説明

証券発注システムおよびプログラム

【課題】
証券発注システムにおいて社内処理用項目のコード体系を可変的に設定する機能を提供する。また、その行為自体が容易であるユーザインタフェースを提供する。
【解決手段】
本発明の実施形態によれば、複数のフィールドに分けられるコード体系を設定するための情報処理システムにおいて、各フィールドについて、固定部か可変部かの選択、開始位置および文字数の各設定内容を記憶する。各フィールドについて、固定部か可変部かを選択するボタンと、入力用のテキストボックスと、終了位置を決定するトラックバーと、開始位置及び文字数を表示する表示部とを有する画面上のユーザインタフェースを有する。トラックバーにより決定されるフィールドの終了位置に連動して、その直後のフィールドの開始位置をその終了位置の直後に再設定するとともに、そのフィールドおよびその直後のフィールドのテキストボックス、開始位置及び文字数を画面に再表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、証券発注システム等における、コード体系を設定するユーザインタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
証券会社等により用いられている従来の証券発注システムでは、社内処理用項目は手入力または単純なコード体系に基づく固定部(文字列)+可変部(通番)で採番されていた。
【0003】
例えば、固定部、可変部はそれぞれ1箇所となっており、開始位置と文字数で設定しているというコード体系がある。設定のためのGUIとしては、スライダーやポインタといったものが用いられる。なお、発番は、可変部において自動的に連番で行っている。
【0004】
このような体系の場合、他社システムと混在するような環境での運用が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−345056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
証券発注システムにおいて社内処理用項目のコード体系を可変的に設定する機能を提供する。また、その行為自体が容易であるユーザインタフェースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、複数のフィールドに分けられるコード体系を設定するための情報処理システムにおいて、各フィールドについて、固定部か可変部かの選択、開始位置および文字数の各設定内容を記憶する。各フィールドについて、固定部か可変部かを選択するボタンと、入力用のテキストボックスと、終了位置を決定するトラックバーと、開始位置及び文字数を表示する表示部とを有する画面上のユーザインタフェースを有する。トラックバーにより決定されるフィールドの終了位置に連動して、その直後のフィールドの開始位置をその終了位置の直後に再設定するとともに、そのフィールドおよびその直後のフィールドのテキストボックス、開始位置及び文字数を画面に再表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る証券発注システムの全体図。
【図2】本発明の実施形態に係る社内処理用項目コード体系設定画面の画像図。
【図3】本発明の実施形態に係る処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る証券発注システムの全体図である。
【0011】
証券発注システム100は、コンピュータにより構成され、発注アプリケーション101等のプログラムをメモリにロードし、CPUにおいて実行する。社内処理用項目コード体系設定画面102は、証券発注システムのGUIの1つであり、発注アプリケーション101に付随する一画面として、表示装置に表示される。
【0012】
ユーザは、社内処理用項目コード体系設定画面102を参照しながらGUIを操作する。発注アプリケーション101は、その操作に基づいて社内処理用項目コード体系を設定し、このコード体系に基づく社内処理用コードを、注文電文の一部として取引所103のシステムに通信装置を介して送信する。なお、メモリ、CPU、表示装置、通信装置等は、コンピュータが通常備えるものであり、図示を省略する。
【0013】
図2は、本発明の実施形態に係る社内処理用項目コード体系設定画面の画像図である。
【0014】
この画面102では社内処理用項目コードを最大で4つのフィールドに分ける。順に第1のフィールドa、第2のフィールドb、第3のフィールドc、第4のフィールドdと称する。それぞれのフィールドに対して固定部(文字列)とするか可変部(通番)とするかの決定、フィールドの長さの決定、固定部の場合はその文字列の決定を可能とする。また、発注アプリケーション101では1注文毎に社内処理用項目コードの可変部を加算しながら発注する。
【0015】
社内処理用項目コード体系設定画面102は次の部品で構成される。出力結果201、固定/可変ラジオボタン202a、202b、202c、202d、フィールドテキストボックス203a、203b、203c、203d、トラックバー204a、204b、204c、204d、開始位置205a、205b、205c、205d、文字数206a、206b、206c、206d、OK/閉じる/適用ボタン207である。
【0016】
ここで、202〜206は、4つのフィールドa、b、c、dごとに設けられるので、それぞれ4個ずつである。
【0017】
図3は、本発明の実施形態に係る処理のフローチャートである。
【0018】
開始時は、各フィールドについて、固定部か可変部かの選択、開始位置および文字数の各設定内容の初期値がメモリに記憶されており、その内容に基づいて画面102が表示されているものとする。
【0019】
ユーザが、まず固定/可変ラジオボタンでフィールドの固定/可変を選択し(S301)、トラックバー204を操作することで終了位置(これに連動して直後のフィールドの開始位置に相当)と文字数を決定する(S302)。
【0020】
ここで、フィールドの終了位置が決定されると、これに連動して、すなわち、その直後の位置に、直後のフィールドの開始位置が決定される。また、フィールドの文字数は、フィールドの開始位置を基点として、トラックバーにより決定される終了位置までの文字数となる。なお、決定された値はフィールドごとに関連付けてメモリに記憶する。
【0021】
固定/可変ラジオボタンで固定を選択した場合は(S303:YES)、フィールドテキストボックスに文字列を設定する(S304)。例えば図2において、第1のフィールドaについては、ラジオボタン202aはユーザにより固定が選択されており、フィールドテキストボックス203aにはユーザが「ABCD」と入力した文字列を設定している。また、第3のフィールドcについては、ラジオボタン202cはユーザにより固定が選択されており、フィールドテキストボックス203cにはユーザが「XYZ」と入力した文字列を設定している。
【0022】
固定/可変ラジオボタン202で可変を選択した場合は(S303:NO)、自動的に0埋めの文字列を設定する(S305)。例えば図2において、第2のフィールドbについては、ラジオボタン202bはユーザにより可変が選択されており、フィールドテキストボックス203bには自動的に「0000000」なる埋め文字列を設定している。また、第4のフィールドdについては、ラジオボタン202dはユーザにより可変が選択されており、フィールドテキストボックス203dには自動的に「000000」なる埋め文字列を設定している。
【0023】
なお、設定した文字列はフィールドごとに関連付けてメモリに記憶する。また、各フィールドについて設定および記憶した内容は、各フィールドを順次統合して出力結果201に反映する。図2の出力結果201は、「ABCD0000000XYZ000000」としている。
【0024】
ユーザによる設定が完了したらOKまたは適用ボタンを押すと(S306:YES)、出力結果201の妥当性がチェックされた後、発注アプリケーション101に出力結果201が渡されて終了となる。そうでない場合は(S306:NO)、引き続きユーザからの入力待ちとなる。
【0025】
フィールドテキストボックスと、その開始位置(表示位置)および文字数(サイズ)は、直前のフィールドのトラックバーの操作に連動して表示される。
【0026】
すなわち、トラックバーにより決定されるフィールドの終了位置に連動して、その直後のフィールドの開始位置を前記終了位置の直後に再設定するとともに、そのフィールドおよびその直後のフィールドのテキストボックス、開始位置及び文字数を画面に再表示する処理を行う。
【0027】
例えば、図2において、第2のフィールドbに係るフィールドテキストボックス203bについては、表示位置(開始位置205b)は4であり、サイズ(文字数206b)は7であると設定されており、トラックバー204bは、フィールドテキストボックス203bの先頭から11文字目(開始位置205b+文字数206b、すなわち4+7=11と計算)の位置に表示されている。
【0028】
そして、これらの内容は、直前のフィールドである第1のフィールドaのトラックバー204aの操作に連動して自動的に再設定・再表示される。
【0029】
例えば、もし、第1のフィールドaのサイズを縮小するために、トラックバー204aが操作されて先頭方向(左方向)に2文字分動かされた場合は、その操作に連動して、その直後のフィールドである第2のフィールドbのフィールドテキストボックス203bの表示位置(開始位置205b)は先頭方向に2文字分動いて2に再設定・再表示し、サイズ(文字数206b)は2拡大して9に再設定・再表示する。なお、トラックバー204bの位置は動かず先頭から11文字目のままである。
【0030】
逆に、もし、第1のフィールドaのサイズを拡大するために、トラックバー204aが操作されて末尾方向(右方向)に2文字分動かされた場合は、その操作に連動して、その直後のフィールドである第2のフィールドbのフィールドテキストボックス203bの表示位置(開始位置205b)は末尾方向に2文字分動いて6に再設定・再表示し、サイズ(文字数206b)は2縮小して5に再設定・再表示する。なお、トラックバー204bの位置は動かず先頭から11文字目のままとする。
【0031】
上述したように、本実施形態によれば、フィールドテキストボックスと、その開始位置(表示位置)および文字数(サイズ)が、直前のフィールドのトラックバーの操作に連動して表示されるため、視覚的に理解が容易であり、作業効率が高い。また、固定部/可変部を4つのフィールドに自由に設定できるので、他社アプリケーションが稼働中の環境での運用が可能となる。
【0032】
例えば、他社アプリケーションとコード体系を合わせたり、重ならないように設定したりといった運用が可能となる。また、問合せ端末に応用することができる。また、一般的に開示されたコード体系で運用されるシステムに転用可能である。
【符号の説明】
【0033】
出力結果201、固定/可変ラジオボタン202、フィールドテキストボックス203、トラックバー204、開始位置205、文字数206、OK/閉じる/適用ボタン207

