説明

設計システム用配信システム、設計システム配信サーバ、及びクライアントシステム

【課題】ユーザの都合に合わせ、手間と時間を抑制しつつ設計システムの更新ができ、更新漏れを防止可能なように設計システムを配信する。
【解決手段】クライアント側設計システムを記憶部22に有するクライアントシステム2、及びクライアント側設計システムの更新状態を示すクライアント更新情報とクライアント側設計システムの更新を補助する更新補助システムとサーバ側設計システムとを記憶部12に有するサーバ1を具備する設計システム用配信システムを用いる。サーバ1は、サーバ側設計システムとクライアント更新情報とを比較し、クライアント側設計システムの更新用の更新データと更新補助システムとをクライアントシステム2へ配信する。クライアントシステム2は、更新補助システムで、ユーザによる更新の命令までユーザに更新を促し、更新の命令に応答して、更新データのうちの最新のものに基づいてクライアント側設計システムを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計システム用配信システム及び設計システム配信方法に関し、特にASIC(application specific integrated circuits)の設計システムに関わる設計システム用配信システム、設計システム配信サーバ、及びクライアントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ASICの設計システム(プログラム及びライブラリ)を販売する業者は、その設計システムが更新(バージョンアップ)されるごとに、ユーザ所有の設計システムを更新する契約上の義務がある。すなわち、最新の設計システムを契約したユーザに届けること、及び、その届けられた設計システムでユーザの設計システムが更新されることが業者の責務として存在する。そのため、業者は、設計システムを配信するサーバからユーザのクライアントシステムへ最新の設計システムを送信し、ユーザに更新を依頼している。
【0003】
サーバによるクライアントのソフトウエアの更新に関して、以下の技術が開示されている。特開2001−282544号公報に、機器管理システムが開示されている。この機器管理システムでは、サーバが、クライアントのソフトウェア情報及びハードウェア情報を予め把握しておく。そして、サーバは、ソフトウェアの更新のとき、把握しているソフトウェア情報に基づいて、そのソフトウェアの更新先のクライアントを決定し、その更新先のクライアントへそのソフトウェアを所定の更新スケジュールに沿って送信する。クライアントはそのソフトウェアを導入する。ただし、導入(更新)過程については明記されていない。
【0004】
特開2000−259519号公報に、ネットワークシステムが開示されている。このネットワークシステムでは、サーバは、ソフトウエアの更新が発生すると、各クライアントへソフトウェア更新情報を送信する。クライアントは、ソフトウェア更新情報に基づいて、更新対象のソフトウェアが停止している場合、サーバへダウンロード要求を出して更新ソフトウェアをダウンロードする。更新対象のソフトウェアが動作している場合、警告画面が表示されると共に、一定間隔で動作が終了しているか否かをチェックし、動作終了後に自動的にサーバへダウンロード要求を出力する。すなわち、クライアントの更新対象のソフトウェアが停止した時点で自動的に更新が行われる。
【0005】
特開2003−6084号公報に、ネットワークシステムにおけるデータ更新方式が開示されている。このデータ更新方式では、データサーバは、ホームサーバに対してデータ更新処理を行い、ホームサーバは、各端末装置がアクセスしたときに各端末装置に対してデータ更新処理を行う。すなわち、各端末装置に対して強制的にソフトウエアの更新を行っている。
【0006】
特開2004−362287号公報に、データ更新方式が開示されている。このデータ更新方式では、サーバーからの辞書更新の通知に基づいて、クライアントは辞書更新を行う場合、更新要求をサーバへ送信する。サーバは差分データをクライアントへ送信する。すなわち、クライアントからサーバーへ更新要求を行わなければ更新は行われない。
【0007】
【特許文献1】特開2001−282544号公報
【特許文献2】特開2000−259519号公報
【特許文献3】特開2003−6084号公報
【特許文献4】特開2004−362287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最新の設計システムをユーザへ送信してユーザに更新を依頼すると、ユーザがその更新を忘れてしまうことがある。そうなると、更新の内容によっては、その更新により解決しようとする設計システムの重要な問題が設計システムに残存してしまうことが考えられる。加えて、ユーザの設計システムを更新する契約上の義務を果たせず、更新漏れが発生してしまうことが考えられる。また、前の更新を行っていないとき、次の更新用の設計システムが送信された場合、複数回の更新動作を行う必要があるので、この場合にも、更新漏れが発生してしまうことが考えられる。
【0009】
一方、業者のサーバが強制的にユーザの設計システムを更新すると、以下のような問題が発生することが考えられる。すなわち、ユーザの意図とは異なるタイミング、例えば、ユーザが設計システムを使用して設計を行っているとき、ユーザの設計システムが最新の設計システムに更新されること場合がある。その場合、作業途中の設計データが破壊されたり、設計システムの更新の前後で設計データに不整合が生じたりすることが考えられる。
【0010】
すなわち、ユーザの設計の都合に合わせ、手間と時間を抑制しつつ設計システムの更新ができ、かつ、更新漏れを防止可能なように設計システムを配信可能なシステムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
従って、上記課題を解決するために、本発明の設計システム用配信システムは、クライアントシステム(2)と、サーバ(1)とを具備する。クライアントシステム(2)は、クライアント側設計システム(55a)を第1記憶部(22)に格納する。サーバ(1)はクライアントシステム(2)とネットワーク(4)で接続され、サーバ側設計システム(37a)と、クライアント側設計システム(55a)の更新状態を示すクライアント更新情報(38a)と、クライアント側設計システム(55a)の更新を補助する更新補助システム(36)とを第2記憶部(12)に格納する。サーバ(1)は、サーバ側設計システム(37a)の更新に応答して、更新されたサーバ側設計システム(37a)とクライアント更新情報(38a)とを比較して、クライアント側設計システム(55a)の更新に必要な必要ファイルを含む更新データ(33a)と更新補助システム(36)とをクライアントシステム(2)へ配信する。クライアントシステム(2)は、受信した更新補助システム(36)により、クライアント側設計システム(55a)の更新を促す更新通知を、クライアント側設計システム(55a)の更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力する。更新の命令に応答して、受信した更新データ(33a)のうちの最新のものに基づいてクライアント側設計システム(55a)を更新する。クライアント側設計システム(55a)の今回の更新状態を示す最新クライアント更新情報(54a)を生成して、サーバ(1)へ送信する。サーバ(1)は、最新クライアント更新情報(54a)に基づいて、クライアント更新情報(38a)を更新する。
