説明

診療用インスツルメント及び診療ユニット

【課題】本体と診療用インスツルメントとの連動が容易になり、本体の構成が簡素になる診療用インスツルメントを提供する。
【解決手段】診療用インスツルメント106は、複数の本体側コネクタ122のいずれかに着脱される。診療用インスツルメント106は、電流・エア流・水流等により駆動エネルギーの供給を受けて駆動される診療機器128と、本体104から駆動エネルギーの供給を受けるカセット130と、カセット130から診療機器128へ駆動エネルギーを伝達するチューブ132とを備える。カセット130には、識別情報源から得た情報から診療用インスツルメント106が接続された本体側コネクタを識別し、識別結果の情報をユニット制御回路144へ送信する駆動制御回路134が内蔵される。チューブ132の一端は、診療機器128に接続され、チューブ132の他端は、カセット130に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療用インスツルメント及び診療ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
医科又は歯科の診療に用いる診療ユニットには、診療ユニットの本体が備える複数の本体側コネクタに必要な診療用インスツルメントを接続するように構成されたものがある。
【0003】
例えば、特許文献1〜5の診療ユニットは、本体が備える複数の本体側コネクタに必要な診療用インスツルメントを接続し、本体から診療用インスツルメントへ電流、水流、エア流等を供給している。特許文献1〜5の診療ユニットは、診療用インスツルメントの主要部を構成する手持ち診療機器の駆動を、診療ユニット本体が制御している。
【0004】
また、特許文献4は、診療ユニット本体が診療機器を識別するための情報を、診療機器から本体へ送信することに言及しており、特許文献5は、診療機器を識別する情報を診療機器から本体へ送信することに加えて、診療機器の駆動を制御するのに必要な情報、例えばパラメータやプログラムコードを、診療機器から本体へ送信することに言及している。
【0005】
しかし、特許文献1〜5の診療ユニットは、本体側コネクタに接続される診療用インスツルメントの種類が増加すると、本体の構成が複雑になるという問題を有する。そこで、特許文献6のように、複数の診療用インスツルメントに共通する要素を本体の側に設け、診療用インスツルメントの各々に固有の要素を診療用インスツルメントの側に設けることも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−258654号公報
【特許文献2】特開2007−151867号公報
【特許文献3】特開2000−254153号公報
【特許文献4】特開2002−35009号公報
【特許文献5】特開2004−41587号公報
【特許文献6】特開2002−336281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の診療ユニットは、診療用インスツルメントが接続された本体側コネクタを特定することができないため、本体と診療用インスツルメントとの連動が困難で、本体の構成が複雑になっていた。
【0008】
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、本体と診療用インスツルメントとの連動が容易になり、本体の構成が簡素になる診療用インスツルメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、診療装置の本体が備える複数の本体側コネクタのいずれかに着脱される診療用インスツルメントであって、駆動エネルギーの供給を受けて駆動される手持ち診療機器と、前記本体側コネクタに着脱され前記本体から駆動エネルギーの供給を受ける着脱体と、一端が前記手持ち診療機器に接続され、他端が前記着脱体に接続され、前記着脱体から前記手持ち診療機器へ駆動エネルギーを伝達する伝達路を備える可撓チューブと、を備え、前記着脱体は、前記本体側コネクタに嵌合されるインスツルメント側コネクタと、前記本体側コネクタの各々に対応して前記本体に設けられた情報源から得た情報から接続された前記本体側コネクタを識別し、識別結果の情報を前記本体に送信するインスツルメント側電子回路と、を備える。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の診療用インスツルメントにおいて、前記インスツルメント側電子回路が、さらに、前記診療用インスツルメントを識別する情報を前記本体に送信する。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の診療用インスツルメントにおいて、駆動エネルギーの全部又は一部が電力により供給され、前記インスツルメント側電子回路が、さらに、前記手持ち診療機器の駆動電源の情報を前記本体に送信する。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2の診療用インスツルメントにおいて、駆動エネルギーの全部又は一部が流体流により供給され、前記インスツルメント側電子回路が、さらに、前記手持ち診療機器の駆動流量の情報を前記本体に送信する。ここでいう流体流とは、水流や空気流といった診療機器を駆動するための流体流を意味する。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメントにおいて、前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の抵抗値を有する電気抵抗であり、前記インスツルメント側電子回路が、前記電気抵抗の抵抗値から接続された前記本体側コネクタを識別する。