラグである。本実施形態において、通知フラグ806は、仮想デバイスごとに1つ定義されている。
【0051】
機種別設定値スキーマ保持手段312は、機種別設定値スキーマを記憶する。画像形成装置の各機種に対応して1つの機種別設定値スキーマが用意される。
【0052】
ここで、本実施形態に係る種別設定値スキーマの例を図4に示す。図4(A)は、機種コードが「0x01」の機種別設定値スキーマ401Aの例である。また、図4(B)は、機種コードが「0x02」の機種別設定値スキーマ401Bの例である。
【0053】
設定値識別子402は、設定値を一意に識別するための識別子である。例えば、「copy_settings.nup」は、コピー設定の面付けに関する設定であることを示す。この設定値識別子402が同じであれば、違う機種であっても同じ種類の設定値を扱うことができることを示す。
【0054】
デフォルト値403は、その機種の設定値識別子におけるデフォルト設定値の定義である。値域404は、その機種の設定値識別子において設定しうる値の範囲の定義である。例えば、設定値識別子が「copy_settings.nup」に対応する値域404であれば、「1in1,2in1,4in1」の3種類から設定値を選択できることを示す。なお、デフォルト値403の値は、通常、値域404の範囲の中から特定されている。
【0055】
条件405は、その機種の設定値識別子において設定値を利用するために必要な条件の定義である。例えば、設定値識別子が「fax_settings.received_print」に対応する条件405には「fax」とあるため、この設定値識別子はファクスユニットの装着が確認できた場合のみ有効な設定値(設定可能)であることを示している。
【0056】
機種別設定値スキーマ更新手段313は、機種別設定値スキーマ保持手段312が保持する機種別設定値スキーマを更新する。例えば、新しい機種を画像形成装置のベンダが発表した場合には、ベンダの管理責任者の指示によって新しい機種に対応する機種別設定値スキーマが設定値管理サービス310内に登録される。また、設定値に変更があった場合、機種別設定値スキーマ更新手段313は、同様に機種別設定値スキーマを更新する。
【0057】
テナント用コンフィグデータ保持手段314は、テナントが保持する画像形成装置101に設定したいコンフィグデータを保持する。
【0058】
ここで、テナント用コンフィグデータの例を、図5に示す。なお、本実施形態において、テナント用コンフィグデータは、テナントごとに定義されているものとする。設定値識別子502は、図4で説明した機種別設定値スキーマにある設定値識別子402と同等である。
【0059】
値503は、このテナントが所望する共通設定の値である。設定値識別子「copy_settings.nup」の値として、「2in1」が設定されている。これは、テナントが保持する画像形成装置全てに共通の値として「2in1」が設定されることを所望していることを示す。
【0060】
設定タイプ504は、設定値識別子502の値503それぞれをどこから設定を許可するかを示しており、本実施形態において、A/B/Cの3通りからいずれか1つの値が設定される。具体的には、本実施形態において、設定値“A”は、この設定値識別子で識別される設定値が、設定値管理サービス310から設定されることを意味する。設定値“B”は、この設定値識別子で識別される設定値が、設定値管理サービス310および画像形成装置101の双方から設定されることを意味する。設定値“C”は、この設定値識別子で識別される設定値が、画像形成装置101から設定されることを意味する。本実施形態では、この制御情報である設定タイプを用いることで、コンフィグデータに対する設定変更の制御を行う。
【0061】
テナント用コンフィグデータ更新手段315は、テナント用コンフィグデータ保持手段314が保持するテナント用コンフィグデータを更新する。テナント用コンフィグデータの更新指示を行うのは、例えば、テナントが保持する画像形成装置の管理を行うサービスマンが挙げられる。この場合、更新指示は、サービスマン環境110にある端末装置102Eで動作するウェブブラウザ(不図示)に表示される設定画面から行う。
【0062】
図12は、端末装置102Eからウェブブラウザでテナント用コンフィグデータを更新する画面の例を示している。設定タイプ1201は、テナント用コンフィグデータに含まれる各設定項目に対する設定タイプ504が表示されている。サービスマンは、このテナントで共通の各設定値を設定すると共に、設定タイプ1201を前述のA/B/Cのいずれかの設定値から選択することが可能である。図12と図5の対応の例を示すと、図5の設定値識別子「network_settings.host_name」は、図12のホスト名に対応する。また、図5の設定値識別子「network_settings.domain_name」は、図12のドメイン名に対応する。なお、ここで示す画面の構成は一部の設定値を入力するための画面例であり、配置等これに限定するものではない。この画面により、テナント用コンフィグデータの各設定値に対する受付手段を実現する。
【0063】
仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種別設定値スキーマとテナント用コンフィグデータと仮想機器構成データとを用いて仮想コンフィグデータを生成する。以下に、その処理内容をステップ毎に説明する。
【0064】
まず、仮想コンフィグデータ生成手段316は、仮想機器構成データを仮想デバイス保持手段311から取得する。仮想コンフィグデータ生成手段316は、取得した仮想機器構成データに含まれる機種コードを参照し、画像形成装置の機種を特定する。図6(A)を例に挙げると、機種コードが“0x01”の機種であると判定される。
【0065】
次に、仮想コンフィグデータ生成手段316は、取得した機種コードに合致する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持手段312から取得する。図6(A)を例に挙げると、機種コードが“0x01”に合致する図4(A)に示された機種別設定値スキーマの設定値を取得する。
【0066】
次に、取得した機種別設定値スキーマに定義された設定値の項目を、仮想コンフィグデータのベースとする。図4(A)を例に挙げると、「copy_settings.nup」、「device_settings.cloud_address」、「device_settings.sleep_time」、「fax_settings.received_print」、「box_settings.server_address」の4つの設定値識別子が仮想コンフィグデータのベースとなる。
【0067】