【0013】
本発明では、ユーザがクライアント側設計システム(55a)の更新を行わないとき、サーバ側設計システムに新たな更新が行われた場合、最新の更新データ(33a)は全ての更新を含んだデータになっている。したがって、クライアントシステム(2)において各更新を個別に実行する必要はなく、更新データ(33a)のうちの最新のものに基づいてクライアント側設計システム(55a)を更新すればよいので、ユーザの手間や更新時間を削減でき、更新漏れを防止することが出来る。
また、本発明では、クライアントシステム(2)は、ユーザによる更新の命令に応答して、クライアント側設計システム(55a)を更新する。すなわち、ユーザは自分の都合に合わせて更新を実行することが出来る。そのとき、更新補助システム(36)により、クライアント側設計システム(55a)の更新を促す更新通知を、クライアント側設計システム(55a)の更新の命令まで継続的に出力するので、ユーザに更新を確実に実行させることが出来る。すなわち、クライアント側設計システムの更新漏れを防止することが出来る。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、ユーザの設計の都合に合わせ、手間と時間を抑制しながら設計システムの更新ができ、更新漏れの発生を防止可能なように設計システムを配信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の設計システム用配信システム、設計システム配信サーバ、及びクライアントシステムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の設計システム用配信システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。設計システム用配信システム10は、サーバ1と、複数のクライアントシステム2−1〜2−nとを具備する。
【0017】
サーバ1は、ワークステーションに例示される情報処理装置である。CPU(Central Processing Unit)に例示される制御装置11、HDD(Hard Disk Drive)に例示される記憶装置12、及びデータ配信やデータの入出力を行う入出力装置13を備える。クライアントシステム2−i(i=1〜n:自然数)は、ワークステーションやパーソナルコンピュータに例示される情報処理装置である。CPUに例示される制御装置21、HDDに例示される記憶装置22、及びデータ配信やデータの入出力を行う入出力装置23を備える。サーバ1とクライアントシステム2−iとは、インターネットに例示されるネットワーク4で双方向通信可能に接続されている。
【0018】
図2は、本発明のサーバの実施の形態の構成を示すブロック図である。サーバ1は、要求監視部31、差分情報生成部32、更新データ生成部33、更新データ配信部34、クライアント更新情報管理部35、更新補助システム36、設計システムデータベース37、クライアント更新情報データベース38、更新情報データベース39、及び更新要求格納部40を含む。
【0019】
これらはそれぞれ、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせにより実現可能である。例えば、要求監視部31、差分情報生成部32、更新データ生成部33、更新データ配信部34、クライアント更新情報管理部35、及び更新補助システム36はプログラムとして記憶装置12に格納され、制御装置11により実行される。設計システムデータベース37、クライアント更新情報データベース38、及び更新情報データベース39は、プログラム及びデータとして記憶装置12に格納され、制御装置11により制御される。更新要求格納部40は、データの格納領域として所定のディレクトリ(記憶装置11の所定の領域でも可)を割り当てられる。
【0020】
設計システムデータベース37は、サーバ側設計システム37aとサーバ側設計システム37aを特定するサーバ側設計システム情報とを関連付けて格納する。サーバ側設計システム37aは、サーバ1の有するASIC設計システムであり、複数種類存在する。ASIC設計システムは、例えば、テキストファイル、C言語などのコンパイラーで変換後のオブジェクトファイル(バイナリ−ファイル)から構成されている。
【0021】
クライアント更新情報データベース38は、クライアント更新情報38aとクライアント側設計システム55aを特定するクライアント側設計システム情報とを関連付けて格納する。クライアント更新情報38aは、クライアントシステム2−iの有するASIC設計システムとしてのクライアント側設計システム55aに関する更新状態を示す。クライアント更新情報38aは、例えば、クライアントシステム2−iの所定環境変数下にインストールされたクライアント側設計システム55aを構成する全てのファイルについてのファイル情報(例示:ディレクトリパス+ファイル名、そのファイルサイズ、ファイルのタイムスタンプの情報)、及びクライアントシステム2−iを特定するための情報(例示:クライアントシステム名、クライアントシステム認証番号)を有する。クライアント更新情報データベース38により、全てのクライアントシステム2−1〜2−nの有するクライアント側設計システム55aの更新状態をサーバ1の側で把握することができる。
【0022】
更新情報データベース39は、更新情報39aとサーバ側設計システム情報とを関連付けて格納する。更新情報39aは、サーバ側設計システム37aが更新されたことを示す。更新情報39aは、例えば、更新したサーバ側設計システムのインストール場所(例示:所定の環境変数で指定されるディレクトリ)、更新日、更新内容、更新理由のような更新に関わる情報を含む。
【0023】
更新要求格納部40は、更新要求情報51aとクライアントシステム2−iを特定するクライアントシステム情報とを関連付けて格納する。更新要求情報51aは、クライアントシステム2−iから送信された、クライアント側設計システム(55a:後述)の更新の要求を示す。例えば、更新要求情報51aは、クライアントシステム名、クライアントシステム認証番号、更新希望のシリーズ(設計システム内の小分類)名を示す情報を含む。
【0024】
要求監視部31は、サーバ1の更新情報データベース39に格納される更新情報39a、又は更新要求格納部40に格納される更新要求情報51aが更新されたか否かを一定の時間間隔でチェックする。要求監視部31は、いずれか一方の情報の更新を確認した場合、当該情報を差分情報生成部32へ出力する。
【0025】
差分情報生成部32は、サーバ側設計システム37aの更新(更新情報39a)に応答して、サーバ側設計システムデータベース37とクライアント更新情報データベース38とを参照する。次に、更新されたサーバ側設計システム37aのサーバ側設計システム情報に対応する全てのクライアント側設計システム情報を抽出する。その後、抽出された全てのクライアント側設計システム情報の各々ごとに、クライアント更新情報38aを取り出し、そのクライアント更新情報38aとその更新されたサーバ側設計システム37aとを比較する。そして、必要ファイル情報と不要ファイル情報とを含む差分情報32aを生成する。すなわち、抽出された全てのクライアント側設計システム情報の各々ごとに、差分情報32aを生成する。ただし、必要ファイル情報は、クライアント側設計システム55aの更新に必要な必要ファイルを特定する。不要ファイル情報は、クライアント側設計システム55aの更新に不要な不要ファイルを示す。