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメントにおいて、前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の識別符号を送信する送信回路であり、前記インスツルメント側電子回路が、前記送信回路が送信した識別符号から接続された前記本体側コネクタを識別する。請求項7の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメントにおいて、前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の識別符号を有する素子であり、前記インスツルメント側電子回路が、前記素子が有する識別符号を読み取ることで接続された前記本体側コネクタを識別する。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメントにおいて、前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の通電端子間の結線であり、前記インスツルメント側電子回路が、前記結線による通電状態から接続された前記本体側コネクタを識別する。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかの診療用インスツルメントにおいて、駆動エネルギーの全部又は一部が電力によって供給及び伝達され前記インスツルメント側電子回路が前記手持ち診療機器の駆動を制御する。
【0017】
請求項10の発明は、複数の本体側コネクタを備える本体と、請求項1ないし請求項9のいずれかの診療用インスツルメントと、を備え、前記本体は、前記インスツルメント側電子回路が送信した情報を受信する本体側電子回路と、前記本体側電子回路が受信した情報に基づいて駆動エネルギーの供給を制御する制御機構と、を備える。
【0018】
請求項11の発明は、請求項10の診療装置において、駆動エネルギーの全部又は一部が電力により供給され、前記本体側電子回路は、前記診療用インスツルメントへ供給する電源を調整する。
【0019】
請求項12の発明は、請求項10の診療装置において、駆動エネルギーの全部又は一部が流体流により供給され、前記本体は、前記診療用インスツルメントへ供給する流体流の流量を調整する調整機構、をさらに備える。
【発明の効果】
【0020】
請求項1ないし請求項11の発明によれば、診療用インスツルメントが接続された本体側コネクタを診療用インスツルメントにおいて特定し診療用インスツルメントから本体に知らせるので、診療用インスツルメントの交換や増設、及び、本体と診療用インスツルメントとの連動が容易になり、本体の構成が簡素になる。インスツルメントの接続部が各インスツルメント間で互換性のあるマルチジョイント方式であれば、より交換や増設が良いとなる。なお、前記着脱体から前記手持ち診療機器へ駆動エネルギーを伝達する伝達路を備える可撓チューブは、前記着脱体及び前記手持ち診療機器に対し、固定されていてもよく、また着脱自在に接続されていてもよい。
【0021】
請求項2の発明によれば、接続された診療用インスツルメントが本体において特定されるので、診療用インスツルメントに適した駆動エネルギーが本体から診療用インスツルメントへ供給される。
【0022】
請求項3の発明によれば、接続された診療用インスツルメントの手持ち診療機器の駆動電圧が本体において特定されるので、適切な電圧で本体から診療用インスツルメントへ電力が供給される上に、新たな機能を持つ手持ち診療機器を容易に増設することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、接続された診療用インスツルメントの手持ち診療機器の駆動流量が本体において特定されるので、適切な流量で本体から診療用インスツルメントへ流体流が供給される上に、新たな機能を持つ手持ち診療機器を容易に増設することができる。
【0024】
請求項5ないし請求項7の発明によれば、簡素な構成で診療用インスツルメントが接続された本体側コネクタを識別することができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、手持ち診療機器の駆動を本体で制御しないので、本体の構成が簡素になる。また、新種の診療用インスツルメントを接続する場合でも、新種の診療用インスツルメントを駆動するために必要な新たな制御機構を付加するといった本体の改造をする必要がない。
【0026】
請求項9ないし請求項11の発明によれば、診療用インスツルメントへの駆動エネルギーの供給が本体の側から調整されるので、適切な診療用インスツルメントの駆動が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】診療ユニットの斜視図である。
【図2】本体側接続部の内部の斜視図である。
【図3】診療用インスツルメントの模式図である。
【図4】本体側接続部及び診療用インスツルメントの内部のブロック図である。
【図5】駆動制御回路による本体側コネクタの識別の第1の例を説明する図である。
【図6】駆動制御回路による本体側コネクタの識別の第2の例を説明する図である。
【図7】駆動制御回路による本体側コネクタの識別の第3の例を説明する図である。
【図8】診療ユニットの初期動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】本体の操作部に対して行われた操作を反映する処理を説明する図である。
【図10】診療用インスツルメントの操作部に対して行われた操作を反映する処理を説明する図である。
【図11】接続チャンネル及び機器種別の情報の表示の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
{診療ユニット102の概略}
