設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラム
【課題】構成表の作成を支援する設計支援システムにおいて、データ入力の際のケアレスミスを低減することができる設計支援システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る設計支援システムは、部品毎に、その部品の数量の範囲と数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録手段と、部品の識別情報、部品の数量、および部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力手段と、入力手段により入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成手段であって、入力手段により入力された部品の数量が、部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告手段と、入力手段により入力されるべき部品の数量の単位を、部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択手段と、を有する構成表作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】本発明に係る設計支援システムは、部品毎に、その部品の数量の範囲と数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録手段と、部品の識別情報、部品の数量、および部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力手段と、入力手段により入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成手段であって、入力手段により入力された部品の数量が、部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告手段と、入力手段により入力されるべき部品の数量の単位を、部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択手段と、を有する構成表作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムに係り、特に、部品の構成表作成を支援する設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の装置を製造する場合、通常その装置を構成する部品の構成表を作成する。構成表には、部品毎に、部品名称、部品コード、数量、数量の単位等が記載される。構成表は、調達部門では部品の調達に利用される。また、製造部門では調達された部品の受け入れ、在庫管理、製造現場への払い出し等の作業に利用される。原価管理部門では装置の原価計算にも用いられる。
【0003】
このように、構成表は装置製造事業の様々な部門で利用されており、極めて重要なデータである。
【0004】
構成表の作成は、今日では、コンピュータシステムを利用して作成する形態が一般的であるが、新たな装置の構成表を作成する場合には、人によるデータの入力作業がどうしても必要となってくる。
【0005】
また、今日のように装置の種類が多様化してくると、構成表の様式自体も装置毎に異なる種類となってくる場合があり、構成表作成に係る作業負担はますます大きなものとなってきている。
【0006】
特許文献1には、このような作業負担を軽減すべく、構成表作成の標準化を図り、構成表の自動的な編集機能を持たせたコンピュータ援助システムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特公平7−120360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、構成表の作成にあたっては、人によるデータ入力作業が必要となるが、このとき、最もケアレスミスが発生しやすく、かつそのケアレスミスによる影響が甚大な項目は、部品の「数量」とその「単位」である。
【0008】
調達すべき部品の個数を1桁誤って入力した場合の影響の大きさはいうまでもない。また、例えば、重量単位の「g(グラム)」を「kg(キログラム)」と誤って入力した場合も同様である。
【0009】
一旦、これらの「数量」や「単位」が誤って入力されると、その誤りを発見するのは容易ではない。装置の設計者であれば比較的容易に誤りを発見できる可能性はあるものの、設計者以外の作業者が構成表のデータ入力を行うケースも多く、この場合は誤りの発見は非常に困難となる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構成表の作成を支援する設計支援システムにおいて、データ入力の際のケアレスミスを低減することができる設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る設計支援システムは、請求項1に記載したように、部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録手段と、前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成手段であって、前記入力手段により入力された部品の数量が、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告手段と、前記入力手段により入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択手段と、を有する構成表作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る設計支援システムの制御方法は、請求項5に記載したように、部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御方法において、部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る設計支援システムの制御プログラムは、請求項7に記載したように、部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御プログラムにおいて、部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムによれば、構成表の作成を支援する設計支援システムにおいて、データ入力の際のケアレスミスを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る設計支援システム1、その制御方法、およびその制御プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
