設計支援システム
【課題】環境配慮設計において、継続的な改善を行うためには、部品構成にもとづく詳細な評価が必要であるが、1部品ごと原単位を設定する方法では作業工数が大きく、高頻度にLCAを評価することができなかった。
【解決手段】製品分類、部品分類、材料分類の情報と原単位の情報とを関連づけたデータベースを準備し、さらに、部品構成情報と原単位の両者の作成履歴を関連づけて管理した環境影響評価支援および設計支援システムを提供する。
【解決手段】製品分類、部品分類、材料分類の情報と原単位の情報とを関連づけたデータベースを準備し、さらに、部品構成情報と原単位の両者の作成履歴を関連づけて管理した環境影響評価支援および設計支援システムを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品ライフサイクルの環境影響評価および環境配慮設計を支援する技術に関し、特に複数の設計案に対する評価を支援する設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ISO14040によるとLCAとは、原材料調達から製造、使用、リサイクル、最終的な廃棄処分といった製品ライフサイクルにわたって、各ステージでのインプット(消費、投入)される資源やエネルギーと、アウトプットされる生産物または環境負荷排出物のデータを定量的に整理して分析(インベントリ分析)し、さらにインベントリ分析結果を用いて製品の潜在的な環境影響を総合的に評価(インパクト評価)する手法である。このLCAすなわち製品ライフサイクルの環境影響を評価する技術(以下、LCAと環境影響評価を同意として呼ぶ)として、非特許文献1に記載されたLCA支援ソフトがある。製品LCAを実施するにあたり、製品に関係する特定の情報を調査することが望ましいが、素材製造など、すべての調査は困難であり、市販ソフトにおいて、文献データなどをデータベース化しており、そのデータを利用することでLCAの実施を支援している。例えば「JEMAI-LCA」には主に日本の文献や開発元の調査分析結果をもとに作成した原単位データベースが格納されている。また一方「SimaPro」には主に欧州を中心に業界団体や研究機関が調査した多くの種類の原単位データベースが付属されており、1つの原単位名称に対して複数の調査結果が格納されている例もある。
【0003】
ここで原単位データベースとは、機能単位あるいは単位プロセスのインベントリを格納したものである。具体的には、素材製造ステージにおける冷間圧延鋼のインベントリの例をあげて説明する。冷間圧延鋼の素材を1kg製造する単位プロセスにおいて、その単位プロセスにインプットされる資源やエネルギーとして鉄鋼石、原油、石炭、天然ガス、水などがあり、またアウトプットされる環境負荷排出物として、CO2、NOx、SOx、固形廃棄物などのインベントリ項目がある。これら各インベントリ項目の消費量、排出量が、冷間圧延鋼の素材製造ステージの原単位データである。なお素材製造、部品製造、製品製造、使用、流通、リサイクル、廃棄といった各ライフサイクルステージの区分で原単位データを構築している。原単位はライフサイクルにわたるインベントリ分析用のデータであり、以下、原単位データをLCIデータと呼称する。
【0004】
LCA実施において、LCIデータを素材製造、部品製造などについて網羅的に構築することが必要であり、日本の各工業会などのライフサイクルアセスメントの研究において、様々な製品(材料、部品含め)について単位プロセスおよび製法ごとのLCIデータの構築が進んでいる(非特許文献2参照)。また欧州においてもLCIデータの調査が進められている。
【0005】
このように研究機関が調査したLCIデータや市販ソフトに格納された多種類のLCIデータを利用したり、また自社の製造時の環境負荷を調査することで作成したLCIデータをもとに、自社製品のLCAを行うことが進められる。
【0006】
しかしながら、製品設計者は、製品仕様を検討する上での材料や部品の知識は有しているものの、環境影響評価のための知識は少ないことが多い。そのため、設計者自らが多種多様なLCIデータのデータベースから適切なデータを選択することは困難である。また一方LCAのために専用の評価者を設けることは非効率である。
【0007】
このような課題に対し、部品分類情報やデータベースに蓄積したLCIデータから、設計時に特定した部品情報をもとにLCIデータの特定を支援する方法が特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003-271220号公報
【特許文献2】特開2005-332006号公報
【特許文献3】特開2005-38051号公報
【非特許文献1】「LCAの実務」、発行(社)産業環境管理協会、pp239−252
【非特許文献2】http://www.jemai.or.jp/lcaforum/db/01_05.cfm 「LCA日本フォーラム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術においては、材料や部品を分類しLCIデータと対応づけて蓄積し、そのデータベースの属性データに基づいてLCIデータを表示することで、製品設計者による画面上でのLCIデータ選択を支援するものである。
【0010】
しかしながら、一般に製品開発設計では1つの製品を複数の設計者が協働で推進しており、逐次画面上で選択することは担当部分で差異が生じる。例えば、設計においては、機能単位、構造単位にて分担している。また設計以外でも、部品の調達先については資材部門、生産性や製造面については生産性設計部門などの多くの部門が協調して製品開発に係わっており、各部門が協調して環境配慮に取り組むが、各担当者が独自にLCIデータを選択した場合には、同じ材料構成、部品構成でも評価条件が異なりLCA結果に差異が生じることとなる。
【0011】
また新設計の初期段階では、詳細な仕様が確定していない部分がある。また機能面、コスト面、環境配慮面などの要求仕様を目標を定めて検討する過程で、部品構成や製造工程について複数の案を比較検討することとなるが、このように不確定な設計情報においては、LCAが実施できず、詳細設計後にLCAを実施することが多かった。
【0012】
一方、近年ライフサイクル思考を促す環境規制は強化されており、例えば欧州EuP指令では、製品ライフサイクルを通じたLCA結果の情報開示とともに、環境配慮設計の設計根拠を管理することが義務付けられる方向にある。このような規制強化に対応するため、サプライヤから製造時の環境負荷データを収集することや、自社工場での環境負荷を調査し独自のLCIデータを作成することなどにより、LCIデータの網羅性ともにデータの鮮度は向上し多種多様なデータが構築される。
【0013】
しかしながら従来の技術では、LCIデータをDBに蓄積し、設計時に、画面上に選択肢を提示する支援はあるものの、構想設計段階から詳細設計に至る設計改善の過程において、複数の設計者が更新型のLCIデータを選択する方法、および複数の設計案をもとにしたLCA評価結果管理方法について、不十分な面があった。またEuP指令の要求事項である継続的改善を実施するには、部品構成(以下、BOM)評価にもとづく詳細な評価が必要となると思われるが、従来のLCIデータの関連づけを画面上で選択する方法では、設計者の作業負担が増大する。そのため、設計段階で高頻度にLCAを行うことができなかった。
【0014】
そこで本発明の第1の目的は、構想設計段階からの環境配慮設計過程において、更新される部品構成情報と更新されるLCIデータの両者の履歴を関連付けて管理した環境影響評価支援システムを提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、環境配慮設計の根拠として設計改善履歴を管理することにあり、複数の案から実際に採用した設計案に至るまでの履歴を蓄積する設計支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の一つの特徴は、入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と、製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備え、記憶手段には、LCIデータ履歴記憶部を備え、このLCIデータ履歴記憶部には、部品分類、材料分類、プロセス分類と環境負荷量をライフサイクルステージごとに定義し、登録単位の識別として、識別コード、調査期間、調査地域、作成年月日を格納し、また設計過程における部品構成情報の更新履歴を蓄積した記憶部を備え、部品情報とLCIデータの両者の履歴を関連づけて管理する手段を備える点にある。
【0017】