図1は、望ましい実施形態の診療ユニット102の模式図である。図1は、診療ユニット102の斜視図となっている。図1に示す診療ユニット102は、チェア108を備え歯科の診療に用いる歯科用チェアユニットである。ただし、このことは、歯科用チェアユニット以外の診療ユニット、例えば、耳鼻咽喉科等の他の診療科の診療に用いる診療ユニットやチェアを備えない診療ユニットに本発明を適用することを妨げない。診療ユニット102は、床面に据え付けられた本体104に必要な診療用インスツルメント106を接続して用いる。
【0029】
図1に示すように、本体104は、昇降及び傾動して被術者を仰臥位で着座させるチェア108と、診療用インスツルメント106を保持し術者の操作を受け付けるトレー110と、トレー110を保持するトレーアーム112と、被術者の口腔内を照明するデンタルライト114と、デンタルライト114を保持するライトポール116と、うがい水を供給し被術者が吐き出したうがい水を回収するベースンユニット118と、診療用インスツルメント106が接続される本体側接続部120とを備える。なお、これらの構成物の一部を本体104から省略してもよいし、これらの構成物以外の構成物、例えば、チェア108や診療用インスツルメント106の駆動を操作するための操作機能を一部受け持った足踏み式コントローラ等を、本体104に追加してもよい。図1は、本体側接続部120をトレー110の下側に設ける場合を示しているが、本体側接続部120を設ける場所はトレー110の下側に限られず、例えば、チェア108の背板内部や、チェア108の背板の上部つまり被術者の肩口付近に設けても差し支えない。
【0030】
{本体側接続部120の内部の構造物}
図2は、本体側接続部120の内部の構造物の模式図である。図2は、本体側接続部120の内部の構造物の斜視図となっている。
【0031】
図2に示すように、本体側接続部120は、診療用インスツルメント106が接続される複数の本体側コネクタ122を備える。本体側コネクタ122はどれも同様の器械的構成であって、どの本体側コネクタ122にどの診療用インスツルメント106を接続するのかは自在である。図2は、本体側接続部120が5個の本体側コネクタ122を備える場合を示しているが、本体側接続部120が備える本体側コネクタ122の数を増減してもよい。
【0032】
本体側コネクタ122及びその付属物を組み立てて一体化したアセンブリ124は共通のベース126に着脱することができる。これにより、アセンブリ124の交換、修理等が容易になるため、本体側コネクタ122の付属物、例えば、流体供給用チューブや導電回路を、各々のみ取り出して洗浄や交換を行うことが容易になる。
【0033】
{診療用インスツルメント106の概略}
図3は、診療用インスツルメント106の模式図である。
【0034】
診療用インスツルメント106は、複数の本体側コネクタ122のいずれかに着脱される。診療用インスツルメント106は、電流、エア流及び水流により駆動エネルギーの供給を受けて駆動される手持ち診療機器128(以下本明細書においては省略して「診療機器128」と記載する)と、本体104から駆動エネルギーの供給を受けるカセット型の着脱体130(以下本明細書においては省略して「カセット130」と記載する)と、カセット130から診療機器128へ駆動エネルギーを伝達するチューブ132とを備える。
【0035】
図3は、診療機器128がエア流の供給を受けて先端に装着された切削工具を回転させるエアタービンハンドピースである場合を示しているが、診療機器128はエアタービンハンドピースに限られない。例えば、診療機器128には、エア流の供給を受けて切削工具を回転させるエアモータハンドピース、電力の供給を受けて切削工具を回転させる電気モータハンドピース、エア流の供給を受けてスケーラチップを振動させるエアスケーラ、電力の供給を受けてスケーラチップを振動させる超音波スケーラ、電力の供給を受けて光重合レジンを重合させる光を照射する光重合照射器、電力の供給を受けて口腔内を撮像する口腔内カメラ、エア流及び水流の供給を受けてエア及び水の両方又は片方を噴射するスリーウェイシリンジ、スリーウェイシリンジに加熱手段を組み合わせて冷却と温熱とを切り替える機能を付加したシックスウェイシリンジ等がある。
【0036】
診療機器128は、術者の手持ちに適した、すなわち、術者に容易に握持され自在に取り回される形状、大きさ及び重さを有する。
【0037】
カセット130は、インスツルメント側コネクタ138を介して本体側コネクタ122に着脱される。これにより、新たな診療用インスツルメント106を増設すること、既にある診療用インスツルメント106を他の診療用インスツルメント106に交換すること、既にある診療用インスツルメント106を撤去すること等が容易になる。
【0038】
{カセット130への駆動制御回路134の内蔵}
図3に示すように、カセット130は、診療機器128とはチューブ132を挟んで逆の端に設けられるので、カセット130が若干大きくなりあるいは重くなっても術者の手技の妨げとはならない。このため、カセット130には、手持ちに適した形状、大きさ及び重さを有すべき診療機器128に内蔵させることが困難な電子回路も内蔵させることができる。例えば、大電流をスイッチングするMOSFET、IGBT、リレー等を含む電子回路、高度な制御を行う複雑な電子回路等もカセット130に内蔵することができる。このことを利用して、診療ユニット102では、診療機器128の駆動を制御する駆動制御回路134をカセット130に内蔵する。このため、本体104は、駆動に必要なものとして診療用インスツルメント106より要求された電力、水流及びエア流を供給するだけで、診療機器128の駆動を直接制御しない。これにより、本体104の構成が簡素になるとともに、本体104を製造したときには想定していない新種の診療用インスツルメント106を接続するときに本体104を改造する必要がない。
【0039】