【0016】
(1)構成
本実施形態に係る設計支援システム1は、電子機器等の装置を構成する部品の構成を示す部品構成表(以下、単に構成表という)の作成を支援するシステムである。
【0017】
構成表は、通常、装置毎に作成され、その装置で使用される部品の種類や数量等が記載される。具体的には、部品毎に、その部品を識別するための識別情報(例えば部品名称、部品コード等)と共に、その装置に使用される数量、数量の単位等の部品使用情報(以下、部品情報という)が記載される。
【0018】
図1は、第1の実施形態に係る設計支援システム1のシステム構成例を示す図である。
【0019】
設計支援システム1は、入出力装置2、単位情報登録手段3、単位情報データベース4、部品情報登録手段5、部品情報データベース6、および構成表作成手段7を備えて構成されている。
【0020】
入出力装置2は、ユーザ(構成表の作成者)が構成表作成手段7に対して部品情報等の入力をキーボード等の入力手段を用いて行う他、入力の際に必要となる構成表作成画面等の表示を行う。また、入出力装置2は、部品情報登録手段5や単位情報登録手段3に対して、登録すべき部品情報や単位に関する単位情報を入力する。なお、これら登録用の情報の入力操作自体はユーザ(情報登録者)が行う。入出力装置2は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、キーボードやマウス等の入力デバイスによって構成される。
【0021】
単位情報登録手段3は、構成表で使用する数量の単位に予め制限をかけるために、物理量とその物理量に対して使用可能な単位とを単位情報データベース4に登録する手段である。
【0022】
例えば、物理量の「長さ」に対しては、メートル(m)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)の他にも、キロメートル(km)、マイル、ヤード、フィート、インチ等多数の単位が存在する。これら多数の単位の総てを許容すると、無用な混乱や誤りを生じかねない。
【0023】
そこで、本実施形態では、これら多数の単位の中から、必要かつ現実的な範囲で絞込み、予め単位情報データベース4に登録しておく。そして、構成表の作成に際しては、単位情報データベース4に登録した単位だけを使用可能な形態としている。
【0024】
ひとつの物理量に対して登録できる単位の数は、1つでもよいし、限定した数の範囲で複数でもよい。例えば、「長さ」の場合には、メートル(m)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)の3つの単位を登録し、「面積」の場合には、平方メートル(m2)の1つの単位を登録するといった形態でも良い。
【0025】
部品情報登録手段5は、装置での使用が予想される部品に対して、各部品がその装置で使用される可能性がある数量の範囲と、その数量の単位を予め部品情報データベース6に登録する手段である。部品情報データベース6に対しての単位の登録に際しては、既に登録してある単位情報データベース4を参照し、単位情報データベース4に登録されている単位を用いて登録するものとしている。
【0026】
構成表作成手段7は、ユーザ(構成表作成者)による部品データ(構成表データ)の入力によって構成表を作成する手段である。構成表作成手段7は、ユーザによって入力された数量が部品情報データベース6に登録されている範囲を超えた場合には、ユーザに対してその旨を警告する警告手段8を備えている。また、構成表作成手段7は、ユーザによって入力されるべき数量の単位を、部品情報データベース6に登録された単位の中から、例えばプルダウンメニュー等によってユーザに選択させる単位選択手段9を備えている。
【0027】
第1の実施形態に係る設計支援システム1のハードウェアは特に限定するものではないが、例えばパーソナルコンピュータやスタンドアローンのサーバ等によって実現される。
【0028】
図2は、第2の実施形態に係る設計支援システム1aのシステム構成例を示す図である。第2の実施形態は、分散システムによって設計支援システム1aを構築する形態である。この場合、設計支援システム1aは、入出力端末(端末)2a、第1のサーバ11、および第2のサーバ12を備えて構成され、これらは相互にインターネットやLAN等の電気通信回線100、101を介して接続されている。
【0029】
入出力端末(端末)2aは、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、キーボード等の入力手段やディスプレイ等の表示手段を有している。第1のサーバ11には、単位情報登録手段3、単位情報データベース4、部品情報登録手段5、および部品情報データベース6が設けられている。また、第2のサーバ12には、構成表作成手段7が設けられている。
【0030】
サーバ11、12は、例えばWebシステムを備えており、入力出力端末2aに対してWeb画面を提供可能に構成されている。入力出力端末2aでは、Webブラウザによってサーバ11、12から提供されるWeb画面を閲覧する他、Web画面を介して各種のデータを入力可能に構成されている。
【0031】
第1の実施形態と第2の実施形態とでは、集中型と分散型の差はあるものの、基本的な構成は同一であるため、第2の実施形態に係る各機能実現手段の説明は省略する。
【0032】
(2)動作
上記のように構成された設計支援システム1の動作(制御方法)、特に構成表作成に係る動作について説明する。
【0033】
図3は、設計支援システム1(或いは、設計支援システム1a)の構成表作成に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、フローチャート中、人の操作に関する部分は点線の枠で示している。
【0034】
まず、ステップST1では、ユーザが、部品毎に、単位情報データベース4に登録すべき数量の単位を入力する。
【0035】
ステップST2では、入力された数量の単位を単位情報データベース4に登録する。
【0036】
図4(a)は、単位情報データベース4の一例を示すものである。また、図4(b)は、単位情報データベース4に登録される単位の意味を説明すると共に、その単位が整数なのか、或いは少数を含む実数なのかを付記した図である。
【0037】
前述したように、単位情報データベース4に登録される物理量(図4(a)では「単位グループ名」と記載している)とその単位を規定することによって、構成表で用いられる単位の種類を制限している。図4(a)の例示では、「長さ」の場合には、メートル(m)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)の3つの単位だけを登録し、「面積」の場合には、平方メートル(m2)の単位だけを登録している。