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィールドに分けられるコード体系を設定するための情報処理システムであって、
前記各フィールドについて、固定部か可変部かの選択、開始位置および文字数の各設定内容を記憶する記憶装置と、
前記各フィールドについて、固定部か可変部かを選択するボタンと、入力用のテキストボックスと、終了位置を決定するトラックバーと、開始位置及び文字数を表示する表示部とを有する画面上のユーザインタフェースの入出力処理と、
前記トラックバーにより決定されるフィールドの終了位置に連動して、その直後のフィールドの開始位置を前記終了位置の直後に再設定するとともに、当該フィールドおよびその直後のフィールドのテキストボックス、開始位置及び文字数を画面に再表示する処理とを実行する処理装置とを備える情報処理システム。
【請求項2】
複数のフィールドに分けられるコード体系を設定するためのコンピュータのプログラムであって、
前記コンピュータは、前記各フィールドについて、固定部か可変部かの選択、開始位置および文字数の各設定内容を記憶する記憶装置を有し、
前記コンピュータに、
前記各フィールドについて、固定部か可変部かを選択するボタンと、入力用のテキストボックスと、終了位置を決定するトラックバーと、開始位置及び文字数を表示する表示部とを有する画面上のユーザインタフェースの入出力処理と、
前記トラックバーにより決定されるフィールドの終了位置に連動して、その直後のフィールドの開始位置を前記終了位置の直後に再設定するとともに、当該フィールドおよびその直後のフィールドのテキストボックス、開始位置及び文字数を画面に再表示する処理とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−248781(P2011−248781A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123517(P2010−123517)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】