【0026】
このように、サーバ側設計システム37aの更新が行われた場合、その更新に関連する全てのクライアント側設計システム情報が抽出される。したがって、以後のステップが実行されることで、その更新に関連する全てのクライアント側設計システムについて、漏れなく更新を実行させることが出来る。以下では、一つのクライアント側システムの場合について説明する。
なお、差分情報生成部32は、更新要求情報51aに対しては、その更新要求情報51aを送信してきたクライアントシステム2−iに対してのみ、クライアント側設計システムの更新を実行させる。
【0027】
更新データ生成部33は、差分情報32aに基づいて、サーバ側設計システムデータベース37を参照して、必要ファイル情報に対応する必要ファイルを抽出し、必要ファイルを含む更新データ33aを生成する。
【0028】
更新データ配信部34は、更新データ33a、差分情報32a、更新案内情報(41:後述)、及び更新補助システム36をクライアント側設計システム55aに対応するクライアントシステム2−iへ配信する。ここで、更新案内情報41は、クライアント側設計システム55aの更新用のファイルを送付することを示す通知であり、e−mailに例示される。更新補助システム36は、クライアント側設計システム55aの更新を補助する。
【0029】
クライアント更新情報管理部35は、クライアントシステム2−iから出力されたクライアント更新情報54aに基づいて、クライアント更新情報データベース38におけるクライアント更新情報を更新する。すなわち、前のクライアント更新情報を削除し、クライアントシステム2−iから送信された最新のクライアント更新情報に置き換えられる。ここで、クライアント更新情報54aは、更新データ33a及び差分情報32aのうちの最新のものに基づいて更新されたクライアント側設計システム55aの更新状態を示す。
【0030】
更新補助システム36は、クライアントシステム2−iにおいて、更新データ33a及び差分情報32aのうちの最新のものに基づくクライアント側設計システム55aの更新を促す更新通知を、クライアント側設計システム55aに対する更新の命令が入力されるまで、予め設定された条件が満足されるごとに出力させる。予め設定された条件は、例えば、クライアントシステム2−iの起動時又は終了時、クライアント側設計システム55aの起動時又は終了時に例示される。
【0031】
図3は、本発明のクライアントシステムの実施の形態の構成を示すブロック図である。クライアントシステム2−iは、更新要求部51、更新可否確認部52、システム更新部53、クライアント更新情報生成部54、設計システムデータベース55、更新データ格納部56及び起動データ格納部57を含む。
【0032】
これらはそれぞれ、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせにより実現可能である。例えば、更新要求部51、更新可否確認部52、システム更新部53、及びクライアント更新情報生成部54はプログラムとして記憶装置22に格納され、制御装置21により実行される。設計システムデータベース55は、プログラム及びデータとして記憶装置22に格納され、制御装置21により制御される。更新データ格納部56は、データの格納領域として記憶装置21の所定の領域を割り当てられる。起動データ格納部57は、データの格納領域として所定のディレクトリ(記憶装置21の所定の領域でも可)を割り当てられる。所定のディレクトリは、上記の予め設定された条件が満足されるごとに参照され、そこにあるプログラムが実行される。例えば、クライアントシステム2−iの起動時又は終了時に参照されるディレクトリや、クライアント側設計システム55aの起動時又は終了時に参照されるディレクトリである。
【0033】
設計システムデータベース55は、クライアント側設計システム55aとクライアント側設計システム情報とを関連付けて格納する。クライアント側設計システム55aは、クライアントシステム2−iの有するASIC設計システムであり、複数のサーバ側設計システム37aのいずれかに相当する。クライアント側設計システム情報は、クライアント側設計システム55aを特定し、識別子(ID)に例示される。
【0034】
更新データ格納部56は、サーバ1から送信される更新データ33a及び差分情報32aを格納する。また、新たに更新データ33a及び差分情報32aを受信したとき、前に受信した更新データ33a及び差分情報32aに上書きして保存しても良い。この場合、前に受信した更新データ33a及び差分情報32aは削除される。すなわち、更新データ格納部56は、最新の更新データ33a及び差分情報32aを格納する。
【0035】
起動データ格納部57は、サーバ1から送信される更新補助システム36を格納する。また、新たに更新補助システム36を受信したとき、前に受信した更新補助システム36に上書きして保存しても良い。この場合、前に受信した更新補助システム36は削除される。すなわち、起動データ格納部57は、最新の更新補助システム36を格納する。
【0036】
更新要求部51は、ユーザがクライアント側設計システム55aの更新を要求する入力を行った場合、その入力に応答して、更新要求情報51aを生成する。そして、更新要求情報51aをクライアント情報に関連付けてサーバ1へ送信する。
【0037】
更新可否確認部52は、サーバ1から送信された更新補助システム36により起動され、更新通知を、クライアント側設計システム55aに対する更新の命令が入力されるまで、既述の予め設定された条件が満足されるごとに出力する。ここで、更新通知は、更新データ33a及び差分情報32aの最新のものに基づいたクライアント側設計システム55aの更新をユーザに促す。クライアントシステム2−iの表示装置に表示される。
【0038】
システム更新部53は、更新の命令の入力に応答して、更新データ33a及び差分情報32aの最新のものに基づいて、クライアント側設計システムデータベース55のクライアント側設計システム55aを更新する。例えば、更新データ33aの必要ファイルを、クライアント側設計システムデータベース55における対応するファイルに上書きする。差分情報32aの不要ファイル情報に対応するクライアント側設計システムデータベース55のファイルを削除する。
【0039】
クライアント更新情報生成部54は、クライアント側設計システム55aの更新に応答して、クライアント側設計システム55aの今回の更新状態を示すクライアント更新情報54aを生成する。クライアント更新情報54aは、クライアント側設計システム55aに含まれる全てのファイルを特定する情報を含む。そして、そのクライアント更新情報54aを、サーバ1へ送信する。
【0040】
図4は、本発明の設計システム用配信システムの実施の形態の動作(設計システム配信方法の実施の形態)を示すフロー図である。ここでは、更新対象のクライアント側設計システム55aを有する複数のクライアントシステム2−i、j、k、…(1≦j、k≦n)のうち、クライアントシステム2−iについて説明する。