【0038】
次に、図3のステップST2で、ユーザが、部品毎に使用可能な部品の数量の範囲を入力すると共に、単位情報データベース4に登録されている単位を数量の単位から、部品情報データベース6に登録すべき数量の単位を選択する。
【0039】
入力された数量の範囲、或いは選択された単位は、部品情報データベース6に登録される(ステップST4)。
【0040】
図5は部品情報データベース6の一例を示す図である。部品を識別する識別情報として、「部品コード」と「名称」の欄が設けられている。また、部品毎に、「単位」を入力する欄と「数量範囲」を入力する欄とが設けられている。図5の中で、「テープ」の「数量範囲」の欄がブランクとなっているが、これは「テープ」に関しては数量の範囲を特に規定しないことを意味している。
【0041】
図6乃至図8は、部品情報データベース6を作成し登録する流れを、入出力装置2に表示される画面を用いて説明する図である。なお、第2の実施形態に係る入出力端末2aの場合も表示内容は入出力装置2と同様であるため、以下、入出力装置2の画面と入出力端末2aの画面とを特に区別せずに説明する。
【0042】
図6(a)は、構成表に使用される部品情報として、例えば「PCB基板」に関する部品情報を登録する部品情報登録画面52の例を示す図である。また、図6(b)は、同じ登録画面に、例えば「テープ」に関する部品情報を登録する例を示す図である。
【0043】
部品情報登録画面52には、「名称」、「メーカ」、「使用単位」、「数量指定可能範囲」等の各入力ボックスが設けられている。これらの入力ボックスにキーボード等から部品情報を入力する。
【0044】
図7は、使用単位選択時に表示する使用単位選択画面56の一例を示す図である。
【0045】
これらの部品情報登録画面52(図6)、および使用単位選択画面56(図7)を用いて部品情報を部品情報データベース6に登録するときの流れを、図8を用いて説明する。
【0046】
最初に、部品情報登録手段5は、部品情報登録画面52を表示させる。ユーザは、「部品コード」および「名称」の欄に、例えば「AAA・・・」や「PCB基板」とキーボードから入力する。さらに、「数量指定可能範囲」の欄に、その部品が装置で使用される場合に想定されうる数量の範囲を入力する。入力する数量の範囲は、最大値を入力する。例えば、その装置で使用される特定の容量のコンデンサの数が10個を超えることはないと考えられる場合には、「数量指定可能範囲」の欄に「10」と入力する。この入力によって、その特定の容量のコンデンサの数は1個から10個の範囲に規定されることになる。図8(a)の例示では、構成表の対象とする装置、例えば携帯用電子機器、では「PCB基板」の数は1枚を超えることは通常考えられないため、「数量指定可能範囲」の欄に「1」と入力している。
【0047】
「使用単位」の欄の入力は単位選択ボタン53を用いて行う。単位選択ボタン53をクリックすると、第1の使用単位選択用画面56aが表示される。第1の使用単位選択用画面56aには、左側に物理量に該当する「単位グループ名」が複数表示される。PCB基板の場合、その数量を表す物理量は個数であるため、「個数」と表示されている部分をクリックし、「単位グループ名」として「個数」を選択する。
【0048】
このクリックによって、第2の使用単位選択用画面56bが表示される。第2の使用単位選択用画面56bは、第1の使用単位選択用画面56aの「単位グループ名」の右の領域に、選択した単位グループ名に対応付けられている1又は複数の単位が表示される。この表示は、部品情報登録手段5が、単位情報データベース4を参照して行うものであり、予め単位情報データベース4に登録されている(ステップST2で登録したもの)1又は複数の単位が表示される。各「単位」の表示位置にはチェックボックスが設けられており、ユーザはこのチェックボックスをチェックすることで、部品情報データベース6に登録すべき単位を選択する。単位の選択は、第2の使用単位選択用画面56bに表示されている中からは複数選択することも可能である。単位をチェックした後、「選択」ボタン58をクリックすると単位の選択が確定し、部品情報登録画面52に戻る。
【0049】
部品情報登録画面52の「使用単位」欄には、選択した単位(図の例では、個数を示す「P」)が入力される。このようにして、部品情報データベース6に登録すべき部品情報の入力が終わると、部品情報登録画面52の「登録」ボタン54をクリックすることで、部品情報の登録内容が確定する。
【0050】
なお、単位情報登録手段3や単位情報データベース4を設けない形態もありうる。この場合は、部品情報登録画面52の「使用単位」の欄に、規定すべき単位をユーザが直接キーボード等から入力する形態とすればよい。
【0051】
図8に示した手順を各部品に対して繰り返し行うことにより、図5に例示したような部品情報データベース6が作成される。
【0052】
図3のステップST5以降は、作成された部品情報データベース6を用いて、実際に構成表を作成するステップを示すフローである。
【0053】
まず、ステップST5で構成表作成手段7が、構成表作成画面70を表示させる。図9は、構成表作成画面70の一例を示すものである。構成表作成画面70は表形式となっており、表の列方向には、「順番号」、「部品コード」、「名称」、「数量」、「単位」の入力欄が夫々設けられている。
【0054】
このうち、「順番号」、「部品コード」、「名称」、「数量」の入力欄は、ユーザがキーボード等からデータ(構成表データ)を入力(「順番号」は「001」から自動的に番号を付す形態としても良い)可能となっている。
【0055】
一方、「単位」については、プルダウンメニューの中からクリックによって選択することができるようになっている。
【0056】
ユーザは「順番号」、「部品コード」、「名称」を入力した後、「単位」を入力する。ユーザが構成表作成画面70のプルダウンボタン73をクリックすると、図10に例示したように、部品情報データベース6に登録されている単位が選択肢として表示される(ステップST6)。
【0057】
例えば、部品「テープ」の場合、長さの単位として、「M(メートル)」、「CM(センチメートル)」、「MM(ミリメートル)」の3種類が部品情報データベース6に登録されている(図5参照)ため、これら3種の単位がプルダウンメニューとして表示される。ユーザは表示されたプルダウンメニューの中から所望の単位を選択する(ステップST7)。例えば「CM」をクリックして選択する。
【0058】
次に、ユーザが「数量」の欄に数値を入力する(ステップST8)。