ただし、診療機器128が電力の供給をまったく受けない場合等、例えば、診療機器128が水流及びエア流等の流体流の供給だけを受けて駆動され、電力の供給を受けて駆動されるライト等も備えていないエアタービンハンドピースやスリーウェイシリンジである場合、駆動制御回路134は水流及びエア流の量を調整する、あるいは、駆動制御回路134による診療機器128の駆動の制御は行わない。後者の場合、駆動制御回路134は、後述するユニット制御回路144との通信を主に担う。
【0040】
カセット130は、駆動制御回路134の他、駆動制御回路134を保護する筐体136と、本体側コネクタ122に嵌合されるインスツルメント側コネクタ138と、チューブ132が接続されるカセット側コネクタ140とを備える。駆動制御回路134は、筐体136の内部に収容される。インスツルメント側コネクタ138及びカセット側コネクタ140の嵌合面は、筐体136の外面に露出する。
【0041】
{チューブ132の構造}
チューブ132は、筒状の外皮の中に駆動エネルギーの伝達路を収容した構造を有する。この伝達路により、カセット130から診療機器128へ、電力や流体流といった駆動エネルギーが伝達される。
【0042】
チューブ132の一端は、診療機器128に接続され、チューブ132の他端は、カセット130に接続される。チューブ132の他端には、カセット側コネクタ140に嵌合するチューブ側コネクタ142が設けられる。したがって、チューブ132は、カセット130に着脱される。ここで、基本的に駆動制御回路134は診療機器128に応じた駆動制御を行う専用品であり、駆動制御回路134と診療機器128とは一対一の関係にあるため、カセット側コネクタ140とチューブ側コネクタ142とが相互に接続されることだけを念頭に接続機構の設計を行えばよい。すなわち、接続機構の設計が異なる他のカセットや他のチューブを接続することを考慮する必要がなく、器種間の設計の整合性を図る必要がない。また、他のカセットや他のチューブと接続されることに備えて識別手段としての信号用部品等を付加する必要もなくなり、カセット130やチューブ側コネクタ142の構造の簡素化や小型化を図ることもできる。また、カセット130とチューブ132とが着脱されない構成としても差し支えない。その場合、カセット側コネクタ140及びチューブ側コネクタ142を省略してカセット130とチューブ132とを直付けすることになる。ただし、カセット130にチューブ132が着脱されることには、チューブ132の清掃が容易になるという利点やカセット130の修理、交換等が容易になるという利点がある。
【0043】
チューブ132は、柔軟な材質で構成され、可撓である。これにより、診療機器128の取り回しが容易になる。
【0044】
{本体104及び診療用インスツルメント106の内部}
図4は、本体104及び診療用インスツルメント106の内部をより詳細に説明する図である。図4は、本体104及び本体104に接続された診療用インスツルメント106の内部のブロック図である。図4は、2本の診療用インスツルメント106を接続した状態を示しているが、接続する診療用インスツルメント106の数を増減してもよい。
【0045】
図4に示すように、本体104の内部には、診療ユニット102を制御するユニット制御回路144と、診療用インスツルメント106へ水流を供給する経路となる配管146と、診療用インスツルメント106へエア流を供給する経路となる配管148と、ユニット制御回路144と駆動制御回路134との通信の経路となる通信バス150と、ユニット制御回路144から駆動制御回路134へ電力を供給する経路となる配線152と、配管146から診療用インスツルメント106の各々へ供給する水流の流量を調整する流量調整機構154と、配管148から診療用インスツルメント106の各々へ供給するエア流の流量を調整する流量調整機構156と、本体側コネクタ122の各々を識別する識別情報の源となる識別情報源158とが設けられる。流量調整機構154,156及び識別情報源158は、本体側コネクタ122の各々に対応して設けられる。また、通信バス150及び配線152のユニット制御回路144側の端部は、複数の本体側コネクタ122に共通である。
【0046】
ユニット制御回路144は、配線152に印加する電圧、すなわち、診療用インスツルメント106に供給する電圧を調整する。また、流量調整機構154,156は、流体流の流量を調整するサーボ比例弁等の機構である。流量調整機構154,156は、それぞれ、ユニット制御回路144から与えられた電気信号に応じて、診療用インスツルメント106に供給する水流及びエア流の流量を調整する。ユニット制御回路144及び流量調整機構154,156により、診療用インスツルメント106に供給される駆動エネルギーが調整される。なお、診療用インスツルメント106によっては、配線152、流量調整機構154,156のいずれかを要しないものもある。例えば、診療用インスツルメント106が備える診療機器128が口腔内カメラであれば、エア流及び水流を用いないため、流量調整機構154,156を要しない。また例えば、診療機器128が照明機構の無いスリーウェイシリンジであれば、配線152を要しない。しかし、これらの場合であっても、各診療用インスツルメント106が本体側コネクタ122のいずれに接続されてもよいように、本体側コネクタ122のいずれもが配線152、流量調整機構154,156を備えているのが望ましい。
【0047】
カセット130の内部には、駆動制御回路134の他、本体104から供給を受けた水流をチューブ132へ導く配管160と、本体104から供給を受けたエア流をチューブ132へ導く配管162とが設けられる。診療機器128へ水流を供給する必要がない場合は、配管160を省略してもよく、診療機器128へエア流を供給する必要がない場合は、配管162を省略してもよい。
【0048】