【0041】
ASIC設計システムの開発者がサーバ側設計システム37aを更新した場合、そのサーバ側設計システム37a及び更新情報39aをサーバ側設計システム情報に関連付けてサーバ1へftp(file transfer protocol)で送信する(ステップS01)。サーバ側設計システム情報及びサーバ側設計システム37aは設計システムデータベース37に、更新情報39aは更新情報データベース39にそれぞれ格納される。
【0042】
サーバ1の要求監視部31は、更新情報データベース39に格納される更新情報39aが更新されたか否かを一定の時間間隔でチェックする。要求監視部31は、いずれか一方の情報の更新を確認した場合、当該情報を差分情報生成部32へ出力する(ステップS02)。
【0043】
図5は、更新前のサーバ側設計システムの一例を示す図である。更新前のサーバ側設計システム37aには、ディレクトリ“bin”に、ツールとして“tool1”及び“tool2”が格納されている。また、ディレクトリ“lib”に、“SERIES1”のライブラリとして、ディレクトリ“udl”に“A.udl”及び“B.udl”が、ディレクトリ“db”に“A.db”がそれぞれ格納されている。ディレクトリ“lib”に、“SERIES2”のライブラリとして、ディレクトリ“udl”に“C.udl”が、ディレクトリ“db”に“A.db”がそれぞれ格納されている。これは、図8に示す更新前のクライアント側設計システム55aと同じである。
【0044】
図6は、更新後のサーバ側設計システムの一例を示す図である。更新後のサーバ側設計システム37aにおいて、ディレクトリ“bin”では、“tool1”が更新され、図中分かり易さのために[tool]で表されている。また、ディレクトリ“lib”では、“SERIES1”の“A.udl”が更新され、図中分かり易さのために[A.udl]で表されている。また、“A.db”が削除され、“B.db”が追加され、図中分かり易さのために[B.db]で表されている。これは、クライアント側設計システム55aの更新の目標でもある。
【0045】
図4を参照して、差分情報生成部32は、サーバ側設計システム37aの更新に応答して、サーバ側設計システムデータベース37を参照して、更新されたサーバ側設計システム37aのサーバ側設計システム情報を取得する。次に、クライアント更新情報データベース38を参照して、取得したサーバ側設計システム情報と同じクライアント側設計システム情報を抽出する。これにより、更新対象のクライアント側設計システムを特定できる。
【0046】
その後、抽出されたクライアント側設計システム情報に対応するクライアント更新情報38aを抽出する。続いて、抽出されたクライアント更新情報38aと、更新されたサーバ側設計システム37aとを比較する。その後、比較結果から、クライアント側設計システム情報に対応するクライアント側設計システム55aを、更新されたサーバ側設計システム37aと同じにするために、更新に必要な必要ファイル(更新対象ファイル)と更新に不要な不要ファイル(削除対象ファイル)とを抽出する。そして、必要ファイルを示す必要ファイル情報と不要ファイルを示す不要ファイル情報とを含む差分情報32aを生成する(ステップS03)。
【0047】
具体的には、例えば、以下のようにして差分情報32aを生成することが出来る。すなわち、差分情報生成部32は、比較のとき、まず更新されたサーバ側設計システム37aについて、所定の環境変数下のディレクトリパス名+ファイル名、そのファイルサイズ、ファイルのタイムスタンプの情報を、設計システムを構成する全てのファイルに対してテキストファイルに出力する。そして、その出力された内容と、クライアント更新情報38aの同一情報部分の比較を行う。そのとき、あるファイルにおいて、ファイル名が同じであり、ファイルサイズが違い、タイムスタンプがクライアントのほうが古い場合、当該ファイルを更新対象と判断する。一方、全て同じであれば、当該ファイルを更新対象では無いと判断する。更に、更新されたサーバ側設計システム37aにだけ存在するファイルがあれば、当該ファイルを更新対象と判断する。クライアント更新情報38a(クライアント側設計システム55a)にだけ存在するファイルがあれば、それはクライアント側設計システム55aから削除すべきファイルと判断する。上記判断に基づいて、差分情報32aとして、例えば、全ての更新対象ファイル及び削除対象ファイルに対して、識別子(更新対象又は削除対象を示す)+更新対象又は削除対象のファイル名(ディレクトリパスを含む)を記述したテキストファイルを生成する。
【0048】
図5及び図6を参照すると、更新前後のサーバ側設計システムから、差分情報32aは、例えば以下のデータを含むことになる。
更新識別子+bin/[tool1]
更新識別子+lib/SERIES1/udl/[A.udl]
更新識別子+lib/SERIES1/db/[B.db]
削除識別子+lib/SERIES1/db/A.db
【0049】
更新データ生成部33は、差分情報32aに基づいて、サーバ側設計システムデータベース37を参照して、必要ファイル情報に対応する必要ファイル(ファイル本体)を抽出する。そして、全ての必要ファイルを含む更新データ33aを生成する(ステップS04)。なわち、更新データ生成部33は、差分情報32aの識別子を参照して、必要ファイル(更新対象ファイル)を認識する。そして、更新されたサーバ側設計システム37aのファイル群から、それら必要ファイル(ファイルそのもの)を集め、一つの更新データ33aとする。
【0050】
図7は、更新前後のサーバ側設計システムが図5及び図6の場合における更新データ33aの一例を示す図である。更新データ33aは、更新に必要な必要ファイルとして、ディレクトリ“bin”について更新された[tool]、ディレクトリ“lib/SERIES1/udl”について更新された[A.udl]、及びディレクトリ“lib/SERIES1/db”について追加(更新)された[B.db]、のそれぞれを含んでいる。また、ディレクトリ“lib/SERIES1/db”について削除された“A.db”については、上記のように差分情報32aに記述されている。
【0051】
図4を参照して、更新データ配信部34は、更新データ33a、差分情報32a、更新案内情報41、及び更新補助システム36をクライアント側設計システム55aに対応するクライアントシステム2−iへftpにより配信する(ステップS05)。更新案内情報41は、例えばe−mailで、クライアントシステム2−iの所定のメールアドレスに対して配信される。そのe−mailの内容は、サーバ側設計システムが更新されたこと、その結果としてクライアント側設計システムの更新が必要となったこと、その更新の内容に例示される。更新の内容は、更新情報39aから引用される。このように、更新のために、サーバ側設計システム37aそのものではなく、差分である更新データ33a及び差分情報32aを送信することで、送信するデータ量を少なくすることが出来る。
【0052】