【0059】
ここで、構成表作成手段7は、ユーザによって入力された数量が、部品情報データベース6に登録されている数量の範囲か否かを判定する(ステップST9)。
【0060】
入力された数量が、登録されている数量の範囲外の場合には(ステップST9のNO)、その旨を適宜の画面表示で警告する(ステップST10)。警告表示と共に警告音を発生させても良い。
【0061】
ユーザはこれらの警告によって、入力に誤りがあったことを入力時に認識可能であり、正しいデータをその場で再入力する(ステップST11)。
【0062】
入力された数量が、登録されている数量の範囲内の場合には(ステップST9のYES)、ユーザはそのまま入力作業を継続する。
【0063】
総ての部品に対して構成表データを入力し終わると、構成表作成画面70の「登録」ボタン71をクリックすることによって、構成表の作成が終了し、構成表データが保存される。
【0064】
図3に示したフローのうち、人による操作(点線で示した枠)を除いた部分のステップは、コンピュータに実行させることが可能であり、設計支援システム1の制御プログラムとして提供することができる。
【0065】
図11は、本実施形態の効果の一例を示す図である。本実施形態によれば、構成表作成における単位の入力は、予め登録してある部品情報データベース6の中から選択する形態としているため、間違えにくい。また、選択形式はプルダウンメニューとして表示されるため選択しやすい。さらに、部品情報データベース6に登録する単位の種類は、先に登録してある単位情報データベース4によって限定されているため、不要な選択肢を事前に排除することが可能である。
【0066】
また、本実施形態によれば、ユーザが入力した数量が部品情報データベース6に登録されている範囲外の場合にはユーザに対して警告するため、ケアレスミスによる誤入力を低減させることができる。
【0067】
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る設計支援システムのシステム構成例を示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る設計支援システムのシステム構成例を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る設計支援システムの制御方法の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図4】単位情報データベースの一例を示す図。
【図5】部品情報データベースの一例を示す図。
【図6】部品情報登録画面の一例を示す図。
【図7】使用単位選択用画面の一例を示す図。
【図8】部品情報登録時の画面の遷移例を示す図。
【図9】構成表作成画面の一例を示す図。
【図10】構成表作成画面に構成表データを入力する状況を例示する図。
【図11】本実施形態に係る設計支援システムの効果の一例を示す図。
【符号の説明】
【0069】
1、1a 設計支援システム
2 入出力装置
2a 入出力端末
3 単位情報登録手段
4 単位情報データベース
5 部品情報登録手段
6 部品情報データベース
7 構成表作成手段
8 警告手段
9 単位選択手段
11 第1のサーバ
12 第2のサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムに係り、特に、部品の構成表作成を支援する設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の装置を製造する場合、通常その装置を構成する部品の構成表を作成する。構成表には、部品毎に、部品名称、部品コード、数量、数量の単位等が記載される。構成表は、調達部門では部品の調達に利用される。また、製造部門では調達された部品の受け入れ、在庫管理、製造現場への払い出し等の作業に利用される。原価管理部門では装置の原価計算にも用いられる。
【0003】
このように、構成表は装置製造事業の様々な部門で利用されており、極めて重要なデータである。
【0004】
構成表の作成は、今日では、コンピュータシステムを利用して作成する形態が一般的であるが、新たな装置の構成表を作成する場合には、人によるデータの入力作業がどうしても必要となってくる。
【0005】
また、今日のように装置の種類が多様化してくると、構成表の様式自体も装置毎に異なる種類となってくる場合があり、構成表作成に係る作業負担はますます大きなものとなってきている。
【0006】
特許文献1には、このような作業負担を軽減すべく、構成表作成の標準化を図り、構成表の自動的な編集機能を持たせたコンピュータ援助システムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特公平7−120360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、構成表の作成にあたっては、人によるデータ入力作業が必要となるが、このとき、最もケアレスミスが発生しやすく、かつそのケアレスミスによる影響が甚大な項目は、部品の「数量」とその「単位」である。
【0008】
調達すべき部品の個数を1桁誤って入力した場合の影響の大きさはいうまでもない。また、例えば、重量単位の「g(グラム)」を「kg(キログラム)」と誤って入力した場合も同様である。
【0009】
一旦、これらの「数量」や「単位」が誤って入力されると、その誤りを発見するのは容易ではない。装置の設計者であれば比較的容易に誤りを発見できる可能性はあるものの、設計者以外の作業者が構成表のデータ入力を行うケースも多く、この場合は誤りの発見は非常に困難となる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構成表の作成を支援する設計支援システムにおいて、データ入力の際のケアレスミスを低減することができる設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る設計支援システムは、請求項1に記載したように、部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録手段と、前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成手段であって、前記入力手段により入力された部品の数量が、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告手段と、前記入力手段により入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択手段と、を有する構成表作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る設計支援システムの制御方法は、請求項5に記載したように、部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御方法において、部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る設計支援システムの制御プログラムは、請求項7に記載したように、部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御プログラムにおいて、部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る設計支援システム、その制御方法、およびその制御プログラムによれば、構成表の作成を支援する設計支援システムにおいて、データ入力の際のケアレスミスを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る設計支援システム1、その制御方法、およびその制御プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
【0016】
(1)構成
本実施形態に係る設計支援システム1は、電子機器等の装置を構成する部品の構成を示す部品構成表(以下、単に構成表という)の作成を支援するシステムである。
【0017】
構成表は、通常、装置毎に作成され、その装置で使用される部品の種類や数量等が記載される。具体的には、部品毎に、その部品を識別するための識別情報(例えば部品名称、部品コード等)と共に、その装置に使用される数量、数量の単位等の部品使用情報(以下、部品情報という)が記載される。
【0018】
図1は、第1の実施形態に係る設計支援システム1のシステム構成例を示す図である。
【0019】
設計支援システム1は、入出力装置2、単位情報登録手段3、単位情報データベース4、部品情報登録手段5、部品情報データベース6、および構成表作成手段7を備えて構成されている。
【0020】
入出力装置2は、ユーザ(構成表の作成者)が構成表作成手段7に対して部品情報等の入力をキーボード等の入力手段を用いて行う他、入力の際に必要となる構成表作成画面等の表示を行う。また、入出力装置2は、部品情報登録手段5や単位情報登録手段3に対して、登録すべき部品情報や単位に関する単位情報を入力する。なお、これら登録用の情報の入力操作自体はユーザ(情報登録者)が行う。入出力装置2は、例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、キーボードやマウス等の入力デバイスによって構成される。
【0021】
単位情報登録手段3は、構成表で使用する数量の単位に予め制限をかけるために、物理量とその物理量に対して使用可能な単位とを単位情報データベース4に登録する手段である。
【0022】
例えば、物理量の「長さ」に対しては、メートル(m)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)の他にも、キロメートル(km)、マイル、ヤード、フィート、インチ等多数の単位が存在する。これら多数の単位の総てを許容すると、無用な混乱や誤りを生じかねない。
【0023】
そこで、本実施形態では、これら多数の単位の中から、必要かつ現実的な範囲で絞込み、予め単位情報データベース4に登録しておく。そして、構成表の作成に際しては、単位情報データベース4に登録した単位だけを使用可能な形態としている。
【0024】
ひとつの物理量に対して登録できる単位の数は、1つでもよいし、限定した数の範囲で複数でもよい。例えば、「長さ」の場合には、メートル(m)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)の3つの単位を登録し、「面積」の場合には、平方メートル(m2)の1つの単位を登録するといった形態でも良い。
【0025】
部品情報登録手段5は、装置での使用が予想される部品に対して、各部品がその装置で使用される可能性がある数量の範囲と、その数量の単位を予め部品情報データベース6に登録する手段である。部品情報データベース6に対しての単位の登録に際しては、既に登録してある単位情報データベース4を参照し、単位情報データベース4に登録されている単位を用いて登録するものとしている。
【0026】
構成表作成手段7は、ユーザ(構成表作成者)による部品データ(構成表データ)の入力によって構成表を作成する手段である。構成表作成手段7は、ユーザによって入力された数量が部品情報データベース6に登録されている範囲を超えた場合には、ユーザに対してその旨を警告する警告手段8を備えている。また、構成表作成手段7は、ユーザによって入力されるべき数量の単位を、部品情報データベース6に登録された単位の中から、例えばプルダウンメニュー等によってユーザに選択させる単位選択手段9を備えている。
【0027】
第1の実施形態に係る設計支援システム1のハードウェアは特に限定するものではないが、例えばパーソナルコンピュータやスタンドアローンのサーバ等によって実現される。
【0028】
図2は、第2の実施形態に係る設計支援システム1aのシステム構成例を示す図である。第2の実施形態は、分散システムによって設計支援システム1aを構築する形態である。この場合、設計支援システム1aは、入出力端末(端末)2a、第1のサーバ11、および第2のサーバ12を備えて構成され、これらは相互にインターネットやLAN等の電気通信回線100、101を介して接続されている。
【0029】
入出力端末(端末)2aは、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、キーボード等の入力手段やディスプレイ等の表示手段を有している。第1のサーバ11には、単位情報登録手段3、単位情報データベース4、部品情報登録手段5、および部品情報データベース6が設けられている。また、第2のサーバ12には、構成表作成手段7が設けられている。
【0030】
サーバ11、12は、例えばWebシステムを備えており、入力出力端末2aに対してWeb画面を提供可能に構成されている。入力出力端末2aでは、Webブラウザによってサーバ11、12から提供されるWeb画面を閲覧する他、Web画面を介して各種のデータを入力可能に構成されている。
【0031】
第1の実施形態と第2の実施形態とでは、集中型と分散型の差はあるものの、基本的な構成は同一であるため、第2の実施形態に係る各機能実現手段の説明は省略する。
【0032】
(2)動作
上記のように構成された設計支援システム1の動作(制御方法)、特に構成表作成に係る動作について説明する。
【0033】