次に、仮想コンフィグデータ生成手段316は、テナント用コンフィグデータに登録された値を取得し、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まるかを判定する。図4(A)と図5を例に挙げると、テナント用コンフィグデータにおける設定値識別子「copy_settings.nup」の値は「2in1」である。このとき、機種別設定値スキーマにて定義された値域が「1in1,2in1,4in1」であるため、テナント用コンフィグデータにて指定された値は値域に収まっている。そのため、テナント用コンフィグデータの値が用いられる。しかし、テナント用コンフィグデータにおける設定値識別子「device_settings.sleep_time」の値は、「10秒」であるが、機種別設定値スキーマにて指定された値域が「1分、10分、1時間」であるため、値域に収まらない。値域に収まらない場合は、仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種別設定値スキーマに定義されたデフォルト値を取得する。この例では、設定値識別子「device_settings.sleep_time」の値は、「10分」となる。
【0068】
次に、仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種別設定値スキーマに定義された条件が満たされるか判定する。この判定は、実機器構成データを用いて行う。図6(A)を例に挙げると、設定値識別子「copy_settings.nup」の条件は特に指定されていないため、「copy_settings.nup」は無条件で満たされる。しかし、設定値識別子「fax_settings.received_print」の条件は「ファクスユニット」として指定されている。この場合、実機器構成データでは「ファクスユニット」は「なし」であるため、条件を満たさない。条件を満たさない場合は、仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種別設定値スキーマに定義されたデフォルト値403を取得する。この例では、「OFF」となる。条件を満たす場合は、仮想コンフィグデータ生成手段316は、これまでのステップで決定された値を用いる。以上の仮想コンフィグデータ生成手段316におけるステップで決定された値が仮想コンフィグデータである。
【0069】
ここで、仮想コンフィグデータの例を図7に示す。図7(A)は、デバイス識別子が“010001”の画像形成装置に対する仮想コンフィグデータ701Aを示している。同様に、図7(B)は、デバイス識別子が“010002”の画像形成装置に対する仮想コンフィグデータ701Bを示している。図7(C)は、デバイス識別子が“020001”の画像形成装置に対する仮想コンフィグデータ701Cを示している。
【0070】
仮想コンフィグデータ更新手段317は、仮想コンフィグデータ生成手段316で生成された仮想コンフィグデータを、仮想デバイス保持手段311に登録する。仮想デバイス保持手段311は、保持する仮想デバイスの中からデバイス識別子が一致する仮想デバイスを探索し、仮想コンフィグデータを更新する。これにより第一の更新手段を実現する。さらに、仮想コンフィグデータ更新手段317は、仮想デバイスの通知フラグ806が「済」であれば、「未」に設定する。これは、仮想コンフィグデータの変更があり、画像形成装置は新しい仮想コンフィグデータを参照する必要があることを示す。
【0071】
実機器構成データ受信手段318は、実機器構成データ通知手段306からの通知を受信する。通知される情報は、図6に示す実機器構成データと、テナント識別子である。
【0072】
仮想機器構成データ更新手段319は、実機器構成データ受信手段318で受信した機器構成データを、該当する仮想デバイスに仮想機器構成データとして登録する。仮想機器構成データ更新手段319は、仮想デバイス保持手段311が保持する仮想デバイスの中からデバイス識別子が一致する仮想デバイスを探索し、仮想機器構成データを更新する。
【0073】
仮想コンフィグデータ取得手段320は、インターネット104を介して要求を受け、仮想コンフィグデータを取得する。受け付けた要求は、少なくとも仮想デバイスを特定するためのデバイス識別子を含んでおり、仮想コンフィグデータ取得手段320は、デバイス識別子が一致する仮想デバイスを探索する。そして、仮想コンフィグデータ取得手段320は、探索された仮想デバイスが保持する仮想コンフィグデータを探索し、仮想コンフィグデータを要求元に渡す。
【0074】
仮想コンフィグデータ閲覧設定手段321は、インターネット104を介して要求を受け、仮想コンフィグデータを閲覧/設定するための画面を提供する。ここで受け付けた要求は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)プロトコル上の要求である。そして、ユーザは、仮想コンフィグデータ閲覧設定手段321によって生成されたHTML(HyperText Markup Language)ページ上で仮想コンフィグデータの閲覧/設定を行う。
【0075】
図13は、端末装置102Eからウェブブラウザで仮想デバイス一覧を閲覧/設定する画面の例である。図8で示した仮想デバイスリスト801に含まれる仮想デバイスそれぞれの情報がHTMLにより記述されて表示される。ここでサービスマンが各仮想コンフィグデータへのリンク1301を選択すると、各仮想デバイスが保持している仮想コンフィグデータが表示される。
【0076】
図14は、仮想コンフィグデータをウェブブラウザで表示した設定変更画面の例である。ここで表示される値は、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新手段317により登録された値が表示される。ただし、テナント用コンフィグデータとして設定タイプ504が“B”または“C”のものは、画像形成装置101から値が通知される場合もある。その場合は、通知された値が当該設定変更画面に表示される。ここで、画像形成装置101から値が通知される場合については、処理フローと併せて後述する。なお、画像形成装置101から通知された値を表示する場合には、その旨が明確にわかるように、値の表示の色を変えたり、強調表示等をするようにしてもよい。
【0077】
利用者であるサービスマンは、画像形成装置ごとに個別にコンフィグデータを変更したい場合は、この画面から設定の変更を行う。なおテナント用コンフィグデータとして、設定タイプが“C”として設定されたコンフィグデータについては、値は表示するだけで変更はできない。
【0078】
この画面からコンフィグデータの設定を変更する場合は、ユーザは値を入力した後、更新ボタン1401を押す。これにより、入力された値に基づいて、コンフィグデータは仮想デバイス保持手段311に保存される。このとき、当該コンフィグデータに対応する通知フラグ806は「未」と設定される。
【0079】