また、本発明の他の特徴は、入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と、製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備え、記憶手段には、LCIデータ履歴記憶部、部品構成情報履歴記憶部を備え、また製品設計に係わる部門の情報として、設計、資材、製造などの自社の部門情報記憶部、部品調達先や製品納入先顧客、および関連の製造拠点などの会社情報記憶部を備え、製品構成情報に関する基本情報として、部品の仕様、分類、材料構成情報、含有物質情報を格納する部品情報記憶部、部品および製品を製造する工程情報を格納する工程情報記憶部を備え、演算手段には、部門、会社から提示された代替案を統合した部品構成ツリーを受け付けて評価用部品構成ツリーに変換する処理部、部品構成ツリーを表示する処理部、部品構成ツリーとLCIデータとを関連づけを行うLCIデータ登録処理部、LCIデータをもとにLCA計算を行う環境影響評価処理部、評価結果から各代替案についての計算を行う評価処理部を備えるものとした点にある。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と、製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備え、記憶手段には、LCIデータ履歴記憶部、部品構成情報履歴記憶部、自社の部門情報記憶部、会社情報記憶部、部品情報記憶部、工程情報記憶部を備え、演算手段には、代替案を含む統合構成ツリー受付変換部、部品構成ツリー表示処理部、LCIデータ登録処理部、環境影響評価処理部を備え、設計プロセスの中で採用した案を部品構成情報の履歴として蓄積して管理し、構成ツリー表示処理部において採用履歴を含めて表示するものとした点にある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、設計改善過程の設計情報の変化やLCIデータの更新に対応して、また複数の設計案に対してLCAを効率よく定量的に実施することができる。また、LCA結果とともに案の採用履歴を管理することで、環境配慮設計の根拠管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。なお本明細書では、単品部品とユニット部品を総称して「部品」と記述する。例えば、サプライヤから調達する部品は「調達部品」、自社で製造した部品は「自社製造部品」と記述する。また素材、材料を総称して「材料」と記述する。なお部品は少なくとも一つ以上の材料から構成されており、また製品は少なくとも一つ以上の部品で構成される。また材料に含まれる化学物質を「含有物質」と記述する。これらの階層関係は、製品―部品―材料―含有物質の関係になっており、それぞれ、部品構成、材料構成、含有物質構成と記述する。なお部品構成ツリーと部品構成は同義であり、階層状態であることを説明する際の記述に用いる。また、LCA(ライフサイクルアセスメント)は、インベントリ分析とインパクト評価からなるが、インパクト評価は、インベントリ分析結果をもとに分類化、正規化、統合化等を行うための係数を掛けて評価するものであり、本説明においては、インベントリ分析を中心に説明する。ただしインベントリ分析結果はインパクト評価にも通じるものであり、LCA、環境影響評価および環境配慮設計支援システムとして説明する。インベントリ分析に用いる原単位データは「LCIデータ」と記述する。具体的には前述のとおりである。
【0021】
まず、本発明の一実施形態の環境影響評価および設計支援システムの構成について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態が適用された環境影響評価および設計支援システムの概略図である。図示するように、本実施形態の環境影響評価および設計支援システムは、入出力部1 と、記憶部2 と、演算部3 と、を有する。入出力部1は、ネットワークを介して演算部への操作ができるものであり、複数の使用者による協調作業を可能とする。
【0023】
入出力部1は、記憶部2に記憶するデータの入出力、ユーザよりの指示受付、および、ユーザへの情報表示を行う。また製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備える。
【0024】
記憶部2は、会社/部門情報記憶部21と、部品構成情報履歴記憶部22と、部品情報記憶部23と、工程情報記憶部24と、分類記憶部25と、LCIデータ履歴記憶部26と、シナリオ記憶部27と、評価条件記憶部28とを有する。
【0025】
ここで、部品構成情報とは、品目コードの階層情報であるPS(PartsStructure)と、品目コードと品目名称などの属性情報であるPN(PartsNumber)であり、BOM(Bill of Materials)とも呼ぶ(以下、部品構成情報をBOMと記す)。
【0026】
会社/部門情報記憶部21には、部品調達先や製品納入先顧客、および関連の製造拠点などの会社情報、および自社の部門情報として、設計、資材、製造などの部門、担当に関する情報を記憶する。
【0027】
部品構成情報履歴記憶部22には、設計過程における部品構成情報の更新履歴として、BOMをバージョン管理した情報を蓄積し記憶する。
【0028】
部品情報記憶部23には、製品および製品を構成する各部品の情報である部品情報として、品目コードに対応する取引先名、製造会社名、製造元部品番号、部品名称、部品分類、のほか、部品を構成する材料の種類、質量、含有物質の種類、含有量、部品単価、材料単価などを格納する。
【0029】
工程情報記憶部24には、ライフサイクルステージ(LCI区分)ごとのプロセスフローの情報を格納する。特に、製造ステージの情報としては、例えば部品加工の情報では、材料種類ごと部品分類ごとに、切断、プレス、研磨、といった加工方法、加工時間、コストなどを格納する。また、リサイクル・廃棄ステージとしても同様に、材料種類ごと部品分類ごとに、回収、破砕、リサイクル、埋め立て、といった処理・処分方法、コスト、リサイクル率などの工程情報を格納する。
【0030】
分類記憶部25には、ユーザが管理する材料および部品コードと、LCIデータベースに登録されたLCI区分、LCIデータ名称との割り付け情報を格納する。具体的には、材料分類/部品分類、材料コード/部品コード、材料名称/部品名称、LCI区分、LCIデータ名称などを格納する。
【0031】
LCIデータ履歴記憶部26には、ライフサイクルステージ(LCI区分)、LCIデータ名称ごとに環境負荷量を定義する。この登録単位の識別として、識別コード、作成年月日、作成バージョン、会社コード(調査元)、調査期間、調査国、調査地域、調査方法を格納する。なお同じLCI区分、LCIデータ名称について、新たな調査が行われた場合は、識別コードを変えて履歴管理する。また、サプライヤからの回答や自社調査において登録したデータの訂正を行う場合は、同じ識別コードで、作成年月日、バージョン番号を変えて登録して訂正履歴も管理する。図2に、履歴つきLCIデータの例を示す。ここで図2の「認定」列は、LCIデータの管理部門が確認した結果(LCIデータに関する認定情報)を格納した例であり、図のように、同じLCIデータ名称で登録バージョンの違いにより認定、未認定の履歴も格納する。
【0032】
シナリオ記憶部27の説明の前に、シナリオについて説明する。シナリオとは、LCAを行う際の評価対象とLCIデータとの関連づけを定義したものとしている。例えば、ある品目コードAが、鉄で構成されており、この「鉄」について、素材製造ステージでは「鋳鉄」、部品加工ステージでは「鉄鋳造」、「鉄プレス」、リサイクルステージでは「鋳鉄リサイクル」、のLCIデータを関連づけたとする。この関連づけをシナリオと呼ぶ。
【0033】
シナリオ記憶部について、図3、図4を用いて説明する。
【0034】
シナリオ記憶部は、評価済みデータを格納した評価済みシナリオデータ記憶部271と、分類別基本シナリオ記憶部272と、例外シナリオデータ記憶部273とで構成する。図3に分類別基本シナリオ記憶部272で定義するシナリオデータの例を示す。製品分類、部品分類、材料分類、LCI区分、LCIデータ名称を格納する。ここで、部品名称に関するキーワード(キーワード1)、材料名称に関するキーワード(キーワード2)、および製造地域などの絞込み条件も格納する。例えば、製品分類でTV、材料分類でアルミの場合は、素材製造ステージで「アルミ」、部品加工ステージで「アルミプレス」「アルミ切削」、リサイクルステージで「アルミマテリアル」を採用することを定義している。また、絞込み条件のキーワード1の例として「*BRKT*」を示しているが、「*」は任意の文字列を示すものとしており、上記条件でかつ部品名称に「BRKT」を含む場合に適用することを示す(「キーワード2」、「地域」も同様)。このように、製品分類、部品分類、材料分類について、汎用的なLCIデータの関連づけとして定義している。
【0035】
例外シナリオ記憶部273には、BOMとLCIデータとの関連づけの自動生成を行なった結果(または、LCA評価を行った結果)、分類別基本シナリオでは不適当とユーザが判断しLCIデータの関連づけを変更した場合に、その関連づけ結果(変更結果)を格納する。図4に例外シナリオ記憶部の例を示す。また図5に図4に関連した部品構成の例の模式図を示す。図5左側に斜視図と部品名称、右側に部品構成の階層の例を示した。例えば、「Motor_Assy」という親品目は、「Braket」「Motor_A」など複数の子品目で構成されていることを示している。
【0036】
例外シナリオ記憶部には、BOM名称(品目コードのトップコード)、BOMのバージョン、親品目名称、子品目名称、LCI区分、LCIデータ名称、LCIデータバージョン、登録者のID、登録日などを格納する。このようにBOMのバージョンごとに該当する品目コードとLCIデータバージョンとの関連づけを記憶する。また、先に分類別基本シナリオをもとに読み込み、その基本シナリオを変更した場合は、「編集フラグ」欄に記載した「基本」、「削除」、「追加」の例のように、読み込んだ基本データと、その変更来歴を例外シナリオ記憶部に格納する。
【0037】
評価条件記憶部28には、本評価を行う際に参照するデータや優先順位について、製品モデル別、ユーザ個別の評価条件を格納する。
【0038】
演算部3は、評価条件受付部31、構成ツリー表示処理部32、代替案受付と統合構成ツリー表示処理部33、LCIデータ登録処理部34、環境影響評価処理部35、を有し、評価条件の設定結果にもとづき、受け付けた部品構成ツリーの表示(入出力部からのユーザの編集結果の表示も含む)、構成ツリーに対するLCIデータの登録、関連付け処理、BOMに関連付けたLCIデータの分析および環境影響評価処理を行う。さらに、代替案を含む統合構成ツリーを受け付けて、構成ツリーとして複数の構成を表示し、それぞれのLCIデータ関連づけと評価の処理とともに、代替案採用時の評価結果を表示する。
【0039】
評価条件受付部31では、参照するデータと、その優先順位を定義する。このとき、既に設定した評価条件は、評価条件記憶部28にて管理しているため、1度設定した後、変更がなければ再設定する必要はない。また、1つの製品モデルについては、評価条件を共有する。
【0040】
構成ツリー表示処理部32は、読み込んだBOM、LCIデータ、追記入力、編集したデータなどを表示するものである。
【0041】
代替案を含む統合構成ツリー受付変換部33は、各部門からの部品構成の代替案、プロセスフローの代替案、などを受け付けて、複数の代替案をBOM上に表示するものである。