図3は、設計支援システム1(或いは、設計支援システム1a)の構成表作成に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、フローチャート中、人の操作に関する部分は点線の枠で示している。
【0034】
まず、ステップST1では、ユーザが、部品毎に、単位情報データベース4に登録すべき数量の単位を入力する。
【0035】
ステップST2では、入力された数量の単位を単位情報データベース4に登録する。
【0036】
図4(a)は、単位情報データベース4の一例を示すものである。また、図4(b)は、単位情報データベース4に登録される単位の意味を説明すると共に、その単位が整数なのか、或いは少数を含む実数なのかを付記した図である。
【0037】
前述したように、単位情報データベース4に登録される物理量(図4(a)では「単位グループ名」と記載している)とその単位を規定することによって、構成表で用いられる単位の種類を制限している。図4(a)の例示では、「長さ」の場合には、メートル(m)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)の3つの単位だけを登録し、「面積」の場合には、平方メートル(m2)の単位だけを登録している。
【0038】
次に、図3のステップST2で、ユーザが、部品毎に使用可能な部品の数量の範囲を入力すると共に、単位情報データベース4に登録されている単位を数量の単位から、部品情報データベース6に登録すべき数量の単位を選択する。
【0039】
入力された数量の範囲、或いは選択された単位は、部品情報データベース6に登録される(ステップST4)。
【0040】
図5は部品情報データベース6の一例を示す図である。部品を識別する識別情報として、「部品コード」と「名称」の欄が設けられている。また、部品毎に、「単位」を入力する欄と「数量範囲」を入力する欄とが設けられている。図5の中で、「テープ」の「数量範囲」の欄がブランクとなっているが、これは「テープ」に関しては数量の範囲を特に規定しないことを意味している。
【0041】
図6乃至図8は、部品情報データベース6を作成し登録する流れを、入出力装置2に表示される画面を用いて説明する図である。なお、第2の実施形態に係る入出力端末2aの場合も表示内容は入出力装置2と同様であるため、以下、入出力装置2の画面と入出力端末2aの画面とを特に区別せずに説明する。
【0042】
図6(a)は、構成表に使用される部品情報として、例えば「PCB基板」に関する部品情報を登録する部品情報登録画面52の例を示す図である。また、図6(b)は、同じ登録画面に、例えば「テープ」に関する部品情報を登録する例を示す図である。
【0043】
部品情報登録画面52には、「名称」、「メーカ」、「使用単位」、「数量指定可能範囲」等の各入力ボックスが設けられている。これらの入力ボックスにキーボード等から部品情報を入力する。
【0044】
図7は、使用単位選択時に表示する使用単位選択画面56の一例を示す図である。
【0045】
これらの部品情報登録画面52(図6)、および使用単位選択画面56(図7)を用いて部品情報を部品情報データベース6に登録するときの流れを、図8を用いて説明する。
【0046】
最初に、部品情報登録手段5は、部品情報登録画面52を表示させる。ユーザは、「部品コード」および「名称」の欄に、例えば「AAA・・・」や「PCB基板」とキーボードから入力する。さらに、「数量指定可能範囲」の欄に、その部品が装置で使用される場合に想定されうる数量の範囲を入力する。入力する数量の範囲は、最大値を入力する。例えば、その装置で使用される特定の容量のコンデンサの数が10個を超えることはないと考えられる場合には、「数量指定可能範囲」の欄に「10」と入力する。この入力によって、その特定の容量のコンデンサの数は1個から10個の範囲に規定されることになる。図8(a)の例示では、構成表の対象とする装置、例えば携帯用電子機器、では「PCB基板」の数は1枚を超えることは通常考えられないため、「数量指定可能範囲」の欄に「1」と入力している。
【0047】
「使用単位」の欄の入力は単位選択ボタン53を用いて行う。単位選択ボタン53をクリックすると、第1の使用単位選択用画面56aが表示される。第1の使用単位選択用画面56aには、左側に物理量に該当する「単位グループ名」が複数表示される。PCB基板の場合、その数量を表す物理量は個数であるため、「個数」と表示されている部分をクリックし、「単位グループ名」として「個数」を選択する。
【0048】
このクリックによって、第2の使用単位選択用画面56bが表示される。第2の使用単位選択用画面56bは、第1の使用単位選択用画面56aの「単位グループ名」の右の領域に、選択した単位グループ名に対応付けられている1又は複数の単位が表示される。この表示は、部品情報登録手段5が、単位情報データベース4を参照して行うものであり、予め単位情報データベース4に登録されている(ステップST2で登録したもの)1又は複数の単位が表示される。各「単位」の表示位置にはチェックボックスが設けられており、ユーザはこのチェックボックスをチェックすることで、部品情報データベース6に登録すべき単位を選択する。単位の選択は、第2の使用単位選択用画面56bに表示されている中からは複数選択することも可能である。単位をチェックした後、「選択」ボタン58をクリックすると単位の選択が確定し、部品情報登録画面52に戻る。
【0049】
部品情報登録画面52の「使用単位」欄には、選択した単位(図の例では、個数を示す「P」)が入力される。このようにして、部品情報データベース6に登録すべき部品情報の入力が終わると、部品情報登録画面52の「登録」ボタン54をクリックすることで、部品情報の登録内容が確定する。
【0050】
なお、単位情報登録手段3や単位情報データベース4を設けない形態もありうる。この場合は、部品情報登録画面52の「使用単位」の欄に、規定すべき単位をユーザが直接キーボード等から入力する形態とすればよい。
【0051】
図8に示した手順を各部品に対して繰り返し行うことにより、図5に例示したような部品情報データベース6が作成される。
【0052】
図3のステップST5以降は、作成された部品情報データベース6を用いて、実際に構成表を作成するステップを示すフローである。
【0053】
まず、ステップST5で構成表作成手段7が、構成表作成画面70を表示させる。図9は、構成表作成画面70の一例を示すものである。構成表作成画面70は表形式となっており、表の列方向には、「順番号」、「部品コード」、「名称」、「数量」、「単位」の入力欄が夫々設けられている。
【0054】
このうち、「順番号」、「部品コード」、「名称」、「数量」の入力欄は、ユーザがキーボード等からデータ(構成表データ)を入力(「順番号」は「001」から自動的に番号を付す形態としても良い)可能となっている。