チューブ132の内部には、電流の伝達路となる配線168と、水流の伝達路となる配管164と、エア流の伝達路となる配管166とが設けられる。
【0049】
チューブ132は、診療機器128の種類によらず同じものであってもよいし、診療機器128の種類により異なるものであってもよい。診療機器128の種類によりチューブ132が異なる場合、診療機器128の駆動に不要な駆動エネルギーの伝達路を省略してもよい。例えば、診療機器128へ電力を供給する必要がない場合、配線168を省略し、水流を供給する必要がない場合、配管164を省略し、エア流を供給する必要がない場合は、配管166を省略する。
【0050】
診療機器128の内部には、駆動エネルギーの供給を受けて駆動される駆動部170がある。駆動部170は、エアタービン、エアモータ、電気モータ、エアアクチュエータ、電気アクチュエータ、ライト、イメージセンサ等である。
【0051】
{駆動制御回路134による本体側コネクタ122の識別}
駆動制御回路134は、識別情報源158から得た情報に基づいて、診療用インスツルメント106が接続された本体側コネクタ122を識別し、識別結果の情報をユニット制御回路144へ送信する。これにより、診療用インスツルメント106が接続された本体側コネクタ122を診療用インスツルメント106において特定し診療用インスツルメント106から本体104へ知らせるので、診療用インスツルメント106の交換や増設、及び、本体104と診療用インスツルメント106との連動が容易になり、本体104の構成が簡素になる。例えば、電圧を調整する回路を本体側コネクタ122の各々に対応して設ける必要がなくなる。
【0052】
駆動制御回路134による本体側コネクタ122の識別は、どのように行ってもよいが、ここでは、簡素な構成で診療用インスツルメント106が接続された本体側コネクタ122を識別することができる三例を説明する。
【0053】
図5は、駆動制御回路134による本体側コネクタ122の識別の第1の例を説明する図である。
【0054】
図5に示すように、第1の例においては、本体側コネクタ122の各々に固有の抵抗値を有する、すなわち、本体側コネクタ122ごとに抵抗値が異なる電気抵抗172を識別情報源158として設け、電気抵抗172を本体側コネクタ122の通電端子に接続する。駆動制御回路134は、本体側コネクタ122及びインスツルメント側コネクタ138の通電端子を介して接続された電気抵抗172の抵抗値を読み取り、電気抵抗172の抵抗値から本体側コネクタ122を識別する。
【0055】
電気抵抗172の抵抗値からの本体側コネクタ122の識別は、どのように行ってもよいが、例えば、電気抵抗172に一定の電流を流し、電気抵抗172の両端の電圧が閾値を超えるか否かをコンパレータで検出することにより行う。当該電圧をA/Dコンバータでデジタル値に変換し、組み込みコンピュータにより本体側コネクタ122を識別してもよい。
【0056】
電気抵抗172の抵抗値から本体側コネクタ122を識別するのが容易さの点から望ましいが、このことは、キャパシタのキャパシタンスやインダクタのインダクタンスから本体側コネクタ122を識別すること、より一般的には、素子のインピーダンスから本体側コネクタ122を識別することを妨げない。
【0057】
図6は、駆動制御回路134による本体側コネクタ122の識別の第2の例を説明する図である。
【0058】
図6に示すように、第2の例においては、本体側コネクタ122の各々に固有の識別符号をデジタル信号にして送信する送信回路176を識別情報源158として設ける。送信回路176は、ユニット制御回路144の一部であってもよいし、ユニット制御回路144とは別の回路であってもよい。また、送信回路176は単体の素子であってもよい。駆動制御回路134は、送信回路176が送信した識別符号から接続された本体側コネクタ122を識別する。また、当該第2の例をさらに応用することもできる。例えば、送信回路176に代えて、識別符号を記憶保存しておき駆動制御回路134に識別符号を読み取らせるRFID(Radio Frequency IDentification:電波による識別)タグを設けることができる。この場合、駆動制御回路134による識別符号の読み取りは非接触で行うこととなり、電気接点を要しない。
【0059】
図7は、駆動制御回路134による本体側コネクタ122の識別の第3の例を説明する図である。
【0060】
図7に示すように、第3の例においては、本体側コネクタ122の各々に固有の通電端子の間の結線178を識別情報源158として設ける。そして、駆動制御回路134は、結線178による通電状態から本体側コネクタ122を識別する。
【0061】
{駆動制御回路134による診療用インスツルメント106を識別する情報の送信}
駆動制御回路134は、本体104が診療用インスツルメント106を識別するための情報を、ユニット制御回路144へ送信することが望ましい。これにより、接続された診療用インスツルメント106がユニット制御回路144において特定されるので、診療機器128に適した駆動エネルギーが本体104から診療用インスツルメント106へ供給される。「識別するための情報」は、診療用インスツルメント106の個体ごとに固有の情報、例えば、製品のシリアルナンバーに相当する情報等であってもよいし、駆動に必要な電力(電流及び電圧。以下では、「駆動電力」という)、水流の流量(以下では、「駆動水流流量」)及びエア流の流量(以下では、「駆動エア流流量」という)が同じ診療用インスツルメント106ごとに固有の情報、例えば、製品の型番に相当する情報であってもよい。
【0062】
{駆動制御回路134による駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報の送信}