【0042】
LCIデータ登録処理部34は、設定した評価条件にもとづき、部品分類、材料分類に対するLCIデータを記憶部2を検索することで、抽出してBOMに関連づけする処理である。
【0043】
環境影響評価処理部35は、登録されたLCIデータをもとに、LCA評価(インベントリ分析、インパクト評価)を行い結果を出力するものである。
【0044】
なお、上記構成の環境影響評価および設計支援システムは、CPUとメモリと、HDD等の外部記憶装置と、CD-ROMなどの記憶媒体からデータを読み取る読取装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、モニタやプリンタなどの出力装置と、ネットワークなどに接続するための通信装置と、これらの各装置を接続するバスと、を備えた一般的なコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされたプログラムを実行することで実現できる。このプログラムは、読取装置を介して記憶媒体から、あるいは、通信装置を介してネットワークから、外部記憶装置にダウンロードされ、メモリ 上にロードされてCPUにより実行されるようにしてもよい。あるいは、外部記憶装置を経由せずに、メモリ上に直接ロードされ、CPUにより実行されるようにしてもよい。なお、この場合において、記憶部2には、メモリや外部記憶装置が利用される。また、入出力部1には、読取装置や入力装置や出力装置や通信装置が該当する。なお図1に示したように、本システムはネットワークを介して、複数の使用者により操作することが可能である。
【0045】
次に、BOMとLCIデータの関連づけ処理について、図6〜図12を用いて説明する。はじめに、LCA評価を実行するユーザ情報、製品情報を受け付ける(S101)。この画面例を図7に示した。ユーザ情報として、ユーザID、ユーザ名称、所属部門、担当などの設定を行う。なお、ユーザIDを入力すると、その他の情報については会社/部門情報記憶部21から情報を抽出して表示する方法でよい。また、製品情報としては、製品名称、製品分類、製品型式(製品モデル)、製造年、製品の機能、外形寸法、製品本体質量、使用ステージに係わる仕様、輸送ステージに係わる輸送方法、回収ステージに係わる回収方法などの設定を行う。このとき、製品分類、については、定義済みのリスト値によるプルダウンメニューによる選択とする。また、製品分類ごとの表示項目を事前に設定しておき、製品分類を定義することで、製品機能欄の項目、使用ステージの項目などが設定される。ここで、「使用」、「輸送」、「回収」の項目に入力した内容は、各ステージのLCA計算用データとする。
【0046】
次に、LCIデータの自動関連づけを実行する指示(S102)を受け付けた場合、はじめに関連づけ条件が設定済みかの確認処理を行う。評価条件記憶部28は、製品分類で共通の製品モデル別LCIデータ関連づけ条件291、ユーザID単位での個別のユーザ別LCIデータ関連づけ条件292の2種類に分けて関連付け条件を管理する。ユーザ情報、製品情報として入力した、ユーザID、製品分類にもとづき、評価条件記憶部28を検索し、設定済の場合は参照し表示する(S105)。未設定の場合は、ユーザの設定条件をユーザ別LCIデータ関連づけ条件に格納する(S104)。条件設定の表示方法としては、図7の製品情報画面に示した「条件設定」ボタンによる別画面の表示とする。なお、製品モデル別LCIデータ関連づけ条件は、製品モデル単位で共通の条件であり、個別ユーザでの変更は不可とし、製品モデルとりまとめ者など管理者権限での管理とする。変更を行う場合は、ユーザ別LCIデータ関連づけ条件に登録する。図7の「登録」ボタンにより、変更内容をユーザ別LCIデータ関連づけ条件292に格納する。
【0047】
図7の「条件設定」ボタンにより、LCIデータ関連づけ条件の設定画面を表示する。図8に、設定画面の例を示す。図8に示したように、大きく3つの条件を設定する。第1に、部品構成情報(BOM)の取り込み設定を行う。ファイル指定の例を示したが、PDMなどのデータベースとのインターフェースを構築し、品名コードなどの指定により自動的に取り込む方法でもよい。また階層情報のない部品リストの形式でもよい。
【0048】
第2に、参照ファイルの設定(関連づけ条件の設定)を行う。ここでは、過去に評価したデータなどを蓄積した評価済みシナリオデータ、またBOMバージョン別に特定のシナリオを格納した例外シナリオデータ、分類別に標準的なシナリオを定義した分類別シナリオデータについての参照条件を設定する。例のように、評価済みシナリオデータについては、評価時点の設計BOMに対して、過去の部品構成を含めて全て上書きするか、差分の部品構成を追加するか、LCIデータのみを追加するかの設定を行う。また、本例では、ライフサイクルステージとして、素材製造、調達輸送、製品製造(部品製造、部品加工、製品製造など)、製品輸送、使用、回収、リサイクル、廃棄、としているが、どのステージの情報を参照して取り込むかの設定を行う。
【0049】
第3に、LCIデータの関連づけ処理を行う際に、複数候補が発生した場合の計算処理についての条件設定を行う。まず、部品構成およびLCIデータに関して複数候補から選択する優先順位として、「認定情報の有無」、「最新更新日」、または「優先順位を指定しない」の中から設定する。この図の例の場合、部品構成については、指定はなく、LCIデータについては、「認定」情報があれば、そのデータを優先する(認定情報がなければ、「指定なし」と同じ)、という設定となる。
【0050】
また、複数候補がある場合とは、大きく4種類のケースがある。1つ目は、設計部門にて部品構成案が複数存在するケースであり、例えば代替案や顧客仕様違いの構成があるケースである。2つ目のケースは、資材部門にて複数社購買を行っているケースであり、ひとつの品目コードに対して、複数の購入品が関連づくケースである。3つ目は、製造部門にて部品および材料の製造工程フローについての複数案が存在するケース、4つ目は、ひとつの部品、材料に対するLCIデータが複数存在し、選択肢が複数存在するケースである。これらの4種類のケースについての計算条件を設定する。図に示したように、最大値、平均値、最小値の少なくとも1つを設定する。上記の設定にもとづき、図6の処理において、S106、S107、S110(S111、S112、S113)が実行される。
【0051】
ここで、関連づけの概要について、図9を用いて説明する。なお本例は、BOMのバージョン1から3をまとめて示している。また関連づけ条件は、例外シナリオと分類別基本シナリオを参照した例としており、図3の例外シナリオ、図4の分類別シナリオ、を参照した例とした。図6のS106、S107の処理により、設計BOMに対して、品目コードに対する購入部品の情報、材料種類・質量などをデータベースから関連づける。BOMの構成情報に対して、例外シナリオを参照して、BOMのバージョンと部品および材料の情報が合致するLCIデータを取り込む(S110)。その後、分類別基本データを参照して、部品および材料の情報と合致するLCIデータを参照する(S113)。なお、設計BOMで扱う部品および材料のコードと、LCIデータで管理する部品および材料のコードは異なる場合が多いので、図10に示す変換テーブル(分類記憶部25)により、部品および材料のコードからLCIデータのコードへの変換を行い関連づけを容易にする。また図に示した「Bracket」の例のように、例外シナリオを優先しているため、例外シナリオで参照したデータと同じ材料であっても分類別基本シナリオのデータは参照しない。
【0052】
次に、図6の処理S114以降の説明をする。LCIデータ自動関連づけ処理において、BOMの構成において該当するLCIデータがなかった場合、「その他」データを割り当てる(S116)。またLCIデータの複数の候補がある場合、先の優先順位条件および計算条件にもとづき、LCIデータの作成日、認定情報などの条件から、候補の優先順位を決定し(S117)、生成結果を表示する(S120)。またLCIデータの自動関連づけ後、必要に応じて、編集を行う(S121)。このとき、編集履歴を編集履歴DBに蓄積する(S122、S123)。
【0053】
この生成結果および編集画面の例について、図11、図12をもとに、説明する。図11は、材料構成を関連づけた結果の例、図12は、製造プロセスを関連づけた結果の例を示す。
【0054】
図11は縦軸にBOMすなわち部品構成を示し、横軸には、LCIデータ名称を示した2元表である。縦軸のBOMの情報としては、階層レベル、品目コード、ALT-No.(代替案コードNo.)、機能コード、品目名称、数量、質量などを配置している。また、横軸のLCIデータ名称は、分類名称とで区分した例を示している。この分類は、大分類、中分類と複数設けてもよい。この2軸の交点に、各質量を表示している。また、図示したように、交点の端の列および行には、その集計値を表示する。またBOMにおいては、各階層ごとに集計値を積み上げ、LCIデータについては分類ごとにも集計値を表示する。なお、本シートでは、部品構成および材料構成に関する編集を行い、素材製造ステージのLCIデータとの関連づけを行う。
【0055】
また編集する場合は、値を変更する、あるいは部品名称を変更するといった操作、また、品目コード(部品の行)を追加するといった操作を行う。LCIデータの項目については、例えば、図示したように、「名称」欄のボタンをクリックすることで、表示する項目を絞り込むためのチェックボックスが表示され、選択することで絞り込み表示ができるとよい(「分類」についても同様)。
【0056】
また、図12に示したBOMと製造工程フローとの2元表において、縦軸は、図11と同じで、横軸に製造工程フローを表示する。ここで、部品または材料について参照したLCIのシナリオを表示する。また、編集する場合は、プルダウンメニューにより、製品製造ステージ、廃棄ステージ等のLCIデータ名称を表示し、選択により編集を可能とする。
【0057】