【0055】
一方、「単位」については、プルダウンメニューの中からクリックによって選択することができるようになっている。
【0056】
ユーザは「順番号」、「部品コード」、「名称」を入力した後、「単位」を入力する。ユーザが構成表作成画面70のプルダウンボタン73をクリックすると、図10に例示したように、部品情報データベース6に登録されている単位が選択肢として表示される(ステップST6)。
【0057】
例えば、部品「テープ」の場合、長さの単位として、「M(メートル)」、「CM(センチメートル)」、「MM(ミリメートル)」の3種類が部品情報データベース6に登録されている(図5参照)ため、これら3種の単位がプルダウンメニューとして表示される。ユーザは表示されたプルダウンメニューの中から所望の単位を選択する(ステップST7)。例えば「CM」をクリックして選択する。
【0058】
次に、ユーザが「数量」の欄に数値を入力する(ステップST8)。
【0059】
ここで、構成表作成手段7は、ユーザによって入力された数量が、部品情報データベース6に登録されている数量の範囲か否かを判定する(ステップST9)。
【0060】
入力された数量が、登録されている数量の範囲外の場合には(ステップST9のNO)、その旨を適宜の画面表示で警告する(ステップST10)。警告表示と共に警告音を発生させても良い。
【0061】
ユーザはこれらの警告によって、入力に誤りがあったことを入力時に認識可能であり、正しいデータをその場で再入力する(ステップST11)。
【0062】
入力された数量が、登録されている数量の範囲内の場合には(ステップST9のYES)、ユーザはそのまま入力作業を継続する。
【0063】
総ての部品に対して構成表データを入力し終わると、構成表作成画面70の「登録」ボタン71をクリックすることによって、構成表の作成が終了し、構成表データが保存される。
【0064】
図3に示したフローのうち、人による操作(点線で示した枠)を除いた部分のステップは、コンピュータに実行させることが可能であり、設計支援システム1の制御プログラムとして提供することができる。
【0065】
図11は、本実施形態の効果の一例を示す図である。本実施形態によれば、構成表作成における単位の入力は、予め登録してある部品情報データベース6の中から選択する形態としているため、間違えにくい。また、選択形式はプルダウンメニューとして表示されるため選択しやすい。さらに、部品情報データベース6に登録する単位の種類は、先に登録してある単位情報データベース4によって限定されているため、不要な選択肢を事前に排除することが可能である。
【0066】
また、本実施形態によれば、ユーザが入力した数量が部品情報データベース6に登録されている範囲外の場合にはユーザに対して警告するため、ケアレスミスによる誤入力を低減させることができる。
【0067】
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る設計支援システムのシステム構成例を示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る設計支援システムのシステム構成例を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る設計支援システムの制御方法の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図4】単位情報データベースの一例を示す図。
【図5】部品情報データベースの一例を示す図。
【図6】部品情報登録画面の一例を示す図。
【図7】使用単位選択用画面の一例を示す図。
【図8】部品情報登録時の画面の遷移例を示す図。
【図9】構成表作成画面の一例を示す図。
【図10】構成表作成画面に構成表データを入力する状況を例示する図。
【図11】本実施形態に係る設計支援システムの効果の一例を示す図。
【符号の説明】
【0069】
1、1a 設計支援システム
2 入出力装置
2a 入出力端末
3 単位情報登録手段
4 単位情報データベース
5 部品情報登録手段
6 部品情報データベース
7 構成表作成手段
8 警告手段
9 単位選択手段
11 第1のサーバ
12 第2のサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録手段と、
前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成手段であって、
前記入力手段により入力された部品の数量が、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告手段と、
前記入力手段により入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択手段と、を有する構成表作成手段と、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
部品毎に、その部品の数量の単位を登録する単位情報登録手段を更に備え、
前記部品情報登録手段は、前記部品情報の数量の単位を登録するときに、前記単位情報登録手段によって登録された数量の単位を用いて登録することを特徴とする請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項3】
端末と、前記端末に電気通信回線を介して接続されるサーバとを備え、
前記入力手段は前記端末に設けられ、
前記部品情報登録手段、及び前記構成表作成手段は、前記サーバに設けられること
を特徴とする請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項4】
端末と、前記端末に電気通信回線を介して接続される第1のサーバおよび第2のサーバと、を備え、
前記入力手段は前記端末に設けられ、
前記部品情報登録手段および前記単位情報登録手段は、前記第1のサーバに設けられ、
前記構成表作成手段は、前記第2のサーバに設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の設計支援システム。
【請求項5】
部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御方法において、
部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、
前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、
前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、