設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、仮想コンフィグデータが更新されているか否かを確認する。画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信手段303は、インターネット104を介して仮想コンフィグデータ更新確認手段322にデバイス識別子を送信する。仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、仮想デバイス保持手段311が保持する仮想デバイスの中から受信したデバイス識別子に一致する仮想デバイスを探索する。ここで、探索された仮想デバイスの通知フラグ806の値が「未」であれば、仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、仮想コンフィグデータの更新があったと判定する。逆に、通知フラグ806が「済」であれば、仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、仮想コンフィグデータの更新はないと判定する。
【0080】
実コンフィグデータ受信手段323は、送信されてきた実コンフィグデータを受信し、仮想コンフィグデータ更新手段へ渡す。実コンフィグデータ受信手段323と仮想コンフィグデータ取得手段とにより、画像形成装置101とのコンフィグデータの送受信を行うこととなる(第一の通信手段)。
【0081】
(管理サーバ)
次に、ネットワーク106を介して画像形成装置101に接続された管理サーバ107が備える手段について説明する。管理コンフィグデータ保持手段351は、管理コンフィグデータを保持する。管理コンフィグデータ更新手段352は、管理コンフィグデータ保持手段351が保持する管理コンフィグデータを更新する。管理コンフィグデータ更新手段352は、ウェブブラウザや画像形成装置のベンダ等が提供する専用ソフトウェアを使用して画像形成装置に設定したい値を受け付け、更新する。管理コンフィグデータ送信手段353は、管理コンフィグデータ保持手段351が保持する管理コンフィグデータを、要求に応じて管理コンフィグデータ受信手段307に送信する。
【0082】
[テナント用コンフィグデータ更新フロー]
図9は、端末装置102Dを用いて管理者ユーザがテナント用コンフィグデータを更新する処理を説明するためのフローチャートである。フローチャートの各ステップを実行する各手段は、サーバコンピュータ群105に含まれるサーバコンピュータ211Gが備える不揮発性メモリ202G、揮発性メモリ203G、補助記憶装置204Gいずれかの記憶部(第一の記憶部)に記憶され、CPU201Gにより実行される。
【0083】
S901において、設定値管理サービス310のテナント用コンフィグデータ更新手段315は、テナント用コンフィグデータの更新要求を検知する。
【0084】
S902において、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、テナント用コンフィグデータ保持手段314にS901で更新要求があったテナント用コンフィグデータが存在するか確認する。テナント用コンフィグデータが存在する場合は(S902にてYES)、S907へ遷移する。テナント用コンフィグデータ存在しない場合は(S902にてNO)、S903へ遷移する。
【0085】
S903において、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、要求のあったテナントが保持する仮想デバイスを仮想デバイス保持手段311から探索する。そして、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、探索した結果、仮想デバイスの仮想機器構成データを取得する。S904において、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、S903で探索した仮想デバイスの仮想機器構成データにある機種コードを参照する。さらに、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、機種コードに合致する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持手段312から探索する。
【0086】
S905において、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、S904で探索した機種別設定値スキーマの少なくとも1つが持つ設定項目をリストアップする。ここでの設定項目とは、図4等を用いて述べた設定値識別子に相当する。S906において、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、S905でリストアップした設定を有する空のテナント用コンフィグデータを生成する。ここで、空のテナント用コンフィグデータとは、各設定項目に対する具体的な設定値が指定されていないデータを意味する。
【0087】
S907において、テナント用コンフィグデータ更新手段315は、テナント用コンフィグデータの具体的な更新指示を検知する。ここでの具体的な更新指示には、テナント用コンフィグデータとしての具体的な設定値が含まれているものとする。また、更新指示は、本実施形態において、図12に示すウェブブラウザを用いて受け付けるものとする。S908において、テナント用コンフィグデータ更新手段315が、S907で検知した更新指示に基づいてテナント用コンフィグデータ保持手段314が保持するテナント用コンフィグデータを更新する。S909において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、テナント用コンフィグデータの更新が完了した旨を検知する。
【0088】
S910において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、仮想デバイス保持手段311が保持する当該テナントの仮想デバイスから、更新を検知したテナント用コンフィグデータのテナント識別子に合致する仮想デバイスを探索する。探索された仮想デバイスに対して順次処理を行うため、1つの仮想デバイスを取得する。仮想デバイスを取得したら(S910にてYES)、S911へ遷移する。全ての仮想デバイスに対して順次処理が行われ、次の仮想デバイスを取得できない場合には(S910にてNO)、処理を終了する。
【0089】
S911において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、仮想デバイスに対応する仮想機器構成データを取得する。S912において、仮想コンフィグデータ生成手段316が、仮想機器構成データから機種コードを取得する。さらに、仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種別設定値スキーマ保持手段312が保持する機種別設定値スキーマから、機種コードに該当する機種別設定値スキーマを探索する。
【0090】
S913において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、仮想機器構成データ、機種別設定値スキーマ、およびテナント用コンフィグデータを用いて仮想コンフィグデータを生成する。S914において、仮想コンフィグデータ更新手段317が、S913で生成した仮想コンフィグデータを仮想デバイスに対応付けて保持する。
【0091】
[仮想コンフィグデータ取得処理フロー]