図11、図12の例のように必要に応じて編集を行う。この編集結果を含めて、結果を表示し(S124)、編集したデータについては、例外シナリオDBへの登録を促す(S125)。編集画面において、操作した際にフラグを立て、編集された項目と、例外シナリオデータに格納済みのデータとのチェックを行い、登録すべき範囲を表示し登録範囲の設定を受け付ける(S126)。選択された品目コードの編集履歴をもとに、例外シナリオDBへ登録する(S123)。なお、編集を不要と判断する場合は、そのままLCA評価用のデータを自動生成して、LCA評価を実行し、結果を出力してもよい。
【0058】
次に、本発明の環境影響評価および設計支援システムにおいて、複数の部門および複数の担当者から提示された設計改善案を受け付け評価する方法について、図11、図12、をもとに説明する。上述のとおり、BOMにLCIデータを関連づける際、複数候補があるケースとして大きく4種類があり、(1)設計部門の部品構成案の代替、(2)資材部門の複数社購買、(3)製造部門の製造工程フロー案、(4)複数のLCIデータ、のケースが考えられる。本実施例では、以下(1)(3)についての例を説明する。
【0059】
製品は、ユニットごと、あるいは、構造設計、電気設計といった担当ごとに、設計者がわかれて、1つの製品モデルの設計を行う。ここで、環境配慮設計における継続的な改善、のほか、コスト、機能面の要求を満足させるため、各設計者は複数の案を検討する。また、顧客により、基本の構成に対して、一部の機能の追加または削除、変更が生じる場合もある。設計部門において、ひとつの製品モデルに対して、いくつかの構成案を想定している。また同様に、製造部門においては、コストを安く、環境負荷を削減した製造が求められており、ひとつの部品をどの拠点で製造するか、あるいは、どのフローで製造するか、といった方法もいくつかの案を検討することになる。そのため、製造工程フローにおいても複数の案を想定している。
【0060】
このような製品モデルに部品構成および材料構成の複数案、製造工程フローの複数案を含めた構成をもつBOMについて、LCIデータの関連づけ処理を行う。
【0061】
図11、図12は、LCIデータ関連づけ処理後の結果の例であり、図11は、BOMに対して、複数の部品構成案、複数の材料構成案を表示した例を示す。図12は、同じBOMに対して、複数の製造工程フロー案を表示した例である。
【0062】
図11に示したALT-No.(代替案コードNo.)、機能コード、により、同じ機能(同じ機能コード)を有する部品またはユニット部品について、複数の品目(同じ品目コード)の案を表示する。また、図12に示したBOMと製造工程フローとの2元表においても同じ部品(または材料)において、複数の製造工程フローを表示する。この複数の案に対して、図8に示した評価条件にもとづき、評価結果を出力する。
【0063】
次に、各部門からの複数の代替案の登録と環境影響評価および設計支援システムでの受付処理の概要を図13を用いて説明する。図13のように、設計部門においては、同じ機能に対して、複数の部品構成を検討し、PDM等で設計案を管理する。また、資材部門では、ひとつの部品仕様(品目コード)に対して複数のサプライヤ(または製造元)の情報を管理する。また、製造部門においては、いくつかの製品の製造を勘案して、製造プロセス単位に、製造工程フロー案、また国内での製造と海外での製造など製造拠点を含めた製造工程フロー案を検討する。さらに、環境部門においては、購入部品に関するLCIデータおよび自社製造部門のLCIデータを管理し、データの確認を行うなど情報の認定を含め管理する。このような各部門における複数の代替案をイントラネット、インターネットなどの通信手段を通じて、部品構成情報については、部品構成情報履歴記憶部22に、購入部品情報については、部品情報記憶部23に、製造プロセス情報については工程情報記憶部24に、LCIデータについては、LCIデータ履歴記憶部26に格納する。この結果をもとに、上記の図6のフローにもとづき、BOMとLCIデータとの関連付けを行うことで、複数の代替案を含めたLCA評価を実施することができる。
【0064】
また、図14に、評価結果を分析した例を示す。横軸にBOMのバージョンの推移すなわち設計履歴を示し、縦軸にLCA評価結果の一例としてインベントリ分析の環境負荷項目CO2を選択した例を示す。なお本例では、設計初期段階から図8記載の評価条件をもとに継続して評価結果を蓄積した例とした。表示する環境負荷項目はプルダウンメニュー等で選択でき、CO2排出量の例を示した。また、設計履歴とともに、その時点の部品の認定率、LCIデータの認定率を表示する。このLCIデータの認定情報は、図2に示した履歴付きLCIデータテーブルを参照した結果である。また、本例では、素材製造、調達輸送、製品製造のステージを表示しているが、表示するステージを製造ステージのみで表示を絞ることで、製造部門向けの表示に、素材製造ステージまたは部品製造ステージで絞ることで、資材部門や部品設計向けの表示となり、各部門への改善余地を示すことができる。さらに、本図の設計履歴と各BOMバージョンの詳細評価結果とはリンクしており、BOMのバージョンを選択することで、評価条件を表示するとともに、評価結果を表示する。このように、BOMバージョンごとの評価結果とともに、BOMの履歴を関連づけたLCIデータとともに格納することで、環境配慮設計の根拠を蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態の環境影響評価および設計支援システムにおける構成を説明する図である。
【図2】実施の形態の説明に用いる履歴つきLCIデータの例を説明する図である。
【図3】実施の形態の説明に用いる分類別基本シナリオ記憶部の例を説明する図である。
【図4】実施の形態の説明に用いる例外シナリオ記憶部の例を説明する図である。
【図5】図4に関連した部品構成の模式図の例を説明する図である。
【図6】実施の形態の説明に用いるBOMとLCIデータの関連づけ処理を説明する図である。
【図7】実施の形態の説明に用いるユーザ情報、製品情報の受付画面の例を説明する図である。
【図8】実施の形態の説明に用いる評価条件設定画面の例を説明する図である。
【図9】実施の形態の説明に用いるLCIデータ関連づけの概要を説明する図である。
【図10】実施の形態の説明に用いる分類記憶部の例を説明する図である。
【図11】実施の形態の説明に用いる部品構成と材料構成の2元表の例を説明する図である。
【図12】実施の形態の説明に用いる部品構成と製造工程フローの例を説明する図である。
【図13】本発明の一実施形態の各部門の改善案登録結果を参照する環境録響評価および設計支援システムにおける構成を説明する図である。
【図14】本発明の一実施形態の評価結果の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
1…入出力部、2…記憶部、3 … 演算部、21…会社/部門情報記憶部 、22…部品構成情報履歴記憶部、23…部品情報記憶部、24…工程情報記憶部、25…分類記憶部、26…LCIデータ履歴記憶部、27…シナリオ記憶部、28…評価条件記憶部、31…評価条件受付部、32…構成ツリー表示処理部、33…代替案受付と統合構成ツリー表示処理部、34…LCIデータ登録処理部、35…環境影響評価処理部、
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品ライフサイクルの環境影響評価および環境配慮設計を支援する技術に関し、特に複数の設計案に対する評価を支援する設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ISO14040によるとLCAとは、原材料調達から製造、使用、リサイクル、最終的な廃棄処分といった製品ライフサイクルにわたって、各ステージでのインプット(消費、投入)される資源やエネルギーと、アウトプットされる生産物または環境負荷排出物のデータを定量的に整理して分析(インベントリ分析)し、さらにインベントリ分析結果を用いて製品の潜在的な環境影響を総合的に評価(インパクト評価)する手法である。このLCAすなわち製品ライフサイクルの環境影響を評価する技術(以下、LCAと環境影響評価を同意として呼ぶ)として、非特許文献1に記載されたLCA支援ソフトがある。製品LCAを実施するにあたり、製品に関係する特定の情報を調査することが望ましいが、素材製造など、すべての調査は困難であり、市販ソフトにおいて、文献データなどをデータベース化しており、そのデータを利用することでLCAの実施を支援している。例えば「JEMAI-LCA」には主に日本の文献や開発元の調査分析結果をもとに作成した原単位データベースが格納されている。また一方「SimaPro」には主に欧州を中心に業界団体や研究機関が調査した多くの種類の原単位データベースが付属されており、1つの原単位名称に対して複数の調査結果が格納されている例もある。
【0003】
ここで原単位データベースとは、機能単位あるいは単位プロセスのインベントリを格納したものである。具体的には、素材製造ステージにおける冷間圧延鋼のインベントリの例をあげて説明する。冷間圧延鋼の素材を1kg製造する単位プロセスにおいて、その単位プロセスにインプットされる資源やエネルギーとして鉄鋼石、原油、石炭、天然ガス、水などがあり、またアウトプットされる環境負荷排出物として、CO2、NOx、SOx、固形廃棄物などのインベントリ項目がある。これら各インベントリ項目の消費量、排出量が、冷間圧延鋼の素材製造ステージの原単位データである。なお素材製造、部品製造、製品製造、使用、流通、リサイクル、廃棄といった各ライフサイクルステージの区分で原単位データを構築している。原単位はライフサイクルにわたるインベントリ分析用のデータであり、以下、原単位データをLCIデータと呼称する。
【0004】
LCA実施において、LCIデータを素材製造、部品製造などについて網羅的に構築することが必要であり、日本の各工業会などのライフサイクルアセスメントの研究において、様々な製品(材料、部品含め)について単位プロセスおよび製法ごとのLCIデータの構築が進んでいる(非特許文献2参照)。また欧州においてもLCIデータの調査が進められている。
【0005】