更新データ33a、差分情報32a、更新案内情報41、及び更新補助システム36は、ネットワーク4を介して送信される(ステップS06)。更新データ格納部56は、サーバ1から送信される更新データ33a、及び差分情報32aを格納する。起動データ格納部57は、サーバ1から送信される更新補助システム36を格納する(ステップS07)。このとき、更新データ格納部56は、新たに更新データ33a及び差分情報32aを受信したとき、前に受信した更新データ33a及び差分情報32aがあるときは、前に受信したもに上書き保存する。同様に、起動データ格納部57は、新たに更新補助システム36を受信したとき、前に受信した更新補助システム36があるときは、前に受信したものに上書き保存する。これにより、常に最新の更新に関する更新補助システム36、更新データ33a及び差分情報32aを保持することが出来る。
【0053】
更新可否確認部52は、予め設定された条件が満足されるごとに、更新補助システム36により起動される。そして、クライアント側設計システム55aの更新をユーザに促す更新通知を、クライアント側設計システム55aに対する更新の命令が入力されるまで出力する(ステップS08)。クライアントシステム2−iの表示装置は、その更新通知を表示する。予め設定された条件は、例えば、クライアントシステム2−iの起動時又は終了時、クライアント側設計システム55aの起動時又は終了時に例示される。
【0054】
クライアントシステム2−iに表示された更新通知に対して、ユーザは更新するか否かを選択する(ステップS09)。ユーザが今回の更新を行わない場合(ステップS09:No)、予め設定された条件が満足されるごとに、更新可否確認部52が更新補助システム36により起動されて、クライアント側設計システム55aの更新をユーザに促す更新通知を出力する(ステップS08)。
【0055】
クライアントシステム2−iに表示された更新通知に対して、ユーザが更新を行う場合(ステップS09:Yes)、ユーザは更新の命令をクライアントシステム2−iに入力する。システム更新部53は、更新の命令の入力に応答して、更新データ格納部56に格納された更新データ33a及び起動データ格納部57に格納された差分情報32aの最新のものに基づいて、クライアント側設計システムデータベース55のクライアント側設計システム55aを更新する(ステップS10)。例えば、更新データ33aの必要ファイルを、クライアント側設計システムデータベース55における対応するファイルに上書きする。差分情報32aの不要ファイル情報に対応するクライアント側設計システムデータベース55のファイルを削除する。
【0056】
図9は、更新後のクライアント側設計システムの一例を示す図である。更新後のクライアント側設計システム37aにおいて、ディレクトリ“bin”では、“tool1”が更新され、図中分かり易さのために[tool]で表されている。また、ディレクトリ“lib”では、“SERIES1”の“A.udl”が更新され、図中分かり易さのために[A.udl]で表されている。また、“A.db”が削除され、“B.db”が追加され、図中分かり易さのために[B.db]で表されている。これは、更新されたサーバ側設計システム37a(図6)と同じである。ただし、このクライアント側設計システム37aは、“SERIES2”を有していない。
【0057】
図4を参照して、クライアント更新情報生成部54は、クライアント側設計システム55aの更新に応答して、クライアント側設計システム55aの今回の更新状態を示すクライアント更新情報54aを生成する(ステップS11)。クライアント更新情報54aは、クライアント側設計システム55aに含まれる全てのファイルを特定する情報を含む。クライアント更新情報54aは、例えば、クライアントシステム2−iの所定環境変数下にインストールされているクライアント側設計システム55aを構成する全てのファイルについてのファイル情報(例示:ディレクトリパス+ファイル名、そのファイルサイズ、ファイルのタイムスタンプの情報)、及びクライアントシステム2−iを特定するための情報(例示:クライアントシステム名、クライアントシステム認証番号)を有する。今回の更新処理により、その内容が更新されている。そして、そのクライアント更新情報54aを、サーバ1へ送信する(ステップS12)。
【0058】
クライアント更新情報管理部35は、クライアントシステム2−iから出力されたクライアント更新情報54aに基づいて、クライアント更新情報データベース38におけるクライアント更新情報を更新する(ステップS13)。すなわち、前のクライアント更新情報を削除し、クライアントシステム2−iから送信された最新のクライアント更新情報に置き換える。
【0059】
以上のようにして、通常の更新が行われる。ただし、ステップS09において、クライアントシステム2−iが更新(以下、「今回の更新」ともいう)を行わない場合(ステップS09:No)、その今回の更新を行う(ステップS10以降を実行する)前に、サーバ側設計システム37aにおいて新たな更新(以下、「次回の更新」ともいう)が行われる場合がある。その場合、クライアントシステム2−iの更新が行われていないので、クライアント更新情報38aは、今回の更新を行う前の状態を維持している。したがって、サーバ1は、クライアントシステム2−iでの今回の更新の有無を考慮せずに、通常のステップS02〜ステップS06の動作を実行して、次回の更新のための更新データ33a、差分情報32a、更新案内情報41、及び更新補助システム36をクライアントシステム2−iへ送信すればよい。クライアントシステム2−iでは、更新可否確認部52が、次回の更新のための更新データ33a及び差分情報32aを更新データ格納部56に格納し、今回の更新のための更新データ33a及び差分情報32aを削除(又は、上書き保存)し、次回の更新のための更新補助システム36を起動データ格納部57に格納し、今回の更新のための更新補助システム36を削除(又は、上書き保存)すれば良い。
【0060】
例えば、今回の更新が図5のサーバ側設計システム37aから図6のそれへの更新であり、次回の更新が図6のサーバ側設計システム37aから図10のそれへの更新である場合を考える。図10は、次回の更新後のサーバ側設計システムの一例を示す図である。更新後のサーバ側設計システム37aにおいて、ディレクトリ“lib”では、“SERIES1”の“B.udl”が更新され、図中分かり易さのために[B.udl]で表されている。このとき、クライアント側設計システム55aでは、今回の更新がなされていないので、未だ図8に示す状態である。すなわち、クライアント側設計システム55aとしては、図5の状態から図10の状態へ更新する必要がある。
【0061】
この状態において、サーバ1がステップS02〜ステップS06を実行すると、次回の更新における差分情報32aは、例えば以下のデータを含むことになる。
更新識別子+bin/[tool1]
更新識別子+lib/SERIES1/udl/[A.udl]
更新識別子+lib/SERIES1/udl/[B.udl]
更新識別子+lib/SERIES1/db/[B.db]
削除識別子+lib/SERIES1/db/A.db
【0062】
また、次回の更新における更新データ33aは、例えば以下のようになる。
図11は、更新前後のサーバ側設計システムが図5及び図10の場合における更新データ33aの一例を示す図である。更新データ33aは、更新に必要な必要ファイルとして、ディレクトリ“bin”について更新された[tool]、ディレクトリ“lib/SERIES1/udl”について更新された[A.udl]、[B.udl]及びディレクトリ“lib/SERIES1/db”について追加(更新)された[B.db]、のそれぞれを含んでいる。また、ディレクトリ“lib/SERIES1/db”について削除された“A.db”については、上記のように差分情報32aに記述されている。
【0063】
図12は、更新後のクライアント側設計システムの一例を示す図である。更新後のクライアント側設計システム37aにおいて、ディレクトリ“bin”では、“tool1”が更新され、図中分かり易さのために[tool]で表されている。また、ディレクトリ“lib”では、“SERIES1”の“A.udl”及び“B.udl”が更新され、図中分かり易さのために[A.udl]及び[B.udl]で表されている。また、“A.db”が削除され、“B.db”が追加され、図中分かり易さのために[B.db]で表されている。これは、更新されたサーバ側設計システム37a(図10)と同じである。ただし、このクライアント側設計システム37aは、“SERIES2”を有していない。
【0064】
上記のような次回の更新のための差分情報32a及び更新データ33aを用いることで、最新の更新のみを実行すれば、それまでの全ての更新(今回及び次回の両方)を実行することが出来る。すなわち、図5の状態から図10の状態へ更新することが可能となる。
【0065】
なお、クライアントシステム2−iから更新要求情報51aをサーバ1へ送信することで、更新を開始しても良い。例えば、ユーザがクライアント側設計システム55aの更新を要求する入力をクライアントシステム2−iに行った場合、更新要求部51が、その入力に応答して、更新要求情報51aを生成する。そして、更新要求情報51aをクライアント情報に関連付けてサーバ1へftpで送信する(ステップS01’)。クライアント情報及び新要求情報51aは、更新要求格納部40に格納される。サーバ1の要求監視部31は、更新要求情報51aが更新要求格納部40に格納されたか否かについても一定の時間間隔でチェックする。要求監視部31は、更新要求情報51aの格納を確認した場合、当該情報を差分情報生成部32へ出力する(ステップS02)。以下同様である。
【0066】
本発明において、クライアントシステム2−iは、サーバ1から送信された更新関連のデータを保存することで、クライアント側設計システムの更新を一旦拒否することが出来る。それにより、その保存された更新関連のデータを用いて、ユーザは自分の希望するときに更新を実行することが出来る。また、更新補助システム36により、継続的にユーザに更新を促すので、ユーザに更新を確実に実行させることが出来る。すなわち、クライアント側設計システムの更新漏れを防止することが出来る。
【0067】
本発明において、更に、ユーザがクライアント側設計システムの更新を行わないとき、サーバ側設計システムに新たな更新が行われた場合、最新の更新関連のデータは全ての更新を含んだデータになっているので、クライアントシステム2−iにおいて各更新を個別に実行する必要はない。すなわち、ユーザは、クライアント側設計システムの最新の更新のみを行えばよいので、ユーザの手間や更新時間を削減でき、更新漏れも防止することが出来る。
【0068】
本発明において、クライアントシステム2−iの最新のクライアント更新情報38aがサーバ1上にあるため、サーバ1内で更新が必要となるクライアントシステム2−iの検索、クライアント設計システム55aの更新状況に応じた更新データ33aの生成が可能となる。それにより、サーバ1でのサーバ側設計システム37aの更新から、クライアント設計システム55aの更新要求までの時間を短くで出来る。加えて、設計システム全体ではなく、更新に必要なデータのみを送信するので、データ転送にかかるネットワークの負荷を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の設計システム用配信システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明のサーバの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明のクライアントシステムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の設計システム用配信システムの実施の形態の動作を示すフロー図である。
【図5】図5は、更新前のサーバ側設計システムの一例を示す図である。
【図6】図6は、更新後のサーバ側設計システムの一例を示す図である。
【図7】図7は、更新前後のサーバ側設計システムが図5及び図6の場合における更新データの一例を示す図である。
【図8】図8は、更新前のクライアント側設計システムの一例を示す図である。
【図9】図9は、更新後のクライアント側設計システムの一例を示す図である。
【図10】図10は、次回の更新後のサーバ側設計システムの一例を示す図である。
【図11】図11は、更新前後のサーバ側設計システムが図5及び図10の場合における更新データの一例を示す図である。
【図12】図12は、更新後のクライアント側設計システムの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 サーバ
2、2−1〜2−n、2−i(i=1〜n) クライアントシステム
4 ネットワーク
10 設計システム用配信システム
11 制御装置
12 記憶装置
13 入出力装置
21 制御装置
22 記憶装置
23 入出力装置
31 要求監視部
32 差分情報生成部
32a 差分情報
33 更新データ生成部
33a 更新データ
34 更新データ配信部
35 クライアント更新情報管理部
36 更新補助システム
37 設計システムデータベース
37a サーバ側設計システム
38 クライアント更新情報データベース
38a クライアント更新情報
39 更新情報データベース
39a 更新情報
40 更新要求格納部
40a 更新要求情報
51 更新要求部
51a 更新要求情報
52 更新可否確認部
53 システム更新部
54 クライアント更新情報生成部
55 設計システムデータベース
55a クライアント側設計システム
56 更新データ格納部
57 起動データ格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント側設計システムを第1記憶部に格納するクライアントシステムと、
前記クライアントシステムとネットワークで接続され、サーバ側設計システムと、前記クライアント側設計システムの更新状態を示すクライアント更新情報と、前記クライアント側設計システムの更新を補助する更新補助システムとを第2記憶部に格納するサーバと
を具備し、
前記サーバは、
前記サーバ側設計システムの更新に応答して、更新された前記サーバ側設計システムと前記クライアント更新情報とを比較して、前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを含む更新データと前記更新補助システムとを前記クライアントシステムへ配信し、
前記クライアントシステムは、
受信した前記更新補助システムにより、前記クライアント側設計システムの更新を促す更新通知を、前記クライアント側設計システムの更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力し、