図10は、画像形成装置101が仮想コンフィグデータを取得する処理を説明するフローチャートである。S1001からS1007は、画像形成装置101で行われるステップである。これらのステップを実行する各手段は、画像形成装置101が備える不揮発性メモリ202A、揮発性メモリ203A、補助記憶装置204Aのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Aにより実行される。なお、本フローチャートにおいて、破線の矢印は、装置間のデータの送受信を示している。
【0092】
S1051からS1058は、サーバコンピュータ群105で行われるステップである。これらのステップを実行する各手段は、サーバコンピュータ群105に含まれるサーバコンピュータ211Gが備える不揮発性メモリ202G、揮発性メモリ203G、補助記憶装置204Gのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Gにより実行される。
【0093】
S1001において、画像形成装置101の実機器構成データ通知手段306は、当該画像形成装置の電源がONになるのを検知する。S1002において、実機器構成データ収集手段304は、自らの実機器構成データを収集する。
【0094】
S1003において、実機器構成データ通知手段306は、S1002で収集した実機器構成データを用いて、設定値管理サービス310に未通知の実機器構成データの変更があったか判定する。つまり、実機器構成データ通知手段306は、自らの実コンフィグデータに対応する通知フラグ1105の値が「未」になっているか否かを判定する。変更があった場合は(S1003にてYES)S1005へ遷移する。変更がなかった場合は(S1003にてNO)、S1004へ遷移する。
【0095】
S1004において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、デバイスが設定値管理サービス310から最新の仮想コンフィグデータを取得済みか判定する。図10には示していないが、ここでの判定は、仮想コンフィグデータ受信手段303が、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新確認手段322を呼びだして、更新されているかいないかを判定する。
【0096】
S1005において、実機器構成データ通知手段306は、実機器構成データとテナント識別子とを、サーバコンピュータ群105により提供される設定値管理サービス310に通知する。設定値管理サービス310側は、S1051でこの通知を検知して処理を行う。ここでの処理の詳細は後述する。
【0097】
S1006において、仮想コンフィグデータ受信手段303が、仮想コンフィグデータの更新が完了するまで処理の実行を待機する。ここで、仮想コンフィグデータの更新が完了した際に、設定値管理サービス310から通知を受けることとなる。
【0098】
S1007において、画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信手段303が、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを受信する。更に、仮想コンフィグデータ更新手段317は、受信した仮想コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持手段301によって記憶される。
【0099】
S1051において、設定値管理サービス310の実機器構成データ受信手段318が、画像形成装置101から通知された実機器構成データとテナント識別子を受信する。
【0100】
S1052において、仮想機器構成データ更新手段319が、S1051において受信した実機器構成データとテナント識別子に合致する仮想デバイスを探索する。ここで仮想機器構成データ更新手段319は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から探索を行う。なお、画像形成装置101が初めて設定値管理サービス310と通信を行ったケースでは、仮想デバイスが探索結果として検出されない場合がある。合致する仮想デバイスが検出された場合(S1052にてYES)、S1054へ遷移する。合致する仮想デバイスが検出できなかった場合(S1052にてNO)、S1053へ遷移する。
【0101】
S1053において、仮想機器構成データ更新手段319は、空の仮想デバイスを生成する。ここで空の仮想デバイスとは、設定値等がなんら設定されていない仮想デバイスを指す。
【0102】
S1054において、仮想機器構成データ更新手段319は、S1052において検出されるか、もしくはS1053において生成された、仮想デバイスの仮想機器構成データを更新する。ここでは、S1051において受信した実機器構成データの内容が、新しい仮想機器構成データとなる。
【0103】
S1055において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、更新された仮想機器構成データから機種コードを取得する。更に、仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種コードに該当する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持手段312から取得する。
【0104】
S1056において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、テナント用コンフィグデータを取得する。ここで、テナント用コンフィグデータは、テナント用コンフィグデータ保持手段314が保持するテナント用コンフィグデータからテナント識別子が合致するものを探索され、取得される。
【0105】
S1057において、仮想コンフィグデータ生成手段316は、仮想コンフィグデータを生成する。仮想コンフィグデータの生成は、仮想機器構成データ、機種別設定値スキーマ、テナント用コンフィグデータを用いて行われる。
【0106】
S1058において、仮想コンフィグデータ更新手段317は、S1057において生成された仮想コンフィグデータを、該当する仮想デバイスに対応付けて登録する。その後、設定値管理サービス310は、更新が完了したことを画像形成装置101へ通知する。
【0107】
[同期処理フロー]
図15は、画像形成装置101と設定値管理サービス310との間でコンフィグデータの同期を行う処理を説明するフローチャートである。S1501からS1510は、画像形成装置101で行われるステップである。これらのステップを実行する各手段は、画像形成装置101が備える不揮発性メモリ202A、揮発性メモリ203A、補助記憶装置204Aのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Aにより実行される。なお、本フローチャートにおいて、破線の矢印は、装置間のデータの送受信を示している。
【0108】
S1551からS1556は、サーバコンピュータ群105で行われるステップである。これらのステップを実行する各手段は、サーバコンピュータ211Gが備える不揮発性メモリ202G、揮発性メモリ203G、補助記憶装置204Gのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Gにより実行される。