駆動制御回路134が、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報をユニット制御回路144へ送信することも望ましい。例えば、駆動エネルギーの全部又は一部が電力により供給される場合は、診療機器128が定格の能力を発揮することができる駆動電力の情報を送信し、駆動エネルギーの全部又は一部が水流及びエア流により供給される場合は、それぞれ、診療機器128が定格の能力を発揮することができる駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報を送信する。これにより、接続された診療用インスツルメント106の診療機器128の駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量がユニット制御回路144において特定されるので、診療機器128に適した電圧又は流量で電力又は流体流が診療機器128へ供給される。
【0063】
{診療ユニット102の初期動作}
図8は、電源をオン(ON)したときの診療ユニット102の初期動作の流れを示すフローチャートである。図8の左側は、診療用インスツルメント106、右側は本体104の動作の流れを示している。また、左右のフローチャートを結ぶ点線は、診療用インスツルメント106と本体104との間で行われる通信を示している。
【0064】
図8に示すように、診療用インスツルメント106の側にある駆動制御回路134は、電源がオンされると、識別情報源158から得た情報から接続された本体側コネクタ122(以下では、「接続チャンネル(接続CH)」という)を識別し(ステップS101)、識別した接続チャンネル及び診療用インスツルメント106を識別する機器種別をユニット制御回路144へ送信する(ステップS102)。
【0065】
続いて、駆動制御回路134は、ユニット制御回路144の応答の待機状態となる(ステップS103)。
【0066】
応答の待機状態となった駆動制御回路134は、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報の要求(以下では、「電圧等情報要求」という)をユニット制御回路144から受信すると(ステップS103で"電圧等情報要求")、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報の報告(以下では、「電圧等情報報告」という)をユニット制御回路144へ送信する(ステップS104)。また、電流、水流及びエア流の供給の準備が完了したことの報告(以下では、「供給報告」という)をユニット制御回路144から受信すると、通常の動作を行うノーマルモードへ移行する。
【0067】
一方、本体104の側にあるユニット制御回路144は、電源がオンされると、診療用インスツルメント106から送信される接続チャンネル及び機器種別の報告(以下では、「接続報告」という)の待機状態となるが(ステップS111)、診療用インスツルメント106の接続報告があると(ステップS111で"Y")、接続チャンネル及び機器種別を駆動制御回路134から受信して接続チャンネル及び機器種別を認識する(ステップS112)。
【0068】
続いて、ユニット制御回路144は、機器種別が既知であるか否か、すなわち、機器種別から駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量を特定することができるかどうかを判定する(ステップS113)。そして、ユニット制御回路144は、機器種別が既知でない場合は(ステップS113で"N")、電圧等情報要求を駆動制御回路134へ送信し(ステップS114)、駆動制御回路134からの応答を受けるための待機状態になる(ステップS115)。
【0069】
応答の待機状態となったユニット制御回路144は、電圧等情報報告を駆動制御回路134から受信すると(ステップS115で"Y")、電圧等情報を認識し(ステップS116)、認識した駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量で電流、水流及びエア流が本体104から診療用インスツルメント106へ供給されるように電圧及び流量を調整し(ステップS117)、供給報告を駆動制御回路134へ送信し(ステップS118)、ノーマルモードへ移行する。以上は電圧制御により電力を調整する場合の流れであるが、電圧に替えて、あるいは電圧とともに、電流値を制御しても差し支えない。
【0070】
このような初期動作の流れにより、ユニット制御回路144は、機器種別が既知である場合は、機器種別から駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量を特定し、機器種別が既知でない場合は、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報を駆動制御回路134から取得する。これにより、機器種別が既知である場合は、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量の情報を送受信するための通信を省略することができ、機器種別が既知でない場合、すなわち、本体104の製造時に想定しておらず過去に接続された実績もない診療用インスツルメント106が接続された場合でも、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量を特定することができる。ただし、このことは、機器種別の送受信を省略し、駆動電力、駆動水流流量及び駆動エア流流量を初期動作のたびにユニット制御回路144と駆動制御回路134との間で送受信することを妨げない。
【0071】
{診療機器128の動作への操作の反映}