このように研究機関が調査したLCIデータや市販ソフトに格納された多種類のLCIデータを利用したり、また自社の製造時の環境負荷を調査することで作成したLCIデータをもとに、自社製品のLCAを行うことが進められる。
【0006】
しかしながら、製品設計者は、製品仕様を検討する上での材料や部品の知識は有しているものの、環境影響評価のための知識は少ないことが多い。そのため、設計者自らが多種多様なLCIデータのデータベースから適切なデータを選択することは困難である。また一方LCAのために専用の評価者を設けることは非効率である。
【0007】
このような課題に対し、部品分類情報やデータベースに蓄積したLCIデータから、設計時に特定した部品情報をもとにLCIデータの特定を支援する方法が特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003-271220号公報
【特許文献2】特開2005-332006号公報
【特許文献3】特開2005-38051号公報
【非特許文献1】「LCAの実務」、発行(社)産業環境管理協会、pp239−252
【非特許文献2】http://www.jemai.or.jp/lcaforum/db/01_05.cfm 「LCA日本フォーラム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された技術においては、材料や部品を分類しLCIデータと対応づけて蓄積し、そのデータベースの属性データに基づいてLCIデータを表示することで、製品設計者による画面上でのLCIデータ選択を支援するものである。
【0010】
しかしながら、一般に製品開発設計では1つの製品を複数の設計者が協働で推進しており、逐次画面上で選択することは担当部分で差異が生じる。例えば、設計においては、機能単位、構造単位にて分担している。また設計以外でも、部品の調達先については資材部門、生産性や製造面については生産性設計部門などの多くの部門が協調して製品開発に係わっており、各部門が協調して環境配慮に取り組むが、各担当者が独自にLCIデータを選択した場合には、同じ材料構成、部品構成でも評価条件が異なりLCA結果に差異が生じることとなる。
【0011】
また新設計の初期段階では、詳細な仕様が確定していない部分がある。また機能面、コスト面、環境配慮面などの要求仕様を目標を定めて検討する過程で、部品構成や製造工程について複数の案を比較検討することとなるが、このように不確定な設計情報においては、LCAが実施できず、詳細設計後にLCAを実施することが多かった。
【0012】
一方、近年ライフサイクル思考を促す環境規制は強化されており、例えば欧州EuP指令では、製品ライフサイクルを通じたLCA結果の情報開示とともに、環境配慮設計の設計根拠を管理することが義務付けられる方向にある。このような規制強化に対応するため、サプライヤから製造時の環境負荷データを収集することや、自社工場での環境負荷を調査し独自のLCIデータを作成することなどにより、LCIデータの網羅性ともにデータの鮮度は向上し多種多様なデータが構築される。
【0013】
しかしながら従来の技術では、LCIデータをDBに蓄積し、設計時に、画面上に選択肢を提示する支援はあるものの、構想設計段階から詳細設計に至る設計改善の過程において、複数の設計者が更新型のLCIデータを選択する方法、および複数の設計案をもとにしたLCA評価結果管理方法について、不十分な面があった。またEuP指令の要求事項である継続的改善を実施するには、部品構成(以下、BOM)評価にもとづく詳細な評価が必要となると思われるが、従来のLCIデータの関連づけを画面上で選択する方法では、設計者の作業負担が増大する。そのため、設計段階で高頻度にLCAを行うことができなかった。
【0014】
そこで本発明の第1の目的は、構想設計段階からの環境配慮設計過程において、更新される部品構成情報と更新されるLCIデータの両者の履歴を関連付けて管理した環境影響評価支援システムを提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、環境配慮設計の根拠として設計改善履歴を管理することにあり、複数の案から実際に採用した設計案に至るまでの履歴を蓄積する設計支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の一つの特徴は、入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と、製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備え、記憶手段には、LCIデータ履歴記憶部を備え、このLCIデータ履歴記憶部には、部品分類、材料分類、プロセス分類と環境負荷量をライフサイクルステージごとに定義し、登録単位の識別として、識別コード、調査期間、調査地域、作成年月日を格納し、また設計過程における部品構成情報の更新履歴を蓄積した記憶部を備え、部品情報とLCIデータの両者の履歴を関連づけて管理する手段を備える点にある。
【0017】
また、本発明の他の特徴は、入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と、製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備え、記憶手段には、LCIデータ履歴記憶部、部品構成情報履歴記憶部を備え、また製品設計に係わる部門の情報として、設計、資材、製造などの自社の部門情報記憶部、部品調達先や製品納入先顧客、および関連の製造拠点などの会社情報記憶部を備え、製品構成情報に関する基本情報として、部品の仕様、分類、材料構成情報、含有物質情報を格納する部品情報記憶部、部品および製品を製造する工程情報を格納する工程情報記憶部を備え、演算手段には、部門、会社から提示された代替案を統合した部品構成ツリーを受け付けて評価用部品構成ツリーに変換する処理部、部品構成ツリーを表示する処理部、部品構成ツリーとLCIデータとを関連づけを行うLCIデータ登録処理部、LCIデータをもとにLCA計算を行う環境影響評価処理部、評価結果から各代替案についての計算を行う評価処理部を備えるものとした点にある。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、入力手段と出力手段と演算手段と記憶手段と、製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備え、記憶手段には、LCIデータ履歴記憶部、部品構成情報履歴記憶部、自社の部門情報記憶部、会社情報記憶部、部品情報記憶部、工程情報記憶部を備え、演算手段には、代替案を含む統合構成ツリー受付変換部、部品構成ツリー表示処理部、LCIデータ登録処理部、環境影響評価処理部を備え、設計プロセスの中で採用した案を部品構成情報の履歴として蓄積して管理し、構成ツリー表示処理部において採用履歴を含めて表示するものとした点にある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、設計改善過程の設計情報の変化やLCIデータの更新に対応して、また複数の設計案に対してLCAを効率よく定量的に実施することができる。また、LCA結果とともに案の採用履歴を管理することで、環境配慮設計の根拠管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。なお本明細書では、単品部品とユニット部品を総称して「部品」と記述する。例えば、サプライヤから調達する部品は「調達部品」、自社で製造した部品は「自社製造部品」と記述する。また素材、材料を総称して「材料」と記述する。なお部品は少なくとも一つ以上の材料から構成されており、また製品は少なくとも一つ以上の部品で構成される。また材料に含まれる化学物質を「含有物質」と記述する。これらの階層関係は、製品―部品―材料―含有物質の関係になっており、それぞれ、部品構成、材料構成、含有物質構成と記述する。なお部品構成ツリーと部品構成は同義であり、階層状態であることを説明する際の記述に用いる。また、LCA(ライフサイクルアセスメント)は、インベントリ分析とインパクト評価からなるが、インパクト評価は、インベントリ分析結果をもとに分類化、正規化、統合化等を行うための係数を掛けて評価するものであり、本説明においては、インベントリ分析を中心に説明する。ただしインベントリ分析結果はインパクト評価にも通じるものであり、LCA、環境影響評価および環境配慮設計支援システムとして説明する。インベントリ分析に用いる原単位データは「LCIデータ」と記述する。具体的には前述のとおりである。
【0021】
まず、本発明の一実施形態の環境影響評価および設計支援システムの構成について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態が適用された環境影響評価および設計支援システムの概略図である。図示するように、本実施形態の環境影響評価および設計支援システムは、入出力部1 と、記憶部2 と、演算部3 と、を有する。入出力部1は、ネットワークを介して演算部への操作ができるものであり、複数の使用者による協調作業を可能とする。
【0023】
入出力部1は、記憶部2に記憶するデータの入出力、ユーザよりの指示受付、および、ユーザへの情報表示を行う。また製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段を備える。
【0024】
記憶部2は、会社/部門情報記憶部21と、部品構成情報履歴記憶部22と、部品情報記憶部23と、工程情報記憶部24と、分類記憶部25と、LCIデータ履歴記憶部26と、シナリオ記憶部27と、評価条件記憶部28とを有する。
【0025】
ここで、部品構成情報とは、品目コードの階層情報であるPS(PartsStructure)と、品目コードと品目名称などの属性情報であるPN(PartsNumber)であり、BOM(Bill of Materials)とも呼ぶ(以下、部品構成情報をBOMと記す)。
【0026】
会社/部門情報記憶部21には、部品調達先や製品納入先顧客、および関連の製造拠点などの会社情報、および自社の部門情報として、設計、資材、製造などの部門、担当に関する情報を記憶する。
【0027】
部品構成情報履歴記憶部22には、設計過程における部品構成情報の更新履歴として、BOMをバージョン管理した情報を蓄積し記憶する。
【0028】
部品情報記憶部23には、製品および製品を構成する各部品の情報である部品情報として、品目コードに対応する取引先名、製造会社名、製造元部品番号、部品名称、部品分類、のほか、部品を構成する材料の種類、質量、含有物質の種類、含有量、部品単価、材料単価などを格納する。
【0029】
工程情報記憶部24には、ライフサイクルステージ(LCI区分)ごとのプロセスフローの情報を格納する。特に、製造ステージの情報としては、例えば部品加工の情報では、材料種類ごと部品分類ごとに、切断、プレス、研磨、といった加工方法、加工時間、コストなどを格納する。また、リサイクル・廃棄ステージとしても同様に、材料種類ごと部品分類ごとに、回収、破砕、リサイクル、埋め立て、といった処理・処分方法、コスト、リサイクル率などの工程情報を格納する。
【0030】
分類記憶部25には、ユーザが管理する材料および部品コードと、LCIデータベースに登録されたLCI区分、LCIデータ名称との割り付け情報を格納する。具体的には、材料分類/部品分類、材料コード/部品コード、材料名称/部品名称、LCI区分、LCIデータ名称などを格納する。
【0031】
LCIデータ履歴記憶部26には、ライフサイクルステージ(LCI区分)、LCIデータ名称ごとに環境負荷量を定義する。この登録単位の識別として、識別コード、作成年月日、作成バージョン、会社コード(調査元)、調査期間、調査国、調査地域、調査方法を格納する。なお同じLCI区分、LCIデータ名称について、新たな調査が行われた場合は、識別コードを変えて履歴管理する。また、サプライヤからの回答や自社調査において登録したデータの訂正を行う場合は、同じ識別コードで、作成年月日、バージョン番号を変えて登録して訂正履歴も管理する。図2に、履歴つきLCIデータの例を示す。ここで図2の「認定」列は、LCIデータの管理部門が確認した結果(LCIデータに関する認定情報)を格納した例であり、図のように、同じLCIデータ名称で登録バージョンの違いにより認定、未認定の履歴も格納する。
【0032】
シナリオ記憶部27の説明の前に、シナリオについて説明する。シナリオとは、LCAを行う際の評価対象とLCIデータとの関連づけを定義したものとしている。例えば、ある品目コードAが、鉄で構成されており、この「鉄」について、素材製造ステージでは「鋳鉄」、部品加工ステージでは「鉄鋳造」、「鉄プレス」、リサイクルステージでは「鋳鉄リサイクル」、のLCIデータを関連づけたとする。この関連づけをシナリオと呼ぶ。
【0033】
シナリオ記憶部について、図3、図4を用いて説明する。
【0034】
シナリオ記憶部は、評価済みデータを格納した評価済みシナリオデータ記憶部271と、分類別基本シナリオ記憶部272と、例外シナリオデータ記憶部273とで構成する。図3に分類別基本シナリオ記憶部272で定義するシナリオデータの例を示す。製品分類、部品分類、材料分類、LCI区分、LCIデータ名称を格納する。ここで、部品名称に関するキーワード(キーワード1)、材料名称に関するキーワード(キーワード2)、および製造地域などの絞込み条件も格納する。例えば、製品分類でTV、材料分類でアルミの場合は、素材製造ステージで「アルミ」、部品加工ステージで「アルミプレス」「アルミ切削」、リサイクルステージで「アルミマテリアル」を採用することを定義している。また、絞込み条件のキーワード1の例として「*BRKT*」を示しているが、「*」は任意の文字列を示すものとしており、上記条件でかつ部品名称に「BRKT」を含む場合に適用することを示す(「キーワード2」、「地域」も同様)。このように、製品分類、部品分類、材料分類について、汎用的なLCIデータの関連づけとして定義している。
【0035】
例外シナリオ記憶部273には、BOMとLCIデータとの関連づけの自動生成を行なった結果(または、LCA評価を行った結果)、分類別基本シナリオでは不適当とユーザが判断しLCIデータの関連づけを変更した場合に、その関連づけ結果(変更結果)を格納する。図4に例外シナリオ記憶部の例を示す。また図5に図4に関連した部品構成の例の模式図を示す。図5左側に斜視図と部品名称、右側に部品構成の階層の例を示した。例えば、「Motor_Assy」という親品目は、「Braket」「Motor_A」など複数の子品目で構成されていることを示している。
【0036】
例外シナリオ記憶部には、BOM名称(品目コードのトップコード)、BOMのバージョン、親品目名称、子品目名称、LCI区分、LCIデータ名称、LCIデータバージョン、登録者のID、登録日などを格納する。このようにBOMのバージョンごとに該当する品目コードとLCIデータバージョンとの関連づけを記憶する。また、先に分類別基本シナリオをもとに読み込み、その基本シナリオを変更した場合は、「編集フラグ」欄に記載した「基本」、「削除」、「追加」の例のように、読み込んだ基本データと、その変更来歴を例外シナリオ記憶部に格納する。
【0037】
評価条件記憶部28には、本評価を行う際に参照するデータや優先順位について、製品モデル別、ユーザ個別の評価条件を格納する。
【0038】
演算部3は、評価条件受付部31、構成ツリー表示処理部32、代替案受付と統合構成ツリー表示処理部33、LCIデータ登録処理部34、環境影響評価処理部35、を有し、評価条件の設定結果にもとづき、受け付けた部品構成ツリーの表示(入出力部からのユーザの編集結果の表示も含む)、構成ツリーに対するLCIデータの登録、関連付け処理、BOMに関連付けたLCIデータの分析および環境影響評価処理を行う。さらに、代替案を含む統合構成ツリーを受け付けて、構成ツリーとして複数の構成を表示し、それぞれのLCIデータ関連づけと評価の処理とともに、代替案採用時の評価結果を表示する。
【0039】
評価条件受付部31では、参照するデータと、その優先順位を定義する。このとき、既に設定した評価条件は、評価条件記憶部28にて管理しているため、1度設定した後、変更がなければ再設定する必要はない。また、1つの製品モデルについては、評価条件を共有する。
【0040】
構成ツリー表示処理部32は、読み込んだBOM、LCIデータ、追記入力、編集したデータなどを表示するものである。
【0041】
代替案を含む統合構成ツリー受付変換部33は、各部門からの部品構成の代替案、プロセスフローの代替案、などを受け付けて、複数の代替案をBOM上に表示するものである。
【0042】
LCIデータ登録処理部34は、設定した評価条件にもとづき、部品分類、材料分類に対するLCIデータを記憶部2を検索することで、抽出してBOMに関連づけする処理である。
【0043】
環境影響評価処理部35は、登録されたLCIデータをもとに、LCA評価(インベントリ分析、インパクト評価)を行い結果を出力するものである。
【0044】
なお、上記構成の環境影響評価および設計支援システムは、CPUとメモリと、HDD等の外部記憶装置と、CD-ROMなどの記憶媒体からデータを読み取る読取装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、モニタやプリンタなどの出力装置と、ネットワークなどに接続するための通信装置と、これらの各装置を接続するバスと、を備えた一般的なコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされたプログラムを実行することで実現できる。このプログラムは、読取装置を介して記憶媒体から、あるいは、通信装置を介してネットワークから、外部記憶装置にダウンロードされ、メモリ 上にロードされてCPUにより実行されるようにしてもよい。あるいは、外部記憶装置を経由せずに、メモリ上に直接ロードされ、CPUにより実行されるようにしてもよい。なお、この場合において、記憶部2には、メモリや外部記憶装置が利用される。また、入出力部1には、読取装置や入力装置や出力装置や通信装置が該当する。なお図1に示したように、本システムはネットワークを介して、複数の使用者により操作することが可能である。
【0045】
次に、BOMとLCIデータの関連づけ処理について、図6〜図12を用いて説明する。はじめに、LCA評価を実行するユーザ情報、製品情報を受け付ける(S101)。この画面例を図7に示した。ユーザ情報として、ユーザID、ユーザ名称、所属部門、担当などの設定を行う。なお、ユーザIDを入力すると、その他の情報については会社/部門情報記憶部21から情報を抽出して表示する方法でよい。また、製品情報としては、製品名称、製品分類、製品型式(製品モデル)、製造年、製品の機能、外形寸法、製品本体質量、使用ステージに係わる仕様、輸送ステージに係わる輸送方法、回収ステージに係わる回収方法などの設定を行う。このとき、製品分類、については、定義済みのリスト値によるプルダウンメニューによる選択とする。また、製品分類ごとの表示項目を事前に設定しておき、製品分類を定義することで、製品機能欄の項目、使用ステージの項目などが設定される。ここで、「使用」、「輸送」、「回収」の項目に入力した内容は、各ステージのLCA計算用データとする。
【0046】
次に、LCIデータの自動関連づけを実行する指示(S102)を受け付けた場合、はじめに関連づけ条件が設定済みかの確認処理を行う。評価条件記憶部28は、製品分類で共通の製品モデル別LCIデータ関連づけ条件291、ユーザID単位での個別のユーザ別LCIデータ関連づけ条件292の2種類に分けて関連付け条件を管理する。ユーザ情報、製品情報として入力した、ユーザID、製品分類にもとづき、評価条件記憶部28を検索し、設定済の場合は参照し表示する(S105)。未設定の場合は、ユーザの設定条件をユーザ別LCIデータ関連づけ条件に格納する(S104)。条件設定の表示方法としては、図7の製品情報画面に示した「条件設定」ボタンによる別画面の表示とする。なお、製品モデル別LCIデータ関連づけ条件は、製品モデル単位で共通の条件であり、個別ユーザでの変更は不可とし、製品モデルとりまとめ者など管理者権限での管理とする。変更を行う場合は、ユーザ別LCIデータ関連づけ条件に登録する。図7の「登録」ボタンにより、変更内容をユーザ別LCIデータ関連づけ条件292に格納する。