【0109】
S1501において、画像形成装置101の管理コンフィグデータ受信手段307は、当該画像形成装置の電源がONになるのを検知する。
【0110】
S1502において、管理コンフィグデータ受信手段307は、管理サーバ107から管理コンフィグデータを受信する。更に、実コンフィグデータ更新手段302が、受信した管理コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持手段301によって記憶される。また、実コンフィグデータ更新手段302は、実コンフィグデータを更新する際、値に変更があった場合は通知フラグ1105の値を「未」に設定する。
【0111】
S1503において、実コンフィグデータ通知手段309は、実コンフィグデータの通知フラグ1105により、設定値管理サービス310に未通知の実コンフィグデータの変更があったか判定する。実コンフィグデータの変更があった場合は(S1503にてYES)、S1504へ遷移する。変更がなかった場合は(S1503にてNO)、S1505を実行する。
【0112】
S1504において、実コンフィグデータ通知手段309は、未通知である更新後の実コンフィグデータを設定値管理サービス310に通知する。その後、実コンフィグデータ通知手段309は、通知フラグ1105の値を「済」に設定する。
【0113】
S1551において、設定値管理サービス310の実コンフィグデータ受信手段323は、画像形成装置101から通知された実コンフィグデータを受信する。S1552において、仮想コンフィグデータ更新手段317は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から、通知を行った画像形成装置に対応する仮想デバイスを特定し、仮想コンフィグデータを更新する。
【0114】
S1505において、画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310に最新の仮想コンフィグデータを取得済かどうかの問合せを送信する。S1553において、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、画像形成装置101から問合せを受信する。
【0115】
S1554において、仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から、問合せを行った画像形成装置に対応する仮想デバイスを特定する。そして、仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、通知フラグ806により、問合わせを行った画像形成装置に未通知のコンフィグデータの変更があったかどうかの応答を送信する。ここで、図8に示す通知フラグ806の値が「未」であるか否かで、通知済みか否かを判定できる。
【0116】
S1506において、画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310から応答を受信する。S1507において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、受信した応答から、最新の仮想コンフィグデータを取得済かどうか判定する。取得済でなかった場合は(S1507にてYES)、S1508へ遷移する。取得済であった場合は(S1507にてNO)、処理を終了する。
【0117】
S1508において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310に仮想コンフィグデータ取得要求を送信する。S1555において、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ取得手段320は、画像形成装置101から要求を受信する。S1556において、仮想コンフィグデータ取得手段320は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から、要求を行った画像形成装置に対応する仮想デバイスを特定する。そして、仮想コンフィグデータ取得手段320は、仮想コンフィグデータの中で設定タイプ704が“A”または“B”の設定項目を画像形成装置101に送信する。その後、仮想コンフィグデータ取得手段320は、通知フラグ806を「済」に設定する。
【0118】
S1509において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを受信する。S1510において、実コンフィグデータ更新手段302は、受信した仮想コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する。そして、更新された実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持手段301によって記憶される。
【0119】
図16は、画像形成装置101の実コンフィグデータ入力手段308を使用して、ユーザが実コンフィグデータの参照/変更を行う設定変更画面の例である。
【0120】
ユーザまたはサービスマンが入力装置206Aにより実コンフィグデータの表示を指示することにより、ディスプレイ205A上には、画像形成装置101が現在保持している実コンフィグデータの一覧が表示される。この際、実コンフィグデータの設定タイプ1104が“A”であるものについては、表示はされるが値の変更を行うことはできない。これは、設定値管理サービス310からの設定変更のみを受け付ける項目だからである。実コンフィグデータの設定タイプ1104が“B”または“C”であるものについては、この画面から値を変更し、更新ボタン1601を押下することで実コンフィグデータの値を変更することができる。
【0121】
また図示していないが、画像形成装置101が、実コンフィグデータ入力手段308の他に何らかの実コンフィグデータ書換手段を持っていた場合も、実コンフィグデータの設定タイプ1104が“A”であるものについては書換えを行わせないようにしてもよい。
【0122】
以上、本願発明により、装置内の同じコンフィグデータに対して複数の設定方法があった場合にどの設定方法を使用して設定するかをユーザが柔軟に決定することができる。そのため、コンフィグデータの設定が競合してしまうということを防ぐ。それにより、すでに導入されていたコンフィグデータ設定システムの設定を変更することなく、別のコンフィグデータ設定システムを導入することが容易になる。また、異なる設定方法により設定されたコンフィグデータについても、一括して値を確認することが可能となる。
【0123】
<第二実施形態>
次に、本願発明を実施するための第二実施形態について説明する。
【0124】
第一実施形態においては、画像形成装置101は、自ら設定値管理サービス310に実コンフィグデータを通知していた。本実施形態においては、設定値管理サービス310が、画像形成装置101に対して、設定値タイプが“C”であるコンフィグデータを通知するような要求を行う。そして、要求を受信した画像形成装置101は指示されたコンフィグデータを設定値管理サービス310に通知する。
【0125】
これにより、画像形成装置101は、どのコンフィグデータを通知すべきかを判断する必要がなくなり、画像形成装置101側での処理を簡略化できるという効果がある。なお、本実施形態においては第一実施形態と同一部分に関する説明は省略し、その差異についてのみ説明する。
【0126】
[コンフィグデータ同期処理フロー]
図17は、画像形成装置101と設定値管理サービス310との間でコンフィグデータの同期を行う処理を説明するフローチャートである。本処理は、第一実施形態における図15に対応する。
【0127】
S1701から1709は、画像形成装置101で行われるステップである。これらのステップを実行する各手段は、画像形成装置101が備える不揮発性メモリ202A、揮発性メモリ203A、補助記憶装置204Aのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Aにより実行される。なお、本フローチャートにおいて、破線の矢印は、装置間のデータの送受信を示している。
【0128】
S1751からS1756は、サーバコンピュータ群105で行われるステップである。これらのステップを実行する各手段は、サーバコンピュータ211が備える不揮発性メモリ202G、揮発性メモリ203G、補助記憶装置204Gのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Gにより実行される。
【0129】
S1701において、画像形成装置101の管理コンフィグデータ受信手段307は、当該画像形成装置の電源がONになるのを検知する。
【0130】
S1702において、管理コンフィグデータ受信手段307は、管理サーバ107から管理コンフィグデータを受信する。更に、実コンフィグデータ更新手段302が、受信した管理コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持手段301によって記憶される。
【0131】
S1703において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310に最新の仮想コンフィグデータを取得済かどうかの問合せを送信する。
【0132】
S1751において、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、画像形成装置101からの問合せを受信する。S1752において、仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から、問合せを行った画像形成装置に対応する仮想デバイスを特定する。そして、仮想コンフィグデータ更新確認手段322は、通知フラグ806に基づき、問合せを行った画像形成装置に未通知のコンフィグデータの変更の有無の情報と、仮想コンフィグデータの設定タイプ704が“C”である設定値識別子とを含めた応答を送信する。
【0133】
S1704において、画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310から応答を受信する。S1705において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、受信した応答から、最新の仮想コンフィグデータを取得済かどうか判定する。最新の仮想コンフィグデータが取得済でなかった場合はS1706へ遷移する。取得済であった場合はS1709を遷移する。
【0134】
S1706において、仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310に仮想コンフィグデータ取得要求を送信する。
【0135】
S1753において、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ取得手段320は、画像形成装置101から仮想コンフィグデータ取得要求を受信する。S1754において、仮想コンフィグデータ取得手段320は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から、要求を行った画像形成装置に対応する仮想デバイスを特定する。そして、仮想コンフィグデータ取得手段320は、仮想コンフィグデータの中で設定タイプが“A”または“B”の設定項目(設定値識別子)をインターネット104を介して、画像形成装置101に送信する。その後、仮想コンフィグデータ取得手段320は、通知フラグ806を「済」に設定する。
【0136】
S1707において、画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信手段303は、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを受信する。S1708において、実コンフィグデータ更新手段302は、受信した仮想コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持手段301によって記憶される。
【0137】
S1709において、実コンフィグデータ通知手段309は、S1704で受信した応答に含まれる設定値識別子で識別される、更新後の実コンフィグデータを設定値管理サービス310に通知する。
【0138】
S1755において、設定値管理サービス310の実コンフィグデータ受信手段323は、画像形成装置101から実コンフィグデータを受信する。S1756において、仮想コンフィグデータ更新手段317は、仮想デバイス保持手段311によって保持された仮想デバイスの中から、通知を行った画像形成装置に対応する仮想デバイスを特定し、仮想コンフィグデータを更新し、保持する。
【0139】
以上により、第一実施形態にて述べた効果に加え、画像形成装置101は、どのコンフィグデータを通知すべきかを判断する必要がなくなり、画像形成装置101側での処理を簡略化できるという効果がある。
【0140】
<その他の実施形態>
図1に示すネットワーク図において、サーバコンピュータ群105では、設定値管理サービス310が実行されることを想定しているが、別の構成であっても良い。例えば、サーバコンピュータ群が、ただ1つのサーバコンピュータのみによって構成されていてもよい。もしくは、ユーザ環境100、サービスマン環境110、画像形成装置のベンダ環境120等の中のいずれかに構成されていてもよい。
【0141】
図1に示すネットワーク図において、サービスマンはサービスマン環境110に配置された端末装置102Eを利用することを想定しているが、別の構成であってもよい。例えば、サービスマンがユーザの許可のもとでユーザ環境100に配置された端末装置102Dを利用する構成であってもよい。
【0142】
図2に示すハードウェア構成図において、サーバコンピュータ211Gとサーバコンピュータ211Hとがネットワーク220を介して通信を行っているが、別の構成であってもよい。例えば、サーバ間においてインターネット104を介して通信を行ってもよい。