前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。
【請求項6】
部品毎に、その部品の数量の単位を登録する単位情報登録ステップを更に備え、
前記部品情報登録ステップは、前記部品情報の数量の単位を登録するときに、前記単位情報登録ステップにて登録された数量の単位を用いて登録することを特徴とする請求項5に記載の設計支援システムの制御方法。
【請求項7】
部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御プログラムにおいて、
部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、
前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、
前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、
前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、
をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする設計支援システムの制御方法の制御プログラム。
【請求項8】
部品毎に、その部品の数量の単位を登録する単位情報登録ステップを更にさらにコンピュータに実行させ、
前記部品情報登録ステップは、前記部品情報の数量の単位を登録するときに、前記単位情報登録ステップにて登録された数量の単位を用いて登録する、
ことを特徴とする請求項7に記載の設計支援システムの制御プログラム。
【請求項1】
部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録手段と、
前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成手段であって、
前記入力手段により入力された部品の数量が、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告手段と、
前記入力手段により入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録手段により登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択手段と、を有する構成表作成手段と、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
部品毎に、その部品の数量の単位を登録する単位情報登録手段を更に備え、
前記部品情報登録手段は、前記部品情報の数量の単位を登録するときに、前記単位情報登録手段によって登録された数量の単位を用いて登録することを特徴とする請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項3】
端末と、前記端末に電気通信回線を介して接続されるサーバとを備え、
前記入力手段は前記端末に設けられ、
前記部品情報登録手段、及び前記構成表作成手段は、前記サーバに設けられること
を特徴とする請求項1に記載の設計支援システム。
【請求項4】
端末と、前記端末に電気通信回線を介して接続される第1のサーバおよび第2のサーバと、を備え、
前記入力手段は前記端末に設けられ、
前記部品情報登録手段および前記単位情報登録手段は、前記第1のサーバに設けられ、
前記構成表作成手段は、前記第2のサーバに設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の設計支援システム。
【請求項5】
部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御方法において、
部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、
前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、
前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、
前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。
【請求項6】
部品毎に、その部品の数量の単位を登録する単位情報登録ステップを更に備え、
前記部品情報登録ステップは、前記部品情報の数量の単位を登録するときに、前記単位情報登録ステップにて登録された数量の単位を用いて登録することを特徴とする請求項5に記載の設計支援システムの制御方法。
【請求項7】
部品の構成表の作成を支援する設計支援システムの制御プログラムにおいて、
部品毎に、その部品の数量の範囲と前記数量の単位とを含む部品情報を登録する部品情報登録ステップと、
前記部品の識別情報、前記部品の数量、および前記部品の数量の単位を少なくとも含む構成表データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップにより入力された構成表データに基づいて部品構成表を作成する構成表作成ステップであって、
前記入力ステップにて入力された部品の数量が、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の範囲を超えた場合には、その旨を警告する警告ステップと、
前記入力ステップにて入力されるべき前記部品の数量の単位を、前記部品情報登録ステップにて登録された部品情報の数量の単位の中から選択させる単位選択ステップと、を有する構成表作成ステップと、
をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする設計支援システムの制御方法の制御プログラム。
【請求項8】
部品毎に、その部品の数量の単位を登録する単位情報登録ステップを更にさらにコンピュータに実行させ、
前記部品情報登録ステップは、前記部品情報の数量の単位を登録するときに、前記単位情報登録ステップにて登録された数量の単位を用いて登録する、
ことを特徴とする請求項7に記載の設計支援システムの制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−323146(P2007−323146A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149740(P2006−149740)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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