【0047】
図7の「条件設定」ボタンにより、LCIデータ関連づけ条件の設定画面を表示する。図8に、設定画面の例を示す。図8に示したように、大きく3つの条件を設定する。第1に、部品構成情報(BOM)の取り込み設定を行う。ファイル指定の例を示したが、PDMなどのデータベースとのインターフェースを構築し、品名コードなどの指定により自動的に取り込む方法でもよい。また階層情報のない部品リストの形式でもよい。
【0048】
第2に、参照ファイルの設定(関連づけ条件の設定)を行う。ここでは、過去に評価したデータなどを蓄積した評価済みシナリオデータ、またBOMバージョン別に特定のシナリオを格納した例外シナリオデータ、分類別に標準的なシナリオを定義した分類別シナリオデータについての参照条件を設定する。例のように、評価済みシナリオデータについては、評価時点の設計BOMに対して、過去の部品構成を含めて全て上書きするか、差分の部品構成を追加するか、LCIデータのみを追加するかの設定を行う。また、本例では、ライフサイクルステージとして、素材製造、調達輸送、製品製造(部品製造、部品加工、製品製造など)、製品輸送、使用、回収、リサイクル、廃棄、としているが、どのステージの情報を参照して取り込むかの設定を行う。
【0049】
第3に、LCIデータの関連づけ処理を行う際に、複数候補が発生した場合の計算処理についての条件設定を行う。まず、部品構成およびLCIデータに関して複数候補から選択する優先順位として、「認定情報の有無」、「最新更新日」、または「優先順位を指定しない」の中から設定する。この図の例の場合、部品構成については、指定はなく、LCIデータについては、「認定」情報があれば、そのデータを優先する(認定情報がなければ、「指定なし」と同じ)、という設定となる。
【0050】
また、複数候補がある場合とは、大きく4種類のケースがある。1つ目は、設計部門にて部品構成案が複数存在するケースであり、例えば代替案や顧客仕様違いの構成があるケースである。2つ目のケースは、資材部門にて複数社購買を行っているケースであり、ひとつの品目コードに対して、複数の購入品が関連づくケースである。3つ目は、製造部門にて部品および材料の製造工程フローについての複数案が存在するケース、4つ目は、ひとつの部品、材料に対するLCIデータが複数存在し、選択肢が複数存在するケースである。これらの4種類のケースについての計算条件を設定する。図に示したように、最大値、平均値、最小値の少なくとも1つを設定する。上記の設定にもとづき、図6の処理において、S106、S107、S110(S111、S112、S113)が実行される。
【0051】
ここで、関連づけの概要について、図9を用いて説明する。なお本例は、BOMのバージョン1から3をまとめて示している。また関連づけ条件は、例外シナリオと分類別基本シナリオを参照した例としており、図3の例外シナリオ、図4の分類別シナリオ、を参照した例とした。図6のS106、S107の処理により、設計BOMに対して、品目コードに対する購入部品の情報、材料種類・質量などをデータベースから関連づける。BOMの構成情報に対して、例外シナリオを参照して、BOMのバージョンと部品および材料の情報が合致するLCIデータを取り込む(S110)。その後、分類別基本データを参照して、部品および材料の情報と合致するLCIデータを参照する(S113)。なお、設計BOMで扱う部品および材料のコードと、LCIデータで管理する部品および材料のコードは異なる場合が多いので、図10に示す変換テーブル(分類記憶部25)により、部品および材料のコードからLCIデータのコードへの変換を行い関連づけを容易にする。また図に示した「Bracket」の例のように、例外シナリオを優先しているため、例外シナリオで参照したデータと同じ材料であっても分類別基本シナリオのデータは参照しない。
【0052】
次に、図6の処理S114以降の説明をする。LCIデータ自動関連づけ処理において、BOMの構成において該当するLCIデータがなかった場合、「その他」データを割り当てる(S116)。またLCIデータの複数の候補がある場合、先の優先順位条件および計算条件にもとづき、LCIデータの作成日、認定情報などの条件から、候補の優先順位を決定し(S117)、生成結果を表示する(S120)。またLCIデータの自動関連づけ後、必要に応じて、編集を行う(S121)。このとき、編集履歴を編集履歴DBに蓄積する(S122、S123)。
【0053】
この生成結果および編集画面の例について、図11、図12をもとに、説明する。図11は、材料構成を関連づけた結果の例、図12は、製造プロセスを関連づけた結果の例を示す。
【0054】
図11は縦軸にBOMすなわち部品構成を示し、横軸には、LCIデータ名称を示した2元表である。縦軸のBOMの情報としては、階層レベル、品目コード、ALT-No.(代替案コードNo.)、機能コード、品目名称、数量、質量などを配置している。また、横軸のLCIデータ名称は、分類名称とで区分した例を示している。この分類は、大分類、中分類と複数設けてもよい。この2軸の交点に、各質量を表示している。また、図示したように、交点の端の列および行には、その集計値を表示する。またBOMにおいては、各階層ごとに集計値を積み上げ、LCIデータについては分類ごとにも集計値を表示する。なお、本シートでは、部品構成および材料構成に関する編集を行い、素材製造ステージのLCIデータとの関連づけを行う。
【0055】
また編集する場合は、値を変更する、あるいは部品名称を変更するといった操作、また、品目コード(部品の行)を追加するといった操作を行う。LCIデータの項目については、例えば、図示したように、「名称」欄のボタンをクリックすることで、表示する項目を絞り込むためのチェックボックスが表示され、選択することで絞り込み表示ができるとよい(「分類」についても同様)。
【0056】
また、図12に示したBOMと製造工程フローとの2元表において、縦軸は、図11と同じで、横軸に製造工程フローを表示する。ここで、部品または材料について参照したLCIのシナリオを表示する。また、編集する場合は、プルダウンメニューにより、製品製造ステージ、廃棄ステージ等のLCIデータ名称を表示し、選択により編集を可能とする。
【0057】
図11、図12の例のように必要に応じて編集を行う。この編集結果を含めて、結果を表示し(S124)、編集したデータについては、例外シナリオDBへの登録を促す(S125)。編集画面において、操作した際にフラグを立て、編集された項目と、例外シナリオデータに格納済みのデータとのチェックを行い、登録すべき範囲を表示し登録範囲の設定を受け付ける(S126)。選択された品目コードの編集履歴をもとに、例外シナリオDBへ登録する(S123)。なお、編集を不要と判断する場合は、そのままLCA評価用のデータを自動生成して、LCA評価を実行し、結果を出力してもよい。
【0058】
次に、本発明の環境影響評価および設計支援システムにおいて、複数の部門および複数の担当者から提示された設計改善案を受け付け評価する方法について、図11、図12、をもとに説明する。上述のとおり、BOMにLCIデータを関連づける際、複数候補があるケースとして大きく4種類があり、(1)設計部門の部品構成案の代替、(2)資材部門の複数社購買、(3)製造部門の製造工程フロー案、(4)複数のLCIデータ、のケースが考えられる。本実施例では、以下(1)(3)についての例を説明する。
【0059】
製品は、ユニットごと、あるいは、構造設計、電気設計といった担当ごとに、設計者がわかれて、1つの製品モデルの設計を行う。ここで、環境配慮設計における継続的な改善、のほか、コスト、機能面の要求を満足させるため、各設計者は複数の案を検討する。また、顧客により、基本の構成に対して、一部の機能の追加または削除、変更が生じる場合もある。設計部門において、ひとつの製品モデルに対して、いくつかの構成案を想定している。また同様に、製造部門においては、コストを安く、環境負荷を削減した製造が求められており、ひとつの部品をどの拠点で製造するか、あるいは、どのフローで製造するか、といった方法もいくつかの案を検討することになる。そのため、製造工程フローにおいても複数の案を想定している。
【0060】
このような製品モデルに部品構成および材料構成の複数案、製造工程フローの複数案を含めた構成をもつBOMについて、LCIデータの関連づけ処理を行う。
【0061】
図11、図12は、LCIデータ関連づけ処理後の結果の例であり、図11は、BOMに対して、複数の部品構成案、複数の材料構成案を表示した例を示す。図12は、同じBOMに対して、複数の製造工程フロー案を表示した例である。
【0062】
図11に示したALT-No.(代替案コードNo.)、機能コード、により、同じ機能(同じ機能コード)を有する部品またはユニット部品について、複数の品目(同じ品目コード)の案を表示する。また、図12に示したBOMと製造工程フローとの2元表においても同じ部品(または材料)において、複数の製造工程フローを表示する。この複数の案に対して、図8に示した評価条件にもとづき、評価結果を出力する。
【0063】
次に、各部門からの複数の代替案の登録と環境影響評価および設計支援システムでの受付処理の概要を図13を用いて説明する。図13のように、設計部門においては、同じ機能に対して、複数の部品構成を検討し、PDM等で設計案を管理する。また、資材部門では、ひとつの部品仕様(品目コード)に対して複数のサプライヤ(または製造元)の情報を管理する。また、製造部門においては、いくつかの製品の製造を勘案して、製造プロセス単位に、製造工程フロー案、また国内での製造と海外での製造など製造拠点を含めた製造工程フロー案を検討する。さらに、環境部門においては、購入部品に関するLCIデータおよび自社製造部門のLCIデータを管理し、データの確認を行うなど情報の認定を含め管理する。このような各部門における複数の代替案をイントラネット、インターネットなどの通信手段を通じて、部品構成情報については、部品構成情報履歴記憶部22に、購入部品情報については、部品情報記憶部23に、製造プロセス情報については工程情報記憶部24に、LCIデータについては、LCIデータ履歴記憶部26に格納する。この結果をもとに、上記の図6のフローにもとづき、BOMとLCIデータとの関連付けを行うことで、複数の代替案を含めたLCA評価を実施することができる。