【0143】
図3に示すソフトウェア構成図において、画像形成装置101の実コンフィグデータ保持手段301が補助記憶装置204Aに実コンフィグデータを記憶しているが、別の構成であってもよい。例えば、実コンフィグデータ保持手段301は、画像形成装置101が備える揮発性メモリ203Aに一時的に記憶する構成であってもよい。この場合、画像形成装置101の電源をOFFにすると実コンフィグデータが失われるため、デバイスの電源をONにするたびに仮想コンフィグデータ受信手段303が仮想コンフィグデータを受信する必要がある。具体的な処理の流れを示すと、図10のS1004で、仮想コンフィグデータの更新判定を行う必要がなく、常にS1007を実行する構成となる。
【0144】
図3に示すソフトウェア構成図において、画像形成装置101の実機器構成データ収集手段304は当該画像形成装置の電源をONにするたびに、実機器構成データの収集を行うが、別の構成であってもよい。例えば、実機器構成データ保持手段(不図示)を備え、当該実機器構成データ保持手段が実機器構成データを補助記憶装置204Aに常に記憶する構成であってもよい。この場合、実機器構成データの変更に応じて、実機器構成データ保持手段が保持する実機器構成データを速やかに書き換える構成である必要がある。そのため、実機器構成データ収集手段304は、実機器構成データの変更を監視し、変更内容を検知したら実機器構成データ保持手段に対して変更内容を更新する必要がある。更に、実機器構成データ通知手段306は、実機器構成データ保持手段に対して実機器構成データを要求する構成となる。
【0145】
図3に示すソフトウェア構成図において、画像形成装置101のテナント識別子保持手段305は補助記憶装置204Aにテナント識別子を記憶するが、別の構成であってもよい。例えば、ユーザが入力装置206Aを用いてテナント識別子を毎回入力する構成であってもよい。入力するタイミングは、画像形成装置101の起動時であってもよいし、別のタイミングであってもよい。この場合、テナント識別子は、揮発性メモリ203Aに記憶される。
【0146】
図3に示すソフトウェア構成図において、画像形成装置101の実機器構成データ通知手段306は当該画像形成装置の電源がONになったことを検知して処理を行うが、別の構成であってもよい。例えば、ユーザが入力装置206Aを用いて仮想コンフィグデータの取得を指示する構成であってもよい。この場合、図10のS1001において、画像形成装置101は、ユーザからの仮想コンフィグデータの取得指示を検知することでS1002以降を実行する構成となる。
【0147】
図3に示すソフトウェア構成図において、設定値管理サービス310の仮想デバイス保持手段311は図8に示すように仮想機器構成データと仮想コンフィグデータを識別するための識別子を保持していたが、別の構成であってもよい。例えば、識別子ではなくデータの実体を保持する構成であってもよい。
【0148】
図3に示すソフトウェア構成図において、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ生成手段316は、機種別設定値スキーマ、テナント用コンフィグデータ、および仮想機器構成データから仮想コンフィグデータを生成するが、別の構成であってもよい。例えば、設定値管理サービス310は、機種別設定値スキーマとテナント用コンフィグデータの2点から、機種に対応する仮想コンフィグデータを生成する構成であってもよい。この場合、画像形成装置101は、実コンフィグデータを参照する際に機器構成にあわせて参照する構成となる。
【0149】
別の例として、更にライセンスデータを用いて仮想コンフィグデータを生成する構成であってもよい。その場合、画像形成装置101が備えるオプション機能に合わせた仮想コンフィグデータが生成される構成となる。
【0150】
図8に示す仮想デバイス情報において、設定値管理サービス側の通知フラグ806は仮想デバイスそれぞれに1個有する構成となっていたが、仮想コンフィグデータそれぞれに通知フラグを備えるようにしてもよい。つまり、1の仮想デバイスに対して、複数の仮想コンフィグデータとそれに対応した通知フラグが対応付けられて保持されてもよい。その場合には、変更があったコンフィグデータのみを画像形成装置に送信するといった制御が可能となる。
【0151】
図11に示す実コンフィグデータにおいて、画像形成装置側の通知フラグ1105は1個だけ有する構成となっていたが、実コンフィグデータそれぞれに通知フラグを備えるようにしてもよい。つまり、1の実デバイスに対して、複数の実コンフィグデータとそれに対応した通知フラグが対応付けられて保持されてもよい。その場合には、変更があったコンフィグデータのみを設定値管理サービス310に送信するといった制御が可能となる。
【0152】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの画像形成装置と、前記画像形成装置のコンフィグデータを管理する設定値管理サービス装置とを含む設定値管理システムであって、
前記設定値管理サービス装置は、
前記画像形成装置のコンフィグデータを保持する第一の保持手段と、
前記第一の保持手段が保持するコンフィグデータを更新する第一の更新手段と、
前記画像形成装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う第一の通信手段と
を有し、
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置のコンフィグデータを保持する第二の保持手段と、
前記第二の保持手段にて保持するコンフィグデータを更新する第二の更新手段と、
前記設定値管理サービス装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う第二の通信手段と
を有し、
前記コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、
前記第一の通信手段は、前記制御情報に従って、前記第一の保持手段にて保持されたコンフィグデータのうち、前記設定値管理サービス装置が更新を許可されたコンフィグデータを、前記画像形成装置へ送信し、
前記第二の更新手段は、前記制御情報に従って、前記第二の保持手段にて保持するコンフィグデータを更新する
ことを特徴とする設定値管理システム。
【請求項2】
前記第二の通信手段は、前記第二の更新手段がコンフィグデータを更新した際に、更新後のコンフィグデータを前記設定値管理サービス装置へ送信し、
前記第一の更新手段は、受信した当該更新後のコンフィグデータを用いて、前記第一の保持手段にて保持されるコンフィグデータを更新することを特徴とする請求項1に記載の設定値管理システム。
【請求項3】
前記設定値管理サービス装置は、コンフィグデータの設定変更画面を表示する表示手段を更に有し、