図9及び図10は、それぞれ、本体104及び診療用インスツルメント106の操作部に対して行われた操作を診療機器128の動作に反映させるための処理を説明する図である。図9は、本体104の操作部に対して術者が行う操作、本体104と診療用インスツルメント106との間の通信並びに本体104から診療用インスツルメント106への電力、水流及びエア流の供給を矢印で示している。また、図10は、診療用インスツルメント106の操作部に対して術者が行う操作、診療用インスツルメント106と本体104との間の通信及び本体104から診療用インスツルメント106への電力、水流及びエア流の供給を矢印で示している。本体104の操作部は、典型的には、トレー110の上面に設けられた操作パネルにあるが、フットコントローラ等で操作を受けつけるようにしてもよい。また、操作の対象となる操作部材には、スイッチ、タッチパネル、可変抵抗器、ロータリーエンコーダ等がある。
【0072】
図9に示すように、本体104の操作部に対して術者が設定変更操作を行うと(矢印OP102)、本体104のユニット制御回路144から診療用インスツルメント106の駆動制御回路134へ設定変更連絡が送信される(矢印CM104)。これに応答して、駆動制御回路134は、必要であれば、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の変更要求をユニット制御回路144へ送信し(矢印CM106)、ユニット制御回路144は、この変更要求に応じて、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量を変更する(矢印SP108)。これにより、診療用インスツルメント106への駆動エネルギーの供給が本体104の側から調整されるので、適切な診療用インスツルメント106の駆動が実現される。
【0073】
また、本体104の操作部に対して術者が診療機器128の動作を開始させるためのオン操作を行うと(矢印OP110)、ユニット制御回路144は、駆動制御回路134へオン命令を送信する(矢印CM112)。このオン命令には、駆動制御回路134による診療機器128の駆動の制御に必要なパラメータの連絡も伴う。このオン命令に応答して、駆動制御回路134は、本体104に対して応答するとともに(矢印CM114)、必要であれば、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の変更要求をユニット制御回路144へ送信し(矢印CM116)、ユニット制御回路144は、この変更要求に応じて、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量を変更する(矢印SP118)。矢印CM114の応答は、診療用インスツルメント106の異常をユニット制御回路144が検出するために用いることもできる。すなわち、ユニット制御回路144は、駆動制御回路134にオン命令を送信してから一定時間経過しても応答が返信されない場合は、駆動制御回路134に異常が発生しているとみなして、安全のために駆動エネルギーの供給を停止する。このような異常の検出は、診療用インスツルメント106が通信機能を有するために可能となっている。
【0074】
さらに、駆動制御回路134は、診療機器128を動作させ、診療機器128の駆動を制御する(矢印CT120)。
【0075】
このように、本体104の操作部に対して術者が行った操作を診療機器128の動作へ反映させる場合は、ユニット制御回路144は、術者の操作を検出し、駆動制御回路134に操作の内容を連絡するが、診療機器128の駆動の制御は行わない。すなわち、本体104は、電流、水流及びエア流により駆動エネルギーを供給し、駆動制御回路134から受信した情報に基づいて駆動エネルギーの供給の調整、すなわち、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の調整を行うが、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の調整以外に必要な診療機器128の制御、例えば、電気モータの回転の正逆の切り替え、電気モータの回転数、ライトの点消灯の切り替え、ライトの明るさ等の制御は、診療用インスツルメントが持つ駆動制御回路134の役割である。
【0076】
一方、図10に示すように、診療用インスツルメント106の操作部に対して術者が設定変更操作を行うと(矢印OP120)、駆動制御回路134は、必要であれば、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の変更要求をユニット制御回路144へ送信し(矢印CM122)、ユニット制御回路144は、この変更要求に応じて、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量を変更する(矢印SP124)。
【0077】
また、診療用インスツルメント106の操作部に対して術者がオン操作を行うと(矢印OP126)、駆動制御回路134は、必要であれば、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の変更要求をユニット制御回路144へ送信し(矢印CM128)、ユニット制御回路144は、この変更要求に応じて、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量を変更する(矢印SP130)。
【0078】
さらに、駆動制御回路134は、診療機器128を動作させ、診療機器128の駆動を制御する(矢印CT132)。
【0079】
このように、診療用インスツルメント106の操作部に対して術者が行った操作を診療機器128の動作へ反映させる場合も、ユニット制御回路144は、診療機器128の駆動の制御は行わない。すなわち、本体104は、電流、水流及びエア流により駆動エネルギーを供給し、電圧、水流の流量及びエア流の流量の調整を行うが、電圧、電流値、水流の流量及びエア流の流量の調整以外に必要な診療機器128の制御は、診療用インスツルメントが持つ駆動制御回路134の役割である。