【0064】
また、図14に、評価結果を分析した例を示す。横軸にBOMのバージョンの推移すなわち設計履歴を示し、縦軸にLCA評価結果の一例としてインベントリ分析の環境負荷項目CO2を選択した例を示す。なお本例では、設計初期段階から図8記載の評価条件をもとに継続して評価結果を蓄積した例とした。表示する環境負荷項目はプルダウンメニュー等で選択でき、CO2排出量の例を示した。また、設計履歴とともに、その時点の部品の認定率、LCIデータの認定率を表示する。このLCIデータの認定情報は、図2に示した履歴付きLCIデータテーブルを参照した結果である。また、本例では、素材製造、調達輸送、製品製造のステージを表示しているが、表示するステージを製造ステージのみで表示を絞ることで、製造部門向けの表示に、素材製造ステージまたは部品製造ステージで絞ることで、資材部門や部品設計向けの表示となり、各部門への改善余地を示すことができる。さらに、本図の設計履歴と各BOMバージョンの詳細評価結果とはリンクしており、BOMのバージョンを選択することで、評価条件を表示するとともに、評価結果を表示する。このように、BOMバージョンごとの評価結果とともに、BOMの履歴を関連づけたLCIデータとともに格納することで、環境配慮設計の根拠を蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態の環境影響評価および設計支援システムにおける構成を説明する図である。
【図2】実施の形態の説明に用いる履歴つきLCIデータの例を説明する図である。
【図3】実施の形態の説明に用いる分類別基本シナリオ記憶部の例を説明する図である。
【図4】実施の形態の説明に用いる例外シナリオ記憶部の例を説明する図である。
【図5】図4に関連した部品構成の模式図の例を説明する図である。
【図6】実施の形態の説明に用いるBOMとLCIデータの関連づけ処理を説明する図である。
【図7】実施の形態の説明に用いるユーザ情報、製品情報の受付画面の例を説明する図である。
【図8】実施の形態の説明に用いる評価条件設定画面の例を説明する図である。
【図9】実施の形態の説明に用いるLCIデータ関連づけの概要を説明する図である。
【図10】実施の形態の説明に用いる分類記憶部の例を説明する図である。
【図11】実施の形態の説明に用いる部品構成と材料構成の2元表の例を説明する図である。
【図12】実施の形態の説明に用いる部品構成と製造工程フローの例を説明する図である。
【図13】本発明の一実施形態の各部門の改善案登録結果を参照する環境録響評価および設計支援システムにおける構成を説明する図である。
【図14】本発明の一実施形態の評価結果の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
1…入出力部、2…記憶部、3 … 演算部、21…会社/部門情報記憶部 、22…部品構成情報履歴記憶部、23…部品情報記憶部、24…工程情報記憶部、25…分類記憶部、26…LCIデータ履歴記憶部、27…シナリオ記憶部、28…評価条件記憶部、31…評価条件受付部、32…構成ツリー表示処理部、33…代替案受付と統合構成ツリー表示処理部、34…LCIデータ登録処理部、35…環境影響評価処理部、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品から構成される製品に対して、設計段階で製品ライフサイクルを通じた環境影響評価を行うことを支援する設計支援システムであって、
ユーザよりの指示受付、およびユーザへの情報表示を行う入出力部と、
製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段と、
少なくとも部品分類、材料分類、プロセス分類と環境負荷量をライフサイクルステージごとに定義した、登録単位の識別情報が少なくとも識別コード、調査期間、調査地域、作成年月日を含むデータレコードにより構成されるLCIデータ履歴記憶部と、
設計過程における部品構成情報の更新履歴を蓄積した部品構成情報履歴記憶部と、
前記部品構成情報と前記LCIデータの両者の履歴を関連づけて管理を行い、前記部品構成情報の環境影響評価を行う際に、既に関連づけされた前記LCIデータを参照する処理、前記LCIデータの新規更新データを抽出し結果を出力する処理を行う演算部と、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
複数の部品から構成される製品に対して、設計段階で製品ライフサイクルを通じた環境影響評価を行うことを支援する設計支援システムであって、
ユーザよりの指示受付、およびユーザへの情報表示を行う入出力部と、
製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段と、
ライフサイクルステージ(LCI区分)、LCIデータ名称毎に環境負荷量を定義する情報であり、少なくとも識別コード、作成年月日、作成バージョン、会社コード(調査元)、調査期間、調査地域、調査方法のデータ項目を有するデータレコードにより成るLCIデータ履歴記憶部と、
設計過程における部品構成情報の更新履歴を蓄積した部品構成情報履歴記憶部と、
少なくとも設計、資材、製造の自社の部門情報記憶部と、
少なくとも部品調達先、製品納入先顧客、および関連の製造拠点の情報を有する会社情報記憶部と、
製品構成情報に関する基本情報として、部品の仕様、分類、材料構成情報、含有物質情報を格納する部品情報記憶部と、
部品および製品を製造する工程情報を格納する工程情報記憶部と、および
部門、会社から提示された代替案を統合した部品構成ツリーを受け付けて評価用部品構成ツリーに変換する処理、部品構成ツリーを表示する処理、部品構成ツリーとLCIデータとを関連づけを行うLCIデータ登録処理、LCIデータをもとにLCA計算を行う環境影響評価処理、および複数の代替案を統合した部品構成ツリーの結果を出力する処理を行う演算手段と、
を有することを特徴とする設計支援システム。
【請求項3】
複数の部品から構成される製品に対して、設計段階で製品ライフサイクルを通じた環境影響評価を行うことを支援する請求項2に記載の設計支援システムであって、
前記演算手段が、更に、設計プロセスの中で採用した案を部品構成情報の履歴として格納して管理し、構成ツリー表示処理部において採用履歴を含めて表示することを特徴とする設計支援システム。
【請求項1】
複数の部品から構成される製品に対して、設計段階で製品ライフサイクルを通じた環境影響評価を行うことを支援する設計支援システムであって、
ユーザよりの指示受付、およびユーザへの情報表示を行う入出力部と、
製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段と、
少なくとも部品分類、材料分類、プロセス分類と環境負荷量をライフサイクルステージごとに定義した、登録単位の識別情報が少なくとも識別コード、調査期間、調査地域、作成年月日を含むデータレコードにより構成されるLCIデータ履歴記憶部と、
設計過程における部品構成情報の更新履歴を蓄積した部品構成情報履歴記憶部と、
前記部品構成情報と前記LCIデータの両者の履歴を関連づけて管理を行い、前記部品構成情報の環境影響評価を行う際に、既に関連づけされた前記LCIデータを参照する処理、前記LCIデータの新規更新データを抽出し結果を出力する処理を行う演算部と、
を備えたことを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
複数の部品から構成される製品に対して、設計段階で製品ライフサイクルを通じた環境影響評価を行うことを支援する設計支援システムであって、
ユーザよりの指示受付、およびユーザへの情報表示を行う入出力部と、
製品設計を行う設計システムとのインターフェース手段と、
ライフサイクルステージ(LCI区分)、LCIデータ名称毎に環境負荷量を定義する情報であり、少なくとも識別コード、作成年月日、作成バージョン、会社コード(調査元)、調査期間、調査地域、調査方法のデータ項目を有するデータレコードにより成るLCIデータ履歴記憶部と、
設計過程における部品構成情報の更新履歴を蓄積した部品構成情報履歴記憶部と、
少なくとも設計、資材、製造の自社の部門情報記憶部と、
少なくとも部品調達先、製品納入先顧客、および関連の製造拠点の情報を有する会社情報記憶部と、
製品構成情報に関する基本情報として、部品の仕様、分類、材料構成情報、含有物質情報を格納する部品情報記憶部と、
部品および製品を製造する工程情報を格納する工程情報記憶部と、および
部門、会社から提示された代替案を統合した部品構成ツリーを受け付けて評価用部品構成ツリーに変換する処理、部品構成ツリーを表示する処理、部品構成ツリーとLCIデータとを関連づけを行うLCIデータ登録処理、LCIデータをもとにLCA計算を行う環境影響評価処理、および複数の代替案を統合した部品構成ツリーの結果を出力する処理を行う演算手段と、
を有することを特徴とする設計支援システム。
【請求項3】
複数の部品から構成される製品に対して、設計段階で製品ライフサイクルを通じた環境影響評価を行うことを支援する請求項2に記載の設計支援システムであって、
前記演算手段が、更に、設計プロセスの中で採用した案を部品構成情報の履歴として格納して管理し、構成ツリー表示処理部において採用履歴を含めて表示することを特徴とする設計支援システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−75993(P2009−75993A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246483(P2007−246483)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]