前記設定変更画面は、前記制御情報に従って、当該コンフィグデータに含まれる設定可能な設定項目の表示を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の設定値管理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記コンフィグデータの設定項目のうち、前記画像形成装置を介して受け付けた設定値と、前記設定値管理サービス装置にて受け付けた設定値の表示を異ならせることを特徴とする請求項3に記載の設定値管理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置のコンフィグデータを保持する管理サーバを更に含み、
前記管理サーバは、保持しているコンフィグデータを前記画像形成装置に送信する送信手段を有し、
前記第二の更新手段は、前記制御情報に従って、前記管理サーバから送信されたコンフィグデータを用いて、前記第二の保持手段にて保持されるコンフィグデータを更新することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の設定値管理システム。
【請求項6】
前記送信手段は、前記画像形成装置が起動された際に保持しているコンフィグデータを送信することを特徴とする請求項5に記載の設定値管理システム。
【請求項7】
前記制御情報は、前記コンフィグデータに含まれる設定項目ごとに定義されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の設定値管理システム。
【請求項8】
前記設定値管理サービス装置は、ユーザが前記制御情報を設定するための設定手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の設定値管理システム。
【請求項9】
前記制御情報は、前記画像形成装置においてコンフィグデータを更新する際に、
前記設定値管理サービス装置から送信されたコンフィグデータを用いた更新を許可する、
前記設定値管理サービス装置から送信されたコンフィグデータまたは前記画像形成装置にて設定されたコンフィグデータを用いた更新を許可する、もしくは
当該画像形成装置にて設定されたコンフィグデータを用いた更新を許可する
のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の設定値管理システム。
【請求項10】
前記設定値管理サービス装置は、複数の画像形成装置にて共有する共有コンフィグデータを受け付ける受付手段を更に有し、
前記第一の更新手段は、前記受付手段にて受け付けた前記共有コンフィグデータを用いて、前記第一の保持手段にて保持する複数のコンフィグデータを更新することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の設定値管理システム。
【請求項11】
前記共有コンフィグデータは、前記複数の画像形成装置が属するネットワークごとに定義されることを特徴とする請求項10に記載の設定値管理システム。
【請求項12】
少なくとも1つの画像形成装置と通信可能に接続され、前記画像形成装置のコンフィグデータを管理する設定値管理サービス装置であって、
前記画像形成装置のコンフィグデータを保持する保持手段と、
前記保持手段が保持するコンフィグデータを更新する更新手段と、
前記画像形成装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う通信手段と
を有し、
前記コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、
前記通信手段は、前記制御情報に従って、前記保持手段にて保持されたコンフィグデータのうち、前記設定値管理サービス装置が更新を許可されたコンフィグデータを、前記画像形成装置へ送信することを特徴とする設定値管理サービス装置。
【請求項13】
コンフィグデータを管理する設定値管理サービス装置と通信可能に接続された画像形成装置であって、
前記コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、
当該画像形成装置のコンフィグデータを保持する保持手段と、
前記保持手段にて保持するコンフィグデータを、前記制御情報に従って、更新する更新手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
少なくとも1つの画像形成装置と、前記画像形成装置のコンフィグデータを管理する設定値管理サービス装置とを含む設定値管理システムにおける設定値管理方法であって、
前記設定値管理サービス装置において、
第一の保持手段が、前記画像形成装置のコンフィグデータを第一の記憶部に保持する第一の保持工程と、
第一の更新手段が、前記第一の記憶部に保持するコンフィグデータを更新する第一の更新工程と、
第一の通信手段が、前記画像形成装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う第一の通信工程と
を有し、
前記画像形成装置において、
第二の保持手段が、当該画像形成装置のコンフィグデータを第二の記憶部に保持する第二の保持工程と、
第二の更新手段が、前記第二の記憶部にて保持するコンフィグデータを更新する第二の更新工程と、
第二の通信手段が、前記設定値管理サービス装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う第二の通信工程と
を有し、
前記コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、
前記第一の通信工程において、前記制御情報に従って、前記第一の記憶部にて保持されたコンフィグデータのうち、前記設定値管理サービス装置が更新を許可されたコンフィグデータを、前記画像形成装置へ送信し、
前記第二の更新工程において、前記制御情報に従って、前記第二の記憶部にて保持するコンフィグデータを更新する
ことを特徴とする設定値管理方法。
【請求項15】
コンピュータを、
管理の対象となる画像形成装置のコンフィグデータを保持する保持手段、
前記保持手段が保持するコンフィグデータを更新する更新手段、
前記画像形成装置との間で当該画像形成装置のコンフィグデータの送受信を行う通信手段
として機能させ、
前記コンフィグデータは、更新の許可に関する制御情報を含み、
前記通信手段は、前記制御情報に従って、前記保持手段にて保持されたコンフィグデータのうち、当該コンピュータが更新を許可されたコンフィグデータを、前記画像形成装置へ送信することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
画像形成装置を、
当該画像形成装置の更新の許可に関する制御情報を含むコンフィグデータを保持する保持手段、
前記保持手段にて保持するコンフィグデータを、前記制御情報に従って、更新する更新手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−1044(P2013−1044A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136711(P2011−136711)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】