前記更新の命令に応答して、受信した前記更新データのうちの最新のものに基づいて前記クライアント側設計システムを更新し、
前記クライアント側設計システムの今回の更新状態を示す最新クライアント更新情報を生成して、前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記最新クライアント更新情報に基づいて、前記クライアント更新情報を更新する
設計システム用配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の設計システム用配信システムにおいて、
前記クライアントシステムは、新たに前記更新補助システム及び前記更新データを受信したとき、前に受信した前記更新補助システム及び前記更新データを削除する
設計システム用配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の設計システム用配信システムにおいて、
前記サーバは、
前記サーバ側設計システムの更新に応答して、前記更新データと前記更新補助システムとに加えて、前記クライアント側設計システムの更新に不要な不要ファイルを示す不要ファイル情報を含む前記差分情報を前記クライアントシステムへ配信し、
前記クライアントシステムは、
前記更新の命令に応答して、受信した前記更新データのうちの最新のものに基づいて前記クライアント側設計システムを更新すると共に、受信した前記差分情報のうちの最新のものに基づいて前記クライアント側設計システム中の前記不要ファイルを削除する
設計システム用配信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の設計システム用配信システムにおいて、
前記クライアントシステムは、前記最新クライアント更新情報を生成した後、前記更新補助システムを削除する
設計システム用配信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の設計システム用配信システムにおいて、
前記クライアントシステムは、前記クライアント側設計システムの更新を要求する更新要求情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、前記更新要求情報に応答して、前記クライアント側設計システムに対応する更新された前記サーバ側設計システムと前記クライアント更新情報とを比較して、前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを含む更新データと前記更新補助システムとを前記クライアントシステムへ配信する
設計システム用配信システム。
【請求項6】
サーバ側設計システムと前記サーバ側設計システムを特定するサーバ側設計システム情報とを関連付けて格納するサーバ側設計システムデータベースと、
クライアントシステムの有するクライアント側設計システムの更新状態を示すクライアント更新情報と前記クライアント側設計システムを特定するクライアント側設計システム情報とを関連付けて格納するクライアント更新情報データベースと、
前記サーバ側設計システムの更新に応答して、前記サーバ側設計システムデータベースと前記クライアント更新情報データベースとを参照して、更新された前記サーバ側設計システムの前記サーバ側設計システム情報に対応する前記クライアント側設計システム情報の前記クライアント更新情報と、更新された前記サーバ側設計システムとを比較して、前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを特定する必要ファイル情報を含む差分情報を生成する差分情報生成部と、
前記差分情報に基づいて、前記サーバ側設計システムデータベースを参照して、前記必要ファイル情報に対応する前記必要ファイルを抽出し、前記必要ファイルを含む更新データを生成する更新データ生成部と
を具備し、
前記クライアント側設計システムの更新を補助する更新補助システム及び前記更新データは、前記クライアント側設計システムに対応する前記クライアントシステムへ配信され、
更新補助システムは、前記クライアントシステムにおいて、前記更新データのうちの最新のものに基づく前記クライアント側設計システムの更新を促す更新通知を、前記クライアント側設計システムの更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力させる
設計システム配信サーバ。
【請求項7】
請求項6に記載の設計システム配信サーバにおいて、
前記差分情報生成部は、前記サーバ側設計システムの更新に応答して、前記必要ファイル情報に加えて、前記クライアント側設計システムの更新に不要な不要ファイルを示す不要ファイル情報を含む前記差分情報を生成し、
前記第1送受信部は、前記更新補助システム及び前記更新データに加えて、前記差分情報を前記クライアントシステムへ配信する
設計システム配信サーバ。
【請求項8】
請求項6に記載の設計システム配信サーバにおいて、
前記クライアントシステムから出力された、前記更新データのうちの最新のものに基づく前記クライアント側設計システムの更新の更新状態を示す最新クライアント更新情報に基づいて、前記クライアント更新情報データベースにおける前記クライアント更新情報を更新するクライアント更新情報管理部を更に具備する
設計システム配信サーバ。
【請求項9】
クライアント側設計システムを格納するクライアント側設計システムデータベースと、
設計システム配信サーバから送信され前記クライアント側設計システムの更新を補助する更新補助システムにより起動され、前記クライアント側設計システムの更新を促す更新通知を、前記クライアント側設計システムの更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力する更新確認部と、
前記更新の命令に応答して、前記設計システム配信サーバから送信された前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを含む更新データのうちの最新のものに基づいて、前記クライアント側設計システムデータベースの前記クライアント側設計システムを更新する更新部と、
前記クライアント側設計システムの更新に応答して、前記クライアント側設計システムの今回の更新状態を示す最新クライアント更新情報を生成する更新情報生成部と
を具備し、
前記最新クライアント更新情報は、前記サーバへ送信される
クライアントシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のクライアントシステムにおいて、
前記更新確認部は、新たに前記更新補助システム及び前記更新データを受信したとき、前に受信した前記更新補助システム及び前記更新データを削除する
クライアントシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のクライアントシステムにおいて、
前記更新部は、前記更新の命令に応答して、更に、前記設計システム配信サーバから送信された前記クライアント側設計システムの更新に不要な不要ファイルを示す不要ファイル情報を含む差分情報のうちの最新のものに基づいて、前記クライアント側設計システム中の前記不要ファイルを削除する
クライアントシステム。
【請求項12】