【0080】
{接続された診療用インスツルメント106のディスプレイへの表示}
診療用インスツルメント106から本体104が受け取った接続チャンネル及び機器種別の情報を診療ユニット102に設けた表示装置(ディスプレイ)に表示し、術者の便宜を図ってもよい。図11は、そのような表示の一例である。図11には、各接続チャンネルに接続されている診療用インスツルメント106の機器種別が、スリーウェイシリンジ、第1のエアタービンハンドピース(ハイスピードハンドピース1)、第2のエアタービンハンドピース(ハイスピードハンドピース2)、電気モータハンドピース(ロースピードハンドピース)、スケーラハンドピースのいずれかであることを想定して、「WS」「HS1」「HS2」「LS」「SC」等の略称でディスプレイ180表示されている。このディスプレイを、本体104のトレー110に設けるか、チェア108の背板肩口に設けるか、さらにはより表示を簡略化して各機器種別に対応した1つずつのLEDの点灯で表示する構成とするか、といった設計上の工夫は適宜為されうる。
【符号の説明】
【0081】
102 診療ユニット
104 本体
106 診療用インスツルメント
120 本体側接続部
122 本体側コネクタ
128 診療機器
130 着脱体(カセット)
132 チューブ
134 駆動制御回路
144 ユニット制御回路
152 配線
154,156 流量調整機構
158 識別情報源
164,166 配管
168 配線
172 電気抵抗
176 送信回路
178 結線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療ユニットの本体が備える複数の本体側コネクタのいずれかに着脱される診療用インスツルメントであって、
駆動エネルギーの供給を受けて駆動される手持ち診療機器と、
前記本体側コネクタに着脱され前記本体から駆動エネルギーの供給を受ける着脱体と、
一端が手持ち診療機器に接続され、他端が前記前記着脱体に接続され、前記着脱体から前記手持ち診療機器へ駆動エネルギーを伝達する伝達路を備える可撓チューブと、
を備え、
前記着脱体は、
前記本体側コネクタに嵌合されるインスツルメント側コネクタと、
前記本体側コネクタの各々に対応して前記本体に設けられた情報源から得た情報から接続された前記本体側コネクタを識別し、識別結果の情報を前記本体に送信するインスツルメント側電子回路と、
を備える診療用インスツルメント。
【請求項2】
前記インスツルメント側電子回路が、さらに、前記診療用インスツルメントを識別する情報を前記本体に送信する請求項1の診療用インスツルメント。
【請求項3】
駆動エネルギーの全部又は一部が電力により供給され、
前記インスツルメント側電子回路が、さらに、前記手持ち診療機器の駆動電圧の情報を前記本体に送信する請求項1又は請求項2の診療用インスツルメント。
【請求項4】
駆動エネルギーの全部又は一部が流体流により供給され、
前記インスツルメント側電子回路が、さらに、前記手持ち診療機器の駆動流量の情報を前記本体に送信する請求項1又は請求項2の診療用インスツルメント。
【請求項5】
前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の抵抗値を有する電気抵抗であり、
前記インスツルメント側電子回路が、前記電気抵抗の抵抗値から接続された前記本体側コネクタを識別する請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメント。
【請求項6】
前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の識別符号を送信する送信回路であり、
前記インスツルメント側電子回路が、前記送信回路が送信した識別符号から接続された前記本体側コネクタを識別する請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメント。
【請求項7】
前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の識別符号を有する素子であり、
前記インスツルメント側電子回路が、前記素子が有する識別符号を読み取ることで接続された前記本体側コネクタを識別する請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメント。
【請求項8】
前記情報源が前記本体側コネクタの各々に固有の通電端子間の結線であり、
前記インスツルメント側電子回路が、前記結線による通電状態から接続された前記本体側コネクタを識別する請求項1ないし請求項4のいずれかの診療用インスツルメント。
【請求項9】
駆動エネルギーの全部又は一部が電力によって供給され
前記インスツルメント側電子回路が前記手持ち診療機器の駆動を制御する請求項1ないし請求項8のいずれかの診療用インスツルメント。
【請求項10】
複数の本体側コネクタを備える本体と、
請求項1ないし請求項9のいずれかの診療用インスツルメントと、
を備え、
前記本体は、
前記インスツルメント側電子回路が送信した情報を受信する本体側電子回路と、
前記本体側電子回路が受信した情報に基づいて駆動エネルギーの供給を制御する制御機構と、
を備える診療ユニット。
【請求項11】
駆動エネルギーの全部又は一部が電力により供給され、
前記本体側電子回路は、前記診療用インスツルメントへ供給する電圧を調整する請求項10の診療ユニット。
【請求項12】
駆動エネルギーの全部又は一部が流体流により供給され、
前記本体は、
前記診療用インスツルメントへ供給する流体流の流量を調整する調整機構、
をさらに備える請求項10の診療ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate