説明

設置台

【課題】プロジェクターを設置する設置台に関する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】プロジェクターとしての携帯電話2を設置するための設置台1は、携帯電話2を設置する設置部101と、設置部101に対する相対位置を固定可能であり、携帯電話2から投写された画像を表示するためのスクリーン部102と、を有する。これにより、プロジェクター携帯電話2から画像を投写する際に、投写面であるスクリーン部102に対する携帯電話2の相対位置の調整と、この相対位置の固定を容易に行うことが可能となる。従って、携帯電話2を用いて画像を投写する準備に要する時間を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターを設置するための設置台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像を投写する機能を備えた小型の電子機器(例えば、携帯電話)が提案されており、この電子機器を設置するための設置台についても提案されている。なお以下の説明では、画像を投写する機能を備えた電子機器を「プロジェクター」と称する場合がある。
【0003】
例えば特許文献1には、画像を投写する機能を備えた携帯電話を台座に設置し、その状態で携帯電話から画像を投写することが記載されている。またこの文献には、台座が複数の携帯電話を支持可能であることも記載されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−284311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プロジェクターから投写される画像を適切な形状で表示させるには、プロジェクターと画像が投写される投写面との位置関係、つまりプロジェクターの設置台と投写面との位置関係を適切に調整する必要があり、画像を投写する前の準備に時間がかかるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、プロジェクターから投写面に対して画像を投写する際の調整が容易な設置台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
【0008】
〔適用例1〕本適用例に係る設置台は、プロジェクターを設置するための設置台であって、前記プロジェクターを設置する設置部と、前記設置部に対する相対位置を固定可能であり、前記プロジェクターから投写された画像を表示するためのスクリーン部と、を有することを特徴とする。
【0009】
この適用例によれば、プロジェクターから画像を投写する際に、投写面であるスクリーンに対するプロジェクターの相対位置の調整と、この相対位置の固定を容易に行うことが可能となる。従って、プロジェクターを用いて画像を投写する前の準備に要する時間を短縮することができる。
【0010】
〔適用例2〕上記適用例に係る設置台において、外部電源から電力を受け取るための接続部と、前記外部電源から受け取った電力を前記プロジェクターに供給する電力供給部と、を有することが好ましい。
【0011】
この適用例によれば、プロジェクターから画像を投写しつつ、プロジェクターへ電力を供給することができる。係る構成であれば、プロジェクターがバッテリー等の内部電源によって駆動される場合であっても、プロジェクターに供給される電力が途絶えることがないため、安定して画像の投写を行うことができる。
【0012】
〔適用例3〕上記適用例に係る設置台において、前記設置部は、複数の前記プロジェクターを設置可能であることが好ましい。
【0013】
この適用例によれば、複数のプロジェクターを用いて画像を投写することができる。複数のプロジェクターを用いることで、1台のプロジェクターによって投写できる画像よりもより明るい画像、又はより大きい画像を投写することができる。
【0014】
〔適用例4〕上記適用例に係る設置台において、前記スクリーン部を収納可能な収納部を備えることが好ましい。
【0015】
この適用例によれば、スクリーン部を収納部に収納できることから、設置台の持ち運びが容易になり、設置台を使用しないときの収納も容易になる。
【0016】
〔適用例5〕上記適用例に係る設置台において、前記収納部は前記設置部に設けられることが好ましい。
【0017】
この適用例によれば、スクリーン部を設置部の内部に収納できることから、設置台の持ち運びが容易になり、設置台を使用しない時の収納も容易になる。
【0018】
〔適用例6〕上記適用例に係る設置台において、前記スクリーン部を支持可能なスクリーン支持部を備え、前記スクリーン支持部は、前記設置部が設置される設置面に沿って延在可能な第1の部材と、前記第1の部材に対して直交し、前記スクリーン部が取り付けられる第2の部材と、を有することが好ましい。
【0019】
この適用例によれば、設置台はスクリーン部を支持可能なスクリーン支持部を有するので、画像を投写する際にスクリーンを安定した状態で支持することができる。
【0020】
〔適用例7〕上記適用例に係る設置台において、前記スクリーン部及び前記スクリーン支持部は、前記第1の部材及び前記第2の部材が折り畳まれた状態で前記収納部に収納されることが好ましい。
【0021】
この適用例によれば、第1の部材及び第2の部材が折り畳まれた状態で収納部に収納されることから、設置台の持ち運びが容易になり、設置台を使用しない時の収納も容易になる。
【0022】
〔適用例8〕上記適用例に係る設置台において、前記スクリーン支持部は、前記プロジェクターと前記スクリーン部との相対距離を調整可能であることが好ましい。
【0023】
この適用例によれば、プロジェクターとスクリーン部との相対距離を調整可能であることから、スクリーン部に投写される画像の大きさを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例における設置台の斜視図である。
【図2】実施例における設置台を図1に示す矢印Pの方向から見た概略図である。
【図3】実施例における設置台の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例における携帯電話の構成を示す図である。
【図5】実施例における携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図6】実施例における投写部の構成を示すブロック図である。
【図7】実施例における設置台及び携帯電話が接続された状態を示す図である。
【図8】実施例における設置台及び携帯電話が接続された状態におけるブロック図である。
【図9】実施例における設置台及び携帯電話が接続された状態の側面図である。
【図10】実施例におけるスクリーン部を移動させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.実施例:
(A1)設置台1の構成
(A2)携帯電話2の構成
(A3)設置台1及び携帯電話2が接続された状態における動作
B.変形例
【0026】
A.実施例:
(A1)設置台1の構成
図1は、本発明の実施例における設置台の斜視図である。
設置台1は、プロジェクターを設置するための設置台である。本実施例では、画像を投写することが可能な、後述する携帯電話2をプロジェクターとして用いることができる。
【0027】
設置台1は、プロジェクターを設置するための設置部101と、設置部101に対する相対位置を固定可能であり、プロジェクターから投写された画像を表示するためのスクリーン部102と、を有する。また、設置台1は、設置部101が設置される設置面に沿って延在可能な第1の支持部材103と、第1の支持部材103に対して直交し、スクリーン部102が取り付けられる第2の支持部材104と、を有する。
第1の支持部材103は設置部101の底面と略平行な面内で伸縮可能である。また、第2の支持部材104は設置部101の底面と略直交する方向に伸縮可能である。第1の部材103及び第2の部材104は、協働してスクリーン部102を支持可能である。第1の部材103及び第2の部材104は、本実施例のスクリーン支持部を構成する。
【0028】
設置台1に設置されたプロジェクター(図示せず)は、スクリーン部102に画像を投写する。
図2は、設置部101を図1に示す矢印Pの方向から見た概略図である。
設置部101は設置面101A及び設置面101Bを有しており、設置面101Aにはプロジェクターが設置される。また、スクリーン部102、第1の支持部材103、及び第2の支持部材104を収納可能な収納部105が設置部101に設けられている。スクリーン部102、第1の支持部材103及び第2の支持部材104は、第1の支持部材103及び第2の支持部材104が折り畳まれた状態で収納部105に収納される。
また、設置部101の設置面101Bには操作部107が設けられている。
【0029】
図3は、設置台1の全体構成を示すブロック図である。
設置台1は、制御部106、操作部107、画像記憶部108、電力供給部109、及び接続部110を備える。制御部106は、設置台1全体の動作を制御する。
操作部107は、使用者による操作を受け付ける。使用者は、操作部107を介して、設置台1に設置されたプロジェクターとしての携帯電話2を操作することができる。
画像記憶部108は、画像データを記憶する。画像記憶部108が記憶する画像データは静止画であってもよいし、動画であっても良い。
電力供給部109は、外部電源(不図示)から供給された電力を設置台1の各構成要素に供給する。電力供給部109は、設置台101に設置された携帯電話2に電力を供給することも可能である。
接続部110は、外部電源と接続された場合に、当該外部電源からの電力を電力供給部109に供給するものであり、例えばコンセント等である。
【0030】
(A2)携帯電話2の構成
図4は、プロジェクターの一例である携帯電話2の構成を示す図である。
携帯電話2は、表示部201、操作部202、連結部203、及び投写部206を有する。表示部201及び操作部202は、連結部203によって連結されている。表示部201は、連結部203を回動軸として操作部202に対して回動可能である。表示部201は、表示部201と操作部202とが重なった状態を基準(θ=0°)に、表示部201が操作部202から離れていく方向を+θ方向とすると、0°≦θ≦160°の範囲で回動可能である。ここではθの上限を160°としているが、上限値はこれに限られない。
表示部201は表示画面201Aを備えており、この表示画面201Aには種々の情報が表示される。また操作部202は複数の操作ボタン202Aを含み、使用者はこの操作ボタン202Aを押下することで携帯電話2を操作することができる。投写部206は、スクリーン(図示せず)等に画像を表示する光を投写する。なお、投写部206については後段で詳述する。
【0031】
図5は、携帯電話2の機能ブロック図である。
携帯電話2は、表示部201、操作部202、制御部204、画像記憶部205、投写部206、電力供給部207、及びバッテリー部208を備える。制御部204は、携帯電話2全体の動作を制御する。
画像記憶部205は、画像データを記憶する。画像記憶部205に記憶される画像データは静止画であってもよいし、動画であっても良い。
投写部206は、画像データに基づいて投写面SCに画像を投写する。投写面SCは、設置台1のスクリーン部102であっても良いし、これ以外の投写面であっても良い。
電力供給部207は、設置台1の電力供給部109、又はバッテリー部208から電力を受け取り、携帯電話2の各構成要素に供給する。バッテリー部208は電力を充電可能であり、電力供給部207へ電力を供給する。携帯電話2は、外部電源と接続されていない場合であってもバッテリー部208に充電された電力によって動作可能である。
【0032】
図6は、投写部206の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、投写部206は、光源2061、光変調部2062、投写光学系としての投写レンズ2063、等を含んでいる。画像投写部206は、光源2061から射出された光を、光変調部2062で変調し、この変調された光を投写レンズ2063で投写することによって投写面SC等に画像を表示する。
【0033】
光源2061は、赤色光を射出する赤色発光ダイオード(赤色LED)2061R、緑色光を射出する緑色発光ダイオード(緑色LED)2061G、及び青色光を射出する青色発光ダイオード(青色LED)2061Bを含む。光源2061は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の発光部や、レーザー光源を用いる構成であっても良い。
【0034】
赤色LED2061R、緑色LED2061G、及び青色LED2061Bは、時間順次に点灯し、光変調部2062を照明する。そのため、ある瞬間においては特定の色光のみが光源2061から光変調部2062に対して射出される。
【0035】
光変調部2062は、光源2061から時間順次に射出される各色光を、その色光に対応した画像信号に応じて時間順次に変調する。光変調部2062としては、透過型の液晶ライトバルブ、反射型の液晶ライトバルブ、マイクロミラーデバイス等を用いることができる。
【0036】
(A3)設置台1及び携帯電話2が接続された状態における動作
図7は、設置台1と携帯電話2が接続された状態を示す図である。
設置部101の設置面101Aには、携帯電話2を挿入可能な凹部が設けられている。また、携帯電話2がこの設置面101Aの凹部に挿入されると、設置台1の電力供給部109と携帯電話2の電力供給部207が電気的に接続されるようになっている。
また、携帯電話2がこの設置面101Aの凹部に挿入されると、設置台1の制御部106と携帯電話2の制御部204も電気的に接続され、制御部106と制御部204との間で指示信号、画像信号等の送受信が可能となる。
また、使用者は、操作部107を介して携帯電話2に対する指示を入力することができる。
【0037】
図8は、設置台1と携帯電話2が接続された状態のブロック図である。
設置台1と携帯電話2が接続されることにより、設置台1の電力供給部109は接続部110から供給された電力を携帯電話2の電力供給部207に供給することができる。また、設置台1と携帯電話2が接続されることにより、設置台1の制御部106は、設置台1の操作部107に対して入力された操作に対応する指示信号を、携帯電話2の制御部204に出力することができる。
【0038】
図9は、設置台1と携帯電話2が接続された状態の側面図である。
設置台1は、携帯電話2が設置部101に設置された際に、その位置を固定可能である。また、第1の支持部材103及び第2の支持部材104は、設置部101に対するスクリーン部102の相対位置を固定することができる。従って設置台1は、スクリーン部102に対する携帯電話2の相対位置を固定することができる。
【0039】
図10は、スクリーン部102の移動を示した図である。第1の支持部材103及び第2の支持部材104は、第1の支持部材103及び第2の支持部材104が固定された状態で、携帯電話2とスクリーン部102との相対距離を調整可能である。携帯電話2とスクリーン部102との間の相対距離を大きくすると、携帯電話2から投写されてスクリーン部102に表示される画像は大きくなる。従って設置台1の使用者は、携帯電話2とスクリーン部102との相対距離を調整することで、画像の大きさを調整することができる。
【0040】
以上のように、本発明を適用した実施例に係る設置台1は、プロジェクターとしての携帯電話2を設置する設置部101と、設置部101に対する相対位置を固定可能であり、携帯電話2から投写された画像を表示するためのスクリーン部102と、を有する。これにより、携帯電話2から画像を投写する際に、投写面であるスクリーン102に対する携帯電話2の相対位置の調整と、この相対位置の固定を容易に行うことが可能となる。従って、携帯電話2を用いて画像を投写する準備に要する時間を短縮することができる。
【0041】
また、設置台1は、外部電源から電力を受け取るための接続部110と、外部電源から受け取った電力を携帯電話2に供給する電力供給部109と、を有する。これにより、携帯電話2から画像を投写しつつ、携帯電話2へ電力を供給することができる。係る構成であれば、携帯電話2がバッテリー等の内部電源によって駆動される場合であっても、携帯電話2に供給される電力が途絶えることがないため、安定して画像の投写を行うことができる。
【0042】
(B)変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形が可能である。
【0043】
(1)上記実施例では、設置台1には1台の携帯電話2を設置可能であるが、これに限られない。設置台1には、複数の携帯電話2を設置可能であっても良い。この場合、各携帯電話2からの画像を重ねて投写することで、1台の携帯電話2で投写できる画像よりも明るい画像を表示することができる。また、各携帯電話2からの画像を並べて投写することで、1台の携帯電話2で投写できる画像よりも大きな画像を表示することができる。
【0044】
(2)上記実施例では、プロジェクターとして携帯電話2を用いる場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。プロジェクターとしては画像を投写することが可能な種々の電子機器を用いることができる。例えば、画像を投写することが可能なデジタルカメラ、パーソナルコンピューター、ポータブルメディアプレーヤー等をプロジェクターとして用いることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…設置台、 2…携帯電話、 101…設置部、 101A…設置面、 101B…設置面、 102…スクリーン部、 103…第1の支持部材、 104…第2の支持部材、 105…収納部、 106…制御部、 107…操作部、 108…画像記憶部、 109…電力供給部、 110…接続部、 201…表示部、 202…操作部、 203…連結部、 204…制御部、 205…画像記憶部、 206…投写部、 207…電力供給部、 208…バッテリー部、 SC…投写面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクターを設置するための設置台であって、
前記プロジェクターを設置する設置部と、
前記設置部に対する相対位置を固定可能であり、前記プロジェクターから投写された画像を表示するためのスクリーン部と、を有することを特徴とする設置台。
【請求項2】
請求項1に記載の設置台において、
外部電源から電力を受け取るための接続部と、
前記外部電源から受け取った電力を前記プロジェクターに供給する電力供給部と、を有することを特徴とする設置台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の設置台において、
前記設置部は、複数の前記プロジェクターを設置可能であることを特徴とする設置台。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の設置台において、
前記スクリーン部を収納可能な収納部を備えることを特徴とする設置台。
【請求項5】
請求項4に記載の設置台において、
前記収納部は前記設置部に設けられることを特徴とする設置台。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の設置台において、
前記スクリーン部を支持可能なスクリーン支持部を備え、
前記スクリーン支持部は、
前記設置部が設置される設置面に沿って延在可能な第1の部材と、
前記第1の部材に対して直交し、前記スクリーン部が取り付けられる第2の部材と、
を有することを特徴とする設置台。
【請求項7】
請求項6に記載の設置台において、
前記スクリーン部及び前記スクリーン支持部は、前記第1の部材及び前記第2の部材が折り畳まれた状態で前記収納部に収納されることを特徴とする設置台。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の設置台において、
前記スクリーン支持部は、前記プロジェクターと前記スクリーン部との相対距離を調整可能であることを特徴とする設置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−68554(P2012−68554A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214839(P2010−214839)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】