(a)サーバが、サーバ側設計システムの更新に応答して、クライアントシステムの有するクライアント側設計システムの更新状態を示すクライアント更新情報と、更新された前記サーバ側設計システムとを比較して、前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを含む更新データと、前記クライアント側設計システムの更新を補助する更新補助システムとを前記クライアントシステムへ配信するステップと、
(b)前記クライアントシステムが、受信した前記更新補助システムにより、前記クライアント側設計システムの更新を促す更新通知を、前記クライアント側設計システムの更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力するステップと、
(c)前記クライアントシステムが、前記更新の命令に応答して、受信した前記更新データのうちの最新のものに基づいて前記クライアント側設計システムを更新するステップと、
(d)前記クライアントシステムが、前記クライアント側設計システムの今回の更新状態を示す最新クライアント更新情報を生成して、前記サーバへ送信するステップと、
(e)前記サーバが、前記最新クライアント更新情報に基づいて、前記クライアント更新情報を更新するステップと
を具備する
設計システム配信方法。
【請求項13】
請求項12に記載の設計システム配信方法において、
前記(b)ステップは、
(b1)前記クライアントシステムが、新たに前記更新補助システム及び前記更新データを受信したとき、前に受信した前記更新補助システム及び前記更新データを削除するステップを備える
設計システム配信方法。
【請求項14】
請求項13に記載の設計システム配信方法において、
前記(a)ステップは、
(a1)前記サーバが、前記サーバ側設計システムの更新に応答して、前記更新データと前記更新補助システムとに加えて、前記クライアント側設計システムの更新に不要な不要ファイルを示す不要ファイル情報を含む前記差分情報を前記クライアントシステムへ配信するステップを備え、
前記(c)ステップは、
(c1)前記クライアントシステムが、前記更新の命令に応答して、受信した前記差分情報のうちの最新のものに基づいて前記クライアント側設計システム中の前記不要ファイルを削除するステップを備える
設計システム配信方法。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の設計システム配信方法において、
前記(d)ステップは、
(d1)前記クライアントシステムが、前記最新クライアント更新情報を生成した後、前記更新補助システムを削除するステップを備える
設計システム配信方法。
【請求項16】
(a)サーバ側設計システムの更新に応答して、前記サーバ側設計システムと前記サーバ側設計システムを特定するサーバ側設計システム情報とを関連付けて格納するサーバ側設計システムデータベースと、クライアントシステムの有するクライアント側設計システムの更新状態を示すクライアント更新情報と前記クライアント側設計システムを特定するクライアント側設計システム情報とを関連付けて格納するクライアント更新情報データベースとを参照して、更新された前記サーバ側設計システムの前記サーバ側設計システム情報に対応する前記クライアント側設計システム情報の前記クライアント更新情報と、更新された前記サーバ側設計システムとを比較して、前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを特定する必要ファイル情報を含む差分情報を生成するステップと、
(b)前記差分情報に基づいて、前記サーバ側設計システムデータベースを参照して、前記必要ファイル情報に対応する前記必要ファイルを抽出し、前記必要ファイルを含む更新データを生成するステップと、
(c)前記クライアント更新情報データベースを参照して、前記クライアント側設計システムに対応する前記クライアントシステムへ、前記クライアント側設計システムの更新を補助する更新補助システム及び前記更新データを配信するステップと
を具備し、
更新補助システムは、前記クライアントシステムにおいて、前記更新データのうちの最新のものに基づく前記クライアント側設計システムの更新を促す更新通知を、前記クライアント側設計システムの更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力させる
方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムにおいて、
前記(a)ステップは、
(a1)前記サーバ側設計システムの更新に応答して、前記必要ファイル情報に加えて、前記クライアント側設計システムの更新に不要な不要ファイルを示す不要ファイル情報を含む前記差分情報を生成するステップを備え、
前記(c)ステップは、
(c1)前記更新補助システム及び前記更新データに加えて、前記差分情報を前記クライアントシステムへ配信するステップを備える
プログラム。
【請求項18】
請求項16に記載のプログラムにおいて、
(d)前記クライアントシステムから出力された、前記更新データのうちの最新のものに基づく前記クライアント側設計システムの更新の更新状態を示す最新クライアント更新情報に基づいて、前記クライアント更新情報データベースにおける前記クライアント更新情報を更新するステップを更に具備する
プログラム。
【請求項19】
(a)クライアント側設計システムデータベースに格納されたクライアント側設計システムの更新を補助するために設計システム配信サーバから送信された更新補助システムにより起動され、前記クライアント側設計システムの更新を促す更新通知を、前記クライアント側設計システムの更新の命令まで、予め設定された条件が満足されるごとに出力するステップと、
(b)前記更新の命令に応答して、前記設計システム配信サーバから送信された前記クライアント側設計システムの更新に必要な必要ファイルを含む更新データのうちの最新のものに基づいて、前記クライアント側設計システムデータベースの前記クライアント側設計システムを更新するステップと、
(c)前記クライアント側設計システムの更新に応答して、前記クライアント側設計システムの今回の更新状態を示す最新クライアント更新情報を生成するステップと、
(d)前記最新クライアント更新情報を前記サーバへ送信するステップと
を具備する方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のプログラムにおいて、
前記(a)ステップは、
(a1)新たに前記更新補助システム及び前記更新データを受信したとき、前に受信した前記更新補助システム及び前記更新データを削除するステップを備える
プログラム。
【請求項21】
請求項19に記載のプログラムにおいて、
前記(b)ステップは、
(b1)前記更新の命令に応答して、更に、前記設計システム配信サーバから送信された前記クライアント側設計システムの更新に不要な不要ファイルを示す不要ファイル情報を含む差分情報のうちの最新のものに基づいて、前記クライアント側設計システム中の前記不要ファイルを削除するステップを備える
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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